説明

入室認証システム

【課題】複数人認証を基本にしつつも、複数人認証を無視して単独で通行できる利用者を設定できるようにして利便性を向上するとともに、個人・部屋単位で入室方法を管理することが容易な入室認証システムの提供。
【解決手段】複数人認証機能を有する入室認証システムにおいて、部屋データには、入室可能条件として、入室に必要な人数を定める認証人数を設定でき、個人IDデータには、部屋へ入室する権限があるかどうかを示す入室権限と、部屋に設定された前記認証人数が複数人であった場合でも前記入室可能条件を無視して単独で入室可能な権限を示す単独入室特権とを設定できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部屋への入室時に認証操作を要する入室認証システムに関し、特に、入室時に複数人での認証を要する複数人認証機能を有する入室認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
部屋への入室の際に、認証操作を行って電気錠を解錠する入室認証システムにおいて、複数人で認証しないと入室が許可されない(電気錠が解錠しない)ように認証条件を変更できる入室認証システムが存在する。これにより、例えば、サーバ室や、重要書類が保管してある場所などで、必ず2人以上でないと入室できないようにして、不正行為などの抑止を行うことが可能となる。
【0003】
また、複数人認証機能の変形例として、複数人による認証が可能な入室認証システムにおいて、認証対象の部屋毎に入室可能条件を設定して、認証者が前記入室可能条件を満たさないと入室が許可されないものがある。
【0004】
例えば、特許文献1では、複数人認証機能の変形例として、個人の権限レベルを、役職に応じて1,2,4のレベル値を設定するとともに、部屋のしきい値を例えば4に設定し、入室可能条件を「認証者の権限レベル値の合計が、部屋のしきい値以上」としている。これにより、レベル4の人は場合は1人だけで、レベル2の人は2人で、レベル1の人は4人で入室できるようなシステムが記載されている。
【0005】
また、特許文献1では、前述した「認証者の権限レベル値の合計が、部屋のしきい値以上」という条件に代えて、入室可能条件に「レベル値4以上が1名以上」,「レベル値2以上が2名以上」という条件を設定し、何れかに該当すれば入室可能となるシステムが記載されている。この場合、さらに同伴可能なレベル値を追加することが可能なシステムが記載されている。
【0006】
また、特許文献2では、前述した複数人認証機能とは少し異なるが、複数人の認証を行うことが可能なシステムにおいて、利用者に管理者または一般の権限を与え、管理者であれば1人だけで、一般であれば、管理者と同伴でなければ認証が許可されないシステムが記載されている。この場合、一般の利用者のみでは何人集まっても認証は許可されないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−336364号公報
【特許文献2】特開2009−25945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
複数人認証機能を有する入室認証システムでは、入室可能な最低限の必要人数をコントロールすることが可能になる。しかしながら、必ず2人以上の入室が必要になってしまうため、例えば必要とされるセキュリティレベルがもう少し低くても良い場合に、例えばビル管理者や信用のおける者であっても単独で入室することができず、利便性が悪いという問題がある。
【0009】
ここで、特許文献1のシステムの場合、入室可能条件として「しきい値」を使った場合は、レベル値4の利用者はしきい値4の部屋に単独で通行が可能になるが、レベル値2、レベル値1の利用者の場合、2人や4人でないと入室できないため、人数のコントロールが難しく、必要以上の人数を求められる場合が出てきてしまい、利便性が悪くなるという問題がある。また、レベル値1のものが多数集まればレベル値2などの上位の権限を有する利用者がいなくても入室可能になってしまうため、例えば特許文献2のような管理者(例えばレベル値2に相当)がいないと入れないというシステムは実現できなくなってしまう。
【0010】
また、特許文献1の他のシステムの場合、入室可能条件として「レベル値4以上が1名以上」または「レベル値2以上が2名以上」という条件にすることで、上記問題に対処できるが、利用者に割り当てられている情報がレベル値のみなので、部屋の数が増えたり、利用者の人数が増えたり、レベル値の種類が増えたりした場合には、それぞれの整合性をとることが困難となり、管理が難しいという問題がある。
【0011】
例えば、しきい値が高い部屋があった場合、個人のレベルを部屋のしきい値以上となるよう、変更しなければならない。一部屋でも個人のレベルよりしきい値が高い部屋があると、全ての部屋に入室できる個人を登録できないことになる。例えば、ビルの管理人など、全ての部屋へ入室できる者を登録する場合、全ての部屋のしきい値を超えるように個人レベルを設定する必要がある。そのため、部屋のしきい値の設定を全て確認する作業が必要になったり、部屋のしきい値を下げる作業が生じてしまい、設定作業に手間がかかってしまう。そこで、第1の課題として、部屋毎の入室可能条件(しきい値やレベル値と人数の組み合わせ)に関わらず、部屋毎に「認証人数」を設定できるとともに、全ての部屋に入室可能な個人を設定できる機能が必要になる。
