説明

典型金属含有ポリシロキサン組成物、その製造方法、およびその用途

【課題】LED素子の封止や樹脂部材のガスバリア層に好適な材料を提供し、またそれを用いたLEDデバイス、FPDデバイス及び半導体デバイス等を提供する。
【解決手段】成分(A)として、下記一般式(1)と、成分(B)として、水素がケイ素に直結した構造を有するシロキサン化合物と、成分(C)として、周期律表の第1族、第2族、第12〜14族金属の有機金属化合物と、成分(D)として、周期律表の第8〜10族の金属触媒を混合し反応させた重合体組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は典型金属を含有したポリシロキサン組成物、その製造方法およびその用途に関するものである。殊にこれを用いた封止材、ガスバリア材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイ(以下、FPD)では、その表示パネルの基材としてガラス基板が用いられるが、薄膜化、軽量化、耐衝撃性向上、フレキシブル化、更には、ロールツーロールプロセスへの適応の観点から、透明プラスチック基板への代替要求が高まっている。また、プラスチック基板に有機半導体を用いて有機トランジスタを形成したり、LSI、Si薄膜太陽電池、有機色素増感太陽電池、有機半導体太陽電池を形成する試みがなされている。
【0003】
通常市販されているプラスチック基板に上記素子を形成した場合、液晶素子、有機EL素子、TFT素子、半導体素子、太陽電池等、形成された素子、デバイスが水、酸素に弱い為、ディスプレイの表示にダークスポットやドット抜けが発生したり、半導体素子、太陽電池が機能しなくなり、実用に耐えない。従って、プラスチック基板に水蒸気、酸素ガスに対するガスバリア性能を付与したガスバリアプラスチック基板が必要となる。一方、ガスバリア性能を付与した透明プラスチックフィルムは、食料品、医薬品、電子材料、電子部品の包装材料用途として、今後、不透明なアルミ箔ラミネートフィルムに変わって益々使用が拡大する方向にある。
【0004】
透明プラスチック基板や透明プラスチックフィルムに透明ガスバリア性能を付与する方法としては、PVD法(物理的成膜法)とCVD法(化学気相成長法)があるが、共に真空プロセスであり、よりスループットが高く、真空プロセスではない、経済的に有利な塗布法によりガスバリア層を形成する方法が望まれている。しかしながら、塗布法で用いられるガスバリア用高分子としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ナイロン6等があるが、PVD法やCVDで形成されたガスバリア層に比し、水及び酸素が透過し易く、ガスバリア性が低いものであった。すなわち、ガスバリア性能が高い塗布材料が望まれている。
【0005】
また、LED素子の封止材においても同様にガスバリア性能が高い材料が望まれている。特許文献1や特許文献2においてポリシロキサン系封止材、特許文献3や特許文献4においてエポキシ樹脂系封止材が提案されているが、水及び酸素に対するガスバリア性や耐熱性、放熱性、耐クラック性、耐光性、特に耐UV性が不十分であり、改善が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−186168号公報
【特許文献2】特開2006−93354号公報
【特許文献3】特開平05−6946号公報
【特許文献4】特許第2781279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、LED素子の封止やLEDデバイス配線の保護、パワー半導体の絶縁封止、透明プラスチック基板や透明プラスチックフィルム用ガスバリア層に好適な材料を提供し、またそれを用いたLEDデバイス、ガスバリア部材、それを用いたFPDデバイス及び半導体デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、特定の有機金属化合物成分の共存下に不飽和基含有シロキサン化合物と水素がケイ素に直結した構造を有するシロキサン化合物とをハイドロシリレーション重合させた重合体組成物がガスバリア性、機械的特性が高く、LED素子の封止やLEDデバイス配線の保護、パワー半導体の絶縁封止、透明プラスチック基板や透明プラスチックフィルム用ガスバリア層として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、成分(A)として、下記一般式(1)の不飽和基含有シロキサン化合物と
【0010】
【化1】

(式中、Rは水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す。mは3以上の整数を表し、aは0〜10の整数を表す。シロキサン構造は鎖状または環状である。)、
成分(B)として、下記一般式(2)の水素がケイ素に直結した構造を有するシロキサン化合物と
【0011】
【化2】

(式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を表す。nは3以上の整数を表し、シロキサン構造は鎖状または環状である。)、
成分(C)として、周期律表の第1族、第2族、第12族、第13族及び第14族金属の有機金属化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種と、
成分(D)として、周期律表の第8族、第9族、または第10族の金属触媒
を混合し、反応させることを特徴とする、重合体組成物の製造方法である。
【0012】
また本発明は、上述の方法で製造された重合体組成物である。更に本発明は、上述の重合体組成物より成る封止材、ガスバリア材、または半導体用絶縁封止材である。更に本発明は上述の封止材を含んでなるLEDデバイスである。また本発明は、上述のガスバリア材を含んでなる樹脂部材である。更に本発明は、上述の半導体用絶縁封止材を含んでなる半導体デバイスである。以下、本発明の詳細について説明する。
【0013】
本発明では、周期律表の第1族、第2族、第12族、第13族及び第14族金属の有機金属化合物の共存下、一般式(1)の不飽和基含有シロキサン化合物と一般式(2)の水素がケイ素に直結した構造を有するシロキサン化合物を周期律表の第8族、第9族、または第10族の金属触媒によりハイドロシリレーション重合を行い、重合体組成物を製造する。
【0014】
成分(A)の一般式(1)の不飽和基含有シロキサン化合物は、鎖状または環状のシロキサン化合物、シロキサンオリゴマー、またはポリシロキサンである。
【0015】
一般式(1)において、Rは、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、これは飽和または不飽和のいずれでもよく、また直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれの構造を有してよい。
【0016】
の炭化水素基は、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ビニル基を初めとしたアルケニル基、アセチニル基を初めとしたアルキニル基を挙げることができる。
【0017】
具体的にRの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、tert.−アミル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、フェニル、トルイル基、ナフチル、
シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、1−アダマンチル基を挙げることができる。
【0018】
は、なかんずく、経済的には炭素数3以下の直鎖状アルキル基が好ましいが、重合体組成物の屈折率を低くする場合は、イソプロピル、sec−ブチル、シクロヘキシル、tert.−ブチル、tert.−アミル、1−アダマンチル基等の2級、もしくは3級炭化水素基が好ましく、重合体組成物の屈折率を高くする場合は、フェニル、トルイル基、ナフチル等の芳香族基が好ましい。
【0019】
一般式(1)において、mは3以上の整数を表し、上限は特に限定されるものではないが、粘度や混合のしやすさの観点から100,000以下が好ましく、特に好ましくは、10,000以下である。また一般式(1)において、その構造は鎖状または環状である。
【0020】
鎖状構造の場合の例としては、
ポリビニルハイドロジェンシロキサン、ポリビニルメチルシロキサン、ポリビニルエチルシロキサン、ポリビニルn−プロピルシロキサン、ポリビニルイソプロピルシロキサン、ポリビニルn−ブチルシロキサン、ポリビニルイソブチルシロキサン、ポリビニルsec.−ブチルシロキサン、ポリビニルtert.−ブチルシロキサン、ポリビニルn−ペンチルシロキサン、ポリビニルシクロペンチルシロキサン、ポリビニルtert.−アミルシロキサン、ポリビニルn−ヘキシルシロキサン、ポリビニルシクロヘキシルシロキサン、ポリビニルn−ヘプチルシロキサン、ポリビニルn−オクチルシロキサン、ポリビニルn−ノニルシロキサン、ポリビニルn−デシルシロキサン、
ポリビニルフェニルシロキサン、ポリビニルトルイルシロキサン、ポリビニルナフチルシロキサンが挙げらる。
【0021】
これらのポリシロキサンに特に分子量の制限は無いが、通常分子量500〜5000000、特に好ましくは、1000〜1000000である。この範囲の分子量であるとハイドロシリレーション反応が効率的に進み、ガスバリア性と機械的物性が良好な重合体組成物と成る場合がある。また、分子量が500以下の同様の構造を有するオリゴマーも本発明の範囲に入る。
【0022】
環状構造の場合の例としては、2,4,6−トリビニルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリエチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリn−プロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリイソプロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリn−ブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリイソブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリsec.−ブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリtert.−ブチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリn−ペンチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリシクロペンチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリtert.−アミルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリn−ヘキシルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリシクロヘキシルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリn−ヘプチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリn−オクチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリn−ノニルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリn−デシルシクロトリシロキサン等があげられる。
