説明

内燃機関の運転のための方法及び装置

【課題】排気ガス再循による内燃機関の作動不安定性、燃料消費の上昇、炭化水素排出の増加、快適性の悪化避ける
【解決手段】排気ガス再循環路8を通して給気部3の中へ送り戻されると云う内燃機関2の運転のための方法において、次の諸ステップ、燃焼室圧力信号から、内燃機関2の作動の質に関する尺度を示す作動不安定性の値(σpmi)を求めること;前もって定められている作動不安定性の値の限界値[=基準値](σpmi_min、σpmi_max)からの、求められた作動不安定性の値[=実際値](σpmi)のずれに応じて、補正値を決定すること;再循環される燃焼排気ガスの量の調節のための操作値に補正値を適用すること;を含んでいる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関、とりわけ排気ガス再循環率の制御の改善のための措置、に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関は特定の運転モードでは希薄運転で作動されることができる。希薄運転の際には一般により高いNOx排出が行われるが、これは避けられるべきである。NOx排出を減らすために、通常排気ガス再循環装置が備えられるが、その際には空気/燃料=混合気に不活性ガスを送り込むために、調節可能な量の排気ガスが内燃機関の吸気管の中へ送り込まれる。吸気管の中へ送り込まれる相対的排気ガス量は一般に、NOx排出がその他の不都合を生み出すこと無しに引き下げられる様に選ばれる。
【0003】
印刷物 DE102009 000 329 A1 から内燃機関の中、とりわけディーゼルエンジンの中、の燃焼の調節のための方法が知られている。その方法は燃焼のメルクマール、すなわちシリンダ内の状態、とりわけシリンダ内の圧力変化を表している燃焼のメルクマール、に応じた、とりわけ噴射時点の、操作値の生成を含んでおり、内燃機関のシリンダ内の燃焼の調節はその操作値を用いて行われ、その際には操作値が更に補正値に応じて生成されるが、その補正値は燃焼の質に関するデータをもたらす燃焼情報に応じて定められる。
【0004】
印刷物 DE10 2009 046 710 A1は内燃機関の中の排気ガス再循環率の決定のための方法及び装置を開示しているが、その際この排気ガス再循環率は内燃機関のシリンダに送り込まれるガス量の中における排気ガスの割合を示している。内燃機関のシリンダ内では燃焼過程の間にサイクリックに燃焼が行われる。その際に内燃機関のシリンダ内での燃焼のプロセスに関する燃焼プロセスのデータが求められ、この燃焼プロセスのデータから実際の排気ガス再循環率が、前もって定められている排気ガス再循環率関数を用いて決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開 DE10 2009 000 329A1
【特許文献2】ドイツ特許出願公開 DE 10 2009 046710 A1
【発明の開示】
【0006】
本発明によれば内燃機関の運転の際の排気ガス再循環率の調節のための方法が請求項1に従って又装置、エンジンシステム、およびコンピュータプログラム製品がそれに並置されている諸請求項に従ってもたらされる。
【0007】
本発明のその他の有利な実施態様は諸従属請求項に示されている。
【0008】
第一の態様によれば、新気が給気部を通じて送り込まれ又燃焼ガスが排気ガス排気部を通じて排気され、その際燃焼ガスの調節可能な量が排気ガス再循環路を通して給気部の中へ送り戻されると云う内燃機関の運転のための方法がもたらされる。この方法は次の諸ステップを含んでいる:
− 燃焼室圧力信号から、内燃機関の作動の質に関する尺度を示す作動不安定性の値を求めること;
− 前もって定められている作動不安定性の値の限界値(基準値)からの、求められた作動不安定性の値(実際値)のずれに応じて、補正値を決定すること;および
− 再循環される燃焼排気ガスの量の調節のための操作値に補正値を適用すること。
【0009】
排気ガス再循環装置の備えられた内燃機関の運転の際には、希薄運転時のNOx未処理排出は吸気管領域内への燃焼排気ガスの再循環によって低減することができる。しかしながら定められた排気ガス再循環率の場合でも、供給された新気に関して再循環された燃焼排気ガスの定められた相対的な量がオーバーされると不都合な結果が生じる。例えば作動の質が悪化し;とりわけ作動不安定性が大きくなり、燃料消費、及び炭化水素排出が多くなる。
