入退場管理システム
【課題】消費電力を低減しつつ距離検出手段の寿命が延長されるとともに、同時に複数の人の通過を判別し、人の集中時においても円滑な人の通過が図られる入退場管理システムを提供する。
【解決手段】距離検出制御部は、第一距離検出部31および第二距離検出部12からの光の照射時期を制御し、人の通過を判別する。距離検出制御部は、第一読取部21に許可証のタッチがあると、第一読取部21とは反対の第二距離検出部32から距離を検出する。このとき、距離検出制御部は、進入者の第一門柱11側を人が通過可能であると、第二距離検出部32に加え、第一距離検出部31からも距離を検出する。距離検出制御部は、第一距離検出部31を起動した後、進入者の第二門柱12側を人が通過可能でなければ、第二距離検出部32を停止する。これにより、第一距離検出部31または第二距離検出部が起動している時間が短縮され、消費電力が低減される。
【解決手段】距離検出制御部は、第一距離検出部31および第二距離検出部12からの光の照射時期を制御し、人の通過を判別する。距離検出制御部は、第一読取部21に許可証のタッチがあると、第一読取部21とは反対の第二距離検出部32から距離を検出する。このとき、距離検出制御部は、進入者の第一門柱11側を人が通過可能であると、第二距離検出部32に加え、第一距離検出部31からも距離を検出する。距離検出制御部は、第一距離検出部31を起動した後、進入者の第二門柱12側を人が通過可能でなければ、第二距離検出部32を停止する。これにより、第一距離検出部31または第二距離検出部が起動している時間が短縮され、消費電力が低減される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばRFIDカードなどの許可証を用いて事業者や教育機関に入場または退場する関係者の認証を行う入退場管理システムが広く利用されている。このような入退場管理システムでは、入退場門において許可証の認証を行うとともに、認証した進入者が入退場門を通過したことを検出している。この場合、入退場門における人の通過は、光を利用したセンサのオンおよびオフを利用して検出している(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、入退場門において人が通過する通路は、一人ずつ通過することを前提としている。そのため、例えば通勤または通学の時間帯や帰宅時間帯など、入退場門を通過する人が増加すると、入退場門の混雑を招き、入退場門の円滑な通過が困難になるという問題がある。一方、混雑を回避するために通路の幅を二人分に拡大すると、同時に二人が通路を通過することになる。特許文献1のようにセンサのオンおよびオフを利用する場合、単純に人の通過のみを検出する。そのため、通路を通過するのが一人なのか、それとも同時に複数なのかを判別することはできない。その結果、入退場門における認証と通過した人数との整合が図れず、認証による保安性を維持したまま同時に二人が入退場門を通過することは難しいという問題がある。
【0004】
また、複数人の通過を検出するために、通路の上方または下方から人を検出するなどすると、入退場門に設置するセンサなどの距離検出手段の数を増したりする必要があり、距離検出手段の数の増加にともなって配線などを含む構造の複雑化や消費電力の増大を招く。さらに、通路を人が通過するたびにすべての距離検出手段センサを用いて距離を検出すると、距離検出手段への通電時間が長くなり、距離検出手段の寿命が短くなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−259857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、消費電力を低減しつつ距離検出手段の寿命が延長されるとともに、同時に複数の人の通過を判別し、人の集中時においても円滑な人の通過が図られる入退場管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明では、距離検出制御手段は、読取部において許可証が読み取られると、この読取部が設けられている一方の門柱に対向する他方に門柱に設けられている距離検出手段から通路を通過する進入者までの距離を検出する。すなわち、距離検出制御手段は、読取部において許可証が読み取られると、この許可証を読み取った読取部とは反対側の他方の門柱に設けられている距離検出手段を起動する。そして、距離検出手段は、この他方の門柱に設けられている距離検出手段で検出した進入者までの検出距離Wdが、Wd>W−2Pであれば、そのまま他方の門柱に設けられている距離検出手段による進入者の検出を継続する。一方、距離検出手段は、検出距離Wdが、Wd≦W−2Pになると、他方の門柱に設けられている距離検出手段に代えて、許可証を読み取った読取部側の一方の門柱に設けられている距離検出手段による進入者の検出を実行する。ここで、通路の幅は通路幅Wであり、通路を通過する進入者の仮想的な幅は仮想人幅Pである。
【0008】
一方の門柱に設けられている読取部で許可証を読み取らせた進入者は、この一方の門柱に沿って通路を通過する。通路は、二人の人がすれ違い可能な程度の幅を有している。すなわち、通路幅Wは、W≧2Pである。そのため、一方の門柱に対向する他方の門柱に設けられている距離検出手段で検出される進入者までの検出距離Wdが、Wd>W−2Pであれば、検出された進入者の反対側、すなわち進入者の一方の門柱側には他の進入者が通過可能な空間は生じない。これにより、他方の門柱に設けられた距離検出手段から進入者までの距離を検出することにより、通路には読取部で許可証を読み取らせた進入者のみが存在していることが検出される。
【0009】
これに対し、他方の門柱に設けられている距離検出手段で検出される進入者までの検出距離Wdが、Wd≦W−2Pであれば、検出された進入者の反対側、すなわち進入者の一方の門柱側には他の進入者が通過可能な空間が生じる。これにより、他方の門柱に設けられた距離検出手段から進入者までの距離を検出しても、この進入者よりも一方の門柱側には他の進入者が存在する可能性がある。そこで、距離検出制御手段は、検出距離Wdが、Wd≦W−2Pであるとき、一方の門柱に設けられている距離検出手段による進入者までの距離の検出を実行する。これにより、検出された進入者よりも一方の門柱側に存在する他の進入者は、一方の門柱側に設けられた距離検出手段によって検出距離Wdが検出される。
【0010】
このように、距離検出制御手段は、検出する進入者までの距離に応じて、一方の門柱に設けられている距離検出手段による検出と、他方の門柱に設けられている距離検出手段による検出とを切り替える。そのため、進入者には、一方の門柱の距離検出手段または他方の門柱の距離検出手段のいずれかからのみ光が照射される。これにより、距離検出制御手段は、一対の門柱にそれぞれ設けられている距離検出手段のうち、いずれか一方のみを起動し、一方で距離を検出しているとき他方の作動を停止させる。その結果、各距離検出手段は、間欠的に作動することとなり、各距離検出手段の総合的な作動時間は短縮される。したがって、消費電力を低減しつつ距離検出手段の寿命を延長することができる。
また、請求項1記載の発明の場合、対向する一対の門柱にそれぞれ距離検出手段を設けることにより、通路を同時に通過する二人の進入者が検出される。したがって、同時に複数の人の通過を判別することができ、人の集中時においても円滑な人の通過を図ることができる。
【0011】
請求項2記載の発明では、距離検出制御手段は、第一門柱および第二門柱によって構成される入退場門に単数または複数の進入者があるとき、進入状況に応じて第一距離検出手段および第二距離検出手段を制御する。第一門柱と第二門柱との間に形成される通路は、二人の進入者が同時に通過可能な幅Wを有している。この通路を単数または複数の進入者が通過する場合、一人通過パターン、二人同方向通過パターンまたは二人対向通過パターンのいずれかに該当する。一人通過パターンは、第一門柱の第一読取部に許可証を読み取らせた初期進入者があるとき、この初期進入者が入退場門を通過するまで他の進入者がない通過パターンである。二人同方向通過パターンは、第一門柱の第一読取部に許可証を読み取らせた初期進入者があるとき、この初期進入者が入退場門を通過するまでの間に、初期進入者と同一の方向へ入退場門を通過する後続進入者がある、すなわち第三読取部に許可証を読み取らせた後続進入者が存在する通過パターンである。二人対向通過パターンは、第一門柱の第一読取部に許可証を読み取らせた初期進入者があるとき、この初期進入者が入退場門を通過するまでの間に、初期進入者と異なる方向へ入退場門を通過する対向進入者がある、すなわち第四読取部に許可証を読み取らせた対向進入者が存在する通過パターンである。距離検出制御手段は、この各通過パターンに応じて第一距離検出手段および第二距離検出手段を制御する。
【0012】
具体的には、一人通過パターンのとき、距離検出制御手段は、第二距離検出手段から初期進入者までの第二距離Wd2を検出する。そして、距離検出制御手段は、第二距離検出手段で検出した初期進入者までの第二距離Wd2がWd2>W−2Pである間、第二距離検出手段からの第二距離Wd2の検出を継続する。一方、距離検出制御手段は、第二距離Wd2がWd2≦W−2Pになると、第二距離検出手段からの第二距離Wd2の検出を停止、または第二距離検出手段からの第二距離Wd2の検出を継続しながら第一距離検出手段から初期進入者までの第一距離Wd1を検出する。
【0013】
二人同方向通過パターンのとき、距離検出制御手段は、第二距離検出手段から初期進入者までの第二距離Wd2を検出する。そして、距離検出制御手段は、第二距離Wd2がWd2>W−2Pである間、第二距離検出手段からの第二距離Wd2の検出を継続する。二人同方向通過パターンのとき、第一読取部に許可証を読み取らせた初期進入者は、第一読取部が設けられている第一門柱に沿って第二端側へ移動するのが通常である。そのため、後続する後続進入者は、第一門柱に対向する第二門柱の第一端側に設けられている第三読取部に許可証を読み取らせ、この第二門柱に沿って第二端側へ移動する。その結果、第二距離検出手段が検出する第二距離Wd2は、後続進入者の進入によってWd2≦W−2Pとなる。そこで、距離検出制御手段は、第三読取部において許可証を読み取らせた後続進入者の進入によって第二距離検出手段で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pとなると、第二距離検出手段から第二距離Wd2を検出するとともに、第一距離検出手段からも第一距離Wd1を検出する。さらに、初期進入者が入退場門を通過すると、入退場門には後続進入者のみが存在する。そのため、第一距離検出手段によって検出された後続進入者までの第一距離Wd1は、Wd1>W−2Pとなる。そして、Wd1>W−2Pのとき、後続進入者の第二門柱側には、人が通過可能な空間が形成されない。そこで、距離検出制御手段は、第一距離検出手段で検出した第一距離Wd1がWd>W−2Pになると、第二距離検出手段からの第二距離Wd2の検出を停止する。
【0014】
二人対向通過パターンのとき、距離検出制御手段は、第二距離検出手段から初期進入者までの第二距離Wd2を検出する。そして、距離検出制御手段は、第二距離Wd2がWd2>W−2Pである間、第二距離検出手段からの第二距離Wd2の検出を継続する。二人対向通過パターンのとき、第一読取部に許可証を読み取らせた初期進入者は、第一読取部が設けられている第一門柱に沿って第二端側へ移動するのが通常である。そのため、対向する対向進入者は、第一門柱に対向する第二門柱の第二端側に設けられている第四読取部に許可証を読み取らせ、この第二門柱に沿って第一端側へ移動する。その結果、第二距離検出手段が検出する第二距離Wd2は、対向進入者の進入によってWd≦W−2Pとなる。そこで、距離検出制御手段は、第四読取部において許可証を読み取らせた対向進入者の進入によって第二距離検出手段で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pとなると、第二距離検出手段から第二距離Wd2を検出するとともに、第一距離検出手段からも第一距離Wd1を検出する。さらに、初期進入者が入退場門を通過すると、入退場門には対向進入者のみが存在する。そのため、第一距離検出手段によって検出された対向進入者までの第一距離Wd1は、Wd1>W−2Pとなる。そして、Wd1>W−2Pのとき、対向進入者の第二門柱側には、人が通過可能な空間が形成されない。そこで、距離検出制御手段は、第一距離検出手段で検出した第一距離Wd1がWd>W−2Pになると、第二距離検出手段からの第二距離Wd2の検出を停止する。
【0015】
このように、距離検出制御手段は、第一距離検出手段から距離を検出する場合、初期進入者、後続進入者若しくは対向進入者の第二門柱側に人が通過可能な空間が形成されないとき、第二距離検出手段による距離の検出を停止する。また、距離検出制御手段は、第二距離検出手段から距離を検出する場合、初期進入者、後続進入者若しくは対向進入者の第一門柱側に人が通過可能な空間が形成されないとき、第一距離検出手段による距離の検出を停止する。すなわち、距離検出制御手段は、初期進入者、後続進入者または対向進入者の通過状況に応じて、第一距離検出手段または第二距離検出手段を起動または停止する。これにより、第一距離検出手段または第二距離検出手段が起動している時間、すなわち光を照射している時間は短縮される。したがって、消費電力を低減しつつ第一距離検出手段および第二距離検出手段の寿命を延長することができる。また、請求項2記載の発明の場合、対向する一対の門柱にそれぞれ第一距離検出手段または第二距離検出手段を設けている。距離検出制御手段は、初期進入者、後続進入者または対向進入者の通過状況に応じて、これら第一距離検出手段および第二距離検出手段を制御する。これにより、第一距離検出手段または第二距離検出手段のいずれか一方を停止するときでも、通路を同時に通過する二人の進入者が検出される。したがって、同時に複数の人の通過を判別することができ、人の集中時においても円滑な人の通過を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態による入退場管理システムの概略構成を示す斜視図
【図2】一実施形態による入退場管理システムの概略構成を上方からみた模式図
【図3】一実施形態による入退場管理システムの概略構成を示すブロック図
【図4】一実施形態による入退場管理システムの距離検出部の切替制御処理の流れを示す概略図
【図5】一実施形態による入退場管理システムの一人通過パターンにおける距離検出制御処理の流れを示す概略図
【図6】一実施形態による入退場管理システムの一人通過パターンを示す概略図1
【図7】一実施形態による入退場管理システムの一人通過パターンを示す概略図2
【図8】一実施形態による入退場管理システムの一人通過パターンを示す概略図3
【図9】一実施形態による入退場管理システムの一人通過パターンを示す概略図4
【図10】一実施形態による入退場管理システムの一人通過パターンを示す概略図5
【図11】一実施形態による入退場管理システムにおいて、一人通過パターンにおける各フェーズごとの検出距離の変化を示す概略図
【図12】一実施形態による入退場管理システムの一人通過パターンを示す概略図6
【図13】一実施形態による入退場管理システムの二人同方向通過パターンにおける距離検出制御処理の流れを示す概略図
【図14】一実施形態による入退場管理システムの二人同方向通過パターンを示す概略図1
【図15】一実施形態による入退場管理システムの二人同方向通過パターンを示す概略図2
【図16】一実施形態による入退場管理システムの二人同方向通過パターンを示す概略図3
【図17】一実施形態による入退場管理システムの二人同方向通過パターンを示す概略図4
【図18】一実施形態による入退場管理システムの二人同方向通過パターンを示す概略図5
【図19】一実施形態による入退場管理システムの二人同方向通過パターンを示す概略図6
【図20】一実施形態による入退場管理システムの二人対向通過パターンにおける距離検出制御処理の流れを示す概略図
【図21】一実施形態による入退場管理システムの二人対向通過パターンを示す概略図1
【図22】一実施形態による入退場管理システムの二人対向通過パターンを示す概略図2
【図23】一実施形態による入退場管理システムの二人対向通過パターンを示す概略図3
【図24】一実施形態による入退場管理システムの二人対向通過パターンを示す概略図4
【図25】一実施形態による入退場管理システムの二人対向通過パターンを示す概略図5
【図26】一実施形態による入退場管理システムの二人対向通過パターンを示す概略図6
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、入退場管理システムの一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように入退場管理システム10は、第一門柱11、第二門柱12、第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23、第四読取部24、第一距離検出部31、第二距離検出部32および制御装置40を備えている。第一門柱11および第二門柱12は、通路14を挟んで対向して設けられ、入退場門15を構成している。入退場門15を通過する進入者としての人は、この第一門柱11と第二門柱12との間の通路14を移動する。通路14は、第一門柱11と第二門柱12との間を、対向する第一門柱11および第二門柱12と交差する方向へ延びている。この通路の延びる方向において、便宜的に図1の右方および図2の下方を第一端側とし、図1の左方および図2の上方を第二端側と定義する。通路14は、二人の人16が同時に進入可能な程度の通路幅Wを有している。
【0018】
第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23および第四読取部24は、通路14へ進入する人16が所持する許可証17を読み取る。許可証17は、例えばRFIDカードであり、進入する人16の認証に関する固有の情報を記憶している。第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23および第四読取部24は、かざされた許可証17を非接触で読み取る。通路14へ進入する人16は、第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23または第四読取部24のいずれかに許可証17をタッチした後、通路14を通過する。
【0019】
第一読取部21は、第一門柱11の第一端側に設けられている。第二読取部22は、第一門柱11の第二端側に設けられている。第三読取部23は、第二門柱12の第一端側に設けられている。第四読取部24は、第二門柱12の第二端側に設けられている。このように、第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23および第四読取部24は、それぞれ通路14の延びる方向において第一門柱11および第二門柱12の各端部に設けられている。これにより、第一端側または第二端側から通路14へ進入する人16は、第一門柱11側または第二門柱12側を経由して他方の端部側へ移動する。このように、人16は、通路14の各端部側から通路14を通過することができる。
【0020】
第一距離検出部31は、第一門柱11に設けられている。第一距離検出部31は、一対の光送受ユニット311および光送受ユニット312を有している。光送受ユニットおよび光送受ユニットは、いずれも図示しない照射部および受光部を有している。照射部は、例えばレーザ光や赤外光などの光を照射する。受光部は、照射部から照射された光を受光する。光送受ユニット311および光送受ユニット312は、照射部から照射され、対象で反射した光を受光することにより、通路14を通過する人16までの距離を検出する。これら光送受ユニット311と光送受ユニット312とは、通路14が延びる方向において予め設定された間隔で設けられている。本実施形態の場合、光送受ユニット311と光送受ユニット312との間の距離Dxは、通路14を通過する人16の平均的な厚さTに応じて、厚さTよりも小さな仮想的な値に設定されている。そのため、通路14を通過する人16は、いずれかの時期に光送受ユニット311および光送受ユニット312の双方で同時に距離が検出される。
【0021】
第二距離検出部32は、第二門柱12に設けられている。第二距離検出部32は、一対の光送受ユニット321および光送受ユニット322を有している。光送受ユニット321および光送受ユニット322は、第一距離検出部31と同様にいずれも照射部および受光部を有している。これら光送受ユニット321と光送受ユニット322とは、通路14が延びる方向において予め設定された間隔で設けられている。本実施形態の場合、光送受ユニット321と光送受ユニット322との間の距離Dxは、第一距離検出部31と同様に通路14を通過する人16の平均的な厚さTに応じて仮想的に設定されている。
【0022】
第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312と第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322とは、高さ方向または通路が延びる方向の少なくともいずれかの方向へわずかにずらされている。そのため、第一距離検出部31の光送受ユニット311または光送受ユニット312から照射された光を、第二距離検出部32の光送受ユニット321または光送受ユニット322で受光することはなく、その逆もない。
【0023】
制御装置40は、例えばCPU、ROMおよびRAMを有するコンピュータで構成されている。制御装置40は、ROMに記憶されているコンピュータプログラムにしたがって入退場管理システム10の全体を制御する。制御装置40は、図3に示すように記憶部41に接続している。記憶部41は、例えば不揮発性のメモリや光学ドライブなどの記憶媒体を有している。制御装置40は、コンピュータプログラムを実行することにより、図3に示すように通過判定部42、距離検出制御部43および認証部44をソフトウェア的に実現している。通過判定部42は、第一読取部21から第四読取部24のいずれかで許可証17を読み取らせた人16が通路14を通過したか否かを判定する。距離検出制御部43は、第一読取部21から第四読取部24のいずれかで人16が許可証17を読み取らせると、通路14を通過する人16までの距離を検出する第一距離検出部31および第二距離検出部32を制御する。具体的には、距離検出制御部43は、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312、または第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322において、人16までの距離を検出するための光の照射を制御する。認証部44は、第一読取部21から第四読取部24のいずれかで読み取られた許可証17の情報と記憶部41に記憶されているデータベースに含まれる情報とを照合する。これにより、認証部44は、読み取られた許可証17を所持する人16が通路14の通過を許可されているか否かを認証する。制御装置40は、さらに報知部45を有している。報知部45は、通路14に進入した人16が認証部44において認証されていないとき、その旨を報知する。報知部45は、例えば視覚的なランプや聴覚的なブザーを有している。報知部45は、ランプを点灯させたり、ブザーを鳴動させることにより、認証されていない人16の通過を視覚的または聴覚的に報知する。
【0024】
なお、本明細書および請求の範囲において各構成要素に付している「第一」、「第二」、「第三」、「第四」は、説明を簡単にすることを目的に、同一の構成を区別するための便宜的に付与した相対的なものであり、絶対的な意味を有するものではない。例えば第一門柱11と第二門柱12とは、通路14を挟んで対向する門柱を意味するものであって、相互に入れ替えてもよい。また、第一読取部21と第二読取部22、および第三読取部23と第四読取部24は、それぞれ同一の門柱の互いに反対側に設けられていることを意味するものであり、相対的な関係を満たせば任意に入れ替えることができる。すなわち、本明細書および請求の範囲の場合、通路14を最初に通過する初期進入者が許可証17をタッチする読取部を第一読取部21とし、この第一読取部21を基準として、各門柱、各読取部、各距離検出手段などの関係を定義して説明している。
【0025】
以下、上記の構成による入退場管理システム10の処理の流れについて説明する。
(通過パターン)
まず、通過パターンについて説明する。通過パターンは、通路14を通過する人16の状態を分類したものである。本実施形態の場合、通路14は、二人の人16が同時に通過可能な通路幅Wを有している。そのため、通路14を通過する人16は、次のいずれかのパターンに分類される。
【0026】
●一人通過パターン
一人通過パターンとは、図1および図2に示す入退場門15を通過する人16が一人のみのパターンである。すなわち、一人通過パターンの場合、入退場門15への最初の進入者である初期進入者が第一読取部21に許可証17をタッチしてから、この初期進入者が入退場門15を通過するまでの間に、他の人は第一読取部21から第四読取部24のいずれにも許可証17をタッチしない。
【0027】
