説明

全有機炭素含量の測定方法および装置

【課題】 有機化合物以外に、電解質成分や無機炭素を多く含有する試料液であっても、そのTOC値を精度良く簡便に測定でき、しかも装置を小型化できる全有機炭素含量測定方法および装置を提供する。
【解決手段】 反応器1内の試料液流路LSにおける試料液中のガスを、反応器1内に設けたガス透過性チューブ3を介して吸収液流路LAの吸収液に吸収させ、吸収液の導電率が平衡状態に達した際の第1導電率xを測定する。その後、紫外光源2を点灯し、試料液中の有機化合物を酸化し、発生した二酸化炭素をガス透過性チューブ3を介して吸収液に吸収させ、吸収液の導電率が平衡状態に達した際の第2導電率xを測定する。第2導電率xと第1導電率xとの差から試料液中の全有機炭素含量を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料液中の全有機炭素含量を測定する方法および装置に関し、特に、高導電率の試料液の全有機炭素含量を測定するのに好適な、湿式酸化導電率式の全有機炭素含量測定方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水の清浄度を表す方式の一つとして、水中の有機物に含まれている炭素量で汚染度を表す全有機炭素含量(以下、TOC値ということもある。)がある。
かかるTOC値を測定する方法として、紫外線(UV)酸化を用いる方法が広く利用されている。具体的には、試料液に紫外線を照射することによって試料液中の有機化合物を酸化して二酸化炭素を発生させ、二酸化炭素の濃度変化に応じて生じる導電率変化を測定し、これに基づいて試料液のTOC値を求めている。
【0003】
この方法は、導電率の変化に基づいて有機化合物の含量を測定する方法であるので、試料液中に、導電率に影響を及ぼす電解質等の成分が多量に存在すると誤差を生じてしまう。したがって、高度に精製された超純水を測定対象とする場合には好適であるが、例えば上水など、有機化合物以外に、電解質成分を多く含有する試料を測定対象とする場合には、充分な精度が得られないという問題があった。
【0004】
そこで、反応容器中で紫外線酸化をして二酸化炭素を発生させた後に、発生した二酸化炭素を、反応容器の下流側でガス透過性膜を介して脱イオン水に吸収させ、その後この脱イオン水の導電率を測定して全有機炭素含量を求めることが提案されている。この場合、試料液中に共存する電解質等はガス透過性膜を透過せず試料液中に留まるため、試料液中の電解質濃度にかかわらず、導電率から対応する二酸化炭素の濃度を正確に求めることができる(特許文献1参照)。
ただし、反応容器の下流側においてガス透過性膜を使用するだけでは、紫外線酸化前から元々存在していた無機炭素(二酸化炭素)や、試料液中に存在するアンモニア等ガス化が可能な電解質の影響を排除することはできない。そのため、特許文献1の装置では、試料液中に存在する無機炭素含量を別途測定したり、予め無機炭素等を除去する前処理を施したりすることによって、共存する無機炭素等の影響を排除している。
【特許文献1】特表平4−507141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の装置では、反応容器の下流側に、ガス透過性膜を介して二酸化炭素を脱イオン水に移行させるためのモジュールを別途設けることが必要であり、装置全体の大型化、複雑化を招いていた。
さらに、特許文献1の装置では、試料液中に存在する無機炭素含量を別途測定するためのシステムや、無機炭素等を予め除去する前処理用のモジュールも必要であり、この点からも装置全体の大型化、複雑化を招いていた。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、有機化合物以外に、電解質成分や無機炭素を多く含有する試料液であっても、そのTOC値を精度良く簡便に測定でき、しかも装置を小型化できる全有機炭素含量測定方法および装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本件発明は、以下の態様を含む。
[1]試料液中の全有機炭素含量を測定する方法であって、反応器内の試料液中のガスを、反応器内に配置したガス透過性膜を介して吸収液に吸収させ、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率である第1導電率を測定する第1測定工程と、第1測定工程後、前記反応器内の試料液中の有機化合物を酸化しつつ、発生した二酸化炭素を、前記ガス透過性膜を介して吸収液に吸収させ、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率である第2導電率を測定する第2測定工程とを有し、第2測定工程で得られた第2導電率と、第1測定工程で得られた第1導電率との差から試料液中の全有機炭素含量を求めることを特徴とする全有機炭素含量の測定方法。
