説明

入浴装置

【課題】ポンプへの気体の吸込みを判定する判定精度を高めるのに有利な入浴装置を提供することを課題とする。
【解決手段】入浴装置は、泡を含み得る入浴流動物100が収容される浴槽1と、浴槽1の入浴流動物100に対面する吸込口11から浴槽1内の入浴流動物100を吸い込むポンプ2と、ポンプ2で吸い込まれた入浴流動物100を浴槽1内に帰還させる帰還通路3とをもつ吸込装置と、吸込装置を制御する制御装置7とを有する。制御装置7は、ポンプ2の出力が安定しているとき、ポンプ2の出力を一時的に強制的に増加させる操作を複数回または単数回実行し、その際におけるポンプ2の駆動に関する物理量の変化に基づいて、ポンプ2への気体の吸込みを判定する判定処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は入浴装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、浴槽内の湯を循環させる湯循環モードを実行する浴槽装置において、湯を循環させるポンプの異常検知技術が開示されている。このものによれば、ポンプの回転数または電流値の起動時の立ち上がり波形を求め、起動時の立ち上がり波形と、制御装置の記憶部に予め保存されている正常な起動波形とを比較することにより、ポンプの異常の有無を判断する。このものによれば、ポンプの異常と判定されたときには、制御装置はポンプを停止させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−160745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1によれば、ポンプへの気体(空気)の吸込みが発生する場合には、制御装置はポンプの異常回転と判定するが、その判定精度は必ずしも充分ではない。殊に、ポンプの回転数が低い低回転モードにおいて、ポンプへの気体の吸込みを判定するあたり、誤検知するおそれがある。上記した特許文献1は、ポンプの出力を一時的に増加させる操作を実行するものではない。
【0005】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、浴槽の吸込口から浴槽内の入浴流動物を吸い込むポンプへの気体の吸込みの有無を判定する判定精度を高めるのに有利な入浴装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る入浴装置は、泡を含み得る入浴流動物が収容される浴槽と、
浴槽の入浴流動物に対面する吸込口から浴槽内の入浴流動物を吸い込むポンプと、ポンプで吸い込まれた入浴流動物を浴槽内に帰還させる帰還通路とをもつ吸込装置と、
吸込装置を制御する制御装置とを具備しており、
制御装置は、ポンプの出力を一時的に強制的に増加させる操作を複数回または単数回実行し、その際におけるポンプの駆動に関する物理量の変化に基づいて、ポンプへの気体の吸込みを判定する判定処理を実行することを特徴とする。
【0007】
判定処理では、制御装置は、ポンプの出力を一時的に増加させる操作を複数回または単数回実行し、その際におけるポンプの駆動に関する物理量の変化に基づいて、ポンプへの気体の吸込みを判定することができる。判定の精度を高めることができる。ポンプの駆動に関する物理量としては、ポンプの単位時間あたりの駆動量(例えばポンプの回転数)、ポンプの駆動速度(例えばポンプの回転速度)、ポンプ自体のポンプハウジングの振動量(振幅または振動数)が例示される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、判定処理では、制御装置は、ポンプの出力を一時的に増加させる操作を複数回または単数回実行し、その際におけるポンプの駆動に関する物理量の変化に基づいて、ポンプへの気体の吸込みを判定することができ、判定の精度を高めることができる。特に、ポンプの回転数が少ない低回転領域において、ポンプの正常回転と異常回転とを判定する判定精度を高め得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態1に係り、入浴装置を示すブロック図である。
【図2】実施形態1に係り、ポンプの回転数を変化させたときを示すグラフである。
【図3】実施形態1に係り、ポンプの空転判定を示す式である。
【図4】実施形態4に係り、入浴装置を示すブロック図である。
【図5】実施形態5に係り、入浴装置を示すブロック図である。
【図6】実施形態6に係り、各モードとポンプの回転数との関係を示すグラフである。
【図7】実施形態9に係り、入浴装置を示すブロック図である。
【図8】実施形態11に係り、入浴装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
判定処理は、定期的に実施しても良いし、浴槽の湯、水または微小泡沫群の液面が浴槽の吸込口よりも低下するとき等のように、気体をポンプが吸い込むおそれがあるときのみに実施することにしても良い。好ましくは、浴槽内に湯または水を供給する供給装置が設けられており、制御装置は、判定処理においてポンプへの気体の吸込有りと判定したときには、供給装置から湯または水を浴槽内に供給させる。この場合、ポンプへの気体(空気や泡)の吸込みが抑制される。
