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全血球数及び白血球百分率を決定するシステム及び方法
説明

全血球数及び白血球百分率を決定するシステム及び方法

血液及び骨髄のような体液を分析するシステム及び方法が開示される。このシステム及び方法は、細胞の単層をスライドに塗布してスライド上に細胞の実質的に均質な分布を生成する改善された技術を利用する。本発明の追加的な側面は、受光装置によってとらえた画像の画質を改善するマルチカラー顕微鏡を利用するシステム及び方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の組成及び成分を決定するシステム及び方法に関する。より詳細には、本発明は、細胞形態を調べると共に体液の一部の特定の種類の細胞の数を決定するための改良された技術を提供する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2008年4月25日に出願された米国特許仮出願第61/047,920号に対する、米国特許法第119条に基づく優先権を主張し、参照によってその全体を本明細書中に明示的に援用する。さらに、本願は、本願と同じ日に同じ発明者らによって出願された「体液を分析するシステム及び方法」と題する出願を、参照によって本明細書中に明示的に援用する。
【0003】
病理学とは、回収されるか、固定されるか又は空気乾燥され、次いで核及び細胞質の両方の特徴を目立たせる染料によって可視化された個々の細胞を形態学的に検査することを含む方法によって、医療専門家が疾患の有無を決定する医学の分野である。細胞の回収には多くの場合、ヒトの体液の一部を採取してスライド上に配置し、顕微鏡を使用してスライド上の体液を調べることを伴う。
【0004】
最も一般的に行われている病理学的研究の1つがCBC(全血球計算)である。CBCを行うには、患者から血液試料を採取し、次いで自動化又は手動の方法によって細胞を計数する。CBCは一般的に、通例では抗凝固処理した全血を吸引していくつかの分析流に分けるフローサイトメトリの原理に基づいて、機器を用いて行われる。フローサイトメータを使用して、i)赤血球(RBC)数、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Hct)、赤血球指数(平均赤血球容量(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン(MCH)、及び平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC))、赤血球分布幅、網状赤血球及び有核赤血球を含む他の赤血球の算出、並びに赤血球形態、ii)白血球(WBC)数及びWBC「百分」率(好中球、リンパ球、好酸球、好塩基球及び単球を含む様々な正常な種類の白血球の算出、並びに他の正常な種類のWBC及び種々の疾患状態において存在する異常な種類のWBCの存在可能性)、並びに、iii)血小板数、血小板分布幅及び形態学的特徴を含む血小板の他の特徴を含む、多くの一次測定値及び派生測定値を求めることができる。フローサイトメータでは、通常、光吸収法及び光散乱法に基づいて、並びに/又は細胞化学に基づく測定によって、赤血球、WBC及び血小板の形態学的な特徴付けを間接的に行う。いくつかの高度なフローサイトメータは、一次測定値から二次的及び三次的な測定値を計算する。
【0005】
フローベースのCBC機器は一般的に、広範囲の較正及び制御、メンテナンス並びに熟練のオペレータを必要とし、また、調達、サービス、試薬、消耗品及び使い捨て品に関連してかなりのコストがかかる。これらのシステムを日常的に使用することに関連する1つの重大な問題は、CBCの形態学的成分の評価を完了するには、血液検体の大部分をさらに試験する必要があることである。これには、血液試料をスライド上に配置することと、この試料をスライドに対して塗抹してウェッジスミア(wedge smear)を形成することと、スライドを顕微鏡の下に配置することとを伴う。このプロセスは多くの場合、熟練した医療技術者が手動で行うので、試験結果を受け取るまでのコスト及び時間を増大させる。自動化された試験の結果が血液試料のさらなる検査を必要とする場合は常に、スライドガラス上の血球を直接可視化しなければならない。例えば、核を有する未熟なRBCが発見されるか、又は感染、白血病若しくは他の血液疾患の疑いがあるWBCが発見される場合に常に、経験のある観察者が細胞を直接的に可視化することによって、「手動で」百分率の測定が行われる。
【0006】
さらに調べ直すことを必要とするこれらの検体の割合は通常、研究室の方針、患者の集団及び「フラッギング(flagging)」基準に応じて10%〜50%におよび、平均的な比率は約27%である。再試験の理由として最も多いものは、WBC、RBC若しくは血小板の数の増減、異常な細胞の種類又は細胞形態、ウィルス若しくは細菌による感染の臨床的又は他の疑いの存在が挙げられる。
【0007】
手動で百分率を測定する際に伴うさらなる作業に加えて、このプロセスにはさらなる技術的な制限がある。これらの制限には、スライド上に細胞を塗抹する際に伴う機械的な力によって細胞形態が歪むことと、細胞が互いに重なることとが含まれ、これにより個々の細胞形態の可視化が困難なものとなる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、細胞をスライド上に配置するシステム及び方法を提供する。さらに、細胞を画像化するシステム及び方法も提供する。これらの画像を後に使用して、RBC、WBC及び血小板を含む血液の有形成分の画像に基づく計数及び形態学的評価を含む、全血球計算のような試験を行うことができる。本発明の実施の形態は、血液の有形成分の可視化を改良することによって、CBCの精度を高めることができる。本発明の態様は、血液悪性疾患を含む異常な骨髄機能の場合に見られる異常又は未成熟のWBCのような特定の細胞の種類の存在を分析すると共に判断することができる。さらに、本発明の構成は、機器の使用に関連するコストを削減し、消耗品及び試薬のコストを削減し、必要なオペレータ時間及び試薬がより少なく、繰り返し試験の回数が減り、かつ他の従来技術よりも移動部品の数を少なくすることができる。本発明の構成は、細胞を顕微鏡下ではなくモニタで可視化することを可能にすることによって、現在のところ機器を使用する試験の部分が完了した後で血球を可視化することが必要であるCBC試験の多くのターンアラウンドタイムを短縮することもできる。
【0009】
本発明の態様は、細胞形態を保つことにおいて効果的である。このことは、慢性リンパ球性白血病(CLL)又は急性骨髄性白血病(AML)のような血液悪性疾患の患者にとって重要であり得る。細胞の単層をスライドへ塗布することに関するシステム及び方法は、より多くの数の形態学的に保存状態のよい芽細胞及び他の未成熟であるか又は脆弱な細胞を検出することを可能にする。これによって、白血病又は他の疾患プロセスの初期段階でそれらの細胞をより正確に認識することができる。本発明の特定の態様は、スライドの試験領域にわたる細胞の実質的に均一な分散の準備を提供する。
【0010】
本発明の態様はまた、有機組織由来の流体(例えば血液)中の細胞を回収することと、場合によっては該流体に含有される細胞を希釈剤と混合することと、この溶液から既知の容量の部分試料(アリコート)を回収することと、次いで、分注装置すなわちアプリケータを使用してこのアリコートをスライドのような基板上へ堆積させることとに関する。細胞は、予測される検査に応じて空気乾燥させても、(固定溶液を用いて)固定しても、又はその両方を行ってもよい。また、細胞を染色してもよい。基板上の染色された細胞は、コンピュータを用いる自動画像化システムによって計数すると共に検査してもよく、又は手動の顕微鏡検査で調べてもよい。コンピュータディスプレイ上にデジタル画像を示して、手動で顕微鏡によって調べ直す必要性を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】体液を分析するシステムの概略的な斜視図である。
【図1B】体液を分析するシステムの概略的な斜視図である。
【図2】スライド及びスライドホルダの斜視図である。
【図3】スライド及びスライド検体の拡大平面図である。
【図4】スライド及びスライド検体の代替的な実施形態の平面図である。
【図5】シスメックスのRBC数と本発明の実施形態を使用して生成したRBC数との相関を示すグラフである。
【図6】シスメックスのWBC数と本発明の実施形態を使用して生成したWBC数との相関を示すグラフである。
【図7A】図1Aに示す実施形態の概略的なプロセスフローである。
【図7B】図1Bに示す実施形態の概略的なプロセスフローである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1Aを参照すると、体液を分析するシステム10が開示されている。このシステムは、プラットフォーム100と、受光装置200と、コンピュータ300と、アプリケータ400と、ガス循環装置500と、光源600と、ディスペンサ800と、放電装置900と、スライドラベラ1000と、スライドラベル読取機1100とを備えている。以下に続くセクションは、本明細書を通したナビゲートを容易にすることを意図する大文字の表題を含む。これらの表題は、本発明を限定することを決して意図するものではない。
【0013】
プラットフォーム100(THE PLATFORM 100)
プラットフォーム100を取り上げる実施形態では、アドバンサ110が、1つ又は複数のスライド装置700〜700”を受け取るように構成されている。アドバンサ110は、プラットフォームの上面101のような表面に取り付けることができる。アドバンサ110は、図1Aに示されるようなベルトの形態をとってもよく、このシステムは、スライド装置をプラットフォームの表面101に沿って移動させるために、メカニカルアーム、重力、磁力、水力、歯車、又は他の移行技術を使用してもよい。
【0014】
プラットフォーム100はまた、フィーダ102と、スタックからスライド装置700を給送すると共にラックからスライド装置700を回収するコレクタ106とを備えている。フィーダ102には、スライドを斜面104へ降ろしてアドバンサ110上へ押し出す(ゴム付きホイールのような)フィーダ推進機構103を備え付けてもよい。(もちろん、本発明の実施形態は、斜面を有することなく構築してもよい。例えば、フィーダがアドバンサ110と同じ高さであれば、斜面は必要ないであろう。代替的には、メカニカルアームを使用して、スライド装置700を掴んでアドバンサ上に直接配置してもよい。)磁石又は水力学のような、スライドを推進してフィーダ102から出す代替的な機構を使用してもよい。フィーダは、存在するスライドの数を決定するセンサを備えてもよい。このセンサは、例えば、スライド装置700の重量を測定して、存在するスライド装置の数を決定することができる。図1Aは、フィーダ102に保管されている3つのスライド装置700を示している。コレクタ106も、コレクタ106に存在するスライドの数を決定するセンサを備えてもよい。このセンサは、予め設定された数のスライドが分析されるとコンピュータに知らせるか、又は現在進行しているスライドの受け取りをコンピュータに知らせることができる。
