説明

共有施設予約管理システム

【課題】共有施設の予約を容易に行い得て、しかも、予約重複の有無、抽選、抽選結果の確認に関する管理者並びに利用者の負担を軽減することができる共有施設予約管理システムを提供する。
【解決手段】建物共有スペースに設置された予約端末20と、予約端末20によって入力された予約申込情報を登録する管理機40と、ICキー50を利用して予約申込者を識別するリーダ22と、予約申込期間終了時に同一共有施設の予約日時が重複している場合に自動抽選する予約端末20と、管理機40に登録された予約申込情報に基づいて同一共有施設に重複した予約申込がなかったときはその予約申込者をリーダ11で識別し且つ同一共有施設に重複した予約申込があったときは予約端末20で当選とされた予約申込者をリーダ11で識別して当選を結果表示ランプ14で表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション等の建物に設けられて入居者が利用することができる共有施設であって、予約等によって利用することができる共有施設予約管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のマンション等には、入居者が快適に暮らすための共有施設として、エントランスやロビー等の面積を広く確保してオープン施設として利用することができるようにしている他、ゲストルーム、パーティルーム、集会所、来客用駐車スペース等、事前に予約することによって使用することができる共有施設がある。
【0003】
この際、これらの共有施設は、入居者が時間的に占有することができる共有施設であるため、申し込み順としてしまうのでは不平等となってしまう虞がある。
【0004】
そこで、このような共有施設では、一般の公共施設と同様に、例えば、利用日の1ヶ月前に利用者を決定すると共に、その1週間前から予約を受け付け、申込者が単独であった場合にはそのままその申込者に利用の権利を与え、申込者が重複した場合には抽選により利用者を決定する方式を採用している場合が多い。
【0005】
しかしながら、このような人手による抽選は、申込者によるくじ引き等も有るが、重複しているか否かを知る機会を与える必要があると共に、くじ引きの日に申込者が揃わないとならない等、マンション等の入居者や管理人等の負担が大きいという問題が生じてしまう。
【0006】
このような問題を解決するため、例えば、一定の組織内(入居者)における共有施設利用に関し、その利用の申込方法、空き検索方法、申し込みのキャンセル・変更方法、重複した場合の抽選方法等を網羅した、コンピュータネットワークを利用した共有施設予約管理システムが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
この共有施設予約管理システムは、コンピュータネットワークを利用した保養所利用システムであって、少なくとも、複数の共有施設の利用を一括管理する管理サーバと、この管理サーバに接続されて管理サーバ情報を操作する共有施設管理者が利用する管理者用コンピュータと、共有施設利用者が利用する利用者端末機器とを備え、時間的に比較的先の利用申込に対しては利用申込を蓄積して、予め定められた選定日に重複した利用申込に対して所定の決定方法により利用者を決定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−071025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、このような共有施設予約管理システムは、管理サーバ、管理者用コンピュータ、利用者端末機といった多数のコンピュータを必要とするため、利用者は端末機を立ち上げて、インターネット等のコンピュータネットワーク内に接続し、ユーザ名とパスワード等を打ち込んで利用者権限のあることを認証したうえで、所定のホームページ等で予約の受付・検索・変更といった煩雑な作業が必要であるといった負担は依然として残っていた。
【0010】
また、このようなコンピュータネットワーク(インターネット等)システムをマンション等の共有施設の利用・管理に適用するには、入居者の各家庭にパーソナルコンピュータの設置やネットワーク接続環境を構築する必要があるうえ、パーソナルコンピュータの操作ができないとならない等、コストや技術的に利用者が限定されてしまう虞が生じ、マンションといった比較的狭い範囲での共有施設に適用するには不向きであるという問題が生じていた。
