説明

全スペクトル校正、モニタリング、コントロールを備える促進耐候性試験装置

【課題】 光源の全スペクトルパワー分布をモニタリングするための分光放射計を備えた促進耐候性試験装置ならびにその校正および運転の方法。
【解決手段】 校正は、一定のパワーレベルで運転される工場の試験装置の校正光源と、第1のデータセットを生成するために校正光源の全スペクトルパワー分布を収集することとを含む。次に、校正光源は顧客の試験装置に設置され、全スペクトルパワー分布を収集するために一定のパワーレベルで運転され、第2のデータセットを生成する。第1および第2のデータセットは、フィルタリングされ、顧客の試験装置のシステム応答因子を決定するために位置合わせされ、それによって、放射照度レベルコントロ−ルを校正することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、促進耐候性試験装置に関する。より詳しくは、装置の校正、モニタリング、コントロールのために人工光源の全スペクトルパワー分布(Spectrum Power Distribution:SPD)を用いる屋内用促進耐候性試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
屋内用促進耐候性試験装置は、ペンキ塗装面、織物、プラスチックシート、およびその他の材料の促進エージング特性を試験する装置として公知である。そのような試験は、前記の試験対象材料を太陽光を模擬した人工光源からの高強度放射にさらすことにより実施され、コントロールされた温度および/または湿度、ならびに、時には、高温および/または高湿度の条件下で実施される。
【0003】
自然の屋外環境では、熱、光、および湿気が相乗的に組み合わさり、そのような屋外の気候条件にさらされた製品に、光学的、機械的、および化学的変化を引き起こす。一般に、本発明および従来の試験装置は、促進試験時間に基づく耐候性データを得るために用いられ、製品が長い年月にわたって気候条件に対してどのように耐えうるのかという情報をメーカーに提供する。
【0004】
通常は、促進耐候性試験装置はシステム内に空気を循環させ、試験サンプルの温度をコントロールすることが可能であり、通常はキセノンランプなどの高強度プラズマランプを用いたヒーターまたは放射源によって、低めに加熱されたり、または過度に加熱されたりしないようにすることが可能である。試験サンプルが正確にあらかじめ決められた条件にさらされることが望ましく、それによって多種の試験の間のより正確な比較が可能となる。長い年月を経た各種のサンプルを比較することが要求される場合、試験装置が作り出す気候条件を、あらかじめ正確に決めることが可能となり、再現可能となることが望ましい。
【0005】
公知の促進耐候性試験装置では、試験サンプルを載置する回転可能なラックが光源を取り囲む。光源には、キセノンランプが用いられることが多く、大量の紫外線成分を有する放射を発する。ラックは、通常、1分間に約1回転され、システム内でサンプルの載置された位置によって生じる差異を無くす。また、サンプルに放射される放射の標準的な強さのレベルはおよそ1SUNであり、1SUNとは、自動車技術会(SAE)J−1885耐候性試験法において、波長340ナノメートルの紫外線が1平方メートルあたり0.55ワットの強さ、と定義されている。
【0006】
他の公知の促進耐候性試験装置では、材料のエージングをさらに促進させるものがあり、その手段として1SUNよりも高い放射照度レベルで、例えば2SUN(すなわち、前述の定義にしたがって1平方メートルあたり約1.1ワット)で材料を放射する。そのようなより高い強度では、サンプルの領域のラックの周囲における放射照度の不規則さが大きくなり、サンプル温度変動の原因になることが指摘されている。結果として、サンプルは、試験プログラムにおいて、これらの変動要因の影響を受ける場合がある。
【0007】
他の公知の促進耐候性試験装置では、光源SPDの別々の3つのポイントにおいてのみ、光源の放射照度をモニターし、コントロールする。すなわち、従来の試験装置では、波長340ナノメートル(nm)、420nm、および300から400nmにおいてのみ、光源の放射照度を測定する。測定は、固定帯域透過光学フィルタおよび関連した閉ループフィードバック電子機器によって行われる。基準となる試験方法は、3つのコントロールポイントの内の1つを特定しており、ユーザーは選ぶことができない。これらの公知の試験モニタリングおよびコントロール法は、いくつかの理由で特に不利な点を有している。例えば、現在開発中の試験片材料は、セット基準以外の特定の波長での光源による放射の結果、生じる経年変化または劣化に敏感に反応する。現在の機器では、特定の材料に対して最大で決定的な感度を有する波長をコントロールすることはできない。さらにまた、光源のSPDは、光源ならびに内部および外部のフィルタが長い間に経年変化するに伴い変化する。さらに、放射波長を静的にコントロールしているために、最適な促進耐候性試験が実施できない。結果として、試験片の信頼性は、個々の試験プログラムにおいて、これらの変動要因の影響を受ける。
【0008】
公知の促進耐候性試験装置の校正も、厄介で時間がかかり、顧客の促進耐候性試験装置の試験結果に少なからぬ許容誤差を生じさせる。従来の校正の概要は、1000ワットのタングステンの校正基準により分光放射計を校正する工程と、基準となる工場の光源を分光放射計で測定し、校正値を定める工程と、基準となる工場の光源を使用して運転しながら、工場の促進耐候性試験装置の放射計を校正し、校正値にしたがって、放射計のゲインを調整する工程と、顧客の基準となる光源を使用して、工場の促進耐候性試験装置を運転し、放射計の読み取り値に基づいて校正値を定める工程と、顧客の基準となる光源を使用して、顧客の促進耐候性試験装置を運転し、顧客の試験装置の放射計のゲインを調整し、校正値に一致させる工程とである。結果として、公知の従来装置によって不確定要素が作り出される可能性は相当大きい。たとえ工場で個々の工程を完璧に実行したとしても、顧客が間違いをする場合がある。したがって、試験片は、個々の試験プログラムにおいて、これらの変動要因の影響を受ける。
