説明

共役ジエンゴムの製造方法と該共役ジエンゴムの組成物

【課題】共役ジエンゴムの保存安定性を改善し、シリカ化合物との高い反応性を維持すると共に、よりよい物性を保つ、変性共役ジエンゴムの製造方法の提供。
【解決手段】本発明の共役ジエンゴムの製造方法と該共役ジエンゴムの組成物は、前記方法が、共役ジエンまたは共役ジエンとビニル芳香族炭化水素を炭化水素溶液中で有機アルカリ金属化合物を使用したアニオン重合により重合して、高分子鎖末端にアルカリ金属を含む共役ジエンゴムを取得し、高分子鎖末端にアルカリ金属を含む共役ジエンゴムを少なくとも1つの有機シラン化合物と反応させて変性共役ジエンゴムを取得する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は共役ジエンゴムの製造方法に関し、特に、優れた保存安定性を備えた共役ジエンゴムの製造方法と当該共役ジエンゴムの組成物に関する。
(関連出願への相互参照)
本出願は、2011年8月31日出願の台湾特許出願第100131368号「PROCESS FOR PRODUCING ALKOXYSILYL GROUP CONTAINING CONJUGATED DIENE RUBBER AND COMPOSITE OF THE SAME(共役ジエンゴム組成物及び該共役ジエンゴムを含むアルコキシシリル基の製造方法)」に基づく優先権を主張し、当該特許は参照により本明細書中に組み込まれ、且つ譲受人に譲渡される。
【0002】
本出願は、2011年11月18日出願の台湾特許出願第100142273号「PROCESS FOR PRODUCING CONJUGATED DIENE RUBBER CONTAINING ALKOXYSILYL GROUP AND COMPOSITE OF THE SAME RUBBER(共役ジエンゴム組成物及びアルコキシシリル基を含む該共役ジエンゴムの製造方法)」に基づく優先権を主張し、当該特許は参照により本明細書中に組み込まれ、且つ譲受人に譲渡される。
【0003】
本出願は、2011年12月13日出願の台湾特許出願第100145924号「PROCESS FOR PRODUCING CONJUGATED DIENE RUBBER AND COMPOSITE OF THE SAME RUBBER(共役ジエンゴムの製造方法と該共役ジエンゴムの組成物)」に基づく優先権を主張し、当該特許は参照により本明細書中に組み込まれ、且つ譲受人に譲渡される。
【背景技術】
【0004】
溶液重合スチレンブタジエンゴム(SBR)は、ブタジエンとスチレンユニットを含む溶液重合法により作られた合成製品である。 溶液重合SBRの工業生産は、バッチプロ
セスを米国企業Phillips社が、連続プロセスをFirestone社がそれぞれ最初に提案した。溶液重合SBRは機械物性、転がり抵抗、ウェットまたはアイススキッド抵抗において乳化重合SBRより優れており、溶液重合SBRは自動車産業及びその他ゴム製品で広く使用されている。自動車に対する低燃費化要求に伴い、そのような特性要件を持つタイヤのゴム材料に対する需要も高まっている。転がり抵抗が小さく、耐摩耗性に優れ、バランスの取れたウェットスキッド抵抗を持つ共役ジエンベースのゴムは自動車産業により需要が高まっている。
【0005】
一方、業界ではゴム組成物の補強剤としてシリカ化合物またはシリカ化合物とカーボンブラックの混合物を追加することを提案した。シリカとカーボンブラックの混合化合物またはシリカ化合物を含むタイヤトレッドは、低転がり抵抗とウェットスキッド抵抗において好ましい。
【0006】
関連の技術的刊行物のうち、米国特許第4185042号はSBSブロック共重合体に使用されるカップリング剤を開示している。リチウム含有重合体をカップリング剤(すなわち、epoxy−R−Si(OR))と反応させ、結合比率(coupling ratio)>90%かつSi−OR基がSBSブロック共重合体中に存在しない、SBSブロック共重合体を得るものである。
