説明

入退室管理システム

【課題】入退室を所定の人に制限できるとともに、訪問者が容易に相手先を呼び出すことができる入退室管理システムを提供する。
【解決手段】入退室管理システムは、インターホン付きカードリーダ9、複数の応答装置11を備える。応答装置11は、インターホン付きカードリーダ9に接続される。インターホン付きカードリーダ9は、所定の検出範囲に存在するICタグから相手先情報を受信する。また、インターホン付きカードリーダ9は、呼び出し手段を備える。呼び出し手段は、ICタグから相手先情報を受信すると、受信した相手先情報に基づいて、応答装置11の1つを自動的に呼び出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入退室を所定の人に制限するための入退室管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
入退室を所定の人に制限する部屋や建物では、出入口に認証装置を設置している。社員等、通行(入退室)を許可された人は、その出入口を通過する際に、ICタグ等によって認証を行い、電子錠を解錠する。
一方、訪問者は、出入口の近傍に設置されたインターホン等を使用して内部の人に連絡を取る。連絡を受けた内部の人は、例えば、画像によって相手(訪問者)を確認し、電子錠を解錠するといった対応を行う。
【0003】
例えば、特許文献1には、出入口の近傍に設置されたインターホンを操作することにより、訪問者側から相手先の社員を指定できるシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−123920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の入退室管理システムでは、訪問者は、インターホンを操作することにより、多くの呼び出し先から、訪問する相手先を探し出さなければならなかった。このため、操作が煩雑になり、特に、両手が荷物で塞がっている場合等には、ボタンを何回も押すといった操作が困難になるといった問題があった。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、入退室を所定の人に制限できるとともに、訪問者が容易に相手先を呼び出すことができる入退室管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る入退室管理システムは、所定の検出範囲に存在するICタグから相手先情報を受信するインターホン付き認証装置と、インターホン付き認証装置に接続された複数の応答装置と、を備え、インターホン付き認証装置は、ICタグから相手先情報を受信すると、受信した相手先情報に基づいて、応答装置の1つを自動的に呼び出す呼び出し手段と、を備えたものである。
【0008】
また、この発明に係る入退室管理システムは、所定場所への出入口を開閉するための扉と、扉の近傍に設けられ、所定の検出範囲に存在するICタグからID情報を受信するインターホン付き認証装置と、インターホン付き認証装置に接続された複数の応答装置と、を備え、インターホン付き認証装置は、受信したID情報が所定の既登録情報に一致すると、扉の電子錠を解錠する解錠手段と、受信したID情報が既登録情報に一致しない場合に、そのID情報から特定される相手先情報に基づいて、応答装置の1つを自動的に呼び出す呼び出し手段と、を備えたものである。
【0009】
また、この発明に係る入退室管理システムは、所定の検出範囲に存在するICタグから相手先情報を受信するインターホン付き認証装置と、インターホン付き認証装置に接続された複数の応答装置と、を備え、インターホン付き認証装置は、表示器と、ICタグから相手先情報を受信すると、受信した相手先情報を、表示器に表示させる表示制御手段と、を備えたものである。
【0010】
また、この発明に係る入退室管理システムは、所定場所への出入口を開閉するための扉と、扉の近傍に設けられ、所定の検出範囲に存在するICタグからID情報を受信するインターホン付き認証装置と、インターホン付き認証装置に接続された複数の応答装置と、を備え、インターホン付き認証装置は、表示器と、受信したID情報が所定の既登録情報に一致すると、扉の電子錠を解錠する解錠手段と、受信したID情報が既登録情報に一致しない場合に、そのID情報から特定される相手先情報を、表示器に表示させる表示制御手段と、を備えたものである。
【0011】
また、この発明に係る入退室管理システムは、所定場所への出入口を開閉するための扉と、扉の近傍に設けられ、所定の検出範囲に存在するICタグからID情報を受信するインターホン付き認証装置と、インターホン付き認証装置に接続された複数の応答装置と、を備え、インターホン付き認証装置は、表示器と、受信したID情報が所定の既登録情報に一致すると、扉の電子錠を解錠する解錠手段と、通常時は、所定の順番で相手先情報を表示器に表示させるとともに、受信したID情報が既登録情報に一致しない場合に、ID情報と共に受信した所定の情報に基づいて、表示器に表示させる相手先情報の順番を変更させる表示制御手段と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る入退室管理システムであれば、入退室を所定の人に制限できるとともに、訪問者が容易に相手先を呼び出すことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1における入退室管理システムの構成を説明するための図である。
【図2】この発明の実施の形態1における入退室管理システムの構成を説明するための図である。
【図3】この発明の実施の形態1における入退室管理システムの機能を説明するための図である。
【図4】この発明の実施の形態1における入退室管理システムの他の機能を説明するための図である。
【図5】インターホン付きカードリーダの表示器の表示例を示す図である。
【図6】インターホン付きカードリーダの表示器の他の表示例を示す図である。
【図7】インターホン付きカードリーダの表示器の他の表示例を示す図である。
【図8】インターホン付きカードリーダの表示器の他の表示例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2における入退室管理システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。各図において、同一又は相当する部分には、同一の符号を付している。重複する説明については、適宜簡略化或いは省略している。
【0015】
実施の形態1.
