内燃機関の燃料の流れから含硫芳香族化合物を蓄積し放出するための装置および方法
【課題】内燃機関の燃料の流れから硫黄を低減する燃料フィルタを備えることでNOX吸着装置の硫黄汚染物質の悪影響を抑える。
【解決手段】燃料フィルタは、吸着剤を備え、含硫化合物をガソリンまたはディーゼル燃料から除去する。燃焼後の排出制御デバイスの耐用期間を延ばすための装置、除去された含硫化合物を蓄積するステップ、蓄積された含硫化合物を放出するステップ、その放出部分を排出制御デバイスに送るステップとを含む。
【解決手段】燃料フィルタは、吸着剤を備え、含硫化合物をガソリンまたはディーゼル燃料から除去する。燃焼後の排出制御デバイスの耐用期間を延ばすための装置、除去された含硫化合物を蓄積するステップ、蓄積された含硫化合物を放出するステップ、その放出部分を排出制御デバイスに送るステップとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載)
本発明の実施形態は、契約番号DE−FC26−02NT41219のもとで政府の支援によってなされることが可能である。したがって、米国政府は、本発明の部分または実施形態に対するペイドアップ・ライセンス、および限定された条件で契約番号DE−FC26−02NT41219の条項により定められるような合理的な条件で特許権者が他者にライセンスを供与することに対して要求する権利を有することができる。
(関連出願の相互参照)
本発明は、2004年3月15日に出願の米国仮特許出願60/553225の利益を主張するものである。その内容は本明細書に参照によって援用される。
【0002】
本発明は、内燃機関の燃料の流れの中の含硫化合物の低減、操作、および/または分配に関する燃料フィルタ、装置、および方法に関する。より詳細には、開示された発明は、内燃機関、特に自走車(motor vehicle)のエンジンからの窒素酸化物を低減するために、燃焼後の排出デバイスの能力を向上させる。
【背景技術】
【0003】
窒素酸化物または「NOX」の吸着装置は、可動式および固定式のいずれの内燃機関の排気の流れから窒素酸化物を除去するのにも使用される。しかし、このようなNOX吸着装置の効率は、含硫化合物が存在すると低減される。そのような含硫化合物、特に含硫芳香族化合物は、NOX吸着装置の触媒の「働きを損ない」、または触媒と不可逆的に反応する。汚染された触媒を有するNOX吸着装置は、低減した効率を有する。その結果、内燃機関で使用される燃料中に含硫化合物が存在すると、排気物質、特に亜酸化窒素の排出に対して有害な作用を及ぼすおそれがある。これは、ディーゼルエンジンを使用する自走車および固定式システムにおいて特に懸念される問題である。
【0004】
NOX吸着装置内の触媒は、一般に、触媒/NOX吸着装置の推定耐用寿命を延長させるようになされた再生プロセスを受ける。第1のタイプの再生プロセスでは、NOX吸着装置から窒素の形でNOXが除去されるようになされている。第2のタイプの再生プロセスでは、含硫化合物などの汚染物質が放出され、除去される。後者のプロセスは、脱硫と呼ばれることもあり、一般にNOX再生プロセスよりも高温で行われる。そのような高温に繰り返し露出されると、触媒の推定耐用寿命に悪影響を与える可能性がある。
【0005】
燃料の流れの中に存在する含硫化合物の濃度は、NOX吸着装置が脱硫をどのぐらいの頻度で受ける必要があるかに直接的に影響を及ぼす。濃度が高いほど、NOX吸着装置の触媒は、より多くの頻度で脱硫を受ける必要がある。同様にNOX吸着装置は、それがより多くの頻度で脱硫を受けると推定耐用寿命がより短くなる。
【0006】
したがって、NOX吸着装置の硫黄汚染物質の悪影響を最小限に抑えることが可能な燃料フィルタを提供することが有利である。
【0007】
従来技術では、内燃機関の燃料の流れから硫黄を含む燃料を除去するデバイスを提供しようという試みがなされた。たとえば、その内容が参照によって本明細書に援用される米国特許出願2002/0028505A1は、エンジンの燃料タンクとインジェクタの間に配置された自動車に装着された脱硫装置を開示し、その装置は、含硫化合物を吸着し、濃縮するための含硫化合物吸着剤と、吸着された含硫化合物を酸化するための含硫化合物酸化剤または酸化触媒との組み合わせを備え、その装置はさらに、生成される含硫酸化物を回収し、除去するための手段を備える。
【0008】
しかし、内燃機関の燃料の流れの中の含硫化合物の量を所望の濃度、特に3ppm以下の濃度に低減可能なデバイス、特に燃料フィルタがなお必要である。
【0009】
このような燃料フィルタが再生可能、すなわち燃料フィルタの耐用期間を延ばし、または容量を拡張するために、蓄積された含硫化合物のいくらかまたは全てを分配可能であれば、同じく有利であろう。このような再生が、NOX吸着装置またはエンジン排気物質に有害な影響を与えずに行うことが可能であればとりわけ有利であろう。したがって、このような燃料フィルタが、脱硫の頻度を低下させることによってNOX吸着装置の耐用期間を延ばすことができれば、同様に望ましいであろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの実施形態では、内燃機関燃料(internal combustion fuel)の流れから含硫化合物を除去するための燃料フィルタが開示され、その燃料フィルタは、少なくとも1つの吸着剤を含むカラムを備える。1つの例示の実施形態では、吸着剤は、含硫化合物、特に含硫芳香族化合物を内燃機関で使用される燃料、特にディーゼル燃料から除去することが可能である。
【0011】
燃焼後の排出制御デバイスの耐用期間を延ばすための装置も開示されている。1つの例示の実施形態では、装置は内燃機関燃料の流れから含硫化合物を除去するための燃料フィルタ、内燃機関、燃焼後の排出制御デバイス、ならびにフィルタ、機関、および排出制御デバイスを連結する中空の導管を備える。
【0012】
含硫化合物を除去し、蓄積し、放出することが可能な硫黄除去フィルタであって、フィルタが排出制御デバイスの再生サイクル中に、蓄積された含硫化合物のいくらかまたは全てを分配可能であり、含硫化合物の放出は、再生中に行われ、NOX吸着装置またはエンジン排気物質に有害な影響を与えることなく行われる。
【0013】
排出制御デバイスの再生サイクル間の期間を延ばすためのシステムであって、
燃料の流れから含硫化合物を除去し、蓄積し、放出するための燃料フィルタと、燃料システムおよび燃料フィルタと流体連通する内燃機関と、内燃機関の排気の流れと流体連通する排出制御デバイスと、蓄積された含硫化合物の放出を制御するための手段とを備える。
【0014】
最後に、内燃機関燃料の流れから含硫化合物を除去するための方法が開示される。1つの例示の実施形態では、方法は、含硫化合物を除去可能な燃料フィルタに燃料を通過させるステップと、除去された含硫化合物を蓄積するステップと、蓄積された含硫化合物の一部を放出するステップと、放出された部分を機関を通過させて、燃焼後の排出制御デバイス内に送るステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】単一のカラムを備える、開示された燃料フィルタの1つの実施形態の概略図である。
【図2】ガードベッドを有する単一のカラムを備える、開示された燃料フィルタの別の実施形態の概略図である。
【図3】ガードベッドを有する単一のカラムを備える、図2の開示された燃料フィルタの別の実施形態の概略図である。
【図4】複式のガードベッドを有する単一のカラムを備える、開示された燃料フィルタの別の実施形態の概略図である。
【図5】1つのガードベッドを有する複式のカラムを備える、開示された燃料フィルタの別の実施形態の概略図である。
【図6】複式のガードベッドを有する複式のカラムを備える、開示された燃料フィルタの別の実施形態の概略図である。
【図7】複式のガードベッドを有する複式のカラムを備える、図6の開示された燃料フィルタの別の実施形態の図である。
【図8】ステップ5の開始時の入口のガス混合物を示すグラフである。
【図9】ステップ5の開始時の出口のガス混合物を示すグラフである。
【図10】ステップ3の開始時のリーンNOXトラップ(LNT)活性を示すグラフである。
【図11】ステップ3の終了時のリーンNOXトラップ(LNT)活性を示すグラフである。
【図12】ステップ5の開始時のリーンNOXトラップ(LNT)活性を示すグラフである。
【図13】ステップ5の終了時のリーンNOXトラップ(LNT)活性を示すグラフである。
【図14】ベースライン・テスト・シーケンスに関する、ステップ番号に対する通常動作の開始時の変換効率の%のプロットである。
【図15】ベースライン・テスト・シーケンスに関する、ステップ番号に対する通常動作の終了時の変換効率の%のプロットである。
【図16】高硫黄テストシーケンスに関する、ステップ番号に対する通常動作の開始時の変換効率の%のプロットである。
【図17】高硫黄テストシーケンスに関する、ステップ番号に対する通常動作の終了時の変換効率の%のプロットである。
【図18】本発明の例示の実施形態による内燃機関および燃料フィルタを備えるNOX吸着装置の概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
含硫化合物を内燃機関の燃料の流れから3ppm以下の濃度に除去し、除去された含硫化合物を蓄積することが可能な燃料フィルタが開示される。フィルタの蓄積容量が低下すると蓄積された含硫化合物の少なくとも一部分が放出されるので、このフィルタは再生可能である。本明細書では、燃料フィルタは、燃料内に確認される含硫化合物を除去し、その後放出するように設計された燃料フィルタを示すことが意図されている。例示の実施形態による以外に燃料から汚染物質を除去するために、(たとえば一般的なまたは非硫黄分を除去する燃料フィルタなどの)別個の燃料フィルタが設けられることが理解される。あるいは、含硫化合物の除去および放出の両方、およびその他の汚染物質の濾過のために構成された単一の燃料フィルタが本発明の別の実施形態の範囲内にあることが企図される。単数形「1つの」「1つの」および「その」は、文脈がそれ以外の形で明白に表わさない限り複数の指示を含む。「任意の」「任意で」は、後に述べられた事象または状況が生じ、または生じない可能性があることを意味し、その記述は、その事象が生じる場合と生じない場合を含む。修飾語「約」は、量が述べられた値を含んでいることに関連して使用され、(たとえば、特定の量の測定に関する誤差の度合いを含むような)文脈によって表される意味を有する。