【0023】
また2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリフェニルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリトルイルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリナフチルシクロトリシロキサン等があげられる。
【0024】
また2,4,6−トリアリルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリアリル−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリアリル−2,4,6−トリエチルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリアリル−2,4,6−トリn−プロピルシクロトリシロキサン、2,4,6−トリアリル−2,4,6−トリイソプロピルシクロトリシロキサン等の6員環状シロキサン等があげられる。
【0025】
また2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テロラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラn−プロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトライソプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラn−ブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトライソブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラsec.−ブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラtert.−ブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラn−ペンチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラシクロペンチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラtert.−アミルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラn−ヘキシルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラシクロヘキシルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラn−ヘプチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラn−オクチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラn−ノニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラn−デシルシクロテトラシロキサン等があげられる。
【0026】
また2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラトルイルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラナフチルシクロテトラシロキサン等のシクロテトラシロキサン等があげられる。
【0027】
また2,4,6,8−テトラアリルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラアリル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラアリル−2,4,6,8−テロラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラアリル−2,4,6,8−テトラn−プロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラアリル−2,4,6,8−テトライソプロピルシクロテトラシロキサン等の
8員環状シロキサン等があげられる。
【0028】
また2,4,6,8,10−ペンタビニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタエチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタn−プロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタイソプロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタn−ブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタイソブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタsec.−ブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタtert.−ブチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタn−ペンチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタシクロペンチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタtert.−アミルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタn−ヘキシルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタシクロヘキシルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタn−ヘプチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタn−オクチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタn−ノニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタn−デシルシクロペンタシロキサン等があげられる。
【0029】
また2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタトルイルシクロトリシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタビニル−2,4,6,8,10−ペンタナフチルシクロペンタシロキサン等があげられる。
【0030】
また2,4,6,8,10−ペンタアリルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタアリル−2,4,6,8,10−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタアリル−2,4,6,8−ペンタエチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタアリル−2,4,6,8,10−ペンタn−プロピルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタアリル−2,4,6,8,10−ペンタイソプロピルシクロペンタシロキサン等の10員環状シロキサン等があげられる。
【0031】
また2,4,6,8,10,12−ヘキサビニル−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、2,4,6,8,10,12,14−ヘプタビニル−2,4,6,8,10,12,14−ヘプタメチルシクロヘプタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16−オクタビニル−2,4,6,8,10,12,14,16−オクタメチルシクロオクタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナメチルシクロノナシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカメチルシクロデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカメチルシクロウンデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカメチルシクロドデカシロキサン等があげられる。
【0032】
また2,4,6,8,10,12−ヘキサビニル−2,4,6,8,10,12−ヘキサエチルシクロヘキサシロキサン、2,4,6,8,10,12,14−ヘプタビニル−2,4,6,8,10,12,14−ヘプタエチルシクロヘプタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16−オクタビニル−2,4,6,8,10,12,14,16−オクタエチルシクロオクタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナエチルシクロノナシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカエチルシクロデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカエチルシクロウンデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカエチルシクロドデカシロキサン等があげられる。
【0033】
