説明

共重合体及びその製造方法、並びに、ゴム組成物、架橋ゴム組成物、及びタイヤ

【課題】ウェット性と低温特性に優れたゴムを製造するのに用いられ、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの共重合体であって、共役ジエン化合物部分の1,2−ビニル結合量が10mol%以上である共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの共重合体及び該共重合体の製造方法、並びに、該共重合体を含むゴム組成物、該ゴム組成物を架橋して得られた架橋ゴム組成物、及び、前記ゴム組成物又は前記架橋ゴム組成物を用いたタイヤを提供する。
【解決手段】共役ジエン化合物と、非共役オレフィンとの共重合体であって、共役ジエン化合物部分の1,2−ビニル結合量が10mol%以上であることを特徴とする共重合体である。また、スカンジウム化合物又はスカンジウム化合物とルイス塩基との反応物の存在下、共役ジエン化合物と、非共役オレフィンとを重合させる工程を含むことを特徴とする共重合体の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの共重合体及び該共重合体の製造方法、並びに、ゴム組成物、架橋ゴム組成物、及びタイヤに関し、特には、ウェット性と低温特性に優れたゴムを製造するのに用いられ、共役ジエン化合物部分の1,2−ビニル結合量が10mol%以上である共重合体及び該共重合体の製造方法、並びに、該共重合体を含むゴム組成物、該ゴム組成物を架橋して得られた架橋ゴム組成物、及び、前記ゴム組成物又は前記架橋ゴム組成物を用いたタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2種類以上の単量体を同一の反応系で重合すると、1本の重合体鎖中にそれらの単量体
単位を繰り返し単位として含む共重合体が生成される。しかしながら、共役ジエン化合物
と非共役オレフィンとの重合反応によって得られた共重合体中の共役ジエン化合物部分の
1,2−ビニル結合量については、報告されていない。
【0003】
例えば、特開2000−154210号公報(特許文献1)には、シクロペンタジエン
環構造を有する周期律表第IV族遷移金属化合物を含む共役ジエン重合用触媒が開示され
ており、該共役ジエンと共重合可能な単量体として、エチレン等のα−オレフィンが例示
されているが、共重合体中の共役ジエン化合物部分の1,2−ビニル結合量については、
全く言及されていない。また、特開2006−249442号公報(特許文献2)には、
α−オレフィンと共役ジエン化合物との共重合体が開示されるものの、共重合体中の共役
ジエン化合物部分の1,2−ビニル結合量については、全く言及されていない。また、特
表2006−503141号公報(特許文献3)には、特殊な有機金属錯体を触媒成分と
して用いて合成したエチレンとブタジエンとの共重合体が開示されるものの、単量体であ
るブタジエンがトランス−1,2−シクロヘキサンの形態で共重合体中に挿入されることのみが記載されており、共重合体中の共役ジエン化合物部分の1,2−ビニル結合量については、全く言及されていない。また、特許文献1〜3には、共役ジエン化合物部分の1,2ビニル結合量が10mol%以上である共重合体を用いて、ウェット性及び低温特性が優れたゴムを製造することが記載も示唆もされていない。
【0004】
また、特開平11−228743号公報(特許文献4)には、不飽和性オレフィン系共重合体とゴムとからなる不飽和性エラストマー組成物が開示され、1,2付加体(3,4付加体を含む)に由来する側鎖の2重結合と、1,4付加体に由来する主鎖の2重結合との量比について言及されているものの、共役ジエン化合物部分の1,2−ビニル結合量が10mol%以上である共重合体を用いて、ウェット性と低温特性が優れたゴムを製造することについては、特開平11−228743号公報(特許文献4)には記載も示唆もされていない。
【0005】
また、特開2000−86857号公報(特許文献5)には、ビニル含有量(ビニル結合量)が6%であり、シス含有量%が92%であり、エチレン含有量が3%又は9%のブタジエン重合体が開示されている。しかしながら、共役ジエン化合物部分の1,2−ビニル結合量が10mol%以上である共重合体を用いて、ウェット性と低温特性が優れたゴムを製造することについては、特開2000−86857号公報(特許文献5)には記載も示唆もされていない。
【0006】
さらに、特開2000−154279号公報(特許文献6)には、シス含有量%が40%で以上ある共役ジエン系重合体セグメントを含む共役ジエン系ゴム組成物が開示され、また、実施例には、1,2結合量が90%であるポリブタジエンが開示されている。しかしながら、共役ジエン化合物部分の1,2−ビニル結合量が10mol%以上である共重合体を用いて、ウェット性と低温特性が優れたゴムを製造することについては、特開2000−154279号公報(特許文献6)には記載も示唆もされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−154210号公報
【特許文献2】特開2006−249442号公報
【特許文献3】特表2006−503141号公報
【特許文献4】特開平11−228743号公報
【特許文献5】特開2000−86857号公報
【特許文献6】特開2000−154279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の目的は、ウェット性と低温特性に優れたゴムを製造するのに用いられ、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの共重合体であって、該共重合体における共役ジエン化合物部分の1,2−ビニル結合量が10mol%以上である共重合体及び該共重合体の製造方法、並びに、該共重合体を含むゴム組成物、該ゴム組成物を架橋して得られた架橋ゴム組成物、及び、前記ゴム組成物又は前記架橋ゴム組成物を用いたタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の触媒の存在下、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとを重合させることにより、該共重合体における共役ジエン化合物部分の1,2−ビニル結合量が10mol%以上である共重合体が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
即ち、本発明の共重合体は、共役ジエン化合物と、非共役オレフィンとの共重合体であって、共役ジエン化合物部分(共役ジエン化合物由来部分)の1,2−ビニル結合量が10mol%以上であることを特徴とする。
【0011】
本発明の共重合体は、前記共役ジエン化合物部分(共役ジエン化合物由来部分)のシス−1,4結合量が50〜90mol%であることが好ましい。
【0012】
本発明の共重合体の他の好適例においては、非共役オレフィン部分(非共役オレフィン由来部分)の含有量が、0mol%を超え且つ50mol%以下である。
【0013】
本発明の共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量が10,000〜10,000,000である。
【0014】
本発明の共重合体は、分子量分布(Mw/Mn)が10以下であることが好ましい。
【0015】
本発明の共重合体の他の好適例においては、前記非共役オレフィンが、α−オレフィンである。
【0016】
本発明の共重合体の他の好適例において、前記非共役オレフィンは、炭素数が2〜10である。ここで、前記非共役オレフィンとしては、エチレン、プロピレン及び1−ブテンよりなる群から選択される少なくとも一種が好ましく、エチレンが更に好ましい。
【0017】
本発明の共重合体の他の好適例において、前記共役ジエン化合物は、炭素数が4〜8である。ここで、前記共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン及びイソプレンよりなる群から選択される少なくとも一種が好ましい。
【0018】
また、本発明の共重合体の製造方法は、スカンジウム化合物又はスカンジウム化合物とルイス塩基との反応物の存在下、共役ジエン化合物と、非共役オレフィンとを重合させる工程を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の共重合体の好適例においては、前記スカンジウム化合物又はスカンジウム化合物とルイス塩基との反応物が、下記一般式(I):
【化1】