●二人同方向通過パターン
二人同方向通過パターンとは、入退場門15を通過する人16が二人であり、二人の人16は同一の方向から入退場門15を通過するパターンである。すなわち、二人同方向通過パターンの場合、入退場門15への最初の進入者である初期進入者が第一読取部21に許可証17をタッチしてから、この初期進入者が入退場門15を通過するまでの間に、後続する後続進入者が第三読取部23に許可証を読み取らせて入退場門15へ進入する。
【0028】
なお、本実施形態では、初期進入者が第一読取部21に許可証をタッチしてから、初期進入者が入退場門15を通過するまでの間に、後続進入者が第一読取部21に許可証を読み取らせることは想定していない。すなわち、本実施形態では、例えば初期進入者と後続進入者とが密着している場合のような特殊な条件でない限り、後続進入者が第一読取部21に許可証17をタッチしたときには、初期進入者は既に入退場門15を通過していることを前提としている。これは、通路14が延びる方向における入退場門15の全長、または第一距離検出部31および第二距離検出部32の各光送受ユニット間の距離Dxを適切に設定することにより、第一読取部21からの同時進入は回避できるからである。
【0029】
●二人対向通過パターン
二人対向通過パターンとは、入退場門15を通過する人16が二人であり、二人の人16は異なる方向から入退場門15を通過するパターンである。すなわち、二人対向通過パターンの場合、入退場門15への最初の進入者である初期進入者が第一読取部21に許可証17をタッチしてから、この初期進入者が入退場門15を通過するまでの間に、対向する対向進入者が第四読取部24に許可証17を読み取らせて入退場門15へ進入する。
【0030】
なお、本実施形態では、初期進入者が第一読取部21に許可証17をタッチしてから、初期進入者が入退場門15を通過するまでの間に、対向進入者が第二読取部22に許可証17を読み取らせることは想定していない。本実施形態のように、通路14の通路幅Wを二人の人16が同時に通過可能な程度に設定した場合、初期進入者と対向する対向進入者は通路14でのすれ違いを考慮する。そのため、対向進入者は、特殊な事情を除き、初期進入者が進入した第一門柱11とは反対側の第二門柱12側を通過するからである。
【0031】
(距離検出部の切替制御処理)
まず、第一距離検出部31および第二距離検出部32による距離検出を切り替えるための切替制御処理について、図4に基づいて説明する。図4では、進入者が第一門柱11の第一読取部21に許可証17をタッチする際に、距離検出制御部43が第一距離検出部31の光送受ユニット311と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを切り替える流れについて説明する。
【0032】
距離検出制御部43は、第一読取部21に許可証17がタッチされると、第二距離検出部32を起動する(S001)。具体的には、距離検出制御部43は、タッチを認識した第一読取部21が設けられている第一門柱11とは通路14を挟んで反対側の第二門柱12に設けられている第二距離検出部32を起動する。これにより、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、第二門柱12側から第一門柱11側へ光を照射する。このとき、距離検出制御部43は、第一門柱11に設けられている第一距離検出部31を停止状態で維持する。
【0033】
第二距離検出部32が起動すると、距離検出制御部43は、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2がWd2<Wであるか、すなわち入退場門15の通路14へ進入者が進入したか否かを検出する(S002)。この第二距離Wd2がWd2<Wのとき、第二距離検出部32の光送受ユニット322から照射された光は、入退場門15の通路14を通過する進入者によって反射する。一方、この第二距離Wd2がWd2=Wのとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321から照射された光は、通路14を挟んで対向する第一門柱11で反射している。そのため、距離検出制御部43は、すなわちWd2=Wと判断すると(S002:No)、許可証17を第一読取部21にタッチした進入者が入退場門15の通路14へまだ進入していないと判定し、入退場門15の通路14へ進入者が進入するまで待機する。
【0034】
距離検出制御部43は、S002において光送受ユニット321で検出した第二距離Wd2がWd2<2であると判定すると(S002:Yes)、検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pであるか否かを判定する(S003)。ここで、Wは、上記の通り通路14の幅であり、既知の値として予め記憶部41に記憶されている。また、Pは、仮想的な人幅である。図2に示すように入退場門15の通路14を通過する人16は、ある程度の範囲はあっても、最小人幅Piから最大人幅Paの範囲含まれる。すなわち、人16の幅の範囲は、Pi<P<Paである。仮想人幅Pは、この人16の幅の平均的な値または統計的な代表値として仮想的に設定されている。本実施形態の場合、二人の人16が同時に通路14を通過可能である。そのため、仮想人幅Pは、通路14の通路幅Wの1/2を超えない値として設定されている。設定された仮想人幅Pは、既知の値として予め記憶部41に記憶されている。
【0035】
このように、仮想人幅Pを定義したとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pであれば(S003:Yes)、光送受ユニット321で検出した進入者の第一門柱11側には他の人が通過可能な空間は存在していないと考えられる。そのため、光送受ユニット321で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pであれば、入退場門15の通路14には進入者のみが存在し、かつ進入者は光送受ユニット321によって捕捉されていることになる。したがって、距離検出制御部43は、Wd2>W−2Pであれば、進入者が光送受ユニット321が照射する光、すなわち光送受ユニット321のビームラインを通過するまで、光送受ユニット321による進入者の検出を継続する(S004)。このとき、距離検出制御部43は、第一距離検出部31を停止状態とする(S005)。
【0036】
距離検出制御部43は、S004において光送受ユニット321による検出の継続、およびS005において第一距離検出部31による検出を停止すると、第二距離検出部32の光送受ユニット321で検出した第二距離Wd2がWd2=Wであるか否かを判定する(S006)。すなわち、距離検出制御部43は、進入者が光送受ユニット321のビームラインを通過したか否かを判定する。距離検出制御部43は、S006において第二距離Wd2がWd2=Wであると判定すると(S006:Yes)、進入者は光送受ユニット321のビームラインを既に通過したと判定して処理を終了する。また、距離検出制御部43は、S006において第二距離Wd2がWd2<Wであると判定すると(S006:No)、進入者は光送受ユニット321のビームラインをまだ通過していないと判定してS003以降の処理を繰り返す。
【0037】
一方、S006において光送受ユニット321で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pであるとき(S006:No)、第二距離検出部32の光送受ユニット321で検出した進入者の第一門柱11側には他の人が通過可能な空間が存在していると考えられる。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット321で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pであれば、入退場門15の通路14には進入者に加え、他の人が進入するおそれがある。そこで、距離検出制御部43は、S006で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pであれば、第二距離検出部32を停止し(S007)、第一距離検出部31の光送受ユニット311により第一距離Wd1の検出を継続する(S008)。すなわち、距離検出制御部43は、第二距離検出部32の電源を遮断し、第一距離検出部31の電源を投入して第一距離検出部31を起動する。これにより、第一距離検出部31の光送受ユニット311は、第一門柱11側から第二門柱12側へ光を照射する。そして、距離検出制御部43は、光送受ユニット311が照射する光、すなわちビームラインを進入者が通過するまで、第一距離検出部31の光送受ユニット311から進入者までの第一距離Wd1の検出を継続する。
【0038】
距離検出制御部43は、第一距離検出部31の光送受ユニット311による第一距離Wd1の検出するとき、この光送受ユニット311で検出した第一距離Wd1がWd1=Wであるか否かを判定する(S009)。すなわち、距離検出制御部43は、進入者が光送受ユニット311のビームラインを通過したか否かを判定する。距離検出制御部43は、S009において光送受ユニット311で検出した第一距離Wd1がWd1=Wであると判定すると(S009:Yes)、進入者は光送受ユニット311のビームラインを既に通過したと判定して処理を終了する。また、距離検出制御部43は、S009において光送受ユニット311で検出した第一距離Wd1がWd1<Wであると判定すると(S009:No)、進入者は光送受ユニット311のビームラインをまだ通過していないと判定する。そのため、距離検出制御部43は、第一距離検出部31の光送受ユニット311で検出した第一距離Wd1が、Wd1>W−2Pであるか否かを判断する(S010)。距離検出制御部43は、S010において検出した第一距離Wd1がWd1>W−2Pであれば(S010:Yes)、第一距離検出部31の光送受ユニット311で検出した進入者の第二門柱12側には他の人が通過可能な空間が存在していないと考えられることから、S007へリターンし、S007以降の処理を繰り返す。一方、入退場門15の通路14で進入者がジグザグに移動することは考えられないものの、S010において光送受ユニット311で検出した第一距離Wd1がWd1≦W−2Pであれば(S010:No)、第一距離検出部31の光送受ユニット311で検出した進入者の第二門柱12側には他の人が通過可能な空間が存在していると考えられる。そこで、距離検出制御部43は、光送受ユニット311で検出した第一距離Wd1がWd1≦W−2Pであれば、S004へリターンし、第二距離検出部32の光送受ユニット321で進入者までの距離を再び検出する。すなわち、距離検出制御部43は、S004へ移行して第二距離検出部32を起動するとともに、第二距離検出部32の光送受ユニット321により進入者までの距離を検出する。そして、距離検出制御部43は、起動している第一距離検出部31をS005において停止する。
【0039】
以上の手順によって、距離検出制御部43は、入退場門15の通路14を通過する進入者までの距離に応じて、第二距離検出部32の光送受ユニット321による第二距離Wd2の検出と、第一距離検出部31の光送受ユニット311による第一距離Wd1の検出とを切り替える。これにより、第二距離検出部32で第二距離Wd2を検出する場合、進入者の第一門柱11側に他の人が通過可能な空間があるとき、および第一距離検出部31で第一距離Wd1を検出する場合、進入者の第二門柱12側に他の人が通過可能な空間があるとき、いずれも他の進入者が通過可能な空間側に光が照射される。そのため、第一距離検出部31または第二距離検出部32のいずれか一方から光を照射する場合でも、進入者による死角の発生が回避され、認証を受けていない進入者を検出することができる。
【0040】
なお、上述の例では、進入者が第二距離検出部32の光送受ユニット321と第一距離検出部31の光送受ユニット311とを結ぶ線上を通過する場合について説明した。しかし、進入者は、この第二距離検出部32の光送受ユニット321と第一距離検出部31の光送受ユニット311とを結ぶ線上を通過した後、第二距離検出部32の光送受ユニット322と第一距離検出部31の光送受ユニット312とを結ぶ線上を通過する。この場合でも、距離検出制御部43は、上述の例と同様に第二距離検出部32の光送受ユニット322による第二距離Wd2の検出と第一距離検出部31の光送受ユニット312による第一距離Wd1の検出とを切り替える。
上述の第二距離検出部32による第二距離Wd2の検出と第一距離検出部31による第一距離Wd1とを切り替える手順を前提として、各通過パターンにおける距離検出制御処理について以下に説明する。
【0041】
(一人通過パターンにおける距離検出制御処理)
「一人通過パターン」における距離検出制御処理について図5に基づいて説明する。距離検出制御部43は、「一人通過パターン」であるとき、次の流れで第一距離検出部31および第二距離検出部32を制御する。
距離検出制御部43は、第一端側から進入する初期進入者が第一読取部21に許可証17をタッチするまで第一距離検出部31および第二距離検出部32を停止している(S101)。すなわち、距離検出制御部43は、第一距離検出部31および第二距離検出部32の電源を遮断し、第一距離検出部31および第二距離検出部32への電力の供給を停止している。
【0042】
距離検出制御部43は、図6に示すように初期進入者51が第一読取部21に許可証17をタッチすると(S102)、第二距離検出部32を起動する(S103)。具体的には、距離検出制御部43は、第一読取部21における許可証17のタッチを認識すると、第二門柱12に設けられている第二距離検出部32を起動する。すなわち、距離検出制御部43は、タッチを認識した第一読取部21が設けられている第一門柱11とは通路14を挟んで反対側の第二門柱12に設けられている第二距離検出部32を起動する。これにより、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、第二門柱12側から第一門柱11側へ光を照射する。このとき、距離検出制御部43は、第一門柱11に設けられている第一距離検出部31を停止状態で維持する。初期進入者51が第一読取部21に許可証17をタッチしたとき、すなわち許可証17をタッチした瞬間、初期進入者51は、図6に示すようにまだ入退場門15の通路14に進入していない。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、いずれも通路14の通路幅Wを検出している。この図6に示す状態は、第一フェーズと定義する。
【0043】
第一フェーズの後、初期進入者51が第一端側から入退場門15の通路14へ進入した直後、図7に示すように初期進入者51はまず第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光を遮る。この図7に示す状態は、第二フェーズと定義する。この第二フェーズにあるとき、光送受ユニット321は、初期進入者51までの距離を第二距離Wd2として検出する。一方、初期進入者51は、第二距離検出部32の光送受ユニット322が照射する光を遮っていない。そのため、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2=Wである。
【0044】
第二フェーズから初期進入者51が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図8に示すように初期進入者51は第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光、および光送受ユニット322が照射する光の双方を遮る。この図8に示す状態は、第三フェーズと定義する。この第三フェーズにあるとき、光送受ユニット321および光送受ユニット322は、初期進入者51までの距離を第二距離Wd2として検出する。ここで、光送受ユニット321が検出する初期進入者51までの第二距離Wd2と光送受ユニット322が検出する初期進入者51までの第二距離とは、初期進入者51の姿勢が通常であれば、ほぼ同一または異なっていてもその差がわずかである。
【0045】
第三フェーズから初期進入者51が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図9に示すように初期進入者51は第二距離検出部32の光送受ユニット322が照射する光を遮る。この図9に示す状態は、第四フェーズと定義する。この第四フェーズにあるとき、光送受ユニット322は、初期進入者51までの距離を第二距離Wd2として検出する。一方、初期進入者51は、第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光を遮っていない。そのため、光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2=Wである。
【0046】
第四フェーズの初期進入者が入退場門15の通路14を第二端側への通過を完了すると、図10に示すように初期進入者51は第二距離検出部32の光送受ユニット321から照射された光、および光送受ユニット322から照射された光のいずれも遮らない。この図10に示す状態は、第五フェーズと定義する。この第五フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、いずれも通路14の通路幅Wを検出している。
【0047】
このように、初期進入者51が入退場門15の通路14を第一端側から第二端側へ通過するとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、第一フェーズから第五フェーズへ図11(A)に示すような距離を検出する。したがって、通過判定部42は、第一フェーズから第五フェーズへ図11(A)に示すような距離の検出パターンを検出したとき、第一読取部21に許可証17をタッチした初期進入者51が入退場門15の通路14を通過したと判定する。
【0048】
ここで、初期進入者51が入退場門15の通路を第一端側から第二端側まで通過する間に、入退場門15の通路14に許可証17による認証を受けていない非認証人が進入する場合を想定する。この場合、非認証人は、入退場門15の通路14のうち初期進入者51がいない側、すなわち図2における第二門柱12側を通過することが考えられる。本実施形態では、第一読取部21に許可証17をタッチした初期進入者51が入退場門15の通路14を通過するとき、第一読取部21が設けられている第一門柱11とは通路14を挟んで反対の第二門柱12に設けられている第二距離検出部32から光が照射される。そのため、通路14の第二門柱12側を第一端側または第二端側から非認証人が通過するとき、この非認証人は、第二距離検出部32からの光で検出される。その結果、通路14の第一門柱11側を初期進入者51が通過する場合でも、非認証人を検出することができる。報知部45は、非認証人を検出すると、その旨を視覚的または聴覚的な手段によって報知する。
【0049】
ところで、通常であれば、第一読取部21に許可証17をタッチして入退場門15に進入した初期進入者は、そのまま第一門柱11に沿って通路14を直進して入退場門15を離脱する。しかし、例えば希なケースではあるものの、図12に示すように通路14の第一門柱11側に落下物や通路14の破損などの障害52があると、初期進入者51は第一読取部21に許可証17をタッチしつつこの障害52を回避して第二門柱12側へ移動しながら通路14を通過することも考えられる。この場合、第二距離検出部32からのみ光を照射すると、初期進入者51の通過を捕捉することはできても、この初期進入者51よりも第一門柱11側に他の人が存在するか否かを検出することはできない。
【0050】
そこで、距離検出制御部43は、S103において第二距離検出部32を起動し、入退場門15を通過する初期進入者51までの距離を検出すると、検出した距離すなわち第二距離Wd2が、Wd2>W−2Pであるか否かを判断する(S104)。ここで、Wは、上記の通り通路14の幅であり、既知の値として予め記憶部41に記憶されている。また、Pは、仮想的な人幅である。図2に示すように入退場門15の通路14を通過する人16は、ある程度の範囲はあっても、最小人幅Piから最大人幅Paの範囲含まれる。すなわち、人16の幅の範囲は、Pi<P<Paである。仮想人幅Pは、この人16の幅の平均的な値または統計的な代表値として仮想的に設定されている。本実施形態の場合、二人の人16が同時に通路14を通過可能である。そのため、仮想人幅Pは、通路14の通路幅Wの1/2を超えない値として設定されている。設定された仮想人幅Pは、既知の値として予め記憶部41に記憶されている。
【0051】
このように、仮想人幅Pを定義したとき、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pであれば(S104:Yes)、第二距離検出部32で検出した初期進入者51の第一門柱11側には他の人が通過可能な空間は存在していないと考えられる。そのため、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pであれば、入退場門15の通路14には初期進入者51のみが存在し、かつ初期進入者51は第二距離検出部32によって捕捉されていることになる。したがって、距離検出制御部43は、Wd2>W−2Pであれば、初期進入者51が入退場門15を通過するまで、第二距離検出部32による初期進入者51の検出を継続する(S105)。
【0052】
一方、S104において第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pであれば(S104:No)、第二距離検出部32で検出した初期進入者51の第一門柱11側には他の人が通過可能な空間が存在していると考えられる。そのため、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pであれば、入退場門15の通路14には初期進入者51に加え、他の人が進入するおそれがある。したがって、距離検出制御部43は、S104において第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pであれば(S104:No)、第二距離検出部32を停止し(S106)、第一距離検出部31を起動して、第一距離検出部31による第一距離Wd1の検出を継続する(S107)。すなわち、距離検出制御部43は、第二距離検出部32の電源を遮断し、第一距離検出部31の電源を投入して第一距離検出部31を起動する。これにより、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312は、図12に示すように第一門柱11側から第二門柱12側へ光を照射する。そして、距離検出制御部43は、初期進入者51が入退場門15を通過するまで、第一距離検出部31から初期進入者51までの距離の検出を継続する。
【0053】
一例として、図9に示すように第四フェーズにあるとき、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pとなったとする。このように、第四フェーズにおいて、第二距離検出部32で検出する第二距離Wd2がWd2≦W−2Pとなったときを、図11(B)に示すように第四フェーズ(1)と定義する。この第四フェーズ(1)になると、距離検出制御部43は、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322を停止し、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312の電力を投入する。このように、第四フェーズにおいて、第一距離検出部31の電源と第二距離検出部32の電源とが入れ替わったときを、第四フェーズ(2)と定義する。このとき、初期進入者51は、第一距離検出部31の光送受ユニット312が照射する光を遮る。そのため、第一距離検出部31の光送受ユニット312は、初期進入者51までの距離を第一距離Wd1として検出する。一方、初期進入者51は、第一距離検出部31の光送受ユニット311が照射する光を遮っていない。そのため、光送受ユニット311が検出する第一距離Wd1は、Wd1=Wである。
【0054】
このように、初期進入者51が入退場門15の通路14を第一端側から第二端側へ斜めに通過するとき、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312、ならびに第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、第一フェーズから第五フェーズへ図11(B)に示すような距離を検出する。したがって、通過判定部42は、第一フェーズから第五フェーズへ図11(B)に示すような距離の変化状況を検出したとき、第一読取部21に許可証17をタッチした初期進入者51が入退場門15の通路14を通過したと判断する。なお、第二距離検出部32は、上記の例の第四フェーズだけでなく、第二フェーズまたは第三フェーズで第二距離Wd2をWd2≦W−2Pと検出することも考えられる。この場合、第二距離Wd2がWd2≦W−2Pとなるフェーズにおいて、距離検出制御部43は距離の検出を第二距離検出部32から第一距離検出部31へ切り替える。したがって、通過判定部42は、図11(C)および図11(D)に示すような距離の変化状況を検出すると、初期進入者51が入退場門15の通路14を通過したと判断する。