【0017】
開示された燃料フィルタは、固定システムおよび自走車の両方で使用される内燃機関に使用することができる。例示の固定式システムは、発電機および動力装置を含む。例示の自走車には、自動車、トラック、ボート、水上オートバイ、トレーラ・トラック、ブルドーザおよびクレーンなどの建設機器、芝刈機およびトラクターなどの小さなエンジンの機器が含まれ、硫黄除去燃料フィルタは搭載されたシステムの一部である。1つの例示の実施形態は車両への適用であり、硫黄除去フィルタが排出制御システムの一部分であり、フィルタがNOX吸着装置の再生プロセス中に捕らえた含硫化合物を燃料の流れの中に放出し、NOX吸着剤の再生は、関連分野の技術者に公知の技術に関連して行われる。
【0018】
適切な内燃機関は、どのような適切な有機燃料によっても動力を与えられることが可能である。1つの実施形態では、燃料は、ガソリンまたはディーゼル燃料である。1つの例示の実施形態では、燃料は、ディーゼル燃料である。
【0019】
開示された燃料フィルタにより除去される含硫化合物は、一般に内燃機関で使用するために意図された燃料に標準的に確認されるどのような含硫化合物であることもできる。1つの例示の実施形態では、開示されたフィルタによって除去される含硫化合物は、含硫芳香族化合物である。開示された燃料フィルタにより除去される例示の含硫化合物には、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、およびその誘導体が含まれる。開示された燃料フィルタは、燃料の流れからの1つまたは複数のこのような化合物を除去することができる。
【0020】
開示された燃料フィルタおよび方法は、「高」硫黄燃料または「低」硫黄燃料の市販の燃料に使用することができる。1つの実施形態では、濾過されない燃料の流れは、約6ppmから500ppmの硫黄濃度を含む可能性がある。別の実施形態では、開示されたフィルタおよび方法は、約15ppm以下の硫黄濃度を有する濾過されない燃料の流れに使用することができる。1つの例示の実施形態では、開示されたフィルタおよび方法は、約9ppm以下の硫黄濃度を有する濾過されない燃料の流れに使用することができる。1つの実施形態では、開示されたフィルタおよび方法は、約6ppmから約15ppmの硫黄濃度を有する濾過されない燃料の流れに使用することができる。
【0021】
1つの実施形態では、開示された方法は、低減された硫黄濃度、特に3ppm以下の硫黄濃度を有する濾過された燃料の流れをもたらす。
【0022】
1つの例示の実施形態では、燃料フィルタは、吸着剤を備える少なくとも1つのカラムを備える。図1に示されるように、少なくとも1つのカラム10が、濾過されていない燃料がそこを通ってコラム10に入る第1の開口10と、濾過された燃料がそこを通ってコラム10を出る第2の開口14とを有する。フィルタの通常動作中に、開口14を出る燃料中の含硫化合物の濃度は、開口12に入る燃料中の含硫化合物の濃度より少なくなる。
【0023】
例示の吸着剤には、1つまたは複数の活性炭、ゼオライト、粘土、酸性白土、活性白土、シリカゲル、二酸化ケイ素、アルミナ、酸化アルミニウム、メソポーラスシリカ多孔質材料(FSM)、その混合物などが含まれる。1つの実施形態では、吸着剤は、少なくとも1つのアルミナまたは酸化アルミニウムを含む。1つの例示の実施形態では、吸着剤がアルミナからなる。
【0024】
別の例示の実施形態では、開示された燃料フィルタはさらに、図2または図3に示されるような、少なくとも1つのガードベッド16を備える。
【0025】
図2に示されるように、少なくとも1つのガードベッド16が、燃料がそこを通ってガードベッドに入る第1の開口18と、燃料がそこを通ってガードベッドを出る第2の開口20を有することができる。この実施形態では、ガードベッド16は、中空の導管22を介して少なくとも1つのカラム10に連結され、その導管を通って燃料が通過し移送できる。
【0026】
あるいは、図3に示されるような別の実施形態では、燃料が第1の開口16を通って入り、ガードベッド16およびカラム10の両方を通過し、その後、カラム10の第2の開口14を通って出るように、少なくとも1つのガードベッド16が、カラム10に接触して取り付け可能である。
【0027】
図4に示される別の実施形態では、開示された燃料フィルタは、導管28および30を介して2つのガードベッド24および26に連結される少なくとも1つのカラム10を備えることができる。この実施形態では、流入する燃料は、ガードベッド24および26のうちの1つまたは両方に入ることができる。ガードベッド24および26のうちの1つまたは両方から出た後に、燃料は導管30を介してカラム10に移送される。この実施形態では、カラム10に入る燃料は、第1の開口12を通過し、第2の開口14を介してカラム10を出る。
【0028】
図5に示される別の実施形態では、燃料フィルタは、複式のカラム32および34と、単体のガードベッド44とを備えることができる。複式のカラム32および34はそれぞれ、燃料がそこを通って入ることができる第1の開口36および38と、燃料がそこを通って出ることができる第2の開口40および42とを有する。単体のガードベッド44は、導管46を介して複式のカラム32および34に連結されている。1つの実施形態での導管46は、燃料がカラム32および34のうちの1つまたは両方に、順次にまたは同時に入ることができるように配置される導管48および50を有する。
【0029】
最後に、図6および7に示されるように、開示された燃料フィルタは、2つのガードベッド52および54と、2つのカラム56および58とを備えることができる。図2の実施形態に関して上記に論じられたように、ガードベッド52および54はそれぞれ、導管60および62を介してカラム56および58に連結されている。あるいは、ガードベッド52および54は、いかなる中空の導管を使用することなしにカラム56および58に直接的に取り付けられている。図4および5に関して上記に論じられたように、燃料はガードベッド52および54のうちの1つまたは両方、ならびに、カラム56および58のうちの1つまたは両方に入ることができる。
【0030】
開示された燃料フィルタに加えて、本発明は内燃機関燃料の流れから含硫化合物を除去するための方法も提供する。開示された方法は、含硫化合物を除去可能な燃料フィルタに燃料を通過させることによって燃料から含硫化合物を除去するステップと、除去された含硫化合物を蓄積するステップと、蓄積された含硫化合物の一部を放出するステップと、その部分を排出制御デバイスに送るステップとを含む。
【0031】
燃料が開示された燃料フィルタを通過すると、含硫化合物が燃料の流れから除去される。1つの例示の実施形態では、燃料が上記に論じたような吸着剤を含む少なくとも1つのカラムを通過すると、含硫化合物が除去される。
【0032】
開示された燃料フィルタによって燃料の流れから除去される含硫化合物は、燃料フィルタによって蓄積される。1つの例示の実施形態では、除去された含硫化合物は、吸着剤を含む少なくとも1つのカラムに蓄積される。1つの特定の例示の実施形態では、除去された含硫化合物が吸着剤に蓄積される。
【0033】
内燃機関の耐用期間にわたって、開示された燃料フィルタはある量の含硫化合物を除去することが理解されよう。ある点で吸着剤は、さらに蓄積することが所望されても含硫化合物をそれ以上蓄積することが不可能になる可能性がある。そのような点では、開示された燃料フィルタが再生される。燃料フィルタがいつ含硫化合物によって飽和させられたか判断する限定されない例には、
センサによって燃料フィルタの前後の燃料の硫黄含有率を測定すること(フィルタに入る測定値と等しいあるいはそれに近い硫黄測定値は、フィルタが燃料から硫黄をこれ以上除去しないことを示す)、
エンジンが排気の流れにどれほど多くの硫黄を排出しているか判断するセンサを設けること、
車両の燃料中の硫黄の百万分率でのベースラインを判断するために燃料貯蔵タンクにセンサを設けること、
および、燃料フィルタの前後に圧力センサを設けることがあり、上述の方法はどれも、図18によって示されるようなマイクロプロセッサまたは制御装置、およびそれと連絡する様々なセンサによって容易にされる。本明細書で用いられる燃料フィルタの再生は、蓄積された含硫化合物の少なくとも1つの部分を放出することを指す。そのような放出または再生は、1つまたは複数の方法によって達成可能である。
【0034】
1つの例示の実施形態では、燃料フィルタの再生は、燃料フィルタを高い温度に加熱することによって達成される。1つの実施形態では、燃料フィルタの少なくとも1つのカラムが(図18に示される)加熱要素によって加熱され、燃料フィルタの吸着部材、燃料のどちらかまたは両方が、燃料の流れの最高の通常動作温度よりも高い温度に加熱され、捕らえられた含硫化合物が燃料の流れの中に放出される。1つの例示の実施形態では、加熱要素は、抵抗型の加熱要素であり、捕らえられた含硫化合物を放出するために、電源から加えられる電流または電圧が燃料または吸着材料の温度を上昇させるのに使用される。当然のことながら、その他の同等な加熱デバイスが本発明の例示の実施形態で使用するために企図される。1つの例示の実施形態では、燃料フィルタの少なくとも1つのカラムが約100°Cに等しい、またはそれより高い温度に加熱される。別の実施形態では、燃料フィルタの少なくとも1つのカラムが燃料の沸点に等しい、またはそれより低い温度に加熱される。
