説明

共重合芳香族ポリエステル組成物、その製造方法およびそれを用いた二軸配向フィルム

【課題】寸法安定性に優れる6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合した共重合芳香族ポリエステル中の大きな粒子の凝集を含まない共重合芳香族ポリエステルおよびそれを用いた二軸配向フィルムの提供。
【解決手段】6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を5モル%以上80モル%未満の範囲で有する芳香族ジカルボン酸成分とアルキレングリコールと平均粒径が0.01〜0.5μmの不活性粒子とからなる共重合芳香族ポリエステル組成物であって、
不活性粒子の含有量が、該共重合芳香族ポリエステル組成物の質量を基準として、0.01〜5.0質量%の範囲で、かつ孔径8μmの直孔性フィルターを通過できない不活性粒子の凝集体数が、含有する不活性粒子の重量を基準として、100個/100g以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合した不活性粒子を含有する芳香族ポリエステル組成物、その製造方法およびそれを用いた二軸配向フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表されるポリエステルは優れた機械的特性、寸法安定性および耐熱性を有することから、フィルムなどに幅広く使用されている。特にポリエチレン−2,6−ナフタレートは、ポリエチレンテレフタレートよりも優れた機械的特性、寸法安定性および耐熱性を有することから、それらの要求の厳しい用途、例えば高密度磁気記録媒体などのベースフィルムなどに使用されている。しかしながら、近年の高密度磁気記録媒体などでの寸法安定性、特に温度や湿度の変化に対する寸法安定性の要求はますます高くなってきており、さらなる特性の向上が求められている。
【0003】
温度や湿度の変化に対する寸法変化を小さくする方法としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートの場合、湿度膨張係数と温度膨張係数とはともにヤング率と非常に密接な関係にあり、その方向のヤング率を高くすればよい。しかしながら、ヤング率を高めるにはその方向により厳しい延伸条件で延伸することとなり、例えばフィルム中に存在する粗大異物とポリマーの界面に剥離が生じ、フライスペックと言われる欠陥が生じやすくなる。また、特許文献3では、湿度膨張係数の小さいポリマーとして、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を酸成分として用いたポリエステルが提案されている。しかしながら、その実施例を見ても分かるように、湿度膨張係数は低いものの、温度膨張係数が非常に高いものであった。
【0004】
そこで、さらに研究を進めたところ、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合成分として用いても湿度膨張係数を小さくでき、しかも温度膨張係数はヤング率を高くしていくことで小さくできるとの知見を得た(特許文献4、5)。また特許文献6では、粒子を含んだ6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合成分とした芳香族ポリエステルが提案されている。しかし、従来からよく使用されているポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートと比べ、特に粒径の小さい粒子では分散性が悪いという問題を抱えており、上記特許文献6ではこの点について提案されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60−135428号公報
【特許文献2】特開昭60−221420号公報
【特許文献3】特開昭61−145724号公報
【特許文献4】特開2008−189799号公報
【特許文献5】特開2008−189800号公報
【特許文献6】特開2009−13215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の問題点を解消し、凝集が少なく、均一に分散された平均粒径の小さな不活性粒子の含んだ6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合した共重合芳香族ポリエステル組成物、その製造方法およびそれを用いた二軸配向フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決しようと鋭意研究したとき、平均粒径の小さな不活性粒子を加圧下でかつアルキレングリコールの沸点以下の温度にて添加することによって凝集が少なく、均一に分散された平均粒径の小さな不活性粒子を含んだ下記構造式(I)が共重合された芳香族ポリエステル組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
