説明

共役コポリマー、説明とその使用

本発明は、ランダム部位または部分的ランダム部位を用いて結合されたブロックを含む共役コポリマーに関する。本発明の材料は、向上した効率、低減した駆動電圧およびより長い使用寿命を有する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
ポリマー(有機)発光ダイオード(PLED)に基づくディスプレイおよび照明要素の商品化における広範囲に渡る研究が、約12年間行われている。この開発は、EP 423283(WO 90/13148)に開示された基本となる開発により引き起こされた。最近、単純ではあるが最初の製品(フィリップスN.V.(PHILIPS N.V.)社製の電気かみそりにおける小さなディスプレイ)が、市場において入手できるようになった。しかしながら、これらのディスプレイを、目下市場を支配する液晶ディスプレイ(LCD)と真に競合させるか、またはこれよりも優れるものにするためには、かなりの改善が未だに必要とされる。とりわけ、市場の要求(最も重要なものを挙げると、効率、駆動寿命、駆動電圧)を満足させる、全ての発光色(赤、緑、青)のためのポリマーを提供することが必要である。
【0002】
種々の種類の材料が、フルカラーディスプレイのためのポリマーとして提案され、または開発されている。中でも、例えば、EP 0842208、WO 99/54385、WO 00/22027、WO 00/22026 および WO 00/46321 に開示されるポリフルオレン誘導体が、実現性がある。さらに、EP 0707020、EP 0894107 および WO 03/020790 に開示されるポリスピロビフルオレンも可能性がある。WO 02/077060 に開示される2つの上記構造要素の組み合わせを含むポリマーも提案されている。一般的に、構造要素として、ポリ−パラ−フェニレン(PPP)を含むポリマーが、このような用途のための候補である。上記した種類の他に、さらなる実現性のあるポリマーは、例えば、「はしご形PPP(LPPP)(例えば、WO 92/18552 に開示)、ポリテトラヒドロピレン(例えば、EP 699699 に開示)、およびアンサ構造を含むPPP(例えば、EP 690086 に開示)である。
【0003】
上記の特許出願のいくつかに既に見出されるように、3つ全ての発光色を発生させるために、個々のコモノマーを適切なポリマーに共重合させることが必要である(例えば、WO 00/46321、WO 03/020790 および WO 02/077060 を参照されたい)。青色発光の基礎ポリマー(骨格)から出発して他の2つの原色である赤色および緑色を次に発生させることができる。
【0004】
さらに、特定のアリールアミノ基の挿入が、性質における改善を与えることが報告されている。WO 99/54385 および DE 19846767 は、ポリフルオレンを記載しており、その効率と駆動電圧が、トリフェニルアミン単位、テトラフェニル−p−ジアミノベンゼン単位、テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル単位、または置換ジアリールアミノ単位の誘導体を、対応するポリマーの主鎖に共重合することにより改善され得る。WO 01/66618 は、主鎖中に、アリール単位だけでなく、特定のトリアリールアミノ単位またはテトラアリール−p−ジアミノアリーレン単位も含むコポリマーを記載する。未公開特許出願である DE 10304819.7 は、特定のカルバゾール単位の使用が、低減した駆動電圧をもたらすことを述べる。未公開特許出願 EP 03012409.3 は、オリゴトリアリールアミン単位の使用を記載する。
【0005】
上記した特許出願に示される進歩にも関わらず、以下の分野における対応する材料についての改善に対するかなりの要求が存在する。
【0006】
・とりわけ、青色発光ポリマーにおける駆動寿命は、これらが、長寿命のアプリケーションに用いられることを可能にするために、かなりの改善を未だに必要とする。
【0007】
・効率は、未だに、改善を必要とする。これは、可動性のアプリケーションについてとりわけ非常に重要である。
【0008】
・使用に際して、十分に低い電圧で高い輝度を得ることができ、従って、高いパワー効率が得られるように、駆動電圧をさらに低減させるべきである。第一に、電池および蓄電池に頼る携帯アプリケーション(携帯電話、ポケットベル、PDA等のためのディスプレイ)の場合に特に重要であるが、より低いエネルギー消費で同じ輝度を得ることを可能にし、または、第二に、例えば、照明アプリケーションについて重要であり得るが、同じエネルギー消費でより高い輝度を得るために、このことは非常に重要である。
【0009】
2以上の異なるモノマーのコポリマーは、原則として、種々の構造を有し得る。
【0010】
・交互コポリマーにおいて、2(以上)の繰り返し単位が互い違いになる。
【0011】
・ランダムコポリマーにおいて、構築ブロックの配列は、その重合に適用され得る確率の法則により決定される。
【0012】
・本発明に関する部分的ランダムコポリマーにおいて、1の繰り返し単位の配列が規定される一方で、他の繰り返し単位は、ランダムに配列される。このようなポリマーは、例えば、モノマーAおよび2つのモノマーBとB’の反応により得られ、BとB’の双方は、Aとのみ反応することができ、BまたはB’とは反応しない。
【0013】
・ブロックコポリマーは、ホモ配列のブロック、または末端を介して互いに結合される、規定された配列のブロックから成る。ブロックは、鎖の中央部の元素を介して結合され得る。この場合、グラフトコポリマーが得られる。
【0014】
・これらのタイプの異なる構造の特徴は、ポリマーにおいて組み合わせることができる。つまり、例えば、ブロックは、ランダムな配列または部分的にランダムな配列を介して結合され得る(テーパードコポリマー)。
【0015】
WO 00/55927 は、ポリマー骨格において2以上の領域を含むコポリマーを記載する。ここで、第1の領域は、負電荷キャリアの輸送に利用でき、第2の領域は、正電荷キャリアの輸送に利用でき、第3の領域において、正電荷キャリアと負電荷キャリアが再結合し、光を発生する。この文脈における「領域」という語は、1以上のモノマーからなり得るポリマー鎖の部位を指す。ポリマー中のモノマーの配列と比は、ポリマーにおける個々の領域の禁止帯が異なるように選択される。主鎖および側鎖中の個々の成分は、ブロックコポリマーとして、またはランダムポリマーとして結合され得る。しかしながら、ランダムコポリマーまたは交互コポリマーの合成のみが記載されており、および部分的ランダムコポリマーまたは交互コポリマーのみが例中に示され、ブロックコポリマーは示されていない。ランダムポリマーに対するブロックコポリマーの利点は、どちらにも記載されておらず、従って、どのようにして使用に適するブロックポリマーを調製することができるかは明らかでなく、且つブロックコポリマーは、ここでは同時に触れられたにすぎないとみなすことは明らかである。
【0016】
EP 1149827 は、
エンドキャップ1−(フルオレン)−(L)−(フルオレン)−(M)−(フルオレン)−エンドキャップ2
である一般組成のブロック構造を有するポリフルオレンを記載する。式中、m+n+o≧10、pとsは、それぞれ、0〜15の範囲にあり、2つのエンドキャップの少なくとも1つが、電荷輸送性を示すという条件で、LおよびMは、任意の芳香族モノマーである。ブロック様の基礎構造を有するこのようなポリマーの詳細な利点は記載されていない。加えて、このようなブロックポリマーの例は与えられておらず、その調製に適したいかなる合成方法も記載されておらず、m、p、sおよびo=0のポリマー、すなわち、フルオレン単位のみを有し、ブロックコポリマーでないポリマーが、好ましい構造として挙げられる。従って、ブロック構造は、ここでは同時に述べられたにすぎないと考えることができる。特に、このタイプのポリマーについて習慣的に用いられ、例において述べられる重縮合プロセスは、常に混合物をもたらし、2つの(オリゴ)芳香族部位を介して結合される、正確に3つのオリゴフルオレン部位を有する明らかに規定されたポリマーをもたらさないために、このようなブロックポリマーを合成できる方法は、当業者にも明らかではないであろう。
