説明

共通のTPCコマンドと別個のTPCコマンドの双方をサポートする通信ネットワークシステムにおけるアップリンク電力制御方法

【課題】複数のチャネルに対して適用される共通の送信電力制御コマンド及び別個の送信電力制御コマンドの双方のサポートを可能にする電力制御方法及びユーザ機機を提供する。
【解決手段】ユーザ機機において、トラフィックチャネルと制御チャネルのそれぞれを対象とする送信電力制御コマンドが受信され、これらコマンドはリソースによって別々に識別される。識別された同じリソースを送信電力制御コマンドが占める場合には、共通の送信電力コマンドをトラフィックチャネルと制御チャネルに適用する。異なるリソースを占める場合には、別個の送信電力コマンドをトラフィックチャネルと制御チャネルに適用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、無線通信分野に関し、特に、通信ネットワークシステムにおける送信電力制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アップリンクにおいて、送信装置、無線基地局、及び、移動局又は端末の電力レベルを設定することは、一般に、移動体システムにおける電力制御と呼ばれる。電力制御の主な目的は、キャパシティ、カバレージ、ユーザ品質(ビットレート又は音声の品質)が改善されることと、電力消費が低減されることとを含む。電力制御の仕組みは、幾つかのグループ、即ち、(i)開ループ電力制御、(ii)閉ループ電力制御、(iii)開ループ電力制御と閉ループ電力制御との組み合わせに分類されうる。これらは、どの入力が送信電力を決定するために利用されるかという点において異なっている。開ループ電力制御の場合、送信装置は、受信装置から送信される信号の信号対雑音比又は信号対干渉比を測定し、送信装置は、この測定された信号に基づいて自身の出力電力を設定する。閉ループ電力制御(内部ループとしても公知である)の場合は、受信された信号対干渉比(SIR:signal to interference ratio)を所与のSIR目標値に維持するために、受信装置から受信される1つ以上の送信電力制御(TPC:transmit power control)コマンドに従って自身の出力電力を調整する送信装置の能力である。閉ループ電力制御において、受信装置は従って送信装置からの信号のSIRを測定し、その後、TPCコマンドを送信装置へと送信する。送信装置は、受信されたTPCコマンドに基づいて自身の出力電力を調整する。開ループ電力制御と閉ループ電力制御の組み合わせの場合には、双方の出力が送信電力を設定するために利用される。
【0003】
先に検討した電力制御の仕組みは、無線システムにおいて広く利用されている。例えば、移動端末と無線基地局との間に複数のチャネルを備えるシステムにおいて、様々な電力制御の原則が、様々なチャネルに適用されうる。様々なチャネルに対して様々な電力制御の原則を利用することの効果によって、個々のチャネルの必要に対して幾つかの電力制御の原則を適合させる際に、より自由が効くようになる。欠点は、個々のチャネルの必要に対して幾つかの電力制御の原則を保つという複雑性が増すことである。例として、閉ループの原則、並びに開ループ及び閉ループの組み合わせの原則のために共通のTPCコマンドが利用される場合に、複数のチャネルは、同じTPCコマンドを利用しうる。このような解決策による欠点は、個々のチャネルの無線条件に対して電力を合わせる際のフレキシビリティが制限されることである。代わりに別個のTPCコマンドが利用される場合には、オーバーヘッドが増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の実施形態の目的は、先に言及した問題に対処し、かつ、複数のチャネル、例えばトラフィックチャネル及び制御チャネルに対して適用される共通のTPCコマンド及び別個のTPCコマンドの双方のサポートを可能にする送信電力制御方法及びユーザ機器に相当する装置を提供することであり、これにより、複雑性が増すことなく、チャネルの状態に対して送信電力を合わせる際のフレキシビリティが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態の第1の観点によれば、先に述べた問題は、少なくとも1つの基地局と少なくとも1つのユーザ機器とを含む通信システムのユーザ機器における使用のための送信電力制御方法によって解決される。システムはさらに、それぞれ割り当てられる基地局とユーザ機器との間の物理又は論理リソースを占めるトラフィックチャネルと制御チャネルの双方を含む複数のチャネルをサポートする。本方法において、トラフィックチャネル及び制御チャネルそれぞれを対象とする送信電力制御コマンドが受信され、これらコマンドはリソースによって別々に識別される。識別された同じリソースを送信電力制御コマンドが占める場合には、共通のコマンドが、トラフィックチャネル及び制御チャネルに対して適用される。識別された異なるリソースをコマンドが占める場合には、別個の送信電力制御コマンドが、トラフィックチャネル及び制御チャネルに対して適用される。
