入退場ゲート管理装置
【課題】作業員をハンズフリーで通過させつつ作業員の入退場の誤認識を回避しつつ、その記録が可能な入退場管理ゲート装置を提供する。
【解決手段】作業エリアを入退場する作業員24の登録識別情報と前記登録識別情報に対応する作業員情報を記憶するデータ管理部52と、前記作業エリアの入退場口に配置され、前記入退場口を通過する前記作業員に付されたICタグから前記作業員の識別情報を読み取るタグリーダ(第1のタグリーダ18、第2のタグリーダ20)と、前記データ管理部52及び前記タグリーダに接続され、前記タグリーダから入力された前記識別情報に対応する前記登録識別情報を読み出し、前記登録識別情報に対応する前記作業員情報を出力する制御部50と、を備え、前記入退場口には、前記制御部50から入力された前記作業員情報を表示する表示部(第1の表示モニタ36、第2の表示モニタ38)が配置されたことを特徴とする。
【解決手段】作業エリアを入退場する作業員24の登録識別情報と前記登録識別情報に対応する作業員情報を記憶するデータ管理部52と、前記作業エリアの入退場口に配置され、前記入退場口を通過する前記作業員に付されたICタグから前記作業員の識別情報を読み取るタグリーダ(第1のタグリーダ18、第2のタグリーダ20)と、前記データ管理部52及び前記タグリーダに接続され、前記タグリーダから入力された前記識別情報に対応する前記登録識別情報を読み出し、前記登録識別情報に対応する前記作業員情報を出力する制御部50と、を備え、前記入退場口には、前記制御部50から入力された前記作業員情報を表示する表示部(第1の表示モニタ36、第2の表示モニタ38)が配置されたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退場ゲート管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特定区域である特殊な作業現場への作業員の立ち入りを制限するため、その作業現場での作業を行うことができる特定作業員を予め決めておき、その作業現場へ作業員が入場する際、その作業員は特定作業員か否かを現場管理者が確認し、特定作業員のみを入場させるとともに、その入退場時刻を記録するといった管理手法がとられていた。
【0003】
しかし、上記従来技術の場合、現場管理者が常に作業員の入退場を監視していなければならないので、効率の悪い管理手法であった。
【0004】
一方、近年、非接触ICタグや非接触ICカードを利用したシステムが多くの分野で注目されており、例えば、非接触ICタグや非接触ICカードを利用した、展示会などの入場者管理システムや、鉄道の自動改札システムなどが知られており(特許文献1参照)、この技術を用いて上述の作業現場における作業員の入退場を記録する管理手法が提案されている。
【0005】
前述の鉄道の自動改札システムでは、通行者がICカードを改札ゲートのカードリーダ部にかざすことにより、改札ゲートの通過の可否が判断され、そのICカードが入退場を許可されるデータを有する場合にのみ改札ゲートの一時的な開放が行なわれるようになっている。
【0006】
しかし、上記特許文献1の場合、通行者は改札ゲートのカードリーダ部に向けてICカードをかざすために、ICカードをポケットやバッグなどから取り出さなければならず、その動作が面倒であるという問題があった。
【0007】
またこのような、非接触ICカードシステムを、入退場者を管理する作業現場に適用した場合、作業現場のゲートを通過する作業員は、その作業着が重装備であったり、特に手袋をしていたりするとICカードの取り出しが困難になることがある。また作業員が作業現場に持ち込む機材を両手に抱えて入退場する場合は、一旦機材を床に置いてからICカードを取り出す必要がある。よっていずれの場合であっても、そのゲートを入退場する際に手間がかかるので、入退場する効率が悪いという問題があった。
【0008】
このような問題を解決するため、特許文献2においては、作業員のヘルメットに作業員の識別情報が記憶されたICカードを配設する一方、作業現場の入退場口にゲートを配置し、ゲートの作業員の頭上となる位置に前記ICカード中の識別情報を読み出すカードリーダを配置した構成が開示されている。このような構成とすることにより、ヘルメットを装着した作業員がゲートを通過するたびにカードリーダが作業員の識別情報を取得できるので、作業員をハンズフリーで通過させて作業員のゲートの通過の効率低下を抑制し、併せて作業員の入退場の管理が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−140744公報
【特許文献2】特許第3996153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2の構成においては、読み取りミスを抑制するため、カードリーダとICカードとの距離をできるだけ小さくすることが必要となるが、作業員の身長には個人差があるため、上記距離を小さくすることは困難である。
【0011】
これを解決する手段として、UHF帯(例えば900MHz〜2.45Ghz)の周波数の信号により送受信を行なうカードリーダ及びICカード・ICタグを用いて、両者の送受信可能な距離を長くすることが考えられる。しかし、このように送受信可能な距離を長くした場合、ゲート付近に多くの作業員が集中すると、他の作業員のICタグを誤認識してしまう虞があり、タグリーダが読み取ったICタグの識別情報に対応する作業員と、実際にゲートを通過した作業員とを取り違えてしまう問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、上記問題点に着目し、作業員をハンズフリーで通過させつつ作業員の入退場の誤認識を回避しつつ、その記録が可能な入退場管理ゲート装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係る入退場ゲート装置は、第1には、作業エリアを入退場する作業員の登録識別情報と前記登録識別情報に対応する作業員情報を記憶するデータ管理部と、前記作業エリアの入退場口に配置され、前記入退場口を通過する前記作業員に付されたICタグから前記作業員の識別情報を読み取るタグリーダと、前記データ管理部及び前記タグリーダに接続され、前記タグリーダから入力された前記識別情報に対応する前記登録識別情報を読み出し、前記登録識別情報に対応する前記作業員情報を出力する制御部と、を備え、前記入退場口には、前記制御部から入力された前記作業員情報を表示する表示部が配置されたことを特徴とする。
【0014】
上記構成により、入退場口を通過しようとする作業員は、自分の識別情報に対応する氏名などの作業員情報が入退場口に表示されるので、自身の入退場がゲートにおいて認識されたか否かを判断することができる。したがって、タグリーダが読み取ったICタグの識別情報に対応する作業員と、実際にゲートを通過した作業員とを取り違えることなく、作業員の入退場の管理を行なうことができる。
【0015】
第2には、前記作業エリアに入場する前記作業員を検知して第1の検知信号を前記制御部に出力する第1の遮断センサと、前記作業エリアから退場する前記作業員を検知して第2の検知信号を前記制御部に出力する第2の遮断センサと、を有し、前記制御部は、前記第1の検知信号を受信した時刻の情報と、前記識別情報と、を有する入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶し、前記第2の検知信号を受信した時刻の情報と、前記識別情報と、を有する退場時刻情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする。
上記構成により、作業エリアを入退場する作業員の記録を生成することができる。
【0016】
第3には、前記第1の検知信号を受信することにより前記作業エリアに入場する前記作業員を撮影した第1の画像データを生成して前記制御部に出力する第1のカメラを有し、前記制御部は、前記第1の画像データを前記入場記録情報に対応させて前記データ管理部に記憶することを特徴とする。
上記構成により、タグリーダが認識した識別番号に係る作業員と実際に入場口を通過した作業員との照合を行なうことができる。
【0017】
第4には、前記タグリーダは、前記作業エリアに入場する前記作業員に付された前記IDタグを読み取る第1のタグリーダを有し、前記表示部は、前記作業エリアに入場する前記作業員が閲覧する第1の表示部を有し、前記制御部は、前記第1のタグリーダから前記識別情報を受信することにより前記データ管理部から前記作業員の最新の前記入場記録情報と最新の前記退場記録情報を読み出し、最新の前記入場記録情報が最新の前記退場記録情報より時間的に後となる場合には、前記作業員の最新の前記入場記録情報に対応する前記第1の画像データを前記データ管理部から読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、作業員が形式上入場口を2回連続通過することになる場合に、その作業員が前回の通過時の作業員を特定することができる。
【0018】
第5には、前記第2の検知信号を受信することにより前記作業エリアから退場する前記作業員を撮影した第2の画像データを生成して前記制御部に出力する第2のカメラを有し、前記制御部は、前記第2の画像データを前記退場記録情報に対応させて前記データ管理部に記憶することを特徴とする。
上記構成により、タグリーダが認識した識別番号に係る作業員と実際に退場口を通過した作業員との照合を行なうことができる。
【0019】
第6には、前記タグリーダは、前記作業エリアから退場する前記作業員に付された前記IDタグを読み取る第2のタグリーダを有し、前記表示部は、前記作業エリアから退場する前記作業員が閲覧する第2の表示部を有し、前記制御部は、前記第2のタグリーダから前記識別情報を受信することにより前記データ管理部から前記作業員の最新の前記入場記録情報と最新の前記退場記録情報を読み出し、最新の前記退場記録情報が最新の前記入場記録情報より時間的に後となる場合には、前記作業員の最新の前記退場記録情報に対応する前記第2の画像データを前記データ管理部から読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、作業員が形式上退場口を2回連続通過することになる場合に、その作業員が前回の通過時の作業員を特定することができる。
【0020】
第7には、修正後の前記入場記録情報または修正後の前記退場記録情報を前記制御部に出力可能な記録修正部が配置され、前記制御部は、前記データ管理部に記憶された前記入場記録情報を前記記録修正部から受信した修正後の前記入場記録情報に更新し、または、前記データ管理部に記憶された前記退場記録情報を前記記録修正部から受信した修正後の前記退場記録情報に更新することを特徴とする。
上記構成により、作業員が形式上入場口及び退場口をそれぞれ2回連続通過するとともに前回の通過時の作業員を特定できる場合に、真に通過した作業員に係る入場記録情報及び退場記録情報に更新することができる。したがって、作業員の作業エリアへの入退場を制限することなく、事後的に入場記録情報及び退場記録情報の誤った部分を更新することができる。
【0021】
第8には、前記データ管理部には、前記作業員へ警告を発する警告情報が記憶され、前記第1の表示部は、前記警告情報を表示可能とされ、前記制御部は、前記第1のタグリーダから前記識別情報を受信する前に前記第1の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を前記データ管理部から読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、ICタグを持たない(識別番号を有しない)作業員が入場口を通過する場合、作業員が入場口を通じて作業エリアから退場する場合に警告を発することができる。
【0022】
第9には、前記制御部は、前記第1の検知信号を受信した時刻の情報を有する第1の不正入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする。
上記構成により、不正な入場の存在を確認することができるとともに、第1の画像データ、第2の画像データも得られるので画像の被写体から不正な入場を行なう作業員を特定することができる。
【0023】
第10には、前記データ管理部には、前記作業員へ警告を発する警告情報が記憶され、前記第2の表示部は、前記警告情報を表示可能とされ、前記制御部は、前記第2のタグリーダから前記識別情報を受信する前に前記第2の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を前記データ管理部から読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、ICタグを持たない(識別番号を有しない)作業員が退場口を通過する場合、作業員が退場口を通じて作業エリアに入場する場合に警告を発することができる。
【0024】
第11には、前記データ管理部には、前記作業員の通行の許可を示す通行許可情報及び通行の禁止を示す通行禁止情報が記憶され、前記第1の表示部は、前記通行許可情報及び前記通行禁止情報を表示可能とされ、前記制御部は、前記第1のタグリーダから受信した前記識別情報が前記登録識別情報に含まれるか否かを判別し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれる場合は、前記データ管理部から前記通行許可信号を読み出して前記第1の表示部に出力し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれない場合は、前記データ管理部から前記通行禁止信号を読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、登録されている作業員は入場口を通過することが許可されていることを認識することができ、登録されていない作業員が入場口を通過しようとする場合にその作業員に注意を促すことができる。
【0025】
第12には、前記制御部は、前記第1の表示部に前記通行禁止情報を出力後に前記第1の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、ICタグを有する(識別番号を有する)ものの登録されていない作業員が不正に入場口を通過する場合に警告を発することができる。
【0026】
第13には、前記制御部は、前記第1の検知信号を受信した時刻の情報と、前記識別情報と、を有する第2の不正入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする。
上記構成により、不正な入場の存在を確認することができるとともに、作業員の識別番号、第1の画像データ、第2の画像データも得られるので不正な入場を行なう作業員を容易に特定することができる。
【0027】
第14には、前記データ管理部には、前記作業員の通行の許可を示す通行許可情報及び通行の禁止を示す通行禁止情報が記憶され、前記第2の表示部は、前記通行許可情報及び前記通行禁止情報を表示可能とされ、前記制御部は、前記第2のタグリーダから受信した前記識別情報が前記登録識別情報に含まれるか否かを判別し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれる場合は、前記データ管理部から前記通行許可信号を読み出して前記第2の表示部に出力し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれない場合は、前記データ管理部から前記通行禁止信号を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、登録されている作業員は退場口を通過することが許可されていることを認識することができ、登録されていない作業員が退場口を通過しようとする場合にその作業員に注意を促すことができる。
【0028】
第15には、前記制御部は、前記第2の表示部に前記通行禁止情報を出力後に前記第2の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、ICタグを有する(識別番号を有する)ものの登録されていない作業員が不正に退場口を通過する場合に警告を発することができる。
【0029】
第16には、前記データ管理部には、複数の前記IDタグを認識したことを示す複数認識情報が記憶され、前記第1の表示部は、前記複数認識情報を表示可能とされ、前記制御部は、前記第1の表示部への前記通行許可情報の出力後であって前記第1の検知信号を受信する前に前記第1のタグリーダから他の作業員に係る前記識別情報を受信した場合は前記複数認識情報を前記データ管理部から読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする。
【0030】
通信距離の長いUHF帯の信号を用いてICタグに付された識別番号の読み取りを行なう場合、入場口においてタグリーダが複数のICタグを読み込んで複数の識別番号を認識することがある。よって、上記構成により、入場口においてタグリーダが複数の識別番号を認識した場合には、そのときに通過する作業員に複数認識情報を表示して注意を促すことができる。
【0031】
第17には、前記制御部は、前記第1の表示部への前記複数認識情報を出力したのちに前記第1の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする。
【0032】
タグリーダが複数の識別番号を認識した状態で、作業員が入場口を通過してしまうと、入場記録情報において実際に入場口を通過した作業員を特定することができなくなる。よって上記構成により、タグリーダが複数の識別番号を認識した状態で、作業員が入場口を通過した場合には警告を発することができる。
【0033】
第18には、前記制御部は、前記作業員の前記識別情報と、前記他の作業員の前記識別情報と、前記第1の検知信号を受信した時刻の情報と、を有する第3の不正入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする。
上記構成により、不正な入場の存在を確認することができるとともに、作業員の識別番号、他の作業員の識別番号、第1の画像データ、第2の画像データも得られるので不正な入場を行なう作業員を容易に特定することができる。
【0034】
第19には、前記データ管理部には、複数の前記IDタグを認識したことを示す複数認識情報が記憶され、前記第2の表示部は、前記複数認識情報を表示可能とされ、前記制御部は、前記第2の表示部への前記通行許可情報の出力後であって前記第2の検知信号を受信する前に前記第2のタグリーダから他の作業員に係る前記識別情報を受信した場合には前記複数認識情報を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする。
【0035】
通信距離の長いUHF帯の信号を用いてICタグに付された識別番号の読み取りを行なう場合、退場口においてタグリーダが複数のICタグを読み込んで複数の識別番号を認識することがある。よって、上記構成により、退場口においてタグリーダが複数の識別番号を認識した場合には、そのときに通過する作業員に複数認識情報を表示して注意を促すことができる。
【0036】