【0017】
WO 02/088223 は、同一であるか異なり得、1以上の繰り返し単位を有し得、および互いに直接的に、または中間単位を介して結合され得る2以上のブロックを含む共役ブロックコポリマーの合成と使用を記載する。
【0018】
WO 03/007395 は、エミッタブロック、および電荷輸送ブロックまたはホストポリマーブロックであり得る少なくとも1つのさらなるブロックを含む共役ブロックコポリマーを記載する。これらのポリマーについて示される利点は、特に、輝度、パワー効率および寿命に関して、ランダムコポリマーまたはランダムポリマーの配合物と比較して、エレクトロルミネセンスデバイスにおいてより良い性質を示すということである。しかしながら、そのブロックが部分的にランダムであるか交互であるポリマーのみが、例として与えられる。ホモブロックまたはランダム部位は、記載されていない。ブロックコポリマーが、比較例中に報告される部分的ランダムポリマーと比較される際、ブロックコポリマーは、実際、より高い効率(1.3cd/A@100cd/m対0.4cd/A@100cd/m)およびより長い寿命(50時間対<1分)を示すように見える。しかしながら、この発明の時点で、効率と寿命の双方に関して、さらにより優れたポリマーが知られていたために、ここに示されたこれらのデータは、意義深いとは考えられない:S.J.M.オコーナー(S.J.M.O'Connor)等(Proceedings of SPIE 2001, 4105, 9-17)は、例えば、青色ポリマーについて、100cd/mで1.43cd/Aの効率、および100cd/mで1600時間の寿命を示す。従って、ブロック構造の導入により与えられる利点は、明らかでない。
【0019】
エレクトロルミネセンスデバイスにおける既知のポリマーの性質は、述べた通り、近年かなりのさらなる開発が施されている。しかしながら、従来技術の記述からうかがうことができるように、とりわけ、特に青色発光ポリマーについての駆動寿命、効率および駆動電圧が、ポリマーが高品質フルカラーディスプレイに取り込まれることを可能にする必要条件に未だ適わないために、発光ポリマーの分野におけるさらなる開発についての多くの要求がなお存在する。
【0020】
本発明者等は、規則正しいブロックが、ブロック構造を有さないポリマー部位に結合される特定の共役ポリマーが、特に上記の分野、すなわち、駆動寿命、効率および駆動電圧における有意な改善を示すということを驚くべきことにここに見出した。従って、これらが、本発明の主題である。
【0021】
本発明は、少なくとも1つの以下の性質、すなわち
(a)電荷輸送ブロック(正孔輸送または電子輸送用のいずれか)、または
(b)電荷注入ブロック(正電荷注入または負電荷注入用のいずれか)、または
(c)放射ブロック、または
(d)一重項励起子から三重項励起子への遷移を援助するブロック、または
(e)ポリマー骨格ブロック
を有する少なくとも1つのブロックを含み、これらのブロック構造が、ランダムポリマー部位または部分的ランダムポリマー部位により結合されることを特徴とする共役コポリマーを提供する。
【0022】
本発明は、上の記述により示されるが、ここで、再度、当該コポリマーは、上記した、およびa)〜e)に記載した複数の異なるブロック構造を含み得ることを明示的に示しておく。
【0023】
本発明の好ましい態様において、ランダムポリマー部位または部分的ランダムポリマー部位は、少なくとも4つの異なるモノマーから成る。
【0024】
本発明の目的のために、ブロックは、極めて一般的に、規定されたモノマー配列を有するポリマー部位である。このブロックは、交互構造(2つのみの異なるモノマーの場合は、最も単純な例A−B−A−B)から成り得るか、ただ一種類のモノマーから成るホモブロックのいずれかであり得る。本発明の目的のために、ブロックは、ランダムなモノマー配列または部分的にランダムなモノマー配列を有するポリマー部位ではない。
【0025】
本発明の好ましい態様において、ブロックは、繰り返し単位の交互配列を有する。
【0026】
本発明のさらに好ましい態様において、ブロックは、ホモ配列を有する。
【0027】
本発明の目的のために、ランダムポリマー部位は、全ての構造ブロックの配列が、その重合に適用され得る確率の法則に従って決定されるポリマー部位である。本発明の目的のために、部分的ランダムポリマー部位は、1つの繰り返し単位の配列が規定され、一方、他の繰り返し単位がランダムに配列されるポリマー部位である。このような部位は、例えば、BおよびB’がAとのみ反応することができ、BまたはB’と反応しない場合に、モノマーAと2つのモノマーBおよびB’との反応により得られる。
【0028】
これらブロックの少なくとも1つは、正孔輸送、電子輸送、一重項励起子から三重項励起子への遷移、または発光を可能にするブロックであることが好ましい。1つのブロックが、これらの性質の1以上を同時に有することができる。
【0029】
特に好ましい態様において、ポリマーは、正孔伝導体ホモブロックを含む。
【0030】
さらに特に好ましい態様において、ポリマーは、交互の正孔伝導体骨格ブロックを含む。
【0031】
さらに特に好ましい態様において、ポリマーは、エミッタホモブロックを含む。
【0032】
さらに特に好ましい態様において、ポリマーは、交互エミッタ骨格ブロックを含む。
【0033】
さらに特に好ましい態様において、ポリマーは、複数の異なるブロック構造、例えば、交互正孔伝導体骨格ブロックおよび交互エミッタ骨格ブロックを含み、これらが、ランダムな配列または部分的にランダムな配列により、または個々のモノマーにより結合される複数のブロックを含む。
【0034】
さらに特に好ましい態様において、ポリマーは、段階的構成により互いに直接的に結合される複数の異なるブロック構造を含む。
【0035】
ポリマーにおけるブロック中に存在するモノマーの割合は、少なくとも1モル%、好ましくは少なくとも5モル%、特に好ましくは少なくとも10モル%である。このような割合は、ポリマーがエレクトロルミネセンス材料として用いられる際に、特に有利であることが見出された。さらに、かなりより高い割合のブロックが、他のアプリケーションについては好ましく、例えば、ポリマーが有機電界効果トランジスタ(O−FET)において用いられる際には、50モル%以上の電荷輸送ブロックの割合が好ましい。
【0036】
さらに、ブロックが、10〜3×10g/モル、好ましくは3×10〜10g/モル、特に好ましくは5×10〜8×10g/モルの分子量Mを有する際に、特に良好な結果が得られる。
【0037】
ポリマー中のランダム部位または部分的ランダム部位中に存在するモノマーの割合は、少なくとも1モル%、好ましくは少なくとも5モル%、特に好ましくは少なくとも10モル%、特に少なくとも30モル%である。
【0038】
さらに、ランダムポリマー部位または部分的ランダムポリマー部位は、平均、少なくとも2の繰り返し単位、好ましくは少なくとも5の繰り返し単位、特に好ましくは少なくとも10の繰り返し単位を有する。
【0039】
本発明の目的のために、共役ポリマーは、主鎖中に、主にsp−混成炭素原子を含み、これは、また、対応するヘテロ原子により置換され得るポリマーである。最も単純な場合に、これは、主鎖中の二重(または三重)結合と単結合の交互の存在を意味する。「主に」とは、共役の中断をもたらす自然発生的な欠陥が、「共役ポリマー」という語を無効にしないということを意味する。本発明の目的のために、例えば、アリールアミン単位および/または特定の複素環(すなわち、N、OまたはS原子を介して共役)、および/または有機金属錯体(すなわち、金属原子を介して共役)が主鎖中に存在する場合に、同様に、ポリマーを共役という。
【0040】
