説明

共焦点顕微鏡システム、画像処理方法および画像処理プログラム

【課題】観察対象物の表面の断面曲線を正確でかつ高速に検出することが可能な共焦点顕微鏡システム、画像処理方法および画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】使用者が観察対象物Sの断面曲線データの取得範囲を指示する。CPU210は、その指示に基づいてX方向に沿って連続的に並ぶ複数の帯状領域を設定するとともに、各帯状領域においてX方向に平行な複数の測定ライン上でレーザ光を走査することにより、複数の測定ラインに基づく画素データを制御部300から取得する。CPU210は、取得した複数の測定ラインの画素データに基づいて帯状領域の複数の断面曲線データを生成し、作業用メモリ230に記憶する。CPU210は、複数の帯状領域の複数の測定ラインについて生成された断面曲線データをX方向に沿って連続する測定ラインごとに連結することにより、連結された複数の断面曲線データを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共焦点顕微鏡システム、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
共焦点顕微鏡では、レーザ光源から出射されたレーザ光が対物レンズにより測定対象物に集光される。測定対象物からの反射光が受光レンズにより集光され、ピンホールを通して受光素子に入射する。レーザ光は測定対象物の表面で二次元的に走査される。また、測定対象物と対物レンズとの間の相対的な距離を変化させることにより受光素子の受光量の分布が変化する。測定対象物の表面に焦点が合ったときに受光量のピークが現れる。受光量分布のピーク強度に基づいて非常に高い焦点深度を有する超深度画像を得ることができる。また、受光量分布のピーク位置に基づいて測定対象物の表面の高さ分布を示す高さ画像を得ることができる。このような共焦点顕微鏡を用いることにより、測定対象物の表面の高さプロファイルを測定することができる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された光学共焦点顕微鏡装置においては、ステージを所定幅ずつ移動させながら、測定対象物の高さプロファイルを複数取得し、対応する高さプロファイル同士を連結することにより、対物レンズにより規定される視野範囲よりも広い範囲の高さプロファイルを取得することができる。
【0004】
また、触針プローブまたは光プローブ等を用いて、測定対象物の表面を一方向に連続的に走査することにより、広い範囲の高さプロファイルを取得する粗さ計測器等も知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−258187号公報
【特許文献2】特開2002−213943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の光学共焦点顕微鏡装置によれば、複数の高さ画像を取得して連結するため、使用者の所望の位置の高さプロファイルを取得するのに極めて時間がかかる。また、特許文献2の粗さ計測装置によれば、例えば測定対象物の走査する測定ライン上に塵埃等が付着している場合、塵埃等の影響により表面性状を示すパラメータが大きく変化する。そのため、安定に表面性状を示すパラメータを測定できない。
【0007】
本発明の目的は、観察対象物の表面の断面曲線を正確でかつ高速に検出することが可能な共焦点顕微鏡システム、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)第1の発明に係る共焦点顕微鏡システムは、観察対象物の表面を観察するための共焦点顕微鏡システムであって、受光素子と、観察対象物の表面に設定された単位領域内で第1の方向に平行な測定ラインに光を照射するとともに測定ラインに照射された光を受光素子に導き、光の照射位置を第1の方向に直交する第2の方向に一定間隔ずつ順次移動させることにより、第2の方向に並ぶ複数の測定ラインに光を照射可能に構成された共焦点光学系と、第1および第2の方向に直交する第3の方向における複数の位置で共焦点光学系による光の照射が行われるように共焦点光学系と観察対象物との相対的な距離を変化させる相対距離変化部と、第1の動作モードおよび第2の動作モードの制御を選択的に実行可能に構成され、第1の動作モード時に、単位領域の第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射されるように共焦点光学系を制御し、第2の動作モード時に、第2の方向において単位領域よりも小さい幅を有する帯状領域の第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射されるように共焦点光学系を制御するとともに相対距離変化部を制御し、受光素子の出力信号に基づいて各測定ラインについての複数の画素データを順次取得する制御部と、第2の動作モード時に、制御部により取得された複数の画素データに基づいて帯状領域内の各測定ラインについて観察対象物の表面の断面曲線を表す断面曲線データを生成するデータ生成部と、使用者による観察対象物の断面曲線データの取得範囲の指示を受け付ける取得範囲指示受付部と、取得範囲指示受付部により受け付けられた指示に基づいて観察対象物の断面曲線データの取得範囲として第1の方向に沿って連続的に並ぶ複数の帯状領域内に複数の測定ラインを設定する取得範囲設定部と、取得範囲設定部により設定された複数の測定ラインについてデータ生成部により生成された断面曲線データを第1の方向に沿って連続する測定ラインごとに連結することにより、連結された複数の断面曲線データを得るデータ処理部とを備えるものである。
【0009】
この共焦点顕微鏡システムにおいては、観察対象物の表面に設定された単位領域内で第1の方向に平行な測定ラインに光が照射され、測定ラインに照射された光が受光素子に導かれる。光の照射位置が第2の方向に一定間隔ずつ順次移動されることにより、第2の方向に並ぶ複数の測定ラインに光が照射される。また、第3の方向における複数の位置で共焦点光学系による光の照射が行われるように共焦点光学系と観察対象物との相対的な距離が変化される。
【0010】
第1の動作モード時には、共焦点光学系により単位領域の第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射される。
【0011】
第2の動作モード時には、共焦点光学系により第2の方向において単位領域よりも小さい幅を有する帯状領域の第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射される。受光素子の出力信号に基づいて各測定ラインについての複数の画素データが順次取得される。取得された複数の画素データに基づいて帯状領域内の各測定ラインについての断面曲線データが生成される。
【0012】
使用者による観察対象物の断面曲線データの取得範囲の指示が受け付けられると、その指示に基づいて観察対象物の断面曲線データの取得範囲として第1の方向に沿って連続的に並ぶ複数の帯状領域内に複数の測定ラインが設定される。設定された複数の測定ラインについて生成された断面曲線データが第1の方向に沿って連続する測定ラインごとに連結されることにより、連結された複数の断面曲線データが得られる。
【0013】
このように、第2の動作モード時には、第2の方向において単位領域よりも小さい幅を有する帯状領域内で複数の測定ラインに光が照射される。そのため、複数の測定ラインに対応する複数の断面曲線データの生成を高速で行うことができる。その結果、複数の測定ラインに対応する複数の断面曲線データに基づいて観察対象物の表面の断面曲線を正確でかつ高速に検出することができる。
【0014】
(2)共焦点顕微鏡システムは、観察対象物の表面の画像を取得する画像取得部と、画像取得部により取得された画像を表示する第1の表示部とをさらに備え、取得範囲指示受付部は、第1の表示部に表示された画像上で使用者による観測対象物の断面曲線データの取得範囲の指示を受け付けてもよい。
【0015】
この場合、観察対象物の表面の画像が取得され、取得された画像が第1の表示部に表示される。表示された画像上で使用者による断面曲線データの取得範囲の指示が受け付けられる。これにより、使用者は、断面曲線データの取得範囲を容易に指示することができる。
【0016】
(3)データ処理部は、連結された断面曲線データを得る前または後に各断面曲線データから不要部分を除去し、連結された各断面曲線データに基づいて観察対象物の表面性状を表す表面性状パラメータを第1の方向に沿って連続する測定ラインごとに算出し、共焦点顕微鏡システムは、データ処理部により連結された各断面曲線データに基づいて第1の方向に沿って連続する測定ライン上での断面曲線を表示する第2の表示部をさらに備えてもよい。
【0017】
この場合、連結された断面曲線データから不要部分が除去される。それにより、複数の測定ラインの一部の上に塵埃、傷または穴が存在する場合でも、不要部分が除去された断面曲線データに基づいて観察対象物の表面の断面曲線をより正確に検出することができる。
【0018】
また、複数の測定ラインに対応する複数の表面性状パラメータが算出されるので、観察対象物の表面性状を正確に検出することができる。さらに、連結された各断面曲線データに基づく断面曲線および算出された表面性状パラメータが第2の表示部に表示される。これにより、使用者は観察対象物の表面の断面曲線および表面性状パラメータを視覚的に認識することができる。
【0019】
(4)共焦点顕微鏡システムは、観察対象物を支持するとともに第4および第5の方向に移動可能に設けられた支持部をさらに備え、制御部は、第4および第5の方向がそれぞれ第1および第2の方向に一致する場合に、各帯状領域についての共焦点光学系による光の照射の終了ごとに、支持部を第4の方向に移動させ、第4および第5の方向がそれぞれ第1および第2の方向と異なる場合に、各帯状領域についての共焦点光学系による光の照射の終了ごとに、当該帯状領域内の複数の測定ラインの終点と次の帯状領域内の複数の測定ラインの始点とが連続するように支持部を第4および第5の方向に移動させてもよい。