【0035】
別の実施形態では、燃料フィルタは、加熱された燃料の流れの使用によって、または燃料以外の溶媒による置換によって再生可能であり、溶媒は、燃料の流れと流体連通する溶媒リザーバから放出され、吸着部材から捕らえられた含硫化合物を放出することができる。1つの例示の実施形態では、溶媒はリザーバから放出され、次いで適切なフィルタによって再び捕らえられ、あるいは溶媒は同じまたは関連する排出制御デバイスに損傷を与えることなしに内燃機関で消費可能である材料である。
【0036】
燃料フィルタの再生によって放出された、蓄積された含硫化合物の部分は、内燃機関を通って排出制御デバイス、特に燃焼後の排出制御デバイスの中に送られる。本明細書で用いられる排出制御デバイスは、移動式および固定式の両方の内燃機関の排気の流れから窒素酸化物を除去するのに使用される窒素酸化物または「NOX」の吸着装置を指す。1つの実施形態では、排出制御デバイスはリーンNOXトラップ、すなわちLNTである。「燃焼後」は、内燃機関からの燃焼生成物を受けるように配置された、すなわち内燃機関の下流側に配置されたデバイスを指す。
【0037】
1つの例示の実施形態では、放出された部分が、増加された硫黄の濃度の効果が最小限に抑えられる、デバイスの動作サイクルでの動作または時間で、排出制御デバイスに入るように、その部分がエンジンを通って排出制御デバイス内に送られる。そのような時間または動作の限定されない例が、同封された例および図面に示される。
【0038】
別の実施形態では、その部分は、高硫黄レベルにより影響を受けないサイクル中の時に、エンジンを通ってNOX吸着装置などの燃焼後の排出デバイス内に送られることができる。そのような時または動作の限定されない例が、同封された例および図面に示される。さらに好ましい実施形態では、開示された燃料フィルタの再生によって放出された含硫化合物の部分が、NOX吸着剤および/またはNOX吸着触媒がNOXまたは脱硫に関する再生プロセスを受けているときNOX吸着装置に送られる。
【0039】
NOX吸着装置内の触媒は、一般に、触媒/NOX吸着装置の効率を改善させるようになされた再生プロセスを受ける。第1のタイプの再生プロセスは、窒素酸化物を窒素に変換するようになされている。第2のタイプの再生プロセスでは、含硫化合物などの汚染物質が除去される。後者のプロセスは、脱硫と呼ばれる場合もあり、一般に、添付の例に示されるような、より高温で行われる。当然のことながら、本発明の例示の実施形態は、同封の例および図面に示されたものより高いまたは低い温度を含むことができることが理解される。
【0040】
1つの例示の実施形態では、開示された燃料フィルタの再生によって放出された含硫化合物の部分が、NOX吸着装置および/またはNOX吸着触媒が、再生プロセスを受けているときNOX吸着装置に送られ、低減によって亜酸化窒素の除去または放出がなされることになる。
【0041】
別の実施形態では、開示された燃料フィルタの再生によって放出された含硫化合物の部分が、NOX吸着装置および/またはNOX吸着触媒が、再生プロセスを受けているときNOX吸着装置に送られ、その結果、窒素酸化物の遊離すなわち脱硫が生じる。
【0042】
1つの例示の実施形態では、その部分の放出およびそれを排出制御デバイスに送ることは、燃料フィルタの再生期間と比較して短い時間にわたって行われる。1つの例示の実施形態では、燃料フィルタの再生期間は、排出制御デバイスの再生期間と近似する。本発明の例示の実施形態によれば、再生期間がより少ない頻度になり、より長い間隔になることが可能なように、燃料フィルタがNOX吸着装置に堆積される硫黄の量を低減するとき、排出制御デバイスの再生期間は最大にされる。
【0043】
本明細書には、内燃機関72の排気と流体連通する排出制御デバイス70の耐用期間を延ばすための方法および装置も開示される。この装置およびシステムは、図18に概略的に示される内燃機関燃料の流れから含硫化合物を除去し、蓄積するための開示される燃料フィルタを備える。図示されるように、内燃機関は、燃料フィルタを介して燃料貯蔵タンク74から燃料を受ける。蓄積された含硫化合物を燃料の流れの中に放出することを監視し、制御する装置、方法および手段の限定されない例が図18に示されている。
【0044】
1つの実施形態では、排出制御デバイスは、内燃機関の燃焼室からガス状燃焼生成物を受け取る燃焼後の排出制御デバイスである。
【0045】
1つの例示の実施形態では、蓄積された含硫化合物の放出を監視し制御する、装置、方法または手段は、複数のセンサ78と排出制御デバイスの加熱要素とを有する搭載された制御装置であり、それぞれのセンサは、複数のセンサから信号を受け取り、燃料フィルタ、ならびにその関連した加熱要素、内燃機関、および必要であれば(たとえば、排気温度を上昇させるためのリーンまたはリッチ操作など)空気を燃料の流れの混合物に変えるための燃料送出および点火システムに信号を提供するように構成されたプログラマブル・ロジックを備えるマイクロプロセッサまたは制御装置80に信号を提供し、(たとえば、燃料フィルタが硫黄容量に達し、排出制御デバイスが脱硫または再生モードで動作する)適切な信号を受け取ると、マイクロプロセッサは硫黄を燃料の流れの中に放出するよう指示し、その硫黄は、排出制御デバイスに悪影響を与えずにそのデバイスによって受け取られる。
【0046】
コンピュータ・プログラムに応答して動作する制御装置が、上述の処理を実行できることが理解される。したがって、規定の機能および所望の処理、ならびに計算を行うために、制御装置は、それに限定はされないが、プロセッサ、コンピュータ、メモリ、記憶装置、レジスタ、タイミング、割り込み、通信インターフェース、および入力/出力信号インターフェース、ならびに前述したもののうちの少なくとも1つを備える組み合わせを含むことができる。
【0047】
上記に示されるように、本発明の例示の実施形態を実行するアルゴリズムは、こうしたプロセスを実行するためのコンピュータにより実行されるプロセスおよび装置の形で実施することができる。アルゴリズムは、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、ハードドライブ、またはその他のどのような読取り可能な記憶媒体などの有形の媒体でも実施される、コンピュータプログラムコードの形で実施することも可能であり、コンピュータプログラムコードがコンピュータおよび/または制御装置にロードされ、それによって実行される場合、コンピュータは、本発明を実施する装置になる。現行のシステムが様々な態様のコマンドコードを実行するために更新可能である(たとえば、フラッシュメモリなど)再プログラム可能な記憶装置を有し、コンピュータプログラムコードがコンピュータおよび/または制御装置にロードされ、それによって実行される場合、アルゴリズムは、同様に、たとえば、コンピュータによって記憶メディアに記憶され、ロードされ、および/または実行されるにしても、あるいは電気配線もしくはケーブルによって、光ファイバを通して、または電磁放射によるなどのある種の伝達媒体によって伝達されるにしても、コンピュータプログラムコードの形で実施することが可能である。汎用のマイクロプロセッサで実行される場合、コンピュータプログラムコードのセグメントは、特定のロジック回路を形成するようにマイクロプロセッサを設定する。
【0048】
こうした命令は、たとえば、コンピュータまたは制御装置のRAMに存在することができる。あるいは、命令は、コンピュータディスケットなどのコンピュータで読取り可能な媒体を備えるデータ記憶デバイスに含めることができる。または、命令は、磁気テープ、従来のハードディスクドライブ、電子式読み出し専用メモリ、光学記憶デバイス、またはその他の適切なデータ記憶デバイスに記憶できる。本発明の例示の実施形態では、コンピュータで実行可能な命令は、コンパイルされた複数の行のC++互換コード(compatible code)であることができる。
【0049】
例示の実施形態では、制御装置は、排出制御デバイスの脱硫または再生プロセス中に燃料フィルタからの硫黄が燃料の流れに放出されたかどうか判断するための複数のセンサからの信号を評価するロジックを含む。限定されない1つの実施例では、硫黄の放出を制御するための手段が、放出に関して適切な時間を示す、エンジンまたは排出制御デバイスの所定の温度または圧力を特定するための回路またはセンサを備える。
【0050】
本発明を好ましい実施形態を参照して説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ、その要素の代りに等価物を用いることができることが当分野の技術者によって理解されるであろう。さらに、その本質的な範囲から逸脱することなく本発明の教示に特定の状況または材料を適合させるために、多くの変更を行うことができる。したがって、本発明はそれを実施するために企図された最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲内に収まる全ての実施形態を包含することが意図される。
【実施例】
【0051】
下記のテストは、燃料フィルタから蓄積された硫黄を除去し、それをLNTの脱硫の直前または脱硫中にエンジン内に注入することがLNTの耐用期間に害を与えるかどうか判断するために行われた。その理論は、脱硫中に、LNTが還元状態の下にあり、排気ガス内の高硫黄濃度がLNT内で維持されず、したがってLNTに対して害を与えないように、高い温度にあることができるということである。
【0052】
Johnson Matthey社からの原寸のLNT触媒が700℃で24時間、熱水でオーブン老化された(oven aged)。2.54cm(1インチ)の直径で5.08(2インチ)の長さの2つの芯が原寸の触媒から切断された。1つの芯が、テキサス州San AntonioのSouthwest Research Institute(SwRI)からのUniversal Synthetic Gas Reactor(商標)(USGR(商標))に据え付けられた。次いで触媒は、表1および2に与えられた試験計画のシーケンスにしたがって試験された。使用されたガス混合物は、図3に示される。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
