説明

入退室管理システム、該システムに用いられる入退室管理方法及び入退室管理プログラム

【課題】入室者の入室と退室者の退室とがほぼ同時に発生する場合でも、不正な入室及び退室が防止される入退室管理システムを提供する。
【解決手段】入室管理端末20のカード読取部21により、入室者のIDカードを読み取って入室者が正常に認証されたとき、退室側状態検出手段(退室側状態検出部22)により、入退室管理手段(入退室管理サーバ10)に記録されている退室履歴に基づいて、退室管理端末30側で退室者が退室しているか否かが検出され、退室している場合に入室許可が報知される。一方、退室者が退室していない場合には退室するまで待機し、退室してから上記入室許可が報知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入退室管理システム、該システムに用いられる入退室管理方法及び入退室管理プログラムに係り、特に、一つの扉やゲートなどの出入り口で入室者の入室と退室者の退室とがほぼ同時に発生する場合に用いて好適な入退室管理システム、該システムに用いられる入退室管理方法及び入退室管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
扉やゲートなどの出入り口を介して部屋の外側に入室管理端末を設けると共に、部屋の内側に退室管理端末を設け、同各端末で入室者及び退室者をIDカードなどで認証することにより、入退室管理システムを運用する場合、出入り口がガラス張りなどになっていて見通しが可能であれば、対向者が互いに目視で確認できるが、壁やパーテションなどになっていて見通しが不可能であれば、対向者の存在が互いに目視できない。このような対向者が互いに目視できない場合に、入室管理端末及び退室管理端末で、ほぼ同時に認証が行われた場合、どちらが優先されたかが不明になることがある。
【0003】
この場合、認証後に出入り口が解錠されて開いた状態では、入室者及び退室者が共に認証済みと判断して疑うことなく入退場を行う。もし、対向側で先に認証されて出入り口が解錠された場合、未認証での通過となり、不正に入室又は退室したことになる。また、アンチパスバック機能が有効なシステムでは、認証なしでの入室又は退室が原因でアンチパスバックエラーが発生し、認証されていないことがここで判明する。特に、入退室者が多い場所では、このエラーの発生率が高くなる傾向があり、履歴上不正なログデータが結果として残る。このため、入退室者が多い場所でも、不正な入室及び退室が防止される仕組みが要求されている。
【0004】
この種の関連技術としては、たとえば、特許文献1に記載された入退室管理システムがある。
この入退室管理システムでは、部屋の内側と外側に同一扉を介してそれぞれ対向するID判別手段が設けられ、それらのID判別に基づいて、入室者のデータには部屋内フラグを立てると共に、退室者のデータには部屋内フラグを消去することにより、アンチパスバックチェックが行われる。この場合、制御手段により、上記ID判別手段の一方がID判別を開始してから、同ID判別に基づいて上記扉が開いて再び閉じるまでの時間経過した後に、上記扉を介して対向する他方のID判別手段によるID判別が許可される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2556914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記関連技術では、次のような課題があった。
すなわち、特許文献1に記載された入退室管理システムでは、ID判別手段の一方がID判別を開始してから、同ID判別に基づいて扉が開いて再び閉じるまでの時間経過した後でなければ、他方のID判別手段によるID判別が許可されないので、この発明とは処理方法が異なる。
【0007】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、入室者の入室と退室者の退室とがほぼ同時に発生する場合でも、不正な入室及び退室が防止される入退室管理システム、該システムに用いられる入退室管理方法及び入退室管理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明の第1の構成は、出入り口を介して部屋の外側に設けられ、入室者を認証するための入室管理端末と、前記出入り口を介して前記部屋の内側に設けられ、退室者を認証するための退室管理端末と、前記入室管理端末により認証された前記入室者の入室履歴を記録すると共に、前記退室管理端末により認証された前記退室者の退室履歴を記録する入退室管理手段とを有する入退室管理システムに係り、前記入室管理端末は、前記入室者を正常に認証したとき、前記入退室管理手段に記録されている前記退室履歴に基づいて、前記退室管理端末側で前記退室者が退室しているか否かを検出し、退室している場合に入室許可を報知する一方、退室していない場合には退室するまで待機し、退室してから前記入室許可を報知する退室側状態検出手段が設けられ、前記退室管理端末は、前記退室者を正常に認証したとき、前記入退室管理手段に記録されている前記入室履歴に基づいて、前記入室管理端末側で前記入室者が入室しているか否かを検出し、入室している場合に退室許可を報知する一方、入室していない場合には入室するまで待機し、入室してから前記退室許可を報知する入室側状態検出手段が設けられていることを特徴としている。