【0008】
[2]試料液中の全有機炭素含量を測定する方法であって、反応器内の試料液中のガスを、反応器内に配置したガス透過性膜を介して吸収液に吸収させ、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率である第1導電率を測定する第1測定工程と、第1測定工程後、前記反応器内の試料液中の有機化合物を酸化しつつ、発生した二酸化炭素を、前記ガス透過性膜を介して吸収液に吸収させ、所定時間を経過した後の吸収液の導電率である第2導電率を測定する第2測定工程とを有し、第2測定工程で得られた第2導電率と、第1測定工程で得られた第1導電率との差から試料液中の全有機炭素含量を求めることを特徴とする全有機炭素含量の測定方法。
[3]吸収液が脱イオン水である[1]又は[2]に記載の全有機炭素含量の測定方法。
【0009】
[4]試料液中の全有機炭素含量を測定する方法であって、反応器内の試料液中のガスを、反応器内に配置したガス透過性膜を介して吸収液に吸収させつつ、この吸収液を脱イオン化し、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率であるベース導電率を測定する第1測定工程と、第1測定工程後、前記反応器内の試料液中の有機化合物を酸化しつつ、発生した二酸化炭素を、前記ガス透過性膜を介して吸収液に吸収させ、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率である第2導電率を測定する第2測定工程とを有し、第2測定工程で得られた第2導電率と、第1測定工程で得られたベース導電率との差から試料液中の全有機炭素含量を求めることを特徴とする全有機炭素含量の測定方法。
【0010】
[5]試料液中の全有機炭素含量を測定する方法であって、反応器内の試料液中のガスを、反応器内に配置したガス透過性膜を介して吸収液に吸収させつつ、この吸収液を脱イオン化し、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率であるベース導電率を測定する第1測定工程と、第1測定工程後、前記反応器内の試料液中の有機化合物を酸化しつつ、発生した二酸化炭素を、前記ガス透過性膜を介して吸収液に吸収させ、所定時間を経過した後の吸収液の導電率である第2導電率を測定する第2測定工程とを有し、第2測定工程で得られた第2導電率と、第1測定工程で得られたベース導電率との差から試料液中の全有機炭素含量を求めることを特徴とする全有機炭素含量の測定方法。
[6]第2測定工程において、紫外線照射により、試料液中の有機化合物を酸化する[1]から[5]の何れかに記載の全有機炭素含量の測定方法。
【0011】
[7]反応器と、反応器内に配置されたガス透過性膜と、光源と、導電率センサとを備え、前記反応器内には、前記ガス透過性膜により互いに分離された試料液流路と吸収液流路とが形成され、前記試料液流路には、試料液が流入、流出するようになっており、内部に光触媒が配置され、前記光源は、前記試料液流路に光を照射するように配置され、前記吸収液流路には、吸収液が流入、流出するようになっており、前記導電率センサは、前記吸収液の導電率を測定するように前記吸収液流路内又は前記吸収液流路の下流側に設けられていることを特徴とする全有機炭素含量測定装置。
【0012】
[8]光源が、紫外線を照射する紫外光源である[7]に記載の全有機炭素含量測定装置。
[9]さらに、吸収液流路の出口と入口とをつなぐ帰還流路を備える[7]又は[8]に記載の全有機炭素含量測定装置。
[10]帰還流路に脱イオン水を供給する脱イオンモジュールを備える[9]に記載の全有機炭素含量測定装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、反応器内にガス透過性膜を配置したので、反応器内で有機化合物の酸化とこれにより発生した二酸化炭素ガスの吸収液の移行ができる。また、反応器内で電解質成分や無機炭素等、無機成分の吸収液への移行もできる。そのため、試料液中に存在する無機成分を測定するためのシステムや、無機成分を予め除去する前処理用のモジュールを別途用意する必要もない。
したがって、本発明によれば、有機化合物以外に、電解質成分や無機炭素等を多く含有する試料液であっても、そのTOC値を精度良く簡便に測定でき、しかも、装置を小型化できる全有機炭素含量測定方法および装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[測定装置A]
図1は本発明に係る全有機炭素含量測定装置の1実施形態である。本実施形態の測定装置は、反応器1と反応器1内に挿通された紫外光源2と、反応器1内において紫外光源2の周囲を螺旋状に周回するガス透過性チューブ3と、ガス透過性チューブ3の入口3aと出口3bとの間をつなぐ帰還流路LBと、帰還流路LBに介装された導電率センサEL及びポンプP1と、帰還流路LBに連絡する脱イオンモジュール10とから概略構成されている。
