説明

内燃機関の制御装置

【課題】この発明は、アルコール燃料の噴射量が増量される場合に、燃料カットを適切なタイミングで実行及び禁止することを目的とする。
【解決手段】ECU60は、燃料中のアルコール濃度Eとエンジン水温Twとに基いて燃料増量値Hを算出し、この燃料増量値Hを燃料噴射量に反映させる。また、エンジンの予測回転数Rが上限判定値以上R1である場合には、燃料増量値H及び予測回転数Rが小さくなる許可領域のみにおいて燃料カットを許可し、燃料増量値Hまたは予測回転数Rが許可領域から外れる禁止領域において燃料カットを禁止する。これにより、多量の未燃燃料が触媒24に付着し易い領域では燃料カットを禁止し、未燃燃料の後燃え等により触媒24が過熱状態となるのを防止することができる。従って、触媒24を劣化や損傷から保護し、FFV等の排気エミッションを向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばFFV(Flexible-Fuel Vehicle)等の車両に搭載され、運転状態に応じて燃料カットを行う機能を備えた内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、例えば特許文献1(特開2001−152942号公報)に開示されているように、触媒の温度状態に基いて燃料カットの禁止及び許可を行う構成とした内燃機関の制御装置が知られている。従来技術では、触媒温度が高い場合に、燃料カットを禁止して触媒の熱劣化を抑制するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−152942号公報
【特許文献2】特開2007−120389号公報
【特許文献3】特開平11−50885号公報
【特許文献4】特開2006−112289号公報
【特許文献5】特開2007−303390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術は、アルコール燃料を使用しない通常のガソリンエンジンにおいて、一定の効果を得ることができる。しかし、この制御をFFV等の車両に適用する場合には、次のような問題が生じる。一般に、アルコール燃料は、ガソリンと比較して気化し難いので、FFVにおいて低温状態で加速が行われるとき(低温加速時)には、燃料噴射量が大きく増量される傾向がある。この結果、低温加速時には、多量の未燃燃料が触媒に到達しており、この状態で燃料カットが実行されて触媒に酸素が供給されると、触媒内で未燃燃料の燃焼(後燃え)が生じ易い。即ち、従来技術では、低温加速時などに、未燃燃料の後燃えによって触媒の劣化や損傷が生じたり、排気エミッションや運転性が悪化するという問題がある。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、低温始動等によりアルコール燃料の噴射量が増量される場合に、燃料カットを適切なタイミングで実行及び禁止し、排気エミッションや運転性を向上させることが可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、アルコール成分を含む燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料が燃焼して生じた排気ガスを浄化する触媒と、
燃料中のアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段と、
少なくとも燃料中のアルコール濃度と機関温度とに基いて、前記燃料噴射弁の基本燃料噴射量に対する噴射燃料の増量分である燃料増量値を算出する増量補正手段と、
内燃機関の運転状態に基いて予測される機関回転数の予測値である予測回転数が所定の上限判定値以上である場合に、前記燃料増量値または当該燃料増量値と相関があるパラメータと前記予測回転数とに基いて、燃料カットの許可及び禁止を判定する燃料カット判定手段と、
燃料カットが許可された場合にのみ、前記燃料噴射弁を停止して燃料カットを実行する燃料カット手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
第2の発明によると、前記燃料カット判定手段は、前記燃料増量値及び前記予測回転数がそれぞれの許可判定値よりも小さくなる所定の領域において燃料カットを許可し、前記燃料増量値と前記予測回転数のうち少なくとも一方が前記許可領域から外れて大きくなる領域において燃料カットを禁止する構成としている。
【0008】
第3の発明は、前記予測回転数が前記上限判定値未満の場合でも、前記燃料増量値または前記パラメータと前記触媒の温度とに基いて燃料カットの許可及び禁止を判定する他の燃料カット判定手段を備える。
