説明

内因性プラスマローゲン量を増加させる方法

本発明は、内因性プラスマローゲン量を増加させる量の少なくとも1種の長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)を動物に投与することにより、動物における内因性プラスマローゲン量を増加させる方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、2009年1月2日出願の米国特許仮出願第61/204170号の優先権を主張するものであり、その開示内容は参照により本明細書に援用される。
【発明の背景】
【0002】
発明の分野:
[0002]本発明は、概して、動物における内因性プラスマローゲン量を増加させる方法、特に、長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)を動物に投与することにより、動物における内因性プラスマローゲン量を増加させる方法に関する。
【0003】
関連技術の説明:
[0003]プラスマローゲン及びその構造及び使用は、当業者に公知である。プラスマローゲンは、グリセロール部分が1−アルケニルエーテル基又は1−アルキルエーテル基に結合しているグリセロールエーテルリン脂質である。3つの主な部類のプラスマローゲンが特定され、コリンプラスマローゲン、エタノールアミンプラスマローゲン及びセリンプラスマローゲンと称されている。プラスマローゲンの一群の化学構造が式1に示されており、グリセロール骨格のC1でのエーテル結合を例示している。通常、Rは、様々な長さの炭化水素鎖であり、Xは、コリン、エタノールアミン又はセリンである。
【化1】

【0004】
[0004]プラスマローゲンは、動物、特に内因性プラスマローゲン量が低い動物の様々な疾患及び状態と関連していることが知られている。同様に、内因性プラスマローゲン量は、動物の年齢に従って低下し、動物の健康に有害な疾患及び状態の発症に至る可能性があることが知られている。米国特許第5759585号は、神経変性疾患を治療するためのプラスマローゲンの使用について開示している。米国特許第6177476号は、グリセロールモノエーテル及びそのカルボン酸エステル誘導体を用いて、哺乳動物にプラスマローゲンを補給する方法について開示している。国際公開第08124916号パンフレットは、高齢者のプラスマローゲン欠乏介在疾患、特に結腸癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、腎臓癌、認知機能障害及び認知症の診断及びリスク評価の方法について開示している。
【0005】
[0005]動物及びその健康に対する低内因性プラスマローゲン量の悪影響を考えると、動物における内因性プラスマローゲン量を増加させる新規な方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0006]そこで、本発明は、動物における内因性プラスマローゲン量を増加させる方法を提供することを目的とする。
【0007】
[0007]本発明はまた、プラスマローゲン量の低下に起因するかその影響を受ける、動物の疾患又は状態を予防又は治療する方法を提供することを目的とする。
【0008】
[0008]本発明はまた、動物の健康な壮年期を延長する方法を提供することを目的とする。
【0009】
[0009]本発明はまた、動物の健康又はウェルネスを増進する方法を提供することを目的とする。
【0010】
[0010]これらの他の目的の少なくとも1つは、内因性プラスマローゲン量を増加させる量の少なくとも1種のLCPUFAを動物に投与することにより達成される。様々な実施形態において、LCPUFAは、1日当たりの体重1kg当たり約1〜約1000mg(mg/kg/日)、好ましくは約5〜約500mg/kg/日、最も好ましくは約10〜約300mg/kg/日の量で動物に投与される。該方法は、特に加齢動物、より特に内因性プラスマローゲン量が低下している加齢動物の疾患又は状態、例えば、メタボリックシンドローム、神経変性疾患、認知症、アルツハイマー病、認知機能障害、結腸癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、卵巣癌及び腎臓癌を予防又は治療するのに有用である。
【0011】
[0011]本発明の更なる目的、特徴及び利点は当業者には明らかであろう。
【発明の詳細な説明】
【0012】
定義:
[0012]「動物」という語は、トリ、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、ヤギ、ネズミ、ヒツジ及びブタの各動物を含む、内因性プラスマローゲン量の増加から恩恵を受けることができる任意の動物を意味する。
【0013】
[0013]「長鎖多価不飽和脂肪酸」(「LCPUFA」)という語は、任意のLCPUFA、又は動物により代謝されたとき、LCPUFAをもたらす化合物を意味する。
【0014】
[0014]「プラスマローゲン剤」という語は、動物における内因性プラスマローゲン量を増加させるか、又は低下させるのに有用なLCPUFA以外の任意の化合物、組成物又は薬物を意味する。
【0015】
[0015]「組み合わせて」とは、少なくとも1種のLCPUFA、プラスマローゲン剤又は他の化合物若しくは組成物が、(1)食品組成物中で一緒に、又は(2)ほぼ同時若しくは定期的に同一若しくは異なる投与経路を用いて同一若しくは異なる回数で別々に、動物に投与されることを意味する。「定期的」とは、プラスマローゲン剤が、特定のプラスマローゲン剤について許容される投与日程で投与され、LCPUFAが、特定の動物に応じて適切に定期的に動物に投与されることを意味する。「ほぼ同時」とは、LCPUFA及びプラスマローゲン剤が、同時に又は互いに約72時間以内に投与されることを一般に意味する。「組み合わせて」とは、プラスマローゲン剤が規定期間投与され、LCPUFAが、特に完全でバランスの取れた食品組成物の一部として無期限に投与される、投与スキームを具体的に含む。