【0020】
この場合、観察対象物を支持する支持部の移動方向が第1および第2の方向と一致している場合だけでなく、支持部の移動方向が第1および第2の方向に対して傾斜している場合にも、一の帯状領域の複数の測定ラインについての断面曲線データと隣接する帯状領域の複数の測定ラインについての断面曲線データとが高い精度で連結される。観察対象物の表面の断面曲線をより正確に検出することができる。
【0021】
(5)データ処理部は、隣接する帯状領域の複数の測定ラインについての断面曲線データを2次元パターンマッチングにより連結してもよい。この場合、隣接する帯状領域の複数の測定ラインについての断面曲線データをさらに正確に連結することができる。
【0022】
(6)第2の発明に係る画像処理方法は、観察対象物の表面を観察するための画像処理方法であって、共焦点光学系により観察対象物の表面に設定された単位領域内で第1の方向に平行な測定ラインに光を照射するとともに測定ラインに照射された光を受光素子に導き、光の照射位置を第1の方向に直交する第2の方向に一定間隔ずつ順次移動させることにより、第2の方向に並ぶ複数の測定ラインに光を照射するステップと、第1および第2の方向に直交する第3の方向における複数の位置で共焦点光学系による光の照射が行われるように共焦点光学系と観察対象物との相対的な距離を変化させるステップと、第1の動作モード時に、単位領域の第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射されるように共焦点光学系を制御するステップと、第2の動作モード時に、第2の方向において単位領域よりも小さい幅を有する帯状領域の第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射されるように共焦点光学系を制御するステップと、受光素子の出力信号に基づいて各測定ラインについての複数の画素データを順次取得するステップと、第2の動作モード時に、取得された複数の画素データに基づいて帯状領域内の各測定ラインについて観察対象物の表面の断面曲線を表す断面曲線データを生成するステップと、使用者による観察対象物の断面曲線データの取得範囲の指示を受け付けるステップと、受け付けられた指示に基づいて観察対象物の断面曲線データの取得範囲として第1の方向に沿って連続的に並ぶ複数の帯状領域内に複数の測定ラインを設定するステップと、設定された複数の測定ラインについて生成された断面曲線データを第1の方向に沿って連続する測定ラインごとに連結することにより、連結された複数の断面曲線データを得るステップとを含むものである。
【0023】
この画像処理方法においては、観察対象物の表面に設定された単位領域内で第1の方向に平行な測定ラインに光が照射され、測定ラインに照射された光が受光素子に導かれる。光の照射位置が第2の方向に一定間隔ずつ順次移動されることにより、第2の方向に並ぶ複数の測定ラインに光が照射される。また、第3の方向における複数の位置で共焦点光学系による光の照射が行われるように共焦点光学系と観察対象物との相対的な距離が変化される。
【0024】
第1の動作モード時には、共焦点光学系により単位領域の第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射される。
【0025】
第2の動作モード時には、共焦点光学系により第2の方向において単位領域よりも小さい幅を有する帯状領域の第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射される。受光素子の出力信号に基づいて各測定ラインについての複数の画素データが順次取得される。取得された複数の画素データに基づいて帯状領域内の各測定ラインについての断面曲線データが生成される。
【0026】
使用者による観察対象物の断面曲線データの取得範囲の指示が受け付けられると、その指示に基づいて観察対象物の断面曲線データの取得範囲として第1の方向に沿って連続的に並ぶ複数の帯状領域内に複数の測定ラインが設定される。設定された複数の測定ラインについて生成された断面曲線データが第1の方向に沿って連続する測定ラインごとに連結されることにより、連結された複数の断面曲線データが得られる。
【0027】
このように、第2の動作モード時には、第2の方向において単位領域よりも小さい幅を有する帯状領域内で複数の測定ラインに光が照射される。そのため、複数の測定ラインに対応する複数の断面曲線データの生成を高速で行うことができる。その結果、複数の測定ラインに対応する複数の断面曲線データに基づいて観察対象物の表面の断面曲線を正確でかつ高速に検出することができる。
【0028】
(7)第3の発明に係る画像処理プログラムは、観察対象物の表面を観察するための画像処理を処理装置に実行させる画像処理プログラムであって、共焦点光学系により観察対象物の表面に設定された単位領域内で第1の方向に平行な測定ラインに光を照射するとともに測定ラインに照射された光を受光素子に導き、光の照射位置を第1の方向に直交する第2の方向に一定間隔ずつ順次移動させることにより、第2の方向に並ぶ複数の測定ラインに光を照射する処理と、第1および第2の方向に直交する第3の方向における複数の位置で共焦点光学系による光の照射が行われるように共焦点光学系と観察対象物との相対的な距離を変化させる処理と、第1の動作モード時に、単位領域の第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射されるように共焦点光学系を制御する処理と、第2の動作モード時に、第2の方向において単位領域よりも小さい幅を有する帯状領域の第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射されるように共焦点光学系を制御する処理と、受光素子の出力信号に基づいて各測定ラインについての複数の画素データを順次取得する処理と、第2の動作モード時に、取得された複数の画素データに基づいて帯状領域内の各測定ラインについて観察対象物の表面の断面曲線を表す断面曲線データを生成する処理と、使用者による観察対象物の断面曲線データの取得範囲の指示を受け付ける処理と、受け付けられた指示に基づいて観察対象物の断面曲線データの取得範囲として第1の方向に沿って連続的に並ぶ複数の帯状領域内に複数の測定ラインを設定する処理と、設定された複数の測定ラインについて生成された断面曲線データを第1の方向に沿って連続する測定ラインごとに連結することにより、連結された複数の断面曲線データを得る処理とを、処理装置に実行させるものである。
【0029】
この画像処理プログラムにおいては、観察対象物の表面に設定された単位領域内で第1の方向に平行な測定ラインに光が照射され、測定ラインに照射された光が受光素子に導かれる。光の照射位置が第2の方向に一定間隔ずつ順次移動されることにより、第2の方向に並ぶ複数の測定ラインに光が照射される。また、第3の方向における複数の位置で共焦点光学系による光の照射が行われるように共焦点光学系と観察対象物との相対的な距離が変化される。
【0030】
第1の動作モード時には、共焦点光学系により単位領域の第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射される。
【0031】
第2の動作モード時には、共焦点光学系により第2の方向において単位領域よりも小さい幅を有する帯状領域の第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射される。受光素子の出力信号に基づいて各測定ラインについての複数の画素データが順次取得される。取得された複数の画素データに基づいて帯状領域内の各測定ラインについての断面曲線データが生成される。
【0032】
使用者による観察対象物の断面曲線データの取得範囲の指示が受け付けられると、その指示に基づいて観察対象物の断面曲線データの取得範囲として第1の方向に沿って連続的に並ぶ複数の帯状領域内に複数の測定ラインが設定される。設定された複数の測定ラインについて生成された断面曲線データが第1の方向に沿って連続する測定ラインごとに連結されることにより、連結された複数の断面曲線データが得られる。
【0033】
このように、第2の動作モード時には、第2の方向において単位領域よりも小さい幅を有する帯状領域内で複数の測定ラインに光が照射される。そのため、複数の測定ラインに対応する複数の断面曲線データの生成を高速で行うことができる。その結果、複数の測定ラインに対応する複数の断面曲線データに基づいて観察対象物の表面の断面曲線を正確でかつ高速に検出することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の目的は、観察対象物の表面の断面曲線を正確でかつ高速に検出することが可能な共焦点顕微鏡システム、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施の形態に係る共焦点顕微鏡システムの構成を示すブロック図である。
【図2】X方向、Y方向およびZ方向を定義するための図である。
【図3】1つの画素において観察対象物のZ方向の位置と受光素子の受光強度との関係を示す図である。
【図4】観察対象物の表面形状を示す図である。
【図5】画素データの取得範囲の設定時における表示部の表示例を示す図である。
【図6】条件設定領域に表示される測定点設定部および測定長さ設定部を示す図である。
【図7】条件設定領域に表示される測定高さ設定部および測定開始指示部を示す図である。
【図8】共焦点顕微鏡システムにおける画像処理方法を示すフローチャートである。
【図9】共焦点顕微鏡システムにおける画像処理方法を示すフローチャートである。
【図10】複数の帯状領域におけるレーザ光の走査方法を示す図である。
【図11】複数の帯状領域における断面曲線データの連結方法を示す図である。
