説明

典型制御ループ回線装置

【課題】典型制御ループ回線装置を提供する。
【解決手段】ディジタル制御システムと最終素子との間の組織と関連を構築し、原子力発電所の基本動作原理を表示でき、また、分散制御系を利用して、全所の自動制御やシステム更新及び原子力発電所の制御設計に関するデータの収集と整理が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、典型制御ループ回線装置に関し、特に、原子力発電所の基本動作原理を表示できる典型制御ループ回線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所は、沸騰水型(Boiling Water Reactor、BWR)と加圧水型(Pressurized Water Reactor、PWR)の2種類があり、また、該原子力発電所自身が膨大且つ複雑の組織構成であるため、全面的に動作の機能を巧く調和することが容易ではない。
【0003】
既存の火力発電所と石化業界に適用されるディジタル制御システムは、大部分が分散式制御方式であり、原子力発電所において、比較的に保守の設計を採用するため、ディジタル制御システムが割りと少なく採用され、そのため、一般の従来のものは実用的とは言えない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、ディジタル制御システムと最終素子との間の組織と関連を構築し、原子力発電所の基本動作原理を表示できる典型制御ループ回線装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の目的を達成するため、圧力槽と凝縮液槽、タービン制御弁、タービンバイパス制御弁、給水ポンプ、給水制御弁、給水ポンプバイパス制御弁、エア圧縮システム、水補給システム、エア排出システム及び水排出システムから構成される典型制御ループ回線装置であり、加熱装置がないため水蒸気を生成せず、エア圧縮システムでエアを噴出して水蒸気を模擬する。該装置のタービンは、Flow Transmitterで、原子力発電所のタービンの羽根を模擬し、水車の原理と同じである。また、水蒸気を生成しないため、凝縮液槽が原子力発電所の凝縮器を模擬することに利用され、実際に凝縮を行わない。その原理は、エアを該エア圧縮システムから該圧力槽に送り、該圧力槽内において、エアを水蒸気と比較的に乾燥であるエアに分離し、また、該凝縮液槽は、該タービンの羽根が仕事をした後、残りのエアと水蒸気を収集する収集器だけでなく、同時に水源として給水できる。該圧力槽と該凝縮液槽との間に、水蒸気配管とバイパス配管及び給水配管が設置され、該水蒸気配管のタービンの制御弁により該圧力槽から流出されたエアは、流量が調節されて四シリンダーの羽根を駆動した後、直接に該凝縮液槽に流れ、また、該バイパス配管のタービンバイパス制御弁により該圧力槽から直接に該凝縮液槽へ流れる水蒸気流量を調節し、また、該給水配管の給水ポンプと給水制御弁及び給水ポンプバイパス制御弁により、該圧力槽へ流れる水量を調節し、そして、該水蒸気配管と該バイパス配管及び該給水配管上の一部が透明管路であり、これにより新規の典型制御ループ回線装置が構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1〜図3は、それぞれ、本発明の流れ概念図と本発明のシステム配置概念図及び本発明のA細部の概念図である。図のように、本発明は典型制御ループ回線装置であり、少なくとも、圧力槽10と凝縮液槽11、タービン制御弁12、タービンバイパス制御弁13、給水ポンプ14、給水制御弁15、給水ポンプバイパス制御弁16、エア圧縮システム17、水補給システム18、エア排出システム19及び水排出システム20から構成される。
【0007】