【0011】
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、共有施設の予約を容易に行い得て、しかも、予約重複の有無、抽選、抽選結果の確認に関する管理者並びに利用者の負担を軽減することができる共有施設予約管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の共有施設予約管理システムは、建物居住者が利用する共有スペースに設置されて共有施設利用に関する予約申込情報を登録する予約申込手段と、該予約申込手段によって入力された予約申込情報を登録する予約受付管理手段と、建物入館用ICキーを利用して前記予約申込手段を利用した予約申込者を識別する予約者識別手段と、予約申込期間終了時に同一共有施設の予約日時が重複している場合に自動抽選する自動抽選手段と、前記予約受付管理手段に登録された予約申込情報に基づいて同一共有施設に重複した予約申込がなかったときはその予約申込者を前記予約者識別手段で識別し且つ同一共有施設に重複した予約申込があったときは前記自動抽選手段によって当選とされた予約申込情報中の予約申込者を前記予約者識別手段で識別して当選を報知する報知手段と、を備えていることを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、共有施設の予約には建物共有スペースに設置された1台の専用端末機で行うため、各入居者が端末機を所有する必要がないうえ、予約操作も簡素とすることができる。また、入居者が所有している建物入館用ICキーをそのまま利用者(申込者)識別に利用するため、ユーザ名とパスワードとを入力するといった手間を省くことができる。さらに、予約結果は建物入館用ICキーによる識別のみで知り得ることができる。
【0014】
したがって、共有施設の予約を容易に行い得て、しかも、予約重複の有無、抽選、抽選結果の確認に関する管理者並びに利用者の負担を軽減することができる。
【0015】
この際、前記予約者識別手段は建物出入口に設置された集合玄関機に設けられて建物入館用ICキーに記憶された入居者情報を予約者識別手段として利用し、前記報知手段は前記予約申込手段とは別に前記集合玄関機に設けられて当選・落選の別を認識させる表示手段とするのが好ましい。
【0016】
また、前記共有施設には建物入館用ICキーの読取手段と施設入口ドアのロック手段とが設置され、前記予約受付管理手段は共有施設利用の正当な予約申込者の識別情報が利用許可日時に前記読取手段から受信した場合に前記ロック手段に解錠許可信号を送信するのが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の共有施設予約管理システムによれば、共有施設の予約を容易に行い得て、しかも、予約重複の有無、抽選、抽選結果の確認に関する管理者並びに利用者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムの一例を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムにおける共有施設の予約作業ルーチンを示すフロー図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムにおける共有施設の予約作業時における重複無しの場合の画面表示例を示し、(A)は施設予約画面の一例の説明図、(B)は月日予約画面の一例の説明図、(C)は時間帯予約画面の一例の説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムにおける共有施設の予約作業時における重複有りの場合の画面表示例を示し、(A)は予約情報表示状態の施設予約画面の一例の説明図、(B)は月日予約画面の一例の説明図、(C)は予約情報表示状態の時間帯予約画面の一例の説明図、(D)は予約抽選報知画面の一例の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムにおける抽選ルーチンを示すフロー図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムにおける共有施設の抽選作業時における画面表示例を示し、(A)は抽選設定開始画面の一例の説明図、(B)は施設抽選設定画面の一例の説明図、(C)は月日抽選設定画面の一例の説明図、(D)は時間帯抽選設定画面の一例の説明図、(E)は当落通知期間設定画面の一例の説明図、(F)は抽選設定完了画面の一例の説明図である。