かくして本発明によれば、主たる芳香族ジカルボン酸成分が下記構造式(I)と下記構造式(II)で、主たるグリコール成分が下記構造式(III)で、下記構造式(I)の割合が、全芳香族ジカルボン酸成分のモル数を基準として、5モル%以上80モル%未満の範囲にある芳香族ポリエステルと、平均粒径が0.01〜0.5μmの不活性粒子とからなる共重合芳香族ポリエステル組成物であって、
不活性粒子の含有量が、該共重合芳香族ポリエステル組成物の質量を基準として、0.01〜5.0質量%の範囲で、かつ孔径8μmの直孔性フィルターを通過できない不活性粒子の凝集体数が、含有する不活性粒子の重量を基準として、100個/100g以下である共重合芳香族ポリエステル組成物が提供される。
HO(O)C−R−ORO−R−C(O)OH (I)
HO(O)C−R−C(O)OH (II)
HO−R−OH (III)
(上記式(I)〜(III)中の、Rは炭素数2〜8のアルキレン基であり、Rは2,6−ナフタレンジイル基であり、Rはフェニレン基またはナフタレンジイル基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基またはシクロヘキサンジメチレン基を示す。)
【0009】
また、上記本発明の好ましい態様として、前記構造式(II)で表わされる芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分および2,7−ナフタレンジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも1種であること、アルキレングリコール成分は、その90モル%以上がエチレングリコール成分であることの少なくともいずれか一つを具備する共重合芳香族ポリエステル組成物も提供される。
【0010】
さらにまた、上記本発明の共重合芳香族ポリエステル組成物の製造方法として、平均粒径が0.01〜0.5μmの不活性粒子の添加時期が、共重合芳香族ポリエステルの重縮合反応前に、0.02〜0.5MPaの加圧下および195℃以上前記式(III)で表されるアルキレングリコールの沸点以下の温度で添加する共重合芳香族ポリエステル組成物の製造方法と、上記本発明の共重合芳香族ポリエステル組成物を用いた二軸配向フィルも提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、寸法安定性に優れる6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合した共重合芳香族ポリエステルに、粒子の凝集を防止しつつ不活性粒子を含有させることができ、高密度磁気記録媒体のベースフィルムに適したポリエステル組成物およびそれを用いた二軸配向フィルムが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において、共重合芳香族ポリエステルを形成する主たる芳香族ジカルボン成分としては、前記式(I)および(II)で挙げられたものであることが、フィルムなどに成形したときに十分な機械的特性などを具備させるために必要である。
【0013】
本発明における、前記の構造式(I)で示される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分としては、Rの部分が炭素数2〜8のアルキレン基であるものであり、好ましくは6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、6,6’−(トリメチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分および6,6’−(ブチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分などが挙げられ、これらの中でも本発明の効果の点からは、上記一般式(I)におけるRの炭素数が偶数のものが好ましく、特に6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が好ましい。さらに好ましくは、本発明の特徴である不活性粒子のポリエステル組成物中の分散状態を良化させるために、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸の低級アルキルエステルを使用することが好ましい。
【0014】
前述の構造式(II)で示される酸成分としては、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、2,7−ナフタレンジカルボン酸成分などが挙げられる。これらの中でも、機械的特性などの点からテレフタル酸成分、2、6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましく、特に2、6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましい。
【0015】
また、前述の構造式(III)で示されるグリコール成分としては、エチレングリコール成分、トリメチレングリコール成分、テトラメチレングリコール成分、シクロヘキサンジメタノール成分などが好ましく挙げられ、機械的特性などの点からグリコール成分の90モル%以上はエチレングリコール成分であることが好ましく、さらに95〜100モル%がエチレングリコール成分であることが好ましい。