【図12】レーザ光の走査方向およびステージの実際の移動方向を示す図である。
【図13】ステージの傾き補正量算出処理を示すフローチャートである。
【図14】ステージの傾き補正量算出処理実行時における表示部の表示例を示す図である。
【図15】ステージの傾き補正量算出処理実行時における表示部の表示例を示す図である。
【図16】連結されたチャートの超深度線状画像を示す図である。
【図17】解析結果表示時における表示部の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の一実施の形態に係る共焦点顕微鏡システムについて図面を参照しながら説明する。
【0037】
(1)共焦点顕微鏡システムの基本構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る共焦点顕微鏡システム500の構成を示すブロック図である。図1に示すように、共焦点顕微鏡システム500は、測定部100、PC(パーソナルコンピュータ)200、制御部300および表示部400を備える。測定部100は、レーザ光源10、X−Yスキャン光学系20、受光素子30、照明用白色光源40、カラーCCD(電荷結合素子)カメラ50およびステージ60を含む。ステージ60上には、観察対象物Sが載置される。
【0038】
レーザ光源10は、例えば半導体レーザである。レーザ光源10から出射されたレーザ光は、レンズ1により平行光に変換された後、ハーフミラー4を透過してX−Yスキャン光学系20に入射する。なお、レーザ光源10に代えて水銀ランプ等の他の光源が用いられてもよい。この場合、水銀ランプ等の光源とX−Yスキャン光学系20との間に帯域通過フィルタが配置される。水銀ランプ等の光源から出射された光は、帯域通過フィルタを通過することにより単色光となり、X−Yスキャン光学系20に入射する。
【0039】
X−Yスキャン光学系20は、例えばガルバノミラーである。X−Yスキャン光学系20は、ステージ60上の観察対象物Sの表面上においてレーザ光をX方向およびY方向に走査する機能を有する。X方向、Y方向およびZ方向の定義については後述する。X−Yスキャン光学系20により走査されたレーザ光は、ハーフミラー5により反射された後、ハーフミラー6を透過し、対物レンズ3によりステージ60上の観察対象物Sに集光される。なお、ハーフミラー4〜6に代えて偏光ビームスプリッタが用いられてもよい。
【0040】
観察対象物Sにより反射されたレーザ光は、対物レンズ3およびハーフミラー6を透過した後、ハーフミラー5により反射され、X−Yスキャン光学系20を透過する。X−Yスキャン光学系20を透過したレーザ光は、ハーフミラー4により反射され、レンズ2により集光され、ピンホール部材7のピンホールおよびND(Neutral Density)フィルタ8を透過して受光素子30に入射する。このように、本実施の形態においては反射型の共焦点顕微鏡システム500が用いられるが、観察対象物Sが細胞等の透明体である場合には、透過型の共焦点顕微鏡システムが用いられてもよい。
【0041】
ピンホール部材7のピンホールは、レンズ2の焦点位置に配置される。NDフィルタ8は、受光素子30に入射するレーザ光の強度を減衰させるために用いられる。そのため、レーザ光の強度が十分減衰されている場合には、NDフィルタ8は設けられなくてもよい。
【0042】
本実施の形態では、受光素子30は光電子増倍管である。受光素子30としてフォトダイオードおよび増幅器を用いてもよい。受光素子30は、受光量に対応するアナログの電気信号(以下、受光信号と呼ぶ)を出力する。制御部300は、2つのA/D変換器(アナログ/デジタル変換器)、FIFO(First In First Out)メモリおよびCPU(中央演算処理装置)を含む。受光素子30から出力される受光信号は、制御部300の1つのA/D変換器により一定のサンプリング周期でサンプリングされるとともにデジタル信号に変換される。A/D変換器から出力されるデジタル信号は、FIFOメモリに順次蓄積される。FIFOメモリに蓄積されたデジタル信号は画素データとして順次PC200に転送される。
【0043】
照明用白色光源40は、例えばハロゲンランプまたは白色LED(発光ダイオード)である。照明用白色光源40により発生された白色光は、ハーフミラー6により反射された後、対物レンズ3によりステージ60上の観察対象物Sに集光される。
【0044】
観察対象物Sにより反射された白色光は、対物レンズ3、ハーフミラー6およびハーフミラー5を透過してカラーCCDカメラ50に入射する。カラーCCDカメラ50に代えてCMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサ等の撮像素子が用いられてもよい。カラーCCDカメラ50は、受光量に対応する電気信号を出力する。カラーCCDカメラ50の出力信号は、制御部300の他の1つのA/D変換器により一定のサンプリング周期でサンプリングされるとともにデジタル信号に変換される。A/D変換器から出力されるデジタル信号は、カメラデータとして順次PC200に転送される。
【0045】
制御部300は、画素データおよびカメラデータをPC200に与えるとともに、PC200からの指令に基づいて受光素子30の受光感度(ゲイン)およびカラーCCDカメラ50を制御する。また、制御部300は、PC200からの指令に基づいてX−Yスキャン光学系20を制御することによりレーザ光を観察対象物S上でX方向およびY方向に走査させる。
【0046】
対物レンズ3は、レンズ駆動部63によりZ方向に移動可能に設けられる。制御部300は、PC200からの指令に基づいてレンズ駆動部63を制御することにより対物レンズ3をZ方向に移動させることができる。これにより、対物レンズ3に対する観察対象物Sの相対的なZ方向の位置を変化させることができる。
【0047】
PC200は、CPU(中央演算処理装置)210、ROM(リードオンリメモリ)220、作業用メモリ230および記憶装置240を含む。ROM220には、システムプログラムが記憶される。作業用メモリ230は、RAM(ランダムアクセスメモリ)からなり、種々のデータの処理のために用いられる。記憶装置240は、ハードディスク等からなる。記憶装置240には、画像処理プログラムが記憶されるとともに、制御部300から与えられる画素データおよびカメラデータ等の種々のデータを保存するために用いられる。画像処理プログラムの詳細は後述する。
【0048】
CPU210は、制御部300から与えられる画素データに基づいて画像データを生成する。以下、画素データに基づいて生成される画像データを共焦点画像データと呼ぶ。また、共焦点画像データに基づいて表示される画像を共焦点画像と呼ぶ。
【0049】
CPU210は、制御部300から与えられるカメラデータに基づいて画像データを生成する。以下、カメラデータに基づいて生成される画像データをカメラ画像データと呼ぶ。また、カメラ画像データに基づいて表示される画像をカメラ画像と呼ぶ。
【0050】
CPU210は、生成した共焦点画像データおよびカメラ画像データに作業用メモリ230を用いて各種処理を行うとともに、共焦点画像データに基づく共焦点画像およびカメラ画像データに基づくカメラ画像を表示部400に表示させる。また、CPU210は、後述するステージ駆動部62に駆動パルスを与える。
【0051】
表示部400は、例えば液晶ディスプレイパネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルにより構成される。
【0052】
ステージ60は、X方向移動機構、Y方向移動機構およびZ方向移動機構を有する。X方向移動機構、Y方向移動機構およびZ方向移動機構には、ステッピングモータが用いられる。
【0053】
ステージ60のX方向移動機構、Y方向移動機構およびZ方向移動機構は、ステージ操作部61およびステージ駆動部62により駆動される。使用者は、ステージ操作部61を手動で操作することにより、ステージ60を対物レンズ3に対して相対的にX方向、Y方向およびZ方向に移動させることができる。
【0054】
ステージ駆動部62は、PC200より与えられる駆動パルスに基づいて、ステージ60のステッピングモータに電流を供給することにより、ステージ60を対物レンズ3に相対的にX方向、Y方向またはZ方向に移動させることができる。
【0055】
共焦点顕微鏡システム500は、後述する第1の動作モードおよび第2の動作モードで動作可能に構成されている。
【0056】
(2)共焦点画像、超深度画像および高さ画像
以下、第1の動作モードにおける共焦点顕微鏡システム500の動作を説明する。
【0057】
図2は、X方向、Y方向およびZ方向を定義するための図である。図2に示すように、対物レンズ3により集光されたレーザ光が観察対象物Sに照射される。本実施の形態においては、対物レンズ3の光軸の方向をZ方向と定義する。また、Z方向と直交する面において、互いに直交する二方向をそれぞれX方向およびY方向と定義する。X方向、Y方向およびZ方向を矢印X,Y,Zでそれぞれ示す。
【0058】
Z方向において対物レンズ3に対する観察対象物Sの表面の相対的な位置を観察対象物SのZ方向の位置と呼ぶ。共焦点画像データの生成は、単位領域ごとに行なわれる。単位領域は対物レンズ3の倍率により定まる。
【0059】
観察対象物SのZ方向の位置が一定の状態で、X−Yスキャン光学系20により単位領域内のY方向の端部でレーザ光がX方向に走査される。X方向の走査が終了すると、レーザ光がX−Yスキャン光学系20によりY方向に一定の間隔変移される。この状態でレーザ光がX方向に走査される。単位領域内でレーザ光のX方向の走査およびY方向の変移が繰り返されることにより、単位領域のX方向およびY方向の走査が終了する。次に、対物レンズ3がZ方向に移動される。それにより、対物レンズ3のZ方向の位置が前回と異なる一定の状態で、単位領域のX方向およびY方向の走査が行なわれる。観察対象物SのZ方向の複数の位置で単位領域のX方向およびY方向の走査が行なわれる。
【0060】
