内燃機関の排気浄化装置

【課題】機関始動時のNOx浄化性能を確保しつつ、燃費の悪化を抑えることのできる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】エンジン1には、還元剤の供給によりNOxを浄化するNOx浄化触媒41と、尿素水を排気通路26内に噴射する尿素添加弁230とが設けられている。制御装置80は、機関停止後に尿素添加弁230から尿素水を噴射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に記載されているように、排気中の窒素酸化物(NOx)を浄化するNOx浄化触媒と、同触媒でのNOx浄化に利用する還元剤を排気通路内に供給する還元剤供給機構とを備える内燃機関の排気浄化装置が知られている。
【0003】
この排気浄化装置では、機関運転中において、還元剤供給機構に設けられた還元剤噴射弁から排気通路に向けて尿素水が噴射される。噴射された尿素水は、排気の熱によって加水分解されてアンモニアとなる。そしてこのアンモニアが還元剤としてNOx浄化触媒に吸着される。
【0004】
ところで、機関始動が開始されると燃焼室からNOxが排出されるため、機関始動後において速やかにNOxを浄化することが望ましい。そこで、例えば特許文献1に記載の装置では、機関始動に先立って十分な量のアンモニアをNOx浄化触媒に吸着される用にしている。より詳細には、イグニッションスイッチがオフ操作されたときのNOx浄化触媒のアンモニア吸着量が目標値に達しているかどうかを判定するようにしている。そして、アンモニア吸着量が目標値に満たないときには、アイドル運転及び還元剤供給を継続して行い、アンモニア吸着量が目標値に達すると機関を停止させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−197728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した従来の装置では、イグニッションスイッチがオフ操作されても、アンモニア吸着量が目標値に達するまでは機関運転が継続して行われる。つまり機関停止が遅延処理される。従って、機関始動時のNOx浄化性能は確保されるものの、機関停止の遅延処理中に消費される燃料の分だけ燃費は悪化してしまう。
【0007】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関始動時のNOx浄化性能を確保しつつ、燃費の悪化を抑えることのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、還元剤の供給によりNOxを浄化するNOx浄化触媒と、還元剤を排気通路内に噴射する還元剤噴射弁とを備える内燃機関の排気浄化装置において、機関停止後に前記還元剤噴射弁からの還元剤噴射を行うことをその要旨とする。
【0009】
同構成によれば、機関が停止した後に還元剤の噴射が行われる。つまり還元剤噴射に伴った機関運転が行われないため、燃費の悪化を抑えることができる。
また、機関停止後の排気通路内の温度は急激に低下するわけではなく、ある程度の期間が経過するまでは、還元剤が気化できる程度の高温状態になっていることが多い。従って、同構成によるように機関停止後に還元剤噴射を行うと、噴射された還元剤は排気通路の内部で気化した後、同排気通路内で滞留する。そして、機関始動時には、排気通路内に滞留した還元剤でNOxが浄化される。また、機関始動時には、排気通路内に滞留した還元剤が排気とともにNOx浄化触媒に到達し、同NOx浄化触媒にてNOxが浄化される。従って、機関停止後に還元剤の噴射を行っても機関始動時のNOx浄化性能を確保することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記還元剤噴射を行うときの還元剤の噴射圧は、機関運転中の噴射圧よりも高くされることをその要旨とする。
【0011】
同構成によれば、噴射圧の高圧化によって還元剤の霧化が促進されるため、還元剤の液滴化を抑えることができ、より多くの還元剤を気化させることができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記還元剤は間欠噴射されることをその要旨とする。
【0012】
還元剤を間欠噴射すると、連続噴射する場合と比較して、還元剤の霧化が促進される傾向にある。そこで同構成では、機関停止後の還元剤噴射を間欠噴射にて行うようにしている。従って、排気の流れがなく還元剤が霧化しにくい機関停止後において還元剤を噴射する場合でも、還元剤の霧化を促進させることができるようになる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記還元剤噴射を行うときの還元剤噴射量は、排気通路内の温度が高いときほど多くなるように可変設定されることをその要旨とする。
【0014】
排気通路内の温度が高いほど、噴射された還元剤は気化しやすくなる。そこで同構成では、排気通路内の温度が高いときほど還元剤の噴射量が多くなるようにしており、これによりNOxの浄化性能がより適切に確保される。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記還元剤噴射弁の噴射孔は、前記NOx浄化触媒に向かって開口されていることをその要旨とする。
【0016】