【図7】発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムにおける共有施設の抽選結果報知例を示し、(A)は当選報知状態の予約端末の説明図、(B)は落選報知状態の予約端末の説明図である。
【図8】発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムにおける共有施設の抽選結果報知例を示し、(A)は当選報知状態の集合玄関機の説明図、(B)は落選報知状態の集合玄関機の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムについて、図面を参照して説明する。
【0020】
ここで、図1は本発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムの一例を示す説明図、図2は本発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムにおける共有施設の予約作業ルーチンを示すフロー図、図3は本発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムにおける共有施設の予約作業時における重複無しの場合の画面表示例を示し、(A)は施設予約画面の一例の説明図、(B)は月日予約画面の一例の説明図、(C)は時間帯予約画面の一例の説明図、図4は本発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムにおける共有施設の予約作業時における重複有りの場合の画面表示例を示し、(A)は予約情報表示状態の施設予約画面の一例の説明図、(B)は月日予約画面の一例の説明図、(C)は予約情報表示状態の時間帯予約画面の一例の説明図、(D)は予約抽選報知画面の一例の説明図、図5は本発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムにおける抽選ルーチンを示すフロー図、図6は本発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムにおける共有施設の抽選作業時における画面表示例を示し、(A)は抽選設定開始画面の一例の説明図、(B)は施設抽選設定画面の一例の説明図、(C)は月日抽選設定画面の一例の説明図、(D)は時間帯抽選設定画面の一例の説明図、(E)は当落通知期間設定画面の一例の説明図、(F)は抽選設定完了画面の一例の説明図、図7は発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムにおける共有施設の抽選結果報知例を示し、(A)は当選報知状態の予約端末の説明図、(B)は落選報知状態の予約端末の説明図、図8は発明の一実施形態に係る共有施設予約管理システムにおける共有施設の抽選結果報知例を示し、(A)は当選報知状態の集合玄関機の説明図、(B)は落選報知状態の集合玄関機の説明図である。
【0021】
尚、以下に示す実施の形態は本発明の共有施設予約管理システムにおける好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。
【0022】
図1において、本実施の形態に係る共有施設予約管理システムは、例えば、建物(マンション)のエントランスに設置された集合玄関機10と、集合玄関機10を利用して玄関自動ドア(図示せず)から入館した後のロビーやエレベータホールといった共有施設に設置された予約申込手段としての予約端末20と、共有施設(ドアで図示)30と、集合玄関機10と予約端末20とを制御する予約受付管理手段としての管理機40と、を備えている。
【0023】
集合玄関機10は、ICキー50を非接触で読み取るリーダ11と、訪問者が訪問先部屋番号等を入力するテンキーや呼出・解除キー等を備えた訪問者入力キー12と、図示しない訪問先インターホンで訪問者を確認するためのカメラや音声入出力用スピーカマイクといった訪問者確認部13と、予約端末20を利用して申し込んだ共有施設の予約確定日を含む設定期間に予約結果を報知する報知手段・表示手段としての結果表示ランプ14と、を備えている。
【0024】
