説明

共重合体および毛髪用化粧料

【課題】新規な共重合体からなる毛髪つや出し用ポリマーを開発し、これを含有する毛髪用化粧料を提供。
【解決手段】特定の式(1)で表される単量体M1を5〜90モル%と、炭素環を置換基として持つアクリル系単量体M2を5〜90モル%と、アミノ基、アンモニウム塩基を置換基として持つ単量体Mを3〜80モル%含み、M+M+Mが50モル%以上である単量体組成物を重合して得られる共重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共重合体、および該共重合体を有効成分とする毛髪用化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪の健全な発育と維持を目的として使用される毛髪用化粧料に関しては、表面に形成された重合体の皮膜により毛髪表面が平滑になり、つやが付与されることが提案されている。しかし、この場合、毛髪表面での表面反射光強度が増し、それに起因するつや感が改善するのみである。このため、毛髪内部での内部反射光強度が十分ではなく、それに起因する輝きが改善されない。そのため、毛髪の表面反射、内部反射ともに改善する素材が求められている。
【0003】
グリセロール(メタ)アクリレートは細胞間脂質に由来するセラミド類似構造に起因して、皮膚バリア機能や毛髪保護効果に優れた性質を有することが知られている。そして、例えば、特許文献1には、これらの重合体を含有した化粧料を提供できることが開示されている。特許文献1には、グリセロール(メタ)アクリレート単量体と疎水性モノマーとの共重合体が記載されている。しかし、この二元系ポリマーは毛髪への吸着性が不十分であり、つや出し効果も認められていない。
【0004】
また、特許文献2には、イソボルニル(メタ)アクリレート単位またはアダマンチル(メタ)アクリレート単位を含むポリマーの毛髪への適用が提案されている。しかし、このポリマーも毛髪への吸着性が不十分で、機能を発現させるために十分な量のポリマーを毛髪表面に残存させることが困難である。
このため、毛髪への吸着性が十分であり、かつ毛髪内部での内部反射光強度を向上することのできる、新たな毛髪つや出し用ポリマーの実現が熱望されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−119374号公報
【特許文献2】特表平11−506133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、グリセロール(メタ)アクリレートに基づく、優れた被膜形成性、優れた毛髪親和性に加えて、カチオン性単量体に基づく毛髪への吸着性とイソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等の高屈折率単量体に基づく光学的特性を兼ね備えた新規な共重合体を提供することにある。
本発明の別の課題は、毛髪表面へ高効率で吸着し、皮膜を形成することで表面反射光強度を改善すると同時に、高い毛髪親和性を発揮し、毛髪内部反射光強度も改善し、自然なつや・輝きを付与する毛髪つや出し用ポリマーおよび該ポリマーを利用した毛髪用化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、グリセロール(メタ)アクリレートと、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等の高屈折率単量体、およびカチオン性単量体を重合することにより新規な共重合体が得られ、前記共重合体は毛髪に対して良好な吸着性を有し、優れた皮膜形成性と毛髪親和性により、毛髪の表面反射のみならず、内部反射も増幅させることで、毛髪のつや等の光学的特性を改善することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は次の[1]〜[4]である。
[1]、式(1)で表される単量体M1を5〜90モル%と、式(2)で表される単量体M2を5〜90モル%と、式(3)で表される単量体Mを3〜80モル%とからなり、M+M+Mが100モル%である単量体組成物を重合して得られる重量平均分子量5,000〜5,000,000である共重合体。
【0009】
【化1】

(式(1)中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキル基、R3は炭素数1〜8のアルキル基を示す。(AO)は炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、Xは0〜1000の整数である。)
【0010】
【化2】

(式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Bはイソボルニル基、ベンジル基、フェノキシエチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基が選ばれる基である。)
【0011】
【化3】

(式(3)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Lは−(CH−L、−(C=O)O−(CH−L、−(C=O)O−((CH−O)−Lまたは−CHCH(OH)CH−Lである。nは0〜24、mは2〜5の整数を示し、L1はアミノ基、アンモニウム塩基、ピリジル基またはピリジニウム塩基を示す。)
【0012】
[2]、式(1)で表される単量体M1を5〜90モル%と、式(2)で表される単量体M2を5〜90モル%と、式(3)で表される単量体Mを3〜80モル%と、単量体M1〜M以外の単量体Mを50モル%以下含んでなり、M+M+M+Mが100モル%である単量体組成物を重合して得られる重量平均分子量5,000〜5,000,000である共重合体。
【0013】
【化4】

