説明

内燃機関における排気ガス浄化装置

【課題】第1排気経路及び第2排気経路が別々に内燃機関から延出している内燃機関における排気ガス浄化装置のコストの低減を図る。
【解決手段】内燃機関10から別々に延出する排気経路20A,20Bは、合流経路22に合流されている。第1排気経路20Aには第1副選択還元型NOx触媒25Aが設けられており、第2排気経路20Bには第2副選択還元型NOx触媒25Bが設けられている。合流経路22には主選択還元型NOx触媒26が設けられている。第1副選択還元型NOx触媒25Aの上流で尿素水を添加する第1添加手段30Aが設けられており、第2副選択還元型NOx触媒25Bの上流で尿素水を添加する第2添加手段30Bが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1排気経路及び第2排気経路が内燃機関から延出しており、前記第1排気経路における排気ガスを浄化する選択還元型NOx触媒及び前記第2排気経路における排気ガスを浄化する選択還元型NOx触媒が設けられている内燃機関における排気ガス浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンの排気経路に触媒を配置して排気ガス中の窒素酸化物(NOx)の除去(排気ガスの浄化)を行なう排気ガス浄化装置は、従来より利用されている。特許文献1では、直列4気筒のエンジンが開示されており、排気経路には一対の第1選択還元型NOx触媒及び第2選択還元型NOx触媒が直列に配設されている。第2選択還元型NOx触媒より上流にある第1選択還元型NOx触媒の上流には第1アンモニア供給システムからアンモニアが供給されるようになっている。又、第1選択還元型NOx触媒と第2選択還元型NOx触媒との間の排気経路には第2アンモニア供給システムからアンモニアが供給されるようになっている。
【0003】
特許文献2では、第1選択還元型NOx触媒の容量を第2選択還元型NOx触媒の容量よりも小さくし、選択還元型NOx触媒の温度を早期に望ましい温度まで昇温させて低温走行時のNOx浄化率を上げる技術思想が開示されている。
【0004】
V型エンジン等の一部では、一対の排気経路を並列に配置する構成が採用されている。この場合、並列に配設された一対の排気経路のそれぞれに触媒が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−517210号公報
【特許文献2】特開2010−121521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、一方の排気経路に一対の選択還元型NOx触媒を直列に設けると共に、他方の排気経路に別の一対の選択還元型NOx触媒を直列に設けた構成では、必要となる選択還元型NOx触媒、アンモニアを供給する手段やそれらの制御に必要なセンサ類等が多くなる。これは、コストに関して不利である。
【0007】
本発明の第1の目的は、第1排気経路及び第2排気経路が別々に内燃機関から延出している内燃機関における排気ガス浄化装置のコストの低減を図ることである。本発明の第2の目的は、第1排気経路及び第2排気経路が内燃機関から延出している内燃機関における排気ガス浄化装置のNOxの効率の良い浄化を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1排気経路及び第2排気経路が内燃機関から延出しており、前記第1排気経路における排気ガスを浄化するNOx触媒及び前記第2排気経路における排気ガスを浄化するNOx触媒が設けられている内燃機関における排気ガス浄化装置を対象とし、請求項1の発明では、前記第1排気経路と前記第2排気経路とが合流されており、前記第1排気経路には第1副NOx触媒が設けられており、前記第2排気経路には第2副NOx触媒が設けられており、前記第1排気経路と前記第2排気経路との合流部より下流の合流経路には主NOx触媒が設けられており、前記第1副NOx触媒の上流でアンモニア源を供給する第1添加手段が設けられており、第2副NOx触媒の上流でアンモニア源を供給する第2添加手段が設けられている。
【0009】
第1排気経路及び第2排気経路が末端で合流されているため、第1排気経路に設けられた第1副NOx触媒及び第2排気経路に設けられた第2副NOx触媒の下流の主NOx触媒が1つで済む。その結果、第1排気経路及び第2排気経路が内燃機関から延出している内燃機関における排気ガス浄化装置のコストが低減する。
【0010】
好適な例では、前記第1副NOx触媒の温度を検出する第1温度検出器と、前記第1添加手段における添加量及び前記第2添加手段における添加量を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第1温度検出器によって検出された温度と、予め設定された第1基準温度との比較に基づいて、前記第1添加手段と前記第2添加手段とのいずれか一方の添加量を増やし、他方の添加量を減らす非常添加制御を選択する機能を備える。
【0011】