他方、単純な架橋または(チオ)エーテル架橋、アルキレン鎖、エステル結合、アミド結合またはイミド結合のような単位は、非共役部位として明白に定義される。
【0041】
本発明のコポリマーは、種々の構造要素を含み得る。これらは、とりわけ、上記の特許出願に開示されたものである。特に、上記した特許出願 WO 02/077060 における比較的に包括的な列挙について言及することができ、これを本明細書の一部として本願に援用する。これらのさらなる構造単位は、例えば、下記の種類に由来し得る。
【0042】
1.ポリマー骨格または青色発光単位を形成する構造単位
・ポリフェニレンおよびポリフェニレンに由来する構造を形成する単位をまずここに挙げることができる。これらは、例えば(どの場合も置換または無置換の)メタフェニレン若しくはパラフェニレン、1,4−ナフチレン、9,10−アントラセニレン、2,7−フェナントレニレン、2,7−(9,10−ジヒドロ)フェナントレニレン、1,6−ピレン若しくは2,7−ピレン若しくは4,9−ピレン、または2,7−テトラヒドロピレンである。複素環式「ポリアリーレン」を形成する対応する構造、例えば、オキサジアゾリレン、2,5−チオフェニレン、2,5−ピロリレン、2,5−フラニレン、2,5−ピリジレン、2,5−ピリミジニレン、3,6−カルバゾリレン若しくは2,7−カルバゾリレン、または5,8−キノリニレンもまた、適している。
【0043】
・さらに、上記したフルオレン、スピロ−9,9’−ビフルオレン、多重に架橋された単位(例えば、上記のL−PPPポリマーの短い小配列)、および2倍のフルオレン単位(シス−インデノフルオレンまたはトランス−インデノフルオレン)のようなより複雑な単位もまた、適している。これらは、さらに、置換されるかまたは無置換であり得る。
【0044】
・好ましい単位は、スピロ−9,9’−ビフルオレン、フルオレン、インデノフルオレンおよびジヒドロフェナントレンである。
【0045】
2.電荷注入性または電荷輸送性に影響を与える構造単位
これは、電子注入性若しくは電子輸送性(例えば、オキサジアゾール単位)、または正孔注入性若しくは正孔輸送性(例えば、トリアリールアミン単位)のいずれかに関し得る。ここで、上記した特許出願 WO 02/077060 中のこのような構造単位の包括的な列挙について、再び言及しておく。ナフチルアリールアミン(WO 04/037887)、またはカルバゾール単位(DE 10304819.7)も、同様に、この目的に適する。
【0046】
3.発光色を変える、従って、ポリマーの禁止帯も変え、よって、一般的に、電荷注入性または電荷輸送性も変える構造単位
・例えば、上記した特許出願 WO 03/020790 の式(XX)〜(XXXXVI)に述べられる構造のような複素環式化合物に言及しておく。
【0047】
・さらに、アリーレン−ビニレン構造またはアリーレン−アセチレン構造、例えば、置換若しくは無置換のスチルベニレン、置換若しくは無置換のトラニレン、置換若しくは無置換のビススチリルアリーレン、置換若しくは無置換のビス(アリールアセチレン)アリーレンにも言及しておく。
【0048】
・最後に、比較的大きな芳香族単位、例えば、クリセン、ナフタセン、ピレン、ペンタセン、ペリレンまたはコロネンの取り込みが、上記の効果(カラーシフト)を生じ得る。
【0049】
4.一重項励起子の三重項励起子への遷移を可能にし、室温においてさえも、三重項状態から、高い効率で光を放射することができる構造単位
・何よりもまず、これらは、重原子、すなわち、元素の周期表の中から、36を超える原子番号を有する原子を含む化合物である。
【0050】
・上記の条件を満たすd遷移金属およびf遷移金属を含む化合物が、この目的のために特に有用である。8〜10族の元素(すなわち、Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Pt)を含む対応する構造単位が、ここでは非常に特に好ましいと思われる。
【0051】
・ここで、種々の錯体、例えば、特許出願 WO 02/068435、DE 10116962、EP 1239526 および WO 04/026886 に記載されたものが、本発明のポリマーのための構造単位として可能である。
【0052】
・さらに、三重項状態から光を放射することができる上記の化合物に加えて、一重項−三重項遷移を援助するさらなる化合物を使用することが有用であり得る。この目的のために用いられ得る化合物は、例えば、カルバゾール(DE 10304819.7)、またはカルバゾール二量体(DE 10328627.6)である。
【0053】
本発明のポリマーの好ましいさらなる単位の選択肢を、以下の総覧に列挙する。単結合は、ポリマーにおける結合を表す。メチル基を示すものではない。
【化2】

【化3】

【0054】
式中、記号R1、R2、Aryl、Aryl、Aryl、M、並びに添え字m、nおよびpは、以下の意味を有する。
【0055】
Aryl、Arylは、出現毎に同一であるか異なり、それぞれ、2〜40の炭素原子を有する芳香族環構造またはヘテロ芳香族環構造であり、置換されているか無置換であり得、可能な置換基R1は、任意の自由位置上に位置することができ、
Arylは、出現毎に同一であるか異なり、各々の場合において、Aryl、Aryl、または置換または無置換スチルベニレン単位若しくは置換または無置換トラニレン単位であり、
R1は、出現毎に同一であるか異なり、各々の場合において、直鎖の、分枝の、または環状のアルキル若しくはアルコキシ鎖(ここで、1以上の非隣接の炭素原子が、NR2、O、S、CO−O、O−CO−Oにより置き換えられてもよく、および1以上の水素原子が、フッ素で置き換えられてもよい)、5〜40の炭素原子を有するアリール若しくはアリールオキシ基(ここで、1以上の炭素原子が、O、SまたはNにより置き換えられてもよい)であり、このアリール若しくはアリールオキシ基は、1以上の非芳香族R1基により置換されていてもよく、またはCl、F、CN、N(R2)、B(R2)であり、2以上のR1基は、互いに環構造を形成することができ、
R2は、出現毎に同一であるか異なり、水素、1〜22の炭素原子を有する直鎖の、分枝のまたは環状のアルキル鎖(ここで、1以上の非隣接の炭素原子が、O、S、CO−O、O−CO−Oにより置き換えられてもよく、および1以上の水素原子が、フッ素により置き換えられてもよい)、5〜40の炭素原子を有するアリール基(ここで、1以上の炭素原子が、O、SまたはNにより置き換えられてもよい)であり、このアリール基は、1以上の非芳香族R1基により置換されていてもよく、
mは、出現毎に同一であるか異なり、各々の場合において、0、1または2であり、
oは、出現毎に同一であるか異なり、各々の場合において、0、1、2、3または4であり、
pは、出現毎に同一であるか異なり、各々の場合において、0、1、2または3であり、
Mは、出現毎に同一であるか異なり、各々の場合において、RhまたはIrである。
【0056】
本発明のポリマーは、一般的に、10〜10000、好ましくは50〜5000、特に好ましくは50〜2000の繰り返し単位を有する。
【0057】
必要な溶解性は、何よりもまず、置換基R1によって得られる。従って、平均して少なくとも2つの非芳香族炭素原子が、繰り返し単位毎の置換基中に存在することが一般的に必要である。少なくとも4個の炭素原子が好ましく、少なくとも8つの炭素原子が特に好ましい。これらの炭素原子のいくつかは、OまたはSにより置き換えられてもよい。これは、繰り返し単位のある部分が、さらなる非芳香族置換基を有さないという状態を除外しない。フィルムの形態に不利に影響を及ぼすことを避けるために、直鎖中に12を超える炭素原子を有する長鎖の置換基が存在しないことが好ましく、好ましくは、8を超える炭素原子を有する置換基がなく、特に好ましくは、6を超える炭素原子を有する置換基がない。
【0058】
非芳香族炭素原子は、R1の記載において述べたように、適切な直鎖、分枝または環状アルキル鎖若しくは直鎖、分枝または環状アルコキシ鎖に存在している。
【0059】