【0016】
[0016]「壮年期を延長」とは、動物が生存する年数を単に延長するだけでなく、動物が健康に過ごす年数を延長すること、例えば、動物が、比較的長期間その壮年期において健康であることを意味する。
【0017】
[0017]「動物の健康及び/又はウェルネス」という語は、疾患又は虚弱質がないだけでなく、動物の完全な肉体的、精神的及び社会的な健康を意味する。
【0018】
[0018]「加齢」という語は、動物が、その特定の種及び/又は種内の品種の平均寿命の50%を超えたような高齢であることを意味する。例えば、所与の品種のイヌの平均寿命が10年である場合、その品種内の5歳超のイヌは、本明細書の目的のために「加齢」とみなされるであろう。
【0019】
[0019]「単一パッケージ」という語は、キットの構成要素が、少なくとも1つの容器内で又は少なくとも1つの容器と物理的に関連付けられ、製造、流通、販売又は使用に際して1つのユニットとみなされることを意味する。容器としては、袋、箱、パック、ボトル、任意の種類若しくはデザイン又は材料のパッケージ、オーバーラップ、シュリンクラップ、固定された(例えば、ホチキス留め、接着された)構成要素、又はそれらの組合せが挙げられる。単一パッケージは、製造、流通、販売又は使用に際して1つのユニットとみなされるように物理的に関連付けられていれば、プラスマローゲン剤及びLCPUFA若しくはLCPUFA含有組成物が別々に入った複数の容器であってもよい。
【0020】
[0020]「仮想パッケージ」という語は、ユーザーに他の構成要素を得る方法を伝える、少なくとも1つの物理的又は実質的なキットの構成要素についての説明書により、キットの構成要素が関連付けられていること、例えば、1つの構成要素と、ウェブサイトにアクセスするか、録音メッセージ若しくはファックス返信サービスに問い合わせるか、視覚的メッセージを見るか、又は世話人若しくはインストラクターに問い合わせて、キットの使用法に関する指示又はキットの少なくとも1つの構成要素についての安全性情報若しくは技術的情報を得るよう指示する説明書と、を含む袋又は他の容器の形で関連付けられていることを意味する。
【0021】
[0021]本明細書において、範囲内の1つ1つの値を列挙及び記載することを避けるため、範囲は簡略に記す。範囲の上限値、下限値又は端値として、必要に応じて範囲内の任意の適切な値を選択することができる。
【0022】
[0022]本明細書では、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合でない限り、単語の単数形は複数形を含み、逆もまた同様である。したがって、“a”、“an”及び“the”は一般にその語の複数形を含む。例えば、“an animal”又は“a method”は、その複数形の“animals”又は“methods”を含む。同様に、“comprise”、“comprises”及び“comprising”は、排他的ではなく包含的に解釈されるべきである。同様に、“include”、“including”及び“or”は、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合でない限り包含的に解釈されるべきである。
【0023】
[0023]ここに開示される方法、組成物及び他の提案は、本明細書に記載の特定の方法、手順及び試薬に限定されるものではない。なぜならば、当業者には理解されるように、それらは変わり得るものだからである。さらに、本明細書で使用される用語は、専ら特定の実施形態を記載するためのものであり、開示又は請求の範囲を限定するものではない。
【0024】
[0024]特に断らない限り、本明細書で使用される全ての技術的・科学的用語、当技術分野の用語、及び頭字語は、本発明の分野又は当該用語が使用される分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様又は同等の全ての組成物、方法、製品又は他の手段若しくは材料は本発明の実施に際して使用することができるが、本明細書には、好ましい組成物、方法、製品又は他の手段若しくは材料が記載されている。
【0025】
[0025]本明細書で引用又は参照された全ての特許、特許出願、出版物、技術的及び/又は学術的論文及び他の文献は、ここで参照されることにより、法律で許容される範囲でその全体が本明細書に組み込まれる。これらの文献についての議論は、単にその主張内容を要約することを意図したものである。そのような特許、特許出願、出版物又は文献又はそれらの任意の一部が関連技術又は先行技術であることを認めるものではない。そのような特許、特許出願、出版物及び他の文献が関連技術又は先行技術であるとのいかなる主張に関しても、その正確性及び妥当性について異議を申し立てる権利は特に留保されている。
【0026】
発明:
[0026]一態様において、本発明は、動物における内因性プラスマローゲン量を増加させる方法を提供する。該方法は、内因性プラスマローゲン量を増加させる量の少なくとも1種の長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)を動物に投与することを含む。
【0027】
[0027]別の態様において、本発明は、プラスマローゲン量の低下に起因するかその影響を受ける、動物の疾患又は状態を予防又は治療する方法を提供することである。該方法は、内因性プラスマローゲン量を増加させる量の少なくとも1種のLCPUFAを、疾患又は状態に罹患しやすいか罹患している動物に投与することを含む。該方法は、当業者に知られているように、プラスマローゲン量の低下に起因するかその影響を受ける任意の疾患を予防又は治療するのに有用である。様々な実施形態において、該方法はメタボリックシンドローム、神経変性疾患、認知症、アルツハイマー病、認知機能障害、結腸癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、卵巣癌及び腎臓癌を予防するのに有用である。