添加手段は、例えばアンモニア源としての尿素水を供給するものであり、第1基準温度は、例えば尿素分解温度である。尿素が分解されると、アンモニアが生じる。非常添加制御が行なわれると、第1副NOx触媒と第2副NOx触媒とのいずれか一方に供給されるアンモニア源の量が増やされ、他方に供給されるアンモニア源の量が減らされる。これにより、アンモニア源の供給量が減らされる副NOx触媒における温度及び主NOx触媒における温度が早期に高くなり、低排気温度時における主NOx触媒におけるNOx浄化率が向上する。
【0012】
好適な例では、前記第2副NOx触媒の温度を検出する第2温度検出器をさらに備え、前記制御手段は、前記第1温度検出器によって検出された温度と、前記第2温度検出器によって検出された温度と、前記第1基準温度との比較に基づいて、前記非常添加制御を選択する機能を備える。
【0013】
好適な例では、前記制御手段は、前記第1温度検出器によって検出された温度と、前記第2温度検出器によって検出された温度とのいずれか高い方の温度が、前記第1基準温度以上である場合には、前記非常添加制御として、前記第1副NOx触媒と前記第2副NOx触媒とのうちの温度が高い方へアンモニア源を供給する添加手段の添加量を増やし、温度が低い方への添加量を減らす制御を遂行する。
【0014】
2つの副選択還元型NOx触媒の温度をそれぞれ検出することで、早く温度が上がる副選択還元型NOx触媒を特定することができる。これにより、非常添加制御を早く始めて不添加制御時間を短くすることができ、NOxの浄化を早期に始めることができる。
【0015】
好適な例では、前記非常添加制御は、前記他方の添加量を零にする制御である。
好適な例では、前記非常添加制御における添加量を増やす添加手段における添加量は、通常添加制御における前記第1添加手段における添加量と前記第2添加手段における添加量との和である。
【0016】
ここにおける通常添加制御とは、NOxの濃度、吸気流量等から把握できるNOxの流量に応じた添加量を添加する制御のことである。
好適な例では、前記第1温度検出器によって検出された温度および前記第2温度検出器によって検出された温度が前記第1基準温度未満である場合には、前記制御手段は、前記第1添加手段における添加量と前記第2添加手段における添加量とを零にする不添加制御を遂行する。
【0017】
好適な例では、前記第1温度検出器によって検出された温度が前記第1基準温度以上である場合には、前記制御手段は、前記非常添加制御を遂行する。
第1副NOx触媒の温度が第1基準温度(例えば尿素分解温度)以上になると、第1添加手段と前記第2添加手段とのいずれか一方の添加量を増やすと共に、他方の添加量を減らす非常添加制御が行なわれる。
【0018】
好適な例では、前記第1温度検出器によって検出された温度が前記第1基準温度未満である場合には、前記制御手段は、前記第1添加手段における添加量と前記第2添加手段に添加量とを零にする不添加制御を遂行する。
【0019】
好適な例では、前記主NOx触媒の温度を検出する第3温度検出器を備え、前記制御手段は、前記第3温度検出器によって検出された温度と、予め設定された第2基準温度との比較に基づいて、前記第1添加手段と前記第2添加手段との添加量を通常添加量に制御する通常添加制御を選択する機能を備える。
【0020】
好適な例では、前記主NOx触媒、前記第1副NOx及び前記第2副NOxは、いずれも選択還元型NOx触媒である。
好適な例では、前記合流部は、第1排気経路に比べて第2排気経路が短くなるように設け、前記制御手段は、前記非常添加制御として、前記第1添加手段の添加量を増やし、前記第2添加手段の添加量を減らす制御を遂行する。
【0021】
添加しない第2副NOx触媒から主NOx触媒に至る排気経路が添加する第2副NOx触媒から主NOx触媒に至る排気経路よりも短いため、非常添加制御時には主NOx触媒における昇温が早まる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、第1排気経路及び第2排気経路が内燃機関から延出している内燃機関における排気ガス浄化装置のコストの低減を図ることができるという優れた効果を奏する。又、本発明は、NOxの効率の良い浄化を達成することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態を示す排気ガス浄化装置の模式図。
【図2】添加制御プログラムを示すフローチャート。
【図3】第2の実施形態を示す排気ガス浄化装置の模式図。
【図4】添加制御プログラムを示すフローチャート。
【図5】第3の実施形態を示す排気ガス浄化装置の模式図。
【図6】別の実施形態を示す排気ガス浄化装置の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明をディーゼルエンジンに具体化した第1の実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示すように、車両に搭載された内燃機関10は、複数の気筒12A,12Bを備えており、複数の気筒12A,12Bは2群に分けられている。一方の群の気筒12Aに対応するシリンダヘッド13Aには気筒12A毎に燃料噴射ノズル14Aが取り付けられており、他方の群の気筒12Bに対応するシリンダヘッド13Bには気筒12B毎に燃料噴射ノズル14Bが取り付けられている。燃料噴射ノズル14A,14Bは、各気筒12A,12B内に燃料を噴射する。