【0009】
この発明の第2の構成は、出入り口を介して部屋の外側に設けられ、入室者を認証するための入室管理端末と、前記出入り口を介して前記部屋の内側に設けられ、退室者を認証するための退室管理端末と、前記入室管理端末により認証された前記入室者の入室履歴を記録すると共に、前記退室管理端末により認証された前記退室者の退室履歴を記録する入退室管理手段とを有する入退室管理システムに用いられる入退室管理方法に係り、前記入室管理端末では、退室側状態検出手段が、前記入室者を正常に認証したとき、前記入退室管理手段に記録されている前記退室履歴に基づいて、前記退室管理端末側で前記退室者が退室しているか否かを検出し、退室している場合に入室許可を報知する一方、退室していない場合には退室するまで待機し、退室してから前記入室許可を報知する退室側状態検出処理を行い、前記退室管理端末では、入室側状態検出手段が、前記退室者を正常に認証したとき、前記入退室管理手段に記録されている前記入室履歴に基づいて、前記入室管理端末側で前記入室者が入室しているか否かを検出し、入室している場合に退室許可を報知する一方、入室していない場合には入室するまで待機し、入室してから前記退室許可を報知する入室側状態検出処理を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
この発明の構成によれば、退室者が先に認証されても、入室許可が表示されない場合、入室が制止され、入室者が再度認証を行うことができ、確実に入室履歴が残り、不正な入室が防止されてセキュリティレベルを向上させることができる。また、入室者が先に認証されても、退室許可が表示されない場合、退室が制止され、退室者が再度認証を行うことができ、確実に退室履歴が残り、不正な退室が防止されてセキュリティレベルを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の一実施形態である入退室管理システムの要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1中の入室管理端末20の要部の構成を示す模式図である。
【図3】図1中の退室管理端末30の要部の構成を示す模式図である。
【図4】入室管理端末20の動作を説明するフローチャートである。
【図5】退室管理端末30の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記出入り口は、電気錠を有し、上記入室管理端末は、上記入室許可を報知したとき、上記電気錠の解錠状態を検出し、解錠されていなければ解錠して上記入室者を入室させ、所定時間経過後に上記入室許可の報知を停止する構成とされ、上記退室管理端末は、上記退室許可を報知したとき、上記電気錠の解錠状態を検出し、解錠されていなければ解錠して上記退室者を退室させ、所定時間経過後に上記退室許可の報知を停止する構成とされている入退室管理システムを実現する。
【0013】
また、上記入室管理端末は、上記入室許可を報知するとき、入室フラグをアクティブモード(“1”)とする一方、上記電気錠を解錠したとき、上記入室フラグをノンアクティブモード(“0”)とする構成とされ、上記退室管理端末は、上記退室許可を報知するとき、退室フラグをアクティブモード(“1”)とする一方、上記電気錠を解錠したとき、上記退室フラグをノンアクティブモード(“0”)とする構成とされ、上記入室管理端末の上記退室側状態検出手段は、上記入室者を正常に認証したとき、上記退室フラグがアクティブモード(“1”)の場合にはノンアクティブモード(“0”)になるまで待機する構成とされ、上記退室管理端末の入室側状態検出手段は、上記退室者を正常に認証したとき、上記入室フラグがアクティブモード(“1”)の場合にはノンアクティブモード(“0”)になるまで待機する構成とされている。
【0014】
また、上記入室管理端末は、上記入室者のIDカードを読み取って認証するための第1のカード読取部を有し、上記退室管理端末は、上記退室者のIDカードを読み取って認証するための第2のカード読取部を有する。また、上記入室管理端末は、上記入室許可を視覚的に表示する入室許可表示手段(入室許可表示部)を有し、上記退室管理端末は、上記退室許可を視覚的に表示する退室許可表示手段(退室許可表示部)を有する。
【実施形態】
【0015】
図1は、この発明の一実施形態である入退室管理システムの要部の電気的構成を示すブロック図である。
