内容物放出機構,内容物放出機構用ストッパーならびに内容物放出機構または内容物放出機構用ストッパーを備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品
【課題】内容物放出機構において、トリガレバーに加わる操作力や衝撃力に対する可動通路部材の負担軽減化を図り、また、誤動作防止用ストッパーを取り付けた状態で操作部材などが衝撃を受けたときの、この操作部材およびこれにより駆動される可動通路部材や誤動作防止用ストッパー,カバー体などの一層の破損回避化を図る。
【解決手段】トリガレバーと可動通路部材との連動作用部分での両者の接触面積を大きくする。回動タイプの誤動作防止用ストッパーに代え、着脱自在なC形断面形状のストッパーを用いて、可動通路部材側の誤動作防止用の当接部との接触面積を大きくする。誤動作防止用ストッパーをその縦方向に撓む衝撃吸収形状のものとする。衝撃吸収形状の誤動作防止用ストッパーを用いて、操作時に可動する部材(トリガレバー,操作ボタン,可動通路部材など)を複数同時に受ける態様にする。また、これらの構成を組み合わせてもよい。
【解決手段】トリガレバーと可動通路部材との連動作用部分での両者の接触面積を大きくする。回動タイプの誤動作防止用ストッパーに代え、着脱自在なC形断面形状のストッパーを用いて、可動通路部材側の誤動作防止用の当接部との接触面積を大きくする。誤動作防止用ストッパーをその縦方向に撓む衝撃吸収形状のものとする。衝撃吸収形状の誤動作防止用ストッパーを用いて、操作時に可動する部材(トリガレバー,操作ボタン,可動通路部材など)を複数同時に受ける態様にする。また、これらの構成を組み合わせてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回動操作用のトリガレバーを備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品の内容物放出機構に関し、特にトリガレバーから、これに連動する内容物通過用の可動通路部材(ステムなど)への力伝達の、いわばインタフェース部分に関する。
【0002】
また、内容物放出用の各種操作部(回動式のトリガレバーや押下げ式の操作ボタン)を備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品の内容物放出機構で用いられる、誤動作防止用ストッパーに関する。
【0003】
すなわち内容物通過用の可動通路部材の縦方向外周面や、それを囲むカバー体(ネジキャップなど)の縦方向外周面に取り付けられて、操作部の内容物放出位置への移動を阻止し、特に衝撃吸収部材としても作用する誤動作防止用ストッパーに関する。
【0004】
本明細書においては内容物が放出されるノズル側を「前」と記載し、これとは反対側を「後」と記載する。すなわち図1,図2,図8,図10,図11などの左側が「前」、右側が「後」である。また、これらの図の上下方向を「縦」と記載し、この上下方向と交差する方向、主として直交する方向を「横」と記載する。
【背景技術】
【0005】
従来、操作部として回動式のトリガレバーを備えた内容物放出機構の当該操作部の固定機構として、利用者のトリガレバー操作により往復動して内容物を放出するための可動通路部材の周囲に、この往復動を規制する回動式の誤動作防止部材(ストッパー)を設けた噴射機構が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
ここでは、押下部材[27]の突き当て突部[27d]がストッパー部材[25]の段部[25d]に当接することにより、当該押下部材がさらに下方に移動しないようにしている。
【0007】
しかしながら、この提案の場合、ストッパー部材[25]がロック位置のまま、エアゾール式,ポンプ式の製品自体の落下や製品上への重量物の積載によってトリガレバー[26]にその内容物放出操作時と同じ方向への強い力が加わると、突き当て突部[27d]が、ストッパー部材[25]の段部[25d]からはずれて逃げ凹部[25e]のない円筒部[25b]の内側に入り込んで、戻らなくなることがあった。
【0008】
また、突き当て突部[27d]が円筒部[25b]に入り込む・入り込まないに関わらず、このような強い操作力が加わると、突き当て突部[27d]の下端部が段部[25d]への強い当接作用により潰れ広がってしまう。そのため、ストッパー部材[25]をロック解除位置にしてからトリガレバーの通常の放出操作をしようとしても、この強い当接作用により、突き当て突部[27d]の下端部が逃げ凹部[25e]の内面の摩擦で固着された状態になっていると、押下部材[27)]下動状態のまま戻らなくなることがあった。
【0009】
このような不都合を解決すべく本件出願人は、回動式の誤動作防止部材(ストッパー)に、可動通路部材(押下部材)の下動阻止機能のみならず当該可動通路部材のいわば駆動源であるトリガレバーの回動阻止機能も併せ持たせることで、製品の落下や重量物の積載によって各構成要素の割れ,つぶれ,せん断,外れや潜りこみなどの事象が発生するのを防止した、内容物放出機構を提案済みである(特願2009−109618)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−230854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この提案済みの特願2009−109618においては、トリガレバーに対する誤動作防止部材(ストッパー)を、当該トリガレバー自体と、当該トリガレバーと連動する内容物通過用の可動通路部材(ステム)と、の双方の移動を個々に阻止する形状のものに設定し、これにより当該誤動作防止用部材の作動状態において内容物放出機構が縦方向などへの衝撃を受けたときの、トリガレバーや可動通路部材の保護性能を高めている。
【0012】
本発明では、上述の特許文献1における不都合をさらに改善すべく、
(11)トリガレバーと可動通路部材との連動作用部分、すなわち両者の当接作用部分の形状をより大きな接触面積が確保される態様のものにし、
(12)可動通路部材やそのカバー体部分に対し着脱自在なC形断面形状の誤動作防止用ストッパーを用いて、これと、可動通路部材側の誤動作防止用の当接部との接触面積を回動タイプのストッパーの場合よりも大きくし、
(13)誤動作防止用ストッパーをその縦方向に撓む衝撃吸収形状のものに設定する、
(14)衝撃吸収形状の誤動作防止用ストッパーを用いて、
・回動タイプのトリガレバーと連動する可動通路部材のみを受ける、
・当該トリガレバーのみを受ける、
・当該トリガレバーおよび当該可動通路部材の双方を受ける、
・上下動タイプの操作ボタンを受ける、
などの構成をとっている。
【0013】
以上の構成により、
トリガレバーに加わる操作力や衝撃力に対する可動通路部材の負担軽減化を図り、
さらには、誤動作防止用ストッパーを取り付けた状態での例えば製品自体(内容物放出機構)の落下や製品上への重量物の積載によって操作部材(トリガレバー,操作ボタン)などが衝撃を受けたときの、この操作部材およびこれにより駆動される可動通路部材(ステム)や誤動作防止用ストッパー,後述のカバー体などの一層の破損回避化を図る、
ことを目的とする。
【0014】
なお、着脱自在なC形断面形状の誤動作防止用ストッパーの上記(12)の接触面積を回動タイプのストッパーの場合よりも大きく設定できるのは、回動タイプのストッパーと可動通路部材側との誤動作防止用接触範囲が当該可動通路部材側の周回長の半分未満に制約される一方、着脱タイプのストッパーにはそのような制約がないからである。
【0015】
すなわち、この誤動作防止用接触範囲を当該周回長の半分以上に設定すると、回動タイプのストッパーをどのような回動位置に設定しても必ず可動通路部材側との接触部分が残ってしまい、誤動作防止モードを解除することができなくなる。
【0016】
本発明は、上記目的を次のようにして達成する。
(1)利用者の回動操作に基づいて容器本体側の内容物が外部空間域に放出される内容物放出機構において、
前記容器本体に一体化されたカバー体(例えば後述のカバー体5)と、
前記カバー体に取り付けられた回動操作用のトリガレバー(例えば後述のトリガレバー1,1’)と、
前記トリガレバーの前記回動操作と連動して前記内容物に対する弁作用部をそれまでの閉状態から開状態に移行させ、かつ、当該弁作用部から流入する内容物の放出通路を有する筒状の可動通路部材(例えば後述の可動通路部材2)と、を備え、
前記トリガレバーは、
前記可動通路部材の、後述の被押下げ部に対応する範囲に連続形成され、前記回動操作の際、当該被押下げ部に当接して当該可動通路部材を下動させる単一の押下げ部(例えば後述の連動作用部1b)を有し、
前記筒状の可動通路部材は、
その長手方向と交差して、かつ、その上側と交差方向側とのそれぞれに突出する態様で連続形成された単一の被押下げ部(例えば後述の円柱状部2c)を有する、
態様の内容物放出機構を用いる。
(2)上記(1)において、
前記可動通路部材の縦方向周面部分(例えば後述の縦筒状部2dの外周面)に取り付けられて前記トリガレバーの前記回動操作を阻止するためのストッパー(例えば後述の衝撃吸収ストッパー6,6’,7〜12,13,14)を備え、
前記ストッパーが、
縦方向に撓む形状の衝撃吸収作用部を有する、
態様の内容物放出機構を用いる。
(3)上記(2)において、
前記衝撃吸収作用部が、
前記可動通路部材の縦方向周面部分に取外し自在な態様で取り付けられるストッパー本体部(例えば後述の単一本体部6b,7b,9b,10b,11b,12b,13b,14b,上側本体部8b,下側本体部8c)からなり、
前記カバー体が、
前記ストッパー本体部の下端部分と当接する第1の被当接部(例えば後述の小径筒状部5b)を有し、
前記トリガレバーおよび前記可動通路部材の少なくとも一つは、
前記ストッパー本体部の上端部分と当接する第2の被当接部(例えば後述の湾曲平坦面部分1j,直線平坦面部分1k,段部2e)を有する、
態様の内容物放出機構を用いる。
(4)上記(3)において、
前記ストッパー本体部が、
前記可動通路部材の縦方向周面部分に取り付けられた状態での、横方向の断面形状がC字状となる部分を含む、
態様の内容物放出機構を用いる。
(5)上記(4)において、
前記可動通路部材が、
前記第2の被当接部を、前記ストッパー本体部の前記横方向のC字状断面形状に対応したC字状部分を含む段部(例えば後述の段部2e)の形で有する、
態様の内容物放出機構を用いる。
(6)内容物放出機構の、外部空間域への内容物放出通路を有して内容物放出用の操作部材(例えば後述のトリガレバー1,押圧操作ボタン21)と連動する可動通路部材の縦方向周面部分(例えば後述の縦筒状部2dの外周面)またはそれを囲むカバー体部分(例えば後述のカバー体23)からなる、縦方向部分に取り付けられることにより、当該操作部材の内容物放出位置への移動を阻止する内容物放出機構用ストッパーにおいて、