【0015】
反応器1内部のガス透過性チューブ3の外側は、試料液流路LSとなっている。ガス透過性チューブ3の内部は、吸収液流路LAとなっている。
試料入口と反応器1の入口1aとをつなぐ流路L1には、ポンプP2と開閉バルブSV1が介装されている。反応器1の出口1bと試料出口とをつなぐ流路L2には、逆止弁5が介装されている。導電率センサELには、変換器4が接続されている。
【0016】
ガス透過性チューブ3は、気体を透過させ液体を透過させないガス透過性膜で形成されている。このガス透過性膜としては紫外線透過性のものが好ましい。紫外線透過性とすることにより、ガス透過性チューブ3よりも外側に存在する試料液にも、紫外光源2からの紫外線を到達させることができるので、酸化効率が向上する。また、紫外線により劣化しないように、紫外線耐性に優れる材質であることが好ましい。このような材質としては、例えば、光学用フッ素系樹脂が挙げられる。
なお、ガス透過性チューブ3に対する紫外線の到達を防げば、紫外線耐性が充分でない材質の使用も可能である。例えば、ガス透過性チューブ3を、光触媒や、スポンジ等の空孔を有する構造体やガラス等のビーズに光触媒をコーティングしたもので覆うことにより紫外線を遮れば、紫外線耐性が充分でない材質を、ガス透過性チューブ3に使用することが可能である。
【0017】
紫外光源2としては水銀ランプが好適に使用できるが、これに特に限定はされず、キセノンフラッシュランプや、無声放電による紫外線ランプ等も使用可能である。
また、反応器1内の試料液流路LSには、紫外線酸化を促進するための光触媒が配置されている。光触媒としては、酸化チタン(TiO)が最も好適に使用できるが、その他としては、SrTiO、CDS、WO、Fe、MO等を挙げることができる。
光触媒を試料液流路LSに配置するには、光触媒をその試料液流路LS内に充填してもよいし、反応器1の内壁や、試料液流路LS内に充填したガラス、プラスチック、セラミックス等のビーズ、小片、若しくはボール、又はスポンジ等の空孔を有する構造体、又は可撓性のある金属製の網、メッシュ等にコーティングしてもよい。
光触媒をコーティングする手段としては、機械的手法によるものでもよいし、化学的手法によるものでもよい。
【0018】
脱イオンモジュール10は、タンク11と、限外濾過器12と、イオン交換器13と三方バルブSV2とを備えている。脱イオンモジュール10は、限外濾過器12にイオン交換器13を組み合わせることにより、二酸化炭素が溶解して生成する炭酸イオンも含めて種々の成分を除去することができる。そのため、導電率がTOC値に換算して1ppb以下である良好なゼロ水を供給することができるようになっている。
帰還流路LBの上流側とタンク11との間をつなぐ流路L3には、逆止弁14が介装されている。タンク11と限外濾過器12との間をつなぐ流路L4には、ポンプP3が介装されている。限外濾過器12と三方バルブSV2との間をつなぐ流路L5には、先のイオン交換器13が介装されている。三方バルブSV2と帰還流路LBの下流側との間をつなぐ流路L6には、逆止弁15が介装されている。
また、限外濾過器12とタンク11との間には、限外濾過器12を通過しきれない吸収液をタンク11に戻すための流路L7が、三方バルブSV2と流路L7との間には、脱イオンモジュール10と帰還流路LBとの連絡を遮断した際に吸収液をタンク11に戻すための流路L8が、各々設けられている。
【0019】
本実施形態の測定装置による全有機炭素含量の測定は、以下の測定方法A〜Cの何れかの方法により行うことができる。
【0020】
[測定方法A]
測定方法Aとしては、まず、試料液流路LS内の古い試料液を新しい試料液に置換すると共に、吸収液流路LA内の吸収液を充分に浄化された吸収液(脱イオン水)に置換する(準備工程)。
次に、紫外光源2からの紫外線を照射しない状態で、試料液中のガスを、ガス透過性チューブ3を介して吸収液に吸収させ、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率(第1導電率)を測定する(第1測定工程)。
次いで、紫外光源2からの紫外線を試料液に照射しつつ、これにより試料液内で発生した二酸化炭素を、ガス透過性チューブ3を介して吸収液に吸収させ、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率(第2導電率)を測定する(第2測定工程)。
そして、第2測定工程で得られた第2導電率と、第1測定工程で得られた第1導電率との差から試料液中の全有機炭素含量を求める(演算)。
以下、各工程について詳述する。
【0021】
(準備工程)
開閉バルブSV1を開としてポンプP2を作動し、試料液を試料液流路LS内に流通させる。また、ポンプP1を作動し、吸収液を吸収液流路LAと帰還流路LBとからなる循環流路内で循環させる。