第20には、前記制御部は、前記第2の表示部への前記複数認識情報を出力したのちに前記第2の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする。
【0037】
タグリーダが複数の識別番号を認識した状態で、作業員が退場口を通過してしまうと、退場記録情報において実際に退場口を通過した作業員を特定することができなくなる。よって上記構成により、タグリーダが複数の識別番号を認識した状態で、作業員が退場口を通過した場合には警告を発することができる。
【0038】
第21には、前記制御部からの駆動信号により警告音を発するアラームが配置され、前記制御部は、前記警告情報を出力する際に前記駆動信号を前記アラームに出力することを特徴とする。
上記構成により、音声により作業員に対して警告を発することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係る入退場ゲート装置によれば、登録された作業員をハンズフリーで通過させつつ作業員の入退場の記録が可能となり、且つ入退場口で作業員の誤認識があったとしても、登録された作業員の入退場を制限することなく入場記録情報及び退場記録情報を事後的に修正し、作業員の入退場を確実に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態の入退場ゲート装置の概略図である。
【図2】本実施形態の入退場ゲート装置の基本動作(入場・退場機能)を示す図である。
【図3】本実施形態の入退場ゲート装置の基本動作(連続入場・退場の検出機能)を示す図である。
【図4】本実施形態の入退場ゲート装置の基本動作(複数人同時通過の防止機能)を示す図である。
【図5】本実施形態の入退場ゲート装置の基本動作(IDタグなし作業員の検出機能)を示す図である。
【図6】本実施形態の入退場ゲート装置の基本動作(逆進入の検出機能)を示す図である。
【図7】本実施形態の入退場ゲート装置の基本動作(未登録者の検出機能)を示す図である
【図8】本実施形態の入退場ゲート装置のブロック図である。
【図9】本実施形態の入退場ゲート装置のフロー図(入場時)である。
【図10】本実施形態の入退場ゲート装置のフロー図(退場時)である。
【図11】第1の記録修正部において入場記録情報を修正する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0042】
図1に本実施形態の入退場ゲート装置10の概略図を示す。本実施形態の入退場ゲート装置10は、作業員24の入退場が制限された作業エリアの入場口及び退場口に設置されたゲートに、作業員24のICタグを読み取る第1のタグリーダ18、第2のタグリーダ20、ゲートを通過する作業員24が自己の入場、退場を確認する第1の表示モニタ36(第1の表示部)や第2の表示モニタ38(第2の表示部)等、さまざまな構成要素を取り付けて構成されたものである。ゲートは、作業エリアの入場口に配置された入場口ゲート14と、作業エリアの退場口に配置された退場口ゲート16と、からなる。そして、入場口ゲート14、退場口ゲート16は、たとえば、建設資材や足場などで用いられる支柱を門型(箱型)に組み立てればよい。
【0043】
そして、この入場口ゲート14、退場口ゲート16に、ICタグ(不図示)をヘルメット22等に取り付けた状態で作業員24が通過する。ICタグ(不図示)には作業員24の識別情報が内蔵されている。
【0044】
第1のタグリーダ18は、入場口ゲート14の作業員24の頭上となる位置であって、例えば作業員24が最初に真下を通過する支柱に取り付けられ、第2のタグリーダ20は、退場口ゲート16の作業員24の頭上となる位置であって、例えば作業員24が最初に真下を通過する支柱に取り付けられる。第1のタグリーダ18、第2のタグリーダ20は、例えば、通信距離が数m〜数十mとなるUHF帯(例えば900MHz〜2.45Ghz)の周波数の信号により送受信を行なう端末である。
【0045】
第1のタグリーダ18は、作業員24が入場する方向と反対方向であって下向きに一定の角度でUHF帯の送信信号を送信する。作業員24が送信信号の送信エリアを通過することにより作業員24(ヘルメット22)に付されたICタグ(不図示)には、UHF帯の送信信号が照射され、これによりICタグ(不図示)から送信されたUHF帯の応答信号を受信し、受信した応答信号から作業員24の識別情報を読み出して制御部50に出力する。
【0046】
第2のタグリーダ20は、作業員24が退場する方向と反対方向であって下向きに一定の角度でUHF帯の送信信号を送信する。作業員24が送信信号の送信エリアを通過することにより作業員24に付されたICタグ(不図示)にはUHF帯の送信信号が照射され、これによりICタグ(不図示)から送信されたUHF帯の応答信号を受信し、受信した応答信号から作業員24の識別情報を読み出して制御部50に出力する。
【0047】
ICタグ(不図示)は、第1のタグリーダ18、第2のタグリーダ20からUHF帯の送信信号を受信すると、この送信信号に予め内蔵された作業員24の識別情報を掛け合わせてUHF帯の応答信号を出力する。
また、入場口ゲート14には第1の遮断センサ28が配置され、退場口ゲート16には第2の遮断センサ30が配置される。
【0048】
第1の遮断センサ28は、レーザー光を送信する送信器28aと、レーザー光を受信する受信器28bとを有する。送信器28aは、例えば作業員24が作業エリアに入場時に最後に横を通過する入場口ゲート14の支柱の一方に配置され、受信器28bは作業員24が作業エリアから入場時に最後に横を通過する入場口ゲート14の支柱の他方であって送信器28aからのレーザー光を受信できる位置に配置される。
【0049】
送信器28aは常時レーザー光を送信し、受信器28bはレーザー光を常時受信しているが、作業員24がレーザー光の光路を遮ると、受信器28bのレーザー光の受信が遮られる。よって第1の遮断センサ28は、レーザー光の受信が遮られると、作業員24が入場口ゲート14を通過したものとして作動し、第1の検知信号を制御部50に出力する。
【0050】
第2の遮断センサ30は、レーザー光を送信する送信器30aと、レーザー光を受信する受信器30bとを有する。送信器30aは、例えば作業員24が作業エリアから退場時に最後に横を通過する退場口ゲート16の支柱の一方に配置され、受信器30bは作業員24が作業エリアから退場時に最後に横を通過する退場口ゲート16の支柱の他方であって送信器30aからのレーザー光を受信できる位置に配置される。送信器30a、受信器30bは、それぞれ送信器28a受信器28bと同様の構成を有し、作業員24が送信器30aからのレーザー光の光路を遮ると、作業員24が退場口ゲート16を通過したものとして作動し、第2の検知信号を制御部50に出力する。
【0051】
入場口ゲート14の作業員24の頭上となる位置には、第1のカメラ32が配置され、退場口ゲート16の作業員24の頭上となる位置には第2のカメラ34が配置される。
【0052】
第1のカメラ32は、作業員24が入場(通過する)する方向と反対方向であって、入場する作業員24を撮影できるように光軸を一定の角度で下向きに向けた状態で配置される。また、第2のカメラ34は、作業員24が退場する方向と反対方向であって、退場する作業員24を撮影できるように光軸を一定の角度で下向きに向けた状態で配置される。
【0053】
第1のカメラ32は、第1の遮断センサ28から出力される第1の検知信号を受信することにより、入場口ゲート14を通過する作業員24を被写体とする第1の画像データを生成して制御部50に出力する。
【0054】
第2のカメラ34は、第2の遮断センサ30から出力される第2の検知信号を受信することにより、退場口ゲート16を通過する作業員24を被写体とする第2の画像データを生成して制御部50に出力する。
【0055】
また、入場口ゲート14には、第1の表示モニタ36が配置され、退場口ゲート16には第2の表示モニタ38が配置される。第1の表示モニタ36、第2の表示モニタ38は、作業員24の作業員情報、判定情報(通過可能情報、通過許可情報、通過禁止情報、連続通過情報、複数認識情報、警告情報)を表示して入場口ゲート14、退場口ゲート16を通過する作業員24に各情報を表示するディスプレイである。そして、第1の表示モニタ36は、作業員24が入場する方向と反対方向(画面が作業員24に見える方向)に画面を向けて配置され、第2の表示モニタ38は、作業員24が退場する方向と反対方向(画面が作業員24に見える方向)に画面を向けて配置される。
【0056】
さらに、入場口ゲート14には第1のパトライト40が配置され、退場口ゲート16には第2のパトライト42が配置される。第1のパトライト40には第1のアラーム40a(図8)が内蔵され、第2のパトライト42には第2のアラーム42a(図8)が内蔵されている。
【0057】
第1のパトライト40は、例えば通常緑色発光をしているが、制御部50から第1の駆動信号が入力されることにより赤色発光に切り替わる。また第1のアラーム40a(図8)は、制御部50から第1の駆動信号が入力されることにより警告音を発する。
【0058】
第2のパトライト42は、前述同様、通常緑色発光をしているが、制御部50から第2の駆動信号が入力されることにより赤色発光に切り替わる。また第2のアラーム42a(図8)は、制御部50から第2の駆動信号が入力されることにより警告音を発する。
【0059】
そして、入場口ゲート14には第1の記録修正部が配置され、退場口ゲート16には第2の記録修正部が配置されている。第1の記録修正部は、確認モニタ44aとデータ入力部44bとを有し、第2の記録修正部は、確認モニタ46aとデータ入力部46bとを有する。
【0060】
確認モニタ44aは、作業員24が入場する方向と反対方向(画面が作業員24に見える方向)に画面が向けられて配置され、確認モニタ46aは、作業員24が退場する方向と反対方向(画面が作業員24に見える方向)に画面が向けられて配置される。
【0061】
確認モニタ44a、確認モニタ46aには、後述の作業員情報、入場記録情報、退場記録情報、第1の画像データ、第2の画像データ、第1の不正入場記録、第2の不正入場記録、第3の不正入場記録が表示される。
【0062】
データ入力部44b、データ入力部46bは、キーボード、マウス、音声入力器、確認モニタ44a、46aの画面に一体的に形成されたタッチパネル等の入力機器により構成され、後述のように作業員24が入力した修正後の入場記録情報、修正後の退場記録情報を制御部50に出力する。なお、データ入力部44b、データ入力部46bにおいては、作業員24が入力する作業員24の氏名等が、作業員24の識別番号に変換されるように構成されている。よって、作業員24が実際に入場または退場した他の作業員26の氏名等を入力することにより、データ入力部44b、46bは前記他の作業員26の識別番号を包含する入場記録情報および退場記録情報を制御部50に出力することができる。またデータ入力部44b、46bは、作業員24の操作により制御部50が後述の連続通過情報の出力を解除する解除信号を出力する。
【0063】
制御部50は、例えば、入場口ゲート14、退場口ゲート16、またはそれ以外の場所に配置されたPC(パーソナルコンピュータ)や、PCにインストールされたアプリケーションである。またPCのHDD等の記憶領域にはデータ管理部52が配置されている。
【0064】
図2に本実施形態の入退場ゲート装置10の基本動作(入場・退場機能)を示し、図3に本実施形態の入退場ゲート装置10の基本動作(連続入場・退場の検出機能)を示し、図4に本実施形態の入退場ゲート装置10の基本動作(複数人同時通過の防止機能)を示し、図5に本実施形態の入退場ゲート装置10の基本動作(IDタグなし作業員24の検出機能)を示し、図6に本実施形態の入退場ゲート装置10の基本動作(逆進入の検出機能)を示し、図7に本実施形態の入退場ゲート装置10の基本動作(未登録者の検出機能)を示す。
【0065】
本実施形態の入退場ゲート装置10の制御及び動作の詳細については、後述のように図8のブロック図、図9、図10のフロー図を用いて説明するが、理解を容易にするため、本実施形態の入退場ゲート装置10の基本動作について先に説明する。なお本実施形態においては入場口ゲート14に配置された構成要素と退場口ゲート16に配置された構成要素は同様の動作をするので、入場口ゲート14に配置された構成要素の動作についてのみ説明する。
【0066】
まず、図2乃至図7においては、初期状態として第1のパトライト40は緑色発光し、第1の表示モニタ36には通行可能表示が表示され、例えば第1の表示モニタ36の画面には「ID」の文字を表示しているものとする。
【0067】
そして、図2に示すように、ヘルメット22にIDタグを付した作業員24が入場口ゲート14を通過する場合、第1のタグリーダ18がIDタグに記憶された識別番号を読み出す。そして読みだされた識別番号が登録されたものである場合は、第1の表示モニタ36に通行許可情報とその識別番号に対応する作業員情報が表示され、例えば第1の表示モニタ36の画面には矢印の絵柄(通行許可情報)と氏名等(作業員情報、図2では矢印の絵柄の下部に「A」と記載)表示される。そして、これにより作業員24は、自分の通過が許可されたことを認識することができるとともに、自分以外の他人に対して通過をしないように注意することができる。そして、作業員24が第1の遮断センサ28のレーザーの光路を遮ると、作業員24が入場口ゲート14を通過したものとして、第1の表示モニタ36に通行確認情報が表示され、例えば第1の表示モニタ36の画面には円印の絵柄が表示される。そして作業員24が入場口ゲート14を通過後一定時間が経過すると、第1の表示モニタ36には通行可能表示が再び表示される。なお作業員情報は、その情報を作業員24が見ることにより誰の情報であるか認識できるものであれば何でもよく、上述の氏名のほかに作業員24のお気に入りの画像等を用いることができる。
【0068】
また作業員24が第1の遮断センサ28を作動させると、第1のタグリーダ18が読み取った作業員24の識別情報と第1の遮断センサ28を作動させた時刻の情報を有する入場記録情報(退場記録情報)が後述の制御部50により生成される。
【0069】
本実施形態では、UHF帯の周波数を有する信号によりIDタグから識別番号を読み取ることになるため、入場口ゲート14に複数の作業員24がいる場合には、入場を意図しない作業員24のIDタグを読み取り、入場を意図する作業員24のIDタグを読み取る場合がある。よって、IDタグを読み取った作業員24に対して上述の通行許可表示、作業員情報を表示するにも係らず、タグリーダが認識した識別番号に係る作業員24が通過することなく、他の作業員26が入場口ゲート14を通過する場合がある。
【0070】
この場合、第1のタグリーダ18で識別番号が認識されたにも係らず、入場口ゲート14を通過しなかった(識別番号が認識されたことに気がつかなかった)作業員24は、次に入場口ゲート14を通過しようとすると、形式的には2回連続で入場口ゲート14を通過することになる。
【0071】
よって、図3に示すように、作業員24が形式上2回連続で入場口ゲート14を通過することになる場合は、第1の表示モニタ36に連続通過表示が表示され、連続で通過する旨を示す文字や絵柄が画面に表示される。さらに前回入場口ゲート14を通過した際に撮影された第1の画像データが第1の表示モニタ36に表示される。これにより、実際にどの作業員24が前回に自分の代わり入場、退場したかが分かるようになっている。この場合、後述のように、第1の記録修正部(確認モニタ44a、データ入力部44b)により、作業員24の入場を記録した入場記録情報、作業員24の退場を記録した退場記録情報を修正することができる。
【0072】
図4に示すように、第1のタグリーダ18が入場口ゲート14に複数の作業員24に係るIDタグを認識した状態で、複数の作業員24が入場口ゲート14を通過する場合がある。この場合、いずれかの作業員24が第1の遮断センサ28を作動させたか、すなわち実際に作業員24が入場口ゲート14を通過したかを認識することができなくなる。そこで、図4に示すように、第1のタグリーダ18が入場口ゲート14において一人の作業員24のIDタグを読み取ったのち、その作業員24が入場口ゲート14を通過する前に、他の作業員26に係る識別番号を認識した場合には、第1の表示モニタ36に複数認識情報が表示され、例えば2人の通行を禁止する旨の絵柄が画面に表示される。なお、第1の表示モニタ36において通行許可情報を出力する前に第1のタグリーダ18が複数のIDタグを認識した場合も同様である。
【0073】
さらに、第1のタグリーダ18が複数の識別番号を認識した状態で、作業員24が入場口ゲート14を通過してしまうと、入場記録情報において実際に入場口ゲート14を通過した作業員24を特定することができなくなる。
【0074】
よって、第1の遮断センサ28を作動させた(レーザー光の光路を遮断した)場合、すなわち識別番号が認識された複数の作業員24のうちいずれかが入場口ゲート14を通過した場合には、第1の表示モニタ36に警告情報が表示され、例えば赤字の×印の絵柄が画面に表示される。また第1のパトライト40が赤色発光するとともに第1のアラーム40a(図8)が警告音を発する。このように、第1のタグリーダ18が複数の識別番号を認識した状態で、作業員24が入場口ゲート14を通過した場合には、その作業員24に警告を発することができる。
【0075】
図5に示すように、IDタグを持たない作業員25が入場口ゲート14を通過する場合は、第1のタグリーダ18は識別番号を認識できないので、作業員25が第1の遮断センサ28を作動させるまで第1の表示モニタ36には通行可能情報が表示される。そして作業員25が第1の遮断センサ28を作動させると、第1の表示モニタ36には、その作業員25に対する警告情報が表示され、第1のパトライト40が赤色発光するとともに第1のアラーム40a(図8)がその作業員25に対して警告音を発する。
【0076】
図6に示すように、作業員24が入場口ゲート14から退場する場合、すなわち作業員24がゲートを逆進入する場合は、作業員24が第1の遮断センサ28を作動させることになる。これにより、第1の表示モニタ36には、その作業員24に対する警告情報が表示され、第1のパトライト40が赤色発光するとともに第1のアラーム40a(図8)がその作業員24に対して警告音を発する。
【0077】
図7に示すように、IDタグを有するものの作業エリアへの入退場が許諾されておらず、登録されていない識別番号を有する作業員24が入場口ゲート14を通過する場合、第1のタグリーダ18がその作業員24の識別番号を読み取ると、第1の表示モニタ36には通行禁止情報が表示され、例えば、赤丸中に一本の白い横棒が描かれた絵柄が画面に表示される。そしてさらに、その作業員24が第1の遮断センサ28を作動させると、第1の表示モニタ36には、その作業員24に対する警告情報が表示され、第1のパトライト40が赤色発光するとともに図8に示す第1のアラーム40a(図8)がその作業員24に対して警告音を発する。
【0078】
図2乃至図7において、第1の遮断センサ28が作動するたびに、第1のカメラ32において入場口ゲート14を通過する作業員24(作業員25)を被写体とする第1の画像データが生成され、データ管理部52に記憶される。そして、図3のように作業員24が形式上2回連続で入場口ゲート14を通過することになる場合には第1の表示モニタ36に第1の画像データが表示される。