また2,4,6,8,10,12−ヘキサビニル−2,4,6,8,10,12−ヘキサプロピルシクロヘキサシロキサン、2,4,6,8,10,12,14−ヘプタビニル−2,4,6,8,10,12,14−ヘプタプロピルシクロヘプタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16−オクタビニル−2,4,6,8,10,12,14,16−オクタプロピルシクロオクタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナプロピルシクロノナシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカプロピルシクロデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカプロピルシクロウンデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカプロピルシクロドデカシロキサン等があげられる。
【0034】
また2,4,6,8,10,12−ヘキサビニル−2,4,6,8,10,12−ヘキサイソプロピルシクロヘキサシロキサン、2,4,6,8,10,12,14−ヘプタビニル−2,4,6,8,10,12,14−ヘプタイソプロピルシクロヘプタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16−オクタビニル−2,4,6,8,10,12,14,16−オクタイソプロピルシクロオクタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナイソプロピルシクロノナシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカイソプロピルシクロデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカイソプロピルシクロウンデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカイソプロピルシクロドデカシロキサン等があげられる。
【0035】
また2,4,6,8,10,12−ヘキサビニル−2,4,6,8,10,12−ヘキサn−ブチルシクロヘキサシロキサン、2,4,6,8,10,12,14−ヘプタビニル−2,4,6,8,10,12,14−ヘプタn−ブチルシクロヘプタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16−オクタビニル−2,4,6,8,10,12,14,16−オクタn−ブチルシクロオクタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナn−ブチルシクロノナシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカn−ブチルシクロデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカn−ブチルシクロウンデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカn−ブチルシクロドデカシロキサン等があげられる。
【0036】
また2,4,6,8,10,12−ヘキサビニル−2,4,6,8,10,12−ヘキサイソブチルシクロヘキサシロキサン、2,4,6,8,10,12,14−ヘプタビニル−2,4,6,8,10,12,14−ヘプタイソブチルシクロヘプタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16−オクタビニル−2,4,6,8,10,12,14,16−オクタイソブチルシクロオクタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナイソブチルシクロノナシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカイソブチルシクロデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカイソブチルシクロウンデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカイソブチルシクロドデカシロキサン等があげられる。
【0037】
また2,4,6,8,10,12−ヘキサビニル−2,4,6,8,10,12−ヘキサsec−ブチルシクロヘキサシロキサン、2,4,6,8,10,12,14−ヘプタビニル−2,4,6,8,10,12,14−ヘプタsec−ブチルシクロヘプタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16−オクタビニル−2,4,6,8,10,12,14,16−オクタsec−ブチルシクロオクタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナsec−ブチルシクロノナシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカsec−ブチルシクロデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカsec−ブチルシクロウンデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカsec−ブチルシクロドデカシロキサン等があげられる。
【0038】
また2,4,6,8,10,12−ヘキサビニル−2,4,6,8,10,12−ヘキサtert−ブチルシクロヘキサシロキサン、2,4,6,8,10,12,14−ヘプタビニル−2,4,6,8,10,12,14−ヘプタtert−ブチルシクロヘプタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16−オクタビニル−2,4,6,8,10,12,14,16−オクタtert−ブチルシクロオクタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18−ノナtert−ブチルシクロノナシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20−デカtert−ブチルシクロデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22−ウンデカtert−ブチルシクロウンデカシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカビニル−2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24−ドデカtert−ブチルシクロドデカシロキサン等の12員環〜24員環状シロキサン等が挙げられる。
【0039】
同様の構造を有する26員環状以上の環状シロキサンも本発明の範囲に入る。
【0040】
環状構造を有する不飽和基含有シロキサン化合物を用いた場合、生成する重合体組成物の耐熱性及び耐クラック性が向上する場合がある。
【0041】
上記の鎖状及び環状構造を有するシロキサン化合物が混合したものを使用することも本発明の範囲に入る。
【0042】
成分(B)の一般式(2)の水素がケイ素に直結した構造を有するシロキサン化合物は、鎖状または環状のシロキサン化合物、シロキサンオリゴマー、ポリシロキサンである。
【0043】
一般式(2)において、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基であり、これは飽和または不飽和のいずれでもよく、また直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれの構造を有してもよい。
【0044】
の炭化水素基は、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ビニル基を初めとしたアルケニル基、アセチニル基を初めとしたアルキニル基を挙げることができる。
【0045】
具体的にRの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、tert.−アミル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、フェニル、トルイル基、ナフチル、
シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、1−アダマンチル基を挙げることができる。
【0046】
は、なかんずく、経済的には、炭素数3以下の直鎖状アルキル基が好ましいが、重合体組成物の屈折率を低くする場合は、イソプロピル、sec−ブチル、シクロヘキシル、tert.−ブチル、tert.−アミル、1−アダマンチル基等の2級、もしくは3級炭化水素基が好ましく、重合体組成物の屈折率を高くする場合は、フェニル、トルイル基、ナフチル等の芳香族基が好ましい。
【0047】
一般式(2)において、nは3以上の整数を表し、上限は特に限定されるものではないが、粘度や混合のしやすさの観点から10000以下が好ましい。また一般式(1)において、その構造は鎖状または環状である。
【0048】
鎖状構造の場合の例としては、ポリメチルシロキサン、ポリエチルシロキサン、ポリn−プロピルシロキサン、ポリイソプロピルシロキサン、ポリn−ブチルシロキサン、ポリイソブチルシロキサン、ポリsec.−ブチルシロキサン、ポリtert.−ブチルシロキサン、ポリn−ペンチルシロキサン、ポリシクロペンチルシロキサン、ポリtert.−アミルシロキサン、ポリn−ヘキシルシロキサン、ポリシクロヘキシルシロキサン、ポリn−ヘプチルシロキサン、ポリn−オクチルシロキサン、ポリn−ノニルシロキサン、ポリn−デシルシロキサン、
ポリフェニルシロキサン、ポリトルイルシロキサン、ポリナフチルシロキサンが挙げられる。
【0049】
これらのポリシロキサンに特に分子量の制限は無いが、通常分子量500〜5000000、特に好ましくは1000〜1000000である。この範囲の分子量であるとハイドロシリレーション反応が効率的に進み、ガスバリア性と機械的物性が良好な重合体組成物と成る場合がある。また、分子量が500以下の同様の構造を有するオリゴマーも本発明の範囲に入る。
【0050】
環状構造の場合の例としては、トリメチルシクロトリシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルシクロヘプタシロキサン、オクタメチルシクロオクタシロキサン、ノナメチルシクロノナシロキサン、デカメチルシクロデカシロキサン、ウンデカメチルシクロウンデカシロキサン、ドデカメチルシクロドデカシロキサン等があげられる。
【0051】
またトリエチルシクロトリシロキサン、テトラエチルシクロテトラシロキサン、ペンタエチルシクロペンタシロキサン、ヘキサエチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタエチルシクロヘプタシロキサン、オクタエチルシクロオクタシロキサン、ノナエチルシクロノナシロキサン、デカエチルシクロデカシロキサン、ウンデカエチルシクロウンデカシロキサン、ドデカエチルシクロドデカシロキサン等があげられる。
【0052】