【0028】
[0028]内因性プラスマローゲン量は、動物又は動物種で公知の平均量を下回る場合に低下する。平均量は当業者に公知である。
【0029】
[0029]更なる態様において、本発明は、動物の壮年期を延長する方法を提供する。該方法は、内因性プラスマローゲン量を増加させる量の少なくとも1種のLCPUFAを動物に投与することを含む。
【0030】
[0030]別の態様において、本発明は、動物の健康又はウェルネスを増進する方法を提供する。該方法は、内因性プラスマローゲン量を増加させる量の少なくとも1種のLCPUFAを動物に投与することを含む。該方法は、成人動物及び高齢動物を含む、任意の年齢又は部類の動物の健康又はウェルネスを増進するのに有用である。
【0031】
[0031]LCPUFAは、当業者に公知の任意のLCPUFAであってよい。様々な実施形態において、LCPUFAは、少なくとも18個の炭素原子及び少なくとも2個の二重結合を有する少なくとも1種のモノカルボン酸である。他の実施形態において、LCPUFAは、少なくとも20個の炭素原子及び少なくとも2個の二重結合を有する少なくとも1種のモノカルボン酸である。LCPUFAの例としては、ω脂肪酸、例えばリノレン酸18:2(n−6)all−cis−9,12−オクタデカジエン酸;γリノレン酸(GLA)18:3(n−6)all−cis−6,9,12−オクタデカトリエン酸;エイコサジエン酸20:2(n−6)all−cis−11,14−エイコサジエン酸;ジホモγリノレン酸(DGLA)20:3(n−6)all−cis−8,11,14−エイコサトリエン酸;アラキドン酸(AA)20:4(n−6)all−cis−5,8,11,14−エイコサテトラエン酸;ドコサジエン酸22:2(n−6)all−cis−13,16−ドコサジエン酸;アドレン酸22:4(n−6)all−cis−7,10,13,16−ドコサテトラエン酸;及びドコサペンタエン酸(オズボンド酸)22:5(n−6)all−cis−4,7,10,13,16−ドコサペンタエン酸、並びにω3脂肪酸、例えばαリノレン酸(ALA)18:3(n−3)all−cis−9,12,15−オクタデカトリエン酸;ステアリドン酸(STD)18:4(n−3)all−cis−6,9,12,15−オクタデカテトラエン酸;エイコサトリエン酸(ETE)20:3(n−3)all−cis−11,14,17−エイコサトリエン酸;エイコサテトラエン酸(ETA)20:4(n−3)all−cis−8,11,14,17−エイコサテトラエン酸;エイコサペンタノン酸(EPA)20:5(n−3)all−cis−5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸;ドコサペンタエン酸(DPA)(クルパドノン酸)22:5(n−3)all−cis−7,10,13,16,19−ドコサペンタエン酸;ドコサヘキサエン酸(DHA)22:6(n−3)all−cis−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸;テトラコサペンタエン酸24:5(n−3)all−cis−9,12,15,18,21−ドコサヘキサエン酸;及びテトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)24:6(n−3)all−cis−6,9,12,15,18,21−テトラコセン酸が挙げられる。LCPUFAは、アシルグリセロール(モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール及びトリアシルグリセロール)又はグリセロリン脂質(ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール又はホスファチジルセリン)等の遊離化合物又はエステルとして提供できる。好ましくは、LCPUFAは、トリアシルグリセロール又はリン脂質誘導体として動物に投与される。
【0032】
[0032]LCPUFAは、任意の適切な方法を用いて投与できる。好ましくは、LCPUFAは、動物に経口投与される。LCPUFAは、錠剤、ピル、懸濁液、溶液(飲料水と混合される可能性がある)、エマルジョン、カプセル、粉末、シロップ及び食品組成物(ヒト用の菓子、ペットフード組成物、又は動物用のトリート若しくは風味を付けたトリート)等の経口投与のための任意の適切な形態を用いて経口投与される。好ましくは、LCPUFAは、食品組成物の一部として動物に投与される。コンパニオンアニマル等の動物については、LCPUFAは、完全でバランスの取れた食餌の一部として投与される。
【0033】
[0033]LCPUFAは、内因性プラスマローゲン量を増加させるのに有用な任意の量で動物に投与できる。様々な実施形態において、LCPUFAは、1日当たり体重1kg当たり約1〜約1000mg(mg/kg/日)、好ましくは約5〜約500mg/kg/日、最も好ましくは約10〜約300mg/kg/日の量で動物に投与される。LCPUFAは、食餌kg当たり約1〜約1000g(g/kg/食餌)、好ましくは約5〜約500g/kg/食餌、最も好ましくは約10〜約300g/kg/食餌の量で、食餌、好ましくは完全でバランスの取れた食餌で投与できる。
【0034】
[0034]一般に、プラスマローゲン量は、当業者に知られているように、様々な組織及び臓器において増加させる。一実施形態において、プラスマローゲン量は、動物、特に成人動物及び加齢動物の脳グリア細胞中で増加させる。他において、プラスマローゲン量は、血漿脂質、リポタンパク質、腎臓、肺、精巣、骨格筋、心臓、脳、リンパ球、脾臓、マクロファージ、多形核白血球、網膜及び赤血球において増加させる。
