説明

内容物放出装置用ストッパー

【課題】 内容物放出装置の製造コストを従来より低減することができる内容物放出装置用ストッパーを提供する。
【解決手段】 容器に取り付けられて容器の内容物を放出する内容物放出装置の移動部材の移動を妨げることによって内容物放出装置による内容物の放出を妨げる内容物放出装置用ストッパー40は、内容物放出装置のうち内容物放出装置用ストッパー40が取り付けられる軸部材が挿入される入口である第1の挿入口41aが形成されていて軸部材を挟み込む第1の挟込部41と、軸部材が挿入される入口であって第1の挿入口41aとは反対方向に開口している第2の挿入口42aが形成されていて軸部材を挟み込む第2の挟込部42とを備えており、第2の挟込部42は、第1の挿入口41aが開口している方向とは反対方向に第1の挟込部41に対して配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に取り付けられて容器の内容物を放出する内容物放出装置の移動部材の移動を妨げることによって内容物放出装置による内容物の放出を妨げる内容物放出装置用ストッパーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器に取り付けられて容器の内容物を放出する内容物放出装置の移動部材の移動を妨げることによって内容物放出装置による内容物の放出を妨げる内容物放出装置用ストッパーとして、内容物放出装置のうち内容物放出装置用ストッパーが取り付けられるストッパー取付部を挟み込む挟込部と、取手部とを備えている内容物放出装置用ストッパーが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。従来の内容物放出装置用ストッパーは、ストッパー取付部が挿入される入口である挿入口が挟込部に形成されており、この挿入口が開口している方向とは反対方向に取手部が挟込部に対して配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭59―15467号公報
【特許文献2】特開2006−240638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の発明者は、内容物放出装置の製造コストを低減することを目指して内容物放出装置用ストッパーの研究を行った。
【0005】
本発明は、内容物放出装置の製造コストを従来より低減することができる内容物放出装置用ストッパーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の内容物放出装置用ストッパーは、容器に取り付けられて容器の内容物を放出する内容物放出装置の移動部材の移動を妨げることによって前記内容物放出装置による前記内容物の放出を妨げる内容物放出装置用ストッパーであって、前記内容物放出装置のうち前記内容物放出装置用ストッパーが取り付けられるストッパー取付部が挿入される入口である第1の挿入口が形成されていて前記ストッパー取付部を挟み込む第1の挟込部と、前記ストッパー取付部が挿入される入口であって前記第1の挿入口とは反対方向に開口している第2の挿入口が形成されていて前記ストッパー取付部を挟み込む第2の挟込部とを備えており、前記第2の挟込部は、前記第1の挿入口が開口している方向とは反対方向に前記第1の挟込部に対して配置されていることを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の内容物放出装置用ストッパーは、従来の取手部に相当する部分が取っ手としての役割以外に内容物放出装置のストッパー取付部を挟み込む役割も備えている。ここで、本発明の内容物放出装置用ストッパーは、第1の挟込部および第2の挟込部が同一の大きさのストッパー取付部を挟み込む形状である場合には、内容物放出装置用ストッパーを内容物放出装置のストッパー取付部に取り付ける作業者に第1の挟込部および第2の挟込部のうち何れか一方が掴まれたとしても、第1の挟込部および第2の挟込部のうち他方でストッパー取付部を挟み込むことができるので、従来の取手部に相当する部分が取っ手としての役割のみを備えている構成と比較して、作業者によるストッパー取付部への取り付け作業の効率を向上することができる。また、本発明の内容物放出装置用ストッパーは、第1の挟込部および第2の挟込部が互いに異なる大きさのストッパー取付部を挟み込む形状である場合には、異なる種類の内容物放出装置に兼用されることができるので、異なる種類の内容物放出装置の内容物放出装置用ストッパーが別々に製造される場合と異なり、内容物放出装置用ストッパーの金型が1種類で済む。したがって、本発明の内容物放出装置用ストッパーは、第1の挟込部および第2の挟込部が同一の大きさのストッパー取付部を挟み込む形状である場合にも、第1の挟込部および第2の挟込部が互いに異なる大きさのストッパー取付部を挟み込む形状である場合にも、内容物放出装置の製造コストを従来より低減することができる。
