説明

内側の層及び外側の層で親水性及び疎水性である一種の純粋な綿の織物、及び、それを作るための工程

本発明は、それぞれ内及び外側で又は内側の層又は外側の層で疎水性のもの及び親水性のものである一種の純粋な綿の織物、並びに、それを作るための工程に関する。その織物は、それの内側の層として本質的に疎水性の綿を、及び、それの外側の層として本質的に親水性の綿を、有すると共に、一方向に湿気を透過させることができる。その工程は、主として、その外側の層及びその内側の層の純粋な綿の糸は、それぞれ、相応じて親水性の糸及び疎水性の仕上げられた糸を得るための、親水性の仕上げ及び疎水性の仕上げをこうむることに存する。そして、編むことによって、発汗させる機能を有すると共に着用者にとって快適なものを感じる、内側の層及び外側の層における疎水性及び親水性における差を備えた織物又は組織が、得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あるタイプの純粋な綿の織物及びそれを生産する方法に関する。特に、それは、その内側の及び外側の層が、異なる性質を有する、あるタイプの特別に純粋な綿の織物、並びに、それを生産する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生活の質が、改善することを続けると共に織物産業が発展すると、消費者は、快適、機能性、外観、及び触感を含む、全てのそれの態様において改善することを持ちこたえるための衣類を期待する。従って、快適なものであると共にある一定の機能性を有する織物の生産は、織物産業の将来の動向である。
【0003】
消費者は、天然の繊維の織物、特に純粋な綿の織物を、彼又は彼女らの快適及び環境的な利益のために、強く好んで着る。純粋な綿の繊維は、一般に、良好な吸収性を有するが、しかし、湿気を吸収した後には、それらは、皮膚にくっつくと共に着用者が不快を感じることを引き起こす。従って、湿気を吸収する、汗を排出する、及び、急速に乾燥することができるであろう、着用するために乾燥した且つ快適なものであろう、並びに、その接触に対して心地よいものであるであろう、湿気の管理の織物を生産することは、非常に実用的なものであろう。
【0004】
今市場には二個の主要なタイプの湿気の管理の織物がある。
【0005】
第一のタイプの織物は、ダクトを含有するポリエステルの繊維と同様の、異なる繊維からの編物であるが、それのDUPONTのCoolmax及びTaiwanのCooplusは、周知の例である。これらの繊維は、独特の四個のチャネルの設計を備えた機能的な合成の繊維である。これらのチャネルは、急速に、その織物の外側の層へ汗及び湿気を運ぶことができる。従って、それらは、良好な湿気の管理の性質を有する。しかしながら、このタイプの機能的な繊維を使用して生産される編物の織物は、ある一定の欠点を有する。理論的には、それら繊維は、四個のチャネルを有するように、設計されるが、それらは、毛細管の効果の手段によって水又は蒸泄を輸送する。一度これらのチャネルが、遮断されると、それらの湿気の管理の性能は、悪くなる。現実には、これらの繊維は、100−130℃で分散した染料を使用して、染められる。繊維におけるいくつかのオリゴマーは、高い温度の下で分解すると共にそれら繊維に結合するが、このように、それらチャネルを遮断すると共に湿気の管理の性能における降下を引き起こす。加えて、これらの機能的な繊維は、合成の繊維である。従って、このタイプの100%の機能的な繊維から織物の編物は、綿の織物の柔軟な触感を欠如することになる。綿の繊維及びこのタイプの機能的な繊維から加工されたブレンドされた糸を使用するとすれば、それは、ひどい多毛及び乏しい色の堅牢度のような欠陥を欠点としてもつことになる。数回の住宅の洗濯の後、このような糸から作られた編物の織物は、通常では、多数の表面の毛を有すると共に自明な色の変退色を示すことになる。特に、平坦な編物の襟は、洗浄した後に、顕著に変形することになる。それらは、また、洗浄した後に、より低い湿気の管理の性能を有することになる。さらには、このタイプの製品は、より多く費用を要する。
【0006】
第二のタイプの織物は、合成の繊維及び綿のブレンドされた紡糸又は編み作業を通じた、改善された湿気の管理及び乾燥の快適の能力を達成する。現実的な結果は、この種類の織物が、湿気の吸収の能力において、より強いものであると共に、急速な乾燥の性能において、あまり強いものではないことを示す。加えて、この種類の織物は、また、合成の繊維の使用をすることを必要とすると共に、このように、それほど快適な又は環境に優しいものではない。
【0007】