燃料の硫黄レベルは、USGRガス流でのSO2によってシミュレーションされた。目標の15ppmの燃料の硫黄レベル、および25:1のAFRで動作するエンジンに対して、排気硫黄レベルが0.6ppmに設定された。目標排気ガスSO2濃度は、6006ppmのNOと結合された10.3ppmのSO2を含むシリンダを使用することによって得られた。NO濃度が350ppmに設定されると、SO2は0.6ppmになることが知られている。NO、CO、CO2、C2H4、およびH2Oに関する濃度は、フーリエ変換赤外分析計(Fourier Transform Infra−Red analyzer)(FTIR)を使用して設定され、測定された。O2濃度は、標準的なポーラログラフ分析計を使用して設定され測定された。老化したLNTの場合で90パーセントに近いNOX変換効率を与えるので、23秒リーン、7秒リッチ・サイクルが採用された。
【0057】
行われたテストの第1シーケンスは、ベースラインシーケンスであった。このシーケンスでは、低硫黄がステップ5を除き一貫して使用され、ステップ5では、LNTは75ppmのSO2に1時間、露出された。ベースラインテストシーケンスの主な目的は、(i)いくつかの通常動作/脱硫サイクルにわたって、LNT性能が許容できる限界内に維持できるか判断すること、(ii)1時間の期間にわたる高硫黄の、他の点は通常の動作に露出することによりLNT性能が負の影響を受けるかどうか判断すること、および(iii)高硫黄に露出した後に、LNT性能が脱硫ステップによって効果的に回復されたかどうか判断することである。
【0058】
図8は、例としてステップ5の開始時の入口のガス濃度を示す。図9は、テストシーケンスでの同じ時点での出口のガス濃度を示す。入口でSO2の濃度は75ppmであるが、出口で測定可能なSO2が全くないことは、完全にLNTに蓄積され、またはSO2が他の形に変換されたことを示していることに注目されたい。リーン/リッチ・サイクルも同様に、非常に明確である。測定値は、通常動作の各1時間の開始時に記録され、1時間の終わりに再び記録された。図10および11は、ステップ3の開始および終了時での測定された窒素を含む種を示す。ステップ3は、低硫黄(0.6ppm)ステップであり、それによって大きなLNT触媒の不活性が全く予想されない。LNTは、それが開始時と同様に、1時間の終了時に機能していることが明白である。図12および13は、ステップ5の開始および終了時での同じ窒素を含む種を示す。ステップ5は、高硫黄(75ppm)ステップであり、触媒の不活性がこのステップの終了時に明らかになることが予想された。かなりの程度の不活性がプロットから明らかである。
【0059】
図14は、各通常動作のステップの開始時でのNO、NOx、CO、およびC2H4に関して計算された変換効率の概略のプロットである。図15は、各通常動作のステップの終了時でのNO、NOx、CO、およびC2H4に関して計算された変換効率の概略のプロットである。このステップは28秒リーン/2秒リッチ・サイクル・タイムによって開始するので、ステップ1に関するデータはない。各1時間の開始時での全ての5つの測定されたステップに関する平均NOx変換効率が計算された。標準偏差(σ)は2パーセント以内である。プロットは、平均の開始効率、ならびに計算された2σラインを示し、触媒はベースラインシーケンスのコースを超えて不活性にならない。各ステップの終了に関して、高硫黄露出ステップ5がNOx変換を下方の2σラインよりかなり下に低下させたことが明らかである。しかし、ステップ6の脱硫の後に、活性が完全に回復した。したがって、ベースライン・テストシーケンス・テストの全ての3つの目的が達成された。
【0060】
行われたテストの第2のシーケンスは、表2の高硫黄シーケンスである。0.6ppmのSO2が、ステップ1、3、7、9、および11で通常のLNT動作に対して使用された。75ppmのSO2が、ステップ5の通常動作に対して使用され、各16分間の最初の15分間の間の脱硫で使用された。このシーケンスの主な目的は、LNTが脱硫中に高硫黄レベルに露出できるかどうか、および通常動作中にNOxの低減をなお維持するかどうか判断することであった。
【0061】
図16は、各通常動作のステップの開始時でのNO、NOx、CO、およびC2H4に関する変換効率の概略のプロットである。図17は、各通常動作のステップの終了時でのNO、NOx、CO、およびC2H4に関する変換効率の概略のプロットである。ベースライン・テスト・シーケンスに関しては、全ての6つの測定されたステップに関するNOx変換効率に関する標準偏差は、充分に2パーセント以内にあった。期待されたように、全ての値は2σライン以内に収まった。各ステップの終了に関して、高硫黄露出ステップ5がNOx変換効率を2σラインよりかなり下に低下させたことがここでも同様に明らかである。活性が高硫黄テストシーケンスの終了までに回復した。したがって、含硫化合物の形で蓄積された硫黄は、燃料フィルタから除去され、LNTに害を与えずにLNTなどの排出制御デバイスの脱硫の直前または脱硫中に内燃機関に注入できることが証明された。
【技術分野】
【0001】
(連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載)
本発明の実施形態は、契約番号DE−FC26−02NT41219のもとで政府の支援によってなされることが可能である。したがって、米国政府は、本発明の部分または実施形態に対するペイドアップ・ライセンス、および限定された条件で契約番号DE−FC26−02NT41219の条項により定められるような合理的な条件で特許権者が他者にライセンスを供与することに対して要求する権利を有することができる。
(関連出願の相互参照)
本発明は、2004年3月15日に出願の米国仮特許出願60/553225の利益を主張するものである。その内容は本明細書に参照によって援用される。
【0002】
本発明は、内燃機関の燃料の流れの中の含硫化合物の低減、操作、および/または分配に関する燃料フィルタ、装置、および方法に関する。より詳細には、開示された発明は、内燃機関、特に自走車(motor vehicle)のエンジンからの窒素酸化物を低減するために、燃焼後の排出デバイスの能力を向上させる。
【背景技術】
【0003】
窒素酸化物または「NOX」の吸着装置は、可動式および固定式のいずれの内燃機関の排気の流れから窒素酸化物を除去するのにも使用される。しかし、このようなNOX吸着装置の効率は、含硫化合物が存在すると低減される。そのような含硫化合物、特に含硫芳香族化合物は、NOX吸着装置の触媒の「働きを損ない」、または触媒と不可逆的に反応する。汚染された触媒を有するNOX吸着装置は、低減した効率を有する。その結果、内燃機関で使用される燃料中に含硫化合物が存在すると、排気物質、特に亜酸化窒素の排出に対して有害な作用を及ぼすおそれがある。これは、ディーゼルエンジンを使用する自走車および固定式システムにおいて特に懸念される問題である。
【0004】
NOX吸着装置内の触媒は、一般に、触媒/NOX吸着装置の推定耐用寿命を延長させるようになされた再生プロセスを受ける。第1のタイプの再生プロセスでは、NOX吸着装置から窒素の形でNOXが除去されるようになされている。第2のタイプの再生プロセスでは、含硫化合物などの汚染物質が放出され、除去される。後者のプロセスは、脱硫と呼ばれることもあり、一般にNOX再生プロセスよりも高温で行われる。そのような高温に繰り返し露出されると、触媒の推定耐用寿命に悪影響を与える可能性がある。
【0005】
燃料の流れの中に存在する含硫化合物の濃度は、NOX吸着装置が脱硫をどのぐらいの頻度で受ける必要があるかに直接的に影響を及ぼす。濃度が高いほど、NOX吸着装置の触媒は、より多くの頻度で脱硫を受ける必要がある。同様にNOX吸着装置は、それがより多くの頻度で脱硫を受けると推定耐用寿命がより短くなる。
【0006】
したがって、NOX吸着装置の硫黄汚染物質の悪影響を最小限に抑えることが可能な燃料フィルタを提供することが有利である。
【0007】
従来技術では、内燃機関の燃料の流れから硫黄を含む燃料を除去するデバイスを提供しようという試みがなされた。たとえば、その内容が参照によって本明細書に援用される米国特許出願2002/0028505A1は、エンジンの燃料タンクとインジェクタの間に配置された自動車に装着された脱硫装置を開示し、その装置は、含硫化合物を吸着し、濃縮するための含硫化合物吸着剤と、吸着された含硫化合物を酸化するための含硫化合物酸化剤または酸化触媒との組み合わせを備え、その装置はさらに、生成される含硫酸化物を回収し、除去するための手段を備える。
【0008】
しかし、内燃機関の燃料の流れの中の含硫化合物の量を所望の濃度、特に3ppm以下の濃度に低減可能なデバイス、特に燃料フィルタがなお必要である。
【0009】
このような燃料フィルタが再生可能、すなわち燃料フィルタの耐用期間を延ばし、または容量を拡張するために、蓄積された含硫化合物のいくらかまたは全てを分配可能であれば、同じく有利であろう。このような再生が、NOX吸着装置またはエンジン排気物質に有害な影響を与えずに行うことが可能であればとりわけ有利であろう。したがって、このような燃料フィルタが、脱硫の頻度を低下させることによってNOX吸着装置の耐用期間を延ばすことができれば、同様に望ましいであろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの実施形態では、内燃機関燃料(internal combustion fuel)の流れから含硫化合物を除去するための燃料フィルタが開示され、その燃料フィルタは、少なくとも1つの吸着剤を含むカラムを備える。1つの例示の実施形態では、吸着剤は、含硫化合物、特に含硫芳香族化合物を内燃機関で使用される燃料、特にディーゼル燃料から除去することが可能である。
