説明

全地球的炭酸ガス排出問題の解決方法

【課題】近年、全地球的規模にて地球の平均温度の上昇が顕著になり、北極やヒマラヤ、チベットの高地にても氷河やシベリアの永久凍土が溶け出し、温暖化とともに、人類の生存環境の悪化の懸念ひいては人類存亡の危機が強く言われるようになってきた。
このような状況を打開するべく1992年に気候変動枠組条約に基づき京都会議で第三回気候変動枠組み条約締約国際会議(COP3)にて温室効果ガスである二酸化炭素、メタン、亜硝酸窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、六フッ化硫黄について、先進国における削減率を1990年度基準にて各国別に定め、共同で約束期間内に目標値を作成することが定められた。しかしながら、その実現案は国内排出量取引制度や再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の導入、地球的温暖対策税の導入などといった”金融政策”ばかりで、本来、国や民間が開発するべき新技術の導入などによるのではなかった。
【解決手段】アフリカの乾燥地である広大な東西4000キロに渡るサバンナの“サヘル”および“大サハラ砂漠”に乾燥に強く上質なオイルを生む灌木ホホバを植林する。また、一部には生態的な配慮や食物を得る手段としてアカシアやエデンの木らを混植する。そして植林にかかわる資金はホホバのCDM証券化によって行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地球温暖化の主要原因である二酸化炭素の発生と消費の地球的アンバランスを回復し、同時に化石燃料全体の代替燃料を創成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、全地球的規模にて平均温度の上昇が顕著になり、北極やヒマラヤ、チベットの高地にても氷河やシベリアの永久凍土が溶け出し、温暖化とともに、人類の生存環境の悪化が強く懸念されるようになってきた。
【0003】
このような危機的状況を打開するべく1992年に気候変動枠組条約に基づき京都会議で第三回気候変動枠組み条約締約国際会議(COP3)にて温室効果ガスである二酸化炭素、メタン、亜硝酸窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、六フッ化硫黄について、先進国における削減率を1990年度基準で各国別に定め、共同で約束期間内に目標値を作成することが定められた。
【0004】
それらは以下の割当量を超えないように定めた。
・ 92%(−8%)−欧州連合(EU)15カ国
・ 93%(−7%)−アメリカ合衆国(離脱)
・ 94%(−6%)−カナダ、ハンガリー、日本、ポーランド
・ 95%(−5%)−クロアチア
・ 100%(±0%)−ニュージーランド、ロシア、ウクライナ
・ 101%(+1%)−ノルウエー
・ 108%(+8%)−オーストラリア
・ 110%(+10%)−アイスランド
【0005】
以上の数値目標は固定値というわけではなく、2009年我が国の鳩山首相は地球環境行動会議(GEA)にて、25%削減をするとの大晩振る舞いの公約をした。また2009年10月現在、炭酸ガスの排出量は日本においては減少するどころか増加をしている。
【0006】
しかしながら、日本国での実現は国内排出量取引制度や再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の導入、地球的温暖化対策税の導入などといった案で、本来、国や民間が開発するべき新技術の導入などによるのではなく、外国で発案された”金融政策”のみに頼るばかりで対策でさえも我が国独自とはいえなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、第一に全地球規模で排出する二酸化炭素300億トン/年を本発明のみで、ほぼ単独の方法で実現を図るものである。
【0008】
本発明は、さらに、従来の枯渇が心配されている化石燃料に変わりうるより安価で良質の新バイオマス燃料を提供するものである。
【0009】
本発明は、“持続可能な“低炭素社会の新しい要請であり,これに伴って新しく発明された”価値”であるCDM(Clean Development Mechanism)を採用したものである。
【0010】
本発明は世界の食料問題にも部分的に貢献するものであり、さらに、開発途上国の、特にアフリカの、国家間の戦争や内戦そして難民問題にも寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では以上の問題解決のために以下に述べる複数の手段を有機的に組み合わせる手法をとる。