【0079】
なお、上述の図2乃至図7を用いた説明において、第1のタグリーダ18を第2のタグリーダ20とし、第1の遮断センサ28を第2の遮断センサ30とし、第1のカメラ32を第2のカメラ34とし、第1の表示モニタ36を第2の表示モニタ38とし、第1のパトライト40を第2のパトライト42とし、第1のアラーム40a(図8)を第2のアラーム42a(図8)とし、確認モニタ44aを確認モニタ46aとし、データ入力部44bをデータ入力部46bとする。さらに第1の検知信号を第2の検知信号とし、第1の画像データを第2の画像データとし、第1の駆動信号を第2の駆動信号とし、「入場」の文言と「退場」の文言とを相互に入れ替えることにより、退場口ゲート16に配置された構成要素の動作の説明になる。
【0080】
図8に、本実施形態の入退場ゲート装置10の制御ブロック図を示す。
図8に示すように、本実施形態の入退場ゲート装置10は、データ管理部52、入場口ゲート14に配置された構成要素(第1のタグリーダ18、第1の表示モニタ36、第1のパトライト40、第1のアラーム40a、第1のカメラ32、確認モニタ44a、データ入力部44b)、退場口ゲート16に配置された構成要素(第2のタグリーダ20、第2の表示モニタ38、第2のパトライト42、第2のアラーム42a、第2のカメラ34、確認モニタ46a、データ入力部46b)が制御部50に接続されたものとなっている。
【0081】
データ管理部52には、作業エリアへの入場が許可され登録されている作業員24の識別情報となる登録識別情報と、登録識別情報に対応した作業員情報が予め記憶され、制御部50により読み出される。ここで、識別情報及び登録識別情報は、例えば互いに重複しない複数桁のデジタル情報であり、作業員24に個々に割り当てられたものである。また、作業員情報は、例えば作業員24の氏名等を示すものであり、氏名とともに識別情報を表示するようにしてもよい。
【0082】
また、データ管理部52には、作業員24に注意あるいは警告を行なうための判定情報(通行可能情報、通行許可情報、通行確認情報、通行禁止情報、連続通過情報、複数認識情報、警告情報)が予め記憶され、制御部50により読み出される。
【0083】
そして、データ管理部52には、後述のように制御部50が生成した入場記録情報、退場記録情報、第1の画像データ、第2の画像データ、第1の不正入場記録情報、第2の不正入場記録情報、第3の入場記録情報が時系列で記憶されるとともに、これらの情報は制御部50により読み出される。またデータ管理部52には、データ入力部44b、データ入力部46bから出力された修正後の入場記録情報及び修正後の退場記録情報が制御部50を介して入力され、データ管理部52に記憶された入場記録情報の該当部分(修正後の入場記録情報と時間的に一致する入場記録情報)が修正後の入場記録情報により更新(上書き)され、データ管理部52に記憶された退場記録情報の該当部分(修正後の退場記録情報と時間的に一致する退場記録情報)が修正後の退場記録情報により更新(上書き)される。
【0084】
制御部50には、識別情報、第1の検知信号、第2の検知信号、第1の画像データ、第2の画像データ、修正後の入場記録情報、修正後の退場記録情報を受信する。また制御部50は、後述のように、第1のカメラ32から受信した第1の画像データ、第2のカメラ34から受信した第2の画像データ、制御部50で生成した入場記録情報、退場記録情報、第1の不正入場記録情報、第2の不正入場記録情報、第3の不正記録情報、そして記録修正部から受信した修正後の入場記録情報、修正後の退場記録情報をデータ管理部52に出力する。
【0085】
一方、制御部50は、データ管理部52から読み出した作業員情報、判定情報、第1の画像データ、第2の画像データを、第1の表示モニタ36、第2の表示モニタ38に出力する。また制御部50は、データ管理部52から読み出した第1の画像データ、第2の画像データ、入場記録情報、退場記録情報、第1の不正入場記録情報、第2の不正入場記録情報、第3の不正入場記録情報を第1の記録修正部(確認モニタ44a)、第2の記録修正部(確認モニタ46a)に出力する。
【0086】
さらに、制御部50は、判定情報のうち、警告情報を第1の表示モニタ36に出力する際は、第1の駆動信号を第1のパトライト40及び第1のアラーム40aに出力し、警告情報を第2の表示モニタ38に出力する際は、第2の駆動信号を第2のパトライト42及び第2のアラーム42aに出力する。なお第1の駆動信号、第2の駆動信号は、連続通過情報及び複数認識情報を第1の表示モニタ36、第2の表示モニタ38に出力する際にも出力してもよい。
【0087】
制御部50は、起動すると、判定情報のうちの通行可能情報をデータ管理部52から読み出して第1の表示モニタ36、第2の表示モニタ38に出力するものとする。そして、制御部50にはカウンタが内蔵され、判定情報のうち、通行許可情報、通行確認情報、通行禁止情報、複数認識情報、警告情報を出力するときは、これらの情報の出力と同時にカウンタのカウントアップを行う。そして、一定時間後にカウンタがフルカウントになるとこれらの情報の出力を停止して通行可能情報を出力するとともにカウンタをリセットするように構成されている。
【0088】
なお、カウンタにはカウンタの駆動時にプリセット値を入力することが可能であり、各情報の出力ごとにフルカウントになる時間、すなわち各情報を出力する設定時間を調整することができる。このプリセット値は,データ入力部44b、46bから入力できるようにしてもよいし、制御部50が搭載されたPCのキー操作により入力できるようにしてもよい。
【0089】
したがって、作業員24が正規に入場口ゲート14、退場口ゲート16を通過する場合、第1の表示モニタ36、第2の表示モニタ38には通行許可情報、通行確認情報が表示されるが、一定時間後には通行可能情報が表示されるので、次の作業員24が入場口ゲート14、退場口ゲート16を通過することができる。また、何らかの原因で、通行禁止情報、複数認識情報、警告情報が発せられても一定時間後(数秒程度)には通行可能な状態となるため、登録された作業員24は、殆どストレスを受けることなく、入場口ゲート14および退場口ゲート16を通過することができる。
【0090】
制御部50は、第1のタグリーダ18(第2のタグリーダ20)からの識別情報を受信すると、データ管理部52から登録識別情報を読み出して、受信した識別情報と登録識別情報とを照合する。そして、受信した識別情報が登録識別情報に含まれる場合は、データ管理部52から通行許可信号と受信した識別信号に対応する作業員情報を読み出して第1の表示モニタ36(第2の表示モニタ38)に出力する。そして、制御部50は、第1のタグリーダ18(第2のタグリーダ20)から識別情報を受信した後に第1のタグリーダ18(第2のタグリーダ20)から他の作業員26のICタグに係る識別情報を受信することなく、第1の遮断センサ28(第2の遮断センサ30)から第1の検知信号(第2の検知信号)を受信すると、データ管理部52から通行許可情報を読み出して既に読み出した作業員情報とともに第1の表示モニタ36(第2の表示モニタ38)に出力する。これにより作業員24は、自己の通行が認められたと判断することができ、入場口ゲート14(退場口ゲート16)を通過することができる。
【0091】
そして制御部50は、第1の検知信号(第2の検知信号)を受信するとデータ管理部52から通行確認情報を読み出して第1の表示モニタ36(第2の表示モニタ38)に出力するとともに、受信した識別情報と第1の検知信号(第2の検知信号)を受信した時刻の情報を有する入場記録情報(退場記録情報)を生成してデータ管理部52に出力する。
【0092】
このとき、第1のカメラ32(第2のカメラ34)は、第1の検知信号(第2の検知信号)により第1の画像データ(第2の画像データ)を生成して制御部50に出力している。よって、制御部50は、第1のカメラ32(第2のカメラ34)から受信した第1の画像データ(第2の画像データ)に、制御部50が第1の検知信号(第2の検知信号)を受信した時刻の情報を付加してデータ管理部52に出力する。したがって、第1の画像データは、入場記録情報と共通に第1の検知信号を受信した時刻の情報を有するため、入場記録情報に対応してデータ管理部52に記憶されることになる。また、第2の画像データは、退場記録情報と共通に第2の検知信号を受信した時刻の情報を有するため、退場記録情報に対応してデータ管理部52に記憶されることになる。
【0093】
また制御部50は、第1のタグリーダ18(第2のタグリーダ20)から受信した識別情報が登録識別情報に含まれない場合は、データ管理部52から通行禁止情報を読み出して第1の表示モニタ36(第2の表示モニタ38)に出力する。また、第1のタグリーダ18(第2のタグリーダ20)から識別情報を受信した後に第1のタグリーダ18(第2のタグリーダ20)が他の作業員26のICタグから識別情報が読み取り、その識別情報を制御部50が受信する場合がある。すなわち制御部50が入場口ゲート14(退場口ゲート16)に複数の作業員24が存在すると認識する場合がある。この場合、制御部50は、データ管理部52から複数認識情報を読み出して第1の表示モニタ36(第2の表示モニタ38)に出力する。
【0094】
一方、制御部50は、第1のタグリーダ18から登録識別情報に含まれる識別情報を受信すると、データ管理部52から入場記録情報と退場記録情報を読み出し、最新の入場記録情報が最新の退場記録情報より時間的に前になる場合は、上述の通行許可情報の出力等の動作を行う。一方、最新の入場記録情報が最新の退場記録情報より時間的に後になる場合、すなわち、その作業員24が形式的に2度連続で入場口ゲート14を通過することになる場合は、データ管理部52から連続通過情報を読み出して第1の表示モニタ36に出力するとともに、第1の画像データのうち最新の入場記録情報に対応する(時間的に一致する)第1の画像データを第1の表示モニタ36に出力する。
【0095】
同様に、制御部50は、第2のタグリーダ20から登録識別情報に含まれる識別情報を受信すると、データ管理部52から入場記録情報と退場記録情報を読み出し、最新の退場記録情報が最新の入場記録情報より時間的に前になる場合は、上述の通行許可情報の出力等の動作を行う。一方、最新の退場記録情報が最新の入場記録情報より時間的に後になる場合、すなわち、その作業員24が形式的に2度連続で退場口ゲート16を通過することになる場合は、データ管理部52から連続通過情報を読み出して第2の表示モニタ38に出力するとともに、第2の画像データのうち最新の退場記録情報に対応する(時間的に一致する)第2の画像データを第2の表示モニタ38に出力する。
【0096】
一方、制御部50は、第1のタグリーダ18から識別情報を受信する前に第1の検知信号を受信した場合は、データ管理部52から警告情報を読み出して第1の表示モニタ36に出力するとともに、第1の検知信号を受信した時刻の情報を有する第1の不正入場記録情報を生成してデータ管理部52に出力する。また制御部50は、第1の表示モニタ36に通行禁止情報を出力した後に第1の検知信号を受信した場合は、データ管理部52から警告情報を読み出して第1の表示モニタ36に出力するとともに、通行禁止情報を出力する前に入力された識別情報と、第1の検知信号を受信した時刻の情報と、を有する第2の不正入場記録情報を生成してデータ管理部52に出力する。さらに、制御部50は、第1の表示モニタ36に複数認識情報を出力した後に第1の検知信号を受信した場合は、データ管理部52から警告情報を読み出して第1の表示モニタ36に出力するとともに、複数認識情報を出力する前に入力された全ての識別情報と、第1の検知信号を受信した時刻の情報と、を有する第3の不正入場記録情報を生成してデータ管理部52に出力する。
【0097】
そして、制御部50は、第2のタグリーダ20から識別情報を受信する前に第2の検知信号を受信した場合と、第2の表示モニタ38に通行禁止情報を出力した後に第2の検知信号を受信した場合と、第2の表示モニタ38に複数認識情報を出力した後に第2の検知信号を受信した場合と、において、それぞれデータ管理部52から警告情報を読み出して第2の表示モニタ38に出力する。
【0098】
さらに制御部50は、第1の表示モニタ36に警告情報を出力する際は、第1の駆動信号を第1のパトライト40及び第1のアラーム40aに出力し、第2の表示モニタ38に警告情報を出力する際は、第2の駆動信号を第2のパトライト42及び第2のアラーム42aに出力する。
【0099】
また、制御部50は、入場記録情報、退場記録情報、第1の画像データ、第2の画像データ、第1の不正入場記録情報、第2の不正入場記録情報、第3の不正入場記録情報を一定時間ごとに(またはこれらの情報が更新されるごとに)データ管理部52から読み出して確認モニタ44a、確認モニタ46aに出力する。そして制御部50は、データ入力部44b、データ入力部46bから修正後の入場記録情報、修正後の退場記録情報を受信した場合は、これらをデータ管理部52に出力する。
【0100】
また制御部50は、上述のように、作業員24が形式上2度連続で入場口ゲート14および退場口ゲート16を通過することになる場合は連続通過情報を出力する。そして、データ入力部44b(データ入力部46b)から連続通過情報の出力を解除する解除信号を受信すると、制御部50は通行許可情報をデータ管理部52から読み出して第1の表示モニタ36(第2の表示モニタ38)に出力する。
【0101】
図9に本実施形態の入退場ゲート装置10のフロー図(入場口)を示し、図10に本実施形態の入退場ゲート装置10のフロー図(退場口)を示す。本実施形態の入退場ゲート装置10の作業員24の入場時および退場時の動作の詳細ついて説明する。ここで、第1の表示モニタ36及び第2の表示モニタ38には、それぞれ通行可能情報が表示されているものとする。
【0102】
まず、図9に示すように、不正に入場口ゲート14を通過することなく、正規の手続きを経て作業員24が入場口を通過する場合のフローについて説明する。まず、ヘルメット22等にICタグを取り付けた作業員24が入場口ゲート14に入場すると(経路(1−1))、第1のタグリーダ18がICタグから作業員24の識別情報を読み取り(経路(1−2))制御部50に出力する(経路(1−3))。すると、制御部50は、受信した識別情報が登録識別情報に含まれるか否かを判断し(経路(1−4))、受信した識別情報が登録識別情報に含まれると判断した場合(経路(1−5))は、作業員24が形式上2度連続で入場することになるか否かを判断するために入場記録情報および退場記録情報を読み出す(経路(1−5))。
【0103】
一方、制御部50は、受信した識別情報が登録識別情報に含まれ、且つ、作業員24が形式上2度連続で入場することになると判断した場合(経路(2−1))は、第1の表示モニタ36に連続通過情報と最新の入場記録情報に対応する第1の画像データを出力する(経路(2−2))。ここで作業員24は、第1のモニタに表示される第1の画像データの被写体が自分であり、入場記録情報及び退場記録情報の修正が不要であると判断した場合(経路(2−3))は、データ入力部44bから解除信号を出力させ、制御部50の連続通過情報の出力を解除させて第1の表示モニタ36に通行許可情報を出力させる(経路(2−4))。
【0104】
一方、作業員24は、第1の表示モニタ36に表示される第1の画像データの被写体が自分ではないと認識した場合(経路(3−1))は、確認モニタ44aに表示される第1の画像データ、第2の画像データ、入場記録情報、退場記録情報、第1の不正入場記録情報、第2の不正入場記録情報、第3の不正入場記録情報を見ながら該当作業員24の氏名等をデータ入力部44bに入力する(経路(3−2))。すると、データ入力部44bは、該当作業員24の識別情報を包含した修正後の入場記録情報を、制御部50を介してデータ管理部52に出力する。そしてデータ管理部52では入場記録情報のうち修正箇所となる最新の入場記録情報に修正後の入場記録情報を上書きして入場記録情報を更新する(経路(3−2))。
【0105】
また、作業員24は、第1の表示モニタ36に表示される第1の画像データの被写体が自分であると認識したとする。さらに、確認モニタ44aを参照し、例えば、作業員24の最新の入場記録情報より時間的に後となる他の作業員26の退場記録情報に対応する第2の画像データの被写体が自分であると判断したとする(経路(3−1))。この場合、データ入力部44bを用いてその第2の画像データに対応する退場記録情報に自分の氏名等を入力する(経路(3−2))。すると、データ入力部44bは作業員24の識別情報を包含した修正後の退場記録情報を、制御部50を介してデータ管理部52に出力する。そしてデータ管理部52では退場記録情報のうち修正箇所となる最新の退場記録情報に修正後の退場記録情報を上書きして退場記録情報を更新する(経路(3−2))。そして作業員24は、データ入力部44bから解除信号を出力させ、制御部50の連続通過情報の出力を解除させて第1の表示モニタ36に通行許可情報を出力させる(経路(3−3))。
【0106】
そして、制御部50は、上述の作業員24が2度連続で入場していないと判断した場合(経路(1−6)、経路(1−7))、第1の表示モニタ36において連続通過情報を出力したのちに通行許可表示を出力した場合(経路(2−4)、経路(3−3))、さらに、第1のタグリーダ18からの他の作業員26のICタグに係る識別情報を受信することなく(経路(1−8))、第1の遮断センサ28から出力された第1の検知信号を受信した場合(経路(1−9))は、データ管理部52から通行確認情報を読み出して第1の表示モニタ36に出力するとともに、作業員24の識別番号と第1の検知信号を受信した時刻の情報を有する新たな入力記録情報を生成してデータ管理部52に出力する(経路(1−9))。
【0107】
また、作業員24が、入場口ゲート14を通過して第1の遮断センサ28のレーザーの光路を遮断(経路(1−9))することにより、第1の検知信号と前記作業員24が入場口ゲート14を通過する際に撮影した第1の画像データを制御部50が受信する(経路(1−9))。これにより、制御部50は、新たな第1の画像データに第1の検知信号を受信した時刻の情報を付加してデータ管理部52に出力する(経路(1−9))。そしてデータ管理部52には、新たな入場記録情報と新たな第1の画像データが記憶され、作業員24が正規に入場口ゲート14を通過するフローが終了する(経路(1−10))。
【0108】
次に図9に示すように、作業員24が不正に入場口ゲート14を通過する場合のフローについて説明する。
まず、入場口ゲート14を、ICタグを持たない(ICタグを認識できない)作業員24が第1の遮断センサ28のレーザーの光路を遮って入場口ゲート14から入場した場合、または誤って入場口ゲート14から退場する作業員24が第1の遮断センサ28のレーザーの光路を遮った場合、制御部50では、第1のタグリーダ18から識別情報を受信する前に第1の検知信号を受信することになる(経路(4−1))。よって制御部50は、警告情報を第1の表示モニタ36に出力するとともに、第1のパトライト40及び第1のアラーム40aに第1の駆動信号を出力する(経路(4−2))。よって、第1の表示モニタ36には警告情報が表示され、第1のパトライト40は赤色発光し、第1のアラーム40aは警告音を発する(経路(4−3))。さらに第1の検知信号により第1の画像データを受信するので、制御部50は、第1の画像データに第1の検知信号を受信した時刻の情報を付加してデータ管理部52に出力する(経路(4−3))。さらに制御部50は、第1の検知信号を受信した時刻の情報を第1の不正入場記録情報としてデータ管理部52に記憶し(経路(4−3))、作業員24が不正に入場口ゲート14を通過するフローが終了する(経路(4−4))。