【0025】
シリンダヘッド13A,13Bにはインテークマニホールド15が接続されている。インテークマニホールド15は、分岐吸気通路16A,16Bに接続されている。分岐吸気通路16Aの途中には過給機19Aのコンプレッサ部191Aが介在されており、分岐吸気通路16Bの途中には過給機19Bのコンプレッサ部191Bが介在されている。過給機19A,19Bは、排気ガス流によって作動される公知の可変ノズル式ターボチャージャーである。
【0026】
分岐吸気通路16A,16Bは、基幹吸気通路21に接続されている。基幹吸気通路21は、エアクリーナ11に接続されている。過給機19A,19Bとインテークマニホールド15との間の分岐吸気通路16A,16Bの途中にはスロットル弁17A,17Bが設けられている。スロットル弁17A,17Bは、エアクリーナ11及び基幹吸気通路21を経由して分岐吸気通路16A,16Bに吸入される吸気流量を調整するためのものである。
【0027】
アクセル開度(アクセルペダルの踏み込み量)は、アクセル開度検出器31によって検出される。図示しないクランクシャフトの回転角度(クランク角度)は、クランク角度検出器32によって検出される。アクセル開度検出器31によって検出されたアクセル開度検出情報、及びクランク角度検出器32によって検出されたクランク角度検出情報は、制御手段Cに送られる。制御手段Cは、アクセル開度検出情報及びクランク角度検出情報に基づいて、燃料噴射ノズル14A,14Bにおける燃料噴射期間(噴射開始時期及び噴射終了時期)を算出して制御する。又、制御手段Cは、クランク角度検出器32によって得られるクランク角度検出情報に基づいてエンジン回転数を算出する。
【0028】
基幹吸気通路21に吸入された空気は、分岐吸気通路16A,16Bに分流し、分岐吸気通路16A,16Bを流れる空気は、インテークマニホールド15内で合流する。つまり、過給機19A,19Bのコンプレッサ部191A,191Bから送り出される吸気は、インテークマニホールド15内で合流して気筒12A,12Bに供給される。
【0029】
シリンダヘッド13Aにはエキゾーストマニホールド18Aが接続されており、シリンダヘッド13Bにはエキゾーストマニホールド18Bが接続されている。気筒12A,12Bで発生する排気ガスは、エキゾーストマニホールド18A,18Bへ排出される。エキゾーストマニホールド18Aには第1排気経路20Aが過給機19Aのタービン部192Aを介して接続されている。エキゾーストマニホールド18Bには第2排気経路20Bが過給機19Bのタービン部192Bを介して接続されている。内燃機関から別々に延出する第1排気経路20Aと第2排気経路20Bとは、合流部220で合流経路22に合流されている。
【0030】
第1排気経路20A上には第1酸化触媒23A、第1DPR(Diesel・Particulate・Reactor)触媒24A、及び第1副NOx触媒としての第1副選択還元型NOx触媒25Aがこの順に上流から下流へと直列に設けられている。第2排気経路20B上には第2酸化触媒23B、第2DPR触媒24B、及び第2副NOx触媒としての第2副選択還元型NOx触媒25Bがこの順に直列に設けられている。酸化触媒23A,23Bは、排気ガス中の未燃焼成分〔例えば炭化水素(HC)〕を酸化して浄化する機能を有する。DPR触媒24A,24Bは、排気ガス中の粒子状物質(Particulate・Matter)を捕集して燃焼除去する機能を有する。副選択還元型NOx触媒25A,25Bは、排気ガス中のNOxを還元して浄化する機能を有する。第1副選択還元型NOx触媒25Aの容量と第2副選択還元型NOx触媒25Bの容量とは、同じにしてある。
【0031】
第1副選択還元型NOx触媒25Aの上流かつ第1DPR触媒24Aよりも下流の第1排気経路20Aには第1添加弁28Aが接続されており、第1添加弁28Aは、第1ポンプ29Aに接続されている。第1ポンプ29Aは、第1添加弁28Aに尿素水(アンモニア源)を供給する。第2副選択還元型NOx触媒25Bの上流かつ第2DPR触媒24Bよりも下流の第2排気経路20Bには第2添加弁28Bが接続されており、第2添加弁28Bは、第2ポンプ29Bに接続されている。第2ポンプ29Bは、第2添加弁28Bに尿素水(アンモニア源)を供給する。
【0032】
添加弁28A,28B及びポンプ29A,29Bの作動は、制御手段Cの制御を受ける。第1ポンプ29A及び第1添加弁28Aは、第1副選択還元型NOx触媒25Aへ尿素水(アンモニア源)を供給する第1添加手段30Aを構成する。第2ポンプ29B及び第2添加弁28Bは、第2副選択還元型NOx触媒25Bへ尿素水(アンモニア源)を供給する第2添加手段30Bを構成する。
【0033】
第1DPR触媒24Aと第1添加弁28Aとの間の第1排気経路20Aには第1NOxセンサ33が設けられている。第1NOxセンサ33は、第1DPR触媒24Aと第1添加弁28Aとの間の第1排気経路20A内の排気ガス濃度を検出するものである。第2DPR触媒24Bと第2添加弁28Bとの間の第2排気経路20Bには第2NOxセンサ34が設けられている。第2NOxセンサ34は、第2DPR触媒24Bと第2添加弁28Bとの間の第2排気経路20B内の排気ガス濃度を検出するものである。