前記縦方向部分に取り付けられるストッパー本体部(例えば後述の単一本体部6b,7b,9b,10b,11b,12b,13b,14b,上側本体部8b,下側本体部8c)が縦方向に撓む形状からなり、衝撃吸収部材として作用する、
態様の内容物放出機構用ストッパーを用いる。
(7)上記(6)において、
前記ストッパー本体部が、
前記可動通路部材の縦方向周面部分に取外し自在な態様で取り付けられ、
かつ、当該縦方向周面部分に取り付けられた状態での横方向の断面形状がC字状となる部分を含む、
態様の内容物放出機構用ストッパーを用いる。
【0017】
本発明は、以上の構成からなる内容物放出機構および内容物放出機構用ストッパーならびに当該内容物放出機構などを備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品を対象としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、このようにトリガレバーと可動通路部材との連動作用部分の接触面積を大きくしているので、トリガレバーに加わる操作力や衝撃力に対する可動通路部材の負担軽減化を図ることができる。
【0019】
また、
・可動通路部材やそのカバー体部分に対し着脱自在なC形断面形状の誤動作防止用ストッパーを用いて、これと、可動通路部材側の誤動作防止用の当接部との接触面積を回動タイプのストッパーの場合よりも大きくし、
・誤動作防止用ストッパーをその縦方向に撓む衝撃吸収形状のものに設定し、
・この衝撃吸収形状の誤動作防止用ストッパーを用いて、トリガレバー/可動通路部材や、上下動タイプの操作ボタンを受ける、
などしているので、
誤動作防止用ストッパーを取り付けた状態での例えば製品自体(内容物放出機構)の落下や製品上への重量物の積載によって操作部材(トリガレバー,操作ボタン)などが衝撃を受けたときの、この操作部材およびこれにより駆動される可動通路部材(ステム)や誤動作防止用ストッパー,カバー体などの上記破損(割れ,つぶれ,せん断,外れや潜りこみなど)をより確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】トリガレバー操作式の内容物放出機構(その1)にC形断面形状のストッパーを取り付けた状態の誤動作防止モード(操作不能モード)を示す説明図である。
【図2】図1のストッパーを可動通路部材の縦筒状部から取り外した上でトリガレバーを回動操作した状態の作動モードを示す説明図である。
【図3】図1,図2のトリガレバーおよびこれと連動する可動通路部材の斜視状態を示す説明図であり、(a)はトリガレバーを示し、(b)は可動通路部材を示している。
【図4】図3のトリガレバーとは可動通路部材との当接範囲が異なるタイプのトリガレバーの斜視状態を示す説明図であり、(a)はトリガレバーを示し、(b)は可動通路部材を示している。
【図5】図1,図2の内容物放出機構にて使用されるC形断面形状の7種類の衝撃吸収シングルストッパー(可動通路部材対応のシングルストッパー)を示す説明図である。
【図6】C形断面形状でトリガレバー対応の衝撃吸収シングルストッパーを示す説明図である。
【図7】図6の衝撃吸収シングルストッパーとこれに対応した形状のトリガレバーとの斜視状態を示す説明図である。
【図8】トリガレバー式の内容物放出機構(その2)に、図6のトリガレバー対応の衝撃吸収シングルストッパーを取り付けた状態の誤動作防止モードを示す説明図であり、(a)は上から見たときの図を示し、(b)は横から見たときの図を示している。
【図9】C形断面形状でトリガレバー・可動通路部材対応の衝撃吸収ダブルストッパーを示している。
【図10】トリガレバー式の内容物放出機構(その2)に、図9のトリガレバー・可動通路部材対応の衝撃吸収ダブルストッパーを取り付けた状態の誤動作防止モードを示す説明図であり、(a)は上から見たときの図を示し、(b)は横から見たときの図を示している。
【図11】押下げ操作ボタン式の内容物放出機構に、操作部対応の衝撃吸収シングルストッパーを取り付けた状態の誤動作防止モードを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上述したように、本発明の内容物放出機構および内容物放出機構用ストッパーはポンプ式製品およびエアゾール式製品の双方へ適用されえるものであるが、以下の記載では単なる説明の便宜上、必要に応じてポンプ式製品を前提とする。
【0022】
図1〜図11を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0023】
なお、各図で用いるアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば開口部1a)は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素(例えばトリガレバー1)の一部であることを示している。
【0024】
図1〜図4,図7,図8および図10において、
1は作動モード設定操作用の回動式のトリガレバー,
1aはトリガレバー1の前側面上部分およびこれに続く天面前部分に形成されて、その中に後述のノズル3(可動通路部材2)の先端部分が入り込み、かつ、当該ノズルに対するトリガレバー1の回動操作を可能にするための開口部,
1bはトリガレバー1の天井面部分に形成されて後述の可動通路部材2への連動作用を呈する連動作用部,
1cは連動作用部1bの構成要素として、トリガレバー1の天井面および両側面のそれぞれから連続する態様で形成された一対の対向垂下部,
1d,1d’は連動作用部1bの構成要素として、一対の対向垂下部1cの間にこれらと直交する態様で連続形成された連結垂下部(1d’は図4のみで使用),
1eはトリガレバー1の静止モードや回動操作初期段階で後述の円柱状部2cと当接して、回動操作の際には後述の可動通路部材2を下方向に駆動する、連結垂下部底面とその両側に続く対向垂下部底面からなる小さな前後幅の横方向態様で連続形成された単一底面部分,
1e’はトリガレバー1の静止モードや回動操作全段階で後述の円柱状部2cと当接して、回動操作の際には後述の可動通路部材2を下方向に駆動する、連結垂下部底面とその両側に続く対向垂下部底面からなる大きな前後幅の横方向態様で連続形成された単一底面部分(図4のみで使用),
1fは単一底面部分1eの両端からそれぞれ後方に縦方向態様で連続形成され、当該単一底面部分と同様にトリガレバー1の回動操作時(初期段階を除く)には後述の円柱状部2cと当接して可動通路部材2を下方向に駆動する、対向垂下部1cの各下端側の中間曲面部分,
1gはトリガレバー後側の両側面にそれぞれ形成されて後述の軸部分6bとの係合作用を呈する一対の孔部(=トリガレバーの回動中心),
2はトリガレバー1の回動操作に応じて下方向に駆動されるL字筒状の可動通路部材,
2aは可動通路部材の内側に形成された内容物通路,
2bは当該内容物通路の下流側を構成する横筒状部,
2cは当該横筒状部と直交する方向にその上面から上方に突出する態様で連続形成され、トリガレバー1の回動操作にともないその小さな前後幅の単一底面部分1eおよび中間曲面部分1fと順次当接し、またはその大きな前後幅の単一底面部分1e’と当接して、下方向への駆動力を受ける円柱状部,
2dは内容物通路2aの上流側を構成する縦筒状部,
2eは当該縦筒状部の上側部分に形成されて後述の衝撃吸収ストッパー6の上端部の当接相手となる環状段部,
3は可動通路部材2の先端側に嵌合状態で取り付けられたノズル,
3aは内容物流出用の孔部,
4は液状内容物を収容した容器本体,
5は内容物が貯留され、また弁機構が設けられた周知のハウジング(図示省略)と一体化して容器本体4に着脱自在な形で取り付けられる筒状のカバー体,
5aは容器本体4の開口部に螺合しているネジキャップ作用部,
5bはネジキャップ作用部5aの上方に連続して形成され、後述の衝撃吸収ストッパー6の下端部分の受け部として作用する小径筒状部,
5cはネジキャップ作用部5aから上斜め方向に延びるアーム状部,
5dはトリガレバー1の孔部1gと係合し、当該トリガレバーの回動中心軸として作用する一対の軸部分,
をそれぞれ示している。
【0025】
図1,図2および図5において、
6は縦方向に撓む形状からなり、トリガレバー1が回動操作されていない静止モードにおいて、小径筒状部5bの上端面部分と縦筒状部2dの環状段部2eとの間の縦筒状部外周面に、着脱自在な形で取り付けられるC形横断面(本体部)の衝撃吸収ストッパー,
6aは縦筒状部2dへの着脱操作用のつまみ部,
6bはつまみ部6aに連結されて縦筒状部2dへの取付け対象となる単一本体部,
6cは単一本体部6bの内周面の上下にそれぞれ形成されて衝撃吸収作用を呈する周方向溝状部分,
7〜12はそれぞれ縦方向に撓む形状からなり、衝撃吸収ストッパー6と同様に、トリガレバー1が回動操作されていない静止モードにおいて、小径筒状部5bの上端面部分と縦筒状部2dの環状段部2eとの間の縦筒状部外周面部分に、着脱自在な形で取り付けられる各種C形横断面(本体部)の衝撃吸収ストッパー,
7a〜12aは縦筒状部2dへの着脱操作用のつまみ部,
7bはつまみ部7aに連結されて縦筒状部2dへの取付け対象となる単一本体部,
7cは単一本体部7bの縦方向貫通切欠部の反対側(つまみ部7aと対向する側)の上端部分および下端部分にそれぞれ形成された縦方向の上下端側切欠部,
7dは上下端側切欠部7cから縦方向貫通切欠部までの内周面の上下にそれぞれ形成された周方向溝状部分,
8bは縦筒状部2dへの取付け対象となる横C形状の上側本体部,
8cは縦筒状部2dへの取付け対象となる横C形状の下側本体部,
8dはつまみ部8aと上側本体部8bとの間に形成された斜め上方向連結部,
8eはつまみ部8aと下側本体部8cとの間に形成された斜め下方向連結部,
9bはつまみ部9aに連結されて縦筒状部2dへの取付け対象となる蛇腹形状の単一本体部,
10bはつまみ部10aに連結されて縦筒状部2dへの取付け対象となる単一本体部,
10cはこの単一本体部10bの上下域それぞれに個々に形成された周方向孔部,
11bは縦筒状部2dへの取付け対象となる単一本体部,
11cはこの単一本体部11bの一部であって上下に並ぶ四個の横C形状部分,
11dはこれら横C形状部分の上下に対向する端同士をいわば互い違いに順次接続した形の三個の縦連結部分,
11eは上から2番目の横C形状部分11cとつまみ部11aとの間に形成された上側連結部,
11fは上から3番目の横C形状部分11cとつまみ部11aとの間に形成された下側連結部,
12bはつまみ部12aに連結されて縦筒状部2dへの取付け対象となる単一本体部,
12cはこの単一本体部12bの周面部分に対向する態様で形成された円状孔部,
をそれぞれ示している。
【0026】
図1〜図5の内容物放出機構の特徴は、