【0011】
好ましくは、制御装置は、判定処理においてポンプへの気体の吸込有りと判定したときには、浴槽内の入浴流動物における液体率を高めると共に気体率を低下させる液体率増加処理を実行する。この場合、浴槽内の入浴流動物における液体率を高めると共に気体率を低下させるため、ポンプへの気体(空気や泡)の吸込みが抑制される。好ましくは、制御装置は、判定処理において『ポンプへの気体の吸込有り』と判定したときには、ポンプの駆動を停止させることなく、ポンプの出力を低下させる指令をポンプに出力する。入浴者の入浴に大きな影響を与えることが抑制される。
【0012】
浴槽内の入浴流動物の表面の変動が大きいときには、ポンプへの気体の吸込みが発生する頻度が相対的に高い。そこで、好ましくは、浴槽内の入浴流動物の表面の変動を検知する検知センサと、検知センサが浴槽内の入浴流動物の表面の変動を検知するとき、制御装置は判定処理を実行する。ポンプへの気体の吸込みが発生する頻度が相対的に高いときに、制御装置は判定処理を実行する。
【0013】
浴槽内の入浴流動物の液位の低下が大きいときには、ポンプへの気体の吸込みが発生する頻度が相対的に高い。そこで、好ましくは、浴槽内の流動物の液位の低下を検知する検知センサと、検知センサが浴槽内の入浴流動物の表面の変動を検知するとき、制御装置は判定処理を実行する。
【0014】
好ましくは、浴槽内の入浴流動物は微細泡沫群または湯であり、制御装置は、微細泡沫群を浴槽内に供給させる泡生成モードと、浴槽内の湯を循環させる湯循環モードとを実行可能であり、制御装置は、泡生成モードにおいて判定処理を実行し、湯循環モードにおいて判定処理を実行しない。ここで、泡生成モードでは、湯循環モードの場合よりも浴槽内に泡が多数存在するため、ポンプへの気体の吸込みが発生する頻度が相対的に高い。これに対して、湯循環モードでは、泡生成モードの場合よりも浴槽内に泡が多数存在するため、ポンプへの気体の吸込みが発生する頻度が相対的に低い。
【0015】
一般的には、浴槽内の湯を循環させる湯循環モードは、泡生成モードに比較して、ポンプの出力を増加させて実行される。泡生成モードは、湯循環モードの場合よりも、ポンプの出力を減少させて実行される。そこで、好ましくは、ポンプの定格出力を100%とするとき、ポンプの出力が出力用閾値(例えば80%)未満のとき制御装置は判定処理を実行し、ポンプの出力が出力用閾値(例えば80%)以上のとき制御装置は判定処理を実行しない。
【0016】
(実施形態1)
図1は実施形態1の概念を示す。本実施形態に係る入浴装置は、泡を含み得る入浴流動物100が収容される容器状の浴槽1と、浴槽1の入浴流動物100に対面するように浴槽1の側壁10に形成された吸込口11から浴槽1内の入浴流動物100を吸込通路12を介して吸込ポート20に吸い込むための搬送要素として機能するポンプ2と、ポンプ2の吸込ポート20に吸い込まれた入浴流動物100をポンプ2の吐出ポート22から切替バルブ25を介して浴槽1内に帰還させる帰還通路30とをもつ吸込装置3と、吸込装置3等を制御する制御装置7とを有する。
【0017】
浴槽1内に溜められる入浴流動物100としては、湯101のみの場合、湯101とその上に浮遊する微細泡沫群102の場合、微細泡沫群102のみの場合が挙げられる。図1は、入浴流動物100が浴槽1内の湯101とその上に浮遊する微細泡沫群102とからなる場合を例示する。図1に示すように、帰還通路30は浴槽1から外部に導出され、再び、浴槽1内に帰還する通路である。帰還通路30は、切替バルブ25の第1ポート25fから浴槽1の第1帰還口31mに帰還する第1帰還通路31と、切替バルブ25の第2ポート25sから泡発生装置6を介して浴槽1の第2帰還口32mに帰還する第2帰還通路32とを有する。第1帰還口31mおよび第2帰還口32mは、浴槽1の側壁10または側壁10付近に形成されている。
【0018】
制御装置7は、泡発生装置6で発生させた微細泡沫群を第2帰還通路32を介して浴槽1内に供給させる泡生成モードと、浴槽1内の湯(場合によっては水でも良い)を浴槽1の内外において循環させる湯循環モードとをそれぞれ実行可能である。泡生成モードでは、浴槽1内に収容した入浴流動物100に泡剤を含有させておくことが好ましい。入浴者が泡生成モードを選択するようにスイッチ5を操作すると、制御装置7によりポンプ2および切替バルブ25が制御される。泡生成モードが選択される場合、切替バルブ25の連通ポート25rおよび第2ポート25sが連通するものの、切替バルブ25の連通ポート25rおよび第1ポート25fが非連通とされる。浴槽1内に収容した入浴流動物100は、ポンプ2の駆動により、吸込通路12を介してポンプ2の吸込ポート20に吸い込まれ、さらに、ポンプ2の吐出ポート22から切替バルブ25に向けて吐出され、切替バルブ25の連通ポート25rから切替バルブ25内に流入し、さらに、切替バルブ25の第2ポート25sから泡発生装置6に供給される。
【0019】
泡発生装置6に供給された入浴流動物100が微細泡沫群である場合には、次第に気泡が消えかかるが、コンプレッサ62からの空気と共に泡発生装置6で攪拌されて新鮮な微細泡沫群となる。生成された微細泡沫群は、第2帰還通路32を介して浴槽1の第2帰還口32mから浴槽1に帰還される。このような操作が繰り返されるため、泡生成モードでは、暖かい微細泡沫群が浴槽1内に溜められる。入浴者は、浴槽1内に溜められた微細泡沫群を用いて入浴できる。微細泡沫群は、入浴時の肌触りの良さを考慮すると、気泡サイズが400マイクロメートル以下の多数の気泡を有することが好ましい。
