説明

入力装置

【課題】 特に、画面表示イメージと反力マップの各コンポーネント配置を異ならせて、操作性を従来よりも向上させた入力装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の入力装置は、画面に表示された複数の入力コンポーネントに対応する複数の反力コンポーネントを備えた反力マップ29を作成するための反力マップ作成手段27と、操作体24による各入力コンポーネントの選択操作に伴い、前記反力マップ29上の前記反力コンポーネントが選択されたときに前記操作体24に反力を伝える反力伝達手段26と、を有し、前記反力マップ作成手段27では、画面表示イメージ28を前記反力マップ29に変換するときに、前記反力マップ29上の各反力コンポーネントを、前記画面表示イメージ28上のコンポーネント配置と異なるように再配置することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面表示上に配置された複数の入力コンポーネントを選択操作したときに、操作体に反力を伝えることが可能な入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばカーナビゲーション装置において、画面に表示された各入力コンポーネントを遠隔操作により選択操作し、このとき、操作側に触覚フィールドデバイスを用いることで、前記入力コンポーネントを選択したとき操作体を介して指に反力を伝える構成が知られている。
【0003】
図11(a)は画面表示イメージを、図11(b)は、従来における反力マップを夫々、模式図的に示したものである。
【0004】
図11(a)に示す画面表示イメージ1は、画面表示デバイスに表示される画面を示しており、図11(a)に示すように複数の入力コンポーネント2〜5が配置されている。
【0005】
図11(b)に示すように従来の反力マップ6に配置された反力コンポーネント7〜10は、図11(a)に示す画面表示イメージ1の各入力コンポーネント2〜5と同一配置とされている。
【0006】
触覚フィールドデバイスによる操作体の操作により例えば画面上の入力コンポーネント2が選択され、反力マップ6上では前記入力コンポーネント2に対応する反力コンポーネント7が選択されたときに、触覚フィードバックデバイスの操作体を介して指に反力が伝わり、よって前記入力コンポーネント2が選択されたことを特に画面を見なくても判断することができる。
【0007】
以下、図11(b)に示す反力マップ6における問題点を説明する。
図11(a)に示すように、今、画面表示イメージ1上のポインタ11が画面右下付近に位置しているとする。一方、反力マップ6の絶対座標マップ上にも、前記ポインタ11と同一座標にポインタ12が位置している。操作体の操作によりポインタ11を画面上方に移動させると、同じように反力マップ6のポインタ12も移動する。
【0008】
図11(a)に示すように、今、ポインタ11が画面右下付近に位置していると、入力コンポーネント2〜5を選択するためにはポインタ11を画面上方に所定距離だけ操作移動させないといけないため、操作が煩雑になり、また入力コンポーネント2〜5を選択するのに時間がかかり、操作者の注意がポインタ操作に移ってしまうといった問題があった。
【0009】
このため、例えば、ポインタ11の現在位置から最も近い入力コンポーネント5を最初にフォーカスするように制御すると、ポインタ操作を楽にできる。
【0010】
しかしながら、画面上、入力コンポーネント5をフォーカスしても、図6(b)の反力マップ6の絶対座標マップ上では、ポインタ12が依然としてマップ右下付近に位置したままであり、その後の各入力コンポーネント2〜5を選択操作するポインタ操作によっても反力マップ6上ではポインタ12が反力コンポーネント7〜10の領域とは別の領域を移動しており、したがって入力コンポーネントをフォーカスしているにもかかわらず反力が生じない問題があった。あるいは、反力発生タイミングが入力コンポーネントのフォーカスタイミングに対してずれる等の不具合が生じた。
【0011】
下記特許文献1には、ポインタを移動させる経路における煩雑な引き込みを制御するための入力制御装置に関する発明が開示されている。
【0012】