【0006】
本発明の実施形態の第2の観点によれば、先に述べた問題は、通信システムのユーザ機器に相当する装置によって解決される。システムは、それぞれ割り当てられる基地局とユーザ機器との間の物理又は論理リソースを占めるトラフィックチャネル及び制御チャネルを含む複数のチャネルをさらに備える。ユーザ機器は、トラフィックチャネル及び制御チャネルについてそれぞれ送信電力制御コマンドを受信するための手段を含む。コマンドは、リソースによって別々に識別される。ユーザ機器は、これらコマンドが同じリソースを占める場合に、共通の送信電力制御コマンドをトラフィックチャネル及び制御チャネルに対して適用するための手段をさらに含み、これらコマンドが異なるリソースを占める場合に、別個の送信電力制御コマンドを、トラフィックチャネル及び制御チャネルに対して適用するための手段をさらに含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明による効果は、動的(又は静的)に割り当てられる同じ又は別個のリソースをTPCコマンドが占めているかどうかに従ってトラフィックチャネル及び制御チャネルに対して適用されるTPCコマンドを選択する際のフレキシビリティである。
【0008】
本発明の更なる別の目的及び特徴が、添付の図面と以下の詳細な記載から明らかとなろう。しかし、以下の図面は例示的なものであり、様々な修正及び変更を、記載される特定の実施形態において、添付の請求項の範囲内で行なうことが可能であるという事実に注意されたい。さらに、当然のことながら、図面は必ずしも一定の縮尺で記載されておらず、他に示されていない限り、単に本明細書に記載される構造及び手続きを概念的に記載するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】別個のリソースが割り当てられる、本発明の例示的な実施形態を示す図である。
【図2A】トラフィックチャネル及び制御チャネルに対して共通のTPCコマンドが適用される、本発明の他の例示的な実施形態を示す図である。
【図2B】トラフィックチャネル及び制御チャネルに対して別個のTPCコマンドが適用される、本発明の他の例示的な実施形態を示す図である。
【図3A】トラフィックチャネル及び制御チャネルに対して別個のTPCコマンドが適用される、本発明の他の例示的な実施形態を示す更に他の図である。
【図3B】トラフィックチャネル及び制御チャネルに対して共通のTPCコマンドが適用される、本発明の他の例示的な実施形態を示す更に他の図である。
【図4】本発明の例示的な実施形態に従った方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の記載において、限定ではなく解説を目的として、本発明の理解を促すために特定の構造、想定、技術等のような特定の詳細が記載される。しかし、当業者には、本発明及びその実施形態が、これら特定の詳細から外れる他の実施形態においても実施されうることが明らかであろう。
【0011】
本発明の様々な実施形態を、特定の例示的な想定を参照しながら本明細書に記載する。特に、本発明は、第3世代(3G)ロングタームエボリューション(LTE:long term evolution)の構想に基づく通信ネットワークに関連して、限定されない一般的な文脈において記載される。本発明は、3G LTEに限定されず、WiMAX(worldwide interoperability for microwave access)、又はHSPA(high speed packet access、高速パケットアクセス)、又は、WCDMA(wideband code division multiple access、広帯域符号分割多重アクセス)のような、他の無線システムにおいて適用可能であることに注意されたい。
【0012】
3G LTEでは、送信電力制御(TPC)コマンドは、通常、無線基地局(RBS:radio base station)から移動端末へと物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:physical downlink control channel)上を送信される。3G LTEにおける基地局は、NodeB又はeNodeBとしても公知であり、移動端末は、UE(user equipment、ユーザ機器)として公知である。3G LTEシステムはまた、端末と基地局との間に複数のチャネルが存在するシステムである。チャネルは、トラフィック(又はデータ)チャネルと制御チャネルとを含む。