【0015】
受光装置200(THE LIGHT RECEIVING DEVICE 200)
受光装置200は、(明視野顕微鏡のような)顕微鏡、ビデオカメラ、静止カメラ、又は光を受光する他の光学装置であってもよい。標準的な明視野顕微鏡を使用する実施形態では、自動化ステージ(スライドムーバ201)及び焦点を有する顕微鏡を選択することができる。一実施形態では、顕微鏡は、電動式ステージ及び焦点モータ取り付け具に取り付けてもよい。顕微鏡は、コンピュータ300の制御下で異なる拡大レンズを選択することを可能にする電動式のノーズピースを有していてもよい。フィルタホイールによって、コンピュータ300が光路における狭帯域カラーフィルタを自動的に選択することが可能となる。フィルタの代わりにLED照明を用いてもよく、LEDの使用は、フィルタホイールの回転に必要な時間と比較して画像撮影時間を短縮することができる。1600×1200画素のファイヤーワイヤーカメラを使用して狭帯域画像を撮影してもよい。
【0016】
場合によっては、受光装置は、スライド装置700”から反射した光を受光し、この光の画像を記憶する。いくつかの実施形態では、細胞物体からの蛍光発光を受光装置200において検出することができる。しかし、光源600は、プラットフォームの下方に位置付けることができるため、光がプラットフォーム100及びスライド701を通って受光装置200へ入るように光を誘導してもよい。受光装置は、リンク11を通じてコンピュータに接続することができ、X軸方向とY軸方向とZ軸方向との移動が可能である(他の実施形態では、電動式ステージすなわちスライドムーバ201が、X軸方向とY軸方向とZ軸方向との移動を提供することができる)。受光装置は、図1Aに示されるようなワイヤのようなリンク11を備えてもよく、又は他の無線システムを使用してもよい。受光装置200及び他の構成要素のいずれかは、リンク11〜15を通じてコンピュータ300とインタフェースすることができ、これによって、構成要素にエネルギーを供給することができるか、コンピュータ300からの命令を構成要素に提供することができるか、又は構成要素がコンピュータ300へ情報を送信することを可能にする。受光装置200は、コンピュータ300が受光装置200を適切な位置に位置付けることを可能にするために、パン、傾斜又は移行アクチュエータを備えてもよい。受光装置は、光の焦点を合わせるレンズ210を備えてもよい。受光装置は、白黒又はカラーの画像をとらえることができる。代替的には、2つ以上の受光装置を使用して、画像をとらえることに関連する処理時間を分割してもよい。例えば、低倍率画像ステーションの後に高倍率画像ステーションが続いてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、システム10、プラットフォーム100、コンピュータ300、受光装置200のいずれかは、スライド装置700を移動させるようにスライドムーバ201に命令し、スライド内の全ての細胞の画像を記憶してもよい。例えば、受光装置200の視野のサイズが検体ゾーン710(図3)よりも小さい場合には、スライドムーバ201を使用することが望ましいであろう。
【0017】
コンピュータ300(THE COMPUTER 300)
コンピュータ300は、図1Aに示されるようなラップトップであってもよく、若しくはサーバ、ワークステーション、又は任意の他の種類のコンピュータ装置であってもよい。コンピュータは、プロセッサと、ディスプレイ320と、インタフェース310と、内部メモリ及び/又はディスクドライブとを備えている。コンピュータ300はまた、メモリ内に、又は光学ドライブのようなコンピュータ可読媒体に記憶されているソフトウェアを備えている。このソフトウェアは、コンピュータに対して、受光装置200、アプリケータ400、アプリケータコントローラ490、ファン500、プラットフォーム100、アドバンサ110、光源600、ディスペンサ450若しくは800、これらの構成要素のうちの1つに接続されている任意の構成要素のいずれかを動作させる命令を含んでいる。同様に、コンピュータは、これらの構成要素のいずれかから情報を受け取ることができる。例えば、このソフトウェアは、フィーダ102からのスライドの分散速度を制御することができ、またフィーダ102は、存在するスライドの数に関してコンピュータに知らせることができる。加えて、コンピュータ300は、受光装置がとらえた画像の分析を行うことにも関与することができる。コンピュータは、分析プロセスを通して、特定の血液容量中の特定の種類の細胞の数、例えば、赤血球数と、白血球数と、血小板数と、測定されると共に導き出されたCBCの他の成分とを計算することができ、例えば、ヘモグロビン含量、赤血球形態又はWBC百分率を計算することができる。画像分析ソフトウェアは、それぞれの個々の視野を分析して総赤血球数及び総白血球数を算出することができる。患者のバイアル中の1マイクロリットル当たりの総数を計算するためには、スライド上で計数された数に、希釈率及び部分試料の容量を乗算する。スライドからの計数、形態学的測定並びにRBC及びWBCの画像の結果をディスプレイ320に示すことができる。いくつかの実施形態では、コンピュータ300は、数値データ、細胞集団ヒストグラム、散布図、及びモニタに表示される血球の画像を使用する細胞形態の直接評価を表示することが可能である。細胞形態を表示することが可能であることによって、システム10のユーザが、経験のある技術者又は他の専門家が手動で調べ直すためのさらなるスライドを準備する正当な理由となる、細胞形態における異常の有無を迅速に確定することができる。このソフトウェアは、コンピュータ命令を提供し、受光装置から受け取った画像331を表示することができるか、又はディスプレイ330に、画像分析の結果332(おそらくは例えばチャート又はグラフ)を示すことができる。同様に、コンピュータ300は、特定の血液容量中の特定の種類の細胞数を数えるか、又は特定の血液容量中の損傷を受けた細胞、癌細胞若しくは溶解細胞の数を数えることができる。コンピュータのメモリは、コンピュータが分析プロセスを行うことを可能にするソフトウェアを含むことができる。コンピュータは、分析中に1つ又は複数の倍率を使用することができる。
【0018】
コンピュータ300は、1つの構成要素として示されているが、複数のコンピュータを含んでもよく、第1のコンピュータを構成要素の制御に使用し、第2のコンピュータを受光装置200からの画像の処理に使用してもよい。いくつかの実施形態では、種々のコンピュータを一緒にリンクさせて、情報を共有させてもよい。また、コンピュータ300をネットワーク又は研究室の情報システムに接続して、コンピュータが他のコンピュータに情報を送受信することができるようにしてもよい。
【0019】
アプリケータ400(THE APPLICATOR 400)
特定の実施形態では、アプリケータ400は、シリンジ、手動若しくはモータ駆動式の分注器を備えるか、又は管を通してピペットチップに取り付けられたモータ制御式のポンプを使用することができる。多くの異なる種類のピペット又はシリンジを使用することができるが、2%よりも良好な精度を有するアプリケータ400を使用することによって改善された結果を示す試験結果を得ることができる。ポンプは、蠕動ポンプ、シリンジポンプ、又はオリフィスを通して少量の容量を吸引及び分注することのできる他の同様の装置であってもよい。通常、そのようなオリフィスは、外径が2ミリメートル〜5ミリメートルであり、内径が0.5ミリメートルであるチップ405に含まれる。チップ405は使い捨て可能であっても又は洗浄可能であってもよい。チップ405は、その挿入及び洗浄を容易にするために円形とすることができる。チップを通って流れる流体は、血液又は希釈血液の薄層をスライド上に堆積させることがでるように制御される。チップを通る流速及びスライドにわたるチップの相対速度及び高さを最適化することによって、適切な密度の細胞をスライド上に堆積させることができる。これらの要因はそれぞれ、他の要因に影響を与えるため、高さ、チップを通る流速及びスライドにわたる速度の適した組み合わせを決定しなければならない。一実施形態では、チップを通る流速は0.1マイクロリットル/秒であり、その間、チップは約70ミクロンの高さでスライド表面にわたって30ミリメートル/秒の速度で移動する。
【0020】
使用時には、アプリケータ400は、30マイクロリットル(μl)のような既知の容量の体液を含んでもよい。アプリケータ400は、この流体を染料又は希釈剤と混合し、この流体の一部をスライド装置700(特に図3の検体ゾーン710)上へ噴出させることができる。通常の部分試料は、およそ1/2μl〜2μlのアリコートであるが、1/10μl〜10μlの範囲であってもよい。いくつか実施形態では、システム10又はアプリケータ400は、体液を貯蔵する第1のリザーバ420及び希釈剤を貯蔵する第2のリザーバ430を含むことができる。いくつかの実施形態では、体液は希釈されない。
【0021】
システム10又はアプリケータ400は、1つ又は複数のディスペンサ800を含んでもよい。ディスペンサ800(又は図1Bでは450)を使用して、固定剤又は染料をスライド701上へ誘導することができる。この実施形態では、アプリケータ400は、体液、希釈剤、染料及び固定剤をアプリケータ400から噴出させる1つ又は複数の流体チャンバ410を備えている。いくつかのディスペンサは、両方の流体を貯蔵してこれらをスライド上へ順次誘導することができるか、代替的な実施形態では、2つのディスペンサを使用してもよい(1つは固定剤用であり1つは染料用である)。余分な染料及び固定剤は、プラットフォーム表面101に対して直交する(か又は角度を付ける)ようにスライド装置を傾けることによって、スライドから除去することができる。スライドティルタ801をこの目的で使用することができる。スライドティルタは、図示されるような単純な楔であってもよく、又はスライドを傾けるメカニカルアームであってもよい。
【0022】