該圧力槽10は、上層に水蒸気配管21に接続されるエア出口端があり、また、該水蒸気配管21に該タービン制御弁12が設置され、該水蒸気配管21は更に三つに分岐され、また、各分岐に四シリンダーの羽根3が設置され、タービンの羽根3同士の間に、それぞれ異なる三つの分岐である水蒸気配管21が接続され、また、複数の手動弁31が設置され、該圧力槽10は、中間層にバイパス配管22に接続される水蒸気出口端があり、また、該バイパス配管22に、該タービンバイパス制御弁13が設置され、該圧力槽10は、下層に給水配管23に接続される給水インレットがあり、該給水配管23に、該給水ポンプ14と該給水制御弁15が設置され、該給水配管23から給水バイパス配管231が分岐され、該給水バイパス配管231に、該給水ポンプバイパス制御弁16が設置され、該圧力槽10は、該水蒸気配管21と該バイパス配管22との間に、ウェブ状板1011である乾燥器101が設置され、また、該圧力槽10の上部排出位置に、自動逃し弁102が設置され、また、該圧力槽10の底部に、該水排出システム20に接続される第1の水排出弁201があり、また、該水蒸気配管21と該バイパス配管22、該給水配管23及び該給水ポンプバイパス配管231は、一部が透明管路により接続される。
【0008】
該凝縮液槽11は、上層に該水蒸気配管21に接続されるエアインレットがあり、中間層に該バイパス配管22に接続される水蒸気インレットがあり、また、下層に該給水配管23に接続される給水出口端があり、該凝縮液槽11は、上部に該エア排出システム19に接続されるエア排出弁191があり、また、底部に該水排出システム20に接続される第2の水排出弁202がある。
【0009】
該エア圧縮システム17は、エア乾燥機172とエア圧縮機173及びエア貯蔵槽174が備えられ、該エア圧縮システム17と該水補給システム18とは、それぞれ、給気制御弁171と水補給制御弁181が設置され、また、該給気制御弁171は該圧力槽10に接続され、該水補給制御弁181は該凝縮液槽11に接続される。上記の構造により、新規の典型制御ループ回線装置が構成される。
【0010】
本発明によれば、該圧力槽10に接続された第1の水位送信器7aと第1の圧力送信器8a、複数の流量送信器6a〜6c及び給気制御弁171と、該凝縮液槽11に接続される第2の水位送信器7bと第2の圧力送信器8b、エア排出弁191及び水補給制御弁181は、ともに、分散制御系(Distributed Control System、DCS)により、圧力槽パワー制御やタービンと圧力制御、給水制御、凝縮液槽制御及び非常安全処理制御が行われる。
【0011】
まず、該エア圧縮システム17内のエア圧縮機173と該エア乾燥機172が、自動に所定の気圧までエアを収集し、また、該エア圧縮機173で、必要とするエアを該エア貯蔵槽174内へ送り、また、該圧力槽パワー制御によって制御される給気制御弁171で開度を調整して、該圧力槽10内のエア量を増加し、また、同時にエアの給気量速率を調節する。該エアは、該圧力槽10内において、該ウェブ状板1011により水蒸気と比較的に乾燥であるエアに分離され、該比較的に乾燥であるエアは、該水蒸気配管21の該タービンと圧力を制御するタービン制御弁12により、開度が調整されてエア流量が調節され、また、該圧力槽10の高圧端と該凝縮液槽11の低圧端との圧力差により流体になり、そして、異なる分岐された水蒸気配管21に設置された開度が異なる手動弁で、通過する流量を制御し、そして、四シリンダーの羽根3の速度が連動されて発電機32の出力電力を調節した後、直接に該凝縮液槽11に流れ、また、該水蒸気は、該バイパス配管22から該タービンと圧力を制御する該タービンバイパス制御弁13を介して流れ、開度を調整することにより、その水蒸気の流量を調節して、直接に該凝縮液槽11内へ流れ、該凝縮液槽11内の収集したエア流量と水蒸気流量の和が水蒸気の流量になるため、該タービンバイパス制御弁13と該タービン制御弁12を調整することにより、該水蒸気流量の和を制御でき、また、該水蒸気配管21と該バイパス配管22に設置された第1、2の隔離弁4a、4bと第1、2の逆止弁5a、5bにより、該圧力槽10を封止することができ、また、該水蒸気配管21と該バイパス配管22は、それぞれ該流量送信器6a、6bが設置される。
【0012】