観察対象物SのZ方向の位置ごとにX方向およびY方向の走査により共焦点画像データが生成される。これにより、単位領域内でZ方向の位置が異なる複数の共焦点画像データが生成される。
【0061】
ここで、共焦点画像データのX方向の画素数は、X−Yスキャン光学系20によるレーザ光のX方向の走査速度と制御部300のサンプリング周期とにより定まる。1回のX方向の走査(1本の走査線)におけるサンプリング数がX方向の画素数となる。また、単位領域の共焦点画像データのY方向の画素数は、X方向の走査の終了ごとのX−Yスキャン光学系20によるレーザ光のY方向の変移量により定まる。Y方向における走査線の数がY方向の画素数となる。さらに、単位領域の共焦点画像データの数は、観察対象物SのZ方向の移動回数により定まる。単位領域の複数の共焦点画像データに基づいて、後述する方法で超深度画像データおよび高さ画像データが生成される。
【0062】
図2の例では、まず、ステージ60の最初の位置で単位領域s1における観察対象物Sの複数の共焦点画像データが生成されるとともに単位領域s1の超深度画像データおよび高さ画像データが生成される。続いて、ステージ60が順次移動することにより単位領域s2〜s4における観察対象物Sの複数の共焦点画像データが生成されるとともに単位領域s2〜s4の超深度画像データおよび高さ画像データが生成される。この場合、隣接する単位領域の一部が互いに重なるように、単位領域s1〜s4が設定されてもよい。それにより、パターンマッチングを行うことにより、複数の単位領域s1〜s4の超深度画像データおよび高さ画像データを高い精度で連結することができる。特に、複数の単位領域の合計の面積が後述する画素データの取得範囲よりも大きい場合には、取得範囲からはみ出す部分の面積に相当する部分が重なり部分として設定される。
【0063】
図3は、1つの画素において観察対象物SのZ方向の位置と受光素子30の受光強度との関係を示す図である。図1に示したように、ピンホール部材7のピンホールはレンズ2の焦点位置に配置される。そのため、観察対象物Sの表面が対物レンズ3の焦点位置にあるときに、観察対象物Sにより反射されたレーザ光がピンホール部材7のピンホールの位置に集光される。それにより、観察対象物Sにより反射されたレーザ光の大部分がピンホール部材7のピンホールを通過して受光素子30に入射する。この場合、受光素子30の受光強度は最大になる。それにより、受光素子30から出力される受光信号の電圧値は最大となる。
【0064】
一方、観察対象物Sが対物レンズ3の焦点位置が外れた位置にあるときには、観察対象物Sにより反射されたレーザ光はピンホール部材7のピンホールの前または後の位置に集光される。それにより、観察対象物Sにより反射されたレーザ光の多くはピンホール部材7のピンホールの周囲の部分で遮られ、受光素子30の受光強度は低下する。それにより、受光素子30から出力される受光信号の電圧値は低下する。
【0065】
このように、観察対象物Sの表面が対物レンズ3の焦点位置にある状態で受光素子30の受光強度分布にピークが現れる。各単位領域の複数の共焦点画像データから、画素ごとにZ方向における受光強度分布が得られる。それにより、画素ごとに受光強度分布のピーク位置とピーク強度(ピークの受光強度)とが得られる。
【0066】
各単位領域の複数の画素についてのZ方向におけるピーク位置を表すデータを高さ画像データと呼び、高さ画像データに基づいて表示される画像を高さ画像と呼ぶ。高さ画像は、観察対象物Sの表面形状を表す。また、各単位領域の複数の画素についてのピーク強度を表すデータを超深度画像データと呼び、超深度画像データに基づいて表される画像を超深度画像と呼ぶ。超深度画像は、観察対象物Sの表面のすべての部分にピントが合った状態で得られる画像である。PC200は、制御部300から与えられる単位領域の複数の画素データに基づいて単位領域の複数の共焦点画像データを生成し、複数の共焦点画像データに基づいて単位領域の高さ画像データおよび超深度画像データを生成する。
【0067】
(3)断面曲線
図4は、観察対象物Sの表面形状を示す図である。図4(a)に示すように、観察対象物Sの表面は、起伏が連続する形状を有する。観察対象物Sの表面上を垂直な平面で切断したとき、その切断面に現れる観察対象物Sの表面上の曲線を断面曲線と呼ぶ。また、断面曲線を表すデータを断面曲線データと呼ぶ。図4(b)に示すように、観察対象物Sの表面において、起伏の周期が比較的短く、起伏の深さに比べて起伏の間隔が比較的小さい断面形状を粗さと呼ぶ。断面曲線から所定のカットオフ波長λcよりも短い波長を有する成分を抽出することにより得られる曲線を粗さ曲線と呼ぶ。図4(c)に示すように、観察対象物Sの表面において、粗さの起伏の周期よりも長い起伏の周期を有する断面形状をうねりと呼ぶ。断面曲線から所定のカットオフ波長λcよりも長い波長を有する成分を抽出することにより得られる曲線をうねり曲線と呼ぶ。後述するように、観察対象物Sの断面曲線データを生成し、その断面曲線データの解析を行うことにより、観察対象物Sの表面性状を表す表面性状パラメータを算出することができる。
【0068】
(4)画素データの取得範囲の設定
以下、第2の動作モードにおける共焦点顕微鏡システム500の動作を説明する。
【0069】
断面曲線データの生成時には、X方向に沿って連続する複数の帯状領域が画素データの取得範囲として設定される。各帯状領域では、X方向に平行な複数の測定ライン(走査線)上でレーザ光が走査される。それにより、PC200は、複数の測定ラインに基づく画素データを制御部300から取得する。各帯状領域の幅は、上記の単位領域のY方向の幅よりも短い。したがって、各帯状領域に含まれる測定ライン数は、単位領域に含まれる測定ライン数よりも少ない。
【0070】
図5は、画素データの取得範囲の設定時における表示部400の表示例を示す図である。図5に示すように、表示部400の画面上には、画像表示領域410および条件設定領域420が表示される。画像表示領域410には、共焦点画像データに基づく共焦点画像またはカメラ画像データに基づくカメラ画像が表示される。条件設定領域420には、測定点設定部421、測定長さ設定部422、測定高さ設定部423および測定開始指示部424が表示される。
【0071】
使用者は、図1の共焦点顕微鏡システム500のステージ60に観察対象物Sを載置する。これにより、制御部300は、カメラデータを順次PC200に与える。PC200のCPU210は、制御部300により与えられたカメラデータに基づいてカメラ画像データを生成し、観察対象物Sのカメラ画像を表示部400の画像表示領域410に表示させる。この状態で、使用者は、以下に示す方法により画素データの取得範囲を指示することができる。この場合、使用者は、ステージ60をX方向またはY方向に移動させることにより画像表示領域410に表示される観察対象物Sのカメラ画像の範囲を変更することができる。
【0072】
上記のように、断面曲線データの生成時には、X方向に沿って連続する複数の帯状領域が画素データの取得範囲として設定される。この場合、各帯状領域におけるX方向の測定ラインの長さを単位長Lと呼ぶ。単位長Lは、各帯状領域のX方向におけるレーザ光の走査長さである。また、各帯状領域における測定ラインの数を測定ライン数Nと呼ぶ。また、連結された複数の帯状領域の全体の長さが評価長さとなる。
【0073】
各帯状領域の測定ライン数Nは30以上100以下であることが好ましい。測定ライン数Nが30以上である場合、複数の測定ラインに対応する複数の表面性状パラメータが算出されるので、観察対象物Sの表面性状を正確に検出することができる。また、後述するように、観察対象物Sの表面性状パラメータの算出結果に対して信頼性が向上する種々の処理を行うことができる。さらに、各帯状領域の断面曲線データと隣接する帯状領域の断面曲線データとを連結する際に、Y方向においてパターンマッチングを行うことができる。一方、測定ライン数Nが100以下である場合、取得される画素データの量を低減することができる。また、画素データの取得に要する時間を短縮化することができる。
【0074】
図6は、条件設定領域420に表示される測定点設定部421および測定長さ設定部422を示す図である。図6に示すように、測定点設定部421は、始点設定ボタン421aを含む。測定長さ設定部422は、評価長さ指定部422aおよび連結数表示部422bを含む。図7は、条件設定領域420に表示される測定高さ設定部423および測定開始指示部424を示す図である。図7に示すように、測定高さ設定部423は、上限設定部423aおよび下限設定部423bを含む。測定開始指示部424は、測定開始ボタン424aを含む。
【0075】
使用者は、図1のPC200に接続されたマウス等のポインティングデバイスを用いて、図5の表示部400に表示される図示しない測定ライン数入力部に測定ライン数Nを入力する。測定ライン数Nは、例えば64である。
【0076】
次に、使用者は、観察対象物Sの表面の測定したい部分が図5の画像表示領域410の略中央に表示されるように図1のステージ60を調整する。ここで、使用者は、測定点設定部421の始点設定ボタン421aを操作する。これにより、画像表示領域410の略中央に表示されている観察対象物Sの表面の部分が測定ラインの始点として設定される。
【0077】
続いて、使用者は、評価長さ指定部422aに数値を入力することにより評価長さを指定する。使用者は、プルダウンメニューの複数の値のいずれかを選択することにより評価長さを指定することもできる。連結数Mは、連結される複数の帯状領域の数であり、評価長さと単位長Lとの比により定まる。断面曲線データの連結のためにパターンマッチングを行う場合、評価長さは、単位長Lと連結数Mとの積から隣接する帯状領域の重なり部分の合計が減算された値となる。連結数表示部422bには、入力された評価長さに基づいて連結数Mが表示される。
【0078】