【0012】
第一手段として大砂漠とサバンナ(乾燥草原)を地球的規模で積極的に炭酸ガスの削減に利用するものである。
【0013】
第二手段として最初にアメリカインディアンによって発見され、その後アフリカのエジプトやスーダンでで改良されたバイオマスである灌木植物のジョジョバ(JOJOBA−Simmondsia chinensis −)をこの熱帯乾燥地帯に植林する。
(http://en.wikipedia.orq/wiki/Jojoba)
【0014】
第三手段として自然の多様性を損なわないように、乾燥地帯でも生育の可能なアカシアやエデンの木を補助的に植林する。(アカシア http://en.wikipedia.org/wiki/Acacia),(エデンの木http://www.eden−foundation.org/index.html
【0015】
第四手段として灌木ジョジョバで吸収される二酸化炭素の排出権をCDM証券化する。
【0016】
第五手段として、灌木ジョジョバから生成されか化石燃料よりも二酸化炭素の排出量の少ない燃料と高級オイル等をもCDM証券化する。
【0017】
灌木ジョジョバなどの改良種の購入、種から苗の生育と生育のための大規模温室、乾燥大地への大規模植林の自動機械装置、関連建物、宿舎、人件費等の費用はCDM取引等により調達を図る。
【発明を実現する具体的方法】
【0018】
ホホバの炭酸ガス吸収量は1エーカー(約4047平米)あたり7.52トンであることがしられている。また世界の年間排出量は約300億トンである。よって40億エーカーのホホバの植林面積はホホバ単一で300億トンの炭酸ガスを吸収することができる。MKS単位では1600万平方キロメートルのホホバの植林は300億トンの二酸化炭素を相殺することができる。また、品質の高いホホバはいったん植えるとその寿命は150年から200年といわれている。また、ホホバの油は毎年収穫されるため他のバイオマス植物と比べて極めて効率が高い。
【0019】
しかしながら、実際は既存の森林も炭酸ガスを吸収し、また海も二酸化炭素を吸収することが知られている。それらの量の推定にはさまざまな見解があるが、仮に既存の森林で1/3、海洋から1/3の吸収が行われるとすると、必要なホホバの吸収量は年間100億トンとなり、約533万平方キロメートルの植林面積が必要になる。
【0020】
このような広大な植林面積はアフリカの乾燥地帯に存在する。サハラ砂漠が千万平方キロメートルでそこに隣接するサバンナのサヘルが350万平方キロメートルで合計1350万平方キロメートルが利用可能な上限面積である。
アフリカを4000kmに渡り横断するこの領域をアフリカ大陸の“ホホバベルト”として、炭酸ガスの吸収とホホバ油生成を担わせる。
【0021】
アフリカ大陸の乾燥地帯に灌木ホホバの植林を主にアカシアやエデンの木などを補助植林としてこれを実現することにより、生成されるホホバオイルを化石燃料の代替とすることで、現状の300億トンの二酸化炭素の量をさらに減少せしめ、海と既存の森林の吸収に加えて、炭酸ガス吸収源としてあらたな“ホホバ ベルト”を創成することにより、炭酸ガスのネット排出量はゼロ以下にすることが可能となる。また炭酸ガス排出権や生産される高級油等による収入をこの地域のアフリカ住民に還元することで、種々な解決困難な問題に対処できるようにする効果が期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全地球的規模の二酸化炭素の年間排出量300億トンを実効的に消去する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の二酸化炭素低減方法としてアフリカの乾燥地域であるサバンナのサヘル全域およびサハラ砂漠全域に灌木ホホバを植林する。
【請求項3】
請求項1に記載の二酸化炭素低減方法としてホホバの植林が単一生態系にならないようにかつ食物、医薬品などにも兼ねた機能をもつアカシアやエデンの木を部分的に混合植林する。
【請求項4】
請求項1と請求項2に記載の二酸化炭素低減方法としてホホバらの混合植林をCDM証券化することで植林の資金源とするビジネスモデルとその結果として食料問題や戦争や内戦の解決を図る。

【公開番号】特開2011−87560(P2011−87560A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260422(P2009−260422)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【出願人】(599037908)
【出願人】(508005299)