該凝縮液槽11は、各タービンの羽根3が仕事した後、残りのエアと水蒸気を収集するだけでなく、該水補給システム18は、該水補給制御弁181を介して、水源として給水でき、該給水は、該給水配管23の該給水ポンプ14により掬い上げることにより行われ、該給水を制御する給水制御弁15により、その給水流量を調整でき、該圧力槽10内へ流れる水の水位を制御できる。そのため、該凝縮液槽11の給水出口端に位置する給水配管23と、該圧力槽10の給水インレットの第3の隔離弁4cとの間において、該凝縮液槽11から該圧力槽10へ給水される。また、該給水は、該給水ポンプバイパス制御弁16により、該凝縮液槽11の給水出口端から排出され、該給水ポンプバイパス配管231を介して、直接に該圧力槽10の給水インレットに流れ、また、該圧力槽10の第3の隔離弁4cの前後の配管に、第3の逆止弁5cと該流量送信器6cが設置される。
【0013】
該凝縮液槽11にある余ったエアは、上部に接続されたエア排出弁191により、排出流速が調節されて、該エア排出システム19に排出され、また、該凝縮液槽11の底部に接続された第2の水排出弁202により、該凝縮液槽11内の余った水の排出流速を調節して該水排出システム20に排出され、また、該圧力槽10内にある余った水も、該第1の水排出弁201によって排出流速が調節されて該水排出システム20に排出される。
【0014】
以上のように、本発明は、典型制御ループ回線装置であり、有効に従来の諸欠点を改善でき、ディジタル制御システムと最終素子との間の組織と関連を構築し、これにより、原子力発電所の基本動作原理を表示でき、また、分散制御系(Distributed Control System、DCS)を利用して、全所の自動制御やシステム更新及び原子力発電所の制御設計に関するデータの収集と整理が実現され、そのため、本発明はより進歩的かつより実用的で、法に従って特許請求を出願する。
【0015】
以上は、ただ、本発明のより良い実施例であり、本発明はそれによって制限されることが無く、本発明に係わる特許請求の範囲や明細書の内容に基づいて行った等価の変更や修正は、全てが本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の流れ概念図
【図2】本発明のシステム配置の概念図
【図3】本発明のA細部の概念図
【符号の説明】
【0017】
10 圧力槽
101 乾燥器
1011 ウェブ状板
102 自動逃し弁
11 凝縮液槽
12 タービン制御弁
13 タービンバイパス制御弁
14 給水ポンプ
15 給水制御弁
16 給水ポンプバイパス制御弁
17 エア圧縮システム
171 給気制御弁
172 エア乾燥機
173 エア圧縮機
174 エア貯蔵槽
18 水補給システム
181 水補給制御弁
19 エア排出システム
191 エア排出弁
20 水排出システム
201 第1の水排出弁
202 第2の水排出弁
21 水蒸気配管
22 バイパス配管
23 給水配管
231 給水バイパス配管
3 タービン羽根
31 手動弁
32 発電機
4a 第1の隔離弁
4b 第2の隔離弁
4c 第3の隔離弁
5a 第1の逆止弁
5b 第2の逆止弁
5c 第3の逆止弁
6a 流量送信器
6b 流量送信器
6c 流量送信器
7a 第1の水位送信器
7b 第2の水位送信器
8a 第1の圧力送信器
8b 第2の圧力送信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上層に水蒸気配管に接続されるエア出口端があり、中間層にバイパス配管に接続される水蒸気出口端があり、下層に給水配管に接続される給水インレットがある圧力槽と、
上層に該水蒸気配管に接続されるエアインレットがあり、中間層に該バイパス配管に接続される水蒸気インレットがあり、下層に該給水配管に接続される給水出口端があり、四シリンダー羽根が仕事をした後、残りのエアと水蒸気を収集して、水源として給水する凝縮液槽と、
該水蒸気配管に設置され、該圧力槽内のエアの流出を調節して、各タービンの羽根を駆動してから、直接に該凝縮液槽内へ流させるタービン制御弁と、
該バイパス配管に設置され、該圧力槽から直接に該凝縮液槽へ流れる水蒸気流量を調節するタービンバイパス制御弁と、
該給水配管に設置され、該凝縮液槽の給水を掬い上げる給水ポンプと、
該給水配管に設置され、該給水ポンプが掬い上げた給水流量を調節する給水制御弁と、
給水ポンプバイパス配管に設置され、該凝縮液槽の給水出口端からの給水流量を調節して、直接に該圧力槽の給水インレットへ流させる給水ポンプバイパス制御弁と、
該圧力槽に接続される給気制御弁があり、流れに必要とするエア源を供給するエア圧縮システムと、
該凝縮液槽に接続される水補給制御弁が設置され、給水源を補助する水補給システムと、