【0016】
また本発明の特徴として、ポリエステルの酸成分の内、全酸成分のモル数を基準として、5〜80モル%の範囲で上記構造式(I)で示される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分が共重合されていることである。6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の割合が下限未満では、湿度膨張係数の低減効果などが発現されがたい。一方、上限は成形性などの観点から80モル%以下が好ましい。特に好ましいのは15〜75モル%で、成形性などの点からは15〜35モル%が好ましく、マスターポリマーとして用いる場合は、50〜75モル%の範囲が好ましい。このような特定量の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合したポリエステルを用いることで、温度膨張係数と湿度膨張係数も小さい成形品、例えばフィルムなどを製造することができる。
【0017】
ところで、本発明の特徴の一つは、得られる成形品の取扱い性を向上させる観点から、平均粒径0.01〜0.5μm以下の不活性粒子を、樹脂組成物の質量を基準として0.01質量%以上5.0質量%以下含有することが必要である。平均粒径について好ましくは、0.4μm以下であり、さらに好ましくは0.3μm以下であり、上限を越えると本発明による効果が望みにくい。他方、下限については、さらに不活性粒子同士の凝集を抑える観点から0.03μm以上、さらに0.05μm以上が好ましい。また、含有量については、好ましくは0.03質量%〜4.0質量%の範囲、さらに好ましくは0.05質量%〜3.0質量%の範囲である。含有量が下限未満では、粒子の数が少なく本発明による効果が明確となり難く、含有量が上限を超えると得られるフィルムの表面の粗さが大きくなりすぎ、特に磁気記録媒体用として使用できなくなる。また、得られた共重合芳香族ポリエステル組成物をテトラエチレングリコールに溶解させた後、孔径8μmの直孔性フィルターを通過できない不活性粒子の凝集体数が、含有する不活性粒子の質量を基準として、100個/100g以下であることが必要である。好ましくは80個/100g以下、さらに好ましくは50個/100g以下である。この通過できない不活性粒子の凝集体が上限以上であると、共重合ポリエステルを溶融状態でろ過する工程でのフィルター詰りが発生しやすく、また得られるフィルムのフライスペックが増加し、磁気記録媒体用のフィルムとして使用できなくなる。
【0018】
本発明で使用する不活性粒子としては、特に制限されないが、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、カオリナイト、タルクなどの無機粒子やシリコーンなどの有機粒子などを好ましく例示でき、この中でも、その表面にポリマー親和性がある水酸基を持つ不活性粒子、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、シリコーンなどが好ましい。もちろん、これらの不活性粒子は、1種類のみで使用しても2種類以上で併用してもよい。なお、2種類以上の不活性粒子を用いる場合、異なる種類の不活性微粒子を用いても、異なる粒径の粒子を用いても、あるいは種類も粒径も異なる不活性粒子の用いてもよい。
【0019】
また、本発明で使用する不活性粒子は、不活性粒子自体に含まれる粗大粒子の少ないものが好ましく、積算粒子数70%の粒子径(D70)を積算粒子数30%の粒子径(D30)で割った値(D70/D30)が1.2〜2.0の範囲にあることが好ましい。さらにまた、本発明で使用する不活性粒子は、フィルムとしたときに比較的均一な突起高さの突起を形成しやすい球状の形状を有する粒子が好ましいことから、不活性粒子の長径の平均値(D)を、不活性粒子の短径の平均値(D)で割った値(D/D)が1.0〜1.2の範囲にあることが好ましい。
【0020】
もちろん、本発明の共重合芳香族ポリエステル組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の共重合成分をさらに共重合、例えば繰り返し単位のモル数に対して10モル%以下、さらに5モル%以下の範囲で共重合していてもよい。