本発明のコポリマーは、好ましくは、交互のモノマー配列またはホモ配列を有する少なくとも1つのタイプのブロックを含み、この少なくとも1つのタイプのブロックは、正孔注入若しくは正孔輸送、電子注入若しくは電子輸送、一重項励起子から三重項励起子への遷移、または発光に影響を与えるブロックであり得る。ここで、1つのブロックが、複数の性質を同時に有することもできる。規定された配列を有するこれらのブロックは、ランダム配列または部分的ランダム配列を有するポリマー部位を介して結合される。同じコポリマー中での、規定されたブロックとランダムポリマー部位の双方の使用は、溶解性、固体状態の形態、電荷輸送性質等の性質が調節されることを可能にし、従って、ポリマーの発光性質を有意に改善する。
【0060】
これは、とりわけ、4以上の異なるモノマーが、ランダムポリマー部位に用いられる場合である。
【0061】
特に好ましいコポリマーは、電荷輸送単位を有するポリマー骨格の交互単位から、または単に電荷輸送単位からのいずれかから成る少なくとも1つのタイプの荷電した輸送ブロックを含み、該ブロックは、互いに、ランダムな部位または部分的にランダムな部位を介して結合される。ブロックの好ましい分子量Mは、5×10〜8×10の範囲にある。
【0062】
本発明のコポリマーは、一般的に、1以上のモノマーの重合により調製される。この目的に適した比較的多くの適切な重合反応が、原則として存在するが、以下に挙げる重縮合反応が、特に有用であることが見出された。
【0063】
基本的に、反応タイプ(A)〜(C)は、C−C結合を与え、一方、反応タイプ(D)は、C−N結合を与える:
(A)スズキ重合、
(B)ヤマモト重合、
(C)スティル(STILLE)重合、
(D)ハルトヴィッヒ−ブーフヴァルト(HARTWIG-BUCHWALD)重合。
【0064】
これらの方法は、例えば、WO 03/048225 および WO 04/022626 および本明細書中に挙げた文献中に詳細に記述される。これらを本明細書の一部として本願に援用する。
【0065】
実際の重合(重縮合)(例における詳細を参照のこと)は、2(以上)の工程において進行する。まず第一に、ブロックを形成するモノマーの部分を、一般的に、適切な触媒と補助的な系と共に、溶液中、適切な濃度範囲において反応させる。1種類のみの繰り返し単位を用いる場合には、このようにしてホモブロックを形成する。ブロック中に交互配列を得るためには、例えば、モノマーが、それ自身と反応し得るのみでなく、他の官能基を有するモノマーとも反応し得る、特徴的な性質の重合プロセス(A)、(C)および(D)を用いることができる。ブロックの大きさを、例えば、異なるモノマーについての1:1の化学量論からのずれにより、およびさらなるモノマーを加える前の反応時間により制御することができる。ブロックが所望する大きさに到達したら、さらなる溶媒、触媒およびさらなる補助的な系と共に使用するという条件で、残りのモノマーを加え、重合を続ける。ここで、理想的な化学量論からのわずかなずれにより、または少量の単官能化合物の存在により、分子量を制限することが有利であり得る。反応を、一般的に、所望の分子量まで行う(プロセスは、例えば、粘度測定等により監視され得る)。しかしながら、第一のブロックと異なるさらなるブロックを作ることもまた可能であり、その後、これらのブロックを、ランダム部位または部分的ランダム部位を介して結合することができる。同様に、ランダム部位または部分的ランダム部位との重合を開始することができ、続いて、上記したようにブロックを、その後に作ることもできる。さらに同様に、ブロック、およびランダム部位または部分的ランダム部位を別々に重合することができ、続いて、ブロックと、ランダム部位または部分的ランダム部位との間の少数の新たな結合を形成することにより、ポリマーをさらに重合することができる。その後、反応を止める。これを、種々の方法で行うことができる。反応性の末端基を避けるために、「エンドキャップすること」を行う、すなわち、所望する分子量に到達した後に、単官能化合物を加えることが有用であることが見出された。反応タイプA、CおよびDの場合に、これは、2つの様式において行われ得、すなわち、1つのタイプの1以上の単官能化合物(例えば、モノハライド)を先ず加え、他のタイプの化合物(例えば、モノボロン酸誘導体)を続いて加える。
【0066】
合成されたコポリマーを、続いてまず、反応媒体から分離する必要がある。このようにして得られるポリマーの単離と精製は、例えば、WO 04/037887 中に詳細に記載されており、ここでは改めて記載しない。
【0067】
例えば、記載したプロセスにより本発明のポリマーを調製するために、対応するモノマーを用いる。上記した構造をもたらす合成は、上記の特許出願および特許中に詳細に記載される。優れた概要が、特許出願 WO 02/077060 により与えられ、ここに与えられる情報を、本明細書の一部として本願に援用する。トリアリールアミン単位のホモブロックを得るためには、対応するジハライドおよび対応するボロン酸誘導体を、重合プロセス(A)のために必要とする。完全なランダムポリマーについてもまた、ハライドと、全てのモノマーの対応するボロン酸誘導体を必要とする。
【0068】
・トリアリールアミン単位のボロン酸誘導体を、例えば、アルキルリチウム化合物との対応するジハライド化合物の反応、続くホウ酸トリイソプロピルとの反応により得ることができる。グリニア試薬を形成するための反応と、続くホウ酸トリイソプロピルとの反応も可能である。
【0069】
・他の適した合成ルートは、パラジウム触媒の存在下での、二ホウ酸塩またはボランとの対応するジハライドの反応である。これは、用いる物質が塩基に敏感であり、リチウム化できないか、グリニア試薬に変換することができない、または選択的にリチウム化できないか、選択的にグリニア試薬に変換することができない場合に、上記の合成の優れた代替である。
【0070】
・適切なボロン酸誘導体を得るさらに適した方法は、第一級アリールアミン化合物または第二級アリールアミン化合物から始める。これらは、ハルトヴィッヒ−ブーフヴァルトカップリングにおいて、当業者には知られる反応条件下で、アリールモノハライドモノボロン酸エステル化合物と反応し得る。
【0071】
・このようにして得られるボロン酸またはボロン酸誘導体は、所望ならば、エステル化またはエステル交換反応により、他のボロン酸エステルへとさらに変換され得る。ボロン酸エステルは、異なる溶解性の結果、より簡単に精製され得るために、使用における利点をもたらす。異なるボロン酸エステルは、異なる安定性と反応性を有するという事実もまた、興味深い。
【0072】
ボロン酸エステル官能基を保持しつつ、ハライド官能基が反応する、アリールモノハライドモノボロン酸エステル化合物との第一級アリールアミンまたは第二級アリールアミンの直接的な反応は、予想外であり、新規である。
【0073】
従って、本発明は、パラジウム化合物、少なくとも1種のホスフィン配位子および塩基の存在下で第一級アミンまたは第二級アミンのハルトヴィッヒ−ブーフヴァルト(HARTWIG-BUCHWALD)カップリングによりアリールアミンボロン酸誘導体またはヘテロアリールアミンボロン酸誘導体を調製するための式(I)に示される方法であって、アリールモノハライドモノボロン酸エステル化合物若しくはヘテロアリールモノハライドモノボロン酸エステル化合物との反応、またはアリールモノスルホナートモノボロン酸エステル化合物若しくはヘテロアリールモノスルホナートモノボロン酸エステル化合物との反応を行うことを特徴とする方法を提供する
【化4】

【0074】
(式中、
Rは、出現毎に同一であるか異なり、各々の場合において、H、1〜22の炭素原子を有する直鎖、分枝若しくは環状アルキル鎖(ここで、1以上の非隣接の炭素原子が、N−R’’、O、S、CO−O、O−CO−Oにより置き換えられてもよく、および1以上の水素原子が、フッ素により置き換えられてもよい)、5〜40の炭素原子を有するアリール若しくはヘテロアリール基(ここで、1以上の炭素原子が、O、SまたはNにより置き換えられてもよい)であり、このアリール若しくはヘテロアリール基は、1以上の非芳香族基Rにより置換されていてもよく、2以上のR基は、互いに、環構造を形成し得、但し、出発化合物における基Rの少なくとも1つはHではなく、