【0012】
また、特許文献1では、個人のレベルが低い者でも、部屋のしきい値を超えるだけの人数で認証すれば入室を許可している。人数が多ければ入室可能とする部屋ならば良いが、ある程度個人レベルが高い者が一緒でなければ入室できない部屋の場合、上記のような仕組みだと個人レベルの低い者だけで入室できてしまうためセキュリティ上、問題となる。また、ビル管理人など特定の利用者を除いて複数人の認証を必要としたい部屋でも、しきい値を越える個人は全て1人で入室可能となってしまう。
【0013】
以上のように、部屋へ入室可能かどうかをしきい値だけで判定した場合、どのエリアは1人認証で通行可能であり、どのエリアは複数人認証でなければ通行できないのか管理することができない。同様に、個人に対しても一つの個人レベルを設定するだけでは、どの人が全ての部屋に1人で入室できる人であり、どの人が複数人でなければ入室できない人なのかを管理することが困難になる。また、特許文献2の場合には、管理者が1人いればよいというだけなので、複数人を必要とすることを前提とはしていない。そこで、第2の課題として、例えば管理者など上位の権限を持つ利用者を特権レベルを有する利用者とし、部屋毎に「認証人数」と、「特権レベル条件」を設定でき、且つ個人毎に「特権レベルの有無または大きさ」と「複数人認証を必要とする部屋に1人で入室できる権限(単独入室特権)」を設定できるシステムを実現することが挙げられる。
【0014】
また、複数人認証機能を有する入室認証システムにおいて、「特権レベル条件」を設けた場合でも、部屋への入室者の量は、日付や時刻によって大きく変化する。また、部屋の中にいる在室者や部屋の外を通行する人の量も、日付・時刻によって変化する。そのため、第3の課題として、複数人認証で、部屋毎に特権レベル条件を設定できるだけでなく、日付・時刻によって特権レベル条件を変更したい場合がある。
【0015】
また、第4の課題として、複数人による認証を必要とする入室認証システムでは、入室可能条件を満たす者ならば誰でも通行できるものが一般的であり、見知らぬ者同士による認証でも入室許可が得られてしまう場合がある。これでは、複数人による認証を行っていても、セキュリティレベルを高く維持することができない。
【0016】
本発明の目的は、以上の課題のうち少なくとも1つを解決するため、部屋毎および個人毎に設定する項目を明確化して、部屋の入室可能条件のレベルや個人の権限を管理しやすい入室認証システムを構築することにある。また、日付または時刻に応じて入室可能条件を変更できる機能を設けることにより、部屋の用途に応じた運用を可能とし、且つセキュリティレベルを向上させた入室認証システムを構築することにある。また、複数人認証時に見知らぬ者同士ではなく、特定の個人の組み合わせで認証できる入室認証システムの実現にある。
【0017】
尚、上記した課題以外のその他の課題は、本願明細書全体の記載または図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の第1の入室認証システムでは、第1の課題を解決するために、例えば、部屋データには、入室可能条件として、入室に必要な人数を定める認証人数を設定でき、個人IDデータには、部屋へ入室する権限があるかどうかを示す入室権限と、部屋に設定された前記認証人数が複数人であった場合でも前記入室可能条件を無視して単独で入室可能な権限を示す単独入室特権とを設定できるようにした。
【0019】
本発明の第2の入室認証システムでは、第2の課題を解決するために、例えば、部屋データには、入室可能条件として、入室に必要な人数を定める認証人数と、入室に必要な前記特権レベルを有する人数、または、入室に必要な前記特権レベルの大きさと人数を定める特権レベル条件とを設定でき、個人IDデータには、部屋へ入室する権限があるかどうかを示す入室権限と、特権レベルの有無または大きさと、部屋に設定された前記認証人数が複数人であった場合でも前記入室可能条件を無視して単独で入室可能な権限を示す単独入室特権とを設定できるようにした。
【0020】
本発明の第3の入室認証システムでは、第3の課題を解決するために、例えば、個人IDデータには、部屋へ入室する権限があるかどうかを示す入室権限と、特権レベルの有無または大きさとを設定でき、部屋データには、入室可能条件として、入室に必要な人数を定める認証人数と、入室に必要な前記特権レベルを有する人数、または、入室に必要な前記特権レベルの大きさと人数を定める特権レベル条件を設定でき、部屋への入室の認証の際に、前記入室権限を有する人数が前記認証人数以上、かつ、前記特権レベル条件を満たしている場合に入室許可と判定するとともに、予め設定した日付または時刻によって前記特権レベル条件を変えることが可能なスケジュールデータを有するようにした。
【0021】
本発明の第4の入室認証システムでは、第4の課題を解決するために、例えば、部屋データには、入室可能条件として、入室に必要な人数を定める認証人数と、前記認証人数が複数人である場合に入室可能な個人IDの組み合わせを設定でき、個人IDデータには、部屋へ入室する権限があるかどうかを示す入室権限と、前記認証人数が複数人である場合に同時に認証可能な相手である複数の個人IDとを設定でき、認証した人物が特定の組み合わせの場合のみ入室可能とした。