制御チャネルは、LTEシステムを作動させるために必要な制御及び構成情報の送信のために利用され、トラフィックチャネルは、ユーザデータのために利用される。複数チャネルのシステムにおいて、トラフィックチャネル及び制御チャネルのそれぞれは、ダウンリンクとアップリンクの双方において、動的または静的に割り当てられる物理又は論理リソースを占める。物理又は論理リソースの割り当ては、スケジューリングとしても公知である。物理リソースは、時間、周波数、又は符号リソースを含み、論理リソースは、グループID(group identity)、端末ID(terminal identity)、識別子等を含みうる。端末又はUEは例えば、(無線リソース制御(RRC:radio resource control)シグナリングのような)例えば上位レイヤのシグナリングを利用するグループに割り当てられうる。トラフィックチャネル及び制御チャネルに対してリソースを割り当てる操作は、本発明の範囲外にあることに注意されたい。
【0013】
先に言及したように、TPCコマンドは、基地局又はeNodeBから端末又はUEへとPDCCH上を送信される。TPCコマンドは、自身が適用されるチャネルの利得及び干渉の変化に追随することが意図されている。システムによっては、制御チャネル及びトラフィックチャネルは、同じ物理リソース、即ち、同じ時間及び/又は周波数リソースを占めることがある。このような場合に、これらチャネルには同じ変化が見られる。代わりに、制御チャネル及びトラフィックチャネルが異なるリソースを占める場合には、これらチャネルは、利得及び干渉の様々な変化を経験する可能性がある。このような場合に、本発明の実施形態によれば、別個のTPCコマンドが利用される。
【0014】
図1を参照すると、アップリンクチャネル100の構造、及び、基地局(NodeB又はeNodeB)から1つのUE又は幾つかのUEへとTPCコマンドを送信するために利用されるPDCCH200のフォーマットが示されている。図1に示されるように、アップリンクチャネル100は、動的又は静的に割り当てられるリソースを占め物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)としてここでは表されるアップリンクトラフィックチャネルを備える。アップリンクチャネル100はまた、動的又は静的に割り当てられるリソースを占め物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:physical uplink control channel)としてここでは表されるアップリンク制御チャネルを備える。UEのためのPUSCH及びPUCCHの(動的又は静的な)割り当ては、通信システムのeNodeB又は無線ネットワークコントローラ(RNC:radio network controller)により行なわれうる。LTEの構造において、NodeBは、RNCの機能を有しうることに注意されたい。図1では、リソース210及び220は、以下に記載するようにPDCCH上を送信されるTPCコマンドが占める可能性があるリソースを表している。
【0015】
本発明の実施形態によれば、PDCCH上で個々の端末へと送信されるアップリンク(UL:uplink)許可(grant)に含まれるTPCコマンドは、PUSCH、即ち、アップリンクトラフィックチャネルに適用され、PDCCH上で個々の端末へと送信されるダウンリンク(DL:downlink)割り当てに含まれるTPCコマンドは、PUCCH、即ち、アップリンク制御チャネルに適用される。端末又はUEには、従って、TPCコマンドを受信する手段と、受信されたTPCコマンドを適用する手段とが備えられる。PUSCHに適用されるTPCコマンドは、ここではTPC−PUSCHとして表され、PUCCHに適用されるTPCコマンドは、TPC−PUCCHとして表される。TPCコマンドは、DL割り当て及びUL許可においてPDCCHで送信され、ここでは、RNTI(radio network temporary identitier、無線ネットワーク一時識別子)により識別される。RNTIには様々なものがあり、従って、PUSCH及びPUCCHの独立した電力制御が可能となる。従って、eNodeBからのUEにより受信されるRRCメッセージにおいて、異なるリソース、即ち、異なるRNTIがPUSCH、PUCCHそれぞれのために利用される場合に、別個のTPCコマンドが、トラフィックチャネル及び制御チャネルに対して適用される。一方、eNodeBからUEへのRRCメッセージが、PUSCH及びPUCCHについて同じRNTIを示す場合には、共通のTPCコマンドが、トラフィックチャネル及び制御チャネルに対して適用される。UL許可とDL割り当てのフォーマットは異なるため、PUCCH及びPUSCHのためのTPCコマンドが異なることに注意されたい。