【0009】
公知の耐候性試験装置の1つは、放射測定デバイスを備えている。試験に使用される放射の一部が、測定装置に導かれる。導かれた放射はスペクトルに分けられ、SPDの別々のポイントで、選ばれたダイオードによって強度および/または線量が測定される。放射検出器は、あらかじめ設定されている別々の波長を測定するためのフォトダイオードのアレイからなる。
【0010】
写真用フィルム放射試験用の別の従来装置は、一定の相関色温度および強度で動作する照明源を備えている。分光放射計は、380nmから740nmまでのスペクトルの光のイメージを、32個の直線に並んだフォトダイオードで受け取る。その結果、分光放射計は、光の強度を示す32個の信号を出力する。個々の32個の信号は、全体で380nmから740nmまでの32個の均一の帯域の光の強度を示すものである。32個の帯域個々の、名目上、そのそれぞれの中央の32個の波長に対する色温度および照度の値が、センサーの32個の信号から得られる。これらの値から、色温度における放射パワー光度が得られる。分光放射計は、照度および相関色温度を示す信号を発生し、それらの信号は自動制御装置に伝送され、許容範囲かどうか判定するテストが行われる。自動制御装置およびステッピングモーターは、分光放射計の信号に対して反応し、ジェネレイターによって放射される光の強度を調節する。色温度および放射を一定に保つために、光源と球面鏡との間の距離を変え、強度を調整する。
【0011】
さらに、別の従来の耐候性試験装置は、光の強度をモニターし、調節するデバイスを備え、記録装置の中に、光ファイバーからなる光導体と、受光セクションと、調節セクションと、を備えている。光導体はフレキシブルチューブから構成され、3つに分かれた光ファイバーの束を有する。光導体の一端はランプの方へ延び、3つに分かれた他端は受光セクションに接続されている。光ファイバーの束の個々の部分に対応する受光セクションのレンズは、光を、個々のファイバーを通して、光電管などの個々の受光素子へと導く。3つの受光素子は、3つ固定の別々のポイントでの、光の成分を測定する。1つのセンサーは、光の強度をコントロールするために用いられ、他の2つのセンサーは、スペクトルの特性を判断するために、どのセットポイントが良いかを比較するために用いられる。
【0012】
さらに、別の従来の試験装置では、様々の強度レベルおよび分光分布を有する放射を用いた放射計デバイスの校正法について説明している。校正システムは、放射計デバイスに向かって光線を発する光源を備え、デバイスを校正および/またはテストする。光線の一部はデバイスに遮断され、光線の別の一部はフォトダイオードからなる検出器に遮断される。検出器はスペクトルフィルタとともに動作し、光源からの放射中の1つ以上の関係する特定のスペクトルバンドを測定する。検出器は、スイッチ切り替えによって、コントロールユニットに出力電流を供給し、インテンシティコントローラを動作させ、光源に電圧を加える。単独の光検出器の電流によって、フィルタによって選別された帯域内の光の強度が正確に予測される。それは、光検出器の電流と光の強度との間の線形関係のためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、従来技術の不都合を克服する促進耐候性試験装置の必要性がある。従来技術の不都合とは、すなわち、光源SPDの固定の別々の部分に関して試験装置をモニターしコントロールすること。光源の全SPDに基づいて試験装置を校正し、モニターし、コントロールすることができないこと。ユーザーが選択可能な個別の波長に関して、すなわち、複数の波長、または、波長範囲に関して、試験装置の光源を校正し、モニターし、コントロールすることができないこと。全SPDの異なる部分に対する材料の感受性をテストできないこと。一般に承認の専門の保証の基準に関して、所与の光源の全SPDにわたって試験装置を校正できないこと。所与の光源または関連したフィルタの経年劣化による所与の光源の全SPDの変化をモニターできないことである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の顧客の促進耐候性試験装置の放射照度レベルコントロ−ルを校正するための方法は、工場の促進耐候性試験装置に校正光源を設置する工程と、第1の校正されたデバイスによって決められたパワーレベルで工場の促進耐候性試験装置を運転する工程と、校正光源の第1の全SPDを収集する工程と、第1の全SPDから第1のグループの計測データを生成する工程と、第1のグループの計測データを第1のデータセットとして保存する工程と、顧客の促進耐候性試験装置に校正光源を設置する工程と、第2の校正されたデバイスによって一定のパワーレベルで顧客の促進耐候性試験装置を運転する工程と、校正光源の第2の全SPDを収集する工程と、第2の全SPDから第2のグループの計測データを生成する工程と、第2のグループの計測データを第2のデータセットとして保存する工程と、第1および第2のデータセットをフィルタリングする工程と、第1および第2のフィルタリングされたデータセットを位置合わせする工程と、顧客の促進耐候性試験装置の放射照度レベルコントロ−ルを校正するために顧客の促進耐候性試験装置のシステム応答因子を決定する工程とを含む。
【0015】
