説明

全有機炭素のための呼吸気検査

呼吸気サンプル101内の揮発性有機化合物VOCの総量が、CO2及びH2Oを形成するためにVOCを酸化/燃焼120することによって検出され、これらの化合物の一方又は両方の量が測定される130。呼吸気サンプル101内のCO2及びH2O分子は、VOCがCO2及びH2Oに変換120される前に除去される110。一つのVOC分子は複数の炭素及び水素原子を含むため、形成されたCO2及びH2O分子の数は、VOC分子の元の数よりもかなり多くなり、それによって、検出の感度が改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療システムの分野に関し、特に、有機化合物の総量を検出するのに特に非常に適している呼吸(気)分析器に関する。
【背景技術】
【0002】
ここに参照によって含まれる、Michael Phillips氏による2001年11月6日発行の米国特許6,312,390号公報"肺癌の検出のための呼吸検査(BREATH TEST FOR DETECTION OF LUNG CANCER)"は、哺乳動物において肺癌の存在を識別するための肺胞呼吸気(alveolar breath)における揮発性有機化合物(VOC)の増大レベルの検出を教示している。肺胞呼吸気におけるVOCは、ここに参照によって含まれる、Michael Phillips氏による1995年11月14日発行の米国特許5,465,728号公報"呼吸気収集(BREATH COLLECTION)"に記載の装置を使用して、吸着トラップ(sorbent trap)において捕らえられる。収集されたVOCは熱的に取り除かれ、それから質量分析法によって定量されると共に識別される。22のVOC、主にメチル化アルカン(methylated alkane)は、肺癌を持つ患者において統計的にかなりより高い量で存在していることが示されている。
【0003】
ここに参照によって含まれる、Kanik氏らによる2004年9月21日発行の米国特許6,794,645号公報"陽子移動反応/イオン移動度分光法及びそれを使用する方法(PROTON-TRANSFER-REACTION / ION-MOBILITY-SPECTROMETER AND METHOD OF USING THE SAME)"は、糖尿病(より高いアセトン(acetone))、歯周病(periodontal disease)(より高い硫黄化合物)、肝硬変(liver cirrhosis)(より高いプロパノール(propanol))のような他の病気が、呼吸気分析法を使用して検出され得ることを教示している。高圧イオン化器(high-pressure ionizer)は有機物を分離するため、空気の通常成分(O2, N2, CO2, 及びCO等)をイオン化することなしに、大きな有機分子をイオン化するためにH3O+を使用する。このように、試料(サンプル)のガスクロマトグラフィ/質量分析はバックグウンドノイズをあまり伴わない。
【0004】
他のVOCは、他の病気の代謝(メタボリック)作用も示す。特に注意されることに、発癌及び老化のメカニズムとして酸化ストレスが示唆されており、酸化ストレスは、リウマチ関節炎(rheumatoid arthritis)、虚血性心臓疾患(ischeamic heart disease)、及び気管支喘息(bronchial asthma)を含むいくつかの疾患において増大している。エタン(ethane)及びペンタン(pentane)は、酸化ストレスに対するマーカとして識別されてきた。同様に、ホルムアルデヒド(formaldehyde)、及びアセトアルデヒド(acetaldehyde)を含むアルデヒド(aldehyde)、アセトン(acetone)、並びに液体過酸化物(lipid peroxidation)の二次生成物も酸化ストレスを示す。
【0005】
CLINICA CHIMICA ACTA 347 (Elsevier 2004) において、Wolfram Miekisch 氏らによる"呼吸気分析の診断可能性−揮発性有機化合物に着目(Diagnostic Potential of Breath Analysis - Focus on Volatile Organic Compounds)"の第25乃至39頁が、TOCに基づく現状の診断技術のレビューを開示している。
【0006】