従って、(UL許可の場合に)UEがPUSCHの電力制御のためのTPCコマンドを受信すべきTPC−PDCCHを(例えば復号により)識別するための、RRCメッセージでUEにより受信されるRNTIは、TPC−PUSCH RNTIとして表され、(DL割り当てにおいて)UEがPUCCHの電力制御のためのTPCコマンドを受信するTPC−PDCCHを(例えば復号により)識別するために利用される、RRCメッセージで受信されるRNTIは、TPC−PUCCH RNTIとして表されうる。UEは、必ずしも、受信されたTPCコマンドを適用するための単一の手段を備えないことに注意されたい。換言すれば、UEは、トラフィックチャネル及び制御チャネルに対して共通のTPCコマンドを適用するための1つの手段と、トラフィックチャネル及び制御チャネルに対して別個のTPCコマンドを提供するための1つの手段と、を備えうる。
【0016】
幾つかのUL許可が利用可能であるが、図1には1つのUL許可のみ示されていることに注意されたい。図2Aを参照すると、トラフィックチャネル及び制御チャネルのためのTPCコマンドが同じリソースを占める場合が示されている。この想定において、TPC−PUSCHのためのRNTI(即ち、TPC−PUSCH RNTI)と、TPC−PUCCHのためのRNTI(即ち、TPC−PUCCH RNTI)とは、同じものと見なされる。このことは、リソース210とリソース220の双方にR1を用いることによって、図2Aに示されている。
【0017】
本発明の他の実施形態によれば、個々の論理又は物理リソース210、220が一致しない場合、即ち、別個のRNTIが利用される場合に、PDCCH上を送信される別個のTPCコマンド(即ち、PUSCHのためのTPC−PDCCH、PUCCHのためのTPC−PDCCH)が、PUSCHと、PUCCHとに適用される。この場合の想定が図2Bにおいて示されており、リソース210と220とは異なっている。このことは、リソース210がR1により表され、リソース220がR2により表される図2Bに示される。R1とR2は互いに異なっている。
【0018】
本発明の例示的な実施形態によれば、TPCコマンドはまた、PDCCH、即ちTPC−PDCCHのフォーマットで端末グループへ送信されうる。TPC−PDCCHは、物理リソースの代わりに、論理リソースであるグループIDに対してアドレス指定されうる。例として、移動端末又はUEは、上位レイヤのシグナリングを利用するグループに割り当てられうる。RRCシグナリングは、上位レイヤのシグナリングの一例である。TPC−PDCCHのフォーマットを利用することによって、TPCコマンドを送信することが可能となり、さらに、例えば永続的なトラフィックチャネル割り当てのようなUL許可若しくはDL割り当て、又は、周期的に生じる制御チャネルには直接的に先行されず、アップリンク送信に先行することが可能となる。本例示的実施形態では、以下のステップが利用されうる。
1.RRCシグナリングの手続きにおいて、グループ識別子に端末が割り当てられ、別個の識別子(必ずしも異ならない)がPUSCH及びPUCCHのために利用される。
2.PUSCH及びPUCCHについて別個のTPCコマンドが望まれる場合には、別個のグループ識別子が、PUSCH及びPUCCHのために利用される。
3.代わりに、PUSCH及びPUCCHについて共通のTPCコマンドが望まれる場合には、同じグループ識別子が、PUSCH及びPUCCHのために利用される。
例として、別個のTPCコマンドが利用される場合に、端末又はUEは、PUSCHのためのグループID、GR1と、PUCCHのためにグループID、GR2とに割り当てられ、GRIとGR2とは異なっている。このことは、図3Aにおいて示されている。
共通のTPCコマンドが利用される場合には、端末又はUEは、PUSCH及びPUCCHのためのグループID、GR1に割り当てられうる。このことは、図3Bに示されている。
従って、本発明の上記の実施形態によれば、端末又はUEは、以前に記載したように或るRNTIにより識別されるPUCCHのためのTPC−PDCCHと、(或るRNTIにより識別されうる)PUSCHのためのTPC−PDCCHと、により別々に構成されることもある。ネットワークは、この2つの場合のための同じRNTIを構成することが可能であり、効果的により低いオーバーヘッドがもたらされることに注意されたい。本発明によれば、電力制御の目的は、トラフィックチャネルと制御チャネルについて異なっていることもある。例として、制御チャネルについては、多くの場合、一定の最小の信号対雑音比に達しておれば十分であるが、トラフィックチャネルについては、信号対雑音比が高いほど、より良好の品質、例えばより速いビットレートが実現される。従って、このような想定においては、本発明の実施形態に従って、先に記載したような別個のTPCチャネルを利用することが有益である。
【0019】