(式中、Cpは、それぞれ独立して無置換もしくは置換インデニルを示し、R〜Rは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す)で表されるメタロセン錯体、及び下記一般式(II):
【化2】

(式中、Cpは、それぞれ独立して無置換もしくは置換インデニルを示し、X'は、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す)で表されるメタロセン錯体、下記一般式(III):
【化3】

(式中、Cp'は、無置換もしくは置換シクロペンタジエニル、インデニル又はフルオレニルを示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示し、[B]は、非配位性アニオンを示す)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体、並びに下記一般式(IV):
ScX''・L'w ・・・ (IV)
[式中、X''は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基、炭化水素基、アルデヒド残基、ケトン残基、カルボン酸残基、チオカルボン酸残基又はリン化合物残基を示し、L'は、ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す]で表されるスカンジウム化合物又はスカンジウム化合物とルイス塩基との反応物からなる群より選択される。
【0020】
ここで、メタロセン錯体は、一つ又は二つ以上のシクロペンタジエニル又はその誘導体が中心金属に結合した錯体化合物であり、特に、中心金属に結合したシクロペンタジエニル又はその誘導体が一つであるメタロセン錯体を、ハーフメタロセン錯体と称することがある。
【0021】
本発明のゴム組成物は、本発明の共重合体を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対し、補強性充填剤5質量部〜200質量部と、架橋剤0.1質量部〜20質量部とを含むことが好ましい。
【0023】
本発明の架橋ゴム組成物は、本発明のゴム組成物を架橋して得られたことを特徴とする。
【0024】
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物、又は、本発明の架橋ゴム組成物を用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ウェット性と低温特性に優れたゴムを製造するのに用いられ、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの共重合体であって、共役ジエン化合物部分の1,2−ビニル結合量が10mol%以上である共重合体及び該共重合体の製造方法、並びに、該共重合体を含むゴム組成物、該ゴム組成物を架橋して得られた架橋ゴム組成物、及び、前記ゴム組成物又は前記架橋ゴム組成物を用いたタイヤを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(共重合体)
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の共重合体は、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの共重合体であり、共役ジエン化合物部分(共役ジエン化合物由来部分)の1,2−ビニル結合量が10mol%以上(共役ジエン化合物由来部分における共役ジエン化合物の1,2付加体部分(3,4付加体部分を含む)含量が10mol%以上)であることを特徴とする。
【0027】
本発明の共重合体は、共役ジエン化合物部分の1,2−ビニル結合量が10mol%以上(共役ジエン化合物由来部分における共役ジエン化合物の1,2付加体部分(3,4付加体部分を含む)含量が10mol%以上)であるため、他のゴム成分や、配合剤との親和性が向上する。また、ラジカル反応性に優れたビニル基が10mol%以上主鎖に配置されている(共役ジエン化合物由来部分における共役ジエン化合物の1,2付加体部分(3,4付加体部分を含む)含量が10mol%以上である)ことで、ゴム製品全般、特に低温性/ウェット性と他性能の両立が可能となる。
本共重合体は、例えば、HIPS(高衝撃性ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエンスチレン樹脂)、過酸化物架橋による配合物などに適している。
前記1,2−ビニル結合量(1,2付加体部分(3,4付加体部分を含む)含量)は、前記共役ジエン化合物由来部分中の量であって、共重合体全体に対する割合ではない。
なお、前記共役ジエン化合物部分の1,2付加体部分(3,4付加体部分を含む)含量(共役ジエン化合物由来部分の共役ジエン化合物の1,2付加体部分(3,4付加体部分を含む)含量)は、共役ジエン化合物がブタジエンの場合、1,2−ビニル結合量と同じ意味である。
【0028】
本発明の共重合体は、共役ジエン化合物部分(共役ジエン化合物由来部分)のシス−1,4結合量が50〜90mol%であることが好ましく、70〜90mol%がより好ましい。共役ジエン化合物部分(共役ジエン化合物由来部分)のシス−1,4結合量が上記の範囲内であれば、ガラス転移温度(Tg)が低く、耐亀裂成長性が良好である。
シス−1,4結合量は、前記共役ジエン化合物由来部分中の量であって、共重合体全体に対する割合ではない。
【0029】
本発明の共重合体は、低分子量化の問題が起こることも無く、その重量平均分子量(Mw)は特に限定されるものでもないが、高分子構造材料への適用の観点から、該共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は10,000〜10,000,000が好ましく、10,000〜1,000,000が好ましく、50,000〜600,000が特に好ましい。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、10以下が好ましく、5以下が更に好ましい。ここで、平均分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレンを標準物質として求めることができる。
【0030】
本発明の共重合体は、非共役オレフィン(非共役オレフィン由来部分)の含有量が0mol%を超え且つ100mol%未満であることが好ましい。非共役オレフィン(非共役オレフィン由来部分)の含有量が上記の特定した範囲内にあれば、破断強度等の機械的性質をより確実に向上させることができる。また、共重合体の相分離を起こすことなく、破断強度等の機械的性質を向上させる観点から、上記非共役オレフィン(非共役オレフィン由来部分)の含有量が0mol%を超え且つ50mol%以下であることがより好ましく、0mol%を超え且つ30mol%以下が特に好ましい。
【0031】
一方、本発明の共重合体は、共役ジエン化合物(共役ジエン化合物由来部分)の含有量が0mol%を超え且つ100mol%未満であることが好ましく、50mol%以上で且つ100mol%未満であることが更に好ましい。共役ジエン化合物(共役ジエン化合物由来部分)の含有量が上記の特定した範囲内にあれば、本発明の共重合体は、エラストマーとして均一にふるまうことが可能となる。
【0032】
なお、単量体として用いる共役ジエン化合物は、炭素数が4〜12であることが好ましく、4〜8であることが更に好ましい。該共役ジエン化合物として、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等が挙げられ、これらの中でも、1,3−ブタジエン及びイソプレンが好ましい。また、これら共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述した共役ジエン化合物の具体例のいずれを用いても、同様のメカニズムで本発明の共重合体を調製することができる。
【0033】
一方、単量体として用いる非共役オレフィンは、優れた耐熱性や、共重合体の主鎖中に占める二重結合の割合を減らし、結晶性を低下させることでエラストマーとしての設計自由度を高めることが可能となる。また、上記オレフィンとしては、非共役オレフィンであることが好ましく、非環状オレフィンであることも好ましく、また、α−オレフィンであることも好ましい。更に、該非共役オレフィンの炭素数は2〜10であることが好ましい。従って、上記非共役オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン等が好適に挙げられ、これらの中でも、エチレン、プロピレン及び1−ブテンがより好ましく、エチレンが特に好ましい。これら非共役オレフィンは、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、オレフィンは、脂肪族不飽和炭化水素で、炭素−炭素二重結合を1個以上有する化合物を指す。
【0034】
次に、本発明の共重合体の製造方法を詳細に説明する。但し、以下に詳述する製造方法は、あくまで例示に過ぎない。本発明の共重合体の製造方法は、スカンジウム化合物又はスカンジウム化合物とルイス塩基との反応物の存在下、共役ジエン化合物と、非共役オレフィンとを重合させる工程を含むことを特徴とする。本発明者らは、配位アニオン重合に用いる触媒系に関し、希土類元素化合物又は該希土類元素化合物とルイス塩基との反応物について検討した結果、希土類元素としてスカンジウムを選択することにより、1,2−ビニル結合量が10mol%以上である共重合体が合成できることを見出した。
【0035】
本発明の共重合体の製造方法によれば、触媒としてスカンジウム化合物又はスカンジウ
ム化合物とルイス塩基との反応物を用いる以外は、特に限定されず、通常の配位イオン重
合触媒による重合体の製造方法と同様にして、単量体である共役ジエン化合物と非共役オレフィンを共重合させることができる。なお、重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、気相重合法、固相重合法等の任意の方法を用いることができる。また、重合反応に溶媒を用いる場合、用いられる溶媒は重合反応において不活性であればよく、例えば、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、またそれらの混合物等が挙げられる。
【0036】
上記スカンジウム化合物は、スカンジウムが3価の塩又は錯体化合物であることが好ま
しく、水素原子、ハロゲン原子及び有機化合物残基から選択される1種又は2種以上の配
位子を含有するスカンジウム化合物であることが更に好ましい。更に、上記スカンジウム
化合物又は該スカンジウム化合物とルイス塩基との反応物は、上記一般式(I)および(II)で表されるメタロセン錯体、上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体、並びに上記一般式(IV)で表されるスカンジウム化合物もしくはスカンジウム化合物とルイス塩基との反応物からなる群より選択することができる。
【0037】
上記一般式(I)及び式(II)で表されるメタロセン錯体において、式中のCpは、無置換インデニル又は置換インデニルである。インデニル環を基本骨格とするCpは、C7−X又はC11−Xで示され得る。ここで、Xは0〜7又は0〜11の整数である。また、Rはそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることが一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。置換インデニルとして、具体的には、2−フェニルインデニル、2−メチルインデニル等が挙げられる。なお、一般式(I)及び式(II)における二つのCpは、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
【0038】
上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体において、式中のCp'は、無置換もしくは置換のシクロペンタジエニル、インデニル又はフルオレニルであり、これらの中でも、無置換もしくは置換のインデニルであることが好ましい。シクロペンタジエニル環を基本骨格とするCp'は、C5−Xで示される。ここで、Xは0〜5の整数である。また、Rはそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることが一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。シクロペンタジエニル環を基本骨格とするCp'として、具体的には、以下のものが例示される。
【化4】