米国特許第USP 6,794,645号公報は、呼吸気分析を上回る空気(エア)サンプリング技術の応用についても記載しており、コカイン(cocain)、マリファナ(marijuana)、ヘロイン(heroin)のような違法薬物(ドラッグ)の検出、並びに爆薬の検出及び環境モニタリング物の検出、更には遠い惑星上の生命の化学的マーカの検出が含まれている。空気(エア)サンプラ(air sampler)の他の用途は、例えばアルコール使用を検出するための、航空機のコックピット若しくは列車の運転室における空気サンプラ、又は発癌性物質として特定されている空気内のVOCの存在を検出するための、学校、工場、及びオフィスビルディングの空気導管(ダクト)における空気サンプラを含んでいてもよい。空気サンプル内のVOCをモニタリングするために使用される従来技術は通常、個々のVOC成分を識別するために分光のいくつかの形態を含む。
【0007】
ここに参照によって含まれる、Leichnitz氏らによる1981年10月13日発行の米国特許出願4,294,583号公報"検査管(チューブ)を使用する呼吸気アルコール濃度の分析のための高感度ガス測定方法(HIGHLY SENSITIVE GAS MEASURING METHOD FOR THE ANALYSIS OF BREATH ALCOHOL CONCENTRATIONS, USING TEST TUBES)"は、一酸化炭素(carbon monoxide)を形成するように熱分解炉において呼吸気(息)を加熱し、それから一酸化炭素のレベルを検出することによるアルコールの検出法を教示している。想定されることに、一酸化炭素の生成を保証するため、熱分解炉は、加熱されたサンプルにもたらされる酸素の量を制限するように構成されている。アルコールから生成される一酸化炭素の量を喫煙者(スモーカ)の息における一酸化炭素の量から区別するため、熱分解炉に入る前の呼吸気サンプル内の一酸化炭素の量も測定される。比色定量一酸化炭素ガス検出器(colorimetric carbon monoxide gas detector)が、サンプル内の一酸化炭素の量を測定するために使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、患者の呼吸気内のVOCのレベルを検出するための比較的安価な方法及びシステムを提供することにある。本発明の更なる目的は、患者の全体の健康状態のインジケーションをもたらす安価な呼吸気分析器(breath analyzer)を提供することにある。本発明の更なる目的は、VOCのための比較的安価な空気サンプリング方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これら及び他の目的は、二酸化炭素(CO2)及び水(H2O)のような酸化化合物の総量を測定するように構成される方法及びシステムによって達成され、当該方法及びシステムから、これらの化合物を形成するために酸化されている化学物質の量が決定され得る。特に注意されることに、本方法及びシステムは、呼吸気サンプル内の揮発性有機化合物(VOC)の総量を測定するために使用され得る。VOCは、CO2及びH2Oを形成するために酸化/燃焼させられ、これらの化合物のうちの一方又両方の量が測定される。一つのVOC分子は複数の炭素及び水素原子を含んでいるため、形成されたCO2及びH2O分子の数はVOCの分子の元の数よりもかなり多くなり、それによって検出の感度が改善されるであろう。測定されたCO2及びH2Oが関心化学物質の酸化の結果物になることを保証するため、呼吸気内のCO2及びH2O分子は、関心化学物質がCO2及びH2Oに変換される前にサンプルから除去される。
【0010】
本発明は、添付図面を参照して例示によって更に詳細に説明される。
【0011】
図面を通じて、同じ参照番号は同じ要素、又はほぼ同じ機能を実行する要素を参照している。図面は図示のために含まれ、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、人の呼吸気内の揮発性有機化合物(VOC)の存否を検出するステップが、類(クラス)内の特定の化学物質の識別情報を必要とすることなく、更には各々の特定の化学物質の相対的な濃度を決定することなく、有意義な情報を提供し得るという考えを前提としている。呼吸気サンプル内のVOCの検出又は非検出は概略的な健康インジケータとして使用され得るため、低コストVOC呼吸気分析器は幅広い分野の応用を開拓するであろう。例えば本発明の実施例は、家庭環境において、 "最初の警報(first alert)"スクリーニングツールとして使用されることが可能であり、VOCの検出量が所与の限界を超える場合、ユーザは、更なる検査(テスト)のために医者に行くように忠告される。代わりに、各々の医者の診察室が本発明の実施例を備えることは可能であり、医者は当該実施例を、代わりの診断を除外するか、若しくは確認するための多くの診断器具のうちの一つとして、又は高価な分光検査が必要とされる前の予備スクリーン(検査)として使用する。例えば、異常に高いレベルのVOCが、医者の診察室におけるテスタを使用して発見されない場合、特定のVOC化合物のわずかな量の相対的な濃度を決定するためにサンプルを研究室に送る必要はない。比較的低コストのVOC検出器のこれら及び他の適用は、当業者にとって明らかである。