【0055】
ここで、初期進入者51が入退場門15を図12に示すように通路14を斜めに移動しながら第一端側から第二端側まで通過する間に、入退場門15の通路14に許可証17による認証を受けていない非認証人が進入する場合を想定する。この場合、非認証人は、入退場門15の通路14のうち初期進入者51がいない側、すなわち図2および図12における第一門柱11側を通過することが考えられる。本実施形態では、第一読取部21に許可証17をタッチした初期進入者51が第一門柱11側から第二門柱12側へ斜めに通過するとき、初期進入者51と第二門柱12との距離が小さくなると、初期進入者51が近い第二門柱12とは逆の第一門柱11に設けられている第一距離検出部31から光が照射される。そのため、通路14の第一門柱11側を第一端側または第二端側から非認証人が通過するとき、この非認証人は、第一距離検出部31からの光で検出される。その結果、通路14の第一門柱11側から第二門柱12側へ初期進入者51が斜めに通過する場合でも、非認証人を検出することができる。報知部45は、非認証人を検出すると、その旨を視覚的または聴覚的な手段によって報知する。
なお、距離検出制御部43は、S108において第二距離検出部32から初期進入者51までの第二距離Wd2の検出を停止した後でも、継続して第二距離検出部32から初期進入者51までの距離Wd2を検出してもよい。これにより、通路14へ進入する他の人の検出精度をより高めることができる。
【0056】
(二人同方向通過パターンにおける距離検出制御処理)
次に、「二人同方向通過パターン」における距離検出制御処理について図13に基づいて説明する。距離検出制御部43は、「二人同方向通過パターン」であるとき、次の流れで第一距離検出部31および第二距離検出部32を制御する。なお、上述の「一人通過パターン」と同様の処理は説明を省略する。
距離検出制御部43は、第一端側から進入する初期進入者が第一読取部21に許可証17をタッチするまで第一距離検出部31および第二距離検出部32を停止している(S201)。すなわち、距離検出制御部43は、第一距離検出部31および第二距離検出部32の電源を遮断し、第一距離検出部31および第二距離検出部32への電力の供給を停止している。
【0057】
距離検出制御部43は、図14に示すように初期進入者61が第一読取部21に許可証17をタッチすると(S202)、第二距離検出部32を起動する(S203)。これにより、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、第二門柱12側から第一門柱11側へ光を照射する。このとき、距離検出制御部43は、第一門柱11に設けられている第一距離検出部31を停止状態で維持する。初期進入者61が第一読取部21に許可証17をタッチしたとき、すなわち許可証17をタッチした瞬間、初期進入者71は、図14に示すようにまだ入退場門15の通路14に進入していない。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、いずれも第二距離Wd2として通路14の通路幅Wを検出している。この図14に示す状態は、第一フェーズと定義する。
【0058】
第一フェーズの後、初期進入者61が第一端側から入退場門15の通路14へ進入した直後、図15に示すように初期進入者61はまず第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光を遮る。また、このとき、初期進入者61に後続する後続進入者62は、第二門柱12に設けられている第三読取部23に許可証17をタッチする(S204)。後続進入者62が第三読取部23に許可証17をタッチしたとき、すなわち許可証17をタッチした瞬間、後続進入者62は、図15に示すようにまだ入退場門15の通路14に進入していない。この図15に示す状態は、第二フェーズと定義する。
【0059】
図15に示す第二フェーズにあるとき、距離検出制御部43は、第二距離検出部32からの光の照射を継続する。すなわち、第二距離検出部32は、入退場門15の通路14を通過する初期進入者61を検出する。この第二フェーズにあるとき、光送受ユニット321は、初期進入者61までの距離を第二距離Wd2として検出する。このとき、光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。一方、初期進入者61は、第二距離検出部32の光送受ユニット322が照射する光を遮っていない。そのため、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2=Wである。
【0060】
第二フェーズから初期進入者61が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図16に示すように初期進入者61は第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光、および光送受ユニット322が照射する光の双方を遮る位置に到達する。この図16に示す状態は、第三フェーズと定義する。この第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット322は、初期進入者61までの距離を第二距離Wd2として検出する。このとき、光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。ここで、この第三フェーズにあるとき、後続進入者62は、第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光を遮る。そのため、本来であれば初期進入者61に到達する光送受ユニット321が照射する光は、後続進入者62によって遮られる。その結果、第二距離検出部32の光送受ユニット321は、後続進入者62までの距離を第二距離Wdとして検出する。
【0061】
この場合、第二距離検出部32の光送受ユニット321が検出する後続進入者62までの第二距離Wdは、Wd≦W−2Pとなる。後続進入者62は、通路14の第一門柱11側を通過する初期進入者61を避けつつ第二門柱12側を移動する。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット321から後続進入者62までの第二距離Wd2は、Wd≦W−2Pとなる。その結果、後続進入者62を挟んで第二距離検出部32の反対側には、他の人が通過可能な空間、すなわち光送受ユニット321からの光が到達しない領域が形成される。そこで、距離検出制御部43は、S204において後続進入者62が第三読取部23に許可証17をタッチすると、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2が、Wd2>W−2Pであるかを常に判定する(S205)。
【0062】
距離検出制御部43は、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pであると判定とき(S205:Yes)、第二距離検出部32による距離の検出を継続する(S206)。すなわち、第二距離Wd2がWd2>W−2Pのとき、第三読取部23に許可証17をタッチした後続進入者62は入退場門15の通路14へ到達していない。言い換えると、第二距離がWd2>W−2Pであるとき、後続進入者62は、第三読取部23に許可証17をタッチしたものの、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322が照射する光を遮っていない状態である。この場合、図15に示す第二フェーズに相当するため、初期進入者61を捕捉することにより、他の人が入退場門15の通路14へ進入することは考えられない。
【0063】
一方、距離検出制御部43は、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pでないと判定したとき、つまりWd2≦W−2Pであると判定したとき(S205:No)、第二距離検出部32による距離の検出に加え、第一距離検出部31を起動する(S207)。すなわち、第二距離Wd2がWd2≦W−2Pのとき、第三読取部23に許可証17をタッチした後続進入者62は入退場門15の通路14へ到達する。そのため、後続進入者62は、第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射した光を遮ることとなる。その結果、後続進入者62の第一門柱11側には、他の人が通過可能な空間、すなわち第二距離検出部32の光送受ユニット321からの光が照射されない領域が形成される。そこで、距離検出制御部43は、第一距離検出部31を起動し、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312から光を照射する。
【0064】
このとき、初期進入者61は、上述の通り第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322の双方の光を遮る位置に到達している。そのため、第二距離検出部32に対向して設けられている第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312からの光は、いずれも初期進入者61によって遮られる。その結果、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312が検出する初期進入者61までの第一距離Wd1は、いずれもWd1≦W−2Pとなる。このように第二距離検出部32に加えて第一距離検出部31が起動されたとき、距離検出制御部43は、第一距離検出部31で検出した第一距離Wd1がWd1>W−2Pであるか否かを判定する(S208)。
【0065】
距離検出制御部43は、S208において第一距離Wd1がWd1>W−2Pであると判定すると(S208:Yes)、第二距離検出部32による距離の検出を停止する(S209)。第一距離Wd1がWd1>W−2Pであると判定されたとき、対象となる後続進入者62を挟んで第二門柱12側には、他の人が通過可能な空間が形成されない。これにより、第二距離検出部32による距離の検出は不要となるため、距離検出制御部43は第二距離検出部32からの距離の検出を停止する。そして、距離検出制御部43は、S209において第二距離検出部32を停止した後、第一距離Wd1がWd1=W、すなわち通路幅Wと等しいか否かを判定する(S210)。距離検出制御部43は、第一距離Wd1がWd1=Wと判定すると(S210:Yes)、第一距離検出部31による距離の検出も停止する(S211)。第一距離Wd1がWd1=Wであるとき、入退場門15の通路14には後続進入者62を含めた人が存在していない状態となる。そこで、距離検出制御部43は、第一距離Wd1がWd1=Wであるとき、第一距離検出部31も停止する。ここで、距離検出制御部43は、S210において第一距離Wd1がWd1=Wでない、すなわちWd1>W−2Pであるとき(S210:No)、第一距離Wd1がWd1=Wになるまで待機する。
【0066】
第一門柱11側への初期進入者61に後続して後続進入者62が第二門柱12側へ進入する場合、第一距離Wd1に先立って第二距離Wd2がWd2>W−2Pになることはない。そのため、距離検出制御部43は、S208において、第一距離Wd1がWd1>W−2Pでない、すなわちWd1≦W−2Pである間(S208:No)、S208において第一距離検出部31および第二距離検出部32による距離の検出を継続する。
【0067】
以上の手順を前提として第三フェーズ以降を詳細に説明する。
まず、第三フェーズについて説明する。
図16に示す第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321から照射される光は、後続進入者62で遮られる。そのため、光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2≦W−2Pとなる。そこで、距離検出制御部43は、第二距離検出部32に加え、第一距離検出部31からも距離の検出を行う。このとき、初期進入者61は、第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光、および光送受ユニット312から照射された光を遮る位置にある。そのため、光送受ユニット311で検出される初期進入者61の第一距離Wd1、および光送受ユニット312で検出される初期進入者61の第一距離Wd1は、いずれもWd1≦W−2Pとなる。したがって、距離検出制御部43は、第一距離検出部31だけでなく、第二距離検出部32による距離の検出も継続して行う。
【0068】
図16に示す第三フェーズにあるとき、上述の通り、後続進入者62は第二距離検出部32の光送受ユニット321から照射された光を遮る位置にある。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット321が検出する後続進入者62までの第二距離Wd2はWd2≦W−2Pである。また、第二距離検出部32の光送受ユニット322が照射する光は、初期進入者61によって遮られている。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。
【0069】
このように第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。このことから、第二距離検出部32から初期進入者61までの間には他の人が存在しないことが検出される。これは、第一距離検出部31の光送受ユニット312が検出する初期進入者61までの第一距離Wd1がWd1≦W−2Pであることからも明らかである。すなわち、第一距離検出部31の光送受ユニット312と第二距離検出部32の光送受ユニット322とを結ぶ線上には、初期進入者61のみの存在が検出される。
【0070】
また、第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321から照射された光は、後続進入者62までしか到達しない。そのため、光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2≦W−2Pとなる。一方、この第二距離検出部32の光送受ユニット321と対向する第一距離検出部31の光送受ユニット311は、初期進入者61を検出している。そのため、光送受ユニット311が検出する第一距離Wd1は、Wd1≦W−2Pとなる。これら、光送受ユニット311で検出された第一距離Wd1、光送受ユニット321で検出された第二距離Wd2、初期進入者61の人幅Pおよび後続進入者62の人幅Pの総和(Wd1+Wd2+P+P)は、通路幅Wよりもやや小さくなる。すなわち、通路幅Wから総和(Wd1+Wd2+P+P)を減じたとき、通路14には人が通過可能な空間は形成されない。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット311と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを結ぶ線上には、初期進入者61および後続進入者62が同時に存在していることが検出される。
【0071】
次に、第四フェーズについて説明する。
図16に示す第三フェーズから初期進入者61および後続進入者62が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図17に示すように後続進入者62は第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光、および光送受ユニット322が照射する光の双方を遮る位置に到達する。このとき、初期進入者61は、第一距離検出部31の光送受ユニット312から照射された光、および第二距離検出部32の光送受ユニット322から照射された光を遮る位置にある。この図17に示す状態は、第四フェーズと定義する。この第四フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、後続進入者62までの距離を第二距離Wd2として検出する。この第四フェーズで検出される後続進入者62までの第二距離Wd2は、光送受ユニット321および光送受ユニット322のいずれもWd2≦W−2Pである。そのため、距離検出制御部43は、第二距離検出部32に加え第一距離検出部31からも光を照射する。この第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光は、後続進入者62まで到達する。そのため、光送受ユニット311が検出する第一距離Wd1は、Wd1>W−2Pとなる。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット311から後続進入者62までの間には、他の人が存在しないことが検出される。すなわち、第一距離検出部31の光送受ユニット311と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを結ぶ線上には、後続進入者62のみの存在が検出される。
【0072】
また、第四フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット312から照射された光は、初期進入者61までしか到達しない。そのため、光送受ユニット312が検出する第一距離Wd1は、Wd1≦W−2Pとなる。一方、この第一距離検出部31の光送受ユニット312と対向する第二距離検出部32の光送受ユニット322は、後続進入者62を検出している。そのため、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2≦W−2Pとなる。これら光送受ユニット312で検出された第一距離Wd1、光送受ユニット322で検出された第二距離Wd2、初期進入者61の人幅Pおよび後続進入者62の人幅Pの総和(Wd1+Wd2+P+P)は、通路幅Wよりもやや小さくなる。すなわち、通路幅Wから総和(Wd1+Wd2+P+P)を減じたとき、通路14には人が通過可能な空間が形成されない。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット312と第二距離検出部32の光送受ユニット322とを結ぶ線上には、初期進入者61および後続進入者62の存在が検出される。
【0073】
次に、第五フェーズについて説明する。
図17に示す第四フェーズから初期進入者61および後続進入者62が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図18に示すように後続進入者62は、第一距離検出部31の光送受ユニット312が照射する光を遮る位置に到達する。このとき、初期進入者61は、入退場門15をすでに通過している。この図18に示す状態は、第五フェーズと定義する。この第五フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット312から照射された光は、後続進入者62によって遮られる。そのため、光送受ユニット312が検出する第一距離Wd1は、Wd1>W−2Pとなる。これにより、後続進入者62の第二門柱12側には、人が通過可能な空間が形成されない。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット312と第二距離検出部32の光送受ユニット322とを結ぶ線上には、後続進入者62のみが存在していることが検出される。したがって、距離検出制御部43は、第二距離検出部32による後続進入者62の検出を停止する。
【0074】
また、第五フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光は、後続進入者62によって遮られることなく、第二門柱12へ到達する。そのため、光送受ユニット311が検出する第一距離Wd1は、Wd1=Wとなる。このことから、第一距離検出部31が設けられている第一門柱11から第二門柱12までの間には、他の人が存在しないことが検出される。すなわち、第一距離検出部31の光送受ユニット311と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを結ぶ線上には、後続進入者62を含め人が存在していないことになる。
【0075】
次に、第六フェーズについて説明する。
図18に示す第五フェーズから初期進入者61および後続進入者62が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図19に示すように後続進入者62も入退場門15を通過する。この図19に示す状態は、第六フェーズと定義する。この第六フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光、および光送受ユニット322から照射された光は、いずれも人によって遮られない。そのため、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312が検出する第一距離Wd1は、Wd1=Wとなる。これにより、第一門柱11と第二門柱12との間の通路14には、初期進入者61および後続進入者62を含む人が存在していないこととなる。したがって、距離検出制御部43は、第一距離検出部31からの光の照射を停止する。
【0076】
(二人対向通過パターンにおける距離検出制御処理)
「二人対向通過パターン」における距離検出制御処理について図20に基づいて説明する。距離検出制御部43は、「二人対向通過パターン」であるとき、次の流れで第一距離検出部31および第二距離検出部32を制御する。なお、上述の「二人同方向通過パターン」と同様の処理は説明を省略する。
距離検出制御部43は、第一端側から進入する初期進入者が第一読取部21に許可証17をタッチするまで第一距離検出部31および第二距離検出部32を停止している(S301)。すなわち、距離検出制御部43は、第一距離検出部31および第二距離検出部32の電源を遮断し、第一距離検出部31および第二距離検出部32への電力の供給を停止している。
【0077】
距離検出制御部43は、図21に示すように初期進入者71が第一読取部21に許可証17をタッチすると(S302)、第二距離検出部32を起動する(S303)。これにより、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、第二門柱12側から第一門柱11側へ光を照射する。このとき、距離検出制御部43は、第一門柱11に設けられている第一距離検出部31を停止状態で維持する。初期進入者71が第一読取部21に許可証17をタッチしたとき、すなわち許可証17をタッチした瞬間、初期進入者71は、図21に示すようにまだ入退場門15の通路14に進入していない。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、いずれも通路14の通路幅Wを検出している。この図21に示す状態は、第一フェーズと定義する。
【0078】
第一フェーズの後、初期進入者71が第一端側から入退場門15の通路14へ進入した直後、図22に示すように初期進入者71はまず第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光を遮る。また、このとき、初期進入者71に対向して第二端側から入退場門15へ進入する対向進入者72は、第二門柱12に設けられている第四読取部24に許可証17をタッチする(S304)。対向進入者72が第四読取部24に許可証17をタッチしたとき、すなわち許可証17をタッチした瞬間、対向進入者72は、図22に示すようにまだ入退場門15の通路14に進入していない。この図22に示す状態は、第二フェーズと定義する。
【0079】
図22に示す第二フェーズにあるとき、距離検出制御部43は、第二距離検出部32からの光の照射を継続する。すなわち、第二距離検出部32は、入退場門15の通路14を通過する初期進入者71を検出する。この第二フェーズにあるとき、光送受ユニット321は、初期進入者71までの距離を第二距離Wd2として検出する。このとき、光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。一方、初期進入者71は、第二距離検出部32の光送受ユニット322が照射する光を遮っていない。そのため、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2=Wである。
【0080】
第二フェーズから初期進入者71が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図23に示すように初期進入者71は第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光、および光送受ユニット322が照射する光の双方を遮る位置に到達する。この図23に示す状態は、第三フェーズと定義する。この第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321は、初期進入者71までの距離を第二距離Wd2として検出する。このとき、光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。ここで、この第三フェーズにあるとき、対向進入者72は、第二距離検出部32の光送受ユニット322が照射する光を遮る。そのため、本来であれば初期進入者71に到達する光送受ユニット322が照射する光は、対向進入者72によって遮られる。その結果、第二距離検出部32の光送受ユニット322は、対向進入者72までの距離を第二距離Wdとして検出する。