【0007】
米国特許第5015692号は、アミノシラン結合スチレン−ブタジエンゴムを開示し
ている。ジエン重合体分子のリチウムを含む末端とカップリング剤(すなわち、R−Si−(CH−N−R)を反応させ、スチレン−ブタジエンゴムを変性したものである。しかしながら、アルコキシシラン基含有化合物でのSBRの変性は開示されていない。
【0008】
米国特許第5219938号は2段階の変性プロセスを開示している。2種類の改質剤を使用することで、ジエン重合体分子のリチウムを含む末端とカップリング剤RSiCl4−nまたはRSnCl4−nを反応させてスチレン−ブタジエンゴムの最初の変性を実施し、その後カップリング剤(R−Si−(CH−N−R)で2回目のスチレン−ブタジエンゴムの変性を実施する。
【0009】
米国特許第5665812号はエポキシとアルコキシシラン基を含む化合物でのSBRの変性を開示している。スチレン−ブタジエンゴムはエポキシ化アルコキシシラン化合物(例えば、Y−R−Si(OR)で変性される。
【0010】
米国特許第7288594号はリチウム含有スチレン−ブタジエンゴムの2つの異なるシラン化合物を使用した2段階の変性を開示している。加えて、米国特許第7807747号はリチウム含有スチレン−ブタジエンゴムの同一のシラン化合物を使用した2段階の変性を開示している。
【0011】
しかしながら、上述の先行技術はいずれも保存安定性を改善するための共役ジエンゴムの変性を開示していない。実際の応用において、共役ジエンゴムの保存安定性の改善には、シリカ化合物との高い反応性の維持とよりよい物性の維持が必要とされる。本発明の共役ジエンゴム及び当該共役ジエンゴムを用いた組成物はタイヤ、靴底、床材、防振材などに使用され、特にタイヤでの使用に適しており、それにより小さい転がり抵抗及び高いウェットまたはアイススキッド抵抗でタイヤトレッドを向上し、より良好な操縦安定性と信頼性につなげることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第4185042号明細書
【特許文献2】米国特許第5015692号明細書
【特許文献3】米国特許第5219938号明細書
【特許文献4】米国特許第5665812号明細書
【特許文献5】米国特許第7288594号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、共役ジエンゴムの保存安定性を改善し、シリカ化合物との高い反応性を維持すると共に、よりよい物性を保つことができる、変性共役ジエンゴムの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様により、共役ジエンゴムの製造方法と該共役ジエンゴムの組成物が提供される。前記製造方法は、有機アルカリ金属化合物を使用したアニオン重合により共役ジエンまたは共役ジエンとビニル芳香族炭化水素を炭化水素溶液中で重合して高分子鎖末端にアルカリ金属を含む共役ジエンゴムを取得する工程と、前記共役ジエンゴムを少なくとも1つの有機シラン化合物と反応させて変性共役ジエンゴムを取得する工程を含む。前記変性共役ジエンゴムと大量の水の接触中または接触後、適切な熱源により溶媒と水分が前記変性共役ジエンゴムから除去され、そのうち変性共役ジエンゴムの結合比率(coup
ling ratio)は40%未満であり、水と接触した後の変性共役ジエンゴムの結合比率は少なくとも50%であり、より好適には少なくとも60%、最適には少なくとも70%であり、初期MVi(水処理後)とMVs(90℃、相対湿度80%での40時間の保管試験後)間のムーニー粘度(MV)の差は10以下である。
【0015】
前記有機シラン化合物は次の化学式で表すことができる。
【0016】
【化1】