またトリn−プロピルシクロトリシロキサン、テトラn−プロピルシクロテトラシロキサン、ペンタn−プロピルシクロペンタシロキサン、ヘキサn−プロピルシクロヘキサシロキサン、へプタn−プロピルシクロヘプタシロキサン、オクタn−プロピルシクロオクタシロキサン、ノナn−プロピルシクロノナシロキサン、デカn−プロピルシクロデカシロキサン、ウンデカn−プロピルシクロウンデカシロキサン、ドデカn−プロピルシクロドデカシロキサン等があげられる。
【0053】
またトリイソプロピルシクロトリシロキサン、テトライソプロピルシクロテトラシロキサン、ペンタイソプロピルシクロペンタシロキサン、ヘキサイソプロピルシクロヘキサシロキサン、ヘプタイソプロピルシクロヘプタシロキサン、オクタイソプロピルシクロオクタシロキサン、ノナイソプロピルシクロノナシロキサン、デカイソプロピルシクロデカシロキサン、ウンデカイソプロピルシクロウンデカシロキサン、ドデカイソプロピルシクロドデカシロキサン等があげられる。
【0054】
またトリn−ブチルシクロトリシロキサン、テトラn−ブチルシクロテトラシロキサン、ペンタn−ブチルシクロペンタシロキサン、ヘキサn−ブチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタn−ブチルシクロヘプタシロキサン、オクタn−ブチルシクロオクタシロキサン、ノナn−ブチルシクロノナシロキサン、デカn−ブチルシクロデカシロキサン、ウンデカn−ブチルシクロウンデカシロキサン、ドデカn−ブチルシクロドデカシロキサン等があげられる。
【0055】
またトリイソブチルシクロトリシロキサン、テトライソブチルシクロテトラシロキサン、ペンタイソブチルシクロペンタシロキサン、ヘキサイソブチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタイソブチルシクロヘプタシロキサン、オクタイソブチルシクロオクタシロキサン、ノナイソブチルシクロノナシロキサン、デカイソブチルシクロデカシロキサン、ウンデカイソブチルシクロウンデカシロキサン、ドデカイソブチルシクロドデカシロキサン等があげられる。
【0056】
またトリsec.−ブチルシクロトリシロキサン、テトラsec.−ブチルシクロテトラシロキサン、ペンタsec.−ブチルシクロペンタシロキサン、ヘキサsec.−ブチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタsec.−ブチルシクロヘプタシロキサン、オクタsec.−ブチルシクロオクタシロキサン、ノナsec.−ブチルシクロノナシロキサン、デカsec.−ブチルシクロデカシロキサン、ウンデカsec.−ブチルシクロウンデカシロキサン、ドデカsec.−ブチルシクロドデカシロキサン等があげられる。
【0057】
またトリtert.−ブチルシクロトリシロキサン、テトラtert.−ブチルシクロテトラシロキサン、ペンタtert.−ブチルシクロペンタシロキサン、ヘキサtert.−ブチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタtert.−ブチルシクロヘプタシロキサン、オクタtert.−ブチルシクロオクタシロキサン、ノナtert.−ブチルシクロノナシロキサン、デカtert.−ブチルシクロデカシロキサン、ウンデカtert.−ブチルシクロウンデカシロキサン、ドデカtert.−ブチルシクロドデカシロキサン等が挙げられる。
【0058】
同様の構造を有する26員環以上の環状シロキサンも本発明の範囲に入る。
【0059】
環状構造を有する一般式(2)のシロキサン化合物を用いた場合、生成する重合体組成物の耐熱性及び耐クラック性が向上する場合がある。
【0060】
上記の鎖状及び環状構造を有するシロキサン化合物が混合したものを使用することも本発明の範囲に入る。
【0061】
成分(C)として周期律表の第1族、第2族、第12族、第13族及び第14族金属の有機金属化合物としては、リチウム、マグネシウム、亜鉛、スズまたはアルミニウム等の金属と有機基とからなる有機金属化合物が挙げられる。上記の有機基としては、アルキル基を代表として挙げることができる。このアルキル基としては、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基が用いられる。
【0062】
具体的には、例えば、n−ブチルリチウム、ジエチルマグネシウム、ジエチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム、テトラエチルスズあるいは、テトラブチルスズなどが挙げられる。
【0063】
なかんずく、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜20のアルキルアルミニウム及びアルキル亜鉛が好ましい。
【0064】
具体例としては、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリn−プロピルアルミニウム,トリn−ブチルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,トリイソプレニルアルミニウム,トリn−ヘキシルアルミニウム,トリn−オクチルアルミニウム,トリ(2−メチルペンチル)アルミニウム
ジメチルアルミニウムクロライド,メチルアルミニウムセスキクロライド,メチルアルミニウムジクロライド,ジエチルアルミニウムクロライド,エチルアルミニウムセスキクロライド,エチルアルミニウムジクロライド,ジn−プロピルアルミニウムクロライド,ジn−ブチルアルミニウムクロライド,ジイソブチルアルミニウムクロライド,イソブチルアルミニウムジクロライド,ヨウ化ジエチルアルミニウム,フッ化ジエチルアルミニウム,ジエチルアルミニウムブロミド,ジイソブチルアルミニウムヒドリド,ジエチルアルミニウムヒドリド,ジエチルアルミニウムメトキシド,ジエチルアルミニウムエトキシド,ジイソブチルアルミニウムメトキシド,ジイソブチルアルミニウムエトキシド,ジイソブチルアルミニウムイソプロポキシド
ジメチル亜鉛、塩化メチル亜鉛、臭化メチル亜鉛、ヨウ化メチル亜鉛、弗化メチル亜鉛、ジエチル亜鉛、塩化エチル亜鉛、臭化エチル亜鉛、ヨウ化エチル亜鉛、弗化エチル亜鉛、が挙げられる。
【0065】
とりわけ、ハロゲンを含まないトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛が好ましい。
【0066】
これらの有機金属化合物は、単独または2種以上の混合物として使用される。
【0067】
成分(D)の周期律表の第8族、第9族、第10族の金属触媒としては、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金触媒の群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。触媒活性の点から好ましくは、ルテニウムまたは白金触媒であり、特に好ましくは白金触媒である。
【0068】
具体的に白金触媒としては、四塩化白金、二塩化白金、四臭化白金、二臭化白金、四ヨウ化白金、二ヨウ化白金、六塩化白金酸、六臭化白金酸、六ヨウ化白金酸、六塩化白金酸六水和物、六臭化白金酸六水和物、六ヨウ化白金酸六水和物等があげられる。特に白金触媒としては、これらを還元剤によって還元した白金化合物、またビニル基を有するシラン化合物とシロキサン化合物と上記白金化合物から合成された白金の金属錯体が好ましい。
【0069】
ビニル基を有するシラン化合物としては、一分子中に2個以上のビニル基を有する
化合物が触媒活性の点で好ましい。
【0070】
具体的には、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラビニル−1,3−ジメチルジシロキサンや上記の成分(A)のビニル基を有する環状シロキサンを挙げることができる。
【0071】
殊に二級もしくは三級炭素原子が直結し、かつアルケニル基を有するケイ素原子を有する環状シロキサン
【0072】
【化3】

(式中、R,Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R,Rは、互いに結合し、環状構造を形成してもよい。Rは、炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表す。bは、3以上の整数を表す。)
と上記白金化合物とを混合し、還元した白金触媒が好ましい。このような白金触媒を使用することにより、耐クラック性及び機械的物性が高いポリ環状シロキサンを製造することができる。
【0073】
成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)を混合し、反応させ重合体組成物を製造する方法は、特に限定されるものでは無いが、以下に示す製造方法を使用することができる。
【0074】
成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)の混合方法は、あらゆる混合方法を使用することができる。例えば、成分(A)と成分(B)を予め混合し、これに成分(C)、成分(D)を順に添加し、混合する方法、成分(A)と成分(C)を予め混合し、これに成分(B)、成分(D)を順に添加し、混合する方法、成分(A)、成分(B)、成分(C)を予め混合し、これに成分(D)を添加し、混合する方法、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)を同時に混合する方法等が挙げられる。
【0075】
重合体組成物を製造する際の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)の反応条件について、特に限定はされるものではないが、以下に示す条件を使用することができる。
【0076】
成分(A)及び成分(B)それ自身を反応媒体としてもよいが、不活性溶媒を反応媒体として用いることもできる。使用できる反応溶媒は、当該技術分野で使用されるものであれば特に限定されるものでなく、例えば、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−デカン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン、デセン−1等の不飽和炭化水素類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、tert.−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert.−ブタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコールを使用することができる。また、これらの混合溶媒も使用することができる。
【0077】
反応の際の反応温度については、通常、工業的に使用されている温度である−100〜200℃の範囲、好ましくは−85〜150℃の範囲で行う。反応の圧力条件は、加圧下、常圧下、減圧下いずれであっても可能である。
【0078】