(21)トリガレバー1と可動通路部材2との連動作用部分として、トリガレバー側の単一底面部分1e,1e’およびこれが当接する可動通路部材側の円柱状部2cを用い、少なくともトリガレバー1が回動していない静止モード,誤動作防止モードでは当該円柱状部の外周面横方向(軸方向)の全幅にわたって当該単一底面部分が当接する、
(22)可動通路部材2の環状段部2gとカバー体5の小径筒状部5bとの間の縦筒状部2dに、C形横断面形状の本体からなる誤動作防止用のストッパー6〜12が着脱自在な形で取り付けられる、
(23)誤動作防止用のストッパー6〜12が、それぞれ縦方向に撓む形状からなる衝撃吸収ストッパーとなっている、
ことなどである。
【0027】
すなわち、図1〜図5の内容物放出機構は、
(31)トリガレバー1および可動通路部材2の連動作用部分において大きな接触面積を確保し、
(32)トリガレバー1,可動通路部材2と誤動作防止用のストッパー6〜12との接触面積を、縦筒状部2dに組み込まれて回動するタイプの筒状ストッパーを用いる場合よりも大きくし、
(33)誤動作防止用のストッパー6〜12がそれぞれ衝撃吸収機能を有する、
ものである。
【0028】
ここで、図1の衝撃吸収ストッパー6を可動通路部材2の縦筒状部2dに取付けた誤動作防止モードにおいては、利用者がトリガレバー1を回動操作することができない。
【0029】
これは単一底面部分1e,1e’および円柱状部2cの当接作用を介してトリガレバー1と連動すべき可動通路部材2の環状段部2eが、衝撃吸収ストッパー6にいわば係止されているからである。
【0030】
衝撃吸収ストッパー6は、環状段部2eと小径筒状部5bとの間の可動通路部材外周面に取り付けられて、可動通路部材2の下動、すなわちトリガレバー1の回動操作を阻止している。
【0031】
すなわち、この衝撃吸収ストッパー6を可動通路部材外周面に取り付けた誤動作防止モードでは、単一本体部6bの上端面であるC字状平坦面部分が可動通路部材2の環状段部2eと略当接・対向し、かつ、下端面であるC字状平坦面部分がカバー体5の小径筒状部5bの上端面部分に略当接・対向している。そのため、可動通路部材2は下動できず、トリガレバー1の回動が阻止される。
【0032】
なお、この誤動作防止モードにおける衝撃吸収ストッパー6と環状段部2eおよび小径筒状部5bとの当接・対向状態は、他の衝撃吸収ストッパー7〜12においても十分に担保される。
【0033】
図2の作動モードは、図1の衝撃吸収ストッパー6を可動通路部材2の縦筒状部2dから取り外した状態である。
【0034】
このときトリガレバー1の回動操作が可能である。トリガレバー1の回動操作にともなって可動通路部材2が下動し、任意の出力側弁作用部(図示省略)がそれまでの閉状態から開状態へと作動して、容器本体側の内容物が可動通路部材2およびノズル3を経て孔部3aから外部空間域に放出されることは勿論である。
【0035】
衝撃吸収ストッパー6〜12が縦方向に撓むのは、概略、それぞれいくらかの弾性を呈する性状のもので、
・衝撃吸収ストッパー6は、その単一本体部6bに上下それぞれの周方向溝状部分6cを有し、
・衝撃吸収ストッパー7は、その単一本体部7bに上下端側切欠部7cおよび上下それぞれの周方向溝状部分7dを有し、
・衝撃吸収ストッパー8は、「上側本体部8b+斜め上方向連結部8d」と「下側本体部8c+斜め下方向連結部8e」とを有し、
・衝撃吸収ストッパー9は、蛇腹形状の単一本体部9bを有し、
・衝撃吸収ストッパー10は、その単一本体部10bに上下それぞれの周方向孔部10cを有し、
・衝撃吸収ストッパー11は、その単一本体部10bが、複数の横C形状部分11cとこれらの上下の対向端部分を互い違いに接続する複数の縦連結部分11dとで形成され、
・衝撃吸収ストッパー12は、その単一本体部12bに対向する一対の円状孔部12cを有している、
からである。
【0036】
なお、図1〜図5で使用する衝撃吸収ストッパー6〜12はいずれも、トリガレバー1および可動通路部材2に対して当該可動通路部材の段部2eのみを受けるものである。
【0037】
図6〜図10において、
1’は後述の衝撃吸収ストッパー13,14と当接する関連部分を積極的に形成し、その他の部分は図1〜図3のトリガレバーと同一形状からなるトリガレバー(その2),
1hは一対の対向垂下部1cの間に連続形成された誤動作防止用のリブ状部,
1jはリブ状部1hの下端面であって、衝撃吸収ストッパー13,14の上端のC字状平坦面部分13e,14e(の一部)と当接する誤動作防止用の湾曲平坦面部分,
1kは湾曲平坦面部分1jと連続する態様でトリガレバー1’の両サイド部の下端面であって、衝撃吸収ストッパー13,14の上端のC字状平坦面部分(の一部)と当接する誤動作防止用の一対の直線状平坦面部分,
13はトリガレバー1が回動操作されていない静止モードにおいて、可動通路部材2の縦筒状部2d外周面部分に着脱自在な形で取り付けられることにより、トリガレバー1’のみを受ける衝撃吸収ストッパー,
13aは縦筒状部2dへの着脱操作用のつまみ部,
13bはつまみ部13aに連結されて縦筒状部2dへの取付け対象となるC形横断面の単一本体部,
13cは単一本体部13bの上側大径部分,
13dは単一本体部13bの下側小径部分,
13eは上側大径部分13cの上端面であってトリガレバー1’の湾曲平坦面部分1jおよび直線状平坦面部分1kそれぞれの一部と当接するC字状平坦面部分,
13fは上側大径部分13cおよび下側小径部分13dの各内周面に形成されて衝撃吸収作用を呈する周方向溝状部分,
14はトリガレバー1が回動操作されていない静止モードにおいて、可動通路部材2の縦筒状部2d外周面部分に着脱自在な形で取り付けられることにより、トリガレバー1’および可動通路部材2を受けるいわばダブルタイプの衝撃吸収ストッパー,
14aは縦筒状部2dへの着脱操作用のつまみ部,
14bはつまみ部14aに連結されて縦筒状部2dへの取付け対象となる単一本体部,
14cは単一本体部14bの構成要素であってC形横断面からなる外側部分(=上側大径部分13c),
14dは外側部分14cの下端部分と連結されてC形横断面からなる内側部分,
14eは外側部分14cの上端面部分であって、衝撃吸収ストッパー13のC字状平坦面部分13eと同様の当接作用を呈するC字状の外側平坦面部分,
14fは内側小径部分14dの上端面部分であって、衝撃吸収ストッパー6〜12と同様に縦筒状部2dの環状段部2eとの当接作用を呈するC字状の内側平坦面部分,
14gは外側部分14cの内周面の上側部分に形成されて衝撃吸収作用を呈する周方向溝状部分,
14hは外側部分14cの内周面の各上下部分に形成されて衝撃吸収作用を呈する周方向溝状部分,
をそれぞれ示している。
【0038】
図6〜図8の衝撃吸収ストッパー13は、トリガレバー1’および可動通路部材2に対して当該トリガレバーのみを受けるものである。
【0039】
すなわち、衝撃吸収ストッパー13を可動通路部材2の縦筒状部2dに取付けた誤動作防止モードでは、当該ストッパー(単一本体部13b)の上側大径部分13cの上端面であるC字状平坦面部分13eがトリガレバー1’の湾曲平坦面部分1jおよび直線状平坦面部分1kと略当接し、対向する。
【0040】
そして、このトリガレバー1’と、下端面部分がカバー体5の小径筒状部5bに保持される衝撃吸収ストッパー13との当接・対向状態の設定により、トリガレバー1’の回動操作は確実に阻止される。
【0041】
図8の誤動作防止モードでトリガレバー1’などに略下方向への衝撃力が加わったとしても、当該衝撃力は衝撃吸収ストッパー13の縦方向への撓みによって吸収される。そのため、トリガレバー1’への衝撃に対する内容物放出機構の各構成要素の破損の程度を確実に抑えることができる。
【0042】
この縦方向への撓みが生じえるのは、衝撃吸収ストッパー13が衝撃吸収ストッパー6などと同様に弾性を呈する性状のもので、その単一本体部13bの内周面に上下それぞれの周方向溝状部分13fが形成されているからである。
【0043】
図9および図10の衝撃吸収ストッパー14は、トリガレバー1’および可動通路部材2の双方を受けるものである。
【0044】
すなわち、衝撃吸収ストッパー14を可動通路部材2の縦筒状部2dに取付けた誤動作防止モードでは、
(41)当該ストッパー(単一本体部14b)の外側部分14cの上端面であるC字状の外側平坦面部分14eが、トリガレバー1’の湾曲平坦面部分1jおよび直線状平坦面部分1kと略当接して対向し、かつ、
(42)当該ストッパー(単一本体部14b)の内側部分14dの上端面であるC字状の内側平坦面部分14fが、可動通路部材2の環状段部2eと略当接して対向する。
【0045】
そして、このトリガレバー1’および可動通路部材2のそれぞれと、下端面部分がカバー体5の小径筒状部5bに保持される衝撃吸収ストッパー14との当接・対向状態の設定により、トリガレバー1’の回動操作は確実に阻止される。
【0046】
図10の誤動作防止モードでトリガレバー1’などに略下方向への衝撃力が加わったとしても、当該衝撃力は衝撃吸収ストッパー14の縦方向への撓みによって吸収される。そのため、トリガレバー1’への衝撃に対する内容物放出機構の各構成要素の破損の程度を確実に抑えることができる。
【0047】
この縦方向への撓みが生じえるのは、衝撃吸収ストッパー14が衝撃吸収ストッパー6などと同様に弾性を呈し、その単一本体部14bの外側部分14cおよび内側部分14dの各内周面に周方向溝状部分14g,14hが形成されているからである。
【0048】
なお、図6〜図10のトリガレバー1’を用いる場合にも上記(21)〜(23),(31)〜(33)と同様のことがそのままあてはまる。
【0049】
図1〜図10における可動通路部材2の縦筒状部2bに衝撃吸収ストッパー6,6’〜14を取り付けるには、例えば図8(a),図10(a)に示すように、それぞれのつまみ部6a〜14aを持って先ずトリガレバー1,1’の側面の方からいわば差し込む。そして差込み後のつまみ部を図示左側の前方へと回す。
【0050】
図11において、
6’は衝撃吸収ストッパー6と同様の形状からなり、後述の押圧操作ボタン21が押下げ操作されていない静止モードにおいて、後述の小径筒状部23bに着脱自在な形で取り付けられるC形横断面(本体部)の衝撃吸収ストッパー,
21は内容物通路部を備えた上下動タイプの押圧操作ボタン,
21aは内容物放出用のノズル部分,
21bは後述の小径筒状部23bを取り囲む形の上下方向の外側筒状部,
22は押圧操作ボタン21の内容物通路部と結合して下側部分が弁作用部などを構成する周知のステム(可動通路部材),
23はハウジング(図示省略)と一体化して容器本体4に着脱自在な形で取り付けられ、ステム22などを保護する筒状のカバー体,
23aは容器本体4の開口部に螺合しているネジキャップ作用部,
23bはネジキャップ作用部23aから上方に連続形成されて、押圧操作ボタン21の押下げ操作時には外側筒状部21bの内側に入り込む形の小径筒状部,