【0020】
図1に示すように、泡発生装置6は、入浴流動物100を攪拌させる回転板等の攪拌要素61をもつ泡発生器60と、泡発生器60に空気を供給するコンプレッサ62とを有する。コンプレッサ62から泡発生器60に空気が供給された状態で、攪拌要素61が駆動すると、泡発生器60において微小泡沫群が形成される。形成された微小泡沫群は、ポンプ2の搬送力に第2帰還通路32を介して第2帰還口32mから浴槽1に供給される。
【0021】
これに対して湯循環モードでは、浴槽1内に湯を収容させておく。入浴者が湯循環モードを選択するようにスイッチ5を操作すると、制御装置7によりポンプ2および切替バルブ25が制御される。この場合、切替バルブ25の連通ポート25rおよび第1ポート25fが連通するものの、切替バルブ25の連通ポート25rおよび第2ポート25sが非連通とされる。浴槽1内に収容した入浴流動物100が湯である場合には、ポンプ2の駆動により、湯は吸込通路12を介してポンプ2の吸込ポート20に吸い込まれ、さらに、ポンプ2の吐出ポート22から吐出され、切替バルブ25の連通ポート25rから切替バルブ25内に流入し、さらに、切替バルブ25の第1ポート25fから第1帰還通路31を介して浴槽1の第1帰還口31mに循環流として帰還される。このような操作が繰り返されるため、湯循環モードでは、浴槽1内の入浴流動物100は湯であり、湯は循環流として浴槽1の内外を流れる。入浴者は浴槽1内の湯の循環流を用いて入浴できる。循環流は、高いマッサージ効果をもつ。夏季などにおいては、湯に代えて水にしても良い。
【0022】
さて本実施形態によれば、浴槽1内の湯(水)を循環させる湯循環モードといえども、浴槽1内の水位が浴槽1の吸込口11よりも下方に低下すると、ポンプ2は、浴槽1内の湯と一緒に空気(湯面上の空気)を吸い込むおそれがある。ポンプ2に空気を吸込んでいる場合には、ポンプ2に空気を吸込んでいない場合と比較すると、ポンプ2に作用する負荷の大きさが異なり、ポンプ2の単位時間あたりの回転数の変化が大きくなる。また、泡生成モードによれば、浴槽1内の入浴流動物100は、図1から理解できるように、下側の湯101と上側の微細泡沫群102とからなる。この場合においても、浴槽1内の下側の湯101の水位が低下すると、上側の微細泡沫群102の泡をポンプ2が吸い込んでしまう。このように微細泡沫群102の泡をポンプ2が吸い込んでしまう場合には、泡(空気)をポンプ2に吸い込んでいない場合に比較して、泡(空気)吸込時におけるポンプ2の単位時間当たりの回転数の変化が発生する。
【0023】
また、泡生成モードによれば、浴槽1内の微細泡沫群102の量が低下すると、微細泡沫群102の上側に存在する空気のみの領域の空気をポンプ2に吸い込んでしまうおそれがある。この場合、空気をポンプ2に吸い込んでいる異常回転時におけるポンプ2の回転数の変化が発生する傾向があり、ポンプ2の異常回転を判定する判定精度を高めるには限界がある。
【0024】
そこで、制御装置7は、泡生成モードまたは泡循環モードにおいて、ポンプ2の出力を一時的に強制的に増加させる操作を複数回または単数回実行し、その際におけるポンプ2の駆動に関する物理量としての回転数の変化速度を求め、さらに、回転数の変化速度に基づいて、ポンプ2への気体の吸込みを判定する判定処理を実行する。具体的には、ポンプ2の出力を一時的に強制的に増加させる操作を複数回または単数回実行したとき、ポンプ2の回転数の変化速度が第1閾値よりも大きい場合には、制御装置7は、『ポンプ2への気体の吸込みがあり、ポンプ2が異常回転している』と判定する。ポンプ2が異常回転のまま運転されると、ポンプ2の軸受、および、軸受に回転可能に支持されている回転軸の損傷が誘発され、ポンプ2の長寿命化に好ましくない。
【0025】
このような判定処理は、泡生成モードおよび湯循環モードの双方においてそれぞれ実行することができる。但し、泡生成モードの起動初期および湯循環モードの起動初期においては、ポンプ2の単位時間あたりの回転数は必ずしも安定せず、判定精度が低下するおそれがあるため、ポンプ2の起動直後においては判定処理を実行しない方が好ましい。従って、ポンプ2の起動時刻から所定時間経過(例えば1秒)したとき、あるいは、ポンプ2の回転数が定常状態に安定したときにおいて、あるいは、制御装置7は判定処理を実行することが好ましい。判定処理においてポンプ2が異常回転していると判定されると、制御装置7は、ポンプ2の回転を停止させて泡生成モードおよび湯循環モードを停止させるか、あるいは、ポンプ2の回転を減速させつつ泡生成モードおよび湯循環モードを維持させる。これに対して、回転数の変化速度が第1閾値よりも小さいとき、『ポンプ2への気体の吸込みがなく、ポンプ2は正常回転である』と判定する。この場合、制御装置7は、ポンプ2の回転を継続し、泡生成モードおよび湯循環モードを継続させる。
【0026】
(実施形態2)