従って、明確に、急速に乾燥させる、乾燥した且つ汗に対して快適なものである、手の触感に対して心地よいものと共に目に対して心地よいものである、及び、繰り返された洗浄の下で良好に持続する、純粋な綿の湿気の管理の織物を生産するための要望がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、その内側の及び外側の層が、異なる性質を有する、あるタイプの純粋な綿の織物を提供する。異なる性質を有する内側の及び外側の層を組み合わせることによって、−すなわち、合成の繊維の急速な乾燥の強さと純粋な綿の織物の快適を組み合わせることによって、それは、これらの目標を達成する:それは、着用することが快適なものである、それは、手の触感に対して心地よいものである、それは、良好なものに見える、それは、洗浄の下で良好に持続する、及び、それは、急速に乾燥する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目標を達成するために、本発明によって提供された織物は、その内側の及び外側の層が、異なる性質を有する、あるタイプの純粋な綿である。前記の織物の内側の層は、基本的に、疎水性の純粋な綿であると共に、その外側の層は、親水性の純粋な綿である。このように、それは、一方向に水を輸送する。
【0010】
我々が、本発明によって提供された、異なった性質の内側の及び外側の層を備えた純粋な綿の織物を、現行の技術の製品と比較するとき、我々は、最も重要な特性が、その織物の表の及び裏の面(内側の及び外側の層)が異なる機能を有することであるということを見出す。すなわち、水が一方向に輸送されるという結果を伴って、その内側の層は、疎水性のものであると共に、その外側の層は、親水性のものである。その織物を衣類に加工した後で、それは、着用されたとき、乾燥したもの且つ快適なものと感じると共に、それは、急速に乾燥する。本発明に記載された内側の及び外側の層は、単一の編物の織物の内側の及び外側の表面の層であることができる。それらは、また、二重の編物の構造を備えた織物の内側の及び外側の層であることができる。
【0011】
本発明の好適なスキームに従って、前記の純粋な綿の織物の疎水性の内側の層及び親水性の外側の層は、別個の疎水性の及び親水性の処理を被ってきた、純粋な綿の糸から編まれる。その内側の層は、基本的には、疎水性の処理を被ってきた、疎水性の純粋な綿の糸であると共に、それは、湿気及び空気に対する良好な浸透性を有する。その外側の層は、親水性の処理を被ってきた、親水性の純粋な綿の糸であると共に、それは、優れた水の吸収及び広がりの可能性を有する。外側の及び内側の層の間における差は、水の輸送のための原動力を提供する。その内側の層における湿気及び空気は、その外側の層へ急速に浸透することができると共に、その内側の層を乾燥した且つ快適なものに保つ。このように、それは、湿気の管理の及び急速に乾燥する機能を有する。具体的な実施形態において、前記の内側の層を、疎水性の綿の糸から全体的に形成することができるか、又は、少量の親水性の糸を、適切なものとして付加することができる。付加された量は、一般に、10%から40%までのような、40%まで限定されるべきである。これは、内側の層と外側の層との間における差に影響を及ぼさないことになると共に、水又は汗が、その内側の層からその外側の層まで輸送される率を現実に増加させることができる。
【0012】
本発明の織物は、いずれの知られた編む方法の手段によって、編まれることができる。例えば、前記の織物は、前記の純粋な綿の糸からの、リブ織物、リブジャカード織物、メッキされたジャージー/ピッケ織物、又は、二重の編物の両面の織物の編物であることができる。
【0013】
従って、本発明は、100%の純粋な綿の材料から製造される、且つ、湿気の管理の及び急速な乾燥する機能と快適を統合する、急速な乾燥する綿の織物を提供する。さらには、それは、その接触に対して非常に心地よいものであると共に着用されたとき優秀な快適を有する。
【0014】
付加的に、本発明は、また、異なった性質の内側の及び外側の層を備えた前記の純粋な綿の織物を生産する方法を提供する。独特の著理の工程の手段によって、綿の糸は、編まれた純粋な綿の織物の表の及び裏の面(二重の編物の織物の内側の及び外側の層)が、各々が異なる機能を有することを、引き起こす、異なる処理を被ると共に、それによって、一方向性の水の輸送、快適な着用物、並びに、向上した湿気の管理及び急速な乾燥の特別な効果を達成する。
【0015】
本発明によって提供される、異なった性質の内側の及び外側の層を備えた純粋な綿の織物を生産する方法は、以下に続くステップを含む。その外側の層の純粋な綿の糸は、親水性の処理を被ると共に、その結果は、親水性に処理された糸である。その内側の層の純粋な綿の糸は、疎水性の処理を被ると共に、その結果は、疎水性に処理された糸である。そして、それらは、編物であると共に、その結果は、その内側の及び外側の層が、異なる性質を有する、織物である。
【0016】