【0017】
ここで、R、RはC〜C12のアルキル基、C〜C18の芳香族基、またはアリル基であり、RはC〜C12のアルキル基またはC〜C18の芳香族基であり、RはC〜C12のアルコキシ基、C〜C12のアルキル基、C〜C18の芳香族基、またはアリル基であり、Yは含酸素及び(または)含窒素官能基である。
【0018】
好ましくは、Yはエポキシ、アミノ、第一級または第二級アミン、エステル、アルデヒド、ケトン、アクリル酸、アクリレート、イミダゾリン、またはこれらの組み合わせを含む。別の一実施形態において、前記共役ジエンゴムの変性は次の式の組み合わせにより表すことができる。
【0019】
【化2】

【0020】
【化3】

【0021】
【化4】

【0022】
ここで、Yは含酸素及び(または)含窒素官能基であり、Aは共役ジエン重合体または共役ジエンとビニル芳香族炭化水素の共重合体である。
好ましくは、Yはエポキシ、アミノ、第一級または第二級アミン、エステル、アルデヒド、ケトン、アクリル酸、アクリレート、イミダゾリン、またはこれらの組み合わせを含む。
【0023】
本発明の別の一態様において、水と接触した変性共役ジエンゴムが開示されており、そのうち、溶媒に対する水の重量比は少なくとも0.1であり、好適には少なくとも0.5、より好適には少なくとも1である。pH値は4〜12であり、好適には5〜11、より好適には6〜10である。両者の接触温度は約20℃〜約150℃とすることができ、好適には約30℃〜約140℃、より好適には約40℃〜130℃である。両者の接触時間は約5分〜10時間とすることができ、好適には約10分〜8時間、より好適には約30分〜6時間である。変性共役ジエンゴムが水と接触中、または接触後に、蒸気、電気、熱空気、またはその他熱処理を実施して溶媒を除去することができる。続いて、機械脱水、オーブン乾燥、エプロン乾燥などほかの既知の乾燥処理を実施することができる。
【0024】
前記変性共役ジエンゴムと大量の水の接触中または接触後、適切な熱源を使用して溶媒と水分を除去することができることを述べておく。水と接触した前記変性共役ジエンゴムに使用される熱処理は、水蒸気蒸留、ホットガス蒸留、または機械乾燥及びその他類似の処理を含むが、これらに限らない。
【0025】
本発明の別の一態様において、共役ジエンゴム組成物は、変性共役ジエンゴムと、前記変性共役ジエンゴムと結合されたシリカ化合物を含み、そのうち、前記変性共役ジエンゴムの結合比率(coupling ratio)は40%未満であり、水との接触後の前記変性共役ジエンゴムの結合比率は少なくとも50%であり、初期MVi(水蒸気蒸留処理後)とMVs(90℃、相対湿度80%での40時間の保管試験後)の間のムーニー粘度(MV)の差は10以下である。
【0026】
本発明の重合体は、共役ジエンモノマーの重合体または共役ジエンモノマーの共重合体(例えば、ブタジエンまたはイソプレン)とビニル芳香族炭化水素モノマー(例えば、スチレンまたはメチルスチレン)を含む。本発明の各実施例の重合の方法は、有機アルカリ金属を使用したアニオン重合を含む。本発明の各実施例の重合体物性は、初期分子量が約150〜450kg/moleであり、活性アルカリ金属を含む共役ジエンゴム高分子鎖末端に対する有機シラン化合物のモル比が≧1.1であり、好適には≧1.2、より好適には≧1.4であり、変性後のムーニー粘度が約20〜150の範囲であり、好適には30
〜140、より好適には35〜130の範囲である。
【0027】
本発明において使用されるモノマーは、スチレン、ブタジエン、イソプレンに限られず、その他の適切な誘導体も本発明に用いることができる。例えば、ビニル芳香族炭化水素モノマーは例えば、スチレン、メチルスチレン及びそのあらゆる異性体、エチルスチレン及びそのあらゆる異性体、シクロヘキシルスチレン(cyclohexylstyrene)、ビニルビフェニル (vinyl biphenyl)、1−ビニル−5−ヘキシルナフタレン(1−vinyl−5−hexyl naphthalene)、ビニルナフ
タレン(vinyl naphthalene)、ビニルアントラセン(vinyl anthracene)及びこれらの任意の組み合わせから構成される群から独立して選択することができる。共役ジエンモノマーは1,3−ブタジエン(1,3−butadiene)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン(2,3−dimethyl−1,3−butadiene)、3−ブチル−1,3−オクタジエン(3−butyl−1,3−octadiene)、イソプレン、1−メチルブタジエン(1−methylbutadiene)、2−フェニル−1,3−ブタジエン(2−phenyl−1,3−butadiene)及びこれらの任意の組み合わせから構成される群から独立して選択することができる。
【0028】
重合中、好ましいオプションは有機リチウムを触媒開始剤として含む有機アルカリ金属化合物を使用し、活性重合体を得ることである。モノマーを加えた後、炭素リチウムイオ
ンが高分子鎖末端に形成され、分子鎖の成長によって重合が続けられる。有機リチウム開始剤の具体的な例としては、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、アミルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウムなどが含まれ、n−ブチルリチウムまたはsec−ブチルリチウムが好ましい。重合中に使用される有機リチウム開始剤の量は、取得したい重合体の分子量によって決まり、通常はモノマー総量の実際の消費量に基づく。有機リチウム開始剤の重量%は、溶媒が存在する中で実行されたモノマー重合総量の0.005%〜5%
の範囲である。重合に適した溶媒には、不活性有機溶媒などが含まれ、不活性溶媒は重合反応に関与しない。不活性溶媒の例としては、ブタン、イソブタン、ペンタン、n−ペンタン、イソペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン(2,2,4−trimethyl pentane)、イソヘキサン、n−ヘキサン、イソヘプタン、n−ヘプタン、イソオクタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素化合物、またはシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロペンタン、シクロヘプタン、メチルシクロペンタンなどのナフテンファミリー、あるいはトルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ベンゼンなどの芳香族化合物を含む。本発明により適しているものには、シクロヘキサン、シクロヘキサンとn−ヘキサン、ブタン、またはメチルシクロペンタンの混合物が含まれる。
【0029】
共役ジエンゴムのポリマー濃度は通常約5%〜約35%の範囲であり、約10%〜約30%の範囲が好ましい。
通常、重合媒体として単に不活性有機溶媒を使用した場合、ビニル芳香族炭化水素または共役ジエンの重合速度は遅く、且つ両者の重合反応性も有意に異なる。このような違いは極性溶媒を加えることで克服することができる。本発明の適用可能な極性溶媒の具体的な例としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルエーテル、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジメチルエーテル、メチルエーテルなどのエーテル化合物を含み、テトラヒドロフランとジエチルエーテルなどが好ましく、またテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)などのアミン化合物も含む。極性溶媒の存在は通常ビニル含量を増加させることができる。本発明に適したビニル含量は約5%〜約85%の範囲である。ただし、極性溶媒の量は、ビニル含量をこの範囲内にするため異なる溶媒の性質に基づいて調整可能である。
【0030】
初期重合温度は約10℃〜約80℃とすることができる。最終重合温度は約30℃〜約150℃とすることができる。温度制御法は断熱反応、一定温度制御、または部分冷却制御を含むことができる。
【0031】
本発明の共役ジエンゴムは、別のゴム成分と混合することで共役ジエンゴム組成物に使用することができる。前記別のゴム成分の例としては、従来のスチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、ブチルゴムが含まれる。具体的な例にはさらに天然ゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−オクテン共重合ゴムが含まれる。これらの成分は2種類以上の混合で使用することができる。
【0032】
別のゴム成分が本発明の共役ジエンゴムと混合される場合、燃費のよさの観点から、組み合わされる本発明の共役ジエンゴムの量は組み合わせたゴム成分の総量を100重量部としたとき、好ましくは少なくとも10重量部であり、また少なくとも20重量部であることが好ましい。
【0033】
さらに、本発明の共役ジエンゴムは、別の添加剤等と混合することで共役ジエン重合体組成物に使用することができる。添加剤としては、既知の添加剤を使用することができ、その例としては、硫黄などの加硫剤、チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、
またはスルフェンアミド系加硫促進剤などの加硫促進剤、ステアリン酸または酸化亜鉛などの加硫活性剤、有機過酸化物、シリカまたはカーボンブラックなどの補強剤、炭酸カルシウムまたはタルクなどの充填剤、シランカップリング剤、エクステンダーオイル、加工助剤、抗酸化剤、潤滑剤が含まれる。
【0034】
補強剤が本発明の共役ジエンゴムと組み合わされた共役ジエンゴム組成物の使用時、補強剤としてシリカまたはシリカとカーボンブラックの混合物を使用することが好ましい。
本発明の共役ジエンゴムとシリカを混合して共役ジエンゴム組成物が形成されるとき、組み合わされるシリカの量は、ゴム成分(本発明の共役ジエンゴムの総量)の100重量部に対して通常10〜200重量部である。燃費のよさの観点から、組み合わされる量は、好ましくは少なくとも20重量部とし、かつ少なくとも30重量部がより好ましい。向上される補強の観点からは、180重量部以下が好ましく、かつ150重量部以下がより好ましい。
【0035】
シリカ以外の補強剤が本発明の共役ジエンゴムと組み合わされる場合、燃費のよさの観点から、シリカ以外の補強剤の混合量は、本発明の共役ジエンゴムの総量の100重量部に対して、好ましくは120重量部以下とし、かつ100重量部以下がより好ましい。向上される補強の観点からは、少なくとも1重量部が好ましく、かつ少なくとも3重量部がより好ましい。シリカ以外の補強剤としては、カーボンブラックが好ましい具体例である。
【0036】
別のゴム成分、添加剤等と本発明の共役ジエンゴムの混合による共役ジエンゴム組成物の製造法としては、各成分がロール機またはバンバリーミキサー、またはインターナルミキサーなどの既知のミキサーで混練する方法など、既知の方法を用いることができる。
【0037】
混練条件に関して、加硫剤または加硫促進剤を除いた添加剤、充填剤、シリカ及び(または)ほかの補強剤が混合されるとき、混練温度は通常50℃〜200℃であり、好ましくは80℃〜150℃である。混練時間は通常30秒〜30分であり、好ましくは1分〜30分である。加硫剤または加硫促進剤が組み合わされる場合、混練温度は通常100℃以下とし、好ましくは室温〜90℃である。加硫剤または加硫促進剤が組み合わされる組成物は、プレス加硫などの加硫処理を行って使用することができる。加硫温度は通常120℃〜200℃であり、好ましくは140℃〜180℃である。
【0038】
本発明の共役ジエンゴム及び共役ジエンゴム組成物は優れた加工性を備えている。さらに、燃費がよい。加えて、良好なグリップ性能、耐摩耗性、引っ張り強度等を備えている。
【0039】
本発明の共役ジエンゴム及び共役ジエンゴム組成物はタイヤ、靴底、床材、防振材などに使用され、特にタイヤでの使用に適しており、それにより小さい転がり抵抗及び高いウェットスキッド抵抗でタイヤトレッドを向上し、より良好な操縦安定性と信頼性につなげることができる。
【0040】
本発明によれば、シリカが補強剤として使用されていても優れた加工性と燃費のよさを備えたゴム組成物を提供できる共役ジエンゴム組成物、シリカまたはシリカとカーボンブラックの混合物と混合された共役ジエンゴムを含む共役ジエンゴム組成物を製造する方法を提供することができる。
【0041】
優れた転がり抵抗、耐摩耗性、引っ張り強度は、前述の本発明の方法に従い、製品をシリカ化合物またはシリカ化合物とカーボンブラックの混合物と混合することにより取得できる。シリカ化合物の量は本発明の共役ジエンゴムの10%〜200%である。つまり、
本発明の共役ジエンゴムの100重量部を基準とし、シリカ化合物の量は約10〜約200重量部である。
【0042】
補強充填剤用の沈降シリカは、例えば、可溶性シリケートの酸性化(例えば、ケイ酸ナトリウムまたはケイ酸塩とアルミン酸塩の共沈)により取得されるものなど、合成非結晶性シリカである。前記沈降シリカは、通常、当業者の知るところである。
【0043】
窒素ガスを使用して測定された、合成シリカ(沈降シリカ)のBET表面積は、1g当たり、例えば、約50〜約300平方メートル(m/g)の範囲内、または約100〜約250平方メートル(m/g)の範囲内とすることができる。
【0044】
またシリカは、例えば、約100〜約500、通常は約120〜約350cc/gの範囲のフタル酸ジブチル(DBP)吸収値も有することができる。
本発明では、多様な市販の合成シリカ、特に沈降シリカを使用することができ、例えば、例としてのみ、非限定的に、PPG Industriesからの商標Hi−Sil、
名称210、243等で商業的に入手可能なシリカ、Rhodiaから入手可能な名称Zeosil 1165MP及びZeosil 165GRのシリカ、EVONIK In
dustriesから入手可能な名称VN2及びVN3、7000GR、9000GRのシリカ;並びにHuberからの名称Zeopol 8745のシリカ等を本発明に使用することができる。
【0045】
ゴムタイヤトレッド用のシリカ補強剤がカップリング剤と共に使用される。
カップリング剤はシリカにゴムに対する補強効果を発揮させ、それらの多くが当業者に一般に知られている。一部カップリング剤は、例えば、シリカ粒子とあらかじめ混合、またはあらかじめ反応済みであり、またはゴム/シリカの加工または混合段階においてゴム混合物に加えられる。カップリング剤とシリカがゴム/シリカの混合中に、または加工段階で、別々にゴム混合物に加えられる場合、カップリング剤はシリカとその場で結合されると考えられる。
【0046】
特に、前記カップリング剤は、例えば、シリカ表面(例えば、シリカ表面のシラノール基)と反応することができる成分、または部分(アルコキシ部分)を有し、かつ、ゴム、特に炭素−炭素二重結合、または不飽和を含む加硫ゴムと反応することができる成分、または部分も有する、アルコキシシランから構成することができる。こうして、カップリング剤がシリカとゴムの間をつなげる橋として作用し、当業者には既知の方法でシリカのゴム補強力が向上される。
【0047】
例えば、多硫化成分、またはビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルファンなど、多硫化橋(polysulfidic bridge)に平均約2〜4(例えば、約2〜3の範囲または約3〜4の範囲など)の繋がった硫黄原子を含む、ビス−(3−アルコキシシリルアルキル)ポリスルファンなどの構造を含む、例えばシランカップリング剤など数多くのカップリング剤がシリカとゴムの混合で使用できる。
【0048】
添付の図面と合わせて、以下の詳細な記述を参照することによって、前述の態様及び本発明に伴う利点の多くがよりよく理解されるので、それらがより容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】比較例1と実施例1におけるゴムの保存安定性を表すMV変化の試験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。
本発明の態様及び実施例によれば、タイヤトレッドの製造に適したアルコキシシラン基を含む変性共役ジエンゴムが提供される。しかしながら、Si−OR官能基を持つアルコキシシラン基を含む共役ジエンゴムは高湿環境で不安定である。前記共役ジエンゴムのムーニー粘度(MV)は保管期間中に徐々に増加する。合成ゴムとタイヤ業界に関して言うと、この問題は長年にわたって存在しながら、解決されずに来た問題である。前記共役ジエンゴム重合体のムーニー粘度(MV)が保管期間中に徐々に高まる反応のメカニズムは次のように表すことができる。 SBR-Si-OR + RO-Si-SBR → SBR-Si-O-Si-SBR + ROH
SBR-Si-OH + HO-Si-SBR → SBR-Si-O-Si-SBR + H2O
加水分解重合反応の実施後、複数の変性共役ジエンゴムが複数の分枝鎖を持つ共役ジエンゴムに徐々に変化し、重合体分子量が増加した。複数の分枝鎖を持つ共役ジエンゴムは湿気のある環境でより安定的であるがシリカ化合物との反応性は比較的低い。
【0051】
本発明のいくつかの実施例によれば、次の式の組み合わせによって、別の変性共役ジエンゴムを表すことができる。
【0052】
【化5】

【0053】
【化6】

【0054】
【化7】

【0055】
ここで、Yは含酸素及び(または)含窒素官能基である。好ましくは、Yはエポキシ、アミノ、第一級または第二級アミン、エステル、アルデヒド、ケトン、アクリル酸、アクリレート、イミダゾリン、またはこれらの組み合わせを含む。例えば、Yは
である。Aは共役ジエンの重合体、または共役ジエンとビニル芳香族炭化水素の共重合体である。Aは遊離(free)シラン改質剤とほかの共役ジエンゴム間の反応から形成される。
【実施例】
【0056】
(比較例1及び実施例1)
初期容量約5リットルの窒素ガスでパージしたオートクレーブを用意し、そしてオートクレーブにシクロヘキサン2750グラム、テトラヒドロフラン(THF)82.5グラ
ム、スチレン61グラム、1,3−ブタジエン244グラムが導入される。続いてn−ブ
チルリチウム5.03ミリモルが重合の触媒活性成分として添加され、30℃で重合が開
始される。
【0057】
重合反応の最終段階で、(N,N−ジメチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン1.47ミリモルが添加される。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)での分析によ
ると、シランの活性鎖末端を備えた共役ジエンゴムに対するモル比は約1.4である。そ
の後、2,6-ジ−tert−ブチル−p−クレゾールがポリマー溶液に添加される。次
に、ポリマー溶液1500グラムが乾燥オーブンに入れられ、直接溶媒が除去される。乾燥後の変性共役ジエンゴムを比較例1のゴムと定義する。
【0058】
続いて、残ったポリマー溶液に脱溶媒和を実施する。前記変性共役ジエンゴムと大量の水の接触後、適切な熱源により溶媒と水分が前記変性共役ジエンゴムから除去される。たとえば、90℃、溶媒に対する水の重量比が少なくとも1、pH値が6〜10の範囲内で水蒸気蒸留が3時間実施される。ゴムはさらに 110℃の熱ロール機(hot rol
l)で乾燥される。水蒸気蒸留後の変性共役ジエンゴムが実施例1のゴムと定義される。
【0059】
言及すべきは、本発明の変性共役ジエンゴムは水と接触していることであり、ここで、溶媒に対する水の重量比は少なくとも0.1であり、好ましくは少なくとも0.5、より好ましくは少なくとも1である。pH値は4〜12であり、好ましくは5〜11、より好ましくは6〜10である。両者の接触温度は約20℃〜約150℃とすることができ、好ましくは約30℃〜約140℃、より好ましくは約40℃〜130℃である。両者の接触時間は約5分〜10時間とすることができ、好ましくは約10分〜8時間、より好ましくは約30分〜6時間である。変性共役ジエンゴムが水と接触中、または接触後に、蒸気、電気、熱空気、またはその他熱処理を実施して溶媒を除去することができる。続いて、機械脱水、オーブン乾燥、エプロン乾燥などほかの既知の乾燥処理を実施することができる。
【0060】
前記変性共役ジエンゴムと大量の水の接触後、適切な熱源を使用して溶媒と水分の除去を行うことができる。水と接触した前記変性共役ジエンゴムに使用される熱処理は、水蒸気蒸留、ホットガス蒸留、または機械乾燥を含むが、これらに限らない。
【0061】
高分子鎖末端にアルカリ金属を含む共役ジエンゴムのモル比は、追加されたモノマーの重量を有機シラン化合物の処理なしでGPCにより補正された後のポリスチレンの分子量Miで除することにより取得することができる。本明細書で示す分子量はGPC測定装置での標準のポリスチレン分子量測定に基づく。
【0062】
比較例1と実施例1のゴムの分析物性の対照比較を表1に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
表1で、1分間の事前加熱と100℃で4分間延長の条件で、ムーニー粘度(ML1+4、100 ℃)が測定される。未結合のものより分子量が大きいポリマーの全ポリマー
分子量に対する比率を表す結合比率(C/R%)は、屈折率検出器を搭載したゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定できる。測定の実施中、テトラヒドロフランが移動相として用いられる。微細構造特性(スチレン含量、1,2−ビニル含量)はフーリエ変換
赤外分光法(FTIR)で測定できる。
【0065】
表2に比較例1と実施例1のゴム保存安定性の試験条件及び結果を示す。
実施例1のゴムのMV値は保存安定性試験プロセス中ほぼ一定に維持され、一方で比較例1のゴムのMV値は保存安定性試験プロセス中60から90へと徐々に増加した。さらに、実施例1のゴムと比較例1のゴムにおけるMVの変化に関する保存安定性試験結果を図1に示す。
【0066】
【表2】