図2および図3は実施形態2の概念を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1を準用できる。図2に示すように、制御装置7はポンプ2を起動させ、ポンプ2の回転数がN1として安定しているとき、制御装置7は、ポンプ2の回転数を一時的に強制的に増加させる操作を複数回実行する。そして、その際におけるポンプ2の駆動に関する物理量としての回転数の変化速度vを求める。具体的には、制御装置7は、ポンプ2の単位時間あたりの回転数を一時的にN1からNhighに強制的に増加させる操作を実行する。この場合、ポンプ2に給電するデューティ値または電流値を増加させることが好ましい。
【0027】
そして、制御装置7は、その際におけるポンプ2の駆動に関する物理量としての回転数の変化速度v1を求める。ポンプ2の回転数がN1に落ち着いたら、制御装置7は、再び、ポンプ2の回転数を一時的に強制的にN1からNhighに増加させる操作を実行する。そして、制御装置7は、その際におけるポンプ2の駆動に関する物理量としての回転数の変化速度v2を求める。ポンプ2の回転数がN1に落ち着いたら、制御装置7は、再び、ポンプ2の回転数を一時的に強制的にN1からNhighに増加させる操作を実行する。そして、制御装置7は、その際におけるポンプ2の駆動に関する物理量としての回転数の変化速度v3を求める。
【0028】
図2によれば、v1,v2,v3は、ポンプ2への空気吸込が無く、ポンプ2が正常回転しているときにおける変化速度を示す。v1’,v2’,v3’は、ポンプ2が空気を吸い込み、異常回転しているときにおける変化速度を示す。空気は水に対して比重が軽いため、ポンプ2の搬送負荷が水よりも小さいため、ポンプ2の回転速度が増加する傾向がある。従って、v1’はv1よりも大きくなり易い。v2’はv2よりも大きくなり易い。v3’はv3よりも大きくなり易い。ここで、ポンプ2への空気の巻き込みが無く、ポンプ2が正常回転しているとき、ポンプ2の単位時間あたりの回転数を、一時的に且つ強制的にN1からNhighに設定したときにおけるポンプ2の回転数の変化速度v1,v2,v3は、既知であり、制御装置7のメモリ70の所定のエリアに予め搭載されている。従って、ポンプ2の回転数の変化速度の積算値(v1+v2+v3)は、既知であり、制御装置7のメモリ70の所定のエリアに予め搭載されている。
本実施形態によれば、図3に示すように、{(v1’+v2’+v3’)−(v1+v2+v3)}>Xであるときには、制御装置7は、『ポンプ2への空気の巻き込みが有り、ポンプ2が異常回転(空転)している』と判定する。また{(v1’+v2’+v3’)−(v1+v2+v3)}<Xであるときには、制御装置7は、『ポンプ2への空気の巻き込みがなく、ポンプ2が正常回転』していると判定する。なお、回転数用卯閾値Xは、制御装置7のメモリ70の所定のエリアに予め搭載されている。場合によっては、回転数用閾値Xは所定の演算式で求めることにしても良い。なお本実施形態によれば、本実施形態によれば、ポンプ2の回転数を強制的にN1からNhighに増加させる操作を3回実行しているが、これに限らず、2回でも4回でも5回でも良い。それ以上でも良い。本実施形態によれば、ポンプ2の回転数の変化速度を積算した積算値を用いるため、一回だけでは微小な差であっても、複数回積算させれば、大きな有意差となり、ポンプ2の正常回転と異常回転とを判定する判定精度を高めることができる。
【0029】
(実施形態3)
本実施形態は実施形態1,2と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1および図2を準用できる。以下、相違する部分を中心として説明する。本実施形態によれば、{(v1’+v2’+v3’)/3}−{(v1+v2+v3)/3}>X2であるときには、制御装置7は、ポンプ2への空気の巻き込みが有り、ポンプ2が異常回転していると判定する。また{(v1’+v2’+v3’)/3}−{(v1+v2+v3)/3}<X2であるときには、制御装置7は、『ポンプ2への空気の巻き込みがなく、ポンプ2が正常回転している』と判定する。なお、閾値X2は、制御装置7のメモリ70の所定のエリアに予め搭載されている。なお本実施形態によれば、ポンプ2の回転数を強制的にN1からNhighに増加させる操作を3回実行しているが、これに限らず、2回でも4回でも5回でも良い。それ以上でも良い。
【0030】
(実施形態4)
図4は実施形態4を示す。本実施形態は実施形態1,2,3と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明するため、図2および図3を準用できる。図4に示すように、湯または水を浴槽1内に供給できる供給装置としての給湯装置9が浴槽1に据え付けられている。給湯装置9は、水源から給水路90を介して給水される給湯器91と、給湯器91内の水を加熱するための加熱部92とを有する。加熱部92は電気ヒータまたはガス燃焼器で形成でき、要するに給湯器91内の水を加熱するものであれば良い。本実施形態によれば、泡生成モードにおいて、ポンプ2が正常回転していると制御装置7が判定するときには、浴槽1内の入浴流動物100における液体率を高めると共に気体率を低下させる液体率増加処理を実行しない。
【0031】