23cはネジキャップ作用部23aの環状天面(=小径筒状部23bの外側環状部分),
をそれぞれ示している。
【0051】
図11の衝撃吸収ストッパー6’は、上下動タイプの押圧操作ボタン21のみを受けるものである。
【0052】
すなわち、衝撃吸収ストッパー6’をカバー体23の小径筒状部23bに取付けた誤動作防止モードでは、当該ストッパーの単一本体部6bの上端面であるC字状平坦面部分が押圧操作ボタン21の下端面部分と略当接し、対向する。なお、単一本体部6bの下端面のC字状平坦面部分はカバー体23の環状天面23cに略当接し、対向している。
【0053】
そして、この押圧操作ボタン21と衝撃吸収ストッパー6’との当接・対向状態の設定により、当該操作ボタンの押下げ操作は確実に阻止される。
【0054】
図11の誤動作防止モードで押圧操作ボタン21などに略下方向への衝撃力が加わったとしても、当該衝撃力は衝撃吸収ストッパー6’の縦方向への撓みによって吸収される。そのため、押圧操作ボタン21への衝撃に対する内容物放出機構の各構成要素の破損の程度を確実に抑えることができる。
【0055】
この縦方向への撓みが生じえるのは、衝撃吸収ストッパー6’が弾性を呈する性状のもので、その単一本体部6bの内周面に上下それぞれの周方向溝状部分6cが形成されているからである。
【0056】
図11の小径筒状部23bを除いた形のカバー体に対しても衝撃吸収ストッパーを使用できる。このときの衝撃吸収ストッパーは、ステム22に取り付けられて、押圧操作ボタン21のステム嵌合対象の内側筒状部の下端面部分、およびカバー体の環状天面23cのそれぞれと略当接し、対向する。
【0057】
なお、図6〜図11の図衝撃吸収ストッパー13,14,6’を可動通路部材2の縦筒状部2dやカバー体23の小径筒状部23bから取り外した状態で、トリガレバー1’を回動操作したとき、また押圧操作ボタン21を押下げ操作したときに、任意の出力側弁作用部(図示省略)がそれまでの閉状態から開状態へと動作して内容物が可動通路部材2,ステム22,ノズル3を経て孔部3aから外部空間域に放出されることは勿論である。
【0058】
また、図11の押圧操作ボタン21を用いる場合にも上記(22),(23),(32),(33)と同様のことがあてはまる。
【0059】
以上の説明で用いた各構成要素はそれぞれ、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。
【0060】
なお、本発明の特徴を、
(51)トリガレバー1の連動作用部1bと可動通路部材2の円柱状部2cとが当接していること、
(52)衝撃吸収ストッパー6,6’〜14が縦方向に撓む形状からなること、
(53)当該衝撃吸収ストッパーでトリガレバー1,1’,可動通路部材2や押圧操作ボタン21を受けること、
として把握する限りにおいては、当該衝撃吸収ストッパーを非着脱式で回動タイプのものにしてもよい。
【0061】
本発明は、エアゾール式製品にも適用することができる。その場合、カバー体を周知のエアゾール容器本体に嵌合する態様にして、可動通路部材でエアゾール容器本体の放出弁作用部材(ステム)を押し下げるようにすればよい。
【0062】
本発明が適用されるポンプ式製品やエアゾール式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,栄養補助食品(ビタミンなど)医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
【0063】
容器本体に収納する内容物は、液状,クリーム状,ゲル状など種々の形態のものを用いることができ、内容物に配合される成分としては例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分,水などが挙げられる。
【0064】
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
【0065】
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
【0066】
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコール,グリセリン,1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【0067】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【0068】
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼイン,ヒドロキシエチルセルロース,キサンタンガム,カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
【0069】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
【0070】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【0071】
エアゾール式製品における内容物放出用ガスとしては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。
【符号の説明】
【0072】
1,1’:回動式のトリガレバー
(1は図1〜図4のみで使用,1’は図7,図8,図10のみで使用)
1a:開口部
1b:連動作用部
1c:一対の対向垂下部
1d,1d’:連結垂下部(1d’は図4のみで使用)
1e,1e’:単一底面部分(1e’は図4のみで使用)
1f:中間曲面部分
1g:一対の孔部(=トリガレバーの回動中心)
1h:リブ状部
1j:湾曲平坦面部分
1k:一対の直線状平坦面部分
(1h〜1kは図7,図8,図10のみで使用)
2:可動通路部材
2a:内容物通路
2b:横筒状部
2c:円柱状部
2d:縦筒状部
2e:環状段部
3:ノズル
3a:孔部
4:容器本体
5:カバー体
5a:ネジキャップ作用部
5b:小径筒状部
5c:アーム状部
5d:一対の軸部分
6:シングルタイプ(可動通路部材対応)の衝撃吸収ストッパー
(6は図1,図5のみで使用)
6’:シングルタイプ(押圧操作ボタン対応)の衝撃吸収ストッパー
(6’は図11のみで使用)
6a:つまみ部
6b:単一本体部
6c:周方向溝状部分
【0073】
7〜12:シングルタイプ(可動通路部材対応)の衝撃吸収ストッパー
7a〜12a:つまみ部
7b:単一本体部
7c:上下端側切欠部
7d:周方向溝状部分
8b:上側本体部
8c:下側本体部
8d:斜め上方向連結部
8e:斜め下方向連結部
9b:蛇腹形状の単一本体部
10b:単一本体部
10c:周方向孔部
11b:単一本体部
11c:四個の横C形状部分
11d:三個の縦連結部分
11e:上側連結部
11f:下側連結部
12b:単一本体部
12c:円状孔部
(7〜12cは図5のみで使用)
【0074】
13:シングルタイプ(トリガレバー対応)の衝撃吸収ストッパー
13a:つまみ部
13b:単一本体部
13c:上側大径部分
13d:下側小径部分
13e:C字状平坦面部分
13f:周方向溝状部分
(13〜13fは図6,図7,図8のみで使用)
【0075】
14:ダブルタイプ(可動通路部材・トリガレバー対応)の衝撃吸収ストッパー
14a:つまみ部
14b:単一本体部
14c:外側部分(=上側大径部分13c)
14d:内側部分
14e:外側平坦面部分
14f:内側平坦面部分
14g,14h:周方向溝状部分
(14〜14hは図9,図10のみで使用)
【0076】
21:押圧操作ボタン
21a:ノズル部分
21b:外側筒状部
22:ステム(可動通路部材)
23:カバー体
23a:ネジキャップ作用部
23b:小径筒状部
23c:環状天面(=小径筒状部23bの外側環状部分)
(21〜23cは図11のみで使用)
【技術分野】
【0001】
本発明は、回動操作用のトリガレバーを備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品の内容物放出機構に関し、特にトリガレバーから、これに連動する内容物通過用の可動通路部材(ステムなど)への力伝達の、いわばインタフェース部分に関する。
【0002】
また、内容物放出用の各種操作部(回動式のトリガレバーや押下げ式の操作ボタン)を備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品の内容物放出機構で用いられる、誤動作防止用ストッパーに関する。
【0003】
すなわち内容物通過用の可動通路部材の縦方向外周面や、それを囲むカバー体(ネジキャップなど)の縦方向外周面に取り付けられて、操作部の内容物放出位置への移動を阻止し、特に衝撃吸収部材としても作用する誤動作防止用ストッパーに関する。
【0004】
本明細書においては内容物が放出されるノズル側を「前」と記載し、これとは反対側を「後」と記載する。すなわち図1,図2,図8,図10,図11などの左側が「前」、右側が「後」である。また、これらの図の上下方向を「縦」と記載し、この上下方向と交差する方向、主として直交する方向を「横」と記載する。
【背景技術】
【0005】
従来、操作部として回動式のトリガレバーを備えた内容物放出機構の当該操作部の固定機構として、利用者のトリガレバー操作により往復動して内容物を放出するための可動通路部材の周囲に、この往復動を規制する回動式の誤動作防止部材(ストッパー)を設けた噴射機構が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
ここでは、押下部材[27]の突き当て突部[27d]がストッパー部材[25]の段部[25d]に当接することにより、当該押下部材がさらに下方に移動しないようにしている。
【0007】
しかしながら、この提案の場合、ストッパー部材[25]がロック位置のまま、エアゾール式,ポンプ式の製品自体の落下や製品上への重量物の積載によってトリガレバー[26]にその内容物放出操作時と同じ方向への強い力が加わると、突き当て突部[27d]が、ストッパー部材[25]の段部[25d]からはずれて逃げ凹部[25e]のない円筒部[25b]の内側に入り込んで、戻らなくなることがあった。
【0008】
また、突き当て突部[27d]が円筒部[25b]に入り込む・入り込まないに関わらず、このような強い操作力が加わると、突き当て突部[27d]の下端部が段部[25d]への強い当接作用により潰れ広がってしまう。そのため、ストッパー部材[25]をロック解除位置にしてからトリガレバーの通常の放出操作をしようとしても、この強い当接作用により、突き当て突部[27d]の下端部が逃げ凹部[25e]の内面の摩擦で固着された状態になっていると、押下部材[27)]下動状態のまま戻らなくなることがあった。
【0009】