この形態の入退室管理システムは、同図に示すように、入退室管理サーバ10と、入室管理端末20と、退室管理端末30とから構成され、これらが、たとえばイーサネット(ETHERNET(登録商標))NWなどのLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を介して接続されている。入室管理端末20は、扉40を介して部屋の外側に設けられ、入室者を認証するためのものである。扉40は、電気錠41を有している。退室管理端末30は、扉40を介して部屋の内側に設けられ、退室者を認証するためのものである。入退室管理サーバ10は、記憶装置11及びAPB(Anti-Pass Back)エラーテーブル12を備え、入室管理端末20により認証された入室者の入室履歴を記憶装置11に記録すると共に、退室管理端末30により認証された退室者の退室履歴を同記憶装置11に記録する他、アンチパスバックエラーが発生したとき、APBエラーテーブル12に記録する。
【0016】
この入室管理端末20は、特に、この実施形態では、入室者のIDが記録されているIDカードを読み取って認証するためのIDカード読取部21を有している。また、入室管理端末20には、退室側状態検出部22が設けられている。退室側状態検出部22は、IDカード読取部21で入室者を正常に認証したとき、入退室管理サーバ10の記憶装置11に記録されている退室履歴に基づいて、退室管理端末30側で退室者が退室しているか否かを検出し、退室している場合に入室許可を報知する一方、退室していない場合には退室するまで待機し、退室してから入室許可を報知する。また、入室管理端末20は、入室許可を報知したとき、扉40の電気錠41の解錠状態を検出し、解錠されていなければ解錠して入室者を入室させ、所定時間経過後に入室許可の報知を停止する。また、入室管理端末20は、入室許可を報知するとき、入室フラグをアクティブモード(“1”)とする一方、電気錠41を解錠したとき、上記入室フラグをノンアクティブモード(“0”)とする。
【0017】
また、退室管理端末30は、特に、この実施形態では、退室者のIDが記録されているIDカードを読み取って認証するためのIDカード読取部31を有している。また、退室管理端末30は、入室側状態検出部32が設けられている。入室側状態検出部32は、IDカード読取部31で退室者を正常に認証したとき、入退室管理サーバ10の記憶装置11に記録されている入室履歴に基づいて、入室管理端末20側で入室者が入室しているか否かを検出し、入室している場合に退室許可を報知する一方、入室していない場合には入室するまで待機し、入室してから退室許可を報知する。また、退室管理端末30は、退室許可を報知したとき、扉40の電気錠41の解錠状態を検出し、解錠されていなければ解錠して退室者を退室させ、所定時間経過後に退室許可の報知を停止する。また、退室管理端末30は、退室許可を報知するとき、退室フラグをアクティブモード(“1”)とする一方、電気錠41を解錠したとき、上記退室フラグをノンアクティブモード(“0”)とする。
【0018】
入室管理端末20の退室側状態検出部22は、入室者を正常に認証したとき、上記退室フラグがアクティブモード(“1”)の場合にはノンアクティブモード(“0”)になるまで待機する。また、退室管理端末30の入室側状態検出部32は、退室者を正常に認証したとき、上記入室フラグがアクティブモード(“1”)の場合にはノンアクティブモード(“0”)になるまで待機する。この入退室管理システムは、入退室管理プログラムに基づいて機能するコンピュータで構成されている。
【0019】
図2は、図1中の入室管理端末20の要部の構成を示す模式図である。
この入室管理端末20は、同図2に示すように、IDカード読取部21と、電源表示部23と、解錠表示部24と、入室許可表示部25とを備えている。IDカード読取部21は、入室管理端末20に内蔵されている。電源表示部23は、たとえばLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)などで構成され、入室管理端末20の電源がオン状態のときに点灯する。解錠表示部24は、たとえばLEDなどで構成され、電気錠41が解錠されているときに点灯する。入室許可表示部25は、たとえばLEDなどで構成され、点灯することより、入室許可を視覚的に表示する。
【0020】
図3は、図1中の退室管理端末30の要部の構成を示す模式図である。
この退室管理端末30は、同図3に示すように、IDカード読取部31と、電源表示部33と、解錠表示部34と、退室許可表示部35とを備えている。IDカード読取部31は、退室管理端末30に内蔵されている。電源表示部33は、たとえばLEDなどで構成され、退室管理端末30の電源がオン状態のときに点灯する。解錠表示部34は、たとえばLEDなどで構成され、電気錠41が解錠されているときに点灯する。退室許可表示部35は、たとえばLEDなどで構成され、点灯することより、退室許可を視覚的に表示する。
