説明

公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表

【課題】 ボックス投票方式による購入点数を容易に認識でき、ファンサービスに寄与することができる公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表を提供する。
【解決手段】 相対的に移動可能な窓形成部材2と点数印刷部材3とを有し、窓形成部材2には、ボックス点数指定用窓5と賭け式別の購入点数認識用窓6〜12とを形成し、点数印刷部材3には、ボックス点数指定用窓5に対応するボックス点数列15と、賭け式別の購入点数認識用窓6〜12に対応する購入点数列16〜22とを印刷し、窓形成部材2と点数印刷部材3とを相対的に移動させてボックス点数指定用窓5にボックス点数列15の所望のボックス点数を位置させたときに、賭け式別の購入点数認識用窓6〜12に所望のボックス点数に対応する当該賭け式の購入点数が位置するように構成する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、競輪、競馬、競艇、オート等の公営競技において、ボックス投票方式で投票を行なう際に、指定したボックス点数による購入組み合わせ数、すなわち購入点数を認識するのに用いる公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
公営競技における投票方式として、ボックス投票方式が知られている。このボックス投票方式は、選んだ複数点の組み合わせを全て購入する投票方式で、例えば2連勝複式で3点選べば3通り、4点選べば6通り、5点選べば10通りの組み合わせを同時に購入でき、2連勝単式ではそれぞれ2倍の組み合わせを同時に購入することができる。
【0003】
また、近年、公営競技では、ファンの拡大・売上向上を図るために、例えば3連勝式のような新しい賭け式が導入されている。3連勝式の場合、例えば競艇では通常一レースの出走数が6艇なので、単式で120通り、複式で20通りの組み合わせが存在し、競輪では通常一レースの出走数が9車なので、単式で504通り、複式で84通りの組み合わせが存在することになる。
【0004】
このように、3連勝式は組み合わせ数が多く、その結果、必然的に高額配当が出易くなることから、3連勝式ではボックス投票方式により、一つの組番(以下1ベット)当りの購入金額を抑えて、数多くのベットを購入するファンが多くなっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、ボックス投票方式は、上述したように組み合わせ数、すなわち購入点数が多くなるため、特にボックス点数を多くした場合には、購入点数が何点になるのか、ファン自身がわからなくなる場合が多い。
【0006】
このため、購入時に現金をいくら用意すれば良いのか解らず、実際に発券窓口や自動発券機で投票券を購入する時点で合計金額に驚いたり、現金の持ち合わせが足りなくて所望の投票券を購入できなかったりする場合がある。
【0007】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本考案の目的は、ボックス投票方式による購入点数を容易に認識でき、ファンサービスに寄与することができる公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に係る公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表の考案は、相対的に移動可能な窓形成部材と点数印刷部材とを有し、 上記窓形成部材には、ボックス点数指定用窓と賭け式別の購入点数認識用窓とを形成し、 上記点数印刷部材には、上記ボックス点数指定用窓に対応するボックス点数列と、上記賭け式別の購入点数認識用窓に対応する購入点数列とを印刷し、 