リーダ11は、ICキー50に記憶された入居者情報を読み取り、その読み取った入居者情報を管理機40に送信する。管理機40は、その入居者情報を確認し、入居者である場合には玄関自動ドアを開放して入館を許可する。
【0025】
尚、集合玄関機10を利用した訪問者による入館許可に関しては公知の技術を採用しているため、ここではその説明は省略する。
【0026】
予約端末20は、タッチパネルスイッチ方式のモニタ21と、ICキー50に記憶された入居者情報を読み取るためのリーダ22と、を備えている。また、予約端末20は、共有施設の予約が重複した際の自動抽選に関するデータベースを格納し、共有施設の予約に重複が有った場合には、自動抽選を行い、その抽選結果を管理機40に送信する。尚、共有施設の予約が重複していた際の自動抽選に関するデータベースは、公知のコンピュータプログラムによる自動抽選方式を採用することができる。この際、そのデータベースには、例えば、共有施設を頻繁に利用する居住者とあまり使用しない居住者とで予約が重複していた場合に、あまり使用しない居住者が当選し易くするといった自動抽選に関する公知の重み付けをすることも可能である。尚、この自動抽選機能は管理機40で行っても良い。
【0027】
モニタ21は、建物の共有施設を予約する際、例えば、共有施設ボタン、施設利用年月日入力ボタン、施設利用時間入力ボタン(又は時間帯指定ボタン)、といった簡素なボタン方式の表示によって共有施設の予約を受け付ける。また、モニタ21は、指定した共有施設名、施設利用年月日、施設利用時間、といった必要事項を表示し、予約状況の確認を利用者に行わせたうえで、その予約申込情報を管理機40に出力する。管理機40は、その予約申込情報をテーブル方式等で記憶する。
【0028】
リーダ22は、予約端末20を利用するにあたり、ICキー50に記憶された入居者情報を読み取って、管理機40に出力する。管理機40は、その入居者情報に基づいて予約端末20並びに共有施設30の利用権限があるか否かを判定し、利用権限がある場合にモニタ20に共有施設の予約に関する必要事項を表示させる。また、管理機40は、モニタ21で入力した予約申込情報にリーダ22で読み取った入居者情報を予約者識別手段として関連付けしてテーブル方式で記憶し、予約者の特定に利用する。
【0029】
共有施設30は、その出入口ドア31と、出入口ドア31の入口側に設置された読取手段としてのリーダ32と、出入口ドア31を施錠・解錠するロック手段としての電子キー33と、を備えている。
【0030】
リーダ32は、ICキー50に記憶された入居者情報を読み取って、管理機40に出力する。管理機40は、その入居者情報に基づいて共有施設30の利用権限があるか否かを判定し、利用権限がある場合に電子キー33に解除許可信号を出力し、解錠させる。
【0031】
管理機40には、パーソナルコンピュータ等が用いられ、建物の管理者又は別の契約管理者によって建物セキュリティシステムと一緒又は別に管理される。また、管理機40には、本実施の形態においては、入館等のセキュリティに関するデータベース、共有施設の予約管理に関するデータベース、セキュリティや共有施設の予約に関する各種情報を記憶するための記憶領域等を備えている。
【0032】
次に、図2に基づいて、共有施設予約に関するルーチンを説明する。なお、以下に示すルーチンでは、便宜上、管理機40のルーチンの他、その手順として人為的作業を含めた形で説明する。
【0033】
(ステップS1)
ステップS1では、入居者が予約端末20のリーダ22にICキー50をかざす。尚、ここでは、1台の予約端末20で利用者(入居者)と管理者とが共有して利用するため、モニタ21の初期画面には、例えば、利用者が施設予約を行うための『施設予約』ボタン、後から予約が重複したかの確認や抽選結果等の抽選に関する情報や施設予約状態等を事前に確認するための『抽選確認』ボタン、管理者が抽選設定等を行うための『管理者』ボタン、等を表示し、そのボタン選択後に入居者や管理者がICキー50をかざすことにより、利用権限を制御することができる。
【0034】
(ステップS2)
ステップS2では、予約端末20は、リーダ22で読み取ったICキー50に記憶された入居者情報(ID)を読み取り、その入居者情報を管理機40に送信する。
【0035】
(ステップS3)
ステップS3では、管理機40は、予約端末20から送信された入居者情報(予約申込者ID)を受信し、その入居者情報を予約者識別情報として記憶する。
【0036】
(ステップS4)