【0013】
図1は、本発明による空気/呼吸気分析器のブロック図の例を示す。特に注意されることに、本分析器は、サンプルがVOC又は他の炭化水素(hydrocarbon)を含む場合、酸化器(装置)(oxidizer)120によって酸化させられていない、入力(インプット)ガス111内にもたらされる他のガスと共に、二酸化炭素(CO2)及び水(H2O)を有する出力(アウトプット)ガス121に入力ガス111の分子を変換する酸化器120、通常炉(オーブン)を有する。検出器130は、出力ガス121における二酸化炭素、若しくは水、又はその両方の量を検出するように構成される。(参照の簡単化のため、別途注意されない限り、用語"又は"は、以降包括的意味で使用され、"両方"を含むものとする)。上記参照のように、米国特許第USP 4,294,583号公報において使用されている熱分解炉とは異なり、酸化器120は、二酸化炭素及び水を形成するために入力ガス111の完全な酸化/燃焼又はほぼ完全な酸化/燃焼をもたらすように構成され、それ故に酸化器120に供給される酸素106の量は制御される必要がない。
【0014】
出力ガス121内の二酸化炭素又は水が、入力ガス111内の炭化水素によって単独生成されるか、又はほとんど生成される場合、二酸化炭素又は水の検出量は、ガス111内の炭化水素の量のインジケータになるであろう。代わりに、より通常の例で記載されると、出力ガス121内の二酸化炭素若しくは水の量と入力ガス111内の炭化水素の量との間で相関関係が決定され得るか、又は見積もられ得る場合、当該相関関係は、出力ガス121内の測定された二酸化炭素又は水の量に基づいて入力ガス111内の炭化水素の量を決定するために使用され得る。
【0015】
測定されたCO2又はH2Oの総量が、ガス111内の炭化水素の酸化によってほとんど生成されることを保証するため、"洗浄器(scrubber)(スクラバ)"110は、酸化されるべき入力ガス111を形成するために、呼吸気サンプル101から自然発生するCO2又はH2O112を除去するように構成される。
【0016】
用語洗浄器は概略的な意味で使用され、直接的若しくは間接的に、及び/又は一つ又はそれより多くの段階を介して、入力サンプル101から選択化合物を除去するいかなるデバイス若しくは方法を含んでいてもよい。Michael Phillips氏による2003年6月12日公開の米国特許出願公開第2003/0109794号公報"呼吸気収集装置(BREATH COLLECTION APPARATUS)"は、入力サンプルから水を除去する液化(復水)ユニット(condensation unit)の使用を教示している。洗浄器110としてのこのような液化器(装置)(condenser)及び検出器130としての水分検出器を使用するので、酸化器120への入力ガス111は水の最少量を含み、従って、出力ガス121における、検出器130によって決定される水の量は、入力ガス111及びそれに対応して入力サンプル101内のVOCのような水素に基づく化学物質の酸化によって生成される水の量にほとんど関係するであろう。入力サンプル101から水を除去する他の方法は当業者にとって明らかであり、サンプル内の水を凍結させる冷却トラップ(cooling trap)の使用又は塩化カルシウム(calcium chloride (CaCl))のような化学的洗浄剤の使用が含まれる。
【0017】
同様に例えば、水酸化カリウム(potassium hydroxide (KOH))が、入力サンプル101内のCO2を除去するために洗浄剤110として使用されることは可能であり、検出器130は出力ガス121内のCO2を検出するように構成され得る。このように、ガス121内の検出されたCO2の量は、入力サンプル101内のVOCのような炭素に基づく化学物質の量を示すであろう。
【0018】