本発明の顧客の促進耐候性試験装置においてあらかじめ選択された正確な放射照度レベルで試験片を放射する方法は、光源フィルタアセンブリの型と、校正された光源に対する第1のデータセットと、光源からのコントロール波長における所望の放射照度レベルのセットポイントとに基づいて、光源からのあらかじめ選択された放射照度レベルを生成するために必要なパワーレベルを決定する工程と、システム応答因子で調整された光源に対する第2のデータセットに基づき、光源からの測定された放射照度レベルを決定する工程と、パワーレベルとコントロール波長における測定された放射照度レベルとを比較する工程と、光源パワーコントロール信号を生成する工程と、所望時間の間、あらかじめ選択された間隔で、上記のステップを繰り返す工程とを含む。
【0016】
さらに、本発明の促進耐候性試験装置は、テストチャンバを有する。試験片を支持するための試験片マウントがテストチャンバに配置される。光源も、放射照度を発生させるためにテストチャンバ内に配置される。コントローラは、複数の入力に基づいて光源パワーコントロール信号を発生する。パワーソースは、光源パワーコントロール信号に応じて、光源にパワーを出力する。分光放射計は、光源の全SPDを収集し、その後、複数の入力の1つとしてコントローラへデータセットを出力するために、全SPDを代表するデータセットを生成する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によって、本発明の試験装置の校正、モニタリング、コントロールの正確さが増す。本発明の試験装置は、正確に、あらかじめ設定された条件を提供するために使用することができ、あらかじめ設定された条件は、ほぼ完全に実施され、一つの試験の間を通して、および、試験と試験の間を通して、予測可能かつ不変である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来の促進耐候性試験装置の斜視図である。
【図2A】本発明の一実施例の促進耐候性試験装置の正面図である。
【図2B】本発明の別の実施例の促進耐候性試験装置の正面図である。
【図3A】本発明の一実施例の促進耐候性試験装置の校正のステップを示すフローチ ャートである。
【図3B】図3Aの促進耐候性試験装置の校正の追加のステップを示すフローチャー トである。
【図3C】図3Aの促進耐候性試験装置の追加の校正のステップを示すフローチャー トである。
【図3D】図3Aの促進耐候性試験装置の追加の校正のステップを示すフローチャー トである。
【図3E】図3Aの促進耐候性試験装置の追加の校正のステップを示すフローチャー トである。
【図4】図3Dのフィルタリングのステップを示すフローチャートである。
【図5】トレーサブルな分光放射計によってモニタされた、校正光源に対するSPD の一部を示すグラフである。
【図6】顧客の促進耐候性試験装置において運転された校正光源に対する第2の全S PDから生成された、第2のグループの計測データを示すグラフである。
【図7】フィルタリング後の校正光源の第1の全SPDを示すグラフである。
【図8】フィルタリング後の図6の校正光源の第2の全SPDを示すグラフである。
【図9】図9Aは、第1および第2のフィルタリングされたデータセットに対しての 最初の位置合わせのステップを示すグラフである。図9Bは、第1および第2のフィ ルタリングされたデータセットの位置合わせの次のステップを示すグラフである。
【図10】顧客の促進耐候性試験装置のシステム応答因子を示すグラフである。
【図11】校正後の顧客の促進耐候性試験装置の全SPDを示すグラフである。
【図12】校正された顧客の促進耐候性試験装置を運転するための、本発明の一実施 例のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照すると、耐候性試験装置10は、ハウジング12からなり、ラック16が備えられている上部チャンバ14を有し、ラックはおおよそ球形をなすように配置されたステンレススチール製の骨組みからなり、その中に試験片18が中心の光源22からほぼ等距離になるように取り付けられる。中心の光源は、キセノンランプ、蛍光灯、メタルハライドランプ、水銀灯、または、タングステンランプでも良い。この配置は、米国特許第5,503,032号、5,854,433号に類似の開示があり、参照することによって本明細書に完全に組み込まれる。
【0020】
上部チャンバ14の底面には円形の開口26が備えられ、円錐の調節板24とともに、空気が開口26を通過しラックに取り付けられている試験片18に沿って流れるのを助ける。
【0021】
従来の電気抵抗型のヒーターエレメント30が、開口26および開口を支える隔壁の下部に配置され、試験片18の周囲の空気の温度をコントロールするのを助けていてもよい。光源22の金具は、参照することによって本明細書に完全に組み込まれているところの米国特許第5,226,318号にしたがって、電気および水流を光源22に導く導管の両方を有していても良い。
【0022】
ラック16は、上部チャンバ14の上壁36を通して延びる第1の支持部材、または、シャフト34によって支持される。したがって、ラック16に取り付けられている各種電子デバイスの接続は、上壁36を通して延びるシャフト34を介してマイクロプロセッサー38へとつながれる。マイクロプロセッサーは、上壁36の上の耐候性試験システムの中に設置され、流水及び光源22に用いられている大電流および高電圧から十分安全な距離を置いて取り付けられている。
【0023】
モータMは、上壁36の上に位置し、シャフト34およびラック16を回転させる。テストラック16は、ブラックパネル温度センサー40を有し、このセンサーは光源の放射から直接的に得られる温度を感じるのに特に適する。ドライバルブセンサーも、空気の温度をモニターするために光源22からより遠い位置に備えられる。また、ダイレクトパーセンテージ相対湿度センサーが備えられる。これらの個々のセンサーはマイクロプロセッサー38へシグナルデータを提供する。
【0024】
上壁はまた、送風機28によって空気を循環させる循環経路46の入口に相当する開口を有し、空気は送風機28によりチャンバ14の上から下まで開口26を通して押し流される。
