説明

共重合体、および当該共重合体を用いた太陽電池用封止材

【課題】太陽電池の封止材用途に適した特性を持つ共重合体、および当該共重合体を用いた太陽電池用封止材を提供する。
【解決手段】エチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体は、共重合体に含まれるエチレンに由来する構造単位の量と、酢酸ビニルに由来する構造単位の量と、メチルメタクリレートに由来する構造単位の量との総和を100質量%として、(a1)酢酸ビニルに由来する構造単位の量が10質量%以上で20質量%以下の範囲内で、(a2)メチルメタクリレートに由来する構造単位の量が10質量%以上で20質量%以下の範囲内で、かつ、(a3)酢酸ビニルに由来する構造単位の量とメチルメタクリレートに由来する構造単位の量との総和が20質量%以上で35質量%以下の範囲内である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共重合体、および当該共重合体を用いた太陽電池用の封止材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽電池では、光電変換を行う半導体の機能低下を防止するため、当該半導体が保護基板上に封止されている。太陽電池用の封止材として、様々なものが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、主成分がエチレン−酢酸ビニル共重合体である太陽電池封止材が記載されている。
【0004】
特許文献2には、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位の含有量が15〜32重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の架橋性組成物からなる太陽電池素子を固定する接着シートが記載されている。
【0005】
特許文献3には、光線透過率が50%以上、屈折率が1.8以下の基材フィルムの少なくとも一面に、エチレン、酢酸ビニル並びにアクリレート系および/又はメタクリレート系モノマーの共重合体を主成分とする熱および/又は光硬化性接着剤層を設けた電子デバイス用封止フィルムが記載されている。特許文献3の実施例には、特に、酢酸ビニルに由来する構造単位の含有量が8%でグリシジルメタクリレートに由来する構造単位の含有量が3%のエチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体を主成分とする接着剤層を設けたフィルム、および酢酸ビニル含有量が5%でグリシジルメタクリレート含有量が12%のエチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体を主成分とする接着剤層を設けたフィルムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】日本国公開特許公報:特開2000−183385(公開日2000年6月30日)
【特許文献2】日本国公開特許公報:特開平6−299125(公開日1994年10月25日)
【特許文献3】日本国公開特許公報:特開平11−21526(公開日1999年1月26日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、太陽電池用の封止材には、例えば、耐熱安定性に優れ、透明性が高く、体積固有抵抗が大きく、かつ熱収縮し難い等の特性を兼ね備えることが求められる。
【0008】
しかし、上記特許文献1〜3に記載の封止材等については、耐熱安定性、透明性、体積固有抵抗、および熱収縮性の改善が求められていた。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、太陽電池の封止材に用いた場合、耐熱安定性に優れ、透明性が高く、体積固有抵抗が大きく、かつ熱収縮し難い特性を有する封止材を提供できる共重合体、および当該共重合体を用いた太陽電池用封止材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討をおこなった。その結果、本発明の要件を充足するエチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体を用いれば、耐熱安定性に優れ、透明性が高く、体積固有抵抗が大きく、かつ熱収縮し難い特性を有する太陽電池の封止材が得られることを見出し、本願発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、上記課題を解決するために、本発明に係るエチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体は、下記(a1)、(a2)および(a3)の全てを充足している。
【0012】
共重合体に含まれるエチレンに由来する構造単位の量と、酢酸ビニルに由来する構造単位の量と、メチルメタクリレートに由来する構造単位の量との総和を100質量%とするときに
