説明

入退場管理システムおよび方法

【課題】入退場管理に要する管理コストを削減し、建物全体での十分なセキュリティ性を得る。
【解決手段】照合データ生成端末10のサービス期限管理部12で、記憶部11のサービス期限に基づき照合データの生成可否を判定し、照合データ生成部13で、照合データの生成可の判定結果に応じて、記憶部11の識別コードのいずれか1つおよびサービス期限を含む照合データを生成し、入退場管理装置50の入退場判定部52で、来訪者から取得した照合データに含まれる識別コードを、記憶部51の入退場判定情報と照合するとともに、照合データに含まれるサービス期限に基づき照合データの有効性を確認することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退場管理技術に関し、特に複数のテナントが入居する建物での来訪者の入退場を管理する入退場管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建物における利用者の入退場を管理する入退場管理システムでは、特定区画について来訪者に対するセキュリティが必要な場合、来訪者に対して受付においてIDカードを貸し出し、このIDカードからリーダで読み取った識別情報に基づき、予め記憶部に保存されている入退場判定情報を参照することにより、入退場の可否を判定して特定区画での入退場を制御するものとなっている。また、後日、必要に応じて特定区画で入退場した来訪者や、特定来訪者が入室した区画を調べるため、入退場判定処理ごとに、処理日時、ユーザ識別情報、さらには判定結果などを履歴情報として記録するものとなっている。
【0003】
このような入退場管理システムでは、来訪時、IDカードを来訪者に貸し出す際、当該IDカードと来訪者とを紐付けて管理するため、来訪者の個人情報や来訪者に許可する特定区画など、各種情報を登録する必要がある。このため、IDカードの貸し出し時における登録作業に時間がかかり来訪者を待たせることになる。また、受付時の登録作業だけでなくIDカード返却時の紐付け抹消作業や、IDカードの未返却時や破損時に対する管理作業も必要となり、来訪者のIDカード管理に要する作業コストが増大する要因となる。
【0004】
従来、入退場管理システムにおいて、IDカードに代えて暗証コードを来訪者に発行し、特定区画への入退場時に来訪者が操作入力した暗証コードの照合結果、当該暗証コードに対応する利用制限情報とに基づいて、通行管理を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
また、このような暗証コードなど、来訪者を識別するための識別コードとして、バーコードから読み取った識別コードや携帯端末との近距離無線通信により取得した識別コードを用いることにより、入退場時の操作負担を軽減する技術も提案されている(例えば、特許文献2など参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−097976号公報
【特許文献2】特開2007−168952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来技術によれば、来訪者ごとに付与した識別コードに基づき入退場判定を行うため、来訪者に貸し出すIDカード自体が不要となり、IDカードの管理に要する作業コストを軽減することができる。
しかしながら、従来技術では、いわゆるテナントビルなど、複数のテナントが入居する建物で、来訪者の入退場を管理する場合、各テナントが自由に識別コードを生成して、それぞれの来訪者に発行することになるため、建物全体で十分なセキュリティ性が得られないという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、入退場管理に要する管理コストを削減できるとともに、建物全体での十分なセキュリティ性を得ることができる入退場管理技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかる入退場管理システムは、建物に設けられた各区画のうち来訪者に入退場を許可する区画を特定するための識別コードと、来訪者が区画で入退場する際に必要となる照合データの生成可能期間を示すサービス期限を記憶する記憶部と、記憶部から読み出したサービス期限に基づき照合データの生成可否を判定するサービス期限管理部と、サービス期限管理部における照合データの生成可の判定結果に応じて、記憶部から読み出した識別コードのいずれか1つおよびサービス期限を含む照合データを生成する照合データ生成部とを備える照合データ生成端末と、識別コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶する記憶部と、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダで取得した照合データに含まれる識別コードを、記憶部から読み出した入退場判定情報と照合するとともに、照合データに含まれるサービス期限に基づき照合データの有効性を確認することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御する入退場判定部とを備える入退場管理装置とを含んでいる。
【0009】
この際、建物に入居するテナントで用いる照合データ生成端末ごとにサービス期限をそれぞれ記憶する記憶部と、任意の照合データ生成端末で用いるサービス期限に対する更新を指示する更新指示入力に応じて、記憶部で記憶する当該サービス期限を一定期間だけ更新するとともに、当該サービス期限の更新許可を当該照合データ生成端末へ通知するサービス処理部とを備えるサービス管理装置をさらに含み、サービス期限管理部で、サービス管理装置からの更新許可の通知に応じて、記憶部で記憶するサービス期限を一定期間だけ更新するようにしてもよい。
【0010】
また、任意の照合データ生成端末で用いるサービス期限に対する更新を指示する更新指示入力に応じて、当該照合データ生成端末に関するサービス期限更新申請をサービス管理装置へ通知し、これに応じてサービス管理装置から通知された更新許可を照合データ生成端末へ通知するテナント処理部を備えるテナント管理装置をさらに含み、サービス処理部で、更新指示入力に応じて、サービス管理装置の記憶部で記憶する当該サービス期限を一定期間だけ更新するとともに、当該サービス期限の更新許可をテナント管理装置へ通知し、サービス期限管理部で、テナント管理装置からの更新許可の通知に応じて、照合データ生成端末の記憶部で記憶するサービス期限を一定期間だけ更新するようにしてもよい。
【0011】
また、照合データ生成部で、照合データ生成時、サービス期限に加えて、照合データに基づく入退場許可の有効期限を照合データに付加し、入退場判定部で、入退場可否判定時、照合データに含まれる有効期限に基づき入退場許可の有効性を確認するようにしてもよい。
【0012】
また、照合データ生成部で、照合データを生成時、照合データに基づく入退場許可の有効期限を、サービス期限に代えて照合データに付加し、この際、有効期限の満了時期がサービス期限の満了時期より遅い場合には、有効期限の満了時期をサービス期限の満了時期に変更して照合データに付加し、入退場判定部で、入退場可否判定時、サービス期限に基づく照合データの有効性の確認に代えて、照合データに含まれる有効期限に基づき入退場許可の有効性を確認するようにしてもよい。
【0013】
また、照合データ生成端末の記憶部で、識別コードに代えて複数の来訪者間で共用される1つ以上の共用コードを予め記憶し、照合データ生成部で、識別コードに代えて共用コードのいずれか1つを照合データに付加するとともに、来訪者の個人情報を照合データに付加し、入退場管理装置の記憶部で、識別コードに代えて共用コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶し、入退場判定部で、照合データに含まれる共用コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御し、入退場管理装置に、入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として入退場管理装置の記憶部へ記録する履歴管理部をさらに設けてもよい。
【0014】
また、本発明にかかる入退場管理方法は、照合データ生成端末の記憶部が、建物に設けられた各区画のうち来訪者に入退場を許可する区画を特定するための識別コードと、来訪者が区画で入退場する際に必要となる照合データの生成可能期間を示すサービス期限を記憶する記憶ステップと、照合データ生成端末のサービス期限管理部が、記憶部から読み出したサービス期限に基づき照合データの生成可否を判定するサービス期限管理ステップと、照合データ生成端末の照合データ生成部が、サービス期限管理ステップにおける照合データの生成可の判定結果に応じて、記憶部から読み出した識別コードのいずれか1つおよびサービス期限を含む照合データを生成する照合データ生成ステップと、入退場管理装置の記憶部が、識別コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶する記憶ステップと、入退場管理装置の入退場判定部が、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダで取得した照合データに含まれる識別コードを、記憶部から読み出した入退場判定情報と照合するとともに、照合データに含まれるサービス期限に基づき照合データの有効性を確認することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御する入退場判定ステップとを備えている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、来訪者に発行した照合データに基づき入退場判定を行うため、来訪者に貸し出すIDカード自体が不要となり、IDカードの管理に要する作業コストを軽減することができる。また、照合データ生成時に、照合データ生成端末での照合データの生成可否がサービス期限で確認されるため、各テナントにおける照合データの生成がサービス期限により規制されることになる。さらに、入退場可否判定時に、照合データに含まれるサービス期限に基づき照合データの有効性が確認されるため、生成された照合データがサービス期限を経過して利用されるケースについても、照合データの利用がサービス期限により規制されることになる。したがって、テナントによる無秩序な照合データの発行および利用を抑制することができ、複数のテナントが入居する建物であっても、建物全体での十分なセキュリティ性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態にかかる入退場管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】識別コードの構成例である。
【図3】サービス期限の構成例である。
【図4】照合データの構成例である。
【図5】QRコードの変換例である。
【図6】サービス情報の構成例である。
【図7】入退場判定情報の構成例である。
【図8】区画情報の構成例である。
【図9】第1の実施の形態にかかる入退場管理システムのサービス期限更新動作を示すシーケンス図である。