(式(1)中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキル基、R3は炭素数1〜8のアルキル基を示す。(AO)は炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、Xは0〜1000の整数である。)
【0014】
【化5】

(式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Bはイソボルニル基、ベンジル基、フェノキシエチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基が選ばれる基である。)
【0015】
【化6】

(式(3)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Lは−(CH−L、−(C=O)O−(CH−L、−(C=O)O−((CH−O)−Lまたは−CHCH(OH)CH−Lである。nは0〜24、mは2〜5の整数を示し、L1はアミノ基、アンモニウム塩基、ピリジル基またはピリジニウム塩基を示す。)
[3]、前記[1]または[2]項に記載の共重合体からなる毛髪つや出し用ポリマー。
[4]、毛髪つや出し用ポリマーを0.001〜50質量%含有する前記[3]項に記載の毛髪用化粧料。
【発明の効果】
【0016】
本発明の共重合体は、新規の重合体であり、グリセロール(メタ)アクリレートに基づく優れた被膜形成性、毛髪親和性に加えて、カチオン性単量体に基づく毛髪への吸着性とイソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等の高屈折率単量体に基づく光学的特性を兼ね備えた素材である。このため、本発明の共重合体を毛髪用化粧料の有効成分として用いた場合、毛髪表面へ高効率で吸着し、皮膜を形成してつやを付与するとともに、グリセロール(メタ)アクリレートに基づく毛髪親和性のために毛髪内部を修復し、自然なつや・輝きを付与する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明をさらに詳細に説明する。
本発明の共重合体は、上記式(1)で示されるグリセロール(メタ)アクリレート(以下、単量体Mと略すことがある)と、上記式(2)で示されるイソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート(以下、単量体Mと略すことがある)と、上記式(3)で示されるカチオン性基含有単量体(以下、単量体Mと略すことがある)とを特定割合で重合して得られる特定の重量平均分子量を有する共重合体である。
【0018】
式(1)において、R1は水素原子またはメチル基を示し、安定性の高さの観点からはメチル基が好ましい。
R2は炭素数1〜4のアルキレン基を示す。Rは具体的に−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−のいずれかであり、毛髪への吸着の点から−CHCH−が好ましい。R3は炭素数1〜8のアルキレン基を示す。Rは具体的に−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−等が挙げられ、毛髪への吸着の点から−CH−が好ましい。(AO)はオキシアルキレン基を示し、Aは、炭素数2〜4のアルキレン基である。前記オキシアルキレン基のアルキレン基としては、毛髪への吸着の点からエチレン基が好ましい。Xは0〜1000の整数であり、毛髪への吸着の点からXは0〜500が好ましく、最も好ましくは0である。
式(1)の単量体としては、好ましくは毛髪への吸着の点グリセリル−1−メタクリロイルオキシエチルウレタンが挙げられる。
【0019】
単量体Mは、公知の方法で製造できる。例えば、特開2006−151953号公報に示されるように、式(4)で表される環状ケタールと式(5)で表されるイソシアナートとをウレタン化反応させて得られる化合物を、ウレタン化反応用触媒の存在下に水含有溶媒中で加水開環反応させる方法等により製造することができる。
【0020】
【化7】