機関が停止すると排気の流れがなくなるため、機関停止後に還元剤噴射を行う場合には、還元剤がNOx浄化触媒に届きにくくなる。この点、同構成では、還元剤噴射弁の噴射孔がNOx浄化触媒に向かって開口されているため、排気の流れが無くても還元剤をNOx浄化触媒に供給することができるようになる。なお、同構成と請求項2に記載の構成とを組み合わせる場合には、還元剤の噴射圧が高められるため、還元剤をNOx浄化触媒により一層供給することができるようになる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記内燃機関は、所定の条件が成立したときに自動停止及び自動始動が行われる機関であり、自動停止が行われたときに前記還元剤噴射を行うことをその要旨とする。
【0018】
燃費等を向上させるために、所定の条件が成立したときに自動停止及び自動始動を行う内燃機関では、自動停止及び自動始動を行わない内燃機関と比較して、機関の停止回数が多くなる。従って、自動停止及び自動始動を行う内燃機関において、上述した従来の装置のように機関停止の遅延処理を行うようにすると、遅延処理の実行回数が多くなり、燃費が悪化しやすくなる。この点、同構成では、自動停止及び自動始動が行われることにより機関の停止回数が多くなりやすい内燃機関において、自動停止が行われたときに還元剤噴射を行うようにしている。そのため、上述した機関停止の遅延処理を行う従来の装置に比べて燃費をより向上させることができる。
【0019】
また、自動停止及び自動始動を行う内燃機関では、自動停止後、比較的短い時間が経過した後に再始動されることが多い、換言すれば、機関停止後、排気通路内の温度がある程度高いうちに再始動されることが多い。従って、自動停止後に還元剤噴射を行う場合には、噴射された還元剤が気化した後、液滴化する前に再始動される場合が多く、噴射された還元剤をNOx浄化のために有効利用することができる。そこで、同構成では、自動停止及び自動始動が行われる内燃機関、つまり機関停止後、排気通路内の温度がある程度高いうちに再始動されることが多い内燃機関において、自動停止が行われたときに還元剤噴射を行うようにしている。そのため、噴射された還元剤をNOx浄化のために有効利用することができるようになる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記還元剤噴射弁に還元剤を供給する供給通路と、前記供給通路から還元剤を回収する回収手段とを備えており、前記回収手段は、機関停止時間が所定時間を超えたときに還元剤の回収を行うことをその要旨とする。
【0021】
また、請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記還元剤噴射弁に還元剤を供給する供給通路と、前記供給通路から還元剤を回収する回収手段とを備えており、前記回収手段は、前記内燃機関のイグニッションスイッチがオフ操作されたときに還元剤の回収を行うことをその要旨とする。
【0022】
機関停止後、還元剤噴射弁に還元剤を供給する供給通路内に還元剤が残留していると、同還元剤の凍結による体積増加によって供給通路等が損傷するおそれがある。そこで、請求項7や請求項8に記載の同構成では、そうした供給通路等の損傷を抑えるために、同供給通路から還元剤を回収する回収手段を備えるようにしている。
【0023】
このようにして還元剤の回収を行った後に還元剤を噴射するときには、還元剤噴射弁や供給通路内を還元剤で満たす必要があり、こうした還元剤の充填が完了するまでは排気通路内に十分な量の還元剤を供給することができない。従って、還元剤の充填が完了するまではNOx浄化性能が低下するおそれがある。
【0024】
他方、機関停止時間が短ければ、機関熱や排気熱などによって還元剤の凍結は抑えられる。逆にいえば、機関停止時間が長ければ、還元剤が凍結する可能性は高くなる。そのため、機関停止時間が短い場合には還元剤の回収を行う必要が無く、還元剤の回収を行わないのであれば上述した還元剤の充填も不要になるため、還元剤の充填期間中におけるNOx浄化性能の低下も生じない。
【0025】
そこで、請求項7に記載の発明では、機関停止時間が所定時間を超えたときに還元剤の回収を行うようにしている。従って、機関停止時間が所定時間よりも短く還元剤の凍結可能性が低いときには還元剤の回収が行われなくなる。従って、還元剤の回収頻度を抑えることができ、これにより還元剤の充填期間中におけるNOx浄化性能の低下を抑えることができるようになる。
【0026】
また、請求項8に記載の発明では、内燃機関のイグニッションスイッチがオフ操作されたときに還元剤の回収を行うようにしている。従って、機関停止時間が比較的短い傾向にある自動停止時には、還元剤の回収が行われなくなる。従って、同構成によっても、還元剤の回収頻度を抑えることができ、これにより還元剤の充填期間中におけるNOx浄化性能の低下を抑えることができるようになる。
【0027】
なお、上記回収手段としては、前記供給通路に設けられた正逆転可能なポンプや、前記供給通路に設けられて還元剤の流れ方向を変更する可能な切替弁などが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置の第1実施形態について、これが適用される内燃機関及びその周辺構成を示す概略図。
【図2】同実施形態における停止時尿素添加処理の手順を示すフローチャート。
【図3】同実施形態での第2排気温度と停止時添加量との関係を示すグラフ。
【図4】第2実施形態における停止時尿素添加処理の手順についてその一部を示すフローチャート。
【図5】第3実施形態における回収制御の判定処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、この発明にかかる内燃機関の排気浄化装置を具体化した第1実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