具体的には、本発明によって提供された方法に従って糸に使用される、前記の親水性の処理の工程は、主として、以下に続く手順からなる。その糸に使用される、前記の親水性の処理の工程は、糸を染めること、浴において柔軟にすること、及び、乾燥させることを含む。
【0017】
1)上に記載した手順において、その糸を染める工程は、洗い流すこと、染めること、石けん処理すること、及び、定着の知られた手順からなる。
【0018】
2)浴における柔軟にすることの前記の手順は、(親水性の柔軟加工する油ともまた呼ばれる)親水性の軟化剤で糸を処理することからなる。本発明に従って、綿の糸は、好ましくは、脂肪族アミン、脂肪族アミン誘導体、有機ケイ素、及びそれらの配合物からなる群より選択される親水性の軟化剤で処理される。より好ましくは、ポリエーテルで修飾されたエポキシエタン又はエポキシプロパンの重合体の有機ケイ素の軟化剤が、使用される。その軟化剤は、1から10グラム毎リットルの濃度の処理浴で使用される。処理されるものである綿の糸に対する前記の軟化剤を含有する処理浴の液体の比は、1:5と1:10との間にある。処理は、10から50分までかかると共に、処理温度は、30℃から100℃までである。
【0019】
それが、親水性の基を含有するために、本発明の上述した軟化剤は、水の分子と水素結合を形成することができる。従って、それは、水に関して優れた湿潤の性質を有する。加えて、浸透の能力を改善するために、その処理浴へ、浸透剤として、エチル芳香族脂肪族エーテルの界面活性剤又は脂肪族アルコールのポリオキシエチレンのエーテルの非イオン性の界面活性剤のような、ポリオキシエチレン−エーテル化合物を添加することができる。一般に、1から5グラムの前記の浸透剤は、処理浴のリットル毎に、使用される。
【0020】
その処理工程の間に、その綿の糸を、他のタイプの軟化剤で汚染することがあってはならないと共に、伴われた設備は、注意深く清浄にされるべきである。
【0021】
3)処理された綿の糸は、高周波の乾燥機のような、その分野に共通なものである、乾燥する設備で乾燥させられる。乾燥する温度は、おおよそ80℃から150℃にある。
【0022】
本発明の方法に従って綿の糸に使用される前記の疎水性の処理の工程は、その糸を染めること、それを清浄にすること、それを疎水性の試剤で処理すること、及び、それを乾燥させることを含む。
【0023】
上述した手順において、その糸を染めることは、洗い流すこと、染めること、石けん処理すること、及び定着の知られた工程からなる。
【0024】
前記の清浄にする手順は、好ましくは、50℃から100℃で実行されると共に、その温度に依存して、5から60分の間持続させる。本発明に使用された清浄剤は、その分野における普通の清浄剤であることもできる。例は、芳香族の硫酸の清浄剤である。一般に、その清浄剤の0.5から10グラムが、リットル毎に使用される。
【0025】
好ましくは、疎水性の処理は、リットル毎に使用される疎水性の試剤の1から100gで、5から60分の間に40℃と100℃との間に実行される。
【0026】
本発明に使用された疎水性の試剤を、以下に続くもの、ヒドロキシメチル脂肪酸、有機ケイ素、又は、フルオロを含有する樹脂から選択することができる。具体的には、本発明に適用された前記の疎水性の試剤を、ヒドロキシメチル=ステアラミド、エーテル化された多価のメラミン、ヒドロシリコン油の乳濁液、及び、有機フッ素の乳濁液からなる群より選択することができる。前記のヒドロキシメチル脂肪酸の疎水性の試剤は、好ましくは、長鎖のヒドロキシメチル脂肪酸である。それの炭素鎖の好適な長さは、14個から28個までの炭素である。前記のヒドロシリコン油の乳濁液は、陽イオン性のケイ素を備えたヒドロシリコン油の乳濁液であることができるか、又は、それは、活性な基を所持するポリジメチルシロキサンのヒドロシリコン油の乳濁液若しくはメチルヒドロシリコン油の乳濁液であることができる。前記の有機フッ素乳濁液は、フッ素を含有するアルキル=アクリラートの共重合体の乳濁液、フルオロカーボン及び炭化水素の統合された混合物からなる群より選択される。
【0027】
疎水性の試剤と処理された綿の糸が、直接的に脱水された後で、それは、100℃から180℃における高周波数の乾燥で乾燥させられる。
【0028】
純粋な綿の糸に別個の親水性の及び疎水性の処理をかけるために上述した方法を用いてきた後で、親水性に処理された糸及び疎水性に処理された糸を得ることができる。
【0029】
上述した手順における鍵となるステップは、親水性の軟化剤及び疎水性の試剤によって、綿の糸の処理である。親水性の軟化剤及び疎水性の試剤は、このように選択される。油で処理しておかれた糸から編まれた、織物が、手の触感に心地よいものであったと共に選択した後に良好な耐久性を有したとすれば、及び、洗浄する間に他方の側の反対の性質を備えた他の面について最小限の効果があったとすれば、油が、選択された。
【0030】
