内燃機関
【課題】補助燃料供給装置の構成を簡易なものとしつつ、補助燃料の供給量が気筒間でばらつくことを的確に抑制することのできる内燃機関を提供する。
【解決手段】補助燃料供給装置30は、吸気マニホルド4の各支管61a〜61dに設けられて同支管61a〜61d内に開口するノズル34a〜34dと、各ノズル34a〜34dを互いに直列に接続する接続通路(ホース42a〜42c)と、第1ノズル34aに接続されてこれらノズル34a〜34dに対して補助燃料を噴射供給する1つの電子制御式の補助燃料噴射弁40とを備えている。また、補助燃料供給装置30は、補助燃料噴射弁40の開弁制御を通じて各ノズル34a〜34dから各支管61a〜61d内に補助燃料を供給するように構成されている。
【解決手段】補助燃料供給装置30は、吸気マニホルド4の各支管61a〜61dに設けられて同支管61a〜61d内に開口するノズル34a〜34dと、各ノズル34a〜34dを互いに直列に接続する接続通路(ホース42a〜42c)と、第1ノズル34aに接続されてこれらノズル34a〜34dに対して補助燃料を噴射供給する1つの電子制御式の補助燃料噴射弁40とを備えている。また、補助燃料供給装置30は、補助燃料噴射弁40の開弁制御を通じて各ノズル34a〜34dから各支管61a〜61d内に補助燃料を供給するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばエタノール等の主燃料を供給する主燃料供給装置と、主燃料よりも揮発性の高い例えばガソリン等の補助燃料を供給する補助燃料供給装置とを各別に備え、機関始動性を向上させるべく冷間始動時に補助燃料供給装置を通じて補助燃料を供給する内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の内燃機関としては例えば特許文献1に記載の内燃機関がある。特許文献1に記載の内燃機関は、主燃料としてのアルコール燃料を噴射供給する主燃料噴射弁を気筒毎に備えるとともに、補助燃料としてのガソリン燃料を噴射供給する補助燃料噴射弁を備えている。これら主燃料噴射弁及び補助燃料噴射弁は共に電子制御式の噴射弁である。ここで、補助燃料噴射弁はサージタンクに1つだけ設けられている。こうした内燃機関によれば、アルコール燃料が気化しにくい冷間始動時において補助燃料噴射弁を通じてガソリン燃料が噴射供給されることで、機関始動性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2―149757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、こうした内燃機関にあっては、補助燃料噴射弁がサージタンクに設けられているため、補助燃料噴射弁から噴射された補助燃料が流入しやすい気筒と流入しにくい気筒とが生じる。その結果、補助燃料の供給量が気筒間でばらつくこととなり、エミッションが悪化するといった問題が生じる。
【0005】
尚、こうした補助燃料噴射弁に代えて、補助燃料噴射弁を気筒毎に設けるようにすれば、上述したような補助燃料の供給量が気筒間でばらつくことについて抑制することができるようにはなる。しかしながら、この場合、電子制御式の補助燃料噴射弁が気筒数分必要となることから、補助燃料供給装置の構成が複雑なものとなるといった背反が生じる。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、補助燃料供給装置の構成を簡易なものとしつつ、補助燃料の供給量が気筒間でばらつくことを的確に抑制することのできる内燃機関を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、主燃料を供給する主燃料供給装置と、主燃料よりも揮発性の高い補助燃料を供給する補助燃料供給装置とを各別に備え、機関始動性を向上させるべく冷間始動時に前記補助燃料供給装置を通じて補助燃料を供給する内燃機関において、前記補助燃料供給装置は、吸気マニホルドの各支管に設けられて同支管内に開口するノズルと、各ノズルを互いに直列に接続する接続通路と、前記ノズル及び接続通路のいずれかの一箇所に接続されてこれらに対して補助燃料を噴射供給する1つの電子制御式の燃料噴射弁とを備え、前記燃料噴射弁の開弁制御を通じて前記各ノズルから各支管内に補助燃料を供給するように構成されることをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、電子制御により1つの燃料噴射弁を開弁させると、各ノズルに補助燃料が供給され、各ノズルを通じて吸気マニホルドの各支管内に補助燃料が供給されるようになる。このように気筒毎にノズルが設けられているため、補助燃料の供給量が気筒間でばらつくことを抑制することができるようになる。また、1つの燃料噴射弁を開弁させることにより各ノズルを通じた補助燃料の供給を制御することができるため、補助燃料供給装置の構成を簡易なものとすることができる。したがって、補助燃料供給装置の構成を簡易なものとしつつ、補助燃料の供給量が気筒間でばらつくことを的確に抑制することができるようになる。