洗浄器110が通常、複数段階洗浄(multi-stage scrubbing)を介して入力サンプル101からCO2とH2Oとの両方を除去するように構成され得ることは注意される。当該実施例において、検出器130は、測定のずっとより高い精度及び/又は容易性のために、CO2とH2Oとの全部合わせた量を検出するように構成され得る。
【0019】
様々な技術の何れもが、洗浄されたサンプル内のCO2及び/又はH2Oの量を検出するように構成され得る。好ましい実施例において、分光技術が使用され、直接吸収分光法(direct absorption spectroscopy)、光音響分光法(photoacoustic spectroscopy)、キャビティリングダウン分光法(cavity ring-down spectroscopy)、周波数変調分光法(frequency modulation spectroscopy)、及びキャビティ強化吸収分光法(cavity enhanced absorption spectroscopy)等を含んでいてもよい。例えば、Herpen氏らによるM.M.J.W.は、2003年の応用物理レター(Appl. Phys. Lett. (2003))の"レーザに基づくCO2検出による小さな昆虫及び単一細胞の呼吸気のリアルタイムモニタリング(Real-time monitoring of the respiration of small insects and single cells with laser based CO2 detection"において、10億分の1を下回るレベルでCO2を検出するのに非常に適した赤外線レーザシステムを開示している。更に、ここに参照によって含まれる、コーニンクレッカフィリップスエレクトロニクスN.V.(Koninklijke Philips Electronics N.V.)のHans van Kesteren氏により出願された係属中のPCT出願"光音響分光検出器及びシステム(PHOTOACOUSTIC SPECTROSCOPY DETECTOR AND SYSTEM)"は、本発明の小型の実施例に非常に適した小型光音響検出器を教示している。
【0020】
このように記載のシステムは、VOCが比較的容易に酸化/燃焼されるため、VOCの検出に特に非常に適しており、炭化水素が人の呼吸気内に存在する場合、当該炭化水素はVOCになる傾向にある。更に、各々のVOC分子は通常、複数の炭素及び水素原子を含んでおり、それ故に出力ガス121は通常、入力ガス111よりも多くの分子を有し、それによって、元のVOC分子の直接測定と比較して、測定作業(タスク)が簡略化され、及び/又は検出プロセスの精度が増大する。更に、本発明は、CO2及び/又はH2Oの検出に基づいているため、検出器は、検出されている特定のVOCに関係なく、簡単且つ効率的に設計され得る。本発明のシステムは、どの特定のVOCが人の呼吸気内に存在するかを直接示さないが、通常の健康インジケータ及び/又は"最初の警報"インジケータとして使用される場合、呼吸気サンプルの酸化によって生成されるCO2又はH2Oのかなりの量の検出又は非検出が有益情報になり得ることは注意される。明らかなことに、例えばアルコールのような非健康表示炭化水素(non-health-indicative hydrocarbon)が人の呼吸気内に存在する場合、この非選択検査によって引き起こされる誤警報のいくらかの危険性は存在するが、システムが適切に使用される場合、このような誤警報は極めて少なくなるべきである。
【0021】
図2は、本発明による呼吸気分析器の例を示す。マウスピース210が、洗浄器110において収集されるべき呼吸気サンプルのための導管をもたらす。従来の呼吸気サンプラと整合させると、非肺胞又は'体表(surface)'呼吸気の最初の放出の後、収集されたサンプルが肺胞呼吸気のサンプルになることを保証するために、このマウスピース210は、ユーザの呼吸気の最初のサンプルをバイパスするように構成されてもよい。
【0022】
洗浄器110は、冷却デバイス又は化学デバイスを含む、様々な技術の何れかを使用して、サンプリングされた呼吸気から二酸化炭素及び/又は水分子を消去する。洗浄器110からフィルタリングされた呼吸気は、洗浄された入力サンプルからのガスを燃焼させるように構成される酸化器120に入る。
【0023】