これに対して、判定処理において、『ポンプ2への気体の吸込有り,ポンプ2が異常回転している』と、制御装置7が判定するときには、制御装置7は、湯または水を給湯装置9から浴槽1内に積極的に供給し、浴槽1内の入浴流動物100における液体率を高めると共に気体率を低下させる液体率増加処理を実行する。具体的には、給湯装置9を作動させて、給湯装置9から湯(液体)を浴槽1内に供給させる。場合によっては水でも良い。この場合、浴槽1内の入浴流動物100における液体率を高めると共に気体率を低下させる。この結果、浴槽1の吸込口11の高さよりも湯面の高さが高くなり、ポンプ2への気体の吸込みが次第に抑制され、ポンプ2は正常回転に戻り易くなる。
【0032】
本実施形態によれば、泡生成モードが実行されているとき、制御装置7は、コンプレッサ62の出力を低下させて、泡発生器60に供給する空気の単位時間あたりの流量を低下させる操作を併用することも好ましい。この場合、泡発生器60に供給する空気の単位時間あたりの流量を低下させるため、泡発生器60から第2帰還通路32および第2帰還口32mを介して浴槽1に帰還する微細泡沫群における液体率(水が占める体積率)が高くなると共に、気体率(空気が占める体積率)が低下する。このためポンプ2への気体(空気)の吸込みが次第に抑制され、ポンプ2は正常回転に戻り易くなる利点が得られる。
【0033】
仮に、ポンプ2が正常回転に戻らないときには、制御装置7は、ポンプ2の回転を停止させて泡生成モードまたは湯循環モードを停止するか、あるいは、ポンプ2の回転を減速させつつ泡生成モードまたは湯循環モードを維持させることが好ましい。制御装置7は、ポンプ2が異常回転している警告を警報器に出力することも好ましい。後者においては、泡生成モードまたは湯循環モードの効果は低下するものの、泡生成モードまたは湯循環モードの実行を継続できる。
【0034】
また、本実施形態によれば、泡生成モードが実行されているとき、制御装置7は、ポンプ2の回転数を低下させつつ、コンプレッサ62の出力を低下させる操作を併用することも好ましい。
この場合、泡発生器60に供給される湯量の低下に伴い、泡発生器から浴槽1へ供給される微細泡沫群102の量が減少し、浴槽1内の湯が微細泡沫群102に変わる量が減少する。そのため、浴槽1内の湯量の低下を抑えて水位が正常水位に戻りやすい利点が得られる。よって、コンプレッサ62の出力に応じてポンプ2の回転数を低下させることにより、微細泡沫群102の泡質を変えずに、あるいは、泡質に大きな影響を与えずに、浴槽1内の湯量の低下を抑えて正常水位に戻りやすい利点が得られる。
【0035】
(実施形態5)
図5は実施形態5を示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図2および図3を準用できる。以下、相違する部分を中心として説明する。図5に示すように、湯を浴槽1内に供給できる給湯装置9が浴槽1に据え付けられている。更に図5に示すように、起泡機能を有する泡剤(液状または粉末状)を泡発生器60に供給させる泡剤供給装置80および開閉可能な泡剤供給バルブ81が設けられている。泡剤供給バルブ81は、泡剤供給装置80と泡発生器60とを繋ぐ。
【0036】
本実施形態によれば、泡生成モードおよび湯循環モードのそれぞれにおいて、制御装置7は、判定処理において、『ポンプ2への気体の吸込有り,ポンプ2が異常回転している』と判定したときには、制御装置7は、浴槽1内の入浴流動物100における液体率を高めると共に気体率を低下させる液体率増加処理を実行する。具体的には、給湯装置9を作動させて、給湯装置9から湯または水(液体)を浴槽1内に供給させる。この結果、浴槽1内の入浴流動物100における液体率を高める。このように浴槽1内の入浴流動物100における液体率を高めるため、ポンプ2への気体(空気)の吸込みが次第に抑制され、ポンプ2は正常回転に戻り易くなる。
【0037】
ここで、泡生成モードが実行されていたときには、制御装置7は、コンプレッサ62の出力を低下させて泡発生器60に供給する空気の単位時間あたりの流量を低下させる操作を併用することも好ましい。この場合には、泡発生器60に供給する空気の単位時間あたりの流量を低下させるため、第2帰還通路32および第2帰還口32mを介して浴槽1に帰還する微細泡沫群における液体率が高くなると共に気体率が低下するため、ポンプ2への気体(空気)の吸込みが次第に抑制され、ポンプ2は正常回転に戻り易くなる。更に、泡剤供給バルブ81の開度を小さくするか、泡剤供給バルブ81を閉鎖させることにより、泡剤供給装置80から泡発生装置6に供給する泡剤の供給量を減少させるかゼロとさせる操作を併用する。この場合、第2帰還通路32および第2帰還口32mを介して浴槽1に帰還する微細泡沫群における液体率が一層高くなると共に気体率が一層低下するため、ポンプ2への気体の吸込みが次第に抑制され、ポンプ2は正常回転に一層戻り易くなる。仮に、ポンプ2が正常回転に戻らないときには、制御装置7は、ポンプ2の回転を停止させて泡生成モードまたは湯循環モードを停止するか、あるいは、ポンプ2の回転を減速させつつ泡生成モードまたは湯循環モードを維持させる。後者においては、泡生成モードまたは湯循環モードの効果は低下するものの、泡生成モードまたは湯循環モードの実行を継続できる。
【0038】
(実施形態6)