【0011】
燃焼後の排出制御デバイスの耐用期間を延ばすための装置も開示されている。1つの例示の実施形態では、装置は内燃機関燃料の流れから含硫化合物を除去するための燃料フィルタ、内燃機関、燃焼後の排出制御デバイス、ならびにフィルタ、機関、および排出制御デバイスを連結する中空の導管を備える。
【0012】
含硫化合物を除去し、蓄積し、放出することが可能な硫黄除去フィルタであって、フィルタが排出制御デバイスの再生サイクル中に、蓄積された含硫化合物のいくらかまたは全てを分配可能であり、含硫化合物の放出は、再生中に行われ、NOX吸着装置またはエンジン排気物質に有害な影響を与えることなく行われる。
【0013】
排出制御デバイスの再生サイクル間の期間を延ばすためのシステムであって、
燃料の流れから含硫化合物を除去し、蓄積し、放出するための燃料フィルタと、燃料システムおよび燃料フィルタと流体連通する内燃機関と、内燃機関の排気の流れと流体連通する排出制御デバイスと、蓄積された含硫化合物の放出を制御するための手段とを備える。
【0014】
最後に、内燃機関燃料の流れから含硫化合物を除去するための方法が開示される。1つの例示の実施形態では、方法は、含硫化合物を除去可能な燃料フィルタに燃料を通過させるステップと、除去された含硫化合物を蓄積するステップと、蓄積された含硫化合物の一部を放出するステップと、放出された部分を機関を通過させて、燃焼後の排出制御デバイス内に送るステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】単一のカラムを備える、開示された燃料フィルタの1つの実施形態の概略図である。
【図2】ガードベッドを有する単一のカラムを備える、開示された燃料フィルタの別の実施形態の概略図である。
【図3】ガードベッドを有する単一のカラムを備える、図2の開示された燃料フィルタの別の実施形態の概略図である。
【図4】複式のガードベッドを有する単一のカラムを備える、開示された燃料フィルタの別の実施形態の概略図である。
【図5】1つのガードベッドを有する複式のカラムを備える、開示された燃料フィルタの別の実施形態の概略図である。
【図6】複式のガードベッドを有する複式のカラムを備える、開示された燃料フィルタの別の実施形態の概略図である。
【図7】複式のガードベッドを有する複式のカラムを備える、図6の開示された燃料フィルタの別の実施形態の図である。
【図8】ステップ5の開始時の入口のガス混合物を示すグラフである。
【図9】ステップ5の開始時の出口のガス混合物を示すグラフである。
【図10】ステップ3の開始時のリーンNOXトラップ(LNT)活性を示すグラフである。
【図11】ステップ3の終了時のリーンNOXトラップ(LNT)活性を示すグラフである。
【図12】ステップ5の開始時のリーンNOXトラップ(LNT)活性を示すグラフである。
【図13】ステップ5の終了時のリーンNOXトラップ(LNT)活性を示すグラフである。
【図14】ベースライン・テスト・シーケンスに関する、ステップ番号に対する通常動作の開始時の変換効率の%のプロットである。
【図15】ベースライン・テスト・シーケンスに関する、ステップ番号に対する通常動作の終了時の変換効率の%のプロットである。
【図16】高硫黄テストシーケンスに関する、ステップ番号に対する通常動作の開始時の変換効率の%のプロットである。
【図17】高硫黄テストシーケンスに関する、ステップ番号に対する通常動作の終了時の変換効率の%のプロットである。
【図18】本発明の例示の実施形態による内燃機関および燃料フィルタを備えるNOX吸着装置の概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
含硫化合物を内燃機関の燃料の流れから3ppm以下の濃度に除去し、除去された含硫化合物を蓄積することが可能な燃料フィルタが開示される。フィルタの蓄積容量が低下すると蓄積された含硫化合物の少なくとも一部分が放出されるので、このフィルタは再生可能である。本明細書では、燃料フィルタは、燃料内に確認される含硫化合物を除去し、その後放出するように設計された燃料フィルタを示すことが意図されている。例示の実施形態による以外に燃料から汚染物質を除去するために、(たとえば一般的なまたは非硫黄分を除去する燃料フィルタなどの)別個の燃料フィルタが設けられることが理解される。あるいは、含硫化合物の除去および放出の両方、およびその他の汚染物質の濾過のために構成された単一の燃料フィルタが本発明の別の実施形態の範囲内にあることが企図される。単数形「1つの」「1つの」および「その」は、文脈がそれ以外の形で明白に表わさない限り複数の指示を含む。「任意の」「任意で」は、後に述べられた事象または状況が生じ、または生じない可能性があることを意味し、その記述は、その事象が生じる場合と生じない場合を含む。修飾語「約」は、量が述べられた値を含んでいることに関連して使用され、(たとえば、特定の量の測定に関する誤差の度合いを含むような)文脈によって表される意味を有する。
【0017】
開示された燃料フィルタは、固定システムおよび自走車の両方で使用される内燃機関に使用することができる。例示の固定式システムは、発電機および動力装置を含む。例示の自走車には、自動車、トラック、ボート、水上オートバイ、トレーラ・トラック、ブルドーザおよびクレーンなどの建設機器、芝刈機およびトラクターなどの小さなエンジンの機器が含まれ、硫黄除去燃料フィルタは搭載されたシステムの一部である。1つの例示の実施形態は車両への適用であり、硫黄除去フィルタが排出制御システムの一部分であり、フィルタがNOX吸着装置の再生プロセス中に捕らえた含硫化合物を燃料の流れの中に放出し、NOX吸着剤の再生は、関連分野の技術者に公知の技術に関連して行われる。
【0018】
適切な内燃機関は、どのような適切な有機燃料によっても動力を与えられることが可能である。1つの実施形態では、燃料は、ガソリンまたはディーゼル燃料である。1つの例示の実施形態では、燃料は、ディーゼル燃料である。
【0019】
開示された燃料フィルタにより除去される含硫化合物は、一般に内燃機関で使用するために意図された燃料に標準的に確認されるどのような含硫化合物であることもできる。1つの例示の実施形態では、開示されたフィルタによって除去される含硫化合物は、含硫芳香族化合物である。開示された燃料フィルタにより除去される例示の含硫化合物には、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、およびその誘導体が含まれる。開示された燃料フィルタは、燃料の流れからの1つまたは複数のこのような化合物を除去することができる。
【0020】
開示された燃料フィルタおよび方法は、「高」硫黄燃料または「低」硫黄燃料の市販の燃料に使用することができる。1つの実施形態では、濾過されない燃料の流れは、約6ppmから500ppmの硫黄濃度を含む可能性がある。別の実施形態では、開示されたフィルタおよび方法は、約15ppm以下の硫黄濃度を有する濾過されない燃料の流れに使用することができる。1つの例示の実施形態では、開示されたフィルタおよび方法は、約9ppm以下の硫黄濃度を有する濾過されない燃料の流れに使用することができる。1つの実施形態では、開示されたフィルタおよび方法は、約6ppmから約15ppmの硫黄濃度を有する濾過されない燃料の流れに使用することができる。
【0021】
1つの実施形態では、開示された方法は、低減された硫黄濃度、特に3ppm以下の硫黄濃度を有する濾過された燃料の流れをもたらす。
【0022】
1つの例示の実施形態では、燃料フィルタは、吸着剤を備える少なくとも1つのカラムを備える。図1に示されるように、少なくとも1つのカラム10が、濾過されていない燃料がそこを通ってコラム10に入る第1の開口10と、濾過された燃料がそこを通ってコラム10を出る第2の開口14とを有する。フィルタの通常動作中に、開口14を出る燃料中の含硫化合物の濃度は、開口12に入る燃料中の含硫化合物の濃度より少なくなる。
【0023】
例示の吸着剤には、1つまたは複数の活性炭、ゼオライト、粘土、酸性白土、活性白土、シリカゲル、二酸化ケイ素、アルミナ、酸化アルミニウム、メソポーラスシリカ多孔質材料(FSM)、その混合物などが含まれる。1つの実施形態では、吸着剤は、少なくとも1つのアルミナまたは酸化アルミニウムを含む。1つの例示の実施形態では、吸着剤がアルミナからなる。
【0024】
別の例示の実施形態では、開示された燃料フィルタはさらに、図2または図3に示されるような、少なくとも1つのガードベッド16を備える。
【0025】
図2に示されるように、少なくとも1つのガードベッド16が、燃料がそこを通ってガードベッドに入る第1の開口18と、燃料がそこを通ってガードベッドを出る第2の開口20を有することができる。この実施形態では、ガードベッド16は、中空の導管22を介して少なくとも1つのカラム10に連結され、その導管を通って燃料が通過し移送できる。
【0026】
あるいは、図3に示されるような別の実施形態では、燃料が第1の開口16を通って入り、ガードベッド16およびカラム10の両方を通過し、その後、カラム10の第2の開口14を通って出るように、少なくとも1つのガードベッド16が、カラム10に接触して取り付け可能である。
【0027】
図4に示される別の実施形態では、開示された燃料フィルタは、導管28および30を介して2つのガードベッド24および26に連結される少なくとも1つのカラム10を備えることができる。この実施形態では、流入する燃料は、ガードベッド24および26のうちの1つまたは両方に入ることができる。ガードベッド24および26のうちの1つまたは両方から出た後に、燃料は導管30を介してカラム10に移送される。この実施形態では、カラム10に入る燃料は、第1の開口12を通過し、第2の開口14を介してカラム10を出る。