【図10】第1の実施の形態にかかる入退場管理システムの入退場判定動作を示すシーケンス図である。
【図11】第2の実施の形態にかかる入退場管理システムの構成を示すブロック図である。
【図12】テナント情報の構成例である。
【図13】第2の実施の形態にかかる入退場管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【図14】第3の実施の形態にかかる入退場管理システムの構成を示すブロック図である。
【図15】照合データの他の構成例である。
【図16】履歴情報の構成例である。
【図17】第3の実施の形態にかかる入退場管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【図18】照合データの流れを示す説明図である。
【図19】サービス期限と有効期限の関係を示す説明図である。
【図20】第3の実施の形態にかかる入退場管理システムの他の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退場管理システムについて説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる入退場管理システムの構成を示すブロック図である。
【0018】
この入退場管理システム1は、複数のテナントが入居する建物に設けられた区画ごとに来訪者の入退場を管理するシステムであり、主な構成として、照合データ生成端末10、サービス管理装置20、入退場管理装置50、リーダ61、およびゲート装置62を含んでいる。
照合データ生成端末10とサービス管理装置20とは、通信網NWを介してデータ通信可能に接続されている。各区画Sの出入口に対して設置されているリーダ61およびゲート装置62は、制御バスBSを介してそれぞれデータ通信可能に入退場管理装置50と接続されている。
【0019】
本実施の形態は、照合データ生成端末10で、記憶部から読み出したサービス期限に基づき照合データの生成可否を判定し、生成可の判定結果に応じて記憶部から読み出した識別コードのいずれか1つおよびサービス期限を含む照合データを生成し、入退場管理装置50で、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダ61で取得した照合データに含まれる識別コードを、記憶部から読み出した入退場判定情報と照合するとともに、照合データに含まれるサービス期限に基づき照合データの有効性を確認することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御するようにしたものである。
【0020】
リーダ61は、来訪者の所持する携帯端末Tなどの記録媒体から、入退場可否判定に用いる照合データDを取得する機能を有している。特に、照合データDとして、QRコードに代表されるような、データを図柄でエンコードして表現したシンボルを用いる場合には、このシンボルを表示した画面や印刷出力した紙ラベルから光学的にシンボルを読み取るスキャナ機能を持つリーダ61を用いればよい。また、携帯端末Tからデータ通信により照合データDを取得する場合には、赤外線通信やRFIDなどの近距離無線通信機能を持つリーダ61を用いればよい。
【0021】
ゲート装置62は、区画Sの出入口に設けられて、入退場管理装置50からの開扉指示に応じて、出入口を開扉し、あるいは扉の電気錠を開錠する機能を有している。このゲート装置62は、常時、閉扉あるいは施錠状態を維持することにより来訪者の入退場を禁止しており、入退場管理装置50から開扉指示が到来した場合にのみ所定期間だけ開扉あるいは開錠するものとする。
【0022】
携帯端末Tは、一般的な携帯電話やPDAなどの情報通信端末からなり、通信網NWを介して照合データ生成端末10からの電子メールを受信する機能を有している。特に、照合データDとして、QRコードに代表されるような、データを図柄でエンコードして表現したシンボルを用いる場合には、電子メールで通知されたシンボルを画面表示する機能を持つ携帯端末Tを用いればよい。また、データ通信により照合データDをリーダ61へ通知する場合には、赤外線通信やRFIDなどの近距離無線通信機能を持つ携帯端末Tを用いればよい。
【0023】
[照合データ生成端末]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システム1の照合データ生成端末10について詳細に説明する。本実施の形態では、照合データとして、QRコードを用いる場合を例として説明する。
【0024】
照合データ生成端末10は、全体としてパソコンなどの情報処理端末からなり、建物に入居する各テナントがそれぞれ個別に利用して、自己の来訪者に発行する照合データを生成するための装置である。
【0025】
照合データ生成端末10には、主な機能として、記憶部11、サービス期限管理部12、および照合データ生成部13が設けられている。このほか、照合データ生成端末10には、キーボードやマウスなどの操作入力部、LCDなどの画面表示装置、電子メールを送受信する際に用いるデータ通信部など、一般的な情報処理端末に設けられている各種機能を有しているものとする。
【0026】
記憶部11は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、照合データ生成端末10での処理動作に用いる各種処理情報やプログラムを記憶する機能を有している。記憶部11で記憶する主な処理情報として識別コードとサービス期限がある。
【0027】
図2は、識別コードの構成例である。ここでは、9桁の数字から構成された識別コードが複数登録されている。各識別コードには、後述する入退場管理装置50の入場判定情報において、当該識別コードで入退場を許可する入退場許可区画を示す許可レベルが予め設定されている。任意の来訪者の照合データを生成する場合には、当該来訪者に許可する区画に対応する識別コードが選択される。
【0028】
図3は、サービス期限の構成例である。サービス期限は、照合データ生成端末10で利用できる照合データ生成サービスの利用期限を示す情報である。ここでは、利用期限の開始日と終了日との組が登録されている。
【0029】
サービス期限管理部12は、CPUで記憶部11のプログラムを実行することにより各種処理を実現する演算処理部からなり、照合データの生成時、記憶部11から読み出したサービス期限に基づき照合データの生成可否を判定する機能と、通信網NWを介したサービス管理装置20からの更新許可の通知に応じて、記憶部11で記憶するサービス期限を一定期間だけ更新する機能とを有している。
【0030】
照合データ生成部13は、CPUで記憶部11のプログラムを実行することにより各種処理を実現する演算処理部からなり、サービス期限管理部12における照合データの生成可の判定結果に応じて、記憶部11から読み出した識別コードのいずれか1つと、記憶部11から読み出したサービス期限とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成する機能と、生成した照合データの一部または全部を暗号化する機能と、照合データをQRコードに変換する機能と、得られたQRコードからなる照合データを電子メールで来訪者の携帯端末Tへ通知する機能とを有している。
【0031】
図4は、照合データの構成例である。ここでは、識別コードと、照合データに基づく入退場許可の有効な期間を示す有効期限と、照合データ生成端末10で利用できる照合データ生成サービスの利用期限を示すサービス期限とが含まれている。
このうち、識別コードは、来訪者が入退場する区画と対応して記憶部11からオペレータが選択したものである。有効期限は、来訪者の来訪期間に合わせてオペレータが入力したものである。サービス期限は、照合データ生成部13が記憶部11から読み出したものである。
【0032】
図5は、QRコードの変換例である。ここでは、図4に示した照合データをQRコードに変換した例が示されている。なお、個人情報など、セキュリティ性が求められる場合には、当該部分を暗号化した後、QRコードに変換すればよい。QRコードは、画像ファイルとして生成されるため、電子メールにQRコードの画像ファイルを添付する形式で来訪者へ通知される。なお、照合データについてはQRコード以外のシンボル、例えば1次元バーコードやカラーバーコードなど、他のシンボルに変換してもよい。
【0033】
[サービス管理装置]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システム1のサービス管理装置20について詳細に説明する。
【0034】
サービス管理装置20は、全体としてパソコンなどの情報処理端末からなり、照合データ生成端末10を用いて各テナントが利用する照合データ生成サービスを管理するための装置であり、照合データ生成サービスを提供するサービス提供者により利用される。
【0035】
サービス管理装置20には、主な機能部として、記憶部21、サービス管理部22、およびサービス処理部23が設けられている。このほか、サービス管理装置20には、キーボードやマウスなどの操作入力部、LCDなどの画面表示装置、電子メールを送受信する際に用いるデータ通信部など、一般的な情報処理端末に設けられている各種機能を有しているものとする。
【0036】
記憶部21は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、サービス管理装置20での処理動作に用いる各種処理情報やプログラムを記憶する機能を有している。記憶部11で記憶する主な処理情報としてサービス情報がある。
【0037】
本実施の形態では、照合データ生成サービスを利用する際、テナントは照合データ生成サービスの利用許可を得るため、サービス提供者にサービス期限更新を申請するとともに、照合データ生成サービスの利用のためのサービス料金を納付するものとする。
サービス提供者は、照合データ生成端末10ごとに、これらサービス期限更新申請とサービス料金納付を、サービス管理装置20のサービス情報で管理し、サービス期限更新申請とサービス料金納付の確認に応じて、サービス管理装置20から当該テナントの照合データ生成端末10へサービス期限の更新許可を通知する。
【0038】
また、本実施の形態において、照合データ生成サービスを利用する際、テナントはサービス提供者に対してユーザ登録を行うものとし、サービス提供者から照合データ生成端末10で実行するサービス提供用アプリケーションソフト(以下、アプリという)を購入するものとする。
サービス提供者は、テナントごとに、これらユーザ登録申請とサービス料金納付を、サービス管理装置20のサービス情報で管理する。
【0039】
図6は、サービス情報の構成例である。サービス情報は、各テナントが利用する照合データ生成端末10での照合データ生成サービスを管理するための情報である。ここでは、照合データ生成端末10を識別するための端末IDごとに、テナントID、ユーザ登録申請、アプリ料金納付、サービス更新申請、サービス料金納付、およびサービス期限が組として登録されている。
【0040】