【0022】
尚、上記した構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。また、上記した構成以外の本発明の構成の例は、本願明細書全体の記載または図面から明らかにされる。
【発明の効果】
【0023】
本発明による代表的な効果は、次の通りである。
【0024】
本発明の第1の入室認証システムによれば、個人に付与する権限を、「入室権限」,「単独入室特権」に分け、部屋毎に、「認証人数」を設定することにより、複数人認証を基本にしつつも、複数人認証を無視して単独で通行できる利用者を設定できるようにして利便性を向上できるとともに、個人・部屋単位で入室方法を管理することが容易になる。
【0025】
本発明の第2の入室認証システムによれば、個人に付与する権限を、「入室権限」,「特権レベル」,「単独入室特権」に分け、部屋毎に、「認証人数」,「特権レベル条件」を設定することにより、複数人認証を基本にしつつも、複数人認証を無視して単独で通行できる利用者を設定できるようにして利便性を向上できるとともに、レベルの低い複数人による入室を防ぐことができ、セキュリティレベルを一定に保ちつつ、個人・部屋単位で入室方法を管理することが容易になる。
【0026】
本発明の第3の入室認証システムによれば、複数人認証を必要とする入室認証システムにおいて、レベルの低い複数人による入室を防ぐことができ、入室可能条件のうちの特権レベル条件を日付または時刻によって変化させることにより、日付または時刻によって状況が変わる部屋での運用を行うことが可能になる。また、セキュリティレベルも向上させることができる。また、個人・部屋単位で入室方法を管理することが容易になる。
【0027】
本発明の第4の入室認証システムによれば、複数人認証を必要とする入室認証システムにおいて、部屋または個人に対して、一緒に認証可能な個人の組み合わせを設定することにより、複数人の認証を必要とする部屋へ入室または退室する際、必ず知っている者同士で認証操作が行えるようになる。その結果、成りすましによる入室を防ぐことが可能になり、セキュリティレベルを向上させることができる。また、個人・部屋単位で入室方法を管理することが容易になる。
【0028】
本発明のその他の効果については、明細書全体の記載から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施例1の入室認証システムの構成図である。
【図2】本発明の実施例1の個人IDデータテーブルの一例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例1の部屋データテーブルの一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例1の認証から電気錠解錠までの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例2の入室認証システムの構成図である。
【図6】本発明の実施例2の部屋データテーブルの一例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施例2のスケジュールデータテーブルの一例を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例3の個人IDデータテーブルの一例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施例3の部屋データテーブルの一例を示す説明図である。
【図10】本発明の実施例3の認証から電気錠解錠までの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。尚、各図および各実施例において、同一又は類似の構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
【実施例1】
【0031】
図1は、本発明の実施例1の入室認証システムの構成図である。図1では、部屋がROOM1〜ROOM5の5部屋ある場合を例に説明している。図1に示すように、本発明の入室認証システムは、入室時に認証操作を行った個人の個人IDを読み取る認証装置101と、認証装置101で読み取った個人IDに対して入室許可を判定する制御装置102と、制御装置102の入室許可判定結果が入室許可と判定された場合に解錠される電気錠103とを有している。認証装置101と制御装置102との間では、ネットワーク108を介して読み取った個人IDの通信を行う。
【0032】
制御装置102は、個人IDデータ105と部屋データ106とを持つ記憶部104と、認証装置101で読み取った個人IDに対して、記憶部104のデータと照合して入室許可判定を行う制御部107とを有している。
【0033】