図6は実施形態6を示す。本実施形態は前記した実施形態と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1〜図3を準用できる。以下、相違する部分を中心として説明する。図6に示すように、制御装置7は、泡生成モードと湯循環モード(強)と湯循環モード(弱)とを実行する。図6において、特性線A1は正常回転時における正常回転数の上限値を示す。特性線A2は正常回転時における正常回転数の下限値を示す。特性線B1は異常回転時における空転回転数の上限値を示す。特性線B2は異常回転時における空転回転数の下限値を示す。図6から理解できるように、湯循環モード(強)では、正常回転数の上限値と異常回転数の下限値との間にはΔαが存在しており、オーバラップしておらず、両者の識別は比較的容易である。湯循環モード(弱)では、正常回転数の上限値と異常回転数の下限値とは互いに接近しており、両者の識別の困難性が増加する。泡生成モードでは、正常回転数の上限値と異常回転数の下限値とはオーバラップする傾向があるため、両者の識別はさらに困難である。
【0039】
そこで、本実施形態によれば、制御装置7は、図2に示すように、泡生成モードにおいて、ポンプ2の単位時間当たりの回転数がN1として安定しているとき、ポンプ2の単位時間あたりの回転数をN1からNhighへと一時的に強制的に増加させる操作を複数回または単数回実行し、その際におけるポンプ2の回転数の変化速度を求め、回転数の変化速度に基づいて、ポンプ2への気体の吸込みを判定する判定処理を実行する。回転数の変化速度が第1閾値よりも大きいとき、制御装置7は、『ポンプ2への気体の吸込みがあり、ポンプ2は異常回転している』と判定する。但し、泡生成モードの初期においては、ポンプ2の回転数は必ずしも安定しないため、ポンプ2の起動直後においては判定処理を実行しない方が好ましい。ポンプ2の起動から所定時間経過したとき、あるいは、ポンプ2の回転数が定常状態に安定したときにおいて、制御装置7は判定処理を実行することが好ましい。判定処理においてポンプ2が異常回転していると判定されると、制御装置7は、ポンプ2の回転を停止させて泡生成モードを停止するか、あるいは、ポンプ2が異常回転していると判定される前に比較してポンプ2の回転を減速させつつ泡生成モードを維持させる。これに対して、回転数の変化速度が第1閾値よりも小さいとき、ポンプ2への気体の吸込みがなく、ポンプ2は正常回転であると判定する。この場合、制御装置7は、ポンプ2の回転を継続し、泡生成モードを継続させる。
【0040】
(実施形態7)
本実施形態は前記した実施形態6と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。本実施形態によれば、制御装置7は、泡生成モード、湯循環流モード(弱)および湯循環流モード(強)のそれぞれにおいて、ポンプ2の単位時間当たりの回転数が安定しているとき、ポンプ2の回転数を一時的に強制的に増加させる操作を複数回または単数回実行し、その際におけるポンプ2の回転数の変化速度を求め、回転数の変化速度に基づいて、ポンプ2への気体の吸込みを判定する判定処理を実行する。
【0041】
(実施形態8)
本実施形態は前記した実施形態6と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。本実施形態によれば、前記した図6から理解できるように、湯循環モード(強)では、正常回転数の上限値と異常回転数の下限値とはオーバラップしておらず、Δαが存在しているため、両者の識別は比較的容易である。湯循環モード(弱)では、正常回転数の上限値と異常回転数の下限値とは互いに接近しており、両者の識別の困難性が増加する。泡生成モードでは、正常回転数の上限値と異常回転数の下限値とはオーバラップする傾向があるため、両者の識別はさらに一層容易ではない。ここで、図6から理解できるように、湯循環モード(強)によれば、ポンプ2の単位時間当たりの回転数は、湯循環モード(強)湯循環モード(弱)および泡生成モードという3つのモードのうち最も高く、ポンプ2の定格回転数に近い領域となる。これに対して、湯循環モード(弱)によれば、ポンプ2の単位時間あたりの回転数は、湯循環モード(強)、湯循環モード(弱)および泡生成モードという3つのモードのうち中間である。泡生成モードではポンプ2の回転数は3つのモードのうち最も低く、ポンプ2の定格回転数から最も離れた領域となる。
【0042】
そこで、本実施形態によれば、ポンプ2の定格出力を100%とするとき、ポンプ2の出力が出力用第1閾値(例えば60%)未満のときには、泡生成モードが実施されていると制御装置7は推定し、制御装置7は判定処理を実行する。しかしポンプ2の出力が出力用第2閾値(例えば80%)以上のときには、湯循環モード(強)が実行されていると制御装置7は推定し、制御装置7は判定処理を実行しない。ポンプ2の出力が出力用第1閾値(例えば60%)以上で且つ第2閾値未満のときには、制御装置7は判定処理を実行してもしなくても良い。
【0043】
(実施形態9)