このような不都合を解決すべく本件出願人は、回動式の誤動作防止部材(ストッパー)に、可動通路部材(押下部材)の下動阻止機能のみならず当該可動通路部材のいわば駆動源であるトリガレバーの回動阻止機能も併せ持たせることで、製品の落下や重量物の積載によって各構成要素の割れ,つぶれ,せん断,外れや潜りこみなどの事象が発生するのを防止した、内容物放出機構を提案済みである(特願2009−109618)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−230854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この提案済みの特願2009−109618においては、トリガレバーに対する誤動作防止部材(ストッパー)を、当該トリガレバー自体と、当該トリガレバーと連動する内容物通過用の可動通路部材(ステム)と、の双方の移動を個々に阻止する形状のものに設定し、これにより当該誤動作防止用部材の作動状態において内容物放出機構が縦方向などへの衝撃を受けたときの、トリガレバーや可動通路部材の保護性能を高めている。
【0012】
本発明では、上述の特許文献1における不都合をさらに改善すべく、
(11)トリガレバーと可動通路部材との連動作用部分、すなわち両者の当接作用部分の形状をより大きな接触面積が確保される態様のものにし、
(12)可動通路部材やそのカバー体部分に対し着脱自在なC形断面形状の誤動作防止用ストッパーを用いて、これと、可動通路部材側の誤動作防止用の当接部との接触面積を回動タイプのストッパーの場合よりも大きくし、
(13)誤動作防止用ストッパーをその縦方向に撓む衝撃吸収形状のものに設定する、
(14)衝撃吸収形状の誤動作防止用ストッパーを用いて、
・回動タイプのトリガレバーと連動する可動通路部材のみを受ける、
・当該トリガレバーのみを受ける、
・当該トリガレバーおよび当該可動通路部材の双方を受ける、
・上下動タイプの操作ボタンを受ける、
などの構成をとっている。
【0013】
以上の構成により、
トリガレバーに加わる操作力や衝撃力に対する可動通路部材の負担軽減化を図り、
さらには、誤動作防止用ストッパーを取り付けた状態での例えば製品自体(内容物放出機構)の落下や製品上への重量物の積載によって操作部材(トリガレバー,操作ボタン)などが衝撃を受けたときの、この操作部材およびこれにより駆動される可動通路部材(ステム)や誤動作防止用ストッパー,後述のカバー体などの一層の破損回避化を図る、
ことを目的とする。
【0014】
なお、着脱自在なC形断面形状の誤動作防止用ストッパーの上記(12)の接触面積を回動タイプのストッパーの場合よりも大きく設定できるのは、回動タイプのストッパーと可動通路部材側との誤動作防止用接触範囲が当該可動通路部材側の周回長の半分未満に制約される一方、着脱タイプのストッパーにはそのような制約がないからである。
【0015】
すなわち、この誤動作防止用接触範囲を当該周回長の半分以上に設定すると、回動タイプのストッパーをどのような回動位置に設定しても必ず可動通路部材側との接触部分が残ってしまい、誤動作防止モードを解除することができなくなる。
【0016】
本発明は、上記目的を次のようにして達成する。
(1)利用者の回動操作に基づいて容器本体側の内容物が外部空間域に放出される内容物放出機構において、
前記容器本体に一体化されたカバー体(例えば後述のカバー体5)と、
前記カバー体に取り付けられた回動操作用のトリガレバー(例えば後述のトリガレバー1,1’)と、
前記トリガレバーの前記回動操作と連動して前記内容物に対する弁作用部をそれまでの閉状態から開状態に移行させ、かつ、当該弁作用部から流入する内容物の放出通路を有する筒状の可動通路部材(例えば後述の可動通路部材2)と、を備え、
前記トリガレバーは、
前記可動通路部材の、後述の被押下げ部に対応する範囲に連続形成され、前記回動操作の際、当該被押下げ部に当接して当該可動通路部材を下動させる単一の押下げ部(例えば後述の連動作用部1b)を有し、
前記筒状の可動通路部材は、
その長手方向と交差して、かつ、その上側と交差方向側とのそれぞれに突出する態様で連続形成された単一の被押下げ部(例えば後述の円柱状部2c)を有する、
態様の内容物放出機構を用いる。
(2)上記(1)において、
前記可動通路部材の縦方向周面部分(例えば後述の縦筒状部2dの外周面)に取り付けられて前記トリガレバーの前記回動操作を阻止するためのストッパー(例えば後述の衝撃吸収ストッパー6,6’,7〜12,13,14)を備え、
前記ストッパーが、
縦方向に撓む形状の衝撃吸収作用部を有する、
態様の内容物放出機構を用いる。
(3)上記(2)において、
前記衝撃吸収作用部が、
前記可動通路部材の縦方向周面部分に取外し自在な態様で取り付けられるストッパー本体部(例えば後述の単一本体部6b,7b,9b,10b,11b,12b,13b,14b,上側本体部8b,下側本体部8c)からなり、
前記カバー体が、
前記ストッパー本体部の下端部分と当接する第1の被当接部(例えば後述の小径筒状部5b)を有し、
前記トリガレバーおよび前記可動通路部材の少なくとも一つは、
前記ストッパー本体部の上端部分と当接する第2の被当接部(例えば後述の湾曲平坦面部分1j,直線平坦面部分1k,段部2e)を有する、
態様の内容物放出機構を用いる。
(4)上記(3)において、
前記ストッパー本体部が、
前記可動通路部材の縦方向周面部分に取り付けられた状態での、横方向の断面形状がC字状となる部分を含む、
態様の内容物放出機構を用いる。
(5)上記(4)において、
前記可動通路部材が、
前記第2の被当接部を、前記ストッパー本体部の前記横方向のC字状断面形状に対応したC字状部分を含む段部(例えば後述の段部2e)の形で有する、
態様の内容物放出機構を用いる。
(6)内容物放出機構の、外部空間域への内容物放出通路を有して内容物放出用の操作部材(例えば後述のトリガレバー1,押圧操作ボタン21)と連動する可動通路部材の縦方向周面部分(例えば後述の縦筒状部2dの外周面)またはそれを囲むカバー体部分(例えば後述のカバー体23)からなる、縦方向部分に取り付けられることにより、当該操作部材の内容物放出位置への移動を阻止する内容物放出機構用ストッパーにおいて、
前記縦方向部分に取り付けられるストッパー本体部(例えば後述の単一本体部6b,7b,9b,10b,11b,12b,13b,14b,上側本体部8b,下側本体部8c)が縦方向に撓む形状からなり、衝撃吸収部材として作用する、
態様の内容物放出機構用ストッパーを用いる。
(7)上記(6)において、
前記ストッパー本体部が、
前記可動通路部材の縦方向周面部分に取外し自在な態様で取り付けられ、
かつ、当該縦方向周面部分に取り付けられた状態での横方向の断面形状がC字状となる部分を含む、
態様の内容物放出機構用ストッパーを用いる。
【0017】
本発明は、以上の構成からなる内容物放出機構および内容物放出機構用ストッパーならびに当該内容物放出機構などを備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品を対象としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、このようにトリガレバーと可動通路部材との連動作用部分の接触面積を大きくしているので、トリガレバーに加わる操作力や衝撃力に対する可動通路部材の負担軽減化を図ることができる。
【0019】
また、
・可動通路部材やそのカバー体部分に対し着脱自在なC形断面形状の誤動作防止用ストッパーを用いて、これと、可動通路部材側の誤動作防止用の当接部との接触面積を回動タイプのストッパーの場合よりも大きくし、
・誤動作防止用ストッパーをその縦方向に撓む衝撃吸収形状のものに設定し、
・この衝撃吸収形状の誤動作防止用ストッパーを用いて、トリガレバー/可動通路部材や、上下動タイプの操作ボタンを受ける、
などしているので、
誤動作防止用ストッパーを取り付けた状態での例えば製品自体(内容物放出機構)の落下や製品上への重量物の積載によって操作部材(トリガレバー,操作ボタン)などが衝撃を受けたときの、この操作部材およびこれにより駆動される可動通路部材(ステム)や誤動作防止用ストッパー,カバー体などの上記破損(割れ,つぶれ,せん断,外れや潜りこみなど)をより確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】トリガレバー操作式の内容物放出機構(その1)にC形断面形状のストッパーを取り付けた状態の誤動作防止モード(操作不能モード)を示す説明図である。
【図2】図1のストッパーを可動通路部材の縦筒状部から取り外した上でトリガレバーを回動操作した状態の作動モードを示す説明図である。
【図3】図1,図2のトリガレバーおよびこれと連動する可動通路部材の斜視状態を示す説明図であり、(a)はトリガレバーを示し、(b)は可動通路部材を示している。
【図4】図3のトリガレバーとは可動通路部材との当接範囲が異なるタイプのトリガレバーの斜視状態を示す説明図であり、(a)はトリガレバーを示し、(b)は可動通路部材を示している。
【図5】図1,図2の内容物放出機構にて使用されるC形断面形状の7種類の衝撃吸収シングルストッパー(可動通路部材対応のシングルストッパー)を示す説明図である。
【図6】C形断面形状でトリガレバー対応の衝撃吸収シングルストッパーを示す説明図である。
【図7】図6の衝撃吸収シングルストッパーとこれに対応した形状のトリガレバーとの斜視状態を示す説明図である。
【図8】トリガレバー式の内容物放出機構(その2)に、図6のトリガレバー対応の衝撃吸収シングルストッパーを取り付けた状態の誤動作防止モードを示す説明図であり、(a)は上から見たときの図を示し、(b)は横から見たときの図を示している。
【図9】C形断面形状でトリガレバー・可動通路部材対応の衝撃吸収ダブルストッパーを示している。
【図10】トリガレバー式の内容物放出機構(その2)に、図9のトリガレバー・可動通路部材対応の衝撃吸収ダブルストッパーを取り付けた状態の誤動作防止モードを示す説明図であり、(a)は上から見たときの図を示し、(b)は横から見たときの図を示している。
【図11】押下げ操作ボタン式の内容物放出機構に、操作部対応の衝撃吸収シングルストッパーを取り付けた状態の誤動作防止モードを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上述したように、本発明の内容物放出機構および内容物放出機構用ストッパーはポンプ式製品およびエアゾール式製品の双方へ適用されえるものであるが、以下の記載では単なる説明の便宜上、必要に応じてポンプ式製品を前提とする。
【0022】
図1〜図11を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0023】
なお、各図で用いるアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば開口部1a)は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素(例えばトリガレバー1)の一部であることを示している。