【0008】
また、本発明の内容物放出装置用ストッパーの前記第1の挟込部および前記第2の挟込部は、同一の大きさの前記ストッパー取付部を挟み込む形状であっても良い。
【0009】
この構成により、本発明の内容物放出装置用ストッパーは、内容物放出装置用ストッパーを内容物放出装置のストッパー取付部に取り付ける作業者に第1の挟込部および第2の挟込部のうち何れか一方が掴まれたとしても、第1の挟込部および第2の挟込部のうち他方でストッパー取付部を挟み込むことができるので、従来の取手部に相当する部分が取っ手としての役割のみを備えている構成と比較して、作業者によるストッパー取付部への取り付け作業の効率を向上することができる。したがって、本発明の内容物放出装置用ストッパーは、内容物放出装置の製造コストを従来より低減することができる。
【0010】
また、本発明の内容物放出装置用ストッパーの前記第1の挟込部および前記第2の挟込部は、互いに異なる大きさの前記ストッパー取付部を挟み込む形状であっても良い。
【0011】
この構成により、本発明の内容物放出装置用ストッパーは、異なる種類の内容物放出装置に兼用されることができるので、異なる種類の内容物放出装置の内容物放出装置用ストッパーが別々に製造される場合と異なり、内容物放出装置用ストッパーの金型が1種類で済む。したがって、本発明の内容物放出装置用ストッパーは、内容物放出装置の製造コストを従来より低減することができる。
【0012】
また、本発明の内容物放出装置用ストッパーの前記第1の挟込部は、前記第1の挿入口から前記ストッパー取付部が挿入されるときに前記第1の挿入口が広がるように変形する第1の変形部を備えており、前記第2の挟込部は、前記第2の挿入口から前記ストッパー取付部が挿入されるときに前記第2の挿入口が広がるように変形する第2の変形部を備えており、前記第1の変形部および前記第2の変形部は、前記第1の挿入口が狭まるように前記第1の変形部が変形させられる場合に前記第2の挿入口が広がり、前記第2の挿入口が狭まるように前記第2の変形部が変形させられる場合に前記第1の挿入口が広がる状態で、互いに接続されていても良い。
【0013】
この構成により、本発明の内容物放出装置用ストッパーは、内容物放出装置用ストッパーを内容物放出装置のストッパー取付部に取り付ける作業者に第1の挟込部が掴まれて第1の挿入口が狭まるように第1の変形部が変形させられた場合、第2の挟込部の第2の挿入口が広がるので、ストッパー取付部に対する第2の挟込部の着脱を容易化することができる。同様に、本発明の内容物放出装置用ストッパーは、内容物放出装置用ストッパーを内容物放出装置のストッパー取付部に取り付ける作業者に第2の挟込部が掴まれて第2の挿入口が狭まるように第2の変形部が変形させられた場合、第1の挟込部の第1の挿入口が広がるので、ストッパー取付部に対する第1の挟込部の着脱を容易化することができる。
【0014】
本発明の内容物放出装置は、容器に取り付けられて容器の内容物を放出する内容物放出装置であって、内容物放出装置用ストッパーと、前記内容物の放出のために移動する移動部材と、前記内容物放出装置用ストッパーが取り付けられるストッパー取付部とを備えていることを特徴とする。
【0015】
この構成により、本発明の内容物放出装置は、内容物放出装置用ストッパーによって製造コストを従来より低減することができる。
【0016】
本発明のポンプ式製品は、内容物放出装置と、前記内容物を収納し前記内容物放出装置が取り付けられた前記容器とを備えていることを特徴とする。
【0017】
この構成により、本発明のポンプ式製品は、内容物放出装置の製造コストを従来より低減することができるので、製造コストを従来より低減することができる。
【0018】
本発明のエアゾール式製品は、内容物放出装置と、前記内容物および噴射用ガスを収納し前記内容物放出装置が取り付けられた前記容器とを備えていることを特徴とする。
【0019】