図1Aに示される実施形態では、染料ディスペンサがプラットフォーム100に取り付けられている。図1Aに示される実施形態と適合する染料の例としては、ライトギムザ染料、ギムザ染料、ロマノフスキー染料が挙げられる。分注することのできる他の溶液は、固定剤(メタノール)及び緩衝溶液である。特定の細胞成分の免疫細胞化学的試薬又は他のマーカーを含む他の可視化方法も使用することができる。染料ディスペンサはまた、染料リザーバ450として具現され、アプリケータ400に取り付けられる(図1Bを参照)。図1Bに示される実施形態と適合する染料の例としては、ロマノフスキー染料、網状赤血球染料、特定の抗体を使用する染料が挙げられる。ディスペンサ800を有する実施形態では、このディスペンサは、染料をスライド装置(特に検体ゾーン710)上へ分注することができる。ディスペンサ800は、蠕動ポンプの形態をとることができる。染料リザーバ450を有する実施形態では、染料は、リザーバ420及び430からの体液及び希釈剤と混合することができる。体液及び希釈剤は、流体と希釈剤とを特定の比率で混合することのできるミキサ440によって共に混合することができる。代替的な実施形態では、スライドを、固定溶液及び染色溶液の1つ又は複数の浴中に浸漬してもよい。別の実施形態では、固定溶液及び染色溶液は、毛細管作用を使用してスライドを横切って移動することができる。
【0023】
本発明では、種々の固定剤及び希釈剤を使用することができる。例えば85%のメタノールを固定剤として使用することができる。いくつかの染料の場合、エチルアルコール又はホルムアルデヒドを主成分とする固定剤を使用してもよい。例えば、全血を希釈するのに有用な希釈剤は、塩溶液又はタンパク質溶液を含んでもよい。塩溶液は、「生理食塩水」(0.9N)から、塩の複合混合物、ヒトの血清中で見られる実質的に全ての塩を真似た市販の製剤であるプラズマライト(Plasmalyte)に及ぶ。タンパク質溶液は、ウシアルブミンの単純な溶液から、選択されるヒト血漿タンパク質を有する市販の製剤であるプラズマネート(Plasmanate)に及ぶ。そのような製剤の、タンパク質濃度、緩衝液、pH、浸透性、緩衝能及び種々の種類の添加剤は様々であってもよい。フィコール(Ficoll)又はデキストラン(Dextran)又は他の多糖を含む、このような溶液の合成又は「代替」バージョンも有用である。他の代替物を使用してもよい。希釈剤の例は、4:1(プラズマライト:プラズマネート)の割合のプラズマライト及びプラズマネートである。希釈剤の別の例は、5%アルブミンである。全血を分析する場合、2部の血液と1部の希釈剤との希釈液を使用することができ、ここで、希釈剤は生理学的に適合する溶液であるが、代替的な実施形態では、0:1(希釈せず)〜10:1(希釈剤:血液)の希釈の範囲を使用してもよい。
【0024】
アプリケータは、流体を(シリンジ又はピペットのような)流体チャンバ410から押し出す油圧ピストンを備えてもよい。流体の流速を調節するチップ405を設けてもよい。チップのサイズは、溶液がチップから流出する速度(μl/秒)に影響を与えないが、概して、チップの開口が小さくなると力は大きくなる(μg×距離/秒2)。さらに、チップのサイズは、図2及び図3に示される流体の流れ750の厚さに影響を与える。0.3ミリメートルの内径を有するチップが、0.1マイクロリットル/秒の流速を与えることができ、第1の流れの中間点751から第2の流れの中間点752までの距離は、500ミクロンである。図2及び図3に示される流れ750を作り出すために、システム10は、所与の血液検体中の細胞の数の分散を考慮するように構成することができる。ヒトの末梢血試料の場合、範囲は広いが1桁内である。血球を正確に計数するために、赤血球の重なりを最小限に抑えるべきである。細胞の重なりを最小限に抑える1つの方法は、細胞の非接触列をアプリケータのチップから棄てることである。希釈した流体の粘度の上昇又は希釈剤の種類若しくは量は、流れ750が最終的に定着する位置の幅に影響を与える。血液試料の典型的な変動を可能にするために列間の距離を選択することによって、全ての試料中の全ての細胞を計数することができる。多くの試料に関して、これらの間隙は流れと流れとの間に見られるが、これが画像分析に影響を与えることはなく、列及び間隙の影響は、顕微鏡によって高倍率で手動で調べ直す際に気付かれない傾向にある。これらの間隙を回避するには、受光装置をアプリケータに取り付けるか又はステーションAの近くに位置付け(図7A参照)、コンピュータ300が、細胞をスライド上に誘導することによって形成される第1の流れ751(図3)の幅を決定することを可能にすることができる。流れの幅、すなわち、血液が、流体をスライド上に置いた位置から側方へどれだけ遠くへ流れるかを求めることによって、コンピュータ300は、アプリケータに対して流れの間隙のサイズを調節させることができる。コンピュータ300は、第1の流れ751から第2の流れ752(図3)までの必要な距離を計算し、これらの流れが互いに隣接して定着してその間のあらゆる間隙の形成を最小限に抑えるように流れを配置する。このプロセスを用いて、間隙のない、すなわち連続的な細胞の流れを検体ゾーン710に塗布することができる。
【0025】
細胞をスライド701上に物理的に配置するために、コンピュータ300は、体液チャンバ410をX方向、Y方向、Z方向のいずれかに移動させてチップ405が流れ750の最終的な位置を追跡するようにチップ405を位置付けることを伴う体液塗布プロセス7B(図7B参照)を行うように、アプリケータコントローラ490に命令することができる。いくつかの実施形態では、X方向、Y方向、Z方向は全て互いに対して垂直であり、3次元座標系において任意の方向へアプリケータを移動させることができる。
【0026】
コンピュータ300をアプリケータコントローラ490に接続してこの移動を制御することができる。図3に示される実施形態では、アプリケータコントローラは、検体ゾーン710の左上の隅にチップを位置付け、続けて流体を流体チャンバ410から噴出させることによって流体試料を細胞上へ配置することができる。アプリケータコントローラ490は、噴出が行われている間、チップを、正のX方向に検体ゾーン710の右上部まで移動させることができる(図3参照)。アプリケータコントローラ490は、右上セクションに達すると、チップを負のY方向へ1つの流れ幅にわたって移動させることができる。流れ750の幅は300ミクロン〜1000ミクロンに及んでもよく、流れの厚さは、チップから出る流体の流速が上昇し、かつ/又はスライドを横切るチップの速度が低下するにつれて増加する。さらに、選択された流体及び希釈剤の粘度が、流れ750(図3)の幅に影響を与え得る。通常、流体の細胞は、スライド上に配置されると数秒以内に定着する。チップが1つの流れ幅分を移動すると、アプリケータコントローラは、チップを、負のX方向へ検体ゾーン710の最も左側まで移動させることができる。チップは、最も左側に達すると、再び1つの流れ幅分を負のY方向へ移動することができる。このプロセスは、全体の検体ゾーンが覆われるまで繰り返すことができる。代替的な実施形態では、希釈した体液は、固定したアプリケータと、移動可能なスライドコントローラ760によって移動するスライドとによってスライドに塗布してもよい(この塗布プロセス7Aは図7Aに示されている)。スライドコントローラ760は、アプリケータが体液の流れ750を検体ゾーン710上に配置することが可能となる同様の位置へスライド装置を移動させるようにX方向、Y方向、Z方向に移動可能であってもよい。
【0027】
この方法を用いてスライド701上に配置される細胞の数は、検査される流体の種類及び希釈率に応じて変わる。全血を1:3(血液:希釈剤の比)で分析すると仮定すると、約900000個の赤血球、45000個の血小板及び1000個の白血球がスライド上に配置されることになる。図3は、矩形形状に均一に分散した流体検体の生成を示しているが、同様の方法で他の形状も構成することができる。例えば、図4は、複数の同心円を有する流体の流れを示している。図3と同様に、流体の流れ750は、互いに隣接して配置され、均一な視野を作り出す。このプロセスによって、検体ゾーン710にわたって細胞が極めて均一に分散し、分析プロセスが容易になる。さらに、コンピュータ300は、検体ゾーン710上の流体の外観及び幅を変えることができる。例えば、コンピュータ300は、チップが検体ゾーンを横切って移動する速度を制御することができ、この速度はこの検体ゾーン上に載る流体の厚さに影響を与える。いくつかの実施形態では、検体ゾーンにおよそ1つ分の細胞の厚さである検体を提供するために、10mm/秒〜100mm/秒の速度を選択することができる。コントローラ490はまた、スライド700の上方のチップの高さを選択することができる。流体細胞がスライド装置700と接触するときのこれらの損傷を最小限に抑えるために、またチップから基板への流体の流れを維持するために、70±40ミクロンのスライドの上方の高さを用いることができる。
【0028】
ガス移動装置500(GAS MOVEMNET DEVICE 500)
ガス移動装置500は、(図1に示されるような)ファンを備えてもよく、又は例えばコンプレッサ若しくはベローのような他のガス移動装置を備えてもよい。ガス移動装置500は、コンピュータ300に直接接続してもよく、又は(図示されるような)プラットフォーム100若しくはアプリケータ400のような別の構成要素を通じて接続してもよい。ガス移動装置は、ガス(いくつかの場合では大気)を、スライドを横切って押し出し、スライドが乾燥する速さを制御する。スライドを横切ってあまりに多くの空気を速く移動させすぎる(すなわちファン速度が速すぎる)と、速すぎる乾燥に起因して検体中の細胞を破裂させる可能性があり、スライドを横切ってあまりに少ない空気をゆっくり移動させすぎる(すなわちファン速度が遅すぎる)と、細胞の乾燥が非常に遅くなり、収縮して見える可能性がある。コンピュータ300は、スライドからのガス移動装置の距離と、分析される流体の種類と、流れの幅と、流れの平均厚さ(これは各流れのZ方向への細胞の量である)とに基づいて、ある期間内にスライドを横切って移動する空気の量(すなわち空気の1秒当たりの立方フィート)を選択することができる。ガス移動装置500は、スライド装置700の近くに配置することができ、ガスが30度〜60度の角度(45度を用いることができる)で約15秒〜20秒の期間スライドに当たるようにガスを誘導するように位置付けられている。いくつかの実施形態では、コンピュータは、システム付近の湿度及び温度設定を制御して、ガス移動装置500を使用することなく乾燥プロセスが生じるようにしてもよい。
【0029】
発光装置600(THE LIGHT EMISSION DEVICE 600)