【0009】
第4の発明は、前記燃料カット手段により燃料カットが許可されても、燃料カットに起因するトルク変動量が許容限度を超える場合に、燃料カットを禁止するトルク変動回避手段を備える。
【0010】
第5の発明は、吸気バルブの開弁特性を可変に設定する可変動弁機構と、
燃料カットが禁止された場合に、前記可変動弁機構により前記吸気バルブの開弁特性を変更して吸入空気量を制限する吸気量制限手段と、を備える。
【0011】
第6の発明は、少なくとも燃料の蒸発速度に対応するパラメータに基いて前記触媒に到達する未燃燃料の量を推定する未燃燃料量推定手段を備え、
前記燃料カット判定手段は、燃料カットの許可及び禁止を判定するときに、前記未燃燃料量推定手段により推定された未燃燃料量の推定値も判定結果に反映させる構成としている。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明によれば、アルコール燃料の使用により燃料増量値が増加して、多量の未燃燃料が触媒に付着し易い場合には、燃料カットを禁止することができる。これにより、未燃燃料の後燃え等により触媒が過熱状態となるのを防止し、触媒を劣化や損傷から保護することができ、排気エミッションを向上させることができる。
【0013】
第2の発明によれば、燃料増量値及び予測回転数が小さく、触媒に付着する未燃燃料の量が比較的少ない場合には、燃料カットにより内燃機関の過回転を防止することができる。また、予測回転数が上限判定値以上となっても、燃料増量値または予測回転数が大きく、触媒に付着する未燃燃料の量が多い場合には、燃料カットを禁止することができる。
【0014】
第3の発明によれば、予測回転数が上限判定値未満の状態でも、燃料増量値または触媒温度が大きい場合には、触媒の劣化や損傷が生じ易いと判断し、燃料カットを禁止することができる。従って、高回転以外の理由により燃料カットの要求が生じた場合でも、燃料カットを的確なタイミングで禁止し、触媒を保護することができる。
【0015】
第4の発明によれば、トルク変動回避手段は、燃料カット手段により燃料カットが許可されても、燃料カットに起因するトルク変動量が許容限度を超える場合に、燃料カットを禁止することができる。これにより、トルクショックを防止し、運転性を向上させることができる。
【0016】
第5の発明によれば、吸気量制限手段は、燃料カットが禁止された状態において、機関回転数の過剰な上昇や未燃燃料の後燃えが生じないように空気量を適切に制限することができる。従って、内燃機関の過回転や触媒の過熱を防止し、システムを保護することができる。
【0017】
第6の発明によれば、燃料カットの可否を判定するときに、未燃燃料の量も考慮することができる。従って、他のパラメータによれば燃料カットが許可されるような状況でも、触媒に付着する未燃燃料が多い場合には、燃料カットを禁止して触媒を確実に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。
【図2】燃料中のアルコール(エタノール)濃度と蒸気圧との関係を示す特性線図である。
【図3】冷間始動時に発生する未燃燃料の量(NMOG)をアルコールの濃度別に示す特性線図である。
【図4】燃料中のアルコール濃度Eとエンジン水温Twとに基いて燃料増量値Hを設定するための特性線図である。
【図5】予測回転数Rと燃料増量値Hとに基いて燃料カットの可否を判定するためのデータマップである。
【図6】燃料カットの実行前,後における触媒温度の変化を示す特性線図である。
【図7】触媒温度Tcと燃料増量値Hとに基いて燃料カットの可否を判定するためのデータマップである。
【図8】本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。
【図9】実施の形態の1の変形例において、予測回転数R(または触媒温度Tc)とエンジン水温Twとに基いて燃料カットの可否を判定するためのデータマップである。
【図10】本発明の実施の形態2において、吸気温度及び筒内圧に対する蒸発速度定数Ceの特性を示す特性線図である。
【図11】気液相対速度及び筒内圧に対する蒸発速度定数Ceの特性を示す特性線図である。
【図12】気液相対速度及び吸気温度に対する蒸発速度定数Ceの特性を示す特性線図である。