しかしながら特許文献1は、図11に示した画面表示イメージ1と反力マップ2との各コンポーネント配置が同一であることの問題点について何ら考慮がなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−176426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、画面表示イメージと反力マップの各コンポーネント配置を異ならせて、操作性を従来よりも向上させた入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明における入力装置は、
画面に表示された複数の入力コンポーネントに対応する複数の反力コンポーネントを備えた反力マップを作成するための反力マップ作成手段と、
操作体による各入力コンポーネントの選択操作に伴い、前記反力マップ上の前記反力コンポーネントが選択されたときに前記操作体に反力を伝える反力伝達手段と、を有し、
前記反力マップ作成手段では、画面表示イメージを前記反力マップに変換するときに、前記反力マップ上の各反力コンポーネントを、前記画面表示イメージ上のコンポーネント配置と異なるように再配置することを特徴とするものである。
【0016】
このように本発明では画面表示と反力マップとの各コンポーネント配置を異ならせた。これにより、従来のように、画面表示上の入力コンポーネントを選択しても反力が生じないといった不具合が生じず、操作性に優れた入力装置にできる。
【0017】
本発明では、前記各反力コンポーネントのマップ占有率を、前記各入力コンポーネントの画面占有率に比べて大きくできる。このとき、前記各反力コンポーネントを前記反力マップのほぼ全域を占めるように再配置できる。
【0018】
また本発明では、前記反力マップ上の前記各反力コンポーネントは、前記操作体の操作により絶対座標マップ上を移動するポインタの現在位置を基準に再配置されることが好適である。このとき、前記反力コンポーネントを、前記ポインタの現在位置近辺に配置させることができる。
【0019】
また本発明では、前記各反力コンポーネントを、前記反力マップ内の限定した領域内にて再配置することができる。
【0020】
また本発明では、前記反力コンポーネントを、前記反力コンポーネントに対応する前記入力コンポーネントに対し異なる外形形状にて作成することができる。
【0021】
また本発明では、前記各反力コンポーネント同士を、前記各入力コンポーネント間よりも詰めて配置することができる。
【0022】
また本発明では、前記画面上における非表示の第1ポインタの現在位置から離れた位置にあるいずれかの入力コンポーネントを最初にフォーカスするように制御されており、前記反力マップでは、絶対座標マップ上にて前記第1ポインタの前記現在位置と略同一座標に第2ポインタが位置しており、
フォーカスされた前記入力コンポーネントと対応する前記反力コンポーネントが前記第2ポインタに重なるように、前記各反力コンポーネントを再配置することが好適である。このとき、最初にフォーカスされる前記入力コンポーネントは、前記第1ポインタの現在位置から最も近い場所にある前記入力コンポーネントであることが好ましい。
【0023】
また本発明では、前記反力マップ作成手段では、前記画面表示イメージを前記反力マップに変換する際、コンポーネント検索を画面縦方向、あるいは画面横方向に行い、その検索結果に基づいて前記各反力コンポーネントを前記反力マップ上に再配置することができる。
【0024】
上記において、前記縦方向あるいは前記横方向へのコンポーネント検索に基づいて、複数のグループを作り、各グループごとにコンポーネント配置を行うことができる。また、前記各グループごとにコンポーネント数に合わせて、均等に前記各反力コンポーネントを割り振ることが可能である。
【0025】
また前記各グループ間の中間位置を境界にしてコンポーネント配置を行うこともできる。
【0026】
また本発明では、画面表示デバイス、前記操作体及び反力伝達手段を備える触覚フィードバックデバイス、及び前記画面表示デバイスと触覚フィードバックデバイスとの間に接続され情報の送受信が可能な機器本体、を有し、
前記反力マップ作成手段が前記機器本体、あるいは前記触覚フィードバックデバイスに設けられる構成にできる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の入力装置によれば、画面表示イメージと反力マップの各コンポーネント配置を異ならせることで、従来に比べて操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本実施形態における入力装置の構成図であり、特に反力マップ作成手段が機器本体(カーナビ本体)内に設けられた第1実施形態である。