この構成により、本発明のエアゾール式製品は、内容物放出装置の製造コストを従来より低減することができるので、製造コストを従来より低減することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の内容物放出装置用ストッパーは、内容物放出装置の製造コストを従来より低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るポンプ式製品の側面図である。
【図2】内容物放出装置用ストッパーが取り外された状態での図1に示すポンプ式製品の側面図である。
【図3】(a)は、図1に示す内容物放出装置用ストッパーの平面図である。(b)は、図3(a)に示す内容物放出装置用ストッパーの側面図である。(c)は、図3(a)に示す内容物放出装置用ストッパーの正面図である。
【図4】(a)は、第1の挿入口が狭まるように変形させられた状態での図3に示す内容物放出装置用ストッパーの平面図である。(b)は、第2の挿入口が狭まるように変形させられた状態での図3に示す内容物放出装置用ストッパーの平面図である。
【図5】(a)は、図3に示す例とは異なる例での図1に示す内容物放出装置用ストッパーの平面図である。(b)は、図3および図5(a)に示す例とは異なる例での図1に示す内容物放出装置用ストッパーの平面図である。
【図6】(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るポンプ式製品の内容物放出装置用ストッパーの平面図である。(b)は、図6(a)に示す内容物放出装置用ストッパーの側面図である。(c)は、図6(a)に示す内容物放出装置用ストッパーの正面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るポンプ式製品の側面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るエアゾール式製品の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0023】
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係るポンプ式製品の構成について説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態に係るポンプ式製品10の側面図である。図2は、内容物放出装置用ストッパー40が取り外された状態でのポンプ式製品10の側面図である。
【0025】
図1および図2に示すように、ポンプ式製品10は、シャンプー、リンス、ハンドソープなどの内容物を収納する容器20と、容器20に取り付けられて容器20の内容物を放出する内容物放出装置30とを備えている。
【0026】
内容物放出装置30は、容器20に取り付けられる容器取付部31と、内容物の放出のために移動する移動部材32と、内容物を放出するためのノズル33と、移動部材32に接続された軸部材34と、移動部材32の移動によって容器20の内容物をノズル33から放出する図示していないポンプ機構と、移動部材32の移動を妨げることによって内容物放出装置30による内容物の放出を妨げる合成樹脂製の内容物放出装置用ストッパー40とを備えている。軸部材34は、内容物放出装置用ストッパー40が取り付けられるようになっており、本発明のストッパー取付部を構成している。
【0027】
図3(a)は、内容物放出装置用ストッパー40の平面図である。図3(b)は、内容物放出装置用ストッパー40の側面図である。図3(c)は、内容物放出装置用ストッパー40の正面図である。
【0028】
図3に示すように、内容物放出装置用ストッパー40は、軸部材34(図2参照。)が挿入される入口である第1の挿入口41aが形成されていて軸部材34を挟み込む第1の挟込部41と、軸部材34が挿入される入口であって第1の挿入口41aとは反対方向に開口している第2の挿入口42aが形成されていて軸部材34を挟み込む第2の挟込部42とを備えている。第2の挟込部42は、第1の挿入口41aが開口している矢印40aで示す方向とは反対方向である矢印40bで示す方向に、第1の挟込部41に対して配置されている。
【0029】
第1の挟込部41は、第1の挿入口41aから軸部材34が挿入されるときに第1の挿入口41aが広がるように変形する第1の変形部41bを備えている。第2の挟込部42は、第2の挿入口42aから軸部材34が挿入されるときに第2の挿入口42aが広がるように変形する第2の変形部42bを備えている。
【0030】
第1の挟込部41および第2の挟込部42は、同一の大きさの軸部材34を挟み込む形状である。
【0031】
