入退場管理システム
【課題】簡易な構成で、管理対象の入退場を正確に管理できる入退場管理システムを提供すること。
【解決手段】管理対象の場内への入場および場外への退場を管理する入退場管理システムにおいて、管理対象に付され所定の識別情報を含む信号を非接触で送信するRFIDタグ2と、場外方向および場内方向を含むように回転してRFIDタグ2と通信処理を行なう一のアンテナ3と、アンテナ3と接続しRFIDタグ2の識別情報を読み取る読取装置6と、読取装置6が読み取ったRFIDタグ2の識別情報をもとに該RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間を求め、求めた通信期間と所定の基準期間とを比較することによって、該RFIDタグ2を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定し、該管理対象の入場時刻または退場時刻を記録する管理装置10とを備える。
【解決手段】管理対象の場内への入場および場外への退場を管理する入退場管理システムにおいて、管理対象に付され所定の識別情報を含む信号を非接触で送信するRFIDタグ2と、場外方向および場内方向を含むように回転してRFIDタグ2と通信処理を行なう一のアンテナ3と、アンテナ3と接続しRFIDタグ2の識別情報を読み取る読取装置6と、読取装置6が読み取ったRFIDタグ2の識別情報をもとに該RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間を求め、求めた通信期間と所定の基準期間とを比較することによって、該RFIDタグ2を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定し、該管理対象の入場時刻または退場時刻を記録する管理装置10とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理対象の場内への入場および場外への退場を管理する入退場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムの1つに、RFID(Radio Frequency Identification)システムがある。RFIDシステムでは、識別情報等を記憶する情報媒体に対して、専用の読取装置が所定周波数の電波を送受信することによって情報媒体の識別情報等を読み取っている。情報媒体はRFIDタグと呼ばれ、カードまたはタグの形状にされて管理対象者に取り付けられる。近年、このRFIDシステムを利用し、RFIDタグから送信された識別情報、および、複数設置される読取装置のうちRFIDタグの情報を読み取った読取装置の設置位置によって、RFIDタグの位置を検出し、管理対象者の入退場管理を行なう入退場管理システムが提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−21679号公報
【特許文献2】特開2008−158966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、一般的に入場方向と退場方向とは方向が異なる。このため、従来の入退場管理システムでは、入場方向および退場方向にそれぞれ対応させて複数の読取装置、または、複数のアンテナを設置し、いずれの読取装置またはアンテナがRFIDタグと通信処理を行なったかをもとに、管理対象者が入場方向に進行しているか、退場方向に進行しているかを判断していた。
【0005】
しかしながら、従来の入退場管理システムにおいては、管理対象者が入場方向に進行しているか、退場方向に進行しているかを判断するには、入場方向および退場方向に対応させて読取装置やアンテナを複数配置する必要があったため、入退場管理システムの構成が複雑化するという問題があった。
【0006】
この発明は、上記した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、管理対象の入退場を正確に管理できる入退場管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる入退場管理システムは、管理対象の場内への入場および場外への退場を管理する入退場管理システムにおいて、前記管理対象に付され、所定の識別情報を非接触で送信する情報媒体と、場外方向および場内方向を含むように回転して前記情報媒体と通信処理を行なう一のアンテナと、前記アンテナと接続し前記情報媒体の識別情報を読み取る読取装置と、前記読取装置が読み取った情報媒体の識別情報をもとに該情報媒体と前記アンテナとの間における通信期間を求め、求めた通信期間と所定の基準期間とを比較することによって、該情報媒体を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定し、該管理対象の入場時刻または退場時刻を記録する管理装置と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる入退場管理システムは、前記所定の基準期間は、固定設置された情報媒体である固定媒体と前記アンテナとの間における通信期間であり、前記管理装置は、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信期間が前記所定の基準期間よりも短い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と逆方向に進行していると判定し、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信期間が前記所定の基準期間よりも長い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と同方向に進行していると判定し、該判定した進行方向をもとに該管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定することを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる入退場管理システムは、管理対象の場内への入場および場外への退場を管理する入退場管理システムにおいて、前記管理対象に付され、所定の識別情報を非接触で送信する情報媒体と、場外方向および場内方向を含むように回転して前記情報媒体との間で通信処理を行なう一のアンテナと、前記アンテナと接続し前記情報媒体の識別情報を読み取る読取装置と、前記読取装置が読み取った情報媒体の識別情報をもとに該情報媒体と前記アンテナとの間における通信周期を求め、求めた通信周期と前記アンテナの回転周期とを比較することによって、該情報媒体を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定し、該管理対象の入場時刻または退場時刻を記録する管理装置と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる入退場管理システムは、前記管理装置は、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信周期が前記アンテナの回転周期よりも短い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と逆方向に進行していると判定し、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信周期が前記アンテナの回転周期よりも長い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と同方向に進行していると判定し、該判定した進行方向をもとに該管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる入退場管理システムは、場外方向および場内方向を含むように回転して情報媒体と通信を行なう一のアンテナを備え、情報媒体とアンテナとの通信期間を求め、求めた通信期間と所定の基準期間とを比較することによって、該情報媒体を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定している。したがって、本発明にかかる入退場管理システムは、アンテナを複数設けずとも一のアンテナのみで管理対象の入退場を判定できるため、簡易な構成で管理対象の入退場を正確に管理することができる。
【0012】
本発明にかかる入退場管理システムは、場外方向および場内方向を含むように回転して情報媒体と通信を行なう一のアンテナを備え、情報媒体とアンテナとの通信周期を求め、求めた通信周期とアンテナの回転周期とを比較することによって、該情報媒体を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定している。したがって、本発明にかかる入退場管理システムは、アンテナを複数設けずとも一のアンテナのみで管理対象の入退場を判定できるため、簡易な構成で管理対象の入退場を正確に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる入退場管理システムの適用例を説明する図である。
【図2】図2は、実施の形態1にかかる入退場管理システムの全体構成を示す模式図である。
【図3】図3は、図1および図2に示すアンテナの通信領域の変化を示す図である。
【図4】図4は、RFIDタグとアンテナとの間における通信期間を説明するタイミングチャートである。
【図5】図5は、図1および図2に示すアンテナの通信領域の変化を示す図である。
【図6】図6は、RFIDタグとアンテナとの間における通信期間を説明するタイミングチャートである。
【図7】図7は、図1に示す管理装置における入退場管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施の形態2にかかる入退場管理システムの全体構成を示す模式図である。
【図9】図9は、図8に示すアンテナの通信領域の変化を示す図である。
【図10】図10は、RFIDタグとアンテナとの間における通信周期を説明するタイミングチャートである。
【図11】図11は、図8に示すアンテナの通信領域の変化を示す図である。
【図12】図12は、RFIDタグとアンテナとの間における通信周期を説明するタイミングチャートである。
【図13】図13は、図8に示す管理装置における入退場管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】図14は、図1および図2に示すアンテナの他の例を示す平面図である。
【図15】図15は、図1および図2に示すアンテナの他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明にかかる実施の形態である入退場管理システムについて、RFID機能を備えたRFIDタグを情報媒体として使用する場合を例に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0015】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1にかかる入退場管理システムについて説明する。図1は、本実施の形態1にかかる入退場管理システムの適用例を説明する図である。また、図2は、本実施の形態1にかかる入退場管理システムの全体構成を示す模式図である。なお、図2上部は、図1の各構成部位の平面図を示す。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態1にかかる入退場管理システムは、たとえば、ゲートGを通って入退場する作業員H、車両Vなどの管理対象の場内への入場及び場外への退場を管理するために使用される。以下、矢印Y1は、管理対象が場内へ入場する方向に対応し、矢印Y2は、管理対象が場外へ退場する方向に対応するものとして説明する。