【図2】図2は、本実施形態における入力装置の構成図であり、特に反力マップ作成手段が触覚フィードバックデバイス内に設けられた第2実施形態である。
【図3】図3(a)は、画面表示イメージ、図3(b)は、図3(a)の画面表示イメージに対する反力マップの一実施形態を示す模式図である。
【図4】図4(a)は、画面表示イメージ、図4(b)は図4(a)の画面表示イメージに対する反力マップの一実施形態を示す模式図である。
【図5】図5(a)は、画面表示イメージ、図5(b)は図5(a)の画面表示イメージに対する反力マップの一実施形態を示す模式図である。
【図6】図6(a)は、画面表示イメージ、図6(b)は図6(a)の画面表示イメージに対する反力マップの一実施形態を示す模式図である。
【図7】図7(a)は、画面表示イメージ、図7(b)は図7(a)の画面表示イメージに対する反力マップの一実施形態を示す模式図である。
【図8】図8(a)は、図7(a)と同じ画面表示イメージ、図8(b)は図7(b)に対し各反力コンポーネントの配置を変えた反力マップの一実施形態を示す模式図である。
【図9】図9(a)は、図3(a)と同様の画面表示イメージ、図9(b)は図9(a)の画面表示イメージに対する反力マップの一実施形態を示す模式図であり、図9(c)は、図5(a)と同様の画面表示イメージ、図9(d)は図9(c)の画面表示イメージに対する反力マップの一実施形態を示す模式図である。
【図10】図10(a)は、図3(a)と同様の画面表示イメージ、図9(b)(c)は、夫々、図9(a)の画面表示イメージに対する反力マップの一実施形態を示す模式図である。
【図11】図11(a)は、画面表示イメージ、図11(b)は、従来における反力マップを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本実施形態における入力装置の構成図(模式図)である。
図1はカーナビゲーション等の画面表示型入力装置のうち、代表例としてカーナビゲーション装置20を示している。カーナビゲーション装置20は、画面表示デバイス21、カーナビ本体(機器本体)22、及びカーナビ本体22に対して遠隔操作可能な触覚フィードバックデバイス23を有して構成される。カーナビ本体22は、画面表示デバイス21と触覚フィードバックデバイス23との間で情報の送受信を行う。
【0030】
図1に示すように、触覚フィードバックデバイス23は例えば車内のセンターコンソールに配置され、運転者が触覚フィードバックデバイス23の操作体24を操作できるように構成されている。操作体24は例えばジョイスティック型であるが、操作体24の構成は特に限定しない。操作体24では、十字操作、多方向操作、アナログ操作等が可能とされる。
【0031】
図1に示すように触覚フィードバックデバイス23には反力伝達手段26が設けられている。
【0032】
また図1に示す実施形態では、反力マップ作成手段27がカーナビ本体22に設けられている。すなわちカーナビ本体22にて、画面表示イメージ28を反力マップ29に変換している。
【0033】
あるいは図2に示す第2実施形態のように、反力マップ作成手段27が、触覚フィードバックデバイス23に設けられ、触覚フィードバックデバイス23にてカーナビ本体22から送信された画面表示イメージ28を反力マップ29に変換することも可能である。
【0034】
カーナビ本体22では、画像表示イメージ28を画面表示デバイス21で表示するように制御する。
【0035】
また触覚フィードバックデバイス23では、カーナビ本体22あるいは触覚フィードバックデバイス23にて作成された反力マップ29に基づいて、反力伝達手段26により操作体24に反力を伝達するように制御する。
【0036】
図3(a)は、画面表示イメージ30、図3(b)は、図3(a)の画面表示イメージ30に対する反力マップ31の一実施形態を示す模式図である。
【0037】
図3(a)に示すように画面表示イメージ30上には複数の入力コンポーネント32〜35が配置されている。この画面表示イメージ30が図1,図2に示す画面表示デバイス21に表示される。入力コンポーネント32には「−」、入力コンポーネント33には「戻る」、入力コンポーネント34には「+」、入力コンポーネント35には「完了」と画面上、表示されている。これらは画面表示デバイス21上でのボタン機能を表している。
【0038】