成分(A)に対する成分(B)、成分(C)、成分(D)の量論比に特に制限は無いが、通常、成分(A)中のSi含有量1molに対し、成分(B)のSi含有量0.01mol〜1000mol、好ましくは0.1mol〜100molの範囲である。この範囲を外れると生成する重合体組成物膜の機械的強度が低下したり、重合体組成物膜にクラックや剥離が発生する場合がある。また、成分(A)中のSi含有量1molに対し、成分(C)のAl含有量0.001mol〜100mol、好ましくは0.01mol〜10molの範囲である。この範囲を外れると生成する重合体組成物膜の機械的強度が低下したり、重合体組成物膜が白化が生じたり、クラックや剥離が発生する場合がある。
【0079】
成分(A)中のSi含有量1molに対し、成分(D)の金属含有量0.00001mol〜10mol、好ましくは0.0001mol〜1molの範囲である。この範囲を外れると生成する重合体組成物が生成が困難となり、膜が形成されなかったり、重合体組成物膜が着色する場合がある。
【0080】
製造した重合体組成物は、そのまま用いても良いが、ガラスフィルター、焼結多孔体等を用いた濾過、常圧もしくは減圧蒸留又はシリカ、アルミナ、高分子ゲルを用いたカラム分離等の精製手段を用いることもできる。この際、必要に応じてこれらの手段を組合わせて使用してもよい。
【0081】
反応に使用する反応器は当該技術分野で通常用いられるものであれば、適宜使用することができる。攪拌槽型反応器、流動床型反応器、または循環式反応器を用いて、重合操作を連続方式、半回分方式及び回分方式のいずれかの方式で行うことができる。更に異なる重合の反応条件で2段階以上に分けて行うことも可能である。
【0082】
重合体組成物の合成の際、もしくは合成後に、屈折率を高める為に、4族金属の酸素含有有機化合物を添加することも本発明の範囲に入る。
【0083】
4族金属の酸素含有有機化合物としては、下記一般式(4)の
【0084】
【化4】

(式中、Mは、Ti、Zr、Hfであり、Rは炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基を表す。Xは、フッ素、塩素、臭素、または沃素を表す。p、q、u、rはp≧0、q>0、u≧1、r≧0でTi、Zr、Hfの原子価と相容れる数を表し、yは整数を表す。なかんずく、0≦p≦1、1≦u≦2で1≦n≦6であるようなTi、Zr、Hfの酸素含有有機化合物であることが望ましい。)
を使用できる。
【0085】
の炭化水素基としては、直鎖又は分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、アリ−ルアルキル基、アリ−ル基及びアルキルアリ−ル基などを挙げることができる。
【0086】
一般式(4)の具体例としては、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−i−ブトキシド、テトラ(n−ノニル)チタネ−ト、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネ−ト、テトラクレジルチタネ−ト、ヘキサ−i−プロポキシジチタネ−トなどのアルコシキチタン化合物
テトラクロロシラン等のハロゲン化チタン化合物、
テトラクロロジルコニウム、酸化ジクロロジルコニウム等のハロゲン化ジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等のアルコシキジルコニウム化合物、
テトラクロロハフニウム等のハロゲン化ハフニウム化合物、テトラエトキシハフニウム、テトラブトキシハフニウム等のアルコシキハフニウム化合物
が挙げられる。
【0087】
いくつかの異なる炭化水素基を有する4族金属の酸素含有有機化合物の使用も本発明の範囲に入る。これら4族金属の酸素含有有機化合物は、単独で用いてもよく、また2種以上を混合あるいは反応させてから使用することもできる。
【0088】
また、成分(C)の周期律表の第1族、第2族、第12族、第13族及び第14族金属の有機金属化合物と反応、又は、錯体化するアルコール類、有機シラノ−ル類、有機ケイ素化合物等の化合物を添加することも本発明の範囲に入る。
【0089】
使用できるアルコ−ル類としては、1〜18個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖脂肪族アルコ−ル、脂環式アルコ−ルまたは芳香族アルコ−ルが使用できる。
【0090】
例としては、メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、i−プロパノ−ル、n−ブタノ−ル、iso−ブタノ−ル、sec−ブタノ−ル、t−ブタノ−ル、n−ヘキサノ−ル、2−エチルヘキサノ−ル、n−オクタノ−ル、i−オクタノ−ル、n−ステアリルアルコ−ル、シクロペンタノ−ル、シクロヘキサノ−ル、エチレングリコ−ルなどが挙げられる。更に、ベンジルアルコ−ル、フェノ−ル類としては、フェノ−ル、クレゾ−ル、キシレノ−ル、ハイドロキノンなども例示することができる。
【0091】
また、有機シラノ−ルとしては少なくとも1個の水酸基を有し、かつ有機基は1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、シクロアルキル基、アリ−ルアルキル基、アリ−ル基、アルキルアリ−ル基を有する化合物から選ばれる。
【0092】
例えば、トリメチルシラノ−ル、トリエチルシラノ−ル、トリフェニルシラノ−ル、
tert.−ブチルジメチルシラノ−ル、ビニルジメチルシラノールなどを挙げることができる。
【0093】
使用できる有機ケイ素化合物としては、下記一般式(5)
【0094】
【化5】

(式中、R、Rは炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基を表す。e、f、g、hはe≧0、f>0、g≧1、h≧0でSiの原子価と相容れる数を表し、dは整数を表す。)
を使用できる。
【0095】
、Rの炭化水素基としては、直鎖又は分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、アリ−ルアルキル基、アリ−ル基及びアルキルアリ−ル基などを挙げることができる。
【0096】
具体例としては、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ペントキシシラン、テトラ−n−ヘキソキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)シラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、4−クロロフェニルトリメトキシシラン、トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等があげられる。
【0097】
また、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、トリエトキシシラン、エチルトリ−i−プロポキシシラン、ビニルトリ−i−プロポキシシラン、i−ペンチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−i−ペントキシシラン、エチルトリ−i−ペントキシシラン,メチルトリ−n−ヘキソキシシラン、フェニルトリ−i−ペントキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルドデシルジエトキシシラン、メチルオクタデシルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジベンジルジエトキシシシラン、ジエトキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン等があげられる。
【0098】
また、ジメチルジ−i−ペントキシシラン、ジエチルジ−i−ペントキシシラン、ジ−i−ブチルジ−i−ペントキシシラン、ジフェニルジ−i−ペントキシシラン、ジフェニルジ−n−オクトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、トリメチル−i−プロポキシシラン、トリメチル−n−プロポキシシラン、トリメチル−t−ブトキシシラン、トリメチル−i−ブトキシシラン、トリメチル−n−ブトキシシラン、トリメチル−n−ペントキシシラン、トリメチルフェノキシシランなどのアルコキシシランもしくはアリ−ロキシシラン、ジクロロジエトキシシラン、ジクロロジフェノキシシラン、トリブロモエトキシシランなどのハロアルコキシシラン、もしくはハロアリ−ロキシシランなどが挙げられる。
【0099】
またイソプロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、トリイソプロピルメトキシシラン、イソプロピルメチルジメトキシシラン、イソプロピルエチルジメトキシシラン、イソプロピルフェニルジメトキシシラン、イソプロピルジメチルメトキシシラン、イソプロピルジエチルメトキシシラン、イソプロピルジフェニルメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、トリイソプロピルエトキシシラン、イソプロピルメチルジエトキシシラン、イソプロピルエチルジエトキシシラン、イソプロピルフェニルジエトキシシラン、イソプロピルジメチルエトキシシラン、イソプロピルジエチルエトキシシラン、イソプロピルジフェニルエトキシシラン、
sec−ブチルトリメトキシシラン、ジsec−ブチルジメトキシシラン、トリsec−ブチルメトキシシラン、sec−ブチルメチルジメトキシシラン、sec−ブチルエチルジメトキシシラン、sec−ブチルフェニルジメトキシシラン、sec−ブチルジメチルメトキシシラン、sec−ブチルジエチルメトキシシラン、sec−ブチルジフェニルメトキシシランなどがあげられる。
【0100】
また、sec−ブチルトリエトキシシラン、ジsec−ブチルジエトキシシラン、トリsec−ブチルエトキシシラン、sec−ブチルメチルジエトキシシラン、sec−ブチルエチルジエトキシシラン、sec−ブチルフェニルジエトキシシラン、sec−ブチルジメチルエトキシシラン、sec−ブチルジエチルエトキシシラン、sec−ブチルジフェニルエトキシシラン、
シクロペンチルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、トリシクロペンチルメトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルフェニルジメトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキシシラン、シクロペンチルジエチルメトキシシラン、シクロペンチルジフェニルメトキシシランなどがあげられる。
【0101】
また、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、トリシクロペンチルエトキシシラン、シクロペンチルメチルジエトキシシラン、シクロペンチルエチルジエトキシシラン、シクロペンチルフェニルジエトキシシラン、シクロペンチルジメチルエトキシシラン、シクロペンチルジエチルエトキシシラン、シクロペンチルジフェニルエトキシシラン、