【0024】
図1〜図4,図7,図8および図10において、
1は作動モード設定操作用の回動式のトリガレバー,
1aはトリガレバー1の前側面上部分およびこれに続く天面前部分に形成されて、その中に後述のノズル3(可動通路部材2)の先端部分が入り込み、かつ、当該ノズルに対するトリガレバー1の回動操作を可能にするための開口部,
1bはトリガレバー1の天井面部分に形成されて後述の可動通路部材2への連動作用を呈する連動作用部,
1cは連動作用部1bの構成要素として、トリガレバー1の天井面および両側面のそれぞれから連続する態様で形成された一対の対向垂下部,
1d,1d’は連動作用部1bの構成要素として、一対の対向垂下部1cの間にこれらと直交する態様で連続形成された連結垂下部(1d’は図4のみで使用),
1eはトリガレバー1の静止モードや回動操作初期段階で後述の円柱状部2cと当接して、回動操作の際には後述の可動通路部材2を下方向に駆動する、連結垂下部底面とその両側に続く対向垂下部底面からなる小さな前後幅の横方向態様で連続形成された単一底面部分,
1e’はトリガレバー1の静止モードや回動操作全段階で後述の円柱状部2cと当接して、回動操作の際には後述の可動通路部材2を下方向に駆動する、連結垂下部底面とその両側に続く対向垂下部底面からなる大きな前後幅の横方向態様で連続形成された単一底面部分(図4のみで使用),
1fは単一底面部分1eの両端からそれぞれ後方に縦方向態様で連続形成され、当該単一底面部分と同様にトリガレバー1の回動操作時(初期段階を除く)には後述の円柱状部2cと当接して可動通路部材2を下方向に駆動する、対向垂下部1cの各下端側の中間曲面部分,
1gはトリガレバー後側の両側面にそれぞれ形成されて後述の軸部分6bとの係合作用を呈する一対の孔部(=トリガレバーの回動中心),
2はトリガレバー1の回動操作に応じて下方向に駆動されるL字筒状の可動通路部材,
2aは可動通路部材の内側に形成された内容物通路,
2bは当該内容物通路の下流側を構成する横筒状部,
2cは当該横筒状部と直交する方向にその上面から上方に突出する態様で連続形成され、トリガレバー1の回動操作にともないその小さな前後幅の単一底面部分1eおよび中間曲面部分1fと順次当接し、またはその大きな前後幅の単一底面部分1e’と当接して、下方向への駆動力を受ける円柱状部,
2dは内容物通路2aの上流側を構成する縦筒状部,
2eは当該縦筒状部の上側部分に形成されて後述の衝撃吸収ストッパー6の上端部の当接相手となる環状段部,
3は可動通路部材2の先端側に嵌合状態で取り付けられたノズル,
3aは内容物流出用の孔部,
4は液状内容物を収容した容器本体,
5は内容物が貯留され、また弁機構が設けられた周知のハウジング(図示省略)と一体化して容器本体4に着脱自在な形で取り付けられる筒状のカバー体,
5aは容器本体4の開口部に螺合しているネジキャップ作用部,
5bはネジキャップ作用部5aの上方に連続して形成され、後述の衝撃吸収ストッパー6の下端部分の受け部として作用する小径筒状部,
5cはネジキャップ作用部5aから上斜め方向に延びるアーム状部,
5dはトリガレバー1の孔部1gと係合し、当該トリガレバーの回動中心軸として作用する一対の軸部分,
をそれぞれ示している。
【0025】
図1,図2および図5において、
6は縦方向に撓む形状からなり、トリガレバー1が回動操作されていない静止モードにおいて、小径筒状部5bの上端面部分と縦筒状部2dの環状段部2eとの間の縦筒状部外周面に、着脱自在な形で取り付けられるC形横断面(本体部)の衝撃吸収ストッパー,
6aは縦筒状部2dへの着脱操作用のつまみ部,
6bはつまみ部6aに連結されて縦筒状部2dへの取付け対象となる単一本体部,
6cは単一本体部6bの内周面の上下にそれぞれ形成されて衝撃吸収作用を呈する周方向溝状部分,
7〜12はそれぞれ縦方向に撓む形状からなり、衝撃吸収ストッパー6と同様に、トリガレバー1が回動操作されていない静止モードにおいて、小径筒状部5bの上端面部分と縦筒状部2dの環状段部2eとの間の縦筒状部外周面部分に、着脱自在な形で取り付けられる各種C形横断面(本体部)の衝撃吸収ストッパー,
7a〜12aは縦筒状部2dへの着脱操作用のつまみ部,
7bはつまみ部7aに連結されて縦筒状部2dへの取付け対象となる単一本体部,
7cは単一本体部7bの縦方向貫通切欠部の反対側(つまみ部7aと対向する側)の上端部分および下端部分にそれぞれ形成された縦方向の上下端側切欠部,
7dは上下端側切欠部7cから縦方向貫通切欠部までの内周面の上下にそれぞれ形成された周方向溝状部分,
8bは縦筒状部2dへの取付け対象となる横C形状の上側本体部,
8cは縦筒状部2dへの取付け対象となる横C形状の下側本体部,
8dはつまみ部8aと上側本体部8bとの間に形成された斜め上方向連結部,
8eはつまみ部8aと下側本体部8cとの間に形成された斜め下方向連結部,
9bはつまみ部9aに連結されて縦筒状部2dへの取付け対象となる蛇腹形状の単一本体部,
10bはつまみ部10aに連結されて縦筒状部2dへの取付け対象となる単一本体部,
10cはこの単一本体部10bの上下域それぞれに個々に形成された周方向孔部,
11bは縦筒状部2dへの取付け対象となる単一本体部,
11cはこの単一本体部11bの一部であって上下に並ぶ四個の横C形状部分,
11dはこれら横C形状部分の上下に対向する端同士をいわば互い違いに順次接続した形の三個の縦連結部分,
11eは上から2番目の横C形状部分11cとつまみ部11aとの間に形成された上側連結部,
11fは上から3番目の横C形状部分11cとつまみ部11aとの間に形成された下側連結部,
12bはつまみ部12aに連結されて縦筒状部2dへの取付け対象となる単一本体部,
12cはこの単一本体部12bの周面部分に対向する態様で形成された円状孔部,
をそれぞれ示している。
【0026】
図1〜図5の内容物放出機構の特徴は、
(21)トリガレバー1と可動通路部材2との連動作用部分として、トリガレバー側の単一底面部分1e,1e’およびこれが当接する可動通路部材側の円柱状部2cを用い、少なくともトリガレバー1が回動していない静止モード,誤動作防止モードでは当該円柱状部の外周面横方向(軸方向)の全幅にわたって当該単一底面部分が当接する、
(22)可動通路部材2の環状段部2gとカバー体5の小径筒状部5bとの間の縦筒状部2dに、C形横断面形状の本体からなる誤動作防止用のストッパー6〜12が着脱自在な形で取り付けられる、
(23)誤動作防止用のストッパー6〜12が、それぞれ縦方向に撓む形状からなる衝撃吸収ストッパーとなっている、
ことなどである。
【0027】
すなわち、図1〜図5の内容物放出機構は、
(31)トリガレバー1および可動通路部材2の連動作用部分において大きな接触面積を確保し、
(32)トリガレバー1,可動通路部材2と誤動作防止用のストッパー6〜12との接触面積を、縦筒状部2dに組み込まれて回動するタイプの筒状ストッパーを用いる場合よりも大きくし、
(33)誤動作防止用のストッパー6〜12がそれぞれ衝撃吸収機能を有する、
ものである。
【0028】
ここで、図1の衝撃吸収ストッパー6を可動通路部材2の縦筒状部2dに取付けた誤動作防止モードにおいては、利用者がトリガレバー1を回動操作することができない。
【0029】
これは単一底面部分1e,1e’および円柱状部2cの当接作用を介してトリガレバー1と連動すべき可動通路部材2の環状段部2eが、衝撃吸収ストッパー6にいわば係止されているからである。
【0030】
衝撃吸収ストッパー6は、環状段部2eと小径筒状部5bとの間の可動通路部材外周面に取り付けられて、可動通路部材2の下動、すなわちトリガレバー1の回動操作を阻止している。
【0031】
すなわち、この衝撃吸収ストッパー6を可動通路部材外周面に取り付けた誤動作防止モードでは、単一本体部6bの上端面であるC字状平坦面部分が可動通路部材2の環状段部2eと略当接・対向し、かつ、下端面であるC字状平坦面部分がカバー体5の小径筒状部5bの上端面部分に略当接・対向している。そのため、可動通路部材2は下動できず、トリガレバー1の回動が阻止される。
【0032】
なお、この誤動作防止モードにおける衝撃吸収ストッパー6と環状段部2eおよび小径筒状部5bとの当接・対向状態は、他の衝撃吸収ストッパー7〜12においても十分に担保される。
【0033】
図2の作動モードは、図1の衝撃吸収ストッパー6を可動通路部材2の縦筒状部2dから取り外した状態である。
【0034】
このときトリガレバー1の回動操作が可能である。トリガレバー1の回動操作にともなって可動通路部材2が下動し、任意の出力側弁作用部(図示省略)がそれまでの閉状態から開状態へと作動して、容器本体側の内容物が可動通路部材2およびノズル3を経て孔部3aから外部空間域に放出されることは勿論である。
【0035】
衝撃吸収ストッパー6〜12が縦方向に撓むのは、概略、それぞれいくらかの弾性を呈する性状のもので、
・衝撃吸収ストッパー6は、その単一本体部6bに上下それぞれの周方向溝状部分6cを有し、
・衝撃吸収ストッパー7は、その単一本体部7bに上下端側切欠部7cおよび上下それぞれの周方向溝状部分7dを有し、
・衝撃吸収ストッパー8は、「上側本体部8b+斜め上方向連結部8d」と「下側本体部8c+斜め下方向連結部8e」とを有し、
・衝撃吸収ストッパー9は、蛇腹形状の単一本体部9bを有し、
・衝撃吸収ストッパー10は、その単一本体部10bに上下それぞれの周方向孔部10cを有し、
・衝撃吸収ストッパー11は、その単一本体部10bが、複数の横C形状部分11cとこれらの上下の対向端部分を互い違いに接続する複数の縦連結部分11dとで形成され、
・衝撃吸収ストッパー12は、その単一本体部12bに対向する一対の円状孔部12cを有している、
からである。
【0036】
なお、図1〜図5で使用する衝撃吸収ストッパー6〜12はいずれも、トリガレバー1および可動通路部材2に対して当該可動通路部材の段部2eのみを受けるものである。
【0037】
図6〜図10において、
1’は後述の衝撃吸収ストッパー13,14と当接する関連部分を積極的に形成し、その他の部分は図1〜図3のトリガレバーと同一形状からなるトリガレバー(その2),
1hは一対の対向垂下部1cの間に連続形成された誤動作防止用のリブ状部,
1jはリブ状部1hの下端面であって、衝撃吸収ストッパー13,14の上端のC字状平坦面部分13e,14e(の一部)と当接する誤動作防止用の湾曲平坦面部分,
1kは湾曲平坦面部分1jと連続する態様でトリガレバー1’の両サイド部の下端面であって、衝撃吸収ストッパー13,14の上端のC字状平坦面部分(の一部)と当接する誤動作防止用の一対の直線状平坦面部分,
13はトリガレバー1が回動操作されていない静止モードにおいて、可動通路部材2の縦筒状部2d外周面部分に着脱自在な形で取り付けられることにより、トリガレバー1’のみを受ける衝撃吸収ストッパー,