【0081】
この場合、第二距離検出部32の光送受ユニット322が検出する対向進入者72までの第二距離Wdは、Wd≦W−2Pとなる。すなわち、対向進入者72は、通路14の第一門柱11側を通過する初期進入者71を避けつつ第二門柱12側を移動する。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット322から対向進入者72までの第二距離Wd2は、Wd≦W−2Pとなる。その結果、対向進入者72を挟んで第二距離検出部32の反対側には、他の人が通過可能な空間、すなわち光送受ユニット322からの光が到達しない領域が形成される。そこで、距離検出制御部43は、S304において対向進入者72が第四読取部24に許可証17をタッチすると、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2が、Wd2>W−2Pであるかを常に判定する(S305)。
【0082】
距離検出制御部43は、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pであると判定とき(S305:Yes)、第二距離検出部32による距離の検出を継続する(S306)。すなわち、第二距離Wd2がWd2>W−2Pのとき、第四読取部24に許可証17をタッチした対向進入者72は入退場門15の通路14へ到達していない。言い換えると、第二距離がWd2>W−2Pであるとき、対向進入者72は、第四読取部24に許可証17をタッチしたものの、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322が照射する光を遮っていない状態である。この場合、図22に示す第二フェーズに相当するため、初期進入者71を捕捉することにより、他の人が入退場門15の通路14へ進入することは考えられない。
【0083】
一方、距離検出制御部43は、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pでないと判定したとき、つまりWd2≦W−2Pであると判定したとき(S305:No)、第二距離検出部32による距離の検出に加え、第一距離検出部31を起動する(S307)。すなわち、第二距離Wd2がWd2≦W−2Pのとき、第四読取部24に許可証17をタッチした対向進入者72は入退場門15の通路14へ到達する。そのため、対向進入者72は、第二距離検出部32の光送受ユニット322が照射した光を遮ることとなる。その結果、対向進入者72の第一門柱11側には、他の人が通過可能な空間、すなわち第二距離検出部32の光送受ユニット322からの光が照射されない領域が形成される。そこで、距離検出制御部43は、第一距離検出部31を起動し、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312から光を照射する。
【0084】
このとき、初期進入者71は、上述の通り第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322の双方の光を遮る位置に到達している。そのため、第二距離検出部32に対向して設けられている第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312からの光は、いずれも初期進入者71によって遮られる。その結果、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312が検出する初期進入者71までの第一距離Wd1は、いずれもWd1≦W−2Pとなる。このように第二距離検出部32に加えて第一距離検出部31が起動されたとき、距離検出制御部43は、第一距離検出部31で検出した第一距離Wd1がWd1>W−2Pであるか否かを判定する(S308)。
【0085】
距離検出制御部43は、S308において第一距離Wd1がWd1>W−2Pであると判定すると(S308:Yes)、第二距離検出部32による距離の検出を停止する(S309)。第一距離Wd1がWd1>W−2Pであると判定されたとき、対象となる対向進入者72を挟んで第二門柱12側には、他の人が通過可能な空間が形成されない。これにより、第二距離検出部32による距離の検出は不要となるため、距離検出制御部43は第二距離検出部32からの距離の検出を停止する。そして、距離検出制御部43は、S309において第二距離検出部32を停止した後、第一距離Wd1がWd1=W、すなわち通路幅Wと等しいか否かを判定する(S310)。距離検出制御部43は、第一距離Wd1がWd1=Wと判定すると(S310:Yes)、第一距離検出部31による距離の検出も停止する(S311)。第一距離Wd1がWd1=Wであるとき、入退場門15の通路14には対向進入者72を含めた人が存在していない状態となる。そこで、距離検出制御部43は、第一距離Wd1がWd1=Wであるとき、第一距離検出部31も停止する。ここで、距離検出制御部43は、S310において第一距離Wd1がWd1=Wでない、すなわちWd1>W−2Pであるとき(S310:No)、第一距離Wd1がWd1=Wになるまで待機する。
【0086】
第一門柱11側への初期進入者71に対向して対向進入者72が第二門柱12側へ進入する場合、第一距離Wd1に先立って第二距離Wd2がWd2>W−2Pになることはない。そのため、距離検出制御部43は、S308において、第一距離Wd1がWd1>W−2Pでない、すなわちWd1≦W−2Pである間(S308:No)、S308において第一距離検出部31および第二距離検出部32による距離の検出を継続する。
【0087】
以上の手順を前提として第三フェーズ以降を詳細に説明する。
まず、第三フェーズについて説明する。
図23に示す第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット322から照射される光は、対向進入者72で遮られる。そのため、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2≦W−2Pとなる。そこで、距離検出制御部43は、第二距離検出部32に加え、第一距離検出部31からも距離の検出を行う。このとき、初期進入者71は、第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光、および光送受ユニット312から照射された光を遮る位置にある。そのため、光送受ユニット311で検出される初期進入者71の第一距離Wd1、および光送受ユニット312で検出される初期進入者71の第一距離Wd1は、いずれもWd1≦W−2Pとなる。したがって、距離検出制御部43は、第一距離検出部31だけでなく、第二距離検出部32による距離の検出も継続して行う。
【0088】
図23に示す第三フェーズにあるとき、上述の通り、対向進入者72は第二距離検出部32の光送受ユニット322から照射された光を遮る位置にある。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット322が検出する対向進入者72までの第二距離Wd2はWd2≦W−2Pである。また、第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光は、初期進入者71によって遮られている。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。
【0089】
このように第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。このことから、第二距離検出部32から初期進入者71までの間には他の人が存在しないことが検出される。これは、第一距離検出部31の光送受ユニット311が検出する初期進入者71までの第一距離Wd1がWd1≦W−2Pであることからも明らかである。すなわち、第一距離検出部31の光送受ユニット311と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを結ぶ線上には、初期進入者71のみの存在が検出される。
【0090】
また、第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット322から照射された光は、対向進入者72までしか到達しない。そのため、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2≦W−2Pとなる。一方、この第二距離検出部32の光送受ユニット322と対向する第一距離検出部31の光送受ユニット312は、初期進入者71を検出している。そのため、光送受ユニット312が検出する第一距離Wd1は、Wd1≦W−2Pとなる。これら、光送受ユニット312で検出された第一距離Wd1、光送受ユニット322で検出された第二距離Wd2、初期進入者71の人幅Pおよび対向進入者72の人幅Pの総和(Wd1+Wd2+P+P)は、通路幅Wよりもやや小さくなる。すなわち、通路幅Wから総和(Wd1+Wd2+P+P)を減じたとき、通路14には人が通過可能な空間は形成されない。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット312と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを結ぶ線上には、初期進入者71および対向進入者72が同時に存在していることが検出される。
【0091】
次に、第四フェーズについて説明する。
図23に示す第三フェーズから初期進入者71および対向進入者72が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図24に示すように対向進入者72は第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光、および光送受ユニット322が照射する光の双方を遮る位置に到達する。このとき、初期進入者71は、第一距離検出部31の光送受ユニット312から照射された光、および第二距離検出部32の光送受ユニット322から照射された光を遮る位置にある。この図24に示す状態は、第四フェーズと定義する。この第四フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、対向進入者72までの距離を第二距離Wd2として検出する。この第四フェーズで検出される対向進入者72までの第二距離Wd2は、光送受ユニット321および光送受ユニット322のいずれもWd2≦W−2Pである。そのため、距離検出制御部43は、第二距離検出部32に加え第一距離検出部31からも光を照射する。この第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光は、対向進入者72まで到達する。そのため、光送受ユニット311が検出する第一距離Wd1は、Wd1>W−2Pとなる。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット311から対向進入者72までの間には、他の人が存在しないことが検出される。すなわち、第一距離検出部31の光送受ユニット311と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを結ぶ線上には、対向進入者72のみの存在が検出される。
【0092】
また、第四フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット312から照射された光は、初期進入者71までしか到達しない。そのため、光送受ユニット312が検出する第一距離Wd1は、Wd1≦W−2Pとなる。一方、この第一距離検出部31の光送受ユニット312と対向する第二距離検出部32の光送受ユニット322は、対向進入者72を検出している。そのため、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2≦W−2Pとなる。これら光送受ユニット312で検出された第一距離Wd1、光送受ユニット322で検出された第二距離Wd2、初期進入者71の人幅Pおよび対向進入者72の人幅Pの総和(Wd1+Wd2+P+P)は、通路幅Wよりもやや小さくなる。すなわち、通路幅Wから総和(Wd1+Wd2+P+P)を減じたとき、通路14には人が通過可能な空間が形成されない。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット312と第二距離検出部32の光送受ユニット322とを結ぶ線上には、初期進入者71および対向進入者72の存在が検出される。
【0093】
次に、第五フェーズについて説明する。
図24に示す第四フェーズから初期進入者71および対向進入者72が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図25に示すように対向進入者72は、第一距離検出部31の光送受ユニット311が照射する光を遮る位置に到達する。このとき、初期進入者71は、入退場門15をすでに通過している。この図25に示す状態は、第五フェーズと定義する。この第五フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光は、対向進入者72によって遮られる。そのため、光送受ユニット311が検出する第一距離Wd1は、Wd1>W−2Pとなる。これにより、対向進入者72の第二門柱12側には、人が通過可能な空間が形成されない。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット311と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを結ぶ線上には、対向進入者72のみが存在していることが検出される。したがって、距離検出制御部43は、第二距離検出部32による対向進入者72の検出を停止する。
【0094】
また、第五フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット312から照射された光は、対向進入者72によって遮られることなく、第二門柱12へ到達する。そのため、光送受ユニット312が検出する第一距離Wd1は、Wd1=Wとなる。このことから、第一距離検出部31が設けられている第一門柱11から第二門柱12までの間には、他の人が存在しないことが検出される。すなわち、第一距離検出部31の光送受ユニット312と第二距離検出部32の光送受ユニット322とを結ぶ線上には、対向進入者72を含め人が存在していないことになる。
【0095】
次に、第六フェーズについて説明する。
図25に示す第五フェーズから初期進入者71および対向進入者72が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図26に示すように対向進入者72も入退場門15を通過する。この図26に示す状態は、第六フェーズと定義する。この第六フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光、および光送受ユニット312から照射された光は、いずれも人によって遮られない。そのため、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312が検出する第一距離Wd1は、Wd1=Wとなる。これにより、第一門柱11と第二門柱12との間の通路14には、初期進入者71および対向進入者72を含む人が存在していないこととなる。したがって、距離検出制御部43は、第一距離検出部31からの光の照射を停止する。
【0096】
(通過判定処理および報知処理)
通過判定部42は、上述の各通過パターンに対応して第一距離検出部31または第二距離検出部32で検出した初期進入者61、後続進入者62、初期進入者71または対向進入者72の距離の変化状況を追跡する。具体的には、二人同方向通過パターンまたは二人対向通過パターンの場合、通過判定部42は、上述した各フェーズにおいて第一距離検出部31で4検出した第一距離Wd1、および第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2の変化状況を検出する。そして、通過判定部42は、図11に示す一人通過パターンと同様に、検出した変化状況を、記憶部41に記憶した図示しない距離変化状況データベースと照合することにより、初期進入者61、後続進入者62、初期進入者71または対向進入者72が入退場門15を通過したことを判定する。
【0097】
また、報知部45は、第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23または第四読取部24で読み取った許可証17と記憶部41に記憶しているデータベースとを照合し、読み取られた許可証17が認証できないものであるとき、視覚的または聴覚的な報知を行う。また、報知部45は、第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23または第四読取部24で許可証17を読み取ることができなかった、あるいは第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23または第四読取部24にそもそも許可証17のタッチがされなかったにもかかわらず入退場門15を通過する人がいるとき、視覚的または聴覚的な報知を行う。
【0098】
以上説明したように一実施形態では、距離検出制御部43は、第二距離検出部32から第二距離Wd2を検出する場合、初期進入者51、初期進入者61若しくは後続進入者62、または初期進入者71若しくは対向進入者72の第一門柱11側に人が通過可能な空間が形成されていると判定すると、第二距離検出部32に加え、第一距離検出部31からも第一距離Wd1を検出する。一方、距離検出制御部43は、第一距離検出部31から第一距離Wd1を検出するとき、初期進入者61若しくは後続進入者62、または初期進入者71若しくは対向進入者72の第二門柱12側に人が通過可能な空間が形成されていないと判定すると、第二距離検出部32による第二距離Wd2の検出を停止する。すなわち、距離検出制御部43は、通路14を通過する初期進入者51、61、71、後続進入者62または対向進入者72の通過状況に応じて、第一距離検出部31または第二距離検出部32を起動または停止する。これにより、第一距離検出部31または第二距離検出部が起動している時間、すなわち光を照射している時間は短縮される。したがって、第一距離検出部31および第二距離検出部32をはじめとする入退場管理システム10全体の消費電力を低減できるとともに、第一距離検出部31および第二距離検出部32の寿命を延長することができる。
【0099】
また、一実施形態では、対向する一対の第一門柱11および第二門柱12を備え、第一門柱11に第一距離検出部31を設け、第二門柱12に第二距離検出部32を設けている。距離検出制御部43は、初期進入者51、61、71、後続進入者62または対向進入者72の通過状況に応じて、これら第一距離検出部31および第二距離検出部32を制御する。これにより、第一距離検出部31または第二距離検出部32のいずれか一方を停止するときでも、通路14を同時に通過する二人の進入者が検出される。その結果、通過判定部42は、通路14を同時に通過する複数の人を判別する。したがって、消費電力の低減および寿命の延長を確保しつつ、人の集中時においても通路14における円滑な人の通過を図ることができる。
【0100】
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
【符号の説明】
【0101】
図面中、10は入退場管理システム、11は第一門柱、12は第二門柱、14は通路、15は入退場門、16は人、17は許可証、21は第一読取部、22は第二読取部、23は第三読取部、24は第四読取部、31は第一距離検出部(第一距離検出手段)、32は第二距離検出部(第二距離検出手段)、42は通過判定部(通過判定手段)、43は距離検出制御部(距離検出制御手段)、51、61、71は初期進入者、62は後続進入者、72は対向進入者、311、312、321、322は光送受ユニットを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばRFIDカードなどの許可証を用いて事業者や教育機関に入場または退場する関係者の認証を行う入退場管理システムが広く利用されている。このような入退場管理システムでは、入退場門において許可証の認証を行うとともに、認証した進入者が入退場門を通過したことを検出している。この場合、入退場門における人の通過は、光を利用したセンサのオンおよびオフを利用して検出している(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、入退場門において人が通過する通路は、一人ずつ通過することを前提としている。そのため、例えば通勤または通学の時間帯や帰宅時間帯など、入退場門を通過する人が増加すると、入退場門の混雑を招き、入退場門の円滑な通過が困難になるという問題がある。一方、混雑を回避するために通路の幅を二人分に拡大すると、同時に二人が通路を通過することになる。特許文献1のようにセンサのオンおよびオフを利用する場合、単純に人の通過のみを検出する。そのため、通路を通過するのが一人なのか、それとも同時に複数なのかを判別することはできない。その結果、入退場門における認証と通過した人数との整合が図れず、認証による保安性を維持したまま同時に二人が入退場門を通過することは難しいという問題がある。
【0004】
また、複数人の通過を検出するために、通路の上方または下方から人を検出するなどすると、入退場門に設置するセンサなどの距離検出手段の数を増したりする必要があり、距離検出手段の数の増加にともなって配線などを含む構造の複雑化や消費電力の増大を招く。さらに、通路を人が通過するたびにすべての距離検出手段センサを用いて距離を検出すると、距離検出手段への通電時間が長くなり、距離検出手段の寿命が短くなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−259857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、消費電力を低減しつつ距離検出手段の寿命が延長されるとともに、同時に複数の人の通過を判別し、人の集中時においても円滑な人の通過が図られる入退場管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明では、距離検出制御手段は、読取部において許可証が読み取られると、この読取部が設けられている一方の門柱に対向する他方に門柱に設けられている距離検出手段から通路を通過する進入者までの距離を検出する。すなわち、距離検出制御手段は、読取部において許可証が読み取られると、この許可証を読み取った読取部とは反対側の他方の門柱に設けられている距離検出手段を起動する。そして、距離検出手段は、この他方の門柱に設けられている距離検出手段で検出した進入者までの検出距離Wdが、Wd>W−2Pであれば、そのまま他方の門柱に設けられている距離検出手段による進入者の検出を継続する。一方、距離検出手段は、検出距離Wdが、Wd≦W−2Pになると、他方の門柱に設けられている距離検出手段に代えて、許可証を読み取った読取部側の一方の門柱に設けられている距離検出手段による進入者の検出を実行する。ここで、通路の幅は通路幅Wであり、通路を通過する進入者の仮想的な幅は仮想人幅Pである。
【0008】
一方の門柱に設けられている読取部で許可証を読み取らせた進入者は、この一方の門柱に沿って通路を通過する。通路は、二人の人がすれ違い可能な程度の幅を有している。すなわち、通路幅Wは、W≧2Pである。そのため、一方の門柱に対向する他方の門柱に設けられている距離検出手段で検出される進入者までの検出距離Wdが、Wd>W−2Pであれば、検出された進入者の反対側、すなわち進入者の一方の門柱側には他の進入者が通過可能な空間は生じない。これにより、他方の門柱に設けられた距離検出手段から進入者までの距離を検出することにより、通路には読取部で許可証を読み取らせた進入者のみが存在していることが検出される。
【0009】
これに対し、他方の門柱に設けられている距離検出手段で検出される進入者までの検出距離Wdが、Wd≦W−2Pであれば、検出された進入者の反対側、すなわち進入者の一方の門柱側には他の進入者が通過可能な空間が生じる。これにより、他方の門柱に設けられた距離検出手段から進入者までの距離を検出しても、この進入者よりも一方の門柱側には他の進入者が存在する可能性がある。そこで、距離検出制御手段は、検出距離Wdが、Wd≦W−2Pであるとき、一方の門柱に設けられている距離検出手段による進入者までの距離の検出を実行する。これにより、検出された進入者よりも一方の門柱側に存在する他の進入者は、一方の門柱側に設けられた距離検出手段によって検出距離Wdが検出される。