【0034】
第1排気経路20Aと第2排気経路20Bとの合流部220より下流の合流経路22上には主選択還元型NOx触媒26及びアンモニア触媒27がこの順に上流から下流へと直列に設けられている。主選択還元型NOx触媒26は、排気ガス中のNOxを還元して浄化する機能を有する。主選択還元型NOx触媒26の容量は、副選択還元型NOx触媒25A,25Bの容量も大きくしてある。アンモニア触媒27は、アンモニアを酸化して浄化処理する機能を有する。
【0035】
本実施形態では、副選択還元型NOx触媒25A,25Bとして高温浄化率の高いものが用いられており、主選択還元型NOx触媒26として低温浄化率の高いものが用いられている。
【0036】
アンモニア触媒27の下流には第3NOxセンサ35が設けられている。第3NOxセンサ35は、アンモニア触媒27の下流の合流経路22内の排気ガス濃度を検出するものである。
【0037】
第1副選択還元型NOx触媒25Aの下流の第1排気経路20Aには温度検出器36Aが設けられている。温度検出器36Aは、第1副選択還元型NOx触媒25Aの下流の第1排気経路20A内の排気温度を検出するものである。第1副選択還元型NOx触媒25Aの下流の第1排気経路20A内の排気温度を検出する温度検出器36Aは、第1副選択還元型NOx触媒25Aの温度を検出する第1温度検出器である。
【0038】
アンモニア触媒27の下流には温度検出器37が設けられている。温度検出器37は、アンモニア触媒27の下流の合流経路22内の排気温度を検出するものである。アンモニア触媒27の下流の合流経路22内の排気温度を検出する温度検出器37は、主選択還元型NOx触媒26の温度を検出する第3温度検出器である。
【0039】
温度検出器36A,37によって検出された排気温度の情報、及びNOxセンサ33,34,35によって検出されたNOx濃度の情報は、制御手段Cへ送られる。制御手段Cは、第1NOxセンサ33から得られる検出NOx濃度、及びエアフローメータ38Aから得られる検出吸気流量に基づいて、第1添加弁28Aにおける尿素水添加量を算出して指令する。この算出された尿素水添加量を添加する制御は、第1添加弁28Aにおける通常添加制御である。又、制御手段Cは、第2NOxセンサ34から得られる検出NOx濃度、及びエアフローメータ38Bから得られる検出吸気流量に基づいて、第2添加弁28Bにおける尿素水添加量を算出して指令する。この算出された尿素水添加量を添加する制御は、第2添加弁28Bにおける通常添加制御である。
【0040】
つまり、通常添加制御とは、NOxの濃度、吸気流量等から把握できるNOxの流量に応じた添加量を添加する制御のことである。
制御手段Cは、図2にフローチャートで示す添加制御プログラムに基づいて、尿素水の添加を制御する。
【0041】
次に、第1の実施形態の作用及び添加制御を図2のフローチャートに基づいて説明する。
エンジンが始動されると、制御手段Cは、温度検出器36Aによって得られた検出温度Tsと、予め設定された第1基準温度Ta(本実施形態では尿素の分解温度)との大小比較を行なう(ステップS1)。検出温度Tsが第1基準温度Taに満たない場合(ステップS1においてNO)、制御手段Cは、添加弁28A,28Bからの尿素水の添加を行なわない不添加制御を選択する(ステップS2)。
【0042】
検出温度Tsが第1基準温度Ta以上である場合(ステップS1においてYES)、制御手段Cは、温度検出器37によって得られた検出温度Tmと、予め設定された第2基準温度Tb(本実施形態では主選択還元型NOx触媒26における活性温度)との大小比較を行なう(ステップS3)。検出温度Tmが第2基準温度Tbに満たない場合(ステップS3においてNOの場合)、制御手段Cは、非常添加制御を選択する(ステップS4)。
【0043】
非常添加制御は、第1添加弁28Aからの添加量を増やすと共に、第2添加弁28Bからの添加量を減らす制御である。本実施形態では、非常添加制御における第1添加弁28Aからの添加量は、第1添加弁28Aにおける通常添加量と、第2添加弁28Bにおける通常添加量との和である。又、非常添加制御における第2添加弁28Bからの添加量は、零である。
【0044】
非常添加制御は、エンジン始動時のような排気温度が低い場合に遂行される。第2添加弁28Bからの添加量を零にする制御は、第2副選択還元型NOx触媒25Bの温度を昇温させることになり、第2副選択還元型NOx触媒25Bの昇温が主選択還元型NOx触媒26の温度の早期の昇温ももたらす。これにより主選択還元型NOx触媒26におけるNOx浄化率が向上する。
【0045】
第1添加弁28Aから添加された尿素水は、第1副選択還元型NOx触媒25A内及び第1副選択還元型NOx触媒25A下流の第1排気経路20A内でアンモニアに変換される。排気温度が低いときには、主選択還元型NOx触媒26におけるNOx浄化率は、尿素水よりもアンモニアの方が高い。つまり、主選択還元型NOx触媒26と第1副選択還元型NOx触媒25Aとの間に尿素水を添加する場合に比べ、第1副選択還元型NOx触媒25Aの上流でNOx還元に必要な量の尿素水を添加する方法(第1添加弁28Aからの添加量を増やす制御)は、主選択還元型NOx触媒26におけるNOx浄化率向上に有利である。