図7は実施形態9を示す。本実施形態は前記した実施形態7と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。本実施形態によれば、浴槽内1の湯面の水位や微細泡沫群の高さが低下するおそれがあるとき、制御装置7は判定処理を実施する。すなわち、図7に示すように、浴槽1の側壁10に水位センサ200を設けている。水位センサ200は、浴槽1内の水位を検知するものであり、フロート式などの機械的でも電気式でも良い。浴槽1において入浴している入浴者が浴槽1内で移動するとき、あるいは、浴槽1から浴槽1外に出るとき、循環モードにおいては、浴槽1内の水位の高さが大きく変動して、水位が浴槽1の側壁10の吸込口11よりも急激に低下するおそれがある。泡生成モードにおいても、浴槽1内の微細泡沫群102の高さが吸込口11よりも急激に低下するおそれがある。このように浴槽1内の湯や水微細泡沫群102の高さが吸込口11よりも低下するとき、あるいは、低下するおそれがあるとき、浴槽1内の吸込口11から空気や泡がポンプ2に吸い込まれるおそれがある。従って、浴槽1内の湯や水微細泡沫群102の高さが吸込口11よりも低下するとき、あるいは、低下するおそれがあるとき、これを検知した水位センサ200からの検知信号SAに基づいて、制御装置7は、ポンプ2の単位時間あたりの回転数を一時的に強制的に増加させる操作を複数回または単数回実行し、その際におけるポンプ2の回転数の変化速度を求め、回転数の変化速度に基づいて、ポンプ2への気体の吸込みを判定する判定処理を実行する。
【0044】
回転数の変化速度が第1閾値よりも大きいとき、制御装置7は、『ポンプ2への気体の吸込みがあり、ポンプ2は異常回転している』と判定する。但し、循環モードの初期においては、ポンプ2の回転数は必ずしも安定しないことがあるため、ポンプ2の起動直後においては判定処理を実行しない方が好ましい。判定処理においてポンプ2が異常回転していると判定されると、制御装置7は、ポンプ2の回転を停止させて泡生成モードを停止するか、あるいは、ポンプ2が異常回転していると判定される前に比較してポンプ2の回転を減速させる。
【0045】
なお本実施形態によれば、制御装置7は、ポンプ2の単位時間あたりの回転数を一時的に強制的に増加させる操作を各モードの実施中において定期的に実行し、その際におけるポンプ2の回転数の変化速度を求め、回転数の変化速度に基づいて、ポンプ2への気体の吸込みを判定する判定処理を実行することにしても良い。あるいは本実施形態によれば、浴槽1内の湯や水微細泡沫群102の高さが浴槽1の吸込口11よりも低下するとき、あるいは、低下するおそれがあるとき、これを検知した水位センサ200からの検知信号SAに基づいて、制御装置7は、ポンプ2の単位時間あたりの回転数を一時的に強制的に増加させる操作を複数回または単数回実行することにしても良い。
【0046】
(実施形態10)
本実施形態は前記した図7に示す実施形態9と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図7を準用する。以下、相違する部分を中心として説明する。本実施形態によれば、浴槽1内の水位が低下したら、これを検知した検知センサ220からの検知信号SBに基づいて、制御装置7は、ポンプ2の単位時間あたりの回転数を一時的に強制的に増加させる操作を複数回または単数回実行する。制御装置7は、その際におけるポンプ2の回転数の変化速度を求め、回転数の変化速度に基づいて、ポンプ2への気体の吸込みを判定する判定処理を実行する。回転数の変化速度が第1閾値よりも大きいとき、制御装置7は、ポンプ2への気体(空気)の吸込みがあり、ポンプ2は異常回転していると判定する。
【0047】
制御装置7は、判定処理において、『ポンプ2への気体の吸込有り,ポンプ2が異常回転している』と判定したときには、ポンプ2への空気の吸込を抑制すべく、制御装置7はポンプ2の回転を直ちに停止させ、実施しているモードを中断する。さらに、給湯装置9を作動させて、給湯装置9から湯または水を浴槽1内に供給させて水位を吸込口11の高さよりも高める。その後、浴槽1内の水位が吸込口11の高さよりも高くなったら、ポンプ2の回転を再開させ、実施していたモードを再開させる。
【0048】
(実施形態11)
図8は実施形態11を示す。本実施形態は前記した実施形態8と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。本実施形態によれば、浴槽内1の湯面の水位や微細泡沫群の高さ面が変動するおそれがあるとき、制御装置7は判定処理を実施する。すなわち、浴槽1の側壁10には、浴槽内1の湯面の水位の変動や微細泡沫群の高さ面の変動を検知する検知センサ220が設けられている。検知センサ220としては、浴槽1の側壁10の振動の加速度を検知する加速度センサが例示できる。
【0049】
浴槽1において入浴している入浴者が浴槽1内で移動するとき、あるいは、浴槽1から浴槽1外に出るとき、循環モードにおいては、浴槽1内の水位の高さが大きく変動して、水位が吸込口11よりも低下するおそれがある。泡生成モードにおいても、微細泡沫群102の高さが急激に低下する。このようなとき、検知センサ220からの検知信号SBに基づいて、制御装置7は、ポンプ2の単位時間あたりの回転数を一時的に強制的に増加させる操作を複数回または単数回実行する。制御装置7は、その際におけるポンプ2の回転数の変化速度を求め、回転数の変化速度に基づいて、ポンプ2への気体の吸込みを判定する判定処理を実行する。回転数の変化速度が第1閾値よりも大きいとき、制御装置7は、ポンプ2への気体(空気)の吸込みがあり、ポンプ2は異常回転していると判定する。