【0021】
【化8】

式(4)、(5)中、R〜R、(AO)およびxは式(1)と同様である。RおよびRは同一であっても異なっても良く、水素原子またはメチル基またはエチル基を表す。
【0022】
上記式(2)で示される単量体Mにおいて、Rは水素原子またはメチル基を示し、Bはイソボルニル基、ベンジル基、フェノキシエチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基が選ばれる基である。
単量体Mとしては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートが挙げられる。中でも皮膜形成性の観点から、特にイソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0023】
上記式(3)で示される構成単位Mにおいて、Rは水素原子またはメチル基を示し、Lは−(CH−L、−(C=O)O−(CH−L、−(C=O)O−((CH−O)−Lまたは−CHCH(OH)CH−Lである。nは0〜24、mは2〜5の整数を示し、L1はアミノ基、アンモニウム塩基、ピリジル基またはピリジニウム塩基を示す。
ここで、L1のアンモニウム塩基としてはアンモニウムクロライド、アンモニウムブロマイド、アンモニウムアセテート、アンモニウムサルフェイトが挙げられ、ピリジル基としては2−ビリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基が挙げられ、ピリジニウム塩基としてはピリジニウムクロライド、ピリジニウムブロマイド、ピリジニウムアセテートが挙げられる。前記L1としては、毛髪への吸着性の観点からアンモニウムクロライドが最も好ましく挙げられる。
式(3)の単量体は、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0024】
上記式(3)の単量体の中でも特に、アミノエチル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、N,N,N−トリメチル−N−(2−(メタ)アクリルオキシエチル)アンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−(2−(メタ)アクリルオキシエチル)アンモニウムクロライド、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリルオキシプロピル)アンモニウムクロライドが毛髪への吸着の点から最も好ましく挙げられる。
【0025】
本発明に用いることのできる単量体M〜M以外の他の単量体である単量体Mとしては、具体的には(A)疎水性モノマー、(B)親水性モノマーが挙げられる。(A)疎水性モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ドコサニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、イソブチレン、アクリロニトリル等が挙げられ;(B)親水性モノマーとしては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリコ−2−ヒドロキシエチルモノメタクリレート、N-ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。上記のモノマーの中でもアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、その中でも被膜形成性の観点からブチル(メタ)アクリレートがもっとも好ましい。また、これらの単量体は1種でも2種以上の混合物であっても良い。
【0026】
本発明の共重合体は、上記単量体M〜Mまたは単量体M〜Mを特定割合で重合させて得られる。単量体Mの割合は5〜90モル%、単量体Mの割合は5〜90モル%、単量体Mの割合は3〜80モル%である。また、単量体Mの割合は50モル%以下であり、好ましくは0.01〜40モル%である。ここで共重合体が単量体M〜Mのみからなるとき、M+M+Mは100モル%である。また、共重合体が単量体M〜Mからなるとき、M+M+Mは50モル%より多く、Mの割合は50モル%以下であり、M+M+M+Mは100モル%である。単量体Mの割合が上記範囲未満では、毛髪への親和性が損なわれ、単量体Mの割合が上記範囲未満では、毛髪輝度改善効果が十分に発揮できず、また単量体Mの割合が上記範囲未満では、毛髪への吸着性が不十分であり、所望の効果が十分発揮できない。共重合体が単量体M〜Mからなるとき、単量体M+M+Mの含有量が50モル%より多く、M+M+M+Mが100モル%であれば本発明における毛髪のつや出し効果を発揮する上で問題ないが、好ましくは単量体M+M+Mの含有量は80モル%以上であり、本発明における毛髪のつや出し効果を最も発揮する観点からは単量体M+M+Mの含有量は100モル%が最も好ましい。
【0027】
本発明において、共重合体の重量平均分子量は、5,000〜5,000,000、好ましくは10,000〜2,000,000の範囲である。該分子量が2,000,000を超えると共重合体の粘度が極端に高くなり、ハンドリング性が悪い上に化粧料への配合が困難となる恐れがある。
【0028】
本発明の共重合体は、例えば、上記単量体M、単量体Mおよび単量体Mを含み、必要に応じて、本願の所望の効果を損なわない範囲で、単量体M、M、Mと重合可能な他の重合性単量体を含む単量体組成物を、重合開始剤の存在下、窒素、二酸化炭素、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気において、ラジカル重合する方法によって容易に得ることができる。
ラジカル重合としては、例えば、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の公知の方法が挙げられる。精製等の観点からは溶液重合が好ましい。
【0029】
本発明の共重合体のより具体的な製造方法としては、次のような方法が挙げられる。
まず、エタノール/水(=8/2、wt/wt)混合液等の単量体組成物が溶解する溶媒を使用し、それに、上記単量体組成物を通常5〜30質量%溶解させる。重合開始剤として、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を、単量体組成物100質量部に対して、通常2〜7質量部添加し、窒素等の不活性ガス雰囲気中、通常40〜100℃、好ましくは60〜80℃の温度で、3〜15時間重合させる方法が挙げられる。