このうち、テナントIDは、当該照合データ生成端末10を利用するテナントの識別情報である。ユーザ登録申請は、テナントからのユーザ登録申請の確認有無を示すフラグである。アプリ料金納付は、テナントからのアプリ料金の納付有無を示すフラグである。サービス更新申請は、テナントからのサービス期限更新申請の確認有無を示すフラグである。サービス料金納付は、テナントからのサービス料金の納付有無を示すフラグである。サービス期限は、照合データ生成端末10で利用できる照合データ生成サービスの利用期限を示す情報であり、前述した図3と同様に、利用期限の開始日と終了日との組が登録されている。
【0041】
サービス管理部22は、CPUで記憶部21のプログラムを実行することにより各種処理を実現する演算処理部からなり、記憶部21のサービス情報を用いて、テナントに提供する照合データ生成サービスを管理する機能を有している。
【0042】
サービス管理部22の具体的な機能としては、照合データ生成端末10からのユーザ登録申請の確認に応じて、サービス情報のうち当該照合データ生成端末10のユーザ登録申請を未確認から確認済へ登録する機能と、テナントからのアプリ料金の納付確認に応じて、サービス情報のうち当該照合データ生成端末10のアプリ料金を未納付から納付済へ登録する機能と、照合データ生成端末10からのサービス期限更新申請の確認に応じて、サービス情報のうち当該照合データ生成端末10のサービス更新申請を未確認から確認済へ登録する機能と、テナントからのサービス料金の納付確認に応じて、サービス情報のうち当該照合データ生成端末10のサービス料金を未納付から納付済へ登録する機能とがある。
【0043】
テナントからのユーザ登録申請やサービス期限更新申請の確認については、テナントの照合データ生成端末10から通信網NWを介してサービス管理装置20へ申請メッセージを送信する、いわゆるオンライン申請の内容に基づいて確認してもよく、郵送で届いた申請書類の内容をオペレータが操作入力した、いわゆるオフライン申請の内容に基づいて確認してもよい。
また、テナントからのアプリ料金やサービス料金の納付確認については、通信網NWを介して銀行から通知された納付完了メッセージに基づいて確認してもよく、郵送や電話で銀行から届いた納付完了の通知をオペレータが操作入力した内容に基づいて確認してもよい。
【0044】
これに加え、サービス管理部22の具体的な機能としては、記憶部21のサービス情報のうち、任意の照合データ生成端末10についてユーザ登録申請が確認済となりアプリ料金納付が納付済となった際に、当該照合データ生成端末10へのアプリの配布を指示する配布指示入力をサービス処理部23へ出力する機能と、記憶部21のサービス情報のうち、任意の照合データ生成端末10についてサービス更新申請が確認済となりサービス料金納付が納付済となった際、当該照合データ生成端末10へのサービス期限の更新を指示する更新指示入力をサービス処理部23へ出力する機能とがある。
【0045】
サービス処理部23は、CPUで記憶部21のプログラムを実行することにより各種処理を実現する演算処理部からなり、記憶部21のサービス情報を用いて、テナントに提供する照合データ生成サービスを処理する機能を有している。
【0046】
サービス処理部23の具体的な機能としては、サービス管理部22からの配布指示入力に応じて、記憶部21に登録されているアプリを読み出し、通信網NWを介して当該テナントの照合データ生成端末10へ送信することによりアプリを配布する機能と、サービス管理部22からの更新指示入力に応じて、記憶部21で記憶する当該照合データ生成端末10のサービス期限を一定期間だけ更新する機能と、サービス期限の更新許可を通信網NWを介して当該照合データ生成端末10へ通知する機能とがある。
【0047】
このうち、更新指示入力については、サービス管理部22からの更新指示入力に代えて、例えば記憶部21のサービス情報のうち、任意の照合データ生成端末10についてサービス更新申請が確認済となりサービス料金納付が納付済となったことを、オペレータが表示画面で確認し、これに応じてオペレータが操作入力したものを更新指示入力として用いてもよい。
【0048】
[入退場管理装置]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システム1の入退場管理装置50について詳細に説明する。本実施の形態では、照合データとして、QRコードを用いる場合を例として説明する。
【0049】
入退場管理装置50は、全体としてコンピュータを用いて制御バスBSに接続された各種機器を制御するコントローラなどの機器制御装置からなり、制御バスBSを介して各区画Sのリーダ61やゲート装置62とデータ通信可能に接続されている。この入退場管理装置50には、主な機能部として、記憶部51および入退場判定部52が設けられている。
【0050】
記憶部51は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、入退場管理装置50での処理動作に用いる各種処理情報やプログラムを記憶する機能を有している。
記憶部51で記憶する主な処理情報として、入退場判定情報および区画情報がある。
【0051】
図7は、入退場判定情報の構成例である。入退場判定情報は、識別コードで入退場可能な区画を示す情報である。ここでは、識別コードごとに、当該識別コードで入退場可能な区画を示す入退場許可情報として許可レベルが登録されている。例えば、識別コード「006002001」には、応接室の入退場を許可する許可レベル「1」が登録されており、識別コード「006002002」には、応接室の入退場を許可する許可レベル「2」が登録されている。
【0052】
この許可レベルは、入退場許可の順位を示す情報であり、そのレベル値と等しい許可レベルを持つ区画の入退場が許可されているだけでなく、そのレベル値より低い許可レベルを持つ区画の入退場も許可されている。したがって、識別コード「006002002」が付与された来訪者は、許可レベル「2」だけでなく許可レベル「1」の区画での入退場も許可されている。
【0053】
図8は、区画情報の構成例である。区画情報は、入退場管理システムで管理する区画に設けられているリーダと、その区画で入退場可能な区画許可レベルとを示す情報である。ここでは、区画を識別するための区画ごとに、当該区画の出入口に設置されているリーダ61を識別するためのリーダIDと、当該区画で入退場可能な区画許可レベルとが組として登録されている。例えば、「応接室1」という区画には、リーダID「00101」を持つリーダ61が設置されており、「応接室1」で入退場可能な区画許可レベルは許可レベル「1」であることが登録されている。
【0054】
入退場判定部52は、CPUで記憶部11のプログラムを実行することにより各種処理を実現する演算処理部からなり、制御バスBSを介してリーダ61から判定要求を受信する機能と、受信した判定要求に含まれる照合データのうち暗号化されている一部または全部を復号する機能と、得られた照合データに含まれる識別コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定する機能と、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御する機能とを有している。
【0055】
入退場判定部52の具体的な機能としては、判定要求で通知された照合データに含まれる識別コードを取得する機能と、記憶部51の入退場判定情報から当該識別コードに対応する入退場許可情報を取得する機能と、判定要求で通知されたリーダ61のリーダIDを取得する機能と、記憶部51の区画情報から当該リーダIDに対応する区画許可レベルを取得する機能と、入退場許可情報の許可レベルと区画許可レベルとを比較することにより、当該区画での入退場可否を判定する機能がある。
【0056】
[第1の実施の形態の動作]
次に、本実施の形態にかかる入退場管理システムの動作について説明する。
ここでは、サービス管理装置20からの更新許可に応じて照合データ生成端末10でサービス期限を更新するサービス期限更新動作と、照合データ生成端末10で生成した照合データによる入退場管理動作とについて、それぞれ別個に説明する。
【0057】
[サービス期限更新動作]
まず、図9を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システム1のサービス期限更新動作について説明する。図9は、第1の実施の形態にかかる入退場管理システムのサービス期限更新動作を示すシーケンス図である。
【0058】
照合データ生成サービスを利用する際、テナントのサービス利用者は、照合データ生成端末10を操作して、通信網NWを介してサービス管理装置20へアクセスし、ユーザ登録申請を行う(ステップ100)。また、サービス利用者は、このユーザ登録申請と並行して、照合データ生成端末10を用いたオンライン決済や、銀行窓口でのオフライン決済を利用して、アプリ料金をサービス提供者に納付する。
【0059】
サービス管理装置20は、サービス管理部22により、照合データ生成端末10からのユーザ登録申請の確認に応じて、記憶部21のサービス情報のうち当該照合データ生成端末10のユーザ登録申請を未確認から確認済へ登録する(ステップ101)。この際、サービス管理部22は、テナントからのアプリ料金の納付確認に応じて、記憶部21のサービス情報のうち当該照合データ生成端末10のアプリ料金納付を未納付から納付済へ登録する。
【0060】
これにより、記憶部21のサービス情報のうち、照合データ生成端末10についてユーザ登録申請が確認済となりアプリ料金納付が納付済となったことから、サービス管理部22は、照合データ生成端末10へのアプリの配布を指示する配布指示入力をサービス処理部23へ出力する(ステップ102)。
【0061】
サービス処理部23は、この配布指示入力に応じて、記憶部21に登録されているアプリを読み出し、通信網NWを介して当該テナントの照合データ生成端末10へ送信することにより、アプリを配布する(ステップ103)。
テナントのサービス利用者は、サービス管理装置20から照合データ生成端末10へ配布されたアプリを確認し、照合データ生成端末10でこのアプリの登録操作を行う。これにより、アプリが照合データ生成端末10へインストールされる(ステップ104)。
【0062】
この後、サービス利用者は、照合データ生成端末10を操作して、通信網NWを介してサービス管理装置20へアクセスし、サービス期限更新申請を行う(ステップ110)。また、サービス利用者は、このサービス期限更新申請と並行して、照合データ生成端末10を用いたオンライン決済や、銀行窓口でのオフライン決済を利用して、サービス料金をサービス提供者に納付する。
【0063】
サービス管理装置20は、サービス管理部22により、照合データ生成端末10からのサービス期限更新申請の確認に応じて、記憶部21のサービス情報のうち当該照合データ生成端末10のサービス更新申請を未確認から確認済へ登録する(ステップ111)。この際、サービス管理部22は、テナントからのサービス料金の納付確認に応じて、記憶部21のサービス情報のうち当該照合データ生成端末10のサービス料金納付を未納付から納付済へ登録する。
【0064】
これにより、記憶部21のサービス情報のうち、照合データ生成端末10についてサービス更新申請が確認済となりサービス料金納付が納付済となったことから、サービス管理部22は、照合データ生成端末10へのサービス期限の更新を指示する更新指示入力をサービス処理部23へ出力する(ステップ112)。