本実施形態では、図1,図2に示した反力マップ作成手段27により、図3(a)に示す画面表示イメージ30を図3(b)に示す反力マップ31に変換する。図3(b)に示すように、本実施形態では、反力マップ31上における各反力コンポーネント37〜40を、画面表示イメージ30上のコンポーネント配置と異なるように再配置した。なお、図3(b)に示すように、反力マップ31における各反力コンポーネント37〜40をボタン表示にしているが、これはイメージである。
【0039】
また画面表示イメージ30と反力マップ31とのマップサイズは縦(Y)横(X)比が略同一とされており、図3及び図3以降の各図では、画面表示イメージ30と反力マップ31とをほぼ同じマップサイズで表した。よって以下において、反力マップ31上の反力コンポーネント37〜40と、画面表示イメージ30上の入力コンポーネント32〜35の各大きさや、コンポーネント間の間隔の比較は、図面に示された絶対的な大きさによって評価したが、マップサイズが異なる場合には、マップ占有率(マップ内に占める面積比率や長さ比率)で評価される。
【0040】
図3(b)に示す反力コンポーネント37は、図3(a)に示す入力コンポーネント32に対応し、図3(b)に示す反力コンポーネント38は、図3(a)に示す入力コンポーネント33に対応し、図3(b)に示す反力コンポーネント39は、図3(a)に示す入力コンポーネント34に対応し、図3(b)に示す反力コンポーネント40は、図3(a)に示す入力コンポーネント35に対応している。
【0041】
図3(b)に示すように、各反力コンポーネント37〜40は、反力マップ31上のほぼ全域を占めるように、各反力コンポーネント37〜40を、各入力コンポーネント32〜35に比べて大きく形成するとともに縦横比を各入力コンポーネント32〜35とは変えて外形形状も異なるものとした。
【0042】
画面表示イメージ30を反力マップ31に変換する方法は様々あり、特に限定するものでないが、反力マップ作成手段27により、例えば、図3(a)に示す画面表示イメージ30に配置された各入力コンポーネント32〜35を縦方向(Y1−Y2)に検索して、あるいは、反力マップ作成手段27により、図3(a)の画面表示イメージ30から図11(b)で示した従来のコンポーネント配置が同一とされた反力マップ6を一旦作成したあと、前記反力マップ6に配置された各反力コンポーネントを縦方向(Y1−Y2)に検索して、複数の縦グループα,β,γに各コンポーネントを分ける。なお図3、及び後述の図7、図8、図9においても画面表示イメージ30を用いてグループ形成を説明する。図3の実施形態では、各縦グループα,β,γを反力マップ31の縦方向(Y1−Y2)の長さに対して均等に割り振るとともに、各縦グループα,β,γ内に配置されるコンポーネント数に合わせて、各縦グループα,β,γ内でコンポーネントを均等に割り振ることで、図3(b)に示す反力マップ31を作成することができる。
【0043】
今、図3(a)に示すように、第1ポインタ41が画面表示イメージ30上の略中央に位置しているとする。この第1ポインタ41は、画面表示デバイス21(図1,図2参照)上では例えば非表示である。このとき、図3(b)に示す反力マップ31の絶対座標マップ上においても第1ポインタ41と同じ座標位置に、すなわち反力マップ31の略中央に第2ポインタ42が位置している。
【0044】
図3(a)に示すように、画面表示イメージ30上では、第1ポインタ41がどの入力コンポーネント32〜35からも離れているが、例えば、カーナビ本体22にて第1ポインタ41の現在位置に最も近い第1入力コンポーネント32を最初にフォーカスするように制御される。そして操作体24を例えば十字操作し、入力コンポーネント32が最初にフォーカスされた状態から前記操作体24を右方向(X1)に操作すれば、画面上、入力コンポーネント32から入力コンポーネント34をフォーカスできる。このとき図3(b)に示すように反力マップ31上の第2ポインタ42は、入力コンポーネント32に対応する反力コンポーネント37上にあり、操作体24の操作に伴って第2ポインタ42が右方向(X1)に移動して、反力コンポーネント37から反力コンポーネント39を選択できる。また入力コンポーネント32が最初にフォーカスされた状態から操作体24をY1方向に操作すれば、画面上、入力コンポーネント32から入力コンポーネント33をフォーカスでき、このとき、反力マップ31の第2ポインタ42もY1方向に移動して、反力コンポーネント37から反力コンポーネント38を選択できる。また、入力コンポーネント32が最初にフォーカスされた状態から操作体24をY2方向に操作すれば、画面上、入力コンポーネント32から入力コンポーネント35をフォーカスでき、このとき、反力マップ31の第2ポインタ42もY2方向に移動して、反力コンポーネント37から反力コンポーネント40を選択できる。