その後、使用者は、観察対象物Sに対する図1の対物レンズ3の相対的なZ方向の移動範囲を指示する。対物レンズ3のZ方向の移動範囲の上限および下限は、上限設定部423aおよび下限設定部423bにそれぞれ数値を入力することにより行われる。これにより、対物レンズ3のZ方向の移動範囲の上限および下限が設定される。対物レンズ3のZ方向の移動範囲の上限および下限は、図1のCPU210により自動的に設定されてもよい。
【0079】
上記の測定ラインの始点の設定、測定長さの設定および測定高さの設定が行われた後、使用者は測定開始ボタン424aを操作する。これにより、画素データの取得処理が実行される。なお、測定ラインの始点の設定、測定長さの設定および測定高さの設定の順序は上記の順序に限定されない。
【0080】
また、使用者は、マウス等のポインティングデバイスを用いて、画像表示領域410に表示された観察対象物Sのカメラ画像または共焦点画像上で画素データの取得範囲を指示することもできる。これにより、使用者は、断面曲線データの取得範囲を容易に指示することができる。
【0081】
さらに、使用者は、ポインティングデバイスを用いて、画像表示領域410に表示された観察対象物Sのカメラ画像または共焦点画像上の帯状領域または複数の測定ラインをY方向に移動させることができる。これにより、使用者は、観察対象物S上のY方向における帯状領域または複数の測定ラインの位置を指示することができる。
【0082】
(5)画像処理方法
図8および図9は、共焦点顕微鏡システム500における画像処理方法を示すフローチャートである。図10は、複数の帯状領域におけるレーザ光の走査方法を示す図である。図11は、複数の帯状領域における断面曲線データの連結方法を示す図である。図1のPC200のCPU210は、記憶装置240に記憶される画像処理プログラムに従って画像処理方法を実行する。以下、図8〜図11を用いてCPU210による画像処理方法を説明する。なお、図10および図11においては、連結数Mを3として図示している。
【0083】
CPU210は、制御部300により与えられるカメラデータに基づいてカメラ画像データを生成し、カメラ画像データに基づいて観察対象物Sのカメラ画像を図5の表示部400の画像表示領域410に表示させる(ステップS1)。
【0084】
ここで、使用者は、測定ライン数Nを指示する。CPU210は、使用者の指示に基づいて、測定ライン数Nを設定する(ステップS2)。設定された測定ライン数Nは作業用メモリ230に記憶される。なお、測定ライン数Nは、固定値として記憶装置240に記憶されていてもよい。その場合、ステップS2の処理は省略される。
【0085】
次に、使用者は、測定ラインの始点を指示する。CPU210は、使用者の指示に基づいて測定ラインの始点を設定する(ステップS3)。設定された測定ライン数の始点は作業用メモリ230に記憶される。
【0086】
続いて、使用者は、評価長さを指示する。CPU210は、使用者の指示に基づいて評価長さを設定するとともに、評価長さに基づいて連結数Mを設定する(ステップS4)。設定された評価長さおよび連結数Mは作業用メモリ230に記憶される。また、CPU210は、設定された連結数Mを図6の連結数表示部422bに表示する。
【0087】
その後、使用者は、観察対象物Sに対する図1の対物レンズ3の相対的なZ方向の移動範囲を指示する。CPU210は、使用者の指示に基づいて対物レンズ3のZ方向の移動範囲を設定する(ステップS5)。
【0088】
次に、使用者は、測定開始を指示する。CPU210は、使用者により測定開始を指示されると、作業用メモリ230に記憶された測定ライン数N、測定ラインの始点、評価長さおよび連結数Mに基づいて、帯状領域の位置および画素データの取得範囲を設定する(ステップS6)。設定された帯状領域の位置および画素データの取得範囲は作業用メモリ230に記憶される。
【0089】
続いて、CPU210は、作業用メモリ230に記憶された帯状領域の位置に基づいて図1のステージ駆動部62にX方向への移動用の駆動パルスおよびY方向への移動用の駆動パルスの一方または両方を与えることによりステージ60の移動を指令する(ステップS7)。1番目の帯状領域の断面曲線データの生成時には、CPU210は1番目の帯状領域においてレーザ光の走査が可能なようにステージ駆動部62にステージ60のX方向およびY方向のうち一方向または両方向への移動を指令する。2番目以降の帯状領域の断面曲線データの生成時には、CPU210はステージ駆動部62にステージ60のX方向への移動を指令する。
【0090】
その後、CPU210は、制御部300にX方向の走査におけるサンプリング数、測定ライン数NおよびZ方向の移動範囲を通知するとともに帯状領域の複数の画素データの取得を指令する(ステップS8)。
【0091】
制御部300は、CPU210から通知されたX方向の走査におけるサンプリング数、測定ライン数NおよびZ方向の移動範囲に基づいて、図1のX−Yスキャン光学系20を制御するとともに対物レンズ3のZ方向の位置を移動させ、受光素子30から出力される受光信号に基づいて画素データをPC200のCPU210に与える。CPU210は、制御部300から帯状領域の複数の画素データを取得する(ステップS9)。これにより、図10に示すように、一の帯状領域の複数の測定ラインにおいて、Z方向の位置が異なる複数の画素データが取得される。CPU210は、取得した複数の測定ラインの画素データに基づいて帯状領域の複数の断面曲線データを生成し(ステップS10)、作業用メモリ230に記憶する。
【0092】
この場合、各断面曲線データは、各測定ライン上の複数の複数の画素についてのZ方向におけるピーク位置を表す。また、断面曲線は、測定ライン上の表面形状を表す。このとき、帯状領域の複数の測定ラインに対応する複数の超深度線状データが生成される。超深度線状データは、各測定ライン上の複数の画素についてのピーク強度を表すデータである。超深度線状データに基づいて表示される画像を超深度線状画像と呼ぶ。
【0093】
ここで、CPU210は、全ての帯状領域の断面曲線データを生成したか否かを判定する(ステップS11)。全ての帯状領域の断面曲線データを生成していない場合、CPU210は、ステップS7の処理に戻る。CPU210は、次の帯状領域の断面曲線データの生成が可能な位置にステージ60を移動させ、ステップS8〜S11の処理を繰り返す。これにより、図10に示すように、全ての帯状領域の複数の測定ラインにおいて、Z方向の位置が異なる複数の画素データが取得される。CPU210は、取得した複数の測定ラインの画素データに基づいて帯状領域の複数の断面曲線データを生成し、作業用メモリ230に記憶する。
【0094】
その後、CPU210は、作業用メモリ230に記憶された連結数Mの帯状領域の断面曲線データを作業用メモリ230を用いて連結する(ステップS12)。これにより、図11に示すように、指示された取得範囲の断面曲線データが生成される。図11においては、断面曲線データを視覚的に表現するために、各帯状領域の断面曲線データに基づいて表示される断面曲線を実線で図示している。なお、連結数Mが1の場合、ステップS12において断面曲線データの連結は行われない。
【0095】
次に、CPU210は、観察対象物Sに塵埃等が付着している断面曲線データの部分を不要部分として推定し、断面曲線データから推定された不要部分を除去する(ステップS13)。これにより、複数の測定ラインの一部の上に塵埃、傷または穴が存在する場合でも、不要部分が除去された断面曲線データに基づいて観察対象物Sの表面の断面曲線をより正確に検出することができる。断面曲線データの不要部分の推定方法については後述する。
【0096】
続いて、CPU210は、複数の断面曲線データの各々について、粗さ曲線データおよびうねり曲線データを算出するとともに表面性状パラメータを算出する(ステップS14)。表面性状パラメータについては後述する。最後に、生成された断面曲線データに基づく断面曲線、算出された粗さ曲線データに基づく粗さ曲線および算出されたうねり曲線データに基づくうねり曲線ならびに表面性状パラメータを表示部400に表示し(ステップS15)、画像処理方法を終了する。
【0097】
(6)ステージの移動補正
ステージ60の取り付け誤差等のため、図1のX−Yスキャン光学系20によるレーザ光の走査方向とステージ60の実際の移動方向とが完全に一致していない場合がある。ステージ60の実際の移動方向がレーザ光の走査方向に対して傾いている場合には、以下に説明するステージ60の移動補正を行う。
【0098】
図12は、レーザ光の走査方向およびステージ60の実際の移動方向を示す図である。図12(a)には、ステージ60の移動補正が行われない場合のステージ60の移動が示され、図12(b)には、ステージ60の移動補正が行われる場合のステージ60の移動が示される。ここで、レーザ光の走査方向をX方向とし、レーザ光の走査方向に直交する方向をY方向とする。また、ステージ60のX方向への移動指令時にステージ60が実際に移動する方向をX’方向とし、ステージ60のY方向への移動指令時にステージ60が実際に移動する方向をY’方向とする。
【0099】
図12では、移動前のステージ60を実線で示し、移動後のステージ60を点線で示している。ステージ60の移動前にレーザ光のX方向の走査により始点SP1および終点EP1を有する測定ラインSL1が形成される。また、ステージ60の移動後にレーザ光のX方向の走査により始点SP2および終点EP2を有する測定ラインSL2が形成される。
【0100】
図8のステップS7において、CPU210がステージ60のX方向への距離Lx分の移動を指令すると、図12(a)に示すように、ステージ60は実際にはX’方向に距離Lx分移動する。また、ステージ60はX方向の軸からY’方向に距離Ly分移動する。この場合、ステージ60はX方向に移動するとともにY方向にも移動する。そのため、ステージ60の移動前の測定ラインSL1の終点EP1とステージ60の移動後の測定ラインSL2の始点SP2とが一致しない。
【0101】