(式中、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を示す。)
【0039】
一般式(III)において、上記インデニル環を基本骨格とするCp'は、一般式(I)のCpと同様に定義され、好ましい例も同様である。
【0040】
一般式(III)において、上記フルオレニル環を基本骨格とするCp'は、C139−X又はC1317−Xで示され得る。ここで、Xは0〜9又は0〜17の整数である。また、Rはそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることが一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。
【0041】
一般式(I)で表されるメタロセン錯体は、シリルアミド配位子[−N(SiR]を含む。シリルアミド配位子に含まれるR基(一般式(I)におけるR〜R)は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子である。また、R〜Rのうち少なくとも一つが水素原子であることが好ましい。R〜Rのうち少なくとも一つを水素原子にすることで、触媒の合成が容易になり、また、ケイ素まわりのかさ高さが低くなるため、非共役オレフィンが導入され易くなる。同様の観点から、R〜Rのうち少なくとも一つが水素原子であり、R〜Rのうち少なくとも一つが水素原子であることが更に好ましい。なお、アルキル基としては、メチル基が好ましい。
【0042】
一般式(II)で表されるメタロセン錯体は、シリル配位子[−SiX']を含む。シリル配位子[−SiX']に含まれるX'は、下記で説明される一般式(III)のXと同様に定義される基であり、好ましい基も同様である。
【0043】
一般式(III)において、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基及び炭素数1〜20の炭化水素基からなる群より選択される基である。ここで、上記アルコキシド基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の脂肪族アルコキシ基;フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2,6−ジネオペンチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェノキシ基等のアリールオキシド基が挙げられ、これらの中でも、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基が好ましい。
【0044】
一般式(III)において、Xが表すチオラート基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオプロポキシ基、チオn−ブトキシ基、チオイソブトキシ基、チオsec−ブトキシ基、チオtert−ブトキシ基等の脂肪族チオラート基;チオフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルチオフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルチオフェノキシ基、2,6−ジネオペンチルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−チオネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−チオネオペンチルフェノキシ基、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基等のアリールチオラート基が挙げられ、これらの中でも、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基が好ましい。
【0045】
一般式(III)において、Xが表すアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオペンチルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基;ビストリメチルシリルアミド基等のビストリアルキルシリルアミド基が挙げられ、これらの中でも、ビストリメチルシリルアミド基が好ましい。
【0046】
一般式(III)において、Xが表すシリル基としては、トリメチルシリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基、ビス(トリメチルシリル)メチルシリル基、トリメチルシリル(ジメチル)シリル基、トリイソプロピルシリル(ビストリメチルシリル)シリル基等が挙げられ、これらの中でも、トリス(トリメチルシリル)シリル基が好ましい。
【0047】
一般式(III)において、Xが表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子のいずれでもよいが、塩素原子又は臭素原子が好ましい。また、Xが表す炭素数1〜20の炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ベンジル基等のアラルキル基等の他;トリメチルシリルメチル基、ビストリメチルシリルメチル基等のケイ素原子を含有する炭化水素基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、イソブチル基、トリメチルシリルメチル基等が好ましい。
【0048】
一般式(III)において、Xとしては、ビストリメチルシリルアミド基又は炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。
【0049】
一般式(III)において、[B]で示される非配位性アニオンとしては、例えば、4価のホウ素アニオンが挙げられる。該4価のホウ素アニオンとして、具体的には、テトラフェニルボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル,ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル),フェニル]ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート等が挙げられ、これらの中でも、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。
【0050】
上記一般式(I)及び式(II)で表されるメタロセン錯体、並びに上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体は、更に0〜3個、好ましくは0〜1個の中性ルイス塩基Lを含む。ここで、中性ルイス塩基Lとしては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルアニリン、トリメチルホスフィン、塩化リチウム、中性のオレフィン類、中性のジオレフィン類等が挙げられる。ここで、上記錯体が複数の中性ルイス塩基Lを含む場合、中性ルイス塩基Lは、同一であっても異なっていてもよい。
【0051】
また、上記一般式(I)及び式(II)で表されるメタロセン錯体、並びに上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体は、単量体として存在していてもよく、二量体又はそれ以上の多量体として存在していてもよい。
【0052】
上記一般式(I)で表されるメタロセン錯体は、例えば、溶媒中でスカンジウムトリスハライドを、インデニルの塩(例えばカリウム塩やリチウム塩)及びビス(トリアルキルシリル)アミドの塩(例えばカリウム塩やリチウム塩)と反応させることで得ることができる。なお、反応温度は室温程度にすればよいので、温和な条件で製造することができる。また、反応時間は任意であるが、数時間〜数十時間程度である。反応溶媒は特に限定されないが、原料及び生成物を溶解する溶媒であることが好ましく、例えばトルエンを用いればよい。以下に、一般式(I)で表されるメタロセン錯体を得るための反応例を示す。
【化5】

