説明

公営競技で用いる投票券、投票用マークカード、手書き用購入用紙、およびバウチャー券

【課題】 取り扱いが便利で、見易く、しかも一枚で多くのベット数をも購入できる投票券を提供する。
【解決手段】 公営競技で用いる投票券11において、該投票券11の縦・横サイズをほぼ紙幣サイズとする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、競輪、競馬、競艇、オートレース等の公営競技において用いられる投票券、投票用マークカード、手書き用購入用紙、およびバウチャー券に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、公営競技は売上低迷の状況にある。その対応策の一つとして、組み合わせ通り数の多い新しい賭け式、例えば馬番連勝式、車番連勝式、3連勝式等を導入することで、ファンの拡大・売上向上を図っている。
【0003】
組み合わせ通り数の多い賭け式では、高額配当は出易くなるが、的中する確率が低くなるため、ファンにおいては多くの組み合わせを購入する傾向が強くなっている。また、この場合には、多くの組み合わせを購入することから、購入回数も複数回に及び、投票券の取り扱い枚数も増えることになる。
【0004】
従来、現金による投票で、組番別に異なる購入金額で投票券を購入する場合、投票券としてはスペース上の制限から片面で最大10組(10ベット)の投票券が使用され、また投票券を購入するための投票用マークカードとしてはやはりスペース上の制限から片面対応のものでは最大5〜6ベット、両面対応のものでは片面最大5ベットずつの両面最大10ベットの投票用マークカードが使用されている。
【0005】
ここで、従来使用されている投票用マークカードは、読取装置側の制限から、カード幅(縦寸法)が83mmまたは89mmに固定されている。
【0006】
また、現在、海外(アメリカや韓国等)では、現金をバウチャー券に交換し、バウチャー券で投票券を購入できるようになっているが、このバウチャー券の幅(縦寸法)は83mmとなっている。
【0007】
一方、投票券、投票用マークカードや現金を取り扱う自動発券機や自動払戻機では、投票券、投票用マークカードや現金のサイズが異なることから、それぞれ専用の投入部が別々に設けられていると共に、これら投入部から投入される投票券、投票用マークカードや現金を処理する処理部分も別々に設けられている。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
上述したように、従来の投票券は最大10ベットまで購入できるようになっているが、そのサイズは例えば幅(縦寸法)55mm、長さ(横寸法)89mmとなっており、面積が狭く、ベット毎の文字が小さく見え難いものとなっている。
また、現在の投票券サイズでは、10ベットより増やすことはスペース的に困難である。
【0009】
また、従来の投票用マークカードは、片面対応のもので最大5〜6ベット、両面対応のもので最大10ベットの投票が可能になっているが、最近では上述した組み合わせ通り数の多い新しい賭け式の導入に伴って、一枚の投票用マークカードで購入できるベット数よりも多くのベット数を購入する傾向が強くなっている。このように、一枚の投票用マークカードで購入できるベット数よりも多くのベット数を購入する場合、従来は複数枚の投票用マークカードを使用して投票券を購入することになるため、投票行為に時間がかかり、特に締め切り間際に投票が続くときは、投票が困難になる場合がある。
【0010】
また、現在の投票用マークカードは、幅が83mmまたは89mmとなっており、標準的な財布またはポケットに収まりにくく、取り扱いが不便なものとなっている。同様に、現在海外で使用されているバウチャー券も、幅が83mmとなっているため、標準的な財布またはポケットに収まりにくく、扱いが不便なものとなっている。
【0011】
一方、自動発券機や発払い機においては、上述したように投票券、投票用マークカードや現金の投入部を別々に設けるようにしているため、ファンにおいて投入部を間違え易いという問題があると共に、装置自体も投票券、投票用マークカードや現金の個々の投入部に応じてそれらの処理部を個別に設けるようにしているため、コスト高になると共に、全体が大型となって広い設置スペースを要することから、設置場所が制限されてしまうという問題がある。
【0012】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本考案の第1の目的は、取り扱いが便利で、見易く、しかも一枚で多くのベット数をも購入できる投票券を提供することにある。
【0013】
本考案の第2の目的は、取り扱いが便利で、一枚で多くのベット数をも購入できる投票用マークカードおよび手書き用購入用紙を提供することにある。
【0014】
本考案の第3の目的は、取り扱いが便利なバウチャー券を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成する請求項1に係る考案は、公営競技で用いる投票券において、該投票券の縦・横サイズをほぼ紙幣サイズとしたことを特徴とするものである。
【0016】
上記第2の目的を達成する請求項2に係る考案は、公営競技における投票券を購入する際に用いる投票用マークカードにおいて、該投票用マークカードの縦・横サイズをほぼ紙幣サイズとしたことを特徴とするものである。
【0017】
さらに、請求項3に係る考案は、公営競技における投票券を購入する際に用いる手書き用購入用紙において、該手書き用購入用紙の縦・横サイズをほぼ紙幣サイズとしたことを特徴とするものである。
【0018】