シクロペンタジエニルトリメトキシシラン、ジシクロペンタジエニルジメトキシシラン、トリシクロペンタジエニルメトキシシラン、シクロペンタジエニルメチルジメトキシシラン、シクロペンタジエニルエチルジメトキシシラン、シクロペンタジエニルフェニルジメトキシシラン、シクロペンタジエニルジメチルメトキシシラン、シクロペンタジエニルジエチルメトキシシラン、シクロペンタジエニルジフェニルメトキシシランなどがあげられる。
【0102】
また、シクロペンタジエニルトリエトキシシラン、ジシクロペンタジエニルジエトキシシラン、トリシクロペンタジエニルエトキシシラン、シクロペンタジエニルメチルジエトキシシラン、シクロペンタジエニルエチルジエトキシシラン、シクロペンタジエニルフェニルジエトキシシラン、シクロペンタジエニルジメチルエトキシシラン、シクロペンタジエニルジエチルエトキシシラン、シクロペンタジエニルジフェニルエトキシシラン、
シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、トリシクロヘキシルメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルジメチルメトキシシラン、シクロヘキシルジエチルメトキシシラン、シクロヘキシルジフェニルメトキシシラン等があげられる。
【0103】
また、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、トリシクロヘキシルエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシラン、シクロヘキシルフェニルジエトキシシラン、シクロヘキシルジメチルエトキシシラン、シクロヘキシルジエチルエトキシシラン、シクロヘキシルジフェニルエトキシシラン、
シクロヘキセニルトリメトキシシラン、ジシクロヘキセニルジメトキシシラン、トリシクロヘキセニルメトキシシラン、シクロヘキセニルメチルジメトキシシラン、シクロヘキセニルエチルジメトキシシラン、シクロヘキセニルフェニルジメトキシシラン、シクロヘキセニルジメチルメトキシシラン、シクロヘキセニルジエチルメトキシシラン、シクロヘキセニルジフェニルメトキシシラン等があげられる。
【0104】
また、シクロヘキセニルトリエトキシシラン、ジシクロヘキセニルジエトキシシラン、トリシクロヘキセニルエトキシシラン、シクロヘキセニルメチルジエトキシシラン、シクロヘキセニルエチルジエトキシシラン、シクロヘキセニルフェニルジエトキシシラン、シクロヘキセニルジメチルエトキシシラン、シクロヘキセニルジエチルエトキシシラン、シクロヘキセニルジフェニルエトキシシラン等があげられる。
【0105】
また、イソプロピルビニルジメトキシシラン、イソプロピルビニルジエトキシシラン、イソプロピルビニルジtert.−ブトキシシラン、ジイソプロピルビニルメトキシシラン、ジイソプロピルビニルエトキシシラン、ジイソプロピルビニルtert.−ブトキシシラン、イソプロピルジビニルメトキシシラン、イソプロピルジビニルエトキシシラン、イソプロピルジビニルtert.−ブトキシシラン、イソプロピルビニルメチルメトキシシラン、イソプロピルビニルメチルエトキシシラン、イソプロピルビニルメチルtert.−ブトキシシラン、イソプロピルビニルエチルメトキシシラン、イソプロピルビニルエチルエトキシシラン、イソプロピルビニルエチルtert.−ブトキシシラン、イソプロピルフェニルジメトキシシラン、イソプロピルフェニルジエトキシシラン、イソプロピルフェニルジtert.−ブトキシシラン、ジイソプロピルフェニルメトキシシラン、ジイソプロピルフェニルエトキシシラン、ジイソプロピルフェニルtert.−ブトキシシラン、イソプロピルジフェニルメトキシシラン、イソプロピルジフェニルエトキシシラン、イソプロピルジフェニルtert.−ブトキシシラン、イソプロピルフェニルメチルメトキシシラン、イソプロピルフェニルメチルジエトキシシラン、イソプロピルフェニルメチルtert.−ブトキシシラン、イソプロピルフェニルエチルメトキシシラン、イソプロピルフェニルエチルジエトキシシラン、イソプロピルフェニルエチルtert.−ブトキシシラン、sec−ブチルビニルジメトキシシラン、sec−ブチルビニルジエトキシシラン、sec−ブチルビニルジtert.−ブトキシシラン、ジsec−ブチルビニルメトキシシラン、ジsec−ブチルビニルエトキシシラン、ジsec−ブチルビニルtert.−ブトキシシラン、sec−ブチルジビニルメトキシシラン、sec−ブチルジビニルエトキシシラン、sec−ブチルジビニルtert.−ブトキシシラン、sec−ブチルフェニルジメトキシシラン、sec−ブチルフェニルジエトキシシラン、sec−ブチルフェニルジtert.−ブトキシシラン、ジsec−ブチルフェニルメトキシシラン、ジsec−ブチルフェニルエトキシシラン、ジsec−ブチルフェニルtert.−ブトキシシラン、sec−ブチルジフェニルメトキシシラン、sec−ブチルジフェニルエトキシシラン、sec−ブチルジフェニルtert.−ブトキシシラン等のアルコキシシランもしくはアリ−ロキシシラン、ジクロロジエトキシシラン、ジクロロジフェノキシシラン、トリブロモエトキシシランなどのハロアルコキシシラン、もしくはハロアリ−ロキシシラン等の有機シラン化合物があげられる。
【0106】
また、ヘキサメトキシジシロキサン、オクタメトキシトリシロキサン、デカメトキシテトラシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、オクタエトキシトリシロキサン、デカエトキシテトラシロキサン等のポリアルコキシポリシロキサン
1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラメトキシジシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,1,3,5,5−ペンタメトキシジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,1,3,5,7,7−ヘキサメトキシジシロキサン等のポリアルキルポリアルコキシポリシロキサン
が例示できる。
【0107】
これらのアルコール類、有機シラノ−ル類、有機ケイ素化合物は、単独又は2種以上の混合物として使用できる。
【0108】
このようにして本発明の重合体組成物が得られる。本発明の重合体組成物は、屈折率、ガスバリア性、機械的強度、耐UV性、耐熱性、熱伝導性が高く、これらを全て満たす材料となる。これらは、従来から提案されているメチル基置換シロキサン系やフェニル基置換シロキサン系では達成できない水準のものである。
【0109】
本発明の材料の内、殊にSi−O−Al、またはSi−O−Znで示される構造を有する重合体組成物では、上記のガスバリア性、機械的強度、耐UV性、耐熱性、熱伝導性に関し、高くなる場合がある。
【0110】
この重合体組成物は封止材として使用することができる。例えば、例えばLEDチップ、LEDデバイス、半導体、パワー半導体を保護及び封止するに好適である。
【0111】
また樹脂部材に本発明の重合体組成物を塗布することにより、樹脂部材のガスバリア性を向上させることができる。ここでいう樹脂部材とは、樹脂基板や樹脂フィルム等があげられる。
【0112】
本発明により得られた封止材、保護膜は、FPDデバイスや半導体デバイスに用いることができる。ガスバリア性樹脂部材は、FPDデバイスとして用いることができる。
【発明の効果】
【0113】
本発明による重合体組成物は封止材、保護膜やガスバリア材として用いることができる。更にそれを用いることでガスバリア性樹脂部材、LEDデバイス、半導体デバイスを提供できる。これらはFPDデバイスに用いることができる。
【実施例】
【0114】
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0115】
膜厚測定は、株式会社アルバック製の触針式表面形状測定器デックタック(Dektak)6Mを用いた。屈折率は、JASCO社製、MEL−30S、自動波長スキャンエリプソメータ、又は、アタゴ社製、多波長アッベ屈折率DR−M4(波長589nm)により測定した。
【0116】
全光線透過率は、JIS K 7361−1法により測定した。光線透過率の波長依存性については、日本分光社製、紫外・可視分光光度計V−530(測定波長領域250nm〜850nm)により測定した。
【0117】
UV照射試験は、岩崎電気社製、アイスーパーUVテスターSUV−F1を用い、68mW/cm(波長300〜400nm)、120時間の条件で行った。
【0118】
デュロメータ硬度は、デュロメータ硬度計タイプAを用い、JIS7215に基いて測定した。
【0119】
熱伝導率については、密度を水中置換法により測定し、比熱をパーキンエルマー社製、Pyris Diamond DSCにより測定し、熱拡散率を京都電子工業社製、レーザーフラッシュ法測定装置LFA−502により測定することにより算出した。
【0120】
酸素透過性は、JIS K 7126−1法により、水透過性は、JIS K 7129A法でにより測定した。
【0121】
29Si CP/MAS NMRは、Varian社製、VNMRS−400で測定した。
【0122】
実施例1
[ビニル基と二級炭素原子が直結したケイ素原子を有する環状シロキサンと白金から成る金属触媒の合成]
窒素気流下、攪拌装置を備えた50mlのシュレンク管反応器に特開2005−51192号公報に記載の方法に従って合成した2,4,6−トリビニル−2,4,6−トリイソプロピルシクロトリシロキサン17.1g(50mmol)とエタノール16.4mlに塩化白金酸六水和物2.59g(5.0mmol)を仕込み、室温で攪拌し、均一溶液とした。この均一溶液に炭酸水素ナトリウム4.20g(50mmol)を10分間で加えた後、70℃で6時間攪拌した。得られた懸濁液からガラスフィルターで濾過することにより灰色の残渣を濾別し、透明黄色の白金触媒溶液を得た。得られた透明黄色の白金触媒溶液の白金の濃度は、0.297mmol/gであった。
【0123】
[重合体組成物の合成]
窒素気流下、攪拌装置を備えた50mlのシュレンク管反応器に平均分子量1200のポリメチルビニルシロキサン4.30g(Si含有量50mmol)にトリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液5.71g(Al含有量10mmol)を加え、室温にて20時間攪拌した。得られた反応溶液に平均分子量1600のポリメチルハイドロジェンシロキサン3.00g(Si含有量50mmol)を加え、室温にて1時間攪拌し、上記で合成した白金触媒の0.034g(0.010mmol)を添加し、室温で1時間攪拌し、重合体組成物のヘキサン溶液を得た。
【0124】
[シリコン基板への重合体組成物の塗布]
バーコーターにより、シリコン基板に上記の重合体組成物のヘキサン溶液を塗布し、100℃、5分間の条件で溶媒を除去し、乾燥させた。重合体組成物膜は均一透明で、その膜厚は10μmであった。10×10=100マス(1mm角)のクロスカットを施した後、スコッチテープによる剥離試験を行ったところ、全く剥離がなかった。また、150℃で5時間の加熱による耐熱試験によっても黄色変化、クラックの発生、および剥離は観られなかった。更に屈折率を測定したところ、1.490であった。