上記窓形成部材と上記点数印刷部材とを相対的に移動させて上記ボックス点数指定用窓に上記ボックス点数列の所望のボックス点数を位置させたときに、上記賭け式別の購入点数認識用窓に上記所望のボックス点数に対応する当該賭け式の購入点数が位置するように構成したことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に係る考案は、請求項1に記載の公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表において、上記窓形成部材と上記点数印刷部材とを相対的に直線状に移動可能に構成したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に係る考案は、請求項1に記載の公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表において、上記窓形成部材と上記点数印刷部材とを同心円状で相対的に回動可能に構成したことを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に係る考案は、請求項1,2または3に記載の公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表において、上記賭け式として、少なくとも3連勝単式および3連勝複式を含むことを特徴とするものである。
【0012】
【考案の実施の形態】
以下、本考案による公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表の実施の形態について図1〜図6を参照して説明する。
【0013】
図1〜図3は第1実施の形態を示すもので、図1は早見表の使用態様を示す図であり、図2は図1に示す窓形成部材を示す図、図3は同じく点数印刷部材を示す図である。
【0014】
本実施の形態の購入点数早見表1は、窓形成部材2と点数印刷部材3とから成っている。窓形成部材2は外形が例えば長さ85mm、幅53mmの長方形でその一方の短辺を開口4とする袋状に形成し、点数印刷部材3は窓形成部材2の開口4から挿脱し得るように外形がほぼ同寸法の長方形のシート状に形成する。
【0015】
窓形成部材2には、その一方の表面の開口4側に、ボックス点数指定用窓5と、賭け式別の購入点数認識用窓、本実施の形態では3連勝複式購入点数認識用窓6、3連勝単式購入点数認識用窓7、ワイド購入点数認識用窓8、枠番2連勝複式購入点数認識用窓9、枠番2連勝単式購入点数認識用窓10、車番2連勝複式購入点数認識用窓11、および車番2連勝単式購入点数認識用窓12とを形成する。これら窓5〜12は、点数印刷部材3の挿脱方向に並ばないように形成する。また、窓形成部材2の一方の表面において、開口4の部分には、点数印刷部材3を挿脱し易いように切り込み13を形成し、開口4側とは反対側の領域には、サービス情報として、例えば開催日程表14を印刷する。
【0016】
点数印刷部材3には、その一方の表面に、窓形成部材2のボックス点数指定用窓5に対応するボックス点数列15、3連勝複式購入点数認識用窓6に対応する3連勝複式購入点数列16、3連勝単式購入点数認識用窓7に対応する3連勝単式購入点数列17、ワイド購入点数認識用窓8に対応するワイド購入点数列18、枠番2連勝複式購入点数認識用窓9に対応する枠番2連勝複式購入点数列19、枠番2連勝単式購入点数認識用窓10に対応する枠番2連勝単式購入点数列20、車番2連勝複式購入点数認識用窓11に対応する車番2連勝複式購入点数列21、および車番2連勝単式購入点数認識用窓12に対応する車番2連勝単式購入点数列22を、それぞれ窓形成部材2に対する挿脱方向に延在して印刷する。
これら購入点数列16〜22の各点数は、対応する窓5〜12に入る大きさとし、かつ、ボックス点数指定用窓5に位置するボックス点数の各賭け式における購入点数が、対応する窓5〜12に位置するようにする。なお、各購入点数列16〜22において、指定されたボックス点数によるボックス投票ができない場合には、購入点数「0」あるいはそれを意味する記号、例えば「☆」を印刷する。また、点数印刷部材3の一方の表面において、挿入後端部隅には挿脱方向を示す案内矢印23を印刷する。
【0017】
本実施の形態の購入点数早見表1によれば、ファンは、点数印刷部材3を窓形成部材2に挿入した状態で、それらを相対的に挿脱方向に直線移動させて、ボックス点数指定用窓5にボックス点数列15の所望のボックス点数を位置させると、そのボックス点数に対する各賭け式の購入点数が対応する購入点数認識用窓6〜12に位置することになる。例えば、図1に示すように、ボックス点数指定用窓5にボックス点数「6」を位置させると、3連勝複式購入点数認識用窓6には購入点数「20」が位置し、3連勝単式購入点数認識用窓7には購入点数「120」が位置し、ワイド購入点数認識用窓8には購入点数「15」が位置し、枠番2連勝複式購入点数認識用窓9には購入点数「15」が位置し、枠番2連勝単式購入点数認識用窓10には購入点数「30」が位置し、車番2連勝複式購入点数認識用窓11には購入点数「15」が位置し、車番2連勝単式購入点数認識用窓12には購入点数「30」が位置することになる。したがって、ファンは、簡単な操作で所望のボックス点数に対する所望の賭け式の購入点数を容易に認識できるので、ファンサービスに寄与することができる。