13aは縦筒状部2dへの着脱操作用のつまみ部,
13bはつまみ部13aに連結されて縦筒状部2dへの取付け対象となるC形横断面の単一本体部,
13cは単一本体部13bの上側大径部分,
13dは単一本体部13bの下側小径部分,
13eは上側大径部分13cの上端面であってトリガレバー1’の湾曲平坦面部分1jおよび直線状平坦面部分1kそれぞれの一部と当接するC字状平坦面部分,
13fは上側大径部分13cおよび下側小径部分13dの各内周面に形成されて衝撃吸収作用を呈する周方向溝状部分,
14はトリガレバー1が回動操作されていない静止モードにおいて、可動通路部材2の縦筒状部2d外周面部分に着脱自在な形で取り付けられることにより、トリガレバー1’および可動通路部材2を受けるいわばダブルタイプの衝撃吸収ストッパー,
14aは縦筒状部2dへの着脱操作用のつまみ部,
14bはつまみ部14aに連結されて縦筒状部2dへの取付け対象となる単一本体部,
14cは単一本体部14bの構成要素であってC形横断面からなる外側部分(=上側大径部分13c),
14dは外側部分14cの下端部分と連結されてC形横断面からなる内側部分,
14eは外側部分14cの上端面部分であって、衝撃吸収ストッパー13のC字状平坦面部分13eと同様の当接作用を呈するC字状の外側平坦面部分,
14fは内側小径部分14dの上端面部分であって、衝撃吸収ストッパー6〜12と同様に縦筒状部2dの環状段部2eとの当接作用を呈するC字状の内側平坦面部分,
14gは外側部分14cの内周面の上側部分に形成されて衝撃吸収作用を呈する周方向溝状部分,
14hは外側部分14cの内周面の各上下部分に形成されて衝撃吸収作用を呈する周方向溝状部分,
をそれぞれ示している。
【0038】
図6〜図8の衝撃吸収ストッパー13は、トリガレバー1’および可動通路部材2に対して当該トリガレバーのみを受けるものである。
【0039】
すなわち、衝撃吸収ストッパー13を可動通路部材2の縦筒状部2dに取付けた誤動作防止モードでは、当該ストッパー(単一本体部13b)の上側大径部分13cの上端面であるC字状平坦面部分13eがトリガレバー1’の湾曲平坦面部分1jおよび直線状平坦面部分1kと略当接し、対向する。
【0040】
そして、このトリガレバー1’と、下端面部分がカバー体5の小径筒状部5bに保持される衝撃吸収ストッパー13との当接・対向状態の設定により、トリガレバー1’の回動操作は確実に阻止される。
【0041】
図8の誤動作防止モードでトリガレバー1’などに略下方向への衝撃力が加わったとしても、当該衝撃力は衝撃吸収ストッパー13の縦方向への撓みによって吸収される。そのため、トリガレバー1’への衝撃に対する内容物放出機構の各構成要素の破損の程度を確実に抑えることができる。
【0042】
この縦方向への撓みが生じえるのは、衝撃吸収ストッパー13が衝撃吸収ストッパー6などと同様に弾性を呈する性状のもので、その単一本体部13bの内周面に上下それぞれの周方向溝状部分13fが形成されているからである。
【0043】
図9および図10の衝撃吸収ストッパー14は、トリガレバー1’および可動通路部材2の双方を受けるものである。
【0044】
すなわち、衝撃吸収ストッパー14を可動通路部材2の縦筒状部2dに取付けた誤動作防止モードでは、
(41)当該ストッパー(単一本体部14b)の外側部分14cの上端面であるC字状の外側平坦面部分14eが、トリガレバー1’の湾曲平坦面部分1jおよび直線状平坦面部分1kと略当接して対向し、かつ、
(42)当該ストッパー(単一本体部14b)の内側部分14dの上端面であるC字状の内側平坦面部分14fが、可動通路部材2の環状段部2eと略当接して対向する。
【0045】
そして、このトリガレバー1’および可動通路部材2のそれぞれと、下端面部分がカバー体5の小径筒状部5bに保持される衝撃吸収ストッパー14との当接・対向状態の設定により、トリガレバー1’の回動操作は確実に阻止される。
【0046】
図10の誤動作防止モードでトリガレバー1’などに略下方向への衝撃力が加わったとしても、当該衝撃力は衝撃吸収ストッパー14の縦方向への撓みによって吸収される。そのため、トリガレバー1’への衝撃に対する内容物放出機構の各構成要素の破損の程度を確実に抑えることができる。
【0047】
この縦方向への撓みが生じえるのは、衝撃吸収ストッパー14が衝撃吸収ストッパー6などと同様に弾性を呈し、その単一本体部14bの外側部分14cおよび内側部分14dの各内周面に周方向溝状部分14g,14hが形成されているからである。
【0048】
なお、図6〜図10のトリガレバー1’を用いる場合にも上記(21)〜(23),(31)〜(33)と同様のことがそのままあてはまる。
【0049】
図1〜図10における可動通路部材2の縦筒状部2bに衝撃吸収ストッパー6,6’〜14を取り付けるには、例えば図8(a),図10(a)に示すように、それぞれのつまみ部6a〜14aを持って先ずトリガレバー1,1’の側面の方からいわば差し込む。そして差込み後のつまみ部を図示左側の前方へと回す。
【0050】
図11において、
6’は衝撃吸収ストッパー6と同様の形状からなり、後述の押圧操作ボタン21が押下げ操作されていない静止モードにおいて、後述の小径筒状部23bに着脱自在な形で取り付けられるC形横断面(本体部)の衝撃吸収ストッパー,
21は内容物通路部を備えた上下動タイプの押圧操作ボタン,
21aは内容物放出用のノズル部分,
21bは後述の小径筒状部23bを取り囲む形の上下方向の外側筒状部,
22は押圧操作ボタン21の内容物通路部と結合して下側部分が弁作用部などを構成する周知のステム(可動通路部材),
23はハウジング(図示省略)と一体化して容器本体4に着脱自在な形で取り付けられ、ステム22などを保護する筒状のカバー体,
23aは容器本体4の開口部に螺合しているネジキャップ作用部,
23bはネジキャップ作用部23aから上方に連続形成されて、押圧操作ボタン21の押下げ操作時には外側筒状部21bの内側に入り込む形の小径筒状部,
23cはネジキャップ作用部23aの環状天面(=小径筒状部23bの外側環状部分),
をそれぞれ示している。
【0051】
図11の衝撃吸収ストッパー6’は、上下動タイプの押圧操作ボタン21のみを受けるものである。
【0052】
すなわち、衝撃吸収ストッパー6’をカバー体23の小径筒状部23bに取付けた誤動作防止モードでは、当該ストッパーの単一本体部6bの上端面であるC字状平坦面部分が押圧操作ボタン21の下端面部分と略当接し、対向する。なお、単一本体部6bの下端面のC字状平坦面部分はカバー体23の環状天面23cに略当接し、対向している。
【0053】
そして、この押圧操作ボタン21と衝撃吸収ストッパー6’との当接・対向状態の設定により、当該操作ボタンの押下げ操作は確実に阻止される。
【0054】
図11の誤動作防止モードで押圧操作ボタン21などに略下方向への衝撃力が加わったとしても、当該衝撃力は衝撃吸収ストッパー6’の縦方向への撓みによって吸収される。そのため、押圧操作ボタン21への衝撃に対する内容物放出機構の各構成要素の破損の程度を確実に抑えることができる。
【0055】
この縦方向への撓みが生じえるのは、衝撃吸収ストッパー6’が弾性を呈する性状のもので、その単一本体部6bの内周面に上下それぞれの周方向溝状部分6cが形成されているからである。
【0056】
図11の小径筒状部23bを除いた形のカバー体に対しても衝撃吸収ストッパーを使用できる。このときの衝撃吸収ストッパーは、ステム22に取り付けられて、押圧操作ボタン21のステム嵌合対象の内側筒状部の下端面部分、およびカバー体の環状天面23cのそれぞれと略当接し、対向する。
【0057】
なお、図6〜図11の図衝撃吸収ストッパー13,14,6’を可動通路部材2の縦筒状部2dやカバー体23の小径筒状部23bから取り外した状態で、トリガレバー1’を回動操作したとき、また押圧操作ボタン21を押下げ操作したときに、任意の出力側弁作用部(図示省略)がそれまでの閉状態から開状態へと動作して内容物が可動通路部材2,ステム22,ノズル3を経て孔部3aから外部空間域に放出されることは勿論である。
【0058】
また、図11の押圧操作ボタン21を用いる場合にも上記(22),(23),(32),(33)と同様のことがあてはまる。
【0059】
以上の説明で用いた各構成要素はそれぞれ、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。
【0060】
なお、本発明の特徴を、
(51)トリガレバー1の連動作用部1bと可動通路部材2の円柱状部2cとが当接していること、
(52)衝撃吸収ストッパー6,6’〜14が縦方向に撓む形状からなること、
(53)当該衝撃吸収ストッパーでトリガレバー1,1’,可動通路部材2や押圧操作ボタン21を受けること、
として把握する限りにおいては、当該衝撃吸収ストッパーを非着脱式で回動タイプのものにしてもよい。
【0061】
本発明は、エアゾール式製品にも適用することができる。その場合、カバー体を周知のエアゾール容器本体に嵌合する態様にして、可動通路部材でエアゾール容器本体の放出弁作用部材(ステム)を押し下げるようにすればよい。
【0062】
本発明が適用されるポンプ式製品やエアゾール式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,栄養補助食品(ビタミンなど)医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
【0063】
容器本体に収納する内容物は、液状,クリーム状,ゲル状など種々の形態のものを用いることができ、内容物に配合される成分としては例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分,水などが挙げられる。
【0064】
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
【0065】
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
【0066】
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコール,グリセリン,1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【0067】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【0068】
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼイン,ヒドロキシエチルセルロース,キサンタンガム,カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