【0010】
このように、距離検出制御手段は、検出する進入者までの距離に応じて、一方の門柱に設けられている距離検出手段による検出と、他方の門柱に設けられている距離検出手段による検出とを切り替える。そのため、進入者には、一方の門柱の距離検出手段または他方の門柱の距離検出手段のいずれかからのみ光が照射される。これにより、距離検出制御手段は、一対の門柱にそれぞれ設けられている距離検出手段のうち、いずれか一方のみを起動し、一方で距離を検出しているとき他方の作動を停止させる。その結果、各距離検出手段は、間欠的に作動することとなり、各距離検出手段の総合的な作動時間は短縮される。したがって、消費電力を低減しつつ距離検出手段の寿命を延長することができる。
また、請求項1記載の発明の場合、対向する一対の門柱にそれぞれ距離検出手段を設けることにより、通路を同時に通過する二人の進入者が検出される。したがって、同時に複数の人の通過を判別することができ、人の集中時においても円滑な人の通過を図ることができる。
【0011】
請求項2記載の発明では、距離検出制御手段は、第一門柱および第二門柱によって構成される入退場門に単数または複数の進入者があるとき、進入状況に応じて第一距離検出手段および第二距離検出手段を制御する。第一門柱と第二門柱との間に形成される通路は、二人の進入者が同時に通過可能な幅Wを有している。この通路を単数または複数の進入者が通過する場合、一人通過パターン、二人同方向通過パターンまたは二人対向通過パターンのいずれかに該当する。一人通過パターンは、第一門柱の第一読取部に許可証を読み取らせた初期進入者があるとき、この初期進入者が入退場門を通過するまで他の進入者がない通過パターンである。二人同方向通過パターンは、第一門柱の第一読取部に許可証を読み取らせた初期進入者があるとき、この初期進入者が入退場門を通過するまでの間に、初期進入者と同一の方向へ入退場門を通過する後続進入者がある、すなわち第三読取部に許可証を読み取らせた後続進入者が存在する通過パターンである。二人対向通過パターンは、第一門柱の第一読取部に許可証を読み取らせた初期進入者があるとき、この初期進入者が入退場門を通過するまでの間に、初期進入者と異なる方向へ入退場門を通過する対向進入者がある、すなわち第四読取部に許可証を読み取らせた対向進入者が存在する通過パターンである。距離検出制御手段は、この各通過パターンに応じて第一距離検出手段および第二距離検出手段を制御する。
【0012】
具体的には、一人通過パターンのとき、距離検出制御手段は、第二距離検出手段から初期進入者までの第二距離Wd2を検出する。そして、距離検出制御手段は、第二距離検出手段で検出した初期進入者までの第二距離Wd2がWd2>W−2Pである間、第二距離検出手段からの第二距離Wd2の検出を継続する。一方、距離検出制御手段は、第二距離Wd2がWd2≦W−2Pになると、第二距離検出手段からの第二距離Wd2の検出を停止、または第二距離検出手段からの第二距離Wd2の検出を継続しながら第一距離検出手段から初期進入者までの第一距離Wd1を検出する。
【0013】
二人同方向通過パターンのとき、距離検出制御手段は、第二距離検出手段から初期進入者までの第二距離Wd2を検出する。そして、距離検出制御手段は、第二距離Wd2がWd2>W−2Pである間、第二距離検出手段からの第二距離Wd2の検出を継続する。二人同方向通過パターンのとき、第一読取部に許可証を読み取らせた初期進入者は、第一読取部が設けられている第一門柱に沿って第二端側へ移動するのが通常である。そのため、後続する後続進入者は、第一門柱に対向する第二門柱の第一端側に設けられている第三読取部に許可証を読み取らせ、この第二門柱に沿って第二端側へ移動する。その結果、第二距離検出手段が検出する第二距離Wd2は、後続進入者の進入によってWd2≦W−2Pとなる。そこで、距離検出制御手段は、第三読取部において許可証を読み取らせた後続進入者の進入によって第二距離検出手段で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pとなると、第二距離検出手段から第二距離Wd2を検出するとともに、第一距離検出手段からも第一距離Wd1を検出する。さらに、初期進入者が入退場門を通過すると、入退場門には後続進入者のみが存在する。そのため、第一距離検出手段によって検出された後続進入者までの第一距離Wd1は、Wd1>W−2Pとなる。そして、Wd1>W−2Pのとき、後続進入者の第二門柱側には、人が通過可能な空間が形成されない。そこで、距離検出制御手段は、第一距離検出手段で検出した第一距離Wd1がWd>W−2Pになると、第二距離検出手段からの第二距離Wd2の検出を停止する。
【0014】
二人対向通過パターンのとき、距離検出制御手段は、第二距離検出手段から初期進入者までの第二距離Wd2を検出する。そして、距離検出制御手段は、第二距離Wd2がWd2>W−2Pである間、第二距離検出手段からの第二距離Wd2の検出を継続する。二人対向通過パターンのとき、第一読取部に許可証を読み取らせた初期進入者は、第一読取部が設けられている第一門柱に沿って第二端側へ移動するのが通常である。そのため、対向する対向進入者は、第一門柱に対向する第二門柱の第二端側に設けられている第四読取部に許可証を読み取らせ、この第二門柱に沿って第一端側へ移動する。その結果、第二距離検出手段が検出する第二距離Wd2は、対向進入者の進入によってWd≦W−2Pとなる。そこで、距離検出制御手段は、第四読取部において許可証を読み取らせた対向進入者の進入によって第二距離検出手段で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pとなると、第二距離検出手段から第二距離Wd2を検出するとともに、第一距離検出手段からも第一距離Wd1を検出する。さらに、初期進入者が入退場門を通過すると、入退場門には対向進入者のみが存在する。そのため、第一距離検出手段によって検出された対向進入者までの第一距離Wd1は、Wd1>W−2Pとなる。そして、Wd1>W−2Pのとき、対向進入者の第二門柱側には、人が通過可能な空間が形成されない。そこで、距離検出制御手段は、第一距離検出手段で検出した第一距離Wd1がWd>W−2Pになると、第二距離検出手段からの第二距離Wd2の検出を停止する。
【0015】
このように、距離検出制御手段は、第一距離検出手段から距離を検出する場合、初期進入者、後続進入者若しくは対向進入者の第二門柱側に人が通過可能な空間が形成されないとき、第二距離検出手段による距離の検出を停止する。また、距離検出制御手段は、第二距離検出手段から距離を検出する場合、初期進入者、後続進入者若しくは対向進入者の第一門柱側に人が通過可能な空間が形成されないとき、第一距離検出手段による距離の検出を停止する。すなわち、距離検出制御手段は、初期進入者、後続進入者または対向進入者の通過状況に応じて、第一距離検出手段または第二距離検出手段を起動または停止する。これにより、第一距離検出手段または第二距離検出手段が起動している時間、すなわち光を照射している時間は短縮される。したがって、消費電力を低減しつつ第一距離検出手段および第二距離検出手段の寿命を延長することができる。また、請求項2記載の発明の場合、対向する一対の門柱にそれぞれ第一距離検出手段または第二距離検出手段を設けている。距離検出制御手段は、初期進入者、後続進入者または対向進入者の通過状況に応じて、これら第一距離検出手段および第二距離検出手段を制御する。これにより、第一距離検出手段または第二距離検出手段のいずれか一方を停止するときでも、通路を同時に通過する二人の進入者が検出される。したがって、同時に複数の人の通過を判別することができ、人の集中時においても円滑な人の通過を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態による入退場管理システムの概略構成を示す斜視図
【図2】一実施形態による入退場管理システムの概略構成を上方からみた模式図
【図3】一実施形態による入退場管理システムの概略構成を示すブロック図
【図4】一実施形態による入退場管理システムの距離検出部の切替制御処理の流れを示す概略図
【図5】一実施形態による入退場管理システムの一人通過パターンにおける距離検出制御処理の流れを示す概略図
【図6】一実施形態による入退場管理システムの一人通過パターンを示す概略図1
【図7】一実施形態による入退場管理システムの一人通過パターンを示す概略図2
【図8】一実施形態による入退場管理システムの一人通過パターンを示す概略図3
【図9】一実施形態による入退場管理システムの一人通過パターンを示す概略図4
【図10】一実施形態による入退場管理システムの一人通過パターンを示す概略図5
【図11】一実施形態による入退場管理システムにおいて、一人通過パターンにおける各フェーズごとの検出距離の変化を示す概略図
【図12】一実施形態による入退場管理システムの一人通過パターンを示す概略図6
【図13】一実施形態による入退場管理システムの二人同方向通過パターンにおける距離検出制御処理の流れを示す概略図
【図14】一実施形態による入退場管理システムの二人同方向通過パターンを示す概略図1
【図15】一実施形態による入退場管理システムの二人同方向通過パターンを示す概略図2
【図16】一実施形態による入退場管理システムの二人同方向通過パターンを示す概略図3
【図17】一実施形態による入退場管理システムの二人同方向通過パターンを示す概略図4
【図18】一実施形態による入退場管理システムの二人同方向通過パターンを示す概略図5
【図19】一実施形態による入退場管理システムの二人同方向通過パターンを示す概略図6
【図20】一実施形態による入退場管理システムの二人対向通過パターンにおける距離検出制御処理の流れを示す概略図
【図21】一実施形態による入退場管理システムの二人対向通過パターンを示す概略図1
【図22】一実施形態による入退場管理システムの二人対向通過パターンを示す概略図2
【図23】一実施形態による入退場管理システムの二人対向通過パターンを示す概略図3
【図24】一実施形態による入退場管理システムの二人対向通過パターンを示す概略図4
【図25】一実施形態による入退場管理システムの二人対向通過パターンを示す概略図5
【図26】一実施形態による入退場管理システムの二人対向通過パターンを示す概略図6
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、入退場管理システムの一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように入退場管理システム10は、第一門柱11、第二門柱12、第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23、第四読取部24、第一距離検出部31、第二距離検出部32および制御装置40を備えている。第一門柱11および第二門柱12は、通路14を挟んで対向して設けられ、入退場門15を構成している。入退場門15を通過する進入者としての人は、この第一門柱11と第二門柱12との間の通路14を移動する。通路14は、第一門柱11と第二門柱12との間を、対向する第一門柱11および第二門柱12と交差する方向へ延びている。この通路の延びる方向において、便宜的に図1の右方および図2の下方を第一端側とし、図1の左方および図2の上方を第二端側と定義する。通路14は、二人の人16が同時に進入可能な程度の通路幅Wを有している。
【0018】
第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23および第四読取部24は、通路14へ進入する人16が所持する許可証17を読み取る。許可証17は、例えばRFIDカードであり、進入する人16の認証に関する固有の情報を記憶している。第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23および第四読取部24は、かざされた許可証17を非接触で読み取る。通路14へ進入する人16は、第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23または第四読取部24のいずれかに許可証17をタッチした後、通路14を通過する。
【0019】
第一読取部21は、第一門柱11の第一端側に設けられている。第二読取部22は、第一門柱11の第二端側に設けられている。第三読取部23は、第二門柱12の第一端側に設けられている。第四読取部24は、第二門柱12の第二端側に設けられている。このように、第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23および第四読取部24は、それぞれ通路14の延びる方向において第一門柱11および第二門柱12の各端部に設けられている。これにより、第一端側または第二端側から通路14へ進入する人16は、第一門柱11側または第二門柱12側を経由して他方の端部側へ移動する。このように、人16は、通路14の各端部側から通路14を通過することができる。
【0020】
第一距離検出部31は、第一門柱11に設けられている。第一距離検出部31は、一対の光送受ユニット311および光送受ユニット312を有している。光送受ユニットおよび光送受ユニットは、いずれも図示しない照射部および受光部を有している。照射部は、例えばレーザ光や赤外光などの光を照射する。受光部は、照射部から照射された光を受光する。光送受ユニット311および光送受ユニット312は、照射部から照射され、対象で反射した光を受光することにより、通路14を通過する人16までの距離を検出する。これら光送受ユニット311と光送受ユニット312とは、通路14が延びる方向において予め設定された間隔で設けられている。本実施形態の場合、光送受ユニット311と光送受ユニット312との間の距離Dxは、通路14を通過する人16の平均的な厚さTに応じて、厚さTよりも小さな仮想的な値に設定されている。そのため、通路14を通過する人16は、いずれかの時期に光送受ユニット311および光送受ユニット312の双方で同時に距離が検出される。
【0021】
第二距離検出部32は、第二門柱12に設けられている。第二距離検出部32は、一対の光送受ユニット321および光送受ユニット322を有している。光送受ユニット321および光送受ユニット322は、第一距離検出部31と同様にいずれも照射部および受光部を有している。これら光送受ユニット321と光送受ユニット322とは、通路14が延びる方向において予め設定された間隔で設けられている。本実施形態の場合、光送受ユニット321と光送受ユニット322との間の距離Dxは、第一距離検出部31と同様に通路14を通過する人16の平均的な厚さTに応じて仮想的に設定されている。
【0022】
第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312と第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322とは、高さ方向または通路が延びる方向の少なくともいずれかの方向へわずかにずらされている。そのため、第一距離検出部31の光送受ユニット311または光送受ユニット312から照射された光を、第二距離検出部32の光送受ユニット321または光送受ユニット322で受光することはなく、その逆もない。
【0023】
制御装置40は、例えばCPU、ROMおよびRAMを有するコンピュータで構成されている。制御装置40は、ROMに記憶されているコンピュータプログラムにしたがって入退場管理システム10の全体を制御する。制御装置40は、図3に示すように記憶部41に接続している。記憶部41は、例えば不揮発性のメモリや光学ドライブなどの記憶媒体を有している。制御装置40は、コンピュータプログラムを実行することにより、図3に示すように通過判定部42、距離検出制御部43および認証部44をソフトウェア的に実現している。通過判定部42は、第一読取部21から第四読取部24のいずれかで許可証17を読み取らせた人16が通路14を通過したか否かを判定する。距離検出制御部43は、第一読取部21から第四読取部24のいずれかで人16が許可証17を読み取らせると、通路14を通過する人16までの距離を検出する第一距離検出部31および第二距離検出部32を制御する。具体的には、距離検出制御部43は、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312、または第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322において、人16までの距離を検出するための光の照射を制御する。認証部44は、第一読取部21から第四読取部24のいずれかで読み取られた許可証17の情報と記憶部41に記憶されているデータベースに含まれる情報とを照合する。これにより、認証部44は、読み取られた許可証17を所持する人16が通路14の通過を許可されているか否かを認証する。制御装置40は、さらに報知部45を有している。報知部45は、通路14に進入した人16が認証部44において認証されていないとき、その旨を報知する。報知部45は、例えば視覚的なランプや聴覚的なブザーを有している。報知部45は、ランプを点灯させたり、ブザーを鳴動させることにより、認証されていない人16の通過を視覚的または聴覚的に報知する。
【0024】
なお、本明細書および請求の範囲において各構成要素に付している「第一」、「第二」、「第三」、「第四」は、説明を簡単にすることを目的に、同一の構成を区別するための便宜的に付与した相対的なものであり、絶対的な意味を有するものではない。例えば第一門柱11と第二門柱12とは、通路14を挟んで対向する門柱を意味するものであって、相互に入れ替えてもよい。また、第一読取部21と第二読取部22、および第三読取部23と第四読取部24は、それぞれ同一の門柱の互いに反対側に設けられていることを意味するものであり、相対的な関係を満たせば任意に入れ替えることができる。すなわち、本明細書および請求の範囲の場合、通路14を最初に通過する初期進入者が許可証17をタッチする読取部を第一読取部21とし、この第一読取部21を基準として、各門柱、各読取部、各距離検出手段などの関係を定義して説明している。
【0025】
以下、上記の構成による入退場管理システム10の処理の流れについて説明する。
(通過パターン)
まず、通過パターンについて説明する。通過パターンは、通路14を通過する人16の状態を分類したものである。本実施形態の場合、通路14は、二人の人16が同時に通過可能な通路幅Wを有している。そのため、通路14を通過する人16は、次のいずれかのパターンに分類される。
【0026】
●一人通過パターン
一人通過パターンとは、図1および図2に示す入退場門15を通過する人16が一人のみのパターンである。すなわち、一人通過パターンの場合、入退場門15への最初の進入者である初期進入者が第一読取部21に許可証17をタッチしてから、この初期進入者が入退場門15を通過するまでの間に、他の人は第一読取部21から第四読取部24のいずれにも許可証17をタッチしない。
【0027】
●二人同方向通過パターン
二人同方向通過パターンとは、入退場門15を通過する人16が二人であり、二人の人16は同一の方向から入退場門15を通過するパターンである。すなわち、二人同方向通過パターンの場合、入退場門15への最初の進入者である初期進入者が第一読取部21に許可証17をタッチしてから、この初期進入者が入退場門15を通過するまでの間に、後続する後続進入者が第三読取部23に許可証を読み取らせて入退場門15へ進入する。
【0028】
なお、本実施形態では、初期進入者が第一読取部21に許可証をタッチしてから、初期進入者が入退場門15を通過するまでの間に、後続進入者が第一読取部21に許可証を読み取らせることは想定していない。すなわち、本実施形態では、例えば初期進入者と後続進入者とが密着している場合のような特殊な条件でない限り、後続進入者が第一読取部21に許可証17をタッチしたときには、初期進入者は既に入退場門15を通過していることを前提としている。これは、通路14が延びる方向における入退場門15の全長、または第一距離検出部31および第二距離検出部32の各光送受ユニット間の距離Dxを適切に設定することにより、第一読取部21からの同時進入は回避できるからである。
【0029】
●二人対向通過パターン
二人対向通過パターンとは、入退場門15を通過する人16が二人であり、二人の人16は異なる方向から入退場門15を通過するパターンである。すなわち、二人対向通過パターンの場合、入退場門15への最初の進入者である初期進入者が第一読取部21に許可証17をタッチしてから、この初期進入者が入退場門15を通過するまでの間に、対向する対向進入者が第四読取部24に許可証17を読み取らせて入退場門15へ進入する。
【0030】
なお、本実施形態では、初期進入者が第一読取部21に許可証17をタッチしてから、初期進入者が入退場門15を通過するまでの間に、対向進入者が第二読取部22に許可証17を読み取らせることは想定していない。本実施形態のように、通路14の通路幅Wを二人の人16が同時に通過可能な程度に設定した場合、初期進入者と対向する対向進入者は通路14でのすれ違いを考慮する。そのため、対向進入者は、特殊な事情を除き、初期進入者が進入した第一門柱11とは反対側の第二門柱12側を通過するからである。
【0031】
(距離検出部の切替制御処理)
まず、第一距離検出部31および第二距離検出部32による距離検出を切り替えるための切替制御処理について、図4に基づいて説明する。図4では、進入者が第一門柱11の第一読取部21に許可証17をタッチする際に、距離検出制御部43が第一距離検出部31の光送受ユニット311と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを切り替える流れについて説明する。
【0032】
距離検出制御部43は、第一読取部21に許可証17がタッチされると、第二距離検出部32を起動する(S001)。具体的には、距離検出制御部43は、タッチを認識した第一読取部21が設けられている第一門柱11とは通路14を挟んで反対側の第二門柱12に設けられている第二距離検出部32を起動する。これにより、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、第二門柱12側から第一門柱11側へ光を照射する。このとき、距離検出制御部43は、第一門柱11に設けられている第一距離検出部31を停止状態で維持する。
【0033】
第二距離検出部32が起動すると、距離検出制御部43は、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2がWd2<Wであるか、すなわち入退場門15の通路14へ進入者が進入したか否かを検出する(S002)。この第二距離Wd2がWd2<Wのとき、第二距離検出部32の光送受ユニット322から照射された光は、入退場門15の通路14を通過する進入者によって反射する。一方、この第二距離Wd2がWd2=Wのとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321から照射された光は、通路14を挟んで対向する第一門柱11で反射している。そのため、距離検出制御部43は、すなわちWd2=Wと判断すると(S002:No)、許可証17を第一読取部21にタッチした進入者が入退場門15の通路14へまだ進入していないと判定し、入退場門15の通路14へ進入者が進入するまで待機する。
【0034】
距離検出制御部43は、S002において光送受ユニット321で検出した第二距離Wd2がWd2<2であると判定すると(S002:Yes)、検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pであるか否かを判定する(S003)。ここで、Wは、上記の通り通路14の幅であり、既知の値として予め記憶部41に記憶されている。また、Pは、仮想的な人幅である。図2に示すように入退場門15の通路14を通過する人16は、ある程度の範囲はあっても、最小人幅Piから最大人幅Paの範囲含まれる。すなわち、人16の幅の範囲は、Pi<P<Paである。仮想人幅Pは、この人16の幅の平均的な値または統計的な代表値として仮想的に設定されている。本実施形態の場合、二人の人16が同時に通路14を通過可能である。そのため、仮想人幅Pは、通路14の通路幅Wの1/2を超えない値として設定されている。設定された仮想人幅Pは、既知の値として予め記憶部41に記憶されている。
【0035】
このように、仮想人幅Pを定義したとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pであれば(S003:Yes)、光送受ユニット321で検出した進入者の第一門柱11側には他の人が通過可能な空間は存在していないと考えられる。そのため、光送受ユニット321で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pであれば、入退場門15の通路14には進入者のみが存在し、かつ進入者は光送受ユニット321によって捕捉されていることになる。したがって、距離検出制御部43は、Wd2>W−2Pであれば、進入者が光送受ユニット321が照射する光、すなわち光送受ユニット321のビームラインを通過するまで、光送受ユニット321による進入者の検出を継続する(S004)。このとき、距離検出制御部43は、第一距離検出部31を停止状態とする(S005)。
【0036】
距離検出制御部43は、S004において光送受ユニット321による検出の継続、およびS005において第一距離検出部31による検出を停止すると、第二距離検出部32の光送受ユニット321で検出した第二距離Wd2がWd2=Wであるか否かを判定する(S006)。すなわち、距離検出制御部43は、進入者が光送受ユニット321のビームラインを通過したか否かを判定する。距離検出制御部43は、S006において第二距離Wd2がWd2=Wであると判定すると(S006:Yes)、進入者は光送受ユニット321のビームラインを既に通過したと判定して処理を終了する。また、距離検出制御部43は、S006において第二距離Wd2がWd2<Wであると判定すると(S006:No)、進入者は光送受ユニット321のビームラインをまだ通過していないと判定してS003以降の処理を繰り返す。
【0037】
一方、S006において光送受ユニット321で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pであるとき(S006:No)、第二距離検出部32の光送受ユニット321で検出した進入者の第一門柱11側には他の人が通過可能な空間が存在していると考えられる。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット321で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pであれば、入退場門15の通路14には進入者に加え、他の人が進入するおそれがある。そこで、距離検出制御部43は、S006で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pであれば、第二距離検出部32を停止し(S007)、第一距離検出部31の光送受ユニット311により第一距離Wd1の検出を継続する(S008)。すなわち、距離検出制御部43は、第二距離検出部32の電源を遮断し、第一距離検出部31の電源を投入して第一距離検出部31を起動する。これにより、第一距離検出部31の光送受ユニット311は、第一門柱11側から第二門柱12側へ光を照射する。そして、距離検出制御部43は、光送受ユニット311が照射する光、すなわちビームラインを進入者が通過するまで、第一距離検出部31の光送受ユニット311から進入者までの第一距離Wd1の検出を継続する。
【0038】
距離検出制御部43は、第一距離検出部31の光送受ユニット311による第一距離Wd1の検出するとき、この光送受ユニット311で検出した第一距離Wd1がWd1=Wであるか否かを判定する(S009)。すなわち、距離検出制御部43は、進入者が光送受ユニット311のビームラインを通過したか否かを判定する。距離検出制御部43は、S009において光送受ユニット311で検出した第一距離Wd1がWd1=Wであると判定すると(S009:Yes)、進入者は光送受ユニット311のビームラインを既に通過したと判定して処理を終了する。また、距離検出制御部43は、S009において光送受ユニット311で検出した第一距離Wd1がWd1<Wであると判定すると(S009:No)、進入者は光送受ユニット311のビームラインをまだ通過していないと判定する。そのため、距離検出制御部43は、第一距離検出部31の光送受ユニット311で検出した第一距離Wd1が、Wd1>W−2Pであるか否かを判断する(S010)。距離検出制御部43は、S010において検出した第一距離Wd1がWd1>W−2Pであれば(S010:Yes)、第一距離検出部31の光送受ユニット311で検出した進入者の第二門柱12側には他の人が通過可能な空間が存在していないと考えられることから、S007へリターンし、S007以降の処理を繰り返す。一方、入退場門15の通路14で進入者がジグザグに移動することは考えられないものの、S010において光送受ユニット311で検出した第一距離Wd1がWd1≦W−2Pであれば(S010:No)、第一距離検出部31の光送受ユニット311で検出した進入者の第二門柱12側には他の人が通過可能な空間が存在していると考えられる。そこで、距離検出制御部43は、光送受ユニット311で検出した第一距離Wd1がWd1≦W−2Pであれば、S004へリターンし、第二距離検出部32の光送受ユニット321で進入者までの距離を再び検出する。すなわち、距離検出制御部43は、S004へ移行して第二距離検出部32を起動するとともに、第二距離検出部32の光送受ユニット321により進入者までの距離を検出する。そして、距離検出制御部43は、起動している第一距離検出部31をS005において停止する。
【0039】
以上の手順によって、距離検出制御部43は、入退場門15の通路14を通過する進入者までの距離に応じて、第二距離検出部32の光送受ユニット321による第二距離Wd2の検出と、第一距離検出部31の光送受ユニット311による第一距離Wd1の検出とを切り替える。これにより、第二距離検出部32で第二距離Wd2を検出する場合、進入者の第一門柱11側に他の人が通過可能な空間があるとき、および第一距離検出部31で第一距離Wd1を検出する場合、進入者の第二門柱12側に他の人が通過可能な空間があるとき、いずれも他の進入者が通過可能な空間側に光が照射される。そのため、第一距離検出部31または第二距離検出部32のいずれか一方から光を照射する場合でも、進入者による死角の発生が回避され、認証を受けていない進入者を検出することができる。
【0040】
なお、上述の例では、進入者が第二距離検出部32の光送受ユニット321と第一距離検出部31の光送受ユニット311とを結ぶ線上を通過する場合について説明した。しかし、進入者は、この第二距離検出部32の光送受ユニット321と第一距離検出部31の光送受ユニット311とを結ぶ線上を通過した後、第二距離検出部32の光送受ユニット322と第一距離検出部31の光送受ユニット312とを結ぶ線上を通過する。この場合でも、距離検出制御部43は、上述の例と同様に第二距離検出部32の光送受ユニット322による第二距離Wd2の検出と第一距離検出部31の光送受ユニット312による第一距離Wd1の検出とを切り替える。
上述の第二距離検出部32による第二距離Wd2の検出と第一距離検出部31による第一距離Wd1とを切り替える手順を前提として、各通過パターンにおける距離検出制御処理について以下に説明する。
【0041】
(一人通過パターンにおける距離検出制御処理)
「一人通過パターン」における距離検出制御処理について図5に基づいて説明する。距離検出制御部43は、「一人通過パターン」であるとき、次の流れで第一距離検出部31および第二距離検出部32を制御する。
距離検出制御部43は、第一端側から進入する初期進入者が第一読取部21に許可証17をタッチするまで第一距離検出部31および第二距離検出部32を停止している(S101)。すなわち、距離検出制御部43は、第一距離検出部31および第二距離検出部32の電源を遮断し、第一距離検出部31および第二距離検出部32への電力の供給を停止している。
【0042】
距離検出制御部43は、図6に示すように初期進入者51が第一読取部21に許可証17をタッチすると(S102)、第二距離検出部32を起動する(S103)。具体的には、距離検出制御部43は、第一読取部21における許可証17のタッチを認識すると、第二門柱12に設けられている第二距離検出部32を起動する。すなわち、距離検出制御部43は、タッチを認識した第一読取部21が設けられている第一門柱11とは通路14を挟んで反対側の第二門柱12に設けられている第二距離検出部32を起動する。これにより、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、第二門柱12側から第一門柱11側へ光を照射する。このとき、距離検出制御部43は、第一門柱11に設けられている第一距離検出部31を停止状態で維持する。初期進入者51が第一読取部21に許可証17をタッチしたとき、すなわち許可証17をタッチした瞬間、初期進入者51は、図6に示すようにまだ入退場門15の通路14に進入していない。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、いずれも通路14の通路幅Wを検出している。この図6に示す状態は、第一フェーズと定義する。
【0043】
第一フェーズの後、初期進入者51が第一端側から入退場門15の通路14へ進入した直後、図7に示すように初期進入者51はまず第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光を遮る。この図7に示す状態は、第二フェーズと定義する。この第二フェーズにあるとき、光送受ユニット321は、初期進入者51までの距離を第二距離Wd2として検出する。一方、初期進入者51は、第二距離検出部32の光送受ユニット322が照射する光を遮っていない。そのため、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2=Wである。
【0044】
第二フェーズから初期進入者51が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図8に示すように初期進入者51は第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光、および光送受ユニット322が照射する光の双方を遮る。この図8に示す状態は、第三フェーズと定義する。この第三フェーズにあるとき、光送受ユニット321および光送受ユニット322は、初期進入者51までの距離を第二距離Wd2として検出する。ここで、光送受ユニット321が検出する初期進入者51までの第二距離Wd2と光送受ユニット322が検出する初期進入者51までの第二距離とは、初期進入者51の姿勢が通常であれば、ほぼ同一または異なっていてもその差がわずかである。
【0045】
第三フェーズから初期進入者51が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図9に示すように初期進入者51は第二距離検出部32の光送受ユニット322が照射する光を遮る。この図9に示す状態は、第四フェーズと定義する。この第四フェーズにあるとき、光送受ユニット322は、初期進入者51までの距離を第二距離Wd2として検出する。一方、初期進入者51は、第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光を遮っていない。そのため、光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2=Wである。
【0046】
第四フェーズの初期進入者が入退場門15の通路14を第二端側への通過を完了すると、図10に示すように初期進入者51は第二距離検出部32の光送受ユニット321から照射された光、および光送受ユニット322から照射された光のいずれも遮らない。この図10に示す状態は、第五フェーズと定義する。この第五フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、いずれも通路14の通路幅Wを検出している。
【0047】
このように、初期進入者51が入退場門15の通路14を第一端側から第二端側へ通過するとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、第一フェーズから第五フェーズへ図11(A)に示すような距離を検出する。したがって、通過判定部42は、第一フェーズから第五フェーズへ図11(A)に示すような距離の検出パターンを検出したとき、第一読取部21に許可証17をタッチした初期進入者51が入退場門15の通路14を通過したと判定する。
【0048】
ここで、初期進入者51が入退場門15の通路を第一端側から第二端側まで通過する間に、入退場門15の通路14に許可証17による認証を受けていない非認証人が進入する場合を想定する。この場合、非認証人は、入退場門15の通路14のうち初期進入者51がいない側、すなわち図2における第二門柱12側を通過することが考えられる。本実施形態では、第一読取部21に許可証17をタッチした初期進入者51が入退場門15の通路14を通過するとき、第一読取部21が設けられている第一門柱11とは通路14を挟んで反対の第二門柱12に設けられている第二距離検出部32から光が照射される。そのため、通路14の第二門柱12側を第一端側または第二端側から非認証人が通過するとき、この非認証人は、第二距離検出部32からの光で検出される。その結果、通路14の第一門柱11側を初期進入者51が通過する場合でも、非認証人を検出することができる。報知部45は、非認証人を検出すると、その旨を視覚的または聴覚的な手段によって報知する。
【0049】
ところで、通常であれば、第一読取部21に許可証17をタッチして入退場門15に進入した初期進入者は、そのまま第一門柱11に沿って通路14を直進して入退場門15を離脱する。しかし、例えば希なケースではあるものの、図12に示すように通路14の第一門柱11側に落下物や通路14の破損などの障害52があると、初期進入者51は第一読取部21に許可証17をタッチしつつこの障害52を回避して第二門柱12側へ移動しながら通路14を通過することも考えられる。この場合、第二距離検出部32からのみ光を照射すると、初期進入者51の通過を捕捉することはできても、この初期進入者51よりも第一門柱11側に他の人が存在するか否かを検出することはできない。
【0050】
そこで、距離検出制御部43は、S103において第二距離検出部32を起動し、入退場門15を通過する初期進入者51までの距離を検出すると、検出した距離すなわち第二距離Wd2が、Wd2>W−2Pであるか否かを判断する(S104)。ここで、Wは、上記の通り通路14の幅であり、既知の値として予め記憶部41に記憶されている。また、Pは、仮想的な人幅である。図2に示すように入退場門15の通路14を通過する人16は、ある程度の範囲はあっても、最小人幅Piから最大人幅Paの範囲含まれる。すなわち、人16の幅の範囲は、Pi<P<Paである。仮想人幅Pは、この人16の幅の平均的な値または統計的な代表値として仮想的に設定されている。本実施形態の場合、二人の人16が同時に通路14を通過可能である。そのため、仮想人幅Pは、通路14の通路幅Wの1/2を超えない値として設定されている。設定された仮想人幅Pは、既知の値として予め記憶部41に記憶されている。
【0051】
このように、仮想人幅Pを定義したとき、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pであれば(S104:Yes)、第二距離検出部32で検出した初期進入者51の第一門柱11側には他の人が通過可能な空間は存在していないと考えられる。そのため、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pであれば、入退場門15の通路14には初期進入者51のみが存在し、かつ初期進入者51は第二距離検出部32によって捕捉されていることになる。したがって、距離検出制御部43は、Wd2>W−2Pであれば、初期進入者51が入退場門15を通過するまで、第二距離検出部32による初期進入者51の検出を継続する(S105)。
【0052】
一方、S104において第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pであれば(S104:No)、第二距離検出部32で検出した初期進入者51の第一門柱11側には他の人が通過可能な空間が存在していると考えられる。そのため、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pであれば、入退場門15の通路14には初期進入者51に加え、他の人が進入するおそれがある。したがって、距離検出制御部43は、S104において第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pであれば(S104:No)、第二距離検出部32を停止し(S106)、第一距離検出部31を起動して、第一距離検出部31による第一距離Wd1の検出を継続する(S107)。すなわち、距離検出制御部43は、第二距離検出部32の電源を遮断し、第一距離検出部31の電源を投入して第一距離検出部31を起動する。これにより、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312は、図12に示すように第一門柱11側から第二門柱12側へ光を照射する。そして、距離検出制御部43は、初期進入者51が入退場門15を通過するまで、第一距離検出部31から初期進入者51までの距離の検出を継続する。
【0053】
一例として、図9に示すように第四フェーズにあるとき、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2≦W−2Pとなったとする。このように、第四フェーズにおいて、第二距離検出部32で検出する第二距離Wd2がWd2≦W−2Pとなったときを、図11(B)に示すように第四フェーズ(1)と定義する。この第四フェーズ(1)になると、距離検出制御部43は、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322を停止し、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312の電力を投入する。このように、第四フェーズにおいて、第一距離検出部31の電源と第二距離検出部32の電源とが入れ替わったときを、第四フェーズ(2)と定義する。このとき、初期進入者51は、第一距離検出部31の光送受ユニット312が照射する光を遮る。そのため、第一距離検出部31の光送受ユニット312は、初期進入者51までの距離を第一距離Wd1として検出する。一方、初期進入者51は、第一距離検出部31の光送受ユニット311が照射する光を遮っていない。そのため、光送受ユニット311が検出する第一距離Wd1は、Wd1=Wである。
【0054】
このように、初期進入者51が入退場門15の通路14を第一端側から第二端側へ斜めに通過するとき、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312、ならびに第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、第一フェーズから第五フェーズへ図11(B)に示すような距離を検出する。したがって、通過判定部42は、第一フェーズから第五フェーズへ図11(B)に示すような距離の変化状況を検出したとき、第一読取部21に許可証17をタッチした初期進入者51が入退場門15の通路14を通過したと判断する。なお、第二距離検出部32は、上記の例の第四フェーズだけでなく、第二フェーズまたは第三フェーズで第二距離Wd2をWd2≦W−2Pと検出することも考えられる。この場合、第二距離Wd2がWd2≦W−2Pとなるフェーズにおいて、距離検出制御部43は距離の検出を第二距離検出部32から第一距離検出部31へ切り替える。したがって、通過判定部42は、図11(C)および図11(D)に示すような距離の変化状況を検出すると、初期進入者51が入退場門15の通路14を通過したと判断する。
【0055】
ここで、初期進入者51が入退場門15を図12に示すように通路14を斜めに移動しながら第一端側から第二端側まで通過する間に、入退場門15の通路14に許可証17による認証を受けていない非認証人が進入する場合を想定する。この場合、非認証人は、入退場門15の通路14のうち初期進入者51がいない側、すなわち図2および図12における第一門柱11側を通過することが考えられる。本実施形態では、第一読取部21に許可証17をタッチした初期進入者51が第一門柱11側から第二門柱12側へ斜めに通過するとき、初期進入者51と第二門柱12との距離が小さくなると、初期進入者51が近い第二門柱12とは逆の第一門柱11に設けられている第一距離検出部31から光が照射される。そのため、通路14の第一門柱11側を第一端側または第二端側から非認証人が通過するとき、この非認証人は、第一距離検出部31からの光で検出される。その結果、通路14の第一門柱11側から第二門柱12側へ初期進入者51が斜めに通過する場合でも、非認証人を検出することができる。報知部45は、非認証人を検出すると、その旨を視覚的または聴覚的な手段によって報知する。
なお、距離検出制御部43は、S108において第二距離検出部32から初期進入者51までの第二距離Wd2の検出を停止した後でも、継続して第二距離検出部32から初期進入者51までの距離Wd2を検出してもよい。これにより、通路14へ進入する他の人の検出精度をより高めることができる。
【0056】
(二人同方向通過パターンにおける距離検出制御処理)
次に、「二人同方向通過パターン」における距離検出制御処理について図13に基づいて説明する。距離検出制御部43は、「二人同方向通過パターン」であるとき、次の流れで第一距離検出部31および第二距離検出部32を制御する。なお、上述の「一人通過パターン」と同様の処理は説明を省略する。
距離検出制御部43は、第一端側から進入する初期進入者が第一読取部21に許可証17をタッチするまで第一距離検出部31および第二距離検出部32を停止している(S201)。すなわち、距離検出制御部43は、第一距離検出部31および第二距離検出部32の電源を遮断し、第一距離検出部31および第二距離検出部32への電力の供給を停止している。
【0057】
距離検出制御部43は、図14に示すように初期進入者61が第一読取部21に許可証17をタッチすると(S202)、第二距離検出部32を起動する(S203)。これにより、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、第二門柱12側から第一門柱11側へ光を照射する。このとき、距離検出制御部43は、第一門柱11に設けられている第一距離検出部31を停止状態で維持する。初期進入者61が第一読取部21に許可証17をタッチしたとき、すなわち許可証17をタッチした瞬間、初期進入者71は、図14に示すようにまだ入退場門15の通路14に進入していない。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、いずれも第二距離Wd2として通路14の通路幅Wを検出している。この図14に示す状態は、第一フェーズと定義する。
【0058】
第一フェーズの後、初期進入者61が第一端側から入退場門15の通路14へ進入した直後、図15に示すように初期進入者61はまず第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光を遮る。また、このとき、初期進入者61に後続する後続進入者62は、第二門柱12に設けられている第三読取部23に許可証17をタッチする(S204)。後続進入者62が第三読取部23に許可証17をタッチしたとき、すなわち許可証17をタッチした瞬間、後続進入者62は、図15に示すようにまだ入退場門15の通路14に進入していない。この図15に示す状態は、第二フェーズと定義する。
【0059】
図15に示す第二フェーズにあるとき、距離検出制御部43は、第二距離検出部32からの光の照射を継続する。すなわち、第二距離検出部32は、入退場門15の通路14を通過する初期進入者61を検出する。この第二フェーズにあるとき、光送受ユニット321は、初期進入者61までの距離を第二距離Wd2として検出する。このとき、光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。一方、初期進入者61は、第二距離検出部32の光送受ユニット322が照射する光を遮っていない。そのため、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2=Wである。
【0060】
第二フェーズから初期進入者61が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図16に示すように初期進入者61は第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光、および光送受ユニット322が照射する光の双方を遮る位置に到達する。この図16に示す状態は、第三フェーズと定義する。この第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット322は、初期進入者61までの距離を第二距離Wd2として検出する。このとき、光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。ここで、この第三フェーズにあるとき、後続進入者62は、第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光を遮る。そのため、本来であれば初期進入者61に到達する光送受ユニット321が照射する光は、後続進入者62によって遮られる。その結果、第二距離検出部32の光送受ユニット321は、後続進入者62までの距離を第二距離Wdとして検出する。
【0061】