【0021】
図4は、入室管理端末20の動作を説明するフローチャート、及び図5が、退室管理端末30の動作を説明するフローチャートである。
これらの図を参照して、この形態の入退室管理システムに用いられる入退室管理方法の処理内容について説明する。
この入退室管理システムでは、入室管理端末20のカード読取部21により、入室者のIDカードを読み取って入室者が正常に認証されたとき、退室側状態検出手段(退室側状態検出部22)により、入退室管理手段(入退室管理サーバ10)に記録されている退室履歴に基づいて、退室管理端末30側で退室者が退室しているか否かが検出され、退室している場合に入室許可が報知される一方、退室していない場合には退室するまで待機し、退室してから上記入室許可が報知される(退室側状態検出処理)。この場合、入室許可表示手段(入室許可表示部25)により、上記入室許可が視覚的に表示される。
【0022】
また、退室管理端末30のカード読取部31により、退室者のIDカードを読み取って退室者を正常に認証されたとき、入室側状態検出手段(入室側状態検出部32)により、入退室管理手段(入退室管理サーバ10)に記録されている入室履歴に基づいて、入室管理端末20側で入室者が入室しているか否かが検出され、入室している場合に退室許可が報知される一方、入室していない場合には入室するまで待機し、入室してから上記退室許可が報知される(入室側状態検出処理)。この場合、退室許可表示手段(退室許可表示部35)により、上記退室許可が視覚的に表示される。
【0023】
また、入室管理端末20により、上記入室許可が報知されたとき、出入り口(扉40)の電気錠41の解錠状態が検出され、解錠されていなければ解錠して入室者を入室させ、所定時間経過後に上記入室許可の報知が停止される。一方、退室管理端末30により、上記退室許可が報知されたとき、電気錠41の解錠状態が検出され、解錠されていなければ解錠して退室者を退室させ、所定時間経過後に上記退室許可の報知が停止される。
【0024】
この場合、入室管理端末20では、入室許可を報知するとき、入室フラグがアクティブモード(“1”)とする一方、電気錠41を解錠したとき、上記入室フラグをノンアクティブモード(“0”)とする。一方、退室管理端末30では、退室許可を報知するとき、退室フラグがアクティブモード(“1”)とする一方、電気錠41を解錠したとき、上記退室フラグをノンアクティブモード(“0”)とする。また、入室管理端末20の退室側状態検出手段(退室側状態検出部22)では、入室者を正常に認証したとき、退室フラグがアクティブモード(“1”)の場合にはノンアクティブモード(“0”)になるまで待機する。一方、退室管理端末30の入室側状態検出手段(入室側状態検出部32)では、退室者を正常に認証したとき、入室フラグがアクティブモード(“1”)の場合にはノンアクティブモード(“0”)になるまで待機する。
【0025】
すなわち、入室管理端末20では、図4に示すように、入室者のIDカードがカード読取部21で読み取られ(ステップA3)、正常に読み取られたか否かがチェックされる(ステップA4)。正常に読み取られたとき、退室フラグがチェックされ(ステップA5)、退室フラグが“0”であれば入室が許可され、入室フラグが“1”にセットされ(ステップA6)、入室許可表示部25が点灯する(ステップA7)。入室が許可されたならば、解錠状態がチェックされ(ステップA8)、電気錠41が解錠され(ステップA9)、入室者が入室し、入室フラグが“0”になる(ステップA1)。そして、所定時間経過後に、入室許可表示部25が消灯する(ステップA2)。特に、この実施形態では、上記ステップA5で、退室フラグが“1”であれば、同退室フラグが“0”になるまで待機し(ステップA10)、その後、ステップA6へ進む。
【0026】
また、退室管理端末30では、図5に示すように、退室者のIDカードがカード読取部31で読み取られ(ステップB3)、正常に読み取られたか否かがチェックされる(ステップB4)。正常に読み取られたとき、入室フラグがチェックされ(ステップB5)、入室フラグが“0”であれば退室が許可され、退室フラグが“1”にセットされ(ステップB6)、退室許可表示部35が点灯する(ステップB7)。退室が許可されたならば、解錠状態がチェックされ(ステップB8)、電気錠41が解錠され(ステップB9)、退室者が退室し、退室フラグが“0”になる(ステップB1)。そして、所定時間経過後に、退室許可表示部35が消灯する(ステップB2)。特に、この実施形態では、上記ステップB5で、入室フラグが“1”であれば、同入室フラグが“0”になるまで待機し(ステップB10)、その後、ステップB6へ進む。
【0027】