(式中、X'''はハライドを示す。)
【0053】
上記一般式(II)で表されるメタロセン錯体は、例えば、溶媒中でスカンジウムトリスハライドを、インデニルの塩(例えばカリウム塩やリチウム塩)及びシリルの塩(例えばカリウム塩やリチウム塩)と反応させることで得ることができる。なお、反応温度は室温程度にすればよいので、温和な条件で製造することができる。また、反応時間は任意であるが、数時間〜数十時間程度である。反応溶媒は特に限定されないが、原料及び生成物を溶解する溶媒であることが好ましく、例えばトルエンを用いればよい。以下に、一般式(II)で表されるメタロセン錯体を得るための反応例を示す。
【化6】

(式中、X'''はハライドを示す。)
【0054】
上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体は、例えば、次の反応により得ることができる。
【化7】

【0055】
ここで、一般式(V)で表される化合物において、Cp'は、それぞれ独立して無置換もしくは置換シクロペンタジエニル、インデニル又はフルオレニルを示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す。また、一般式[A][B]で表されるイオン性化合物において、[A]は、カチオンを示し、[B]は、非配位性アニオンを示す。
【0056】
[A]で表されるカチオンとしては、例えば、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アミンカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオン等が挙げられる。カルボニウムカチオンとしては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(置換フェニル)カルボニウムカチオン等の三置換カルボニウムカチオン等が挙げられ、トリ(置換フェニル)カルボニルカチオンとして、具体的には、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン等が挙げられる。アミンカチオンとしては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン等のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオン等が挙げられる。ホスホニウムカチオンとしては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらカチオンの中でも、N,N−ジアルキルアニリニウムカチオン又はカルボニウムカチオンが好ましく、N,N−ジアルキルアニリニウムカチオンが特に好ましい。
【0057】
上記反応に用いる一般式[A][B]で表されるイオン性化合物としては、上記の非配位性アニオン及びカチオンからそれぞれ選択し組み合わせた化合物であって、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が好ましい。また、一般式[A][B]で表されるイオン性化合物は、メタロセン錯体に対して0.1〜10倍モル加えることが好ましく、約1倍モル加えることが更に好ましい。なお、一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体を重合反応に用いる場合、一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体をそのまま重合反応系中に提供してもよいし、上記反応に用いる一般式(IV)で表される化合物と一般式[A][B]で表されるイオン性化合物を別個に重合反応系中に提供し、反応系中で一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体を形成させてもよい。また、一般式(I)又は式(II)で表されるメタロセン錯体と一般式[A][B]で表されるイオン性化合物とを組み合わせて使用することにより、反応系中で一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体を形成させることもできる。
【0058】
一般式(I)及び式(II)で表されるメタロセン錯体、並びに上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体の構造は、X線構造解析により決定することが好ましい。
【0059】
上記一般式(IV)で表されるスカンジウム化合物又はスカンジウム化合物とルイス塩基との反応物において、スカンジウム化合物のスカンジウムに結合する基(配位子)として、具体的には、水素原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の脂肪族アルコキシ基;フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2,6−ジネオペンチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェノキシ基;チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオプロポキシ基、チオn−ブトキシ基、チオイソブトキシ基、チオsec−ブトキシ基、チオtert−ブトキシ基等の脂肪族チオラート基;チオフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルチオフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルチオフェノキシ基、2,6−ジネオペンチルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−チオネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−チオネオペンチルフェノキシ基、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基等のアリールチオラート基;ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオペンチルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基;ビストリメチルシリルアミド基等のビストリアルキルシリルアミド基;トリメチルシリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基、ビス(トリメチルシリル)メチルシリル基、トリメチルシリル(ジメチル)シリル基、トリイソプロピルシリル(ビストリメチルシリル)シリル基等のシリル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、へキシル基、オクチル基等の直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ベンジル基等のアラルキル基;シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル等の環状の炭化水素基;トリメチルシリルメチル基、ビストリメチルシリルメチル基等のケイ素原子を含有する炭化水素基等が挙げられる。更には、サリチルアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−3−ナフトアルデヒド等のアルデヒドの残基;2'−ヒドロキシアセトフェノン、2'−ヒドロキシブチロフェノン、2'−ヒドロキシプロピオフェノン等のヒドロキシフェノンの残基;アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニルアセトン、イソブチルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン等のジケトンの残基;イソ吉草酸、カプリル酸、オクタン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、シクロペンタンカルボン酸、ナフテン酸、エチルヘキサン酸、ビバール酸、バーサチック酸[シェル化学(株)製の商品名、C10モノカルボン酸の異性体の混合物から構成される合成酸]、フェニル酢酸、安息香酸、2−ナフトエ酸、マレイン酸、コハク酸等のカルボン酸の残基;ヘキサンチオ酸、2,2−ジメチルブタンチオ酸、デカンチオ酸、チオ安息香酸等のチオカルボン酸の残基、リン酸ジブチル、リン酸ジペンチル、リン酸ジへキシル、リン酸ジへプチル、リン酸ジオクチル、リン酸ビス(2−エチルへキシル)、リン酸ビス(1−メチルへプチル)、リン酸ジラウリル、リン酸ジオレイル、リン酸ジフェニル、リン酸ビス(p−ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−p−ノニルフェニル)、リン酸(ブチル)(2−エチルへキシル)、リン酸(1−メチルへプチル)(2−エチルへキシル)、リン酸(2−エチルへキシル)(p−ノニルフェニル)等のリン酸エステルの残基;2−エチルへキシルホスホン酸モノブチル、2−エチルへキシルホスホン酸モノ−2−エチルへキシル、フェニルホスホン酸モノ−2−エチルへキシル、2−エチルへキシルホスホン酸モノ−p−ノニルフェニル、ホスホン酸モノ−2−エチルへキシル、ホスホン酸モノ−1−メチルへプチル、ホスホン酸モノ−p−ノニルフェニル等のホスホン酸エステルの残基、ジブチルホスフィン酸、ビス(2−エチルへキシル)ホスフィン酸、ビス(1−メチルへプチル)ホスフィン酸、ジラウリルホスフィン酸、ジオレイルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、ブチル(2−エチルへキシル)ホスフィン酸、(2−エチルへキシル)(1−メチルへプチル)ホスフィン酸、(2−エチルへキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、ブチルホスフィン酸、2−エチルへキシルホスフィン酸、1−メチルへプチルホスフィン酸、オレイルホスフィン酸、ラウリルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、p−ノニルフェニルホスフィン酸等のホスフィン酸の残基を挙げることもできる。なお、これらの配位子は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0060】
また、上記一般式(IV)で表されるスカンジウム化合物又はスカンジウム化合物とルイス塩基との反応物において、上記スカンジウム化合物と反応するルイス塩基としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルアニリン、トリメチルホスフィン、塩化リチウム、中性のオレフィン類、中性のジオレフィン類等が挙げられる。ここで、上記スカンジウム化合物が複数のルイス塩基と反応する場合(式(IV)においては、wが2又は3である場合)、ルイス塩基L'は、同一であっても異なっていてもよい。
【0061】
また、本発明の共重合体の製造方法においては、上記スカンジウム化合物又はスカンジ
ウム化合物とルイス塩基との反応物(以下、(A)成分ともいう)を、非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物(B−1)、アルミノキサン(B−2)、並びにルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物及び活性ハロゲンを含む有機化合物のうち少なくとも一種のハロゲン化合物(B−3)よりなる群から選択される少なくとも一種の(B)成分と組み合わせてなる触媒系を用いてもよい。なお、(B)成分の合計の使用量は、(A)成分に対して0.1〜50倍モルであることが好ましい。
【0062】
上記(B−1)で表されるイオン性化合物は、非配位性アニオンとカチオンとからなり
、上記(A)成分であるスカンジウム化合物又はそのルイス塩基との反応物と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン性化合物等を挙げることができる。ここで、非配位性アニオンとしては、例えば、テトラフェニルボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル,ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル),フェニル]ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート等が挙げられる。一方、カチオンとしては、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロへプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオン等を挙げることができる。カルボニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(置換フェニル)カルボニウムカチオン等の三置換カルボニウムカチオン等が挙げられ、トリ(置換フェニル)カルボニルカチオンとして、より具体的には、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオン等が挙げられる。アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン(例えば、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン)等のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロへキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオン等が挙げられる。ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオン等が挙げられる。従って、イオン性化合物としては、上述の非配位性アニオン及びカチオンからそれぞれ選択し組み合わせた化合物が好ましく、具体的には、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が好ましい。また、これらのイオン性化合物は、1種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。なお、上記イオン性化合物の使用量は、(A)成分に対して0.1〜10倍モルであることが好ましく、約1倍モルであることが更に好ましい。