【0109】
また、制御部50は、第1のタグリーダ18から受信した識別情報が登録識別情報に含まれないと判断した場合(経路(5−1))は、通行禁止情報を一定時間出力して第1の表示モニタ36の画面に通行禁止表示をする(経路(5−2))。そして、上述のように制御部50が第1の表示モニタ36に通行禁止情報を出力したのちに第1の検知信号を受信した場合、すなわち、ICタグを有するものの登録された識別番号を有しない作業員24が入場口ゲート14を通過した場合は、制御部50は、上述同様に警告情報を表示するとともに、第1のパトライト40を赤色発光させ第1のアラーム40aに警告音を発生させる(経路(5−3))。さらに制御部50は、不正に入場口ゲート14を通過した作業員24の識別情報と第1の検知信号を受信した時刻の情報とを有する第2の不正入場記録情報と、受信した第1の画像データ(被写体はICタグを有するものの登録された識別番号を有しない作業員24)に第1の検知信号を受信した時刻の情報を付加したものをデータ管理部52に記憶し(経路(5−4))、作業員24が不正に入場口ゲート14を通過するフローが終了する(経路(5−5))。
【0110】
さらに、制御部50が、第1の表示モニタ36に複数認識情報を出力したのちに第1の検知信号を受信した場合、すなわち、複数の作業員24が同時に入場口ゲート14を通過した場合(経路(6−1))は、制御部50は、上述同様に警告情報を表示するとともに、第1のパトライト40を赤色発光させ第1のアラーム40aに警告音を発生させる(経路(6−2))。さらに制御部50は、不正に入場口ゲート14を通過した全ての作業員24(2人以上)の識別情報と、第1の検知信号を受信した時刻の情報を有する第3の不正入場記録を生成してデータ管理部52に記憶し(経路(6−3))、作業員24が不正に入場口ゲート14を通過するフローが終了する(経路(6−4))。
【0111】
図10は、作業員24が退場口ゲート16を通過する場合のフローであるが、図9、および上述の説明において、第1のタグリーダ18を第2のタグリーダ20とし、第1の遮断センサ28を第2の遮断センサ30とし、第1のカメラ32を第2のカメラ34とし、第1の表示モニタ36を第2の表示モニタ38とし、第1のパトライト40を第2のパトライト42とし、第1のアラーム40aを第2のアラーム42aとし、確認モニタ44aを確認モニタ46aとし、データ入力部44bをデータ入力部46bとする。さらに第1の検知信号を第2の検知信号とし、第1の画像データを第2の画像データとし、第1の駆動信号を第2の駆動信号とし、「入場」の文言と「退場」の文言とを相互に入れ替えることにより、図10に記載されたフローを実現することになるので説明を省略する。ただし、この場合において、第1の不正入場記録情報、第2の不正入場記録情報、第3の不正入場記録情報を生成することはない。
【0112】
図11に、第1の記録修正部において入場記録情報を修正する例を示す。第1の記録修正部(確認モニタ44a)には作業員名、作業員の入場/退場、画像データが時系列に並べて配置された状態で表示されている。図11においては、2011年4月4日13時20分に作業員Bが入場口ゲート14から入場し、同日13時25分に作業員Aが退場口ゲート16から退場した履歴として原始的に記録されたものとする。よって図11においては、13時20分の記録は原始的に作業員Bにとって最新の入場記録情報となり、13時25分の記録は原始的に作業員Aにとって最新の退場記録情報となる(図11上段、入退場履歴(修正前))。
【0113】
そして、作業員Bが同日13時28分に入場口ゲート14に入場すると、作業員Bの最新の入場記録情報より時間的に後になる作業員Bの最新の退場記録情報がないと制御部50は判断する。すなわち、制御部50は作業員Bが退場口ゲート16から退場することなく入場口ゲート14から再び入場したと判断する。よって、第1の表示モニタ36に連続通過情報が表示されるとともに、作業員Bが入場したと記録された13時20分における第1の画像データが第1の表示モニタ36に表示される(図11中段)。
【0114】
作業員Bは第1の表示モニタ36に表示された第1の画像データの被写体が自分ではなく作業員Aであると判断した場合は、データ入力部44bを用いて、図11に示すように、13時20分に入場口ゲート14に入場した作業員を作業員Bから作業員Aに書き換える。これによりデータ入力部44bにおいて修正後の入場記録情報(13時20分)が生成されることになる。この修正後の入場記録情報は、制御部50を介してデータ管理部52に出力され、データ管理部52に記憶された入場記録情報のうち、該当箇所となる(時間的に一致する)入場記録情報が修正後の入場記録情報に更新される。
【0115】
そして作業員Bはキー操作等によりデータ入力部44bから解除信号を制御部50に出力させ、制御部50に通行許可情報を出力させる。そして作業員Bが入場口を通過することにより、第1の遮断センサ28が作動し、第1の表示モニタ36には通行確認情報が表示され、制御部50において生成された新たな入場記録情報と、第1のカメラ32で生成された新たな第1の画像データがデータ管理部52に記憶されるとともに、制御部50は、新たな入場記録情報、新たな第1の画像データを確認モニタ44aに出力する(図11後段、入退場履歴(修正後))。
【0116】
また作業員Bは、第1の表示モニタ36に表示された第1の画像データの被写体が自分であると判断し、かつ13時25分の退場記録情報に対応する第2の画像データの被写体が自分であると判断した場合には、データ入力部44bを用いて、13時25分に退場口ゲート16から退場した作業員24を作業員24Aから作業員24Bに書き換える。これによりデータ入力部44bにおいて修正後の退場記録情報(13時25分)が生成されることになる。この修正後の退場記録情報は、制御部50を介してデータ管理部52に出力され、データ管理部52に記憶された退場記録情報のうち、該当箇所となる(時間的に一致する)退場記録情報が修正後の退場記録情報により更新される。
【0117】
なお、上述の図11を用いた説明では、入場口ゲート14に配置された確認モニタ44a、データ入力部44bを用いて入場記録情報、退場記録情報を修正する場合について説明しているが、退場口ゲート16に配置された確認モニタ46a、データ入力部46bを用いて入場記録情報、退場記録情報を修正する場合についても上述同様となるので説明を省略する。また、解除信号は修正後の入場記録情報、修正後の退場記録情報に連動して制御部50に出力するようにしてもよい。
【0118】
また確認モニタ44aにおいて、図11の表に倣って、第1の不正入場記録情報を表示する場合は、作業員名欄には何も記載せず、入場/退場欄には例えば「不正入場」と記載すればよい。また、第2の不正入場記録情報を表示する場合は、作業員名欄には不正入場を行なった作業員名(識別番号だけでもよい)を記載し、入場/退場欄には例えば「不正入場」と記載すればよい。さらに第3の不正入場記録情報を表示するには、作業員名欄には不正入場を行なった全ての作業員名(識別番号のみでもよい)を記載し、入場/退場欄には例えば「不正入場」と記載すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0119】
登録された作業員をハンズフリーで通過させつつ作業員の入退場の記録が可能となり、且つ入退場口で作業員の誤認識があったとしても、登録された作業員の入退場を制限することなく入場記録情報及び退場記録情報を事後的に修正し、作業員の入退場を確実に管理することが可能な入退場ゲート装置として利用できる。
【符号の説明】
【0120】
10………入退場ゲート装置、14………入場口ゲート、16………退場口ゲート、18………第1のタグリーダ、20………第2のタグリーダ、22………ヘルメット、24………作業員、25………作業員、26………他の作業員、28………第1の遮断センサ、28a………送信器、28b………受信器、30………第2の遮断センサ、30a………送信器、30b………受信器、32………第1のカメラ、34………第2のカメラ、36………第1の表示モニタ、38………第2の表示モニタ、40………第1のパトライト、40a………第1のアラーム、42………第2のパトライト、42a………第2のアラーム、44a………確認モニタ、44b………データ入力部、46a………確認モニタ、46b………データ入力部、50………制御部、52………データ管理部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退場ゲート管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特定区域である特殊な作業現場への作業員の立ち入りを制限するため、その作業現場での作業を行うことができる特定作業員を予め決めておき、その作業現場へ作業員が入場する際、その作業員は特定作業員か否かを現場管理者が確認し、特定作業員のみを入場させるとともに、その入退場時刻を記録するといった管理手法がとられていた。
【0003】
しかし、上記従来技術の場合、現場管理者が常に作業員の入退場を監視していなければならないので、効率の悪い管理手法であった。
【0004】
一方、近年、非接触ICタグや非接触ICカードを利用したシステムが多くの分野で注目されており、例えば、非接触ICタグや非接触ICカードを利用した、展示会などの入場者管理システムや、鉄道の自動改札システムなどが知られており(特許文献1参照)、この技術を用いて上述の作業現場における作業員の入退場を記録する管理手法が提案されている。
【0005】
前述の鉄道の自動改札システムでは、通行者がICカードを改札ゲートのカードリーダ部にかざすことにより、改札ゲートの通過の可否が判断され、そのICカードが入退場を許可されるデータを有する場合にのみ改札ゲートの一時的な開放が行なわれるようになっている。
【0006】
しかし、上記特許文献1の場合、通行者は改札ゲートのカードリーダ部に向けてICカードをかざすために、ICカードをポケットやバッグなどから取り出さなければならず、その動作が面倒であるという問題があった。
【0007】
またこのような、非接触ICカードシステムを、入退場者を管理する作業現場に適用した場合、作業現場のゲートを通過する作業員は、その作業着が重装備であったり、特に手袋をしていたりするとICカードの取り出しが困難になることがある。また作業員が作業現場に持ち込む機材を両手に抱えて入退場する場合は、一旦機材を床に置いてからICカードを取り出す必要がある。よっていずれの場合であっても、そのゲートを入退場する際に手間がかかるので、入退場する効率が悪いという問題があった。
【0008】
このような問題を解決するため、特許文献2においては、作業員のヘルメットに作業員の識別情報が記憶されたICカードを配設する一方、作業現場の入退場口にゲートを配置し、ゲートの作業員の頭上となる位置に前記ICカード中の識別情報を読み出すカードリーダを配置した構成が開示されている。このような構成とすることにより、ヘルメットを装着した作業員がゲートを通過するたびにカードリーダが作業員の識別情報を取得できるので、作業員をハンズフリーで通過させて作業員のゲートの通過の効率低下を抑制し、併せて作業員の入退場の管理が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−140744公報
【特許文献2】特許第3996153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2の構成においては、読み取りミスを抑制するため、カードリーダとICカードとの距離をできるだけ小さくすることが必要となるが、作業員の身長には個人差があるため、上記距離を小さくすることは困難である。
【0011】
これを解決する手段として、UHF帯(例えば900MHz〜2.45Ghz)の周波数の信号により送受信を行なうカードリーダ及びICカード・ICタグを用いて、両者の送受信可能な距離を長くすることが考えられる。しかし、このように送受信可能な距離を長くした場合、ゲート付近に多くの作業員が集中すると、他の作業員のICタグを誤認識してしまう虞があり、タグリーダが読み取ったICタグの識別情報に対応する作業員と、実際にゲートを通過した作業員とを取り違えてしまう問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、上記問題点に着目し、作業員をハンズフリーで通過させつつ作業員の入退場の誤認識を回避しつつ、その記録が可能な入退場管理ゲート装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係る入退場ゲート装置は、第1には、作業エリアを入退場する作業員の登録識別情報と前記登録識別情報に対応する作業員情報を記憶するデータ管理部と、前記作業エリアの入退場口に配置され、前記入退場口を通過する前記作業員に付されたICタグから前記作業員の識別情報を読み取るタグリーダと、前記データ管理部及び前記タグリーダに接続され、前記タグリーダから入力された前記識別情報に対応する前記登録識別情報を読み出し、前記登録識別情報に対応する前記作業員情報を出力する制御部と、を備え、前記入退場口には、前記制御部から入力された前記作業員情報を表示する表示部が配置されたことを特徴とする。
【0014】
上記構成により、入退場口を通過しようとする作業員は、自分の識別情報に対応する氏名などの作業員情報が入退場口に表示されるので、自身の入退場がゲートにおいて認識されたか否かを判断することができる。したがって、タグリーダが読み取ったICタグの識別情報に対応する作業員と、実際にゲートを通過した作業員とを取り違えることなく、作業員の入退場の管理を行なうことができる。
【0015】
第2には、前記作業エリアに入場する前記作業員を検知して第1の検知信号を前記制御部に出力する第1の遮断センサと、前記作業エリアから退場する前記作業員を検知して第2の検知信号を前記制御部に出力する第2の遮断センサと、を有し、前記制御部は、前記第1の検知信号を受信した時刻の情報と、前記識別情報と、を有する入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶し、前記第2の検知信号を受信した時刻の情報と、前記識別情報と、を有する退場時刻情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする。
上記構成により、作業エリアを入退場する作業員の記録を生成することができる。
【0016】
第3には、前記第1の検知信号を受信することにより前記作業エリアに入場する前記作業員を撮影した第1の画像データを生成して前記制御部に出力する第1のカメラを有し、前記制御部は、前記第1の画像データを前記入場記録情報に対応させて前記データ管理部に記憶することを特徴とする。
上記構成により、タグリーダが認識した識別番号に係る作業員と実際に入場口を通過した作業員との照合を行なうことができる。
【0017】
第4には、前記タグリーダは、前記作業エリアに入場する前記作業員に付された前記IDタグを読み取る第1のタグリーダを有し、前記表示部は、前記作業エリアに入場する前記作業員が閲覧する第1の表示部を有し、前記制御部は、前記第1のタグリーダから前記識別情報を受信することにより前記データ管理部から前記作業員の最新の前記入場記録情報と最新の前記退場記録情報を読み出し、最新の前記入場記録情報が最新の前記退場記録情報より時間的に後となる場合には、前記作業員の最新の前記入場記録情報に対応する前記第1の画像データを前記データ管理部から読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、作業員が形式上入場口を2回連続通過することになる場合に、その作業員が前回の通過時の作業員を特定することができる。
【0018】
第5には、前記第2の検知信号を受信することにより前記作業エリアから退場する前記作業員を撮影した第2の画像データを生成して前記制御部に出力する第2のカメラを有し、前記制御部は、前記第2の画像データを前記退場記録情報に対応させて前記データ管理部に記憶することを特徴とする。
上記構成により、タグリーダが認識した識別番号に係る作業員と実際に退場口を通過した作業員との照合を行なうことができる。
【0019】
第6には、前記タグリーダは、前記作業エリアから退場する前記作業員に付された前記IDタグを読み取る第2のタグリーダを有し、前記表示部は、前記作業エリアから退場する前記作業員が閲覧する第2の表示部を有し、前記制御部は、前記第2のタグリーダから前記識別情報を受信することにより前記データ管理部から前記作業員の最新の前記入場記録情報と最新の前記退場記録情報を読み出し、最新の前記退場記録情報が最新の前記入場記録情報より時間的に後となる場合には、前記作業員の最新の前記退場記録情報に対応する前記第2の画像データを前記データ管理部から読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、作業員が形式上退場口を2回連続通過することになる場合に、その作業員が前回の通過時の作業員を特定することができる。
【0020】
第7には、修正後の前記入場記録情報または修正後の前記退場記録情報を前記制御部に出力可能な記録修正部が配置され、前記制御部は、前記データ管理部に記憶された前記入場記録情報を前記記録修正部から受信した修正後の前記入場記録情報に更新し、または、前記データ管理部に記憶された前記退場記録情報を前記記録修正部から受信した修正後の前記退場記録情報に更新することを特徴とする。
上記構成により、作業員が形式上入場口及び退場口をそれぞれ2回連続通過するとともに前回の通過時の作業員を特定できる場合に、真に通過した作業員に係る入場記録情報及び退場記録情報に更新することができる。したがって、作業員の作業エリアへの入退場を制限することなく、事後的に入場記録情報及び退場記録情報の誤った部分を更新することができる。
【0021】
第8には、前記データ管理部には、前記作業員へ警告を発する警告情報が記憶され、前記第1の表示部は、前記警告情報を表示可能とされ、前記制御部は、前記第1のタグリーダから前記識別情報を受信する前に前記第1の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を前記データ管理部から読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、ICタグを持たない(識別番号を有しない)作業員が入場口を通過する場合、作業員が入場口を通じて作業エリアから退場する場合に警告を発することができる。
【0022】
第9には、前記制御部は、前記第1の検知信号を受信した時刻の情報を有する第1の不正入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする。