本実施の形態においては、図12(b)に示すように、CPU210は、ステージ60のX方向への距離Lx分の移動を指令するとともに−Y方向への距離Ly分の移動を指令する。それにより、ステージ60は実際にはX’方向に距離Lx分移動するとともに−Y’方向に距離Ly分移動する。この場合、ステージ60はX方向に移動し、Y方向には移動しない。このようなステージ60の移動補正により、ステージ60の移動前の測定ラインSL1の終点EP1とステージ60の移動後の測定ラインSL2の始点SP2とが一致する。
【0102】
ステージ60の実際の移動方向がレーザ光の走査方向に対して傾いているか否かは、共焦点顕微鏡システムの製造時に作業者により予め判定され、または使用者により断面曲線データの生成前に判定される。それにより、予め以下に示す方法で傾き補正量が算出される。
【0103】
図13は、ステージ60の傾き補正量算出処理を示すフローチャートである。図14および図15は、ステージ60の傾き補正量算出処理実行時における表示部400の表示例を示す図である。以下、図13〜図15を用いてCPU210によるステージ60の傾き補正量算出処理を説明する。
【0104】
図14に示すように、表示部400の画面上には、画像表示領域410および条件設定領域420が表示される。画像表示領域410には、カメラ画像データに基づくカメラ画像が表示される。条件設定領域420には、次へボタン425およびキャンセルボタン426が表示される。
【0105】
使用者は、図1の共焦点顕微鏡システム500のステージ60にチャートCを載置する。チャートCは、ステージ60の傾き補正量算出処理に用いられる観察対象物Sである。チャートCの表面上には、互いに直交する複数の線分および斜め方向の複数の線分を含む複数の線図が描かれている。CPU210は、制御部300により与えられるカメラデータに基づいてカメラ画像データを生成し、カメラ画像データに基づいてチャートCのカメラ画像を表示部400の画像表示領域410に表示させる(ステップS21)。
【0106】
画像表示領域410の任意の位置(図14の例では左上)に特徴点指定枠Rが表示される。使用者は、マウス等のポインティングデバイスを用いて、特徴点指定枠Rに含まれるチャートCの表面上の任意の点を特徴点Fとして指定する。次に、使用者は、条件設定領域420の次へボタン425を操作する。CPU210は、使用者により指定された特徴点Fの座標(XA,YA)を算出する(ステップ22)。算出された特徴点Fの座標(XA,YA)は作業用メモリ230に記憶される。なお、使用者は、次へボタン425を操作するまで何度でも特徴点Fを指定し直すことができる。また、使用者によりキャンセルボタン426が操作されると、CPU210はステージ60の傾き補正量算出処理を中止する。
【0107】
次に、CPU210は、ステージ60のX方向への距離LX分の移動を指令する(ステップS23)。距離LXは任意に設定される。この場合、ステージ60は実際にはX’方向に距離LX分移動する。
【0108】
それにより、図15に示すように、画像表示領域410において、ステージ60の移動後の位置に対応する位置(図15の例では右上)に特徴点指定枠Rが表示される。また、条件設定領域420には、次へボタン425に代えて終了ボタン427および戻るボタン428が表示される。
【0109】
ここで、使用者は、特徴点指定枠Rに上述の特徴点Fが含まれていることを確認し、ポインティングデバイスを用いてその特徴点Fを指定する。次に、使用者は、条件設定領域420の終了ボタン427を操作する。CPU210は、使用者により指定された特徴点Fの座標(XB,YB)を算出する(ステップ24)。算出された特徴点Fの座標(XB,YB)は作業用メモリ230に記憶される。
【0110】
なお、使用者は、終了ボタン427を操作するまで何度でも特徴点Fを指定し直すことができる。また、使用者により戻るボタン428が操作されると、CPU210はステップS21の処理に戻る。
【0111】
最後に、CPU210は、作業用メモリ230に記憶された移動前の特徴点Fの座標(XA,YA)および作業用メモリ230に記憶された移動後の特徴点Fの座標(XB,YB)を用いて次式により傾き補正量Kを算出し(ステップS25)、ステージの傾き補正量算出処理を終了する。
【0112】
K=(YB−YA)/(XB−XA)
上式において、(XB−XA)は、ステージ60のX方向への距離LXの移動指令によりX方向へ実際に移動した距離を示す。また、(YB−YA)は、ステージ60のX方向への距離LXの移動指令によりY方向へ実際に移動した距離を示す。各帯状領域での断面曲線データの生成終了ごとにステージ60のX方向への移動を指令する際の距離Lxに傾き補正量Kを乗算することによりステージ60の−Y方向への移動を指令する距離Lyを算出することができる。
【0113】
なお、傾き補正量Kの算出時のステージ60のX方向への移動指令の距離LXが各帯状領域での断面曲線データの生成終了ごとにステージ60のX方向への移動を指令する距離Lxと等しい場合には、ステージ60の−Y方向への移動を指令する距離Lyは(YB−YA)となる。
【0114】
傾き補正量Kは、記憶装置240に記憶され、次にステージ60の傾き補正量算出処理が行われるまでステージ60の移動補正に用いられる。
【0115】
CPU210は、図8のステップS7においてステージ60のX方向への距離Lxの移動を指令する際に、距離Lxと記憶装置240に記憶された傾き補正量Kとの乗算値(=Ly)を算出するとともに、ステージ60の−Y方向への距離Lyの移動を指令する。これにより、レーザ光の走査方向(X方向)とステージ60の実際の移動方向(X’方向)とが完全に一致しない場合でも、ステージ60移動前の測定ラインSL1の終点EP1とステージ60移動後の測定ラインSL2の始点SP2とを一致させることができる。
【0116】
なお、上記の例では、傾き補正量Kの算出時にステージ60のX方向への移動を指令しているが、これに限定されない。例えば、傾き補正量Kの算出時にステージ60のY方向への移動を指令してもよく、ステージ60のX方向およびY方向への移動を指令してもよい。この場合にも、ステージ60の移動前の特徴点の座標と移動後の特徴点の座標とから、レーザ光の走査方向に対するステージ60の実際の移動方向の傾きを算出し、算出結果に基づいてステージ60の移動補正を行う。
【0117】
図16は、連結されたチャートCの超深度線状画像を示す図である。図16(a)〜図16(c)において、3つの帯状領域における超深度線状画像が、矢印Aおよび矢印Bの位置で連結されている。
【0118】
図16(a)は、ステージ60の移動補正が行われない場合において連結されたチャートCの超深度線状画像である。図16(a)に示すように、チャートCの表面上におけるX方向の複数の線分が矢印Aおよび矢印Bの位置で連続しない。それにより、ステージ60の移動補正が行われない場合には、3つの帯状領域における超深度線状画像が正確な位置で連結されないことが確認される。
【0119】
図16(b)は、ステージ60の移動補正が行われた場合において連結されたチャートCの超深度線状画像を示す。図16(b)に示すように、チャートCの表面上におけるX方向の複数の線分が矢印Aの位置でほぼ連続している。また、チャートCの表面上におけるX方向の複数の線分が矢印Bの位置で連続している。ステージ60の移動補正が行われた場合には、3つの帯状領域における超深度線状画像がほぼ正確な位置で連結されることが確認される。この場合、一の帯状領域の複数の測定ラインと隣接する帯状領域の複数の測定ラインとをより高い精度で連結することができる。その結果、観察対象物Sの表面の断面曲線をより正確に検出することができる。
【0120】
図16(c)は、ステージ60の移動補正が行われた場合において2次元のパターンマッチングにより連結されたチャートCの超深度線状画像を示す。図16(c)に示すように、チャートCの表面上におけるX方向の複数の線分が矢印Aおよび矢印Bの位置で連続している。それにより、ステージ60の移動補正が行われかつ2次元のパターンマッチングが行われた場合には、3つの帯状領域における超深度線状画像が正確な位置で連結されることが確認される。この場合、隣接する帯状領域の複数の測定ラインについての断面曲線データをさらに正確に連結することができる。その結果、観察対象物Sの表面の断面曲線をさらに正確に検出することができる。
【0121】
(7)断面曲線データの不要部分の推定方法
図9のステップS13において、断面曲線データの不要部分は、以下に示す種々の方法により推定される。
【0122】
(7−1)断面曲線データに基づく推定方法
塵埃等の付着物が存在する観察対象物Sの部分の高さは、付着物が存在しない観察対象物Sの表面の凹凸の高さに比べて高い。そのため、付着物が存在する観察対象物Sの部分に対応する断面曲線データは、付着物が存在しない観察対象物Sの部分に対応する断面曲線データよりも高い値を有する。CPU210は、断面曲線データを適切なしきい値で“1”と“0”とに2値化する。それにより、付着物が存在しない観察対象物Sの部分に対応する2値化データが“0”となり、付着物が存在する観察対象物Sの部分に対応する2値化データが“1”となる。この場合、CPU210は、“1”の2値化データに対応する断面曲線データの部分を不要部分と推定することができる。
【0123】
また、観察対象物Sの表面の傷または穴の深さは、観察対象物Sの表面の凹凸の深さに比べて大きい。CPU210は、断面曲線データを適切なしきい値で“1”と“0”とに2値化する。それにより、傷または穴の部分に対応する2値化データが“0”となり、傷または穴が存在しない観察対象物Sの部分に対応する2値化データが“1”となる。この場合、CPU210は、“0”の2値化データに対応する断面曲線データの部分を不要部分と推定することができる。
【0124】
(7−2)超深度線状データに基づく推定方法
