説明

内燃機関の希薄排ガスから窒素酸化物およびカーボンブラック粒子を除去するための方法

【課題】硫黄酸化物をも含有する希薄排ガスから窒素酸化物およびカーボンブラック粒子を除去するための方法において、カーボンブラック粒子が析出される粒子フィルターの再生のためのカーボンブラックの燃焼に際し二酸化窒素の高められた放出の危険を回避する。
【解決手段】排ガス流を窒素酸化物蓄積触媒3および粒子フィルター4上に導き、蓄積触媒を第1の作業周期で周期的に排ガスの過濃化によって脱ニトロ化し、第2の作業周期で、カーボンブラック焙焼残分が粒子フィルター4上で引火しかつその後に蓄積触媒3が排ガスの過濃化により脱硫されうる値に希薄排ガスの温度を上昇させることにより、粒子フィルター4の再生ならびに窒素酸化物蓄積触媒3の脱硫を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫黄酸化物の僅かな濃度をも有する、内燃機関の希薄排ガスから窒素酸化物およびカーボンブラック粒子を除去するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
希薄排ガスを有する内燃機関は、ディーゼルエンジンおよび希薄な空気/燃料混合気で運転されるガソリンエンジン、所謂希薄混合気エンジン(Magermotoren)である。これらのエンジンの排ガス中には、本質的な有害物質として一酸化炭素CO、未燃焼の炭化水素HC、窒素酸化物NOおよびカーボンブラック粒子ならびに硫黄酸化物SOが存在し、この場合この硫黄酸化物は、燃料および潤滑油の硫黄含量によって惹起される。この排ガスは、化学量論的に運転されるガソリンエンジンの排ガスとは異なり、酸素の高い百分率を有する。前記エンジンの排ガス中の空気比λは、一般に1.3〜2の範囲内にある。
【0003】
空気比λは、化学量論的条件に対して規格化された空気/燃料比である。空気/燃料比は、1kgの燃料の完全燃焼のために何kgの空気が必要とされるのかを定めるものである。通常の燃料の場合には、化学量論的空気/燃料比は、1の空気比に相応して14.6の値である。内燃機関によって放出される排ガスの空気比は、内燃機関に供給される空気/燃料混合気の空気比に対応する。1を超える空気比を有する排ガスは、希薄と呼称され、1未満の空気比を有する排ガスは、過濃(fett)と呼称される。
【0004】
次の説明は、ディーゼルエンジンに関連するものである。しかし、当業者には、記載することができる方法が、同様の成果をもって希薄混合気エンジンの排ガスからの窒素酸化物およびカーボンブラック粒子の除去に使用可能であることは、明らかなことである。
【0005】
ディーゼルエンジンの希薄排ガス中の酸化可能な成分は、高い酸素含量のために高い作用をもって所謂酸化触媒もしくはディーゼル酸化触媒により除去されることができる。これとは異なり、希薄排ガス中の窒素酸化物の除去は、著しく困難である。また、排ガスからのカーボンブラック粒子の除去は、依然として満足には解決されていない。
【0006】
欧州連合においてディーゼル車について2005年に予定されている限界値は、窒素酸化物の放出量およびカーボンブラックの放出量を同時に減少させることを目指している。2.5トン未満の許容される全質量を有する自動車について予定されている限界値は、窒素酸化物(NO)について0.25g/kmであり、粒子について0.025g/kmである。ディーゼルエンジンについての建設的な方法によって、それぞれ2つの有害成分の中の1つだけが減少される可能性があり、一方で、別の成分は、同時に強化されて発生する。
【0007】
即ち、例えば燃焼の最適化によって、カーボンブラックの放出量は減少させることができる。しかし、このために必要とされる高い燃焼温度は、窒素酸化物の強化された形成を生じる。窒素酸化物は、その側で排ガス返送(EGR=Exhaust Gas Recirculation)のような方法によって減少させることができるが、しかし、このことは、再びカーボンブラック粒子の放出量を高める。記載された使用範囲についてのディーゼルエンジンのその当時の開発状況は、窒素酸化物およびカーボンブラックの放出に関連しての最適化であった。窒素酸化物の放出量は、前記エンジンの場合に100体積ppm未満の部分負荷範囲内にあり、粒子の放出量は、約0.5g/kmである。両成分の中の1つをエンジンによる方法によってさらに減少させる試みは、自動的に別の有害物質成分の高められた放出量をまねく。
【0008】
従って、予定された排ガス限界値は、適当な排ガス後処理によってのみ維持されることができる。現在、カーボンブラックの放出量を減少させるために、主にカーボンブラックフィルターが使用されている。この場合には、ハネカム体中の公知の触媒支持体と同様に構成されている所謂壁面流フィルターが広く普及している。壁面流フィルターの場合、ハネカム体を貫通する流動通路は、排ガスに対して相互に閉鎖されており、したがって排ガスは、フィルターの多孔質壁を貫流しなければならない。このような壁面流フィルターは、排ガスからカーボンブラックを95%まで濾過する。