図2は、本発明の実施例1の個人IDデータテーブルの一例を示す説明図である。個人IDデータ105には、それぞれの個人IDに対して、各部屋へ入室する権限があるかどうかを示す入室権限201と、特権レベル202の有無または大きさと、部屋に設定された認証人数301が複数人であった場合でも入室可能条件を無視して単独で入室可能な権限を示す単独入室特権203とを設定できるようになっている。尚、入室権限は、有りの場合は○、無しの場合は×で示してあるが、これに限られず、有りの場合は1、無しの場合は0で表すなど、適宜変更が可能である。また、特権レベル202は、例えば一般または管理者などの個人の権限の有無または大きさを示しており、有りの場合は1、無しの場合は0であらわしているが、これに限られず、0,1,2などの大きさであらわしても良い。また、部屋の用途として、特権レベル202を設定する必要がない場合は、特権レベル202の設定は省略しても良い。
【0034】
図3は、本発明の実施例1の部屋データテーブルの一例を示す説明図である。部屋データ106には、それぞれの部屋に対して、入室可能条件として、入室に必要な人数を定める認証人数301と、入室に必要な特権レベル202を有する人数、または、入室に必要な特権レベル202の大きさと人数を定める特権レベル条件302とを設定できるようになっている。この認証人数301を設定することで、1人認証なのか、複数人認証なのかを部屋ごとに変えることができる。尚、本実施例では2人認証の場合を例に説明しているが、3人以上であっても良い。また、部屋の用途として、特権レベル条件302を設定する必要がない場合は、特権レベル条件302の設定は省略しても良い。
【0035】
そして、特権レベル条件202を設定しない場合は、制御部107は、部屋への入室の認証の際に、入室権限を有する人数が認証人数301以上である場合に入室許可と判定するとともに、個人IDが単独入室特権203を有する場合には、部屋に設定された認証人数301が複数人であった場合でも入室可能条件を無視して単独で入室許可と判定する。これにより、複数人認証を基本にしつつも、複数人認証を無視して単独で通行できる利用者を設定できるようにして利便性を向上できるとともに、個人・部屋単位で入室方法を管理することが容易になる。
【0036】
また、特権レベル条件302を設定した場合は、制御部107は、部屋への入室の認証の際に、入室権限を有する人数が認証人数301以上、かつ、特権レベル条件302を満たしている場合に入室許可と判定するとともに、個人IDが単独入室特権203を有する場合には、部屋に設定された認証人数301が複数人であった場合でも入室可能条件を無視して単独で入室許可と判定する。これにより、複数人認証を基本にしつつも、複数人認証を無視して単独で通行できる利用者を設定できるようにして利便性を向上できるとともに、レベルの低い複数人による入室を防ぐことができ、セキュリティレベルを一定に保ちつつ、個人・部屋単位で入室方法を管理することが容易になる。
【0037】
図4は、本発明の実施例1の認証から電気錠解錠までの処理手順を示すフローチャートである。まず、初期設定としてN=1とし、N人目(1人目)が認証操作を行う(ステップS401)。認証操作とは、認証装置101がICカードリーダであれば、カードをかざす操作であり、認証装置101が生体認証装置であれば、生体情報を読み取らせる所定の操作となる。認証装置101は、認証操作が行われると、個人IDを取得する(ステップS402)。
【0038】
制御装置102の制御部107は、認証装置101から得られた個人IDと記憶部104にある個人IDデータ105とを照合して、当該個人IDが当該部屋へ入室可能かどうか判定する処理を行う。制御部107はまず、取得した個人IDに、認証操作した部屋への入室権限201があるか確認する(ステップS403)。入室権限201がなければ、判定処理を終了して電気錠103を解錠しない。例えば、図2の個人ID001が部屋No.5の認証装置101に対して認証操作を行った場合、個人ID001は部屋No.5への入室権限201がないため、電気錠103が解錠しないこととなる。ステップS403で入室権限201があると判定された場合、当該部屋の部屋データ106の入室可能条件のうち、認証人数301に従って、当該部屋が1人認証か複数人認証かを判断する(ステップS404)。当該部屋が1人認証の場合は、認証する人数は1人だけでよいので、入室許可が得られ、制御部107は電気錠103へ解錠信号を発信し(ステップS412)、電気錠が解錠する(ステップS413)。つまり、認証条件が1人認証となっている部屋に対しては、当該部屋への入室権限があるかどうかだけを確認するだけでよく、個人に対して特権レベル202を設定したり、部屋に対して特権レベル条件302を設定したりするなどの余計な設定が必要なくなる。尚、これに限られず、必要があれば、1人認証でも特権レベル条件302を設定できるようにしても良い。
【0039】
ステップS404で、部屋の認証人数301が複数人認証(ここでは例として、複数人認証=2人認証と定める)であった場合、続いて制御部107は、認証した個人IDの単独入室特権203の有無を確認する(ステップS405)。単独入室特権203がある場合、電気錠103へ解錠信号を発信し(ステップS412)、電気錠が解錠する(ステップS413)。したがって、単独入室特権203がある個人IDは、複数人認証を対象とする部屋に対して入室権限201さえ持っていれば、部屋の入室可能条件に無関係で入室許可が得られることになる。これにより、全ての部屋に単独で通行可能な管理人などを設定する際には、特許文献1のように部屋の入室可能条件を満たすように個人のレベル値や部屋のしきい値を調整して設定する必要性がなくなり、個人・部屋単位で入室方法を管理することが容易になる。