本発明のあるスキームに従って、上述した処理の後で、親水性に処理された純粋な綿の糸が、その外側の層を編むために使用されると共に、疎水性に処理された純粋の綿の糸は、その内側の層を編むために使用される(その内側の層は、主として、疎水性のものであるべきであるが、しかしまた、少量の親水性の糸を含むことができる)。このように、表の及び裏の面(内側の及び外側の面)が、基本的に異なる性質を有することを、引き起こすと共に、快適が、湿気の管理の及び急速な乾燥の機能と統合される、純粋な綿の織物は、完成させられる。その編む方法は、リブを編む方法、リブのジャカードを編む方法、及び、メッキされたジャージー/ピッケを編む方法より選択されることもある。(単一の編物のメッキされた構造のような)単一の編物の構造の織物を、必要なものとして、編むことができる。その内側の表面の層は、疎水性に処理された純粋な綿の糸であるか、又は、本質的にそれであると共に、その外側の層の表面は、親水性に処理された純粋な綿の糸である。(二重の編物の両面の構造のような)二重の編物の構造の織物を、また、編むことができる。それの内側の層は、疎水性に処理された糸であるか、又は、本質的にそれであると共に、その外側の層は、親水性に処理された糸である。その全体的な織物は、親水性の及び疎水性の性質の両方を所有することになるが、水の一方向性の輸送に帰着する。その具体的な編む技術が、この分野において一般的に使用された周知の技術であると共に、ここでさらには記載されないことになる。
【0031】
本発明の織物の製品の質をさらに改善するために、適切な処理後の手順を適用することもある。例えば、その繊維が、それの湿気吸収及び急速な乾燥の性質に加えて、良好な形状の保持、寸法の安定性、及びピリングの耐性のような特性を有することを引き起こす、苛性処理、酵素洗浄、又は、樹脂仕上げのような手順を選択的に行うこともある。
【0032】
前記の樹脂の仕上げは、その織物又は衣服を処理するための、樹脂、触媒、及び浸透剤の混合物を使用することからなることもある。例えば、その混合物における前記の樹脂は、ジメトキシエチレン尿素(DMEU)、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU)、ジメチルプロピレン尿素(DMPU)、ジヒドロキシメチルトリアゾン(DMT)、又は、変性したN−メチルジヒドロキシエチル尿素、又は、修飾されたジメチロールジヒドロキシエチレン尿素樹脂のような、それらの変種のような化合物であることができる。おおよそ20−150グラムのその樹脂が、一リットルのその混合物を作るために、使用される。前記の触媒は、マグネシウム塩、硝酸塩、又は、フルオロホウ酸亜鉛であることができる。おおよそ5−30グラムのその触媒は、一リットルのその混合物を作るために、使用される。前記の浸透剤は、エチル芳香族脂肪族エーテルの界面活性剤又は脂肪族のアルコールのポリオキシエチレンエーテルの非イオン性の界面活性剤のようなポリエテンオキシ−エーテル化合物であることができる。おおよそ0.5−4グラムの浸透剤は、一リットルのその混合物を作るために、使用される。その樹脂の仕上げについての温度は、一般に、140℃から180℃までである。おおよそ1−4分は、この温度で、その樹脂の仕上げについて、十分なものであるべきである。
【0033】
樹脂の仕上げ、苛性処理、又は酵素洗浄のような上述した工程を使用することによって、その形状の保持を維持すると共に洗浄された織物の織物表面を清浄にすることができると共に、それによって、その織物の外観及び耐久性を改善することができる。
【0034】
湿気の管理の織物を生産するために現行で使用される技術の全ては、織物を仕上げする工程に基づいたものである。この工程は、その織物の表の及び裏の面(内側の及び外側の面)の間に、異なる性質を達成することができないと共に、このように、一方向性の水の輸送の機能を生じさせることができない。加えて、現行の技術における急速乾燥する織物は、主として、合成の繊維及び綿/合成の繊維のブレンドされた製品の間で見出される。純粋な綿の製品についてのどんな報告もまだないままである。内側の及び外側の層の間における差の手段によって、本発明の織物は、純粋な綿の織物を通じた水又は汗の現実に一方向性の輸送を達成すると共に、乾燥した、快適なこと及び急速乾燥することの効果を生じさせる。特に、本発明は、特別な糸の処理の工程を使用すると共に、二個の異なる性質:親水性の性質及び疎水性の性質を備えた同じ織物を付与するための適切な編む工程を使用する(外側の層は、全体的に、親水性のもの且つ吸収性のものである。それは、水を吸収することについて良好なものである。その内側の層は、水をはじくと共に水を引き離すために使用されると共に、このようにその織物を乾燥した且つ快適なものに保つ)。それの表の及び裏のものの間における差と共に、その織物は、水の一方向性の輸送を確実にすることができると共に、編物の材料(織物)が、その後の工程(特に、洗浄する工程、苛性処理する工程、及び樹脂仕上げする工程)の間に、又は、住宅の洗濯する工程の間に、相互の効果にかけられるものではないことを、及び、それが、いたるところである一定の耐久性を維持することになることを、保証することができる。