R’は、出現毎に同一であるか異なり、各々の場合において、H、1〜22の炭素原子を有する直鎖、分枝若しくは環状アルキル鎖(ここで、1以上の非隣接の炭素原子が、O、S、CO−O、O−CO−Oにより置き換えられてもよく、および1以上の水素原子が、フッ素により置き換えられてもよい)、5〜40の炭素原子を有するアリール若しくはヘテロアリール基(ここで、1以上の炭素原子が、O、SまたはNにより置き換えられてもよい)であり、このアリール若しくはヘテロアリール基は、1以上の非芳香族基Rにより置換されていてもよく、1以上のR’基は、互いに環構造を形成し得る、
Xは、出現毎に同一であるか異なり、各々の場合において、Cl、Br、I、またはO−SOR’であり、ただし、この場合、R’はHではなく
Arは、出現毎に同一であるか異なり、各々の場合において、5〜40の炭素原子を有するアリーレン若しくはヘテロアリーレン基(ここで、1以上の炭素原子が、O、SまたはNにより置き換えられてもよい)であり、これは、1以上のR’基により置換さえていてもよい)。
【0075】
式(I)によるこの合成を、例えば、式(II)に示されるような、ボロン酸エステルにより置換されたテトラフェニルベンジジンの合成に用いることができる。
【化5】

【0076】
加えて、本発明のコポリマーを、純粋な物質としてでなく、代わりに、任意のさらなる所望のポリマー物質、オリゴマー物質、樹枝状物質または低分子量物質との混合物(配合物)として用いることも好ましい。これらは、例えば、電子性質を改善することができ、一重項励起子から三重項励起子への遷移に影響を与えることができ、またはそれ自身がエミッタであり得る。しかしながら、電子的に不活性な物質も、例えば、形成されるポリマーフィルムの形態に影響を与えるのに、またはポリマー溶液の粘性に影響を与えるのに適するものであり得る。従って、このような配合物もまた、本発明により提供する。
【0077】
本発明は、さらに、1以上の溶媒中の本発明による1以上のポリマーまたは配合物の溶液を提供する。ポリマー溶液を調製できる方法は、例えば、WO 02/072714、WO 03/019694 および本明細書中に挙げた文献に記載される。溶液を、領域コーティングプロセス(例えば、スピンコーティング)または印刷プロセス(例えば、インクジェット印刷)により、薄いポリマー層を生成するために用いることができる。
【0078】
本発明のポリマーは、とりわけ、従来技術に対して、以下の驚くべき利点を有する。
【0079】
・PLEDに用いた際に、駆動寿命が、比較ポリマーに対して有意に増加する(表1のデータを参照されたい)。これは、電荷輸送ホモブロックを用いた際に特に当てはまる。このことは、長寿命のフルカラーディスプレイの製造の目的により近づくために、使用における意味ある利点をもたらす。
【0080】
・ポリマーが、規則正しいブロックと、少なくとも4つの異なるモノマーから成るランダム部位または部分的ランダム部位の双方を含む場合に、効率が、比較ポリマーに対して有意に増加し得る。この効果は、同様に、電荷輸送ホモブロックの場合に特に示される。これを、表1のデータから確認できる。
【0081】
・ポリマーが、適切な電荷輸送ブロックを含む場合に、PLEDにおける使用のための駆動電圧が、有意に低減する。ここでの結果は、ブロックにおいて、電荷輸送単位とポリマー骨格単位が互い違いになる場合に、特に良好である。
【0082】
・このタイプのコポリマーを、これらが全ての原色(赤、緑、青)を発光できるように作ることができる。
【0083】
・有機溶媒中での溶解性が、一般的に良好である。すなわち、ポリマーは、トルエン、キシレン、アニソール、メチルアニソール、メチルナフタレンのような溶媒中、1〜約30g/lの範囲(ブロックのタイプおよびポリマーの分子量に依存する)にある量が適している。
【0084】
最後の2つのポイントは、既知の材料に対する改善をもたらすものではないが、これらの性質も、本発明のポリマーに保たれることは必須である。
【0085】
本発明のコポリマーを、PLEDにおいて用いることができる。PLEDを製造することができる方法は、WO 04/037887 中に一般プロセスとして包括的に記載され、これは、個々の場合について適切に当てはまり得る。
【0086】
上記したように、本発明のコポリマーは、PLEDまたはこのように製造されたディスプレイにおけるエレクトロルミネセンス材料として、とりわけ非常に重要である。
【0087】
本発明の目的のために、エレクトロルミネセンス材料は、PLEDにおける活性層として用いることができる材料である。「活性層」とは、層が、電場の適用により光を放射することができること(発光層)、並びに/または層が、正電荷および/若しくは負電荷の注入および/若しくは輸送を改善すること(電荷注入層または電荷輸送層)を意味する。
【0088】
従って、本発明は、また、有機電子デバイスにおける、例えば、ポリマー発光ダイオード(PLED)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機集積回路(O−IC)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機太陽電池(O−SC)、有機レーザダイオード(O−laser)における、および非線形光学についての、とりわけ、エレクトロルミネセンス材料としての本発明のコポリマーの使用を提供する。
【0089】
従って同様に、本発明は、電子デバイス、例えば、ポリマー発光ダイオード(PLED)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機集積回路(O−IC)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機太陽電池(O−SC)、有機レーザダイオード(O−laser)、および非線形光学のためのデバイスを提供し、とりわけ、1以上の活性層であって、少なくとも1つが、1以上の本発明のコポリマーを含む活性層を有するポリマー発光ダイオード(PLED)を提供する。活性層は、例えば、発光層および/または電荷輸送層および/または電荷注入層であり得る。
【0090】
本発明の明細書および以下のさらなる例は、主に、PLEDおよび対応するディスプレイについての、本発明のコポリマーの使用に関する。記載のこの限定に関わらず、当業者は、さらなる進歩性を必要とせずに、本発明のポリマーを、他の電子デバイス、例えば、いくつかの用途を挙げるのみであるが、O−IC、OFET、OTFT、O−SC、O−laserまたは非線形光学におけるさらなる適用のために用いることができるであろう。とりわけ、O−ICおよびOFETを、比較的高い割合の電荷輸送ホモブロックまたは交互の電荷輸送ブロックを有する、本発明の適切なコポリマーを用いて製造することができる。
【0091】
本発明は、以下の例により示されるが、これに限定されることはない。
【0092】

パートA:モノマーの合成
A1 ボロン酸エステルモノマーの合成(ブロックまたはランダムポリマーの合成に必要とされる)
【化6】

【0093】
A1.1 N,N−ビス(4−ボロン酸ピナコールエステル)フェニル−N−(4−tert−ブチルフェニル)アミン(BOR1)の合成