【0045】
このように各入力コンポーネント32〜35がフォーカスされたときに、反力マップ31上でも各入力コンポーネント32〜35に対応する各反力コンポーネント38〜40が適切に選択されるため、入力コンポーネントのフォーカスに応じて、触覚フィードバックデバイス23では反力を発生させることができる。
【0046】
このように、本実施形態では、反力マップ31の各反力コンポーネント38〜40を画面表示イメージ30のコンポーネント配置と異なるように再配置したことで、従来のように、入力コンポーネント32〜35が選択されても反力が生じない等の不具合が生じるのを抑制でき、操作性に優れた入力装置に出来る。
【0047】
また図3(b)に示すように反力マップの各反力コンポーネント37〜40を再配置したことで、各反力コンポーネント間での節度感及び引き込み座標を意図通りに設計可能と考えられる。
【0048】
図4ないし図6の各図(a)は、画面表示イメージ、各図(b)は反力マップの一実施形態を示す模式図である。各図(a)に示す入力コンポーネントA〜Jは、各図(b)に示す反力コンポーネントA〜Jに対応している。
【0049】
図3(b)と同様に、図4ないし図6の各図(b)に示す反力マップも、各反力コンポーネントA〜Jを、対応する各入力コンポーネントA〜Jよりも大きく形成して、ほぼマップ全面に各反力コンポーネントA〜Jを配置した。
【0050】
図6(a)では、画面中央付近に50音入力のコンポーネントがあり、コンポーネント列Kは、図6(b)の反力マップ上でもほぼ同じコンポーネント列Kを構成しているが、図6(a)に示す表示画面イメージ上のコンポーネント列Lには、コンポーネントのない空間L1があり、図6(b)の反力マップ上では前記空間L1を埋めるように、コンポーネント列Lを構成する各コンポーネントの大きさを、図6(a)の画面表示イメージよりやや横長に大きく形成している。
【0051】
図7(a)は、画面表示イメージ、図7(b)は図7(a)の画面表示イメージに対する反力マップの一実施形態を示す模式図であり、特に、画面表示イメージ50に配置された各入力コンポーネントA〜Jを縦方向(Y1−Y2)に検索し、その検索結果に基づいて、各反力コンポーネントA〜Jを再配置したものである。すなわち各入力コンポーネントA〜Jを縦方向に検索して、複数の縦グループα,β,γに各入力コンポーネントA〜Jを分ける。そして例えば各縦グループα,β,γを反力マップ51の縦方向(Y1−Y2)の長さに対して均等に割り振るとともに、各縦グループα,β,γ内に配置されるコンポーネント数に合わせて、各縦グループα,β,γ内の反力コンポーネントを横方向(X1−X2)に均等に割り振ることで、図7(b)に示す反力マップ51を作成することができる。
【0052】
ところで、今、画面上の第1ポインタ52が図7(a)に示す左上付近にあるとき、入力コンポーネントAに最初、フォーカスされる。図7(b)の反力マップ51上でも第2ポインタ49は入力コンポーネントAに対応する反力コンポーネントA上にある。
【0053】
この状態からY2方向にポインタ操作すると、操作者は、現在、フォーカスされている入力コンポーネントAから、最も近い入力コンポーネントGがフォーカスされると考えるが、反力マップ51上では第2ポインタ49がY2方向に移動すると、反力コンポーネントBが選択される。
【0054】
このように、画面表示イメージ50と反力マップ51との間に操作ギャップが生じて操作者に違和感を与えるような場合には、画面表示イメージから反力マップへの変換方法を変えることが必要である。
【0055】
すなわち図8(a)のように、例えば、各入力コンポーネントA〜Jを横方向(X1−X2)に検索して、複数の横グループa〜fに各入力コンポーネントA〜Jを分ける。そして各横グループa〜fを反力マップ53の横方向(X1−X2)の長さに対して均等に割り振るとともに、各横グループa〜f内に配置されるコンポーネント数に合わせて、各横グループa〜f内の反力コンポーネントを縦方向(Y1−Y2)に均等に割り振ることで、図8(b)に示す反力マップ55を作成することができる。