【0035】
[0035]更なる態様において、本発明は、動物における内因性プラスマローゲン量を増加させるのに適したキットを提供する。該キットは、キットの構成要素に応じて、単一パッケージ内の別々の容器又は仮想パッケージ内の別々の容器に、少なくとも1種のLCPUFAと、(1)動物による消費に適した少なくとも1種の可食成分、(2)少なくとも1種のプラスマローゲン剤、(3)LCPUFA、プラスマローゲン剤及び可食成分の2つ以上を混合して、動物による消費に適した組成物を製造する方法、特に内因性プラスマローゲン量を増加させるか、プラスマローゲン量の低下に起因するかその影響を受ける、動物の疾患若しくは状態を予防若しくは治療するか、動物の健康な壮年期を延長するか、動物の健康若しくはウェルネスを増進するのに有用な組成物を製造する方法についての指示、(4)LCPUFAとプラスマローゲン剤とを組み合わせて投与し、特に内因性プラスマローゲン量を増加させるか、プラスマローゲン量の低下に起因するかその影響を受ける、動物の疾患若しくは状態を予防若しくは治療するか、動物の健康な壮年期を延長するか、動物の健康若しくはウェルネスを増進するのに有用な組成物を製造する方法についての指示、(5)キットの構成要素を混合するための少なくとも1種のデバイス、及び(6)キットの構成要素を入れるための少なくとも1種のデバイス、の少なくとも1つと、を含む。
【0036】
[0036]キットが仮想パッケージを含む場合、少なくとも1つの物理的なキットの構成要素と組み合わせた仮想環境内の指示に限定される。キットは、LCPUFA及び他の構成要素、例えばプラスマローゲン剤を、動物における内因性プラスマローゲン量を増加させるのに十分な量で含む。キットは、様々な組合せ及び/又は混合物の形態でキットの構成要素を含んでもよい。一実施形態において、キットは、少なくとも1種のLCPUFAを含むパケット、及び動物による消費のための食品(例えば、ドッグフード若しくはキャットフード又は動物用トリート)の容器を含む。別の実施形態において、キットは、少なくとも1種のLCPUFA及びプラスマローゲン剤を含むパケットを含む。更なる実施形態において、キットは、少なくとも1種のLCPUFA、プラスマローゲン剤を含むパケット、及び動物による消費のための食品の容器を含む。通常、食品、プラスマローゲン剤及びLCPUFAは、消費の直前に混合される。キットは、追加のアイテム、例えば、LCPUFA、プラスマローゲン剤若しくは可食成分を混合するためのデバイス、又は混合物を入れるためのデバイス(例えばスプーン及び餌入れ)を含んでもよい。
【0037】
[0037]別の態様において、本発明は、(1)動物における内因性プラスマローゲン量を増加させるための、LCPUFAの使用、(2)プラスマローゲン量の低下に起因するかその影響を受ける、動物の疾患又は状態、例えば、メタボリックシンドローム、神経変性疾患、認知症、アルツハイマー病、認知機能障害、結腸癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、卵巣癌及び腎臓癌を予防又は治療するための、LCPUFAの使用、(3)動物の壮年期を延長するための、LCPUFAの使用、(4)動物の健康又はウェルネスを増進するための、LCPUFAの使用、(5)特に内因性プラスマローゲン量を増加させるか、プラスマローゲン量の低下に起因するかその影響を受ける動物の疾患若しくは状態を予防若しくは治療するか、動物の健康な壮年期を延長するか、動物の健康若しくはウェルネスを増進するのに有用な組成物を製造するための、LCPUFAと少なくとも1種の可食成分との混合、及び(6)内因性プラスマローゲン量を増加させるか、プラスマローゲン量の低下に起因するかその影響を受ける、動物の疾患若しくは状態を予防若しくは治療するか、動物の健康な壮年期を延長するか、動物の健康若しくはウェルネスを増進するための、少なくとも1種のプラスマローゲン剤と組み合わせたLCPUFAの使用、の少なくとも1つについての情報又は指示を伝達する手段を提供する。該手段は、上記情報又は指示を含む物理的若しくは電子的文書、デジタル記憶媒体、光学式記憶媒体、オーディオプレゼンテーション、オーディオビジュアル表示又はビジュアル表示の少なくとも1つを含む。好ましくは、該手段は、表示されたウェブサイト、ビジュアル表示キオスク、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、印刷物、公示、オーディオテープ、ビデオテープ、DVD、CD−ROM、コンピューター可読チップ、コンピューター可読カード、コンピューター可読ディスク、USBデバイス、ファイヤーワイヤーデバイス、コンピューターメモリー及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0038】
[0038]有用な情報としては、(1)LCPUFA、プラスマローゲン剤、可食成分及び他のキットの構成要素を合わせて投与する方法、及び(2)動物又はその世話人が本発明又はその使用について質問がある場合の連絡先、の少なくとも1つが挙げられる。有用な指示としては、混合及び投与の量及び回数、例えば投与量が挙げられる。伝達手段は、本発明を使用する利点を伝え、本発明を動物に投与するための承認された方法を伝達するのに有用である。
【0039】
