説明

内径測定器

【課題】ワークの内径を測定する時に従来の測定器では組み立てや、分解するのに手間がかかったり、内径の内面に有する溝の底が測定出来なかったりする事があった。また、従来の内径測定器を組み立てる時間や測定時間を短縮しかつ容易に測定出来る内径測定器を提供する事を目的とする。
【解決手段】ダイヤルゲージ本体(1)に筒状の物体(3)を設けてその先端に測定子(5)、若しくは場合によってはその間に棒状の物体(4)を複数個取り付ける事を特徴とする事によって出来る内径測定器である。ダイヤルゲージ本体(1)に測定子等(5)の測定部品が付されているために従来の内径測定器より組み立てる時間が短縮され、従来の内径測定器では測定する事の出来なかった領域まで容易かつ簡単に測定することが出来る内径測定器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシリンダー等の内径内面に有する溝を容易かつ簡単に測定することの出来る測定装置に関し、特に内面の溝部のみではなく、更に径の異なる複数のワーク径が合った場合でも従来の測定器による内径測定器よりも容易かつ簡単に内径内面を測定出来る装置に関する発明でもある。
【背景技術】
【0002】
従来により、シリンダー等のワーク内面に有する溝を測定しようとする場合に従来の内径測定器を用いて測定していたが、それらの従来の内径測定器で測定しようとする場合にはワークの形状や測定箇所によっては測定に制限やストローク等による限界があるために測定することの出来ない問題が生じていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の内径測定器次のような問題点があった。
【0004】
従来の内径測定器に於いては、ストロークの可動領域の限界があるために内面に有する溝の底までは測定する事が出来なかった。
【0005】
また、前項とは違って、ワークによって最善の内径測定器を用いた場合に於いても測定する箇所での測定に制限があるので、測定器の分解や組み立てを必要としてまで測定していた為に不必要な時間と労力を使っていた。
【0006】
測定箇所での分解及び組み立てをするので、ワークに対する精度要求の信頼性が欠けていた。
【0007】
ワークに径の異なる複数の段があった場合には、その径に対して必要に応じた数分だけの測定器を用意する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ダイヤルゲージの一端に筒状の物体(3)を設けて、その筒状の物体(3)の先端に測定子(5)を取り付けることによって出来る内径測定器であるが、ワークのサイズによるところで、必要によっては筒状の物体(3)と測定子(5)との間に棒状の物体(4)を継ぎ足して出来る内径測定器でもある。
【0009】
本発明は以上の構成によりなるダイヤルゲージのストローク範囲まで測定できる可動領域をもった内径測定器でもある。
【発明の効果】
【0010】
ダイヤルゲージの測定範囲の可動領域が広範囲にある為、測定をしようとするワークの測定箇所に於いても測定過程で分解及び組み立てを要する事無く測定が容易かつ簡単に出来る。
【0011】
従来の内径測定器のように分解や組み立てを要しないので精度要求に於いても信頼性を欠く事無く測定できる。
【0012】
従来の内径測定器のように分解や組み立てを要しないので、測定に掛かる時間も大幅に短縮できる為に不必要な労力も必要としない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0014】
ダイヤルゲージ(1)のスピンドル(2)側とは反対側に筒状の物体(3)を設ける。ただし、スピンドル(2)の反対側においてはスピンドル(2)が測定範囲分のストロークが突起してくるのでそのストローク分を干渉せずに交わせるだけの長さの筒状の物体(3)を取り付ける必要がある。
【0015】
筒状の物体(3)の先端に測定子(5)を取り付けることによって出来る内径測定器
【0016】
測定したいワークの対象物に応じた長さに対する分だけ筒状の物体(3)と測定子(5)の間に棒状の物体(4)を継ぎ足すことによって様々な大きさのワーク測定に対応する事が出来る。
【0017】
前項の様々な大きさのワークを測定する時には棒状の物体(4)も長くなればなる程に、たわむ可能性があるので、その時には棒状の物体(4)の側面にガイド的なガイドプレート(6)をダイヤルゲージ(1)のステム(7)と呼ばれる場所や必要によってはダイヤルゲージ(1)をケース(8)に入れて取り付ける事によって安定した測定が行えるようにしてある。
【0018】
従来の内径測定器では測定器のヘッドが大きいためにワークの内面に有する狭い溝の場合にはそのヘッドが入らないためにこれらの溝底を測定することは出来なかったが、本発明による測定器の場合は、先端の測定子(5)の径を替える事によって内径の狭い溝幅でも測定することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明はシリンダー等の内径を測定する事が出来るために、シリンダー等の機械加工及び測定を専門とする処での産業分野に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】全体図(正面図)
【図2】全体図(側面図
【図3】本発明の実施形態
【図4】ガイドプレート(たわみ防止治具)を取り付けた状態
【図5】ダイヤルゲージのガイドケース(正面図)
【図6】ダイヤルゲージのガイドケース(側面図)
【0021】
符号の説明
1 ダイヤルゲージ本体
2 スピンドル
3 筒状の物体
4 棒状の物体
5 測定子
6 ガイドプレート(たわみ防止治具)
7 ステム
8 ガイドプレート固定用ネジ
9 ワーク
10 ガイドケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤルゲージ本体に筒状の物体と測定子、延長する場合によっては棒状の物体まで取り付けてからなる測定器にて、ワークの内径内面を測定する為の内径測定器であると共に前記測定の内径は内面に有する溝底までをも測定できる事を特徴としている内径測定器である。
【請求項2】
測定器を延長するために棒状の物体を複数個取り付けられる事によって、大型の内径も測定できるので、内径の測定範囲には限度を設けられない事も特徴にある請求項1記載の内径測定器である。
【請求項3】
請求項2に於ける測定器を延長した場合に延長する棒状の物体が長ければ長い程棒状の物体はたわんでしまう。そこで、それらの延長された棒状の物体がたわまないようにダイヤルゲージ本体にガイドプレートとなる物を取り付けて測定器にすることも可能であると共に、場合によってはガイドケースに筒状の物体や測定子、棒状の物体をも取り付ける事も必要になる場合があることも特徴の請求項1並びに請求項2記載の内径測定器である。
【請求項4】
ワークの内径内面に径の異なる複数の段がある場合に於いても、ダイヤルゲージ本体のストローク範囲までは1つの本発明による測定器で賄える事も特徴としている請求項1並びに請求項2,3記載の内径測定器である。
【請求項5】
ワークの内径内面にOリング等の各溝を有する場合に於いてもダイヤルゲージ本体のストローク範囲までは溝底の測定は可能であり、かつ溝幅が狭くても測定子を溝幅にあった測定子を選定すれば測定も可能で有る事も特徴にある請求項1並びに請求項2、3、4記載の内径測定器である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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