一方、三方バルブSV2のNOポート側を開としてポンプP3を作動させる。これにより、タンク11から供給され、限外濾過器12とイオン交換器13とを通過して浄化された吸収液が、流路L6を介して帰還流路LBに供給される。そして、上記吸収液流路LAと帰還流路LBとからなる循環流路内の吸収液と合流した後、流路L3を経由してタンク11に戻される。
その結果、吸収液流路LAと帰還流路LBとからなる循環流路内の吸収液は徐々に限外濾過器12およびイオン交換器13によって浄化された吸収液に置換される。循環流路内の吸収液が浄化された吸収液に充分に置換された時の導電率センサELの出力値をx(ベース導電率)とする。
【0022】
準備工程を行うことにより、ベース導電率xが下がり測定精度が向上する。ただし、準備工程は必須ではない。準備工程を行わない場合、後述の第1測定工程で得られる出力値x(第1導電率)と第2測定工程で得られる出力値x(第2導電率)とが、各々上昇し得るが、理論上、両者の差Δx(x−x)には影響がないからである。
【0023】
(第1測定工程)
次に、開閉バルブSV1を閉としてポンプP2を停止する。同時に、三方バルブSV2のNOポート側を閉、NCポート側を開として脱イオンモジュール10と帰還流路LBとの連絡を遮断する。なお、ポンプP1の作動は止めず吸収液流路LAと帰還流路LBとからなる循環流路内の循環を継続する。また、ポンプP3の作動も止めず吸収液の浄化を継続する。
この間、試料液流路LS内に元々存在していたガスが、ガス透過性チューブ3を通過して吸収液流路LAに移行する。ガスの移行は、吸収液流路LAと帰還流路LBとからなる循環流路内の吸収液のガス濃度が、試料液流路LS内の試料液のガス濃度と同等になるまで継続する。
循環流路内の吸収液のガス濃度が、試料液流路LS内のガス濃度と同等になると、導電率センサELの出力値も平衡に達する。このときの出力値をx(第1導電率)とする。
【0024】
(第2測定工程)
次に、バルブの開閉状態やポンプの動作状態は第1測定工程と同じままで、紫外光源2を点灯する。これにより、試料液流路LS内の有機化合物が酸化されて二酸化炭素ガスが発生する。
発生した二酸化炭素ガスは、ガス透過性チューブ3を通過して吸収液流路LAに移行する。二酸化炭素ガスの移行は、吸収液流路LAと帰還流路LBとからなる循環流路内の吸収液の二酸化炭素ガス濃度が、試料液流路LS内の試料液の二酸化炭素ガス濃度と同等になるまで継続する。
循環流路内の吸収液の二酸化炭素ガス濃度が、試料液流路LS内の二酸化炭素ガス濃度と同等になると、導電率センサELの出力値も平衡に達する。このときの出力値をx(第2導電率)とする。
【0025】
(演算)
第1測定工程の第1導電率xと第2測定工程の第2導電率xとを各々変換器4を介して図示しない演算装置に出力する。演算装置では、この第2導電率xと第1導電率xとの差Δxから全有機炭素含量を演算する。
なお、第1導電率xと第2導電率xのデータを演算装置に取り込むタイミングは、導電率センサELの出力値から導電率が平衡に達したことを確認できたときとしてもよいし、充分に平衡に達しうる一定の時間を決め、その時間が経過したときとしてもよい。
このようにして求めた全有機炭素含量が、無機成分の影響を受けないものであることを、図2を用いて説明する。
【0026】
第1測定工程及び第2測定工程における導電率の出力値変化は図2に示すとおりである。第1測定工程で得られた第1導電率xと準備工程で得られたベース導電率xとの差Δxは、試料液中に元々存在していた二酸化炭素ガスやアンモニアガス等、無機成分の濃度に比例する。また、第2測定工程で得られた第2導電率xと第1測定工程で得られた第1導電率xとの差Δxは、紫外線酸化により試料液内で発生した二酸化炭素ガス濃度に比例する。すなわち、試料液の全有機炭素含量に比例する。つまり、Δxから、無機成分の影響を受けることなく全有機炭素含量を求めることができるのである。
以上により全有機炭素含量を求めた後、再び準備工程からの工程を繰り返すことにより、試料液の全有機炭素含量を間欠的に測定することができる。
【0027】
なお、図3は、試料液中に元々存在していた二酸化炭素ガスやアンモニアガス等、無機成分の濃度が高く、これに比較して試料液の全有機炭素含量が低い場合に、測定方法Aによって得られる導電率の出力値変化である。
この場合、図3に示すように、第1測定工程で得られた第1導電率xと準備工程で得られたベース導電率xとの差Δxが大きくなる。一方、第2測定工程で得られた第2導電率xと第1測定工程で得られた第1導電率xとの差Δxは、相対的に小さい値となる。
そのため、Δxの値を正確に求めることが難しくなり、ひいては、無機成分の影響を受けることなく全有機炭素含量の値を正確に求めることか難しくなる。
このような場合、以下に説明する測定方法Bにより測定することが好ましい。