上記第3の目的を達成する請求項4に係る考案は、公営競技における投票券を購入する際に用いるバウチャー券であって、該バウチャー券の縦・横サイズをほぼ紙幣サイズとしたことを特徴とするものである。
【0019】
【考案の実施の形態】
以下、本考案に実施の形態を図1〜図4を参照して説明する。
【0020】
図1は、本考案による投票券の一実施の形態を示すものである。この投票券11は、縦寸法を76mm、横寸法を150mm〜160mmのほぼ紙幣サイズとしたものである。
【0021】
このように、投票券11をほぼ紙幣サイズとすると、従来の投票券よりも面積が約2倍となるので、券面における文字も拡大することができると共に、上述した組み合わせ数の多い新しい賭け式に対しても多くの購入組番を現状より大きな文字で券面上に表わすことができる。また、紙幣サイズであることから、標準的な財布またはポケットに収まり易くなり、財布またはポケットからの出し入れにおいて現金と違和感なく扱うことができ、取り扱いが便利となる。
【0022】
図2は、本考案による投票用マークカードの一実施の形態を示すものである。
この投票用マークカード21は、縦寸法を76mm、横寸法を150mm〜160mmのほぼ紙幣サイズとしたものである。
【0023】
このように、投票用マークカード21をほぼ紙幣サイズに広げれば、片面で現在より多くのベット数を購入することができ、両面ではさらに多くのベット数を購入することができるので、例えば図2に示すように現在のベット購入カードにながし/ボックス式購入の印刷を組み入れることもでき、購入ベット数を拡大することができる。また、紙幣サイズとすることで、標準的な財布またはポケットに収まり易くなり、財布またはポケットからの出し入れにおいて現金と違和感なく扱うことができ、取り扱いが便利となる。
【0024】
図3は、本考案による手書き用購入用紙の一実施の形態を示すものである。この手書き用購入用紙31は、レース番号、賭け式、開催場名、組番、購入金額等の投票内容を手書きで入力するもので、縦寸法を76mm、横寸法を150mm〜160mmのほぼ紙幣サイズとしたものである。
【0025】
このように、手書き用購入用紙31をほぼ紙幣サイズとすれば、標準的な財布またはポケットに収まり易くなり、財布またはポケットからの出し入れにおいて現金と違和感なく扱うことができ、取り扱いが便利となる。なお、この手書き用購入用紙31の使用態様においては、記入済みの手書き用購入用紙31を自動発券機に挿入してその投票内容を光学的に読み取ることにより、投票内容に応じた投票券を発券するようにする。
【0026】
図4は、本考案によるバウチャー券の一実施の形態を示すものである。このバウチャー券41は、縦寸法を76mm、横寸法を150mm〜160mmのほぼ紙幣サイズとしたものである。
【0027】
このように、バウチャー券41をほぼ紙幣サイズとすれば、標準的な財布またはポケットに収まり易くなり、財布またはポケットからの出し入れにおいて現金と違和感なく使用することができ、取り扱いが便利となる。
【0028】
【考案の効果】
本考案によれば、公営競技で用いる投票券、投票用マークカード、手書き用購入用紙、バウチャー券をほぼ紙幣サイズとしたので、標準的な財布またはポケットに収まり易くなり、財布またはポケットからの出し入れにおいて現金と違和感なく扱うことができ、取り扱いが便利となる。また、自動発券機や発払い機においては、紙幣投入部、投票用マークカード投入部、投票券投入部、手書き用購入用紙投入部、バウチャー券投入部を共用化でき、それに伴ってそれらの処理部を一つにできるので、全体を安価にできると共に、小型にでき、したがって狭いスペースでも容易に設置でき、設置場所の自由度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案による投票券の一実施の形態を示す図である。
【図2】 同じく、投票用マークカードの一実施の形態を示す図である。
【図3】 同じく、手書き用購入用紙の一実施の形態を示す図である。
【図4】 同じく、バウチャー券の一実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
11 投票券
21 投票用マークカード
31 手書き用購入用紙
41 バウチャー券

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 公営競技で用いる投票券において、該投票券の縦・横サイズをほぼ紙幣サイズとしたことを特徴とする投票券。
【請求項2】 公営競技における投票券を購入する際に用いる投票用マークカードにおいて、該投票用マークカードの縦・横サイズをほぼ紙幣サイズとしたことを特徴とする投票用マークカード。
【請求項3】 公営競技における投票券を購入する際に用いる手書き用購入用紙において、該手書き用購入用紙の縦・横サイズをほぼ紙幣サイズとしたことを特徴とする手書き用購入用紙。
【請求項4】 公営競技における投票券を購入する際に用いるバウチャー券であって、該バウチャー券の縦・横サイズをほぼ紙幣サイズとしたことを特徴とするバウチャー券。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】実用新案登録第3084533号(U3084533)
【登録日】平成13年12月26日(2001.12.26)
【発行日】平成14年3月29日(2002.3.29)
【考案の名称】公営競技で用いる投票券、投票用マークカード、手書き用購入用紙、およびバウチャー券
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2001−5879(U2001−5879)
【出願日】平成13年9月5日(2001.9.5)
【出願人】(596167538)日本トーター株式会社 (3)