【0046】
検出温度Tmが第2基準温度Tb以上である場合(ステップS3においてYESの場合)、制御手段Cは、前記した通常添加制御を選択する(ステップS5)。
第1の実施形態では以下の効果が得られる。
【0047】
(1)第1排気経路20A及び第2排気経路20Bが末端で合流経路22に合流されているため、第1排気経路20Aに設けられた第1副選択還元型NOx触媒25A及び第2排気経路20Bに設けられた第2副選択還元型NOx触媒25Bの下流の主選択還元型NOx触媒26が1つで済む。その結果、第1排気経路20A及び第2排気経路20Bが別々に内燃機関10から延出している場合の排気ガス浄化装置のコストが低減する。
【0048】
(2)非常添加制御が行なわれると、第1副選択還元型NOx触媒25A側の尿素水添加量が増やされ、第2副選択還元型NOx触媒25B側の尿素水添加量が零にされる。これにより、尿素水供給量が零となる第2副選択還元型NOx触媒25Bにおける温度及び主選択還元型NOx触媒26における昇温が早められる。その結果、低排気温度時における主選択還元型NOx触媒26におけるNOx浄化率が向上する。
【0049】
(3)アンモニアは、尿素水に比べて低温時のNOx浄化効率が良い。従って、始動時のような冷感過渡運転時の場合、副選択還元型NOx触媒25Aを未反応ですり抜けたアンモニアは、主選択還元型NOx触媒26で高いNOx浄化性能を示す。副選択還元型NOx触媒25Bと主選択還元型NOx触媒26との距離が大きいほど、つまり、副選択還元型NOx触媒25Bから主選択還元型NOx触媒26に至る排気経路が長いほど、尿素水からアンモニアへの変換が促進される。これは、主選択還元型NOx触媒26でのNOx浄化効率の向上に寄与する。又、主選択還元型NOx触媒26として低温浄化率の高いものを用いているので、不添加制御時及び非常添加制御時の低温時に、副選択還元型NOx触媒25A,25Bをすり抜けたNOxを主選択還元型NOx触媒26で効率よく浄化することができる。又、上流側に配置される副選択還元触媒25A,25Bは高温浄化率が高く、排気温度が下がる下流側に配置される主選択還元触媒26は低温浄化率が高いので、排気温度が高くなる運転条件であっても効率よくNOxを浄化することができる。
【0050】
(4)非常添加制御では、第1添加弁28Aでの尿素水の添加量は、通常添加制御における第1添加弁28Aでの添加量と、第2添加弁28Bでの添加量との和である。従って、NOxを浄化するための必要な添加量が確保される。
【0051】
(5)副選択還元型NOx触媒25A,25Bの容量を主選択還元型NOx触媒26の容量を小さくした構成は、副選択還元型NOx触媒25Bにおける暖機時間の短縮化に寄与する。これにより、内燃機関10の始動後の尿素水の添加開始時期が早まり、内燃機関10の始動初期のNOx浄化率が向上する。
【0052】
(6)アンモニアが主選択還元型NOx触媒26をすり抜けることがある。アンモニア触媒27は、主選択還元型NOx触媒26をすり抜けたアンモニアを酸化して浄化処理する。そのため、アンモニアが大気に放出されてしまうことはない。
【0053】
(7)第3NOxセンサ35によって得られた検出情報は、NOxセンサ33,34によって得られた検出情報と比較することによって、主選択還元型NOx触媒26でのアンモニアのすり抜け量の把握に利用できる。主選択還元型NOx触媒26でのアンモニアのすり抜け量が多い場合には、尿素水の添加量が本来の添加量よりも異常に多いことが考えられる。その原因としては、添加手段30A,30Bの故障が考えられる。つまり、第3NOxセンサ35は、添加手段30A,30Bの故障の有無の判定に利用できる。
【0054】
次に、図3及び図4の第2の実施形態を説明する、第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合を用い、その詳細説明は省略する。
図3に示すように、第2副選択還元型NOx触媒25Bの下流の第2排気経路20Bには温度検出器36Bが設けられている。温度検出器36Bは、第2副選択還元型NOx触媒25Bの下流の第2排気経路20B内の排気温度を検出するものである。第2副選択還元型NOx触媒25Bの下流の第2排気経路20B内の排気温度を検出する温度検出器36Bは、第1副選択還元型NOx触媒25Bの温度を検出する第2温度検出器である。
【0055】
制御手段Cは、図4にフローチャートで示す添加制御プログラムに基づいて、尿素水の添加を制御する。
次に、第2の実施形態における添加制御を図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0056】
エンジンが始動されると、制御手段Cは、温度検出器36Aによって得られた検出温度Ts1と、温度検出器36Bによって得られた検出温度Ts2との大小比較を行なう(ステップS11)。検出温度Ts1が検出温度Ts2以上である場合(ステップS11においてYES)、制御手段Cは、検出温度Ts1と、予め設定された第1基準温度Taとの大小比較を行なう(ステップS12)。検出温度Ts1が第1基準温度Taに満たない場合(ステップS12においてNO)、制御手段Cは、添加弁28A,28Bからの尿素水の添加を行なわない不添加制御を選択する(ステップS13)。