以上のように、この実施形態では、入室管理端末20の退室側状態検出部22により、入退室管理サーバ10に記録されている退室履歴に基づいて、退室管理端末30側で退室者が退室しているか否かが検出され、退室している場合に入室許可が表示される一方、退室していない場合には退室するまで待機し、退室してから上記入室許可が表示されるので、退室者が先に認証されても、入室許可が表示されない場合、入室が制止され、入室者が再度認証を行うことができ、ログデータ上においても確実に入室履歴が残るため、セキュリティレベルが向上する。同様に、退室管理端末30の入室側状態検出部32により、入退室管理サーバ10に記録されている入室履歴に基づいて、入室管理端末20側で入室者が入室しているか否かが検出され、入室している場合に退室許可が表示される一方、入室していない場合には入室するまで待機し、入力してから上記退室許可が表示されるので、入室者が先に認証されても、退室許可が表示されない場合、退室が制止され、退室者が再度認証を行うことができ、確実に退室履歴が残るため、セキュリティレベルが向上する。
【0028】
以上、この発明の実施形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、扉40は、開かれた後、人がいるか否かをセンサで検知し、人がいないことが検知されると電気的な制御により閉められて施錠されるようなものでも良い。また、扉40は、ゲートなどでも良い。また、入室管理端末20は、入室者が操作してIDを入力するためのテンキーが設けられていても良い。同様に、退室管理端末30は、退室者が操作してIDを入力するためのテンキーが設けられていても良い。また、入室許可及び退室許可の報知は、たとえば、アラーム音や、音声合成によるメッセージなどを発生するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0029】
この発明は、入室者と退室者とを管理する入退室管理システム全般に適用でき、特に、一つの扉やゲートなどの出入り口で入室者の入室と退室者の退室とがほぼ同時に発生する場合に有効である。
【符号の説明】
【0030】
10 入退室管理サーバ(入退室管理手段の一部)
11 記憶装置(入退室管理手段の一部)
20 入室管理端末
21 IDカード読取部(第1のカード読取部)
22 退室側状態検出部(退室側状態検出手段)
25 入室許可表示部(入室許可表示手段)
30 退室管理端末
31 IDカード読取部(第2のカード読取部)
32 入室側状態検出部(入室側状態検出手段)
35 退室許可表示部(退室許可表示手段)
40 扉(出入り口)
41 電気錠
NW イーサネット(ETHERNET)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入り口を介して部屋の外側に設けられ、入室者を認証するための入室管理端末と、
前記出入り口を介して前記部屋の内側に設けられ、退室者を認証するための退室管理端末と、
前記入室管理端末により認証された前記入室者の入室履歴を記録すると共に、前記退室管理端末により認証された前記退室者の退室履歴を記録する入退室管理手段とを有する入退室管理システムであって、
前記入室管理端末は、
前記入室者を正常に認証したとき、前記入退室管理手段に記録されている前記退室履歴に基づいて、前記退室管理端末側で前記退室者が退室しているか否かを検出し、退室している場合に入室許可を報知する一方、退室していない場合には退室するまで待機し、退室してから前記入室許可を報知する退室側状態検出手段が設けられ、
前記退室管理端末は、
前記退室者を正常に認証したとき、前記入退室管理手段に記録されている前記入室履歴に基づいて、前記入室管理端末側で前記入室者が入室しているか否かを検出し、入室している場合に退室許可を報知する一方、入室していない場合には入室するまで待機し、入室してから前記退室許可を報知する入室側状態検出手段が設けられていることを特徴とする入退室管理システム。
【請求項2】
前記出入り口は、電気錠を有し、
前記入室管理端末は、
前記入室許可を報知したとき、前記電気錠の解錠状態を検出し、解錠されていなければ解錠して前記入室者を入室させ、所定時間経過後に前記入室許可の報知を停止する構成とされ、
前記退室管理端末は、
前記退室許可を報知したとき、前記電気錠の解錠状態を検出し、解錠されていなければ解錠して前記退室者を退室させ、所定時間経過後に前記退室許可の報知を停止する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の入退室管理システム。
【請求項3】
前記入室管理端末は、
前記入室許可を報知するとき、入室フラグをアクティブモードとする一方、前記電気錠を解錠したとき、前記入室フラグをノンアクティブモードとする構成とされ、
前記退室管理端末は、
前記退室許可を報知するとき、退室フラグをアクティブモードとする一方、前記電気錠を解錠したとき、前記退室フラグをノンアクティブモードとする構成とされ、