【0009】
カーボンブラックの負荷が増大するにつれて、フィルターの流れ抵抗は増大する。従って、フィルターは、カーボンブラックの燃焼によって再生されなければならない。現在、粒子フィルターを再生するための通常の方法は、熱的方法または接触的方法を利用するか或いは粒子フィルターの連続的または循環的再生のために燃料への添加剤を利用する。フィルターの接触的被覆または燃料への適当な添加剤によって、カーボンブラックの引火温度は、約450℃に減少させることができる。
【0010】
即ち、ドイツ連邦共和国特許第3407172号明細書C2には、ディーゼルエンジンの排ガスを浄化するための装置が記載されており、この装置は、ケーシング中に直接にかまたは距離をもって順次にフィルター素子を含み、この場合少なくとも1つのフィルター素子Aは、カーボンブラックの引火温度を低下させる被覆を支持し、少なくとも1つのフィルター素子Bは、ガス状有害物質の燃焼を促進させる触媒を支持し、フィルター素子AおよびBは、互いに数回交互に現われる。
【0011】
欧州特許第0341832号明細書B1には、大型トラック(Schwerlastwagen)の排ガスを処理するための方法が記載されている。排ガスは、この排ガス中に含有されている一酸化窒素を二酸化窒素に酸化するために、最初にフィルターなしに触媒上に導かれる。更に、二酸化窒素を含有する排ガスは、後接続されたフィルター上に堆積された粒子を燃焼させるために使用され、この場合二酸化窒素の量は、フィルター上に堆積された粒子の燃焼を400℃未満の温度で実施するのに十分である。
【0012】
欧州特許出願公開第0835684号明細書A2には、小型トラックおよび乗用車の排ガスを処理するための方法が記載されている。排ガスは、この方法によれば順次に接続された2個の触媒上に導かれ、これらの触媒の中の第1のものは、排ガス中に含有されている一酸化窒素を二酸化窒素に酸化し、この二酸化窒素は、再び第2の触媒上に堆積されたカーボンブラック粒子をCOに酸化し、この場合二酸化窒素は、次の反応式により窒素に還元される:
2NO+2C→2CO+N (1)
WO99/09307には、大型トラックのカーボンブラック放出量を減少させる方法が記載されている。この方法によれば、排ガスは、最初に二酸化窒素への一酸化窒素の酸化のために触媒上に導かれ、引続きカーボンブラックフィルター上に導かれ、このカーボンブラックフィルター上で析出されたカーボンブラックは、連続的に酸化される。浄化された排ガスの一部分は、冷却器上に導かれ、次にディーゼルエンジンの吸気に混入される。
【0013】
最後の方法の満足な機能化のための前提条件は、排ガス中に含有されているカーボンブラックのできるだけ完全な燃焼を反応式(1)により進行させることができるようにするために、十分な量の二酸化窒素を存在させることにある。このために、二酸化窒素は、酸化触媒により二酸化窒素への一酸化窒素の酸化によって製造され、このことは、二酸化窒素の意図しない放出をまねきうる。
【0014】
内燃機関の希薄排ガス中の窒素酸化物を減少させるために、所謂窒素酸化物蓄積触媒が開発されている。窒素酸化物蓄積触媒の機能形式および組成は、例えば欧州特許第0560991号明細書B1から公知である。この触媒は、蓄積材料としてアルカリ金属(例えば、カリウム、ナトリウム、リチウム、セシウム)、アルカリ土類金属(例えば、バリウム、カルシウム)または希土類金属(例えば、ランタン、イットリウム)の群からの少なくとも1つの成分を含有する。この蓄積触媒は、触媒活性元素として白金を含有する。酸化排ガス条件下、即ち希薄燃料での運転において、蓄積材料は、排ガス中に含有されている窒素酸化物を硝酸塩の形で蓄積することができる。しかし、このために、エンジンの構造形式およびその運転形式に応じて、約60〜95%が一酸化窒素からなる窒素酸化物を最初に二酸化窒素に酸化することが必要とされる。これは、蓄積触媒の白金成分に関連して行なわれる。
【0015】
蓄積触媒の蓄積能は制限されているので、この蓄積触媒は、ときどき再生されなければならない。窒素酸化物蓄積触媒の再生の過程を粒子フィルターの再生と明らかに区別しうるために、窒素酸化物蓄積触媒の再生は、本発明の範囲内で脱ニトロ化と呼称される。窒素酸化物蓄積触媒の脱ニトロ化のために、エンジンに供給される空気/燃料混合気の空気比、ひいてはエンジンを去る排ガスの空気比は、短時間で1未満の値に低下される。これは、空気/燃料混合気の過濃化または排ガスの過濃化と呼称される。即ち、この短い運転段階の間に、排ガス中には、蓄積触媒中への侵入前に還元条件が存在する。