本発明に係る入退室管理システムには、インターホン付き認証装置が備えられている。以下においては、インターホン付き認証装置として、インターホン付きカードリーダが採用されている場合を例に、具体的な説明を行う。
【0016】
図1及び図2はこの発明の実施の形態1における入退室管理システムの構成を説明するための図である。
図1及び図2において、1及び2は入退室が所定の人(例えば、社員等)に制限されている部屋である。3は部屋1の出入口を開閉するための扉、4は部屋2の出入口を開閉するための扉である。扉3及び4は、通常時、電子錠(図示せず)によって施錠されている。
【0017】
5は扉3の近傍に設置されたカードリーダ、6は扉4の近傍に設置されたカードリーダである。カードリーダ5及び6は、所定の検出範囲に存在するICタグ(非接触式ICカード等も含む)から、ID情報を受信する。カードリーダ5及び6は、ID情報を受信すると、受信したID情報が予め登録されている情報(例えば、社員等に割り当てられているID情報)に一致するか否かを判定し、一致すれば(認証が成功すれば)、解錠手段(図示せず)によって、対応の扉3及び4の電子錠を解錠する。
【0018】
部屋1及び2は、フロア7に設けられている。フロア7も、入退室(出入口の通過)が所定の人に制限された場所である。8はフロア7の出入口を開閉するための扉である。扉8は、通常時、電子錠(図示せず)によって施錠されている。9は扉8の近傍に設置されたインターホン付きカードリーダである。カードリーダ5及び6とインターホン付きカードリーダ9とは、それぞれが管理装置10に接続されている。
【0019】
インターホン付きカードリーダ9は、所定の検出範囲に存在するICタグから、ID情報を受信する。インターホン付きカードリーダ9は、ID情報を受信すると、受信したID情報が予め登録されている情報に一致するか否かを判定し、一致すれば、解錠手段(図示せず)によって扉8の電子錠を解錠する。このため、社員等、フロア7に入ることが許可されている人は、自分のICタグを携帯してインターホン付きカードリーダ9に接近すれば、入退室許可者と認証され、フロア7に入室することができる。
【0020】
インターホン付きカードリーダ9には、インターホン機能が備えられている。インターホン付きカードリーダ9は、呼び先となる複数の応答装置11に接続されている。応答装置11(呼び先)は、例えば、それぞれの部屋1及び2に設置される。訪問者は、インターホン付きカードリーダ9から所望の応答装置11を呼び出し、部屋1及び2にいる人と通話することができる。呼び出された内部の人(社員等)は、応答装置11に表示される画像等から訪問者を確認すると、管理装置10に対して解錠信号を送信する。管理装置10は、応答装置11から解錠信号を受信すると、扉8の電子錠を解錠して、訪問者の入室を許可する。
【0021】
次に、図3も参照して、インターホン付きカードリーダ9から所望の応答装置11を呼び出す機能について具体的に説明する。図3はこの発明の実施の形態1における入退室管理システムの機能を説明するための図であり、インターホン付きカードリーダ9のインターホン機能を示している。
【0022】
インターホン付きカードリーダ9は、情報を表示するための表示器12と、情報を入力するボタン等の入力手段13とを備えている。また、インターホン付きカードリーダ9は、その内部の機能として、上記解錠手段と、呼び出し手段とを備えている。呼び出し手段は、インターホン付きカードリーダ9に接続されている複数の応答装置11の中から、最適な1つの応答装置11を自動的に呼び出す機能を有している。
【0023】
訪問者は、訪問者用のICタグを所持している。訪問者用のICタグには、そのICタグを特定するためのID情報と、訪問者が呼び出したい応答装置11(或いは、相手先)の情報(相手先情報)とが予め登録されている。訪問者が訪問者用のICタグを携帯してインターホン付きカードリーダ9に接近すると、インターホン付きカードリーダ9が、訪問者用のICタグからID情報と相手先情報とを読み取る。訪問者用のICタグからID情報を受信した場合、インターホン付きカードリーダ9は、受信したID情報が、予め登録されている情報(例えば、社員等に割り当てられているID情報)に一致しない旨を判定する。