この場合、第二距離検出部32の光送受ユニット321が検出する後続進入者62までの第二距離Wdは、Wd≦W−2Pとなる。後続進入者62は、通路14の第一門柱11側を通過する初期進入者61を避けつつ第二門柱12側を移動する。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット321から後続進入者62までの第二距離Wd2は、Wd≦W−2Pとなる。その結果、後続進入者62を挟んで第二距離検出部32の反対側には、他の人が通過可能な空間、すなわち光送受ユニット321からの光が到達しない領域が形成される。そこで、距離検出制御部43は、S204において後続進入者62が第三読取部23に許可証17をタッチすると、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2が、Wd2>W−2Pであるかを常に判定する(S205)。
【0062】
距離検出制御部43は、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pであると判定とき(S205:Yes)、第二距離検出部32による距離の検出を継続する(S206)。すなわち、第二距離Wd2がWd2>W−2Pのとき、第三読取部23に許可証17をタッチした後続進入者62は入退場門15の通路14へ到達していない。言い換えると、第二距離がWd2>W−2Pであるとき、後続進入者62は、第三読取部23に許可証17をタッチしたものの、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322が照射する光を遮っていない状態である。この場合、図15に示す第二フェーズに相当するため、初期進入者61を捕捉することにより、他の人が入退場門15の通路14へ進入することは考えられない。
【0063】
一方、距離検出制御部43は、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pでないと判定したとき、つまりWd2≦W−2Pであると判定したとき(S205:No)、第二距離検出部32による距離の検出に加え、第一距離検出部31を起動する(S207)。すなわち、第二距離Wd2がWd2≦W−2Pのとき、第三読取部23に許可証17をタッチした後続進入者62は入退場門15の通路14へ到達する。そのため、後続進入者62は、第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射した光を遮ることとなる。その結果、後続進入者62の第一門柱11側には、他の人が通過可能な空間、すなわち第二距離検出部32の光送受ユニット321からの光が照射されない領域が形成される。そこで、距離検出制御部43は、第一距離検出部31を起動し、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312から光を照射する。
【0064】
このとき、初期進入者61は、上述の通り第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322の双方の光を遮る位置に到達している。そのため、第二距離検出部32に対向して設けられている第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312からの光は、いずれも初期進入者61によって遮られる。その結果、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312が検出する初期進入者61までの第一距離Wd1は、いずれもWd1≦W−2Pとなる。このように第二距離検出部32に加えて第一距離検出部31が起動されたとき、距離検出制御部43は、第一距離検出部31で検出した第一距離Wd1がWd1>W−2Pであるか否かを判定する(S208)。
【0065】
距離検出制御部43は、S208において第一距離Wd1がWd1>W−2Pであると判定すると(S208:Yes)、第二距離検出部32による距離の検出を停止する(S209)。第一距離Wd1がWd1>W−2Pであると判定されたとき、対象となる後続進入者62を挟んで第二門柱12側には、他の人が通過可能な空間が形成されない。これにより、第二距離検出部32による距離の検出は不要となるため、距離検出制御部43は第二距離検出部32からの距離の検出を停止する。そして、距離検出制御部43は、S209において第二距離検出部32を停止した後、第一距離Wd1がWd1=W、すなわち通路幅Wと等しいか否かを判定する(S210)。距離検出制御部43は、第一距離Wd1がWd1=Wと判定すると(S210:Yes)、第一距離検出部31による距離の検出も停止する(S211)。第一距離Wd1がWd1=Wであるとき、入退場門15の通路14には後続進入者62を含めた人が存在していない状態となる。そこで、距離検出制御部43は、第一距離Wd1がWd1=Wであるとき、第一距離検出部31も停止する。ここで、距離検出制御部43は、S210において第一距離Wd1がWd1=Wでない、すなわちWd1>W−2Pであるとき(S210:No)、第一距離Wd1がWd1=Wになるまで待機する。
【0066】
第一門柱11側への初期進入者61に後続して後続進入者62が第二門柱12側へ進入する場合、第一距離Wd1に先立って第二距離Wd2がWd2>W−2Pになることはない。そのため、距離検出制御部43は、S208において、第一距離Wd1がWd1>W−2Pでない、すなわちWd1≦W−2Pである間(S208:No)、S208において第一距離検出部31および第二距離検出部32による距離の検出を継続する。
【0067】
以上の手順を前提として第三フェーズ以降を詳細に説明する。
まず、第三フェーズについて説明する。
図16に示す第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321から照射される光は、後続進入者62で遮られる。そのため、光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2≦W−2Pとなる。そこで、距離検出制御部43は、第二距離検出部32に加え、第一距離検出部31からも距離の検出を行う。このとき、初期進入者61は、第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光、および光送受ユニット312から照射された光を遮る位置にある。そのため、光送受ユニット311で検出される初期進入者61の第一距離Wd1、および光送受ユニット312で検出される初期進入者61の第一距離Wd1は、いずれもWd1≦W−2Pとなる。したがって、距離検出制御部43は、第一距離検出部31だけでなく、第二距離検出部32による距離の検出も継続して行う。
【0068】
図16に示す第三フェーズにあるとき、上述の通り、後続進入者62は第二距離検出部32の光送受ユニット321から照射された光を遮る位置にある。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット321が検出する後続進入者62までの第二距離Wd2はWd2≦W−2Pである。また、第二距離検出部32の光送受ユニット322が照射する光は、初期進入者61によって遮られている。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。
【0069】
このように第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。このことから、第二距離検出部32から初期進入者61までの間には他の人が存在しないことが検出される。これは、第一距離検出部31の光送受ユニット312が検出する初期進入者61までの第一距離Wd1がWd1≦W−2Pであることからも明らかである。すなわち、第一距離検出部31の光送受ユニット312と第二距離検出部32の光送受ユニット322とを結ぶ線上には、初期進入者61のみの存在が検出される。
【0070】
また、第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321から照射された光は、後続進入者62までしか到達しない。そのため、光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2≦W−2Pとなる。一方、この第二距離検出部32の光送受ユニット321と対向する第一距離検出部31の光送受ユニット311は、初期進入者61を検出している。そのため、光送受ユニット311が検出する第一距離Wd1は、Wd1≦W−2Pとなる。これら、光送受ユニット311で検出された第一距離Wd1、光送受ユニット321で検出された第二距離Wd2、初期進入者61の人幅Pおよび後続進入者62の人幅Pの総和(Wd1+Wd2+P+P)は、通路幅Wよりもやや小さくなる。すなわち、通路幅Wから総和(Wd1+Wd2+P+P)を減じたとき、通路14には人が通過可能な空間は形成されない。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット311と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを結ぶ線上には、初期進入者61および後続進入者62が同時に存在していることが検出される。
【0071】
次に、第四フェーズについて説明する。
図16に示す第三フェーズから初期進入者61および後続進入者62が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図17に示すように後続進入者62は第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光、および光送受ユニット322が照射する光の双方を遮る位置に到達する。このとき、初期進入者61は、第一距離検出部31の光送受ユニット312から照射された光、および第二距離検出部32の光送受ユニット322から照射された光を遮る位置にある。この図17に示す状態は、第四フェーズと定義する。この第四フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、後続進入者62までの距離を第二距離Wd2として検出する。この第四フェーズで検出される後続進入者62までの第二距離Wd2は、光送受ユニット321および光送受ユニット322のいずれもWd2≦W−2Pである。そのため、距離検出制御部43は、第二距離検出部32に加え第一距離検出部31からも光を照射する。この第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光は、後続進入者62まで到達する。そのため、光送受ユニット311が検出する第一距離Wd1は、Wd1>W−2Pとなる。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット311から後続進入者62までの間には、他の人が存在しないことが検出される。すなわち、第一距離検出部31の光送受ユニット311と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを結ぶ線上には、後続進入者62のみの存在が検出される。
【0072】
また、第四フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット312から照射された光は、初期進入者61までしか到達しない。そのため、光送受ユニット312が検出する第一距離Wd1は、Wd1≦W−2Pとなる。一方、この第一距離検出部31の光送受ユニット312と対向する第二距離検出部32の光送受ユニット322は、後続進入者62を検出している。そのため、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2≦W−2Pとなる。これら光送受ユニット312で検出された第一距離Wd1、光送受ユニット322で検出された第二距離Wd2、初期進入者61の人幅Pおよび後続進入者62の人幅Pの総和(Wd1+Wd2+P+P)は、通路幅Wよりもやや小さくなる。すなわち、通路幅Wから総和(Wd1+Wd2+P+P)を減じたとき、通路14には人が通過可能な空間が形成されない。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット312と第二距離検出部32の光送受ユニット322とを結ぶ線上には、初期進入者61および後続進入者62の存在が検出される。
【0073】
次に、第五フェーズについて説明する。
図17に示す第四フェーズから初期進入者61および後続進入者62が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図18に示すように後続進入者62は、第一距離検出部31の光送受ユニット312が照射する光を遮る位置に到達する。このとき、初期進入者61は、入退場門15をすでに通過している。この図18に示す状態は、第五フェーズと定義する。この第五フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット312から照射された光は、後続進入者62によって遮られる。そのため、光送受ユニット312が検出する第一距離Wd1は、Wd1>W−2Pとなる。これにより、後続進入者62の第二門柱12側には、人が通過可能な空間が形成されない。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット312と第二距離検出部32の光送受ユニット322とを結ぶ線上には、後続進入者62のみが存在していることが検出される。したがって、距離検出制御部43は、第二距離検出部32による後続進入者62の検出を停止する。
【0074】
また、第五フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光は、後続進入者62によって遮られることなく、第二門柱12へ到達する。そのため、光送受ユニット311が検出する第一距離Wd1は、Wd1=Wとなる。このことから、第一距離検出部31が設けられている第一門柱11から第二門柱12までの間には、他の人が存在しないことが検出される。すなわち、第一距離検出部31の光送受ユニット311と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを結ぶ線上には、後続進入者62を含め人が存在していないことになる。
【0075】
次に、第六フェーズについて説明する。
図18に示す第五フェーズから初期進入者61および後続進入者62が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図19に示すように後続進入者62も入退場門15を通過する。この図19に示す状態は、第六フェーズと定義する。この第六フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光、および光送受ユニット322から照射された光は、いずれも人によって遮られない。そのため、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312が検出する第一距離Wd1は、Wd1=Wとなる。これにより、第一門柱11と第二門柱12との間の通路14には、初期進入者61および後続進入者62を含む人が存在していないこととなる。したがって、距離検出制御部43は、第一距離検出部31からの光の照射を停止する。
【0076】
(二人対向通過パターンにおける距離検出制御処理)
「二人対向通過パターン」における距離検出制御処理について図20に基づいて説明する。距離検出制御部43は、「二人対向通過パターン」であるとき、次の流れで第一距離検出部31および第二距離検出部32を制御する。なお、上述の「二人同方向通過パターン」と同様の処理は説明を省略する。
距離検出制御部43は、第一端側から進入する初期進入者が第一読取部21に許可証17をタッチするまで第一距離検出部31および第二距離検出部32を停止している(S301)。すなわち、距離検出制御部43は、第一距離検出部31および第二距離検出部32の電源を遮断し、第一距離検出部31および第二距離検出部32への電力の供給を停止している。
【0077】
距離検出制御部43は、図21に示すように初期進入者71が第一読取部21に許可証17をタッチすると(S302)、第二距離検出部32を起動する(S303)。これにより、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、第二門柱12側から第一門柱11側へ光を照射する。このとき、距離検出制御部43は、第一門柱11に設けられている第一距離検出部31を停止状態で維持する。初期進入者71が第一読取部21に許可証17をタッチしたとき、すなわち許可証17をタッチした瞬間、初期進入者71は、図21に示すようにまだ入退場門15の通路14に進入していない。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、いずれも通路14の通路幅Wを検出している。この図21に示す状態は、第一フェーズと定義する。
【0078】
第一フェーズの後、初期進入者71が第一端側から入退場門15の通路14へ進入した直後、図22に示すように初期進入者71はまず第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光を遮る。また、このとき、初期進入者71に対向して第二端側から入退場門15へ進入する対向進入者72は、第二門柱12に設けられている第四読取部24に許可証17をタッチする(S304)。対向進入者72が第四読取部24に許可証17をタッチしたとき、すなわち許可証17をタッチした瞬間、対向進入者72は、図22に示すようにまだ入退場門15の通路14に進入していない。この図22に示す状態は、第二フェーズと定義する。
【0079】
図22に示す第二フェーズにあるとき、距離検出制御部43は、第二距離検出部32からの光の照射を継続する。すなわち、第二距離検出部32は、入退場門15の通路14を通過する初期進入者71を検出する。この第二フェーズにあるとき、光送受ユニット321は、初期進入者71までの距離を第二距離Wd2として検出する。このとき、光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。一方、初期進入者71は、第二距離検出部32の光送受ユニット322が照射する光を遮っていない。そのため、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2=Wである。
【0080】
第二フェーズから初期進入者71が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図23に示すように初期進入者71は第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光、および光送受ユニット322が照射する光の双方を遮る位置に到達する。この図23に示す状態は、第三フェーズと定義する。この第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321は、初期進入者71までの距離を第二距離Wd2として検出する。このとき、光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。ここで、この第三フェーズにあるとき、対向進入者72は、第二距離検出部32の光送受ユニット322が照射する光を遮る。そのため、本来であれば初期進入者71に到達する光送受ユニット322が照射する光は、対向進入者72によって遮られる。その結果、第二距離検出部32の光送受ユニット322は、対向進入者72までの距離を第二距離Wdとして検出する。
【0081】
この場合、第二距離検出部32の光送受ユニット322が検出する対向進入者72までの第二距離Wdは、Wd≦W−2Pとなる。すなわち、対向進入者72は、通路14の第一門柱11側を通過する初期進入者71を避けつつ第二門柱12側を移動する。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット322から対向進入者72までの第二距離Wd2は、Wd≦W−2Pとなる。その結果、対向進入者72を挟んで第二距離検出部32の反対側には、他の人が通過可能な空間、すなわち光送受ユニット322からの光が到達しない領域が形成される。そこで、距離検出制御部43は、S304において対向進入者72が第四読取部24に許可証17をタッチすると、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2が、Wd2>W−2Pであるかを常に判定する(S305)。
【0082】
距離検出制御部43は、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pであると判定とき(S305:Yes)、第二距離検出部32による距離の検出を継続する(S306)。すなわち、第二距離Wd2がWd2>W−2Pのとき、第四読取部24に許可証17をタッチした対向進入者72は入退場門15の通路14へ到達していない。言い換えると、第二距離がWd2>W−2Pであるとき、対向進入者72は、第四読取部24に許可証17をタッチしたものの、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322が照射する光を遮っていない状態である。この場合、図22に示す第二フェーズに相当するため、初期進入者71を捕捉することにより、他の人が入退場門15の通路14へ進入することは考えられない。
【0083】
一方、距離検出制御部43は、第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2がWd2>W−2Pでないと判定したとき、つまりWd2≦W−2Pであると判定したとき(S305:No)、第二距離検出部32による距離の検出に加え、第一距離検出部31を起動する(S307)。すなわち、第二距離Wd2がWd2≦W−2Pのとき、第四読取部24に許可証17をタッチした対向進入者72は入退場門15の通路14へ到達する。そのため、対向進入者72は、第二距離検出部32の光送受ユニット322が照射した光を遮ることとなる。その結果、対向進入者72の第一門柱11側には、他の人が通過可能な空間、すなわち第二距離検出部32の光送受ユニット322からの光が照射されない領域が形成される。そこで、距離検出制御部43は、第一距離検出部31を起動し、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312から光を照射する。
【0084】
このとき、初期進入者71は、上述の通り第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322の双方の光を遮る位置に到達している。そのため、第二距離検出部32に対向して設けられている第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312からの光は、いずれも初期進入者71によって遮られる。その結果、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312が検出する初期進入者71までの第一距離Wd1は、いずれもWd1≦W−2Pとなる。このように第二距離検出部32に加えて第一距離検出部31が起動されたとき、距離検出制御部43は、第一距離検出部31で検出した第一距離Wd1がWd1>W−2Pであるか否かを判定する(S308)。
【0085】
距離検出制御部43は、S308において第一距離Wd1がWd1>W−2Pであると判定すると(S308:Yes)、第二距離検出部32による距離の検出を停止する(S309)。第一距離Wd1がWd1>W−2Pであると判定されたとき、対象となる対向進入者72を挟んで第二門柱12側には、他の人が通過可能な空間が形成されない。これにより、第二距離検出部32による距離の検出は不要となるため、距離検出制御部43は第二距離検出部32からの距離の検出を停止する。そして、距離検出制御部43は、S309において第二距離検出部32を停止した後、第一距離Wd1がWd1=W、すなわち通路幅Wと等しいか否かを判定する(S310)。距離検出制御部43は、第一距離Wd1がWd1=Wと判定すると(S310:Yes)、第一距離検出部31による距離の検出も停止する(S311)。第一距離Wd1がWd1=Wであるとき、入退場門15の通路14には対向進入者72を含めた人が存在していない状態となる。そこで、距離検出制御部43は、第一距離Wd1がWd1=Wであるとき、第一距離検出部31も停止する。ここで、距離検出制御部43は、S310において第一距離Wd1がWd1=Wでない、すなわちWd1>W−2Pであるとき(S310:No)、第一距離Wd1がWd1=Wになるまで待機する。
【0086】
第一門柱11側への初期進入者71に対向して対向進入者72が第二門柱12側へ進入する場合、第一距離Wd1に先立って第二距離Wd2がWd2>W−2Pになることはない。そのため、距離検出制御部43は、S308において、第一距離Wd1がWd1>W−2Pでない、すなわちWd1≦W−2Pである間(S308:No)、S308において第一距離検出部31および第二距離検出部32による距離の検出を継続する。
【0087】
以上の手順を前提として第三フェーズ以降を詳細に説明する。
まず、第三フェーズについて説明する。
