説明

内容物吐出機構および、内容物吐出機構を備えたポンプ式製品

【課題】内容物とエアとを混合して泡状にしたのちに吐出する内容物吐出機構に関し、両者の正確で効率的な混合・発泡作用の実現とともに、製造コストの低減、操作性および利便性の向上を図る。
【解決手段】共通ピストン5に、内容物吐出用のピストンポンプのピストン部分5aと、エア吐出用のピストンポンプのピストン部分5bとを設けて、当該共通ピストン5をモータ7で往復駆動して内容物およびエアそれぞれの吐出動作を同時に行わせるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ式製品の容器本体の内容物を、エアと混合させて泡状にしてから外部空間に放出する内容物吐出機構に関する。
【0002】
このようにエアとの混合により泡状になった内容物を吐出するポンプ式製品においては、混合域に通じる内容物貯留空間域およびエア貯留空間域のそれぞれに対するポンプ作動の連携性が十分に確保され、また、このポンプ作動に際して当該各貯留空間域のシール性が十分に確保されることなどが望ましい。
本発明は、このような要請に応えるものである。
【0003】
適用対象の内容物としては、例えば液状またはクリーム状の石けん,洗浄剤,化粧品,乳液や、発泡性のシェービングフォーム,ヘアスタイリングフォームをはじめとして、後述のように各種のものがある。
【背景技術】
【0004】
内容物貯留空間域およびエア貯留空間域のそれぞれに対するポンプ作動によりエアを混合させて泡状になった内容物を吐出する機構(ポンプ式製品)としては、例えば下記の特許文献で開示のものがある。
【0005】
この内容物吐出機構の場合、洗浄液タンクに対する液ポンプとエア取入用の空気ポンプとを別々に設け、それぞれのポンプ作用で洗浄液およびエアを出口近傍部分(洗浄液吐出部)に送って混合することにより、当該洗浄液を発泡させている。
【特許文献1】特開2007−21466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように従来の電動式の内容物吐出機構は、内容物(洗浄液)吐出用のポンプとエア供給用のポンプとを個々に用いているので、内容物およびエアを混合部に送るタイミングがずれて、両者の効率的な混合・発泡作用を期待できない可能性を有しているという問題点があった。
【0007】
また、内容物の組成の違い(例えば油膜を作りやすくポンプの摺動部分の摩擦を小さくする成分や、研磨性粉体のように当該摩擦を大きくする成分など)や、温度による内容物の粘性の変化、時間の経過による各ポンプの摺動部分のなじみや劣化などの影響によって、各ポンプの動作速度はいわば独立的に増減する傾向がある。そのため、各ポンプの吐出量も他のポンプとは無関係に増減して、泡の性状を決める内容物とエアとの混合比を所定の最適値に設定・維持するのが困難であるという問題があった。
【0008】
また、ポンプ全体(内容物用ポンプ+エア用ポンプ)の構成が複雑となり、吐出機構の部品点数や大きさも増えてコスト高につながり、吐出機構の製造の手間も大きいという問題点があった。
【0009】
そこで本発明では、内容物とエアとの混合部に通じる内容物貯留用空間域およびエア用貯留空間域それぞれの吸込弁,吐出弁に作用するピストンとして、当該各貯留用空間域に対する個々のピストン部分を備えた共通ピストンを用い、これにより当該各貯留空間域からの内容物およびエアそれぞれの吐出動作の同時化を図って、内容物とエアとの効率的な混合・発泡作用を行うことを目的とする。
【0010】
また、この共通ピストンの使用により吐出機構の構成の簡単化や部品点数の減少化を図ることを目的とする。
【0011】
また、この各ピストン部分の、内容物貯留用空間域およびエア用貯留空間域それぞれに対する個々のシール作用により、当該各空間域それぞれにおける十分なシール性を確保することを目的とする。
【0012】
また、この内容物貯留空間域に対応した内容物用のピストン部分およびシリンダ部分を小径部分とし、エア貯留空間域に対応したエア用のピストン部分およびシリンダ部分を大径部分とすることにより、この径の大小に基づくエアおよび内容物の混合比設定の適切化を図ることを目的とする。
【0013】
また、この共通ピストンをモータで駆動することにより使用上の利便性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明はこれらの課題を次のようにして解決する。