【0024】
受信したID情報が、既登録情報(フロア7への入室を許可された人のID情報)に一致しなければ、解錠手段は、扉8の電子錠を解錠しない。また、受信したID情報が、既登録情報に一致しない場合(或いは、フロア7への入室を許可された人のID情報には一致しないが、訪問者用のID情報に一致する場合)、呼び出し手段は、ID情報と共に受信した相手先情報に基づいて、応答装置11の1つを自動的に呼び出す。例えば、ID情報と共に「呼び先1」からなる相手先情報を受信した場合、呼び出し手段は、「呼び先1」に対応する応答装置11を自動的に呼び出す。
【0025】
このため、訪問者は、ハンズフリーの状態で部屋1や2にいる社員等を呼び出し、通話することができる。また、インターホン操作を必要としないため、操作ミスが生じることがなく、利便性が大幅に向上する。
【0026】
図4はこの発明の実施の形態1における入退室管理システムの他の機能を説明するための図であり、インターホン付きカードリーダ9のインターホン機能を示している。
【0027】
図3に示すインターホン付きカードリーダ9では、1つの訪問者用のICタグからID情報を受信した場合に、そのID情報と共に受信した相手先情報に基づいて、呼び出す応答装置11を決定した。一方、図4に示すインターホン付きカードリーダ9では、同じ相手先情報が登録された複数の訪問者用のICタグからID情報を受信した場合に、呼び出し手段が、その受信した共通の相手先情報に基づいて、応答装置11の1つを自動的に呼び出す。かかる構成であれば、訪問者が訪問する可能性が極めて高い相手先を、自動的に呼び出すことができる。
【0028】
実施の形態2.
実施の形態1では、訪問者にインターホン操作を要求することなく、相手先を呼び出す場合の構成について説明した。本実施の形態では、訪問者に要求するインターホン操作を軽減させるための構成について説明する。
【0029】
本実施の形態におけるインターホン付きカードリーダ9の内部には、解錠手段、呼び出し手段に加え、表示制御手段(図示せず)が備えられている。表示制御手段は、表示器12の表示内容を制御する機能を有している。入退室管理システムの全体構成は、図1及び図2に示すものと同様である。
【0030】
訪問者は、訪問者用のICタグを所持している。訪問者用のICタグには、そのICタグを特定するためのID情報と、訪問者が呼び出したい応答装置11(或いは、相手先)の情報(相手先情報)とが予め登録されている。例えば、訪問者用のICタグには、複数の相手先情報が登録されている。
【0031】
訪問者が訪問者用のICタグを携帯してインターホン付きカードリーダ9に接近すると、インターホン付きカードリーダ9が、訪問者用のICタグからID情報と相手先情報とを読み取る。インターホン付きカードリーダ9は、受信したID情報が、予め登録されている情報(例えば、社員等に割り当てられているID情報)に一致するか否かを判定する。受信したID情報が、既登録情報(フロア7への入室を許可された人のID情報)に一致すれば、解錠手段が、扉8の電子錠を解錠する。
【0032】
一方、受信したID情報が、既登録情報に一致しない場合(或いは、フロア7への入室を許可された人のID情報には一致しないが、訪問者用のID情報に一致する場合)、表示制御手段は、ID情報と共に受信した相手先情報に基づいて、表示器12の表示内容を制御する。例えば、ID情報と共に複数の相手先情報を受信した場合、表示制御手段は、受信した全ての相手先情報を表示器12に表示させる。
【0033】
図5はインターホン付きカードリーダの表示器の表示例を示す図である。図5(a)は、インターホン付きカードリーダ9が訪問者用のICタグからID情報を受信していない時の表示器12の表示内容を示している。通常時、表示制御手段は、フロア7にある全ての呼び先を表示器12に表示する。
【0034】