【0057】
検出温度Ts1が第1基準温度Ta以上である場合(ステップS12においてYES)、制御手段Cは、温度検出器37によって得られた検出温度Tmと、予め設定された第2基準温度Tbとの大小比較を行なう(ステップS14)。検出温度Tmが第2基準温度Tbに満たない場合(ステップS14においてNOの場合)、制御手段Cは、第1非常添加制御を選択する(ステップS15)。
【0058】
第1非常添加制御は、第1添加弁28Aからの添加量を増やすと共に、第2添加弁28Bからの添加量を減らす制御である。本実施形態では、非常添加制御における第1添加弁28Aからの添加量は、第1添加弁28Aにおける通常添加量と、第2添加弁28Bにおける通常添加量との和である。又、非常添加制御における第2添加弁28Bからの添加量は、零である。
【0059】
検出温度Tmが第2基準温度Tb以上である場合(ステップS14においてYESの場合)、制御手段Cは、前記した通常添加制御を選択する(ステップS16)。
ステップS11においてNOの場合(検出温度Ts2が検出温度Ts1よりも高い場合)、制御手段Cは、検出温度Ts2と、予め設定された第1基準温度Taとの大小比較を行なう(ステップS17)。検出温度Ts2が第1基準温度Taに満たない場合(ステップS17においてNO)、制御手段Cは、添加弁28A,28Bからの尿素水の添加を行なわない不添加制御を選択する(ステップS13)。
【0060】
検出温度Ts2が第1基準温度Ta以上である場合(ステップS17においてYES)、制御手段Cは、温度検出器37によって得られた検出温度Tmと、予め設定された第2基準温度Tbとの大小比較を行なう(ステップS18)。検出温度Tmが第2基準温度Tbに満たない場合(ステップS18においてNOの場合)、制御手段Cは、第2非常添加制御を選択する(ステップS19)。
【0061】
第2非常添加制御は、第2添加弁28Bからの添加量を増やすと共に、第1添加弁28Aからの添加量を減らす制御である。本実施形態では、第2非常添加制御における第2添加弁28Bからの添加量は、第2添加弁28Bにおける通常添加量と、第1添加弁28Aにおける通常添加量との和である。又、第2非常添加制御における第1添加弁28Aからの添加量は、零である。
【0062】
制御手段Cは、第1温度検出器36Aによって検出された温度Ts1と、第2温度検出器36Bによって検出された温度Ts2と、第1基準温度Taとの比較に基づいて、非常添加制御を選択する機能を備えている。
【0063】
検出温度Tmが第2基準温度Tb以上である場合(ステップS18においてYESの場合)、制御手段Cは、前記した通常添加制御を選択する(ステップS16)。
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の効果が得られる。又、第2の実施形態では、以下の効果が得られる。
【0064】
第1の実施形態では、2つの副選択還元型NOx触媒25A,25Bの下流の排気温度を同じと見なして、2つの副選択還元型NOx触媒25A,25Bのうちの一方(第1副選択還元型NOx触媒25A)の下流の排気温度のみを検出している。これに対し、第2の実施形態では、2つの副選択還元型NOx触媒25A,25Bの下流の排気温度が異なる場合もあると見なして、2つの副選択還元型NOx触媒25A,25Bの両方の下流の排気温度を検出している。2つの副選択還元型NOx触媒25A,25Bの下流の排気温度が異なる理由としては、内燃機関10の運転状態や、2つの副選択還元型NOx触媒25A,25Bの個々の昇温の違い等によって2つの副選択還元型NOx触媒25A,25Bの下流の排気温度に差が出るということがある。
【0065】
第2の実施形態のように、2つの副選択還元型NOx触媒25A,25Bの下流の排気温度をそれぞれ検出することで、早く温度が上がる副選択還元型NOx触媒(25A又は25B)を特定することができる。これにより、非常添加制御を早く始めて不添加制御時間を短くすることができ、その結果としてNOxの浄化を早期に始めることができる。
【0066】
次に、図5の第3の実施形態を説明する、第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合を用い、その詳細説明は省略する。
第1副選択還元型NOx触媒25Aから合流経路22に至る第1排気経路20Aの長さは、第2副選択還元型NOx触媒25Bから合流経路22に至る第2排気経路20Bの長さよりも大きくしてある。つまり、添加しない第2副選択還元型NOx触媒25Bから主選択還元型NOx触媒26に至る排気経路は、添加する第1副選択還元型NOx触媒25Aから主選択還元型NOx触媒26に至る排気経路よりも短くなるように設定されている。第3の実施形態における添加制御プログラムは、第1の実施形態の場合と同じであり、非常添加制御の際には、第1添加弁28Aからの添加量が増やされると共に、第2添加弁28Bからの添加量が零にされる。
【0067】