ここで、第1の挟込部41は、第2の挟込部42が軸部材34に取り付けられる場合に、従来の取手部に相当する部分となる。同様に、第2の挟込部42は、第1の挟込部41が軸部材34に取り付けられる場合に、従来の取手部に相当する部分となる。
【0032】
図4(a)は、第1の挿入口41aが狭まるように変形させられた状態での内容物放出装置用ストッパー40の平面図である。図4(b)は、第2の挿入口42aが狭まるように変形させられた状態での内容物放出装置用ストッパー40の平面図である。
【0033】
第1の変形部41bおよび第2の変形部42bは、図4(a)に示すように第1の挿入口41aが狭まるように第1の変形部41bが変形させられる場合に第2の挿入口42aが広がり、図4(b)に示すように第2の挿入口42aが狭まるように第2の変形部42bが変形させられる場合に第1の挿入口41aが広がる状態で、互いに接続されている。
【0034】
なお、第1の変形部41bおよび第2の変形部42bは、第1の挟込部41および第2の挟込部42の両方に力が加えられることによって、第1の挿入口41aおよび第2の挿入口42aの両方が広がるように変形させられたり、第1の挿入口41aおよび第2の挿入口42aの両方が狭まるように変形させられたりすることも当然可能である。
【0035】
次に、軸部材34への内容物放出装置用ストッパー40の取り付けについて説明する。
【0036】
ポンプ式製品10または内容物放出装置30の製造者や、ポンプ式製品10の使用者など、内容物放出装置用ストッパー40を内容物放出装置30の軸部材34に取り付ける作業者は、第2の挟込部42を掴み、第1の挟込部41の第1の挿入口41aから第1の挟込部41の内側に軸部材34を挿入して第1の挟込部41に軸部材34を挟み込ませることによって、軸部材34に内容物放出装置用ストッパー40を取り付けることができる。
【0037】
ここで、作業者が第1の挟込部41のうち第1の挿入口41aを形成する部分を軸部材34に矢印40aで示す方向に押し付けると、第1の挟込部41は、軸部材34との接触によって第1の挿入口41aが広がるように変形する。したがって、作業者は、軸部材34に内容物放出装置用ストッパー40を容易に取り付けることができる。
【0038】
また、第2の挿入口42aが狭まるように作業者が第2の挟込部42を強く掴むと、第1の挟込部41の第1の変形部41bは、図4(b)に示すように第1の挿入口41aが広がるように変形する。したがって、作業者は、軸部材34に内容物放出装置用ストッパー40を更に容易に取り付けることができる。
【0039】
なお、以上においては、第1の挟込部41に軸部材34を挟み込ませる場合について説明しているが、第2の挟込部42に軸部材34を挟み込ませる場合についても同様である。
【0040】
次に、軸部材34からの内容物放出装置用ストッパー40の取り外しについて説明する。
【0041】
内容物放出装置用ストッパー40を内容物放出装置30の軸部材34から取り外す作業者は、第2の挟込部42を掴み、軸部材34から第1の挟込部41を第1の挿入口41aを介して取り外すことによって、軸部材34から内容物放出装置用ストッパー40を取り外すことができる。
【0042】
ここで、作業者が矢印40bで示す方向に内容物放出装置用ストッパー40を引っ張ると、第1の挟込部41は、軸部材34との接触によって第1の挿入口41aが広がるように変形する。したがって、作業者は、軸部材34から内容物放出装置用ストッパー40を容易に取り外すことができる。
【0043】
また、第2の挿入口42aが狭まるように作業者が第2の挟込部42を強く掴むと、第1の挟込部41の第1の変形部41bは、図4(b)に示すように第1の挿入口41aが広がるように変形する。したがって、作業者は、軸部材34から内容物放出装置用ストッパー40を更に容易に取り外すことができる。
【0044】
なお、以上においては、軸部材34から第1の挟込部41を取り外す場合について説明しているが、軸部材34から第2の挟込部42を取り外す場合についても同様である。
【0045】
以上に説明したように、内容物放出装置用ストッパー40は、従来の取手部に相当する部分が取っ手としての役割以外に内容物放出装置30の軸部材34を挟み込む役割も備えている。
【0046】