【0050】
制御装置7は、判定処理において、『ポンプ2への気体の吸込有り,ポンプ2が異常回転している』と判定したときには、制御装置7は、浴槽1内の入浴流動物100における液体率を高めると共に気体率を低下させる液体率増加処理を実行する。具体的には、給湯装置9を作動させて、給湯装置9から湯(液体)を浴槽1内に供給させる。この結果、浴槽1内の入浴流動物100における液体率を高める。このように浴槽1内の入浴流動物100における液体率を高めるため、ポンプ2への気体(空気)の吸込みが次第に抑制され、ポンプ2は正常回転に戻り易くなる。
【0051】
但し、ポンプ2の起動初期においては、ポンプ2の回転数は必ずしも安定しないことがあるため、ポンプ2の起動直後においては判定処理を実行しない方が好ましい。判定処理においてポンプ2が異常回転していると判定されると、制御装置7は、ポンプ2の回転を停止させて泡生成モードを停止するか、あるいは、ポンプ2が異常回転していると判定される前に比較してポンプ2の回転を減速させる。
【0052】
なお本実施形態によれば、制御装置7は、ポンプ2の単位時間あたりの回転数を一時的に強制的に増加させる操作を各モード実施中において定期的に実行し、その際におけるポンプ2の回転数の変化速度を求め、回転数の変化速度に基づいて、ポンプ2への気体の吸込みを判定する判定処理を実行することにしても良い。あるいは、判定処理を定期的に実施するのではなく、本実施形態によれば、浴槽1内の湯や水微細泡沫群102の高さが浴槽1の吸込口11よりも低下するとき、あるいは、低下するおそれがあるとき、これを検知した検知センサ220からの検知信号SBに基づいて、制御装置7は、ポンプ2の単位時間あたりの回転数を一時的に強制的に増加させる操作を複数回または単数回実行することにしても良い。
【0053】
(その他)
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0054】
1は浴槽、10は側壁、11は吸込口、12は吸込通路、2はポンプ、20は吸込ポート、22は吐出ポート、25は切替バルブ、30は帰還通路、31は第1帰還通路、32は第2帰還通路、5はスイッチ、6は泡発生装置、60は泡発生器、61は攪拌要素、62はコンプレッサ、100は入浴流動物、7は制御装置、9は給湯装置(供給装置)、91は給湯路を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡を含み得る入浴流動物が収容される浴槽と、
前記浴槽の前記入浴流動物に対面する吸込口から前記浴槽内の前記入浴流動物を吸い込むポンプと、前記ポンプで吸い込まれた前記入浴流動物を前記浴槽内に帰還させる帰還通路とをもつ吸込装置と、
前記吸込装置を制御する制御装置とを具備しており、
前記制御装置は、前記ポンプの出力を一時的に強制的に増加させる操作を複数回または単数回実行し、その際における前記ポンプの駆動に関する物理量の変化に基づいて、前記ポンプへの気体の吸込みを判定する判定処理を実行することを特徴とする入浴装置。
【請求項2】
請求項1において、前記浴槽内に湯または水を供給する供給装置が設けられており、前記制御装置は、前記判定処理において前記ポンプへの気体の吸込有りと判定したときには、前記供給装置から湯または水を前記浴槽内に供給させることを特徴とする入浴装置。
【請求項3】
請求項1において、前記制御装置は、前記判定処理において前記ポンプへの気体の吸込有りと判定したときには、前記浴槽内の前記入浴流動物における液体率を高めると共に気体率を低下させる液体率増加処理を実行することを特徴とする入浴装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの一項において、前記制御装置は、前記判定処理において前記ポンプへの気体の吸込有りと判定したときには、前記ポンプの駆動を停止させることなく、前記ポンプの出力を低下させる指令を前記ポンプに出力することを特徴とする入浴装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちの一項において、前記浴槽内の前記入浴流動物の表面の変動または低下を検知する検知センサと、前記検知センサが前記浴槽内の前記入浴流動物の表面の変動または低下を検知するとき、前記制御装置は前記判定処理を実行することを特徴とする入浴装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちの一項において、前記浴槽内の前記入浴流動物は微細泡沫群または湯であり、前記制御装置は、前記微細泡沫群を前記浴槽内に供給させる泡生成モードと、前記浴槽内の湯を前記浴槽の内外において循環させる湯循環モードとを実行可能であり、
前記制御装置は、前記泡生成モードにおいて判定処理を実行し、前記湯循環モードにおいて判定処理を実行しないことを特徴とする入浴装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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