具体的なさらなる共重合成分としては、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸成分、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸成分、4,4’−ジフェニルジカルボン酸成分、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸成分、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸成分、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸成分、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸成分などの芳香族ジカルボン酸成分、ヘキサヒドロテレフタル酸成分、ヘキサヒドロイソフタル酸成分などの脂環式ジカルボン酸成分、コハク酸成分、グルタル酸成分、アジピン酸成分、ピメリン酸成分、スベリン酸成分、アゼライン酸成分、セバシン酸成分、ウンデカジカルボン酸成分、ドデカジカルボン酸成分などの脂肪族ジカルボン酸成分、イソプロピレングリコール成分、テトラメチレングリコール成分、ヘキサメチレングリコール成分、オクタメチレングリコール成分、ジエチレングリコール成分などのグリコール成分、グリコール酸成分、p−ヒドロキシ安息香酸成分、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸成分などのヒドロキシカルボン酸成分や、アルコキシカルボン酸成分、ステアリルアルコール成分、ベンジルアルコール成分、ステアリン酸成分、ベヘン酸成分、安息香酸成分、t−ブチル安息香酸成分、ベンゾイル安息香酸成分などの単官能成分、トリカルバリル酸成分、トリメリット酸成分、トリメシン酸成分、ピロメリット酸成分、ナフタレンテトラカルボン酸成分、トリメチロールエタン成分、トリメチロールプロパン成分、グリセロール成分、ペンタエリスリトール成分などが挙げられる。
【0021】
また、本発明の共重合芳香族ポリエステル組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の熱可塑性ポリマー、紫外線吸収剤等の安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、離型剤、顔料、核剤、充填剤あるいはガラス繊維、炭素繊維、層状ケイ酸塩などを必要に応じて配合してポリエステル組成物としても良く、そのようなポリエステル組成物にすることは得られる成形品に更なる特性を付与しやすいことから好ましい。なお、他の熱可塑性ポリマーとしては、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルイミド、液晶性樹脂、さらには6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸の共重合量が外れるポリエステル系樹脂などが挙げられる。
【0022】
つぎに、本発明の共重合芳香族ポリエステル組成物を得ることができる製造方法について、以下、詳述する。但し、本発明の共重合芳香族ポリエステル組成物は、以下の製造方法で製造されたものに限定されるわけではない。
【0023】
まず、原料としては、前記構造式(I)、(II)、(III)で示される芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールもしくはそれらのエステル形成性誘導体(炭素数1〜4のアルキル基が付加したもの。)を用意し、これらをエステル化反応もしくはエステル交換反応させる。この第一反応であるエステル交換反応およびエステル化反応は、前記構造式(I)を形成しうる6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸もしくはその低級アルキルエステルとアルキレングリコールとの反応を、前記構造式(II)を形成しうる芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とアルキレングリコールとの反応と、一緒に行ってもよいし別々に行っても良い。好ましくは製造工程を簡略化できることから、両方を一緒に行うことが好ましい。なお、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸の低級アルキルエステルは、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸と異なり融点を持つため、溶融状態でフィルターにてろ過を行った後で第一反応の反応器に添加しても良く、好ましい態様である。
【0024】
ところで、本発明の製造方法は、上記第一反応を、0.02〜0.5MPaの加圧下で行うことが反応速度をより速めやすく、またアルキレングリコールの沸点を高めることができることから必要である。添加する不活性粒子は、アルキレングリコールスラリー状で添加する必要があり、スラリー中の不活性粒子の濃度は、スラリーの質量を基準として、1.0〜30質量%の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは3.0〜25質量%である。濃度が低いほど不活性粒子の分散性は向上するものの、濃度が低いほど反応系内に余剰のアルキレングリコールが増加し、副生物であるジアルキレングリコールの発生量が増加する。
【0025】
また、本発明では、0.02〜0.5MPaの加圧下で上記の不活性粒子をアルキレングリコールスラリーの状態で添加することが必要である。これは、アルキレングリコールと溶融状態の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の親和性が良くなく、この親和性は温度が高くなるほど増す傾向にあることから温度を高くしていくと、今度はアルキレングリコールが蒸発し、不活性粒子が凝集しやすくなる。したがって、不活性粒子のアルキレングリコールスラリーはそのアルキレングリコールの沸点以下で、かつなるべく高い温度で添加することが、不活性粒子の凝集を抑えるために必要である。