図4を参照すると、本発明の上記の例示的な実施形態に従った、UEにおける使用のための送信電力制御方法のフローチャートが示されている。図4に示すように、本発明の主要なステップは以下のとおりである。
(1)トラフィックチャネル(PUSCH)及び制御チャネル(PUCCH)にそれぞれについてTPCコマンドを受信する。コマンドは、先に記載したように、リソースによって別々に識別される。
(2)トラフィックチャネル及び制御チャネルに対して、同じリソースを占める共通のTPCコマンドを適用する。
(3)トラフィックチャネル及び制御チャネルに対して、異なるリソースを占める別個のTPCコマンドを適用する。
【0020】
本発明及びその実施形態は多くの方法で実現されうる。例えば、本発明の1つの実施形態は、通信システムのユーザ機器により実行可能な格納された命令を有するコンピュータ読取りが可能な媒体を含む。ユーザ機器により実行可能な、コンピュータ読取り可能な媒体に格納される命令は、請求項に記載される本発明の送信電力制御方法のステップを実行する。
【0021】
幾つかの好適な実施形態の観点から本発明が記載されてきたが、明細書を読み図面を検討すれば、その代替例、変形例、置換、均等物が当業者に明らかであることが意図されている。従って、以下の添付の特許請求の範囲は、本発明の範囲内に収まるこのような代替例、変形例、置換、均等物を含むものとする。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの基地局と少なくとも1つのユーザ機器とを含む通信システムのユーザ機器における使用のための送信電力制御方法であって、前記システムは、前記少なくとも1つの基地局と前記ユーザ機器との間のアップリンクトラフィックチャネル及びアップリンク制御チャネルを含む複数のチャネルをさらに備え、前記方法は、
前記アップリンクトラフィックチャネル及び前記アップリンク制御チャネルについての送信電力制御コマンドをそれぞれ識別する第1の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)及び第2のRNTIを示すメッセージを受信することと、
前記メッセージにより前記第1のRNTI及び前記第2のRNTIとして同じ値が示された場合に、前記アップリンクトラフィックチャネル及び前記アップリンク制御チャネルに対し、前記同じ値により識別されるダウンリンクチャネル上の同じリソースを用いて送信される共通の送信電力制御コマンドを適用することと、
前記メッセージにより前記第1のRNTI及び前記第2のRNTIとして異なる値が示された場合に、前記アップリンクトラフィックチャネル及び前記アップリンク制御チャネルに対し、前記異なる値によりそれぞれ識別されるダウンリンクチャネル上の異なるリソースを用いて送信される別個の送信電力制御コマンドを適用することと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記ダウンリンクチャネルは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アップリンクトラフィックチャネルは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)であり、前記アップリンク制御チャネルは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの基地局を含む通信システムのユーザ機器であって、前記システムは、前記少なくとも1つの基地局と前記ユーザ機器との間のアップリンクトラフィックチャネル及びアップリンク制御チャネルを含む複数のチャネルをさらに備え、前記ユーザ機器は、
前記アップリンクトラフィックチャネル及び前記アップリンク制御チャネルについての送信電力制御コマンドをそれぞれ識別する第1の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)及び第2のRNTIを示すメッセージを受信するための受信手段と、
前記メッセージにより前記第1のRNTI及び前記第2のRNTIとして同じ値が示された場合に、前記アップリンクトラフィックチャネル及び前記アップリンク制御チャネルに対し、前記同じ値により識別されるダウンリンクチャネル上の同じリソースを用いて送信される共通の送信電力制御コマンドを適用するための手段と、
前記メッセージにより前記第1のRNTI及び前記第2のRNTIとして異なる値が示された場合に、前記アップリンクトラフィックチャネル及び前記アップリンク制御チャネルに対し、前記異なる値によりそれぞれ識別されるダウンリンクチャネル上の異なるリソースを用いて送信される別個の送信電力制御コマンドを適用するための手段と、
を含むことを特徴とする、ユーザ機器。
【請求項5】
前記ダウンリンクチャネルは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)である、請求項4に記載のユーザ装置。