【0125】
比較例1
実施例1の重合体組成物の合成において使用したトリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液に変えて、ヘキサン5.00gとしたこと以外は、実施例1と同様に重合体組成物を合成し、それをシリコン基板に塗布した。重合体組成物膜は均一透明で、その膜厚は10μmであった。10×10=100マス(1mm角)のクロスカットを施した後、スコッチテープによる剥離試験を行ったところ、100マス中13マスが剥離した。また、150℃で5時間の加熱による耐熱試験でクラックの発生と剥離が観られた。更に屈折率を測定したところ、1.451であった。
【0126】
実施例2
実施例1の重合体組成物の合成において使用したトリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液に変えて、ジエチル亜鉛の18.4重量%のヘキサン溶液6.71g(Zn含有量10mmol)としたこと以外は、実施例1と同様に重合体組成物を合成し、それをシリコン基板に塗布した。
【0127】
重合体組成物膜は均一透明で、その膜厚は10μmであった。その膜厚は10μmであった。10×10=100マス(1mm角)のクロスカットを施した後、スコッチテープによる剥離試験を行ったところ、全く剥離がなかった。また、150℃で5時間の加熱による耐熱試験によっても黄色変化、クラックの発生、および剥離は観られなかった。更に屈折率を測定したところ、1.620であった。
【0128】
実施例3
[重合体組成物の合成]
窒素気流下、攪拌装置を備えた50mlのシュレンク管反応器に平均分子量1200のポリメチルビニルシロキサン4.30g(Si含有量50mmol)にテトラエトキシジルコニウム1.36g(5.0mmol)を加え、室温にて20時間攪拌した後、トリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液5.71g(Al含有量10mmol)を加え、更に室温にて20時間攪拌した。得られた反応溶液に平均分子量1600のポリメチルハイドロジェンシロキサン3.00g(Si含有量50mmol)を加え、室温にて1時間攪拌し、実施例1で合成した白金触媒の0.034g(0.010mmol)を添加し、室温で1時間攪拌し、重合体組成物のヘキサン溶液を得た。
【0129】
[シリコン基板への重合体組成物の塗布]
バーコーターにより、シリコン基板に上記の重合体組成物のヘキサン溶液を塗布し、100℃、5分間の条件で溶媒を除去し、乾燥させた。重合体組成物膜は均一透明で、その膜厚は10μmであった。10×10=100マス(1mm角)のクロスカットを施した後、スコッチテープによる剥離試験を行ったところ、全く剥離がなかった。また、150℃で5時間の加熱による耐熱試験によっても黄色変化、クラックの発生、および剥離は観られなかった。更に屈折率を測定したところ、1.788であった。
【0130】
実施例4
[重合体組成物の合成]
窒素気流下、攪拌装置を備えた50mlのシュレンク管反応器に平均分子量1200のポリメチルビニルシロキサン4.30g(Si含有量50mmol)にトリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液2.84g(Al含有量5.0mmol)を加え、室温にて20時間攪拌した。得られた反応溶液に平均分子量1600のポリメチルハイドロジェンシロキサン3.00g(Si含有量50mmol)を加え、室温にて1時間攪拌し、実施例1で合成した白金触媒の0.0034g(0.001mmol)を添加し、室温で1時間攪拌し、無色透明の重合体組成物のヘキサン溶液を得た。
【0131】
[シリコン基板への重合体組成物の塗布]
バーコーターにより、シリコン基板に上記の重合体組成物のヘキサン溶液を塗布し、100℃、5分間の条件で溶媒を除去し、乾燥させた。重合体組成物膜は均一透明で、その膜厚は449nmであった。10×10=100マス(1mm角)のクロスカットを施した後、スコッチテープによる剥離試験を行ったところ、全く剥離がなかった。また、150℃で5時間の加熱による耐熱試験によっても黄色変化、クラックの発生、および剥離は観られなかった。更に屈折率を測定したところ、1.533であった。
【0132】
比較例2
実施例4の重合体組成物の合成において使用したトリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液に変えて、ヘキサン5.00gとしたこと以外は、実施例4と同様に重合体組成物を合成し、それをシリコン基板に塗布した。重合体組成物膜は均一透明で、その膜厚は504nmであった。10×10=100マス(1mm角)のクロスカットを施した後、スコッチテープによる剥離試験を行ったところ、100マス中13マスが剥離した。また、150℃で5時間の加熱による耐熱試験でクラックの発生と剥離が観られた。更に屈折率を測定したところ、1.451であった。
【0133】
実施例5
実施例4の重合体組成物の合成において使用したトリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液に変えて、ジエチル亜鉛の18.4重量%のヘキサン溶液3.36g(Zn含有量5.0mmol)としたこと以外は、実施例4と同様に無色透明の重合体組成物を合成し、それをシリコン基板に塗布した。
【0134】
重合体組成物膜は均一透明で、その膜厚は507nmであった。10×10=100マス(1mm角)のクロスカットを施した後、スコッチテープによる剥離試験を行ったところ、全く剥離がなかった。また、150℃で5時間の加熱による耐熱試験によっても黄色変化、クラックの発生、および剥離は観られなかった。更に屈折率を測定したところ、1.690であった。
【0135】
実施例6
[重合体組成物の合成]
窒素気流下、攪拌装置を備えた50mlのシュレンク管反応器に平均分子量1200のポリメチルビニルシロキサン4.30g(Si含有量50mmol)にテトラエトキシジルコニウム1.36g(5.0mmol)を加え、室温にて20時間攪拌した後、トリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液2.84g(Al含有量5.0mmol)を加え、更に室温にて20時間攪拌した。得られた反応溶液に平均分子量1600のポリメチルハイドロジェンシロキサン3.00g(Si含有量50mmol)を加え、室温にて1時間攪拌し、実施例1で合成した白金触媒の0.0034g(0.001mmol)を添加し、室温で1時間攪拌し、無色透明の重合体組成物のヘキサン溶液を得た。
【0136】
[シリコン基板への重合体組成物の塗布]
バーコーターにより、シリコン基板に上記の重合体組成物のヘキサン溶液を塗布し、100℃、5分間の条件で溶媒を除去し、乾燥させた。重合体組成物膜は均一透明で、その膜厚は1412nmであった。10×10=100マス(1mm角)のクロスカットを施した後、スコッチテープによる剥離試験を行ったところ、全く剥離がなかった。また、150℃で5時間の加熱による耐熱試験によっても黄色変化、クラックの発生、および剥離は観られなかった。更に屈折率を測定したところ、1.790であった。
【0137】
実施例7
[重合体組成物の合成]
窒素気流下、攪拌装置を備えた50mlのシュレンク管反応器に平均分子量1200のポリメチルビニルシロキサン4.30g(Si含有量50mmol)にトリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液7.10g(Al含有量12.5mmol)を加え、室温にて20時間攪拌した。得られた反応溶液からヘキサンを減圧留去し、無色透明のAl含有重合体を得た。
【0138】
得られたAl含有重合体に平均分子量1600のポリメチルハイドロジェンシロキサン3.00g(Si含有量50mmol)を加え、室温にて1時間攪拌し、実施例1で合成した白金触媒の0.0034g(0.001mmol)を添加し、室温で1時間攪拌し、無色透明の重合体組成物を得た。
【0139】
[重合体組成物の成型]
縦50mm、横50mm、厚さ2.0mmのガラス製鋳型に上記の重合体組成物を流込み、150℃、1時間の条件で加熱硬化させ、重合体組成物の硬化板状サンプルを得た。
【0140】
得られた重合体組成物の硬化板状サンプルは、無色透明で、その表面は平坦かつ平滑であった。
【0141】
得られた硬化板状サンプルの屈折率を測定したところ、1.557であった。また、その全光線透過率は、91.5%であり、UV照射試験後の全光線透過率も91.5%を維持した。光線透過率の波長依存性は、測定波長範囲内で97.0%以上の光線透過率であり、UV照射試験後も97.0%以上を維持した。すなわち、耐UV性が高いことが判明した。
【0142】
得られた硬化板状サンプルのデュロメータ硬度は、97.5で有り、150℃から260℃の昇降温3回の耐熱試験後も97.5を維持した。また、150℃から260℃の昇降温3回の耐熱試験後にクラックの発生や割れ、黄変等の変色は観られなかった。すなわち、耐熱性が高いことが判明した。
【0143】
得られた硬化板状サンプルの熱伝導率は、0.230W/m・Kであり、酸素透過率は、1325cc/m・day、水透過性は、14.8g/m・dayであった。
【0144】
得られた硬化板状サンプルを29Si CP/MAS NMRにより分析したところ、δ−110ppmにSi−O−Alに帰属されるピークが観測された。すなわち、ケイ素、酸素、アルミニウムから成る一次構造鎖が形成されていることが判明した。
【0145】
実施例8
実施例7の重合体組成物の合成において使用したトリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液に変えて、ジエチル亜鉛の18.4重量%のヘキサン溶液8.40g(Zn含有量12.5mmol)としたこと以外は、実施例7と同様に無色透明の重合体組成物を合成し、重合体組成物の硬化板状サンプルを得た。
【0146】
得られた重合体組成物の硬化板状サンプルは、無色透明で、その表面は平坦かつ平滑であった。
【0147】
得られた硬化板状サンプルの屈折率を測定したところ、1.630であった。また、その全光線透過率は、91.8%であり、UV照射試験後の全光線透過率も91.8%を維持した。光線透過率の波長依存性は、測定波長範囲内で97.0%以上の光線透過率であり、UV照射試験後も97.0%以上を維持した。すなわち、耐UV性が高いことが判明した。
【0148】
得られた硬化板状サンプルのデュロメータ硬度は、96.0で有り、150℃から260℃の昇降温3回の耐熱試験後も96.0を維持した。また、150℃から260℃の昇降温3回の耐熱試験後にクラックの発生や割れ、黄変等の変色は観られなかった。すなわち、耐熱性が高いことが判明した。
【0149】
得られた硬化板状サンプルの熱伝導率は、0.251W/m・Kであり、酸素透過率は、1032cc/m・day、水透過性は、12.5g/m・dayであった。