【0025】
経路46に、自由に開口できる冷却用空気供給ベント48があり、可動調整弁50を有し、空気の入口48bおよび空気の出口48aを備える。調整弁50の位置は、コントロール部材51によって制御することが可能で、すなわち、マイクロプロセッサー38によって従来の方法でコントロールされる。
【0026】
ラック散水または噴霧装置ユニット52も、上部チャンバ14に備えられ、同様に、付加的に試験片への限定的な散水が必要になった時のために、試験片散水噴霧装置ユニット53が備えられる。
【0027】
耐候性試験装置10の詳細は、先に引用した米国特許第5,503,032号、5,854,433号に開示されている。
【0028】
図2Aおよび図2Bを参照すると、本発明の実施例の促進耐候性試験装置10の正面図が示されている。本発明の実施例の構造上および機能上の特徴は、以下に述べる詳細を除いて、上述した図1とともに説明した特徴に関することであることが、当業者によって認識されるであろう。したがって、本実施例のさらなる説明は、本実施例の構造上および機能上の特徴についてと、図1に記載される本実施例の特徴であって図2Aおよび図2Bの実施例の説明を裏付け、可能とするために必要のものについてのみ行う。図1について説明される装置の構造上および機能上の特徴、および、本明細書で引用される参考文献は、本発明のいかなる実施例にも適用可能であることは、本発明の教示の範囲である。
【0029】
これらの実施例の促進耐候性試験装置10は、上部チャンバまたはテストチャンバ14を備え、テストチャンバ14内に、ラックまたは試験片18を支持するための試験片マウント16を備える。光源22が、テストチャンバ14内に配置され、テストチャンバ14内を放射する。コントローラ60は、以下に記述する複数の入力に基づいて光源パワーコントロール信号を発生する。パワーソース62は、光源パワーコントロール信号に応じて、光源22へパワーを出力する。入力デバイス64は、光源22からの放射を直接受けるようにテストチャンバ14内に配置され、光源22の全SPDを容易にモニターできるようにする。全SPDを代表するデータセットが生成され、複数の入力の1つとしてコントローラ60へ出力される。
【0030】
コントローラ60は、複数の入力に基づいて、光源22からのあらかじめ選択されたレベルの放射照度を生成するためのパワーレベルを決定する。好ましくは、複数の入力は、少なくとも次の入力を含む。すなわち、光源フィルタアセンブリの型と、校正された光源のデータセット(以下に説明される)と、光源22からのコントロール波長に対する所望の放射照度レベルのセットポイントと、である。コントローラ60への追加の入力が、パワーレベルのより正確なコントロールを容易に可能とするために望ましく、使用される場合があることは、本発明の教示の範囲である。
【0031】
コントローラ60は、さらにまた、システム応答因子(System Response Factor)で調整された光源22に対するデータセットに基づき、光源22からの測定された放射照度レベルを決定する。各値は、以下に詳細が説明される。図2Aおよび図2Bについての実施例の説明で用いられている表現「データセット」は、以後の、「第2のデータセット」と同じ意味で用いられ、互いに置き換えて用いられる場合があることは、当業者に認識されるであろう。コントローラ60は、パワーレベルと測定された放射照度レベルとを比較し、光源パワーコントロール信号を発生してパワーソース62へ出力し、所望時間の間、あらかじめ選択された間隔で、上記の工程を繰り返す。それによって、従来技術の不都合を克服する、正確で厳密な促進耐候性試験装置の運転が達成される。
【0032】
好ましくは、コントローラ60は、プロセッシングユニットおよびプログラミングインストラクションを保存するメモリを備え、プロセッシングユニットによって使用される場合には、プログラミングインストラクションは、コントローラに命令し、光源フィルタアセンブリの型と、校正された光源のデータセットと、光源からのコントロール波長における所望の放射照度レベルのセットポイントとに基づき、光源からのあらかじめ選択されたレベルの放射照度を生成するためのパワーレベルを決定させ、システム応答因子で調整された光源に対するデータセットに基づき、光源からの測定された放射照度レベルを決定させ、パワーレベルと測定された放射照度レベルとを比較させ、光源パワーコントロール信号を生成させ、上記工程をあらかじめ選択された間隔で所望時間の間、繰り返させる。
【0033】
本発明のプロセッサは、単独のプロセッサ、複数のプロセッサ、DSP、マイクロプロセッサ,ASIC、ステートマシン、または、ソフトウェアを処理し実行する能力を有するその他の手段でも良いが、ここに挙げたものに限定されない。プロセッサという表現は、ソフトウェアを実行する能力を有するハードウェアだけを指し示すと解釈されるべきではなく、暗に、DSPハードウェア、ソフトウェアを保存するためのROM、RAM、および、その他の揮発性または不揮発性の記憶媒体を含む場合がある。
【0034】
本発明のメモリは、単独のメモリ、複数の記憶域、共有メモリ、CD、DVD、ROM、RAM、EEPROM、光学的記憶装置、マイクロコード、または、プロセッサ用のデジタルデータを保存する能力を有するその他の不揮発性の記憶装置でも良いが、ここに挙げたものに限定されない。
【0035】
パワーソース62は、図1で説明された実施例で使われたパワーソースと同じである。しかしながら、コントローラ60と関連して動作することによりパワーソース62が調節可能となるため、どの試験の間も、確実に安定した放射照度レベルが達成される。
【0036】