【0065】
サービス処理部23は、この更新指示入力に応じて、記憶部21で記憶する当該照合データ生成端末10のサービス期限を一定期間だけ更新し、サービス期限の更新許可を通信網NWを介して当該照合データ生成端末10へ通知する(ステップ113)。
照合データ生成端末10のサービス期限管理部12は、通信網NWを介したサービス管理装置20からの更新許可の通知に応じて、記憶部11で記憶するサービス期限を一定期間だけ更新する(ステップ114)。これにより、照合データ生成端末10において、照合データの生成サービスが利用可能となる。
【0066】
また、サービス管理装置20のサービス処理部23は、常時、記憶部21のサービス情報を参照して、照合データ生成端末10のサービス期限のうち、サービス期限の更新案内を行う更新案内契機の到来有無を確認する。更新案内契機については、サービス期限満了日から1ヶ月前など、予め記憶部21に設定しておけばよい。
【0067】
ここで、任意の照合データ生成端末10で更新案内契機の到来が確認された場合(ステップ120)、サービス処理部23は、サービス期限の満了が近づいており、サービス期限の更新手続が必要である旨の更新案内メッセージを、通信網NWを介して照合データ生成端末10へ送信する(ステップ121)。
【0068】
照合データ生成端末10のサービス期限管理部12は、サービス管理装置20からの更新案内メッセージに応じて、当該更新案内メッセージの内容を画面表示する(ステップ122)。
これにより、テナントのサービス利用者が、前述したステップ110と同様に、照合データ生成端末10を操作して、通信網NWを介してサービス管理装置20へアクセスし、サービス期限更新申請を行うことになる。
【0069】
また、サービス処理部23は、常時、記憶部21のサービス情報を参照して、照合データ生成端末10のサービス期限のうち、サービス期限の満了有無を確認する。ここで、サービス期限の満了が確認された場合(ステップ130)、サービス処理部23は、サービス期限が満了して、照合データ生成サービスが利用できなくなった旨の期限満了メッセージを、通信網NWを介して照合データ生成端末10へ送信する(ステップ131)。
【0070】
照合データ生成端末10のサービス期限管理部12は、サービス管理装置20からの期限満了メッセージに応じて、当該期限満了メッセージの内容を画面表示する(ステップ132)。
この際、サービス期限管理部12は、期限満了メッセージに応じて記憶部11のサービス期限をクリアするなどの無効化を行うことにより、照合データ生成サービスの利用禁止を設定するようにしてもよい。
【0071】
[入退場判定動作]
次に、図10を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システム1の入退場判定動作について説明する。図10は、第1の実施の形態にかかる入退場管理システムの入退場判定動作を示すシーケンス図である。
【0072】
ここでは、来訪者の来訪先となる担当者が、照合データ生成端末10により照合データ生成用のアプリを起動して、来訪者の照合データをQRコードで生成して、電子メールで来訪者の携帯端末Tへ予め通知し、来訪時には来訪者が携帯端末Tを操作してQRコードを画面表示して、区画Sである応接室の出入口に設置されているリーダ61へ提示することにより、入退場の許可を要請する場合について説明する。
【0073】
まず、照合データ生成端末10において、サービス期限管理部12は、担当者による照合データの生成指示操作に応じて、記憶部11のサービス期限を読み出し、自装置で計時している時計情報と比較することにより、サービス期限の有効性を確認する(ステップ150)。ここで、サービス期限が超過している場合、あるいはサービス期限が無効化されている場合には、サービス期限の超過により照合データの生成ができない旨の警告を画面表示するなどのエラー処理を実行する。
【0074】
一方、サービス期限が超過しておらず、また無効化されていない場合、照合データ生成部13は、担当者の操作に応じて、記憶部11に記憶されている識別コードのうちから、来訪者が入退場する区画Sでの入退場許可を示す識別コードを選択し(ステップ151)、担当者の操作に応じて、生成する照合データの有効期限を設定する(ステップ152)。
続いて、照合データ生成部13は、これら識別コードおよび有効期限と、記憶部11から読み出したサービス期限とを用いて、前述の図4に示した照合データを生成し(ステップ153)、当該照合データを、前述の図5に示したQRコードに変換する(ステップ154)。
【0075】
次に、照合データ生成部13は、担当者の操作に応じて、来訪者の携帯端末Tの電子メールアドレスや、来訪日時などを含む本文を取得して、QRコードを示す画像ファイルが添付された電子メールを生成し(ステップ155)、通信網NWを介して携帯端末Tへ送信することにより照合データを来訪者へ発行する(ステップ156)。
携帯端末Tは、通信網NWを介して照合データ生成端末10からの電子メールを受信し、電子メールに添付されているQRコードからなる照合データをメモリに保存する(ステップ157)。
【0076】
この後、来訪者が来訪して応接室への入場の許可を要請する場合、来訪者の操作に応じて携帯端末TがQRコードを画面表示する(ステップ160)。
応接室である区画Sの出入口に設けられているリーダ61は、携帯端末Tで画面表示されているQRコードを取得して照合データに変換し(ステップ161)、当該照合データと自己のリーダIDと含む判定要求を、制御バスBSを介して入退場管理装置50へ通知する(ステップ162)。
【0077】
入退場管理装置50の入退場判定部52は、リーダ61からの判定要求に応じて、判定要求で通知された照合データからサービス期限を取得して、自装置で計時する現在日時と比較することにより、照合データの有効性を確認する(ステップ170)。
ここで、現在日時がサービス期限の範囲外であり、照合データの有効性が確認できなかった場合、入退場判定部52は、リーダ61へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ61は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0078】
一方、現在日時がサービス期限の範囲内であり、照合データの有効性が確認できた場合、入退場判定部52は、照合データから有効期限を取得して、自装置で計時する現在日時と比較することにより、当該照合データによる入退場許可の有効性を確認する(ステップ171)。
ここで、現在日時が有効期限の範囲外であり、入退場許可の有効性が確認できなかった場合、入退場判定部52は、リーダ61へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ61は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0079】
一方、現在日時が有効期限の範囲内であり、当該照合データによる入退場許可の有効性が確認できた場合、入退場判定部52は、照合データから取得した識別コードと対応する入退場許可情報を、記憶部51の入退場判定情報から取得するとともに、判定要求で通知されたリーダ61のリーダIDと対応する区画許可レベルを記憶部51の区画情報から取得し、これら入退場許可情報の許可レベルと区画許可レベルとを比較することにより、当該区画での入退場可否を判定する(ステップ172)。
【0080】
ここで、入退場許可情報の許可レベルのレベル値が区画許可レベルのレベル値より低く、入退場不可と判定された場合、入退場判定部52は、リーダ61へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ61は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0081】
一方、入退場許可情報の許可レベルのレベル値が区画許可レベルのレベル値以上であり、入退場可能と判定された場合(ステップ172:YES)、入退場判定部52は、制御バスBSを介して区画Sのゲート装置62へ、開扉指示を通知する(ステップ173)。これに応じて、ゲート装置62は、区画Sの出入口に設けられている扉を開扉する(ステップ174)。これにより、来訪者は区画Sである応接室へ入場可能となる。
【0082】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、照合データ生成端末10において、サービス期限管理部12で、記憶部11から読み出したサービス期限に基づき照合データの生成可否を判定し、照合データ生成部13で、照合データの生成可否判定の判定結果に応じて、記憶部11から読み出した識別コードのいずれか1つおよびサービス期限を含む照合データを生成し、入退場管理装置50において、入退場判定部52で、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダ61で取得した照合データに含まれる識別コードを、記憶部51から読み出した入退場判定情報と照合するとともに、照合データに含まれるサービス期限に基づき照合データの有効性を確認することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御するようにしたものである。
【0083】
これにより、来訪者に発行した照合データに基づき入退場判定を行うため、来訪者に貸し出すIDカード自体が不要となり、IDカードの管理に要する作業コストを軽減することができる。
【0084】
また、照合データ生成時に、照合データ生成端末10での照合データの生成可否がサービス期限で確認されるため、各テナントにおける照合データの生成がサービス期限により規制されることになる。さらに、入退場可否判定時に、照合データに含まれるサービス期限に基づき照合データの有効性が確認されるため、生成された照合データがサービス期限を経過して利用されるケースについても、照合データの利用がサービス期限により規制されることになる。
したがって、テナントによる無秩序な照合データの発行および利用を抑制することができ、複数のテナントが入居する建物であっても、建物全体での十分なセキュリティ性を得ることができる。
【0085】
また、本実施の形態では、サービス管理装置20のサービス処理部23で、任意の照合データ生成端末10で用いるサービス期限に対する更新を指示する更新指示入力に応じて、記憶部21で記憶する当該サービス期限を一定期間だけ更新するとともに、当該サービス期限の更新許可を当該照合データ生成端末10へ通知し、照合データ生成端末10のサービス期限管理部12で、サービス管理装置20からの更新許可の通知に応じて、記憶部11で記憶するサービス期限を一定期間だけ更新するようにしたので、各照合データ生成端末10のサービス期限を、サービス管理装置20で一括管理できるとともに、それぞれを個別かつ容易に更新することができる。
【0086】
また、本実施の形態では、照合データ生成端末10の照合データ生成部13で、照合データ生成時、サービス期限に加えて、照合データに基づく入退場許可の有効期限を照合データに付加し、入退場管理装置50の入退場判定部52で、入退場可否判定時、照合データに含まれる有効期限に基づき入退場許可の有効性を確認するようにしたので、サービス期限とは別個に、来場者の来場日時に合わせて、照合データの利用を制限することができ、より高いセキュリティ性を得ることができる。
【0087】
[第2の実施の形態]
次に、図11を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる入退場管理システム1について説明する。図11は、第2の実施の形態にかかる入退場管理システムの構成を示すブロック図であり、前述の図1と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
【0088】
第1の実施の形態では、サービス管理装置20で、各照合データ生成端末10のサービス期限を管理する場合について説明した。このような構成では、管理対象となる建物が増加した場合、サービス管理装置20におけるサービス期限の管理が煩雑化する可能性がある。本実施の形態では、1つあるいは数個の建物を管理するテナント管理装置30を設け、このテナント管理装置30において、管理下にある建物に入居するテナントの照合データ生成端末10のサービス期限を管理する場合について説明する。
【0089】
本実施の形態にかかる入退場管理システム1において、テナント管理装置30は、全体としてパソコンなどの情報処理端末からなり、管理下にある1つあるいは数個の建物について、これら建物に入居する各テナントが利用する照合データ生成サービスを管理するための装置であり、建物を管理する建物管理者により利用される。このほか、テナント管理装置30には、キーボードやマウスなどの操作入力部、LCDなどの画面表示装置、電子メールを送受信する際に用いるデータ通信部など、一般的な情報処理端末に設けられている各種機能を有しているものとする。
【0090】
このテナント管理装置30には、主な機能部として、記憶部31、テナント管理部32、およびテナント処理部33が設けられている。
記憶部31は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、テナント管理装置30での処理動作に用いる各種処理情報やプログラムを記憶する機能を有している。記憶部31で記憶する主な処理情報としてテナント情報がある。
【0091】
本実施の形態では、照合データ生成サービスを利用する際、テナントは照合データ生成サービスの利用許可を得るため、サービス提供者ではなく、当該テナントが入居する建物を管理する建物管理者にサービス期限更新を申請するとともに、照合データ生成サービスの利用のためのサービス料金を納付するものとする。この申請については、テナントが建物で照合データ生成サービスを利用するための契約のほか、テナントによる建物への入居に関する契約など、テナントとテナント管理者との間で結ばれる契約の申請を利用すればよい。
【0092】
また、サービス管理者は、建物管理者を経由して各テナントからのサービス期限更新の申請を受け付けるとともに、各テナントに対してそれぞれの建物管理者を経由して、サービス期限の更新許可を通知するものとする。
なお、照合データ生成サービスを利用するためのアプリについては、第1の実施の形態と同様に、テナントはサービス提供者に対してユーザ登録を行うものとし、サービス提供者から照合データ生成端末10で実行するアプリを購入するものとする。
【0093】
図12は、テナント情報の構成例である。テナント情報は、テナント管理装置30の管理下にあるテナントごとに、当該テナントが利用する照合データ生成サービスを管理するための情報である。ここでは、照合データ生成端末10を識別するための端末IDごとに、テナントID、契約更新申請、契約料金納付、サービス期限、および発行回数が組として登録されている。
【0094】
このうち、契約更新申請は、テナントからのサービス期限更新を含む契約更新申請の確認有無を示すフラグである。契約料金納付は、テナントからの契約料金の納付有無を示すフラグである。サービス期限は、照合データ生成端末10で利用できる照合データ生成サービスの利用期限を示す情報であり、前述した図3と同様に、利用期限の開始日と終了日との組が登録されている。発行回数は、テナントの照合データ生成端末10から通信網NWを介して通知された、当該照合データ生成端末10における照合データの発行回数である。
【0095】
テナント管理部32は、CPUで記憶部31のプログラムを実行することにより各種処理を実現する演算処理部からなり、記憶部31のテナント情報を用いて、管理下にあるテナントに提供する照合データ生成サービスを管理する機能を有している。
【0096】
テナント管理部32の具体的な機能としては、照合データ生成端末10からの契約更新申請の確認に応じて、テナント情報のうち当該照合データ生成端末10の契約更新申請を未確認から確認済へ登録する機能と、テナントからの契約料金の納付確認に応じて、テナント情報のうち当該照合データ生成端末10の契約料金を未納付から納付済へ登録する機能と、照合データ生成端末10から通知された照合データの発行回数をテナント情報に登録する機能とがある。
【0097】
テナントからの契約更新申請の確認については、テナントの照合データ生成端末10から通信網NWを介してテナント管理装置30へ申請メッセージを送信する、いわゆるオンライン申請の内容に基づいて確認してもよく、郵送で届いた申請書類の内容をオペレータが操作入力した、いわゆるオフライン申請の内容に基づいて確認してもよい。
また、テナントからの契約料金の納付確認については、通信網NWを介して銀行から通知された納付完了メッセージに基づいて確認してもよく、郵送や電話で銀行から届いた納付完了の通知をオペレータが操作入力した内容に基づいて確認してもよい。
【0098】
これに加え、テナント管理部32の具体的な機能としては、記憶部31のテナント情報のうち、任意の照合データ生成端末10について契約更新申請が確認済となり契約料金納付が納付済となった際、当該照合データ生成端末10に関するサービス期限更新申請を指示する申請指示入力をテナント処理部33へ出力する機能がある。
【0099】
テナント処理部33は、CPUで記憶部31のプログラムを実行することにより各種処理を実現する演算処理部からなり、記憶部31のテナント情報を用いて、テナントに関する照合データ生成サービスを処理する機能を有している。
【0100】
テナント処理部33の具体的な機能としては、テナント管理部32からの申請指示入力に応じて、当該照合データ生成端末10に関するサービス期限更新申請を、通信網NWを介してサービス管理装置20へ通知する機能と、これに応じたサービス管理装置20からの更新許可の通知に応じて、テナント情報のうち当該照合データ生成端末10のサービス期限を更新する機能と、通信網NWを介して照合データ生成端末10へ更新許可を通知する機能とがある。
【0101】
このうち、申請指示入力については、テナント管理部32からの申請指示入力に代えて、例えば記憶部31のテナント情報のうち、任意の照合データ生成端末10について契約更新申請が確認済となり契約料金納付が納付済となったことを、オペレータが表示画面で確認し、これに応じてオペレータが操作入力したものを更新指示入力として用いてもよい。
なお、本実施の形態にかかる入退場管理システムのうち、他の構成については、前述した第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0102】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図13を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システム1の動作について説明する。図13は、第2の実施の形態にかかる入退場管理システムの動作を示すシーケンス図であり、前述の図9と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
【0103】
ここでは、照合データ生成端末10からの契約更新申請に応じて、テナント管理装置30からサービス管理装置20に対してサービス期限更新申請を実施し、これに応じたサービス管理装置20からの更新許可をテナント管理装置30から照合データ生成端末10へ通知する場合について説明する。
【0104】
前述の図9におけるステップ100〜104と同様にして、アプリが照合データ生成端末10にインストールされた後、サービス利用者は、照合データ生成端末10を操作して、通信網NWを介してテナント管理装置30へアクセスし、契約更新申請を行う(ステップ200)。また、サービス利用者は、この契約更新申請と並行して、照合データ生成端末10を用いたオンライン決済や、銀行窓口でのオフライン決済を利用して、契約料金を建物管理者に納付する。
【0105】
テナント管理装置30は、テナント管理部32により、照合データ生成端末10からの契約更新申請の確認に応じて、記憶部31のテナント情報のうち当該照合データ生成端末10の契約更新申請を未確認から確認済へ登録する(ステップ201)。この際、テナント管理部32は、テナントからの契約料金の納付確認に応じて、記憶部31のテナント情報のうち当該照合データ生成端末10の契約料金納付を未納付から納付済へ登録する。
【0106】
これにより、記憶部31のテナント情報のうち、照合データ生成端末10について契約更新申請が確認済となり契約料金納付が納付済となったことから、テナント管理部32は、当該照合データ生成端末10に関するサービス期限更新申請を指示する申請指示入力をテナント処理部33へ出力する(ステップ202)。
【0107】
テナント処理部33は、この申請指示入力に応じて、当該照合データ生成端末10に関するサービス期限更新申請を、通信網NWを介してサービス管理装置20へ通知する(ステップ203)。また、建物管理者は、このサービス期限更新申請と並行して、テナント管理装置30を用いたオンライン決済や、銀行窓口でのオフライン決済を利用して、サービス料金をサービス提供者に納付する。
【0108】
サービス管理装置20は、サービス管理部22により、テナント管理装置30からのサービス期限更新申請の確認に応じて、記憶部21のサービス情報のうち、指定された照合データ生成端末10のサービス更新申請を未確認から確認済へ登録する(ステップ204)。この際、サービス管理部22は、テナントからのサービス料金の納付確認に応じて、記憶部21のサービス情報のうち当該照合データ生成端末10のサービス料金納付を未納付から納付済へ登録する。
【0109】
これにより、記憶部21のサービス情報のうち、照合データ生成端末10についてサービス更新申請が確認済となりサービス料金納付が納付済となったことから、サービス管理部22は、照合データ生成端末10へのサービス期限の更新を指示する更新指示入力をサービス処理部23へ出力する(ステップ205)。
サービス処理部23は、この更新指示入力に応じて、記憶部21で記憶する当該照合データ生成端末10のサービス期限を一定期間だけ更新し、サービス期限の更新許可を通信網NWを介してテナント管理装置30へ通知する(ステップ206)。
【0110】