ステップS4では、入居者は、予約端末20を用いて、共有施設30の指定(共有施設が複数ある場合)、利用年月日、利用時間帯等の予約申込情報を入力する。
【0037】
(ステップS5)
ステップS5では、予約端末20は、利用者に共有施設の予約に関する入力状況を確認させたうえで、その予約申込情報を管理機40に送信する。
【0038】
(ステップS6)
ステップS6では、管理機40は、予約申込情報受信を受信する。
【0039】
(ステップS7)
ステップS7では、管理機40は、受信した予約申込情報をステップS3で受信した予約者識別情報と関連付けして格納(記憶)する。
【0040】
(ステップS8)
ステップS8では、管理機40は、格納した予約申込情報に重複があるか否かを確認した後、予約端末20に重複の有無を含めた予約情報を送信する。
【0041】
(ステップS9)
ステップS9では、予約端末20は、予約者と予約施設に関する予約情報と重複の有無を含めた予約情報を受信する。
【0042】
(ステップS10)
ステップS10では、予約端末20は、モニタ21に受信した予約情報を表示する。これにより、申込者は、自身が共有施設を予約した時点での重複の有無を知ることができる。
【0043】
図3及び図4は、ステップS4における施設予約時のモニタ21の表示例を示す。尚、ここでは、希望する利用日に対して施設予約開始日の場合で説明する。
【0044】
先ず、ステップS1でモニタ21に表示されている『施設予約』ボタンを選択し、ICキー50での認証が完了すると、施設予約が初日に全く行われていない場合、モニタ21には、図3(A)に示すように、施設予約画面が表示される。
【0045】
ここで、例えば、集会場を選択すると、モニタ21には、図3(B)に示すように、月日予約画面が表示される。この際、月日予約画面には、施設予約開始日を含む週と次週(又は先週)の2週の月日と曜日とがカレンダー方式で表示される。また、その日付には、予約受付可能な日と予約受付不可能な日とで色分けするなど、表示状態を異ならせることにより予約の可不可を確認することができる。
【0046】
次に、月日を選択すると、モニタ21には、図3(C)に示すように、時間帯予約画面が表示される。この際、時間帯予約画面には、選択した施設に対応する利用可能な時間帯が表示される。また、図3(C)に示した時間帯予約画面の場合、選択した施設が集会場であるため、比較的細かい時間帯に振り分けた選択ボタンが表示されているが、この時間帯の設定は任意である(例えば、午前・午後・夜間・深夜など)。さらに、ゲストルームのようにホテルのチェックイン・チェックアウトと同様に、利用時間帯が1日単位となる場合、この時間帯予約画面は表示されない。また、選択した時間帯のボタンの表示を他の表示と異ならせる(例えば、色を変える)ことも可能である。
【0047】
そして、ここで『確定』ボタンを押せば、予約施設・予約月日・予約時間帯の確認画面が表示される。
【0048】
一方、施設予約が既に入っていた場合、モニタ21には、図4(A)に示すように、施設予約画面が表示されると共に、予約の入っている施設のボタンに予約済みの日時等が表示され、予約を行う前に予約済みである旨を認識することができる。尚、ここでは、申込開始初日のみを表示対象としているが、施設や曜日等によっては更なる予約等が入っている場合が考えられるため、その場合には、施設ボタンには『予約有り』等の簡素な表示とし、予約状況の詳細な確認は別画面で(ボタン表示・選択)確認することができる。
【0049】
ここで、例えば、集会場を選択すると、モニタ21には、図4(B)に示すように、月日予約画面が表示される。この際、月日予約画面には、施設予約開始日を含む週と次週(又は先週)の2週の月日と曜日とがカレンダー方式で表示される。また、その日付には、予約受付可能な日と予約受付不可能な日とで色分けするなど、表示状態を異ならせることにより予約の可不可を確認することができる。また、モニタ21の空きスペース(例えば、『戻る』ボタンと『確定』ボタンとの間)に、予約状況(又は空き情報)を表示しても良い。
【0050】
次に、月日を選択すると、モニタ21には、図4(C)に示すように、時間帯予約画面が表示される。この際、時間帯予約画面には、選択した施設に対応する利用可能な時間帯が表示されると共に、既に予約の入っている時間帯のボタン表示を予約の入っていないボタン表示とで異ならせる。
【0051】