[0039]別の態様において、本発明は、1種若しくは複数のLCPUFA又は1種若しくは複数のLCPUFAを入れるのに適した材料、を含むパッケージであって、内因性プラスマローゲン量を増加させるか、プラスマローゲン量の低下に起因するかその影響を受ける、動物の疾患若しくは状態を予防若しくは治療するか、動物の健康な壮年期を延長するか、動物の健康若しくはウェルネスを増進するのに有用な化合物がパッケージ内に含まれることを示す言葉、写真、デザイン、頭字語、スローガン、フレーズ又は他の手段又はそれらの組合せを備えるラベルが添付されたパッケージを提供する。通常、そのような手段は、パッケージ上に印刷された形で、「内因性プラスマローゲン量を増加させる」又は「プラスマローゲン量の低下に起因するかその影響を受ける、動物の疾患又は状態を予防又は治療するのに有用である」という文言又は同等の表現を備える。ドッグフードを入れるのに適した任意のパッケージ又はパッケージング材料(例えば、紙、プラスチック、ホイル、金属等から製造される袋、箱、ボトル、缶、パウチ等)は本発明において有用である。一実施形態において、パッケージは少なくとも1種のプラスマローゲン剤を更に含む。好適な実施形態において、パッケージは、LCPUFA及びプラスマローゲン剤を含有する(好ましくはコンパニオンアニマルへの投与用の)食品組成物を含む。
【0040】
[0040]別の態様において、本発明は、動物における内因性プラスマローゲン量を増加させるのに十分な量で少なくとも1種のLCPUFAを含む、動物における内因性プラスマローゲン量を増加させるのに有用な組成物を提供する。様々な実施形態において、組成物は、約1〜約1000mg/kg/日、好ましくは約5〜約500mg/kg/日、最も好ましくは約10〜約300mg/kg/日の量でLCPUFAを動物に投与するのに十分な量でLCPUFAを含む。
【0041】
[0041]様々な実施形態において、動物はヒト又はコンパニオンアニマルである。好ましくは、コンパニオンアニマルは、イヌ科動物、例えばイヌ、又はネコ科動物、例えばネコである。一実施形態において、動物は、加齢動物、特に加齢に特有の疾患又は状態に罹患しているか罹患しやすい加齢動物である。
【実施例】
【0042】
[0042]本発明は、以下の実施例で更に例示できるが、これらの実施例は、別段の明確な指示がない限り、単に例示の目的のために含まれ、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解されよう。
【0043】
実施例1:
[0043]専門用語。DHAとは、ドコサヘキサエン酸を意味する。DHA−TGとは、ドコサヘキサエン酸含有トリアシルグリセロールを意味する。DHA−PLとは、ドコサヘキサエン酸含有リン脂質を意味する。DMAとは、ジメチルアセテートを意味する。PEとは、ホスファチジルエタノールアミンを意味する。
【0044】
[0044]18匹のSprague Dawleyラットを、点灯(7:00AM〜7:00PMに点灯)、温度(22±1℃)及び湿度(55〜60%)の制御条件下で、10日間交配し、表1に示すように3種の食餌の内の1つを与えた。対照食は、DHA又は他のLCPUFAを含有していなかったのに対して、DHA−TG群及びDHA−PL群は、トリアシルグリセロール(魚油)又はリン脂質(オキアミ油)としてこれらの食餌に加えられたDHAを同程度含有していた。離乳期(生後21日)後、全ての新生児にDHAを含まない食餌を供給した。
【0045】
【表1】

【0046】
[0045]6匹の若年の雄の新生児を、成長食を摂取した後、生後14日、21日及び3カ月で屠殺した。各群について、PEを含む脳グリア細胞リン脂質を、高性能液体クロマトグラフィーにより分画した。画分を酸性条件下でメタノリシスにかけ、同時に、プラスメニルエタノールアミン中で見出されたアルケニル鎖をDMA誘導体に、及び脂肪アシル鎖を脂肪酸メチルエステルに変換した。DMA及び脂肪酸メチルエステルを、ガス液体クロマトグラフィーにより分析した。プラスメニルエタノールアミンの量を、ガス液体クロマトグラフィーによりそのDMA誘導体として決定した。結果を表2に示す。
【0047】
【表2】

【0048】
[0046]表2を参照すると、結果は、PEプラスマローゲンsn−1ビニルエーテル残基由来のDMA量が、n−3LCPUFA群からのラット新生児においてより高かったことを示している。DHA食はいずれも、生後14日、21日及び3カ月で雄ラットの脳グリア細胞から精製したPE中のDMA量を有意に増加させた。21日では、DHA−PC群におけるDMA量は、DHA−TG群(P=0.0004)より高かった。これは、DHA−PCが、n−3LCPUFA補助食品として好ましくは使用できることを示している。更に、n−3LCPUFAの補給を、母体用の食餌を通して行い、離乳期後に停止した。生後3カ月での脳グリア細胞プラスメニルエタノールアミンの測定値は、母体用の食餌の補給の効果が長期間続いたことを示している。
【0049】
実施例2:
[0047]18匹の雄Sprague Dawleyラットを、点灯(7:00AM〜7:00PMに点灯)、温度(22±1℃)及び湿度(55〜60%)の制御条件下で、10日間維持し、表3に示すように3種の食餌の内の1つを与えた。
【0050】
【表3】

【0051】
[0048]10日後、動物を安楽死させ、脳グリア細胞ホスファチジルエタノールアミンの組成をガス液体クロマトグラフィーにより決定した。結果を表4に示す。
【0052】
【表4】

【0053】
[0049]表4を参照すると、結果は、2つの異なる種類のn−3LCPUFA補助食品の短期間の食餌補給により、成人動物の脳グリア細胞中のDMAとして測定したプラスメニルエタノールアミンの量が増加することを示している。
【0054】
実施例3:
[0050]18匹の雌のSprague Dawleyラットを、点灯(7:00AM〜7:00PMに点灯)、温度(22±1℃)及び湿度(55〜60%)の制御条件下で、42日間飼育し、表5に示すように3種の食餌の内の1つを与えた。
【0055】
【表5】

【0056】
[0051]42日後、動物を安楽死させ、脳グリア細胞PEの組成をガス液体クロマトグラフィーにより決定した。結果を表6に示す。
【0057】
【表6】