【0030】
図1に、本実施形態にかかる排気浄化装置が適用されたディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」という)、並びにそれらの周辺構成を示す概略構成図を示す。
エンジン1には複数の気筒#1〜#4が設けられている。シリンダヘッド2には複数の燃料噴射弁4a〜4dが取り付けられている。これら燃料噴射弁4a〜4dは各気筒#1〜#4の燃焼室に燃料を噴射する。また、シリンダヘッド2には新気を気筒内に導入するための吸気ポートと、燃焼ガスを気筒外へ排出するための排気ポート6a〜6dとが各気筒#1〜#4に対応して設けられている。
【0031】
燃料噴射弁4a〜4dは、高圧燃料を蓄圧するコモンレール9に接続されている。コモンレール9はサプライポンプ10に接続されている。サプライポンプ10は燃料タンク内の燃料を吸入するとともにコモンレール9に高圧燃料を供給する。コモンレール9に供給された高圧燃料は、各燃料噴射弁4a〜4dの開弁時に同燃料噴射弁4a〜4dから気筒内に噴射される。
【0032】
吸気ポートにはインテークマニホールド7が接続されている。インテークマニホールド7は吸気通路3に接続されている。この吸気通路3内には吸入空気量を調整するための吸気絞り弁16が設けられている。
【0033】
排気ポート6a〜6dにはエキゾーストマニホールド8が接続されている。エキゾーストマニホールド8は排気通路26に接続されている。
排気通路26の途中には、排気圧を利用して気筒に導入される吸入空気を過給するターボチャージャ11が設けられている。同ターボチャージャ11の吸気側コンプレッサと吸気絞り弁16との間の吸気通路3にはインタークーラ18が設けられている。このインタークーラ18によって、ターボチャージャ11の過給により温度上昇した吸入空気の冷却が図られる。
【0034】
また、排気通路26の途中にあって、ターボチャージャ11の排気側タービンの排気下流には、排気を浄化する第1浄化部材30が設けられている。この第1浄化部材30の内部には、排気の流れ方向に対して直列に酸化触媒31及びフィルタ32が配設されている。
【0035】
酸化触媒31には、排気中のHCを酸化処理する触媒が担持されている。また、フィルタ32は、排気中のPM(粒子状物質)を捕集する部材であって、多孔質のセラミックで構成されている。このフィルタ32には、PMの酸化を促進させるための触媒が担持されており、排気中のPMは、フィルタ32の多孔質の壁を通過する際に捕集される。
【0036】
また、エキゾーストマニホールド8の集合部近傍には、酸化触媒31やフィルタ32に添加剤として燃料を供給するための燃料添加弁5が設けられている。この燃料添加弁5は、燃料供給管27を介して前記サプライポンプ10に接続されている。なお、燃料添加弁5の配設位置は、排気系にあって第1浄化部材30の上流側であれば適宜変更するも可能である。
【0037】
フィルタ32に捕集されたPMの量が所定値を超えると、フィルタ32の再生処理が開始されて燃料添加弁5からはエキゾーストマニホールド8内に向けて燃料が噴射される。この燃料添加弁5から噴射された燃料は、酸化触媒31に達すると燃焼され、これにより排気温度の上昇が図られる。そして、酸化触媒31にて昇温された排気がフィルタ32に流入することにより、同フィルタ32は昇温され、これによりフィルタ32に堆積したPMが酸化処理されてフィルタ32の再生が図られる。
【0038】
また、排気通路26の途中にあって、第1浄化部材30の排気下流には、排気を浄化する第2浄化部材40が設けられている。第2浄化部材40の内部には、還元剤を利用して排気中のNOxを還元浄化するNOx浄化触媒としての選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒という)41が配設されている。
【0039】
さらに、排気通路26の途中にあって、第2浄化部材40の排気下流には、排気を浄化する第3浄化部材50が設けられている。第3浄化部材50の内部には、排気中のアンモニアを浄化するアンモニア酸化触媒51が配設されている。
【0040】
エンジン1には、上記SCR触媒41に還元剤を供給する還元剤供給機構としての尿素水供給機構200が設けられている。尿素水供給機構200は、尿素水を貯留するタンク210、排気通路26内に尿素水を噴射供給する尿素添加弁230、尿素添加弁230とタンク210とを接続する供給通路240、供給通路240の途中に設けられたポンプ220にて構成されている。
【0041】
尿素添加弁230は、第1浄化部材30と第2浄化部材40との間の排気通路26に設けられており、その噴射孔はSCR触媒41に向かって開口されている。この尿素添加弁230が開弁されると、供給通路240を介して排気通路26内に尿素水が噴射供給される。なお、尿素添加弁230は、上記還元剤噴射弁を構成している。
【0042】
ポンプ220は電動式のポンプであり、正回転時には、タンク210から尿素添加弁230に向けて尿素水を送液する。一方、逆回転時には、尿素添加弁230からタンク210に向けて尿素水を送液する。つまり、ポンプ220の逆回転時には、尿素添加弁230及び供給通路240から尿素水が回収されてタンク210に戻される。このポンプ220は、上記回収手段を構成している。
【0043】
また、尿素添加弁230とSCR触媒41との間の排気通路26内には、尿素添加弁230から噴射された尿素水を分散させることにより同尿素水の霧化を促進する分散板60が設けられている。