そして、内容物放出装置用ストッパー40は、第1の挟込部41および第2の挟込部42が同一の大きさの軸部材34を挟み込む形状であるので、内容物放出装置用ストッパー40を内容物放出装置30の軸部材34に取り付ける作業者に第1の挟込部41および第2の挟込部42のうち何れか一方が掴まれたとしても、第1の挟込部41および第2の挟込部42のうち他方で軸部材34を挟み込むことができる。つまり、作業者は、第1の挟込部41および第2の挟込部42のうち何れか一方を無作為に掴んで、第1の挟込部41および第2の挟込部42のうち他方で軸部材34を挟み込ませれば良いので、従来の内容物放出装置用ストッパーを使う場合と比較して、内容物放出装置用ストッパー40を内容物放出装置30の軸部材34に取り付ける作業を効率良く実行することができる。特に、多数の内容物放出装置用ストッパー40が整列されることなく集められている中から作業者が内容物放出装置用ストッパー40を1つずつ取り出して軸部材34に取り付ける作業を繰り返す場合に、内容物放出装置用ストッパー40の有効性は顕著である。このように、内容物放出装置用ストッパー40は、従来の取手部に相当する部分が取っ手としての役割のみを備えている構成と比較して、作業者による軸部材34への取り付け作業の効率を向上することができるので、内容物放出装置30の製造コストを従来より低減することができる。
【0047】
また、ポンプ式製品10は、内容物放出装置30の製造コストを従来より低減することができるので、製造コストを従来より低減することができる。
【0048】
また、内容物放出装置用ストッパー40は、内容物放出装置用ストッパー40を内容物放出装置30の軸部材34に取り付ける作業者に第1の挟込部41が掴まれて第1の挿入口41aが狭まるように第1の変形部41bが変形させられた場合、第2の挟込部42の第2の挿入口42aが広がるので、軸部材34に対する第2の挟込部42の着脱を容易化することができる。同様に、内容物放出装置用ストッパー40は、内容物放出装置用ストッパー40を内容物放出装置30の軸部材34に取り付ける作業者に第2の挟込部42が掴まれて第2の挿入口42aが狭まるように第2の変形部42bが変形させられた場合、第1の挟込部41の第1の挿入口41aが広がるので、軸部材34に対する第1の挟込部41の着脱を容易化することができる。
【0049】
なお、第1の変形部41bおよび第2の変形部42bは、本実施の形態において、第1の挿入口41aが狭まるように第1の変形部41bが変形させられる場合に第2の挿入口42aが広がり、第2の挿入口42aが狭まるように第2の変形部42bが変形させられる場合に第1の挿入口41aが広がる状態で互いに接続されているが、互いの変形が連動しない状態で接続されていても良い。例えば、第1の変形部41bおよび第2の変形部42bは、図5(a)および図5(b)に示すように、他の部分43を介して間接的に接続されていても良い。図5(b)に示す例は、第1の変形部41bおよび第2の変形部42bを接続する部分43が2本になっており、図5(a)に示す例よりも材料費を削減することができる。
【0050】
(第2の実施の形態)
まず、本実施の形態に係るポンプ式製品の構成について説明する。
【0051】
本実施の形態に係るポンプ式製品の構成は、内容物放出装置用ストッパー50(図6参照。)を除いて第1の実施の形態に係るポンプ式製品10(図1参照。)の構成と同様である。
【0052】
図6(a)は、内容物放出装置用ストッパー50の平面図である。図6(b)は、内容物放出装置用ストッパー50の側面図である。図6(c)は、内容物放出装置用ストッパー50の正面図である。
【0053】
図6に示すように、内容物放出装置用ストッパー50は、内容物放出装置用ストッパー40(図3参照。)と同様に、第1の挿入口51aが形成されている第1の挟込部51と、第1の挿入口51aとは反対方向に開口している第2の挿入口52aが形成されている第2の挟込部52とを備えている。第2の挟込部52は、第1の挿入口51aが開口している矢印50aで示す方向とは反対方向である矢印50bで示す方向に、第1の挟込部51に対して配置されている。
【0054】
第1の挟込部51は、第1の挿入口51aから軸部材が挿入されるときに第1の挿入口51aが広がるように変形する第1の変形部51bを備えている。第2の挟込部52は、第2の挿入口52aから軸部材が挿入されるときに第2の挿入口52aが広がるように変形する第2の変形部52bを備えている。
【0055】
内容物放出装置用ストッパー50の構成のうち内容物放出装置用ストッパー40の構成と異なる部分は、次の部分である。すなわち、第1の挟込部51および第2の挟込部52は、互いに異なる大きさの軸部材を挟み込む形状である。
【0056】