(1)容器本体(例えば後述の容器本体1)の内容物を、エアと混合させて泡状にしてから外部空間に放出する内容物吐出機構において、
前記内容物に対する第1の吸込弁(例えば後述の内容物用上流弁2b)と第1の吐出弁(例えば後述の内容物用下流弁4a)との間に形成された内容物専用の第1の貯留空間域(例えば後述の内容物貯留空間域A)と、
前記エアに対する第2の吸込弁(例えば後述のエア用上流弁4b)と第2の吐出弁(例えば後述のエア用下流弁4c)との間に形成されたエア専用の第2の貯留空間域(例えば後述のエア貯留空間域B)と、
前記第1の貯留空間域の一部を構成する第1のシリンダ部分(例えば後述の小径シリンダ4f)と、
前記第2の貯留空間域の一部を構成する第2のシリンダ部分(例えば後述の大径シリンダ4g)と、
前記第1のシリンダ部分との間のシール作用を呈する第1のピストン部分(例えば後述の小径ピストン部5a)、および前記第2のシリンダ部分との間のシール作用を呈する第2のピストン部分(例えば後述の大径ピストン部5b)からなり、
前記第1のシリンダ部分および前記第2のシリンダ部分を移動して、前記第1の貯留空間域および前記第2の貯留空間域からの内容物およびエアそれぞれの吐出動作を同時に行わせる共通ピストン(例えば後述のピストン5)と、
を備えたものとする。
(2)上記(1)において、前記第1のシリンダ部分および前記第1のピストン部分は、
前記内容物を吸い込んで吐出するための小径部からなる部分であり、
前記第2のシリンダ部分および前記第2のピストン部分は、
前記エアを吸い込んで吐出するための大径部からなる部分とする。
(3)上記(1)において、前記共通ピストンを駆動するモータ(例えば後述のモータ7)を備えたものとする。
【0015】
本発明は、このような構成からなる内容物吐出機構および当該機構を備えた内容物吐出製品を対象としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、内容物とエアとの混合部に通じる内容物貯留用空間域およびエア用貯留空間域それぞれの吸込弁,吐出弁に作用するピストンとして、当該各貯留用空間域に対する個々のピストン部分を備えた共通ピストンを用いている。
【0017】
そのため、当該各貯留空間域からの内容物およびエアそれぞれの吐出動作の同時化を図って、内容物とエアとの正確で効率的な混合・発泡作用を行うことができる。
【0018】
また、共通ピストンの使用により吐出機構の構成の簡単化や部品点数の減少化を図ること、内容物吐出機構製造に際してのコストダウンを図ることができる。
【0019】
また、各貯留用空間域用の個々のピストン部分で、内容物貯留用空間域およびエア用貯留空間域それぞれに対する個々のシール作用を行うようにしているので、当該各空間域における十分なシール性を確保することができる。
【0020】
また、内容物貯留空間域に対応した内容物用のピストン部分およびシリンダ部分を小径部分とし、エア貯留空間域に対応したエア用のピストン部分およびシリンダ部分を大径部分としているので、この径の大小に基づくエアおよび内容物の混合比設定の適切化を図ることができる。
【0021】
また、共通ピストンをモータ駆動としているので、操作部を自由に配置して内容物吐出機構の使用上の利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1〜図3を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0023】
ここで、
図1は、電動式内容物発泡吐出機構の初期状態(静止モード)を示し、
図2は、図1のポンプ作用部の吸入行程(作動モード)を示し、
図3は、図1のポンプ作用部の吐出行程(作動モード)を示している。
【0024】
以下のアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば上端側筒状部1a)は、それぞれアルファベットなし参照番号の構成要素(例えば容器本体1)の一部であることを示している。
【0025】
図1〜図3において、
1は各種内容物が収納された容器本体,
1aは外周面部分が後述のヘッド部材2と螺子結合する上端側筒状部(首状部),
2は容器本体1の上端側筒状部1aの外周面部分と螺子結合して、後述のポンプ本体4やポンプ駆動用のモータ7などが取り付けられたヘッド部材,
2aは外部空間と連通する空間域,
2bは後述のポンプ本体4との間の内容物用上流弁,
2cは後述のカム軸6aの下端を受ける鞘状部,
2dは外気用孔部,