【0017】
図1および図2に示すように、本実施の形態1にかかる入退場管理システム1は、場内への入場および場外への退場の管理対象である作業員Hや車両Vなどにそれぞれ付されたRFIDタグ2と、所定波長の電波を送信して各RFIDタグ2との間で通信処理を行なうアンテナ3と、このアンテナ3と接続する読取装置6と、ネットワークNを介して読取装置6と接続する管理装置10とを有する。さらに、入退場管理システム1は、所定の位置に固定設置されたRFIDタグである固定タグ4を備える。
【0018】
RFIDタグ2は、RFIDタグ2ごとに異なる所定の識別情報を少なくとも記憶し、この識別情報を含む信号を所定波長の電波を介して非接触で送信する。各RFIDタグ2は動作電源を内蔵し、信号を繰り返し送信する。各RFIDタグ2の送信間隔はたとえば毎秒60回に設定される。
【0019】
アンテナ3は、建設工事現場の境界上に設置され、たとえば、図1に示すように、建設工事現場の境界に設けられたゲートGの一端に設置される。このアンテナ3は、たとえば矢印Y3に示すように、地面に対して水平である面上を360°回転する。したがって、アンテナ3は、矢印Y1に示す場内方向、および、矢印Y2に示す場外方向のいずれをも含むように回転する。また、アンテナ3は、所定の角速度で回転し、たとえば毎秒1/2回転する。そして、アンテナ3の通信領域のうち、地面に対して水平である面上における通信領域は、図2に示すように、アンテナ3の中心からθの角度を持った領域Sである。アンテナ3の回転にしたがい領域Sも回転することによって、地面との水平面においては場内方向および場外方向のいずれにおいてもRFIDタグ2および固定タグ4との間で通信処理を行なうことができる。なお、角度θは、たとえば20度に設定される。また、アンテナ3の通信領域のうち、地面に対し垂直である面上における通信領域は、作業員Hおよび車両VへのRFIDタグ2の取り付け高さに応じて設定される。
【0020】
固定タグ4は、アンテナ3の通信可能領域内の所定の位置に固定設置され、たとえば図
2に示すように、境界Gp上のゲートGの他端に対応する場所に設置される。固定タグ4の送信間隔は、各RFIDタグ2と同様に設定される。アンテナ3は一定の速度で回転するため、固定タグ4とアンテナ3との間における通信期間は、常に一定となる。
【0021】
読取装置6は、アンテナ3における通信結果をもとに、RFIDタグ2および固定タグ4の識別情報を読み取る。読取装置6は、アンテナ3における通信結果をもとに、アンテナ3と通信処理を行なったRFIDタグ2の識別情報を取得して、アンテナ3と通信処理を行なったRFIDタグ2がいずれのRFIDタグ2であるかを識別する。そして、読取装置6は、読み取った識別情報を、この識別情報を送信したRFIDタグ2とアンテナ3との間における通信開始時刻および通信終了時刻に対応づけて管理装置10に出力する。
【0022】
管理装置10は、読取装置6から送信された情報をもとに、管理対象である作業員Hや車両Vなどの入場時刻および退場時刻を記録することによって、管理対象の場内への入場および場外への退場を管理する。
【0023】
図2に示すように、管理装置10は、管理装置10を構成する各構成部位の処理動作を制御する制御部11と、入退場管理に必要な諸情報や指示情報等を外部から取得する入力部12と、入退場管理に関する諸情報を出力する出力部13と、いずれの管理対象が入場または退場したかを判定する入退場判定部14と、入退場管理に関する諸情報を記憶する記憶部15とを備える。
【0024】
入退場判定部14は、読取装置6が読み取ったRFIDタグ2の情報をもとに該RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間を求め、求めた通信期間と所定の基準期間とを比較することによって、該RFIDタグ2を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定する。そして、入退場判定部14は、制御部11に対して、入退場を判定した管理対象の入場時刻または退場時刻を記録するよう指示し、制御部11は、この管理対象の入場時刻または退場時刻を記録するよう記憶部15に指示する。
【0025】
つぎに、この入退場判定部14における判定処理について具体的に説明する。まず、図3を参照して、管理対象が入場する場合について説明する。図3は、アンテナ3の通信領域の変化を示す図である。図3では、RFIDタグ2を付した管理対象が矢印Y1に示す入場方向に向かって進行している。
【0026】
図3に示すように、アンテナ3は、矢印Y3のように地面に対する水平面上で360°回転するため、アンテナ3の通信領域は、アンテナ3の中央を中心として、水平面状を360°回転する。ここで、たとえば通信領域が図3に示す領域Sk1に移動した時に固定タグ4に到達するため、アンテナ3は、固定タグ4に対する通信処理を開始する。そして、通信領域が領域Sk2まで移動した場合には固定タグ4から通信領域が外れてしまうため、固定タグ4に対する通信処理を終了する。固定タグ4は固定設置されており移動することはなく、さらに、アンテナ3の回転方向および回転速度は一定であることから、固定タグ4とアンテナ3との間における通信期間は、常に一定であり、たとえば図3および図4(2)に示す期間Tkとなる。
【0027】
そして、入場方向に進行するRFIDタグ2に対しては、通信領域が図3に示す領域S1に移動した時に位置P1に位置するRFIDタグ2に到達して、アンテナ3はRFIDに対する通信処理を開始する。そして、通信領域が領域S2まで移動した場合、位置P1から位置P2に移動したRFIDタグ2から通信領域が外れてしまうため、アンテナ3は、RFIDタグ2に対する通信処理を終了することとなる。
【0028】
この管理対象に付されたRFIDタグ2は、矢印Y1のように図中左方向に向かって進行し、アンテナ3の回転方向は、矢印Y3に例示するように地面に対する水平面上を時計周りで回転する。このため、矢印Y1に示す入場方向はアンテナ3の回転方向とは逆方向となり、RFIDタグ2はアンテナ3の回転方向とは逆方向に進行することとなる。この場合、RFIDタグ2とアンテナ3の通信領域とは、それぞれが近づくように移動している。言い換えると、RFIDタグ2とアンテナ3の通信領域は、RFIDタグ2とアンテナ3の通信領域とが交差する期間が短くなるようにそれぞれ移動している。このため、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間は、常に一定である固定タグ4における通信期間Tkと比較して短くなり、たとえば図3および図4(1)に示す期間Tm1となる。
【0029】
したがって、入退場判定部14は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間が、図3および図4(1)の期間Tm1のように、固定タグ4とアンテナ3との間における通信期間Tkよりも短い場合には、このRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と逆方向に進行していると判定する。図3の例では、アンテナ3の回転方向に対し逆である方向は入場方向に対応するため、入退場判定部14は、このRFIDタグ2を付した管理対象が入場方向に進行していると判定する。なお、入退場判定部14は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間が、固定タグ4とアンテナ3との間における通信期間Tkと等しい場合には、このRFIDタグ2を付した管理対象は、静止しているものと判定する。
【0030】
つぎに、図5を参照して、RFIDタグ2を付した管理対象が矢印Y2に示す退場方向に向かって進行する場合について説明する。図5に示すように、退場方向に進行するRFIDタグ2に対しては、通信領域が図5に示す領域S3に移動した時に位置P3に位置するRFIDタグ2に到達して、アンテナ3はRFIDタグ2に対する通信処理を開始する。そして、通信領域が領域S4まで移動した場合に、位置P3から位置P4に移動したRFIDタグ2から通信領域が外れてしまうため、アンテナ3は、RFIDタグ2に対する通信処理を終了する。
【0031】
この管理対象に付されたRFIDタグ2は、矢印Y2のように図中右方向に向かって進行し、アンテナ3の回転方向は、矢印Y3に例示するように地面に対する水平面上を時計周りで回転する。このため、矢印Y2に示す退場方向はアンテナ3の回転方向と同方向となり、RFIDタグ2はアンテナ3の回転方向と同じ方向に進行することとなる。したがって、RFIDタグ2とアンテナ3の通信領域とは、RFIDタグ2とアンテナ3の通信領域とが交差する期間が長くなるようにそれぞれ移動している。この結果、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間は、常に一定である固定タグ4における通信期間Tkと比較して長くなり、たとえば図5および図6(1)に示す期間Tm2となる。
【0032】
したがって、入退場判定部14は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間が、図5および図6(1)の期間Tm2のように、図6(2)に示す固定タグ4とアンテナ3との間における通信期間Tkよりも長い場合には、このRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と同方向に進行していると判定する。図5の例では、アンテナ3の回転方向と同じ方向は退場方向に対応するため、入退場判定部14は、このRFIDタグ2を付した管理対象が退場方向に進行していると判定する。
【0033】
このように、入退場判定部14は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間と、常に一定である固定タグ4とアンテナ3との間における通信期間とを比較することによって、このRFIDタグ2を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定している。
【0034】
つぎに、入退場管理システム1における入退場管理処理の各処理手順について説明する。図7は、図1に示す管理装置10における入退場管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0035】
図7に示すように、まず、管理装置10において、制御部11は、読取装置6から識別情報を受信したか否かを判断し(ステップS2)、読取装置6から識別情報を受信したと判断するまでステップS2の判断処理を繰り返す。そして、制御部11が読取装置6から識別情報を受信したと判断した場合(ステップS2:Yes)、入退場判定部14は、この識別情報に対応づけて読取装置6から送信された通信時刻を記録する(ステップS4)。通信時刻として、この識別情報に応じたRFIDタグ2とアンテナ3との間における通信開始時刻および通信終了時刻がある。