【請求項6】
前記アップリンクトラフィックチャネルは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)であり、前記アップリンク制御チャネルは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)である、請求項5に記載のユーザ装置。
【請求項7】
少なくとも1つのユーザ機器を含む通信システムの基地局における使用のための送信電力制御方法であって、前記システムは、前記基地局とユーザ機器との間のアップリンクトラフィックチャネル及びアップリンク制御チャネルを含む複数のチャネルをさらに備え、前記方法は、
前記アップリンクトラフィックチャネルについての送信電力制御コマンドを識別する第1の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)及び前記アップリンク制御チャネルについての送信電力制御コマンドを識別する第2のRNTIを示すメッセージを、前記ユーザ機器へ送信することと、
前記アップリンクトラフィックチャネル及び前記アップリンク制御チャネルについて共通の送信電力制御コマンドが使用される場合に、前記メッセージにより前記第1のRNTI及び前記第2のRNTIとして同じ値を示し、当該同じ値により識別されるダウンリンクチャネル上の同じリソースを用いて前記共通の送信電力制御コマンドを前記アップリンクトラフィックチャネル及び前記アップリンク制御チャネルのために送信することと、
前記アップリンクトラフィックチャネル及び前記アップリンク制御チャネルについて別個の送信電力制御コマンドが使用される場合に、前記メッセージにより前記第1のRNTI及び前記第2のRNTIとして異なる値を示し、当該異なる値によりそれぞれ識別されるダウンリンクチャネル上の異なるリソースを用いて前記別個の送信電力制御コマンドを前記アップリンクトラフィックチャネル及び前記アップリンク制御チャネルのために送信することと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記ダウンリンクチャネルは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アップリンクトラフィックチャネルは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)であり、前記アップリンク制御チャネルは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのユーザ機器を含む通信システムの基地局であって、前記システムは、前記基地局とユーザ機器との間のアップリンクトラフィックチャネル及びアップリンク制御チャネルを含む複数のチャネルをさらに備え、前記基地局は、
前記アップリンクトラフィックチャネルについての送信電力制御コマンドを識別する第1の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)及び前記アップリンク制御チャネルについての送信電力制御コマンドを識別する第2のRNTIを示すメッセージを、前記ユーザ機器へ送信し、
前記アップリンクトラフィックチャネル及び前記アップリンク制御チャネルについて共通の送信電力制御コマンドが使用される場合に、前記メッセージにより前記第1のRNTI及び前記第2のRNTIとして同じ値を示し、当該同じ値により識別されるダウンリンクチャネル上の同じリソースを用いて前記共通の送信電力制御コマンドを前記アップリンクトラフィックチャネル及び前記アップリンク制御チャネルのために送信し、
前記アップリンクトラフィックチャネル及び前記アップリンク制御チャネルについて別個の送信電力制御コマンドが使用される場合に、前記メッセージにより前記第1のRNTI及び前記第2のRNTIとして異なる値を示し、当該異なる値によりそれぞれ識別されるダウンリンクチャネル上の異なるリソースを用いて前記別個の送信電力制御コマンドを前記アップリンクトラフィックチャネル及び前記アップリンク制御チャネルのために送信する、
ように構成されることを特徴とする、基地局。



【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−147476(P2012−147476A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−74151(P2012−74151)
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【分割の表示】特願2010−528837(P2010−528837)の分割
【原出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】