【0016】
硝酸塩の形で蓄積される窒素酸化物は、過濃化段階の間の還元条件下で再び放出(脱着)され、蓄積触媒で一酸化炭素、炭化水素および水素の同時の酸化下に、常用の三元触媒の場合と同様に窒素に還元される。
【0017】
窒素酸化物蓄積触媒を使用する場合の本質的な問題は、燃料の硫黄含量にある。この硫黄含量は、内燃機関によって主に二酸化硫黄の形で放出される。二酸化硫黄は、常用の三元触媒に対して作用し、特に窒素酸化物蓄積触媒に対して触媒毒として作用する。硫黄での毒化は、三元触媒の場合に有害物質変換の減少および触媒の急速な老化を生じる。一般に三元触媒の毒化は、十分に可逆的である。排ガスの硫黄成分は、硫酸塩の形で三元触媒上に存在する。触媒の再生は、通常の走行運転で行なわれ、一方、走行段階は、高い排ガス温度および易還元性排ガスを用いて行なわれる。この条件下で硫酸塩は、還元され、硫黄は、二酸化硫黄または硫化水素の形で放出される。この方法は、本発明の範囲内で脱硫と呼称される。脱硫の間の硫化水素の放出は、特定の方法によって触媒およびエンジン制御で十分に抑制されることができる。
【0018】
硫黄酸化物による窒素酸化物蓄積触媒の毒化は、原理的に窒素酸化物の蓄積と同様の方法で行なわれる。エンジンから放出される二酸化硫黄は、蓄積触媒の触媒活性の貴金属成分に接して三酸化硫黄に酸化される。三酸化硫黄は、相応する硫酸塩の形成下に蓄積触媒の蓄積材料と反応する。この場合、三酸化硫黄の吸着が窒素酸化物の吸着と比較して優れており、形成された硫酸塩が熱的に極めて安定性であることは、特に不利である。従って、硫黄酸化物での毒化によって触媒の窒素酸化物蓄積能が明らかに減少し、この毒化は、蓄積材料の硫酸塩の高い熱安定性のために還元排ガス条件下でも約600℃を超える高い排ガス温度の場合にのみ可逆的である。硫黄酸化物の脱着速度は、蓄積材料、排ガス温度及び排ガスの過濃化度に依存する。温度が上昇するにつれて、脱着速度は高くなる。従って、以下、脱硫温度のことを述べる場合には、当該蓄積材料が1〜20分間の適切な時間内で濃厚なガス中で硫黄化合物を放出させることができる温度であることを意味する。
【0019】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19813654号明細書には、硫黄トラップおよび窒素酸化物蓄積触媒を有する排ガス浄化装置の運転方法が記載されている。硫黄トラップの脱硫のために、最初に排ガス温度は、希薄排ガスの場合に640℃に上昇される。空気比が1未満の値に低下した後に、硫黄の放出は開始される。放出された硫黄化合物は、前記空気比に依存する。0.98の空気比の場合、即ち僅かな過濃化である場合にのみ、硫黄は殆んど専ら二酸化硫黄の形で放出される。この場合、脱硫の時間は、約2〜3分間である。脱硫の間、空気比が著しく減少する場合には、脱硫に必要とされる時間は、短縮される。しかし、硫黄は、排ガスの濃度が増加するにつれて、常に著しく硫化水素の形で放出される。空気比が0.75である場合には、脱硫の時間は、なお1.5分間であるにすぎない。しかし、硫黄は、この形で殆んど専ら硫化水素の形で放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許第3407172号明細書
【特許文献2】欧州特許第0341832号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0835684号
【特許文献4】欧州特許第0560991号明細書
【特許文献5】ドイツ連邦共和国特許出願公開第19813654号
【特許文献6】国際公開第99/09307号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の課題は、硫黄酸化物をも含有する希薄排ガスから窒素酸化物およびカーボンブラック粒子を除去するための方法を記載することであり、この場合カーボンブラック粒子は、粒子フィルター上に析出され、粒子フィルターは、循環的にカーボンブラックの燃焼によって再生され、この場合には、粒子フィルターの再生は、二酸化窒素の高められた放出の危険と関連することがない。本発明のもう1つの対象は、方法を実施するための装置である。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この課題は、排ガス流を窒素酸化物蓄積触媒および粒子フィルター上に導き、その際窒素酸化物および硫黄酸化物は、蓄積触媒によって希薄排ガス条件下で吸着され、およびカーボンブラック粒子は、粒子フィルター上で析出され、蓄積触媒を第1の作業周期で周期的に排ガスの過濃化によって脱ニトロ化し、粒子フィルターの再生ならびに窒素酸化物蓄積触媒の脱硫を、第2の作業周期で、カーボンブラック焙焼残分が粒子フィルター上で引火しかつその後に蓄積触媒が排ガスの過濃化により脱硫されうる値に希薄排ガスの温度を上昇させることにより、行なうことを特徴とする方法によって解決される。