前記入室管理端末の前記退室側状態検出手段は、
前記入室者を正常に認証したとき、前記退室フラグがアクティブモードの場合にはノンアクティブモードになるまで待機する構成とされ、
前記退室管理端末の入室側状態検出手段は、
前記退室者を正常に認証したとき、前記入室フラグがアクティブモードの場合にはノンアクティブモードになるまで待機する構成とされていることを特徴とする請求項2記載の入退室管理システム。
【請求項4】
前記入室管理端末は、
前記入室者のIDカードを読み取って認証するための第1のカード読取部を有し、
前記退室管理端末は、
前記退室者のIDカードを読み取って認証するための第2のカード読取部を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の入退室管理システム。
【請求項5】
前記入室管理端末は、
前記入室許可を視覚的に表示する入室許可表示手段を有し、
前記退室管理端末は、
前記退室許可を視覚的に表示する退室許可表示手段を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の入退室管理システム。
【請求項6】
出入り口を介して部屋の外側に設けられ、入室者を認証するための入室管理端末と、
前記出入り口を介して前記部屋の内側に設けられ、退室者を認証するための退室管理端末と、
前記入室管理端末により認証された前記入室者の入室履歴を記録すると共に、前記退室管理端末により認証された前記退室者の退室履歴を記録する入退室管理手段とを有する入退室管理システムに用いられる入退室管理方法であって、
前記入室管理端末では、
退室側状態検出手段が、前記入室者を正常に認証したとき、前記入退室管理手段に記録されている前記退室履歴に基づいて、前記退室管理端末側で前記退室者が退室しているか否かを検出し、退室している場合に入室許可を報知する一方、退室していない場合には退室するまで待機し、退室してから前記入室許可を報知する退室側状態検出処理を行い、
前記退室管理端末では、
入室側状態検出手段が、前記退室者を正常に認証したとき、前記入退室管理手段に記録されている前記入室履歴に基づいて、前記入室管理端末側で前記入室者が入室しているか否かを検出し、入室している場合に退室許可を報知する一方、入室していない場合には入室するまで待機し、入室してから前記退室許可を報知する入室側状態検出処理を行うことを特徴とする入退室管理方法。
【請求項7】
前記出入り口は、電気錠を有し、
前記入室管理端末が、前記入室許可を報知したとき、前記電気錠の解錠状態を検出し、解錠されていなければ解錠して前記入室者を入室させ、所定時間経過後に前記入室許可の報知を停止し、
前記退室管理端末が、前記退室許可を報知したとき、前記電気錠の解錠状態を検出し、解錠されていなければ解錠して前記退室者を退室させ、所定時間経過後に前記退室許可の報知を停止することを特徴とする請求項6記載の入退室管理方法。
【請求項8】
前記入室管理端末が、前記入室許可を報知するとき、入室フラグをアクティブモードとする一方、前記電気錠を解錠したとき、前記入室フラグをノンアクティブモードとし、
前記退室管理端末が、前記退室許可を報知するとき、退室フラグをアクティブモードとする一方、前記電気錠を解錠したとき、前記退室フラグをノンアクティブモードとし、
前記入室管理端末の前記退室側状態検出手段が、前記入室者を正常に認証したとき、前記退室フラグがアクティブモードの場合にはノンアクティブモードになるまで待機し、
前記退室管理端末の入室側状態検出手段が、前記退室者を正常に認証したとき、前記入室フラグがアクティブモードの場合にはノンアクティブモードになるまで待機することを特徴とする請求項7記載の入退室管理方法。
【請求項9】
前記入室管理端末では、第1のカード読取部が、前記入室者のIDカードを読み取って認証し、
前記退室管理端末では、第2のカード読取部が、前記退室者のIDカードを読み取って認証することを特徴とする請求項6、7又は8記載の入退室管理方法。
【請求項10】
前記入室管理端末では、入室許可表示手段が、前記入室許可を視覚的に表示し、
前記退室管理端末では、退室許可表示手段が、前記退室許可を視覚的に表示することを特徴とする請求項6、7、8又は9記載の入退室管理方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1乃至5のいずれか一に記載の入退室管理システムとして機能させることを特徴とする入退室管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−138462(P2011−138462A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179(P2010−179)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】