【0044】
尿素添加弁230から噴射された尿素水は、排気の熱によって加水分解されてアンモニアとなる。そしてこのアンモニアがNOxの還元剤としてSCR触媒41に供給される。SCR触媒41に供給されたアンモニアは、同SCR触媒41に吸蔵されてNOxの還元に利用される。なお、加水分解されたアンモニアの一部は、SCR触媒41に吸蔵される前に直接NOxの還元に利用される。
【0045】
この他、エンジン1には排気再循環装置(以下、EGR装置という)が備えられている。このEGR装置は、排気の一部を吸入空気に導入することで気筒内の燃焼温度を低下させ、NOxの発生量を低減させる装置である。この排気再循環装置は、吸気通路3とエキゾーストマニホールド8とを連通するEGR通路13、同EGR通路13に設けられたEGR弁15、及びEGRクーラ14等により構成されている。EGR弁15の開度が調整されることにより排気通路26から吸気通路3に導入される排気再循環量、すなわちEGR量が調量される。また、EGRクーラ14によってEGR通路13内を流れる排気の温度が低下される。
【0046】
エンジン1には、機関運転状態を検出するための各種センサが取り付けられている。例えば、エアフロメータ19は吸気通路3内の吸入空気量GAを検出する。絞り弁開度センサ20は吸気絞り弁16の開度を検出する。機関回転速度センサ21はクランクシャフトの回転速度、すなわち機関回転速度NEを検出する。アクセルセンサ22はアクセルペダルの踏み込み量、すなわちアクセル操作量ACCPを検出する。外気温センサ23は、外気温THoutを検出する。車速センサ24はエンジン1が搭載された車両の車速SPDを検出する。イグニッションスイッチ25は、車両の運転者によるエンジン1の始動操作及び停止操作を検出する。
【0047】
また、酸化触媒31の排気上流に設けられた第1排気温度センサ100は、酸化触媒31に流入する前の排気温度である第1排気温度TH1を検出する。差圧センサ110は、フィルタ32の排気上流及び排気下流の排気圧の圧力差ΔPを検出する。
【0048】
第1浄化部材30と第2浄化部材40との間の排気通路26にあって、尿素添加弁230の排気上流には、第2排気温度センサ120及び第1NOxセンサ130が設けられている。第2排気温度センサ120は、SCR触媒41に流入する前の排気温度である第2排気温度TH2を検出する。第1NOxセンサ130は、SCR触媒41に流入する前の排気中のNOx濃度である第1NOx濃度N1を検出する。
【0049】
第3浄化部材50の排気下流の排気通路26には、SCR触媒41で浄化された排気のNOx濃度である第2NOx濃度N2を検出する第2NOxセンサ140が設けられている。
【0050】
これら各種センサ等の出力は制御装置80に入力される。この制御装置80は、中央処理制御装置(CPU)、各種プログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、タイマカウンタ、入力インターフェース、出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成されている。
【0051】
そして、制御装置80により、例えば燃料噴射弁4a〜4dや燃料添加弁5の燃料噴射量制御・燃料噴射時期制御、サプライポンプ10の吐出圧力制御、吸気絞り弁16を開閉するアクチュエータ17の駆動量制御、EGR弁15の開度制御等、エンジン1の各種制御が行われる。
【0052】
制御装置80は、イグニッションスイッチ25の操作に基づくエンジン1の始動及び停止に加え、エンジン1の各種制御の1つとして、車両走行状態に応じたエンジン1の自動停止制御及び自動始動制御を行う。エンジン1の自動停止条件としては例えば、「車両の走行中に車速が基準速度を下回ること」や「アクセルペダルの踏み込みが「0」になること」等が設定されている。また、エンジン1の自動始動条件としては例えば、「自動停止中にアクセルペダルが踏み込まれること」や、「バッテリの充電量が低下したこと」や、「電気負荷が増大したこと」等が設定されている。
【0053】
また、上記フィルタ32に捕集されたPMを燃焼させる上記再生処理等といった各種の排気浄化制御も同制御装置80によって行われる。
制御装置80は、排気浄化制御の一つとして、上記尿素添加弁230による尿素水の添加制御を行う。この添加制御では、エンジン1から排出されるNOxを還元処理するために過不足の無い尿素添加量が機関運転状態等に基づいて算出され、その算出された尿素添加量が尿素添加弁230から噴射されるように、同尿素添加弁230の開弁状態が制御される。
【0054】
また、尿素水添加が停止された後、尿素水供給機構200の供給通路240内や尿素添加弁230内に尿素水が残留していると、その尿素水の凍結による体積増加によって供給通路240や尿素添加弁230が損傷するおそれがある。そこで、こうした尿素水の凍結を抑えるために、制御装置80は、機関停止後に尿素添加弁230及び供給通路240から尿素水を回収する回収制御も行う。この回収制御では、予め定められた時間だけ、尿素添加弁230が開弁されるとともにポンプ220が逆回転される。これにより、尿素添加弁230や供給通路240に残留していた尿素水がタンク210に回収される。
【0055】
そして本実施形態では、機関停止後に尿素水を噴射する停止時添加を行うことで機関始動時のNOx浄化性能等を確保するようにしている。以下、図2を併せ参照して、停止時添加を行う停止時尿素添加処理の手順を説明する。なお、この停止時尿素添加処理は、制御装置80によって実行される。