【0058】
[0052]表6を参照すると、結果は、2つの異なる種類のn−3LCPUFA補助食品の短期間の食餌補給により、成人動物の脳グリア細胞中のDMAとして測定したプラスメニルエタノールアミンの量が増加することを示している。
【0059】
[0053]本明細書では、本発明の代表的な好適な実施形態が開示されている。特定の用語が使用されているが、それらは単に一般的かつ説明的な意味で使用したものであり、限定を意図したものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲に記載の通りである。上述の教示内容を踏まえると、本発明の多くの修正及び改変が可能であることは明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲内で、特に記載されている以外の形態でも実施可能であることが理解されよう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物における内因性プラスマローゲン量を増加させる方法であって、内因性プラスマローゲン量を増加させる量の少なくとも1種の長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)を動物に投与するステップを含む方法。
【請求項2】
前記LCPUFAが、少なくとも18個の炭素原子及び少なくとも2個の二重結合を有するモノカルボン酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記LCPUFAがω6脂肪酸及びω3脂肪酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記LCPUFAが、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記LCPUFAがLCPUFAエステルとして投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記エステルがアシルグリセロール又はグリセロリン脂質である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記LCPUFAが経口投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記LCPUFAが約1〜約1000mg/kg/日の量で動物に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記LCPUFAが約5〜約500mg/kg/日の量で動物に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記LCPUFAが約10〜約300mg/kg/日の量で動物に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記LCPUFAが約1〜約1000g/kg/食餌の量で、食餌で動物に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記LCPUFAが約5〜約500g/kg/食餌の量で、食餌で動物に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記LCPUFAが約10〜約300g/kg/食餌の量で、食餌で動物に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記動物がヒトである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記動物がコンパニオンアニマルである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記動物がイヌ又はネコである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記動物が加齢動物である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
プラスマローゲン量の低下に起因するかその影響を受ける、動物の疾患又は状態を予防又は治療する方法であって、内因性プラスマローゲン量を増加させる量の少なくとも1種の長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)を、前記疾患又は状態に罹患しやすいか罹患している動物に投与するステップを含む方法。
【請求項19】
前記疾患又は状態が、メタボリックシンドローム、神経変性疾患、認知症、アルツハイマー病、認知機能障害、結腸癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、卵巣癌及び腎臓癌である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記LCPUFAが、少なくとも18個の炭素原子及び少なくとも2個の二重結合を有するモノカルボン酸である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記LCPUFAがω6脂肪酸及びω3脂肪酸である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記LCPUFAが、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸である、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記LCPUFAがLCPUFAエステルとして投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記エステルがアシルグリセロール又はグリセロリン脂質である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記LCPUFAが経口投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記LCPUFAが約1〜約1000mg/kg/日の量で動物に投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記LCPUFAが約5〜約500mg/kg/日の量で動物に投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