【0036】
次いで、入退場判定部14は、記録した通信開始時刻および通信終了時刻をもとに、このRFIDタグ2からとアンテナ3との間における通信期間Tmを算出する(ステップS6)。そして、入退場判定部14は、固定タグ4とアンテナ3との間における通信期間Tkを取得する(ステップS8)。この通信期間Tkは、固定タグ4との通信期間のうち、最も近い時間で行なわれた通信処理に対するものでもよく、また、記憶部15に予め記憶してあったものでもよい。入退場判定部14は、算出した通信期間Tmと、取得した基準となる通信期間Tkとを比較し、TmとTkとの大小関係を判断する(ステップS10)。
【0037】
入退場判定部14は、Tm<Tkであると判定した場合には(ステップS10:Tm<Tk)、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と逆方向に進行していると判定する(ステップS12)。すなわち、図1および図2のようにアンテナ回転方向、入場方向および退場方向が設定されている場合には、入退場判定部14は、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象が入場したと判定し(ステップS14)、記憶部15に、この識別情報に対応する管理対象が入場したとして入場時刻を記録させる(ステップS16)。
【0038】
これに対し、入退場判定部14は、Tm>Tkであると判定した場合には(ステップS10:Tm>Tk)、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と同方向に進行していると判定する(ステップS22)。すなわち、図1および図2のようにアンテナ回転方向、入場方向および退場方向が設定されている場合には、入退場判定部14は、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象が退場したと判定し(ステップS24)、記憶部15に、この識別情報に対応する管理対象が退場したとして退場時刻を記録させる(ステップS26)。さらに、入退場判定部14は、Tm=Tkであると判定した場合には(ステップS10:Tm=Tk)、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象は静止していると判定し(ステップS32)、該識別情報に対応するRFIDタグを付した管理対象に対する入退場判定を再度行なうため、ステップS2に戻る。
【0039】
そして、制御部11は、入力部12などから入力された指示情報をもとに、入退場管理システムの入退場管理処理が終了したか否かを判断する(ステップS28)。制御部11は、入退場管理システムの入退場管理処理が終了したと判断した場合(ステップS28:Yes)、この入退場管理システムの入退場管理処理を終了する。一方、入退場管理システムの入退場管理処理が終了していないと判断した場合(ステップS28:No)、ステップS2に戻り、読取装置6から識別情報を受信したか否かを判断する。
【0040】
このように、本実施の形態1にかかる入退場管理システム1においては、場外方向および場内方向を含むように回転してRFIDタグ2と通信処理を行なう一のアンテナ3を備え、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間を求め、求めた通信期間と所定の基準期間とを比較することによって、該RFIDタグ2を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定している。したがって、入退場管理システムは、複数のアンテナや複数の読取装置を設けずとも、一のアンテナおよび該アンテナと接続する一の読取装置のみで管理対象の入退場を判定できるため、簡易な構成で管理対象の入退場を正確に管理することができる。
【0041】
また、本実施の形態1においては、場外方向および場内方向を含むように回転するアンテナ3を用いるため、一方向に対してしか通信処理を行なうことができないアンテナよりも広い領域で通信可能である。したがって、建設工事現場のゲートなどのように入退場を管理する境界が広い場合であっても、RFIDタグ2との間の通信処理を漏れなく行なうことができることから、正確に管理対象の入退場を管理することが可能になる。
【0042】
また、管理対象に付されたRFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間は、RFIDタグ2を付した作業員Hや車両Vなどの管理対象の進行速度や、アンテナ3と管理対象との距離によって変化する。本実施の形態1では、RFIDタグ2に対応する通信期間が変化する場合であっても、アンテナ3の回転速度が一定であれば常に一定である固定タグ4に対応する通信期間を基準に、管理対象の進行方向を判定しているため、適切に管理対象の入退場を判定することができる。
【0043】
また、本実施の形態1においては、RFIDタグ2との間で一度通信処理を行なうだけで、このRFIDタグ2に付された管理対象の進行方向を判定することができるため、効率的に管理対象の入退場を判定することができる。
【0044】
また、RFIDタグ2に、識別情報に加え、このRFIDタグ2が付された車両Vに搭載された資材に関する情報など各種情報を記憶させ、識別情報とともに資材情報などを送信させることによって、入退場管理に加え、資材管理、安全管理および労務管理も併せて行なうことができる。
【0045】
なお、本実施の形態1においては、図1および図2において、固定タグ4を常時設置する場合を例に説明したが、もちろん固定タグ4を常時設置する必要はなく、アンテナ3の回転速度、回転方向の少なくともいずれかを変更した場合に、固定タグ4を一度設置し、固定タグ4に対応する通信期間Tkを取得した後に撤去してもよい。固定タグ4に対応する通信期間は、アンテナ3の回転速度、回転方向および固定タグ4の設置位置が同じであれば、常に一定であるため、一度取得すれば足りる。また、固定タグ4自体を設置せずとも、アンテナ3の回転速度、回転方向および固定タグ4の設置位置をもとに、通信期間Tkを算出し、算出した通信期間Tkをもとに入退場の判定を行なってもよい。このように、本実施の形態1においては、各構成部位の設置の有無、設置位置および動作条件などを柔軟に設定することができる。
【0046】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。実施の形態1においては、RFIDタグとアンテナとの間における通信期間を用いて管理対象の入退場を判定したが、実施の形態2では、RFIDタグとアンテナとの間における通信周期をもとに管理対象の入退場を判定する。
【0047】
図8は、本実施の形態2にかかる入退場管理システムの全体構成を示す模式図である。図8に示すように、実施の形態2にかかる入退場管理システム201は、図2に示す入退場判定部14に代えて、入退場判定部214を有する管理装置210を備える。
【0048】
入退場判定部214は、読取装置6が読み取ったRFIDタグ2の識別情報をもとに該RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期を求め、求めた通信周期とアンテナ3の回転周期とを比較することによって、該RFIDタグ2を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定する。そして、入退場判定部214は、入退場判定部14と同様に、制御部11に対して、入退場を判定した管理対象の入場時刻または退場時刻を記録するよう指示し、制御部11は、この管理対象の入場時刻または退場時刻を記録するよう記憶部15に指示する。なお、入退場管理システム201は、図1および図2に示す固定タグ4を削除した構成を有する。
【0049】
つぎに、この入退場判定部214における判定処理について具体的に説明する。まず、図9を参照して、RFIDタグ2を付した管理対象が矢印Y1に示す入場方向に向かって進行する場合について説明する。
【0050】
まず、アンテナ3は、矢印Y3にしたがって回転することによって通信領域を領域S6に移動させ、位置P6に位置するRFIDタグ2との間で通信処理を行なう。そして、アンテナ3が次にRFIDタグ2と通信処理を行なうのは、アンテナ3が回転し通信領域が領域S7まで移動して、位置P6から位置P7に移動したRFIDタグ2に到達した場合である。次いで、この次にアンテナ3がRFIDタグ2と通信処理を行なうのは、再度アンテナ3が回転し通信領域が領域S8まで移動して、位置P7から位置P8に移動したRFIDタグ2に到達した場合である。
【0051】
ここで、RFIDタグ2は、矢印Y3のように回転するアンテナ3の回転方向とは逆方向に進行する。したがって、矢印Y1の方向に進行するRFIDタグ2は、矢印Y3のように回転移動するアンテナ3の通信領域に近づくように移動している。したがって、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期は、アンテナ3の回転周期Ckよりも短くなり、たとえば図10に示す周期Cm1となる。
【0052】
したがって、入退場判定部214は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期が、図10の周期Cm1のように、アンテナの回転周期Ckよりも短い場合には、このRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と逆方向に進行していると判定する。図10の例では、アンテナ3の回転方向に対し逆である方向は入場方向に対応するため、入退場判定部214は、このRFIDタグ2を付した管理対象が入場方向に進行していると判定する。
【0053】
つぎに、図11を参照して、RFIDタグ2を付した管理対象が矢印Y2に示す退場方向に向かって進行する場合について説明する。まず、アンテナ3は、矢印Y3にしたがって回転することによって通信領域を領域S9に移動させ、位置P9に位置するRFIDタグ2との間で通信処理を行なう。そして、アンテナ3が次にRFIDタグ2と通信処理を行なうのは、アンテナ3が回転し通信領域が領域S10まで移動して、位置P9から位置P10に移動したRFIDタグ2に到達した場合である。次いで、この次にアンテナ3がRFIDタグ2と通信処理を行なうのは、再度アンテナ3が回転し通信領域が領域S11まで移動して、位置P10から位置P11に移動したRFIDタグ2に到達した場合である。
【0054】
ここで、RFIDタグ2は、矢印Y3のように回転するアンテナ3の回転方向と同じ方向に進行する。したがって、矢印Y2の方向に進行するRFIDタグ2は、矢印Y3のように回転移動するアンテナ3の通信領域から遠ざかるように移動している。したがって、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期は、アンテナ3の回転周期Ckよりも長くなり、たとえば図12に示す周期Cm2となる。