【図13】本発明の実施の形態2において、ECUにより実行される制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図9を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。本実施の形態のシステムは、FFV等の車両に搭載される内燃機関として多気筒型のエンジン10を備えている。エンジン10は、例えばメタノール、エタノール等のアルコール成分を含む燃料(アルコール燃料)及びガソリンが使用可能となっている。なお、図1は、エンジン10に搭載された複数気筒のうちの1気筒を例示したものである。エンジン10の各気筒には、ピストン12により燃焼室14が形成されており、ピストン12はクランク軸16に連結されている。また、エンジン10は、各気筒に吸入空気を吸込む吸気通路18を備えており、吸気通路18には、吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ20が設けられている。
【0020】
一方、エンジン10は、各気筒の排気ガスを排出する排気通路22を備えており、排気通路22には、排気ガスを浄化する三元触媒等の触媒24が設けられている。また、エンジンの各気筒は、例えば吸気通路18(吸気ポート)及び燃焼室14内(筒内)にそれぞれ燃料を噴射する2つの燃料噴射弁26,28と、混合気に点火する点火プラグ30と、吸気通路18を筒内に対して開閉する吸気バルブ32と、排気通路22を筒内に対して開閉する排気バルブ34とを備えている。なお、本発明では、必ずしも2つの燃料噴射弁26,28を備える必要はなく、一方の燃料噴射弁のみを用いてもよい。
【0021】
また、エンジン10は、吸気側及び排気側の可変動弁機構36,38を備えている。まず、吸気側について説明すると、吸気可変動弁機構36は、例えば日本特開2008−45460号公報に記載されているような公知の構成を有している。具体的に説明すると、吸気可変動弁機構36は、それぞれ揺動可能に支持された2本のアームと、アクチュエータにより回転駆動される制御軸とを有している。各アームが連結された状態では、吸気バルブ用の駆動カムから一方のアームにカム力が入力されると、このカム力が他方のアームに伝達され、吸気バルブ32が開閉する。また、カム力に対する他方のカムの揺動量は、制御軸の回転角に応じて変化し、これに伴って吸気バルブ32の開弁特性(開閉タイミング及びリフト量)が変化するように構成されている。
【0022】
なお、本発明では、可変動弁機構36として、例えば特開2007−16710号公報に記載されている電磁駆動式の動弁機構等や、特開2000−87769号公報に号公報に記載されているVVT(Variable Valve Timing system)等を用いてもよい。一方、排気可変動弁機構38も、吸気可変動弁機構36とほぼ同様に構成されており、排気バルブ34の開弁特性を可変に設定することができる。なお、本実施の形態では、2つの可変動弁機構36,38を用いる場合を例示したが、本発明はこれに限らず、吸気可変動弁機構36のみを搭載する構成としてもよい。
【0023】
また、本実施の形態のシステムは、エンジンの制御に必要な各種のセンサからなるセンサ系統と、エンジンの運転状態を制御するECU(Engine Control Unit)60とを備えている。まず、センサ系統について述べると、クランク角センサ40は、クランク軸16の回転に同期した信号を出力するもので、エアフローセンサ42は、エンジンの吸入空気量を検出する。また、水温センサ44はエンジン冷却水の温度(エンジン水温)を検出し、空燃比センサ46は排気空燃比を連続的な値として検出し、触媒温度センサ48は触媒24の床温(触媒温度)を検出する。
【0024】
また、アルコール濃度センサ50は、燃料中のアルコール濃度を検出するもので、本実施の形態のアルコール濃度検出手段を構成している。センサ系統には、この他にも、アクセル操作量(アクセルペダルの踏込み量)を検出するセンサ等を含む各種のセンサが含まれており、各センサはECU60の入力側に接続されている。ECU60の出力側には、スロットルバルブ20、燃料噴射弁26,28、点火プラグ30、可変動弁機構36,38等のアクチュエータが接続されている。
【0025】
そして、ECU60は、センサ系統により検出したエンジンの運転情報に基いて各アクチュエータを駆動し、運転制御を行う。具体的には、クランク角センサ40の出力に基いてエンジン回転数(機関回転数)とクランク角とを検出し、エアフローセンサ42により吸入空気量を検出する。また、エンジン回転数と吸入空気量とに基いて負荷率(機関負荷)を算出し、吸入空気量、負荷率、燃料中のアルコール濃度等に基いて燃料噴射量を算出する。このとき、ECU60は、後述のように、エンジン水温等に基いて燃料噴射量を増量補正する。また、ECU60は、クランク角に基いて燃料噴射時期及び点火時期を決定する。そして、燃料噴射時期が到来した時点で燃料噴射弁26,28を駆動し、点火時期が到来した時点で点火プラグ30を駆動する。これにより、各気筒で混合気を燃焼させ、エンジンを運転することができる。また、ECU60は、空燃比センサ46の出力等に基いて、排気空燃比が目標空燃比(理論空燃比)と一致するように燃料噴射量をフィードバック制御する空燃比制御を実行する。