前記LCPUFAが約10〜約300mg/kg/日の量で動物に投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記LCPUFAが約1〜約1000g/kg/食餌の量で、食餌で動物に投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記LCPUFAが約5〜約500g/kg/食餌の量で、食餌で動物に投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
前記LCPUFAが約10〜約300g/kg/食餌の量で、食餌で動物に投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項32】
前記動物がヒトである、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
前記動物がコンパニオンアニマルである、請求項18に記載の方法。
【請求項34】
前記動物がイヌ又はネコである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記動物が加齢動物である、請求項18に記載の方法。
【請求項36】
動物の壮年期を延長する方法であって、内因性プラスマローゲン量を増加させる量の少なくとも1種の長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)を動物に投与するステップを含む方法。
【請求項37】
前記LCPUFAが、少なくとも18個の炭素原子及び少なくとも2個の二重結合を有するモノカルボン酸である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記LCPUFAがω6脂肪酸及びω3脂肪酸である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記LCPUFAが、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸である、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記LCPUFAがLCPUFAエステルとして投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記エステルがアシルグリセロール又はグリセロリン脂質である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記LCPUFAが経口投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記LCPUFAが約1〜約1000mg/kg/日の量で動物に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記LCPUFAが約5〜約500mg/kg/日の量で動物に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
前記LCPUFAが約10〜約300mg/kg/日の量で動物に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項46】
前記LCPUFAが約1〜約1000g/kg/食餌の量で、食餌で動物に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項47】
前記LCPUFAが約5〜約500g/kg/食餌の量で、食餌で動物に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項48】
前記LCPUFAが約10〜約300g/kg/食餌の量で、食餌で動物に投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項49】
前記動物がヒトである、請求項36に記載の方法。
【請求項50】
前記動物がコンパニオンアニマルである、請求項36に記載の方法。
【請求項51】
前記動物がイヌ又はネコである、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記動物が加齢動物である、請求項36に記載の方法。
【請求項53】
動物の健康又はウェルネスを増進する方法であって、内因性プラスマローゲン量を増加させる量の少なくとも1種の長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)を動物に投与するステップを含む方法。
【請求項54】
前記LCPUFAが、少なくとも18個の炭素原子及び少なくとも2個の二重結合を有するモノカルボン酸である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記LCPUFAがω6脂肪酸及びω3脂肪酸である、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記LCPUFAが、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸である、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記LCPUFAがLCPUFAエステルとして投与される、請求項53に記載の方法。