【0055】
したがって、入退場判定部214は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期が、図12の周期Cm2のように、アンテナの回転周期Ckよりも長い場合には、このRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と同方向に進行していると判定する。図10の例では、アンテナ3の回転方向と同じ方向は退場方向に対応するため、入退場判定部214は、このRFIDタグ2を付した管理対象が退場方向に進行していると判定する。なお、入退場判定部214は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期が、アンテナの回転周期Ckと等しい場合には、このRFIDタグ2を付した管理対象は、静止しているものと判定する。
【0056】
このように、入退場判定部214は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期と、アンテナ3の回転周期とを比較することによって、このRFIDタグ2を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定している。
【0057】
つぎに、入退場管理システム201における入退場管理処理の各処理手順について説明する。図13は、図8に示す管理装置210における入退場管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0058】
図13に示すように、制御部11は、図7のステップS2と同様に、読取装置6から識別情報を受信したか否かを判断し(ステップS202)、読取装置6から識別情報を受信したと判断するまでステップS202の判断処理を繰り返す。そして、制御部11が読取装置6から識別情報を受信したと判断した場合(ステップS202:Yes)、入退場判定部214は、この識別情報に対応づけて読取装置6から送信された通信時刻を記録する(ステップS204)。これらの通信時刻は、識別情報に対応づけて、各受信ごとに記録される。
【0059】
次いで、入退場判定部214は、記録した通信時刻と、該識別情報の前回通信時刻をもとに、このRFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期Cmを算出する(ステップS206)。そして、入退場判定部214は、アンテナ3の回転周期Ckを取得する(ステップS208)。この回転周期Ckは、記憶部15に予め記憶してあったものでもよく、また、入力部12から入力されたものであってもよい。入退場判定部214は、算出した通信周期Cmと、取得したアンテナ3の回転周期Ckとを比較し、CmとCkとの大小関係を判断する(ステップS210)。
【0060】
入退場判定部214は、Cm<Ckであると判定した場合には(ステップS210:Cm<Ck)、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と逆方向に進行していると判定する(ステップS212)。すなわち、図8のようにアンテナ回転方向、入場方向および退場方向が設定されている場合には、入退場判定部214は、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象が入場したと判定し(ステップS214)、記憶部15に、この識別情報に対応する管理対象が入場したとして入場時刻を記録させる(ステップS216)。
【0061】
これに対し、入退場判定部214は、Cm>Ckであると判定した場合には(ステップS210:Cm>Ck)、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と同方向に進行していると判定する(ステップS222)。すなわち、図8のようにアンテナ回転方向、入場方向および退場方向が設定されている場合には、入退場判定部214は、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象が退場したと判定し(ステップS224)、記憶部15に、この識別情報に対応する管理対象が退場したとして退場時刻を記録させる(ステップS226)。さらに、入退場判定部214は、Cm=Ckであると判定した場合には(ステップS210:Cm=Ck)、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象は静止していると判定し(ステップS232)、該識別情報に対応するRFIDタグを付した管理対象に対する入退場判定を再度行なうため、ステップS202に戻る。
【0062】
そして、制御部11は、図7に示すステップS28と同様に、入退場管理システムの入退場管理処理が終了したか否かを判断し(ステップS228)、入退場管理システムの入退場管理処理が終了したと判断した場合(ステップS228:Yes)、この入退場管理システム1の入退場管理処理を終了し、入退場管理システムの入退場管理処理が終了していないと判断した場合(ステップS228:No)、ステップS202に戻り、読取装置6から識別情報を受信したか否かを判断する。
【0063】
このように、本実施の形態2にかかる入退場管理システム201においては、場外方向および場内方向を含むように回転してRFIDタグ2と通信処理を行なう一のアンテナ3を備え、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期と、アンテナ3の回転周期とを比較することによって、該RFIDタグ2を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定している。したがって、入退場管理システム201は、複数のアンテナや複数の読取装置を設けずとも、一のアンテナおよび該アンテナと接続する一の読取装置のみで管理対象の入退場を判定できるため、簡易な構成で管理対象の入退場を正確に管理することができるという実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0064】
なお、実施の形態1および実施の形態2においては、アンテナ3の回転方向が地面に対する水平面上において時計回りであり、入場方向がアンテナ3の回転方向と逆方向であり、退場方向がアンテナ3の回転方向と同方向である場合を例に説明したが、もちろんこれに限らない。アンテナ3の回転方向と、この回転方向と入場方向との関係、回転方向と退場方向との関係に合わせて、管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定すればよい。
【0065】
また、本実施の形態1,2における入退場判定部14,214は、全てのRFIDタグ2に対して入退場管理を行なうほか、読取装置6が読み取った各RFIDタグ2の識別情報をもとに、所定のグループに属する管理対象のみを判定して、この所定のグループに属する管理対象のみに対して入退場管理を行なってもよい。
【0066】
また、実施の形態1,2において、通信期間または通信周期を正確に測定するためには、RFIDタグの信号を十分に受信できるように、アンテナ3の発信間隔は短いほどよく、また、アンテナ3の回転速度は遅い方がよく、また、アンテナ3の通信領域は広い方がよい。そして、アンテナ3の通信領域が、管理対象の入退場時に管理対象とは逆方向を向いてしまうタイミングを減らすため、図14および図15に示す通信領域S201,S202を有するアンテナ203、または、通信領域S301〜S303を有するアンテナ303のように、複数の通信領域を一定の回転速度でそれぞれ回転させるアンテナを採用してもよい。このような複数の通信領域を有するアンテナを採用することによって、管理対象に付されたRFIDタグから送信される信号を取りこぼすことなく受信できる。
【0067】
また、本実施の形態1,2においては、RFIDタグとして、電源を内蔵したRFIDタグを例に説明したが、もちろんこれに限らず、アンテナ3から受けた電波から動作電源を得て動作するRFIDタグであってもよい。この場合、入退場判定部14,214は、アンテナ3におけるRFIDタグからの送信信号の受信時間、または、受信周期をもとに管理対象の入退場を判定する。
【符号の説明】
【0068】
1,201 入退場管理システム
2 RFIDタグ
3,203,303 アンテナ
4 固定タグ
6 読取装置
10,210 管理装置
11 制御部
12 入力部
13 出力部
14,214 入退場判定部
15 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理対象の場内への入場および場外への退場を管理する入退場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムの1つに、RFID(Radio Frequency Identification)システムがある。RFIDシステムでは、識別情報等を記憶する情報媒体に対して、専用の読取装置が所定周波数の電波を送受信することによって情報媒体の識別情報等を読み取っている。情報媒体はRFIDタグと呼ばれ、カードまたはタグの形状にされて管理対象者に取り付けられる。近年、このRFIDシステムを利用し、RFIDタグから送信された識別情報、および、複数設置される読取装置のうちRFIDタグの情報を読み取った読取装置の設置位置によって、RFIDタグの位置を検出し、管理対象者の入退場管理を行なう入退場管理システムが提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−21679号公報
【特許文献2】特開2008−158966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、一般的に入場方向と退場方向とは方向が異なる。このため、従来の入退場管理システムでは、入場方向および退場方向にそれぞれ対応させて複数の読取装置、または、複数のアンテナを設置し、いずれの読取装置またはアンテナがRFIDタグと通信処理を行なったかをもとに、管理対象者が入場方向に進行しているか、退場方向に進行しているかを判断していた。
【0005】
しかしながら、従来の入退場管理システムにおいては、管理対象者が入場方向に進行しているか、退場方向に進行しているかを判断するには、入場方向および退場方向に対応させて読取装置やアンテナを複数配置する必要があったため、入退場管理システムの構成が複雑化するという問題があった。
【0006】