【0028】
[測定方法B]
測定方法Bとしては、まず、試料液流路LS内の古い試料液を新しい試料液に置換すると共に、吸収液流路LA内の吸収液を充分に浄化された吸収液(脱イオン水)に置換する(準備工程)。
次に、紫外光源2からの紫外線を照射しない状態で、試料液中のガスを、ガス透過性チューブ3を介して吸収液に吸収させつつ、この吸収液を脱イオン化し、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率(ベース導電率)を測定する(第1測定工程)。
次いで、紫外光源2からの紫外線を試料液に照射しつつ、これにより試料液内で発生した二酸化炭素を、ガス透過性チューブ3を介して吸収液に吸収させ、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率(第2導電率)を測定する(第2測定工程)。
そして、第2測定工程で得られた第2導電率と、第1測定工程で得られたベース導電率との差から試料液中の全有機炭素含量を求める(演算)。
以下、各工程について詳述する。
【0029】
(準備工程)
開閉バルブSV1を開としてポンプP2を作動し、試料液を試料液流路LS内に流通させる。また、ポンプP1を作動し、吸収液を吸収液流路LAと帰還流路LBとからなる循環流路内で循環させる。
一方、三方バルブSV2のNOポート側を開としてポンプP3を作動させる。これにより、タンク11から供給され、限外濾過器12とイオン交換器13とを通過して浄化された吸収液が、流路L6を介して帰還流路LBに供給される。そして、上記吸収液流路LAと帰還流路LBとからなる循環流路内の吸収液と合流した後、流路L3を経由してタンク11に戻される。
その結果、吸収液流路LAと帰還流路LBとからなる循環流路内の吸収液は徐々に限外濾過器12およびイオン交換器13によって浄化された吸収液に置換される。循環流路内の吸収液が浄化された吸収液に充分に置換された時の導電率センサELの出力値をx(ベース導電率)とする。
【0030】
準備工程を行うことにより、後述の第1測定工程を短時間で終了させることができる。ただし、準備工程は必須ではない。準備工程を行わなくても、後述の第1測定工程の時間を充分にとれば、ベース導電率xが得られるからである。
【0031】
(第1測定工程)
次に、開閉バルブSV1を閉としてポンプP2を停止する。なお、三方バルブSV2はNOポート側を開のままとし、ポンプP1、ポンプP3の作動も継続する。
この間、試料液流路LS内に元々存在していたガスが、ガス透過性チューブ3を通過して吸収液流路LAに移行するので、導電率センサELの出力値は一旦上昇する。
移行したガスは限外濾過器12およびイオン交換器13によって除かれるので、ガスの移行は、試料液流路LS内のガスのほぼ全量が、吸収液流路LAに移行するまで継続する。ガスの移行が終了し、循環流路内の吸収液が浄化された吸収液に充分に置換されると、導電率センサELの出力値は、再びベース導電率xに戻る。
【0032】
(第2測定工程)
次に、三方バルブSV2のNOポート側を閉、NCポート側を開として脱イオンモジュール10と帰還流路LBとの連絡を遮断する。なお、ポンプP1の作動は止めず吸収液流路LAと帰還流路LBとからなる循環流路内の循環を継続する。また、ポンプP3の作動も止めず吸収液の浄化を継続する。
そして、紫外光源2を点灯する。これにより、試料液流路LS内の有機化合物が酸化されて二酸化炭素ガスが発生する。
発生した二酸化炭素ガスは、ガス透過性チューブ3を通過して吸収液流路LAに移行する。二酸化炭素ガスの移行は、吸収液流路LAと帰還流路LBとからなる循環流路内の吸収液の二酸化炭素ガス濃度が、試料液流路LS内の試料液の二酸化炭素ガス濃度と同等になるまで継続する。
循環流路内の吸収液の二酸化炭素ガス濃度が、試料液流路LS内の二酸化炭素ガス濃度と同等になると、導電率センサELの出力値も平衡に達する。このときの出力値をx(第2導電率)とする。
【0033】
(演算)
第1測定工程のベース導電率xと第2測定工程の第2導電率xとを各々変換器4を介して図示しない演算装置に出力する。演算装置では、この第2導電率xとベース導電率xとの差Δxから全有機炭素含量を演算する。
なお、ベース導電率xと第2導電率xのデータを演算装置に取り込むタイミングは、導電率センサELの出力値から導電率が平衡に達したことを確認できたときとしてもよいし、充分に平衡に達しうる一定の時間を決め、その時間が経過したときとしてもよい。
このようにして求めた全有機炭素含量が、無機成分の影響を受けないものであることを、図4を用いて説明する。
【0034】
第1測定工程及び第2測定工程における導電率の出力値変化は図4に示すとおりである。第1測定工程において、脱イオンモジュール10と帰還流路LBとの連絡が遮断されていれば、得られていたであろう第1導電率xと第1測定工程で得られたベース導電率xとの差Δxは、試料液中に元々存在していた二酸化炭素ガスやアンモニアガス等、無機成分の濃度に比例する。この無機成分は、第1工程終了時点で試料液からも吸収液からも除かれている。