そして、ここで『確定』ボタンを押せば、図4(D)に示すように、予約施設・予約月日・予約時間帯の確認画面と共に、抽選結果報知期間のメッセージが表示される。
【0052】
次に、図5に基づいて、共有施設抽選設定・当落確認に関するルーチンを説明する。なお、以下に示すルーチンでは、便宜上、管理機40のルーチンの他、その手順として人為的作業を含めた形で説明する。
【0053】
(ステップS11)
ステップS11では、予約端末20は、共有施設の予約決定日に、その予約に重複があると管理機40から送信があった場合、又は、管理機40に格納管理されて送信された予約申込情報に重複があると判定した場合、利用権利者を確定するために自動抽選を行う。
【0054】
(ステップS12)
ステップS12では、予約端末20は、その自動抽選結果(当落情報)を管理機40に送信する。
【0055】
(ステップS13)
ステップS13では、管理機40は、自動抽選結果を受信する。
【0056】
(ステップS14)
ステップS14では、管理機40は、受信した自動抽選結果を格納(保持)する。
【0057】
(ステップS15)
ステップS15では、入居者は、外出先からの帰宅時における通常のセキュリティ解除のために集合玄関機10のリーダ11にICキー50をかざす。
【0058】
(ステップS16)
ステップS16では、集合玄関機10は、リーダ11で読み取った入居者情報を管理機40に送信する。
【0059】
(ステップS17)
ステップS17では、管理機40は、入居者情報を受信し、通常のセキュリティ解除(玄関自動ドア開放等)を行う。
【0060】
(ステップS18)
ステップS18では、管理機40は、ステップS17のセキュリティ解除とは別に、共有施設の予約をした入居者であるか否かを判定する。また、管理機40は、その判定結果、共有施設の予約に重複が無くそのまま利用が可能である場合と、共有施設の予約に重複があったものの、その重複に伴う自動抽選により利用可である場合に、利用可信号を集合玄関機10に送信する。また、管理機40は、共有施設の予約に重複があり、その重複に伴う自動抽選により利用不可である場合に、利用不可信号を集合玄関機10に送信する。
【0061】
(ステップS19)
ステップS19では、集合玄関機1は、受信した信号が利用可信号であった場合には、結果表示ランプ14を緑色(又は青色)で点灯(又は点滅)表示する。また、集合玄関機1は、受信した信号が利用不可信号であった場合には、結果表示ランプ14を赤色で点滅(又は点灯)表示する。尚、集合玄関機10は、訪問者確認部13のスピーカ機能を利用して、予約した共有施設の抽選日であった旨、その抽選結果等を音声出力しても良い。
【0062】
図6は共有施設が重複した場合に管理者が予約端末20を用いて(管理機40でも良い)抽選設定を行う場合の画面表示例を示す。
【0063】
まず、上述したステップS1でモニタ21に表示されている『管理者』ボタンを選択すると、モニタ21は、図6(A)に示すように、抽選設定開始画面が表示される。ここで、管理者用のICキー50をリーダ22にかざすと、モニタ21には、図6(B)に示すように、施設抽選設定画面が表示される。
【0064】
ここで、管理者は、予め抽選が必要な共有施設、月日、時間帯が分かっているため、図6(C)に示す月日抽選設定画面、図6(D)に示す時間帯抽選設定画面を利用して重複した月日と時間帯とを選択する。
【0065】
次に、モニタ21には、図6(E)に示す当落通知期間設定画面が表示されるため、予約者の当落を放置する期間を設定し、『確定』ボタンを押下する。すると、モニタ21には、図6(F)に示すように、抽選設定完了画面が表示されるため、その表示を確認する。
【0066】
これにより、その当落報知期間では、例えば、当選した利用者に対しては、例えば、図7(A)に示すように、予約端末20のリーダ22にICキー50をかざすだけで、利用者を特定し、モニタ21に共有施設の予約に関する情報(施設名、月日、時間帯)と当選した旨とを表示する。また、その当落報知期間中に、落選した利用者に対しては、例えば、図7(B)に示すように、予約端末20のリーダ21にICキー50をかざすだけで、利用者を特定し、モニタ21に共有施設の予約に関する情報(施設名、月日、時間帯)と落選した旨とを表示する。
【0067】
尚、この当落報知は、例えば、当選者には、図8(A)に示すように、集合玄関機10のリーダ11にICキー50をかざした際に、結果表示ランプ14を緑色の点灯表示を行い、落選者には、図8(B)に示すように、集合玄関機10のリーダ11にICキー50をかざした際に、結果表示ランプ14を赤色の点滅表示を行う(ステップS19)。