3はヘッド部材2の上部に係合して、後述の電池8やノズル11などが取り付けられたカバー体,
3aは図示上方向に弾性的に付勢される態様で当該カバー体に取り付けられた可動タイプのスイッチ,
4はポンプ本体,
4aは内容物用下流弁,
4bはエア用上流弁,
4cはエア用下流弁,
4dは内容物用下流弁4aから流入する内容物の回りにエア用下流弁4cからのエアを混合する混合部,
4fは内容物用上流弁2bおよび内容物用下流弁4aに連通する小径シリンダ,
4gはエア用上流弁4bおよびエア用下流弁4cに連通する大径シリンダ,
4hは後述のカム軸6aの上端を受ける孔部,
5は小径シリンダ4fおよび大径シリンダ4gのそれぞれに同時に作用する共通のピストン,
5aは小径シリンダ4fに対応する小径ピストン部,
5bは大径シリンダ4gに対応する大径ピストン部,
5cは後述のカム軸6aが貫通するスリット,
5dは側面部分が後述のカム作用部6bの外周面にならう切欠溝状のカムフォロワ部,
5eは小径ピストン部5aの外周面環凹状部に取り付けられた環状の小径シール部,
5fは大径ピストン部5bの外周面環凹状部に取り付けられた環状の大径シール部,
6は回転作動によりピストン5を往復させるためのカム,
6aは当該カムの回転中心となるカム軸,
6bは当該カム軸に対して偏心する形で設けられた円柱状のカム作用部,
6cは当該カム軸と一体になって後述のねじ歯車7aで駆動される平歯車,
7はヘッド部材2に取り付けられたモータ,
7aはモータ7の回転出力軸に取り付けられたねじ歯車,
8はカバー体3に保持されモータ7を駆動させるための電池,
9は押圧操作によりモータ7を電池8に接続して回転させるための操作部材
10は両端の開口部のそれぞれに網を張った筒状の網付ブッシュ,
11は外部空間に吐出するためのノズル,
12はヘッド部材2の外気用孔部2dに取り付けられた外気流入用の筒状部材,
12aは当該筒状部材の周面部分に形成された外気流入用孔部,
13は筒状部材12の下側に外気流入用孔部12aを塞ぐ形で取り付けられた弾性態様の逆止弁(外気流入弁),
14はヘッド部材2の内容物用上流弁2cの上流側に取り付けられた内容物吐出用のチューブ,
Aは内容物用上流弁2b,内容物用下流弁4aおよび小径シール部5eによって策定される内容物貯留空間域,
Bはエア用上流弁4b,エア用下流弁4cおよび大径シール部5fによって策定されるエア貯留空間域B,
をそれぞれ示している。
【0026】
内容物用上流弁2b,内容物用下流弁4a,エア用上流弁4bおよびエア用下流弁4cはいずれもいわゆる逆止弁(ボールリフト式逆止弁)であって、中央に上流側(容器側)からの孔部を有するすり鉢状の弁座と、自重で当該弁座に当接するように設けられたボール状弁体と、から構成されている。
【0027】
ここで、容器本体1,ヘッド部材2,カバー体3,ポンプ本体4,ピストン5,操作部材9,網付ブッシュ10,ノズル11,筒状部材12およびチューブ14などは例えばポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。
【0028】
また、カム6,ねじ歯車7a,操作部材9を上方向に付勢するコイルスプリング,上記ボール状弁体は金属製またはプラスチック製のものであり、カム軸6aは金属製のものであり、逆止弁13はゴム製またプラスチック製のものである。
【0029】
操作部材9が押圧されていない図1の初期状態(静止モード)では、カバー体3のスイッチ3aと、図示右側の電池8の上側端子とが離れたオフ状態であって、モータ7に電源が供給されないためピストン5は動作しない。
【0030】
なお、単なる説明の便宜上、図1ではピストン5が最右端に位置している状態を示している。
【0031】
ここで利用者が操作部材9を押圧してスイッチ3aが電池8の前記上側端子に接触すると、図2または図3に示すように、モータ7に電源が供給され、ねじ歯車7aと平歯車6bを介してカム軸6aが回転する。すなわち作動モードに移行する。
【0032】
作動モードに移行すると、図2に示すように、カム軸6aの反時計方向への回転により、カム作用部6bの図示左側の外周面はカムフォロワ部5dの左側面に当接しながらピストン5(小径ピストン部5aと大径ピストン部5b)を図示左側へと移動させる。この移動の結果、内容物貯留空間域Aおよびエア貯留空間域Bはそれぞれ容積が拡大して圧力が低下する。
【0033】