【請求項58】
前記エステルがアシルグリセロール又はグリセロリン脂質である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記LCPUFAが経口投与される、請求項53に記載の方法。
【請求項60】
前記LCPUFAが約1〜約1000mg/kg/日の量で動物に投与される、請求項53に記載の方法。
【請求項61】
前記LCPUFAが約5〜約500mg/kg/日の量で動物に投与される、請求項53に記載の方法。
【請求項62】
前記LCPUFAが約10〜約300mg/kg/日の量で動物に投与される、請求項53に記載の方法。
【請求項63】
前記LCPUFAが約1〜約1000g/kg/食餌の量で、食餌で動物に投与される、請求項53に記載の方法。
【請求項64】
前記LCPUFAが約5〜約500g/kg/食餌の量で、食餌で動物に投与される、請求項53に記載の方法。
【請求項65】
前記LCPUFAが約10〜約300g/kg/食餌の量で、食餌で動物に投与される、請求項53に記載の方法。
【請求項66】
前記動物がヒトである、請求項53に記載の方法。
【請求項67】
前記動物がコンパニオンアニマルである、請求項53に記載の方法。
【請求項68】
前記動物がイヌ又はネコである、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記動物が加齢動物である、請求項53に記載の方法。
【請求項70】
動物における内因性プラスマローゲン量を増加させるのに適したキットであって、
キットの構成要素に応じて、単一パッケージ内の別々の容器又は仮想パッケージ内の別々の容器に、少なくとも1種のLCPUFAと、(1)動物による消費に適した少なくとも1種の可食成分、(2)少なくとも1種のプラスマローゲン剤、(3)LCPUFA、プラスマローゲン剤及び可食成分の2つ以上を混合して、動物による消費に適した組成物を製造する方法についての指示、(4)LCPUFAとプラスマローゲン剤とを組み合わせて投与する方法についての指示、(5)キットの構成要素を混合するための少なくとも1種のデバイス、並びに(6)キットの構成要素を入れるための少なくとも1種のデバイス、の少なくとも1つを含むキット。
【請求項71】
(1)動物における内因性プラスマローゲン量を増加させるための、LCPUFAの使用、(2)プラスマローゲン量の低下に起因するかその影響を受ける、動物の疾患又は状態を予防又は治療するための、LCPUFAの使用、(3)動物の壮年期を延長するための、LCPUFAの使用、(4)動物の健康又はウェルネスを増進するための、LCPUFAの使用、(5)LCPUFAと少なくとも1種の可食成分との混合、及び(6)内因性プラスマローゲン量を増加させるか、プラスマローゲン量の低下に起因するかその影響を受ける、動物の疾患若しくは状態を予防若しくは治療するか、動物の健康な壮年期を延長するか、動物の健康若しくはウェルネスを増進するための、少なくとも1種のプラスマローゲン剤と組み合わせたLCPUFAの使用、の少なくとも1つについての情報又は指示を伝達する手段であって、
該情報又は指示を含む物理的若しくは電子的文書、デジタル記憶媒体、光学式記憶媒体、オーディオプレゼンテーション、オーディオビジュアル表示又はビジュアル表示の少なくとも1つを含む手段。
【請求項72】
表示されたウェブサイト、ビジュアル表示キオスク、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、印刷物、公示、オーディオテープ、ビデオテープ、DVD、CD−ROM、コンピューター可読チップ、コンピューター可読カード、コンピューター可読ディスク、USBデバイス、ファイヤーワイヤーデバイス、コンピューターメモリー及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項71に記載の手段。
【請求項73】
少なくとも1種のLCPUFAを含むパッケージであって、
内因性プラスマローゲン量を増加させるか、プラスマローゲン量の低下に起因するかその影響を受ける、動物の疾患若しくは状態を予防若しくは治療するか、動物の健康な壮年期を延長するか、動物の健康若しくはウェルネスを増進するのに有用な化合物が該パッケージ内に含まれることを示す言葉、写真、デザイン、頭字語、スローガン、フレーズ又は他の手段又はそれらの組合せを備えるラベルが添付されたパッケージ。
【請求項74】
動物における内因性プラスマローゲン量を増加させるのに有用な組成物であって、動物における内因性プラスマローゲン量を増加させるのに十分な量で少なくとも1種のLCPUFAを含む組成物。
【請求項75】
約1〜約1000mg/kg/日の量でLCPUFAを動物に投与するのに十分な量でLCPUFAを含む、請求項74に記載の組成物。
【請求項76】
約5〜約500mg/kg/日の量でLCPUFAを動物に投与するのに十分な量でLCPUFAを含む、請求項74に記載の組成物。
【請求項77】
約10〜約300mg/kg/日の量でLCPUFAを動物に投与するのに十分な量でLCPUFAを含む、請求項74に記載の組成物。


【公表番号】特表2012−514597(P2012−514597A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544414(P2011−544414)
【出願日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/006749
【国際公開番号】WO2010/077358
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】