【0063】
上記(B−2)で表されるアルミノキサンは、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接
触させることによって得られる化合物であり、例えば、一般式:(−Al(R')O−)で示される繰り返し単位を有する鎖状アルミノキサン又は環状アルミノキサン(式中、R'は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部の炭化水素基はハロゲン原子及び/又はアルコキシ基で置換されてもよく、繰り返し単位の重合度は、5以上が好ましく、10以上が更に好ましい)を挙げることができる。ここで、R'として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基が好ましい。また、アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム及びその混合物等が挙げられ、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。例えば、トリメチルアルミニウムとトリブチルアルミニウムとの混合物を原料として用いたアルミノキサンを好適に用いることができる。なお、上記アルミノキサンの使用量は、(A)成分を構成するスカンジウムScと、アルミノキサンのアルミニウム元素Alとの元素比率Al/Scが、10〜1000程度となるようにすることが好ましい。
【0064】
上記(B−3)で表されるハロゲン化合物は、ルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩
基との錯化合物及び活性ハロゲンを含む有機化合物のうち少なくとも一種からなり、例え
ば、上記(A)成分であるスカンジウム化合物又はそのルイス塩基との反応物と反応して、ハロゲン化遷移金属化合物や遷移金属中心が電荷不足の化合物を生成することができる。なお、上記ハロゲン化合物の合計の使用量は、(A)成分に対して1〜5倍モルであることが好ましい。
【0065】
上記ルイス酸としては、B(C等のホウ素含有ハロゲン化合物、Al(C等のアルミニウム含有ハロゲン化合物を使用できる他、周期律表中の第III,IV,V,VI又はVIII族に属する元素を含有するハロゲン化合物を用いることもできる。好ましくはアルミニウムハロゲン化物又は有機金属ハロゲン化物が挙げられる。また、ハロゲン元素としては、塩素又は臭素が好ましい。上記ルイス酸として、具体的には、メチルアルミニウムジブロマイド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジクロライド、ブチルアルミニウムジブロマイド、ブチルアルミニウムジクロライド、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムブロマイド、ジブチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムセスキブロマイド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジブチル錫ジクロライド、アルミニウムトリブロマイド、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三塩化リン、五塩化リン、四塩化錫、四塩化チタン、六塩化タングステン等が挙げられ、これらの中でも、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムジブロマイドが特に好ましい。
【0066】
上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成する金属ハロゲン化物としては
、塩化ベリリウム、臭化ベリリウム、ヨウ化ベリリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネ
シウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩
化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化カ
ドミウム、臭化カドミウム、ヨウ化カドミウム、塩化水銀、臭化水銀、ヨウ化水銀、塩化
マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、塩化レニウム、臭化レニウム、ヨウ化レニウ
ム、塩化銅、ヨウ化銅、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩化金、ヨウ化金、臭化金等が挙げ
られ、これらの中でも、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化マンガ
ン、塩化亜鉛、塩化銅が好ましく、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅
が特に好ましい。
【0067】
また、上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成するルイス塩基としては
、リン化合物、カルボニル化合物、窒素化合物、エーテル化合物、アルコール等が好まし
い。具体的には、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルへキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジエチルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノエタン、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニトリルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸フェニル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジフェニル、酢酸、オクタン酸、2−エチル−ヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、2−エチル−ヘキシルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコール等が挙げられ、これらの中でも、リン酸トリ−2−エチルへキシル、リン酸トリクレジル、アセチルアセトン、2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸、2−エチルへキシルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコールが好ましい。
【0068】
上記ルイス塩基は、上記金属ハロゲン化物1モル当り、0.01〜30モル、好ましくは0.5〜10モルの割合で反応させる。このルイス塩基との反応物を使用すると、ポリマー中に残存する金属を低減することができる。
【0069】
上記活性ハロゲンを含む有機化合物としては、ベンジルクロライド等が挙げられる。
【0070】
なお、上記(B)成分がイオン性化合物(B−1)及びハロゲン化合物(B−3)の少なくとも一種である場合、上記(A)成分及び(B)成分に対して、更に
(C)成分:下記一般式(VI):
YR ・・・ (VI)
[式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であ
り、R及びRは、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、Rは上記R又はRと同一又は異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a、b及びcは1である]で表される有機金属化合物を組み合わせることを要する。イオン性化合物(B−1)及びハロゲン化合物(B−3)は、(A)成分へ供給するための炭素原子が存在しないため、該(A)成分への炭素供給源として、(C)成分が必要となる。なお、(B)成分がアルミノキサン(B−2)であっても、(A)成分及び(B)成分に対して(C)成分を組み合わせることができる。また、(A)成分には、通常の希土類元素化合物系の触媒系に含有される他の成分、例えば助触媒等を含んでいてもよい。
【0071】
また、上記(C)成分は、下記一般式(VII):
AlR ・・・ (VII)
[式中、R及びRは、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、Rは上記R又はRと同一又は異なっていてもよい]で表される有機アルミニウム化合物であることが好ましい。式(VII)の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロへキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム;水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジへキシルアルミニウム、水素化ジイソへキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム;エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。以上に述べた(C)成分としての有機金属化合物は、1種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。なお、上記有機金属化合物の使用量は、(A)成分に対して1〜50倍モルであることが好ましい。
【0072】
本発明の共重合体の製造方法は、上記した通り、重合触媒として上述した(A)成分からなる触媒系を用いること以外は、従来の配位イオン重合触媒を用いる重合反応による重合体の製造方法と同様とすることができる。ここで、本発明の共重合体の製造方法は、例えば、(1)単量体として共役ジエン化合物及び非共役オレフィンを含む重合反応系中に、触媒系の構成成分を別個に提供し、該反応系中において触媒系としてもよいし、(2)予め調製された触媒系を重合反応系中に提供してもよい。なお、(A)成分の使用量は、共役ジエン化合物及び非共役オレフィンの合計に対して、0.0001〜0.01倍モルの範囲が好ましい。
【0073】
本発明の共重合体の製造方法において、共役ジエン化合物及び該共役ジエン化合物以外
のオレフィンの重合反応は、不活性ガス、好ましくは窒素ガスやアルゴンガスの雰囲気下
において行われることが好ましい。上記重合反応の重合温度は、特に制限されないが、例
えば−100℃〜200℃の範囲が好ましく、室温程度とすることもできる。なお、重合温度を上げると、重合反応のシス−1,4選択性が低下することがある。また、上記重合反応の圧力は、共役ジエン化合物及び非共役オレフィンを十分に重合反応系中に取り込むため、0.1〜5.0MPaの範囲が好ましい。また、上記重合反応の反応時間も特に制限されず、例えば1秒〜10日の範囲が好ましいが、重合される単量体の種類、触媒の種類、重合温度等の条件によって適宜選択することができる。
【0074】
(ゴム組成物)
本発明のゴム組成物としては、本発明の共重合体を含む限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、本発明の共重合体以外のゴム成分、無機充填剤、カーボンブラック、架橋剤、などを含むことが好ましい。
【0075】
<共重合体>
本発明の共重合体のゴム成分中の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3質量%以上が好ましい。
前記共重合体のゴム成分中の含有量が、3質量%未満であると、本発明の特徴が小さかったり、またはその特徴を発揮しなかったりすることがある。
【0076】
<ゴム成分>