【0010】
排気ガス再循環率の従来の制御方法では、排気ガス再循環分岐路の中に備えられた再循環される排気ガス量を調節する排気ガス再循環弁によるガス流の物理的モデル化が考えられていた。そのモデル化では排気ガス再循環弁の手前と後方の圧力、排気ガス再循環弁の位置、および排気ガス再循環弁の手前の温度が考慮される。再循環された燃焼排気ガスのマス流(質量流量)はとりわけ吸気管収支(バランス)から求めることができるが、ここで再循環排気ガスのマス流は内燃機関に向かって流れて行くガスの質量(吸気管モデルから)である吸気管内を流れて行く質量(エアマス計或いはそれと同等のものによって測定される)と吸気管内の状態変化に基づく質量変化との和から得られる。とりわけ、ターボチャージャの様な過給装置付きの内燃機関の場合には上述の方法は非常に誤差が大きくなるので、同時にNOx排出を抑制しながら燃料消費を減らそうとしてもなかなか上手く行かない。
【0011】
上述の方法の基本的な考え方は排気ガス再循環率、すなわち再循環された燃焼ガスの相対量、を作動の質に基づいて制限しようと云うものである。とりわけ、排気ガス再循環率は内燃機関の許されない程高い作動不安定性が避けられる様に調節されるべきであるとされている。
【0012】
作動不安定性は作動の質を表すために役立ち、一つの質的特性値として示されることがある。作動不安定性の値σ-pmiは内燃機関の熱力学の分野では周知の特性値であり、この特性値では平均指示特性エンジントルクpmiの標準偏差が燃焼の質を示している。σpmiは通常、燃焼室圧力センサによる燃焼室圧力の把捉、個々のシリンダ毎の平均指示トルクpmiの計算、並びに個々のシリンダ毎の平均指示特性エンジントルクpmiの標準偏差σpmiによる平均指示特性エンジントルクpmiの統計的利用、によって求められる。大きく上昇する作動不安定性の値σpmiは燃料消費の上昇、炭化水素排出の増加、および快適性の悪化と相互に関係していると云うことが確認された。
【0013】
さて上述の方法は、σpmiの制御を利用して、排気ガス再循環率のための従来の制御に影響を与え、σpmiが作動ポイントに応じて定められた基準値領域の中で許容作動限界内に収斂する様にすると云うことを想定している。排気ガス再循環率の従来の制御に対してこの作動不安定性の値σpmiの制御は、排気ガス再循環率のための絶対的基準として用いることができ又従って制御値として直接利用可能であると云う利点を持っている。前もって定められている作動限界に近づけることによって、低過ぎる排気ガス再循環率による許されない程高いNOx排出を避けることができる。この制御は定められた作動限界がオーバーされた時に排気ガス再循環率を検知してこれを引き下げるので、排気ガス再循環率の従来の制御の場合にはエンジンストップやそれと結び付いている燃料消費の増加、快適性の悪化等の様な上述の機能障害をもたらす恐れのある高過ぎる排気ガス再循環率を避けることができる。
【0014】
更に作動不安定性の値は指示平均圧力pmiの標準偏差σpmiに対応することができる。
【0015】
或る実施態様によれば、補正値は、求められた作動不安定性の値が前もって定められた作動不安定性の値の限界値よりも小さい時には連続的に或いは段階的に引き上げられ、又求められた作動不安定性の値が前もって定められた作動不安定性の値の限界値よりも大きい時には連続的に或いは段階的に引き下げられることができる。
【0016】
とりわけ、補正値は求められた作動不安定性の値と前もって定められている作動不安定性の値の限界値との間のずれの積分によって決定される、と考えることができる。とりわけ、積分係数は求められた作動不安定性の値に依存すると考えることができる。
【0017】
操作値は、再循環された燃焼排気ガスの量を調節する排気ガス再循環弁の調節のために用いることができ、その際には操作値が補正値によって乗算的にあるいは加算的に適用されるので、補正値は排気ガス再循環弁の調節に影響を与える。
【0018】
さらにこの補正値は、補正値を妥当な領域に制限するために、下側の限界値また/あるいは上側の限界値によって制限されることがある。補正値は、求められた作動不安定性の値が前もって定められた作動不安定性の値の下側の限界値よりも小さい時には連続的に或いは段階的に引き上げられ、又求められた作動不安定性の値が前もって定められた作動不安定性の値の上側の限界値よりも大きい時には連続的に或いは段階的に引き下げられることができる。