この発明は、上記した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、管理対象の入退場を正確に管理できる入退場管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる入退場管理システムは、管理対象の場内への入場および場外への退場を管理する入退場管理システムにおいて、前記管理対象に付され、所定の識別情報を非接触で送信する情報媒体と、場外方向および場内方向を含むように回転して前記情報媒体と通信処理を行なう一のアンテナと、前記アンテナと接続し前記情報媒体の識別情報を読み取る読取装置と、前記読取装置が読み取った情報媒体の識別情報をもとに該情報媒体と前記アンテナとの間における通信期間を求め、求めた通信期間と所定の基準期間とを比較することによって、該情報媒体を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定し、該管理対象の入場時刻または退場時刻を記録する管理装置と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる入退場管理システムは、前記所定の基準期間は、固定設置された情報媒体である固定媒体と前記アンテナとの間における通信期間であり、前記管理装置は、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信期間が前記所定の基準期間よりも短い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と逆方向に進行していると判定し、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信期間が前記所定の基準期間よりも長い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と同方向に進行していると判定し、該判定した進行方向をもとに該管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定することを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる入退場管理システムは、管理対象の場内への入場および場外への退場を管理する入退場管理システムにおいて、前記管理対象に付され、所定の識別情報を非接触で送信する情報媒体と、場外方向および場内方向を含むように回転して前記情報媒体との間で通信処理を行なう一のアンテナと、前記アンテナと接続し前記情報媒体の識別情報を読み取る読取装置と、前記読取装置が読み取った情報媒体の識別情報をもとに該情報媒体と前記アンテナとの間における通信周期を求め、求めた通信周期と前記アンテナの回転周期とを比較することによって、該情報媒体を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定し、該管理対象の入場時刻または退場時刻を記録する管理装置と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる入退場管理システムは、前記管理装置は、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信周期が前記アンテナの回転周期よりも短い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と逆方向に進行していると判定し、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信周期が前記アンテナの回転周期よりも長い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と同方向に進行していると判定し、該判定した進行方向をもとに該管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる入退場管理システムは、場外方向および場内方向を含むように回転して情報媒体と通信を行なう一のアンテナを備え、情報媒体とアンテナとの通信期間を求め、求めた通信期間と所定の基準期間とを比較することによって、該情報媒体を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定している。したがって、本発明にかかる入退場管理システムは、アンテナを複数設けずとも一のアンテナのみで管理対象の入退場を判定できるため、簡易な構成で管理対象の入退場を正確に管理することができる。
【0012】
本発明にかかる入退場管理システムは、場外方向および場内方向を含むように回転して情報媒体と通信を行なう一のアンテナを備え、情報媒体とアンテナとの通信周期を求め、求めた通信周期とアンテナの回転周期とを比較することによって、該情報媒体を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定している。したがって、本発明にかかる入退場管理システムは、アンテナを複数設けずとも一のアンテナのみで管理対象の入退場を判定できるため、簡易な構成で管理対象の入退場を正確に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる入退場管理システムの適用例を説明する図である。
【図2】図2は、実施の形態1にかかる入退場管理システムの全体構成を示す模式図である。
【図3】図3は、図1および図2に示すアンテナの通信領域の変化を示す図である。
【図4】図4は、RFIDタグとアンテナとの間における通信期間を説明するタイミングチャートである。
【図5】図5は、図1および図2に示すアンテナの通信領域の変化を示す図である。
【図6】図6は、RFIDタグとアンテナとの間における通信期間を説明するタイミングチャートである。
【図7】図7は、図1に示す管理装置における入退場管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施の形態2にかかる入退場管理システムの全体構成を示す模式図である。
【図9】図9は、図8に示すアンテナの通信領域の変化を示す図である。
【図10】図10は、RFIDタグとアンテナとの間における通信周期を説明するタイミングチャートである。
【図11】図11は、図8に示すアンテナの通信領域の変化を示す図である。
【図12】図12は、RFIDタグとアンテナとの間における通信周期を説明するタイミングチャートである。
【図13】図13は、図8に示す管理装置における入退場管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】図14は、図1および図2に示すアンテナの他の例を示す平面図である。
【図15】図15は、図1および図2に示すアンテナの他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明にかかる実施の形態である入退場管理システムについて、RFID機能を備えたRFIDタグを情報媒体として使用する場合を例に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0015】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1にかかる入退場管理システムについて説明する。図1は、本実施の形態1にかかる入退場管理システムの適用例を説明する図である。また、図2は、本実施の形態1にかかる入退場管理システムの全体構成を示す模式図である。なお、図2上部は、図1の各構成部位の平面図を示す。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態1にかかる入退場管理システムは、たとえば、ゲートGを通って入退場する作業員H、車両Vなどの管理対象の場内への入場及び場外への退場を管理するために使用される。以下、矢印Y1は、管理対象が場内へ入場する方向に対応し、矢印Y2は、管理対象が場外へ退場する方向に対応するものとして説明する。
【0017】
図1および図2に示すように、本実施の形態1にかかる入退場管理システム1は、場内への入場および場外への退場の管理対象である作業員Hや車両Vなどにそれぞれ付されたRFIDタグ2と、所定波長の電波を送信して各RFIDタグ2との間で通信処理を行なうアンテナ3と、このアンテナ3と接続する読取装置6と、ネットワークNを介して読取装置6と接続する管理装置10とを有する。さらに、入退場管理システム1は、所定の位置に固定設置されたRFIDタグである固定タグ4を備える。
【0018】
RFIDタグ2は、RFIDタグ2ごとに異なる所定の識別情報を少なくとも記憶し、この識別情報を含む信号を所定波長の電波を介して非接触で送信する。各RFIDタグ2は動作電源を内蔵し、信号を繰り返し送信する。各RFIDタグ2の送信間隔はたとえば毎秒60回に設定される。
【0019】
アンテナ3は、建設工事現場の境界上に設置され、たとえば、図1に示すように、建設工事現場の境界に設けられたゲートGの一端に設置される。このアンテナ3は、たとえば矢印Y3に示すように、地面に対して水平である面上を360°回転する。したがって、アンテナ3は、矢印Y1に示す場内方向、および、矢印Y2に示す場外方向のいずれをも含むように回転する。また、アンテナ3は、所定の角速度で回転し、たとえば毎秒1/2回転する。そして、アンテナ3の通信領域のうち、地面に対して水平である面上における通信領域は、図2に示すように、アンテナ3の中心からθの角度を持った領域Sである。アンテナ3の回転にしたがい領域Sも回転することによって、地面との水平面においては場内方向および場外方向のいずれにおいてもRFIDタグ2および固定タグ4との間で通信処理を行なうことができる。なお、角度θは、たとえば20度に設定される。また、アンテナ3の通信領域のうち、地面に対し垂直である面上における通信領域は、作業員Hおよび車両VへのRFIDタグ2の取り付け高さに応じて設定される。
【0020】
固定タグ4は、アンテナ3の通信可能領域内の所定の位置に固定設置され、たとえば図
2に示すように、境界Gp上のゲートGの他端に対応する場所に設置される。固定タグ4の送信間隔は、各RFIDタグ2と同様に設定される。アンテナ3は一定の速度で回転するため、固定タグ4とアンテナ3との間における通信期間は、常に一定となる。
【0021】
読取装置6は、アンテナ3における通信結果をもとに、RFIDタグ2および固定タグ4の識別情報を読み取る。読取装置6は、アンテナ3における通信結果をもとに、アンテナ3と通信処理を行なったRFIDタグ2の識別情報を取得して、アンテナ3と通信処理を行なったRFIDタグ2がいずれのRFIDタグ2であるかを識別する。そして、読取装置6は、読み取った識別情報を、この識別情報を送信したRFIDタグ2とアンテナ3との間における通信開始時刻および通信終了時刻に対応づけて管理装置10に出力する。
【0022】
管理装置10は、読取装置6から送信された情報をもとに、管理対象である作業員Hや車両Vなどの入場時刻および退場時刻を記録することによって、管理対象の場内への入場および場外への退場を管理する。
【0023】
図2に示すように、管理装置10は、管理装置10を構成する各構成部位の処理動作を制御する制御部11と、入退場管理に必要な諸情報や指示情報等を外部から取得する入力部12と、入退場管理に関する諸情報を出力する出力部13と、いずれの管理対象が入場または退場したかを判定する入退場判定部14と、入退場管理に関する諸情報を記憶する記憶部15とを備える。
【0024】
入退場判定部14は、読取装置6が読み取ったRFIDタグ2の情報をもとに該RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間を求め、求めた通信期間と所定の基準期間とを比較することによって、該RFIDタグ2を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定する。そして、入退場判定部14は、制御部11に対して、入退場を判定した管理対象の入場時刻または退場時刻を記録するよう指示し、制御部11は、この管理対象の入場時刻または退場時刻を記録するよう記憶部15に指示する。
【0025】
つぎに、この入退場判定部14における判定処理について具体的に説明する。まず、図3を参照して、管理対象が入場する場合について説明する。図3は、アンテナ3の通信領域の変化を示す図である。図3では、RFIDタグ2を付した管理対象が矢印Y1に示す入場方向に向かって進行している。
【0026】
図3に示すように、アンテナ3は、矢印Y3のように地面に対する水平面上で360°回転するため、アンテナ3の通信領域は、アンテナ3の中央を中心として、水平面状を360°回転する。ここで、たとえば通信領域が図3に示す領域Sk1に移動した時に固定タグ4に到達するため、アンテナ3は、固定タグ4に対する通信処理を開始する。そして、通信領域が領域Sk2まで移動した場合には固定タグ4から通信領域が外れてしまうため、固定タグ4に対する通信処理を終了する。固定タグ4は固定設置されており移動することはなく、さらに、アンテナ3の回転方向および回転速度は一定であることから、固定タグ4とアンテナ3との間における通信期間は、常に一定であり、たとえば図3および図4(2)に示す期間Tkとなる。
【0027】
そして、入場方向に進行するRFIDタグ2に対しては、通信領域が図3に示す領域S1に移動した時に位置P1に位置するRFIDタグ2に到達して、アンテナ3はRFIDに対する通信処理を開始する。そして、通信領域が領域S2まで移動した場合、位置P1から位置P2に移動したRFIDタグ2から通信領域が外れてしまうため、アンテナ3は、RFIDタグ2に対する通信処理を終了することとなる。
【0028】
この管理対象に付されたRFIDタグ2は、矢印Y1のように図中左方向に向かって進行し、アンテナ3の回転方向は、矢印Y3に例示するように地面に対する水平面上を時計周りで回転する。このため、矢印Y1に示す入場方向はアンテナ3の回転方向とは逆方向となり、RFIDタグ2はアンテナ3の回転方向とは逆方向に進行することとなる。この場合、RFIDタグ2とアンテナ3の通信領域とは、それぞれが近づくように移動している。言い換えると、RFIDタグ2とアンテナ3の通信領域は、RFIDタグ2とアンテナ3の通信領域とが交差する期間が短くなるようにそれぞれ移動している。このため、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間は、常に一定である固定タグ4における通信期間Tkと比較して短くなり、たとえば図3および図4(1)に示す期間Tm1となる。
【0029】
したがって、入退場判定部14は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間が、図3および図4(1)の期間Tm1のように、固定タグ4とアンテナ3との間における通信期間Tkよりも短い場合には、このRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と逆方向に進行していると判定する。図3の例では、アンテナ3の回転方向に対し逆である方向は入場方向に対応するため、入退場判定部14は、このRFIDタグ2を付した管理対象が入場方向に進行していると判定する。なお、入退場判定部14は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間が、固定タグ4とアンテナ3との間における通信期間Tkと等しい場合には、このRFIDタグ2を付した管理対象は、静止しているものと判定する。
【0030】
つぎに、図5を参照して、RFIDタグ2を付した管理対象が矢印Y2に示す退場方向に向かって進行する場合について説明する。図5に示すように、退場方向に進行するRFIDタグ2に対しては、通信領域が図5に示す領域S3に移動した時に位置P3に位置するRFIDタグ2に到達して、アンテナ3はRFIDタグ2に対する通信処理を開始する。そして、通信領域が領域S4まで移動した場合に、位置P3から位置P4に移動したRFIDタグ2から通信領域が外れてしまうため、アンテナ3は、RFIDタグ2に対する通信処理を終了する。
【0031】
この管理対象に付されたRFIDタグ2は、矢印Y2のように図中右方向に向かって進行し、アンテナ3の回転方向は、矢印Y3に例示するように地面に対する水平面上を時計周りで回転する。このため、矢印Y2に示す退場方向はアンテナ3の回転方向と同方向となり、RFIDタグ2はアンテナ3の回転方向と同じ方向に進行することとなる。したがって、RFIDタグ2とアンテナ3の通信領域とは、RFIDタグ2とアンテナ3の通信領域とが交差する期間が長くなるようにそれぞれ移動している。この結果、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間は、常に一定である固定タグ4における通信期間Tkと比較して長くなり、たとえば図5および図6(1)に示す期間Tm2となる。
【0032】
したがって、入退場判定部14は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間が、図5および図6(1)の期間Tm2のように、図6(2)に示す固定タグ4とアンテナ3との間における通信期間Tkよりも長い場合には、このRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と同方向に進行していると判定する。図5の例では、アンテナ3の回転方向と同じ方向は退場方向に対応するため、入退場判定部14は、このRFIDタグ2を付した管理対象が退場方向に進行していると判定する。
【0033】
このように、入退場判定部14は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間と、常に一定である固定タグ4とアンテナ3との間における通信期間とを比較することによって、このRFIDタグ2を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定している。
【0034】
つぎに、入退場管理システム1における入退場管理処理の各処理手順について説明する。図7は、図1に示す管理装置10における入退場管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0035】
図7に示すように、まず、管理装置10において、制御部11は、読取装置6から識別情報を受信したか否かを判断し(ステップS2)、読取装置6から識別情報を受信したと判断するまでステップS2の判断処理を繰り返す。そして、制御部11が読取装置6から識別情報を受信したと判断した場合(ステップS2:Yes)、入退場判定部14は、この識別情報に対応づけて読取装置6から送信された通信時刻を記録する(ステップS4)。通信時刻として、この識別情報に応じたRFIDタグ2とアンテナ3との間における通信開始時刻および通信終了時刻がある。
【0036】
次いで、入退場判定部14は、記録した通信開始時刻および通信終了時刻をもとに、このRFIDタグ2からとアンテナ3との間における通信期間Tmを算出する(ステップS6)。そして、入退場判定部14は、固定タグ4とアンテナ3との間における通信期間Tkを取得する(ステップS8)。この通信期間Tkは、固定タグ4との通信期間のうち、最も近い時間で行なわれた通信処理に対するものでもよく、また、記憶部15に予め記憶してあったものでもよい。入退場判定部14は、算出した通信期間Tmと、取得した基準となる通信期間Tkとを比較し、TmとTkとの大小関係を判断する(ステップS10)。
【0037】
入退場判定部14は、Tm<Tkであると判定した場合には(ステップS10:Tm<Tk)、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と逆方向に進行していると判定する(ステップS12)。すなわち、図1および図2のようにアンテナ回転方向、入場方向および退場方向が設定されている場合には、入退場判定部14は、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象が入場したと判定し(ステップS14)、記憶部15に、この識別情報に対応する管理対象が入場したとして入場時刻を記録させる(ステップS16)。
【0038】
これに対し、入退場判定部14は、Tm>Tkであると判定した場合には(ステップS10:Tm>Tk)、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と同方向に進行していると判定する(ステップS22)。すなわち、図1および図2のようにアンテナ回転方向、入場方向および退場方向が設定されている場合には、入退場判定部14は、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象が退場したと判定し(ステップS24)、記憶部15に、この識別情報に対応する管理対象が退場したとして退場時刻を記録させる(ステップS26)。さらに、入退場判定部14は、Tm=Tkであると判定した場合には(ステップS10:Tm=Tk)、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象は静止していると判定し(ステップS32)、該識別情報に対応するRFIDタグを付した管理対象に対する入退場判定を再度行なうため、ステップS2に戻る。
【0039】
そして、制御部11は、入力部12などから入力された指示情報をもとに、入退場管理システムの入退場管理処理が終了したか否かを判断する(ステップS28)。制御部11は、入退場管理システムの入退場管理処理が終了したと判断した場合(ステップS28:Yes)、この入退場管理システムの入退場管理処理を終了する。一方、入退場管理システムの入退場管理処理が終了していないと判断した場合(ステップS28:No)、ステップS2に戻り、読取装置6から識別情報を受信したか否かを判断する。
【0040】
このように、本実施の形態1にかかる入退場管理システム1においては、場外方向および場内方向を含むように回転してRFIDタグ2と通信処理を行なう一のアンテナ3を備え、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間を求め、求めた通信期間と所定の基準期間とを比較することによって、該RFIDタグ2を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定している。したがって、入退場管理システムは、複数のアンテナや複数の読取装置を設けずとも、一のアンテナおよび該アンテナと接続する一の読取装置のみで管理対象の入退場を判定できるため、簡易な構成で管理対象の入退場を正確に管理することができる。
【0041】
また、本実施の形態1においては、場外方向および場内方向を含むように回転するアンテナ3を用いるため、一方向に対してしか通信処理を行なうことができないアンテナよりも広い領域で通信可能である。したがって、建設工事現場のゲートなどのように入退場を管理する境界が広い場合であっても、RFIDタグ2との間の通信処理を漏れなく行なうことができることから、正確に管理対象の入退場を管理することが可能になる。
【0042】