(a1):酢酸ビニルに由来する構造単位の量が10質量%以上で20質量%以下の範囲内
(a2):メチルメタクリレートに由来する構造単位の量が10質量%以上で20質量%以下の範囲内
(a3):酢酸ビニルに由来する構造単位の量とメチルメタクリレートに由来する構造単位の量との総和が20質量%以上で35質量%以下の範囲内。
【0013】
本発明に係る共重合体は、上記構成において、下記の全てを充足することが好ましい。
上記(a1)において、酢酸ビニルに由来する構造単位の量が13質量%以上で16質量%以下の範囲内
上記(a2)において、メチルメタクリレートに由来する構造単位の量が13質量%以上で16質量%以下の範囲内
上記(a3)において、酢酸ビニルに由来する構造単位の量とメチルメタクリレートに由来する構造単位の量との上記総和が25質量%以上で32質量%以下の範囲内。
【0014】
本発明に係る共重合体は、上記何れかの構成において、共重合体の質量を100質量%としたときのゲル分率が70質量%以上であることが好ましい。
【0015】
本発明はまた、上記何れかの共重合体を含む太陽電池用封止材を提供する。当該太陽電池封止材の形状はシートであることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の共重合体を太陽電池用封止材に用いれば、耐熱安定性に優れ、透明性が高く、体積固有抵抗が大きく、かつ熱収縮し難い特性を有する太陽電池の封止材を得ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【0018】
〔共重合体〕
(基本構成)
本発明に係るエチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体(以下、単に共重合体と称する場合もある)は、エチレンに由来する構造単位と、酢酸ビニルに由来する構造単位と、メチルメタクリレートに由来する構造単位を有する三元共重合体である。
【0019】
本発明に係る上記共重合体は、当該共重合体に含まれるエチレンに由来する構造単位の量と、酢酸ビニルに由来する構造単位の量と、メチルメタクリレートに由来する構造単位の量の総和を100質量%とするときに、次の(a1)、(a2)および(a3)の条件を同時に充足している。
【0020】
(a1) 酢酸ビニルに由来する構造単位の量が10質量%以上で20質量%以下の範囲内であり、
(a2) メチルメタクリレートに由来する構造単位の量が10質量%以上で20質量%以下の範囲内であり、
(a3) 酢酸ビニルに由来する構造単位の量とメチルメタクリレートに由来する構造単位の量の総和が20〜35質量%である。
【0021】
(上記条件(a1)〜(a3)について)
上記(a1)に示す通り、本発明に係る共重合体に含まれる、酢酸ビニルに由来する構造単位の量は10質量%以上で20質量%以下の範囲内であればよいが、好ましくは12質量%以上で18質量%以下の範囲内であり、さらに好ましくは13質量%以上で16質量%以下の範囲内である。なお、酢酸ビニルに由来する構造単位の量は、JIS K7192に従い測定される。
【0022】
上記(a2)に示す通り、本発明に係る共重合体に含まれる、メチルメタクリレートに由来する構造単位の量は10質量%以上で20質量%以下の範囲内であればよいが、好ましくは12質量%以上で18質量%以下の範囲内であり、さらに好ましくは13質量%以上で16質量%以下の範囲内である。メチルメタクリレートに由来する構造単位の量を上記範囲内とすることで、酢酸ビニルを用いる利点(例えば重合体の易加工性)を享受しつつ、その不所望な性質(さび発生の原因等)の顕在化を効果的に抑制可能となる。また、メチルメタクリレートは、重合体の構成単位となるときに酢酸ビニルに匹敵する優れた透明性をその重合体に与えるので、共重合体に含まれるメチルメタクリレートに由来する構造単位の量が増加しても共重合体の透明性に実質的な負の影響を与えない。
【0023】
なお、メチルメタクリレートに由来する構造単位の量は、共重合体をオルトジクロロベンゼン中に溶解して溶液を得、核磁気共鳴装置を用いてその溶液の13C NMRを測定し、178ppm付近に見られる、メチルメタクリレートのカルボニル炭素由来のピーク面積の5倍の値をオルトジクロロベンゼン以外のピーク面積の総和で割ることによって、メチルメタクリレート単位のモル含有分率を算出した後、質量含有分率を算出する方法で求められる。
【0024】
上記(a3)に示す通り、本発明に係る共重合体に含まれる、酢酸ビニルに由来する構造単位の量とメチルメタクリレートに由来する構造単位の量との総和は20質量%以上で35質量%以下の範囲内であればよいが、好ましくは23質量%以上で33質量%以下の範囲内であり、さらに好ましくは25質量%以上で32質量%以下の範囲内である。当該総和が20質量%以上であるため、得られる共重合体は、太陽電池用の封止材として好適な透明性および柔軟性を有する。当該総和が35質量%以下であるため、共重合体をシート形状等に加工する場合の加工性に優れる。