【0056】
これにより、画面上、第1ポインタ52に最も近い入力コンポーネントBがフォーカスされると、図8(b)に示すように反力マップ53上も入力コンポーネントBに対応する反力コンポーネントB上を選択した状態とされている。そして、操作者がY2方向にポインタ操作して、入力コンポーネントBから入力コンポーネントHがフォーカスされると、反力マップ55上でも第2ポインタ49がY2方向に移動して反力コンポーネントHを選択し、反力コンポーネントHの選択に基づく反力が発生するため、図7の構成よりも操作者が違和感を生じにくく操作性を向上させることができる。
【0057】
最適な反力マップの変換処理は、画面表示イメージ上における各入力コンポーネントのレイアウト、あるいはポインタ位置等により異なるので、最適な反力マップの変換処理を行うことが必要である。図7(b)、図8(b)の反力マップ51,55、あるいはそれ以外の反力マップを、コンポーネントのレイアウトやポインタ位置に合わせて、あるいは操作者によって切り換えることができるように制御してもよい。なお、上記した、画面レイアウトやポインタ位置等に基づく変換処理は、画面レイアウト情報を持つカーナビ本体側で行うことが好ましく、すなわち図1のように反力マップ生成手段27をカーナビ本体22で有することが好適である。
【0058】
上記では、いずれも各縦グループ及び横グループを反力マップ内で均等に割り振り、さらに各グループ内でもコンポーネント数に応じて均等に割り振っていたが、上記と異なるように各コンポーネントを割り振ることもできる。
【0059】
図9(a)では、各入力コンポーネントA〜Dを縦方向(Y1−Y2)に検索して、複数の縦グループf〜iに各入力コンポーネントA〜Dを分ける。ここで縦グループfと縦グループgとの中間位置j、及び縦グループgと縦グループiとの中間位置kを境界として、各反力コンポーネントA〜Dを配置する。すなわち図9(b)の反力マップ60の反力コンポーネントAと反力コンポーネントB,C間の境界lは、画面表示イメージ59における中間位置jと同ラインであり、反力マップ60の反力コンポーネントB,Cと反力コンポーネントD間の境界mは、画面表示イメージ59における中間位置kと同ラインに位置している。図9(a)に示すように縦グループgには2つの入力コンポーネントB,Cが配置されており、各入力コンポーネントB,Cの横方向(X1−X2)に対する中間位置nを境界として、反力マップ60上の各反力コンポーネントB,Cを配置する。
【0060】
図9(d)の反力マップ62の各反力コンポーネントA〜Jも図9(c)の画面表示イメージ61から上記、図9(a)(b)間の変換処理と同じように再配置されたものである。
【0061】
反力マップを作成する際に図3ないし図8のように各グループ及び各グループ内の反力コンポーネントを均等に割り振ったコンポーネント配置に比べて、図9のように各グループの中間位置を境界とし、グループ内における各反力コンポーネントの中間位置を境界として割り振ったコンポーネント配置のほうが操作性に優れる場合には図9の変換処理を採用し、あるいは図9の変換処理を含めた複数の変換処理を選択できるように制御する。
【0062】
図3ないし図9はいずれも反力マップのほぼ全域に各入力コンポーネントを形成したが、反力マップ上の限定した領域内にて、各反力コンポーネントを再配置することもできる。
【0063】
図10(a)は、図3(a)と同様の画面表示イメージ、図9(b)(c)は、夫々、図9(a)の画面表示イメージに対する反力マップの一実施形態を示す模式図である。
【0064】
図10(a)の画面表示イメージ70を図10(b)の反力マップ71に変換する際、この実施形態では、反力コンポーネントA〜Dの集団72を、図10(a)の画面表示イメージ70よりも図示Y2方向に移動させた構成となっている。図10(b)に示す反力コンポーネントA〜Dは、図10(a)の入力コンポーネントA〜Dと大きさや形状、各入力コンポーネントA〜D間の間隔が変っていないが、図10(a)から図10(b)のようにマップ上におけるコンポーネント群の移動も、各反力コンポーネントを、画面表示イメージ上のコンポーネント配置と異なるように再配置した一構成である。
【0065】