発光装置600の2つの異なる実施形態が示されている。図1Aでは、発光装置600は、ハウジング601と、マルチスペクトル光源610と、複数の光フィルタ620、620’、620”と、フィルタセレクタ621とを備えている。図1Aに示されるように、光源610をよりよく示すためにハウジングの一部を取り除いている。光源610は、白色光源を備えてもよく、又は、ハロゲン球、蛍光球、白熱電球のような他のマルチスペクトル光源を備えてもよい。フィルタ620〜620”を用いて、マルチスペクトル光をフィルタリングして単一の波長又は狭帯域の波長にすることができる。フィルタセレクタ621は、どのフィルタを光源610の正面に出現させるかを選択することができる。いくつかの実施形態では、特定の範囲の光がスライドを照明することを可能にするため、2つ以上のフィルタを用いてもよい。フィルタセレクタ621は、フィルタをスピンさせて光路へ出入りさせる回転モータ及びロッドを備えている。第2の実施形態では、光源は、狭帯域の光を照射する1つ又は複数のレーザ又はLED630を備えている(図1B参照)。このシステム10においてLEDを使用することの利点は、LEDはスイッチを迅速にオンオフすることができ、受光装置である単一の白黒カメラがマルチスペクトル画像を非常に短時間で撮影することが可能となることである。LEDはまた、通常は15nm〜30nmの半値全幅(最大強度のピーク輝度の半分の波長強度分布の幅)の狭帯域照明を生成する。また、LEDは、可視範囲において、熱発生赤外線エネルギーを光学系に放射することがなく、従来のランプと比べて比較的長寿命である。フィルタリングされていない白色光(すなわち広帯域照明)ではなく狭帯域照明を使用することの利点は、狭帯域照明を使用することによって受光装置200が生成する画像の鮮明さが増すことである。受光装置200がレンズを含む場合、このレンズの存在が、異なる色を使用する場合にわずかな焦点シフト又は画質の劣化を生じるいくらかの色収差を引き起こす可能性がある。白色光照明の場合、このことが画質の全体的な劣化を生じる可能性がある。受光装置200は、各狭帯域照明の白黒画像をとらえてもよい。コンピュータ300は、焦点距離又はスライドからのレンズの距離を調整することによって波長毎に焦点及び画質を補正することが可能である。いくつかの実施形態では、コンピュータ300は、複数の明色を順次照射しながらレンズの焦点位置をシフトさせて、画像の品質を改善することができる。
【0030】
種々の波長の光は、発光装置600によって誘導することができる。2〜8以上の異なる波長の光をスライド装置700に誘導することができる。430nmのような波長が、RBCの形態及びヘモグロビン含量を評価するヘモグロビンのみの画像を画像化するのに有用である。赤血球のみを示すように設計されるそのような波長で撮影した画像を使用することによって、白血球と接触している赤血球を示すこともできる。接触している赤血球は、より正確な細胞測定及び算出を行うために、画像からデジタル除去され、コンピュータが白血球の境界を検出することを容易にすることができる。570nmの発光は、血小板及び核の高コントラスト画像を提供するのに有用である。好塩基球、単球、リンパ球(全て青色の影)、好酸球(赤色)、好中球(無彩色)の色を最もよく識別するために他の波長を選択してもよい。例えば血小板を計数する場合、(430nm及び570nmのような)2色の照明を用いることができる。570nmの画像から430nmの画像を差し引くことによって高コントラスト画像を得ることができる。430nm、500nm、525nm、600nmの波長を有する光が、細胞の色情報を示す上で特に効果的であるが、400nm〜700nmの波長の光を用いてもよい。適切であれば、これらの波長は、カラー画像の表示にも用いられる。そうでなければ、百分率に関して分析されディスプレイ320に示される200個以上の細胞に関して1つ又は2つのさらなる画像を撮影することが必要な場合がある。通常、狭帯域画像は、400nm〜750nmの範囲から選択される。試験結果は、2個〜8個の別個の明色が良好であり、3個〜4個の別個の明色が最適であることを示している。コンピュータ300は、空間シフトを補償することによって画像をさらに洗練させることが可能である。また、コンピュータは、種々のカラー画像を組み合わせてマルチカラー画像を生成し、表示又は分析することができる。個々の画像又は組み合わせた画像の数値ディスクリプタを使用して、細胞の空間的特徴、濃度的特徴、比色的特徴、構造的特徴を求め、細胞の種類を分類することができる。狭帯域照明を使用することのさらなる利点は、狭帯域照明を使用することによって油対物レンズすなわちカバースリップを使用しなくてもよくなることである。光は、ガラスから空気へ通過するときに屈折する。従来技術のシステムは、油対物レンズすなわちカバースリップを使用して空気からガラスへの遷移の際のこの屈折を最小限に抑えていたが、スライドを処理するために油対物レンズすなわちカバースリップを加える工程を付け加える必要があり、スライド当たりの分析コストが高くなる。カバースリップすなわち油対物レンズを使用する必要性を克服するために、狭帯域LED又はフィルタリングした光の組み合わせを使用することができる。光の波長の分散すなわち帯域幅を減らすことによって、光がスライド701を通過するときに受光装置200がとらえる画像における歪みが低減する。コンピュータ300は、光の焦点をスライド上に適切に合わせるように光源(610又は630)からの光の焦点を合わせるために、発光装置600に命令することもできる。これを行うために、コンピュータ300は、各色の光の焦点を最適化するように焦点アジャスタに命令することができる。
【0031】
スライド装置700(THE SLIDE APPARATUS 700)
図1A、図2、図3は、スライド701と、検体ゾーン710と、スライドフレーム720と、スライドホルダ730とを備えたスライド装置700の実施形態を示している。しかし、本発明の他の実施形態は、スライドホルダ730又はスライドフレーム720の使用を必要としない場合がある。さらに、検体ゾーン710の境界マークも任意選択的であり、1つ又は複数の疎水性リング又は他の彩色マークを備えてもよい。これらのリングは、血液試料を収容するのを助けることができ、また、スライドを顕微鏡下で手動で観察するときに検体ゾーンを迅速に位置決めすることによってスライドの画像を調べ直すことを容易にする(分析プロセスの画像解釈の助けともなり得る)。リングはまた、染料をスライド上に移す際に助けにもなり得る。さらに、検体ゾーンは矩形として示されているが、円形又は三角形のような他の形状を使用してもよい。0.5平方センチメートル〜3平方センチメートルの総面積を有するゾーンを含む異なるサイズの検体ゾーンを使用してもよい。スライド701は、ガラス又はプラスチックから製造してもよく、高さ25.4mm(1インチ)×幅76.2mm(3インチ)×厚さ1mmであってもよい。また図2及び図3は、スライド上の流れ750中に分散した流体試料を示している。流体は、図3に示されるように流れで分散してもよく、又は図4に示されるように渦巻パターンで分散してもよい。
【0032】
放電装置900(THE DISCHARGE DEVICE 900)
図1Bを参照すると、このシステムは、スライド701を前処理する放電装置900を備えている。この放電装置は、コロナ放電装置の形態をとってもよい。放電装置900は、高強度の熱を生成して小粒子を消散させることによってスライド701を洗浄し、親水性表面を作り出すことができる。エレクトロ・テクニック・プロダクツ社のサヴィキPAが、本発明と適合するコロナ放電装置を作製している。前処理を行うために、コンピュータ300は、放電装置900をオンにし、スライド装置コントローラ760に対して、約15秒間(1秒〜20秒の範囲を使用してもよい)スライドをスパイラル運動又はラスター運動させる。この放電装置は、スライドから角度を付けて設定してもよく、又はスライドの上方に直接位置付けてもよい。通常、放電装置900は、スライドの上方のおよそ10mm〜20mmに位置付けることができる。
【0033】
スライドラベラ1000及びスライドラベル読取機1100(THE SLIDE LABELER 1000 AND SLIDE LABEL READER 1100)
システム10は、任意にスライドラベラ1000を備え、また任意にスライドラベル読取機1100を備えてもよい。スライドラベル読取機1000は、図1A及び図1Bに示されるように、プラットフォーム100上のフィーダ102の近くに位置してもよく、又は独立型であるか若しくは他の構成要素に取り付けてもよい。スライドラベラ1000は、ラベルをスライド上に配置することができる。ラベル770は、スライド上にステッカー、バーコード、RFIDタグ、EASタグ、又は他の種類のマーキングのようなアイテムを含んでもよい。図3は、その上にUPCバーコードラベルを有する例示的なスライドを示しているが、他の従来のマーキングを使用してもよい。さらに、マーキングは、塗料若しくはインクによってスライドへ直接塗布してもよく、又は(ステッカーのような)書き込み媒体及び接着剤を使用してスライドへ付着させてもよい。
【0034】
システム10は、スライドラベル読取機1100を備えてもよい。スライドラベル読取機1100は、スライドラベラ1000又はシステムの外部のラベラからスライド上に配置されるマーキングを読み取ることができる。スライドラベル読取機1100は、質問機、バーコードリーダ又は他の光学装置を備えてもよい。いくつかの実施形態では、システム10は、受光装置200を使用してラベル770の画像をとらえることによって、スライドラベル読取機1100を用いることなくラベル770からの情報を決定することが可能である。コンピュータ300又は受光装置(プロセッサ及びメモリを含む場合)は、ラベルを含む画像に対して画像化処理を行い、ラベル770に関する情報を決定することができる。
【0035】
骨髄(BONE MARROW)
上述したように、本発明は、末梢血又は全血を分析するために使用することができる。しかし、本発明を用いて種々の体液の細胞の研究をすることもできる。例えば、本明細書に記載される準備方法及び分析技術は、骨髄穿刺液試料にも適用することができる。骨髄試料は、細胞密度が高く、末梢血ではほとんど見られない多くの未成熟の赤血球及び白血球の種類を含む。細胞の薄層を準備する技術と、ロマノフスキー染料による染色と、画像分析による分析とを、骨髄穿刺液にも適用することができるが、さらなる種類の細胞を識別するには、より精緻な画像分析が必要である。
【0036】
末梢血試料と同様に、骨髄試料は、抗凝固剤の入った容器に回収することができる。この抗凝固剤は、EDTA又はヘパリンであってもよい。さらなる希釈流体又は保存流体を試料に添加してもよい。本明細書において記載された機器では、骨髄試料は、最初に試料を攪拌して完全な混合物を提供することによって準備される。そのような試料の細胞密度が不明確であることから、1つ又は複数の希釈液を調製してスライド上へピペットによって移してもよい。一つの実施形態では、3つの希釈プロセスを用いて3つの検体を作り出すことができる。第1の検体は、希釈剤2部を骨髄1部に添加することによって作り出すことができる。次いで、第1の検体は、スライド701の検体ゾーン710の第1の部分上へ噴出させる。第2の検体は、希釈剤4部を骨髄1部に添加することによって作り出すことができる。次いで、第2の検体は、スライド701の検体ゾーン710の第2の部分上へ噴出させる。第3の検体は、希釈剤8部を骨髄1部に添加することによって作り出すことができる。次いで、第3の検体は、スライド701の検体ゾーン710の第3の部分上へ噴出させる。
【0037】