そのため、第2測定工程で得られた第2導電率xと第1測定工程で得られたベース導電率xとの差Δxは、紫外線酸化により試料液内で発生した二酸化炭素ガス濃度に比例する。すなわち、試料液の全有機炭素含量に比例する。つまり、Δxから、無機成分の影響を受けることなく全有機炭素含量を求めることができるのである。
以上により全有機炭素含量を求めた後、再び準備工程からの工程を繰り返すことにより、試料液の全有機炭素含量を間欠的に測定することができる。
【0035】
[測定方法C]
測定方法Cは、第2導電率xのデータを演算装置に取り込むタイミングが異なる他は測定方法Aと同じである。測定方法Cでは、吸収液の導電率が充分に平衡に達しうる時間よりも短い所定の時間を決め、その所定時間が経過したときに、第2導電率xのデータを演算装置に取り込む。
この場合、第2測定工程で得られた第2導電率xと第1測定工程で得られた第1導電率xとの差Δxは、測定方法Aの場合と比較して同等以下となるものの、所定時間(一定時間)でデータを取り込むことにより、全有機炭素含量に比例した値となる。
そのため、測定方法Aよりも、精度は多少落ちるものの、迅速な全有機炭素含量の測定が可能である。
【0036】
[測定装置B]
図5は本発明に係る全有機炭素含量測定装置の他の実施形態である。なお、図5において、図1の測定装置Aと同等の構成部材には図1と同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の測定装置は、反応器1と反応器1の外側に配置された紫外光源2と、反応器1内において直線状に複数配置されたガス透過性チューブ3と、複数のガス透過性チューブ3を合わせた入口3aと出口3bとの間をつなぐ帰還流路LBと、帰還流路LBに介装された導電率センサEL及びポンプP1と、帰還流路LBに連絡する脱イオンモジュール10とから概略構成されている。
【0037】
図6に示すように、反応器1内部の多数のガス透過性チューブ3の外側は、試料液流路LSとなっている。各ガス透過性チューブ3の内部は、吸収液流路LAとなっている。
反応器1内の試料液流路LSには、紫外線酸化を促進するための光触媒がコーティングされたビーズ20が充填されている。
【0038】
測定装置Aと同様に、試料入口と反応器1の入口1aとをつなぐ流路L1には、ポンプP2と開閉バルブSV1が介装されている。反応器1の出口1bと試料出口とをつなぐ流路L2には、逆止弁5が介装されている。導電率センサELには、変換器4が接続されている。脱イオンモジュール10の構成も、測定装置Aと同じである。
本実施形態の測定装置は、反応器1の外側に紫外光源2が配置されているので、反応器1は、紫外線透過性の材質、例えば石英ガラスで構成されていることが好ましい。また、本実施形態の測定装置では、ガス透過性チューブ3の周囲に光触媒がコーティングされたビーズ20が充填されているので、ガス透過性チューブ3に紫外線がほとんど到達しない。そのため、ガス透過性チューブ3の材質として、紫外線耐性が充分でない材質の使用が可能である。
本実施形態の測定装置による全有機炭素含量の測定も、上記測定方法A〜Cの何れかの方法により行うことができる。
【0039】
[測定装置C]
図7は本発明に係る全有機炭素含量測定装置の他の実施形態である。なお、図7において、図1の測定装置Aと同等の構成部材には図1と同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の測定装置は、帰還流路LBと脱イオンモジュール10とがなく、導電率センサELがガス透過性チューブ3の出口3bの下流側に、ポンプP1がガス透過性チューブ3の入口3aの上流側に配置されている他は、測定装置Aと同じである。
【0040】
本実施形態の測定装置による全有機炭素含量の測定は、以下の測定方法Dにより行うことができる。
【0041】
[測定方法D]
測定方法Dとしては、まず、試料液流路LS内の古い試料液を新しい試料液に置換すると共に、吸収液流路LA内の吸収液を充分に浄化された吸収液(脱イオン水)に置換する(準備工程)。
次に、紫外光源2からの紫外線を照射しない状態で、試料液中のガスを、ガス透過性チューブ3を介して吸収液に吸収させつつ、この吸収液を脱イオン水と置換し、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率(ベース導電率)を測定する(第1測定工程)。
次いで、紫外光源2からの紫外線を試料液に照射しつつ、これにより試料液内で発生した二酸化炭素を、ガス透過性チューブ3を介して吸収液に吸収させ、所定時間を経過した後の吸収液の導電率(第2導電率)を測定する(第2測定工程)。