図10(a)に示すように、画面表示イメージ70の図示左下付近に第1ポインタ75が位置している。図10(b)の反力マップ71に変換するとき、マップ上にて第1ポインタ75と同座標位置にある第2ポインタ76の現在位置を基準にして、各反力コンポーネントA〜Dを再配置する。このとき、画面表示イメージ70にて第1ポインタ75に最も近い入力コンポーネントDを最初にフォーカスするように制御される場合、図10(b)に示すように、第2ポインタ76上に反力コンポーネントDが重なるように、各反力コンポーネントA〜Dの集団72を再配置する。
【0066】
これにより、画面上にて最初にフォーカスされた入力コンポーネントDから操作体を例えば十字操作して各入力コンポーネントA〜Cをフォーカスさせたとき、反力マップ71上の第2ポインタ73も操作体の操作に基づいて移動し、各反力コンポーネントA〜Cを選択できるので、各入力コンポーネントA〜Dのフォーカス時に適切に反力が生じるように構成できる。
【0067】
例えば図3では、反力マップ31における各反力コンポーネント37〜40は画面表示イメージ30上の各入力コンポーネント32〜35に比べて大きく形成され、反力マップ31のほぼ全域を占めている。このため図3(b)に示す反力マップ31上の第2ポインタ42を各反力コンポーネント37〜40上に移動させるのにある程度、操作距離が必要になり操作性がやや低下したり、あるいはポインタ移動制御を必要としてコスト高になるような場合には、図10(b)に示すように反力マップ71に占める各反力コンポーネントを限定した領域内に設けて操作性を向上させることもできる。
【0068】
また図10(c)の反力マップ74でも各反力コンポーネントA〜Dを反力マップ74内の限定した領域内に形成している。ただし図10(c)では、各反力コンポーネントA〜Dを画面表示イメージ70上の各入力コンポーネントA〜Dよりもやや大きく形成した。さらに画面表示イメージ70上の入力コンポーネントBと入力コンポーネントCとの間には空間Pが空いているが、応力マップ74上の反力コンポーネントBと反力コンポーネントCの間の隙間は空間Pよりも十分に小さくした。反力コンポーネントBと反力コンポーネントC間の隙間を埋めることで、反力コンポーネントBと反力コンポーネントC間でのポインタの移動距離が少なくて済み、反力コンポーネントBと反力コンポーネントCとが切り替わるときの反力を迅速に生じさせることが出来る。
【0069】
限定された領域内に反力マップを形成する場合は、全てのコンポーネントを取り囲む形で、壁上の反力を形成することも有効である。これにより、操作者が誤った方向に操作しても、反力が形成された領域からはみ出すことを防止できる。
【0070】
本実施形態における入力装置は、車載用に限定されるものでないが、操作者は画面表示デバイス21を見ずとも、操作体24を介して伝わる振動により、各入力コンポーネントが選択されたことを認識できるため、車載用として有効である。
【0071】
なお図2に示すように触覚フィードバックデバイス23が、反力伝達手段26とともに、反力マップ作成手段27を有する構成であるとき、本発明における「入力装置」の最小単位は、触覚フィードバックデバイス23である。また図1のように、反力マップ作成手段27が、カーナビ本体22にあるときは、触覚フィードバックデバイス23、カーナビ本体23及び画面表示デバイス21を含むカーナビゲーション装置20が本発明の「入力装置」に該当する。
【符号の説明】
【0072】
A〜J コンポーネント
20 カーナビゲーション装置
21 画面表示デバイス
22 カーナビ本体(機器本体)
23 触覚フィードバックデバイス
24 操作体
26 反力伝達手段
27 反力マップ作成手段
28、30、50、59、61、70 画面表示イメージ
29、31、51,53、55、60、71、74 反力マップ
32〜35 入力コンポーネント
37〜40 反力コンポーネント
41、52、75 第1ポインタ
42、49、73、76 第2ポインタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面に表示された複数の入力コンポーネントに対応する複数の反力コンポーネントを備えた反力マップを作成するための反力マップ作成手段と、
操作体による各入力コンポーネントの選択操作に伴い、前記反力マップ上の前記反力コンポーネントが選択されたときに前記操作体に反力を伝える反力伝達手段と、を有し、