【0026】
[実施の形態1の特徴]
一般に、ガソリンエンジンにおいては、エンジン回転数が規定の上限回転数に到達した場合に、燃料カットを実行して回転数を低下させる制御(以下、高回転燃料カットと称す)が知られている。しかし、アルコール燃料の使用時には、噴射燃料が気化し難いため、上記状況で燃料カットを実行すると、未燃燃料が触媒24に到達することになり、触媒の劣化や損傷が生じ易い。以下、図2及び図3を参照して、この問題について説明する。図2は、燃料中のアルコール(エタノール)濃度と蒸気圧との関係を示す特性線図である。この図に示すように、アルコール燃料は、燃料中のアルコール濃度が高くなるにつれて気化し難くなる。特に、低温での加速時(低温加速時)には、燃料噴射量が大きく増量されるので、気化し切れない多量の未燃燃料が触媒24に付着し易い。
【0027】
図3は、冷間始動時に発生する未燃燃料の量(NMOG)をアルコールの濃度別に示したものである。図3中の下図おいて、「E85」及び「E0」は、それぞれアルコール濃度が85%と0%の燃料を用いた場合のNMOGを示している。NMOGは、特に始動〜F.I.(ファーストアイドル運転)にかけて増加する傾向がある。このように多量の未燃燃料が高温の触媒に付着した状態で、燃料カットにより触媒に空気(酸素)が供給されると、未燃燃料の後燃え等により触媒が過熱状態となり、場合によっては触媒が溶損する。この現象は、アルコール燃料の使用時において、低温での加速から燃料カットへと移行した場合に特に発生し易い。一方、図3中の上図は、エンジン回転数の変化を示している。アルコール燃料は、その特性上、層流火炎速度が速く、MBT(Minimum spark advance for Best Torque)が遅角側に移動するので、ガソリンと比較して同一の点火時期におけるトルクが増加する。このため、燃料カットの実行時には、ガソリンよりも大きなトルクショック(トルク段差)が発生し易い。
【0028】
(第1の燃料カット判定制御)
上記問題を解決するために、本実施の形態では、加速時等に予測されるエンジン回転数の予測値(予測回転数)Rが所定の上限判定値R1以上の場合に、後述の燃料増量値Hと予測回転数Rとに基いて高回転燃料カットの許可及び禁止を判定する構成としている。ここで、上限判定値R1は、高回転燃料カットの要否を判定するための判定値であり、エンジンの上限回転数(所謂レッドゾーン)に応じて予め設定されている。従来のガソリンエンジンでは、予測回転数Rが上限判定値R1となった場合に、高回転での燃料カットを無条件で実行する。
【0029】
予測回転数Rは、加速時にエンジン回転数が到達すると予測される見込み回転数であり、例えばエンジンの運転状態や運転者のアクセル操作等に基いてデータマップから算出される。また、燃料増量値Hは、冷間時等に燃料噴射量を増量させるためのパラメータであり、図4に示すように、燃料中のアルコール濃度Eとエンジン水温Twとに基いて可変に設定される。この図に示すように、燃料増量値Hは、エンジン水温Twが低いほど、また、アルコール濃度Eが高いほど、増加するように設定されている。そして、燃料噴射制御では、エンジンの吸入空気量や負荷率等に基いて算出された基本燃料噴射量に対して、燃料増量値Hを含む各種の補正項が加算されることにより、最終的な燃料噴射量が算出される。なお、上記説明では、燃料増量値Hの算出に用いる機関温度の一例としてエンジン水温を例示したが、機関温度としては、潤滑油の温度等を用いてもよい。
【0030】
次に、図5は、予測回転数Rと燃料増量値Hとに基いて燃料カットの可否を判定するためのデータマップである。本実施の形態では、図5に示すように、燃料増量値H及び予測回転数Rがそれぞれの許可判定値よりも小さくなる所定の領域(許可領域)において燃料カットを許可し、燃料増量値Hと予測回転数Rのうち少なくとも一方が許可領域から外れて大きくなる領域(禁止領域)において燃料カットを禁止する。なお、燃料増量値Hの許可判定値と予測回転数Rの許可判定値は、図5のデータマップにおける許可領域と禁止領域との境界として得られるものである。
【0031】