【0025】
本発明に係る共重合体の透明性は、例えばその光線透過率で評価することができる。本発明に係る共重合体は、その光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、91%以上であることがさらに好ましい。なお、光線透過率は、共重合体を厚さ約500μmのシートに成形して当該シートの厚み方向の光線透過スペクトルを、分光光度計を用いて測定し、波長範囲400nm〜1200nmの光線透過率を測定し、その平均値を算出する方法で求められる。
【0026】
(共重合体のメルトフローレート)
本発明に係る共重合体のメルトフローレート(MFR)は、加工性を高める観点から、好ましくは4g/10分以上で50g/10分以下の範囲内である。MFRの上限は、より好ましくは40g/10分である。MFRの下限は、より好ましくは5g/10分である。なお、メルトフローレートは、JIS K7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法によって測定される。
【0027】
(共重合体の分子量分布)
本発明に係る共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、加工性を高める観点から、2以上で8以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2.5以上で4以下の範囲内である。なお、Mwは、上記共重合体の重量平均分子量を指し、Mnは、上記共重合体の数平均分子量を指す。
なお、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法によって測定される。Mw/Mnは、MwをMnで除した値である。また、GPC法での測定条件としては、例えば、次の条件 (1)装置:Waters製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折計
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
をあげることができる。
【0028】
(共重合体の融点)
本発明に係る共重合体と後述する架橋剤とを含む組成物から太陽電池封止材用シートを成形する場合、該組成物を成形するときに架橋剤が分解し、架橋反応が進行すると、押出シート成形ができなくなることがある。架橋剤の分解が進みにくい温度で押出シート成形が可能であるという観点から、本発明に係る共重合体の融点は、上限は90℃であることが好ましく、80℃であることがより好ましく、70℃であることがさらに好ましい。また、当該融点の下限は、50℃であることが好ましく、60℃であることがより好ましい。なお、融点は、示差走査熱量計にて測定される共重合体の融解曲線の融解ピークのうち、ピーク高さが最も大きい融解ピークの頂点の温度である。融解曲線の測定条件としては、例えば、次の条件をあげることができる。約10mgの試料をアルミニウムパンに封入し、試料を封入したアルミニウムパンを、示差走査熱量計を用いて、(1)150℃で5分間保持し、(2)5℃/分で150℃から20℃まで降温し、(3)20℃で2分間保持し、(4)5℃/分で20℃から150℃まで昇温して、(4)での融解曲線を測定する。(4)での融解曲線から、25℃から融解終了温度(融解曲線が高温側のベースラインに戻る温度)までの間に観察される融解ピークのうち、ピーク高さが最も大きい融解ピークの頂点の温度を算出する方法で求められる。
【0029】
(共重合体の熱収縮率)
本発明に係る共重合体は、例えば該共重合体同士の架橋反応を行う際の熱収縮をより確実に抑制する観点では、JISK7133に規定された方法に従い、温度80℃の条件で測定した熱収縮率が、−25%以上であることが好ましく、−20%以上であることがより好ましい。なお、熱収縮率は、共重合体をシートに成形して、当該シートをニッカリコを振った紙の上に載せ、温度80℃の条件で30分間シートを加熱した後、室温で冷却し、JISK7133に規定された方法に従い、測定される。
【0030】
熱収縮率ΔL(%)は、試験前の試験片の標線間距離をL(mm)、加熱後の試験片の標線間距離をL(mm)とする時に、以下の式で表される。負の値の熱収縮率は、シートが収縮したことを表す。熱収縮率が0%に近いほど、シートの熱収縮が小さく好ましい。熱収縮率ΔL(%)=100×(L−L)/L
【0031】
(共重合体の体積固有抵抗)
本発明に係る共重合体の体積固有抵抗は、より優れた絶縁性を確保する観点では、1.0×1014Ω・m以上であることが好ましく、1.0×1015Ω・m以上であることがより好ましい。なお、体積固有抵抗は、共重合体を厚さ約500μmのシートにプレス成形して当該シートに500Vの電圧を印加し、デジタル絶縁計(東亜ディーケーケー株式会社製)にて1分後の抵抗値を測定し、その値をもとに算出する方法で求められる。
【0032】
(共重合体の製法)
本発明に係る共重合体の製法は、例えば、モノマー成分としてのエチレンと酢酸ビニルとメチルメタクリレートとを、ラジカル重合開始剤を用いて、ラジカル重合反応させることによって製造することができる。
【0033】
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシ 2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシピパレート、t-ブチルパーオキシネオデカノエートなどの過酸化物が挙げられる。これらラジカル重合開始剤は一種類のみ用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
【0034】
上記ラジカル重合反応を行う重合槽(重合反応器)としては、例えは、ベッセル型反応器又はチューブラー型反応器が用いられる。
【0035】
上記ラジカル重合反応を行う反応温度は、例えば、150℃以上で300℃以下の範囲内が挙げられ、ラジカル重合反応を行う反応圧力は、例えば、100MPa以上で300MPa以下の範囲内が挙げられる。
【0036】
(添加剤)
本発明に係る上記共重合体は、必要に応じて、シランカップリング剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤等の添加剤が添加されたものであってもよい。これらの添加剤は、例えば、上記重合反応によって共重合体を製造した後に、当該重合体に添加すればよい。
【0037】
上記シランカップリング剤は、必要に応じて共重合体に添加される。これによって、例えば、上記共重合体からなる封止材の、太陽電池モデュールを構成する受光面保護材、下部保護材および太陽電池素子に対する接着力がより向上する。シランカップリング剤としては、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0038】
上記シランカップリング剤の配合量は、例えば、本発明に係る共重合体100質量部に対して5質量部以下であり、好ましくは0.8質量部以下である。また、より安定した接着力と、高い体積固有抵抗とをもたらすことができるという観点では、本発明に係る共重合体100質量部に対するシランカップリング剤の添加割合を0.01質量部以上で0.6質量部以下の範囲内とすることがより好ましい。
【0039】
また、本発明に係る共重合体は、太陽電池用封止材が高温でも変形しにくいという耐熱安定性をより向上させる等の観点から、共重合体内および共重合体間で架橋構造を有することが好ましい。架橋剤として、例えば有機過酸化物を当該共重合体に予め加え、これを熱分解し、ラジカルを発生させることで、本発明に係る共重合体に架橋構造を持たせることができる。架橋の程度を表す指標としては、ゲル分率が用いられる。ゲル分率としては、共重合体の質量を100質量%としたときに、70質量%以上であることが好ましく、74質量%以上であることがより好ましい。ゲル分率が高いほど、耐熱安定性が高いといえる。なお、ゲル分率は、厚さが約500μmの架橋された共重合体からなるシート約1gを100メッシュ金網で作成したカゴへ入れ、当該カゴを100mlのキシレン溶媒に浸漬し、キシレン溶媒を還流しながら8時間加熱した後、キシレン溶媒を乾燥し、カゴに残った未溶融分の質量分率として求められる。
【0040】
上記有機過酸化物としては、本発明に係る共重合体の融点を超える温度でラジカルを発生するものであればいずれも使用可能である。本発明に係る共重合体と架橋剤とを含む組成物を押出シート成形するときには有機過酸化物の分解が進行しにくく、後述の太陽電池モデュールの組み立て時の加熱によって有機過酸化物が分解し、本発明に係る共重合体同士の架橋が行われるためには、1時間半減期温度が100℃以上、135℃以下である有機過酸化物が好ましい。また、共重合体への配合時における安定性という観点では、10時間半減期温度が70℃以上である有機過酸化物が好ましく、例えばt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンズエート、ベンゾイルパーオキサイド等を用いることができる。これらの有機過酸化物の配合量は、例えば、本発明に係る共重合体100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましい。
【0041】