【0030】
また、単量体M〜Mの割合を変更したポリマーを製造するには、上記単量体組成物における単量体M〜Mの仕込み比を変更することにより行うことができる。
分子量の調整は、例えば、重合開始剤の濃度や重合濃度を変化させる方法等により行うことができる。
【0031】
得られたポリマーの精製は、例えば、再沈殿法、透析法、限外濾過法等の一般的な精製方法により行うことができる。
【0032】
本発明の共重合体は、本発明の毛髪つや出し用ポリマーとして使用することができる。
【0033】
毛髪のつやには、毛髪の表面反射によるつやと内部反射によるつやの2つが存在する。
傷んだ毛髪は、毛髪の表面にある疎水性の層が失われ、キューティクルもリフトアップすることで毛髪表面の反射光強度が低下してしまう。
そこで、毛髪表面に優れた光学的特性をもつポリマーの膜を形成することで、毛髪表面の反射光強度を改善することができる。
【0034】
一方、毛髪の内部反射によるつやについては、毛髪の内部に入射した光が反射することで得られる。傷んだ毛髪は細胞間脂質の漏れ出しにより、毛髪内部に空洞が生じる。このため、毛髪内部に入射した光が乱反射を起こし、つやが低下する。
そこで、毛髪内部に生じた空洞を減らすことで、入射した光の乱反射が抑制され、反射光強度が向上し、毛髪の内部反射によるつやを改善することができる。
【0035】
本発明の毛髪つや出しポリマーは、毛髪表面を覆うだけでなく、毛髪内部に入り込み、毛髪内部に生じた空洞を修復することで毛髪の内部反射によるつやを改善することができる。
【0036】
毛髪のつやの測定は、ゴニオフォトメーターを用いて行うことができる。例えば、毛髪を試料台に11本平行に並べ、ゴニオフォトメーターGP−5((株)村上色彩技術研究所製)を用い、25℃、60%RHの恒温恒湿室にて毛髪のつやの測定を行うことができる。
具体的には、後述する実施例に示す式(A)および式(B)により算出することができる。
【0037】
本発明の毛髪用化粧料は、本発明の上記毛髪つや出し用ポリマーを含有する。
本発明の化粧料において、毛髪つや出し用ポリマーの濃度は、化粧料全量基準で、通常0.001〜20重量%が好ましく、0.01〜10重量%が特に好ましい。濃度が0.001質量%未満の場合、毛髪のつや出し向上が不十分になる恐れがある。一方、濃度が20質量%を超えると、化粧料の粘度が高くなり、ハンドリング性が悪くなる恐れがある。
【0038】
本発明の毛髪用化粧料に用いることのできる化粧用材料としては、公知の化粧料材料を広く用いることができるが、具体的には水、エタノール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等の水酸基含有低分子化合物;コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性ポリマー;アニオン性、カチオン性、両性イオン性等の界面活性剤;酸化亜鉛、酸化チタン等の無機粉体;セルロース粉末、シルク粉末、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末等の有機粉体;ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質、シリコーン油、油脂類、炭化水素類、高級脂肪酸エステル、アミノ酸誘導体類、フッ素系油剤類、高重合度のジメチルポリシロキサン、アルコキシ変性シリコーン、炭化水素ワックス、ラノリン誘導体等が挙げられる。
【0039】
本発明の毛髪用化粧料の種類は特に限定されず、例えばシャンプー、リンス、ヘアミスト、ヘアクリーム、ヘアフォーム、ヘアトニック等が挙げられる。
【0040】
本発明の共重合体は、上記毛髪用化粧料の他に、例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、ファンデーション等のスキンケア化粧料やメイクアップ化粧料、マッサージ化粧料、パック化粧料に用いることもできる。更に浴用剤として用いることができる他、ボディシャンプー、ハンドソープ等のボディケア化粧料にも用いることができる。
【0041】
本発明の化粧料は、化粧料の種類や化粧料材料の種類等に応じて公知の方法に準じて適宜製造することができる。
【実施例】
【0042】
次に合成例、実施例および比較例により本発明の内容を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、例中の各種分析は、以下の方法に従って実施した。
【0043】
1.ポリマーの分子量分析
[分子量測定]
共重合体の分子量は、試験溶液を、次のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)の条件により測定した。試験溶液の調製は、まず、試料重合体を0.5質量%の臭化リチウムを含むクロロホルム/メタノール(=6/4、v/v)混合溶媒に溶解させた。次いで、0.5質量%の重合体溶液を調製し、この溶液を0.45μmのメンブランフィルターで濾過することにより行った。
【0044】
[GPC分析の条件]
カラム;PLge15μmMIXED−C、2本直列(ポリマー・ラボラトリー社製)、溶出溶媒;0.5質量%の臭化リチウムを含むクロロホルム/メタノール(=6/4、v/v)混合溶媒、検出;示差屈折計、重量平均分子量(Mw)測定の際の標準物質;PMMA(ポリマー・ラボラトリー社製)、流速;1.0mL/分、試料溶液使用量;20μL、カラム温度;40℃、東ソー社製インテグレーター内蔵分子量計算プログラム(SC−8020用GPCプログラム)を用いた。
【0045】
2.IR分析
重合体の試料をメタノールに溶解させ、FT/IR−6100(日本電子データム社製)を用いて薄膜法により行った。
3.NMR分析
重合体の試料を重メタノールに溶解させ、FT NMR AL400(日本電子データム社製)を用いて行った。
4.有機元素分析
重合体の試料を、機種パーキンエルマー2400II−CHNS/iアナライザーを用いて元素分析することにより行った。
【0046】
実施例1(ポリマー1の製造)
単量体M成分として式(6)
【0047】
【化9】