テナント管理装置30のテナント処理部33は、サービス管理装置20からの更新許可の通知に応じて、テナント情報のうち当該照合データ生成端末10のサービス期限を一定期間だけ更新し、通信網NWを介して照合データ生成端末10へ更新許可を通知する(ステップ207)。
照合データ生成端末10のサービス期限管理部12は、通信網NWを介したテナント管理装置30からの更新許可の通知に応じて、記憶部11で記憶するサービス期限を一定期間だけ更新する(ステップ208)。これにより、照合データ生成端末10において、照合データの生成サービスが利用可能となる。
【0111】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、テナント管理装置30において、テナント処理部33により、任意の照合データ生成端末10で用いるサービス期限に対する更新を指示する更新指示入力に応じて、当該照合データ生成端末10に関するサービス期限更新申請をサービス管理装置20へ通知し、これに応じてサービス管理装置20から通知された更新許可を照合データ生成端末10へ通知し、サービス管理装置20のサービス処理部23で、更新指示入力に応じて、記憶部21で記憶する当該サービス期限を一定期間だけ更新するとともに、当該サービス期限の更新許可をテナント管理装置30へ通知し、照合データ生成端末10のサービス期限管理部12で、テナント管理装置30からの更新許可の通知に応じて、記憶部11で記憶するサービス期限を一定期間だけ更新するようにしたものである。
【0112】
これにより、照合データ生成端末10からのサービス期限更新申請やサービス料金の納付を確認し、サービス期限の更新許可を申請元の照合データ生成端末10へ通知するという、サービス期限管理処理が、建物を管理する建物管理者のテナント管理装置30で実行される。このため、サービス管理装置20では、限られたテナント管理装置30についてのみサービス期限管理処理を実行すればよくなり、照合データ生成サービスを利用するすべての照合データ生成端末10を管理する必要がなくなる。
【0113】
したがって、サービス管理装置20でのサービス期限管理処理が、各テナント管理装置30へ分散されることになり、サービス管理装置20やサービス管理者の処理負担を大幅に軽減することができる。特に、照合データ生成サービスを利用するテナントが増加した場合に極めて効果的である。
【0114】
また、通常、テナントと建物管理者との間では、建物への入居などに関する契約が定期的に行われる。本実施の形態では、テナント管理装置30を経由して、テナント管理装置30の管理下にある照合データ生成端末10のサービス期限を管理するようにしたので、このような契約に合わせて照合データ生成サービスのサービス期限更新申請を行うことができる。このため、テナントのサービス期限更新申請を、契約更新申請で兼用することができ、サービス期限更新申請に関するテナントの処理負担を軽減することができる。
【0115】
また、本実施の形態では、照合データ生成端末10の照合データ生成部13で、照合データを生成するごとに、通信網NWを介してテナント管理装置30へ、照合データの生成を通知し、テナント管理装置30のテナント管理部32で、照合データ生成端末10からの照合データの生成の通知に応じて、照合データ生成端末10による照合データの発行回数を計数し、記憶部31のテナント情報のうち、当該照合データ生成端末10の発行回数として登録してもよい。これにより、建物管理者において、各照合データ生成端末10やテナントごとに発行回数を容易に把握することができる。
【0116】
[第3の実施の形態]
次に、図14を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる入退場管理システム1について説明する。図14は、第3の実施の形態にかかる入退場管理システムの構成を示すブロック図である。
【0117】
入場管理システムでは、後日、必要に応じて特定区画で入退場した来訪者や、特定来訪者が入室した区画を調べるため、入退場判定処理ごとに、処理日時、ユーザ識別情報、さらには判定結果などを履歴情報として記録する場合がある。
第1および第2の実施の形態では、照合データ生成端末10で照合データを生成する際、入退場を許可する入退場許可区画を示す許可レベルが予め設定されている識別コードを用いる場合を例として説明した。この識別情報を来訪者と紐付けて管理しておくことにより、履歴情報から来訪者を容易に特定することができる。
【0118】
しかしながら、識別コードで来訪者を特定する場合、識別コードと来訪者とを1対1に紐付けておく必要がある。このため、識別コードの重複付与を回避するため、識別コードの付与状況を入退場管理システム全体で一元管理する必要があり、識別コードに関する管理コストを削減できないという問題点があった。特に、テナントがそれぞれの照合データ生成端末10を用いて照合データを生成する場合には、これら照合データ生成端末10間で重複することなく識別コードを付与する必要があり、特別な構成が必要となる。
【0119】
本実施の形態では、照合データ生成端末10の記憶部11で、入退場可否判定に用いる情報として複数の来訪者間で共用される1つ以上の共用コードを予め記憶しておき、照合データ生成部13において、これら共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含む照合データを生成する場合について説明する。
【0120】
本実施の形態にかかる入退場管理システム1の照合データ生成端末10において、記憶部11では、主な処理情報として、共識別コードに代えて、複数の来訪者間で共用される1つ以上の共用コードを記憶している。共用コードと識別コードとは、複数の来訪者間で共用されるか否かの違いであり、共用コードの構成例は、前述した図2と同様である。
【0121】
照合データ生成部13は、記憶部11の共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成する機能と、生成した照合データの一部または全部を暗号化する機能とを有している。
【0122】
図15は、照合データの他の構成例である。ここでは、共用コードと、来訪者の名前・会社名、所属部署などを含む来訪者の個人情報、有効期限、およびサービス期限が含まれている。このうち、共用コードは、来訪者が入退場する区画と対応する共用コードが記憶部11からオペレータが選択したものである。個人情報は、事前に取得した来訪者の個人情報をオペレータが入力したものである。
【0123】
また、入退場管理装置50において、記憶部51では、主な処理情報として、入退場判定処理の内容を示す履歴情報を記憶する。
図16は、履歴情報の構成例である。ここでは、入退場管理装置50の入退場判定部52で実行した入退場判定処理ごとに、判定日時、共用コード、個人情報、区画、および種別が登録されている。このうち、判定日時は、入退場判定処理を実行した日時を示している。また、共用コードおよび個人情報は、入退場判定処理で照合データから取得した共用コードおよび個人情報である。区画は、入退場判定の対象となる区画を示し、種別は、入退場判定の処理結果である入場/退場/エラーの区別を示している。
【0124】
図16では、例えば、共用コード「0060020001」が付与された来訪者「山武太郎」が、「2010−06−01 09:55」に「応接室1」へ「入場」したことが記録されている。また、上記と同一の共用コード「0060020001」が付与された来訪者「山武花子」が、「2010−06−01 10:08」に「応接室2」へ「入場」したことが記録されている。この場合、異なる来訪者の入退場可否判定において同一の共用コードが用いられているが、履歴情報にはそれぞれの来訪者の個人情報が含まれているため、履歴情報を区別することができる。
【0125】
また、入退場管理装置50には、新たな機能部として履歴管理部53が設けられている。履歴管理部53は、CPUで記憶部11のプログラムを実行することにより各種処理を実現する演算処理部からなり、入退場判定部52での入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部21へ記録する機能とを有している。入退場可否判定の処理内容としては、図7の履歴情報について説明した、判定日時、共用コード、区画、種別などの各種情報がある。
【0126】
[第3の実施の形態の動作]
次に、図17を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システムの動作について説明する。図17は、第3の実施の形態にかかる入退場管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【0127】
ここでは、来訪者の来訪先となる担当者が照合データ生成端末10により来訪者の照合データをQRコードで生成して、電子メールで来訪者の携帯端末Tへ予め通知し、来訪時には来訪者が携帯端末Tを操作してQRコードを画面表示して、区画Sである応接室の出入口に設置されているリーダ61へ提示することにより、入退場の許可を要請する場合について説明する。
【0128】
まず、照合データ生成端末10において、照合データ生成部13は、担当者の操作に応じて、記憶部11に記憶されている共用コードのうちから、来訪者が入退場する区画Sでの入退場許可を示す共用コードを選択する(ステップ300)。
また、照合データ生成部13は、担当者の操作に応じて、来訪者の個人情報を取得して(ステップ301)、当該個人情報を暗号化し(ステップ302)、担当者の操作に応じて、生成する照合データの有効期限を設定する(ステップ303)。
【0129】
続いて、照合データ生成部13は、これら共用コード、暗号化された個人情報、および有効期限を用いて、前述の図15に示した照合データを生成し(ステップ304)、当該照合データを、前述の図5に示したQRコードに変換する(ステップ305)。
次に、照合データ生成部13は、担当者の操作に応じて、来訪者の携帯端末Tの電子メールアドレスや、来訪日時などを含む本文を取得して、QRコードを示す画像ファイルが添付された電子メールを生成し(ステップ306)、通信網NWを介して携帯端末Tへ送信することにより照合データを来訪者へ発行する(ステップ307)。
携帯端末Tは、通信網NWを介して照合データ生成端末10からの電子メールを受信し、電子メールに添付されているQRコードからなる照合データをメモリに保存する(ステップ308)。
【0130】
この後、来訪者が来訪して応接室への入場の許可を要請する場合、来訪者の操作に応じて携帯端末TがQRコードを画面表示する(ステップ310)。
応接室である区画Sの出入口に設けられているリーダ61は、携帯端末Tで画面表示されているQRコードを取得して照合データに変換し(ステップ311)、当該照合データと自己のリーダIDと含む判定要求を、制御バスBSを介して入退場管理装置50へ通知する(ステップ312)。
【0131】
入退場管理装置50の入退場判定部52は、リーダ61からの判定要求に応じて、判定要求で通知された照合データのうちの暗号化個人情報を復号し(ステップ320)、得られた照合データに含まれる有効期限を取得して、現在日時と比較することにより、照合データの有効性を確認する(ステップ321)。