ここで、許可領域は、高回転燃料カットを実行しても触媒温度が許容限度以下となる領域に対応するもので、許可領域と禁止領域との境界は、次のように設定される。図6は、燃料カットの実行前,後における触媒温度の変化を示す特性線図である。この図に示すように、燃料カットの実行時には、燃料増量値Hが増加するほど、触媒温度が大きく上昇する傾向がある。そして、燃料増量値Hがある程度以上増加すると、触媒温度が許容限度(性能担保上限温度)を超えて上昇し、劣化や溶損が生じ易くなる。
【0032】
また、燃料カットの実行時には、エンジン回転数が高くなるにつれて空気の供給量が増加し、触媒温度が上昇する傾向があり、ある程度以上の回転数では、触媒温度が許容限度よりも高くなる。従って、図5中の許可領域は、これらの傾向に基いて、燃料カットを実行した場合の触媒温度が許容限度以下となる領域として設定されている。そして、本実施の形態では、高回転燃料カットの要求が生じた場合(予測回転数R≧上限判定値R1が成立する場合)に、図5に示すデータマップに基いて燃料カットの可否を判定し、燃料カットが許可された場合にのみ、燃料噴射弁26,28を停止して燃料カットを実行する。
【0033】
本制御によれば、燃料増量値及び予測回転数が小さく、触媒に付着する未燃燃料の量が比較的少ない場合には、燃料カットによりエンジンの過回転を防止することができる。また、高回転燃料カットの要求が生じても、燃料増量値または予測回転数が大きく、触媒に付着する未燃燃料の量が多い場合には、燃料カットを禁止することができる。
【0034】
(第2の燃料カット判定制御)
上記第1の燃料カット判定制御では、高回転燃料カットの可否を判定したが、エンジンの運転中には、高回転燃料カットの要求が生じていない場合(予測回転数R<上限判定値R1が成立する場合)でも、減速時燃料カット等のような他の燃料カット要求が生じることがある。この場合にも、燃料増量値Hの大きさや触媒の温度状態によっては、燃料カットにより触媒の劣化、損傷が生じる虞れがあるので、本実施の形態では、以下に述べる第2の燃料カット判定制御を実行する構成としてもよい。
【0035】
第2の燃料カット判定制御では、予測回転数R<上限判定値R1が成立する場合において、触媒温度Tcと燃料増量値Hとに基いて燃料カットの許可及び禁止を判定する。図7は、これらのパラメータに基いて燃料カットの可否を判定するためのデータマップである。このデータマップは、燃料増量値H及び触媒温度Tcがそれぞれの許可判定値よりも小さくなる所定の許可領域において燃料カットを許可し、燃料増量値Hと触媒温度Tcのうち少なくとも一方が許可領域から外れて大きくなる禁止領域において、燃料カットを禁止するように設定されている。また、燃料増量値Hの許可判定値と触媒温度Tcの許可判定値は、図7のデータマップにおける許可領域と禁止領域との境界として得られる。この境界は、前記第1の燃料カット判定制御の場合とほぼ同様に、燃料カットを実行した場合の触媒温度が許容限度以下となるように設定されている。
【0036】
本制御によれば、予測回転数Rが上限判定値R1未満の状態でも、燃料増量値Hまたは触媒温度Tcが大きい場合には、触媒の劣化や損傷が生じ易いと判断し、燃料カットを禁止することができる。従って、高回転以外の理由により燃料カットの要求が生じた場合でも、燃料カットを的確なタイミングで禁止し、触媒24を保護することができる。
【0037】
(第3の燃料カット判定制御)
燃料カットの実行時には、前述のようにトルクショックが発生し、運転性が悪化することがある。このため、本実施の形態では、上記第1,第2の燃料カット判定制御により燃料カットが許可されても、当該燃料カットに起因するトルク変動量が許容限度を超える場合に、トルク変動の回避を目的として燃料カットを禁止してもよい。ここで、燃料カットに起因するトルク変動量は、燃料増量Hが大きいほど、また、予測回転数が高いほど大きくなる特性がある。この特性はデータマップ等としてECU60に予め記憶されており、ECU60は、当該データマップに基いて算出したトルク変動量と許容限度との大小関係を判定する。この制御によれば、燃料カットにより生じるトルクショックを防止し、運転性を向上させることができる。
【0038】
(吸気量制限制御)
また、上記第1〜第3の燃料カット判定制御の何れかにより燃料カットを禁止した場合には、吸気量制限制御を実行してもよい。吸気量制限制御では、吸気可変動弁機構36により吸気バルブ32のリフト量を減少させ、筒内への流入空気量を抑制する。この制御によれば、燃料カットを禁止した状態において、エンジン回転数の過剰な上昇や未燃燃料の後燃えが生じないように空気量を適切に制御することができる。従って、エンジンの過回転や触媒の過熱を防止し、システムを保護することができる。
【0039】
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