次に、本実施の形態に係るポンプ式製品の内容物放出装置の軸部材に対する内容物放出装置用ストッパー50の着脱について説明する。
【0057】
内容物放出装置用ストッパー50は、第1の挟込部51および第2の挟込部52にそれぞれ適した大きさの軸部材が存在することを除いて、内容物放出装置用ストッパー40と同様に軸部材に対して着脱可能である。
【0058】
以上に説明したように、内容物放出装置用ストッパー50は、従来の取手部に相当する部分が取っ手としての役割以外に内容物放出装置の軸部材を挟み込む役割も備えている。
【0059】
そして、内容物放出装置用ストッパー50は、第1の挟込部51および第2の挟込部52が互いに異なる大きさの軸部材を挟み込む形状であるので、異なる種類の内容物放出装置に兼用されることができる。したがって、内容物放出装置用ストッパー50は、異なる種類の内容物放出装置の内容物放出装置用ストッパーが別々に製造される場合と異なり、内容物放出装置用ストッパーの金型が1種類で済むので、内容物放出装置の製造コストを従来より低減することができる。
【0060】
また、本実施の形態に係るポンプ式製品は、内容物放出装置の製造コストを従来より低減することができるので、製造コストを従来より低減することができる。
【0061】
また、内容物放出装置用ストッパー50は、内容物放出装置用ストッパー50を内容物放出装置の軸部材に取り付ける作業者に第1の挟込部51が掴まれて第1の挿入口51aが狭まるように第1の変形部51bが変形させられた場合、第2の挟込部52の第2の挿入口52aが広がるので、軸部材に対する第2の挟込部52の着脱を容易化することができる。同様に、内容物放出装置用ストッパー50は、内容物放出装置用ストッパー50を内容物放出装置の軸部材に取り付ける作業者に第2の挟込部52が掴まれて第2の挿入口52aが狭まるように第2の変形部52bが変形させられた場合、第1の挟込部51の第1の挿入口51aが広がるので、軸部材に対する第1の挟込部51の着脱を容易化することができる。
【0062】
なお、第1の変形部51bおよび第2の変形部52bは、本実施の形態において、第1の挿入口51aが狭まるように第1の変形部51bが変形させられる場合に第2の挿入口52aが広がり、第2の挿入口52aが狭まるように第2の変形部52bが変形させられる場合に第1の挿入口51aが広がる状態で互いに接続されているが、互いの変形が連動しない状態で接続されていても良い。
【0063】
(第3の実施の形態)
内容物放出装置は、上述した各実施の形態において、押し下げタイプであるが、押し下げタイプ以外のタイプであっても良い。例えば、内容物放出装置は、図7に示すように、トリガータイプであっても良い。
【0064】
図7は、本実施の形態に係るポンプ式製品60の側面図である。
【0065】
図7に示すように、ポンプ式製品60は、内容物を収納する容器70と、容器70に取り付けられて容器70の内容物を放出する内容物放出装置80とを備えている。
【0066】
内容物放出装置80は、容器70に取り付けられる容器取付部81と、内容物の放出のために移動する移動部材82と、内容物を放出するためのノズル83と、移動部材82に接続された軸部材84と、移動部材82の移動によって容器70の内容物をノズル83から放出する図示していないポンプ機構と、移動部材82の移動を妨げることによって内容物放出装置80による内容物の放出を妨げる合成樹脂製の内容物放出装置用ストッパー90とを備えている。軸部材84は、内容物放出装置用ストッパー90が取り付けられるようになっており、本発明のストッパー取付部を構成している。
【0067】
内容物放出装置用ストッパー90の構成は、上述した各実施の形態において説明した何れかの内容物放出装置用ストッパーと同様の構成である。
【0068】
(第4の実施の形態)
内容物放出装置は、上述した各実施の形態において、ポンプ式製品に備えられているが、図8に示すように、エアゾール式製品110に備えられていても良い。
【0069】
図8は、本実施の形態に係るエアゾール式製品110の側面断面図である。
【0070】
図8に示すように、エアゾール式製品110は、内容物および噴射用ガスを収納する容器120と、容器120に取り付けられて容器120の内容物を放出する内容物放出装置130とを備えている。
【0071】