【0056】
本処理が開始されるとまず、エンジン1の自動停止が開始されたか否かが判定される(S100)。そして、自動停止が開始されていないときには(S100:NO)、本処理は終了される。
【0057】
一方、自動停止が開始されたときには(S100:YES)、自動停止開始直前に検出された第2排気温度TH2が閾値α以上であるか否かが判定される(S110)。この閾値αとしては、排気通路26内の温度が尿素水の気化する温度であるか否かを判定できる値が設定されている。
【0058】
そして、第2排気温度TH2が閾値α未満であるときには(S110:NO)、本処理は終了される。
一方、第2排気温度TH2が閾値α以上であるときには(S110:YES)、第2排気温度TH2に基づいて停止時添加量TSが設定される。この停止時添加量TSは、機関停止後に尿素添加弁230から噴射する単位時間当たりの尿素水の量である。そして、排気通路26内の温度が高いときほど、噴射された尿素水は気化しやすくなるため、図3に示すように、第2排気温度TH2が高いときほど、停止時添加量TSは多くなるように同停止時添加量TSは可変設定される。
【0059】
次に、設定された停止時添加量TSが尿素添加弁230から噴射されることにより、機関停止中での停止時添加が実行される(S130)。
次に、総添加量TSAが停止判定値S以上であるか否かが判定される(S140)。この総添加量TSAは、上記停止時添加にて尿素添加弁230から噴射された尿素水の総量であり、停止時添加の実行期間中に、単位時間当たりの添加量が時間経過とともに積算されることによって算出される。また、停止判定値Sは、アンモニアスリップ(尿素水から生じたアンモニアがアンモニア酸化触媒51をすり抜けて大気に放出されること)が生じるおそれがある程度に総添加量TSAが多くなっているか否かを判定できる値であり、予めの実験等を通じて適切な値が設定されている。
【0060】
そして、総添加量TSAが停止判定値S以上であるときには(S140:YES)、これ以上停止時添加を続けるとアンモニアスリップが発生するおそれがあるため、停止時添加が終了されて(S160)、本処理は終了される。
【0061】
一方、総添加量TSAが停止判定値S未満であるときには(S140:NO)、次の条件(A)及び条件(B)の少なくとも一方が成立しているか否かが判定される(S150)。
【0062】
(A)SCR触媒41の浄化機能が低下する温度である低温判定値Aよりも第2排気温度TH2が低い。
(B)機関始動が開始された。
【0063】
そして、条件(A)及び条件(B)のいずれも成立していないときには(S150:NO)、ステップS130に戻って停止時添加が継続される。
一方、条件(A)及び条件(B)の少なくとも一方が成立しているときには(S150:NO)、停止時添加が終了されて(S160)、本処理は終了される。
【0064】
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、機関が停止した後に尿素水の噴射を行うようにしている。従って、従来の装置のように還元剤の噴射に伴った機関運転が行われないため、燃費の悪化が抑えられる。
【0065】
また、機関停止後において排気通路26内の温度は急激に低下するわけではなく、ある程度の期間が経過するまでは、尿素水が気化できる程度の高温状態になっていることが多い。従って、機関停止後に噴射された尿素水は排気通路26の内部で気化した後、アンモニアとなって排気通路26内で滞留する。そして、機関始動時には、排気通路26内に滞留したアンモニアによってNOxが浄化される。また、機関始動時には、排気通路26内に滞留したアンモニアが排気とともにSCR触媒41に到達し、このSCR触媒41でNOxが浄化される。このように、機関停止後に尿素水を噴射することにより、機関始動に先立ってアンモニアの量を適切に確保することができ、これによって機関始動時のNOx浄化性能が確保される。
【0066】
また、排気通路26内の温度が高いほど、噴射された尿素水は気化しやすくなる。そこで本実施形態では、機関停止後に行われる停止時添加に際して、排気通路26内の温度(第2排気温度TH2)が高いときほど、尿素水の噴射量(停止時添加量TS)が多くなるようにしている。従って、排気通路26内の温度に応じてより多くの尿素水が気化するようになり、NOxの浄化性能がより適切に確保される。
【0067】
また、機関が停止すると排気の流れがなくなるため、機関停止後に尿素水の噴射を行う場合には、尿素水がSCR触媒41や分散板60に届きにくくなる。この点、本実施形態では、尿素添加弁230の噴射孔がSCR触媒41に向かって開口されているため、排気の流れが無くても尿素水はSCR触媒41に供給される。従って、機関停止中においてもSCR触媒41にアンモニアを吸着させることができ、機関始動に際しては吸着したアンモニアを利用してNOxを浄化することができる。なお、機関停止からの経過時間が短い場合には、尿素添加弁230から噴射された尿素水が高温の分散板60やSCR触媒41に接触するため、これら分散板60やSCR触媒41の熱量を利用して尿素水を気化させることができる。
【0068】
また、自動停止及び自動始動が行われるエンジン1では、自動停止及び自動始動を行わないエンジンと比較して、機関の停止回数が多くなる傾向がある。従って、エンジン1において、上述した従来の装置のように機関停止の遅延処理を行うようにすると、遅延処理の実行回数が多くなり、燃費が悪化しやすくなる。この点、本実施形態では、自動停止及び自動始動が行われることにより機関の停止回数が多くなりやすいエンジン1において、自動停止が行われたときに(図2のステップS100での肯定判定)、尿素水の噴射を行うようにしている(図2のステップS130における停止時添加の実行)。そのため、上述した機関停止の遅延処理を行う従来の装置に比べて燃費がより向上するようになる。
【0069】
また、自動停止及び自動始動が行われるエンジン1では、自動停止後、比較的短い時間が経過した後に再始動されることが多い、換言すれば、機関停止後、排気通路26内の温度がある程度高いうちに再始動されることが多い。従って、自動停止後に停止時添加を行う場合には、噴射された尿素水が気化した後、液滴化する前に再始動される場合が多く、噴射された尿素水をNOx浄化のために有効利用することができる。そこで、本実施形態では、自動停止及び自動始動が行われるエンジン1、つまり機関停止後、排気通路26内の温度がある程度高いうちに再始動されることが多いエンジン1において、自動停止が行われたときに尿素水の噴射(停止時添加)を行うようにしている。そのため、噴射された尿素水はNOx浄化のために有効利用される。
【0070】
以上説明したように、本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
(1)機関停止後に、尿素添加弁230からの尿素水噴射を行うようにしている。そのため、還元剤噴射に伴った機関運転が行われないため、燃費の悪化を抑えることができる。
【0071】
(2)機関停止後の排気通路26内の温度は急激に低下するわけではなく、ある程度の期間が経過するまでは、尿素水が気化できる程度の高温状態になっていることが多い。従って、機関停止後に尿素水の噴射を行っても機関始動時のNOx浄化性能を確保することができる。
【0072】
(3)機関停止後に尿素水噴射を行う際の噴射量(停止時添加量TS)は、排気通路26内の温度が高いときほど多くなるように可変設定される。従って、NOxの浄化性能がより適切に確保されるようになる。
【0073】
(4)尿素添加弁230の噴射孔は、SCR触媒41に向かって開口されている。従って、機関停止後であって排気の流れが無い状態でも、尿素水をSCR触媒41に供給することができるようになる。
【0074】
(5)エンジン1は、所定の条件が成立したときに自動停止及び自動始動が行われるエンジンであり、自動停止が行われたときに尿素水の噴射を行うようにしている。そのため、上述した機関停止の遅延処理を行う従来の装置に比べて燃費をより向上させることができる。また、噴射された還元剤をNOx浄化のために有効利用することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置を具体化した第2実施形態について、図4を参照して説明する。
【0075】
機関停止後に尿素水を噴射する場合において、その噴射された尿素水が十分に霧化しないと、尿素水は液滴化して気化が阻害されてしまう。このようにして尿素水の気化が阻害されてしまうと、NOxの浄化性能を低下するおそれがある。
【0076】
また、機関停止後では排気の流れが無いため、機関運転中と比較して、尿素添加弁230から噴射された尿素水はSCR触媒41に到達しにくい。
そこで、本実施形態では、機関停止後に尿素水を噴射するときには、尿素水の噴射圧を機関運転中の噴射圧よりも高くするとともに、尿素水を間欠噴射するようにしており、先の図2に示した停止時尿素添加処理とは一部のみが異なっている。以下、第1実施形態で説明した停止時尿素添加処理との相異点を中心に、本実施形態の停止時尿素添加処理を説明する。
【0077】
本実施形態の停止時尿素添加処理では、図4に示すように、先の図2のステップS120の処理、つまり第2排気温度TH2に基づく停止時添加量TSの設定が完了すると、次に、停止時噴射圧SPが設定される(S200)。この停止時噴射圧SPには、機関運転中での尿素水の噴射圧よりも高い圧力が設定されている。そして、こうした噴射圧の高圧化は、ポンプ220の吐出圧を高めることで行われる。
【0078】
次に、停止時噴射圧SPにて尿素水の停止時添加が行われて(S210)、先の図2のステップS140以降の処理が行われる。このステップS210での停止時添加では、尿素水が間欠的に噴射される、つまり尿素添加弁230の開弁及び閉弁が短い周期で繰り返し行われる。
【0079】
次に、本実施形態特有の作用を説明する。
停止時添加を行うときの尿素水の噴射圧は、機関運転中での尿素水の噴射圧よりも高くされる。こうした噴射圧の高圧化によって尿素水の霧化が促進されるため、尿素水の液滴化が抑えられ、より多くの尿素水が気化するようになる。また、噴射圧の高圧化によって尿素水の噴霧到達距離が長くなるため、尿素水がSCR触媒41に到達しやすくなり、より一層尿素水がSCR触媒41に供給されるようになる。
【0080】
また、尿素水を間欠噴射すると、連続噴射する場合と比較して、尿素水の霧化が促進される傾向にあることを本発明者は確認している。そこで、機関停止後の尿素水の噴射を間欠噴射にて行うようにしている。従って、排気の流れがなく尿素水が霧化しにくい機関停止後に尿素水を噴射する場合でも、尿素水の霧化が促進される。
【0081】
以上説明したように、本実施形態によれば、上記(1)〜(5)の効果に加えて、さらに次の効果を得ることができる。
(6)機関停止後に尿素水を噴射するときには、尿素水の噴射圧を機関運転中の噴射圧よりも高くするようにしている。そのため、より多くの尿素水を気化させることができるようになる。
【0082】
(7)尿素添加弁230の噴射孔がSCR触媒41に向かって開口されている。そして、機関停止後に尿素水を噴射するときには、尿素水の噴射圧を機関運転中の噴射圧よりも高くするようにしている。従って、機関停止後における尿素水の噴射では、尿素水の噴霧到達距離が長くなり、尿素水をSCR触媒41により一層供給することができるようになる。
【0083】
(8)機関停止後に尿素水を噴射するときには、尿素水を間欠噴射するようにしている。従って、これによっても尿素水の霧化を促進させることができるようになる。
(第3実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置を具体化した第3実施形態について、図5を参照して説明する。
【0084】
第1実施形態の排気浄化装置では、尿素添加弁230や供給通路240での尿素水の凍結を抑えるために、上述した尿素水の回収制御を行うようにしている。
このようにして尿素水の回収を行うと、尿素添加弁230や供給通路240内には排気や空気が吸い込まれる。そのため、回収制御を行った後に尿素水を噴射するときには、尿素添加弁230や供給通路240を尿素水で満たす必要があり、こうした尿素添加弁230や供給通路240への尿素水の充填が完了するまでは排気通路26内に十分な量の尿素水を供給することができない。従って、尿素水の充填が完了するまではNOx浄化性能が低下するおそれがある。
【0085】
そこで、本実施形態では、図5に示すように、尿素水の回収制御の実行可否を判定する判定処理を行うことで、尿素水の充填期間中におけるNOx浄化性能の低下を抑えるようにしている。なお、本処理は、制御装置80によって実行される。ちなみに本実施形態では、同判定処理を第1実施形態の排気浄化装置に適用するようにしているが、第2実施形態の排気浄化装置にも適用することができる。
【0086】
本処理が開始されるとまず、次の条件(C)及び条件(D)の少なくとも一方が成立したか否かが判定される(S300)。
(C)自動停止が開始されてからの経過時間である自動停止時間ASTが判定時間TA以上である。
【0087】
(D)イグニッションスイッチ25がオフ操作された。
なお、上記自動停止時間ASTは、エンジン1の自動停止が開始されてから自動始動が行われるまで制御装置80によって計測される。また、上記判定時間TAとしては、機関停止後において尿素水が凍結する程度に温度が低くなるまでの時間が設定されており、より好適には機関停止時の機関水温や排気温度、あるいは外気温度等に応じて可変設定することにより、さらに最適な時間が設定される。
【0088】
そして、条件(C)及び条件(D)の少なくとも一方が成立しているときには(S300:YES)、尿素水の回収制御が実行されて(S310)、本処理は終了される。
一方、条件(C)及び条件(D)のいずれも成立していないときには(S300:NO)、尿素水の回収制御が禁止されて(S320)、本処理は終了される。
【0089】
次に、本実施形態特有の作用を説明する。
機関停止時間が短ければ、機関熱や排気熱などによって尿素水の凍結は抑えられる。逆にいえば、機関停止時間が長ければ、尿素水が凍結する可能性は高くなる。そのため、機関停止時間が短い場合には尿素水の回収を行う必要が無く、尿素水の回収を行わないのであれば上述した尿素水の充填も不要になるため、尿素水の充填期間中におけるNOx浄化性能の低下も生じない。
【0090】
そこで、機関の自動停止時間ASTが所定の判定時間TA以上のときには、尿素水の回収を行うようにしている。従って、自動停止時間ASTが判定時間TAよりも短く、尿素水の凍結可能性が低いときには尿素水の回収が行われなくなる。従って、尿素水の回収頻度を抑えることができ、これにより尿素水の充填期間中におけるNOx浄化性能の低下が抑えられる。
【0091】
また、イグニッションスイッチ25がオフ操作されたときにも尿素水の回収を行うようにしている。従って、機関停止時間が比較的短い傾向にあるエンジン1の自動停止時には、尿素水の回収が行われなくなる。従って、上記条件(D)を設定することによっても、尿素水の回収頻度を抑えることができ、これにより尿素水の充填期間中におけるNOx浄化性能の低下が抑えられる。
【0092】
以上説明したように、本実施形態によれば、上記(1)〜(5)の効果に加えて、さらに次の効果を得ることができる。
(9)エンジン1の自動停止時間ASTが判定時間TA以上のときに尿素水の回収を行うようにしている。従って、尿素水の回収頻度を抑えることができ、これにより尿素水の充填期間中におけるNOx浄化性能の低下を抑えることができるようになる。
【0093】
(10)また、エンジン1のイグニッションスイッチ25がオフ操作されたときにも尿素水の回収を行うようにしている。従って、この場合にも、尿素水の回収頻度を抑えることができ、これにより尿素水の充填期間中におけるNOx浄化性能の低下を抑えることができるようになる。
【0094】
なお、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・第1実施形態では、図2のステップS110において、排気通路26内の温度が尿素水の気化する温度であるか否かを判定するようにした。しかし、機関停止直後では、排気通路26内の温度が尿素水の気化する温度隣っている可能性が高い。従って、より簡易的にはステップS110の処理を省略することも可能である。
【0095】
・第2実施形態では、停止時添加を行う場合に噴射圧の高圧化と間欠噴射とを行うようにした。この他、噴射圧を高圧化するとともに、間欠噴射ではなく尿素水を連続噴射するようにしてもよい。また、噴射圧の高圧化を省略して尿素水の間欠噴射のみを行うようにしてもよい。
【0096】
・第3実施形態において、先の図5に示したステップS300では、条件(C)のみを判定したり、条件(D)のみを判定するようにしてもよい。
・尿素添加弁230はその噴射孔がSCR触媒41に向かって開口されていた。この他、噴射孔がSCR触媒41に向かって開口していないもの、例えば噴射孔が排気通路の内壁に向かっているものであっても、本発明は適用することができる。この場合でも、上記(4)及び(7)以外の効果を得ることができる。
【0097】
・第2排気温度TH2をセンサで検出するようにしたが、機関運転状態に基づいて推定するようにしてもよい。
・供給通路240から尿素水を回収するときには、ポンプ220を逆回転させるようにしたがこの他の態様で回収を行ってもよい。例えば、供給通路240内での尿素水の流れ方向を変更する切替弁等を供給通路240に設けてもよい。
【0098】
・還元剤として尿素水を使用するようにしたが、この他の液状の還元剤を使用するようにしてもよい。
・各実施形態におけるエンジン1は、自動停止及び自動始動が行われる内燃機関であったが、こうした自動停止及び自動始動が行われない内燃機関の排気浄化装置としても、本発明は適用することができる。
【0099】
自動停止及び自動始動が行われない内燃機関の排気浄化装置に本発明を適用する場合には、図2のステップS100において、自動停止が開始されたか否かを判定する代わりに、機関停止が行われたか否かを判定する。例えばイグニッションスイッチ25がオフ操作されたか否かを判定するようにすればよい。また、図5のステップS300では、「自動停止時間ASTが判定時間TA以上である」という条件(C)を省略する。こうした変形例でも、上記(5)及び(9)以外の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0100】
1…エンジン、2…シリンダヘッド、3…吸気通路、4a〜4d…燃料噴射弁、5…燃料添加弁、6a〜6d…排気ポート、7…インテークマニホールド、8…エキゾーストマニホール、9…コモンレール、10…サプライポンプ、11…ターボチャージャ、13…EGR通路、14…EGRクーラ、15…EGR弁、16…吸気絞り弁、17…アクチュエータ、18…インタークーラ、19…エアフロメータ、20…絞り弁開度センサ、21…機関回転速度センサ、22…アクセルセンサ、23…外気温センサ、24…車速センサ、25…イグニッションスイッチ、26…排気通路、27…燃料供給管、30…第1浄化部材、31…酸化触媒、32…フィルタ、40…第2浄化部材、41…NOx浄化触媒(選択還元型NOx触媒:SCR触媒)、50…第3浄化部材、51…アンモニア酸化触媒、60…分散板、80…制御装置、100…第1排気温度センサ、110…差圧センサ、120…第2排気温度センサ、130…第1NOxセンサ、140…第2NOxセンサ、200…尿素水供給機構、210…タンク、220…ポンプ、230…尿素添加弁、240…供給通路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
還元剤の供給によりNOxを浄化するNOx浄化触媒と、還元剤を排気通路内に噴射する還元剤噴射弁とを備える内燃機関の排気浄化装置において、
機関停止後に前記還元剤噴射弁からの還元剤噴射を行う
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
【請求項2】
前記還元剤噴射を行うときの還元剤の噴射圧は、機関運転中の噴射圧よりも高くされる
請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項3】
前記還元剤は間欠噴射される
請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項4】
前記還元剤噴射を行うときの還元剤噴射量は、排気通路内の温度が高いときほど多くなるように可変設定される
請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項5】
前記還元剤噴射弁の噴射孔は、前記NOx浄化触媒に向かって開口されている
請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項6】
前記内燃機関は、所定の条件が成立したときに自動停止及び自動始動が行われる機関であり、自動停止が行われたときに前記還元剤噴射を行う
請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項7】
前記還元剤噴射弁に還元剤を供給する供給通路と、前記供給通路から還元剤を回収する回収手段とを備えており、
前記回収手段は、機関停止時間が所定時間を超えたときに還元剤の回収を行う
請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項8】
前記還元剤噴射弁に還元剤を供給する供給通路と、前記供給通路から還元剤を回収する回収手段とを備えており、
前記回収手段は、前記内燃機関のイグニッションスイッチがオフ操作されたときに還元剤の回収を行う
請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−113267(P2013−113267A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262409(P2011−262409)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】