前記反力マップ作成手段では、画面表示イメージを前記反力マップに変換するときに、前記反力マップ上の各反力コンポーネントを、前記画面表示イメージ上のコンポーネント配置と異なるように再配置することを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記各反力コンポーネントのマップ占有率を、前記各入力コンポーネントの画面占有率に比べて大きくする請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記各反力コンポーネントが前記反力マップのほぼ全域を占めるように再配置される請求項2記載の入力装置。
【請求項4】
前記反力マップ上の前記各反力コンポーネントは、前記操作体の操作により絶対座標マップ上を移動するポインタの現在位置を基準に再配置される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記反力コンポーネントを、前記ポインタの現在位置近辺に配置させる請求項4記載の入力装置。
【請求項6】
前記各反力コンポーネントを、前記反力マップ内の限定した領域内にて再配置する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項7】
前記反力コンポーネントを、前記反力コンポーネントに対応する前記入力コンポーネントに対し異なる外形形状にて作成する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項8】
前記各反力コンポーネント同士を、前記各入力コンポーネント間よりも詰めて配置する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項9】
前記画面上における非表示の第1ポインタの現在位置から離れた位置にあるいずれかの入力コンポーネントを最初にフォーカスするように制御されており、前記反力マップでは、絶対座標マップ上にて前記第1ポインタの前記現在位置と略同一座標に第2ポインタが位置しており、
フォーカスされた前記入力コンポーネントと対応する前記反力コンポーネントが前記第2ポインタに重なるように、前記各反力コンポーネントを再配置する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項10】
最初にフォーカスされる前記入力コンポーネントは、前記第1ポインタの現在位置から最も近い場所にある前記入力コンポーネントである請求項9記載の入力装置。
【請求項11】
前記反力マップ作成手段では、前記画面表示イメージを前記反力マップに変換する際、コンポーネント検索を画面縦方向、あるいは画面横方向に行い、その検索結果に基づいて前記各反力コンポーネントを前記反力マップ上に再配置する請求項1ないし10のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項12】
前記縦方向あるいは前記横方向へのコンポーネント検索に基づいて、複数のグループを作り、各グループごとにコンポーネント配置を行う請求項10記載の入力装置。
【請求項13】
前記各グループごとにコンポーネント数に合わせて、均等に前記各反力コンポーネントを割り振る請求項12記載の入力装置。
【請求項14】
前記各グループ間の中間位置を境界にしてコンポーネント配置を行う請求項11ないし13のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項15】
画面表示デバイス、前記操作体及び反力伝達手段を備える触覚フィードバックデバイス、及び前記画面表示デバイスと触覚フィードバックデバイスとの間にて情報の送受信を可能とする機器本体、を有し、
前記反力マップ作成手段が前記機器本体に設けられる請求項1ないし14のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項16】
画面表示デバイス、前記操作体及び反力伝達手段を備える触覚フィードバックデバイス、及び前記画面表示デバイスと触覚フィードバックデバイスとの間にて情報の送受信を可能とする機器本体、を有し、
前記反力マップ作成手段が前記触覚フィードバックデバイスに設けられる請求項1ないし15のいずれか1項に記載の入力装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−33415(P2013−33415A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169802(P2011−169802)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】