上記構成により、不正な入場の存在を確認することができるとともに、第1の画像データ、第2の画像データも得られるので画像の被写体から不正な入場を行なう作業員を特定することができる。
【0023】
第10には、前記データ管理部には、前記作業員へ警告を発する警告情報が記憶され、前記第2の表示部は、前記警告情報を表示可能とされ、前記制御部は、前記第2のタグリーダから前記識別情報を受信する前に前記第2の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を前記データ管理部から読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、ICタグを持たない(識別番号を有しない)作業員が退場口を通過する場合、作業員が退場口を通じて作業エリアに入場する場合に警告を発することができる。
【0024】
第11には、前記データ管理部には、前記作業員の通行の許可を示す通行許可情報及び通行の禁止を示す通行禁止情報が記憶され、前記第1の表示部は、前記通行許可情報及び前記通行禁止情報を表示可能とされ、前記制御部は、前記第1のタグリーダから受信した前記識別情報が前記登録識別情報に含まれるか否かを判別し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれる場合は、前記データ管理部から前記通行許可信号を読み出して前記第1の表示部に出力し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれない場合は、前記データ管理部から前記通行禁止信号を読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、登録されている作業員は入場口を通過することが許可されていることを認識することができ、登録されていない作業員が入場口を通過しようとする場合にその作業員に注意を促すことができる。
【0025】
第12には、前記制御部は、前記第1の表示部に前記通行禁止情報を出力後に前記第1の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、ICタグを有する(識別番号を有する)ものの登録されていない作業員が不正に入場口を通過する場合に警告を発することができる。
【0026】
第13には、前記制御部は、前記第1の検知信号を受信した時刻の情報と、前記識別情報と、を有する第2の不正入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする。
上記構成により、不正な入場の存在を確認することができるとともに、作業員の識別番号、第1の画像データ、第2の画像データも得られるので不正な入場を行なう作業員を容易に特定することができる。
【0027】
第14には、前記データ管理部には、前記作業員の通行の許可を示す通行許可情報及び通行の禁止を示す通行禁止情報が記憶され、前記第2の表示部は、前記通行許可情報及び前記通行禁止情報を表示可能とされ、前記制御部は、前記第2のタグリーダから受信した前記識別情報が前記登録識別情報に含まれるか否かを判別し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれる場合は、前記データ管理部から前記通行許可信号を読み出して前記第2の表示部に出力し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれない場合は、前記データ管理部から前記通行禁止信号を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、登録されている作業員は退場口を通過することが許可されていることを認識することができ、登録されていない作業員が退場口を通過しようとする場合にその作業員に注意を促すことができる。
【0028】
第15には、前記制御部は、前記第2の表示部に前記通行禁止情報を出力後に前記第2の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする。
上記構成により、ICタグを有する(識別番号を有する)ものの登録されていない作業員が不正に退場口を通過する場合に警告を発することができる。
【0029】
第16には、前記データ管理部には、複数の前記IDタグを認識したことを示す複数認識情報が記憶され、前記第1の表示部は、前記複数認識情報を表示可能とされ、前記制御部は、前記第1の表示部への前記通行許可情報の出力後であって前記第1の検知信号を受信する前に前記第1のタグリーダから他の作業員に係る前記識別情報を受信した場合は前記複数認識情報を前記データ管理部から読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする。
【0030】
通信距離の長いUHF帯の信号を用いてICタグに付された識別番号の読み取りを行なう場合、入場口においてタグリーダが複数のICタグを読み込んで複数の識別番号を認識することがある。よって、上記構成により、入場口においてタグリーダが複数の識別番号を認識した場合には、そのときに通過する作業員に複数認識情報を表示して注意を促すことができる。
【0031】
第17には、前記制御部は、前記第1の表示部への前記複数認識情報を出力したのちに前記第1の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする。
【0032】
タグリーダが複数の識別番号を認識した状態で、作業員が入場口を通過してしまうと、入場記録情報において実際に入場口を通過した作業員を特定することができなくなる。よって上記構成により、タグリーダが複数の識別番号を認識した状態で、作業員が入場口を通過した場合には警告を発することができる。
【0033】
第18には、前記制御部は、前記作業員の前記識別情報と、前記他の作業員の前記識別情報と、前記第1の検知信号を受信した時刻の情報と、を有する第3の不正入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする。
上記構成により、不正な入場の存在を確認することができるとともに、作業員の識別番号、他の作業員の識別番号、第1の画像データ、第2の画像データも得られるので不正な入場を行なう作業員を容易に特定することができる。
【0034】
第19には、前記データ管理部には、複数の前記IDタグを認識したことを示す複数認識情報が記憶され、前記第2の表示部は、前記複数認識情報を表示可能とされ、前記制御部は、前記第2の表示部への前記通行許可情報の出力後であって前記第2の検知信号を受信する前に前記第2のタグリーダから他の作業員に係る前記識別情報を受信した場合には前記複数認識情報を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする。
【0035】
通信距離の長いUHF帯の信号を用いてICタグに付された識別番号の読み取りを行なう場合、退場口においてタグリーダが複数のICタグを読み込んで複数の識別番号を認識することがある。よって、上記構成により、退場口においてタグリーダが複数の識別番号を認識した場合には、そのときに通過する作業員に複数認識情報を表示して注意を促すことができる。
【0036】
第20には、前記制御部は、前記第2の表示部への前記複数認識情報を出力したのちに前記第2の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする。
【0037】
タグリーダが複数の識別番号を認識した状態で、作業員が退場口を通過してしまうと、退場記録情報において実際に退場口を通過した作業員を特定することができなくなる。よって上記構成により、タグリーダが複数の識別番号を認識した状態で、作業員が退場口を通過した場合には警告を発することができる。
【0038】
第21には、前記制御部からの駆動信号により警告音を発するアラームが配置され、前記制御部は、前記警告情報を出力する際に前記駆動信号を前記アラームに出力することを特徴とする。
上記構成により、音声により作業員に対して警告を発することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係る入退場ゲート装置によれば、登録された作業員をハンズフリーで通過させつつ作業員の入退場の記録が可能となり、且つ入退場口で作業員の誤認識があったとしても、登録された作業員の入退場を制限することなく入場記録情報及び退場記録情報を事後的に修正し、作業員の入退場を確実に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態の入退場ゲート装置の概略図である。
【図2】本実施形態の入退場ゲート装置の基本動作(入場・退場機能)を示す図である。
【図3】本実施形態の入退場ゲート装置の基本動作(連続入場・退場の検出機能)を示す図である。
【図4】本実施形態の入退場ゲート装置の基本動作(複数人同時通過の防止機能)を示す図である。
【図5】本実施形態の入退場ゲート装置の基本動作(IDタグなし作業員の検出機能)を示す図である。
【図6】本実施形態の入退場ゲート装置の基本動作(逆進入の検出機能)を示す図である。
【図7】本実施形態の入退場ゲート装置の基本動作(未登録者の検出機能)を示す図である
【図8】本実施形態の入退場ゲート装置のブロック図である。
【図9】本実施形態の入退場ゲート装置のフロー図(入場時)である。
【図10】本実施形態の入退場ゲート装置のフロー図(退場時)である。
【図11】第1の記録修正部において入場記録情報を修正する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0042】
図1に本実施形態の入退場ゲート装置10の概略図を示す。本実施形態の入退場ゲート装置10は、作業員24の入退場が制限された作業エリアの入場口及び退場口に設置されたゲートに、作業員24のICタグを読み取る第1のタグリーダ18、第2のタグリーダ20、ゲートを通過する作業員24が自己の入場、退場を確認する第1の表示モニタ36(第1の表示部)や第2の表示モニタ38(第2の表示部)等、さまざまな構成要素を取り付けて構成されたものである。ゲートは、作業エリアの入場口に配置された入場口ゲート14と、作業エリアの退場口に配置された退場口ゲート16と、からなる。そして、入場口ゲート14、退場口ゲート16は、たとえば、建設資材や足場などで用いられる支柱を門型(箱型)に組み立てればよい。
【0043】
そして、この入場口ゲート14、退場口ゲート16に、ICタグ(不図示)をヘルメット22等に取り付けた状態で作業員24が通過する。ICタグ(不図示)には作業員24の識別情報が内蔵されている。
【0044】
第1のタグリーダ18は、入場口ゲート14の作業員24の頭上となる位置であって、例えば作業員24が最初に真下を通過する支柱に取り付けられ、第2のタグリーダ20は、退場口ゲート16の作業員24の頭上となる位置であって、例えば作業員24が最初に真下を通過する支柱に取り付けられる。第1のタグリーダ18、第2のタグリーダ20は、例えば、通信距離が数m〜数十mとなるUHF帯(例えば900MHz〜2.45Ghz)の周波数の信号により送受信を行なう端末である。
【0045】
第1のタグリーダ18は、作業員24が入場する方向と反対方向であって下向きに一定の角度でUHF帯の送信信号を送信する。作業員24が送信信号の送信エリアを通過することにより作業員24(ヘルメット22)に付されたICタグ(不図示)には、UHF帯の送信信号が照射され、これによりICタグ(不図示)から送信されたUHF帯の応答信号を受信し、受信した応答信号から作業員24の識別情報を読み出して制御部50に出力する。
【0046】
第2のタグリーダ20は、作業員24が退場する方向と反対方向であって下向きに一定の角度でUHF帯の送信信号を送信する。作業員24が送信信号の送信エリアを通過することにより作業員24に付されたICタグ(不図示)にはUHF帯の送信信号が照射され、これによりICタグ(不図示)から送信されたUHF帯の応答信号を受信し、受信した応答信号から作業員24の識別情報を読み出して制御部50に出力する。
【0047】
ICタグ(不図示)は、第1のタグリーダ18、第2のタグリーダ20からUHF帯の送信信号を受信すると、この送信信号に予め内蔵された作業員24の識別情報を掛け合わせてUHF帯の応答信号を出力する。
また、入場口ゲート14には第1の遮断センサ28が配置され、退場口ゲート16には第2の遮断センサ30が配置される。
【0048】
第1の遮断センサ28は、レーザー光を送信する送信器28aと、レーザー光を受信する受信器28bとを有する。送信器28aは、例えば作業員24が作業エリアに入場時に最後に横を通過する入場口ゲート14の支柱の一方に配置され、受信器28bは作業員24が作業エリアから入場時に最後に横を通過する入場口ゲート14の支柱の他方であって送信器28aからのレーザー光を受信できる位置に配置される。
【0049】
送信器28aは常時レーザー光を送信し、受信器28bはレーザー光を常時受信しているが、作業員24がレーザー光の光路を遮ると、受信器28bのレーザー光の受信が遮られる。よって第1の遮断センサ28は、レーザー光の受信が遮られると、作業員24が入場口ゲート14を通過したものとして作動し、第1の検知信号を制御部50に出力する。
【0050】
第2の遮断センサ30は、レーザー光を送信する送信器30aと、レーザー光を受信する受信器30bとを有する。送信器30aは、例えば作業員24が作業エリアから退場時に最後に横を通過する退場口ゲート16の支柱の一方に配置され、受信器30bは作業員24が作業エリアから退場時に最後に横を通過する退場口ゲート16の支柱の他方であって送信器30aからのレーザー光を受信できる位置に配置される。送信器30a、受信器30bは、それぞれ送信器28a受信器28bと同様の構成を有し、作業員24が送信器30aからのレーザー光の光路を遮ると、作業員24が退場口ゲート16を通過したものとして作動し、第2の検知信号を制御部50に出力する。
【0051】
入場口ゲート14の作業員24の頭上となる位置には、第1のカメラ32が配置され、退場口ゲート16の作業員24の頭上となる位置には第2のカメラ34が配置される。
【0052】
第1のカメラ32は、作業員24が入場(通過する)する方向と反対方向であって、入場する作業員24を撮影できるように光軸を一定の角度で下向きに向けた状態で配置される。また、第2のカメラ34は、作業員24が退場する方向と反対方向であって、退場する作業員24を撮影できるように光軸を一定の角度で下向きに向けた状態で配置される。
【0053】
第1のカメラ32は、第1の遮断センサ28から出力される第1の検知信号を受信することにより、入場口ゲート14を通過する作業員24を被写体とする第1の画像データを生成して制御部50に出力する。
【0054】
第2のカメラ34は、第2の遮断センサ30から出力される第2の検知信号を受信することにより、退場口ゲート16を通過する作業員24を被写体とする第2の画像データを生成して制御部50に出力する。
【0055】
また、入場口ゲート14には、第1の表示モニタ36が配置され、退場口ゲート16には第2の表示モニタ38が配置される。第1の表示モニタ36、第2の表示モニタ38は、作業員24の作業員情報、判定情報(通過可能情報、通過許可情報、通過禁止情報、連続通過情報、複数認識情報、警告情報)を表示して入場口ゲート14、退場口ゲート16を通過する作業員24に各情報を表示するディスプレイである。そして、第1の表示モニタ36は、作業員24が入場する方向と反対方向(画面が作業員24に見える方向)に画面を向けて配置され、第2の表示モニタ38は、作業員24が退場する方向と反対方向(画面が作業員24に見える方向)に画面を向けて配置される。
【0056】
さらに、入場口ゲート14には第1のパトライト40が配置され、退場口ゲート16には第2のパトライト42が配置される。第1のパトライト40には第1のアラーム40a(図8)が内蔵され、第2のパトライト42には第2のアラーム42a(図8)が内蔵されている。
【0057】
第1のパトライト40は、例えば通常緑色発光をしているが、制御部50から第1の駆動信号が入力されることにより赤色発光に切り替わる。また第1のアラーム40a(図8)は、制御部50から第1の駆動信号が入力されることにより警告音を発する。
【0058】
第2のパトライト42は、前述同様、通常緑色発光をしているが、制御部50から第2の駆動信号が入力されることにより赤色発光に切り替わる。また第2のアラーム42a(図8)は、制御部50から第2の駆動信号が入力されることにより警告音を発する。
【0059】
そして、入場口ゲート14には第1の記録修正部が配置され、退場口ゲート16には第2の記録修正部が配置されている。第1の記録修正部は、確認モニタ44aとデータ入力部44bとを有し、第2の記録修正部は、確認モニタ46aとデータ入力部46bとを有する。
【0060】
確認モニタ44aは、作業員24が入場する方向と反対方向(画面が作業員24に見える方向)に画面が向けられて配置され、確認モニタ46aは、作業員24が退場する方向と反対方向(画面が作業員24に見える方向)に画面が向けられて配置される。
【0061】
確認モニタ44a、確認モニタ46aには、後述の作業員情報、入場記録情報、退場記録情報、第1の画像データ、第2の画像データ、第1の不正入場記録、第2の不正入場記録、第3の不正入場記録が表示される。
【0062】
データ入力部44b、データ入力部46bは、キーボード、マウス、音声入力器、確認モニタ44a、46aの画面に一体的に形成されたタッチパネル等の入力機器により構成され、後述のように作業員24が入力した修正後の入場記録情報、修正後の退場記録情報を制御部50に出力する。なお、データ入力部44b、データ入力部46bにおいては、作業員24が入力する作業員24の氏名等が、作業員24の識別番号に変換されるように構成されている。よって、作業員24が実際に入場または退場した他の作業員26の氏名等を入力することにより、データ入力部44b、46bは前記他の作業員26の識別番号を包含する入場記録情報および退場記録情報を制御部50に出力することができる。またデータ入力部44b、46bは、作業員24の操作により制御部50が後述の連続通過情報の出力を解除する解除信号を出力する。
【0063】
制御部50は、例えば、入場口ゲート14、退場口ゲート16、またはそれ以外の場所に配置されたPC(パーソナルコンピュータ)や、PCにインストールされたアプリケーションである。またPCのHDD等の記憶領域にはデータ管理部52が配置されている。
【0064】
図2に本実施形態の入退場ゲート装置10の基本動作(入場・退場機能)を示し、図3に本実施形態の入退場ゲート装置10の基本動作(連続入場・退場の検出機能)を示し、図4に本実施形態の入退場ゲート装置10の基本動作(複数人同時通過の防止機能)を示し、図5に本実施形態の入退場ゲート装置10の基本動作(IDタグなし作業員24の検出機能)を示し、図6に本実施形態の入退場ゲート装置10の基本動作(逆進入の検出機能)を示し、図7に本実施形態の入退場ゲート装置10の基本動作(未登録者の検出機能)を示す。
【0065】