この圧力低下にともなって内容物用上流弁2bおよびエア用上流弁4bが開き、容器本体1の内容物は「チューブ14−内容物用上流弁2b」を経て内容物貯留空間域Aに流入する。また、これと同時に、外部空間よりエアが「カバー体3と操作部材9との隙間など−空間域2a−エア用上流弁4b」を経てエア貯留空間域Bに流入する。
【0034】
なお、この流入の際、内容物貯留空間域Aおよびエア貯留空間域Bは負圧化しているので、内容物やエアが内容物用下流弁4aやエア用下流弁4cから当該各空間域に逆流することはない。
【0035】
また、容器本体1の内容物の減少にともなって、外部空間よりエアが「カバー体3と操作部材9との隙間など−空間域2a−外気用孔部2d−外気流入用孔部12a」の経路により容器本体1に流入する。
【0036】
カム軸6がさらに反時計方向に回転すると、図3に示すように、カム作用部6bの図示右側の外周面がカムフォロワ部5dの右側面に当接しながらピストン5(小径ピストン部5aおよび大径ピストン部5b)を図示右方向へと移動させ、内容物貯留空間域Aおよびエア貯留空間域Bそれぞれの内部容積が縮小する。
【0037】
このとき、内容物貯留空間域Aの内容物は内容物用下流弁4aを通り、エア貯留空間域Bのエアはエア用下流弁4cを通り、同じタイミング、同じ比率で、混合部4dに流入し発泡する。
【0038】
なお、ピストン5の図示右方向への移動の際は、内容物貯留空間域Aおよびエア貯留空間域Bはともに正圧化されるので、内容物用上流弁2bやエア用上流弁4bから内容物やエアが容器内部や空間域2aへ逆流することはない。
【0039】
混合部4dで混合された内容物およびエアは網付ブッシュ10に流入する。この網付ブッシュの通過にともなう二度の破砕作用により細かく均一な泡状態になった内容物が、ノズル11より外部空間に放出される。
【0040】
細かく均一な泡にするためには内容物とエアの体積比率を「1:10〜1:16」にするとよい。好ましくは「1:14」である。
【0041】
利用者が操作部材9の押圧を解除するまで、カム軸6aおよびカム作用部6bが連続回転して、発泡した内容物の放出を繰り返す。
【0042】
利用者が操作部材9の押圧を解除すると、カバー体3のスイッチ3aと(図1右側の)電池8の上側端子とが離れ、モータ7への電源が遮断され、内容物の放出は停止し、図1の静止モードに移行する。
【0043】
このように、内容物貯留空間域Aおよびエア貯留空間域Bのそれぞれに設定された各上流弁と各下流弁との開閉動作が、当該空間域に共通のピストン5の作用で行われる。
【0044】
また、内容物貯留空間域Aから吐出される内容物の量は「ピストン5の移動ストローク×小径ピストン部5aの断面積S1」で特定され、同じくエア貯留空間域Bから吐出されるエアの量は「ピストン5の移動ストローク×大径ピストン部5bの断面積S2」で特定される。
【0045】
そのため、上述の細かく均一な泡にするための内容物とエアの体積比率も、もっぱらこの断面積S1とS2を決めることにより、確実に、効率的に設定することができる。
【0046】
本発明は、以上の説明にかかる電動式内容物吐出機構に限定されないことは勿論であって例えば、共通のピストン5の駆動源としてモータ7を用いることなしに、トリガー式レバーやプッシュ式ボタンなどの操作部に対する利用者の往復操作力をリンク機構やカム機構を用いてピストン5に伝達して直接駆動する機構にしてもよい。
【0047】
また、シリンダ部分とピストン部分の組み合わせを増やすことで、二種類以上の内容物を正確な比率で混合したものを発泡させることもできる。エアを混合して発泡させることによって、混合した内容物が薄膜状に引き延ばされて、より均一な混合状態を得ることが出来る。
【0048】
また、内容物用上流弁2b,内容物用下流弁4a,エア用上流弁4bまたはエア用下流弁4cには、上述の逆止弁(ボールリフト式逆止弁)以外に、スイング式,ダイヤフラム式,ボール以外のリフト式などの、各種逆止弁を適用してもよい。
【0049】
本発明が適用される内容物吐出製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタミンなど),医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
【0050】
容器本体に収納する内容物に配合される成分としては例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分,水などが挙げられる。
【0051】
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