【0028】
図5に示される別の実施形態では、燃料フィルタは、複式のカラム32および34と、単体のガードベッド44とを備えることができる。複式のカラム32および34はそれぞれ、燃料がそこを通って入ることができる第1の開口36および38と、燃料がそこを通って出ることができる第2の開口40および42とを有する。単体のガードベッド44は、導管46を介して複式のカラム32および34に連結されている。1つの実施形態での導管46は、燃料がカラム32および34のうちの1つまたは両方に、順次にまたは同時に入ることができるように配置される導管48および50を有する。
【0029】
最後に、図6および7に示されるように、開示された燃料フィルタは、2つのガードベッド52および54と、2つのカラム56および58とを備えることができる。図2の実施形態に関して上記に論じられたように、ガードベッド52および54はそれぞれ、導管60および62を介してカラム56および58に連結されている。あるいは、ガードベッド52および54は、いかなる中空の導管を使用することなしにカラム56および58に直接的に取り付けられている。図4および5に関して上記に論じられたように、燃料はガードベッド52および54のうちの1つまたは両方、ならびに、カラム56および58のうちの1つまたは両方に入ることができる。
【0030】
開示された燃料フィルタに加えて、本発明は内燃機関燃料の流れから含硫化合物を除去するための方法も提供する。開示された方法は、含硫化合物を除去可能な燃料フィルタに燃料を通過させることによって燃料から含硫化合物を除去するステップと、除去された含硫化合物を蓄積するステップと、蓄積された含硫化合物の一部を放出するステップと、その部分を排出制御デバイスに送るステップとを含む。
【0031】
燃料が開示された燃料フィルタを通過すると、含硫化合物が燃料の流れから除去される。1つの例示の実施形態では、燃料が上記に論じたような吸着剤を含む少なくとも1つのカラムを通過すると、含硫化合物が除去される。
【0032】
開示された燃料フィルタによって燃料の流れから除去される含硫化合物は、燃料フィルタによって蓄積される。1つの例示の実施形態では、除去された含硫化合物は、吸着剤を含む少なくとも1つのカラムに蓄積される。1つの特定の例示の実施形態では、除去された含硫化合物が吸着剤に蓄積される。
【0033】
内燃機関の耐用期間にわたって、開示された燃料フィルタはある量の含硫化合物を除去することが理解されよう。ある点で吸着剤は、さらに蓄積することが所望されても含硫化合物をそれ以上蓄積することが不可能になる可能性がある。そのような点では、開示された燃料フィルタが再生される。燃料フィルタがいつ含硫化合物によって飽和させられたか判断する限定されない例には、
センサによって燃料フィルタの前後の燃料の硫黄含有率を測定すること(フィルタに入る測定値と等しいあるいはそれに近い硫黄測定値は、フィルタが燃料から硫黄をこれ以上除去しないことを示す)、
エンジンが排気の流れにどれほど多くの硫黄を排出しているか判断するセンサを設けること、
車両の燃料中の硫黄の百万分率でのベースラインを判断するために燃料貯蔵タンクにセンサを設けること、
および、燃料フィルタの前後に圧力センサを設けることがあり、上述の方法はどれも、図18によって示されるようなマイクロプロセッサまたは制御装置、およびそれと連絡する様々なセンサによって容易にされる。本明細書で用いられる燃料フィルタの再生は、蓄積された含硫化合物の少なくとも1つの部分を放出することを指す。そのような放出または再生は、1つまたは複数の方法によって達成可能である。
【0034】
1つの例示の実施形態では、燃料フィルタの再生は、燃料フィルタを高い温度に加熱することによって達成される。1つの実施形態では、燃料フィルタの少なくとも1つのカラムが(図18に示される)加熱要素によって加熱され、燃料フィルタの吸着部材、燃料のどちらかまたは両方が、燃料の流れの最高の通常動作温度よりも高い温度に加熱され、捕らえられた含硫化合物が燃料の流れの中に放出される。1つの例示の実施形態では、加熱要素は、抵抗型の加熱要素であり、捕らえられた含硫化合物を放出するために、電源から加えられる電流または電圧が燃料または吸着材料の温度を上昇させるのに使用される。当然のことながら、その他の同等な加熱デバイスが本発明の例示の実施形態で使用するために企図される。1つの例示の実施形態では、燃料フィルタの少なくとも1つのカラムが約100°Cに等しい、またはそれより高い温度に加熱される。別の実施形態では、燃料フィルタの少なくとも1つのカラムが燃料の沸点に等しい、またはそれより低い温度に加熱される。
【0035】
別の実施形態では、燃料フィルタは、加熱された燃料の流れの使用によって、または燃料以外の溶媒による置換によって再生可能であり、溶媒は、燃料の流れと流体連通する溶媒リザーバから放出され、吸着部材から捕らえられた含硫化合物を放出することができる。1つの例示の実施形態では、溶媒はリザーバから放出され、次いで適切なフィルタによって再び捕らえられ、あるいは溶媒は同じまたは関連する排出制御デバイスに損傷を与えることなしに内燃機関で消費可能である材料である。
【0036】
燃料フィルタの再生によって放出された、蓄積された含硫化合物の部分は、内燃機関を通って排出制御デバイス、特に燃焼後の排出制御デバイスの中に送られる。本明細書で用いられる排出制御デバイスは、移動式および固定式の両方の内燃機関の排気の流れから窒素酸化物を除去するのに使用される窒素酸化物または「NOX」の吸着装置を指す。1つの実施形態では、排出制御デバイスはリーンNOXトラップ、すなわちLNTである。「燃焼後」は、内燃機関からの燃焼生成物を受けるように配置された、すなわち内燃機関の下流側に配置されたデバイスを指す。
【0037】
1つの例示の実施形態では、放出された部分が、増加された硫黄の濃度の効果が最小限に抑えられる、デバイスの動作サイクルでの動作または時間で、排出制御デバイスに入るように、その部分がエンジンを通って排出制御デバイス内に送られる。そのような時間または動作の限定されない例が、同封された例および図面に示される。
【0038】
別の実施形態では、その部分は、高硫黄レベルにより影響を受けないサイクル中の時に、エンジンを通ってNOX吸着装置などの燃焼後の排出デバイス内に送られることができる。そのような時または動作の限定されない例が、同封された例および図面に示される。さらに好ましい実施形態では、開示された燃料フィルタの再生によって放出された含硫化合物の部分が、NOX吸着剤および/またはNOX吸着触媒がNOXまたは脱硫に関する再生プロセスを受けているときNOX吸着装置に送られる。
【0039】
NOX吸着装置内の触媒は、一般に、触媒/NOX吸着装置の効率を改善させるようになされた再生プロセスを受ける。第1のタイプの再生プロセスは、窒素酸化物を窒素に変換するようになされている。第2のタイプの再生プロセスでは、含硫化合物などの汚染物質が除去される。後者のプロセスは、脱硫と呼ばれる場合もあり、一般に、添付の例に示されるような、より高温で行われる。当然のことながら、本発明の例示の実施形態は、同封の例および図面に示されたものより高いまたは低い温度を含むことができることが理解される。
【0040】
1つの例示の実施形態では、開示された燃料フィルタの再生によって放出された含硫化合物の部分が、NOX吸着装置および/またはNOX吸着触媒が、再生プロセスを受けているときNOX吸着装置に送られ、低減によって亜酸化窒素の除去または放出がなされることになる。
【0041】
別の実施形態では、開示された燃料フィルタの再生によって放出された含硫化合物の部分が、NOX吸着装置および/またはNOX吸着触媒が、再生プロセスを受けているときNOX吸着装置に送られ、その結果、窒素酸化物の遊離すなわち脱硫が生じる。
【0042】
1つの例示の実施形態では、その部分の放出およびそれを排出制御デバイスに送ることは、燃料フィルタの再生期間と比較して短い時間にわたって行われる。1つの例示の実施形態では、燃料フィルタの再生期間は、排出制御デバイスの再生期間と近似する。本発明の例示の実施形態によれば、再生期間がより少ない頻度になり、より長い間隔になることが可能なように、燃料フィルタがNOX吸着装置に堆積される硫黄の量を低減するとき、排出制御デバイスの再生期間は最大にされる。
【0043】
本明細書には、内燃機関72の排気と流体連通する排出制御デバイス70の耐用期間を延ばすための方法および装置も開示される。この装置およびシステムは、図18に概略的に示される内燃機関燃料の流れから含硫化合物を除去し、蓄積するための開示される燃料フィルタを備える。図示されるように、内燃機関は、燃料フィルタを介して燃料貯蔵タンク74から燃料を受ける。蓄積された含硫化合物を燃料の流れの中に放出することを監視し、制御する装置、方法および手段の限定されない例が図18に示されている。
【0044】
1つの実施形態では、排出制御デバイスは、内燃機関の燃焼室からガス状燃焼生成物を受け取る燃焼後の排出制御デバイスである。
【0045】
1つの例示の実施形態では、蓄積された含硫化合物の放出を監視し制御する、装置、方法または手段は、複数のセンサ78と排出制御デバイスの加熱要素とを有する搭載された制御装置であり、それぞれのセンサは、複数のセンサから信号を受け取り、燃料フィルタ、ならびにその関連した加熱要素、内燃機関、および必要であれば(たとえば、排気温度を上昇させるためのリーンまたはリッチ操作など)空気を燃料の流れの混合物に変えるための燃料送出および点火システムに信号を提供するように構成されたプログラマブル・ロジックを備えるマイクロプロセッサまたは制御装置80に信号を提供し、(たとえば、燃料フィルタが硫黄容量に達し、排出制御デバイスが脱硫または再生モードで動作する)適切な信号を受け取ると、マイクロプロセッサは硫黄を燃料の流れの中に放出するよう指示し、その硫黄は、排出制御デバイスに悪影響を与えずにそのデバイスによって受け取られる。