入力デバイスは、分光放射計、受光用光学デバイス、またはその他の適した入力デバイスであり、光源22からの放射を直接受けるようにテストチャンバ14内に配置され、動作可能に分光放射計と通信を行う。図2Aでは、入力デバイス64は、試験片マウント16の周囲の内側のスタンド66の上に配置されている。図2Bでは、入力デバイス64は試験片マウント16の上に取り付けられ、試験片マウントまたはラックで支持される試験片によって形成される試験片面にくるような形になる。
【0037】
入力デバイス64が、受光用光学デバイス、またはその他の適した入力デバイスであり、図2Aまたは図2Bに示すような光源22の放射を直接に真正面から受けるようにテストチャンバ14内に配置された分光放射計以外の場合、分光放射計は、テストチャンバ14から離れた所に配置されたり、または、テストチャンバ14内で放射を直接に真正面から受けないように配置されており、光を光源から分光放射計まで導くために光波ガイドが有用である。
【0038】
通常、分光放射計は、モノクロメータおよび感光性のデバイスを有する、またはダイオードアレイを有する適したデバイスでも良いが、ここに挙げたものに限定されない。好ましくは、分光放射計は、米国国家標準技術局(National Institute of Standards and Testing(NIST))基準に校正することが可能な線形電荷結合デバイス(linear charge coupled device)である。例えば、本発明に関連して有用な、適合する分光放射計の1つは、フロリダ州オーランドのオプトニックラボラトリー社製の型式番号OL754−Cである。本発明の機能的な特徴を促進または可能とする他の適した分光放射計も使用可能である。
【0039】
上記のように、光源22は、キセノンランプ、蛍光灯、メタルハライドランプ、水銀灯、および、タングステンランプからなるグループから選択されたランプでも良い。所望の結果を得るために、公知の、または後で発見される他の適した光源を使用可能であることは、当業者によって認識されるであろう。
【0040】
図3A、図3B、図3C、図3D、図3E、および図4は、本発明の様々の実施例に関連した顧客の促進耐候性試験装置において、放射照度レベルコントロールの校正のための各種のステップを示すフローチャートである。最初に、工場の促進耐候性試験装置を校正しなければならない。より詳しくは、工場の促進耐候性試験装置に使用される分光放射計を、公知の基準にしたがって校正する必要があり、それは、本発明の校正手順の後に続くステップにおける正確さおよび精密さを提供するためである。基準放射源を用いる分光放射計の校正のための公知の標準的な試験方法は、米国材料試験協会(ASTM)G138に記載されており、参照することによって本明細書に完全に組み込まれる。基準放射源または校正光源は、キセノンランプ、蛍光灯、メタルハライドランプ、水銀灯、および、タングステンランプからなるグループから選択されたランプでも良い。所望の結果を得るために、公知の、または後で発見される他の適した校正光源を使用可能であることは、当業者によって認識されるであろう。
【0041】
要約すると、図3Aに示されるステップは、工場の促進耐候性試験装置のこの初期設定に関する。ステップ300では、NISTにトレーサブルな光源が、公知の基準にしたがって、工場の促進耐候性試験装置に取り付けられる。ステップ302では、第1の校正されたデバイスが、NISTにトレーサブルな光源用に一定のパワーレベルを設定するために使用される。例えば、第1の校正されたデバイスは、ワットメーターまたは他の適したパワーレベルコントロールデバイスでも良い。好ましくは、第1の校正されたデバイスおよび本明細書に記載される他の校正されたデバイスは、NISTにトレーサブルなワットメーターとして構成される。ステップ304では、工場の促進耐候性試験装置が、上記のステップにしたがって運転され、工場の促進耐候性試験装置と動作可能に接続された分光放射計が、NISTにトレーサブルな光源の全SPDを測定する。結果として、ステップ306では、工場の促進耐候性試験装置がNISTにトレーサブルな光源に校正される。
【0042】
図3Bは、顧客の促進耐候性試験装置において、放射照度レベルコントロールを校正するための次の付加的なステップを示すフローチャートである。ステップ308では、校正光源が、工場の促進耐候性試験装置に取り付けられる。ステップ310では、第1の校正されたデバイスが、工場の促進耐候性試験装置の運転の一定のパワーレベルを設定するために使用される。ステップ312では、工場の促進耐候性試験装置の運転中に、NISTにトレーサブルに校正された分光放射計が、校正光源の第1の全SPDを収集する。ステップ314では、NISTにトレーサブルな分光放射計が、第1の全SPDから、第1のグループの計測データを生成する。ステップ316では、第1のグループの計測データを第1のデータセットとして保存する。さらにまた、第1のグループの個々の計測データについて、その間隔は、等しい幅であり、およそ1ナノメートルであるか、1ナノメートル未満であるか、または1ナノメートルより大きい。図5は、本発明の一実施例のNISTにトレーサブルな分光放射計によって収集された、校正光源に対する第1の全SPDの一部を示すグラフである。第1のデータセットは、顧客の促進耐候性試験装置の校正、および、顧客の促進耐候性試験装置を以下に説明するように運転することを容易にし、可能とするのに有用である。X軸の単位はナノメートルで測定された波長であり、Y軸の単位は1平方メートルあたりのワット数で測定された放射照度であることは、当業者によって認識されるであろう。第1のグループの計測データの個々の計測データは、第1の全SPDにわたる等しい幅を有する間隔において、個々の複数の波長に対する第1の振幅として表現される。
【0043】