メカニカルスターラー、窒素接続(nitrogen connection)、滴下漏斗および低温温度計を備える、焼いた5lの4つ首フラスコ中で、150g(327mmol)のモノマーM11(sec−ブチル基により置換された)を、2.5lの乾燥THFに溶解し、−78℃まで冷却した。390ml(975mmol)のブチルリチウム(ヘキサン中2.5モル溶液)を、内部温度が−70℃を超えないように、反応混合物に滴下して加えた。滴下が完了した後に、混合物を−78℃で、さらに45分間混合した。その後、230ml(991mmol)のホウ酸トリイソプロピルを、内部温度が−70℃を超えないように、滴下して加えた。混合物を−78℃でさらに4時間攪拌し、その後、500mlのHCl(ジエチルエーテル中2モル溶液)を−70℃で加えた、混合物を室温にまで昇温させた。生成物を減圧下で蒸発させた。残渣を1lのトルエン中に溶解させ、沈殿したLiBrをろ過して取り去る。112g(950mmol)のピナコールおよび1gのパラ−トルエンスルホン酸を加え、反応混合物を、水分離器上で2時間還流した。室温にまで冷却した後に、3gの炭酸カリウムを加え、混合物をろ過し、減圧下で蒸発させた。生成物を200mlの酢酸エチルと共に1時間攪拌し、ろ過し、減圧下40℃で終夜乾燥した。純粋な生成物を、酢酸エチルからの再結晶を繰り返すことにより得た。45.2g(理論値の25%)の生成物を、100%の純度(HPLCおよびGC/MSによる)で与えた。H−NMR(500MHz、CDCl):0.84(t,J=7.4Hz,3H,CH)、1.23(d,J=7Hz,3H,CH)、1.33(s,24H,ピナコール)、1.57(m,2H,CH)、2.57(m,1H,CH)、7.04(m,8H,フェニレン)、7.66(m,4H,フェニレン)。
【0094】
A1.2 モノマーBOR2の合成
【化7】

【0095】
20.46g(20mmol)のモノマーM19と、520mlのジオキサンを反応容器中に入れた。20ml(144mmol)のトリエチルアミン、9.9ml(68mmol)のピナコールボラン、続いて、1g(1.36mmol)の[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]パラジウム(II)クロライドを加え、混合物を、アルゴン雰囲気下で72時間、80℃に加熱した。ジオキサンを、減圧下で除去した。残渣を500mlの酢酸エチルと500mlの水に溶解させ、ろ過した。相を分離し、水相を、3×150mlの酢酸エチルを用いて抽出した。集めた有機相をMgSOにて乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。未精製の生成物をヘキサンと共に攪拌し、ろ過し、乾燥した。さらなる精製を、ジオキサンからの再結晶を繰り返すことにより行った。9.37g(理論値の42%)の生成物を、99.7%の純度(HPLCによる)で与えた。
【0096】
H−NMR(CDCl、500MHz):0.86(t,HH=7.5Hz,6H,CH)、0.93(d,HH=9.7Hz,6H,CH)、0.99(t,HH=7.3Hz,6H,CH)、1.09(d,HH=6.7Hz,6H,CH)、1.18(m,2H,CH)、1.34(m,2H,CH)、1.36(s,24H,CH)、1.48(m,2H,CH)、1.64(m,2H,CH)、1.75(m,2H,CH)、1.95(m,2H,CH)、3.55(m,4H,CH)、3.95(m,4H,CH)、6.20(s,2H,スピロ),6.88(s,2H,スピロ)、6.91(2d,HH=16.1Hz,4H,オレフィン)、7.26(m,2H,スピロ)、7.72(d,HH=9.0Hz,4H,フェニレン)、7.49(dd,HH=8.0Hz,HH=1.4Hz,2H,スピロ)、7.55(d,HH=8.9Hz,4H,フェニレン)、7.78(d,HH=7.7Hz,2H,スピロ)。
【0097】
A1.3 N,N’−ビス(4−ボロン酸ピナコールエステル)フェニル−N,N’−ビス(4−tert−ブチルフェニル)ビフェニル−4,4’−ジアミン(BOR3)の合成
【化8】

【0098】
500mlトルエン中の8.75g(19.5mmol)のN,N’−ビス(4−tert−ブチルフェニル)ビフェニル−4,4’−ジアミンと12.11g(42.8mmol)の1−ブロモ−4−(ピナコールボラン)ベンゼンの脱気した溶液を、1時間Nで飽和した。その後、溶液を、157.8mg(0.78mmol)のP(Bu)および87.6mg(0.39mmol)のPd(OAc)と混合し、続いて、4.84g(50.4mmol)の固体NaOBuを加えた。反応混合物を4時間還流した。室温にまで冷却した後に、153mgのNaCNおよび10mlの水を注意深く加えた。有機相を4×50mlの水で洗い、MgSOにて乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。純粋な生成物を、ジオキサンからの再結晶により得た。収量は6.6g(理論値の40%)、純度は99.8%(HPLCによる)であった。
【0099】
H−NMR(CDCl、500MHz):1.32(s,18H)、1.33(s,24H)、7.05(d,J=8.7Hz,8H)、7.13(d,J=8.7Hz,4H)、7.27(d,J=8.4Hz,4H)、7.45(d,J=8.4Hz,4H)、7.66(d,J=8.7Hz,4H)。
【0100】
A2:さらなる単位のためのモノマー
さらなるモノマーM1〜M23の合成は、WO 02/077060 と本明細書中に挙げた文献に詳細に記載されている。より良い概観を与えるために、以下に再びモノマーを示す。
【化9】

【化10】

【0101】
パートB:ポリマーの調製
ポリマーP1の合成
ランダムなエミッタ骨格部位に結合された、交互の正孔伝導体骨格ブロックを有するポリマー
0.6069g(0.8mmol)のモノマーM9、0.5765g(0.72mmol)のモノマーM2、および3.91gのリン酸カリウム水和物を、25mlのトルエン、25mlのジオキサンおよび6.8mlの水(全ての溶媒は酸素を含まない)中に溶解した。反応溶液を、アルゴンを用いて30分間脱気した。0.45mgのPd(OAc)および3.65mgのP(o−トリル)を触媒として加え、この溶液を、アルゴン雰囲気下で4時間還流した。M=13.7kDaおよびM=34.4kDaの分子量を、ブロックにつき測定した。続いて、0.8118g(1.2mmol)のモノマーM7、0.9248g(1.2mmol)のモノマーM8、1.6333g(2.04mmol)のモノマーM2、0.9825g(1.2mmol)のモノマーM1および0.8185g(0.8mmol)のモノマーM19を加え、混合物をさらに5時間還流した。エンドキャッピングを、0.1mlのブロモベンゼンおよび50mlのトルエンを加えることにより行い、その後、混合物を1時間還流し、200mgのベンゼンボロン酸および40mlのトルエンを加え、混合物を1時間還流した。ポリマー溶液を100mlのトルエンを用いて希釈し、100mlの0.01%濃度のNaCN水溶液と共に、60℃で3時間攪拌した。相を分離し、有機相を4×100mlの水を用いて洗浄した。2倍の体積のメタノール中に滴下導入することによりポリマーを沈殿させ、ろ別した。さらなる精製を、60℃、アルゴン雰囲気下での500mlのTHFへの溶解、セライトを通すろ過、および2倍の体積のメタノールの添加による再沈殿により行った。ポリマーをろ別し、減圧下で乾燥した。4.66g(理論値の93%)のポリマーを単離した。M=993kDa、M=200kDa、多分散性=5.0。
【0102】
ポリマーP2の合成
部分的にランダムなエミッタ骨格部位に結合された、交互の正孔伝導体骨格ブロックを有するポリマー
ブロックについては、25mlのジオキサン、25mlのトルエンおよび7mlの水中、1.214g(1.6mmol)のモノマーM9、1.153g(1.44mmol)のモノマーM2および4.05gのリン酸カリウム水和物を用いてP1と同様に、並びにランダム部位については、1.4091g(1.67mmol)のモノマーM2、0.5415g(0.8mmol)のモノマーM7、0.6165g(0.8mmol)のモノマーM8、0.6550g(0.8mmol)のモノマーM1および0.819g(0.8mmol)のモノマーM19、および10mlのジオキサン/トルエン(1:1)を用いてP1と同様に合成を行った。収量:4.55g(理論値の90%)。M=91kDa、M=392kDa、多分散性=4.3。ブロックの分子量:M=10.2kDa、M=27.8kDa。
【0103】
ポリマーP3の合成