本実施形態の入退場ゲート装置10の制御及び動作の詳細については、後述のように図8のブロック図、図9、図10のフロー図を用いて説明するが、理解を容易にするため、本実施形態の入退場ゲート装置10の基本動作について先に説明する。なお本実施形態においては入場口ゲート14に配置された構成要素と退場口ゲート16に配置された構成要素は同様の動作をするので、入場口ゲート14に配置された構成要素の動作についてのみ説明する。
【0066】
まず、図2乃至図7においては、初期状態として第1のパトライト40は緑色発光し、第1の表示モニタ36には通行可能表示が表示され、例えば第1の表示モニタ36の画面には「ID」の文字を表示しているものとする。
【0067】
そして、図2に示すように、ヘルメット22にIDタグを付した作業員24が入場口ゲート14を通過する場合、第1のタグリーダ18がIDタグに記憶された識別番号を読み出す。そして読みだされた識別番号が登録されたものである場合は、第1の表示モニタ36に通行許可情報とその識別番号に対応する作業員情報が表示され、例えば第1の表示モニタ36の画面には矢印の絵柄(通行許可情報)と氏名等(作業員情報、図2では矢印の絵柄の下部に「A」と記載)表示される。そして、これにより作業員24は、自分の通過が許可されたことを認識することができるとともに、自分以外の他人に対して通過をしないように注意することができる。そして、作業員24が第1の遮断センサ28のレーザーの光路を遮ると、作業員24が入場口ゲート14を通過したものとして、第1の表示モニタ36に通行確認情報が表示され、例えば第1の表示モニタ36の画面には円印の絵柄が表示される。そして作業員24が入場口ゲート14を通過後一定時間が経過すると、第1の表示モニタ36には通行可能表示が再び表示される。なお作業員情報は、その情報を作業員24が見ることにより誰の情報であるか認識できるものであれば何でもよく、上述の氏名のほかに作業員24のお気に入りの画像等を用いることができる。
【0068】
また作業員24が第1の遮断センサ28を作動させると、第1のタグリーダ18が読み取った作業員24の識別情報と第1の遮断センサ28を作動させた時刻の情報を有する入場記録情報(退場記録情報)が後述の制御部50により生成される。
【0069】
本実施形態では、UHF帯の周波数を有する信号によりIDタグから識別番号を読み取ることになるため、入場口ゲート14に複数の作業員24がいる場合には、入場を意図しない作業員24のIDタグを読み取り、入場を意図する作業員24のIDタグを読み取る場合がある。よって、IDタグを読み取った作業員24に対して上述の通行許可表示、作業員情報を表示するにも係らず、タグリーダが認識した識別番号に係る作業員24が通過することなく、他の作業員26が入場口ゲート14を通過する場合がある。
【0070】
この場合、第1のタグリーダ18で識別番号が認識されたにも係らず、入場口ゲート14を通過しなかった(識別番号が認識されたことに気がつかなかった)作業員24は、次に入場口ゲート14を通過しようとすると、形式的には2回連続で入場口ゲート14を通過することになる。
【0071】
よって、図3に示すように、作業員24が形式上2回連続で入場口ゲート14を通過することになる場合は、第1の表示モニタ36に連続通過表示が表示され、連続で通過する旨を示す文字や絵柄が画面に表示される。さらに前回入場口ゲート14を通過した際に撮影された第1の画像データが第1の表示モニタ36に表示される。これにより、実際にどの作業員24が前回に自分の代わり入場、退場したかが分かるようになっている。この場合、後述のように、第1の記録修正部(確認モニタ44a、データ入力部44b)により、作業員24の入場を記録した入場記録情報、作業員24の退場を記録した退場記録情報を修正することができる。
【0072】
図4に示すように、第1のタグリーダ18が入場口ゲート14に複数の作業員24に係るIDタグを認識した状態で、複数の作業員24が入場口ゲート14を通過する場合がある。この場合、いずれかの作業員24が第1の遮断センサ28を作動させたか、すなわち実際に作業員24が入場口ゲート14を通過したかを認識することができなくなる。そこで、図4に示すように、第1のタグリーダ18が入場口ゲート14において一人の作業員24のIDタグを読み取ったのち、その作業員24が入場口ゲート14を通過する前に、他の作業員26に係る識別番号を認識した場合には、第1の表示モニタ36に複数認識情報が表示され、例えば2人の通行を禁止する旨の絵柄が画面に表示される。なお、第1の表示モニタ36において通行許可情報を出力する前に第1のタグリーダ18が複数のIDタグを認識した場合も同様である。
【0073】
さらに、第1のタグリーダ18が複数の識別番号を認識した状態で、作業員24が入場口ゲート14を通過してしまうと、入場記録情報において実際に入場口ゲート14を通過した作業員24を特定することができなくなる。
【0074】
よって、第1の遮断センサ28を作動させた(レーザー光の光路を遮断した)場合、すなわち識別番号が認識された複数の作業員24のうちいずれかが入場口ゲート14を通過した場合には、第1の表示モニタ36に警告情報が表示され、例えば赤字の×印の絵柄が画面に表示される。また第1のパトライト40が赤色発光するとともに第1のアラーム40a(図8)が警告音を発する。このように、第1のタグリーダ18が複数の識別番号を認識した状態で、作業員24が入場口ゲート14を通過した場合には、その作業員24に警告を発することができる。
【0075】
図5に示すように、IDタグを持たない作業員25が入場口ゲート14を通過する場合は、第1のタグリーダ18は識別番号を認識できないので、作業員25が第1の遮断センサ28を作動させるまで第1の表示モニタ36には通行可能情報が表示される。そして作業員25が第1の遮断センサ28を作動させると、第1の表示モニタ36には、その作業員25に対する警告情報が表示され、第1のパトライト40が赤色発光するとともに第1のアラーム40a(図8)がその作業員25に対して警告音を発する。
【0076】
図6に示すように、作業員24が入場口ゲート14から退場する場合、すなわち作業員24がゲートを逆進入する場合は、作業員24が第1の遮断センサ28を作動させることになる。これにより、第1の表示モニタ36には、その作業員24に対する警告情報が表示され、第1のパトライト40が赤色発光するとともに第1のアラーム40a(図8)がその作業員24に対して警告音を発する。
【0077】
図7に示すように、IDタグを有するものの作業エリアへの入退場が許諾されておらず、登録されていない識別番号を有する作業員24が入場口ゲート14を通過する場合、第1のタグリーダ18がその作業員24の識別番号を読み取ると、第1の表示モニタ36には通行禁止情報が表示され、例えば、赤丸中に一本の白い横棒が描かれた絵柄が画面に表示される。そしてさらに、その作業員24が第1の遮断センサ28を作動させると、第1の表示モニタ36には、その作業員24に対する警告情報が表示され、第1のパトライト40が赤色発光するとともに図8に示す第1のアラーム40a(図8)がその作業員24に対して警告音を発する。
【0078】
図2乃至図7において、第1の遮断センサ28が作動するたびに、第1のカメラ32において入場口ゲート14を通過する作業員24(作業員25)を被写体とする第1の画像データが生成され、データ管理部52に記憶される。そして、図3のように作業員24が形式上2回連続で入場口ゲート14を通過することになる場合には第1の表示モニタ36に第1の画像データが表示される。
【0079】
なお、上述の図2乃至図7を用いた説明において、第1のタグリーダ18を第2のタグリーダ20とし、第1の遮断センサ28を第2の遮断センサ30とし、第1のカメラ32を第2のカメラ34とし、第1の表示モニタ36を第2の表示モニタ38とし、第1のパトライト40を第2のパトライト42とし、第1のアラーム40a(図8)を第2のアラーム42a(図8)とし、確認モニタ44aを確認モニタ46aとし、データ入力部44bをデータ入力部46bとする。さらに第1の検知信号を第2の検知信号とし、第1の画像データを第2の画像データとし、第1の駆動信号を第2の駆動信号とし、「入場」の文言と「退場」の文言とを相互に入れ替えることにより、退場口ゲート16に配置された構成要素の動作の説明になる。
【0080】
図8に、本実施形態の入退場ゲート装置10の制御ブロック図を示す。
図8に示すように、本実施形態の入退場ゲート装置10は、データ管理部52、入場口ゲート14に配置された構成要素(第1のタグリーダ18、第1の表示モニタ36、第1のパトライト40、第1のアラーム40a、第1のカメラ32、確認モニタ44a、データ入力部44b)、退場口ゲート16に配置された構成要素(第2のタグリーダ20、第2の表示モニタ38、第2のパトライト42、第2のアラーム42a、第2のカメラ34、確認モニタ46a、データ入力部46b)が制御部50に接続されたものとなっている。
【0081】
データ管理部52には、作業エリアへの入場が許可され登録されている作業員24の識別情報となる登録識別情報と、登録識別情報に対応した作業員情報が予め記憶され、制御部50により読み出される。ここで、識別情報及び登録識別情報は、例えば互いに重複しない複数桁のデジタル情報であり、作業員24に個々に割り当てられたものである。また、作業員情報は、例えば作業員24の氏名等を示すものであり、氏名とともに識別情報を表示するようにしてもよい。
【0082】
また、データ管理部52には、作業員24に注意あるいは警告を行なうための判定情報(通行可能情報、通行許可情報、通行確認情報、通行禁止情報、連続通過情報、複数認識情報、警告情報)が予め記憶され、制御部50により読み出される。
【0083】
そして、データ管理部52には、後述のように制御部50が生成した入場記録情報、退場記録情報、第1の画像データ、第2の画像データ、第1の不正入場記録情報、第2の不正入場記録情報、第3の入場記録情報が時系列で記憶されるとともに、これらの情報は制御部50により読み出される。またデータ管理部52には、データ入力部44b、データ入力部46bから出力された修正後の入場記録情報及び修正後の退場記録情報が制御部50を介して入力され、データ管理部52に記憶された入場記録情報の該当部分(修正後の入場記録情報と時間的に一致する入場記録情報)が修正後の入場記録情報により更新(上書き)され、データ管理部52に記憶された退場記録情報の該当部分(修正後の退場記録情報と時間的に一致する退場記録情報)が修正後の退場記録情報により更新(上書き)される。
【0084】
制御部50には、識別情報、第1の検知信号、第2の検知信号、第1の画像データ、第2の画像データ、修正後の入場記録情報、修正後の退場記録情報を受信する。また制御部50は、後述のように、第1のカメラ32から受信した第1の画像データ、第2のカメラ34から受信した第2の画像データ、制御部50で生成した入場記録情報、退場記録情報、第1の不正入場記録情報、第2の不正入場記録情報、第3の不正記録情報、そして記録修正部から受信した修正後の入場記録情報、修正後の退場記録情報をデータ管理部52に出力する。
【0085】
一方、制御部50は、データ管理部52から読み出した作業員情報、判定情報、第1の画像データ、第2の画像データを、第1の表示モニタ36、第2の表示モニタ38に出力する。また制御部50は、データ管理部52から読み出した第1の画像データ、第2の画像データ、入場記録情報、退場記録情報、第1の不正入場記録情報、第2の不正入場記録情報、第3の不正入場記録情報を第1の記録修正部(確認モニタ44a)、第2の記録修正部(確認モニタ46a)に出力する。
【0086】
さらに、制御部50は、判定情報のうち、警告情報を第1の表示モニタ36に出力する際は、第1の駆動信号を第1のパトライト40及び第1のアラーム40aに出力し、警告情報を第2の表示モニタ38に出力する際は、第2の駆動信号を第2のパトライト42及び第2のアラーム42aに出力する。なお第1の駆動信号、第2の駆動信号は、連続通過情報及び複数認識情報を第1の表示モニタ36、第2の表示モニタ38に出力する際にも出力してもよい。
【0087】
制御部50は、起動すると、判定情報のうちの通行可能情報をデータ管理部52から読み出して第1の表示モニタ36、第2の表示モニタ38に出力するものとする。そして、制御部50にはカウンタが内蔵され、判定情報のうち、通行許可情報、通行確認情報、通行禁止情報、複数認識情報、警告情報を出力するときは、これらの情報の出力と同時にカウンタのカウントアップを行う。そして、一定時間後にカウンタがフルカウントになるとこれらの情報の出力を停止して通行可能情報を出力するとともにカウンタをリセットするように構成されている。
【0088】
なお、カウンタにはカウンタの駆動時にプリセット値を入力することが可能であり、各情報の出力ごとにフルカウントになる時間、すなわち各情報を出力する設定時間を調整することができる。このプリセット値は,データ入力部44b、46bから入力できるようにしてもよいし、制御部50が搭載されたPCのキー操作により入力できるようにしてもよい。
【0089】
したがって、作業員24が正規に入場口ゲート14、退場口ゲート16を通過する場合、第1の表示モニタ36、第2の表示モニタ38には通行許可情報、通行確認情報が表示されるが、一定時間後には通行可能情報が表示されるので、次の作業員24が入場口ゲート14、退場口ゲート16を通過することができる。また、何らかの原因で、通行禁止情報、複数認識情報、警告情報が発せられても一定時間後(数秒程度)には通行可能な状態となるため、登録された作業員24は、殆どストレスを受けることなく、入場口ゲート14および退場口ゲート16を通過することができる。
【0090】
制御部50は、第1のタグリーダ18(第2のタグリーダ20)からの識別情報を受信すると、データ管理部52から登録識別情報を読み出して、受信した識別情報と登録識別情報とを照合する。そして、受信した識別情報が登録識別情報に含まれる場合は、データ管理部52から通行許可信号と受信した識別信号に対応する作業員情報を読み出して第1の表示モニタ36(第2の表示モニタ38)に出力する。そして、制御部50は、第1のタグリーダ18(第2のタグリーダ20)から識別情報を受信した後に第1のタグリーダ18(第2のタグリーダ20)から他の作業員26のICタグに係る識別情報を受信することなく、第1の遮断センサ28(第2の遮断センサ30)から第1の検知信号(第2の検知信号)を受信すると、データ管理部52から通行許可情報を読み出して既に読み出した作業員情報とともに第1の表示モニタ36(第2の表示モニタ38)に出力する。これにより作業員24は、自己の通行が認められたと判断することができ、入場口ゲート14(退場口ゲート16)を通過することができる。
【0091】
そして制御部50は、第1の検知信号(第2の検知信号)を受信するとデータ管理部52から通行確認情報を読み出して第1の表示モニタ36(第2の表示モニタ38)に出力するとともに、受信した識別情報と第1の検知信号(第2の検知信号)を受信した時刻の情報を有する入場記録情報(退場記録情報)を生成してデータ管理部52に出力する。
【0092】
このとき、第1のカメラ32(第2のカメラ34)は、第1の検知信号(第2の検知信号)により第1の画像データ(第2の画像データ)を生成して制御部50に出力している。よって、制御部50は、第1のカメラ32(第2のカメラ34)から受信した第1の画像データ(第2の画像データ)に、制御部50が第1の検知信号(第2の検知信号)を受信した時刻の情報を付加してデータ管理部52に出力する。したがって、第1の画像データは、入場記録情報と共通に第1の検知信号を受信した時刻の情報を有するため、入場記録情報に対応してデータ管理部52に記憶されることになる。また、第2の画像データは、退場記録情報と共通に第2の検知信号を受信した時刻の情報を有するため、退場記録情報に対応してデータ管理部52に記憶されることになる。
【0093】
また制御部50は、第1のタグリーダ18(第2のタグリーダ20)から受信した識別情報が登録識別情報に含まれない場合は、データ管理部52から通行禁止情報を読み出して第1の表示モニタ36(第2の表示モニタ38)に出力する。また、第1のタグリーダ18(第2のタグリーダ20)から識別情報を受信した後に第1のタグリーダ18(第2のタグリーダ20)が他の作業員26のICタグから識別情報が読み取り、その識別情報を制御部50が受信する場合がある。すなわち制御部50が入場口ゲート14(退場口ゲート16)に複数の作業員24が存在すると認識する場合がある。この場合、制御部50は、データ管理部52から複数認識情報を読み出して第1の表示モニタ36(第2の表示モニタ38)に出力する。
【0094】
一方、制御部50は、第1のタグリーダ18から登録識別情報に含まれる識別情報を受信すると、データ管理部52から入場記録情報と退場記録情報を読み出し、最新の入場記録情報が最新の退場記録情報より時間的に前になる場合は、上述の通行許可情報の出力等の動作を行う。一方、最新の入場記録情報が最新の退場記録情報より時間的に後になる場合、すなわち、その作業員24が形式的に2度連続で入場口ゲート14を通過することになる場合は、データ管理部52から連続通過情報を読み出して第1の表示モニタ36に出力するとともに、第1の画像データのうち最新の入場記録情報に対応する(時間的に一致する)第1の画像データを第1の表示モニタ36に出力する。
【0095】
同様に、制御部50は、第2のタグリーダ20から登録識別情報に含まれる識別情報を受信すると、データ管理部52から入場記録情報と退場記録情報を読み出し、最新の退場記録情報が最新の入場記録情報より時間的に前になる場合は、上述の通行許可情報の出力等の動作を行う。一方、最新の退場記録情報が最新の入場記録情報より時間的に後になる場合、すなわち、その作業員24が形式的に2度連続で退場口ゲート16を通過することになる場合は、データ管理部52から連続通過情報を読み出して第2の表示モニタ38に出力するとともに、第2の画像データのうち最新の退場記録情報に対応する(時間的に一致する)第2の画像データを第2の表示モニタ38に出力する。
【0096】
一方、制御部50は、第1のタグリーダ18から識別情報を受信する前に第1の検知信号を受信した場合は、データ管理部52から警告情報を読み出して第1の表示モニタ36に出力するとともに、第1の検知信号を受信した時刻の情報を有する第1の不正入場記録情報を生成してデータ管理部52に出力する。また制御部50は、第1の表示モニタ36に通行禁止情報を出力した後に第1の検知信号を受信した場合は、データ管理部52から警告情報を読み出して第1の表示モニタ36に出力するとともに、通行禁止情報を出力する前に入力された識別情報と、第1の検知信号を受信した時刻の情報と、を有する第2の不正入場記録情報を生成してデータ管理部52に出力する。さらに、制御部50は、第1の表示モニタ36に複数認識情報を出力した後に第1の検知信号を受信した場合は、データ管理部52から警告情報を読み出して第1の表示モニタ36に出力するとともに、複数認識情報を出力する前に入力された全ての識別情報と、第1の検知信号を受信した時刻の情報と、を有する第3の不正入場記録情報を生成してデータ管理部52に出力する。
【0097】