【0026】
そのような観点から、第一反応は、200〜240℃の温度範囲で行うことが好ましい。反応圧力を上記範囲内とすることで反応の進行を進みやすくしつつ、ジアルキレングリコールに代表される副生物の発生を抑制できる。また、第一反応の反応速度をより早くするには、それ自体公知の触媒を用いることが好ましく、たとえばLi,Na,K,Mg,Ca,Mn、Co、Tiなどの金属成分を有する金属化合物が好ましく挙げられ、これらの中でも加圧下で行う場合は、反応の進みやすさの点からMnやTi化合物が好ましい。特にTi化合物は、さらに重縮合反応触媒としても使用でき、かつ触媒残渣の析出も少ないことから好ましい。本発明で用いるチタン化合物としては、触媒残渣の析出による不溶性粗大異物の発生を抑制する観点からポリエステル中に可溶な有機チタン化合物が好ましい。特に好ましいチタン化合物としては、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラフェノキシド、トリメリット酸チタンなどを好ましく例示できる。
【0027】
添加する触媒量は、第一反応中に存在する全酸成分のモル数を基準として、金属元素換算で、5〜100ミリモル%の範囲にあることが好ましく、さらに7〜70ミリモル%、特に10〜60ミリモル%の範囲にあることが反応速度を促進しつつ、触媒起因の粗大不溶性異物の生成を抑制でき、さらに得られる共重合芳香族ポリエステルの耐熱性を高度に維持できることから好ましい。
【0028】
つぎに、第一反応で得られた前駆体を重縮合反応させる第二反応について説明する。
本発明では、得られる共重合芳香族ポリエステル組成物に、高度の熱安定性を付与させる目的で、第二反応における重縮合反応の開始以前に、反応系にリン化合物からなる熱安定剤を添加することが好ましい。具体的なリン化合物としては、化合物中にリン元素を有するものであれば特に限定されず、例えば、リン酸、亜リン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、リン酸アンモニウム、トリエチルホスホノアセテート、メチルジエチルホスホノアセテートなどを挙げることができ、これらのリン化合物は二種以上を併用してもよい。なお、リン化合物の添加時期は、第一反応が実質的に終了してから第二反応である重縮合反応初期の間に行なうことが好ましく、添加は一度に行ってもよいし、2回以上に分割して行ってもよい。触媒で使用したチタン化合物とリン化合物の量は、それぞれの元素量(リン:P、チタン:Ti)のモル比(P/Ti)は2以下、さらに1.5以下であることが、重縮合反応の反応性の点から好ましい。また、第一反応で得られたポリエステル前駆体を、第二反応を開始する前に、ろ過をあらかじめ行うことは好ましい態様である。
【0029】
また、重縮合反応は、270℃〜300℃の温度範囲で、50Pa以下の減圧下で行うのが好ましい。重縮合反応中の圧力が上限より高いと重縮合反応に要する時間が長くなり且つ重合度の高い共重合芳香族ポリエステル組成物を得ることが困難になる。重縮合触媒としては、それ自体公知のTi,Al,Sb,Geなどの金属化合物を好適に使用でき、それらの中でも第1反応に添加されたチタン化合物を引き続き使用することが触媒残渣による粗大異物の発生を抑制できることから好ましい。
【0030】
また、本発明の共重合芳香族ポリエステル組成物は、P−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度が、0.4〜1.5dl/g、さらに0.5〜1.3dl/gの範囲にあることが取扱い性や機械的特性などの点から好ましい。
【0031】
このようにして得られる本発明の共重合芳香族ポリエステル組成物は、押出成形法、射出成形法、押出しブロー成形法、カレンダー成形法により、各種の成形品とすることができ、そのようにして得られたシート状物を、製膜方向と幅方向とに延伸することで二軸配向フィルムとすることができる。
【実施例】
【0032】
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本発明における共重合芳香族ポリエステル組成物および二軸配向フィルムの特性は、下記の方法で測定および評価した。
【0033】
(1)粒子の平均粒径、
レーザー散乱式粒度分布測定器(島津製作所製SALD2000)を用いて測定した積算粒度分布から、積算粒子数(体積換算)50%の粒子径を平均粒径とした。
【0034】
(2)酸成分の組成
試料60mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに140℃で溶解し、150MHzの13C−NMR(日本電子株式会社製、JEOL A600)を用いて140℃で測定し、それぞれの酸成分量を求めた。
【0035】
(3)固有粘度