画像分析の場合、スライド上の細胞領域の低倍率評価は、後の分析のために3つの領域のうち最適な1つを選択することができる。スライドの適切な領域が選択されると、200個以上の骨髄細胞を測定して百分率を決定する。
【0038】
網状赤血球(RETICULOCYTES)
システム10は、血液試料中の網状赤血球の数を計数することもできる。RNAをマーキングするためにロマノフスキー染料を使用して、コンピュータ300は、検体中に存在する網状赤血球を計数することができる。ロマノフスキー染料を使用する場合、網状赤血球は、他の赤血球よりもわずかに青く見え、また通常わずかに大きい。コンピュータ300は、その分析プロセス(図7A及び図7Bの16A又は17B)を使用して、赤血球の青色成分を定量化することができる。分析プロセスは、600nm(470nm〜750nmの範囲)の非青色光によって撮影した画像から430nm(400nm〜470nmの範囲)の青色光によって撮影した1つの画像を差し引くことによって形成される細胞の異なる画像の積分光学濃度を測定することができる。この分析プロセスは、規定の範囲の積分青色成分を有する赤血球の数を、手動で、又は特別な染料を使用するフロー法によって計数した網状赤血球の数と相関させることができる。分析プロセスの精度は、細胞物体のサイズ、形状、色及び測定される特徴を測定するように、分析プロセス(16A又は17B)に要求することによってさらに高めることができる。例えば、分析プロセスは、真の網状赤血球ではなく、赤血球と、赤血球の下方にあるか又は上方にある青みがかった血小板との違いを検出することができる。
【0039】
プロセスフロー(PROCESS FLOWS)
本発明の実施形態は、図1A又は図1Bに示される複数のスライド装置700をパイプラインシリーズで処理することが意図されるが、スライド装置700を並列に処理する実施形態も意図され得る。より多くの(例えば10個〜20個)のスライド装置を直列又は並列で処理することのできる実施形態を構成してもよく、又は容量がより小さいシステム10を構成してもよい(一度に4個〜8個のスライドを処理する)。以下の2つの段落は、図1A及び図1Bの例示的なプロセスフローを説明するが、代替的なプロセスフローが可能であり、実現可能である。これらのプロセスフローは、図10A及び図7Bにも示されている。加えて、他の構成のシステムが可能であり、異なるプロセスフローを有する可能性がある。さらに、一連の工程が提示されているが、工程の多くは、異なる順番で提示するか、又は同時に行うことができる。最後に、以下の工程の大部分は任意選択的であり、プロセスフローから除外してもよい。
【0040】
図1A及び図7Aに示される実施形態では、コンピュータ300のメモリに記憶されているソフトウェアは、コンピュータに対し、プロセス1A〜16Aに関連する順番、速度及び変数を制御させることができる。これらのプロセスは、コンピュータ300が、ラベル770をスライド701上に配置するようにスライドラベラ1000に対して命令を送信することから開始する。ラベリングプロセス1Aは、フィーダ102において行ってもよく、又は斜面104上若しくはスライド装置コントローラ760において行ってもよい。スライド装置700をフィーダ102から移動させるために、コンピュータ300は、フィーダ推進機構103を作動させるようにフィーダ102に対して命令を送信することができる。コンピュータ300は、スライド装置700をアドバンサ110上へ移動させることを含み得るフィーダプロセス2Aも開始させることができる。このフィーダプロセスは、センサを使用してフィーダ102内のスライドの数を決定することを含んでもよい。コンピュータは、アドバンサ110に、スライドを塗布ステーションAへ、またスライドコントローラ760(存在する場合)上へ移動させることを含む前進プロセス3Aを開始させることができる。スライド装置がスライドコントローラ上に来ると、スライドを放電装置900によって前処理することができる。前処理プロセス4Aは、放電装置がスライド701から残屑を消散させるときにスライドコントローラ760がスライド装置700を回転又はスピンさせることを含む。任意の前処理プロセス4Aが完了すると、塗布プロセス5Aを開始することができる。塗布プロセス5Aは、オペレータに、リザーバタンク420を希釈剤で、またリザーバタンク430を体液で充填させることを含む。末梢血又は骨髄穿刺液のような体液を使用することができる。代替的には流体は、患者の試料バイアルから自動的に吸引してもよい。ミキサ440は、希釈剤と体液とを2:1(体液:希釈剤)のような特定の比で混合して希釈体液を形成する混合プロセス6Aを開始することができる。希釈体液をスライド701へ塗布するために、2つの体液塗布プロセス7A又は7B(図7A及び図7B、アプリケータ400と関連して上述した)の一方を行うことができる(が、いずれかのプロセスを両方の実施形態に用いてもよい)。塗布の完了後、アドバンサ110は、スライド装置を調製ステーションBまで移動させる前進プロセスを続けることができる。体液塗布プロセス7Aが完了すると、乾燥プロセス8Aを開始することができる。この乾燥プロセスは、ガス移動装置500を使用してガスをスライド上へある期間(例えば20秒〜30秒)誘導することを含む。スライドが乾燥すると、固定プロセス9Aを用いて体液を固定することができる。体液は、固定した後で、染色プロセス7Aを用いて染色することができる。体液を染色した後、染料除去プロセス11Aを用いて余分な染料を除去することができる。染料除去プロセス11Aは、染料及び/又は固定剤をスライドから排出させるために、スライドを少なくとも部分的に傾けるスライド傾斜プロセスを含む。検体の画像をとらえるために、アドバンサ110は、スライド装置を画像化ステーションCへ前進させ続けることができる。このシステムは、画像化ステーションCにおいて、それぞれ検体を照明する発光装置600及び照明された検体の画像をとらえる受光装置200を使用した検体照明プロセス12A並びに画像化プロセス15Aを作動させることができる。コンピュータ300は、異なるフィルタを光に適用するように発光装置に命令し、濾光プロセス13Aを用いて照射された光の波長を変化させることができる。代替的には、LEDを備える発光装置600を設ける場合、13BのLED照明プロセスを用いてもよい。スライドムーバ201によってスライド移動プロセス14Aを行い、スライド701を種々のX方向位置、Y方向位置、Z方向位置に位置付けることができる。多くの実施形態において、受光装置のレンズの倍率を高くすることによって検体の総面積の一部しか含まない視野が生成されるため、スライド移動プロセス14Aを用いて、検体を異なるX位置、Y位置に移動させることにより、受光装置200が複数の画像331を撮影して検体全体をとらえることが可能となる。スライドムーバは、スライドを複数の画像化ステーションへ移動させて、受光装置が種々の倍率で画像を撮影することを可能にすることもできる。スライドムーバは、スライドをZ方向へ移動させて、受光装置が種々の倍率で画像を撮影することを可能にすることもできる。システム10は、ラベル読取機1100を使用してスライド上のラベルを読み取ることができ(ラベル読取プロセス16Aの使用)、又は代替的には、コンピュータが画像認識ソフトウェアを使用してラベル上の記号を認識してもよい。受光装置は、リンク11を通じて画像をコンピュータへ転送することができる。コンピュータは、これらの画像を内部メモリに保存し、そのソフトウェアを使用して画像を分析し(分析プロセス17Aの使用)、細胞を計数すると共に結果として生じるデータに関する計算を行うことができる。ソフトウェアは、結果332の表、チャート又はグラフを含む結果を生成することができ、画像331をコンピュータ300のディスプレイ320に表示することができる。
【0041】
図7Bに第2のプロセスフローが示されている(図1Bも参照する)。このプロセスは、コンピュータ300が、ラベル770をスライド701上に配置するようにスライドラベラ1000に対して命令を送信することで開始する。ラベリングプロセス1Bは、フィーダ102において行ってもよく、又は斜面104上若しくはスライドコントローラ760において行ってもよい。スライド装置700をフィーダ102から移動させるために、コンピュータ300は、フィーダ推進機構103を作動させるようにフィーダ102に対して命令を送信することができる。コンピュータ300は、スライド装置700を、斜面104を下降させてアドバンサ110上へ移動させることを含み得るフィーダプロセス2Bも開始させることができる。フィーダプロセス2Bは、センサを使用してフィーダ102内のスライドの数を決定することを含む。コンピュータは、アドバンサ110に、スライドを塗布ステーションAへ、またスライドコントローラ760(存在する場合)上へ移動させることを含む前進プロセス3Bを開始させることができる。スライド装置がスライドコントローラ760上に来ると、スライド701を放電装置900によって前処理することができる。前処理プロセス4Bは、放電装置がスライド701からいかなる残屑も消散させるときに、スライドコントローラ760がスライド装置700を回転又はスピンさせることを含む。任意の前処理プロセス4Bが完了すると、アプリケータプロセス5Bを開始することができる。アプリケータプロセス5Bは、オペレータに、リザーバタンク420を希釈剤で、またリザーバタンク430を体液で充填させることを含む。代替的には流体は、患者の試料バイアルから自動的に吸引してもよい。末梢血又は骨髄穿刺液のような体液を使用することができる。アプリケータ400は、染料を収容する第3のリザーバと、おそらくは固定剤を収容する第4のリザーバとを含む(しかし、他の実施形態では、染料及び固定剤は同じリザーバ内に貯蔵してもよい)。ミキサ440は、希釈剤と体液とを(また場合によっては染料及び固定剤とを)2:1(体液:希釈剤)のような特定の比で混合して希釈体液を形成する混合プロセス6Bを開始することができる。これらの実施形態では、アプリケータ400は、体液をスライドへ塗布した後で、それぞれ染色プロセス及び固定プロセスを用いて染料及び/又は固定剤を塗布する。スライドが乾燥すると、固定プロセス9Bを用いて体液を固定することができる。体液は、固定した後で、染色プロセス7Bを用いて染色することができる。希釈体液をスライド701へ塗布するために、2つの体液塗布プロセス7A又は7B(アプリケータ400と関連して上述した)の一方を行うことができる(が、いずれかのプロセスを両方の実施形態に用いてもよい)。体液塗布プロセス7Bが完了すると、乾燥プロセス8Bを開始することができる。乾燥プロセスは、ガス移動装置500を使用してガスをスライド上へある期間(例えば20秒〜30秒)誘導することを含む。体液を染色及び固定した後、染料除去プロセス11Bを用いて染料を除去することができる。染料除去プロセス11Bは、染料及び/又は固定剤をスライドから排出させるために、スライドを少なくとも部分的に傾けるスライド傾斜プロセスを含む。