【0052】
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
【0053】
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコール,グリセリン,1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【0054】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【0055】
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼイン,ヒドロキシエチルセルロース,キサンタンガム,カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
【0056】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
【0057】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】電動式内容物発泡吐出機構の初期状態(静止モード)を示す説明図である。
【図2】図1のポンプ作用部の吸入行程(作動モード)を示す説明図である。
【図3】図1のポンプ作用部の吐出行程(作動モード)を示す説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1:容器本体
1a:上端側筒状部(首状部)
2:ヘッド部材
2a:空間域
2b:内容物用上流弁
2c:鞘状部
2d:外気用孔部
3:カバー体
3a:スイッチ
4:ポンプ本体
4a:内容物用下流弁
4b:エア用上流弁
4c:エア用下流弁
4d:混合部
4f:小径シリンダ
4g:大径シリンダ
4h:孔部
5:ピストン
5a:小径ピストン部
5b:大径ピストン部
5c:スリット
5d:カムフォロワ部
5e:小径シール部
5f:大径シール部
6:カム
6a:カム軸
6b:カム作用部
6c:平歯車
7:モータ
7a:ねじ歯車
8:電池
9:操作部材
10:網付ブッシュ
11:ノズル
12:筒状部材
12a:外気流入用孔部
13:逆止弁(外気流入弁)
14:チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の内容物を、エアと混合させて泡状にしてから外部空間に放出する内容物吐出機構において、
前記内容物に対する第1の吸込弁と第1の吐出弁との間に形成された内容物専用の第1の貯留空間域と、
前記エアに対する第2の吸込弁と第2の吐出弁との間に形成されたエア専用の第2の貯留空間域と、
前記第1の貯留空間域の一部を構成する第1のシリンダ部分と、
前記第2の貯留空間域の一部を構成する第2のシリンダ部分と、
前記第1のシリンダ部分との間のシール作用を呈する第1のピストン部分、および前記第2のシリンダ部分との間のシール作用を呈する第2のピストン部分からなり、
前記第1のシリンダ部分および前記第2のシリンダ部分を移動して、前記第1の貯留空間域および前記第2の貯留空間域からの内容物およびエアそれぞれの吐出動作を同時に行わせる共通ピストンと、
を備えていることを特徴とする内容物吐出機構。
【請求項2】
前記第1のシリンダ部分および前記第1のピストン部分は、
前記内容物を吸い込んで吐出するための小径部からなる部分であり、
前記第2のシリンダ部分および前記第2のピストン部分は、
前記エアを吸い込んで吐出するための大径部からなる部分である、
ことを特徴とする請求項1記載の内容物吐出機構。
【請求項3】
前記共通ピストンを駆動するモータを備えている、
ことを特徴とする請求項1記載の内容物吐出機構。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の内容物吐出機構を備えて、内容物を収納した、
ことを特徴とするポンプ式製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−23875(P2010−23875A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187097(P2008−187097)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(000144463)株式会社三谷バルブ (142)
【Fターム(参考)】