また、管理対象に付されたRFIDタグ2とアンテナ3との間における通信期間は、RFIDタグ2を付した作業員Hや車両Vなどの管理対象の進行速度や、アンテナ3と管理対象との距離によって変化する。本実施の形態1では、RFIDタグ2に対応する通信期間が変化する場合であっても、アンテナ3の回転速度が一定であれば常に一定である固定タグ4に対応する通信期間を基準に、管理対象の進行方向を判定しているため、適切に管理対象の入退場を判定することができる。
【0043】
また、本実施の形態1においては、RFIDタグ2との間で一度通信処理を行なうだけで、このRFIDタグ2に付された管理対象の進行方向を判定することができるため、効率的に管理対象の入退場を判定することができる。
【0044】
また、RFIDタグ2に、識別情報に加え、このRFIDタグ2が付された車両Vに搭載された資材に関する情報など各種情報を記憶させ、識別情報とともに資材情報などを送信させることによって、入退場管理に加え、資材管理、安全管理および労務管理も併せて行なうことができる。
【0045】
なお、本実施の形態1においては、図1および図2において、固定タグ4を常時設置する場合を例に説明したが、もちろん固定タグ4を常時設置する必要はなく、アンテナ3の回転速度、回転方向の少なくともいずれかを変更した場合に、固定タグ4を一度設置し、固定タグ4に対応する通信期間Tkを取得した後に撤去してもよい。固定タグ4に対応する通信期間は、アンテナ3の回転速度、回転方向および固定タグ4の設置位置が同じであれば、常に一定であるため、一度取得すれば足りる。また、固定タグ4自体を設置せずとも、アンテナ3の回転速度、回転方向および固定タグ4の設置位置をもとに、通信期間Tkを算出し、算出した通信期間Tkをもとに入退場の判定を行なってもよい。このように、本実施の形態1においては、各構成部位の設置の有無、設置位置および動作条件などを柔軟に設定することができる。
【0046】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。実施の形態1においては、RFIDタグとアンテナとの間における通信期間を用いて管理対象の入退場を判定したが、実施の形態2では、RFIDタグとアンテナとの間における通信周期をもとに管理対象の入退場を判定する。
【0047】
図8は、本実施の形態2にかかる入退場管理システムの全体構成を示す模式図である。図8に示すように、実施の形態2にかかる入退場管理システム201は、図2に示す入退場判定部14に代えて、入退場判定部214を有する管理装置210を備える。
【0048】
入退場判定部214は、読取装置6が読み取ったRFIDタグ2の識別情報をもとに該RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期を求め、求めた通信周期とアンテナ3の回転周期とを比較することによって、該RFIDタグ2を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定する。そして、入退場判定部214は、入退場判定部14と同様に、制御部11に対して、入退場を判定した管理対象の入場時刻または退場時刻を記録するよう指示し、制御部11は、この管理対象の入場時刻または退場時刻を記録するよう記憶部15に指示する。なお、入退場管理システム201は、図1および図2に示す固定タグ4を削除した構成を有する。
【0049】
つぎに、この入退場判定部214における判定処理について具体的に説明する。まず、図9を参照して、RFIDタグ2を付した管理対象が矢印Y1に示す入場方向に向かって進行する場合について説明する。
【0050】
まず、アンテナ3は、矢印Y3にしたがって回転することによって通信領域を領域S6に移動させ、位置P6に位置するRFIDタグ2との間で通信処理を行なう。そして、アンテナ3が次にRFIDタグ2と通信処理を行なうのは、アンテナ3が回転し通信領域が領域S7まで移動して、位置P6から位置P7に移動したRFIDタグ2に到達した場合である。次いで、この次にアンテナ3がRFIDタグ2と通信処理を行なうのは、再度アンテナ3が回転し通信領域が領域S8まで移動して、位置P7から位置P8に移動したRFIDタグ2に到達した場合である。
【0051】
ここで、RFIDタグ2は、矢印Y3のように回転するアンテナ3の回転方向とは逆方向に進行する。したがって、矢印Y1の方向に進行するRFIDタグ2は、矢印Y3のように回転移動するアンテナ3の通信領域に近づくように移動している。したがって、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期は、アンテナ3の回転周期Ckよりも短くなり、たとえば図10に示す周期Cm1となる。
【0052】
したがって、入退場判定部214は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期が、図10の周期Cm1のように、アンテナの回転周期Ckよりも短い場合には、このRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と逆方向に進行していると判定する。図10の例では、アンテナ3の回転方向に対し逆である方向は入場方向に対応するため、入退場判定部214は、このRFIDタグ2を付した管理対象が入場方向に進行していると判定する。
【0053】
つぎに、図11を参照して、RFIDタグ2を付した管理対象が矢印Y2に示す退場方向に向かって進行する場合について説明する。まず、アンテナ3は、矢印Y3にしたがって回転することによって通信領域を領域S9に移動させ、位置P9に位置するRFIDタグ2との間で通信処理を行なう。そして、アンテナ3が次にRFIDタグ2と通信処理を行なうのは、アンテナ3が回転し通信領域が領域S10まで移動して、位置P9から位置P10に移動したRFIDタグ2に到達した場合である。次いで、この次にアンテナ3がRFIDタグ2と通信処理を行なうのは、再度アンテナ3が回転し通信領域が領域S11まで移動して、位置P10から位置P11に移動したRFIDタグ2に到達した場合である。
【0054】
ここで、RFIDタグ2は、矢印Y3のように回転するアンテナ3の回転方向と同じ方向に進行する。したがって、矢印Y2の方向に進行するRFIDタグ2は、矢印Y3のように回転移動するアンテナ3の通信領域から遠ざかるように移動している。したがって、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期は、アンテナ3の回転周期Ckよりも長くなり、たとえば図12に示す周期Cm2となる。
【0055】
したがって、入退場判定部214は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期が、図12の周期Cm2のように、アンテナの回転周期Ckよりも長い場合には、このRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と同方向に進行していると判定する。図10の例では、アンテナ3の回転方向と同じ方向は退場方向に対応するため、入退場判定部214は、このRFIDタグ2を付した管理対象が退場方向に進行していると判定する。なお、入退場判定部214は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期が、アンテナの回転周期Ckと等しい場合には、このRFIDタグ2を付した管理対象は、静止しているものと判定する。
【0056】
このように、入退場判定部214は、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期と、アンテナ3の回転周期とを比較することによって、このRFIDタグ2を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定している。
【0057】
つぎに、入退場管理システム201における入退場管理処理の各処理手順について説明する。図13は、図8に示す管理装置210における入退場管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0058】
図13に示すように、制御部11は、図7のステップS2と同様に、読取装置6から識別情報を受信したか否かを判断し(ステップS202)、読取装置6から識別情報を受信したと判断するまでステップS202の判断処理を繰り返す。そして、制御部11が読取装置6から識別情報を受信したと判断した場合(ステップS202:Yes)、入退場判定部214は、この識別情報に対応づけて読取装置6から送信された通信時刻を記録する(ステップS204)。これらの通信時刻は、識別情報に対応づけて、各受信ごとに記録される。
【0059】
次いで、入退場判定部214は、記録した通信時刻と、該識別情報の前回通信時刻をもとに、このRFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期Cmを算出する(ステップS206)。そして、入退場判定部214は、アンテナ3の回転周期Ckを取得する(ステップS208)。この回転周期Ckは、記憶部15に予め記憶してあったものでもよく、また、入力部12から入力されたものであってもよい。入退場判定部214は、算出した通信周期Cmと、取得したアンテナ3の回転周期Ckとを比較し、CmとCkとの大小関係を判断する(ステップS210)。
【0060】
入退場判定部214は、Cm<Ckであると判定した場合には(ステップS210:Cm<Ck)、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と逆方向に進行していると判定する(ステップS212)。すなわち、図8のようにアンテナ回転方向、入場方向および退場方向が設定されている場合には、入退場判定部214は、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象が入場したと判定し(ステップS214)、記憶部15に、この識別情報に対応する管理対象が入場したとして入場時刻を記録させる(ステップS216)。
【0061】
これに対し、入退場判定部214は、Cm>Ckであると判定した場合には(ステップS210:Cm>Ck)、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象がアンテナ3の回転方向と同方向に進行していると判定する(ステップS222)。すなわち、図8のようにアンテナ回転方向、入場方向および退場方向が設定されている場合には、入退場判定部214は、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象が退場したと判定し(ステップS224)、記憶部15に、この識別情報に対応する管理対象が退場したとして退場時刻を記録させる(ステップS226)。さらに、入退場判定部214は、Cm=Ckであると判定した場合には(ステップS210:Cm=Ck)、この識別情報に対応するRFIDタグ2を付した管理対象は静止していると判定し(ステップS232)、該識別情報に対応するRFIDタグを付した管理対象に対する入退場判定を再度行なうため、ステップS202に戻る。
【0062】
そして、制御部11は、図7に示すステップS28と同様に、入退場管理システムの入退場管理処理が終了したか否かを判断し(ステップS228)、入退場管理システムの入退場管理処理が終了したと判断した場合(ステップS228:Yes)、この入退場管理システム1の入退場管理処理を終了し、入退場管理システムの入退場管理処理が終了していないと判断した場合(ステップS228:No)、ステップS202に戻り、読取装置6から識別情報を受信したか否かを判断する。
【0063】
このように、本実施の形態2にかかる入退場管理システム201においては、場外方向および場内方向を含むように回転してRFIDタグ2と通信処理を行なう一のアンテナ3を備え、RFIDタグ2とアンテナ3との間における通信周期と、アンテナ3の回転周期とを比較することによって、該RFIDタグ2を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定している。したがって、入退場管理システム201は、複数のアンテナや複数の読取装置を設けずとも、一のアンテナおよび該アンテナと接続する一の読取装置のみで管理対象の入退場を判定できるため、簡易な構成で管理対象の入退場を正確に管理することができるという実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0064】
なお、実施の形態1および実施の形態2においては、アンテナ3の回転方向が地面に対する水平面上において時計回りであり、入場方向がアンテナ3の回転方向と逆方向であり、退場方向がアンテナ3の回転方向と同方向である場合を例に説明したが、もちろんこれに限らない。アンテナ3の回転方向と、この回転方向と入場方向との関係、回転方向と退場方向との関係に合わせて、管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定すればよい。
【0065】
また、本実施の形態1,2における入退場判定部14,214は、全てのRFIDタグ2に対して入退場管理を行なうほか、読取装置6が読み取った各RFIDタグ2の識別情報をもとに、所定のグループに属する管理対象のみを判定して、この所定のグループに属する管理対象のみに対して入退場管理を行なってもよい。
【0066】
また、実施の形態1,2において、通信期間または通信周期を正確に測定するためには、RFIDタグの信号を十分に受信できるように、アンテナ3の発信間隔は短いほどよく、また、アンテナ3の回転速度は遅い方がよく、また、アンテナ3の通信領域は広い方がよい。そして、アンテナ3の通信領域が、管理対象の入退場時に管理対象とは逆方向を向いてしまうタイミングを減らすため、図14および図15に示す通信領域S201,S202を有するアンテナ203、または、通信領域S301〜S303を有するアンテナ303のように、複数の通信領域を一定の回転速度でそれぞれ回転させるアンテナを採用してもよい。このような複数の通信領域を有するアンテナを採用することによって、管理対象に付されたRFIDタグから送信される信号を取りこぼすことなく受信できる。
【0067】
また、本実施の形態1,2においては、RFIDタグとして、電源を内蔵したRFIDタグを例に説明したが、もちろんこれに限らず、アンテナ3から受けた電波から動作電源を得て動作するRFIDタグであってもよい。この場合、入退場判定部14,214は、アンテナ3におけるRFIDタグからの送信信号の受信時間、または、受信周期をもとに管理対象の入退場を判定する。
【符号の説明】
【0068】
1,201 入退場管理システム
2 RFIDタグ
3,203,303 アンテナ
4 固定タグ
6 読取装置
10,210 管理装置
11 制御部
12 入力部
13 出力部
14,214 入退場判定部
15 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象の場内への入場および場外への退場を管理する入退場管理システムにおいて、
前記管理対象に付され、所定の識別情報を非接触で送信する情報媒体と、
場外方向および場内方向を含むように回転して前記情報媒体と通信処理を行なう一のアンテナと、
前記アンテナと接続し前記情報媒体の識別情報を読み取る読取装置と、
前記読取装置が読み取った情報媒体の識別情報をもとに該情報媒体と前記アンテナとの間における通信期間を求め、求めた通信期間と所定の基準期間とを比較することによって、該情報媒体を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定し、該管理対象の入場時刻または退場時刻を記録する管理装置と、
を備えたことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項2】
前記所定の基準期間は、固定設置された情報媒体である固定媒体と前記アンテナとの間における通信期間であり、
前記管理装置は、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信期間が前記所定の基準期間よりも短い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と逆方向に進行していると判定し、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信期間が前記所定の基準期間よりも長い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と同方向に進行していると判定し、該判定した進行方向をもとに該管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定することを特徴とする請求項1に記載の入退場管理システム。
【請求項3】
管理対象の場内への入場および場外への退場を管理する入退場管理システムにおいて、
前記管理対象に付され、所定の識別情報を非接触で送信する情報媒体と、
場外方向および場内方向を含むように回転して前記情報媒体との間で通信処理を行なう一のアンテナと、
前記アンテナと接続し前記情報媒体の識別情報を読み取る読取装置と、
前記読取装置が読み取った情報媒体の識別情報をもとに該情報媒体と前記アンテナとの間における通信周期を求め、求めた通信周期と前記アンテナの回転周期とを比較することによって、該情報媒体を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定し、該管理対象の入場時刻または退場時刻を記録する管理装置と、
を備えたことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信周期が前記アンテナの回転周期よりも短い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と逆方向に進行していると判定し、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信周期が前記アンテナの回転周期よりも長い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と同方向に進行していると判定し、該判定した進行方向をもとに該管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定することを特徴とする請求項3に記載の入退場管理システム。
【請求項1】
管理対象の場内への入場および場外への退場を管理する入退場管理システムにおいて、
前記管理対象に付され、所定の識別情報を非接触で送信する情報媒体と、
場外方向および場内方向を含むように回転して前記情報媒体と通信処理を行なう一のアンテナと、
前記アンテナと接続し前記情報媒体の識別情報を読み取る読取装置と、
前記読取装置が読み取った情報媒体の識別情報をもとに該情報媒体と前記アンテナとの間における通信期間を求め、求めた通信期間と所定の基準期間とを比較することによって、該情報媒体を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定し、該管理対象の入場時刻または退場時刻を記録する管理装置と、
を備えたことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項2】
前記所定の基準期間は、固定設置された情報媒体である固定媒体と前記アンテナとの間における通信期間であり、
前記管理装置は、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信期間が前記所定の基準期間よりも短い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と逆方向に進行していると判定し、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信期間が前記所定の基準期間よりも長い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と同方向に進行していると判定し、該判定した進行方向をもとに該管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定することを特徴とする請求項1に記載の入退場管理システム。
【請求項3】
管理対象の場内への入場および場外への退場を管理する入退場管理システムにおいて、
前記管理対象に付され、所定の識別情報を非接触で送信する情報媒体と、
場外方向および場内方向を含むように回転して前記情報媒体との間で通信処理を行なう一のアンテナと、
前記アンテナと接続し前記情報媒体の識別情報を読み取る読取装置と、
前記読取装置が読み取った情報媒体の識別情報をもとに該情報媒体と前記アンテナとの間における通信周期を求め、求めた通信周期と前記アンテナの回転周期とを比較することによって、該情報媒体を付した管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定し、該管理対象の入場時刻または退場時刻を記録する管理装置と、
を備えたことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信周期が前記アンテナの回転周期よりも短い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と逆方向に進行していると判定し、前記情報媒体と前記アンテナとの間における通信周期が前記アンテナの回転周期よりも長い場合には該情報媒体を付した管理対象が前記アンテナの回転方向と同方向に進行していると判定し、該判定した進行方向をもとに該管理対象が入場方向または退場方向のいずれの方向に進行しているかを判定することを特徴とする請求項3に記載の入退場管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−272935(P2010−272935A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120820(P2009−120820)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】
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