検体の画像をとらえるために、アドバンサ110は、スライド装置を画像化ステーションCへ前進させ続けることができる。このシステムは、画像化ステーションCにおいて、それぞれ検体を照明する発光装置600及び照明された検体の画像をとらえる受光装置200を使用した検体照明プロセス12B並びに画像化プロセス15Bを作動させることができる。コンピュータ300は、LED照明プロセス13Bを用いて、一連の狭帯域光をスライド701上へ適用するように光源600に命令することができる。代替的には、フィルタを有する発光装置600を設ける場合、コンピュータ300は、光を放射するために発光装置に命令すると共に、光に異なるフィルタを適用して、濾光プロセス13Aを用いて照射された光の波長を変化させてもよい。スライドが照明されると、スライドムーバ201によってスライド移動プロセス14Bを行い、スライド701を種々のX位置、Y位置、Z位置に位置付けることができる。多くの実施形態において、受光装置のレンズの倍率を高くすることによって検体の総面積の一部しか含まない視野が生成されるため、スライド移動プロセス14Bを用いて検体を異なるX位置、Y位置に移動させることにより、受光装置200が複数の画像を撮影して検体全体をとらえることが可能となる。スライドムーバは、スライドを複数の画像化ステーションへ移動させて、受光装置が種々の倍率で画像を撮影することを可能にすることもできる。スライドムーバは、スライドをZ方向へ移動させて、受光装置が種々の倍率で画像を撮影することを可能にすることもできる。システム10は、ラベル読取機1100を使用してスライド上のラベルを読み取ることができ(ラベル読取プロセス16Bの使用)、又は代替的には、コンピュータが画像認識ソフトウェアを使用してラベル上の記号を認識してもよい。受光装置は、リンク11を通じて画像をコンピュータへ転送することができる。コンピュータは、これらの画像を内部メモリに保存し、そのソフトウェアを使用して画像を分析し(分析プロセス17Bの使用)、細胞を計数すると共に結果として生じるデータに関する計算を行うことができる。ソフトウェアは、結果の表、チャート又はグラフを含む結果を生成することができ、画像331又は結果332をコンピュータ300のディスプレイ320に表示することができる。
【0042】
試験結果(THE RESULTS)
この方法の精度を確認するために、デジタル画像からRBC及びWBCを計数するコンピュータアルゴリズムを開発した。
【0043】
以下の表1は、34個のスライドのデータのまとめを示している。「本発明の」データは、上述の方法を使用して生成し、画像分析計数アルゴリズムを使用して分析したスライドからの赤血球数及び白血球数を表している。「シスメックス」のデータは、市販の「フローベース」自動化CBC分析器からの赤血球数及び白血球数を表している。検体は、非常に多数の赤血球数及び白血球数、並びに非常に少数の赤血球数及び白血球数を含むことに留意されたい。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】
スライドを準備する2つのセッションの間に、34個の患者の試料からデータを得た。データは典型的な患者を表すものであるが、管は、赤血球数及び白血球数が広範に分布する患者から選択した。34個の試料の全てではないにしてもほとんどは、日中冷蔵庫で「保管」されていた検体から得て、その後夕方近くに取り出して機器で準備した。管を取り出すと、連続的に処理した。
【0047】
最初に、手動で計数した顕微鏡視野と自動計数とを比較することによって、アルゴリズムを確認した。手動で計数した細胞と自動的に計数した細胞との間には、高い相関関係があった。
【0048】
これらの2つの方法の高い相関関係は、赤血球数及び白血球数の両方で見られた(表1及び表2並びに図5及び図6を参照)。図5のグラフは、赤血球に関してシスメックスの計数と自動化したスライドに基づく計数との相関を示している。データの点はきちんと密集しており、縦軸上の数(本発明の計数)が横軸上の数(シスメックスの計数)と同様であることを示す線を形成している。そのようなデータに関しては通常、相関係数(Rの2乗)を計算して一致の度合いを示すことができ、ここで、100%は完全な一致である。この赤血球のデータに関しては、高い一致の度合いを示す97.95%のRの2乗が計算され、2つの異なる自動化機器が示し得るものと同様であった。図6に示されるグラフは、白血球に関するシスメックスの計数と自動スライドに基づく計数との相関を示している。未加工の計数は、1つのスライド当たり147個の白血球〜11250個の白血球と様々であった。この白血球のデータに関しては、高い一致の度合いを示す99.70%のRの2乗が計算され、2つの異なる自動化機器が示し得るものと同様であった。これによって、細胞の定量的移動(quantitative transfer)への新規な取り組みが成功したことと、コンピュータ画像化の自動細胞計数により正確な結果がもたらされたこととが確認される。
【0049】
CBC及び白血球(WBC)百分率の例示的なプロセス
以下の工程シーケンスは任意の順番で行うことができ、いくつかの工程を省くか又は代わりに他の工程を行ってもよい。
工程1.患者の血液を充填した管から既知の容量の血液を採取する。
工程2.必要であれば血液を希釈する。例えば、希釈剤として5%のアルブミンを含む蒸留水を使用してもよい。
工程3.既知の容量の血液又は血液に希釈剤を足したものを、顕微鏡のスライドガラス上のある領域にわたって薄い層に広げる。スライドは、細胞をよりよく広げるために親水性表面をもたらすように処理してもよい。スライドは、血液成分がスライドに最適に付着するように処理してもよい。
工程4.スライドを空気乾燥させる、あるいは、少量の空気又は熱を使用して乾燥を助ける。
工程5.カバースリップのない状態で補正される「乾燥」対物レンズを使用して、カバースリップを使用することなく画像をとらえる。例えば、CCDカメラに接続されている10倍又は20倍の対物レンズを使用してもよい。赤血球(RBC)並びに可能性としては白血球(WBC)及び血小板を含む各画像フレーム内の数を決定する。例えば、カラーカメラを使用するか又は干渉フィルタ若しくはLEDが生成する狭帯域光照明を使用して1つ又は複数のカラーを用いてもよい。このとき、ヘモグロビン含量の測定も行うことができる。
工程6.細胞をスライド上に固定して染色する。固定は、別個の工程であってもよく、又は染色と組み合わせてもよい。
工程7.「乾燥」対物レンズを使用して、カバースリップを使用することなく染色したスライドの画像をとらえ、RBC、WBC及び血小板並びにヘモグロビンを計数する。この工程は、工程5の代わりに、又は工程5と併せて行うことができる。
工程8.「乾燥」対物レンズ、例えばカバースリップに関して補正されない40倍又は50倍の対物レンズを用いて、カバースリップを使用することなく取得した高解像度画像からWBC百分率を遂行する。カラーカメラ、又はカラーフィルタを使用するか若しくはLED照明を使用して撮影した複数の白黒画像を使用してもよい。この工程は、工程7の追加として、又は工程7と組み合わせて行うことができる。
工程9.所望のパラメータ及びCBCに必要な派生パラメータを計算する。
工程10.オペレータに対して、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)に全てのCBCパラメータを表示する。
工程11.オペレータに対して、GUIにWBC百分率の結果を表示する。
工程12.RBC、WBC、血小板及び何らかの正常ではない/異常な血液成分の画像をオペレータに対して表示する。
工程13.オペレータが画像と相互作用することを可能にし、パラメータにCBC、WBC百分率を「サインオフ」させ、正常ではない、すなわち異常な物体を同定する。
工程14.必要であれば、工程13におけるオペレータの相互作用に応じてCBC及びWBCの計数の結果をアップデートする。
工程15.任意に、電動式のコンピュータ制御可能なステージを備える顕微鏡に対象の物体を再配置し、物体を自動的に再配置して調べることを可能にする。
工程16.任意に、顕微鏡オペレータの相互作用に応じてCBC及びWBCの計数の結果をアップデートする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液又は骨髄由来の細胞を分析するシステムであって、
a.前記骨髄又は前記血液を含む流体を分注するアプリケータであって、アプリケータコントローラと前記流体及び前記細胞をスライド上へ分注するチップとを備えたアプリケータと、
b.前記スライド上の前記細胞の画像をとらえるレンズを備えた受光装置と、
c.マイクロプロセッサとコンピュータ可読媒体に記憶されているソフトウェアとを含むコンピュータと
を備え、
前記ソフトウェアは、前記コンピュータに対して、
i.前記チップを前記スライド上の特定の高さの位置に位置付けるように前記アプリケータコントローラに命令する工程であって、前記位置は、X方向成分と、Y方向成分と、Z方向成分とを有する工程と、
ii.前記アプリケータのチップを特定の速度で前記スライドを横切って移動させるように前記アプリケータコントローラに命令する工程であって、前記速度は、ある方向成分及びある速度成分を有する工程と、
iii.希釈流体を前記チップから特定の速度で流出させるように前記アプリケータに命令する工程と、
iv.前記チップの位置が一定のZ方向成分を有するように、前記チップに細胞の第1の流れを前記スライドにわたって塗布させる工程であって、前記第1の流れは、細胞の単層及びある流れ幅を有する工程と、
v.前記チップの位置を特定の距離だけ変えるように前記アプリケータコントローラに指示する工程と、
vi.前記チップの位置が一定のZ方向成分を有するように、前記チップに細胞の第2の流れを前記スライドにわたって塗布させる工程であって、前記第2の流れは前記第1の流れの近くの位置に定着する工程と
を行わせるシステム。
【請求項2】
前記第1の流れ及び前記第2の流れは、前記スライド上に、間隙のない連続的な細胞の単層を形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記特定の距離は、前記流れ幅におおよそ等しい、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記血液又は前記骨髄を貯蔵する第1のリザーバと、
希釈剤を貯蔵する第2のリザーバと、
前記血液又は前記骨髄と前記希釈剤とを混合して希釈流体を形成するミキサと
を備える、請求項1に記載のアプリケータ。
【請求項5】