【0035】
上のものを要約するために、本発明は、現行の技術を超える、以下に続く利点を有する。
【0036】
1.異なる処理の方法は、二重の層の純粋な綿の糸を処理するために、使用されると共に、その結果は、異なる性質を備えた糸である。その内側の層は、本質的に、湿気及び空気に対する良好な浸透性を備えた疎水性の純粋な綿の糸である。その外側の層は、優れた水の吸収の性質を備えた親水性の純粋な綿の糸である。その外側の及びその内側の層の間の差は、水の輸送のための原動力を提供する。その内側の層の湿気は、その外側の層へ非常に急速に浸透することができる。その内側の層は、乾燥した且つ快適なままであると共に、湿気の管理の及び急速な乾燥する機能は、それによって達成される。
【0037】
2.その織物は、仕上げられたとき、非常に良好な手の感触を有すると共に着用されたとき優秀な快適さを提供する、100%の純粋な綿の材料の使用をする。
【0038】
3.その選択された親水性の軟化剤は、良好な耐久性を有すると共に洗浄する間における疎水性の糸にほとんど効果を有さない。選択される疎水性の試剤は、良好な耐久性を有すると共に、それの非常にわずかなものが、洗浄する間にその親水性の糸へ付着する。これらの質は、本発明の織物が、手の感触に対して心地よいものであること及び良好な耐久性を有することを引き起こす一方で、一方向性の輸送の機能の耐久性を確実にする。それらは、また、染める機械における軟化剤の解乳化から結果として生じる油を浮かせるという問題を解決することを、容易なものにする。
【0039】
4.本発明の織物は、優れた耐久性を有する。AATCC143の方法と一致して洗濯したとき、それは、10回以上の住宅の洗濯を被る(製品についての典型的な洗濯能力の標準が、今、それが5回の洗濯によく耐えることを要求する)と共に良好な性能をなお維持することができる。さらには、色の変退色は、洗濯の後で、最小限のものである。現行の技術と比較して、10回の洗濯の後での、本発明の織物の呈色における変化(変退色)を、(AATCC143の方法に従って試験したとき、)3.5以上のレベルに、保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
我々は、スキームにおける以下に詳細な議論及び具体的な実施形態に照らした本発明の結果を提供することにするが、しかし、我々は、どのようにも、本発明の活用の範囲を制限するものではない。
【実施例1】
【0041】
実施形態1:60s/2 二重の編物の両面の織物
本実施形態の60s/2の二重の編物の両面の織物を生産する方法:
1.純粋な綿の糸の処理:
a.親水性の処理及び綿の糸を染める工程
洗い流すこと→染めること→石鹸処理,定着→浴における軟化(親水性の軟化剤)→染めること
1)洗い流すこと、染めること、石鹸処理、及び定着は、通常の作業場の工程に従って行われる。十分な洗い流しが、要求される。洗い流しの後における綿の糸は、良好な親水性の性質を有するべきである。
【0042】
2)ポリエーテルで修飾されたエポキシエタンの有機ケイ素の軟化剤“Magnasoft HWS”が、その親水性の軟化剤として使用される。4グラムが、リットル毎に使用される。その処理は、30℃で30分間持続する。液体の比は、およそ1:10である。他のタイプの軟化剤での汚染を回避することを必ずしてください。その処理に伴われた清浄にする設備が、要求される。
【0043】
3)その処理された綿の糸は、120℃における高周波数の乾燥機で乾燥させられる。
【0044】
b.疎水性の処理及び綿の糸を染める工程:
洗い流すこと→染めること→石鹸処理,定着→清浄にすること→疎水性の試剤で処理すること→乾燥させること
1)洗い流すこと、染めること、石鹸処理、及び定着は、通常の工程に従ってなされる。
【0045】
2)清浄にすることは、8g/LにおけるRF清浄剤で30分の間50℃でなされる。
【0046】
3)疎水性の処理は、おおよそ80グラム毎リットルにおけるヒドロキシメチルトリアジンタイプの疎水性の試剤で8分の間90℃でなされる。
【0047】
4)疎水性の試剤で処理しておいた綿の糸を直接的に脱水すると共に、高周波数の乾燥機において150℃でそれを乾燥させること。
【0048】
2.編む工程
二重の層の構造の純粋な綿の糸へと上述した処理された綿の糸を編むために二重の編物を編む方法を使用する、そこでは、その内側の層は、疎水性に処理された糸から編まれた疎水性の層(おおよそ20%の親水性の糸が、また、添加されることもある)であると共に、その外側の層は、親水性に処理された糸から編まれた親水性の層である。