の化合物(以下、GLYMOUと略称、日油株式会社製)1.1gと、単量体M成分としてイソボルニルメタアクリレート(以下、IbMAと略称、三菱レイヨン株式会社製)10.2gと、単量体M成分としてN,N,N−トリメチル−N−(2−メタアクリルオキシエチル)アンモニウムクロライド(以下、DMCと略称、三菱レイヨン株式会社製)8.6gとを、エタノール/水(=8/2、wt/wt)混合液180gに溶解し、窒素ガスにて反応容器内を十分に置換した。この溶液に、AIBN0.85gを加え、60℃の温浴中に浸漬して8時間加熱重合した。冷却後、重合液を3リットルのジチルエーテル中にかき混ぜながら滴下し、析出した沈殿を濾過し、48時間室温で真空乾燥を行って、ポリマー1を15.8g得た。得られた共重合体であるポリマー1の重量平均分子量は587,000であった。以下に、ポリマー1のIR、NMR、元素分析のデータを示す。
【0048】
<ポリマー1>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0049】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0050】
元素分析データ:実測値:C;63.87%、H;9.11%、N;3.10%(理論値:C;63.95%、H;9.21%、N;3.23%)
ケルダール窒素含量3.17%(理論値3.23%)
【0051】
実施例2〜17(ポリマー2〜17の製造)
単量体M成分、単量体M成分、単量体M成分を表1−1および表1−2のポリマー2〜17欄に示す組成に変えた以外は、実施例1と同様に行った。それぞれ表1−1および表1−2のポリマー2〜17欄に示す収量の共重合体を得た。得られた共重合体である重量平均分子量は表1−1および表1−2のポリマー2〜17欄に示した。
【0052】
【表1】

(表1−1中、略号の説明)
BzMA:ベンジルメタアクリレート (三菱レイヨン株式会社製)
【0053】
【表2】

(表1−2中、略号の説明)
PhEA:フェノキシエチルアクリレート (大阪有機化学工業株式会社製)
MADMA:2−メチル−2−アダマンチルメタアクリレート (出光興産株式会社製)
AEMA:アミノエチルメタアクリレート (アルドリッチ社製)
DMAEMA:2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタアクリレート (三菱レイヨン株式会社製)
DML:N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−(2−メタアクリルオキシエチル)アンモニウムクロライド (三菱レイヨン株式会社製)
BMA:ブチルメタアクリレート (日油株式会社製)
GLYMOU(5EO):式(7)の化合物(日油株式会社製)
【0054】
【化10】