そして、第2測定工程で得られた第2導電率と、第1測定工程で得られたベース導電率との差から試料液中の全有機炭素含量を求める(演算)。
以下、各工程について詳述する。
【0042】
(準備工程)
開閉バルブSV1を開としてポンプP2を作動し、試料液を試料液流路LS内に流通させる。
【0043】
(第1測定工程)
次に、開閉バルブSV1を閉としてポンプP2を停止する。一方、ポンプP1を作動し、脱イオン水を吸収液入口から供給し、吸収液流路LA内に流通させる。
この間、試料液流路LS内に元々存在していたガスが、ガス透過性チューブ3を通過して吸収液流路LAに移行するので、導電率センサELの出力値は一旦上昇する。
吸収液流路LAには脱イオン水が供給され続けるので、ガスの移行は、試料液流路LS内のガスのほぼ全量が、吸収液流路LAに移行するまで継続する。ガスの移行が終了し、吸収液流路LA内の吸収液が脱イオン水に充分に置換されると、導電率センサELの出力値は、脱イオン水の導電率であるベース導電率xとなる。
【0044】
(第2測定工程)
次に、ポンプP1を停止し、紫外光源2を点灯する。なお、開閉バルブSV1は閉のまま、ポンプP2は停止したままとする。
これにより、試料液流路LS内の有機化合物が酸化されて二酸化炭素ガスが発生する。発生した二酸化炭素ガスは、ガス透過性チューブ3を通過して吸収液流路LAに移行する。
そして、紫外光源2の点灯後所定時間経過後に、ポンプP2を作動し、吸収液流路LA内の吸収液を導電率センサELに送る。このときの出力値をx(第2導電率)とする。
【0045】
(演算)
第1測定工程のベース導電率xと第2測定工程の第2導電率xとを各々変換器4を介して図示しない演算装置に出力する。演算装置では、この第2導電率xとベース導電率xとの差Δxから全有機炭素含量を演算する。
なお、ベース導電率xのデータを演算装置に取り込むタイミングは、導電率センサELの出力値から導電率が平衡に達したことを確認できたときとしてもよいし、充分に平衡に達しうる一定の時間を決め、その時間が経過したときとしてもよい。
測定方法Dでは、紫外光源2の点灯後ポンプP1の作動を再開して吸収液流路LA内の吸収液を導電率センサELに送るまでの時間(所定時間)の長短により、第2導電率xの値が異なるものとなる。しかし、所定時間(一定時間)紫外光源2による酸化とこれにより発生した二酸化炭素ガスの吸収液流路LAへの移行を行うことにより、第2導電率xとベース導電率xとの差Δxは全有機炭素含量に比例した値となる。
【0046】
[測定装置の他の形態]
本発明において、ガス透過性膜の具体的形態に限定はない。測定装置Aの螺旋状チューブ、測定装置Bの複数の直線状チューブの他に、例えば、ガス透過効率は落ちるものの、平膜状のガス透過性膜とすることも可能である。
また、紫外光源2の数や形態にも限定はなく、例えば、測定装置Bにおいて、複数本の紫外光源2を反応器1の周囲に配置してもよい。
また、反応器の形状にも限定はなく、測定装置A〜Cのように円筒形とする他、例えば、螺旋状とすることもできる。反応器を螺旋状とした場合、紫外光源2を周回するように反応器を配置することが好ましい。また、この場合、ガス透過性膜としては、単数又は複数のチューブ状のものを挿入することが好ましい。
また、脱イオンモジュール10の具体的構成にも特に限定はなく、吸収液流路LAと帰還流路LBとからなる循環流路内の吸収液を脱イオン化できるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の1実施形態に係る測定装置Aの概略構成図である。
【図2】測定方法Aの第1測定工程及び第2測定工程における導電率の出力値変化を示すグラフである。
【図3】測定方法Aの第1測定工程及び第2測定工程における導電率の出力値変化を示すグラフである。
【図4】測定方法Bの第1測定工程及び第2測定工程における導電率の出力値変化を示すグラフである。
【図5】本発明の他の実施形態に係る測定装置Bの概略構成図である。
【図6】測定装置Bの反応器及びその内部の構成図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る測定装置Cの概略構成図である。
【符号の説明】
【0048】
1・・・反応器、2・・・紫外光源、3・・・ガス透過性チューブ、4・・・変換器、
5、14、15・・・逆止弁、10・・・脱イオンモジュール、
11・・・タンク、12・・・限外濾過器、13・・・イオン交換器、
20・・・ビーズ
LS・・・試料液流路、LA・・・吸収液流路、LB・・・帰還流路、
L1〜L8・・・流路、EL・・・導電率センサ、
P1〜P3・・・ポンプ、SV1・・・開閉弁、SV2・・・三方弁、


【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料液中の全有機炭素含量を測定する方法であって、