図5(b)は、インターホン付きカードリーダ9が訪問者用のICタグからID情報を受信した時の表示器12の表示内容を示している。即ち、図5(b)は、訪問者用のICタグに、「呼び先3」、「呼び先11」の2つの相手先情報が登録されている時の表示例である。訪問者は、例えば、表示器12の「呼び先3」の表示部分に触れることにより、「呼び先3」に対応する応答装置11を呼び出すことができる。
【0035】
上記構成を備えたインターホン付きカードリーダ9であれば、表示器12に表示する呼び先を適切に絞り込むことができ、訪問者が行うインターホン操作を大幅に軽減させることができる。このため、訪問者の操作ミスが減少し、利便性を向上させることができる。
【0036】
次に、図6乃至図8を参照し、表示制御手段の他の機能について説明する。図6乃至図8は、インターホン付きカードリーダの表示器の他の表示例を示す図である。
【0037】
表示制御手段は、同じ相手先情報が登録された複数の訪問者用のICタグからID情報を受信した場合は、その共通する相手先情報に基づいて、表示器12の表示制御を行っても良い。
【0038】
図6は、表示制御手段のかかる機能を示している。例えば、インターホン付きカードリーダ9の検出範囲に2つの訪問者用のICタグが存在する場合を考える。図6に示すように、インターホン付きカードリーダ9は、一方のICタグから「呼び先1」、「呼び先2」、「呼び先3」の相手先情報を受信する。また、インターホン付きカードリーダ9は、他方のICタグから「呼び先1」、「呼び先3」、「呼び先4」の相手先情報を受信する。かかる場合、表示制御手段は、上記2つのICタグに共通する呼び先、即ち、「呼び先1」、「呼び先3」のみを表示器12に表示させる。
このような構成を採用することにより、訪問者が訪問する可能性が極めて高い相手先の呼び先のみを、表示器12に表示させることができる。
【0039】
表示制御手段は、ID情報と共に受信した情報に基づいて、表示器12に表示する呼び先の順番を変更しても良い。
【0040】
図7は、表示制御手段のかかる機能を示している。図7(a)は、インターホン付きカードリーダ9が訪問者用のICタグからID情報を受信していない時の表示器12の表示内容を示している。通常時、表示器12には、フロア7にある全ての呼び先が所定の順序で表示される。
【0041】
図7(b)は、インターホン付きカードリーダ9が訪問者用のICタグからID情報を受信した時の表示器12の表示内容を示している。表示制御手段は、インターホン付きカードリーダ9が訪問者用のICタグからID情報を受信した場合(即ち、受信したID情報が、既登録情報(フロア7への入室を許可された人のID情報)に一致しない場合)、ID情報と共に受信した所定の情報に基づいて、表示器12の表示内容を変更する。例えば、表示制御手段は、上記所定の情報に基づいて呼び先の表示順を変更し、訪問者が訪問する可能性が高い順に呼び先が表示されるようにする。かかる場合、訪問者用のICタグには、表示の順番を決定するための優先度等が予め登録されている。
【0042】
表示器12に表示される呼び先が多数存在する場合、訪問者は、入力手段13を操作することによって画面をスクロールさせたり、画面の表示を切り替えたりしなければならない、上記構成のインターホン付きカードリーダ9であれば、訪問者が訪問する可能性が高い呼び先を優先的に上位に表示することができるため、呼び出しに必要な操作を大幅に軽減させることができる。
【0043】
図5に示す例では、インターホン付きカードリーダ9が訪問者用のICタグからID情報を受信した時に、それまで表示器12に表示されていた呼び先の一部を削除して、特定の呼び先のみを表示器12に表示させた。一方、表示制御手段は、訪問者用のICタグからID情報を受信した時に、それまで表示器12に表示されていた呼び先以外の呼び先を、表示器12に新規に表示させるようにしても良い。
【0044】
図8は、表示制御手段のかかる機能を示している。図8(a)は、インターホン付きカードリーダ9が訪問者用のICタグからID情報を受信していない時の表示器12の表示内容を示している。通常時、表示器12には、フロア7にある多数の呼び先が表示される。
【0045】