第3の実施形態では、添加しない第2副選択還元型NOx触媒25Bから主選択還元型NOx触媒26に至る排気経路が短いため、非常添加制御時には主選択還元型NOx触媒26における昇温が早まるという効果が得られる。又、添加する第1副選択還元型NOx触媒25Aから主選択還元型NOx触媒26に至る排気経路が長いため、第1副選択還元型NOx触媒25Aから主選択還元型NOx触媒26に至る途中での尿素からアンモニアへの変換時間が長くなり、変換量が増える。そのため、NOxの浄化効率を高めることができる。
【0068】
本発明では以下のような実施形態も可能である。
○図6に示す第2の実施形態のように、副選択還元型NOx触媒25A,25Bの代わりに、DPR触媒39Aと選択還元型NOx触媒40Aとを一体化した一体型触媒41A、及びDPR触媒39Bと選択還元型NOx触媒40Bとを一体化した一体型触媒41Bを用いてもよい。この場合、添加弁28A,28Bは、一体型触媒41A,41Bよりも上流に尿素水を添加するようにすればよい。一体型触媒41A,41Bの採用は、コストに関して有利である。
【0069】
○図6に示すように、エアフローメータ38A,38Bから得られる吸気流量情報、インテークマニホールド15内の圧力検出器42によって得られる過給圧情報、回転数情報等から推定したNOx排出量を添加制御に用いてもよい。NOx排出量の推定は、例えば特開2010−270664号公報、特開2005−139983号公報等に開示されている。なお、制御手段Cは、圧力検出器42によって検出される過給圧が目標過給圧になるように、過給機19A,19Bのタービン部192A,192Bにおけるベーン開度を制御する。
【0070】
○副選択還元型NOx触媒25A,25Bの代わりにNOx吸蔵還元触媒又はDPNR触媒(吸蔵還元型NOx触媒を担持して構成されるDieselel・Particulate・NOx・Reduction)を用い、尿素水の添加の代わりに燃料(軽油)を添加するようにしてもよい。この場合、主選択還元NOx触媒26の下流には、主選択還元NOx触媒26をすり抜けた燃料を酸化させる酸化触媒をアンモニア触媒27に変えて配置する。
【0071】
○副選択還元型NOx触媒25A,25Bとして低温浄化率の高い選択還元型NOx触媒を用い、主選択還元型NOx触媒26として高温浄化率の高い選択還元型NOx触媒を用いる組み合わせとしてもよい。この場合、予め設定する第1基準温度を下げることで、不添加制御の期間を短くすることができ、NOxの浄化効率を高めることができる。
【0072】
○副選択還元型NOx触媒25Aとして低温浄化率の高い選択還元型NOx触媒を用い、副選択還元型NOx触媒25Bとして中温浄化率の高い選択還元型NOx触媒を用い、主選択還元型NOx触媒26として高温浄化率の高い選択還元型NOx触媒を用いる組み合わせとしてもよい。この場合、予め設定する第1基準温度を下げることで、不添加制御の期間を短くするとともに、通常添加制御時の副選択還元型NOx触媒25BにおけるNOx浄化率を高めることができ、主選択還元型NOx触媒に流入するNOx量を減らすことができる。
【0073】
○第1の実施形態において、非常添加制御では第2副選択還元型NOx触媒25Bにおける添加量を零ではない添加量に減らすようにしてもよい。
○第1の実施形態において、非常添加制御では第1副選択還元型NOx触媒25Aにおける尿素水添加量を減らし、第2副選択還元型NOx触媒25Bにおける尿素水添加量を増やすようにしてもよい。
【0074】
○第1の実施形態において、第2排気経路20B内の排気温度を検出する温度検出器を設け、該温度検出器から得られる検出温度と温度検出器36Aから得られる検出温度との平均値を図2のフローチャートのステップS1における温度Tsとして用いてもよい。あるいは該温度検出器から得られる検出温度と温度検出器36Aから得られる検出温度とのうち低い方の温度を温度Tsとして用いてもよい。
【0075】
○第1基準温度として、尿素分解温度より高く、主選択還元型NOx触媒26における活性温度より低い温度を採用してもよい。
○第2基準温度として、主選択還元型NOx触媒26における活性温度より高い温度を採用してもよい。
【0076】
○制御手段Cにおける尿素水の添加制御として、主選択還元型NOx触媒26及び副選択型NOx触媒25A,25Bにおけるアンモニアの吸着量と、内燃機関10より排出されるNOx量とを算出し、各選択還元型NOx触媒に吸着できるアンモニア量に応じて尿素水の添加を休止する制御を採用してもよい。
【0077】
○本発明をガソリンエンジンに適用してもよい。
【符号の説明】
【0078】
20A…第1排気経路。20B…第2排気経路。22…合流経路。220…合流部。25A…第1副NOx触媒としての第1副選択還元型NOx触媒。25B…第2副NOx触媒としての第2副選択還元型NOx触媒。26…主NOx触媒としての主選択還元型NOx触媒。30A…第1添加手段。30B…第2添加手段。36A…第1温度検出器である温度検出器。36B…第2温度検出器である温度検出器。37…第3温度検出器である温度検出器。C…制御手段。Ta…第1基準温度。Tb…第2基準温度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1排気経路及び第2排気経路が内燃機関から延出しており、前記第1排気経路における排気ガスを浄化するNOx触媒及び前記第2排気経路における排気ガスを浄化するNOx触媒が設けられている内燃機関における排気ガス浄化装置において、