内容物放出装置130は、容器120に取り付けられるマウンティングカップ131と、マウンティングカップ131に取り付けられたステム132と、マウンティングカップ131に取り付けられたカバー133と、ステム132に取り付けられて内容物の放出のために移動する移動部材134と、移動部材134の移動によって容器120の内容物を移動部材134の噴射口134aから放出する図示していない噴射機構と、移動部材134の移動を妨げることによって内容物放出装置130による内容物の放出を妨げる合成樹脂製の内容物放出装置用ストッパー140とを備えている。移動部材134の軸部分134bは、内容物放出装置用ストッパー140が取り付けられるようになっており、本発明のストッパー取付部を構成している。
【0072】
内容物放出装置用ストッパー140の構成は、上述した各実施の形態において説明した何れかの内容物放出装置用ストッパーと同様の構成である。
【符号の説明】
【0073】
10 ポンプ式製品
20 容器
30 内容物放出装置
32 移動部材
34 軸部材(ストッパー取付部)
40 内容物放出装置用ストッパー
41 第1の挟込部
41a 第1の挿入口
41b 第1の変形部
42 第2の挟込部
42a 第2の挿入口
42b 第2の変形部
50 内容物放出装置用ストッパー
51 第1の挟込部
51a 第1の挿入口
51b 第1の変形部
52 第2の挟込部
52a 第2の挿入口
52b 第2の変形部
60 ポンプ式製品
70 容器
80 内容物放出装置
82 移動部材
84 軸部材(ストッパー取付部)
90 内容物放出装置用ストッパー
110エアゾール式製品
120 容器
130 内容物放出装置
134 移動部材
134b 軸部分(ストッパー取付部)
140 内容物放出装置用ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に取り付けられて容器の内容物を放出する内容物放出装置の移動部材の移動を妨げることによって前記内容物放出装置による前記内容物の放出を妨げる内容物放出装置用ストッパーであって、
前記内容物放出装置のうち前記内容物放出装置用ストッパーが取り付けられるストッパー取付部が挿入される入口である第1の挿入口が形成されていて前記ストッパー取付部を挟み込む第1の挟込部と、前記ストッパー取付部が挿入される入口であって前記第1の挿入口とは反対方向に開口している第2の挿入口が形成されていて前記ストッパー取付部を挟み込む第2の挟込部とを備えており、
前記第2の挟込部は、前記第1の挿入口が開口している方向とは反対方向に前記第1の挟込部に対して配置されていることを特徴とする内容物放出装置用ストッパー。
【請求項2】
前記第1の挟込部および前記第2の挟込部は、同一の大きさの前記ストッパー取付部を挟み込む形状であることを特徴とする請求項1に記載の内容物放出装置用ストッパー。
【請求項3】
前記第1の挟込部および前記第2の挟込部は、互いに異なる大きさの前記ストッパー取付部を挟み込む形状であることを特徴とする請求項1に記載の内容物放出装置用ストッパー。
【請求項4】
前記第1の挟込部は、前記第1の挿入口から前記ストッパー取付部が挿入されるときに前記第1の挿入口が広がるように変形する第1の変形部を備えており、
前記第2の挟込部は、前記第2の挿入口から前記ストッパー取付部が挿入されるときに前記第2の挿入口が広がるように変形する第2の変形部を備えており、
前記第1の変形部および前記第2の変形部は、前記第1の挿入口が狭まるように前記第1の変形部が変形させられる場合に前記第2の挿入口が広がり、前記第2の挿入口が狭まるように前記第2の変形部が変形させられる場合に前記第1の挿入口が広がる状態で、互いに接続されていることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の内容物放出装置用ストッパー。
【請求項5】
容器に取り付けられて容器の内容物を放出する内容物放出装置であって、
請求項1から請求項4までの何れかに記載の内容物放出装置用ストッパーと、前記内容物の放出のために移動する移動部材と、前記内容物放出装置用ストッパーが取り付けられるストッパー取付部とを備えていることを特徴とする内容物放出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の内容物放出装置と、前記内容物を収納し前記内容物放出装置が取り付けられた前記容器とを備えていることを特徴とするポンプ式製品。
【請求項7】
請求項5に記載の内容物放出装置と、前記内容物および噴射用ガスを収納し前記内容物放出装置が取り付けられた前記容器とを備えていることを特徴とするエアゾール式製品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate