説明

共振器ファイバ光ジャイロスコープ強度変調コントロールのためのシステムと方法

【課題】高速、低損失で安価な共振器ファイバ光ジャイロスコープ強度変調コントロールのためのシステムを提供する。
【解決手段】共振器ファイバ光ジャイロ(RFOG)における強度変調を制御するための方法であって、共振検出変調周波数で生成される正弦波リファレンスを用いて光線のデジタル・サンプルを復調することによって、強度変調エラー信号を生成するステップと、前記強度変調エラー信号から正弦波フィードバック制御信号を生成するステップと、前記正弦波フィードバック制御信号で強度モジュレータを駆動するステップであって、前記強度モジュレータは前記光線から残余の強度変調をキャンセルする、ステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願についてのクロス・リファレンス)
本出願は、2009年4月1日に出願された「LIGHT INTENSITY MODULATION CONTROL(光強度調整制御)」と題した米国仮出願シリアル番号61/165,697の利益を享受し、リファレンスとしてここに組み入れる。
【背景技術】
【0002】
共振器ファイバ光ジャイロ(RFOGs)は、多くのナビゲーションおよび姿勢制御市場の需要を満たす相当な潜在能力を有する。
実現されたRFOGパフォーマンスを制限することができる回転エラーの1つの主なソースは、共振器共振周波数を徹底調査して、回転を決定するために使われる光の周波数または位相変調を実行するときに、発生する強度変調である。今日利用できる技術の範囲内で、パフォーマンス可能性を成し遂げるために、既存の周波数または位相変調器からの強度変調は、共振検出変調周波数で60dBも減ることを必要とする。強度モジュレータを経た光の強度を直接制御するサーボを使うことができるが、しかし、非常に高速な強度モジュレータを採用する必要がある。ニオブ酸塩リチウム(Lithium Niobate)から作られる集積された光強度モジュレータは、非常に高速の強度変調を提供するが、著しい光学損失となり、比較的大きくて高価である。著しく低い光学損失で、小さくて安価な他のタイプの強度モジュレータがあるが、しかし、従来技術強度のサーボを採用するのに必要な速度を提供しない。上述した理由のために、そして、明細書を読んで理解する当業者に明らかなように後述する他の理由のために、共振器ファイバ光ジャイロスコープ強度変調コントロールのための改良されたシステムと方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の実施形態は、共振器ファイバ光ジャイロスコープ強度変調コントロールに関する方法および装置を提供し、以下の明細書を読み、研究することにより理解される。
ある実施形態では、残余の強度変調(RIM)を備えた共振ファイバ光ジャイロスコープ(RFOG)は、コントローラが、共振検出変調周波数で変調したレーザー源から光線を受け取るように光学的に連結された強度モジュレータと、強度モジュレータに光学的に連結した光タップ装置と、光タップ装置および強度モジュレータに連結したフィードバック・サーボと、を有し、復調フィードバック・サーボは、強度モジュレータに正弦波フィードバック信号を生成する。フィードバック・サーボは、復調フィードバック・サーボにより検出される残余の強度変調に基づいて、強度モジュレータに提供された正弦波フィードバック信号の振幅および位相を調整する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】図1は、本発明のある実施形態による、復調フィードバック・サーボを有するフィードバックループ回路を例示するブロック図である、
【図2】図2は、本発明のある実施形態による、復調フィードバック・サーボを例示しているブロック図である、
【図3】図3は、本発明のある実施形態による残余の強度変調(RIM)制御ループを含む、共振器ファイバ光ジャイロスコープ(RFOG)のブロック図である。
【図4】そして、図4は、本発明のある実施形態の方法を例示しているフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
一般的な慣例にしたがって、種々の図面は縮尺が正しくなく、本願発明に関する特徴が強調されている。図面及びテキストを通して同じリファレンス番号・記号は同じエレメントを指す。
【0006】
以下の詳細な説明において、部分的には図面をリファレンスするが、それは特定の例示の実施形態を一般的な方法で示しているに過ぎない。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施するのに充分詳細に記載されおり、他の実施形態を利用できると理解され、論理的、機械的、電気的な変化が本発明の範囲内においてなされることができる。したがって、以下の詳細な説明は、限定的にとってはならない。
【0007】
共振器ファイバ光ジャイロスコープ(RFOG)では、位相および周波数変調は、RFOG共振器の中心共振周波数を検出するのに用いられる。強度変調は、RFOG光線の周波数変調または位相のいずれかの実行から生じる望まれていない副産物である。光線での強度変調の存在は、それが共振検出変調周波数で起こるときに、ジャイロスコープにおけるレート・バイアス・エラーの生成となる。RFOGのサーボがある残余強度変調(Residual Intensity Modulation(RIM))の目的は、もはやジャイロ性能を妨害するものがないレベルまで強度変調を下げることである。
【0008】
RFOGメイン光線の接続をやめ、強度モジュレータに戻るように直接供給する光学信号をとるのではなく、本発明の実施形態は、変調周波数で強度変調の制御外であるRIMサーボのための方法および装置を提供する。本発明の実施形態は、共振検出変調周波数で、正弦波の形でフィードバック信号を提供する。この正弦波は、光線から残余の強度変調を取り除くために強度モジュレータの振幅および位相を制御する。
【0009】
図1は、本発明のある実施形態の共振器ファイバ光ジャイロスコープ(RFOG)に関するフィードバックループ回路100を例示するブロック図である。フィードバックループ回路100は、強度モジュレータ110、(例えば、光学モニタ・プリアンプのような)光タップ装置120、および、本発明のある実施形態の復調フィードバック・サーボ130を包含する。復調フィードバック・サーボ130は、フィードバックループ回路100に関するRIMサーボ機能を提供する。運転中に、強度モジュレータ110は、望まれていない残余の強度変調を含む光線を受信する。残余の強度変調が光線のままであることになっている場合、それは共振器140によって受け取られ、上述したようなレート・バイアス・エラーを生じる。フィードバックループ回路100は、RFOGのために特定される変調周波数で発生する正弦波信号を使用して、光線から望まれていない残余の強度変調を取り除くように強度変調器110を駆動する。光タップ装置120で観察される残余の強度変調の量に基づいて、フィードバック・サーボ130を調整することは、残余の強度変調が、共振器140に分配されている信号の外にキャンセルされるまで、強度モジュレータ110に提供された正弦波フィードバック信号の振幅および位相を調整する。正弦波フィードバック信号を介して提供された振幅および位相調整は、強度モジュレータ110をインプリメントするための高速強度モジュレータの使用を必要としないフィードバック情報を提供する。
【0010】
図2は、本発明のある実施形態の復調フィードバック・サーボ200を例示しているブロック図である。復調フィードバック・サーボ200は、同相の制御信号(I)を処理するための第1の制御ループ210、および、直角位相制御信号(Q)を処理するための第2の制御ループ220を包含する。第1の制御ループ210は、同相の復調器211、アキュムレータ212およびデジタル/アナログ変換器(DAC)213を含む。第2の制御ループ220は、直角位相復調器221、アキュムレータ222およびデジタル/アナログ変換器(DAC)223を含む。復調フィードバック・サーボ200は更に、アナログディジタル変換器(ADC)230からなり、それは、タップ装置120によって受け取られる光線に基づいて、デジタルデータ・サンプルを生成する。ある実施形態では、タップ装置120は、アナログディジタル変換器230によって、デジタル化されるアナログの電気信号に受け取られる光線を変換する光探知器を含む。もう一つの実施形態では、機能性ADC230は、タップ装置120に集積され、タップ装置120は、復調フィードバック・サーボ200に対する光線に基づいてデジタルデータ・サンプルを直接出力する。ある実施形態では、プレフィルタ226は、信号がADC 230によって、受信した制限を縛り、アンチエイリアス・フィルタリングを提供するように含まれる。デジタル化されたサンプルは、第1および第2の制御ループ210および220によって確立された2つのチャネルの両方ともに提供される。
【0011】
フィードバック制御ループ210は、同相の制御ループとして機能する。同相の復調器210は、光線のデジタル・サンプルを受信し、(最も強度変調を取り除くのを要求される周波数である)共振検出変調周波数で、デジタル・サンプルを復調する。この復調を実行するために(X-Refと例示された)正弦波リファレンスは、正弦波発生器240により提供される。ある実施形態では、同相復調器210に提供されたリファレンスは、正弦波発生器240からデジタル的に生成された正弦波の矩形波バージョンである。
【0012】
フィードバック制御ループ220は、直角位相制御ループとして機能する。Quad-phase復調器221もまた、光線のデジタル・サンプルを受信し、X-Refから位相を異にした90度である(Y-Refと例示する)正弦波リファレンスを使用している共振検出変調周波数で、デジタル・サンプルを復調し、正弦波発生器242により提供される。ある実施形態では、quad-phase復調器220に与えられたリファレンスは、正弦波発生器242からデジタル的に生成された正弦波の矩形波バージョンである。ある実施形態では、正弦波発生器240および242は、共通クロック244に同期する。
【0013】
復調器211および221の出力は、光線から外にキャンセルされる残余の強度変調の位相及び振幅を知るのに必要な情報を提供するエラー信号である。すなわち、信号から意図した変調コンポーネントの外への復調の後、復調器211および221によって生成されたゼロ以外の出力は、それぞれ同相(I)および直角位相(Q)コンポーネントの強度変調の指示である。復調フィードバック・サーボ200のバランスは、それらの2つのエラー信号をゼロに維持しようと努力するフィードバック制御を提供するように機能する。
【0014】
その後、復調器211および221の各々は、それぞれIおよびQのエラー信号を統合するそれぞれのアキュムレータ212および222となる。したがって、これらのアキュムレータ212および222の出力は、光線に残った強度変調の量を反映するように変化し続ける。それは、強度モジュレータ110を駆動するのに用いられるシヌソイドの位相及び振幅を制御するこれらのアキュムレータの出力である。フィードバック制御ループ210に関して、デジタル/アナログ変換器(DAC)212は、(「Ierror Ref」として示される)アナログ・エラー信号内に同相蓄積されたデジタル・エラー・データを変換する。フィードバック制御ループ220に関して、デジタル/アナログ変換器(DAC)222は、(「Qerror Ref」として示される)アナログ・エラー信号内にquad-phase蓄積されたデジタル・エラー・データを変換する。ある実施形態では更に、アキュムレータ212および222は、それぞれのDAC 213および223によるアナログ信号への変換に関するデジタル・エラー・データを適合させるためにトランケーションを提供する。更にある実施形態では、「Ierror Ref」および「Qerror Ref」リファレンス信号から不必要な高周波成分を取り除くために、ローパスフィルタ215および225が採用される。
【0015】
振幅および位相修正は、次のように「Ierror Ref」および「Qerror Ref」リファレンス信号源からもたらされる。二つ間の90度位相シフトを伴う、同じ周波数を備えた2つの正弦波信号の追加は、結果として同じ周波数の正弦波になる。しかしながら、結果として生じる波の位相は、加算された正弦波間の間の相対的な振幅に依存する。IおよびQのリファレンス正弦波の振幅を調整することによって、ついで、それらを一緒に合算することによって、例示の実施形態は、正弦波の形でフィードバック制御を提供し、振幅および位相が制御される。
【0016】
より詳しくは、ある実施形態では、フィードバック制御ループ210からの「Ierror Ref」信号出力、及び、正弦波発生器240からのX-Ref信号は、乗算DAC 250で一緒に乗算される。乗算DAC 250の出力は、アナログ「Ierror Ref」により乗算されたX-Ref信号のバージョンである。「Ierror Ref」がゼロの場合、光線の同相の強度変調の存在を示し、次いで、X-Ref信号により乗算されたゼロは、乗算DAC 250からのゼロ振幅シヌソイドの信号出力となる。例えば、強度変調が直角位相の光線だけに現れる場合、データ・サンプルが復調器211および221によって復調されるとき、直角位相復調器221からのエラー信号だけが生成される。同相の復調器211からはエラー信号は現れない。同相の強度変調が光線に現れる角度に対して、エラー信号は、乗算DAC 250からの正弦波出力振幅を調整するための非ゼロ「Ierror Ref」信号を生じる212に蓄積する。
【0017】
同様に、フィードバック制御ループ220からの「Qerror Ref」信号出力、および、正弦波発生器242からのY-Ref信号は、乗算DAC 252で一緒に乗算される。乗算DAC 252の出力は、アナログ「Qerror Ref」により乗算されたようなY-Ref信号のバージョンである。「Qerror Ref」がゼロの場合、光線の直角位相強度変調がないことを示し、ついで、Y-Ref信号により乗算されたゼロは、乗算DAC 252からのゼロ振幅正弦波信号出力に結果としてなる。例えば、強度変調が同位相の光線にだけ現れる場合、データ・サンプルが復調器211および221により復調されるとき、同相の復調器211からのエラー信号だけが生成される。直角位相復調器221からエラー信号は現れない。直角位相強度変調が光線に現れる角度に対して、エラー信号は、乗算DAC 252からの正弦波出力の振幅を調整するための非ゼロ「Qerror Ref」信号を生じる222に蓄積される。
【0018】
乗算DAC 250および252からの正弦波出力は、加算増幅器254で一緒に合算される。加算増幅器254からの結果として生じるフィードバック制御信号は、共振検出変調周波数に等しい周波数を有する正弦波であるが、乗算DAC 250および252からの加えられた正弦波の間の相対的な振幅の機能である振幅および位相を有する。この正弦波フィードバック制御信号を備えた強度モジュレータ110を制御することによって、強度モジュレータ110は、残余の強度変調副産物をキャンセルする変調構成要素を光線上に伝える。復調器211および221の両者の出力がゼロであるとき、不必要な強度変調は完全に抑制される。
【0019】
ある実施形態では、変調フィードバック・サーボ200内で、正弦波信号ジェネレータ240および242は、ジャイロ変調周波数に等しい周波数でX-RefおよびY-Ref正弦波信号を生成する2つのダイレクト・デジタルシンセサイザ(DDS)チップによって、インプリメントされる。同様に、ある実施形態では、乗算DAC 250および252は、乗算DDSチップによって実現される。
【0020】
更に、ある実施形態では、一つ以上の復調器211、221、アキュムレータ212、222、クロック244および正弦波ジェネレータ240、242は、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)260、または、特定用途向け集積回路(ASIC)に限定されないが、そのような類似のデバイスを介して実現される。ある実施形態では、1または200の全ては、混合信号ASICを経て実現される。
【0021】
図3は、共振器ファイバ光ジャイロスコープ310内で、残余の強度変調(RIM)サーボとして、復調フィードバック・サーボ332を採用する本発明のある実施形態を例示するブロック図を提供する。ある実施形態では、復調フィードバック・サーボ332は、上の復調フィードバック・サーボ130について述べたように、残余の強度変調が、共振器315に分配されている信号の外にキャンセルされるまで、正弦波フィードバック信号の振幅および位相を調節する。別の実施形態では、復調フィードバック・サーボ332は、正弦波フィードバック信号を生成するために、復調フィードバック・サーボ200に関して記載したように、IおよびQフィードバック制御ループの双方を利用する。
【0022】
図3は、2つのレーザー源、すなわち、時計回り(CW)レーザー源312および反時計回り(CCW)レーザー源314、を含むRFOG 310を例示する。各々の2つのソース312、314の出力は、共振器315の入力に連結する。共振器315の出力は、時計回り及び反時計回りのレーザー源312、314に、フィードバック信号を提供する、時計回り及び反時計回りの復調構成要素316、321に連結される。
【0023】
時計回りのレーザー源312は、レーザー320、レーザドライバ322および残余の強度変調(RIM)制御ループ324を含む。RIM制御ループ324は、強度モジュレータ326、タップ・カプラ328、サーボ・ループ光センサ330、および、復調フィードバック・サーボ332を含む。時計回りの復調構成要素316は、復調光ディテクタ317、復調器318、および、復調プロセッサ319を含む。
【0024】
レーザドライバ322レーザー320、強度モジュレータ326、タップ・カプラ328、共振器315と順に、時計回りのレーザー源312の構成要素は、連続分岐で接続される。強度モジュレータ326、タップ・カプラ328、サーボ・ループ光センサ330、復調フィードバック・サーボ332、そして、強度モジュレータ326へ戻るように、RIM制御ループ324の構成要素は、連続ループで接続される。復調光センサ317、復調器318、復調プロセッサ319の順で、時計回りの復調構成要素316の構成要素は、連続分岐で接続される。復調プロセッサ319の出力は、レーザドライバ322へ接続される。
【0025】
CCWレーザー源314は、CWレーザー源312に含まれるそれらに対して相補型アレンジメントで接続されるコンポーネントの補完的なセットを含む。CCW復調器構成要素321もまた、CW復調コンポーネント316に含まれるそれらに対して、相補型アレンジメントで接続されるコンポーネントの補完的なセットを含む。
【0026】
作動中に、レーザドライバ322は、所定の周波数で光線を出力するようにレーザー320を駆動する。レーザー320からの光は、共振器315によって受け取られる前に、強度モジュレータ326およびタップ・カプラ328を通過する。共振器315は、反対方向に共振器315周辺に伝わっている2つのソース312、314からの光線を伴った、CWおよびCCWレーザー源312、314からの光を受信する。復調コンポーネント316、321は、共振器315から各々光線を受信し、そして、共振周波数およびレーザー周波数の違いを表す信号を検出することによって、各々の対応する共振周波数で各々のレーザー周波数を維持する。
【0027】
ゼロに等しい復調された光探知器出力信号を維持するように周波数を連続的に調整することによって、レーザー320を共振周波数に連続的に駆動するレーザドライバ322に対して、各々の復調コンポーネント316、321もまた出力する。これにより各々の光線を共振周波数に維持する。
【0028】
回転レートの尺度は、CWおよびCCW共振周波数の間の周波数違いの尺度である。レーザー周波数が共振周波数に制御されるので、レーザー周波数の間の差は、回転レートの尺度である。レーザー周波数の間の差を測定するために、タップ・カプラ333によるレーザーの直後、光の小さな部分が、各ビームから外される。両ビームから外された光は、ビームコンバイナ334で結合される。ビームコンバイナ334は、2つの出力を有し、各々光探知器335へ行く。CWおよびCCWレーザー光線は、2つの光探知器335で干渉し、2つのレーザビームの間の周波数の差と等しい周波数を備えた強度バリエーションであるビート信号を生成する。光探知器335の出力は、ビート信号の周波数、すなわち、2つのレーザの間の周波数の差を測定する周波数差分プロセッサ336へ行く。2つの探知器は、周波数の差のサインを判断するのに必要である。
【0029】
RIMサーボ・ループ324は、実際の共振周波数と、ゼロ(強度変調バイアス・エラー)に等しい復調出力信号での周波数との間のオフセットを補償する。強度モジュレータ326は、変調周波数のあたりの周波数で起こっている強度バリエーションを制御するによって、この差を修正する。強度モジュレータ326は、復調フィードバック・サーボ332からその制御ポートで受け取られる負のフィードバック信号により制御される。ある実施形態では、タップ・カプラ328は、光の小さい部分、典型的には光線全体の5%乃至10%、をとり、光をサーボ・ループ光探知器330に再び差し向ける。サーボ・ループ光探知器330は、光信号の強度変調の振幅と比例した電圧信号を出力する。
【0030】
ある実施形態では、復調フィードバック・サーボ332は、電圧信号をデジタル化し、デジタル化されたサンプルを独立同相および直角位相フィードバック制御ループに提供する。共振検出変調周波数でエラー・サンプルを復調することによって、同相および直角位相エラー信号は、光線に存在する残余の強度変調の同相および直角位相構成要素を表すことを導出する。同相および直角位相エラー信号は、それぞれの同相および直角位相リファレンス正弦波の振幅を制御するのに用いられ、それは強度モジュレータ326に正弦波フィードバック制御信号を生成させるように一緒に合算される。残余の強度変調が共振検出変調周波数で現れるように、残余の強度変調を制御することによって、比較的遅い強度モジュレータは、強度モジュレータ326のために採用され、高価な高速強度モジュレータの必要性を避ける。
【0031】
図4は、RFOG光線の残余の強度変調をキャンセルするための本発明のある実施形態の方法を例示するフローチャートである。方法は、共振検出変調周波数で生成される第1の正弦波リファレンスを使用している光線のデジタル・サンプルを復調することによって、同相の強度変調エラー信号を生成する410から始まる。ある実施形態では、同相の強度変調エラー信号は、図1および2に関して記載されたような復調フィードバック・サーボの第1のループによって生成される。
【0032】
方法は、共振検出変調周波数で発生する第2の正弦波リファレンスを使用している光線のデジタル・サンプルを復調することによって、直角位相強度変調エラー信号を生成する420へ進み、そこで、第2の正弦波リファレンスは90度だけ第1の正弦波リファレンスから位相が外れる。ある実施形態では、直角位相強度変調エラー信号は、図1および2に関して記載したような復調フィードバック・サーボの第2のループによって発生する。
【0033】
方法は、同相の強度変調エラー信号および直角位相強度変調エラー信号からの正弦波フィードバック制御信号を生成する430へ進む。上述したように、同相の強度変調エラー信号および直角位相強度変調エラー信号をゼロに駆動するように正弦波フィードバック信号の振幅および位相を調整することによって、RFOG光線の残余の強度変調は、制御されることができ、光線からキャンセルされる。