【0018】
図4〜図6は第2実施の形態を示すもので、図4は早見表の使用態様を示す図であり、図5は図4に示す窓形成部材を示す図、図6は同じく点数印刷部材を示す図である。
【0019】
本実施の形態の購入点数早見表31は、窓形成部材32と点数印刷部材33とを有している。これら窓形成部材32および点数印刷部材33は、それぞれほぼ同径の円盤状に形成して、同心円状で相対的に回動可能に軸34に支持する。
【0020】
窓形成部材32には、ボックス点数指定用窓35と、賭け式別の購入点数認識用窓、本実施の形態では第1実施の形態と同様に、3連勝複式購入点数認識用窓36、3連勝単式購入点数認識用窓37、ワイド購入点数認識用窓38、枠番2連勝複式購入点数認識用窓39、枠番2連勝単式購入点数認識用窓40、車番2連勝複式購入点数認識用窓41、および車番2連勝単式購入点数認識用窓42とを形成する。これら窓35〜42は、同一円周上に並ばないように異なる半径位置に形成する。また、窓形成部材32には、その最外周部に点数印刷部材33の周縁部を掴んで、窓形成部材32と点数印刷部材33とを相対的に回動し易いように円弧状の切り込み43を形成し、表面の任意の領域には、サービス情報として、例えば開催日程表44を印刷する。
【0021】
点数印刷部材33には、窓形成部材32のボックス点数指定用窓35に対応するボックス点数列45、3連勝複式購入点数認識用窓36に対応する3連勝複式購入点数列46、3連勝単式購入点数認識用窓37に対応する3連勝単式購入点数列47、ワイド購入点数認識用窓38に対応するワイド購入点数列48、枠番2連勝複式購入点数認識用窓39に対応する枠番2連勝複式購入点数列49、枠番2連勝単式購入点数認識用窓40に対応する枠番2連勝単式購入点数列50、車番2連勝複式購入点数認識用窓41に対応する車番2連勝複式購入点数列51、および車番2連勝単式購入点数認識用窓42に対応する車番2連勝単式購入点数列52を、それぞれ円形状に印刷する。これら列45〜52の各点数は、対応する窓35〜42に入る大きさとし、かつボックス点数指定用窓35に位置するボックス点数の各賭け式における購入点数が、対応する窓35〜42に位置するようにする。なお、各購入点数列46〜52において、指定されたボックス点数によるボックス投票ができない場合には、購入点数「0」あるいはそれを意味する記号、例えば「☆」を印刷する。また、窓形成部材32の切り込み43と対応する点数印刷部材33の円周上には、窓形成部材32との相対的回動方向を示す案内矢印53を、切り込み43を通して見えるように適宜の間隔で印刷する。
【0022】
本実施の形態の購入点数早見表31によれば、ファンは、窓形成部材32と点数印刷部材33とを軸34を中心に相対的に回動させて、ボックス点数指定用窓35にボックス点数列45の所望のボックス点数を位置させると、そのボックス点数に対する各賭け式の購入点数が対応する購入点数認識用窓36〜42に位置することになる。例えば、図4に示すように、ボックス点数指定用窓35にボックス点数「5」を位置させると、3連勝複式購入点数認識用窓36には購入点数「10」が位置し、3連勝単式購入点数認識用窓37には購入点数「60」が位置し、ワイド購入点数認識用窓38には購入点数「10」が位置し、枠番2連勝複式購入点数認識用窓39には購入点数「10」が位置し、枠番2連勝単式購入点数認識用窓40には購入点数「20」が位置し、車番2連勝複式購入点数認識用窓41には購入点数「10」が位置し、車番2連勝単式購入点数認識用窓42には購入点数「20」が位置することになる。したがって、ファンは、簡単な操作で所望のボックス点数に対する所望の賭け式の購入点数を容易に認識できるので、ファンサービスに寄与することができる。
【0023】
なお、上記各実施の形態では、ボックス点数列におけるボックス点数を「2」
〜「9」として、競艇(出走数6)、オート(出走数8)、および競輪(出走数9)に対応できるようにしたが、ボックス点数を「18」まで形成して競馬(出走数18)にも対応できるように構成することもできる。
【0024】
また、窓形成部材や点数印刷部材は、紙、プラスチック、鉄板等の任意の材質で形成できると共に、その形状も第1実施の形態の長方形状、第2実施の形態の円盤状に限らず、ファンが容易に携帯できる任意の形状・寸法に形成することができる。