前記ゴム成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の共重合体、天然ゴム、各種ブタジエンゴム、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、イソブチレンとp−メチルスチレンの共重合体の臭化物、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリロブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0077】
前記ゴム組成物には、必要に応じて補強性充填剤を配合することができる。前記補強性充填剤としては、カーボンブラック、無機充填剤、などを挙げることができ、カーボンブラック及び無機充填剤から選択される少なくとも一種が好ましい。
<無機充填剤>
前記無機充填剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、水酸化アルミニウム、クレー、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、無機充填剤を用いる時は適宜シランカップリング剤を使用してもよい。
【0078】
前記補強性充填剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、5質量部〜200質量部が好ましい。
前記補強性充填剤の含有量が、5質量部未満であると、補強性充填剤を入れる効果があまりみられないことがあり、200質量部を超えると補強性充填剤が混ざり込まなくなる傾向があり、ゴム組成物としての性能を低下させることがある。
【0079】
<架橋剤>
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫黄系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤、無機架橋剤、ポリアミン架橋剤、樹脂架橋剤、硫黄化合物系架橋剤、オキシム−ニトロソアミン系架橋剤硫黄などが挙げられるが、中でもタイヤ用ゴム組成物としては硫黄系架橋剤がより好ましい。
【0080】
前記架橋剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部〜20質量部が好ましい。
前記架橋剤の含有量が0.1質量部未満では、架橋がほとんど進行しなかったり、20質量部を超えると一部の架橋剤により混練り中に架橋が進んでしまう傾向があったり、加硫物の物性が損なわれたりすることがある。
【0081】
<その他の成分>
その他に加硫促進剤を併用することも可能であり、加硫促進剤としては、グアジニン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の化合物が使用できる。
また必要に応じて、補強剤、軟化剤、充填剤、加硫助剤、着色剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、着色防止剤、その他の配合剤など公知のものをその使用目的に応じて使用することができる。
【0082】
(架橋ゴム組成物)
本発明の架橋ゴム組成物は、本発明のゴム組成物を架橋して得られたものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記架橋の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度120℃〜200℃、加温時間1分間〜900分間が好ましい。
【0083】
(タイヤ)
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物、又は、本発明の架橋ゴム組成物を用いたものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明のゴム組成物、又は、本発明の架橋ゴム組成物のタイヤにおける適用部位としては、例えば、トレッド、ベーストレッド、サイドウォール、サイド補強ゴム及びビードフィラーなどが挙げられるが、これに限定されない。
前記タイヤを製造する方法としては、慣用の方法を用いることができる。例えば、タイヤ成形用ドラム上に未加硫ゴムからなるカーカス層、ベルト層、トレッド層等の通常タイヤ製造に用いられる部材を順次貼り重ね、ドラムを抜き去ってグリーンタイヤとする。次いで、このグリーンタイヤを常法に従って加熱加硫することにより、所望のタイヤを製造することができる。
【0084】
(タイヤ以外の用途)
タイヤ用途以外にも、防振ゴム、免震ゴム、ベルト(コンベアベルト)、ゴムクローラ、各種ホース、モランなどに本発明のゴム組成物、又は、本発明の架橋ゴム組成物を使用することができる。
【実施例】
【0085】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら
限定されるものではない。
【0086】
<Sc[N(SiHMe・(thf)および(2−MeCSc{N(SiHMe}の合成>
Sc[N(SiHMe・(thf)および(2−MeCSc{N(SiHMe}は、Dalton Trans.,2008,2531−2533を参考に合成した。ここで、thfは、配位溶媒としてのテトラヒドロフランを意味する。
【0087】
<(2−MeCSc(MeAlMe)の合成>
窒素雰囲気下のもと、(2−MeCSc{N(SiHMe}(0.37g, 0.85mmol)とAlMe(2.0mmol、アルドリッチ社製)をヘキサン20mL中、室温で16時間攪拌し反応させた。その後、溶媒を減圧留去したのち、残留物をヘキサンで数回洗浄し、その後ヘキサンをゆっくり減圧留去したところ黄色粉末である(2−MeCSc(MeAlMe)(0.15g, 45%)を得た。
【0088】
<(CMeSiMe)Sc(CHSiMe(thf)の合成>
(CMeSiMe)Sc(CHSiMe(thf)は、J.Am.Chem.Soc.,2004,126(43)13910−13911を参考に合成した。
【0089】
(実施例1)
十分に乾燥した400mL耐圧ガラス反応器に、1,3−ブタジエン23.76g(0.44mol)を含むトルエン溶液300mLを添加した後、エチレンを0.8MPaで導入した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にトリスビスジメチルシリルアミドスカンジウムSc[N(SiHMe・(thf)を500μmol、MeNHPhB(C、600μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド10.0mmolを仕込み、トルエン25mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、スカンジウム換算で440μmolとなる量をモノマー溶液へ添加し、室温で180分間重合を行った。重合後、NS−5、5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、70℃で真空乾燥し共重合体Aを得た。得られた共重合体Aの収量は37.40gであった。
【0090】
(実施例2)
十分に乾燥した400mL耐圧ガラス反応器に、1,3−ブタジエン3.12g(0.058mol)を含むトルエン溶液200mLを添加した後、エチレンを0.8MPaで導入した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に(2−MeCSc(MeAlMe)21.0μmol、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)21.0μmol、及びトリイソブチルアルミニウム0.30mmolを仕込み、トルエン5mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、モノマー溶液へ添加し、25℃で90分間重合を行った。重合後、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、70℃で真空乾燥し共重合体Bを得た。得られた共重合体Bの収量は9.60gであった。
【0091】
(実施例3)
1,3−ブタジエン9.36g(0.173mol)、エチレン圧0.6MPa、トリイソブチルアルミニウム0.25mmolを用い、重合時間を50分間とすること以外は実施例2と同様に反応を行ったところ、共重合体Cを収量9.30gで得た。
【0092】
(実施例4)
1,3−ブタジエン8.40g(0.156mol)、エチレン圧0.8MPa、トリイソブチルアルミニウム0.61mmolを用い、重合温度35℃で50分間とすること以外は実施例2と同様に反応を行ったところ、共重合体Dを収量8.10gで得た。
【0093】
(実施例5)
十分に乾燥した400mL耐圧ガラス反応器に、1,3−ブタジエン10.70g(0.198mol)を含むトルエン溶液200mLを添加した後、エチレンを0.8MPaで導入した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に(CMeSiMe)Sc(CHSiMe(thf)17.0μmol、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)17.0μmol、及びトリエチルアルミニウム0.30mmolを仕込み、トルエン5mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、モノマー溶液へ添加し、25℃で3分間重合を行った。重合後、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、70℃で真空乾燥し共重合体Eを得た。得られた共重合体Eの収量は11.30gであった。
【0094】
(比較例1)
十分に乾燥した400mL耐圧ガラス反応器に、1,3−ブタジエン13.58g(0.25mol)を含むトルエン溶液325mLを添加した後、エチレンを0.4MPaで導入した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にビス(2−フェニルインデニル)ガドリニウムビス(ジメチルシリルアミド)[(2−PhCGdN(SiHMe]18.0μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(MeNHPhB(C)36.0μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド0.90mmolを仕込み、トルエン10mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、ガドリニウム換算で17.5μmolとなる量をモノマー溶液へ添加し、室温で180分間重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、70℃で真空乾燥し共重合体Fを得た。得られた共重合体Fの収量は12.00gであった。
【0095】
(比較例2)
特開2000−86857号公報の製造例1と同様に、内容積150mlの密封型耐圧ガラスアンプルに、窒素雰囲気下で、トルエン26.0gとメチルアルミノサン6.7mmolのトルエン溶液(東ソー・アクゾ社製)を仕込んだ。エージング温度(25℃)にアンプルを保持し、2−メトキシカルボニルメチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン〔MeO(CO)CHCpTiCl〕(TiES)0.0067mmolのトルエン溶液を滴下しエージング時間(5分間)保持した。その後、−25℃としてブタジエン2.0gとトルエン6.0gの溶液を添加してこの温度にて30分間重合させた。引き続きこの容器にエチレンで5kgf/cmの圧力をかけ、約1時間反応させた。その後、少量の酸性メタノール溶液で重合反応を停止し、次いで重合溶液を大量の酸性メタノールに注ぎ込み、析出した白色固体をろ取、乾燥し、共重合体Gを得た。
【0096】
上記のようにして製造した実施例1〜5の共重合体A〜E及び比較例1及び2の共重合体F、Gについて、ミクロ構造、エチレン含有率、重量平均分子量(Mw)、及び分子量分布(Mw/Mn)を下記の方法で測定・評価した。
【0097】
(1)ミクロ構造
共重合体中のブタジエン部分のミクロ構造を、H−NMRスペクトル(1,2−ビニル結合の結合量)及び13C−NMRスペクトル(シス−1,4結合とトランス−1,4結合の含有量比)の積分比より求めた。シス−1,4結合量(mol%)及び1,2−ビニル結合量(mol%)の計算値を表1に示す。
(2)エチレンの含有率
共重合体中のエチレン部分の含有率(mol%)を 13C−NMRスペクトル(100℃、d−テトラクロロエタン標準:73.8ppm)により全体のエチレン結合成分(28.5−30.0ppm)と全体のブタジエン結合成分(26.5−27.5ppm+31.5−32.5ppm)の積分比より求めた。エチレン部分の含有率(mol%)を表1に示す。
(3)重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー製HLC−8121GPC
/HT、カラム:東ソー製GMHHR−H(S)HT(2本直列)、検出器:示差屈折率
計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、重合体のポリスチレン換算の重量平均
分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
【0098】
【表1】