【0019】
もう一つの態様によれば、新気が給気部を通じて送り込まれ又燃焼ガスが排気ガス排気部を通じて排気され、その際燃焼ガスの調節可能な量が排気ガス再循環路を通して給気部の中へ送り戻されると云う内燃機関の運転のための装置がもたらされ、この装置は:
− 内燃機関の作動の質に関する尺度を示す作動不安定性の値を燃焼室圧力信号から求めるために;
− 前もって定められている作動不安定性の値の限界値(基準値)からの、求められた作動不安定性の値(実際値)のずれに応じて、補正値を決定するために;および
− 再循環される燃焼排気ガスの量の調節のための操作値に補正値を適用するために、
作られている。
【0020】
もう一つの態様によれば
− 新気の供給のための給気部、燃焼排気ガスの排出のための排気ガス排出部、および排気ガス再循環弁を介して調節可能な量の燃焼排気ガスを給気部の中へ送り戻すための排気ガス再循環路を備えた内燃機関、および
− 排気ガス再循環弁を、補正値を適用された操作値を用いて制御するための上記の装置、
を含むエンジンシステムが備えられている。
【0021】
もう一つの態様によれば、データ処理装置の上で実行されると上記の方法を実行するプログラムコードを含んでいるコンピュータプログラム製品が備えられている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の好ましい実施態様が付属の図面に基づいて以下に詳しく説明される。図面について
【図1】図1は本内燃機関を備えたエンジンシステムの略図を示す。
【図2】図2は作動不安定性の値σ-pmiを用いた排気ガス再循環率の制御を示すための機能図を示す。
【図3】図3は調節された排気ガス再循環率に応じた作動不安定性の値σ-pmiの変化を示すためのグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は内燃機関2、とりわけオットーサイクル機関、を持つエンジンシステム1の略図を示している。内燃機関2には給気部3を通じて空気が送り込まれ、燃焼排気ガスが排気ガス排出部4を通じて排出される。
【0024】
給気部3の中にはスロットルバルブ5があり、このバルブを介して内燃機関2のシリンダ6に送り込まれる空気量を調節することができる。給気部3のスロットルバルブ5の上流側には、より高い圧力の新気をスロットルバルブ5の上流側に供給するために、例えばターボチャージャを用いて実現することのできる過給装置7を備えることができる。
【0025】
排気ガス排出部4と給気部3との間には排気ガス再循環路8が備えられており、その中には排気ガス再循環弁9が備えられている。この排気ガス再循環弁9は排気ガス排出部4の中の排出される排気ガスの一部をスロットルバルブ5の上流側の給気部3の給気管部10の中へ送り込むために用いられる。排気ガス再循環路8の中には、送り戻された燃焼排気ガスを吸気管部10の中へ送り込む前に冷却するために、更に排気ガスクーラー(図には示されていない)が備えられることがある。
【0026】
吸気管部10の中へ送り戻される排気ガスの量が排気ガス再循環率を決定するが、この再循環率は、内燃機関2のシリンダ6に吸気管部10から燃焼のために流入する総質量に対する、吸気管部10の中へ送り込まれる排気ガス質量の比率に対応している。
【0027】
更に、事前設定値Vに基づいて内燃機関2の運転を制御するエンジン制御装置12が備えられている。そのためにエンジン制御装置12には、例えば内燃機関2の回転数、送り込まれた新気量(例えばホットフィルム=エアマスセンサを用いて測定される)等の、運転状態値が送り込まれる。スロットルバルブ5、過給装置7の圧縮出力、並びに排気ガス再循環弁9の調節によって内燃機関2を事前設定値Vに従って制御することができる。
【0028】
内燃機関2のシリンダ6には例えば燃焼室圧力センサ11を備えることができるが、これ等のセンサは燃焼室圧力pZylの変化を把捉し又平均指示トルクpmiやその標準偏差σpmi等の燃焼に固有の特性値を求めることを可能にする。とりわけ簡単なやり方によれば作動不安定性の値σpmiは燃焼室圧力センサ信号に基づいて求めることができる。平均指示トルクpmiの標準偏差は一般に作動安定性或いは作動不安定性の認定のために役立つ。標準偏差σpmiの計算は一般に次の式に基づいて行われる:
【数1】

【0029】
但し、nは考慮された値の数、そして
【数2】

は平均指示トルクpmiの平均値を意味している。
【0030】
作動不安定性の値σpmiはエンジン制御装置12の中で燃焼室圧力センサ信号を特性値としての利用することによって得られる。大きく上昇する作動不安定性の値σpmiは燃料消費の上昇、炭化水素排出の増加、および快適性の悪化と相互に関係している。
【0031】
図2には、排気ガス再循環弁9の制御のための操作経路の中で用いられる補正値kの求め方を示す機能図が示されている。そのために作動不安定性の値σpmiが定められる。
【0032】
図3は排気ガス再循環率に対する作動不安定性の値σpmiの具体的な変化例を示している。図3のグラフの例では、排気ガス再循環率が15%を越えると作動不安定性の値σpmiが大きく上昇し、排気ガス再循環率が約18%になると作動不安定性の値σpmiの前もって与えられている上側の限界値の例えば0.5バールをオーバーすると云うことが分かる。許容作動限界、すなわち作動不安定性の値の上側の限界値σpmi_max、に割り当てられている排気ガス再循環率AGRは作動ポイントに応じて適用され且つ特性マップから得ることができる。
【0033】
図2について説明すると比較ブロック21で求められた実際の作動不安定性の値σpmiは作動不安定性の値の上側と下側の限界値σpmi_maxおよびσpmi_minと比較される。実際の作動不安定性の値σpmiが作動不安定性の値の上側の限界値σpmi_maxよりも大きいと補正値kが小さくされる。同様に実際の作動不安定性の値σpmiが作動不安定性の値の下側の限界値σpmi_minよりも小さいと補正値kが大きくされる。これは例えば積分器22を用いて行うことができ、この積分器が実際の作動不安定性の値σpmiと作動不安定性の値の限界値σpmi_maxおよびσpmi_minとの間の差に応じて積分を実行する。
【0034】
この例で作動不安定性の値σpmiが作動不安定性の値の下側の限界値σpmi_minよりも小さいと、積分器22の中で積分値が連続的に或いは段階的に引き上げられることによって、補正値kが求められる一方、実際の作動不安定性の値σpmiが上側の限界値σpmi_maxよりも小さいと、積分値が連続的に或いは段階的に引き下げられる。積分器の値は補正値kに対応している。
【0035】
補正値kは補正係数として直接または間接的に排気ガス再循環弁9の制御のための調節経路の中で考慮されることができるので、排気ガス再循環弁9によって調節されるガスマス流は補正係数kが引き上げられると増加し補正係数kが引き下げられると減少する。この様にして排気ガス再循環率AGRは作動の質に係わる不都合を懸念すること無しに作動ポイントに応じて更に最適化されることができる。
【0036】
更に、特に実際の作動不安定性の値σpmiとそれに関連する限界値σpmi_min或いはσpmi_maxとの間の大きな差を排気ガス再循環率AGRの対応的適応によって加速的に補正することができる様にするために、実際の作動不安定性の値σpmiに応じて積分器の積分定数を予め与えておくことができる。
【0037】
例えば作動不安定性の値σpmiが小さい場合には、作動不安定性の値の上側の限界値σpmi_maxへの迅速な接近を達成するために、予め高い積分定数を与えておくことができる。
【0038】
積分器の値は、補正値kを妥当な値に制限するために、下側と上側の限界値MIN、MAXによって限定することができる。
【0039】
補正値kは排気ガス再循環弁9の制御のために用いられる操作値に対してとりわけ乗算的に適用されることができる。代替的方法として、操作値に補正値kを加算的に或いはその他のやり方で適用することも可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 エンジンシステム
2 内燃機関
3 給気部
4 排気ガス排出部
5 スロットルバルブ
6 内燃機関のシリンダ
7 過給装置
8 排気ガス再循環路
9 排気ガス再循環弁
10 給気管部
11 燃焼室圧力センサ
12 エンジン制御装置
21 比較ブロック