第1のデータセットは、データストアまたはメモリに保存されることが好ましく、例えば、単独のメモリ、複数の記憶域、共有メモリ、CD、DVD、ROM、RAM、EPROM、光学的記憶装置、マクロコード、または、プロセッサ用のデジタルデータを保存する能力を有するその他の不揮発性の記憶装置でも良いが、ここに挙げたものに限定されない。より好ましくは、第1のデータセットは、携帯用のデータストアまたはメモリに保存され、顧客の促進耐候性試験装置とともに使用するため、校正光源と一緒に、送付、転送、または配送可能であることが望ましい。
【0044】
図3Cは、顧客の促進耐候性試験装置において、放射照度レベルコントロールを校正するための付加的なステップを示すフローチャートである。ステップ318では、校正光源が、顧客の促進耐候性試験装置に取り付けられる。ステップ320では、第2の校正されたデバイスが、顧客の促進耐候性試験装置の運転の一定のパワーレベルを設定するために使用される。先に記載したように、第2の校正されたデバイスは、任意の適したデバイスでもよく、好ましくは、NISTにトレーサブルなワットメーターでも良い。ステップ322では、顧客の促進耐候性試験装置と動作可能に接続された分光放射計が、校正光源の第2の全SPDを収集する。ステップ324では、第2の全SPDから、第2のグループの計測データを生成する。ステップ326では、第2のグループの計測データを第2のデータセットとして保存する。図6は、本発明の一実施例の顧客の促進耐候性試験装置において運転された校正光源に対する第2の全SPDからの第2のグループの計測データを示すグラフである。X軸の単位は(本実施例の線形電荷結合デバイス(linear charge coupled device)の)ピクセルであり、Y軸の単位は(ピクセル毎に観測された)カウントであることは、当業者によって認識されるであろう。すなわち、本発明の本実施例では、線形電荷結合デバイスが、分光放射計として用いられ、個々のセンサエレメントまたはピクセルは、カウント数を観測する。そのカウント数は、第2の全SPDの特定の波長の強度を示す。第2のデータセットは、メモリまたはデータソースに保存されることが好ましい。ここで「メモリ」とは、本明細書で定義され、使用されている意味である。
【0045】
図3Dは、顧客の促進耐候性試験装置において、放射照度レベルコントロールを校正するための付加的な校正ステップを示すフローチャートである。ステップ328では、第1のデータセットがフィルタリングされる。図7は、本発明の一実施例のフィルタリング後の図5の校正光源の第1の全SPD、または、第1のデータセットを示すグラフである。ステップ330では、第2のデータセットがフィルタリングされる。図8は、本発明の一実施例のフィルタリング後の図6の校正光源の第2の全SPD、または、第2のデータセットを示すグラフである。一般的に、個々のフィルタリングステップは、アルゴリズムを用いて、第1および第2の全SPDのソースピークを分離し、識別する。好ましくは、フィルタリングステップは次のアルゴリズムを用いて、第1および第2の全SPDのソースピークを分離し、識別する。
【0046】
【数1】

【0047】
アルゴリズムは、通常、数学的に曲線を滑らかにするために指標付きの方程式である。好ましくは、個々の第1および第2の全SPDのソースピークを分離し、識別するために、アルゴリズムは、元の曲線から、数学的に滑らかにされた曲線を差し引く。
【0048】
ステップ332では、第1および第2のフィルタリングされたデータセットが位置合わせ(aligning)される。図4は、ステップ332に記載された位置合わせのステップを示すフローチャートである。図9Aは、第1および第2のフィルタリングされたデータセットに対しての最初の位置合わせの工程を示すグラフである。X軸の単位はピクセルあたりの波長であり、Y軸の単位はソースピーク(source peaks)であることは、当業者によって認識されるであろう。最初は、波長(第1のデータセット)データとピクセル(第2のデータセット)データとの間には、相異またはエラーデルタがある。ステップ334では、第2のデータセットが、あらかじめ選択されたインクリメントだけシフトされる。ステップ336では、波長補正(オフセット)によって、第1のデータセットが、導き出されたエラーデルタまたは補正値のインクリメントだけ補間される。ステップ338では、シフトされた第2のデータセットと補間された第1のデータセットとの間の誤差が決定される。ステップ340では、誤差があらかじめ選択されたしきい値(threshold)と比較される。誤差があらかじめ選択されたしきい値よりも大きい場合、第1および第2のフィルタリングされたデータセットを位置合わせする工程が、前述の工程にしたがって繰り返される。あらかじめ選択されたしきい値は、およそ許容範囲の精度を与える値であることが望ましい。しきい値は光源および分光放射計に依存することは、当業者によって認識されるであろう。ステップ342では、誤差があらかじめ選択されたしきい値よりも小さい場合、最適になるようにシフトされた第2のデータセットおよび補間された第1のデータセットを表すものが決定され、個々のデータセットの正規化または位置合わせが完了する。
【0049】
図9Bは、誤差が、しきい値よりも小さく、最適なシフト・補間を表すものが決定された後、第1および第2のフィルタリングされたデータセットの位置合わせの次のステップを示すグラフである。この場合もX軸およびY軸の単位は、図9Aと同じであることは認識されるであろう。
【0050】
図3Eは、顧客の促進耐候性試験装置において、放射照度レベルコントロールを校正するための付加的な校正のステップを示すフローチャートである。ステップ344では、顧客の促進耐候性試験装置の放射照度レベルコントロ−ルを校正するため、顧客の促進耐候性試験装置のシステム応答因子を決定する。システム応答因子は、フィルタリングされた第1および第2のデータセット及び最適なシフト・補間を表すものに基づいている。結果として、システム応答因子は、本明細書で説明されるように、個々の波長での出力信号の入力スティミュラス(input stimulus)に対する特定比率を表す。システム応答因子を決定するステップは、全SPDにわたる個々の波長における入力に対する出力の比率を求めることを含んでいる。