【0040】
ステップS405で、単独入室特権203が無い個人IDであった場合、制御部107は、続いて入室可能条件のうち特権レベル条件302の判定を行う(ステップS406)。特権レベル条件判定処理では、記憶部104の部屋データ106の特権レベル条件302と個人IDの特権レベル202とを比較して、当該個人IDは特権レベル条件302を満たすかどうかを判定する。
【0041】
このときの判定式を以下に示す。尚、ここでは、特権レベル1の人数が設定されている場合を例に示しているが、それ以外の条件の場合は適宜判定式を変更する。
認証に必要な人数(認証人数301):M
Mのうち特権レベル1の必要人数:T1 (T1≦M)
現在の認証人数(何人目か):N
認証済みのうち、特権レベル1の人数:T2 (T2≦N)
残りの認証者:L=M−N
残りの認証者のうち、特権レベル1の必要人数:T3=T1−T2
としたとき、
T3=0ならば、次のステップへ
(特権レベル条件(特権レベル1の人数)を満たしているため。)
T3≦Lならば、次のステップへ
(残りの認証者が特権レベル1であれば、特権レベル条件を満たす可能性があるため。)
T3>Lならば、入室不許可として、処理を終了。
(残りの認証者が全て特権レベル1であっても、特権レベル条件を満たさないため、処理を終了する。)
上記判定を行い、条件を満たしていれば、制御部107は2人目の認証者の個人ID取得待ち状態となる。例えば、図2の個人ID001は、部屋No.2の特権レベル条件無し(特権レベル0が1人以上、特権レベル1が0人以上)という特権レベル条件302を満たすため、2人目の認証操作待ち状態となる。部屋No.3(特権レベル1が1人以上)についても、個人ID001自体は、特権レベル1ではないが、2人目の認証者の特権レベルが1であれば特権レベル条件302を満たすため、これも2人目の認証待ち状態となる。しかし、部屋No.5(特権レベル1が2人)については、認証者2人とも特権レベルが1である必要があるため、1人目(個人ID001)の認証操作を行った時点で、特権レベル条件302を満たさないことが分かる。この場合は、2人目の認証を行う前に、入室不許可として電気錠103を解錠せずに処理を終了する。
【0042】
ステップS406で1人目が入室可能条件を満たした場合、N=N+1としたあと、N人目(2人目)が認証操作を行う(ステップS407)。認証操作が行われると認証装置101は、2人目の個人IDを取得する(ステップS408)。制御部107は、1人目と同様に、取得した2人目の個人IDに、認証操作した部屋への入室権限201があるかを確認する(ステップS409)。入室権限201が無ければ、判定処理を終了して、電気錠を解錠しない。入室権限201がある場合は、次に、1人目と2人目の特権レベル202から、特権レベル条件判定を満たすかどうかを判定する(ステップS410)。判定式は上記判定式と同様である。
【0043】
特権レベル条件302を満たさない場合、入室不許可として、電気錠103を解錠せずに処理を終了する。特権レベル条件302を満たした場合、次に認証した人数が必要とされる認証人数301に達したかどうかを判定(ステップS411)する。そして、必要人数に達していない場合はN=N+1としたあと、次の人(N人目)の認証操作に移る(ステップS407)。認証した人数が必要とされる認証人数301に達した場合は、電気錠103を解錠する信号を発信し(ステップS412)、電気錠103が解錠する(ステップS413)。
【0044】
例えば、図3の部屋No.4に対して、1人目が図2の個人ID001の場合、2人目の認証者によって、入室許可/不許可が変化する。2人目が個人ID002であった場合、部屋No.4の入室権限201がないため、2人とも入室不許可となる。2人目が個人ID003であった場合、個人ID001も003も共に特権レベル202が0であり、特権レベル条件302の「特権レベル1が1人以上」を満たさないため、これも入室不許可となる。2人目が個人ID004であった場合は、特権レベル202を満たすため、入室可能となり、電気錠103が解錠することとなる。
【0045】
尚、この図4で示したフローの場合は、単独入室特権203の有無を判定する箇所は1人目のみ(ステップS405)となっているが、2人目以降でもこのような判定を加えるようにしても良い。この場合、例えばステップS409とステップS410との間に設ければよい。これにより、例えば部屋No.4に対して、1人目が個人ID001で、2人目が個人ID003であった場合でも、認証人数301や特権レベル条件302を無視して通行することが可能となる。
【0046】
このように、個人に対して特権レベル202を設定し、複数人認証を必要とする部屋に対して特権レベル条件302を設定することにより、部屋のセキュリティレベルを任意に設定することが可能になる。特権レベル202と特権レベル条件302の設定例としては、まず、ある役職以上の者に対して特権レベル202を高くし、通常の職位の者に対して特権レベル202を低く設定する。次に、複数人認証の部屋に対して、セキュリティレベルを低く設定する部屋には、「特権レベルが低い者同士で入室可能」(図3の部屋No.2)にして、セキュリティレベルを高く設定したい部屋に対しては、「特権レベルが高い者が1人以上いたら入室可能」(図3の部屋No.3,4)あるいは「2人とも高い者のみ入室可能」(図3の部屋No.5)に設定する。上記のように設定することで、部屋のセキュリティレベルを3段階に振り分けることができる。