コンポーネント210, 110, 120, 及び230aの何れかの間の移動において、所望のサンプルがプロセスにおける次の段階に適切にもたらされることを保証するために、バルブ219がもたらされてもよい。当業者は、補助空気移動装置(ancillary air-movement apparatus)が、段の間に移動を容易化するために使用されてもよいことを認識するであろう。例えば、注射器型ピストンが普通、各々の段を通じて空気を吸い込むために呼吸気分析器において使用され、バルブ219は、一方向フラップバルブ(one-way flap valve)として構成される。同様に例えば、サンプル間のコンポーネントを満たすために、窒素(nitrogen)のような比較的不活性なガスの供給を含む呼吸気サンプルのコンポーネント110, 120, 及び230aをパージする手段がもたらされてもよい。コンポーネント110, 120, 及び230aを通じて適切なサンプルを得るためのこれら及び他の技術はよく知られている。
【0024】
図2の実施例において、光センサ(感知器)(photo-sensor)が、二酸化炭素及び/又は水の量を検出するために使用される。光源231は、二酸化炭素又は水の何れかの分子によって吸収されることを可能にする波長を有する光をもたらす。光は二酸化炭素分子と水分子との両方によって吸収されることを可能にするために二重(デュアル)光源が使用されてもよい。光検出器232は、受信される光の量を測定し、それによって、検出分子により吸収される光の量を測定するように構成される。
【0025】
モニタデバイス230bは、光源231を制御すると共に、光検出器232によって生成される信号を受信するように構成される。好ましくは、デバイス230bは、サンプルが検出器230aに導入される前後に光検出器232によって受信される光の量を測定するので、測定値(分量)の差及び/又は比率は、発生した吸収の量を決定するために使用される。代わりに、別個の検出器(図示略)が、サンプリングされたガスを含まない経路を介して光源から発せられる光の強度を測定するために使用されることは可能であり、その結果、測定値の差及び/又は比率の並行測定がなされる。
【0026】
モニタデバイス230bは、検出される二酸化炭素又は水の量のインジケーションを提供するディスプレイ要素235を含む。音声信号、LEDディスプレイ、及び紙印字出力等を含む、分析の結果をユーザに知らせるいかなる手段が使用されてもよいが、要素235はメートル/ゲージ(meter/gauge)として記載されている。好ましい実施例において、"最初の警報"デバイスとして、モニタデバイス230bは、検出されたガスの測定量を一つ又はそれより多くの所定の閾値と比較し、赤/緑色LED、又は赤/黄/緑色LED等を点灯するように理解の容易なインジケーションのみをもたらす。
【0027】
上記の記載は、単に本発明の動作原理を示している。従って、ここに明確に記載されないが、当業者が、本発明の動作原理を具現化し、それ故に特許請求の範囲に含まれる様々な装置を考え出し得ることは評価されるであろう。
【0028】
本請求項を解釈するとき、
a)単語"有する"は、所与の請求項に記載の構成要素と異なる構成要素又は作用の存在を排除するものではなく、
b)構成要素に先行する冠詞"a"又は"an"は、複数の構成要素の存在を排除するものではなく、
c)請求項におけるいかなる参照符号も発明の範囲を限定するものではなく、
d)いくつかの"手段"が、同じ要素又はハードウエア若しくはソフトウエアにより実現された構造体若しくは機能によって表されてもよく、
e)開示された構成要素の各々が、(例えば、ディスクリート及び集積電子回路を含む)ハードウエア部分、(例えば、コンピュータプログラミングを含む)ソフトウエア部分、並びにそれらのいかなる組み合わせから構成されてもよく、
f)ハードウエア部分が、アナログ及びディジタル部分の一方又は両方から構成されてもよく、
g)開示されたデバイス若しくはそれらの部分の何れもが、共に結合されてもよく、又は特に別途記載されない限り更なる部分に分離されてもよく、
h)特に示されない限り、作用の特定のシーケンスは必要とされることが意図されることはなく、
i)用語"複数の"構成要素は、請求された構成要素の二つ又はそれより多くを含んでおり、構成要素の数のいかなる特定の範囲も示唆するものではなく、すなわち複数の構成要素は二つの構成要素と同数になり得る
ことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による空気/呼吸気分析器のブロック図の例を示す。
【図2】本発明による呼吸気分析器の例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気サンプルから二酸化炭素及び水の一方又は両方の分子をほぼ除去して、フィルタリングされたサンプルを形成するように構成される洗浄器と、