前記第1排気経路と前記第2排気経路とが合流されており、
前記第1排気経路には第1副NOx触媒が設けられており、
前記第2排気経路には第2副NOx触媒が設けられており、
前記第1排気経路と前記第2排気経路との合流部より下流の合流経路には主NOx触媒が設けられており、
前記第1副NOx触媒の上流でアンモニア源を供給する第1添加手段が設けられており、
第2副NOx触媒の上流でアンモニア源を供給する第2添加手段が設けられている内燃機関における排気ガス浄化装置。
【請求項2】
前記第1副NOx触媒の温度を検出する第1温度検出器と、
前記第1添加手段における添加量及び前記第2添加手段における添加量を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記第1温度検出器によって検出された温度と、予め設定された第1基準温度との比較に基づいて、前記第1添加手段と前記第2添加手段とのいずれか一方の添加量を増やし、他方の添加量を減らす非常添加制御を選択する機能を備える請求項1に記載の内燃機関における排気ガス浄化装置。
【請求項3】
前記第2副NOx触媒の温度を検出する第2温度検出器をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1温度検出器によって検出された温度と、前記第2温度検出器によって検出された温度と、前記第1基準温度との比較に基づいて、前記非常添加制御を選択する機能を備える請求項2に記載の排気ガス浄化装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1温度検出器によって検出された温度と、前記第2温度検出器によって検出された温度とのいずれか高い方の温度が、前記第1基準温度以上である場合には、前記非常添加制御として、前記第1副NOx触媒と前記第2副NOx触媒とのうちの温度が高い方へアンモニア源を供給する添加手段の添加量を増やし、温度が低い方への添加量を減らす制御を遂行する請求項3に記載の排気ガス浄化装置。
【請求項5】
前記非常添加制御は、前記他方の添加量を零にする制御である請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の排気ガス浄化装置。
【請求項6】
前記非常添加制御における添加量を増やす添加手段における添加量は、通常添加制御における前記第1添加手段における添加量と前記第2添加手段における添加量との和である請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の排気ガス浄化装置。
【請求項7】
前記第1温度検出器によって検出された温度および前記第2温度検出器によって検出された温度が前記第1基準温度未満である場合には、前記制御手段は、前記第1添加手段における添加量と前記第2添加手段における添加量とを零にする不添加制御を遂行する請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の排気ガス浄化装置。
【請求項8】
前記第1温度検出器によって検出された温度が前記第1基準温度以上である場合には、前記制御手段は、前記非常添加制御を遂行する請求項2に記載の排気ガス浄化装置。
【請求項9】
前記第1温度検出器によって検出された温度が前記第1基準温度未満である場合には、前記制御手段は、前記第1添加手段における添加量と前記第2添加手段における添加量とを零にする不添加制御を遂行する請求項2及び請求項8のいずれか1項に記載の排気ガス浄化装置。
【請求項10】
前記主NOx触媒の温度を検出する第3温度検出器を備え、前記制御手段は、前記第3温度検出器によって検出された温度と、予め設定された第2基準温度との比較に基づいて、前記第1添加手段と前記第2添加手段との添加量を通常添加量に制御する通常添加制御を選択する機能を備える請求項2乃至請求項8のいずれか1項に記載の排気ガス浄化装置。
【請求項11】
前記主NOx触媒、前記第1副NOx及び前記第2副NOxは、いずれも選択還元型NOx触媒である請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の内燃機関における排気ガス浄化装置。
【請求項12】
前記合流部は、第1排気経路に比べて第2排気経路が短くなるように設け、前記制御手段は、前記非常添加制御として、前記第1添加手段の添加量を増やし、前記第2添加手段の添加量を減らす制御を遂行する請求項2に記載の内燃機関における排気ガス浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−113194(P2013−113194A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259349(P2011−259349)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】