【0051】
図10は、本発明の一実施例の顧客の促進耐候性試験装置のシステム応答因子を示すグラフである。システム応答因子は、顧客の促進耐候性試験装置の全SPDの個々の複数の波長の信号出力振幅として表現されることは、当業者によって認識されるであろう。すなわち、以下により詳細に記載されるが、システム応答因子は、特定の顧客の促進耐候性試験装置の放射照度レベルコントロールをNISTにトレーサブルなレベルに調整するために有用である。
【0052】
図11は、校正後の顧客の促進耐候性試験装置によって発生された全SPDを示すグラフである。図11の全SPDを示すグラフは、図5の全SPDを示すグラフと略一致し、それはすなわち、顧客の促進耐候性試験装置の放射照度レベルコントロールがNISTにトレーサブルなレベルに校正されていることを意味することは、当業者によって認識されるであろう。結果として、顧客の促進耐候性試験装置から正確で予測可能な結果を得ることが可能となる。
【0053】
本発明の一実施例では、第1の全SPDを収集するステップは、工場の促進耐候性試験装置とともに使用されるNISTにトレーサブルな分光放射計によって容易に実行される。そのような分光放射計は、モノクロメータおよび感光性のデバイスを有してもよく、線形電荷結合デバイスおよびダイオードアレイからなるグループから選んでも良い。
【0054】
第2の全SPDを収集するステップは、顧客の促進耐候性試験装置とともに使用される分光放射計によって容易に実行されることは、本発明の教示の範囲である。そのような分光放射計は、モノクロメータおよび感光性のデバイスを有することが望ましく、線形電荷結合デバイスおよびダイオードアレイからなるグループから選んでも良い。
【0055】
図12は、校正された顧客の促進耐候性試験装置を運転し、その中に取り付けられた試験片を、あらかじめ選択された正確な放射照度レベルで放射するための、本発明の一実施例のステップを示すフローチャートである。ステップ408では、光源からのあらかじめ選択された放射照度レベルを生成するためのパワーレベルを決定する。パワーレベルを決定するプロセスは、先行するステップ400−406に基づいている。すなわち、ステップ400で、光源フィルタアセンブリの型が入力され、ステップ402および404で、光源からのコントロール波長に対する所望の放射照度レベルのセットポイントが入力され、ステップ406で、校正された光源に対する第1のデータセットがメモリから取り出される。ステップ410で、光源からの放射照度に試験片がさらされるために顧客の促進耐候性試験装置が起動される。
【0056】
ステップ418で、先行するステップに基づいて、測定された光源からの放射照度レベルが観測される。すなわち、ステップ412で、光源からの実際の放射照度が収集および調整され、ステップ414で、第2のデータセットが生成され、ステップ416で、第2のデータセットがシステム応答因子によって調整される。
【0057】
ステップ420で、パワーレベルとコントロール波長において測定された放射照度レベルとが比較される。測定された放射照度レベルが放射照度レベルセットポイントと一致しない場合、ステップ424で、調整された光源パワーコントロール信号が生成され、プロセスはステップ410へ戻る。測定された放射照度レベルが放射照度レベルセットポイントと一致し、ステップ426で所望の放射時間が経過していない場合、ステップ428で、本発明の本実施例のプロセスはある時間だけ停止し、その後、プロセスをステップ410へ戻す。ステップ426で、所望の放射時間が経過している場合、ステップ430で、顧客の促進耐候性試験装置の試験片への放射は終了する。
【0058】
コントロール波長は、ある波長の範囲または特定の波長の範囲であっても良く、そのようなコントロール波長を、測光出力を決定するために用いることが可能であることは、本発明の教示の範囲である。例えば、当業者にとって公知の数学の関数を適用して本発明から導出される任意の全SPDからLUX値を決定することが可能である。本発明の一実施例では、これは、人間の目で、すなわち明視反応で重みづけした原データによって特徴づけることが可能である。
【0059】
本発明の一実施例では、第1のデータセットは、第1の全SPDから生成された第1のグループの計測データを含み、ここで、第1のグループの計測データの個々の計測データは、第1の全SPDにわたる等しい幅を有する間隔において、個々の複数の波長に対する第1の放射照度の振幅として表現される。好ましくは、第1のグループの計測データは、NISTにトレーサブルな分光放射計によって測定される。
【0060】
さらにまた、本発明の一実施例では、第2のデータセットは、第2の全SPDから生成された第2のグループの計測データを含み、ここで、第2のグループの計測データの個々の計測データは、個々のセンサエレメントに対する多数のカウントとして表現される。第2のグループの計測データは、NISTにトレーサブルな分光放射計によって測定され、分光放射計は、線形電荷結合デバイスまたはその他の適したデバイスでも良い。
【0061】
添付の請求項によって明示される本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々の修正および変形が、当業者によってなされるであろう。例えば、本装置は、他の適した光源、校正光源、および分光放射計に関して、本明細書に説明された利点をもって運転するために構成されることが可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 促進耐候性試験装置
12 ハウジング
14 チャンバ
16 ラック