22 積分器、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新気が給気部(3)を通じて送り込まれ又燃焼ガスが排気ガス排気部(4)を通じて排気され、その際燃焼ガスの調節可能な量が排気ガス再循環路(8)を通して給気部(3)の中へ送り戻されると云う内燃機関(2)の運転のための方法において、
− 燃焼室圧力信号から、内燃機関(2)の作動の質に関する尺度を示す作動不安定性の値(σpmi)を求めること;
− 前もって定められている作動不安定性の値の限界値(σpmi_min、σpmi_max)からの、求められた作動不安定性の値(σpmi)のずれに応じて、補正値(k)を決定すること;および
− 再循環される燃焼排気ガスの量の調節のための操作値に補正値(k)を適用すること;
を含んでいる方法。
【請求項2】
作動不安定性の値(σpmi)が指示平均圧力(pmi)の標準偏差に対応している、請求項1に基づく方法。
【請求項3】
求められた作動不安定性の値(σpmi)が前もって定められた作動不安定性の値の限界値(σpmi_min、σpmi_max)よりも小さい時には補正値(k)が連続的に或いは段階的に引き上げられ、又求められた作動不安定性の値(σpmi)が前もって定められた作動不安定性の値の限界値(σpmi_min、σpmi_max)よりも大きい時には補正値(k)が連続的に或いは段階的に引き下げられる、請求項1または2に基づく方法。
【請求項4】
補正値(k)が、求められた作動不安定性の値(σpmi)と前もって定められている作動不安定性の値の限界値(σpmi_min、σpmi_max)との間のずれの積分によって決定され、その際積分係数が、求められた作動不安定性の値(σpmi)に依存している、請求項3に基づく方法。
【請求項5】
操作値が、再循環された燃焼排気ガスの量を調節する排気ガス再循環弁(9)の調節のために用いられ、その際操作値が補正値(k)によって乗算的にあるいは加算的に適用される、請求項1から4までの何れかに基づく方法。
【請求項6】
補正値(k)が下側の限界値(σpmi_min)および/または上側の限界値(σpmi_max)によって制限され、その際、求められた作動不安定性の値(σpmi)が前もって定められている作動不安定性の値の下側の限界値(σpmi_min)よりも小さいと、補正値が(k)が連続的に或いは段階的に引き上げられ、又その際、求められた作動不安定性の値が前もって定められている作動不安定性の値の上側の限界値(σpmi_max)よりも大きいと、補正値が(k)が連続的に或いは段階的に引き下げられる、請求項1から5までの何れかに基づく方法。
【請求項7】
新気が給気部(3)を通じて送り込まれ又燃焼ガスが排気ガス排気部(4)を通じて排気され、その際燃焼ガスの調節可能な量が排気ガス再循環路(8)を通して給気部(3)の中へ送り戻されると云う内燃機関(2)の運転のための装置において、
− 燃焼室圧力信号から、内燃機関(2)の作動の質に関する尺度を示す作動不安定性の値(σpmi)を求めること;
− 前もって定められている作動不安定性の値の限界値(σpmi_min、σpmi_max)からの、求められた作動不安定性の値(σpmi)のずれに応じて、補正値(k)を決定すること;および
− 再循環される燃焼排気ガスの量の調節のための操作値に補正値(k)を適用すること;
を含んでいる装置。
【請求項8】
− 新気の供給のための給気部(3)、燃焼排気ガスの排出のための排気ガス排出部(4)、および排気ガス再循環弁(9)を通して調節可能な量の燃焼ガスを給気部(3)の中へ送り戻すための排気ガス再循環路(8)、を備えている内燃機関(2)、および
− 補正値(k)を適用された操作値を用いて排気ガス再循環弁(9)を制御するための、請求項7に基づく装置、を含んでいるエンジンシステム(1)。
【請求項9】
データ処理装置の上で実行されると、請求項1から6までに基づく方法を実行するプログラムコードを含んでいる、コンピュータプログラム製品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−40609(P2013−40609A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180100(P2012−180100)
【出願日】平成24年8月15日(2012.8.15)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】