ランダムなエミッタ骨格部位により結合された、正孔伝導体ホモブロックを有するポリマー
ブロックについては、2.5mlのジオキサン、2.5mlのトルエンおよび20mlの水中、0.2021g(0.44mmol)のM11(sec−ブチル基により、ブロム化されていないフェニル環の4位を置換したもの)、0.1992g(0.36mmol)のモノマーBOR1および4.05gのリン酸カリウム水和物を用いてP1と同様に、並びにランダム部位については、22.5mlのジオキサンおよび22.5mlのトルエン中、1.624g(2.4mmol)のモノマーM7、0.295g(0.36mmol)のモノマーM1、2.914g(3.64mmol)のモノマーM2および0.818g(0.8mmol)のモノマーM19を用いてP1と同様に合成を行った。収量:4.56g(理論値の92%)。M=96kDa、M=361kDa、多分散性=3.7。
【0104】
ポリマーP4の合成
ランダムなエミッタ骨格部位により結合された、正孔伝導体ホモブロックを有するポリマー
ブロックについては、2.5mlのジオキサン、2.5mlのトルエンおよび20mlの水中、0.1947g(0.42mmol)のモノマーM11(sec−ブチルにより、ブロモ化されていないフェニル環の4位を置換したもの)、0.2081g(0.34mmol)のモノマーBOR1および4.05gのリン酸カリウム水和物を用いてP1と同様に、並びに完全にランダムな部位については、22.5mlのジオキサンおよび22.5mlのトルエン中、1.6309g(1.99mmol)のモノマーM1、1.6077g(2.01mmol)のモノマーM2、0.8064g(1.19mmol)のモノマーM7、0.9310g(1.21mmol)のモノマーM8、0.4010g(0.39mmol)のモノマーM19および0.4558g(0.41mmol)のモノマーBOR2を用いてP1と同様に合成を行った。収量:4.18g(理論値の87%)のポリマー。M=78kDa、M=304kDa、多分散性=3.9。
【0105】
ポリマーP5の合成
部分的にランダムなエミッタ骨格部位により結合された、交互の正孔伝導体骨格ブロックを有するポリマー
ブロックについては、5mlのトルエン、5mlのジオキサンおよび20mlの水中、0.6069g(0.8mmol)のモノマーM9、0.6085g(0.76mmol)のモノマーM2および4.05gのリン酸カリウム水和物を用いてP1と同様に、並びに部分的にランダムな部位については、15mlのジオキサンおよび15mlのトルエン中、1.1496g(1.6mmol)のモノマーM21、2.5749g(3.21mmol)のモノマーM2および1.0825g(1.6mmol)のモノマーM7を用いてP1と同様に合成を行った。収量:4.62g(理論値の96%)のポリマーを単離した。M=297kDA、M=72kDa、多分散性=4.1。ブロックの分子量:M=30.3kDa、M=83.6kDa。
【0106】
ポリマーP6の合成
部分的にランダムなエミッタ骨格部位により結合された、正孔伝導体ホモブロックを有するポリマー
ブロックについては、2.5mlのジオキサン、2.5mlのトルエンおよび20mlの水中、0.2021g(0.44mmol)のM11(sec−ブチル基により、ブロモ化されていないフェニル環の4位を置換したもの)、0.1992g(0.36mmol)のモノマーBOR1および4.05gのリン酸カリウム水和物を用いてP1と同様に、並びに部分的にランダムな部位については、17.5mlのジオキサンおよび17.5mlのトルエン中、1.082g(1.6mmol)のモノマーM7、0.295g(0.36mmol)のモノマーM1、2.914g(3.64mmol)のモノマーM2および1.149g(1.6mmol)のモノマーM21を用いてP1と同様に合成を行った。収量:4.5gのポリマー(理論値の98%)。M=70kDa、M=296kDa、多分散性=4.2。
【0107】
ポリマーP7の合成
部分的にランダムなエミッタ骨格部位により結合された、交互の正孔伝導体骨格ブロックを有するポリマー
ブロックについては、2.5mlのトルエン、7.5mlのジオキサンおよび20mlの水中、0.6069g(0.8mmol)のモノマーM9、0.6085g(0.76mmol)のモノマーM2および4.05gのリン酸カリウム水和物を用いてP1と同様に、並びに部分的にランダムな部位については、22.5mlのジオキサンおよび7.5mlのトルエン中、0.1833g(0.4mmol)のモノマーM23、0.8231g(2.8mmol)のモノマーM12および2.5941g(3.24mmol)のモノマーM2を用いてP1と同様に合成を行った。収量:3.40g(理論値の92%)、M=149kDa、M=53kDa、多分散性=2.8。ブロックの分子量:M=30.0kDa、M=79.4kDa。
【0108】
さらなるポリマーを、P1〜P7の記載と同様に調製した。化学的性質を表1にまとめる。いかなるブロックも含まず、部分的にランダムな構造または完全にランダムな構造のいずれかを有するいくつかの比較ポリマー(表中「C」により表される)もまた、類似の方法により調製した。これらも表に示す。全てのこれらのポリマーを、PLEDにおける使用について試験した。PLEDを製造する方法は、WO 04/037887 および本明細書中に挙げた文献中に包括的に記載されている。
【0109】
最も重要なデバイス性質(色、効率、駆動電圧および寿命)を表中に示す。
【0110】
交互の正孔伝導体骨格ブロックの使用は、取り込まれるこれらブロックの量に関係なく、駆動電圧における有意な低減をもたらすことを明らかに確認することができる。さらに、例えば、正孔伝導体ホモブロックの使用が、ポリマーの効率と寿命を有意に増加させることが明らかである。同時に、ポリマーの発光色を、実質的に変化させない。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの以下の性質、すなわち
(a)電荷輸送ブロック(正孔輸送または電子輸送用)、
(b)電荷注入ブロック(正電荷注入または負電荷注入用)、
(c)放射ブロック、
(d)一重項励起子から三重項励起子への遷移を援助するブロック、または
(e)ポリマー骨格ブロック
を有する少なくとも1つのブロックを含み、これらのブロック構造が、ランダムコポリマー部位により結合されることを特徴とする共役コポリマー。
【請求項2】
少なくとも1つの以下の性質、すなわち
(a)電荷輸送ブロック(正孔輸送または電子輸送用)、
(b)電荷注入ブロック(正電荷注入または負電荷注入用)、
(c)放射ブロック、
(d)一重項励起子から三重項励起子への遷移を援助するブロック、または
(e)ポリマー骨格ブロック
を有する少なくとも1つのブロックを含み、これらのブロック構造が、部分的ランダムコポリマー部位により結合されることを特徴とする共役コポリマー。
【請求項3】
前記ランダムポリマー部位または前記部分的ランダムポリマー部位が、少なくとも4つのモノマーから成ることを特徴とする請求項1または2に記載のポリマー。
【請求項4】
前記ブロックが、ホモブロックであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項5】
前記ブロックが、交互ブロックであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項6】
前記ブロックが、正孔注入若しくは正孔輸送、電子注入若しくは電子輸送、一重項励起子から三重項励起子への遷移、発光、または同時に複数のこれらの性質に影響を与えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項7】
少なくとも1つのタイプの前記ブロックが、正孔伝導体ホモブロックであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項8】
少なくとも1つのタイプの前記ブロックが、交互の正孔伝導体骨格ブロックであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項9】