そして、制御部50は、第2のタグリーダ20から識別情報を受信する前に第2の検知信号を受信した場合と、第2の表示モニタ38に通行禁止情報を出力した後に第2の検知信号を受信した場合と、第2の表示モニタ38に複数認識情報を出力した後に第2の検知信号を受信した場合と、において、それぞれデータ管理部52から警告情報を読み出して第2の表示モニタ38に出力する。
【0098】
さらに制御部50は、第1の表示モニタ36に警告情報を出力する際は、第1の駆動信号を第1のパトライト40及び第1のアラーム40aに出力し、第2の表示モニタ38に警告情報を出力する際は、第2の駆動信号を第2のパトライト42及び第2のアラーム42aに出力する。
【0099】
また、制御部50は、入場記録情報、退場記録情報、第1の画像データ、第2の画像データ、第1の不正入場記録情報、第2の不正入場記録情報、第3の不正入場記録情報を一定時間ごとに(またはこれらの情報が更新されるごとに)データ管理部52から読み出して確認モニタ44a、確認モニタ46aに出力する。そして制御部50は、データ入力部44b、データ入力部46bから修正後の入場記録情報、修正後の退場記録情報を受信した場合は、これらをデータ管理部52に出力する。
【0100】
また制御部50は、上述のように、作業員24が形式上2度連続で入場口ゲート14および退場口ゲート16を通過することになる場合は連続通過情報を出力する。そして、データ入力部44b(データ入力部46b)から連続通過情報の出力を解除する解除信号を受信すると、制御部50は通行許可情報をデータ管理部52から読み出して第1の表示モニタ36(第2の表示モニタ38)に出力する。
【0101】
図9に本実施形態の入退場ゲート装置10のフロー図(入場口)を示し、図10に本実施形態の入退場ゲート装置10のフロー図(退場口)を示す。本実施形態の入退場ゲート装置10の作業員24の入場時および退場時の動作の詳細ついて説明する。ここで、第1の表示モニタ36及び第2の表示モニタ38には、それぞれ通行可能情報が表示されているものとする。
【0102】
まず、図9に示すように、不正に入場口ゲート14を通過することなく、正規の手続きを経て作業員24が入場口を通過する場合のフローについて説明する。まず、ヘルメット22等にICタグを取り付けた作業員24が入場口ゲート14に入場すると(経路(1−1))、第1のタグリーダ18がICタグから作業員24の識別情報を読み取り(経路(1−2))制御部50に出力する(経路(1−3))。すると、制御部50は、受信した識別情報が登録識別情報に含まれるか否かを判断し(経路(1−4))、受信した識別情報が登録識別情報に含まれると判断した場合(経路(1−5))は、作業員24が形式上2度連続で入場することになるか否かを判断するために入場記録情報および退場記録情報を読み出す(経路(1−5))。
【0103】
一方、制御部50は、受信した識別情報が登録識別情報に含まれ、且つ、作業員24が形式上2度連続で入場することになると判断した場合(経路(2−1))は、第1の表示モニタ36に連続通過情報と最新の入場記録情報に対応する第1の画像データを出力する(経路(2−2))。ここで作業員24は、第1のモニタに表示される第1の画像データの被写体が自分であり、入場記録情報及び退場記録情報の修正が不要であると判断した場合(経路(2−3))は、データ入力部44bから解除信号を出力させ、制御部50の連続通過情報の出力を解除させて第1の表示モニタ36に通行許可情報を出力させる(経路(2−4))。
【0104】
一方、作業員24は、第1の表示モニタ36に表示される第1の画像データの被写体が自分ではないと認識した場合(経路(3−1))は、確認モニタ44aに表示される第1の画像データ、第2の画像データ、入場記録情報、退場記録情報、第1の不正入場記録情報、第2の不正入場記録情報、第3の不正入場記録情報を見ながら該当作業員24の氏名等をデータ入力部44bに入力する(経路(3−2))。すると、データ入力部44bは、該当作業員24の識別情報を包含した修正後の入場記録情報を、制御部50を介してデータ管理部52に出力する。そしてデータ管理部52では入場記録情報のうち修正箇所となる最新の入場記録情報に修正後の入場記録情報を上書きして入場記録情報を更新する(経路(3−2))。
【0105】
また、作業員24は、第1の表示モニタ36に表示される第1の画像データの被写体が自分であると認識したとする。さらに、確認モニタ44aを参照し、例えば、作業員24の最新の入場記録情報より時間的に後となる他の作業員26の退場記録情報に対応する第2の画像データの被写体が自分であると判断したとする(経路(3−1))。この場合、データ入力部44bを用いてその第2の画像データに対応する退場記録情報に自分の氏名等を入力する(経路(3−2))。すると、データ入力部44bは作業員24の識別情報を包含した修正後の退場記録情報を、制御部50を介してデータ管理部52に出力する。そしてデータ管理部52では退場記録情報のうち修正箇所となる最新の退場記録情報に修正後の退場記録情報を上書きして退場記録情報を更新する(経路(3−2))。そして作業員24は、データ入力部44bから解除信号を出力させ、制御部50の連続通過情報の出力を解除させて第1の表示モニタ36に通行許可情報を出力させる(経路(3−3))。
【0106】
そして、制御部50は、上述の作業員24が2度連続で入場していないと判断した場合(経路(1−6)、経路(1−7))、第1の表示モニタ36において連続通過情報を出力したのちに通行許可表示を出力した場合(経路(2−4)、経路(3−3))、さらに、第1のタグリーダ18からの他の作業員26のICタグに係る識別情報を受信することなく(経路(1−8))、第1の遮断センサ28から出力された第1の検知信号を受信した場合(経路(1−9))は、データ管理部52から通行確認情報を読み出して第1の表示モニタ36に出力するとともに、作業員24の識別番号と第1の検知信号を受信した時刻の情報を有する新たな入力記録情報を生成してデータ管理部52に出力する(経路(1−9))。
【0107】
また、作業員24が、入場口ゲート14を通過して第1の遮断センサ28のレーザーの光路を遮断(経路(1−9))することにより、第1の検知信号と前記作業員24が入場口ゲート14を通過する際に撮影した第1の画像データを制御部50が受信する(経路(1−9))。これにより、制御部50は、新たな第1の画像データに第1の検知信号を受信した時刻の情報を付加してデータ管理部52に出力する(経路(1−9))。そしてデータ管理部52には、新たな入場記録情報と新たな第1の画像データが記憶され、作業員24が正規に入場口ゲート14を通過するフローが終了する(経路(1−10))。
【0108】
次に図9に示すように、作業員24が不正に入場口ゲート14を通過する場合のフローについて説明する。
まず、入場口ゲート14を、ICタグを持たない(ICタグを認識できない)作業員24が第1の遮断センサ28のレーザーの光路を遮って入場口ゲート14から入場した場合、または誤って入場口ゲート14から退場する作業員24が第1の遮断センサ28のレーザーの光路を遮った場合、制御部50では、第1のタグリーダ18から識別情報を受信する前に第1の検知信号を受信することになる(経路(4−1))。よって制御部50は、警告情報を第1の表示モニタ36に出力するとともに、第1のパトライト40及び第1のアラーム40aに第1の駆動信号を出力する(経路(4−2))。よって、第1の表示モニタ36には警告情報が表示され、第1のパトライト40は赤色発光し、第1のアラーム40aは警告音を発する(経路(4−3))。さらに第1の検知信号により第1の画像データを受信するので、制御部50は、第1の画像データに第1の検知信号を受信した時刻の情報を付加してデータ管理部52に出力する(経路(4−3))。さらに制御部50は、第1の検知信号を受信した時刻の情報を第1の不正入場記録情報としてデータ管理部52に記憶し(経路(4−3))、作業員24が不正に入場口ゲート14を通過するフローが終了する(経路(4−4))。
【0109】
また、制御部50は、第1のタグリーダ18から受信した識別情報が登録識別情報に含まれないと判断した場合(経路(5−1))は、通行禁止情報を一定時間出力して第1の表示モニタ36の画面に通行禁止表示をする(経路(5−2))。そして、上述のように制御部50が第1の表示モニタ36に通行禁止情報を出力したのちに第1の検知信号を受信した場合、すなわち、ICタグを有するものの登録された識別番号を有しない作業員24が入場口ゲート14を通過した場合は、制御部50は、上述同様に警告情報を表示するとともに、第1のパトライト40を赤色発光させ第1のアラーム40aに警告音を発生させる(経路(5−3))。さらに制御部50は、不正に入場口ゲート14を通過した作業員24の識別情報と第1の検知信号を受信した時刻の情報とを有する第2の不正入場記録情報と、受信した第1の画像データ(被写体はICタグを有するものの登録された識別番号を有しない作業員24)に第1の検知信号を受信した時刻の情報を付加したものをデータ管理部52に記憶し(経路(5−4))、作業員24が不正に入場口ゲート14を通過するフローが終了する(経路(5−5))。
【0110】
さらに、制御部50が、第1の表示モニタ36に複数認識情報を出力したのちに第1の検知信号を受信した場合、すなわち、複数の作業員24が同時に入場口ゲート14を通過した場合(経路(6−1))は、制御部50は、上述同様に警告情報を表示するとともに、第1のパトライト40を赤色発光させ第1のアラーム40aに警告音を発生させる(経路(6−2))。さらに制御部50は、不正に入場口ゲート14を通過した全ての作業員24(2人以上)の識別情報と、第1の検知信号を受信した時刻の情報を有する第3の不正入場記録を生成してデータ管理部52に記憶し(経路(6−3))、作業員24が不正に入場口ゲート14を通過するフローが終了する(経路(6−4))。
【0111】
図10は、作業員24が退場口ゲート16を通過する場合のフローであるが、図9、および上述の説明において、第1のタグリーダ18を第2のタグリーダ20とし、第1の遮断センサ28を第2の遮断センサ30とし、第1のカメラ32を第2のカメラ34とし、第1の表示モニタ36を第2の表示モニタ38とし、第1のパトライト40を第2のパトライト42とし、第1のアラーム40aを第2のアラーム42aとし、確認モニタ44aを確認モニタ46aとし、データ入力部44bをデータ入力部46bとする。さらに第1の検知信号を第2の検知信号とし、第1の画像データを第2の画像データとし、第1の駆動信号を第2の駆動信号とし、「入場」の文言と「退場」の文言とを相互に入れ替えることにより、図10に記載されたフローを実現することになるので説明を省略する。ただし、この場合において、第1の不正入場記録情報、第2の不正入場記録情報、第3の不正入場記録情報を生成することはない。
【0112】
図11に、第1の記録修正部において入場記録情報を修正する例を示す。第1の記録修正部(確認モニタ44a)には作業員名、作業員の入場/退場、画像データが時系列に並べて配置された状態で表示されている。図11においては、2011年4月4日13時20分に作業員Bが入場口ゲート14から入場し、同日13時25分に作業員Aが退場口ゲート16から退場した履歴として原始的に記録されたものとする。よって図11においては、13時20分の記録は原始的に作業員Bにとって最新の入場記録情報となり、13時25分の記録は原始的に作業員Aにとって最新の退場記録情報となる(図11上段、入退場履歴(修正前))。
【0113】
そして、作業員Bが同日13時28分に入場口ゲート14に入場すると、作業員Bの最新の入場記録情報より時間的に後になる作業員Bの最新の退場記録情報がないと制御部50は判断する。すなわち、制御部50は作業員Bが退場口ゲート16から退場することなく入場口ゲート14から再び入場したと判断する。よって、第1の表示モニタ36に連続通過情報が表示されるとともに、作業員Bが入場したと記録された13時20分における第1の画像データが第1の表示モニタ36に表示される(図11中段)。
【0114】
作業員Bは第1の表示モニタ36に表示された第1の画像データの被写体が自分ではなく作業員Aであると判断した場合は、データ入力部44bを用いて、図11に示すように、13時20分に入場口ゲート14に入場した作業員を作業員Bから作業員Aに書き換える。これによりデータ入力部44bにおいて修正後の入場記録情報(13時20分)が生成されることになる。この修正後の入場記録情報は、制御部50を介してデータ管理部52に出力され、データ管理部52に記憶された入場記録情報のうち、該当箇所となる(時間的に一致する)入場記録情報が修正後の入場記録情報に更新される。
【0115】
そして作業員Bはキー操作等によりデータ入力部44bから解除信号を制御部50に出力させ、制御部50に通行許可情報を出力させる。そして作業員Bが入場口を通過することにより、第1の遮断センサ28が作動し、第1の表示モニタ36には通行確認情報が表示され、制御部50において生成された新たな入場記録情報と、第1のカメラ32で生成された新たな第1の画像データがデータ管理部52に記憶されるとともに、制御部50は、新たな入場記録情報、新たな第1の画像データを確認モニタ44aに出力する(図11後段、入退場履歴(修正後))。
【0116】
また作業員Bは、第1の表示モニタ36に表示された第1の画像データの被写体が自分であると判断し、かつ13時25分の退場記録情報に対応する第2の画像データの被写体が自分であると判断した場合には、データ入力部44bを用いて、13時25分に退場口ゲート16から退場した作業員24を作業員24Aから作業員24Bに書き換える。これによりデータ入力部44bにおいて修正後の退場記録情報(13時25分)が生成されることになる。この修正後の退場記録情報は、制御部50を介してデータ管理部52に出力され、データ管理部52に記憶された退場記録情報のうち、該当箇所となる(時間的に一致する)退場記録情報が修正後の退場記録情報により更新される。
【0117】
なお、上述の図11を用いた説明では、入場口ゲート14に配置された確認モニタ44a、データ入力部44bを用いて入場記録情報、退場記録情報を修正する場合について説明しているが、退場口ゲート16に配置された確認モニタ46a、データ入力部46bを用いて入場記録情報、退場記録情報を修正する場合についても上述同様となるので説明を省略する。また、解除信号は修正後の入場記録情報、修正後の退場記録情報に連動して制御部50に出力するようにしてもよい。
【0118】
また確認モニタ44aにおいて、図11の表に倣って、第1の不正入場記録情報を表示する場合は、作業員名欄には何も記載せず、入場/退場欄には例えば「不正入場」と記載すればよい。また、第2の不正入場記録情報を表示する場合は、作業員名欄には不正入場を行なった作業員名(識別番号だけでもよい)を記載し、入場/退場欄には例えば「不正入場」と記載すればよい。さらに第3の不正入場記録情報を表示するには、作業員名欄には不正入場を行なった全ての作業員名(識別番号のみでもよい)を記載し、入場/退場欄には例えば「不正入場」と記載すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0119】
登録された作業員をハンズフリーで通過させつつ作業員の入退場の記録が可能となり、且つ入退場口で作業員の誤認識があったとしても、登録された作業員の入退場を制限することなく入場記録情報及び退場記録情報を事後的に修正し、作業員の入退場を確実に管理することが可能な入退場ゲート装置として利用できる。
【符号の説明】
【0120】
10………入退場ゲート装置、14………入場口ゲート、16………退場口ゲート、18………第1のタグリーダ、20………第2のタグリーダ、22………ヘルメット、24………作業員、25………作業員、26………他の作業員、28………第1の遮断センサ、28a………送信器、28b………受信器、30………第2の遮断センサ、30a………送信器、30b………受信器、32………第1のカメラ、34………第2のカメラ、36………第1の表示モニタ、38………第2の表示モニタ、40………第1のパトライト、40a………第1のアラーム、42………第2のパトライト、42a………第2のアラーム、44a………確認モニタ、44b………データ入力部、46a………確認モニタ、46b………データ入力部、50………制御部、52………データ管理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業エリアを入退場する作業員の登録識別情報と前記登録識別情報に対応する作業員情報を記憶するデータ管理部と、
前記作業エリアの入退場口に配置され、前記入退場口を通過する前記作業員に付されたICタグから前記作業員の識別情報を読み取るタグリーダと、
前記データ管理部及び前記タグリーダに接続され、前記タグリーダから入力された前記識別情報に対応する前記登録識別情報を読み出し、前記登録識別情報に対応する前記作業員情報を出力する制御部と、を備え、
前記入退場口には、前記制御部から入力された前記作業員情報を表示する表示部が配置されたことを特徴とする入退場ゲート装置。
【請求項2】
前記作業エリアに入場する前記作業員を検知して第1の検知信号を前記制御部に出力する第1の遮断センサと、
前記作業エリアから退場する前記作業員を検知して第2の検知信号を前記制御部に出力する第2の遮断センサと、を有し、
前記制御部は、
前記第1の検知信号を受信した時刻の情報と、前記識別情報と、を有する入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶し、
前記第2の検知信号を受信した時刻の情報と、前記識別情報と、を有する退場時刻情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする請求項1に記載の入退場ゲート装置。
【請求項3】
前記第1の検知信号を受信することにより前記作業エリアに入場する前記作業員を撮影した第1の画像データを生成して前記制御部に出力する第1のカメラを有し、
前記制御部は、
前記第1の画像データを前記入場記録情報に対応させて前記データ管理部に記憶することを特徴とする請求項2に記載の入退場ゲート装置。
【請求項4】
前記タグリーダは、前記作業エリアに入場する前記作業員に付された前記IDタグを読み取る第1のタグリーダを有し、
前記表示部は、前記作業エリアに入場する前記作業員が閲覧する第1の表示部を有し、
前記制御部は、
前記第1のタグリーダから前記識別情報を受信することにより前記データ管理部から前記作業員の最新の前記入場記録情報と最新の前記退場記録情報を読み出し、最新の前記入場記録情報が最新の前記退場記録情報より時間的に後となる場合には、前記作業員の最新の前記入場記録情報に対応する前記第1の画像データを前記データ管理部から読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする請求項3に記載の入退場ゲート装置。
【請求項5】
前記第2の検知信号を受信することにより前記作業エリアから退場する前記作業員を撮影した第2の画像データを生成して前記制御部に出力する第2のカメラを有し、
前記制御部は、
前記第2の画像データを前記退場記録情報に対応させて前記データ管理部に記憶することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項6】
前記タグリーダは、前記作業エリアから退場する前記作業員に付された前記IDタグを読み取る第2のタグリーダを有し、