一般に、金属等からなる観察対象物Sの表面は高い反射率を有するため、塵埃等の付着物が存在しない観察対象物Sの部分に対応する超深度線状データは高い値を有する。一方、塵埃等の付着物が存在する観察対象物Sの部分は金属等よりも低い反射率を有するため、塵埃等の付着物が存在する観察対象物Sの部分に対応する超深度線状データは低い値を有する。CPU210は、超深度線状データを適切なしきい値で“1”と“0”とに2値化する。それにより、付着物が存在しない観察対象物Sの部分に対応する2値化データが“1”となり、付着物が存在する観察対象物Sの部分に対応する2値化データが“0”となる。この場合、CPU210は、“0”の2値化データに対応する断面曲線データの部分を不要部分と推定することができる。
【0125】
(7−3)カメラ画像データに基づく推定方法
断面曲線データおよび超深度線状データに基づく推定の場合と同様に、CPU210がカメラ画像データを適切なしきい値で2値化することにより、断面曲線データの不要部分を推定することができる。
【0126】
また、CPU210がカメラ画像データの画像処理により塵埃等の付着物、傷および穴等による断面曲線データの不要部分を推定することができる。
【0127】
(7−4)その他の推定方法
断面曲線データの不要部分は、上記の推定方法のうち、2つ以上の推定方法を組み合わせることにより推定されてもよい。これにより、より確実に断面曲線データの不要部分を推定することができる。
【0128】
また、断面曲線データの不要部分の推定は、使用者の目視により行われてもよい。この場合、図5の表示部400の画像表示領域410には、断面曲線データに基づく観察対象物Sの断面曲線、超深度線状データに基づく観察対象物Sの超深度線、またはカメラ画像データに基づく観察対象物Sのカメラ画像が表示される。
【0129】
使用者は、マウス等のポインティングデバイスを用いて、画像表示領域410に表示される断面曲線、超深度線またはカメラ画像上の不要部分を指示することができる。CPU210は、使用者の指示に基づいて、断面曲線、超深度線またはカメラ画像上の不要部分に対応する断面曲線データの部分を不要部分と推定することができる。
【0130】
断面曲線データの不要部分の推定が使用者の目視により行われることにより、低い反射率を有する観察対象物Sまたは大きな凹凸もしくは大きな傾斜を含む観察対象物Sについても、適切に断面曲線データの不要部分を推定することができる。
【0131】
(8)解析結果の表示
図9のステップS15において、CPU210は、生成された断面曲線データに基づく断面曲線、算出された粗さ曲線データに基づく粗さ曲線および算出されたうねり曲線データに基づくうねり曲線ならびに算出された表面性状パラメータ等を含む解析結果を表示部400に表示させる。これにより、使用者は観察対象物Sの表面の断面曲線等を視覚的に認識することができる。
【0132】
図17は、解析結果表示時における表示部400の表示例を示す図である。図17に示すように、表示部400の画面上には、画像表示領域410および解析結果表示領域430が表示される。画像表示領域410には、連結された超深度線状データに基づく超深度線状画像が表示される。また、超深度線状画像上には、図8のステップS2〜S4で設定された複数の測定ラインが表示される。
【0133】
解析結果表示領域430には、断面曲線表示部431、輪郭曲線表示部432、パラメータ表示部434およびパラメータ設定部433が表示される。使用者が画像表示領域410に表示される超深度線状画像上の複数の測定ラインの1つを指定することにより、断面曲線表示部431には、使用者により指定された複数の測定ラインの1つに対応する断面曲線が表示される。
【0134】
輪郭曲線表示部432には、断面曲線表示部431に表示される断面曲線に対応する粗さ曲線が表示される。輪郭曲線表示部432には、使用者の選択によりうねり曲線を表示することもできる。使用者は、パラメータ設定部433を操作することにより、粗さ曲線とうねり曲線とを識別するカットオフ波長λc、粗さ曲線の下限波長λsおよびうねり曲線の上限波長λfを設定することができる。
【0135】
パラメータ表示部434には、複数の測定ラインの各々について算出された表面性状パラメータが表示される。表面性状パラメータは、最大山高さRp、最大谷深さRv、最大高さRz、平均高さRcおよび算術平均粗さRa等の種々のパラメータを含む。また、パラメータ表示部434には、複数の測定ラインについて算出された表面性状パラメータの平均値、最大値、最小値、最大値と最小値との差、標準偏差(σ)および3倍された標準偏差(3σ)が表示される。複数の測定ラインについて算出された表面性状パラメータの平均値を算出することにより、図9のステップS13において、観察対象物Sに塵埃等が付着している断面曲線データの不要部分が除去されない場合でも、算出される表面性状パラメータの信頼性を向上させることができる。
【0136】
パラメータ表示部434には、表面性状パラメータの平均値等の他に、複数の測定ラインについて算出された表面性状パラメータの中心値が表示されてもよく、中心値周辺の数個の数値の平均値が表示されてもよい。また、パラメータ表示部434には、平均値からの乖離が大きい数値が除去され、残りの数値の平均値が表示されてもよい。このような処理を行うことにより、図9のステップS13において、観察対象物Sに塵埃等が付着している断面曲線データの不要部分が除去されない場合でも、算出される表面性状パラメータの信頼性を向上させることができる。
【0137】
(9)効果
本実施の形態に係る共焦点顕微鏡システム500においては、第2の動作モード時に、Y方向において単位領域よりも小さい幅を有する帯状領域内でX方向に平行な複数の測定ラインに光が照射される。そのため、複数の測定ラインに対応する複数の断面曲線データの生成を高速で行うことができる。その結果、複数の断面曲線データに基づいて観察対象物Sの表面の断面曲線を正確でかつ高速に検出することができる。
【0138】
(10)他の実施の形態
(10−1)上記実施の形態において、PC200のCPU210が制御部300の機能を有していてもよい。この場合、制御部300は設けられなくてもよい。
【0139】
(10−2)上記実施の形態において、レーザ光の走査方向とステージ60の実際の移動方向と一致する場合には、共焦点顕微鏡システム500は、ステージ60の傾き補正量算出処理を実現する機能を有さなくてもよい。
【0140】
(10−3)上記実施の形態において、X−Yスキャン光学系20が制御されることによりレーザ光が観察対象物S上でX方向およびY方向に走査されるが、これに限定されない。ステージ60が移動されることによりレーザ光が観察対象物S上でX’方向およびY’方向に走査されてもよい。この場合、共焦点顕微鏡システム500は、ステージ60の傾き補正量算出処理を実現する機能を有さなくてもよい。
【0141】
また、レーザ光としてライン光(例えばX方向に延びる細長い光)が用いられてもよい。この場合、X−Yスキャン光学系20に代えてX方向への走査を行わないYスキャン光学系が用いられる。また、受光素子30に代えて、X方向に対応する方向に配列された複数の受光素子からなるラインCCDカメラ等が用いられる。
【0142】
なお、ラインCCDカメラの各受光素子のY方向に対応する方向の受光面のサイズは一般的に数10μmである。この場合、ラインCCDカメラの受光面をレンズ2が焦点位置に配置される。観察対象物Sの表面が対物レンズ3の焦点位置にあるときに、観察対象物Sにより反射されたライン光がラインCCDカメラの受光面に集光される。それにより、観察対象物Sにより反射されたライン光の大部分がラインCCDカメラの受光面に入射する。
【0143】
一方、観察対象物Sが対物レンズ3の焦点位置が外れた位置にあるときには、観察対象物Sにより反射されたライン光はラインCCDカメラの受光面の前または後の位置に集光される。それにより、観察対象物Sにより反射されたライン光の一部のみがラインCCDカメラの受光面に入射する。したがって、ラインCCDカメラの前にピンホール部材7を配置することが不要となる。
【0144】
(10−4)上記実施の形態において、対物レンズ3がZ方向に移動されることにより対物レンズ3に対する観察対象物Sの相対的なZ方向の位置が変化されるが、これに限定されない。ステージ60がZ方向に移動されることにより対物レンズ3に対する観察対象物Sの相対的なZ方向の位置が変化されてもよい。
【0145】
(10−5)上記実施の形態において、観察対象物Sに塵埃等が付着している断面曲線データの部分が不要部分として除去されるが、これに限定されない。算出される表面性状パラメータの信頼性が高い場合には、観察対象物Sに塵埃等が付着している断面曲線データの部分が不要部分として除去されなくてもよい。この場合、図9のステップS13の処理は省略される。
【0146】
(11)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0147】
観察対象物Sが観察対象物の例であり、共焦点顕微鏡システム500が共焦点顕微鏡システムの例であり、受光素子30が受光素子の例であり、レンズ1,2、対物レンズ3、ピンホール部材7およびレーザ光源10が共焦点光学系の例である。X方向が第1の方向の例であり、Y方向が第2の方向の例であり、Z方向が第3の方向の例であり、X’方向が第4の方向の例であり、Y’方向が第5の方向の例であり、レンズ駆動部63が相対的距離変化部の例である。制御部300が制御部の例であり、PC200がデータ生成部、取得範囲指示受付部、取得範囲設定部、データ処理部および処理装置の例である。カラーCCDカメラ50、制御部300およびPC200が画像取得部の例であり、画像表示領域410が第1の表示部の例であり、断面曲線表示部431、輪郭曲線表示部432およびパラメータ表示部434が第2の表示部の例であり、ステージ60が支持部の例である。
【0148】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、種々の共焦点顕微鏡システム、画像処理方法および画像処理プログラムに有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0150】
1,2 レンズ
3 対物レンズ
4〜6 ハーフミラー
7 ピンホール部材
8 NDフィルタ