次に、図8を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。この図に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰返し実行されるものとする。図8に示すルーチンでは、まず、ステップ100において、燃料中のアルコール濃度Eを検出し、ステップ102では、前述の燃料増量値Hを算出する。なお、基本噴射量の算出処理は、図8と異なるルーチンで並列に実行されるので、本ルーチンには記載していない。次に、ステップ104では、高回転燃料カットの要否、即ち、予測回転数Rが上限判定値R1以上であるか否かを判定する。
【0040】
そして、ステップ104の判定が成立した場合には、ステップ106において、予測回転数Rと燃料増量値Hとに基いて図5のデータマップから燃料カットの可否を判定する。この判定結果は後述のステップ112に反映される。一方、ステップ104の判定が不成立の場合には、減速時燃料カット等を含む他の燃料カットの要求があるか否かを判定する。この判定が成立した場合には、ステップ110において、触媒温度Tcと燃料増量値Hとに基いて図7のデータマップから燃料カットの可否を判定する。この判定結果はステップ112に反映される。
【0041】
次に、ステップ112では、前記ステップ106またはステップ110の判定結果に基いて、燃料カットを許可するか否かを判定する。ここで、燃料カットが許可された場合には、ステップ114において、トルク変動量が許容限度以下であるか否かを判定し、この判定が成立した場合には、ステップ116において、燃料カットを実行する。そして、燃料カットの実行後には、ステップ118において、噴射燃料を燃焼させる通常の運転を開始する。一方、ステップ112,114の何れかで判定が不成立となった場合には、燃料カットが禁止されたので、ステップ120では、前述した吸気量制限制御の実行状態を示すフラグを「ON」に設定し、ステップ122では、吸気可変動弁機構36により吸気量制限制御(GA低減運転)を実行する。
【0042】
以上詳述した通り、本実施の形態によれば、アルコール燃料の使用により燃料増量値Hが増加して、多量の未燃燃料が触媒24に付着し易い場合には、燃料カットを禁止することができる。これにより、低温加速時等においても、未燃燃料の後燃え等により触媒24が過熱状態となるのを防止し、触媒24を劣化や損傷から保護することができ、FFV等の排気エミッションを向上させることができる。
【0043】
なお、前記実施の形態1では、図8中のステップ102が請求項1における増量補正手段の具体例を示し、ステップ106,112が請求項1,2における燃料カット判定手段の具体例を示している。また、ステップ110,112は、請求項3における他の燃料カット判定手段の具体例を示し、ステップ114は、請求項4におけるトルク変動回避手段の具体例を示し、ステップ116は、請求項1における燃料カット手段の具体例を示し、ステップ122は、請求項5における吸気量制限手段の具体例を示している。
【0044】
また、前記実施の形態1では、燃料カットの可否を判定するためのパラメータとして、予測回転数R及び燃料増量値Hを用いる場合(図5)と、触媒温度Tc及び燃料増量値Hを用いる場合(図7)について例示した。しかし、本発明では、図9に示す変形例のように、燃料増量値Hに代えて、燃料増量値Hと相関があるパラメータ(例えば、エンジン水温Tw)を用いる構成としてもよい。ここで、図9は、実施の形態の1の変形例において、予測回転数Rとエンジン水温Tw(または触媒温度Tc)とに基いて燃料カットの可否を判定するためのデータマップである。
【0045】
燃料増量値Hは、前述の図4に示すように、エンジン水温Twが高くなるほど減少するように設定される。この設定に基いて、図5及び図6中の燃料増量値Hをエンジン水温Twに置換えることにより、図9に示すデータマップを得ることができる。そして、変形例では、図5及び図7に示すデータマップの少なくとも一方に代えて、図9に示すデータマップに基いて燃料カットの可否を判定する。具体的には、エンジン水温Twが第1の許可判定値よりも高くなり、かつ、予測回転数R(触媒温度Tc)が第2の許可判定値よりも小さくなる所定の許可領域において燃料カットを許可する。一方、エンジン水温Twが許可領域から外れて低くなるか、または予測回転数R(触媒温度Tc)が許可領域から外れて大きくなる禁止領域において燃料カットを禁止する。なお、第1,第2の許可判定値は、図9のデータマップにおける許可領域と禁止領域との境界として得られる。この構成によっても前述の作用効果を得ることができる。
【0046】
実施の形態2.