【0049】
3.樹脂で仕上げすること
樹脂で仕上げすることは、樹脂、触媒、及び浸透剤の混合物で成し遂げられる。
【0050】
使用された樹脂は、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU)CPであるが、それの120グラムが、リットル毎に使用される。その触媒は、MgCl(24g/L)であると共に、その浸透剤は、PBN(4g/L)である。
【0051】
樹脂で仕上げすることは、140℃で成し遂げられる。
【0052】
上述したステップを、本実施形態の60s/2二重の層の構造の織物を得るために、完了させた。それの性能を、M&S P136Bの方法と一致して試験したと共に、それら結果を、表1に記録した。
【0053】
表1:
【0054】
【表1】


上の表におけるデータは、本発明の異なった性質の内側の及び外側の層を備えた純粋な綿の織物の水の蒸発率が、普通の純粋な綿の織物ものよりも大幅に高いものであることを示す。このように、人体が、発汗するとき、その汗を、急速に吸収すると共にその織物の外側の表面へ輸送することができるが、そこで、それは、蒸発する。
【実施例2】
【0055】
実施形態2:60s/2のリブのジャカードの織物
本実施形態の60s/2のリブのジャカードの織物を生産する方法は、以下に続くようなものである。
【0056】
1.糸の処理:
a.親水性の処理及び綿の糸を染める工程
洗い流すこと→染めること→石鹸処理,定着→浴における軟化(親水性の軟化剤)→染めること
1)洗い流すこと、染めること、石鹸処理、及び定着は、通常の作業場の工程に従って行われる。十分な洗い流しが、要求される。
【0057】
2)8グラムの高級な脂肪族アミン誘導体及び有機ケイ素化合物の軟化剤が、リットル毎に使用される。その処理は、40℃で10分間持続する。他のタイプの軟化剤、特に疎水性の軟化剤での汚染を回避することを必ずしてください。その処理に伴われた清浄にする設備が、要求される。
【0058】
3)その処理された綿の糸は、100℃における高周波数の乾燥機で乾燥させられる。
【0059】
b.疎水性の処理及び綿の糸を染める工程:
洗い流すこと→染めること→石鹸処理,定着→清浄にすること→疎水性の試剤で処理すること→乾燥させること
1)洗い流すこと、染めること、石鹸処理、及び定着は、通常の工程に従ってなされる。
【0060】
2)清浄にすることは、5g/LにおけるRF清浄剤で8時間の間90℃でなされる。
【0061】
3)疎水性の処理は、フルオロシラン(DupontのTeflon)の疎水性の試剤で20分の間70℃でなされる。おおよそ20グラムの疎水性の試剤が、処理浴のリットル毎に使用される。
【0062】
4)疎水性の試剤で処理しておいた綿の糸を直接的に脱水すると共に、高周波数の乾燥機において120℃でそれを乾燥させること。
【0063】
2.編む工程
リブのジャカードの構造の純粋な綿の織物へと上述した処理された綿の糸を編むために二重の編物を編む方法を使用する、そこでは、その内側の層は、疎水性に処理された糸から編まれた疎水性の層であると共に、その外側の層は、親水性に処理された糸から編まれた親水性の層である。
【0064】
3.樹脂で仕上げすること
樹脂で仕上げすることは、樹脂、触媒、及び浸透剤の混合物で成し遂げられる。
【0065】
使用された樹脂は、修飾された2D樹脂のFR−Clであるが、それの80グラムが、リットル毎に使用される。その触媒は、MgCl(16g/L)であると共に、その浸透剤は、66−HK(2g/L)である。
【0066】
樹脂で仕上げすることは、約180℃で成し遂げられる。
【0067】
上述したステップを、本実施形態の60s/2のリブのジャカードの織物を得るために、完了させた。それの性質を、M&S P136Bの方法と一致して試験したと共に、それら結果を、表2に記録した。
【0068】
表2:
【0069】
【表2】


上の表におけるデータは、本実施形態の異なった性質の内側の及び外側の層を備えた純粋な綿の織物の水の蒸発率が、普通の純粋な綿の織物のものよりも大幅に高いものであることを示す。このように、人体が、発汗するとき、その汗を、急速に吸収すると共にその織物の外側の表面へ輸送することができるが、そこで、それは、蒸発する。
【実施例3】
【0070】
実施形態3:60s/2のメッキされたジャージー/ピッケの織物
本実施形態の60s/2のメッキされたジャージー/ピッケの織物を生産する方法は、以下に続くようなものである。
【0071】
1.糸の処理:
a.親水性の処理及び綿の糸を染める工程
洗い流すこと→染めること→石鹸処理,定着→浴における軟化(親水性の軟化剤)→染めること
1)洗い流すこと、染めること、石鹸処理、及び定着は、通常の作業場の工程に従って行われる。十分な洗い流しが、要求される。
【0072】