10 レーザ光源
20 X−Yスキャン光学系
30 受光素子
40 照明用白色光源
50 カラーCCDカメラ
60 ステージ
61 ステージ操作部
62 ステージ駆動部
63 レンズ駆動部
100 測定部
200 PC
210 CPU
220 ROM
230 作業用メモリ
240 記憶装置
300 制御部
400 表示部
410 画像表示領域
420 条件設定領域
421 測定点設定部
421a 始点設定ボタン
422 測定長さ設定部
422a 評価長さ指定部
422b 連結数表示部
423 測定高さ設定部
423a 上限設定部
423b 下限設定部
424 測定開始指示部
424a 測定開始ボタン
425 次へボタン
426 キャンセルボタン
427 終了ボタン
428 戻るボタン
430 解析結果表示領域
431 断面曲線表示部
432 輪郭曲線表示部
433 パラメータ設定部
434 パラメータ表示部
500 共焦点顕微鏡システム
A,B 矢印
C チャート
EP1,EP2 終点
F 特徴点
LX,LY,Lx,Ly 距離
R 特徴点指定枠
S 観察対象物
SP1,SP2 始点
SL1,SL2 測定ライン
s1〜s4 単位領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察対象物の表面を観察するための共焦点顕微鏡システムであって、
受光素子と、
観察対象物の表面に設定された単位領域内で第1の方向に平行な測定ラインに光を照射するとともに測定ラインに照射された光を前記受光素子に導き、光の照射位置を前記第1の方向に直交する第2の方向に一定間隔ずつ順次移動させることにより、前記第2の方向に並ぶ複数の測定ラインに光を照射可能に構成された共焦点光学系と、
前記第1および第2の方向に直交する第3の方向における複数の位置で前記共焦点光学系による光の照射が行われるように前記共焦点光学系と観察対象物との相対的な距離を変化させる相対距離変化部と、
第1の動作モードおよび第2の動作モードの制御を選択的に実行可能に構成され、前記第1の動作モード時に、前記単位領域の前記第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射されるように前記共焦点光学系を制御し、前記第2の動作モード時に、前記第2の方向において前記単位領域よりも小さい幅を有する帯状領域の前記第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射されるように前記共焦点光学系を制御するとともに前記相対距離変化部を制御し、前記受光素子の出力信号に基づいて各測定ラインについての複数の画素データを順次取得する制御部と、
前記第2の動作モード時に、前記制御部により取得された複数の画素データに基づいて前記帯状領域内の各測定ラインについて観察対象物の表面の断面曲線を表す断面曲線データを生成するデータ生成部と、
使用者による観察対象物の断面曲線データの取得範囲の指示を受け付ける取得範囲指示受付部と、
前記取得範囲指示受付部により受け付けられた指示に基づいて観察対象物の断面曲線データの生成範囲として前記第1の方向に沿って連続的に並ぶ複数の帯状領域内に複数の測定ラインを設定する取得範囲設定部と、
前記取得範囲設定部により設定された複数の測定ラインについて前記データ生成部により生成された断面曲線データを前記第1の方向に沿って連続する測定ラインごとに連結することにより、連結された複数の断面曲線データを得るデータ処理部とを備えることを特徴とする共焦点顕微鏡システム。
【請求項2】
観察対象物の表面の画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された画像を表示する第1の表示部とをさらに備え、
前記取得範囲指示受付部は、前記第1の表示部に表示された画像上で使用者による観測対象物の断面曲線データの取得範囲の指示を受け付けることを特徴とする請求項1記載の共焦点顕微鏡システム。
【請求項3】
前記データ処理部は、前記連結された断面曲線データを得る前または後に各断面曲線データから不要部分を除去し、前記連結された各断面曲線データに基づいて観察対象物の表面性状を表す表面性状パラメータを前記第1の方向に沿って連続する測定ラインごとに算出し、
前記データ処理部により連結された各断面曲線データに基づいて前記第1の方向に沿って連続する測定ライン上での断面曲線を表示する第2の表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載の共焦点顕微鏡システム。
【請求項4】
観察対象物を支持するとともに第4および第5の方向に移動可能に設けられた支持部をさらに備え、
前記制御部は、
前記第4および第5の方向がそれぞれ前記第1および第2の方向に一致する場合に、各帯状領域についての前記共焦点光学系による光の照射の終了ごとに、前記支持部を前記第4の方向に移動させ、
前記第4および第5の方向がそれぞれ前記第1および第2の方向と異なる場合に、各帯状領域についての前記共焦点光学系による光の照射の終了ごとに、当該帯状領域内の複数の測定ラインの終点と次の帯状領域内の複数の測定ラインの始点とが連続するように前記支持部を前記第4および第5の方向に移動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の共焦点顕微鏡システム。
【請求項5】
前記データ処理部は、隣接する帯状領域の複数の測定ラインについての断面曲線データを2次元パターンマッチングにより連結することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の共焦点顕微鏡システム。
【請求項6】
観察対象物の表面を観察するための画像処理方法であって、
共焦点光学系により観察対象物の表面に設定された単位領域内で第1の方向に平行な測定ラインに光を照射するとともに測定ラインに照射された光を受光素子に導き、光の照射位置を前記第1の方向に直交する第2の方向に一定間隔ずつ順次移動させることにより、前記第2の方向に並ぶ複数の測定ラインに光を照射するステップと、
前記第1および第2の方向に直交する第3の方向における複数の位置で前記共焦点光学系による光の照射が行われるように前記共焦点光学系と観察対象物との相対的な距離を変化させるステップと、
第1の動作モード時に、前記単位領域の前記第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射されるように前記共焦点光学系を制御するステップと、
第2の動作モード時に、前記第2の方向において前記単位領域よりも小さい幅を有する帯状領域の前記第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射されるように前記共焦点光学系を制御するステップと、
前記受光素子の出力信号に基づいて各測定ラインについての複数の画素データを順次取得するステップと、
前記第2の動作モード時に、取得された複数の画素データに基づいて前記帯状領域内の各測定ラインについて観察対象物の表面の断面曲線を表す断面曲線データを生成するステップと、
使用者による観察対象物の断面曲線データの取得範囲の指示を受け付けるステップと、
受け付けられた指示に基づいて観察対象物の断面曲線データの取得範囲として前記第1の方向に沿って連続的に並ぶ複数の帯状領域内に複数の測定ラインを設定するステップと、
設定された複数の測定ラインについて生成された断面曲線データを前記第1の方向に沿って連続する測定ラインごとに連結することにより、連結された複数の断面曲線データを得るステップとを含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
観察対象物の表面を観察するための画像処理を処理装置に実行させる画像処理プログラムであって、
共焦点光学系により観察対象物の表面に設定された単位領域内で第1の方向に平行な測定ラインに光を照射するとともに測定ラインに照射された光を受光素子に導き、光の照射位置を前記第1の方向に直交する第2の方向に一定間隔ずつ順次移動させることにより、前記第2の方向に並ぶ複数の測定ラインに光を照射する処理と、
前記第1および第2の方向に直交する第3の方向における複数の位置で前記共焦点光学系による光の照射が行われるように前記共焦点光学系と観察対象物との相対的な距離を変化させる処理と、
第1の動作モード時に、前記単位領域の前記第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射されるように前記共焦点光学系を制御する処理と、
第2の動作モード時に、前記第2の方向において前記単位領域よりも小さい幅を有する帯状領域の前記第2の方向における一端から他端に渡って並ぶ複数の測定ラインに光が照射されるように前記共焦点光学系を制御する処理と、
前記受光素子の出力信号に基づいて各測定ラインについての複数の画素データを順次取得する処理と、
前記第2の動作モード時に、取得された複数の画素データに基づいて前記帯状領域内の各測定ラインについて観察対象物の表面の断面曲線を表す断面曲線データを生成する処理と、
使用者による観察対象物の断面曲線データの取得範囲の指示を受け付ける処理と、
受け付けられた指示に基づいて観察対象物の断面曲線データの取得範囲として前記第1の方向に沿って連続的に並ぶ複数の帯状領域内に複数の測定ラインを設定する処理と、
設定された複数の測定ラインについて生成された断面曲線データを前記第1の方向に沿って連続する測定ラインごとに連結することにより、連結された複数の断面曲線データを得る処理とを、
前記処理装置に実行させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−155009(P2012−155009A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12031(P2011−12031)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】