反応器内の試料液中のガスを、反応器内に配置したガス透過性膜を介して吸収液に吸収させ、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率である第1導電率を測定する第1測定工程と、
第1測定工程後、前記反応器内の試料液中の有機化合物を酸化しつつ、発生した二酸化炭素を、前記ガス透過性膜を介して吸収液に吸収させ、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率である第2導電率を測定する第2測定工程とを有し、
第2測定工程で得られた第2導電率と、第1測定工程で得られた第1導電率との差から試料液中の全有機炭素含量を求めることを特徴とする全有機炭素含量の測定方法。
【請求項2】
試料液中の全有機炭素含量を測定する方法であって、
反応器内の試料液中のガスを、反応器内に配置したガス透過性膜を介して吸収液に吸収させ、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率である第1導電率を測定する第1測定工程と、
第1測定工程後、前記反応器内の試料液中の有機化合物を酸化しつつ、発生した二酸化炭素を、前記ガス透過性膜を介して吸収液に吸収させ、所定時間を経過した後の吸収液の導電率である第2導電率を測定する第2測定工程とを有し、
第2測定工程で得られた第2導電率と、第1測定工程で得られた第1導電率との差から試料液中の全有機炭素含量を求めることを特徴とする全有機炭素含量の測定方法。
【請求項3】
吸収液が脱イオン水である請求項1又は請求項2に記載の全有機炭素含量の測定方法。
【請求項4】
試料液中の全有機炭素含量を測定する方法であって、
反応器内の試料液中のガスを、反応器内に配置したガス透過性膜を介して吸収液に吸収させつつ、この吸収液を脱イオン化し、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率であるベース導電率を測定する第1測定工程と、
第1測定工程後、前記反応器内の試料液中の有機化合物を酸化しつつ、発生した二酸化炭素を、前記ガス透過性膜を介して吸収液に吸収させ、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率である第2導電率を測定する第2測定工程とを有し、
第2測定工程で得られた第2導電率と、第1測定工程で得られたベース導電率との差から試料液中の全有機炭素含量を求めることを特徴とする全有機炭素含量の測定方法。
【請求項5】
試料液中の全有機炭素含量を測定する方法であって、
反応器内の試料液中のガスを、反応器内に配置したガス透過性膜を介して吸収液に吸収させつつ、この吸収液を脱イオン化し、吸収液の導電率が平衡状態に達するのに充分な時間を経過した後の吸収液の導電率であるベース導電率を測定する第1測定工程と、
第1測定工程後、前記反応器内の試料液中の有機化合物を酸化しつつ、発生した二酸化炭素を、前記ガス透過性膜を介して吸収液に吸収させ、所定時間を経過した後の吸収液の導電率である第2導電率を測定する第2測定工程とを有し、
第2測定工程で得られた第2導電率と、第1測定工程で得られたベース導電率との差から試料液中の全有機炭素含量を求めることを特徴とする全有機炭素含量の測定方法。
【請求項6】
第2測定工程において、紫外線照射により、試料液中の有機化合物を酸化する請求項1から請求項5の何れかに記載の全有機炭素含量の測定方法。
【請求項7】
反応器と、反応器内に配置されたガス透過性膜と、光源と、導電率センサとを備え、
前記反応器内には、前記ガス透過性膜により互いに分離された試料液流路と吸収液流路とが形成され、
前記試料液流路には、試料液が流入、流出するようになっており、内部に光触媒が配置され、
前記光源は、前記試料液流路に光を照射するように配置され、
前記吸収液流路には、吸収液が流入、流出するようになっており、
前記導電率センサは、前記吸収液の導電率を測定するように前記吸収液流路内又は前記吸収液流路の下流側に設けられていることを特徴とする全有機炭素含量測定装置。
【請求項8】
光源が、紫外線を照射する紫外光源である請求項7に記載の全有機炭素含量測定装置。
【請求項9】
さらに、吸収液流路の出口と入口とをつなぐ帰還流路を備える請求項7又は請求項8に記載の全有機炭素含量測定装置。
【請求項10】
帰還流路に脱イオン水を供給する脱イオンモジュールを備える請求項9に記載の全有機炭素含量測定装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−90732(P2006−90732A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−273344(P2004−273344)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000219451)東亜ディーケーケー株式会社 (204)
【Fターム(参考)】