次に、図10乃至図13を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態は、前記実施の形態1とほぼ同様の構成及び制御に加えて、未燃燃料の量を考慮することを特徴としている。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0047】
[実施の形態2の特徴]
本実施の形態では、燃料の蒸発速度に対応するパラメータ(蒸発速度定数Ce)に基いて触媒24に到達する未燃燃料の量Qを推定し、燃料カットの可否を判定するときに、推定した未燃燃料量Qを判定結果に反映させる構成としている。まず、蒸発速度定数Ceについて説明すると、燃料噴射弁から噴射された燃料の液滴は徐々に気化するので、液滴の粒径及び表面積は時間が経過するにつれて小さくなる。蒸発速度定数Ceは、燃料の液滴の表面積が減少するときの速度(表面積の単位時間当たりの変化量)に相当している。即ち、蒸発速度定数Ceと、噴射燃料の液滴の初期粒径D0と、時間Δtが経過した後における液滴の粒径D1との間には、下記(1)式が成立する。また、(1)式を時間微分することにより、下記(2)式を得ることができる。ここで、λg、θg、θw、L、ρlは、それぞれ気体の熱伝達率[W/m・K]、気体の温度[K]、液体の表面温度[K]、蒸発潜熱[J/kg]、燃料密度[kg/m]である。
【0048】
D1=D0−Ce×Δt ・・・(1)
dD/dt=−Ce=−8λg×(θg−θw)/Lρl ・・・(2)
【0049】
このように定義される蒸発速度定数Ceは、図10乃至図12に示すように、筒内圧、吸気温度(外気温度)、気液相対速度等に応じて変化する。ここで、図10は、吸気温度及び筒内圧に対する蒸発速度定数Ceの特性を示し、図11は、気液相対速度及び筒内圧に対する蒸発速度定数Ceの特性を示し、図12は、気液相対速度及び吸気温度に対する蒸発速度定数Ceの特性を示している。なお、気液相対速度とは、気相と液相の相対的な速度差を表す公知のパラメータであり、熱伝達率を求める際のレイノルズ数の算出に用いられる。また、上記各特性データは、エタノール燃料において得られるものである。
【0050】
図10乃至図12に示すように、蒸発速度定数Ceは、吸気温度が高いほど、また、筒内圧が低いほど、増加する特性を有しており、更に、気相と液相の相対的な速度差である気液相対速度が大きいほど、増加する特性を有している。また、図10乃至図12に示す特性データは、例えば燃料温度が25[℃]で、噴射燃料の初期粒径が100[μm]である状態(基準の状態)において得られるもので、蒸発速度定数Ceは、基準の状態に対して燃料温度が高くなるほど、また、初期粒径が小さくなるほど、増加する特性を有している。なお、初期粒径は、燃料噴射弁の仕様(例えば噴射孔径、燃料の噴射圧)、吸気負圧等に基いて求めることができる。
【0051】
従って、蒸発速度定数Ceの算出処理では、まず、筒内圧、吸気温度及び気液相対速度に基いて上記各特性データを参照することにより、前記基準の状態における蒸発速度定数Ceを算出する。そして、この算出値を、噴射燃料の温度及び初期粒径に基いて補正することにより、最終的な蒸発速度定数Ceを算出することができる。
【0052】
次の処理では、触媒24に到達する未燃燃料の量Qを推定する。詳しく述べると、未燃燃料量Qは、燃料噴射量Fと、噴射燃料が触媒に到達するまでの時間tと、蒸発速度定数Ceに基いて下記(3)式により算出される。
【0053】
Q=(F−Ce×t)×K ・・・(3)
【0054】
上記(3)式において、(Ce×t)は、噴射燃料が触媒に到達するまでに気化した燃料の気化量に相当する値であり、基本的には、この値を燃料噴射量Fから減算したものが未燃燃料量Qに相当すると考えられる。また、補正係数Kは、燃焼に寄与する燃料や壁面に付着する燃料等に応じて未燃燃料量Qが減少する分を補正するための係数であり、1よりも小さい値に設定される。なお、補正係数Kは、エンジン水温、空燃比等に応じて変化させる構成としてもよい。
【0055】
そして、本実施の形態では、このように算出した未燃燃料量Qと、燃料増量値Hと、予測回転数R(または触媒温度Tc)とに基いて、燃料カットの可否を判定する。即ち、燃料カットの実行時には、未燃燃料量Qが増加するほど、触媒の劣化や損傷が生じ易くなる。従って、第1の燃料カット判定制御では、燃料増量値H、予測回転数R及び未燃燃料量Qがそれぞれの許可判定値よりも小さくなる所定の許可領域において燃料カットを許可し、これらのパラメータのうち少なくとも1つが許可領域から外れて大きくなる禁止領域において燃料カットを禁止する。また、第2の燃料カット判定制御では、燃料増量値H、触媒温度Tc及び未燃燃料量Qがそれぞれの許可判定値よりも小さくなる所定の許可領域において燃料カットを許可し、これらのパラメータのうち少なくとも1つが許可領域から外れて大きくなる禁止領域において燃料カットを禁止する。
【0056】
なお、これらの燃料カット判定制御において、禁止領域と許可領域は、燃料増量値H、予測回転数R(触媒温度Tc)及び未燃燃料量Qをパラメータとする3次元のデータマップにより設定され、それぞれのパラメータの許可判定値は、禁止領域と許可領域との境界として得られるものである。また、許可領域は、実施の形態1と同様に、燃料カットを実行した場合の触媒温度が許容限度以下となる領域として設定されている。
【0057】
[実施の形態2を実現するための具体的な処理]