【0055】
GLYMOU(100EO):式(8)の化合物(日油株式会社製)
【0056】
【化11】

【0057】
以下に、ポリマー2〜17のIR、NMR、元素分析のデータを、<ポリマー2>〜<ポリマー17>に示す。
【0058】
<ポリマー2>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0059】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0060】
元素分析データ:実測値:C;50.32%、H;7.23%、N;5.47%(理論値:C;49.96%、H;7.10%、N;5.46%)
ケルダール窒素含量5.47%(理論値5.46%)
【0061】
<ポリマー3>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0062】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0063】
元素分析データ:実測値:C;50.86%、H;7.66%、N;5.87%(理論値:C;51.32%、H;7.76%、N;5.83%)
ケルダール窒素含量5.84%(理論値5.83%)
【0064】
<ポリマー4>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0065】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0066】
元素分析データ:実測値:C;72.89%、H;9.72%、N;0.79%(理論値:C;73.07%、H;9.68%、N;0.63%)
ケルダール窒素含量0.76%(理論値0.63%)
【0067】
<ポリマー5>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0068】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0069】
元素分析データ:実測値:C;61.31%、H;8.42%、N;3.13%(理論値:C;61.56%、H;8.37%、N;3.00%)
ケルダール窒素含量3.12%(理論値3.00%)
【0070】
<ポリマー6>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0071】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0072】
元素分析データ:実測値:C;53.89%、H;8.75%、N;6.12%(理論値:C;54.11%、H;8.60%、N;5.92%)
ケルダール窒素含量6.06%(理論値5.92%)
【0073】
<ポリマー7>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0074】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0075】
元素分析データ:実測値:C;59.46%、H;8.45%、N;3.92%(理論値:C;58.83%、H;8.41%、N;4.02%)
ケルダール窒素含量3.99%(理論値4.02%)
【0076】
<ポリマー8>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0077】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0078】
元素分析データ:実測値:C;60.82%、H;8.92%、N;3.91%(理論値:C;60.76%、H;8.77%、N;3.80%)
ケルダール窒素含量3.82%(理論値3.80%)
【0079】
<ポリマー9>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0080】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)、7.2−7.5ppm(−CH
【0081】
元素分析データ:実測値:C;57.92%、H;7.32%、N;4.26%(理論値:C;57.35%、H;7.39%、N;4.33%)
ケルダール窒素含量4.28%(理論値4.33%)
【0082】
<ポリマー10>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0083】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)、7.2−7.5ppm(−CH
【0084】
元素分析データ:実測値:C;56.30%、H;7.14%、N;4.22%(理論値:C;55.86%、H;7.20%、N;4.21%)
ケルダール窒素含量4.25%(理論値4.21%)
【0085】
<ポリマー11>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0086】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0087】
元素分析データ:実測値:C;60.32%、H;8.31%、N;3.83%(理論値:C;59.58%、H;8.26%、N;3.95%)
ケルダール窒素含量3.92%(理論値3.95%)
【0088】
<ポリマー12>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)
【0089】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0090】
元素分析データ:実測値:C;60.68%、H;8.31%、N;4.38%(理論値:C;60.34%、H;8.36%、N;4.49%)
ケルダール窒素含量4.45%(理論値4.49%)
【0091】
<ポリマー13>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)
【0092】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0093】
元素分析データ:実測値:C;61.54%、H;8.67%、N;4.23%(理論値:C;61.35%、H;8.59%、N;4.31%)
ケルダール窒素含量4.28%(理論値4.31%)
【0094】
<ポリマー14>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0095】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)、7.2−7.5ppm(−CH
【0096】
元素分析データ:実測値:C;62.34%、H;8.24%、N;2.21%(理論値:C;62.16%、H;8.13%、N;2.32%)
ケルダール窒素含量2.29%(理論値2.32%)
【0097】
<ポリマー15>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0098】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0099】
元素分析データ:実測値:C;58.24%、H;8.90%、N;3.24%(理論値:C;57.75%、H;8.59%、N;3.00%)
ケルダール窒素含量3.12%(理論値3.00%)
【0100】
<ポリマー16>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0101】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0102】
元素分析データ:実測値:C;55.31%、H;9.13%、N;0.61%(理論値:C;55.10%、H;9.00%、N;0.52%)
ケルダール窒素含量0.55%(理論値0.52%)
【0103】
<ポリマー17>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33)。
【0104】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0105】
元素分析データ:実測値:C;60.89%、H;8.78%、N;2.85%(理論値:C;61.22%、H;8.85%、N;2.92%)
ケルダール窒素含量2.89%(理論値2.92%)
【0106】
参考例1〜9(ポリマー18〜26の製造)
単量体M成分、単量体M成分、単量体M成分を表2のポリマー18〜26欄に示す組成に変えた以外は、実施例1と同様に行った。それぞれ表2のポリマー18〜26欄に示す収量の共重合体を得た。得られた共重合体である重量平均分子量は表2のポリマー18〜26欄に示した。
【0107】
【表3】

【0108】
以下に、ポリマー18〜26のIR、NMR、元素分析のデータを、<ポリマー18>〜<ポリマー26>に示す。
【0109】
<ポリマー18>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)
【0110】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0111】
元素分析データ:実測値:C;56.34%、H;7.89%、N;4.19%(理論値:C;56.12%、H;7.72%、N;4.09%)
ケルダール窒素含量4.12%(理論値4.09%)
【0112】
<ポリマー19>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0113】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0114】
元素分析データ:実測値:C;49.71%、H;7.50%、N;6.12%(理論値:C;49.50%、H;7.36%、N;5.95%)
ケルダール窒素含量6.00%(理論値5.95%)
【0115】
<ポリマー20>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0116】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0117】
元素分析データ:実測値:C;62.82%、H;9.34%、N;3.74%(理論値:C;62.78%、H;9.22%、N;3.66%)
ケルダール窒素含量3.69%(理論値3.66%)
【0118】
<ポリマー21>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0119】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0120】
元素分析データ:実測値:C;49.52%、H;7.21%、N;5.50%(理論値:C;49.38%、H;7.00%、N;5.53%)
ケルダール窒素含量5.50%(理論値5.53%)
【0121】
<ポリマー22>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0122】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0123】
元素分析データ:実測値:C;50.35%、H;7.78%、N;6.12%(理論値:C;50.22%、H;7.63%、N;6.04%)
ケルダール窒素含量6.09%(理論値6.04%)
【0124】
<ポリマー23>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0125】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0126】
元素分析データ:実測値:C;74.10%、H;9.88%、N;0.42%(理論値:C;74.33%、H;9.79%、N;0.31%)
ケルダール窒素含量0.37%(理論値0.31%)
【0127】
<ポリマー24>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0128】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0129】
元素分析データ:実測値:C;60.65%、H;8.34%、N;3.11%(理論値:C;59.85%、H;8.15%、N;3.33%)
ケルダール窒素含量3.21%(理論値3.33%)
【0130】
<ポリマー25>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0131】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0132】
元素分析データ:実測値:C;52.62%、H;8.64%、N;6.23%(理論値:C;52.72%、H;8.67%、N;6.51%)
ケルダール窒素含量6.48%(理論値6.51%)
【0133】
<ポリマー26>
IR:3332cm−1(−OH)、2953cm−1(−CH)、1724cm−1(C=O)、1531cm−1(−NH)、1478cm−1(−CH)、1390cm−1(C-N)、1262cm−1(C-O-C)、955cm−1(−N(CH33
【0134】
NMR:0.8−1.2ppm(CH3-C-)、1.4−2.2ppm(−CH2CH2-、−CHCH-)、3.3ppm(−N(CH33)、3.5−5.0ppm(−CH2CH2O-、-C-CH-O-)
【0135】
元素分析データ:実測値:C;63.16%、H;9.00%、N;1.82%(理論値:C;63.30%、H;9.10%、N;1.99%)
ケルダール窒素含量1.91%(理論値1.99%)
【0136】
実施例18
(毛髪調製)
同一人黒髪((株)ビューラックスより購入)を1質量%ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム水溶液中にて1分間すすぎ洗いした後、流水で洗浄した。次いで、タオルドライし、ドライヤーで乾燥した。これを5質量%過酸化水素水と3質量%アンモニア水を重量比で1:1の割合で混合した水溶液に室温で20分間浸漬後、流水で洗浄した。次いで、タオルドライし、ドライヤーで乾燥した。このブリーチ処理を10回繰り返すことによりダメージ毛髪とした。
【0137】
(毛髪のつや評価)
実施例1〜17、参考例1〜8で得られたポリマー1〜26をそれぞれ1.0gとり、これを蒸留水99.0gに溶解した溶液に、毛髪調製により得たダメージ毛髪1gを1分間浸漬後、流水で洗浄し、ドライヤーで乾燥させた。該毛髪を試料台に11本並べ、ゴニオフォトメーターGP−5((株)村上色彩技術研究所製)を用い、25℃、60%RHの恒温恒湿室にて毛髪のつやの測定を行った。具体的には、光の入射角度を30°とし、入射光の向きを毛軸の方向と一致させた後、受光角を変角させて反射光分布を測定し、以下の式(A)により表面反射を、また式(B)により内部反射を算出した。
【0138】
表面反射(G)=Sf/d・・・(A)
内部反射(T)=(Sr/Sf)×10・・・(B)
【0139】
ここで、dは毛髪の法線方向の拡散反射、Sfは毛髪の鏡面反射ピーク強度、Srは毛髪の内部反射の最大ピーク強度である。結果を未処理ダメージ毛髪のつや測定結果を100としたときの相対値として表3に示した。
【0140】
【表4】

【0141】
表3より、本発明のポリマー1〜17の毛髪つや出し用ポリマーは、参考例であるポリマー18〜26に比べて、毛髪のつや評価において優れた結果をしめすことがわかる。本発明のポリマー1〜17は、毛髪つや出し用ポリマーとして有効であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表される単量体M1を5〜90モル%と、式(2)で表される単量体M2を5〜90モル%と、式(3)で表される単量体Mを3〜80モル%とからなり、M+M+Mが100モル%である単量体組成物を重合して得られる重量平均分子量5,000〜5,000,000である共重合体。
【化1】

(式(1)中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキル基、R3は炭素数1〜8のアルキル基を示す。(AO)は炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、Xは0〜1000の整数である。)
【化2】

(式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Bはイソボルニル基、ベンジル基、フェノキシエチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基が選ばれる基である。)
【化3】

(式(3)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Lは−(CH−L、−(C=O)O−(CH−L、−(C=O)O−((CH−O)−Lまたは−CHCH(OH)CH−Lである。nは0〜24、mは2〜5の整数を示し、L1はアミノ基、アンモニウム塩基、ピリジル基またはピリジニウム塩基を示す。)
【請求項2】
式(1)で表される単量体M1を5〜90モル%と、式(2)で表される単量体M2を5〜90モル%と、式(3)で表される単量体Mを3〜80モル%と、単量体M1〜M以外の単量体Mを50モル%以下含んでなり、M+M+M+Mが100モル%である単量体組成物を重合して得られる重量平均分子量5,000〜5,000,000である共重合体。
【化4】

(式(1)中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキル基、R3は炭素数1〜8のアルキル基を示す。(AO)は炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、Xは0〜1000の整数である。)
【化5】

(式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Bはイソボルニル基、ベンジル基、フェノキシエチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基が選ばれる基である。)
【化6】

(式(3)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Lは−(CH−L、−(C=O)O−(CH−L、−(C=O)O−((CH−O)−Lまたは−CHCH(OH)CH−Lである。nは0〜24、mは2〜5の整数を示し、L1はアミノ基、アンモニウム塩基、ピリジル基またはピリジニウム塩基を示す。)
【請求項3】
請求項1または2に記載の共重合体からなる毛髪つや出し用ポリマー。
【請求項4】
請求項3記載の毛髪つや出し用ポリマーを0.001〜20質量%含有する毛髪用化粧料。

【公開番号】特開2010−275512(P2010−275512A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132560(P2009−132560)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】