前記システムは前記流体を含み、該流体は、血液又は骨髄と、塩又はタンパク質を主成分とする希釈剤とを含有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは前記流体を含み、該流体は、血液又は骨髄と、ウシアルブミン、プラズマネート、フィコールデキストランのいずれかとを含有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは前記流体を含み、該流体は、血液又は骨髄と、プラズマネート1部毎にプラズマライト4部を含有する希釈剤とを含有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは前記流体を含み、該流体は、5容量%のアルブミンを含有する希釈剤1部毎に血液2部を含有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ソフトウェアは、前記コンピュータに対して、
a.前記第1の流れの画像をとらえるように受光装置に命令する工程と、
b.前記第1の流れの幅を決定するために前記画像を分析する工程と、
c.前記チップを前記第1の流れの幅と等しい距離だけ移動させるように前記コントローラに指示する工程と
を行わせる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ソフトウェアは、前記コンピュータに対して、
a.細胞の第3の流れを前記スライドにわたって一定のY方向成分及びZ方向成分並びに増大するX方向成分を有する線に沿って塗布するように前記アプリケータコントローラに指示する工程と、
b.細胞の第4の流れを前記スライドにわたって一定のY方向成分及びZ方向成分並びに減少するX方向成分を有する線に沿って塗布するように前記アプリケータコントローラに指示する工程と
を行わせ、
c.前記第1の流れと、前記第2の流れと、前記第3の流れと、前記第4の流れとは、前記スライド上に、間隙のない連続的な細胞の単層の流れを形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記スライドを洗浄する放電ユニットと、
染料を前記スライド上へ分注するディスペンサと、
前記スライドを傾けて余分な染料を除去するスライドティルタと、
前記スライドの画像を撮影する受光装置と、
前記スライドを前記受光装置の下に位置付けるスライドムーバと、
前記スライド上へ又は該スライドを通して光を誘導する発光装置と
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ソフトウェアは、前記コンピュータに、
a.前記コントローラが前記チップを前記スライドの上方約70ミクロンに位置付け、
b.前記アプリケータが流体を約0.1マイクロリットル/秒の速度で前記チップから流出させ、
c.前記コントローラが前記チップを前記スライドに沿って約30mm/秒の速度で移動させる
ように命令させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
a.新たなスライドを保管するフィーダと、
b.細胞の単層を前記スライド上へ塗布する第1のステーションと、
c.前記スライドを染色、固定及び乾燥させる第2のステーションと、
d.前記スライドを照明すると共に画像化する第3のステーションと、
e.処理したスライドを受け取るコレクタと、
f.前記スライドを、前記フィーダから開始して、前記第1のステーション、前記第2のステーション、前記第3のステーション、次いで前記コレクタまで、前記システムを通して移動させるアドバンサと
を有するプラットフォームを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記ソフトウェアは、前記コンピュータに、
発光源が、
a.前記スライドを照明する白色光を照射し、
b.第1の光フィルタを前記白色光に適用して前記白色光の照射を第1の波長に制限し、
c.第2の光フィルタを前記白色光に適用して前記白色光の照射を第2の波長に制限する
ように命令させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記ソフトウェアは、前記コンピュータに、前記発光源が第3の光フィルタを前記白色光に適用して前記白色光の照射を第3の波長に制限するように命令させる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の波長は430nmであり、前記第2の波長は570nmである、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の波長は430nmであり、前記第2の波長は500nmであり、前記第3の波長は525nm又は600nmである、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記ソフトウェアは、前記コンピュータに、
a.空間シフト又は他の歪みを補償することによって前記画像を洗練させ、
b.白色光の少なくとも2つの別個の波長が前記スライドに誘導されるときに前記受光装置がとらえる2つ以上の画像を組み合わせて、マルチカラー画像を表示するために生成する、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記ソフトウェアは、前記コンピュータに、前記細胞の空間的特徴と、濃度的特徴と、比色的特徴と、構造的特徴とを決定させて、細胞の種類を分類する、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記コンピュータの前記ソフトウェアは、
a.前記コンピュータに、前記受光装置が前記スライドの白黒画像をとらえるように命令させ、
b.前記コンピュータに、前記レンズの焦点距離を調整することによって焦点及び画質を補正させ、
c.前記コンピュータに、複数のフィルタを前記スライドと前記光源との間に介在させながら前記レンズの焦点位置をシフトさせる、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
前記白色光を生成するハロゲン球と、
前記フィルタの位置を変える回転モータと
を備える、請求項14に記載の発光源。
【請求項22】
前記ソフトウェアは、前記コンピュータに、
光源が、
a.第1のLEDに第1の波長で光を照射させ、
b.第2のLEDに第2の波長で光を照射させる
ように命令させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
血液又は骨髄由来の細胞を分析する方法であって、
a.前記血液又は前記骨髄を含有する流体を、チップを使用してスライド上へ分注することと、
b.受光装置を用いて前記スライドの画像をとらえることと、
c.前記スライド上方のX方向成分とY方向成分とZ方向成分とを有する特定の高さの位置に前記チップを位置付けるように、アプリケータコントローラに命令することと、
d.アプリケータのチップを、ある方向成分及びある速度成分を有する特定の速度で前記スライドを横切って移動させるように、前記アプリケータコントローラに命令することと、
e.希釈流体を前記チップから特定の速度で流出させるように前記アプリケータに命令することと、
f.前記チップの位置が一定のZ方向成分を有するように、前記チップに、細胞の単層及びある流れ幅を有する細胞の第1の流れを前記スライドにわたって塗布させることと、
g.前記チップの位置を特定の距離だけ変えるように前記アプリケータコントローラに指示することと、
h.前記チップの位置が一定のZ方向成分を有するように、前記チップに、前記第1の流れの近くの位置に定着する細胞の第2の流れを前記スライドにわたって塗布させることと
を含む方法。
【請求項24】
前記血液又は前記骨髄を第1のリザーバに貯蔵する工程と、
希釈剤を第2のリザーバに貯蔵する工程と、
ミキサにおいて前記血液又は前記骨髄と前記希釈剤とを混合して希釈流体を形成する工程と、
チップを使用して前記流体及び前記細胞をスライド上へ分注する工程と
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の流れ及び前記第2の流れは、前記スライド上に、間隙のない連続的な細胞の単層を形成する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記特定の距離は前記流れ幅に等しい、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記流体は、塩又はタンパク質を主成分とする希釈剤を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記流体は、ウシアルブミン、プラズマネート、フィコール、デキストランのいずれかを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記流体は、プラズマネート1部毎にプラズマライト4部を含有する希釈剤を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記流体は、5容量%のアルブミンを含有する希釈剤1部毎に血液2部を含有する、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
a.前記第1の流れの画像をとらえるように受光装置に命令する工程と、
b.前記第1の流れの幅を決定するために前記画像を分析する工程と、
c.前記チップを前記第1の流れの幅と等しい距離だけ移動させる工程と
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
a.細胞の第3の流れを前記スライドにわたって、一定のY方向成分及びZ方向成分並びに増大するX方向成分を有する線に沿って塗布する工程と、
b.細胞の第4の流れを前記スライドにわたって、一定のY方向成分及びZ方向成分並びに減少するX方向成分を有する線に沿って塗布する工程と
を含み、
c.前記第1の流れと、前記第2の流れと、前記第3の流れと、前記第4の流れとは、前記スライド上に、間隙のない連続的な細胞の単層の流れを形成する、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記スライドを洗浄する放電ユニットを準備する工程と、
染料を前記スライド上へ分注するディスペンサを準備する工程と、
前記スライドを傾けて余分な染料を除去するスライドティルタを準備する工程と、
前記スライドの画像を撮影する受光装置を準備する工程と、
前記スライドを前記受光装置の下に位置付けるスライドムーバを準備する工程と、
前記スライド上へ又は該スライドを通して光を誘導する発光装置を準備する工程と
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項34】
a.前記チップを前記スライドの上方約70ミクロンに位置付ける工程と、
b.流体を約0.1マイクロリットル/秒の速度で前記チップから流出させる工程と、
c.前記チップを前記スライドに沿って約30mm/秒の速度で移動させる工程と
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項35】
a.新たなスライドを保管するためのフィーダを備えたプラットフォームを準備する工程と、