【0025】
さらに、窓形成部材に形成するボックス点数指定用窓および賭け式別の購入点数認識用窓の配列も適宜変更可能であると共に、賭け式の数、種類も適宜変更可能である。
【0026】
【考案の効果】
本考案によれば、ボックス点数指定用窓および賭け式別の購入点数認識用窓を有する窓形成部材と、ボックス点数指定用窓に対応するボックス点数列および賭け式別の購入点数認識用窓に対応する購入点数列が印刷された点数印刷部材とを相対的に移動させて、ボックス点数指定用窓にボックス点数列の中から所望のボックス点数を位置させることにより、賭け式別の購入点数認識用窓に、所望のボックス点数に対応する当該賭け式の購入点数が位置するので、簡単な操作で所望のボックス点数に対する所望の賭け式の購入点数を容易に認識することができ、ファンサービスに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の第1実施の形態による公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表の使用態様を示す図である。
【図2】 図1に示す窓形成部材を示す図である。
【図3】 同じく、点数印刷部材を示す図である。
【図4】 本考案の第2実施の形態による公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表の使用態様を示す図である。
【図5】 図4に示す窓形成部材を示す図である。
【図6】 同じく、点数印刷部材を示す図である。
【符号の説明】
1,31 購入点数早見表
2,32 窓形成部材
3,33 点数印刷部材
4 開口
5,35 ボックス点数指定用窓
6,36 3連勝複式購入点数認識用窓
7,37 3連勝単式購入点数認識用窓
8,38 ワイド購入点数認識用窓
9,39 枠番2連勝複式購入点数認識用窓
10,40 枠番2連勝単式購入点数認識用窓
11,41 車番2連勝複式購入点数認識用窓
12,42 車番2連勝単式購入点数認識用窓
13,43 切り込み
14,44 開催日程表
15,45 ボックス点数列
16,46 3連勝複式購入点数列
17,47 3連勝単式購入点数列
18,48 ワイド購入点数列
19,49 枠番2連勝複式購入点数列
20,50 枠番2連勝単式購入点数列
21,51 車番2連勝複式購入点数列
22,52 車番2連勝単式購入点数列
23,53 案内矢印
34 軸

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 相対的に移動可能な窓形成部材と点数印刷部材とを有し、上記窓形成部材には、ボックス点数指定用窓と賭け式別の購入点数認識用窓とを形成し、上記点数印刷部材には、上記ボックス点数指定用窓に対応するボックス点数列と、上記賭け式別の購入点数認識用窓に対応する購入点数列とを印刷し、上記窓形成部材と上記点数印刷部材とを相対的に移動させて上記ボックス点数指定用窓に上記ボックス点数列の所望のボックス点数を位置させたときに、上記賭け式別の購入点数認識用窓に上記所望のボックス点数に対応する当該賭け式の購入点数が位置するように構成したことを特徴とする公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表。
【請求項2】 上記窓形成部材と上記点数印刷部材とを相対的に直線状に移動可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表。
【請求項3】 上記窓形成部材と上記点数印刷部材とを同心円状で相対的に回動可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表。
【請求項4】 上記賭け式として、少なくとも3連勝単式および3連勝複式を含むことを特徴とする請求項1,2または3に記載の公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【登録番号】実用新案登録第3091612号(U3091612)
【登録日】平成14年11月13日(2002.11.13)
【発行日】平成15年2月7日(2003.2.7)
【考案の名称】公営競技のボックス投票方式における購入点数早見表
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2002−4562(U2002−4562)
【出願日】平成14年7月24日(2002.7.24)
【出願人】(596167538)日本トーター株式会社 (3)