また、太陽電池用封止材が架橋剤を含有する場合、太陽電池モデュールの組み立て時に分解せずに残存した架橋剤が、太陽電池モデュールの使用時に徐々に分解して封止材の変色などの劣化を引き起こす場合がある。このような残存した架橋剤による封止材の劣化を防ぐために、本発明に係る共重合体に配合する架橋剤の配合量は少ない方が好ましい。架橋剤の配合量が少なくても、本発明に係る共重合体に高いゲル分率の架橋構造を持たせることができるという観点から、当該共重合体に、上記架橋剤とともに下記架橋助剤を添加することが好ましい。架橋助剤としては、例えば、単官能性架橋助剤、2官能性架橋助剤、3官能性架橋助剤、6官能性架橋助剤等を挙げることができる。単官能性架橋助剤としては、アクリレート、メタクリレート等を挙げることができる。2官能性架橋助剤としては、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド等を挙げることができる。3官能性架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等を挙げることができる。6官能性架橋助剤としては、例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることができる。これらの架橋助剤は、例えば、本発明に係る共重合体100質量部に対して10質量部以下の割合で用いられる。
【0042】
また、本発明に係る共重合体は、紫外線耐性をさらに向上させるため、必要に応じて紫外線吸収剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、およびヒンダードアミン系の紫外線吸収剤が挙げられる。上記ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等が挙げられる。上記ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。上記ヒンダードアミン系の紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサルシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート等が挙げられる。
【0043】
また、本発明に係る共重合体は、酸化に対する安定性をさらに向上させるため、必要に応じて酸化防止剤を含んでいてもよい。酸化防止剤としては、例えば、アミン系、フェノール系、ビスフェニル系、およびヒンダードアミン系の酸化防止剤が挙げられ、より具体的には例えば、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ビス(2,2,6.6−テトラメチル−4−ピペラジル)セバケート等が挙げられる。
【0044】
(成形)
本発明に係る共重合体は、例えば、シートに加工されて、太陽電池封止材用シートとして使用される。例えば、T−ダイ押出機、カレンダー成形機などのシート成形が可能な成形機を用いて共重合体から太陽電池封止材用シートを成形できる。
【0045】
シート成形のより具体的な一例では、上記共重合体に、有機過酸化物(架橋剤)および必要に応じて添加される耐光安定剤等の添加剤を予めドライブレンドした組成物を押出機のホッパーから供給し、有機過酸化物が実質的に分解しない成形温度で組成物をシート状に押出成形する。
押出成形の際、エンボス模様入り引取ロールを通して成形すれば、任意のエンボス模様の太陽電池封止材用シートが得られる。エンボスシートは、ブロッキング防止および太陽電池のモデュール化過程での脱気に対して有効であるので好ましい。
【0046】
太陽電池封止材用シートの厚みは、例えば、約0.1mm以上で1mm程度以下である。
【0047】
(太陽電池モデュールの組み立て)
太陽電池モデュールにおける受光面保護材としては、ガラス、プラスチックス等の透光性部材から適宜選択することができる。下部保護材としては、プラスチックス、セラミック、ステンレス、アルミニウムなど種々の保護材から適宜選択することができる。
【0048】
太陽電池モデュールの組み立ての一例では、まず、平板状の太陽電池素子(太陽電池用シリコン基板等)の両面を上記の太陽電池封止材用シート2枚以上で挟み込む。次いで、その一方の太陽電池封止材用シートに受光面保護材を、他方の太陽電池封止材用シートに下部保護材を接触させて形成した積層体を、真空ラミネーターに投入する。真空ラミネーター内部を真空状態にした後、太陽電池封止材用シートが溶融する温度に真空ラミネーター内部を加熱する。太陽電池封止材用シートをある程度溶融させた後、加熱状態のまま真空状態を解除し、真空ラミネーター内部を加圧する。真空状態および加圧状態における上記加熱によって、一枚の太陽電池封止材用シートに含まれる本発明に係る共重合体同士が架橋し、また、太陽電池素子を挟み込む異なる2枚以上の太陽電池封止材用シートに含まれる共重合体同士が架橋する。また、上記加熱によって、太陽電池封止材用シートに含まれるシランカップリング剤と、上記受光面保護材、上記下部保護材、および上記太陽電池素子とが反応し、太陽電池封止材用シートと上記受光面保護材または上記下部保護材、および太陽電池封止材用シートと上記太陽電池素子が接着される。
【0049】