【0047】
また、個人の特権レベルを0,1だけでなく、3段階以上に設定可能とすれば、部屋毎に設定する入室可能条件のパターンも増加し、セキュリティレベルを細分化することが可能になる。
【実施例2】
【0048】
図5は、本発明の実施例2の入室認証システムの構成図である。本発明の実施例2では、複数人認証を必要とする入室認証システムにおいて、部屋毎に特権レベル条件を設定することができ、さらに、特権レベル条件を日付または時刻によって自動で変更することができる機能を有する。このために、図5において、図1と異なる点は、記憶部104は、予め設定した日付または時刻によって特権レベル条件302を変えることが可能なスケジュールデータ501を有する点である。尚、個人IDデータ105については、単独入室特権203を設定可能としても良いし、省略しても良い。
【0049】
図6は、本発明の実施例2の部屋データテーブルの一例を示す説明図である。実施例1と異なる点は、特権レベル条件302の設定を、スケジュールNo.で設定する点である。
【0050】
図7は、本発明の実施例2のスケジュールデータテーブルの一例を示す説明図である。
スケジュールデータ501は、例えば時間帯毎に特権レベル条件302を定めたものである。図7に示すように、スケジュールNo.1の特権レベル条件302を、0:00〜8:00は「特権レベル1が1人以上」、8:00〜18:00は「なし(特権レベル関係なし)」(特権レベル0が1人以上)、18:00〜24:00は「特権レベル1が1人以上」と設定する。図7では、同様にスケジュールNo.4まで設定した。このように、スケジュールデータ501を設置することにより、部屋データ106において、スケジュールNo.1を設定してある部屋No.2は、上記スケジュールに従って自動的に入室可能条件のうち特権レベル条件302が変更されることになる。つまり、図2の個人ID001と003が2人で認証操作を行った場合、単独入室特権203を用いない場合は、8:00〜18:00の間は、入室許可が得られ、電気錠103を解錠することができる。しかし、0:00〜8:00、18:00〜24:00の間は、2人とも特権レベル0であるため、特権レベル条件302を満たさないため、入室不許可となる。この間は、個人ID002のように特権レベル1の人と一緒に認証操作を行わなければ入室許可が得られないことになる。人通りの多い昼間は、役職の低い者同士でも入室可能とし、人通りの少ない夜間には、かならず役職の高い者と一緒に認証操作を行わなければ入室できないようにするなど、時間帯にあった部屋のセキュリティレベル設定が可能になる。
【0051】
なお、スケジュールの設定を時刻単位でなく、日付単位または日付と時刻の両方で設定可能にすれば、時刻単位および/または日付単位で入室可能条件を変更することが可能になる。
【0052】
このように、入室可能条件を予め設定したスケジュールに従って自動で変更する機能を備えることにより、日付または時刻により人の通行量や部屋の用途が変わる部屋に対して、常にその部屋にとって最適なセキュリティを提供することができる。
【実施例3】
【0053】
本発明の実施例3では、複数人認証を必要とする入室認証システムにおいて、個人に対して、別の複数の個人を登録して、登録した個人の組み合わせでのみ入室可能とする機能を備える。
【0054】
本発明の実施例3の入室認証システムの構成は、基本的には実施例1の図1または実施例2の図5と同様である。実施例1または実施例2と異なる点は、記憶部104に登録しておく個人IDデータ105と部屋データ106の設定項目である。
【0055】
図8は、本発明の実施例3の個人IDデータテーブルの一例を示す説明図である。個人IDには、各部屋への入室権限201の有無に加えて、同時に認証可能な個人IDを設定できるようになっている。例えば、個人ID001は、認証時に、個人ID002、003、005のいずれかと一緒でなければ入室許可とならないという設定である。個人に対して、別の個人を登録することにより、常に決まった者と一緒に認証することになるため、見知らぬ者同士による入室を防ぐことが可能になる。尚、実施例1の特権レベル202、単独入室特権203、実施例2のスケジュールNo.については、省略しても良いし、設定可能としても良い。
【0056】
図9は、本発明の実施例3の部屋データテーブルの一例を示す説明図である。実施例3では、図9に示すように、入室可能な個人IDの組み合わせ303を部屋毎に設定する。例えば、部屋No.3は、個人ID001と002の組み合わせか、002と003の組み合わせのみでしか入室を許可しないように設定している。設定例としては、サーバ室等は、常にサーバ室の管理人と一緒でなければ入室できないようにしたい場合などに、サーバ室に対して、必ず管理人と一緒に認証操作することを徹底することができる。尚、実施例1,2の特権レベル条件302については、省略しても良いし、設定可能としても良い。
【0057】