得られたポリエステルの固有粘度はP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いて、35℃で測定して求めた。
【0036】
(4)ポリエステル樹脂中の不活性粒子含有量
得られたポリエステルをルツボ中で500℃に加熱し、加熱前後の重量差を測定して求めた。
【0037】
(5)フィルター不通過粒子凝集体数
得られた共重合芳香族ポリエステル組成物を、その重量を測定した後、テトラエチレングリコールにて300℃で加熱溶解させ、冷却後、孔径8μmのポアフィルターでろ過をおこなった。このフィルターをイオンエッチング、金蒸着後、走査型電子顕微鏡(日立製S-2150)を用いて粒子の凝集体数のカウントを行い、前述の(4)で測定した不活性粒子の含有量から加熱溶解した共重合芳香族ポリエステル組成物中に含まれる不活性粒子の重量を算出し、不活性粒子100g当りの数に換算した。
【0038】
(6)フィルム中の粒子の凝集率
フィルムサンプルを走査型電子顕微鏡(日立製S-2150)を用いて、2×10-3mmにある全一次粒子数及び凝集粒子の数をカウントし求めた。なお、ここで、2ケ以上の一次粒子が集まっているものを凝集粒子とし、2ケの一次粒子が凝集した凝集粒子の個数は2個、3ケの一次粒子が凝集した凝集粒子の個数は3個とカウントした。
凝集粒子率(%)=凝集粒子数÷全一次粒子数×100
【0039】
[実施例1]
6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエチル32kg(69.9モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル7.3kg(30.0モル)、エチレングリコール16.7kgを攪拌機、精留塔、冷却器を供えた反応槽に仕込み、150℃まで昇温した。その後、チタンテトラブトキシドとトリメリット酸無水物をモル比1:2で175℃、4時間反応させた反応物(トリメリット酸チタン)を9.2g(15ミリモル%)添加し、反応槽全体を窒素により0.20MPaの加圧下で加熱した。反応温度が225℃に達した時点で、平均粒径0.1μmの真球状シリカ粒子濃度が5wt%であるエチレングリコールスラリー11.7kgをポットより反応槽に添加を行った。それから反応の進行に従い、圧力一定のまま内温を250℃まで上げた。その後反応槽内の圧力を常圧にゆっくりと戻し、トリエチルホスホノアセテート4.5g(20ミリモル%)を添加し、余剰のエチレングリコールを追い出した。
得られた反応生成物を重合反応槽へと移送し、重合反応槽では250℃からゆっくりと昇温しながら、また減圧させながら重縮合反応を行い、最終的に290℃、50Paで所定の重合度になるまで重縮合を行い、共重合芳香族ポリエステル1を製造した。
【0040】
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル30kg(123.0モル)、エチレングリコール15.3kgを攪拌機、精留塔、冷却器を供えた反応槽に仕込み、150℃まで昇温した。その後、チタンテトラブトキシドとトリメリット酸無水物をモル比1:2で175℃、4時間反応させた反応物(トリメリット酸チタン)を5.3g(7ミリモル%)添加し、反応槽全体を窒素により0.1MPaの圧力下で加熱して、反応の進行に従い、圧力一定のまま内温を240℃まで上げた。その後、反応槽内の圧力を常圧にゆっくりと戻し、トリエチルホスホノアセテート4.1g(15ミリモル%)を添加し、余剰のエチレングリコールを追い出した。
得られた反応生成物を重合反応槽へと移送し、重合反応槽では250℃からゆっくりと昇温しながら、また減圧させながら重縮合反応を行い、最終的に290℃、50Paで所定の重合度になるまで重縮合を行い、共重合芳香族ポリエステル2を製造した。
このようにして得られたポリエステル1とポリエステル2を重量比1:1.6で混ぜた後、押し出し機に供給して290℃まで過熱して溶融状態とし、平均空孔径が3μmの金属不織布製のフィルターで濾過した後、ダイから溶融状態で回転中の温度50℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率4.5倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、150℃で横方向(幅方向)に延伸倍率5.0倍で延伸し、その後200℃で10秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた共重合芳香族ポリエステルおよび二軸配向共重合芳香族ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0041】
[実施例2]