【0023】
即ち、提案された方法は、2つの作業周期から構成されている。第1の作業周期において、排ガス中に含有されている窒素酸化物および硫黄酸化物は、蓄積触媒上で希薄排ガス条件で硝酸塩および硫酸塩の形で蓄積され、蓄積触媒は、窒素酸化物蓄積能の消耗後に過濃化排ガス条件下で脱ニトロ化される。窒素酸化物および硫黄酸化物の蓄積と同時に、排ガスのカーボンブラック粒子は、粒子フィルター上で析出される。蓄積および脱ニトロ化からなるこの第1の作業周期の時間的長さは、比較的に短い。全体の長さは、0.5〜20分間であり、一方で、脱ニトロ化の時間は、1〜20秒にすぎない。
【0024】
蓄積触媒の脱ニトロ化のために、排ガスは過濃化され、即ち排ガスの空気比は、排ガスの炭化水素含量を上昇させることによって1未満の値、有利に0.7〜0.98の値に減少される。これは、現在のディーゼルエンジンの場合には、空気/燃料混合気を相応して変化させることによって行なうことができるか、或いは燃料を排ガス流中に別個に噴入させることによって窒素酸化物蓄積触媒の直前で行なうことができる。
【0025】
脱ニトロ化の間に支配的である還元排ガス条件下で、硝酸塩の形で蓄積触媒上に蓄積された窒素酸化物は、再び放出され、蓄積触媒で還元剤としての炭化水素および一酸化炭素を使用しながら窒素に還元される。蓄積触媒の脱ニトロ化は、規定された作業温度で行なわれる。温度の上昇は、この過程にとっては不必要である。
【0026】
この方法の第2の作業周期において、粒子フィルターは再生され、窒素酸化物蓄積触媒は脱硫される。排ガス中に含有されているカーボンブラックを粒子フィルター上に析出させることによって、排ガス逆圧は連続的に高められ、したがって粒子フィルターも周期的にカーボンブラックの燃焼によって再生されなければならない。カーボンブラック焙焼残分を引火させるために、粒子フィルターがカーボンブラック引火性被覆を備えているか、または備えていないかに応じて、400〜650℃の温度が必要とされる。経験によれば、粒子フィルターは、例えば全部で1000kmの走行効率を再現させなければならない。従って、第2の作業周期は、一般に本質的に本方法の第1の作業周期よりも長い。
【0027】
粒子フィルターの再生のためおよび窒素酸化物蓄積触媒の脱硫のために、排ガス温度は、希薄排ガスの場合には、カーボンブラック焙焼残分が粒子フィルター上で引火されかつその後に蓄積触媒が排ガスの過濃化によって脱硫されうるような値に高められる。このために必要とされる温度は、窒素酸化物蓄積触媒のための材料の選択および粒子フィルターの可能なカーボンブラック引火性被覆に依存する。一般に、蓄積触媒の脱硫温度は、粒子フィルター上のカーボンブラックの引火温度を上廻る。更に、粒子フィルターの再生および蓄積触媒の脱硫に必要とされる排ガス温度は、なお蓄積触媒と粒子フィルターとの間の可能な温度差によって影響を及ぼされ、この場合この温度差は、蓄積触媒と粒子フィルターとの間の排ガス管を通じての排ガスの熱損失によって惹起される。
【0028】
蓄積触媒の記載された脱ニトロ化の間、硫酸塩の形で蓄積される硫黄酸化物は、放出されず、それによって窒素酸化物に対する最大の蓄積能を連続的に劣化させる。しかし、一般に、排ガスの硫黄酸化物含量は、窒素酸化物含量よりも明らかに少なく、したがってディーゼルエンジンの長時間の運転後に窒素酸化物に対する蓄積能の顕著な妨害が起こり、脱硫を導入しなければならない。脱硫は、この脱硫が蓄積された硫酸塩の高い安定性のために高い温度でのみ進行し、即ち蓄積触媒の温度がこの目的のために上昇されなければならないことによって、脱ニトロ化と区別される。
【0029】
蓄積触媒の脱ニトロ化と全く同様に、この蓄積触媒の脱硫は、周期的に行なわれなければならない。脱ニトロ化のための作業周期の長さは、既に上記したように、0.5〜20分間である。これに対して、蓄積触媒は、燃料の硫黄含量に依存して、例えば全部で1000〜10000kmの走行効率だけで脱硫されなければならず、その際、簡単に脱硫されうる材料を使用する場合には、脱硫を本質的にしばしば、例えば全部で100〜250km行なうことは、有利である。
【0030】
本方法の本明細書中に記載された実施態様によれば、蓄積触媒の脱硫および粒子フィルターの再生は、互いに結合されている。従って、カーボンブラック焙焼残分の引火後に、排ガスの空気比は、炭化水素の強化された供給によって0.7〜0.98の値に減少され、それによって蓄積触媒の脱硫が導入される。即ち、本発明によれば、粒子フィルターのそれぞれの再生の場合には、蓄積触媒も脱硫されなければならない。
【0031】
この変法の具体的な実施態様において、窒素酸化物蓄積触媒は、排ガス流中で粒子フィルターの前方に配置される。排ガス温度は、炭化水素を蓄積触媒上で燃焼させることによって高められる。このために必要とされる炭化水素は、内燃機関の燃焼室中への燃料の後噴入によって排ガス流に供給されるか、または蓄積触媒の前方で燃料インゼクターにより、正味の酸化排ガス組成を維持しながら排ガス流へ噴射される。カーボンブラック焙焼残分の引火後に、内燃機関は、蓄積触媒の脱硫のために、過濃化された空気/燃料混合気と一緒に運転され、還元性の排ガス組成物が製造される。
【0032】
本方法の第2の実施態様において、窒素酸化物蓄積触媒は、排ガス流中で粒子フィルターの後方に配置されており、粒子フィルターの前方で付加的な酸化触媒が排ガス流中に添加される。粒子フィルターの再生のための排ガス温度および蓄積触媒の脱硫は、炭化水素を酸化触媒上で燃焼させることによって開始され、そのために必要とされる炭化水素は、ディーゼルエンジンの燃焼室中への燃料の後噴入によって排ガス流に供給されるかまたは酸化触媒の前方で燃料インゼクターにより正味の酸化排ガス組成を維持しながら排ガス流へ噴射される。粒子フィルター上でのカーボンブラック焙焼残分の引火後に、内燃機関は、蓄積触媒の脱硫のために、過濃化された空気/燃料混合気と一緒に運転され、還元性の排ガス組成物が製造される。このために選択的に、炭化水素は、粒子フィルターと蓄積触媒との間で排ガス流中で噴射される。また、本方法の前記実施態様によれば、蓄積触媒の脱硫および粒子フィルターの再生は、互いに結合されている。
【0033】
1つの構成部材だけが必要とされる本方法の簡易化された実施態様において、窒素酸化物蓄積触媒は、被覆の形で粒子フィルターの流入側および流出側に施こされる。また、粒子フィルターの流入側の被覆は、カーボンブラック引火性被覆または酸化触媒を有する被覆によって代替されてもよい。
【0034】
本方法の第3の実施態様において、蓄積触媒の脱硫と粒子フィルターの再生との間の結合は、蓄積触媒を頻繁にある熱的過負荷から保護するために中断されている。既に記載されたように、粒子フィルターは、一般に蓄積触媒を脱硫することが必要とされる場合よりも頻繁に再生されなければならない。従って、蓄積触媒の脱硫とは無関係に粒子フィルターが再生されていてもよいことが望まれる。このために、希薄排ガス流は、順次に窒素酸化物蓄積触媒および粒子フィルター上に導かれる。既に記載された第1の作業周期および第2の作業周期以外に、第3の作業周期において、粒子フィルターの再生のみが希薄排ガス組成の場合に排ガス温度を粒子フィルターの前方でカーボンブラック引火温度を超えるように上昇させることによって行なわれる。
【0035】
第1の作業周期および第2の作業周期は、既に前記の変法の場合と同様に行なわれる。粒子フィルターの再生を第3の作業周期において実施するために、排ガス温度を、蓄積触媒の後方および粒子フィルターの前方で、炭化水素を粒子フィルターの前方で排ガス流中に接続された酸化触媒上で燃焼させることによって必要とされるカーボンブラック引火温度に上昇させるという可能性が存在する。また、酸化触媒は、被覆の形で粒子フィルターの流入側に施こされていてもよい。
【0036】
炭化水素は、ノズルを用いて酸化触媒の前方で正味の酸化排ガス組成を維持しながら排ガス流中に噴射されることができる。選択的に、必要とされる炭化水素を内燃機関の燃焼室中への燃料の後噴射によって提供するという可能性が存在する。しかし、この場合には、排ガス流は、もはや蓄積触媒に貫流される必要はなく、むしろ蓄積触媒の周囲に導かれなければならない。これは、排ガス弁およびバイパス管からなる相応する装置によって実現させることができる。
【0037】
二酸化窒素を用いて粒子フィルターを再生させるための公知方法とは異なり、本発明において窒素酸化物は、粒子フィルターの前方に配置された窒素酸化物蓄積触媒上に吸着される。この場合には、実際に窒素酸化物蓄積触媒の機能形式に対して評価された理論により、排ガス中に含有されている一酸化窒素は、最初に同様に二酸化窒素に酸化される。しかし、二酸化窒素は、直ちに蓄積触媒上に硝酸塩の形で蓄積され、したがって云うに値しない量の二酸化窒素が触媒を去る。
【0038】
次に本発明を図1〜6につき詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】請求項2記載の方法を実施するための排ガス浄化装置を示す略図。
【図2】請求項4記載の方法を実施するための排ガス浄化装置を示す略図。
【図3】請求項6から8までのいずれか1項に記載の方法を実施するための排ガス浄化装置を示す略図。
【図4】請求項10記載の方法を実施するための排ガス浄化装置を示す略図。
【図5】請求項11記載の方法を実施するための排ガス浄化装置を示す略図。
【図6】請求項1記載の方法における空気比および排ガス温度の変化を示す略図。
【実施例】
【0040】
図6は、2つの方法の作業周期Z1とZ2を重ね合わせた請求項1記載の方法の間の空気比および排ガス温度の変化を表わす略図を示す。Z1の場合には、蓄積触媒での窒素酸化物の蓄積および放出のよる方法の第1の作業周期を意味する。Z2は、一般に蓄積触媒の同時の脱硫の際の粒子フィルターを用いての排ガスからのカーボンブラックの分離および粒子フィルターの再生による方法の一般に長い第2の作業周期を示す。
【0041】
図6における数字の記載は、例示的に選択されているに過ぎず、請求の範囲によって定義された方法を決して制限するものではない。
【0042】
図6においては、空気比λ1.7を有する当該内燃機関が一定の負荷の際に運転されることが採用されている。排ガス温度は、この状態で例えば400℃である。この空気比での運転の間に、排ガス中に含有されている窒素酸化物は、蓄積触媒上に蓄積材料の硝酸塩の形で貯蔵される。数分後に、窒素酸化物に対する触媒の蓄積能は消耗され、この触媒は、脱ニトロ化されなければならない。これは、1未満の値への空気比の低下によって行なわれた。図6においては、0.95の値が選択された。次に支配的な還元排ガス組成の下で、蓄積された硝酸塩は、数秒で分解され、蓄積触媒に接して還元作用する排ガス成分により窒素、水および二酸化炭素に変換される。その後に、空気比は、再び1.7の標準値に上昇され、窒素酸化物の蓄積が新たに開始される。空気比を標準値に上昇させた場合には、方法の第1の作業周期が終結される。図6において、第1の作業周期は、Z1で示されている。作業周期Z1の全体の作業周期に間に、排ガス温度は、内燃機関の一定の負荷の際に非本質的にのみ変動する。
【0043】
1未満の空気比への排ガスの過濃化は、有利に内燃機関を過濃化された空気/燃料混合気で運転することによって行なわれる。このような運転状態は、現在のディーゼルエンジンの場合でも短時間で可能である。1未満の空気比への希薄排ガスの事後の過濃化は、自動車の燃料消費量を不所望にも高めるであろうし、蓄積触媒での炭化水素の付加的な燃焼によって排ガス温度を意図に反して上昇させるであろう。
【0044】
第1の作業周期の進行は、エンジン制御によって適当な測定プローブを使用しながら制御される。即ち、脱ニトロ化は、例えば窒素酸化物プローブの信号によって導入されることができ、この信号は、排ガス中の窒素酸化物の一定の濃度の超過を窒素酸化物蓄積触媒の後方で報告する。また、λプローブは、第1の作業周期の監視に使用されることができる。図6の理想化された表示において、作業周期Z1は一定の作業周期の長さを有する。しかし、実際の運転において、作業周期の長さは、内燃機関の運転状態に依存して変化する。
【0045】
約1000kmの走行効率の際に、粒子フィルターは、過度に上昇する排ガス逆圧のために再生されなければならない。正確な時点は、例えば排ガス逆圧を測定することによって粒子フィルターの前方で測定され、エンジン制御に伝達される。粒子フィルターの再生のために、排ガス温度は、400℃から約600℃へ上昇されなければならない。この目的のために、炭化水素は、エンジンの後方で正味の酸化排ガス組成を維持しながら希薄排ガス中に噴射され、蓄積触媒に接して燃焼される。それによって、排ガスの空気比は、例えば1.4の値に低下される。選択的に、空気比は、内燃機関の燃焼室中への燃料の後噴射によって望ましい値に低下させることもできる。
【0046】
約600℃の排ガス温度を達成させる場合(粒子フィルターの場合による触媒被覆に依存して)には、カーボンブラック焙焼残分をフィルター上で引火させ、次に比較的に迅速にさらに進行させる。カーボンブラック焙焼残分の引火後、排ガスの空気比は、今や高い排ガス温度の場合に蓄積触媒をも脱硫させるために、1未満の値に減少される。1未満の値への空気比の減少は、有利に再び過濃化された空気/燃料混合気で内燃機関を運転させることによって行なわれる。蓄積触媒の脱硫後に、空気比は、再び標準値に上昇され、エンジンの運転は、作業周期Z1で継続される。方法Z2の第2の作業周期は、排ガス逆圧が再び許容値を超え、粒子フィルターの再生を改めて導入しなければならない場合には終結される。
【0047】
図1〜5は、本方法に適した種々の排ガス浄化装置を示す。これらの図において、1は、それぞれ内燃機関を示し、2は、内燃機関の排ガス管を示し、3は、窒素酸化物蓄積触媒を示し、4は、粒子フィルターを示し、5は、燃料供給のための装置を示し、6は、電子的エンジン制御部を示し、7は、粒子フィルターの前方での排ガス逆圧を測定するためのプローブを示し、8は、排ガス浄化装置の後方での窒素酸化物プローブを示す。
【0048】
9は、排ガス管中へ炭化水素を噴入するための単位装置を示す。この単位装置は、正味の酸化排ガス組成を維持しながら希薄排ガスに炭化水素を富有させるために使用されることができる。
【0049】
図1は、請求項2記載の方法を実施するための装置を示す。インゼクター装置9は、図1においては場合によるものである。それというのも、排ガスの温度は、蓄積触媒の前方で排ガス管中への炭化水素の別々の噴入によって上昇させることができるか、または内燃機関の燃焼室中への燃料の後噴入によって上昇させることができる。
【0050】
図2の装置は、請求項4記載の方法の実施に適している。この場合、窒素酸化物蓄積触媒は、粒子フィルターの後方に配置されている。粒子フィルターの前方には、今や酸化触媒11が配置されており、この酸化触媒上で粒子フィルターの再生に関連して排ガス温度を上昇させるために炭化水素は燃焼される。
【0051】
図3の装置は、請求項6から8までのいずれか1項に記載の方法の実施に適している。11は、粒子フィルターを示し、この粒子フィルターは、流入側および流出側で窒素酸化物蓄積触媒で被覆されているかまたは流入側にカーボンブラック引火性被覆を有しかつ流出側に窒素酸化物蓄積触媒を有する。もう1つの選択として、粒子フィルターは、流入側で酸化触媒を備えていてもよく、流出側に窒素酸化物蓄積触媒を備えていてもよい。
【0052】
図4は、請求項1記載の方法を実施するための装置を示す。この場合、12は、酸化触媒を示し、この酸化触媒は、粒子フィルターの直前で排ガス流中に接続されている。また、この酸化触媒を被覆として粒子フィルターの流入側に施こすことも可能である。
【0053】
図5は、請求項11記載の方法を実施するための装置を示す。この場合、参照符号13は、バイパス管を示し、このバイパス管は、蓄積触媒の加熱なしに粒子フィルターの再生を可能にするために、相応する排ガス弁の接続によって排ガスを蓄積触媒の周囲に導くことができる。
【符号の説明】
【0054】
1 内燃機関、 2 排ガス管、 3 窒素酸化物蓄積触媒、 4 粒子フィルター、 5 燃料供給のための装置、 6 電子的エンジン制御部、 7 プローブ、 8 窒素酸化物プローブ、 9 インゼクター装置、 11 粒子フィルター、 12 酸化触媒、 13 バイパス管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫黄酸化物の僅かな濃度をも有する、内燃機関の希薄排ガスから窒素酸化物およびカーボンブラック粒子を除去するための方法において、
排ガス流を窒素酸化物蓄積触媒および粒子フィルター上に導き、その際窒素酸化物および硫黄酸化物は、蓄積触媒によって希薄排ガス条件下で吸着され、およびカーボンブラック粒子は、粒子フィルター上で析出され、蓄積触媒を第1の作業周期で周期的に排ガスの過濃化によって脱ニトロ化し、粒子フィルターの再生ならびに窒素酸化物蓄積触媒の脱硫を、第2の作業周期で、カーボンブラック焙焼残分が粒子フィルター上で引火しかつその後に蓄積触媒が排ガスの過濃化により脱硫されうる値に希薄排ガスの温度を上昇させることにより、行なうことを特徴とする、内燃機関の希薄排ガスから窒素酸化物およびカーボンブラック粒子を除去するための方法。
【請求項2】
窒素酸化物蓄積触媒を排ガス流中で粒子フィルターの前方に配置し、排ガス温度を粒子フィルターの再生および蓄積触媒の脱硫のために炭化水素の燃焼によって蓄積触媒上で上昇させ、そのために必要とされる炭化水素を内燃機関の燃焼室中への燃料の後噴入によって排ガス流に供給するかまたは蓄積触媒の前方で燃料インゼクターにより、正味の酸化排ガス組成を維持しながら排ガス流へ噴射し、内燃機関のカーボンブラック焙焼残分の引火後に蓄積触媒の脱硫のために、過濃化された空気/燃料混合気と一緒に運転し、還元性の排ガス組成物を製造する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
蓄積触媒の脱硫を0.7〜0.98の排ガスの空気比の際に行なう、請求項2記載の方法。
【請求項4】
窒素酸化物蓄積触媒を排ガス流中で粒子フィルターの後方に配置し、粒子フィルターの前方で付加的な酸化触媒を排ガス流中に供給し、粒子フィルターの再生および蓄積触媒の脱硫のための排ガス温度を炭化水素の燃焼によって酸化触媒上で上昇させ、そのために必要とされる炭化水素をディーゼルエンジンの燃焼室中への燃料の後噴入によって排ガス流に供給するかまたは酸化触媒の前方で燃料インゼクターにより、正味の酸化排ガス組成を維持しながら排ガス流へ噴射し、内燃機関のカーボンブラック焙焼残分の引火後に蓄積触媒の脱硫のために、過濃化された空気/燃料混合気と一緒に運転し、還元性の排ガス組成物を製造する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
蓄積触媒の脱硫を0.7〜0.98の排ガスの空気比の際に行なう、請求項4記載の方法。
【請求項6】
窒素酸化物蓄積触媒を被覆の形で粒子フィルターの流入側および流出側にもたらす、請求項1記載の方法。