【0067】
(実施例2〜5)
実施例2〜5の重合工程は基本的に実施例1の工程を類似しており、説明を簡潔にするため、同じ説明は省略する。違いは、実施例2の重合工程ではイミダゾリンプロピルトリメトキシシラン(imidazolinepropyltrimethoxysilane)、実施例3の重合工程では3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン(3−glycidoxypropyltrimethoxysilane)、実施例 4の重合
工程ではN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルエチルジエトキシシラン(N,N−bis(trimethylsilyl)aminopropylethyldiethoxysilane)、実施例5の重合工程では3−ジメチルアミノエチルジエトキシメチルシラン(3−dimethylaminoethyldiethoxy−methylsilane)をそれぞれ添加している点である。実施例2〜5の合成共役ジエンゴムの物性の比較分析を表3に示す。
【0068】
【表3】

【0069】
本発明の前述の実施例の利点は、アルコキシシリル含有改質剤と水蒸気蒸留の手順が、変性共役ジエンゴムがより良好な保存安定性を提供し、シリカ化合物との高い反応性が維持され、かつより良好な物性も達成できるように提供されることにある。本発明のさまざまな実施例は、共役ジエンモノマーの重合体、または共役ジエンモノマーの共重合体(例えば、ブタジエンまたはイソプレン)、及びビニル芳香族炭化水素モノマー(例えば、スチレンまたはメチルスチレン)を提供する。本発明のさまざまな実施例は、アルカリ金属との有機アニオン重合を含む重合法を提供する。本発明のさまざまな実施例は、改質剤のリチウム含有共役ジエンゴムに対する比率が1.1以上のポリマーを提供する。変性後の
ムーニー粘度は約20〜約150の範囲内にある。水蒸気蒸留後のムーニー粘度は約30〜約150の範囲内にある。変性後の結合比率は<40%である。水蒸気蒸留後の結合比率は≧50%である。初期ムーニー粘度MViとMVs(90℃、相対湿度80%での40時間の保管試験後)の差は≦10である。ムーニー粘度はALPHA MOONEY MV 2000モデルで試験される。
【0070】
燃費を達成するため、ポリマー100重量部、シリカ(製品名:Ultrasil 7000GR、EVONIK Industries製造)78.4重量部、シランカップ
リング剤(製品名Si69、EVONIK Industries製造)6.9重量部、
エクステンダーオイル50.0重量部、抗酸化剤(製品名:Antigene 3C)1.5重量部、ステアリン酸2重量部、酸化亜鉛2重量部、ロウ1.5重量部、硫黄1.4重量部、加硫促進剤2重量部(製品名CZとDをそれぞれ1重量部)が混練され、組成物が形成された。取得された組成物は二軸押出機を使ってシートに成型され、シートが160℃で45分間加熱されて加硫され、加硫シートが得られた。
【0071】
粘弾性計を使用し、加硫シートの損失正接が60℃で(tanδ(60℃))1%の歪みと10Hzの周波数の条件下で測定された。標準として比較例に基づき、比較例1を100%と設定し、実施例の値が高いほど、燃費がより良いことを表す。粘弾性計を使用し、加硫シートの損失正接が0℃(tanδ (0℃))で0.5%の歪みと10Hzの周波数の条件下で測定された。標準として比較例に基づき、比較例1を100%と設定し、実施例の値が高いほど、グリッピングとブレーキの安全性が高いことを表す。
【0072】
本発明をその好ましい実施例として詳細に説明したが、当業者には本発明の明細書に基づく様々な置換え、修正、変形が可能であることが明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、このような置換え、修正、変形のすべてを包含するように、本発明の最も幅広く解釈されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共役ジエンゴムの製造方法であって、
共役ジエンまたは共役ジエンとビニル芳香族炭化水素を炭化水素溶液中で有機アルカリ金属化合物を使用したアニオン重合により重合してアルカリ金属含有共役ジエンゴムを取得する工程と、
高分子鎖末端にアルカリ金属を含有する前記共役ジエンゴムを少なくとも1つの有機シラン化合物と反応させて変性共役ジエンゴムを取得する工程と、
溶媒に対する水の重量比が少なくとも0.1であるように前記変性共役ジエンゴムを水
と接触させる工程と、
前記変性共役ジエンゴムの水との接触中または接触後に、溶媒と水分を適切な熱源によって変性共役ジエンゴムから除去する工程と、
を含み、前記変性共役ジエンゴムの結合比率が40%未満であり、水と接触後の前記変性共役ジエンゴムの結合比率が少なくとも50%であり、初期MVi(水処理後)とMVs(90℃、相対湿度80%での40時間の保管試験後)間のムーニー粘度(MV)の差が10以下であることを特徴とする、共役ジエンゴムの製造方法。
【請求項2】
前記有機シラン化合物が、下記一般式(1)で示されるアルコキシシリル基を含むことを特徴とする、請求項1に記載の共役ジエンゴムの製造方法。
【化1】

(ここで、R及びRはC〜C12のアルキル基、C〜C18の芳香族基、またはアリル基であり、RはC〜C12のアルキル基またはC〜C18の芳香族基であり、RはC〜C12のアルコキシ基、C〜C12のアルキル基、C〜C18の芳香族基、またはアリル基であり、Yは含酸素及び(または)含窒素官能基である。)
【請求項3】
水と接触後の前記変性共役ジエンゴムが、下記一般式(2)乃至(4)の組み合わせで示されることを特徴とする、請求項1に記載の共役ジエンゴムの製造方法。
【化2】

【化3】

【化4】

(ここで、Yは含酸素及び(または)含窒素官能基であり、Aは共役ジエン重合体または共役ジエンとビニル芳香族炭化水素の共重合体である。)
【請求項4】
前記共役ジエンが、1,3−ブタジエン(1,3−butadiene)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン(2,3−dimethyl−1,3−butadiene)、3−ブチル−1,3−オクタジエン(3−butyl−1,3−octadiene)、イソプレン、1−メチルブタジエン(1−methylbutadiene)、2−フェニル−1,3−ブタジエン(2−phenyl−1,3−butadiene)及びこれらの任意の組み合わせから構成される群から独立して選択されることを特徴とする、請求項1に記載の共役ジエンゴムの製造方法。
【請求項5】
水と接触中、または接触後の前記変性共役ジエンゴムの処理が、水蒸気蒸留、ホットガス蒸留(hot gas stripping)、または機械乾燥を含むことを特徴とする、請求項1に記載の共役ジエンゴムの製造方法。
【請求項6】
前記アルコキシシリル基化合物または前記変性共役ジエンゴムのYが、エポキシ基、第三アミノ基、第一級または第二級アミン基、エステル基、アルデヒド基、ケトン基、アクリレート基、イミダゾリン基、またはこれらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項2または3に記載の共役ジエンゴムの製造方法。
【請求項7】
前記ビニル芳香族炭化水素が、スチレン、メチルスチレン及びそのあらゆる異性体、エチルスチレン及びそのあらゆる異性体、シクロヘキシルスチレン(cyclohexylstyrene)、ビニルビフェニル (vinyl biphenyl)、1−ビニル−5−ヘキシルナフタレン(1−vinyl−5−hexyl naphthalene)、
ビニルナフタレン(vinyl naphthalene)、ビニルアントラセン(vi
nyl anthracene)及びこれらの任意の組み合わせから構成される群から独
立して選択されることを特徴とする、請求項1に記載の共役ジエンゴムの製造方法。
【請求項8】
前記高分子鎖末端にアルカリ金属を含む共役ジエンゴムに対する前記有機シラン化合物の比率が1.1以上であることを特徴とする、請求項1に記載の共役ジエンゴムの製造方法

【請求項9】
前記変性共役ジエンゴムを水と接触させる工程が、前記変性共役ジエンゴムをpH値が4〜12であり、接触温度が20℃〜150℃であり、接触時間が5分〜10時間で水と接触されることを含むことを特徴とする、請求項1に記載の共役ジエンゴムの製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法で製造された前記共役ジエンゴムと、シリカ化合物を含むことを特徴とする、共役ジエンゴム組成物。
【請求項11】
前記シリカ化合物の含量が、前記共役ジエンゴム100重量部に対して10〜200重量部であることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記合成シリカ(沈降シリカ)のBET表面積が約50〜約300m/gの範囲内にあ
り、前記シリカのフタル酸ジブチル(DBP)吸収値が100〜約500 cc/gであ
ることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
前記共役ジエンゴム100重量部に対して1〜120重量部のカーボンブラックを含むことを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
多硫化シランをカップリング剤として含むことを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項15】
水との接触後の前記変性共役ジエンゴムの結合比率が少なくとも60%であることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2013−53293(P2013−53293A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−275048(P2011−275048)
【出願日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【出願人】(506156595)台橡股▲ふん▼有限公司 (6)
【Fターム(参考)】