6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジメチル 10kg(21.8モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル 21.3kg(87.2モル)、エチレングリコール14.9kgを攪拌機、精留塔、冷却器を供えた反応槽に仕込み、150℃まで昇温した。その後、チタンテトラブトキシドとトリメリット酸無水物をモル比1:2で175℃、4時間反応させた反応物(トリメリット酸チタン)を8.0g(12ミリモル%)添加し、反応槽全体を窒素により0.10MPaの加圧下で加熱した。反応温度が213℃に達した時点で、平均粒径0.1μmの真球状シリカ粒子濃度が10wt%であるエチレングリコールスラリー1.6kgをポットより反応槽に添加を行った。反応の進行に従い、圧力一定のまま内温を245℃まで上げた。その後、反応槽内の圧力を常圧にゆっくりと戻し、トリエチルホスホノアセテート3.9g(16ミリモル%)を添加し、余剰のエチレングリコールを追い出した。
得られた反応生成物を重合反応槽へと移送し、重合反応槽では250℃からゆっくりと昇温しながら、また減圧させながら重縮合反応を行い、最終的に290℃、50Paで所定の重合度になるまで重縮合を行い、共重合芳香族ポリエステル3を製造した。
このようにして得られたポリエステル3を押し出し機に供給して実施例1と同様の操作を行い厚さ5μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた共重合芳香族ポリエステルおよび二軸配向共重合芳香族ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0042】
[実施例3]
6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエチル32kg(69.9モル)、ジメチルテレフタレート5.8kg(29.9モル)、エチレングリコール16.7kgを攪拌機、精留塔、冷却器を供えた反応槽に仕込み、150℃まで昇温した。その後、チタンテトラブトキシドとトリメリット酸無水物をモル比1:2で175℃、4時間反応させた反応物(トリメリット酸チタン)を9.2g(15ミリモル%)添加し、反応槽全体を窒素により0.20MPaの加圧下で加熱した。反応温度が220℃に達した時点で、平均粒径0.1μmの真球状シリカ粒子濃度が10wt%であるエチレングリコールスラリー3.8kgをポットより反応槽に添加を行った。それから反応の進行に従い、圧力一定のまま内温を250℃まで上げた。その後反応槽内の圧力を常圧にゆっくりと戻し、トリエチルホスホノアセテート4.5g(20ミリモル%)を添加し、余剰のエチレングリコールを追い出した。
得られた反応生成物を重合反応槽へと移送し、重合反応槽では250℃からゆっくりと昇温しながら、また減圧させながら重縮合反応を行い、最終的に290℃、50Paで所定の重合度になるまで重縮合を行い、共重合芳香族ポリエステル4を製造した。
このようにして得られたポリエステル4とポリエステル2を重量比1:1.6で混ぜた後、押し出し機に供給して290℃まで過熱して溶融状態とし、平均空孔径が3μmの金属不織布製のフィルターで濾過した後、ダイから溶融状態で回転中の温度40℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が100℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率4.5倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、100℃で横方向(幅方向)に延伸倍率5.0倍で延伸し、その後200℃で10秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた共重合芳香族ポリエステルおよび二軸配向共重合芳香族ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0043】
[実施例4〜6]
エステル交換反応の加圧する圧力、粒子の添加温度、粒子種、粒子の平均粒径、粒子の添加量を変えたこと以外は実施例1と同様に行った。これら得られた共重合芳香族ポリエステルおよび二軸配向共重合芳香族ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0044】
[比較例1]
6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエチル32kg(69.9モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル7.3kg(30.0モル)、エチレングリコール16.7kgを攪拌機、精留塔、冷却器を供えた反応槽に仕込み、150℃まで昇温した。その後、チタンテトラブトキシドとトリメリット酸無水物をモル比1:2で175℃、4時間反応させた反応物(トリメリット酸チタン)を9.2g(15ミリモル%)添加し、加熱した。反応温度が190℃に達した時点で、平均粒径0.1μmの真球状シリカ粒子濃度が10wt%であるエチレングリコールスラリー5.85kgをポットより反応槽に添加を行った。それから反応槽全体を窒素により0.20MPaの加圧下で加熱し、反応の進行に従い、圧力一定のまま内温を250℃まで上げた。その後反応槽内の圧力を常圧にゆっくりと戻し、トリエチルホスホノアセテート4.5g(20ミリモル%)を添加し、余剰のエチレングリコールを追い出した。