【請求項7】
窒素酸化物蓄積触媒を被覆の形で粒子フィルターの流出側にもたらし、粒子フィルターの流入側にカーボンブラック引火性被覆を備えさせる、請求項1記載の方法。
【請求項8】
窒素酸化物蓄積触媒を被覆の形で粒子フィルターの流出側にもたらし、粒子フィルターの流入側を酸化触媒で被覆する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
排ガス流を順次に窒素酸化物蓄積触媒上および粒子フィルター上に導き、第3の作業周期で粒子フィルターの再生だけを希薄排ガス組成の際に粒子フィルターの前方でのカーボンブラック引火温度を超える排ガス温度の上昇によって行なう、請求項1記載の方法。
【請求項10】
粒子フィルターの前方に酸化触媒を排ガス中に配置し、第3の作業周期で粒子フィルターの前方での排ガス温度の上昇のために炭化水素を正味の酸化排ガス組成を維持しながら酸化触媒の前方で排ガス流へ噴射し、酸化触媒に接して燃焼させる、請求項9記載の方法。
【請求項11】
粒子フィルターの前方に酸化触媒を排ガス中に配置し、第3の作業周期で粒子フィルターの前方での排ガス温度の上昇のために炭化水素をディーゼルエンジンの燃焼室中への燃料の後噴入によって正味の酸化排ガス組成を維持しながら排ガス流に供給し、こうして構成された排ガスを蓄積触媒の脇に接するように導き、酸化触媒上にもたらす、請求項10記載の方法。
【請求項12】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法を実施するための排ガス浄化装置において、窒素酸化物蓄積触媒および粒子フィルターを有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法を実施するための排ガス浄化装置。
【請求項13】
窒素酸化物蓄積触媒が排ガス流中で粒子フィルターの前方に配置されていることを特徴とする、請求項12記載の排ガス浄化装置。
【請求項14】
粒子フィルターにカーボンブラック引火性被覆が備えられている、請求項12または13記載の排ガス浄化装置。
【請求項15】
窒素酸化物蓄積触媒が被覆の形で粒子フィルターの流入側および流出側にもたらされている、請求項12記載の排ガス浄化装置。
【請求項16】
窒素酸化物蓄積触媒が被覆の形で粒子フィルターの流出側にもたらされており、粒子フィルターの流入側にカーボンブラック引火性被覆が備えられている、請求項12記載の排ガス浄化装置。
【請求項17】
窒素酸化物蓄積触媒が被覆の形で粒子フィルターの流出側にもたらされており、粒子フィルターの流入側が酸化触媒で被覆されている、請求項12記載の排ガス浄化装置。
【請求項18】
請求項10記載の方法を実施するための排ガス浄化装置において、排ガス流中に窒素酸化物蓄積触媒、酸化触媒、粒子フィルターおよび炭化水素のための燃料インゼクターが順次に配置されて備えられており、燃料インゼクターが窒素酸化物蓄積触媒と酸化触媒との間に配置されていることを特徴とする、請求項10記載の方法を実施するための排ガス浄化装置。
【請求項19】
酸化触媒が被覆として粒子フィルターの流入面上に施こされている、請求項18記載の排ガス浄化装置。
【請求項20】
請求項11記載の方法を実施するための排ガス浄化装置において、排ガス流中に窒素酸化物蓄積触媒、酸化触媒および粒子フィルターが順次に配置されて備えられており、バイパス管が蓄積触媒の周囲に備えられており、この蓄積触媒を用いて排ガスを蓄積触媒の周囲に導くことができることを特徴とする、請求項11記載の方法を実施するための排ガス浄化装置。
【請求項21】
酸化触媒が被覆として粒子フィルターの流入面上に施こされている、請求項20記載の排ガス浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−256869(P2011−256869A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128318(P2011−128318)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【分割の表示】特願2001−142355(P2001−142355)の分割
【原出願日】平成13年5月11日(2001.5.11)
【出願人】(501399500)ユミコア・アクチエンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト (139)
【氏名又は名称原語表記】Umicore AG & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Rodenbacher Chaussee 4,D−63457 Hanau,Germany
【Fターム(参考)】