【0009】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関において、前記燃料噴射弁は直列に配置された複数のノズルのうちの一端に位置するノズルに接続されることをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、燃料噴射弁から噴射された補助燃料は、直列に配置された複数のノズルのうちの一端に位置するノズルに供給され、同ノズルから接続通路を通じて他のノズルに供給されるようになる。すなわち、燃料噴射弁からの補助燃料は、直列に配置された複数のノズルの一端に位置するノズルから他端に位置するノズルに向けて一方向に流れるようになる。したがって、ノズル及び接続通路内における補助燃料の流れを円滑化することができるようになる。
【0011】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関において、前記燃料噴射弁と複数のノズルのうち同燃料噴射弁から補助燃料が直接噴射供給されるノズルとの間に補助燃料の圧力脈動を低減する低減構造が設けられることをその要旨としている。
【0012】
燃料噴射弁から補助燃料が間欠的に噴射供給されるため、各ノズル内や接続通路内に補助燃料の圧力脈動が生じる。そのため、こうした圧力脈動が大きい場合には燃料噴射弁の開弁タイミングを制御しても各ノズルからの燃料供給を所望のタイミングで行なうことができないことがある。
【0013】
この点、上記構成によれば、燃料噴射弁とノズルとの間に設けられた低減構造を通じて補助燃料の圧力脈動が低減されるようになる。このため、補助燃料の圧力脈動に起因して各ノズルからの燃料供給を所望のタイミングで行なうことができなくなるといった問題の発生を好適に抑制することができるようになる。
【0014】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関において、前記燃料噴射弁と複数のノズルのうち同燃料噴射弁から補助燃料が直接噴射供給されるノズルとの間に所定の通路容積を有する導入配管が設けられることをその要旨としている。
【0015】
同構成によれば、燃料噴射弁から噴射供給された補助燃料が導入配管を通過する際にその圧力脈動が低減されるようになる。したがって、簡易な構成によって補助燃料の圧力脈動を抑制することができるようになる。ちなみに、接続通路全体の通路容積と燃料噴射弁から噴射される補助燃料の圧力とに応じて導入配管の通路容積を設定することが望ましい。
【0016】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関において、前記ノズルの頂部には前記接続通路に接続される一対の接続口が形成され、前記一対の接続口は互いに同一方向を指向していることをその要旨としている。
【0017】
同構成によれば、ノズルの頂部に形成された接続口を補助燃料が通過する際にその流れが妨げられることを好適に抑制することができるようになる。したがって、ノズルの頂部を流れる補助燃料の圧力損失を低減することができるようになる。また、これら一対の接続口が同軸上に位置する場合には、これら一対の接続口を同時に加工することが可能となる。
【0018】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の内燃機関において、前記ノズルにおける前記一対の接続口の指向方向は、前記各ノズルを結ぶ仮想直線に交差する方向とされ、且つ互いに隣接する前記ノズルにおいて前記仮想直線を中心に対称とされることをその要旨としている。
【0019】
同構成によれば、互いに隣接するノズル間を接続する接続通路が緩やかな湾曲形状をなすものとなる。このため、各ノズル及び接続通路を通過する補助燃料の流れが円滑化されるようになる。したがって、接続通路を流れる補助燃料の圧力損失を低減することができるようになる。
【0020】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関において、前記接続通路は、可撓性を有するホースにより構成されることをその要旨としている。
【0021】