次に、図13を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。この図に示すルーチンは、実施の形態1の図8に示すルーチンに対して、ステップ200,202,204のみが異なるものであるため、これらのステップ以外の処理については説明を省略する。図13に示すルーチンにおいて、ステップ200では、前述の方法により未燃燃料量Qを推定する。また、ステップ202では、燃料増量値H、予測回転数R及び未燃燃料量Qに基いて3次元のデータマップを参照することにより、燃料カットの可否を判定する。一方、ステップ204では、燃料増量値H、触媒温度Tc及び未燃燃料量Qに基いて3次元のデータマップを参照することにより、燃料カットの可否を判定する。そして、ステップ202,204の判定結果は、ステップ112に反映される。
【0058】
このように構成される本実施の形態でも、前記実施の形態1とほぼ同様の作用効果を得ることができる。しかも、本実施の形態では、燃料カットの可否を判定するときに未燃燃料量Qも考慮するので、他のパラメータによれば燃料カットが許可されるような状況でも、触媒24に付着する未燃燃料の量が多い場合には、燃料カットを禁止して触媒を確実に保護することができる。
【0059】
なお、前記実施の形態2では、図13中のステップ200が請求項6における未燃燃料量推定手段の具体例を示し、ステップ202,204は、請求項6における燃料カット判定手段の具体例を示している。また、実施の形態2では、燃料増量値H、予測回転数R(触媒温度Tc)及び未燃燃料量Qに基いて燃料カットの可否を判定する構成としたが、本発明では、実施の形態1の変形例と実施の形態2とを組合わせることにより、エンジン水温Tw、予測回転数R(触媒温度Tc)及び未燃燃料量Qに基いて燃料カットの可否を判定する構成としてもよい。
【0060】
また、前記各実施の形態では、アルコール燃料としてエタノール燃料を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、エタノール以外の他のアルコール成分にも広く適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
10 エンジン
12 ピストン
14 燃焼室
16 クランク軸
18 吸気通路
20 スロットルバルブ
22 排気通路
24 触媒
26,28 燃料噴射弁
30 点火プラグ
32 吸気バルブ
34 排気バルブ
36,38 可変動弁機構(弁停止機構)
40 クランク角センサ
42 エアフローセンサ
44 水温センサ
46 空燃比センサ
48 触媒温度センサ
50 アルコール濃度センサ(アルコール濃度検出手段)
60 ECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコール成分を含む燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料が燃焼して生じた排気ガスを浄化する触媒と、
燃料中のアルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段と、
少なくとも燃料中のアルコール濃度と機関温度とに基いて、前記燃料噴射弁の基本燃料噴射量に対する噴射燃料の増量分である燃料増量値を算出する増量補正手段と、
内燃機関の運転状態に基いて予測される機関回転数の予測値である予測回転数が所定の上限判定値以上である場合に、前記燃料増量値または当該燃料増量値と相関があるパラメータと前記予測回転数とに基いて、燃料カットの許可及び禁止を判定する燃料カット判定手段と、
燃料カットが許可された場合にのみ、前記燃料噴射弁を停止して燃料カットを実行する燃料カット手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記燃料カット判定手段は、前記燃料増量値及び前記予測回転数がそれぞれの許可判定値よりも小さくなる所定の領域において燃料カットを許可し、前記燃料増量値と前記予測回転数のうち少なくとも一方が前記許可領域から外れて大きくなる領域において燃料カットを禁止する構成としてなる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
前記予測回転数が前記上限判定値未満の場合でも、前記燃料増量値または前記パラメータと前記触媒の温度とに基いて燃料カットの許可及び禁止を判定する他の燃料カット判定手段を備えてなる請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項4】
前記燃料カット手段により燃料カットが許可されても、燃料カットに起因するトルク変動量が許容限度を超える場合に、燃料カットを禁止するトルク変動回避手段を備えてなる請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項5】
吸気バルブの開弁特性を可変に設定する可変動弁機構と、
燃料カットが禁止された場合に、前記可変動弁機構により前記吸気バルブの開弁特性を変更して吸入空気量を制限する吸気量制限手段と、
を備えてなる請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項6】
少なくとも燃料の蒸発速度に対応するパラメータに基いて前記触媒に到達する未燃燃料の量を推定する未燃燃料量推定手段を備え、
前記燃料カット判定手段は、燃料カットの許可及び禁止を判定するときに、前記未燃燃料量推定手段により推定された未燃燃料量の推定値も判定結果に反映させる構成としてなる請求項1または3に記載の内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−11176(P2013−11176A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142636(P2011−142636)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】