【0099】
実施例4、5および比較例1、2については表2に示す配合処方のゴム配合物を調製し、160℃で20分間加硫して得た加硫ゴムに対し、下記の方法に従って、低温特性、ウェット性及び耐侯性を測定した。
【0100】
【表2】

【0101】
※1:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−p−フェニレンジアミン、大内新興化学(株)製、ノックラック6C
※2:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学(株)製、ノクセラーCZ−G
※3:ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学(株)製、ノクセラーDM−P
【0102】
《低温特性》
動的スペクトロメーター(米国レオメトリックス社製)を使用し、引張動歪1%、周波数15Hzの条件で0℃における弾性率G‘を測定した。表3においては、比較例1を100として指数表示した。指数値が小さい程、低温特性に優れることを示す。
【0103】
《ウェット性》
ポータブルウェットスキッドテスターを用い、表面を水で濡らしたコンクリート路面上で、室温にて滑り抵抗を測定した表3においては、比較例1を100として指数表示した。指数が大きい程ウェット性が良好であることを示す。
【0104】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明の共重合体は、エラストマー製品全般、特にタイヤ部材に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの共重合体であって、共役ジエン化合物部分の1,2−ビニル結合量が10mol%以上であることを特徴とする共重合体。
【請求項2】
前記共役ジエン化合物部分のシス−1,4結合量が、50〜90mol%であることを特徴とする請求項1に記載の共重合体。
【請求項3】
非共役オレフィン部分の含有量が0mol%を超え且つ50mol%以下であることを特徴とする請求項1に記載の共重合体。
【請求項4】
ポリスチレン換算重量平均分子量が10,000〜10,000,000であることを特徴とする請求項1に記載の共重合体。
【請求項5】
分子量分布(Mw/Mn)が10以下であることを特徴とする請求項1に記載の共重合体。
【請求項6】
前記非共役オレフィンが、α−オレフィンであることを特徴とする請求項1に記載の共重合体。
【請求項7】
前記非共役オレフィンが、炭素数が2〜10であることを特徴とする請求項1又は6に記載の共重合体。
【請求項8】
前記非共役オレフィンが、エチレン、プロピレン及び1−ブテンよりなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項7に記載の共重合体。
【請求項9】
前記非共役オレフィンが、エチレンであることを特徴とする請求項8に記載の共重合体。
【請求項10】
前記共役ジエン化合物が、炭素数が4〜8であることを特徴とする請求項1に記載の共重合体。
【請求項11】
前記共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン及びイソプレンよりなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項10に記載の共重合体。
【請求項12】
スカンジウム化合物又はスカンジウム化合物とルイス塩基との反応物の存在下、共役ジエン化合物と、非共役オレフィンとを重合させる工程を含むことを特徴とする共重合体の製造方法。
【請求項13】
前記スカンジウム化合物又はスカンジウム化合物とルイス塩基との反応物が、下記一般式(I):
【化8】