前記フィルタリングされたサンプル内の炭化水素の分子を二酸化炭素及び水の分子に変換して、出力サンプルを形成するように構成される変換器と、
前記出力サンプル内の前記二酸化炭素及び水の一方又は両方を検出するように構成される検出器と
を有する空気分析器。
【請求項2】
前記洗浄器は、
液化ユニットと、
冷却ユニットと、
化学ユニットと
のうちの少なくとも一つを含む請求項1に記載の空気分析器。
【請求項3】
前記化学ユニットは、水酸化カリウム及び塩化カルシウムのうちの少なくとも一つを含む
請求項2に記載の空気分析器。
【請求項4】
前記変換器は、前記炭化水素の分子の完全な酸化をもたらすように構成される炉を含む
請求項1に記載の空気分析器。
【請求項5】
前記空気分析器は、哺乳動物の呼吸気サンプルを分析するように構成される
請求項1に記載の空気分析器。
【請求項6】
前記洗浄器から前記変換器、更に前記検出器への空気の移動を容易化するように構成される一つ又はそれより多くの空気交換コンポーネント
を更に含む請求項1に記載の空気分析器。
【請求項7】
前記検出器は、光学分光器を使用して前記二酸化炭素及び水の一方又は両方を検出するように構成される
請求項1に記載の空気分析器。
【請求項8】
前記検出器は、前記空気サンプルにおける炭化水素の存在を示すように構成されるディスプレイ要素を含む
請求項1に記載の空気分析器。
【請求項9】
前記ディスプレイ要素は、多色LEDを含み、
前記検出器は、前記出力サンプル内の前記二酸化炭素及び水の一方又は両方の測定値の、一つ又はそれより多くの所定の閾値との比較に基づいて前記多色LEDを制御する
請求項8に記載の空気分析器。
【請求項10】
揮発性有機化合物を検出する方法であって、
ガスのサンプルを収集するステップと、
前記ガスのサンプルから二酸化炭素及び水のうちの少なくとも一方を除去して、低減されたサンプルを形成するステップと、
前記低減されたサンプル内の前記揮発性有機化合物を二酸化炭素及び水に変化させるために前記低減されたサンプルを酸化して、酸化されたサンプルを形成するステップと、
前記サンプル内の前記揮発性有機化合物に対応する前記酸化されたサンプル内の前記二酸化炭素及び水のうちの少なくとも一方を検出するステップと
を有する方法。
【請求項11】
前記ガスのサンプルは、人間からの呼吸気サンプルに対応する
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記二酸化炭素及び水のうちの少なくとも一方を除去するステップは、
前記サンプル内の前記水の除去を容易化するために前記ガスのサンプルを冷却するステップ
を含む
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記二酸化炭素及び水のうちの少なくとも一方を除去するステップは、他の化学物質を前記ガスのサンプルに導入するステップを含む
請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記他の化学物質は、
塩化カルシウムと、
水酸化カリウムと
のうちの少なくとも一つを含む
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記酸化されたサンプル内の前記二酸化炭素及び水のうちの少なくとも一方を検出するステップは、
前記酸化されたサンプルを通じて光を伝送するステップと、
前記光が前記酸化されたサンプルを通じて伝播するときに前記光に対する影響を評価するステップと
を含む
請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記酸化されたサンプル内の前記二酸化炭素及び水のうちの少なくとも一方の測定値を、閾値量と比較するステップと、
前記測定値を前記閾値量と比較するステップに基づいてインジケーションをもたらすステップと
を更に含む請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−530577(P2008−530577A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555760(P2007−555760)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際出願番号】PCT/IB2006/050508
【国際公開番号】WO2006/087683
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】