尚、本発明の実施例3に類似する技術としては、例えば来客者のIDを案内者のIDに主従関係として紐付けし、来客者は特定の案内者と同伴でなければ入室できないようにするものがある。しかしながら、この場合は主従関係が設定されており、また、来客者に登録する案内者は1人だけであるのが基本であり、本発明の実施例3のように、基本的に互いに同格で、かつ、同時に認証可能な個人IDを複数設定できるようにすることは通常行われない点で異なっている。
【0058】
図10は、本発明の実施例3の認証から電気錠解錠までの処理手順を示すフローチャートである。上記2パターン(個人に対して同時に認証可能な他の複数の個人を登録する方法と部屋に対して入室可能な個人IDの組み合わせを登録する方法)の設定を行った際の、認証操作から電気錠解錠までの処理手順を図10を用いて説明する。尚、実施例1の図4で説明した内容と類似する内容については簡単な説明にとどめ、要点だけを説明する。
【0059】
まず、1人目が認証操作を行い(ステップS1001)、個人IDを取得する(ステップS1002)。ここで、1人目の個人IDが、認証操作した部屋への入室権限201があるかを判断し(ステップS1003)、権限がない場合は、電気錠103を解錠せずに終了する。権限がある場合は、部屋の必要な認証人数301が2人認証かを判断し(ステップS1004)、1人認証だった場合は、電気錠解錠信号を発信し(ステップS1009)、電気錠103を解錠する(ステップS1010)。
【0060】
2人認証だった場合は、2人目が認証操作を行い(ステップS1005)、個人IDを取得する(ステップS1006)。ここで、2人目の個人IDが、認証操作した部屋への入室権限201があるかを判断し(ステップS1007)、権限がない場合は、電気錠103を解錠せずに終了する。
【0061】
権限がある場合は、部屋データ106に基づいて、認証を行った2人が入室可能な個人IDの組み合わせ303として登録されているか確認する(ステップS1008)。入室可能な組み合わせであれば、電気錠解錠信号を発信し(ステップS1009)、電気錠103を解錠する(ステップS1010)。入室可能な組み合わせでなければ、電気錠103を解錠せずに終了する。
【0062】
このように、入室条件に個人の組み合わせを登録することにより、常に決まった人とだけ入室可能となり、セキュリティレベルを高く維持することができる。また、個人に対して1人ではなく、複数の個人を登録することにより、窮屈な認証システムではなくなる利点もある(「常に決まった人とだけ」入室可能となるわけではない)。
【0063】
また、2人認証の際に、予め設定した所定の個人との組み合わせでなければ入室可能とならない入室認証システムにおいて、認証時の個人の組み合わせを、予め設定したスケジュールで変更する機能を設けてもよい。この場合、図示しないが、実施例2の場合と同様に、記憶部104は、予め設定した日付または時刻によって入室可能な個人IDの組み合わせ303を変えることが可能なスケジュールデータを有するようにすれば良い。また、部屋データ106の入室可能な個人IDの組み合わせ303は、実施例2の場合と同様に、スケジュールNo.で設定すればよい。
【0064】
例えば、個人ID001は、7:00〜18:00の間、002、003、004、005のいずれかとの組み合わせで入室可能とする。18:00〜24:00、0:00〜7:00の間は、002か003の組み合わせでしか入室許可が得られないように設定する。これにより、人通りの多い昼間の間は、多くの人との組み合わせにより入室可能だが、人通りの少ない夜間は、特定の決まった人物とだけ入室可能にできるように設定できる。本機能を設けることにより、日付または時刻によって、個人の組み合わせを最適な組み合わせで設定することができ、セキュリティレベルを向上できる。
【0065】
尚、以上の実施例3の説明では、2人認証の場合を例に説明したが、3人以上の場合は、実施例1の図4で説明したようにN人に拡張すればよい。
【0066】
以上、本発明を実施例を用いて説明してきたが、これまでの各実施例で説明した構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。また、それぞれの実施例で説明した構成は、互いに矛盾しない限り、組み合わせて用いても良い。
【0067】
また、実施例1〜3において、部屋への入室だけでなく、部屋からの退室時に認証操作を必要とする認証システムにおいても適用可能である。これにより、部屋への入室だけでなく、退室に関してもセキュリティレベルを部屋単位、日付または時間単位で設定することが可能になる。また、実施例1〜3において、入退室だけでなく、金庫などその他の認証システムに適用することも可能である。
【符号の説明】
【0068】
101 認証装置
102 制御装置
103 電気錠
104 記憶部
105 個人IDデータ
106 部屋データ
107 制御部
108 ネットワーク
201 入室権限
202 特権レベル
203 単独入室特権
301 認証人数
302 特権レベル条件
501 スケジュールデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人IDデータと部屋データとを有する記憶部と、
認証操作を行った個人の個人IDを読み取る認証装置と、
前記認証装置で読み取った前記個人IDに対して入室許可判定を行う制御部と、
前記制御部で入室許可と判定された場合に解錠される電気錠とを有する入室認証システムであって、