【0046】
コンピュータ・プログラムに応答して動作する制御装置が、上述の処理を実行できることが理解される。したがって、規定の機能および所望の処理、ならびに計算を行うために、制御装置は、それに限定はされないが、プロセッサ、コンピュータ、メモリ、記憶装置、レジスタ、タイミング、割り込み、通信インターフェース、および入力/出力信号インターフェース、ならびに前述したもののうちの少なくとも1つを備える組み合わせを含むことができる。
【0047】
上記に示されるように、本発明の例示の実施形態を実行するアルゴリズムは、こうしたプロセスを実行するためのコンピュータにより実行されるプロセスおよび装置の形で実施することができる。アルゴリズムは、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、ハードドライブ、またはその他のどのような読取り可能な記憶媒体などの有形の媒体でも実施される、コンピュータプログラムコードの形で実施することも可能であり、コンピュータプログラムコードがコンピュータおよび/または制御装置にロードされ、それによって実行される場合、コンピュータは、本発明を実施する装置になる。現行のシステムが様々な態様のコマンドコードを実行するために更新可能である(たとえば、フラッシュメモリなど)再プログラム可能な記憶装置を有し、コンピュータプログラムコードがコンピュータおよび/または制御装置にロードされ、それによって実行される場合、アルゴリズムは、同様に、たとえば、コンピュータによって記憶メディアに記憶され、ロードされ、および/または実行されるにしても、あるいは電気配線もしくはケーブルによって、光ファイバを通して、または電磁放射によるなどのある種の伝達媒体によって伝達されるにしても、コンピュータプログラムコードの形で実施することが可能である。汎用のマイクロプロセッサで実行される場合、コンピュータプログラムコードのセグメントは、特定のロジック回路を形成するようにマイクロプロセッサを設定する。
【0048】
こうした命令は、たとえば、コンピュータまたは制御装置のRAMに存在することができる。あるいは、命令は、コンピュータディスケットなどのコンピュータで読取り可能な媒体を備えるデータ記憶デバイスに含めることができる。または、命令は、磁気テープ、従来のハードディスクドライブ、電子式読み出し専用メモリ、光学記憶デバイス、またはその他の適切なデータ記憶デバイスに記憶できる。本発明の例示の実施形態では、コンピュータで実行可能な命令は、コンパイルされた複数の行のC++互換コード(compatible code)であることができる。
【0049】
例示の実施形態では、制御装置は、排出制御デバイスの脱硫または再生プロセス中に燃料フィルタからの硫黄が燃料の流れに放出されたかどうか判断するための複数のセンサからの信号を評価するロジックを含む。限定されない1つの実施例では、硫黄の放出を制御するための手段が、放出に関して適切な時間を示す、エンジンまたは排出制御デバイスの所定の温度または圧力を特定するための回路またはセンサを備える。
【0050】
本発明を好ましい実施形態を参照して説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ、その要素の代りに等価物を用いることができることが当分野の技術者によって理解されるであろう。さらに、その本質的な範囲から逸脱することなく本発明の教示に特定の状況または材料を適合させるために、多くの変更を行うことができる。したがって、本発明はそれを実施するために企図された最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲内に収まる全ての実施形態を包含することが意図される。
【実施例】
【0051】
下記のテストは、燃料フィルタから蓄積された硫黄を除去し、それをLNTの脱硫の直前または脱硫中にエンジン内に注入することがLNTの耐用期間に害を与えるかどうか判断するために行われた。その理論は、脱硫中に、LNTが還元状態の下にあり、排気ガス内の高硫黄濃度がLNT内で維持されず、したがってLNTに対して害を与えないように、高い温度にあることができるということである。
【0052】
Johnson Matthey社からの原寸のLNT触媒が700℃で24時間、熱水でオーブン老化された(oven aged)。2.54cm(1インチ)の直径で5.08(2インチ)の長さの2つの芯が原寸の触媒から切断された。1つの芯が、テキサス州San AntonioのSouthwest Research Institute(SwRI)からのUniversal Synthetic Gas Reactor(商標)(USGR(商標))に据え付けられた。次いで触媒は、表1および2に与えられた試験計画のシーケンスにしたがって試験された。使用されたガス混合物は、図3に示される。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
燃料の硫黄レベルは、USGRガス流でのSO2によってシミュレーションされた。目標の15ppmの燃料の硫黄レベル、および25:1のAFRで動作するエンジンに対して、排気硫黄レベルが0.6ppmに設定された。目標排気ガスSO2濃度は、6006ppmのNOと結合された10.3ppmのSO2を含むシリンダを使用することによって得られた。NO濃度が350ppmに設定されると、SO2は0.6ppmになることが知られている。NO、CO、CO2、C2H4、およびH2Oに関する濃度は、フーリエ変換赤外分析計(Fourier Transform Infra−Red analyzer)(FTIR)を使用して設定され、測定された。O2濃度は、標準的なポーラログラフ分析計を使用して設定され測定された。老化したLNTの場合で90パーセントに近いNOX変換効率を与えるので、23秒リーン、7秒リッチ・サイクルが採用された。
【0057】
行われたテストの第1シーケンスは、ベースラインシーケンスであった。このシーケンスでは、低硫黄がステップ5を除き一貫して使用され、ステップ5では、LNTは75ppmのSO2に1時間、露出された。ベースラインテストシーケンスの主な目的は、(i)いくつかの通常動作/脱硫サイクルにわたって、LNT性能が許容できる限界内に維持できるか判断すること、(ii)1時間の期間にわたる高硫黄の、他の点は通常の動作に露出することによりLNT性能が負の影響を受けるかどうか判断すること、および(iii)高硫黄に露出した後に、LNT性能が脱硫ステップによって効果的に回復されたかどうか判断することである。
【0058】
図8は、例としてステップ5の開始時の入口のガス濃度を示す。図9は、テストシーケンスでの同じ時点での出口のガス濃度を示す。入口でSO2の濃度は75ppmであるが、出口で測定可能なSO2が全くないことは、完全にLNTに蓄積され、またはSO2が他の形に変換されたことを示していることに注目されたい。リーン/リッチ・サイクルも同様に、非常に明確である。測定値は、通常動作の各1時間の開始時に記録され、1時間の終わりに再び記録された。図10および11は、ステップ3の開始および終了時での測定された窒素を含む種を示す。ステップ3は、低硫黄(0.6ppm)ステップであり、それによって大きなLNT触媒の不活性が全く予想されない。LNTは、それが開始時と同様に、1時間の終了時に機能していることが明白である。図12および13は、ステップ5の開始および終了時での同じ窒素を含む種を示す。ステップ5は、高硫黄(75ppm)ステップであり、触媒の不活性がこのステップの終了時に明らかになることが予想された。かなりの程度の不活性がプロットから明らかである。
【0059】
図14は、各通常動作のステップの開始時でのNO、NOx、CO、およびC2H4に関して計算された変換効率の概略のプロットである。図15は、各通常動作のステップの終了時でのNO、NOx、CO、およびC2H4に関して計算された変換効率の概略のプロットである。このステップは28秒リーン/2秒リッチ・サイクル・タイムによって開始するので、ステップ1に関するデータはない。各1時間の開始時での全ての5つの測定されたステップに関する平均NOx変換効率が計算された。標準偏差(σ)は2パーセント以内である。プロットは、平均の開始効率、ならびに計算された2σラインを示し、触媒はベースラインシーケンスのコースを超えて不活性にならない。各ステップの終了に関して、高硫黄露出ステップ5がNOx変換を下方の2σラインよりかなり下に低下させたことが明らかである。しかし、ステップ6の脱硫の後に、活性が完全に回復した。したがって、ベースライン・テストシーケンス・テストの全ての3つの目的が達成された。
【0060】
行われたテストの第2のシーケンスは、表2の高硫黄シーケンスである。0.6ppmのSO2が、ステップ1、3、7、9、および11で通常のLNT動作に対して使用された。75ppmのSO2が、ステップ5の通常動作に対して使用され、各16分間の最初の15分間の間の脱硫で使用された。このシーケンスの主な目的は、LNTが脱硫中に高硫黄レベルに露出できるかどうか、および通常動作中にNOxの低減をなお維持するかどうか判断することであった。
【0061】
図16は、各通常動作のステップの開始時でのNO、NOx、CO、およびC2H4に関する変換効率の概略のプロットである。図17は、各通常動作のステップの終了時でのNO、NOx、CO、およびC2H4に関する変換効率の概略のプロットである。ベースライン・テスト・シーケンスに関しては、全ての6つの測定されたステップに関するNOx変換効率に関する標準偏差は、充分に2パーセント以内にあった。期待されたように、全ての値は2σライン以内に収まった。各ステップの終了に関して、高硫黄露出ステップ5がNOx変換効率を2σラインよりかなり下に低下させたことがここでも同様に明らかである。活性が高硫黄テストシーケンスの終了までに回復した。したがって、含硫化合物の形で蓄積された硫黄は、燃料フィルタから除去され、LNTに害を与えずにLNTなどの排出制御デバイスの脱硫の直前または脱硫中に内燃機関に注入できることが証明された。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の燃料の流れから含硫化合物を除去するための方法であって、
含硫化合物を除去することが可能な燃料フィルタに燃料を通過させることによって、前記含硫化合物を前記燃料の流れから除去するステップと、
前記燃料フィルタに前記含硫化合物を蓄積するステップと、
排出制御デバイスの再生サイクル中に、前記蓄積された含硫化合物の一部分を前記燃料の流れの中に放出するステップとを備える方法。
【請求項2】
前記燃料フィルタが、前記燃料から前記含硫化合物を除去し、蓄積し、放出する吸着剤を含み、前記含硫化合物を前記吸着剤から放出する温度に前記燃料または前記吸着剤を加熱することによって前記含硫化合物の一部分が放出される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記排出制御デバイスがNOX吸着装置である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記再生サイクルが、亜酸化窒素の還元をもたらす、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記再生サイクルが、前記排出制御デバイスから含硫化合物の遊離をもたらす、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記蓄積された含硫化合物が前記吸着剤内にまたはその上に蓄積される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記蓄積された含硫化合物の一部分を放出する前記ステップが、前記吸着剤を前記燃料の通常の作動温度よりも高い温度に加熱することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項8】
前記吸着剤が100℃に等しいまたはそれよりも高い温度に加熱される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記吸着剤が、前記燃料の沸点よりも低い温度に加熱される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記燃料がディーゼル燃料である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
内燃機関の燃料の流れから含硫化合物を除去し、蓄積し、その後放出するための燃料フィルタであって、吸着剤、および前記吸着剤を加熱するための加熱要素を有する少なくとも1つのカラムを備える燃料フィルタ。
【請求項12】
少なくとも1つのガードベッドをさらに備える、請求項11に記載の燃料フィルタ。
【請求項13】
吸着剤を含む少なくとも2つのカラムをさらに備える、請求項12に記載の燃料フィルタ。
【請求項14】
少なくとも2つのガードベッドをさらに備える、請求項13に記載の燃料フィルタ。
【請求項15】
排出制御デバイスの再生サイクル間の期間を延ばすためのシステムであって、
燃料の流れから含硫化合物を除去し、蓄積し、放出するための燃料フィルタと、
前記燃料システムおよび前記燃料フィルタと流体連通する内燃機関と、
前記内燃機関の排気の流れと流体連通する排出制御デバイスと、
前記蓄積された含硫化合物の前記放出を制御するための手段とを備えるシステム。
【請求項16】
前記燃料フィルタが、吸着剤を含む少なくとも1つのカラムをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記燃料フィルタが、少なくとも1つのガードベッドをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記燃料フィルタが、吸着剤を含む少なくとも2つのカラムを備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記燃料フィルタが、少なくとも2つのガードベッドを備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記燃料の流れを濾過するための第2の燃料フィルタをさらに備え、前記第2の燃料フィルタが、前記燃料の流れから含硫化合物を除去し、貯蔵し、放出するように構成されず、前記燃焼後の排出制御デバイスがNOX吸着装置である、請求項15に記載のシステム。
【請求項1】
内燃機関の燃料の流れから含硫化合物を除去するための方法であって、
含硫化合物を除去することが可能な燃料フィルタに燃料を通過させることによって、前記含硫化合物を前記燃料の流れから除去するステップと、
前記燃料フィルタに前記含硫化合物を蓄積するステップと、
排出制御デバイスの再生サイクル中に、前記蓄積された含硫化合物の一部分を前記燃料の流れの中に放出するステップとを備える方法。
【請求項2】
前記燃料フィルタが、前記燃料から前記含硫化合物を除去し、蓄積し、放出する吸着剤を含み、前記含硫化合物を前記吸着剤から放出する温度に前記燃料または前記吸着剤を加熱することによって前記含硫化合物の一部分が放出される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記排出制御デバイスがNOX吸着装置である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記再生サイクルが、亜酸化窒素の還元をもたらす、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記再生サイクルが、前記排出制御デバイスから含硫化合物の遊離をもたらす、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記蓄積された含硫化合物が前記吸着剤内にまたはその上に蓄積される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記蓄積された含硫化合物の一部分を放出する前記ステップが、前記吸着剤を前記燃料の通常の作動温度よりも高い温度に加熱することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項8】
前記吸着剤が100℃に等しいまたはそれよりも高い温度に加熱される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記吸着剤が、前記燃料の沸点よりも低い温度に加熱される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記燃料がディーゼル燃料である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
内燃機関の燃料の流れから含硫化合物を除去し、蓄積し、その後放出するための燃料フィルタであって、吸着剤、および前記吸着剤を加熱するための加熱要素を有する少なくとも1つのカラムを備える燃料フィルタ。
【請求項12】
少なくとも1つのガードベッドをさらに備える、請求項11に記載の燃料フィルタ。
【請求項13】
吸着剤を含む少なくとも2つのカラムをさらに備える、請求項12に記載の燃料フィルタ。
【請求項14】
少なくとも2つのガードベッドをさらに備える、請求項13に記載の燃料フィルタ。
【請求項15】
排出制御デバイスの再生サイクル間の期間を延ばすためのシステムであって、
燃料の流れから含硫化合物を除去し、蓄積し、放出するための燃料フィルタと、
前記燃料システムおよび前記燃料フィルタと流体連通する内燃機関と、
前記内燃機関の排気の流れと流体連通する排出制御デバイスと、
前記蓄積された含硫化合物の前記放出を制御するための手段とを備えるシステム。
【請求項16】
前記燃料フィルタが、吸着剤を含む少なくとも1つのカラムをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記燃料フィルタが、少なくとも1つのガードベッドをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記燃料フィルタが、吸着剤を含む少なくとも2つのカラムを備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記燃料フィルタが、少なくとも2つのガードベッドを備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記燃料の流れを濾過するための第2の燃料フィルタをさらに備え、前記第2の燃料フィルタが、前記燃料の流れから含硫化合物を除去し、貯蔵し、放出するように構成されず、前記燃焼後の排出制御デバイスがNOX吸着装置である、請求項15に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−248523(P2010−248523A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−136132(P2010−136132)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【分割の表示】特願2007−504045(P2007−504045)の分割
【原出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136132(P2010−136132)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【分割の表示】特願2007−504045(P2007−504045)の分割
【原出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
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