18 試験片
22 光源
24 調節板
26 開口
28 送風機
30 ヒーターエレメント
34 シャフト
36 上壁
38 マイクロプロセッサー
40 ブラックパネル温度センサー
46 循環経路
50 可動調整弁
51 コントロール部材
52 噴霧装置ユニット
53 試験片散水噴霧装置ユニット
60 コントローラ
62 パワーソース
64 入力デバイス
66 スタンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テストチャンバと、
前記テストチャンバの中に試験片を支持するための試験片マウントと、
前記テストチャンバで放射を発生させる前記テストチャンバ内に配置される光源と、
複数の入力に基づいて光源パワーコントロール信号を発生するコントローラと、
前記光源パワーコントロール信号に応じて、前記光源にパワーを出力するパワーソースと、
光源の全スペクトルパワー分布(SPD)を収集し、前記全SPDを代表するデータセットを生成し、複数の入力の1つとして前記コントローラへ前記データセットを出力する分光放射計と、
を有することを特徴とする促進耐候性試験装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、受光用光学デバイスを有する前記分光放射計が、前記光源からの放射を直接受けるように前記テストチャンバ内に配置されることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、光波ガイド受光用光学デバイスが、前記光源からの放射を直接受けるように前記テストチャンバ内に配置され、光を前記光源から、前記テストチャンバから離れた所に配置された前記分光放射計まで導くことを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、前記受光用光学デバイスが、前記試験片マウントに配置されることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項3に記載の装置において、前記受光用光学デバイスが、前記試験片マウントで支持される前記試験片によって形成される試験片面に配置されることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、前記データセットが、前記全SPDから生成されたグループの計測データを含み、前記グループの計測データの個々の計測データは、個々のセンサエレメントに対する多数のカウントとして表現されることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置において、前記光源が、キセノンランプ、蛍光灯、メタルハライドランプ、水銀灯からなるグループから選択されるランプであることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置において、前記分光放射計が、NISTにトレーサブルな線形電荷結合デバイスであることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、前記コントローラが、光源フィルタアセンブリの型と、校正された光源のデータセットと、前記光源からのコントロール波長に対する所望の放射照度レベルのセットポイントとに基づき、前記光源からのあらかじめ選択された放射照度レベルを生成するためのパワーレベルを決定することを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置において、前記コントローラが、さらに、システム応答因子で調整された前記光源に対する前記データセットに基づき、前記光源からの測定された放射照度レベルを決定することを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置において、前記コントローラが、前記パワーレベルと前記測定された放射照度レベルとを比較し、光源パワーコントロール信号を生成し、所望時間の間、あらかじめ選択された間隔で、上記の工程を繰り返すことを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置において、前記コントローラは、プロセッシングユニットおよびプログラミングインストラクションを保存するメモリを備え、前記プロセッシングユニットによって使用される場合には、プログラミングインストラクションはコントローラに命令し、光源フィルタアセンブリの型と、校正された光源のデータセットと、前記光源からのコントロール波長における所望の放射照度レベルのセットポイントとに基づき、前記光源からのあらかじめ選択された放射照度レベルを生成するためのパワーレベルを決定させ、
システム応答因子で調整された前記光源に対する前記データセットに基づき、前記光源からの測定された放射照度レベルを決定させ、
前記パワーレベルと前記測定された放射照度レベルとを比較させ、
光源パワーコントロール信号を生成させ、
所望時間の間、あらかじめ選択された間隔で、上記の工程を繰り返すことを特徴とする装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−18190(P2012−18190A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232764(P2011−232764)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【分割の表示】特願2005−26893(P2005−26893)の分割
【原出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(502117583)アトラス・マテリアル・テスティング・テクノロジー・エル・エル・シー (10)
【Fターム(参考)】