同構成によれば、互いに隣接するノズルが、可撓性を有するホースにより接続されるため、組み付けに際して、或いは経時変化によってノズル間の距離が変化した場合であっても、こうした変化がホースの撓みによって吸収されるようになる。したがって、内燃機関の組み付けを容易なものとすることができるとともに、内燃機関の耐久性についてもこれを好適に高めることができるようになる。
【0022】
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の内燃機関において、前記ノズルは吸気マニホルドの支管に形成された連通孔に取り付けられ、前記ノズルと前記連通孔との間にはブラケットが介設され、前記ブラケットは吸気マニホルドに対してボルトにより締結されることをその要旨としている。
【0023】
同構成によれば、吸気マニホルドの支管に形成された連通孔とノズルとの間にブラケットが介設され、且つこのブラケットは吸気マニホルドに対してボルトにより締結される。したがって、吸気マニホルドに対してノズルを安定して固定することができるようになる。
【0024】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の内燃機関において、前記ブラケットは互いに隣接する支管の間に位置する吸気マニホルドのフランジに対して前記ボルトにより締結され、前記ボルトは互いに隣接する前記ノズルに設けられる一対の前記ブラケットを締結することをその要旨としている。
【0025】
同構成によれば、互いに隣接するノズルに設けられる一対のブラケットが共通のボルトにより吸気マニホルドのフランジに締結されるため、例えば4つの気筒を有する内燃機関にあっては2つのボルトによって各ノズルのブラケットを締結すれば済む。したがって、吸気マニホルドに対するノズルの安定した固定を簡素な構成により具現化することができるようになる。
【0026】
(10)請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の内燃機関において、当該一対のブラケットにおいて前記フランジに近接して締結されるブラケットのボルト孔は前記フランジから離間して締結されるブラケットのボルト孔よりも大きくされることをその要旨としている。
【0027】
一本の共通のボルトにより締結される一対のブラケットは、一方が吸気マニホルドのフランジに近接して締結され、他方は一方のブラケットを下にして、すなわちフランジから離間して締結される。ここで、フランジに近接して締結されるブラケット、すなわち下側のブラケットの組み付け作業性は、フランジから離間して締結されるブラケットの組み付け作業性に比べて悪い。
【0028】
この点、上記構成によれば、フランジに近接して締結されるブラケットのボルト孔が相対的に大きくされている。このため、当該ボルト孔を通じたブラケットの位置調整が容易なものとなる。また、フランジから離間して締結されるブラケットのボルト孔は相対的に小さくされている。このため、当該ボルト孔を通じて当該ブラケットの位置決めを的確に行なうことができるようになる。
【0029】
(11)請求項11に記載の発明は、請求項9又は請求項10に記載の内燃機関において、前記接続通路は湾曲したホースにより構成され、前記ホースのうち当該一対のブラケットの位置に対応して設けられるホースは当該一対のブラケットから離間するように湾曲していることをその要旨としている。
【0030】
同構成によれば、当該一対のブラケットの位置に対応して設けられるホースが当該一対のブラケットから離間するように湾曲しているため、ボルトによって当該一対のブラケットを締結する際の作業スペースが確保されるようになる。したがって、ブラケットの組み付け性を向上させることができるようになる。
【0031】
(12)主燃料と同主燃料よりも揮発性の高い補助燃料としては、請求項12に記載の発明によるように、主燃料はアルコール燃料であり、補助燃料はガソリン燃料であるといった態様をもって具体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関について、内燃機関の概略構成を示す概略図。
【図2】同実施形態における内燃機関について、吸気マニホルドを中心とした斜視構造を示す斜視図。
【図3】同実施形態における内燃機関について、吸気マニホルドを中心とした正面構造を示す正面図。
【図4】同実施形態における補助燃料供給装置について、(a)ノズル及びホースの構成を模式的に示す模式図、(b)ノズルの頂部の斜視構造を示す斜視図、(c)ノズルの頂部の断面構造を模式的に示す断面図。
【図5】同実施形態における内燃機関について、ブラケットを中心とした正面構造を示す正面図。
【図6】同実施形態における補助燃料供給装置の概略構成を示す概略図。
【図7】比較例における補助燃料供給装置について、(a)ノズル及びホースの構成を模式的に示す模式図、(b)ノズルの頂部の斜視構造を示す斜視図、(c)ノズルの頂部の断面構造を模式的に示す断面図。