【0069】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
【0070】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【0071】
エアゾール式製品における内容物放出用ガスとしては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。
【符号の説明】
【0072】
1,1’:回動式のトリガレバー
(1は図1〜図4のみで使用,1’は図7,図8,図10のみで使用)
1a:開口部
1b:連動作用部
1c:一対の対向垂下部
1d,1d’:連結垂下部(1d’は図4のみで使用)
1e,1e’:単一底面部分(1e’は図4のみで使用)
1f:中間曲面部分
1g:一対の孔部(=トリガレバーの回動中心)
1h:リブ状部
1j:湾曲平坦面部分
1k:一対の直線状平坦面部分
(1h〜1kは図7,図8,図10のみで使用)
2:可動通路部材
2a:内容物通路
2b:横筒状部
2c:円柱状部
2d:縦筒状部
2e:環状段部
3:ノズル
3a:孔部
4:容器本体
5:カバー体
5a:ネジキャップ作用部
5b:小径筒状部
5c:アーム状部
5d:一対の軸部分
6:シングルタイプ(可動通路部材対応)の衝撃吸収ストッパー
(6は図1,図5のみで使用)
6’:シングルタイプ(押圧操作ボタン対応)の衝撃吸収ストッパー
(6’は図11のみで使用)
6a:つまみ部
6b:単一本体部
6c:周方向溝状部分
【0073】
7〜12:シングルタイプ(可動通路部材対応)の衝撃吸収ストッパー
7a〜12a:つまみ部
7b:単一本体部
7c:上下端側切欠部
7d:周方向溝状部分
8b:上側本体部
8c:下側本体部
8d:斜め上方向連結部
8e:斜め下方向連結部
9b:蛇腹形状の単一本体部
10b:単一本体部
10c:周方向孔部
11b:単一本体部
11c:四個の横C形状部分
11d:三個の縦連結部分
11e:上側連結部
11f:下側連結部
12b:単一本体部
12c:円状孔部
(7〜12cは図5のみで使用)
【0074】
13:シングルタイプ(トリガレバー対応)の衝撃吸収ストッパー
13a:つまみ部
13b:単一本体部
13c:上側大径部分
13d:下側小径部分
13e:C字状平坦面部分
13f:周方向溝状部分
(13〜13fは図6,図7,図8のみで使用)
【0075】
14:ダブルタイプ(可動通路部材・トリガレバー対応)の衝撃吸収ストッパー
14a:つまみ部
14b:単一本体部
14c:外側部分(=上側大径部分13c)
14d:内側部分
14e:外側平坦面部分
14f:内側平坦面部分
14g,14h:周方向溝状部分
(14〜14hは図9,図10のみで使用)
【0076】
21:押圧操作ボタン
21a:ノズル部分
21b:外側筒状部
22:ステム(可動通路部材)
23:カバー体
23a:ネジキャップ作用部
23b:小径筒状部
23c:環状天面(=小径筒状部23bの外側環状部分)
(21〜23cは図11のみで使用)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の回動操作に基づいて容器本体側の内容物が外部空間域に放出される内容物放出機構において、
前記容器本体に一体化されたカバー体と、
前記カバー体に取り付けられた回動操作用のトリガレバーと、
前記トリガレバーの前記回動操作と連動して前記内容物に対する弁作用部をそれまでの閉状態から開状態に移行させ、かつ、当該弁作用部から流入する内容物の放出通路を有する筒状の可動通路部材と、を備え、
前記トリガレバーは、
前記可動通路部材の後述の被押下げ部に対応する範囲に連続形成され、前記回動操作の際、当該被押下げ部に当接して当該可動通路部材を下動させる単一の押下げ部を有し、
前記筒状の可動通路部材は、
その長手方向と交差して、かつ、その上側と交差方向側とのそれぞれに突出する態様で連続形成された単一の被押下げ部を有している、
ことを特徴とする内容物放出機構。
【請求項2】
前記可動通路部材の縦方向周面部分に取り付けられて前記トリガレバーの前記回動操作を阻止するためのストッパーを備え、
前記ストッパーは、
縦方向に撓む形状の衝撃吸収作用部を有している、
ことを特徴とする請求項1記載の内容物放出機構。
【請求項3】
前記衝撃吸収作用部は、
前記可動通路部材の縦方向周面部分に取外し自在な態様で取り付けられるストッパー本体部からなり、
前記カバー体は、
前記ストッパー本体部の下端部分と当接する第1の被当接部を有し、
前記トリガレバーおよび前記可動通路部材の少なくとも一つは、
前記ストッパー本体部の上端部分と当接する第2の被当接部を有している、
ことを特徴とする請求項2記載の内容物放出機構。
【請求項4】
前記ストッパー本体部は、
前記可動通路部材の縦方向周面部分に取り付けられた状態での、横方向の断面形状がC字状となる部分を含むものである、
ことを特徴とする請求項3記載の内容物放出機構。
【請求項5】
前記可動通路部材は、
前記第2の被当接部を、前記ストッパー本体部の前記横方向のC字状断面形状に対応したC字状部分を含む段部の形で有している、
ことを特徴とする請求項4記載の内容物放出機構。
【請求項6】
内容物放出機構の、外部空間域への内容物放出通路を有して内容物放出用の操作部材と連動する可動通路部材の縦方向周面部分またはそれを囲むカバー体部分からなる、縦方向外部分に取り付けられることにより、当該操作部材の内容物放出位置への移動を阻止する内容物放出機構用ストッパーにおいて、
前記縦方向部分に取り付けられるストッパー本体部が縦方向に撓む形状からなり、衝撃吸収部材として作用する、
ことを特徴とする内容物放出機構用ストッパー。
【請求項7】
前記ストッパー本体部は、
前記可動通路部材の縦方向周面部分に取外し自在な態様で取り付けられ、
かつ、当該縦方向周面部分に取り付けられた状態での横方向の断面形状がC字状となる部分を含むものである、
ことを特徴とする請求項6記載の内容物放出機構用ストッパー。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の内容物放出機構または請求項6もしくは請求項7に記載の内容物放出機構用ストッパーを備え、かつ、内容物を収容した、
ことを特徴とするポンプ式製品。
【請求項9】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の内容物放出機構または請求項6もしくは請求項7に記載の内容物放出機構用ストッパーを備え、かつ、噴射用ガスおよび内容物を収容した、
ことを特徴とするエアゾール式製品。
【請求項1】
利用者の回動操作に基づいて容器本体側の内容物が外部空間域に放出される内容物放出機構において、
前記容器本体に一体化されたカバー体と、
前記カバー体に取り付けられた回動操作用のトリガレバーと、
前記トリガレバーの前記回動操作と連動して前記内容物に対する弁作用部をそれまでの閉状態から開状態に移行させ、かつ、当該弁作用部から流入する内容物の放出通路を有する筒状の可動通路部材と、を備え、
前記トリガレバーは、
前記可動通路部材の後述の被押下げ部に対応する範囲に連続形成され、前記回動操作の際、当該被押下げ部に当接して当該可動通路部材を下動させる単一の押下げ部を有し、
前記筒状の可動通路部材は、
その長手方向と交差して、かつ、その上側と交差方向側とのそれぞれに突出する態様で連続形成された単一の被押下げ部を有している、
ことを特徴とする内容物放出機構。
【請求項2】
前記可動通路部材の縦方向周面部分に取り付けられて前記トリガレバーの前記回動操作を阻止するためのストッパーを備え、
前記ストッパーは、
縦方向に撓む形状の衝撃吸収作用部を有している、
ことを特徴とする請求項1記載の内容物放出機構。
【請求項3】
前記衝撃吸収作用部は、
前記可動通路部材の縦方向周面部分に取外し自在な態様で取り付けられるストッパー本体部からなり、
前記カバー体は、
前記ストッパー本体部の下端部分と当接する第1の被当接部を有し、
前記トリガレバーおよび前記可動通路部材の少なくとも一つは、
前記ストッパー本体部の上端部分と当接する第2の被当接部を有している、
ことを特徴とする請求項2記載の内容物放出機構。
【請求項4】
前記ストッパー本体部は、
前記可動通路部材の縦方向周面部分に取り付けられた状態での、横方向の断面形状がC字状となる部分を含むものである、
ことを特徴とする請求項3記載の内容物放出機構。
【請求項5】
前記可動通路部材は、
前記第2の被当接部を、前記ストッパー本体部の前記横方向のC字状断面形状に対応したC字状部分を含む段部の形で有している、
ことを特徴とする請求項4記載の内容物放出機構。
【請求項6】
内容物放出機構の、外部空間域への内容物放出通路を有して内容物放出用の操作部材と連動する可動通路部材の縦方向周面部分またはそれを囲むカバー体部分からなる、縦方向外部分に取り付けられることにより、当該操作部材の内容物放出位置への移動を阻止する内容物放出機構用ストッパーにおいて、
前記縦方向部分に取り付けられるストッパー本体部が縦方向に撓む形状からなり、衝撃吸収部材として作用する、
ことを特徴とする内容物放出機構用ストッパー。
【請求項7】
前記ストッパー本体部は、
前記可動通路部材の縦方向周面部分に取外し自在な態様で取り付けられ、
かつ、当該縦方向周面部分に取り付けられた状態での横方向の断面形状がC字状となる部分を含むものである、
ことを特徴とする請求項6記載の内容物放出機構用ストッパー。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の内容物放出機構または請求項6もしくは請求項7に記載の内容物放出機構用ストッパーを備え、かつ、内容物を収容した、
ことを特徴とするポンプ式製品。
【請求項9】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の内容物放出機構または請求項6もしくは請求項7に記載の内容物放出機構用ストッパーを備え、かつ、噴射用ガスおよび内容物を収容した、
ことを特徴とするエアゾール式製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−25139(P2011−25139A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172303(P2009−172303)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000144463)株式会社三谷バルブ (142)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000144463)株式会社三谷バルブ (142)
【Fターム(参考)】
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