得られた反応生成物を実施例1と同様に重縮合を行い、共重合芳香族ポリエステル5を製造した。また実施例1と同様にフィルム化を行った。ただし、フィルターが途中で詰りフィルム化は停止した。得られた共重合芳香族ポリエステルおよび二軸配向共重合芳香族ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0045】
[比較例2]
シリカ粒子をエステル交換反応終了後の反応温度235℃の時点で添加したこと以外は実施例1と同様に行った。この場合もフィルム工程のフィルターが途中で詰り、フィルム化を途中で停止した。得られた共重合芳香族ポリエステルおよび二軸配向共重合芳香族ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0046】
[比較例3]
粒子の添加温度、粒子のエチレングリコールスラリー濃度を変更した以外は実施例2と同様におこなった。この場合もフィルム工程のフィルターが途中で詰り、フィルム化を途中で停止した。得られた共重合芳香族ポリエステルおよび二軸配向共重合芳香族ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0047】
[比較例4]
粒子の添加温度を変更した以外は実施例1と同様におこなった。この場合もフィルム工程のフィルターが途中で詰り、フィルム化を途中で停止した。得られた共重合芳香族ポリエステルおよび二軸配向共重合芳香族ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0048】
[比較例5]
粒子の平均粒径、粒子の添加タイミング及び温度を変更したこと以外は比較例3と応用に行った。得られた共重合芳香族ポリエステルおよび二軸配向共重合芳香族ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0049】
【表1】

【0050】
表1中のENAは、6,6’−(エチレンジオキシ)−2−ナフトエ酸成分量、NDAは2,6−ナフタレンジカルボン酸成分量を示し、ゲージ圧力は大気圧に対してさらに加圧した圧力を示し、大気圧で加圧していないときは0MPaとなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主たる芳香族ジカルボン酸成分が下記構造式(I)と下記構造式(II)で、主たるグリコール成分が下記構造式(III)で、下記構造式(I)の割合が、全芳香族ジカルボン酸成分のモル数を基準として、5モル%以上80モル%未満の範囲にある芳香族ポリエステルと、平均粒径が0.01〜0.5μmの不活性粒子とからなる共重合芳香族ポリエステル組成物であって、
不活性粒子の含有量が、該共重合芳香族ポリエステル組成物の質量を基準として、0.01〜5.0質量%の範囲で、かつ孔径8μmの直孔性フィルターを通過できない不活性粒子の凝集体数が、含有する不活性粒子の重量を基準として、100個/100g以下であることを特徴とする共重合芳香族ポリエステル組成物。
HO(O)C−R−ORO−R−C(O)OH (I)
HO(O)C−R−C(O)OH (II)
HO−R−OH (III)
(上記式(I)〜(III)中の、Rは炭素数2〜8のアルキレン基であり、Rは2,6−ナフタレンジイル基であり、Rはフェニレン基またはナフタレンジイル基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基またはシクロヘキサンジメチレン基を示す。)
【請求項2】
前記構造式(II)で表わされる芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分および2,7−ナフタレンジカルボン酸成分からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の共重合芳香族ポリエステル組成物。
【請求項3】
アルキレングリコール成分は、その90モル%以上がエチレングリコール成分である請求項1記載の共重合芳香族ポリエステル組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の共重合芳香族ポリエステル組成物の製造方法であって、平均粒径が0.01〜0.5μmの不活性粒子の添加時期が、共重合芳香族ポリエステルの重縮合反応前に、0.02〜0.5MPaの加圧下および195℃以上前記式(III)で表されるアルキレングリコールの沸点以下の温度で添加することを特徴とする共重合芳香族ポリエステル組成物の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の共重合芳香族ポリエステル組成物を用いた二軸配向フィルム。

【公開番号】特開2012−41500(P2012−41500A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186174(P2010−186174)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000003001)帝人株式会社 (1,209)
【Fターム(参考)】