前記表示部は、前記作業エリアから退場する前記作業員が閲覧する第2の表示部を有し、
前記制御部は、
前記第2のタグリーダから前記識別情報を受信することにより前記データ管理部から前記作業員の最新の前記入場記録情報と最新の前記退場記録情報を読み出し、最新の前記退場記録情報が最新の前記入場記録情報より時間的に後となる場合には、前記作業員の最新の前記退場記録情報に対応する前記第2の画像データを前記データ管理部から読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする請求項5に記載の入退場ゲート装置。
【請求項7】
修正後の前記入場記録情報または修正後の前記退場記録情報を前記制御部に出力可能な記録修正部が配置され、
前記制御部は、
前記データ管理部に記憶された前記入場記録情報を前記記録修正部から受信した修正後の前記入場記録情報に更新し、または、前記データ管理部に記憶された前記退場記録情報を前記記録修正部から受信した修正後の前記退場記録情報に更新することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項8】
前記データ管理部には、前記作業員へ警告を発する警告情報が記憶され、
前記第1の表示部は、前記警告情報を表示可能とされ、
前記制御部は、
前記第1のタグリーダから前記識別情報を受信する前に前記第1の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を前記データ管理部から読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1の検知信号を受信した時刻の情報を有する第1の不正入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする請求項8に記載の入退場ゲート装置。
【請求項10】
前記データ管理部には、前記作業員へ警告を発する警告情報が記憶され、
前記第2の表示部は、前記警告情報を表示可能とされ、
前記制御部は、
前記第2のタグリーダから前記識別情報を受信する前に前記第2の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を前記データ管理部から読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする請求項4乃至9のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項11】
前記データ管理部には、前記作業員の通行の許可を示す通行許可情報及び通行の禁止を示す通行禁止情報が記憶され、
前記第1の表示部は、前記通行許可情報及び前記通行禁止情報を表示可能とされ、
前記制御部は、
前記第1のタグリーダから受信した前記識別情報が前記登録識別情報に含まれるか否かを判別し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれる場合は、前記データ管理部から前記通行許可信号を読み出して前記第1の表示部に出力し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれない場合は、前記データ管理部から前記通行禁止信号を読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする請求項4乃至10のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記第1の表示部に前記通行禁止情報を出力後に前記第1の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする請求項11に記載の入退場ゲート装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記第1の検知信号を受信した時刻の情報と、前記識別情報と、を有する第2の不正入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする請求項12に記載の入退場ゲート装置。
【請求項14】
前記データ管理部には、前記作業員の通行の許可を示す通行許可情報及び通行の禁止を示す通行禁止情報が記憶され、
前記第2の表示部は、前記通行許可情報及び前記通行禁止情報を表示可能とされ、
前記制御部は、
前記第2のタグリーダから受信した前記識別情報が前記登録識別情報に含まれるか否かを判別し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれる場合は、前記データ管理部から前記通行許可信号を読み出して前記第2の表示部に出力し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれない場合は、前記データ管理部から前記通行禁止信号を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする請求項6乃至13のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項15】
前記制御部は、
前記第2の表示部に前記通行禁止情報を出力後に前記第2の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする請求項14に記載の入退場ゲート装置。
【請求項16】
前記データ管理部には、複数の前記IDタグを認識したことを示す複数認識情報が記憶され、
前記第1の表示部は、前記複数認識情報を表示可能とされ、
前記制御部は、
前記第1の表示部への前記通行許可情報の出力後であって前記第1の検知信号を受信する前に前記第1のタグリーダから他の作業員に係る前記識別情報を受信した場合は前記複数認識情報を前記データ管理部から読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする請求項4乃至15のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項17】
前記制御部は、
前記第1の表示部への前記複数認識情報を出力したのちに前記第1の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする請求項16に記載の入退場ゲート装置。
【請求項18】
前記制御部は、
前記作業員の前記識別情報と、前記他の作業員の前記識別情報と、前記第1の検知信号を受信した時刻の情報と、を有する第3の不正入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする請求項17に記載の入退場ゲート装置。
【請求項19】
前記データ管理部には、複数の前記IDタグを認識したことを示す複数認識情報が記憶され、
前記第2の表示部は、前記複数認識情報を表示可能とされ、
前記制御部は、
前記第2の表示部への前記通行許可情報の出力後であって前記第2の検知信号を受信する前に前記第2のタグリーダから他の作業員に係る前記識別情報を受信した場合には前記複数認識情報を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする請求項6乃至18のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項20】
前記制御部は、
前記第2の表示部への前記複数認識情報を出力したのちに前記第2の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする請求項19に記載の入退場ゲート装置。
【請求項21】
前記制御部からの駆動信号により警告音を発するアラームが配置され、
前記制御部は、
前記警告情報を出力する際に前記駆動信号を前記アラームに出力することを特徴とする請求項8乃至20のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項1】
作業エリアを入退場する作業員の登録識別情報と前記登録識別情報に対応する作業員情報を記憶するデータ管理部と、
前記作業エリアの入退場口に配置され、前記入退場口を通過する前記作業員に付されたICタグから前記作業員の識別情報を読み取るタグリーダと、
前記データ管理部及び前記タグリーダに接続され、前記タグリーダから入力された前記識別情報に対応する前記登録識別情報を読み出し、前記登録識別情報に対応する前記作業員情報を出力する制御部と、を備え、
前記入退場口には、前記制御部から入力された前記作業員情報を表示する表示部が配置されたことを特徴とする入退場ゲート装置。
【請求項2】
前記作業エリアに入場する前記作業員を検知して第1の検知信号を前記制御部に出力する第1の遮断センサと、
前記作業エリアから退場する前記作業員を検知して第2の検知信号を前記制御部に出力する第2の遮断センサと、を有し、
前記制御部は、
前記第1の検知信号を受信した時刻の情報と、前記識別情報と、を有する入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶し、
前記第2の検知信号を受信した時刻の情報と、前記識別情報と、を有する退場時刻情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする請求項1に記載の入退場ゲート装置。
【請求項3】
前記第1の検知信号を受信することにより前記作業エリアに入場する前記作業員を撮影した第1の画像データを生成して前記制御部に出力する第1のカメラを有し、
前記制御部は、
前記第1の画像データを前記入場記録情報に対応させて前記データ管理部に記憶することを特徴とする請求項2に記載の入退場ゲート装置。
【請求項4】
前記タグリーダは、前記作業エリアに入場する前記作業員に付された前記IDタグを読み取る第1のタグリーダを有し、
前記表示部は、前記作業エリアに入場する前記作業員が閲覧する第1の表示部を有し、
前記制御部は、
前記第1のタグリーダから前記識別情報を受信することにより前記データ管理部から前記作業員の最新の前記入場記録情報と最新の前記退場記録情報を読み出し、最新の前記入場記録情報が最新の前記退場記録情報より時間的に後となる場合には、前記作業員の最新の前記入場記録情報に対応する前記第1の画像データを前記データ管理部から読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする請求項3に記載の入退場ゲート装置。
【請求項5】
前記第2の検知信号を受信することにより前記作業エリアから退場する前記作業員を撮影した第2の画像データを生成して前記制御部に出力する第2のカメラを有し、
前記制御部は、
前記第2の画像データを前記退場記録情報に対応させて前記データ管理部に記憶することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項6】
前記タグリーダは、前記作業エリアから退場する前記作業員に付された前記IDタグを読み取る第2のタグリーダを有し、
前記表示部は、前記作業エリアから退場する前記作業員が閲覧する第2の表示部を有し、
前記制御部は、
前記第2のタグリーダから前記識別情報を受信することにより前記データ管理部から前記作業員の最新の前記入場記録情報と最新の前記退場記録情報を読み出し、最新の前記退場記録情報が最新の前記入場記録情報より時間的に後となる場合には、前記作業員の最新の前記退場記録情報に対応する前記第2の画像データを前記データ管理部から読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする請求項5に記載の入退場ゲート装置。
【請求項7】
修正後の前記入場記録情報または修正後の前記退場記録情報を前記制御部に出力可能な記録修正部が配置され、
前記制御部は、
前記データ管理部に記憶された前記入場記録情報を前記記録修正部から受信した修正後の前記入場記録情報に更新し、または、前記データ管理部に記憶された前記退場記録情報を前記記録修正部から受信した修正後の前記退場記録情報に更新することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項8】
前記データ管理部には、前記作業員へ警告を発する警告情報が記憶され、
前記第1の表示部は、前記警告情報を表示可能とされ、
前記制御部は、
前記第1のタグリーダから前記識別情報を受信する前に前記第1の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を前記データ管理部から読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1の検知信号を受信した時刻の情報を有する第1の不正入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする請求項8に記載の入退場ゲート装置。
【請求項10】
前記データ管理部には、前記作業員へ警告を発する警告情報が記憶され、
前記第2の表示部は、前記警告情報を表示可能とされ、
前記制御部は、
前記第2のタグリーダから前記識別情報を受信する前に前記第2の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を前記データ管理部から読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする請求項4乃至9のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項11】
前記データ管理部には、前記作業員の通行の許可を示す通行許可情報及び通行の禁止を示す通行禁止情報が記憶され、
前記第1の表示部は、前記通行許可情報及び前記通行禁止情報を表示可能とされ、
前記制御部は、
前記第1のタグリーダから受信した前記識別情報が前記登録識別情報に含まれるか否かを判別し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれる場合は、前記データ管理部から前記通行許可信号を読み出して前記第1の表示部に出力し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれない場合は、前記データ管理部から前記通行禁止信号を読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする請求項4乃至10のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記第1の表示部に前記通行禁止情報を出力後に前記第1の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする請求項11に記載の入退場ゲート装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記第1の検知信号を受信した時刻の情報と、前記識別情報と、を有する第2の不正入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする請求項12に記載の入退場ゲート装置。
【請求項14】
前記データ管理部には、前記作業員の通行の許可を示す通行許可情報及び通行の禁止を示す通行禁止情報が記憶され、
前記第2の表示部は、前記通行許可情報及び前記通行禁止情報を表示可能とされ、
前記制御部は、
前記第2のタグリーダから受信した前記識別情報が前記登録識別情報に含まれるか否かを判別し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれる場合は、前記データ管理部から前記通行許可信号を読み出して前記第2の表示部に出力し、前記識別情報が前記登録識別情報に含まれない場合は、前記データ管理部から前記通行禁止信号を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする請求項6乃至13のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項15】
前記制御部は、
前記第2の表示部に前記通行禁止情報を出力後に前記第2の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする請求項14に記載の入退場ゲート装置。
【請求項16】
前記データ管理部には、複数の前記IDタグを認識したことを示す複数認識情報が記憶され、
前記第1の表示部は、前記複数認識情報を表示可能とされ、
前記制御部は、
前記第1の表示部への前記通行許可情報の出力後であって前記第1の検知信号を受信する前に前記第1のタグリーダから他の作業員に係る前記識別情報を受信した場合は前記複数認識情報を前記データ管理部から読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする請求項4乃至15のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項17】
前記制御部は、
前記第1の表示部への前記複数認識情報を出力したのちに前記第1の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第1の表示部に出力することを特徴とする請求項16に記載の入退場ゲート装置。
【請求項18】
前記制御部は、
前記作業員の前記識別情報と、前記他の作業員の前記識別情報と、前記第1の検知信号を受信した時刻の情報と、を有する第3の不正入場記録情報を生成して前記データ管理部に記憶することを特徴とする請求項17に記載の入退場ゲート装置。
【請求項19】
前記データ管理部には、複数の前記IDタグを認識したことを示す複数認識情報が記憶され、
前記第2の表示部は、前記複数認識情報を表示可能とされ、
前記制御部は、
前記第2の表示部への前記通行許可情報の出力後であって前記第2の検知信号を受信する前に前記第2のタグリーダから他の作業員に係る前記識別情報を受信した場合には前記複数認識情報を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする請求項6乃至18のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【請求項20】
前記制御部は、
前記第2の表示部への前記複数認識情報を出力したのちに前記第2の検知信号を受信した場合は、前記警告情報を読み出して前記第2の表示部に出力することを特徴とする請求項19に記載の入退場ゲート装置。
【請求項21】
前記制御部からの駆動信号により警告音を発するアラームが配置され、
前記制御部は、
前記警告情報を出力する際に前記駆動信号を前記アラームに出力することを特徴とする請求項8乃至20のいずれか1項に記載の入退場ゲート装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−3924(P2013−3924A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135758(P2011−135758)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】
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