太陽電池モデュールの組み立ての他の例では、まず、上記の太陽電池封止材用シートを中間層として、受光面保護材と下部保護材とで当該太陽電池封止材用シートを挟み込む。ここで、上記受光面保護材と太陽電池封止材用シートとの間、又は上記下部保護材と太陽電池封止材用シートとの間の一方に、平板状の太陽電池素子を挟み込む。こうして得られた積層体を真空ラミネーターに投入する。次いで、真空ラミネーター内部を真空状態にした後、太陽電池封止材用シートが溶融する温度に真空ラミネーター内部を加熱する。太陽電池封止材用シートをある程度溶融させた後、加熱状態のまま真空状態を解除し、真空ラミネーター内部を加圧する。真空状態および加圧状態における上記加熱によって、太陽電池封止材用シートに含まれる本発明に係る共重合体同士が架橋する。また、上記加熱によって、太陽電池封止材用シートに含まれるシランカップリング剤と、上記受光面保護材、上記下部保護材、および上記太陽電池素子とが反応し、太陽電池封止剤用シートと、上記受光面保護材、上記下部保護材、および上記太陽電池素子が接着される。
【0050】
なお、上記何れの組み立ての例においても、太陽電池封止材用シートと、上記受光面保護材または上記下部保護材との接着性の向上のため、上記太陽電池封止材用シートの接着表面、受光面保護材の接着表面、および上記下部保護材の接着表面の少なくとも一つに対し、シランカップリング剤等を用いたプライマー処理が施されていることが好ましい。
【0051】
なお、上記太陽電池素子としては、結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等が挙げられる。
【0052】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0053】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0054】
(物性の測定および評価方法)
実施例および比較例に示す物性は、次の方法によって測定した。
【0055】
(1) メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法によって測定した。
【0056】
(2) 共重合体に含まれる酢酸ビニルに由来する構造単位の量
実施例1および比較例1に用いた共重合体中の酢酸ビニルに由来する構造単位の量は、JIS K7192に従い測定した。
【0057】
(3) エチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体(実施例の重合体)中のメチルメタクリレートに由来する構造単位の量
上記共重合体をオルトジクロロベンゼン中に溶解して溶液を得、核磁気共鳴装置(Bruker社製の600MHz核磁気共鳴装置AVANCE600)を用いて該溶液の13C NMRを測定した。そして、178ppm付近に見られる、メチルメタクリレートのカルボニル炭素由来のピーク面積の5倍の値をオルトジクロロベンゼン以外のピーク面積の総和で割ることによって、メチルメタクリレートに由来する構造単位のモル含有分率を算出した後、質量含有分率を算出した。
【0058】
(4) エチレン−メチルメタクリレート共重合体(比較例の重合体)中のメチルメタクリレートに由来する構造単位の量
0.3mm厚のプレスシートを作成し、測定した赤外線吸収スペクトルの1700cm-1前後に現れるカルボニル基(C=O)の特性吸収の吸光度を、プレスシートの厚みで補正して、検量線法によってメチルメタクリレートに由来する構造単位の量を求めた。
【0059】
(5) エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体(比較例の重合体)中の酢酸ビニルおよびグリシジルメタクリレートに由来する構造単位の量
0.3mm厚のプレスシートを作成し、酢酸ビニルについては、測定した赤外線吸収スペクトルの620cm−1前後に現れるアセテートのメチル基の特性吸収の吸光度を、グリシジルメタクリレートについては900cm−1前後に現れるグリシジル基の特性吸収の吸光度を、それぞれプレスシートの厚みで補正して、検量線法によって酢酸ビニルに由来する構造単位の量およびグリシジルメタクリレートに由来する構造単位の量を求めた。
【0060】
(6) 融点
実施例および比較例の共重合体を、150℃の熱プレス機を用いて10MPaの圧力で5分間プレスした後、30℃の冷却プレス機で5分間冷却して、厚さ約100μmのシートに成形した。次いで、該シートから約10mgの試料を切り出し、アルミニウムパンに封入した。次に、試料を封入したアルミニウムパンを、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製の示差走査型熱量計DSC−7型)にて、(1)150℃で5分間保持し、(2)5℃/分で150℃から20℃まで降温し、(3)20℃で2分間保持し、(4)5℃/分で20℃から150℃まで昇温して、(4)での融解曲線を測定した。得られた融解曲線から、25℃から融解終了温度(融解曲線が高温側のベースラインに戻る温度)までの間に観察されるピークのうち、ピーク高さが最も大きい融解ピークの頂点の温度を求め、これを融点とした。
【0061】
(7) 光線透過率
実施例および比較例の共重合体を、150℃の熱プレス機を用いて10MPaの圧力で5分間プレスした後、30℃の冷却プレス機で5分間冷却して、厚さ約500μmのシートに成形した。該シートの厚み方向の光線透過スペクトルを分光光度計(株式会社島津製作所製 UV−3150)を用いて測定した。波長範囲400nm〜1200nmの光線透過率の平均値を算出した。
【0062】
(8) 体積固有抵抗
共重合体を、150℃の熱プレス機を用いて10MPaの圧力で5分間プレスした後、30℃の冷却プレス機で5分間冷却して、厚さ約500μmのシートを得た。該シートを平板試料用大径電極(東亜ディーケーケー株式会社製 SME−8310)に設置して、500Vの電圧を印加し、デジタル絶縁計(東亜ディーケーケー株式会社製 DSM−8103)にて1分後の抵抗値を測定し、その値をもとに体積固有抵抗値を算出した。
【0063】
(9) 熱収縮率
実施例および比較例(但し比較例3は除く)の共重合体を押出機に供給して110℃にて溶融混練した後、押出機の先端に取り付けられたTダイ(450mm幅)から押し出した。ついで、押し出し物を、20℃のゴムロールと20℃の第一金属エンボスロールとの間で圧着し、引き続き、当該第一金属エンボスロールと30℃の第二金属ロールとで圧着し、冷却固化することで、厚み0.6mm、幅360mmのシートを得た。得られたシートの熱収縮率は、JISK7133に規定された方法に従い、ニッカリコを振った紙の上にシート(12cm(MD)×12cm(TD))を載せ、温度70℃および80℃の条件で30分間シートを加熱した後、室温で冷却し、加熱前後のシートのMD方向(シート成形時のシート流れ方向)の長さを測定し、算出した。
【0064】
(10) ゲル分率
実施例および比較例の共重合体100質量部に対して、1質量部のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(パーブチル E、日本油脂株式会社製、1時間半減期温度 121℃:架橋剤としての有機過酸化物)、および0.5質量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(A−174、MOMENTIVE PERFORMANCE MATERIALS製:シランカップリング剤)を含浸させ、80℃において、ラボプラストミルを用いて5分間含浸物を混練し、混練物を得た。次に、架橋反応およびシート成形を行うため、混練物を90℃の熱プレス機を用いて10MPaの圧力で5分間プレスした後、150℃の熱プレス機を用いて10MPaの圧力で20分プレスし、30℃の冷却プレス機で5分間冷却して、厚さ約500μmの架橋された共重合体からなるシートを作成した。架橋された共重合体からなるシート約1gを該シートが漏れ出ないようにするために100メッシュ金網で作成したカゴへ入れ、当該カゴを100mlのキシレン溶媒に浸漬し、キシレン溶媒を還流しながら8時間加熱した後、キシレン溶媒を乾燥し、カゴに残った未溶融分の質量分率を測定した。
【0065】
(11) 分子量分布(Mw/Mn)
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により、共重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とを測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(1)装置:Water製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)試料濃度:5mg/5ml オルトジクロロベンゼン
(8)検出器:示差屈折
【0066】
(12) シート熱変形率
実施例および比較例の共重合体100質量部に対して、0.4質量部のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(パーブチル E、日本油脂株式会社製、1時間半減期温度 121℃:架橋剤としての有機過酸化物)、0.12質量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(A−174、MOMENTIVE PERFORMANCE MATERIALS製:シランカップリング剤)、および0.9質量部のトリアリルイソシアヌレート(東京化成工業株式会社製:架橋助剤)を含浸させ、80℃において、ラボプラストミルを用いて5分間含浸物を混練し、混練物を得た。次に、架橋反応およびシート成形を行うため、混練物を90℃の熱プレス機を用いて10MPaの圧力で5分間プレスした後、150℃の熱プレス機を用いて10MPaの圧力で20分プレスし、30℃の冷却プレス機で5分間冷却して、厚さ約500μmの架橋されたシートを作成した。架橋されたシートから縦2.5cm横10cmの試料を切り出し、その中央に4cmの標線を記入した。95℃において、試料の縦方向に自重の3倍の荷重をかけ、4時間後の標線間を測定し、標線間距離の増分を加熱前の標線間距離で除すことで熱変形率を求めた。
【0067】
〔実施例1:エチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体の製造〕
オートクレーブ式反応器にて、反応温度192℃、反応圧力192MPa、フィードガス組成(エチレン:82.3質量%、酢酸ビニル15.5質量%、メチルメタクリレート2.2質量%)の条件で、ラジカル重合開始剤としてt-ブチルパーオキシピパレートを用いて、エチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体を合成した。
【0068】
上記得られた共重合体に対して、各物性の測定および評価を行った。評価結果を、表1〜4に示した。なお、表1中に示す、VA量、MMA量、およびGMA量は、実施例又は比較例の共重合体を構成する各モノマー成分に由来する構造単位の量の総和を100質量%としたときの値である。
【0069】
〔比較例1:エチレン−酢酸ビニル共重合体〕
共重合体として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(KA-40、住友化学株式会社製、酢酸ビニルに由来する構造単位の量が28質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして各物性の測定および評価を行った。評価結果を、表1〜4に示した。
【0070】
〔比較例2:エチレン−メチルメタクリレート共重合体〕
エチレン−メチルメタクリレート共重合体(WK402、住友化学株式会社製、メチルメタクリレートに由来する構造単位の量が25質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして各物性の測定および評価を行った。評価結果を表1〜4に示した。
【0071】
〔比較例3:エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体〕
エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体(BF-7B、住友化学株式会社製、酢酸ビニルに由来する構造単位の量が5質量%、グリシジルメタクリレートに由来する構造単位の量が12質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして各物性の測定および評価を行った。評価結果を表1〜3に示した。なお、本比較例の共重合体は、融点が比較的高いため、110℃では溶融混練できず、Tダイを用いたシート加工が不可能であった。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
【表3】

【0075】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明によれば、太陽電池の封止材用途に適した特性を持つ共重合体、および当該共重合体を用いた太陽電池用封止材を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a1)、(a2)および(a3)の全てを充足するエチレン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体。
共重合体に含まれるエチレンに由来する構造単位の量と、酢酸ビニルに由来する構造単位の量と、メチルメタクリレートに由来する構造単位の量との総和を100質量%とするときに
(a1):酢酸ビニルに由来する構造単位の量が10質量%以上で20質量%以下の範囲内
(a2):メチルメタクリレートに由来する構造単位の量が10質量%以上で20質量%以下の範囲内
(a3):酢酸ビニルに由来する構造単位の量とメチルメタクリレートに由来する構造単位の量との総和が20質量%以上で35質量%以下の範囲内。
【請求項2】
下記の全てを充足する請求項1に記載の共重合体。
上記(a1)において、酢酸ビニルに由来する構造単位の量が13質量%以上で16質量%以下の範囲内
上記(a2)において、メチルメタクリレートに由来する構造単位の量が13質量%以上で16質量%以下の範囲内
上記(a3)において、酢酸ビニルに由来する構造単位の量とメチルメタクリレートに由来する構造単位の量との上記総和が25質量%以上で32質量%以下の範囲内。
【請求項3】
共重合体の質量を100質量%としたときにゲル分率が70質量%以上である請求項1又は2に記載の共重合体。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の共重合体を含む太陽電池用封止材。
【請求項5】
その形状がシートである請求項4に記載の太陽電池用封止材。

【公開番号】特開2013−10944(P2013−10944A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−119611(P2012−119611)
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】