少なくとも1つのタイプの前記ブロックが、エミッタホモブロックであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項10】
少なくとも1つのタイプの前記ブロックが、交互のエミッタ骨格ブロックであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項11】
前記ブロック中に存在するモノマーの割合が、少なくとも10モル%であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項12】
前記ブロックの分子量Mが、10〜3×10g/モルの範囲にあることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項13】
前記ランダム部位または前記部分的ランダム部位に存在するモノマーの割合が、少なくとも10モル%であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項14】
平均で少なくとも5の繰り返し単位が、前記ランダムポリマー部位または前記部分的ランダムポリマー部位に存在することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項15】
前記ポリマーが、メタフェニレン若しくはパラフェニレン、1,4−ナフチレン、9,10−アントラセニレン、2,7−フェナントレニレン、2,7−(9,10−ジヒドロ)フェナントレニレン、1,6−ピレン若しくは2,7−ピレン若しくは4,9−ピレンおよび2,7−テトラヒロドピレン、オキサジアゾリレン、2,5−チオフェニレン、2,5−ピロリレン、2,5−フラニレン、2,5−ピリジレン、2,5−ピリミジニレン、3,6−カルバゾリレン若しくは2,7−カルバゾリレン、5,8−キノリニレン、フルオレン、スピロ−9,9’−ビフルオレン並びにインデノフルオレンから選択される構造要素を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項16】
前記ポリマーが、スピロ−9,9’−ビフルオレン、フルオレン、2,7−(9,10−ジヒドロ)フェナントレニレン、および/またはインデノフルオレンから選択される構造要素を含むことを特徴とする請求項15に記載のポリマー。
【請求項17】
前記ポリマーが、電荷注入または電荷輸送に影響を与える構造単位を含むことを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項18】
前記構造単位が、トリアリールアミン、オキサジアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジンおよびキノリンから選択されることを特徴とする請求項17に記載のポリマー。
【請求項19】
前記ポリマーが、発光の色を変える構造単位を含むことを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項20】
前記構造要素が、アリーレン−ビニレン構造またはアリーレン−アセチレン構造、例えば、置換若しくは無置換スチルベニル、置換若しくは無置換トラニル、置換若しくは無置換ビススチリルアリーレン、置換若しくは無置換ビス(アリールアセチレン)アリーレン、およびより大きな芳香族単位、例えば、クリセン、ナフタセン、ペンタセン、ペリレン若しくはコロネン、並びに複素環式単位、例えばチオフェン若しくは2,1,3−ベンゾチアジアゾールから選択されることを特徴とする請求項19に記載のポリマー。
【請求項21】
一重項励起子の三重項励起子への遷移を可能にし、かつ前記三重項状態から光を放射する構造要素が存在することを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか一項に記載のポリマーの1以上を含む配合物。
【請求項23】
1以上の溶媒中に、請求項1〜22のいずれか一項に記載のポリマーの1以上または配合物を含む溶液。
【請求項24】
パラジウム化合物、少なくとも1種のホスフィン配位子および塩基の存在下で第一級アミンまたは第二級アミンのハルトヴィッヒ−ブーフヴァルト(HARTWIG-BUCHWALD)カップリングによりアリールアミンボロン酸誘導体またはヘテロアリールアミンボロン酸誘導体を調製するための式(I)に示される方法であって、アリールモノハライドモノボロン酸エステル化合物若しくはヘテロアリールモノハライドモノボロン酸エステル化合物との反応、またはアリールモノスルホナートモノボロン酸エステル化合物若しくはヘテロアリールモノスルホナートモノボロン酸エステル化合物との反応を行うことを特徴とする方法。
【化1】

(式中、
Rは、出現毎に同一であるか異なり、各々の場合において、H、1〜22の炭素原子を有する直鎖、分枝若しくは環状アルキル鎖(ここで、1以上の非隣接の炭素原子が、N−R’’、O、S、CO−O、O−CO−Oにより置き換えられてもよく、および1以上の水素原子が、フッ素により置き換えられてもよい)、5〜40の炭素原子を有するアリール若しくはヘテロアリール基(ここで、1以上の炭素原子が、O、SまたはNにより置き換えられてもよい)であり、このアリール若しくはヘテロアリール基は、1以上の非芳香族基Rにより置換されていてもよく、2以上のR基は、互いに、環構造を形成し得、但し、出発化合物における基Rの少なくとも1つはHではなく、
R’は、出現毎に同一であるか異なり、各々の場合において、H、1〜22の炭素原子を有する直鎖、分枝若しくは環状アルキル鎖(ここで、1以上の非隣接の炭素原子が、O、S、CO−O、O−CO−Oにより置き換えられてもよく、および1以上の水素原子が、フッ素により置き換えられてもよい)、5〜40の炭素原子を有するアリール若しくはヘテロアリール基(ここで、1以上の炭素原子が、O、SまたはNにより置き換えられてもよい)であり、このアリール若しくはヘテロアリール基は、1以上の非芳香族基Rにより置換されていてもよく、1以上のR’基は、互いに環構造を形成し得る、
Xは、出現毎に同一であるか異なり、各々の場合において、Cl、Br、I、またはO−SOR’であり、ただし、この場合、R’はHではなく、
Arは、出現毎に同一であるか異なり、各々の場合において、5〜40の炭素原子を有するアリーレン若しくはヘテロアリーレン基(ここで、1以上の炭素原子が、O、SまたはNにより置き換えられてもよい)であり、これは、1以上のR’基により置換されていてもよい)。
【請求項25】
ポリマー発光ダイオード(PLED)、有機集積回路(O−IC)、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、有機太陽電池(O−SC)、有機レーザダイオード(O−laser)における、または非線形光学における請求項1〜22のいずれか一項に記載のポリマーまたは配合物の使用。
【請求項26】
1以上の活性層を含み、この少なくとも1つが、請求項1〜22のいずれか一項に記載のポリマーの1以上または配合物を含む電子構成要素。
【請求項27】
ポリマー発光ダイオード(PLED)、有機集積回路(O−IC)、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、有機太陽電池(O−SC)、有機レーザダイオード(O−laser)、または非線形光学のためのデバイスであることを特徴とする請求項26に記載の電子構成要素(デバイス)。

【公表番号】特表2007−501883(P2007−501883A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522982(P2006−522982)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009018
【国際公開番号】WO2005/014688
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】