【図8】本発明の変形例における補助燃料供給装置の概略構成を示す概略図。
【図9】本発明の他の変形例における補助燃料供給装置について、ノズル及びホースの構成を模式的に示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図1〜図7を参照して、本発明に係る内燃機関を、主燃料としてエタノールを噴射供給するポート噴射式の直列4気筒内燃機関(以下、内燃機関)として具体化した一実施形態について説明する。
【0034】
図1に示すように、内燃機関の吸気通路2には吸気を調量するスロットルバルブ3が設けられており、同スロットルバルブ3の下流側には吸気マニホルド4が接続されている。吸気マニホルド4はサージタンク5及び4つの支管61a〜61dを有している。各支管61a〜61dはサージタンク5から分岐するとともにシリンダヘッド10に形成された吸気ポート11a〜11dに接続されている。各吸気ポート11a〜11dは各気筒12a〜12dに接続されている。
【0035】
内燃機関の排気通路8には、各気筒12a〜12dに接続される4つの排気ポート13及び各排気ポート13に接続される4つの支管を有した排気マニホルド81が設けられている。
【0036】
内燃機関は、主燃料としてエタノール燃料(例えばエタノール濃度100%の燃料)を供給する主燃料供給装置20と、補助燃料としてエタノール燃料よりも揮発性の高いガソリン燃料(例えばエタノール濃度0%の燃料)を供給する補助燃料供給装置30とを各別に備えている。
【0037】
主燃料供給装置20は、主燃料タンク21内に貯留されている主燃料を主燃料ポンプ23により圧送するとともに、供給通路22を通じて各吸気ポート11a〜11dに設けられた主燃料噴射弁24a〜24dに供給するように構成されている。こうして供給された主燃料は電子制御装置100による主燃料噴射弁24a〜24dの開弁制御を通じて各吸気ポート11a〜11d内に噴射供給される。
【0038】
補助燃料供給装置30は、補助燃料タンク31内に貯留されている補助燃料を補助燃料ポンプ33により圧送するとともに、供給通路32を通じて吸気マニホルド4の各支管61a〜61d内に供給するように構成されている。具体的には、吸気マニホルド4の各支管61a〜61dには各支管61a〜61d内に開口するノズル34a〜34dが設けられている。これらノズル34a〜34dは略筒状の部材であり、電子制御装置100によって直接的に制御されるものではない。また、各ノズル34a〜34dは接続通路(ホース42a〜42c)により互いに直列に接続されている。また、供給通路32の途中には電子制御式の補助燃料噴射弁40が設けられており、補助燃料噴射弁40は直列に配置された4つのノズル34a〜34dのうち一端に位置する第1ノズル34aに導入配管41を介して接続されている。すなわち、補助燃料供給装置30は、第1ノズル34aに接続されてこれらノズル34a〜34dに対して補助燃料を噴射供給する1つの電子制御式の補助燃料噴射弁40を備えている。上述したように供給通路32を通じて補助燃料噴射弁40に対して供給された補助燃料は電子制御装置100による補助燃料噴射弁40の開弁制御を通じて各ノズル34a〜34dから各支管61a〜61d内に噴射供給される。
【0039】
次に、図2及び図3を参照して、補助燃料供給装置30の構成について更に説明する。 図2及び図3に併せ示すように、各ノズル34a〜34dは略円筒状の頂部35a〜35dを有している。これら頂部35a〜35dは吸気マニホルド4の外部に露出している。
【0040】
第1ノズル34aの頂部35aの頂面には導入側接続口36aが突出して形成されている。この導入側接続口36aには上記導入配管41が接続されている。また、頂部35aの側面には排出側接続口37aが突出して形成されている。この排出側接続口37aには第1ホース42aの一端が外嵌されている。図2に示すように、排出側接続口37aは図中の右上を指向している。
【0041】
第2ノズル34bの頂部35bの側面には導入側接続口36b及び排出側接続口37bが突出して形成されている。導入側接続口36bには第1ホース42aの他端が外嵌されている。排出側接続口37bには第2ホース42bの一端が外嵌されている。第2ノズル34bにおけるこれら一対の接続口36b、37bは互いに同一方向を指向している。図2に示すように、導入側接続口36b及び排出側接続口37bは図中の右下を指向している。
【0042】
第3ノズル34cの頂部35cの側面には導入側接続口36c及び排出側接続口37cが突出して形成されている。導入側接続口36cには第2ホース42bの他端が外嵌されている。排出側接続口37cには第3ホース42cの一端が外嵌されている。第3ノズル34cにおけるこれら一対の接続口36c、37cは互いに同一方向を指向している。図2に示すように、導入側接続口36c及び排出側接続口37cは図中の右上を指向している。