b.細胞の単層を前記スライド上へ塗布する第1のステーションを準備する工程と、
c.前記スライドを染色、固定及び乾燥させる第2のステーションを準備する工程と、
d.前記スライドを照明すると共に画像化する第3のステーションを準備する工程と、
e.処理したスライドを受け取るコレクタを準備する工程と、
f.前記スライドを、前記フィーダから開始して、前記第1のステーション、前記第2のステーション、前記第3のステーション、次いで前記コレクタまで、前記システムを通して移動させる工程と
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項36】
a.前記スライドを照明する白色光を照射する工程と、
b.前記白色光の照射を第1の波長に制限するために第1の光フィルタを前記白色光に適用する工程と、
c.前記白色光の照射を第2の波長に制限するために第2の光フィルタを前記白色光に適用する工程と
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項37】
前記白色光の照射を第3の波長に制限するために第3の光フィルタを前記白色光に適用する工程を含む、請求項23に記載のプロセス。
【請求項38】
前記第1の波長は430nmであり、前記第2の波長は570nmである、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の波長は430nmであり、前記第2の波長は500nmであり、前記第3の波長は525nm又は600nmである、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
a.空間シフトを補償することによって前記画像を洗練させる工程と、
b.白色光の少なくとも2つの別個の波長が前記スライドに誘導されるときに、マルチカラー画像を表示するために生成するように、前記受光装置がとらえる2つ以上の画像を組み合わせる工程と
を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
細胞の種類を分類するために、前記細胞の空間的特徴、濃度的特徴、比色的特徴、構造的特徴を決定する工程を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
a.前記受光装置に前記スライドの白黒画像をとらえるように命令する工程と、
b.前記レンズの焦点距離を調整することによって焦点及び画質を補正する工程
と、
c.複数のフィルタを前記スライドと前記光源との間に介在させながら前記レンズの焦点位置をシフトさせる工程と
を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記白色光を生成するハロゲン球と、前記フィルタの位置を変える回転モータとを準備する工程を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
a.第1のLEDに第1の波長で光を照射させる工程と、
b.第2のLEDに第2の波長で光を照射させる工程と
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項45】
カバースリップ又は油対物レンズを前記スライドに取り付けることを含まない、請求項23に記載の方法。
【請求項46】
血液又は骨髄由来の細胞を分析するシステムであって、
a.前記骨髄又は前記血液を含む流体を分注するアプリケータであって、アプリケータコントローラと、前記流体及び前記細胞とをスライド上へ分注するチップを備えたアプリケータと、
b.マイクロプロセッサと、コンピュータ可読媒体に記憶されているソフトウェアとを含むコンピュータと
を備え、
前記ソフトウェアは、前記コンピュータに対して、
i.前記チップを前記スライド上方の特定の高さの位置に位置付けるように前記アプリケータコントローラに命令する工程であって、前記位置は、X方向成分とY方向成分とZ方向成分とを有する工程と、
ii.前記アプリケータのチップを特定の速度で前記スライドを横切って移動させるように前記アプリケータコントローラに命令する工程であって、前記速度は、ある方向成分及びある速度成分を有する工程と、
iii.希釈流体を前記チップから特定の速度で流出させるように前記アプリケータに命令する工程と、
iv.前記チップの位置が一定のZ方向成分を有するように、前記チップに細胞の第1の流れを前記スライドにわたって塗布させる工程であって、前記第1の流れは、細胞の単層及びある流れ幅を有する工程と、
v.前記チップの位置を特定の距離だけ変えるように前記アプリケータコントローラに指示する工程と、
vi.前記チップの位置が一定のZ方向成分を有するように、前記チップに細胞の第2の流れを前記スライドにわたって塗布させる工程であって、前記第2の流れは、前記第1の流れの近くの位置に定着する工程と
を行わせるシステム。
【請求項47】
前記システムは2つの受光装置を備え、
前記コンピュータは、第1の受光装置に、染色及び固定されていないスライドの画像をとらえさせ、前記コンピュータは、第2の受光装置に、前記スライドを染色及び固定した後で、該スライドの画像をとらえさせる、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
血液又は骨髄由来の細胞を分析する方法であって、
a.前記血液又は前記骨髄を含有する流体を、チップを使用してスライド上へ分注することと、
b.前記スライド上のX方向成分とY方向成分とZ方向成分とを有する特定の高さの位置に前記チップを位置付けるように、アプリケータコントローラに命令することと、
c.前記アプリケータのチップを、ある方向成分及びある速度成分を有する特定の速度で前記スライドを横切って移動させるように、前記アプリケータコントローラに命令することと、
d.前記流体を前記チップから特定の速度で流出させるように前記アプリケータに命令することと、
e.前記チップの位置が一定のZ方向成分を有するように、前記チップに、細胞の単層及びある流れ幅を有する細胞の第1の流れを前記スライドにわたって塗布させることと、
f.前記チップの位置を前記流れ幅に等しい距離だけ変えるように、前記アプリケータコントローラに指示することと、
g.前記チップの位置が一定のZ方向成分を有するように、前記チップに、前記第1の流れの近くの位置に定着する細胞の第2の流れを前記スライドにわたって塗布させることと
を含む方法。
【請求項49】
染色及び固定されていないスライドの画像をとらえるように第1の受光装置に命令する工程と、
前記スライドを染色及び固定した後で、該スライドの画像をとらえるように第2の受光装置に命令する工程と
を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
血液又は骨髄由来の細胞を分析するシステムであって、
a.前記骨髄又は前記血液を含む流体を分注するアプリケータであって、前記流体及び前記細胞をスライド上へ分注するチップを備えたアプリケータと、
b.前記スライドを移動させるスライドコントローラと、
c.マイクロプロセッサと、コンピュータ可読媒体に記憶されているソフトウェアとを含むコンピュータと
を備え、
前記ソフトウェアは、前記コンピュータに対して、
i.前記スライドを前記チップの下方の特定の高さの位置に位置付けるように前記スライドコントローラに命令する工程であって、前記位置は、X方向成分とY方向成分とZ方向成分とを有する工程と、
ii.前記スライドを特定の速度で前記チップを横切って移動させるように前記スライドコントローラに命令する工程であって、前記速度は、ある方向成分及びある速度成分を有する工程と、
iii.希釈流体を前記チップから特定の速度で流出させるように前記アプリケータに命令する工程と、
iv.前記スライドの位置が一定のZ方向成分を有するように、前記チップに細胞の第1の流れを前記スライドにわたって塗布させる工程であって、前記第1の流れは、細胞の単層及びある流れ幅を有する工程と、
v.前記チップの位置を特定の距離だけ変えるように前記スライドコントローラに指示する工程と、
vi.前記スライドの位置が一定のZ方向成分を有するように、前記チップに細胞の第2の流れを前記スライドにわたって塗布させる工程であって、前記第2の流れは、前記第1の流れの近くの位置に定着する工程と
を行わせるシステム。
【請求項51】
血液又は骨髄由来の細胞を分析する方法であって、
a.血液又は骨髄を含有する流体を、チップを使用してスライド上へ分注することと、
b.前記チップの下方のX方向成分とY方向成分とZ方向成分とを有する特定の高さの位置に前記スライドを位置付けるように、スライドコントローラに命令することと、
c.前記スライドを、ある方向成分及びある速度成分を有する特定の速度で前記スライドを横切って移動させるように、前記スライドコントローラに命令することと、
d.前記流体を前記チップから特定の速度で流出させることと、
e.前記チップの位置が一定のZ方向成分を有するように、前記チップに、細胞の単層及びある流れ幅を有する細胞の第1の流れを前記スライドにわたって塗布させることと、
f.前記スライドの位置を特定の距離だけ変えるように前記スライドコントローラに指示することと、
g.前記スライドの位置が一定のZ方向成分を有するように、前記チップに、前記第1の流れの近くの位置に定着する細胞の第2の流れを前記スライドにわたって塗布させることと
を含む方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2012−515931(P2012−515931A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516238(P2012−516238)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/041858
【国際公開番号】WO2012/030313
【国際公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【出願人】(510283616)
【氏名又は名称原語表記】WINKELMAN, James
【住所又は居所原語表記】62 Rangeley Road, Chestnut Hill, Massachusetts 02467, United States of America
【出願人】(510283627)
【氏名又は名称原語表記】TANASIJEVIC, Milenko
【住所又は居所原語表記】205 Valentine Street, West Newton, Massachusetts 02465, United States of America
【出願人】(510283638)
【氏名又は名称原語表記】ZAHNISER, David
【住所又は居所原語表記】33 Sheridan Road, Wellesley, Massachusetts 02481, United States of America
【Fターム(参考)】