【0068】
なお、これらのモニタ21又は結果表示ランプ14による報知は、1回のみ(又は数回)でも良いし、期間中であっても良い。
【0069】
このように、本発明の共有施設予約管理システムにあっては、共有施設の予約には建物共有スペースに設置された1台の専用端末機である予約端末20で行うため、各入居者がパーソナルコンピュータ等の端末機を所有する必要がないうえ、予約操作もモニタ21の表示に応じた行う簡素な操作とすることができる。また、入居者が所有している建物入館用のICキー50に記憶された入居者情報をそのまま利用者(申込者)識別情報(ID)として利用するため、ユーザ名とパスワードとを入力するといった手間を省くことができる。さらに、予約結果は建物入館用のICキー50による識別のみで知り得ることができる。
【0070】
したがって、共有施設の予約を容易に行い得て、しかも、予約重複の有無、抽選、抽選結果の確認に関する管理者並びに利用者の負担を軽減することができる。
【0071】
また、抽選結果を報知する際には、建物出入口に設置された集合玄関機10に設けられて建物入館用のICキー50に記憶された入居者情報を予約者識別情報として利用すると共に、セキュリティ解除操作と同時に抽選結果を報知することができることから、抽選結果をあえて確認するといった専用の確認作業を不要とすることができる。
【0072】
さらに、共有施設にも建物入館用のICキー50のリーダ32を設け、施設入口用の出入口ドア31の電子キー33の解除に利用することにより、共有施設専用のキーを不要とし得て、利用者による紛失や管理といった不具合を解消することができる。
【符号の説明】
【0073】
10…集合玄関機
11…リーダ(予約者識別手段)
12…訪問者入力キー
13…訪問者確認部
14…結果表示ランプ(報知手段・表示手段)
20…予約端末(予約申込手段・自動抽選手段)
21…モニタ
22…リーダ(予約者識別手段)
30…共有施設
31…出入口ドア
32…リーダ(読取手段)
33…電子キー(ロック手段)
40…管理機(予約受付管理手段)
50…ICキー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物居住者が利用する共有スペースに設置されて共有施設利用に関する予約申込情報を登録する予約申込手段と、該予約申込手段によって入力された予約申込情報を登録する予約受付管理手段と、建物入館用ICキーを利用して前記予約申込手段を利用した予約申込者を識別する予約者識別手段と、予約申込期間終了時に同一共有施設の予約日時が重複している場合に自動抽選する自動抽選手段と、前記予約受付管理手段に登録された予約申込情報に基づいて同一共有施設に重複した予約申込がなかったときはその予約申込者を前記予約者識別手段で識別し且つ同一共有施設に重複した予約申込があったときは前記自動抽選手段によって当選とされた予約申込情報中の予約申込者を前記予約者識別手段で識別して当選を報知する報知手段と、を備えていることを特徴とする共有施設予約管理システム。
【請求項2】
前記予約者識別手段は建物出入口に設置された集合玄関機に設けられて建物入館用ICキーに記憶された入居者情報を予約者識別手段として利用し、前記報知手段は前記予約申込手段とは別に前記集合玄関機に設けられて当選・落選の別を認識させる表示手段であることを特徴とする請求項1に記載の共有施設予約管理システム。
【請求項3】
前記共有施設には建物入館用ICキーの読取手段と施設入口ドアのロック手段とが設置され、前記予約受付管理手段は共有施設利用の正当な予約申込者の識別情報が利用許可日時に前記読取手段から受信した場合に前記ロック手段に解錠許可信号を送信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の共有施設予約管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−83985(P2012−83985A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230369(P2010−230369)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
【Fターム(参考)】