図23に示す第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット322から照射される光は、対向進入者72で遮られる。そのため、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2≦W−2Pとなる。そこで、距離検出制御部43は、第二距離検出部32に加え、第一距離検出部31からも距離の検出を行う。このとき、初期進入者71は、第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光、および光送受ユニット312から照射された光を遮る位置にある。そのため、光送受ユニット311で検出される初期進入者71の第一距離Wd1、および光送受ユニット312で検出される初期進入者71の第一距離Wd1は、いずれもWd1≦W−2Pとなる。したがって、距離検出制御部43は、第一距離検出部31だけでなく、第二距離検出部32による距離の検出も継続して行う。
【0088】
図23に示す第三フェーズにあるとき、上述の通り、対向進入者72は第二距離検出部32の光送受ユニット322から照射された光を遮る位置にある。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット322が検出する対向進入者72までの第二距離Wd2はWd2≦W−2Pである。また、第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光は、初期進入者71によって遮られている。そのため、第二距離検出部32の光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。
【0089】
このように第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321が検出する第二距離Wd2は、Wd2>W−2Pである。このことから、第二距離検出部32から初期進入者71までの間には他の人が存在しないことが検出される。これは、第一距離検出部31の光送受ユニット311が検出する初期進入者71までの第一距離Wd1がWd1≦W−2Pであることからも明らかである。すなわち、第一距離検出部31の光送受ユニット311と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを結ぶ線上には、初期進入者71のみの存在が検出される。
【0090】
また、第三フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット322から照射された光は、対向進入者72までしか到達しない。そのため、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2≦W−2Pとなる。一方、この第二距離検出部32の光送受ユニット322と対向する第一距離検出部31の光送受ユニット312は、初期進入者71を検出している。そのため、光送受ユニット312が検出する第一距離Wd1は、Wd1≦W−2Pとなる。これら、光送受ユニット312で検出された第一距離Wd1、光送受ユニット322で検出された第二距離Wd2、初期進入者71の人幅Pおよび対向進入者72の人幅Pの総和(Wd1+Wd2+P+P)は、通路幅Wよりもやや小さくなる。すなわち、通路幅Wから総和(Wd1+Wd2+P+P)を減じたとき、通路14には人が通過可能な空間は形成されない。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット312と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを結ぶ線上には、初期進入者71および対向進入者72が同時に存在していることが検出される。
【0091】
次に、第四フェーズについて説明する。
図23に示す第三フェーズから初期進入者71および対向進入者72が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図24に示すように対向進入者72は第二距離検出部32の光送受ユニット321が照射する光、および光送受ユニット322が照射する光の双方を遮る位置に到達する。このとき、初期進入者71は、第一距離検出部31の光送受ユニット312から照射された光、および第二距離検出部32の光送受ユニット322から照射された光を遮る位置にある。この図24に示す状態は、第四フェーズと定義する。この第四フェーズにあるとき、第二距離検出部32の光送受ユニット321および光送受ユニット322は、対向進入者72までの距離を第二距離Wd2として検出する。この第四フェーズで検出される対向進入者72までの第二距離Wd2は、光送受ユニット321および光送受ユニット322のいずれもWd2≦W−2Pである。そのため、距離検出制御部43は、第二距離検出部32に加え第一距離検出部31からも光を照射する。この第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光は、対向進入者72まで到達する。そのため、光送受ユニット311が検出する第一距離Wd1は、Wd1>W−2Pとなる。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット311から対向進入者72までの間には、他の人が存在しないことが検出される。すなわち、第一距離検出部31の光送受ユニット311と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを結ぶ線上には、対向進入者72のみの存在が検出される。
【0092】
また、第四フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット312から照射された光は、初期進入者71までしか到達しない。そのため、光送受ユニット312が検出する第一距離Wd1は、Wd1≦W−2Pとなる。一方、この第一距離検出部31の光送受ユニット312と対向する第二距離検出部32の光送受ユニット322は、対向進入者72を検出している。そのため、光送受ユニット322が検出する第二距離Wd2は、Wd2≦W−2Pとなる。これら光送受ユニット312で検出された第一距離Wd1、光送受ユニット322で検出された第二距離Wd2、初期進入者71の人幅Pおよび対向進入者72の人幅Pの総和(Wd1+Wd2+P+P)は、通路幅Wよりもやや小さくなる。すなわち、通路幅Wから総和(Wd1+Wd2+P+P)を減じたとき、通路14には人が通過可能な空間が形成されない。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット312と第二距離検出部32の光送受ユニット322とを結ぶ線上には、初期進入者71および対向進入者72の存在が検出される。
【0093】
次に、第五フェーズについて説明する。
図24に示す第四フェーズから初期進入者71および対向進入者72が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図25に示すように対向進入者72は、第一距離検出部31の光送受ユニット311が照射する光を遮る位置に到達する。このとき、初期進入者71は、入退場門15をすでに通過している。この図25に示す状態は、第五フェーズと定義する。この第五フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光は、対向進入者72によって遮られる。そのため、光送受ユニット311が検出する第一距離Wd1は、Wd1>W−2Pとなる。これにより、対向進入者72の第二門柱12側には、人が通過可能な空間が形成されない。このことから、第一距離検出部31の光送受ユニット311と第二距離検出部32の光送受ユニット321とを結ぶ線上には、対向進入者72のみが存在していることが検出される。したがって、距離検出制御部43は、第二距離検出部32による対向進入者72の検出を停止する。
【0094】
また、第五フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット312から照射された光は、対向進入者72によって遮られることなく、第二門柱12へ到達する。そのため、光送受ユニット312が検出する第一距離Wd1は、Wd1=Wとなる。このことから、第一距離検出部31が設けられている第一門柱11から第二門柱12までの間には、他の人が存在しないことが検出される。すなわち、第一距離検出部31の光送受ユニット312と第二距離検出部32の光送受ユニット322とを結ぶ線上には、対向進入者72を含め人が存在していないことになる。
【0095】
次に、第六フェーズについて説明する。
図25に示す第五フェーズから初期進入者71および対向進入者72が入退場門15の通路14を第二端側へさらに進行すると、図26に示すように対向進入者72も入退場門15を通過する。この図26に示す状態は、第六フェーズと定義する。この第六フェーズにあるとき、第一距離検出部31の光送受ユニット311から照射された光、および光送受ユニット312から照射された光は、いずれも人によって遮られない。そのため、第一距離検出部31の光送受ユニット311および光送受ユニット312が検出する第一距離Wd1は、Wd1=Wとなる。これにより、第一門柱11と第二門柱12との間の通路14には、初期進入者71および対向進入者72を含む人が存在していないこととなる。したがって、距離検出制御部43は、第一距離検出部31からの光の照射を停止する。
【0096】
(通過判定処理および報知処理)
通過判定部42は、上述の各通過パターンに対応して第一距離検出部31または第二距離検出部32で検出した初期進入者61、後続進入者62、初期進入者71または対向進入者72の距離の変化状況を追跡する。具体的には、二人同方向通過パターンまたは二人対向通過パターンの場合、通過判定部42は、上述した各フェーズにおいて第一距離検出部31で4検出した第一距離Wd1、および第二距離検出部32で検出した第二距離Wd2の変化状況を検出する。そして、通過判定部42は、図11に示す一人通過パターンと同様に、検出した変化状況を、記憶部41に記憶した図示しない距離変化状況データベースと照合することにより、初期進入者61、後続進入者62、初期進入者71または対向進入者72が入退場門15を通過したことを判定する。
【0097】
また、報知部45は、第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23または第四読取部24で読み取った許可証17と記憶部41に記憶しているデータベースとを照合し、読み取られた許可証17が認証できないものであるとき、視覚的または聴覚的な報知を行う。また、報知部45は、第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23または第四読取部24で許可証17を読み取ることができなかった、あるいは第一読取部21、第二読取部22、第三読取部23または第四読取部24にそもそも許可証17のタッチがされなかったにもかかわらず入退場門15を通過する人がいるとき、視覚的または聴覚的な報知を行う。
【0098】
以上説明したように一実施形態では、距離検出制御部43は、第二距離検出部32から第二距離Wd2を検出する場合、初期進入者51、初期進入者61若しくは後続進入者62、または初期進入者71若しくは対向進入者72の第一門柱11側に人が通過可能な空間が形成されていると判定すると、第二距離検出部32に加え、第一距離検出部31からも第一距離Wd1を検出する。一方、距離検出制御部43は、第一距離検出部31から第一距離Wd1を検出するとき、初期進入者61若しくは後続進入者62、または初期進入者71若しくは対向進入者72の第二門柱12側に人が通過可能な空間が形成されていないと判定すると、第二距離検出部32による第二距離Wd2の検出を停止する。すなわち、距離検出制御部43は、通路14を通過する初期進入者51、61、71、後続進入者62または対向進入者72の通過状況に応じて、第一距離検出部31または第二距離検出部32を起動または停止する。これにより、第一距離検出部31または第二距離検出部が起動している時間、すなわち光を照射している時間は短縮される。したがって、第一距離検出部31および第二距離検出部32をはじめとする入退場管理システム10全体の消費電力を低減できるとともに、第一距離検出部31および第二距離検出部32の寿命を延長することができる。
【0099】
また、一実施形態では、対向する一対の第一門柱11および第二門柱12を備え、第一門柱11に第一距離検出部31を設け、第二門柱12に第二距離検出部32を設けている。距離検出制御部43は、初期進入者51、61、71、後続進入者62または対向進入者72の通過状況に応じて、これら第一距離検出部31および第二距離検出部32を制御する。これにより、第一距離検出部31または第二距離検出部32のいずれか一方を停止するときでも、通路14を同時に通過する二人の進入者が検出される。その結果、通過判定部42は、通路14を同時に通過する複数の人を判別する。したがって、消費電力の低減および寿命の延長を確保しつつ、人の集中時においても通路14における円滑な人の通過を図ることができる。
【0100】
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
【符号の説明】
【0101】
図面中、10は入退場管理システム、11は第一門柱、12は第二門柱、14は通路、15は入退場門、16は人、17は許可証、21は第一読取部、22は第二読取部、23は第三読取部、24は第四読取部、31は第一距離検出部(第一距離検出手段)、32は第二距離検出部(第二距離検出手段)、42は通過判定部(通過判定手段)、43は距離検出制御部(距離検出制御手段)、51、61、71は初期進入者、62は後続進入者、72は対向進入者、311、312、321、322は光送受ユニットを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路を挟んで一対も受けられている門柱と、
前記通路が延びる方向において前記門柱の各端部にそれぞれ設けられ、前記通路へ進入する進入者が所持する許可証を読み取る読取部と、
一対の前記門柱のそれぞれにおいて前記通路が延びる方向へ予め設定された間隔で対向する二箇所に設けられ、一方の門柱から他方の門柱へ光を照射することにより前記通路へ進入する進入者までの距離を検出する距離検出手段と、
前記読取部で前記許可証を読み取らせた前記進入者が前記通路を通過したか否かを判定する通過判定手段と、
前記距離検出手段からの光の照射を制御する距離検出制御手段と、を備え、
前記距離検出制御手段は、
前記門柱の一方に設けられている前記読取部で前記許可証が読み取られると、前記読取部が設けられている一方の門柱に対向する他方の門柱の前記距離検出手段から前記一方の門柱側へ光を照射して前記進入者までの距離を検出し、
前記通路の幅を通路幅Wとし、前記他方の門柱の前記距離検出手段で検出した前記進入者までの距離を検出距離Wdとし、前記通路を通過する前記進入者の幅として予め設定した仮想的な人幅を仮想人幅Pとしたとき、
前記検出距離Wdが、前記通路幅Wから前記仮想人幅Pの2倍を減じたW−2Pより大きいWd>W−2Pであれば、前記一方の門柱の前記距離検出手段からの距離の検出を停止して、前記他方の門柱の前記距離検出手段からの距離を検出を継続し、
前記検出距離Wdが、前記通路幅Wから前記仮想人幅Pの2倍を減じたW−2P以上となるWd≦W−2Pであれば、前記一方の門柱に設けられている前記距離検出手段から前記他方の門柱側へ光を照射して前記進入者までの距離を検出するとともに、次期検出タイミングの検出では前記他方の門柱の前記距離検出手段を停止し、前記一方の門柱に設けられている前記距離検出手段からの距離の検出を行う入退場管理システム。
【請求項2】
前記門柱は、第一端側から第二端側へ延びる前記通路を挟んで対向し、入退場門を構成する第一門柱および第二門柱を有し、
前記読取部は、前記第一門柱の前記第一端側に設けられている第一読取部、前記第一門柱の前記第二端側に設けられている第二読取部、前記第二門柱の前記第一端側に設けられている第三読取部、および前記第二門柱の前記第二端側に設けられている第四読取部を有し、
前記距離検出手段は、前記第一門柱に設けられている第一距離検出手段、および前記第二門柱に設けられている第二距離検出手段を有し、
前記距離検出制御手段は、
前記第一距離検出手段で検出した距離を第一距離をWd1とし、前記第二距離検出手段で検出した距離を第二距離をWd2としたとき、
前記入退場門への最初の進入者である初期進入者が前記第一読取部に前記許可証を読み取らせて前記入退場門の通過を完了するまでに、他の進入者が前記第一読取部から前記第四読取部のいずれにも前記許可証を読み取らせていない一人通過パターンであるとき、前記第二距離検出手段から前記初期進入者までの前記第二距離Wd2を検出し、前記第二距離Wd2がWd2>W−2Pである間は前記第二距離検出手段からの前記第二距離Wd2の検出を継続し、前記第二距離Wd2がWd2≦W−2Pになると前記第二距離検出手段からの前記第二距離Wd2の検出を停止、または前記第二距離検出手段からの前記第二距離Wd2の検出を継続しながら前記第一距離検出手段から前記初期進入者までの前記第一距離Wd1を検出し、
前記入退場門への最初の進入者である初期進入者が前記第一読取部に前記許可証を読み取らせて前記入退場門の通過を完了するまでに、後続する後続進入者が前記第三読取部に前記許可証を読み取らせて前記入退場門へ進入する二人同方向通過パターンであるとき、前記第二距離検出手段から前記初期進入者までの前記第二距離Wd2を検出し、前記第二距離Wd2がWd2>W−2Pである間は前記第二距離検出手段からの前記第二距離Wd2の検出を継続し、前記後続進入者の進入によって前記第二距離検出手段で検出した前記第二距離Wd2がWd2≦W−2Pとなると前記第二距離検出手段から前記第二距離Wd2を検出するとともに前記第一距離検出手段からも前記第一距離Wd1を検出し、前記第一距離検出手段で検出した前記第一距離Wd1がWd>W−2Pになると前記第二距離検出手段からの前記第二距離Wd2の検出を停止し、
前記入退場門への最初の進入者である初期進入者が前記第一読取部に前記許可証を読み取らせて前記入退場門の通過を完了するまでに、対向する対向進入者が前記第四読取部に前記許可証を読み取らせて前記入退場門へ進入する二人対向通過パターンであるとき、前記第二距離検出手段から前記初期進入者までの前記第二距離Wd2を検出し、前記第二距離Wd2がWd2>W−2Pである間は前記第二距離検出手段からの前記第二距離Wd2の検出を継続し、前記対向進入者の進入によって前記第二距離検出手段で検出した前記第二距離Wd2がWd2≦W−2Pとなると前記第二距離検出手段から前記第二距離Wd2を検出するとともに前記第一距離検出手段からも前記第一距離Wd1を検出し、前記第一距離検出手段で検出した前記第一距離Wd1がWd>W−2Pになると前記第二距離検出手段からの前記第二距離Wd2の検出を停止する請求項1記載の入退場管理システム。
【請求項1】
通路を挟んで一対も受けられている門柱と、
前記通路が延びる方向において前記門柱の各端部にそれぞれ設けられ、前記通路へ進入する進入者が所持する許可証を読み取る読取部と、
一対の前記門柱のそれぞれにおいて前記通路が延びる方向へ予め設定された間隔で対向する二箇所に設けられ、一方の門柱から他方の門柱へ光を照射することにより前記通路へ進入する進入者までの距離を検出する距離検出手段と、
前記読取部で前記許可証を読み取らせた前記進入者が前記通路を通過したか否かを判定する通過判定手段と、
前記距離検出手段からの光の照射を制御する距離検出制御手段と、を備え、
前記距離検出制御手段は、
前記門柱の一方に設けられている前記読取部で前記許可証が読み取られると、前記読取部が設けられている一方の門柱に対向する他方の門柱の前記距離検出手段から前記一方の門柱側へ光を照射して前記進入者までの距離を検出し、
前記通路の幅を通路幅Wとし、前記他方の門柱の前記距離検出手段で検出した前記進入者までの距離を検出距離Wdとし、前記通路を通過する前記進入者の幅として予め設定した仮想的な人幅を仮想人幅Pとしたとき、
前記検出距離Wdが、前記通路幅Wから前記仮想人幅Pの2倍を減じたW−2Pより大きいWd>W−2Pであれば、前記一方の門柱の前記距離検出手段からの距離の検出を停止して、前記他方の門柱の前記距離検出手段からの距離を検出を継続し、
前記検出距離Wdが、前記通路幅Wから前記仮想人幅Pの2倍を減じたW−2P以上となるWd≦W−2Pであれば、前記一方の門柱に設けられている前記距離検出手段から前記他方の門柱側へ光を照射して前記進入者までの距離を検出するとともに、次期検出タイミングの検出では前記他方の門柱の前記距離検出手段を停止し、前記一方の門柱に設けられている前記距離検出手段からの距離の検出を行う入退場管理システム。
【請求項2】
前記門柱は、第一端側から第二端側へ延びる前記通路を挟んで対向し、入退場門を構成する第一門柱および第二門柱を有し、
前記読取部は、前記第一門柱の前記第一端側に設けられている第一読取部、前記第一門柱の前記第二端側に設けられている第二読取部、前記第二門柱の前記第一端側に設けられている第三読取部、および前記第二門柱の前記第二端側に設けられている第四読取部を有し、
前記距離検出手段は、前記第一門柱に設けられている第一距離検出手段、および前記第二門柱に設けられている第二距離検出手段を有し、
前記距離検出制御手段は、
前記第一距離検出手段で検出した距離を第一距離をWd1とし、前記第二距離検出手段で検出した距離を第二距離をWd2としたとき、
前記入退場門への最初の進入者である初期進入者が前記第一読取部に前記許可証を読み取らせて前記入退場門の通過を完了するまでに、他の進入者が前記第一読取部から前記第四読取部のいずれにも前記許可証を読み取らせていない一人通過パターンであるとき、前記第二距離検出手段から前記初期進入者までの前記第二距離Wd2を検出し、前記第二距離Wd2がWd2>W−2Pである間は前記第二距離検出手段からの前記第二距離Wd2の検出を継続し、前記第二距離Wd2がWd2≦W−2Pになると前記第二距離検出手段からの前記第二距離Wd2の検出を停止、または前記第二距離検出手段からの前記第二距離Wd2の検出を継続しながら前記第一距離検出手段から前記初期進入者までの前記第一距離Wd1を検出し、
前記入退場門への最初の進入者である初期進入者が前記第一読取部に前記許可証を読み取らせて前記入退場門の通過を完了するまでに、後続する後続進入者が前記第三読取部に前記許可証を読み取らせて前記入退場門へ進入する二人同方向通過パターンであるとき、前記第二距離検出手段から前記初期進入者までの前記第二距離Wd2を検出し、前記第二距離Wd2がWd2>W−2Pである間は前記第二距離検出手段からの前記第二距離Wd2の検出を継続し、前記後続進入者の進入によって前記第二距離検出手段で検出した前記第二距離Wd2がWd2≦W−2Pとなると前記第二距離検出手段から前記第二距離Wd2を検出するとともに前記第一距離検出手段からも前記第一距離Wd1を検出し、前記第一距離検出手段で検出した前記第一距離Wd1がWd>W−2Pになると前記第二距離検出手段からの前記第二距離Wd2の検出を停止し、
前記入退場門への最初の進入者である初期進入者が前記第一読取部に前記許可証を読み取らせて前記入退場門の通過を完了するまでに、対向する対向進入者が前記第四読取部に前記許可証を読み取らせて前記入退場門へ進入する二人対向通過パターンであるとき、前記第二距離検出手段から前記初期進入者までの前記第二距離Wd2を検出し、前記第二距離Wd2がWd2>W−2Pである間は前記第二距離検出手段からの前記第二距離Wd2の検出を継続し、前記対向進入者の進入によって前記第二距離検出手段で検出した前記第二距離Wd2がWd2≦W−2Pとなると前記第二距離検出手段から前記第二距離Wd2を検出するとともに前記第一距離検出手段からも前記第一距離Wd1を検出し、前記第一距離検出手段で検出した前記第一距離Wd1がWd>W−2Pになると前記第二距離検出手段からの前記第二距離Wd2の検出を停止する請求項1記載の入退場管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
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【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
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【図21】
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【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2013−65064(P2013−65064A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201771(P2011−201771)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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