図8(b)は、インターホン付きカードリーダ9が訪問者用のICタグからID情報を受信した時の表示器12の表示内容を示している。表示制御手段は、インターホン付きカードリーダ9が訪問者用のICタグからID情報を受信した場合、ID情報と共に受信した相手先情報に基づいて表示器12の表示内容を変更し、通常時には表示させない特別な呼び先を、表示器12に表示させる。
【0046】
最後に、図9を参照し、上記構成を有するインターホン付きカードリーダ9の動作例について説明する。図9はこの発明の実施の形態2における入退室管理システムの動作を示すフローチャートである。
【0047】
インターホン付きカードリーダ9では、定期的に、ICタグの読み取りを行ったか否かを判定する(S101)。インターホン付きカードリーダ9の検出範囲にICタグが存在すれば、そのICタグに登録されている情報(ID情報等)が、インターホン付きカードリーダ9に読み取られる(S101のYes)。
【0048】
インターホン付きカードリーダ9では、ICタグからID情報を読み取ると、読み取ったID情報の認証を行う。読み取ったID情報が、フロア7への入室が許可されている既登録のID情報に一致する場合、解錠手段が、扉8の電子錠を解錠する。一方、読み取ったID情報が、上記既登録のID情報に一致しない場合、インターホン付きカードリーダ9は、その読み取ったID情報を有するICタグが訪問者用であると認定する。かかる場合、インターホン付きカードリーダ9は、ID情報を読み取ったICタグに、自動呼出しの設定がなされているか否かを判定する(S102)。
【0049】
ICタグに自動呼出しの設定がある場合(S102のYes)、呼び出し手段が、その設定内容(即ち、ID情報と共に読み取った相手先情報)に基づいて、応答装置11の呼び出しを行う(S103)。これにより、所定の応答装置11において呼び出しが行われ、訪問者は、部屋1又は2にいる社員等と通話することができる(S104)。
【0050】
ICタグに自動呼出しの設定がない場合(S102のNo)、インターホン付きカードリーダ9は、次に、ID情報を読み取ったICタグに、呼び先の登録がなされているか否かを判定する(S105)。ICタグに呼び先の登録がない場合(S105のNo)、表示制御手段は、表示器12に、呼び先の登録がない場合の呼び先表示を行う(S106)。これにより、表示器12には、例えば、図5(a)や図7(a)に示す内容が表示される。
【0051】
ICタグに呼び先の登録がある場合(S105のYes)、表示制御手段は、表示器12に、呼び先の登録がある場合の呼び先表示を行う(S107)。これにより、表示器12には、例えば、図5(b)や図6(b)、図7(b)、図8(b)に示す内容が表示される。
【0052】
その後、訪問者は、表示器12の表示内容を見て呼び出し操作を行う(S108)。訪問者によって呼び出し操作が行われると、インターホン付きカードリーダ9は、応答装置11の呼び出しを行う(S103)。これにより、訪問者が選択した応答装置11において呼び出しが行われ、訪問者は、部屋1又は2にいる社員等と通話することができる(S104)。
【0053】
上記各実施の形態では、訪問者用のICタグに、相手先情報を予め登録する場合について説明した。しかし、これは一例を示すものであり、相手先情報は、例えば、管理装置10に登録しておいても良い。かかる場合、管理装置10には、ID情報に関連付けて相手先情報(或いは、複数の相手先情報)が登録される。読み取ったID情報が、フロア7への入室が許可されている既登録のID情報に一致しない場合(或いは、訪問者用として登録されたID情報と一致する場合)、インターホン付きカードリーダ9は、管理装置10に、そのID情報に対応する相手先情報が存在するか否かを問い合わせる。そして、管理装置10に相手先情報が登録されていれば、インターホン付きカードリーダ9は、その相手先情報を取得して必要な処理を行う。
かかる構成によっても、上記と同様の効果を奏することができる。
【0054】
なお、本制御システムでは、インターホン付きカードリーダ9がICタグからID情報を受信している。このため、本制御システムは、入退室管理に関する他の機器と連携することにより、読み取ったID情報を利用して、特定の他の部屋への入室許可を与えるといった種々の制御に応用することも可能である。