(式中、Cpは、それぞれ独立して無置換もしくは置換インデニルを示し、R〜Rは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す)で表されるメタロセン錯体、及び下記一般式(II):
【化9】

(式中、Cpは、それぞれ独立して無置換もしくは置換インデニルを示し、X'は、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す)で表されるメタロセン錯体、下記一般式(III):
【化10】

(式中、Cp'は、無置換もしくは置換シクロペンタジエニル、インデニル又はフルオレニルを示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示し、[B]は、非配位性アニオンを示す)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体、並びに下記一般式(IV):
ScX''・L'w ・・・ (IV)
[式中、X''は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基、炭化水素基、アルデヒド残基、ケトン残基、カルボン酸残基、チオカルボン酸残基又はリン化合物残基を示し、L'は、ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す]で表されるスカンジウム化合物もしくはスカンジウム化合物とルイス塩基との反応物からなる群より選択されることを特徴とする請求項12に記載の共重合体の製造方法。
【請求項14】
請求項1に記載の共重合体を含むことを特徴とするゴム組成物。
【請求項15】
ゴム成分100質量部に対し、補強性充填剤5質量部〜200質量部と、架橋剤0.1質量部〜20質量部とを含むことを特徴とする請求項14に記載のゴム組成物。
【請求項16】
請求項14に記載のゴム組成物を架橋して得られたことを特徴とする架橋ゴム組成物。
【請求項17】
請求項14に記載のゴム組成物、又は、請求項16に記載の架橋ゴム組成物を用いたことを特徴とするタイヤ。

【公開番号】特開2012−131965(P2012−131965A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23403(P2011−23403)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】