【0150】
比較例3
実施例7の重合体組成物の合成において使用したトリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液を加えなかったこと以外は、実施例7と同様に重合体組成物を合成し、実施例7と同様に無色透明の重合体組成物を合成し、重合体組成物の硬化板状サンプルを得た。
【0151】
得られた重合体組成物の硬化板状サンプルは、無色透明で、その表面は平坦かつ平滑であった。
【0152】
得られた硬化板状サンプルの屈折率を測定したところ、1.448であった。また、その全光線透過率は、90.5%であり、UV照射試験後の全光線透過率は、76.8%に低下した。更に光線透過率の波長依存性は、測定波長範囲内で97.0%以上の光線透過率であったが、UV照射試験後89.2%以下に低下した。すなわち、UV照射により著しく重合体組成物が劣化した。すなわち、耐UV性が低いことが判明した。
【0153】
得られた硬化板状サンプルのデュロメータ硬度は、77.2で有り、150℃から260℃の昇降温3回の耐熱試験後には65.4に低下した。また、150℃から260℃の昇降温3回の耐熱試験後にクラックと割れが発生し、黄色に変色した。すなわち、耐熱性が低いことが判明した。
【0154】
得られた硬化板状サンプルの熱伝導率は、0.195W/m・Kであり、実施例7及び実施例8に比し、低いものであった。
【0155】
得られた硬化板状サンプルの酸素透過率は、8516cc/m・day、水透過性は、68.3g/m・dayであり、実施例7及び実施例8に比し高く、ガスバリア性が低いことが判明した。
【0156】
実施例9
[重合体組成物の合成]
窒素気流下、攪拌装置を備えた50mlのシュレンク管反応器に平均分子量30000のポリイソプロピルビニルシロキサン5.70g(Si含有量50mmol)にトリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液7.10g(Al含有量12.5mmol)を加え、室温にて20時間攪拌した。得られた反応溶液からヘキサンを減圧留去し、無色透明のAl含有重合体を得た。
【0157】
得られたAl含有重合体に平均分子量1600のポリメチルハイドロジェンシロキサン3.00g(Si含有量50mmol)を加え、室温にて1時間攪拌し、実施例1で合成した白金触媒の0.0034g(0.001mmol)を添加し、室温で1時間攪拌し、無色透明の重合体組成物を得た。
【0158】
[重合体組成物の成型]
縦50mm、横50mm、厚さ2.0mmのガラス製鋳型に上記の重合体組成物を流込み、150℃、1時間の条件で加熱硬化させ、重合体組成物の硬化板状サンプルを得た。
【0159】
得られた重合体組成物の硬化板状サンプルは、無色透明で、その表面は平坦かつ平滑であった。
【0160】
得られた硬化板状サンプルの屈折率を測定したところ、1.572であった。また、その全光線透過率は、91.2%であり、UV照射試験後の全光線透過率も91.2%を維持した。光線透過率の波長依存性は、測定波長範囲内で97.0%以上の光線透過率であり、UV照射試験後も97.0%以上を維持した。すなわち、耐UV性が高いことが判明した。
【0161】
得られた硬化板状サンプルのデュロメータ硬度は、98.5で有り、150℃から260℃の昇降温3回の耐熱試験後も98.5を維持した。また、150℃から260℃の昇降温3回の耐熱試験後にクラックの発生や割れ、黄変等の変色は観られなかった。すなわち、耐熱性が高いことが判明した。
【0162】
得られた硬化板状サンプルの熱伝導率は、0.230W/m・Kであり、酸素透過率は、1150cc/m・day、水透過性は、13.8g/m・dayであった。
【0163】
得られた硬化板状サンプルを29Si CP/MAS NMRにより分析したところ、δ−110ppmにSi−O−Alに帰属されるピークが観測された。すなわち、ケイ素、酸素、アルミニウムから成る一次構造鎖が形成されていることが判明した。
【0164】
実施例10
[重合体組成物の合成]
窒素気流下、攪拌装置を備えた50mlのシュレンク管反応器に平均分子量30000のポリメチルビニルシロキサン4.30g(Si含有量50mmol)にトリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液7.10g(Al含有量12.5mmol)を加え、室温にて20時間攪拌した。得られた反応溶液にsec−ブタノール5.56g(75mmol)を添加し、室温にて3時間攪拌した。得られた反応溶液からヘキサンと未反応の2−ブタノールを減圧留去し、無色透明のAl含有重合体を得た。
【0165】
得られたAl含有重合体に平均分子量1600のポリメチルハイドロジェンシロキサン3.00g(Si含有量50mmol)を加え、室温にて1時間攪拌し、実施例1で合成した白金触媒の0.0034g(0.001mmol)を添加し、室温で1時間攪拌し、無色透明の重合体組成物を得た。
【0166】
[重合体組成物の成型]
縦50mm、横50mm、厚さ2.0mmのガラス製鋳型に上記の重合体組成物を流込み、150℃、1時間の条件で加熱硬化させ、重合体組成物の硬化板状サンプルを得た。
【0167】
得られた重合体組成物の硬化板状サンプルは、無色透明で、その表面は平坦かつ平滑であった。
【0168】
得られた硬化板状サンプルの屈折率を測定したところ、1.552であった。また、その全光線透過率は、91.8%であり、UV照射試験後の全光線透過率も91.8%を維持した。光線透過率の波長依存性は、測定波長範囲内で98.0%以上の光線透過率であり、UV照射試験後も98.0%以上を維持した。すなわち、耐UV性が高いことが判明した。
【0169】
得られた硬化板状サンプルのデュロメータ硬度は、98.0で有り、150℃から260℃の昇降温3回の耐熱試験後も98.0を維持した。また、150℃から260℃の昇降温3回の耐熱試験後にクラックの発生や割れ、黄変等の変色は観られなかった。すなわち、耐熱性が高いことが判明した。
【0170】
得られた硬化板状サンプルの熱伝導率は、0.229W/m・Kであり、酸素透過率は、1210cc/m・day、水透過性は、14.5g/m・dayであった。
【0171】
比較例4
実施例7の重合体組成物の合成において使用したトリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液に変えて、アルミニウムイソプロポキシド2.55g(Al含有量12.5mmol)とヘキサン10.0gとしたこと以外は、実施例7と同様に重合体組成物を合成し、重合体組成物の硬化板状サンプルを作成した。
【0172】
重合体組成物は、白濁した粘稠スラリーあって不均一であり、重合体組成物の硬化板状サンプルは、白濁不透明で、その表面は凹凸あり平坦ではなかった。
【0173】
比較例5
実施例7の重合体組成物の合成において使用したトリエチルアルミニウムの20重量%のヘキサン溶液に変えて、アルミニウムsec.−ブロキシド3.08g(Al含有量12.5mmol)とヘキサン12.0gとしたこと以外は、実施例7と同様に重合体組成物を合成し、無色透明の重合体組成物を得た。
【0174】
実施例7と同様に重合体組成物の硬化板状サンプルを作成したところ、その表面は平坦かつ平滑であったが、表面が白濁し、不透明となった。
【0175】
実施例11
実施例10の重合体組成物の合成においてsec−ブタノールに変えてジメチルジメトキシシラン1.50g(12.5mmol)を使用したとしたこと以外は、実施例10と同様に無色透明の重合体組成物を合成し、重合体組成物の硬化板状サンプルを得た。
【0176】
得られた重合体組成物の硬化板状サンプルは、無色透明で、その表面は平坦かつ平滑であった。
【0177】
得られた硬化板状サンプルの屈折率を測定したところ、1.550であった。また、その全光線透過率は、91.9%であり、UV照射試験後の全光線透過率も91.9%を維持した。光線透過率の波長依存性は、測定波長範囲内で98.0%以上の光線透過率であり、UV照射試験後も98.0%以上を維持した。すなわち、耐UV性が高いことが判明した。
【0178】
得られた硬化板状サンプルのデュロメータ硬度は、98.0で有り、150℃から260℃の昇降温3回の耐熱試験後も98.0を維持した。また、150℃から260℃の昇降温3回の耐熱試験後にクラックの発生や割れ、黄変等の変色は観られなかった。すなわち、耐熱性が高いことが判明した。
【0179】
得られた硬化板状サンプルの熱伝導率は、0.229W/m・Kであり、酸素透過率は、1430cc/m・day、水透過性は、16.5g/m・dayであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A)として、下記一般式(1)の不飽和基含有シロキサン化合物と
【化1】

(式中、Rは水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す。mは3以上の整数を表し、aは0〜10の整数を表す。シロキサン構造は鎖状または環状である。)、
成分(B)として、下記一般式(2)の水素がケイ素に直結した構造を有するシロキサン化合物と
【化2】

(式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を表す。nは3以上の整数を表し、シロキサン構造は鎖状または環状である。)、
成分(C)として、周期律表の第1族、第2族、第12族、第13族及び第14族金属の有機金属化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種と、
成分(D)として、周期律表の第8族、第9族、または第10族の金属触媒
を混合し、反応させることを特徴とする、重合体組成物の製造方法。
【請求項2】
成分(C)が有機アルミニウム化合物または有機亜鉛化合物である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
成分(D)が白金触媒またはルテニウム触媒である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3いずれかに記載の方法で製造された重合体組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の重合体組成物より成る封止材。
【請求項6】
請求項4に記載の重合体組成物より成るガスバリア材。
【請求項7】
請求項4に記載の重合体組成物より成る半導体用絶縁封止材。
【請求項8】
請求項5の封止材を含んでなることを特徴とするLEDデバイス。
【請求項9】
請求項6のガスバリア材を含んでなることを特徴とする樹脂部材。
【請求項10】
請求項7に記載の半導体用絶縁封止材を含んでなることを特徴とする半導体デバイス。

【公開番号】特開2012−21139(P2012−21139A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107130(P2011−107130)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】