前記部屋データには、入室可能条件として、入室に必要な人数を定める認証人数を設定でき、
前記個人IDデータには、部屋へ入室する権限があるかどうかを示す入室権限と、部屋に設定された前記認証人数が複数人であった場合でも前記入室可能条件を無視して単独で入室可能な権限を示す単独入室特権とを設定でき、
前記制御部は、部屋への入室の認証の際に、前記入室権限を有する人数が前記認証人数以上である場合に入室許可と判定するとともに、前記個人IDが前記単独入室特権を有する場合には、部屋に設定された前記認証人数が複数人であった場合でも前記入室可能条件を無視して単独で入室許可と判定することを特徴とする入室認証システム。
【請求項2】
前記個人IDデータには、前記入室権限および前記単独入室特権とは別に、特権レベルの有無または大きさを設定でき、
前記部屋データには、前記入室可能条件として、前記認証人数に加えて、入室に必要な前記特権レベルを有する人数、または、入室に必要な前記特権レベルの大きさと人数を定める特権レベル条件を設定でき、
前記制御部は、部屋への入室の認証の際に、前記入室権限を有する人数が前記認証人数以上、かつ、前記特権レベル条件を満たしている場合に入室許可と判定するとともに、前記個人IDが前記単独入室特権を有する場合には、部屋に設定された前記認証人数が複数人であった場合でも前記入室可能条件を無視して単独で入室許可と判定することを特徴とする請求項1に記載の入室認証システム。
【請求項3】
前記記憶部は、予め設定した日付または時刻によって前記特権レベル条件を変えることが可能なスケジュールデータを有することを特徴とする請求項2に記載の入室認証システム。
【請求項4】
前記個人IDデータには、前記入室権限および前記単独入室特権とは別に、前記認証人数が複数人である場合に同時に認証可能な相手である複数の個人IDを設定でき、
前記部屋データには、前記入室可能条件として、前記認証人数に加えて、入室可能な個人IDの組み合わせを設定でき、
前記制御部は、部屋への入室の認証の際に、前記入室権限を有する人数が前記認証人数以上、かつ、前記認証人数が複数人である場合には前記部屋データに設定された入室可能な個人IDの組み合わせの条件を満たしている場合に入室許可と判定するとともに、前記個人IDが前記単独入室特権を有する場合には、部屋に設定された前記認証人数が複数人であった場合でも前記入室可能条件を無視して単独で入室許可と判定することを特徴とする請求項1に記載の入室認証システム。
【請求項5】
前記記憶部は、予め設定した日付または時刻によって入室可能な個人IDの組み合わせを変えることが可能なスケジュールデータを有することを特徴とする請求項4に記載の入室認証システム。
【請求項6】
個人IDデータと部屋データとを有する記憶部と、
認証操作を行った個人の個人IDを読み取る認証装置と、
前記認証装置で読み取った前記個人IDに対して入室許可判定を行う制御部と、
前記制御部で入室許可と判定された場合に解錠される電気錠とを有する入室認証システムであって、
前記個人IDデータには、部屋へ入室する権限があるかどうかを示す入室権限と、特権レベルの有無または大きさとを設定でき、
前記部屋データには、入室可能条件として、入室に必要な人数を定める認証人数と、入室に必要な前記特権レベルを有する人数、または、入室に必要な前記特権レベルの大きさと人数を定める特権レベル条件を設定でき、
前記制御部は、部屋への入室の認証の際に、前記入室権限を有する人数が前記認証人数以上、かつ、前記特権レベル条件を満たしている場合に入室許可と判定し、
前記記憶部は、予め設定した日付または時刻によって前記特権レベル条件を変えることが可能なスケジュールデータを有することを特徴とする入室認証システム。
【請求項7】
個人IDデータと部屋データとを有する記憶部と、
認証操作を行った個人の個人IDを読み取る認証装置と、
前記認証装置で読み取った前記個人IDに対して入室許可判定を行う制御部と、
前記制御部で入室許可と判定された場合に解錠される電気錠とを有する入室認証システムであって、
前記部屋データには、入室可能条件として、入室に必要な人数を定める認証人数と、前記認証人数が複数人である場合に入室可能な個人IDの組み合わせを設定でき、
前記個人IDデータには、部屋へ入室する権限があるかどうかを示す入室権限と、前記認証人数が複数人である場合に同時に認証可能な相手である複数の個人IDとを設定でき、
前記制御部は、部屋への入室の認証の際に、前記入室権限を有する人数が前記認証人数以上、かつ、前記認証人数が複数人である場合には前記部屋データに設定された入室可能な個人IDの組み合わせの条件を満たしている場合に入室許可と判定することを特徴とする入室認証システム。
【請求項8】
前記記憶部は、予め設定した日付または時刻によって入室可能な個人IDの組み合わせを変えることが可能なスケジュールデータを有することを特徴とする請求項7に記載の入室認証システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−80279(P2011−80279A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233974(P2009−233974)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】