ここで、現在日時が有効期限の範囲外であり、照合データの有効性が確認できなかった場合、入退場判定部52は、リーダ61へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ61は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0132】
一方、現在日時が有効期限の範囲内であり、照合データの有効性が確認できた場合、入退場判定部52は、照合データから取得した共用コードと対応する入退場許可情報を、記憶部21の入退場判定情報から取得するとともに、判定要求で通知されたリーダ61のリーダIDと対応する区画許可レベルを記憶部21の区画情報から取得し、これら入退場許可情報の許可レベルと区画許可レベルとを比較することにより、当該区画での入退場可否を判定する(ステップ322)。
【0133】
ここで、入退場許可情報の許可レベルのレベル値が区画許可レベルのレベル値より低く、入退場不可と判定された場合、入退場判定部52は、リーダ61へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ61は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0134】
一方、入退場許可情報の許可レベルのレベル値が区画許可レベルのレベル値以上であり、入退場可能と判定された場合(ステップ322:YES)、入退場判定部52は、制御バスBSを介して区画Sのゲート装置62へ、開扉指示を通知する(ステップ323)。これに応じて、ゲート装置62は、区画Sの出入口に設けられている扉を開扉する(ステップ324)。これにより、来訪者は区画Sである応接室へ入場可能となる。
【0135】
この後、履歴管理部53は、照合データに含まれている来訪者の個人情報と、入退場判定に用いた、判定日時、共用コード、区画、および種別を示す処理内容とを、入退場判定部52から取得し、これらを記憶部21の履歴情報として記録する(ステップ325)。
【0136】
[第3の実施の形態の効果]
このように、照合データ生成端末10の照合データ生成部13で、来訪者間で共用される共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成するようにしたものである。また、入退場管理装置50の入退場判定部52で、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダで取得した照合データに含まれる共用コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御し、履歴管理部53で、入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部21へ記録するようにしたものである。
【0137】
これにより、照合データに含まれている来訪者の個人情報が履歴情報として記録されるため、来訪者を特定できる識別コードを用いることなく、後日、来訪者に関する履歴情報を容易に特定できる。したがって、来訪者の入退場判定を行うための識別コードとして、複数の来訪者間で共用される共用コードを用いることができる。
【0138】
また、この共用コードは、入退場判定情報により、入退場が許可された区画が予め対応付けられているだけで、来訪者と対応付けられていないことから、複数の来訪者間で共用できるため、個々の共用コードについて使用状態を管理する必要がない。
このため、識別コードと来訪者とを1対1で紐付けて各識別コードの使用状態を管理しておき、来訪者に対して入退場を許可する区画に対応する識別コードのうち未使用状態の識別コードを選択して付与し、来訪終了時に当該識別コードを未使用状態とするなど、従来の識別コードで必要とされた管理コストを大幅に削減できる。
【0139】
また、本実施の形態では、照合データ生成部13で、照合データの一部または全部を暗号化し、入退場判定部52で、照合データのうち暗号化されている一部または全部を復号するようにしたので、照合データを第三者が不正に入手した場合でも、来訪者の個人情報などの秘密情報の漏洩を防ぐことができる。なお、暗号化の対象としては、個人情報に限定されるものではなく、共用コードや有効期限を暗号化してもよい。これにより、照合データの不正使用を抑止することができる。
【0140】
また、本実施の形態では、照合データ生成部13で、生成した照合データを記録媒体となる来訪者の携帯端末Tへ電子メールで通知し、リーダ61で、電子メールで通知されて携帯端末Tで画面表示された照合データ、あるいは携帯端末Tから近距離無線通信で送信された照合データを取得するようにしたので、携帯端末Tを操作するだけで入退場判定に必要な照合データをリーダ61へ提示することができる。これにより、入退場判定時における来訪者の作業負担を大幅に削減することができる。
【0141】
なお、本実施の形態では、照合データを電子メールで来訪者の携帯端末Tへ通知した後、携帯端末Tで画面表示することによりリーダ61へ提示する場合を例として説明したが、照合データをリーダ61へ通知する方法については、これに限定されるものではない。
図18は、照合データの流れを示す説明図である。本実施の形態で説明した照合データの流れは、担当者の照合データ生成端末10で生成された照合データが電子メールにより通信網NWを介して、来訪者の携帯端末Tへ通知され、入退場判定時に携帯端末Tで画面表示された照合データD0がリーダ61へ取り込まれる経路である。この際、画面表示に代えて近距離無線通信により携帯端末Tからリーダ61へ照合データD0を通知する経路もある。
【0142】
また、照合データの生成は、担当者に限定されるものではなく、来訪者の受付を行う受付者など他の利用者が照合データを生成してもよい。例えば、来訪者が来訪した際、来訪者から提示された名刺に基づいて、受付者が照合データ生成端末10により照合データを生成して、来訪者の携帯端末Tへ通知してもよい。これにより、担当者の作業負担を抑止することができる。
【0143】
また、照合データは、紙レベルなどの記録媒体に印刷出力し、リーダ61で読み取るようにしてもよい。この場合には、照合データ生成端末10で印刷出力した照合データD1を来訪者へ配布してもよく、来訪者が携帯端末Tで受信した電子メールを印刷出力した照合データD2を用いてもよい。
【0144】
また、本実施の形態では、入退場管理装置50で履歴情報を記録する場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、入退場管理装置50とは別個に、履歴管理装置を設け、入退場管理装置50から通知された履歴情報を逐次記録するようにしてもよい。
【0145】
[第4の実施の形態]
次に、図19を参照して、本発明の第4の実施の形態にかかる入退場管理システム1について説明する。図19は、サービス期限と有効期限の関係を示す説明図である。
第1〜第3の実施の形態では、照合データを生成する際、当該照合データの有効性を示すサービス期限と、当該照合データに基づく入退場許可の有効期限とを、照合データに付加し、入退場管理装置50の入退場判定部52で、入退場可否判定時、照合データに含まれるサービス期限に基づき照合データの有効性を確認するとともに、照合データに含まれる有効期限に基づき入退場許可の有効性を確認する場合について説明した。
【0146】
この際、有効期限の満了時期がサービス期限の満了時期より早い場合、有効期限の経過なしが確認された時点で、サービス期間の経過なしも確認されたことになる。一方、図19に示すように、有効期限の満了時期がサービス期限の満了時期より遅い場合、サービス期限の経過なしが確認された時点で、有効期間の経過なしも確認されたことになる。
また、サービス期限と有効期限の開始時期については、照合データ生成時に、サービス期限が満足していることを確認しているため、有効期限の開始時期だけを確認すればよいことになる。
【0147】
本実施の形態においては、照合データ生成端末10の照合データ生成部13は、照合データを生成する際、サービス期限と有効期限とを比較し、有効期限の満了時期がサービス期限の満了時期より遅い場合は、有効期限の満了時期をサービス期限の満了時期に変更する機能と、サービス期限に代えて有効期限のみを照合データに付加する機能とを有している。
また、入退場管理装置50の入退場判定部52は、入退場可否判定時、サービス期限に基づく照合データの有効性の確認に代えて、照合データに含まれる有効期限に基づき入退場許可の有効性を確認する機能を有している。
【0148】
これにより、入退場管理装置50の入退場判定部52は、入退場可否判定時、照合データに含まれる有効期限と現在日時とを比較するたけで、有効期限とサービス期限の両方について確認することができる。
このため、有効期限による判定だけで、照合データに基づく入退場許可の有効性を確認できるとともに、照合データそのものの有効性も確認することができる。
【0149】
したがって、照合データからサービス期限を省くことができ、有効期限を判定する機能を持つものの、サービス期限を判定する機能は持っていない、一般的な入退場管理装置50を利用することができる。
これにより、既存の入退場管理システムに対して、本発明を新規に導入する場合、高い汎用性を得ることができるとともに、導入コストを抑制することもできる。
【0150】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0151】
[サービス期限更新動作の拡張]
第3の実施の形態では、図13に示すように、テナント管理装置30からのサービス期限更新申請に応じて、サービス管理装置20からの更新許可をテナント管理装置30を介して照合データ生成端末10へ通知する場合について説明したが、テナント管理装置30を用いたサービス期限更新動作については、図13の手順に限定されるものではない。
【0152】
図20は、第3の実施の形態にかかる入退場管理システムの他の動作を示すシーケンス図であり、前述の図13と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
図13では、ステップ200において、照合データ生成端末10からテナント管理装置30へ契約更新申請が通知された後、ステップ201において、テナント管理装置30により契約更新申請を確認し、その後のステップ202での更新指示入力に応じて、ステップ203において、テナント管理装置30からサービス管理装置20へサービス期限更新申請が通知されている。
【0153】
図20では、ステップ200において、照合データ生成端末10からテナント管理装置30へ契約更新申請が通知された後、サービス管理装置20のサービス処理部23が、テナント管理装置30に対して、契約更新申請の確認有無を問合せるための更新申請確認要求を通知している(ステップ400)。更新申請確認要求の通知タイミングとしては、サービス管理装置20の記憶部21にある当該照合データ生成端末10のサービス期限に基づき選択すればよい。また、この際、サービス管理装置20のサービス処理部23で、当該照合データ生成端末10のサービス期限に基づき選択したタイミングで、当該照合データ生成端末10に契約更新のお知らせメッセージを通知してもよい。
【0154】
テナント管理装置30のテナント処理部33は、サービス管理装置20からの更新申請確認要求に応じて、ステップ201において契約更新申請を確認し、その後のステップ202での更新指示入力に応じて、ステップ203でサービス管理装置20へサービス期限更新申請を通知し、サービス料金をサービス提供者へ納付する。
【0155】
サービス管理装置20のサービス管理部22は、テナント管理装置30からのサービス期限更新申請の確認に応じて、記憶部21のサービス情報のうち、指定された照合データ生成端末10のサービス更新申請を未確認から確認済へ登録する(ステップ204)。この際、サービス管理部22は、テナントからのサービス料金の納付確認に応じて、記憶部21のサービス情報のうち当該照合データ生成端末10のサービス料金納付を未納付から納付済へ登録する。
【0156】
これにより、記憶部21のサービス情報のうち、照合データ生成端末10についてサービス更新申請が確認済となりサービス料金納付が納付済となったことから、サービス管理部22は、照合データ生成端末10へのサービス期限の更新を指示する更新指示入力をサービス処理部23へ出力する(ステップ205)。
図20では、この後、サービス処理部23は、この更新指示入力に応じて、記憶部21で記憶する当該照合データ生成端末10のサービス期限を一定期間だけ更新し、サービス期限の更新許可を通信網NWを介して照合データ生成端末10へ通知する(ステップ401)。
【0157】
したがって、図20の手順によれば、テナント管理装置30は、サービス管理装置20からの更新申請確認要求に応じて、テナントのサービス期限に関する更新申請を行えばよくなり、建物管理者の処理負担を軽減することができる。また、照合データ生成端末10への更新許可が、テナント管理装置30を経由せず、サービス管理装置20から照合データ生成端末10へ直接通知されるため、照合データ生成端末10でのサービス期限の更新をスムーズに実行できるとともに、テナント管理装置30の処理負担も軽減される。
【0158】
[照合データでの広告提供]
各実施の形態では、テナントの照合データ生成端末10で生成した照合データを、電子メールで来訪者の携帯端末Tへ通知する場合について説明した。この際、テナント自体の広告またはテナントの近隣店舗の広告を、照合データを通知する電子メールに付加してもよい。
【0159】
具体的には、照合データ生成端末10の記憶部11に、テナント自体の広告やテナントの近隣店舗の広告を前もって設定しておき、照合データ生成部13で、照合データを生成する際、記憶部11から広告を読み出して電子メールに付加すればよい。なお、広告については、照合データ内に付加してもよい。
【0160】
これにより、照合データの電子メールにより、来訪者に対する宣伝効果を得ることができる。特に、催し物に参加する多数の来訪者に対して照合データを通知する場合、極めて大きな宣伝効果を得ることができる。また、広告の依頼主から広告料を徴収することもでき、テナントの副収入とすることができる。また、広告内容として、割引クーポンなどを付加することにより、来訪者に対しても一定のメリットを提供することができる。
【符号の説明】
【0161】
1…入退場管理システム、10…照合データ生成端末、11…記憶部、12…サービス期限管理部、13…照合データ生成部、20…サービス管理装置、21…記憶部、22…サービス管理部、23…サービス処理部、30…テナント管理装置、31…記憶部、32…テナント管理部、33…テナント処理部、50…入退場管理装置、51…記憶部、52…入退場判定部、53…履歴管理部、61…リーダ、62…ゲート装置、T…携帯端末、NW…通信網、D…照合データ、S…区画、BS…制御バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設けられた各区画のうち来訪者に入退場を許可する区画を特定するための識別コードと、前記来訪者が前記区画で入退場する際に必要となる照合データの生成可能期間を示すサービス期限を記憶する記憶部と、前記記憶部から読み出した前記サービス期限に基づき前記照合データの生成可否を判定するサービス期限管理部と、前記サービス期限管理部における前記照合データの生成可の判定結果に応じて、前記記憶部から読み出した前記識別コードのいずれか1つおよび前記サービス期限を含む前記照合データを生成する照合データ生成部とを備える照合データ生成端末と、
前記識別コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶する記憶部と、前記来訪者の前記照合データが記録された記録媒体から前記区画に設置されたリーダで取得した前記照合データに含まれる前記識別コードを、前記記憶部から読み出した前記入退場判定情報と照合するとともに、前記照合データに含まれる前記サービス期限に基づき前記照合データの有効性を確認することにより、前記区画における前記来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて前記区画における前記来訪者の入退場を制御する入退場判定部とを備える入退場管理装置と
を含むことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の入退場管理システムにおいて、
前記建物に入居するテナントで用いる前記照合データ生成端末ごとに前記サービス期限をそれぞれ記憶する記憶部と、任意の前記照合データ生成端末で用いる前記サービス期限に対する更新を指示する更新指示入力に応じて、前記記憶部で記憶する当該サービス期限を一定期間だけ更新するとともに、当該サービス期限の更新許可を当該照合データ生成端末へ通知するサービス処理部とを備えるサービス管理装置をさらに含み、
前記サービス期限管理部は、前記サービス管理装置からの前記更新許可の通知に応じて、前記記憶部で記憶する前記サービス期限を一定期間だけ更新する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の入退場管理システムにおいて、
任意の前記照合データ生成端末で用いるサービス期限に対する更新を指示する更新指示入力に応じて、当該照合データ生成端末に関するサービス期限更新申請を前記サービス管理装置へ通知し、これに応じて前記サービス管理装置から通知された更新許可を前記照合データ生成端末へ通知するテナント処理部を備えるテナント管理装置をさらに含み、
前記サービス処理部は、前記更新指示入力に応じて、前記サービス管理装置の前記記憶部で記憶する当該サービス期限を一定期間だけ更新するとともに、当該サービス期限の更新許可を前記テナント管理装置へ通知し、
前記サービス期限管理部は、前記テナント管理装置からの更新許可の通知に応じて、前記照合データ生成端末の前記記憶部で記憶するサービス期限を一定期間だけ更新する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の入退場管理システムにおいて、
前記照合データ生成部は、前記照合データ生成時、前記サービス期限に加えて、前記照合データに基づく入退場許可の有効期限を前記照合データに付加し、
前記入退場判定部は、前記入退場可否判定時、前記照合データに含まれる前記有効期限に基づき前記入退場許可の有効性を確認する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の入退場管理システムにおいて、
前記照合データ生成部は、前記照合データを生成時、前記照合データに基づく入退場許可の有効期限を、前記サービス期限に代えて前記照合データに付加し、この際、前記有効期限の満了時期が前記サービス期限の満了時期より遅い場合には、前記有効期限の満了時期を前記サービス期限の満了時期に変更して前記照合データに付加し、
前記入退場判定部は、前記入退場可否判定時、前記サービス期限に基づく前記照合データの有効性の確認に代えて、前記照合データに含まれる前記有効期限に基づき前記入退場許可の有効性を確認する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の入退場管理システムにおいて、
前記照合データ生成端末の前記記憶部は、前記識別コードに代えて複数の前記来訪者間で共用される1つ以上の共用コードを予め記憶し、
前記照合データ生成部は、前記識別コードに代えて前記共用コードのいずれか1つを前記照合データに付加するとともに、前記来訪者の個人情報を前記照合データに付加し、
前記入退場管理装置の記憶部は、前記識別コードに代えて前記共用コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶し、
前記入退場判定部は、前記照合データに含まれる前記共用コードを前記入退場判定情報と照合することにより、前記区画における前記来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて前記区画における前記来訪者の入退場を制御し、
前記入退場管理装置は、前記入退場可否判定の処理内容と前記照合データに含まれる前記個人情報とを、前記入退場可否判定に関する履歴情報として前記入退場管理装置の前記記憶部へ記録する履歴管理部をさらに備える
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項7】
照合データ生成端末の記憶部が、建物に設けられた各区画のうち来訪者に入退場を許可する区画を特定するための識別コードと、前記来訪者が前記区画で入退場する際に必要となる照合データの生成可能期間を示すサービス期限を記憶する記憶ステップと、
前記照合データ生成端末のサービス期限管理部が、前記記憶部から読み出した前記サービス期限に基づき前記照合データの生成可否を判定するサービス期限管理ステップと、
前記照合データ生成端末の照合データ生成部が、前記サービス期限管理ステップにおける前記照合データの生成可の判定結果に応じて、前記記憶部から読み出した前記識別コードのいずれか1つおよび前記サービス期限を含む前記照合データを生成する照合データ生成ステップと、
前記照合データ生成端末の照合データ生成部が、入退場管理装置の記憶部が、前記識別コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶する記憶ステップと、
前記入退場管理装置の入退場判定部が、前記来訪者の前記照合データが記録された記録媒体から前記区画に設置されたリーダで取得した前記照合データに含まれる前記識別コードを、前記記憶部から読み出した前記入退場判定情報と照合するとともに、前記照合データに含まれる前記サービス期限に基づき前記照合データの有効性を確認することにより、前記区画における前記来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて前記区画における前記来訪者の入退場を制御する入退場判定ステップと
を備えることを特徴とする入退場管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−89050(P2012−89050A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237198(P2010−237198)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】