2)2グラムの有機ケイ素の軟化剤A15(Jen Hsiang Chemical Industrial Shanghai Co.,Ltd.)が、リットル毎に使用される。その処理は、50℃で40分間持続する。他のタイプの軟化剤での汚染を回避することを必ずしてください。その処理に伴われた清浄にする設備が、要求される。
【0073】
3)その処理された綿の糸は、約140℃における高周波数の乾燥機で乾燥させられる。
【0074】
b.疎水性の処理及び綿の糸を染める工程:
洗い流すこと→染めること→石鹸処理,定着→清浄にすること→疎水性の試剤で処理すること→乾燥させること
1)洗い流すこと、染めること、石鹸処理、及び定着は、通常の工程に従ってなされる。
【0075】
2)清浄にすることは、15分の間70℃でなされる。RF清浄剤は、2g/Lにおける清浄にする流体において使用される。
【0076】
3)疎水性の処理は、処理浴のリットル毎におおよそ5グラムの疎水性の試剤でナノフルオロポリマーで40分の間50℃でなされる。
【0077】
4)疎水性の試剤で処理しておいた綿の糸を直接的に脱水すると共に、高周波数の乾燥機において約160℃でそれを乾燥させること。
【0078】
2.編む工程
メッキされたジャージー/ピッケを編む方法を使用する。その内側の層は、疎水性に処理された糸である(あるいは、親水性に処理された糸を少量で含有させることができる)と共に、その外側の層は、親水性に処理された糸である。それらは、その表の及び裏の面が異なる性質を有する、単一の編物の純粋な綿の織物へと編まれる。
【0079】
3.樹脂で仕上げすること
樹脂で仕上げすることは、樹脂、触媒、及び浸透剤の混合物で成し遂げられる。
【0080】
使用された樹脂は、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU)CPであるが、それの約30グラムが、リットル毎に使用される。その触媒は、MgCl(約6g/L)であると共に、その浸透剤は、脂肪族アルコールのポリオキシエチレン−エーテルの非イオン性界面活性剤66−HK(2g/L)である。
【0081】
樹脂で仕上げすることは、約160℃で成し遂げられる。
【0082】
上述したステップを、本実施形態の60s/2のメッキされたジャージー又はピッケの織物を得るために、完了させた。それの性質を、M&S P136Bの方法と一致して試験したと共に、それら結果を、表3に記録した。
【0083】
表3:
【0084】
【表3】


上の表におけるデータは、本実施形態の異なった性質の内側の及び外側の層を備えた純粋な綿の織物の水の蒸発率が、普通の純粋な綿の織物のものよりも大幅に高いものであることを示す。このように、人体が、発汗するとき、その汗を、急速に吸収すると共にその織物の外側の表面へ輸送することができるが、そこで、それは、蒸発する。
【0085】
本発明の具体的な実施形態に従って、その内側の及び外側の層が、異なる性質を有する、耐久性のある純粋な綿の織物を生産する実行可能な方法は、選択的に、以下のステップ:(1)糸を苛性処理すること、(2)糸を洗い流すこと、(3)酵素で洗浄すること、(4)特定の糸を染めること、(5)特定の編むこと、(6)織物を苛性処理すること、(7)樹脂で仕上げすること、(8)衣服を作ること、など、を含むこともある。苛性処理、酵素洗浄すること、及び樹脂で仕上げすることのような工程の用途は、洗浄した後の織物の外観を維持することができると共に、それによって、それの外観及び耐久性を改善することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側の及び外側の層が、異なる性質を有する、純粋な綿の織物であって、
当該織物の該内側の層は、本質的に疎水性の純粋な綿であると共に
該外側の層は、本質的に親水性の純粋な綿であると共に、
当該織物は、水の一方向性の輸送が可能なものである、純粋な綿の織物。
【請求項2】
当該織物は、単一の編物又は二重の編物の構造を有する、請求項1に記載の内側の及び外側の層が、異なる性質を有する、純粋な綿の織物。
【請求項3】
前記疎水性の内側の層及び前記親水性の外側の層は、本質的に、それぞれ疎水性の処理及び親水性の処理を被ってきた純粋な綿の糸から編まれる、請求項1又は2に記載の内側の及び外側の層が、異なる性質を有する、純粋な綿の織物
【請求項4】
当該織物の前記内側の及び外側の層は、前記純粋な綿の糸から編まれた、リブの織物、リブのジャカードの織物、メッキされたジャージー、メッキされたピッケの織物、又は、二重の編物の両面の織物である、請求項3に記載の内側の及び外側の層が、異なる性質を有する、純粋な綿の織物。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の内側の及び外側の層が、異なる性質を有する、純粋な綿の織物から作られた純粋な綿の衣服。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の内側の及び外側の層が、異なる性質を有する、純粋な綿の織物を生産する方法であって、以下に続くステップ、