該凝縮液槽内の余ったエアを排出するエア排出システムと、
該圧力槽と該凝縮液槽内の余った水を排出する水排出システムが含有されることを特徴とする、典型制御ループ回線装置。
【請求項2】
該圧力槽の底部に、第1の水排出弁が接続され、該第1の水排出弁から、該圧力槽内の水を該水排出システムに排出することを特徴とする、請求項1に記載の典型制御ループ回線装置。
【請求項3】
該凝縮液槽の底部に、第2の水排出弁が接続され、該第2の水排出弁から、該凝縮液槽内の水を該水排出システムに排出することを特徴とする、請求項1に記載の典型制御ループ回線装置。
【請求項4】
該凝縮液槽は、エア排出弁が接続され、該エア排出弁から、該凝縮液槽内のエアを該エア排出システムに排出することを特徴とする、請求項1に記載の典型制御ループ回線装置。
【請求項5】
該圧力槽は、上部排出位置に自動逃し弁が設置されることを特徴とする、請求項1に記載の典型制御ループ回線装置。
【請求項6】
該圧力槽は、該水蒸気配管と該バイパス配管の間に、エアを水蒸気とより乾燥的であるエアに分離するため、ウェブ状板である乾燥器が設置されることを特徴とする、請求項1に記載の典型制御ループ回線装置。
【請求項7】
各タービンの羽根は、それぞれ三つの分岐する水蒸気配管に設置され、異なる分岐の水蒸気配管に通過可能の流量を制御する複数の手動弁開度が設けられ、各タービンの羽根の速度に連動して発電機出力電力を調節することを特徴とする、請求項1に記載の典型制御ループ回線装置。
【請求項8】
該バイパス配管と該水蒸気配管に、それぞれ第1、2の隔離弁と第1、2の逆止弁が設けられ、該圧力槽を封止できることを特徴とする、請求項1に記載の典型制御ループ回線装置。
【請求項9】
該給水配管に、第3の隔離弁と第3の逆止弁が設置され、該凝縮液槽を封止する機能が実現されることを特徴とする、請求項1に記載の典型制御ループ回線装置。
【請求項10】
該エア圧縮システムは、エア乾燥機とエア圧縮機及びエア貯蔵槽が備えられることを特徴とする、請求項1に記載の典型制御ループ回線装置。
【請求項11】
該圧力槽に接続される第1の水位送信器や第1の圧力送信器、複数の流量送信器及び給気制御弁は、該凝縮液槽に接続される第2の水位送信器と第2の圧力送信器、エア排出弁及び水補給制御弁とともに、分散制御系により、圧力槽パワー制御とタービンと圧力制御、給水制御、凝縮液槽制御及び非常安全処理制御を行われることを特徴とする、請求項1に記載の典型制御ループ回線装置。
【請求項12】
該圧力槽パワー制御は、該給気制御弁の開度を調整することにより、該圧力槽内のエア量と気量速率を調節することを特徴とする、請求項11に記載の典型制御ループ回線装置。
【請求項13】
該タービンと圧力制御は、該水蒸気配管に設置された該タービン制御弁により、エアが該圧力槽の高圧端と該凝縮液槽の低圧との圧力差により流体になって、各タービンの羽根を回転するように駆動することを特徴とする、請求項11に記載の典型制御ループ回線装置。
【請求項14】
該タービンと圧力制御は、該バイパス配管から該圧力槽が排出した水蒸気を該タービンバイパス制御弁を介して、直接に該凝縮液槽に流させることにより行われることを特徴とする、請求項11に記載の典型制御ループ回線装置。
【請求項15】
該給水制御は、該給水配管と該圧力槽給水インレットとの第3の隔離弁の間において、該給水制御弁により、給水を該凝縮液槽から該圧力槽へ流させることにより行われることを特徴とする、請求項11に記載の典型制御ループ回線装置。
【請求項16】
該水蒸気配管と該バイパス配管、該給水配管及び該給水ポンプバイパス配管は、一部が透明管路によって接続されることを特徴とする、請求項1に記載の典型制御ループ回線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−175070(P2009−175070A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16028(P2008−16028)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(595165656)行政院原子能委員会核能研究所 (51)
【Fターム(参考)】