【0034】
したがって、方法は、正弦波フィードバック制御信号を備えた強度モジュレータを駆動する440へ進み、そこで、強度モジュレータは光線から残余の強度変調をキャンセルする。ある実施形態では、正弦波フィードバック制御信号は、同相の強度変調エラー信号により乗算される第1の正弦波リファレンスのファンクションである第1の制御信号を生成することにより作り出され、直角位相強度変調エラー信号により乗算される第2の正弦リファレンスのファンクションである第2の制御信号を生成する。それから、第1の制御信号および第2の制御信号は、正弦波フィードバック制御信号を生じさせるために合算される。正弦波フィードバック制御信号の結果として生じる振幅および位相は、第1の制御信号および第2の制御信号の振幅のファンクションである。
【0035】
本明細書で議論してきたように本発明のシステム及び方法を実装するために種々の手段を利用することができる。これらの手段は、デジタル・コンピュータシステム、マイクロプロセッサ、多目的コンピュータ、プログラム可能なコントローラ、および、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)を含むが、これらに限定されるものではない。したがって、本発明の他の実施形態は、本発明の実施形態を実装することができるそれらの手段によって実装されるとき、コンピュータ読み取り可能媒体に存するプログラム命令である。コンピュータ読み取り可能媒体は、いかなる形態の物理的なコンピュータ・メモリ記憶装置をも含む。物理的なこの種のコンピュータ・メモリ装置の実施形態は、穿孔カード、磁気ディスクまたはテープ、光学的データ記憶装置、フラッシュ読出し専用メモリ(ROM)、不揮発性ROM、プログラム可能なROM(PROM)、消去可能なプログラム可能なROM(EPROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)または、メモリ記憶装置の中で、永久であるか、半永久的であるか一時的なものも含むが、これに限定されるものではない。プログラム命令は、コンピュータシステム・プロセッサ、および、超高速集積回路(VHSIC)ハードウェア記述言語(VHDL)のようなハードウェア記述言語によって実行されるコンピュータ実行可能な命令を含むが、これに限定されるものではない。
【0036】
特定の実施形態を例示し、本願明細書において、記載したにけれども、同じ目的を達成するために計算されたいかなる装置も特定の図示した実施形態と置換することができることは当業者にとって明らかであろう。本出願は、本発明のいかなるバリエーションをカバーするものである。したがって、本発明は、特許請求の範囲およびその均等の範囲だけにより制限されることは明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振器ファイバ光ジャイロ(RFOG)における強度変調を制御するための方法であって、
共振検出変調周波数で生成される正弦波リファレンスを用いて光線のデジタル・サンプルを復調することによって、強度変調エラー信号を生成するステップと、
前記強度変調エラー信号から正弦波フィードバック制御信号を生成するステップと、
前記正弦波フィードバック制御信号で強度モジュレータを駆動するステップであって、前記強度モジュレータは前記光線から残余の強度変調をキャンセルする、ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記正弦波フィードバック制御信号を生成する前記ステップは更に、前記強度変調エラー信号をゼロに駆動するように前記正弦波フィードバック信号の振幅を調整するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エラー信号は、前記残余の強度変調の同相コンポーネントまたは直角位相コンポーネントのうちの一方に比例する、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−19915(P2013−19915A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−239968(P2012−239968)
【出願日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【分割の表示】特願2010−81137(P2010−81137)の分割
【原出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】