前記外側の層について前記純粋な綿の糸の親水性の処理によって親水性に処理された糸を得る、
前記内側の層について純粋な綿の糸の疎水性の処理によって疎水性に処理された糸を得る、そして、
内側の及び外側の層が、異なる性質を有する、織物を得るために編む、
を含む、方法。
【請求項7】
前記綿の糸の親水性の処理の工程は、該糸を染めること、親水性の軟化剤で浴において軟化させること、及びそれを乾燥させることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記浴において軟化させる手順は、親水性の軟化剤での該糸の処理からなると共に、前記親水性の軟化剤は、脂肪族アミン、脂肪族アミン誘導体、有機ケイ素、及び、それらの配合物からなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記有機ケイ素の軟化剤は、ポリエーテルで修飾されたエポキシエタン又はエポキシプロパンの重合体の有機ケイ素の軟化剤であると共に、
それの1−10グラムは、処理浴のリットル毎に使用されると共に、
処理は、30℃−100℃で10−50分の間に実行される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記綿の糸の疎水性の処理のステップは、前記糸を染めること、それを清浄にすること、それを疎水性の試剤で処理すること、及び、それを乾燥させることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記清浄にする手順は、0.5−10g/Lの清浄剤で5−60分の間に50℃から100℃で実行される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記疎水性の試剤で糸を処理するステップは、1−100g/Lの量における疎水性の試剤で5−60分の間に40−100℃で実行される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記疎水性の試剤は、ヒドロキシメチル脂肪酸、有機ケイ素化合物、及び、フッ素樹脂の疎水性の軟化させる油からなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記疎水性の試剤は、ヒドロキシメチル=ステアラミド、エーテル化された多価のメラミン、ヒドロシリコン油の乳濁液、及び、有機フッ素の乳濁液からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ヒドロシリコン油の乳濁液は、陽イオン性のシリコンを備えたヒドロシリコンの乳濁液、活性な基を所持するポリジメチルシロキサンのヒドロシリコン油の乳濁液、及び、メチルヒドロシリコン油の乳濁液からなる群より選択されると共に、前記有機フッ素の乳濁液は、フッ素を含有するアルキル酸アルキルエステルの共重合体の乳濁液、並びに、フルオロカーボン及び炭化水素の調整された混合物からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記綿の糸を、疎水性の試剤で処理しておいた後で、それは、100℃から180℃までの乾燥する温度で直接的に脱水されると共に乾燥させられる、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記編む方法は、リブを編む方法、リブのジャカードを編む方法、及び、メッキされたジャージー/ピッケの編む方法からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項18】
編物の織物は、選択的に、苛性処理、酵素で洗浄すること、及び樹脂で仕上げすることを含む処理後の手順を被ることもある、請求項6乃至17のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2007−538163(P2007−538163A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516942(P2007−516942)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【国際出願番号】PCT/CN2005/000558
【国際公開番号】WO2005/113884
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(506353714)▲ぐあん▼▲どん▼溢▲だ▼紡▲じ▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】