【符号の説明】
【0055】
1、2 部屋
3、4、8 扉
5、6 カードリーダ
7 フロア
9 インターホン付きカードリーダ
10 管理装置
11 応答装置
12 表示器
13 入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の検出範囲に存在するICタグから相手先情報を受信するインターホン付き認証装置と、
前記インターホン付き認証装置に接続された複数の応答装置と、
を備え、
前記インターホン付き認証装置は、
ICタグから相手先情報を受信すると、受信した相手先情報に基づいて、前記応答装置の1つを自動的に呼び出す呼び出し手段と、
を備えた入退室管理システム。
【請求項2】
前記呼び出し手段は、複数のICタグから同じ相手先情報を受信した場合に、その受信した相手先情報に基づいて、前記応答装置の1つを自動的に呼び出す請求項1に記載の入退室管理システム。
【請求項3】
所定場所への出入口を開閉するための扉と、
前記扉の近傍に設けられ、所定の検出範囲に存在するICタグからID情報を受信するインターホン付き認証装置と、
前記インターホン付き認証装置に接続された複数の応答装置と、
を備え、
前記インターホン付き認証装置は、
受信したID情報が所定の既登録情報に一致すると、前記扉の電子錠を解錠する解錠手段と、
受信したID情報が前記既登録情報に一致しない場合に、そのID情報から特定される相手先情報に基づいて、前記応答装置の1つを自動的に呼び出す呼び出し手段と、
を備えた入退室管理システム。
【請求項4】
所定の検出範囲に存在するICタグから相手先情報を受信するインターホン付き認証装置と、
前記インターホン付き認証装置に接続された複数の応答装置と、
を備え、
前記インターホン付き認証装置は、
表示器と、
ICタグから相手先情報を受信すると、受信した相手先情報を、前記表示器に表示させる表示制御手段と、
を備えた入退室管理システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、複数のICタグから同じ相手先情報を受信した場合に、その受信した相手先情報を、前記表示器に表示させる請求項4に記載の入退室管理システム。
【請求項6】
所定場所への出入口を開閉するための扉と、
前記扉の近傍に設けられ、所定の検出範囲に存在するICタグからID情報を受信するインターホン付き認証装置と、
前記インターホン付き認証装置に接続された複数の応答装置と、
を備え、
前記インターホン付き認証装置は、
表示器と、
受信したID情報が所定の既登録情報に一致すると、前記扉の電子錠を解錠する解錠手段と、
受信したID情報が前記既登録情報に一致しない場合に、そのID情報から特定される相手先情報を、前記表示器に表示させる表示制御手段と、
を備えた入退室管理システム。
【請求項7】
所定場所への出入口を開閉するための扉と、
前記扉の近傍に設けられ、所定の検出範囲に存在するICタグからID情報を受信するインターホン付き認証装置と、
前記インターホン付き認証装置に接続された複数の応答装置と、
を備え、
前記インターホン付き認証装置は、
表示器と、
受信したID情報が所定の既登録情報に一致すると、前記扉の電子錠を解錠する解錠手段と、
通常時は、所定の順番で相手先情報を前記表示器に表示させるとともに、受信したID情報が前記既登録情報に一致しない場合に、ID情報と共に受信した所定の情報に基づいて、前記表示器に表示させる相手先情報の順番を変更させる表示制御手段と、
を備えた入退室管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−102335(P2013−102335A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244498(P2011−244498)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】