【0043】
第4ノズル34dの頂部35dの側面には導入側接続口36dが突出して形成されている。導入側接続口36dには第3ホース42cの他端が外嵌されている。図2に示すように、導入側接続口36dは図中の右下を指向している。
【0044】
図4(a)に示すように、互いに隣接するノズル34b、34cにおける一対の接続口36b、37b(36c、37c)の各指向方向D2、D3は同一平面状において上記仮想直線Lを中心に対称とされている。また、第1ノズル34aの排出側接続口37aの指向方向D1、及び第4ノズル34dの導入側接続口36dの指向方向D4も含めると、互いに隣接するノズル34a〜34dの接続口37a、(36b、37b)、36c、37c、(36d)の各指向方向D1〜D4は上記仮想直線Lに対して交互に反転している。
【0045】
また図4(b)、(c)に併せ示すように、第3ノズル34cにおける一対の接続口36c、37cは同軸上に形成されている。またこれら一対の接続口36c、37cの内径は互いに同一とされている。尚、第2ノズル34bの構造は基本的に第3ノズル34cと同一であるため、説明を割愛する。
【0046】
また、図2及び図4(a)に併せ示すように、第1ホース42a及び第3ホース42cはそれらの中央部位が図中上方に突出するように湾曲している。また、第2ホース42bはその中央部位が図中下方に突出するように湾曲している。これらホース42a〜42cは共にゴムによって形成されており、可撓性を有している。
【0047】
図2及び図3に示すように、吸気マニホルド4の各支管61a〜61dの先端にはこれら支管61a〜61dに共通のフランジ7が形成されている。
図3に示すように、吸気マニホルド4の各支管61a〜61dには突部62a〜62dが形成されている。各突部62a〜62dに形成された連通孔には各ノズル34a〜34dが挿通されている。これら突部62a〜62d(連通孔)とノズル34a〜34dとの間にはブラケット45a〜45dが介設されている。これらブラケット45a〜45dは吸気マニホルド4のフランジ7に対してボルト50a、50bにより締結されている。
【0048】
ここで、図5を参照して、第1ブラケット45a及び第2ブラケット45bの組み付け構造について説明する。尚、図4は、第1ノズル34aと第2ノズル34bとの間に組み付けられる第1ブラケット45a及び第2ブラケット45bを中心とした平面図である。
【0049】
第1ブラケット45aには、図5において左側に示すその一端に挿通孔46aが形成されている。この挿通孔46aには第1ノズル34aが挿通されている。また、第1ブラケット45aには、図5において中央に示すその他端にボルト孔47aが形成されている。このボルト孔47aにはボルト50aが挿通されている。
【0050】
第2ブラケット45bには、図5において右側に示すその一端に挿通孔46bが形成されている。この挿通孔46bには第2ノズル34bが挿通されている。また、第2ブラケット45bには、図5において中央に示すその他単にボルト孔47bが形成されている。このボルト孔47bにはボルト50aが挿通されている。
【0051】
フランジ7には第1支管61aと第2支管61bとの間に突部71aが形成されており、この突部71aに形成されたボルト穴72aに上記ボルト50aが挿通されている。
これらブラケット45a、45bの他端は互いに隣接する支管61a、61bの間において共通のボルト50aによりフランジ7に締結されている。このため、第1ブラケット45aの他端が第2ブラケット45bの他端の下側に位置することとなる。
【0052】
本実施形態では、第1ブラケット45aのボルト孔47aの直径が第2ブラケット45bのボルト孔47bの直径よりも大きくされている。
尚、第3ブラケット45c及び第4ブラケット45dは第1ブラケット45a及び第2ブラケット45bに対応していることから、第3ブラケット45c及び第4ブラケット45dの組み付けに関する説明を割愛する。
【0053】
図6に示すように、補助燃料噴射弁40と第1ノズル34aとを接続する導入配管41の通路容積V1が接続通路全体の通路容積V2の2倍とされている(V1=V2×2)。ここで、接続通路全体の通路容積V2には、各ホース42a〜42cの通路容積に加えて、第2ノズル34bの各接続口36b、37bの通路容積、頂部35bの内部空間の容積、第3ノズル34cの各接続口36c、37cの通路容積、及び頂部35cの内部空間の容積が含まれる。
【0054】
次に、本実施形態の作用について説明する。
電子制御装置100を通じて1つの補助燃料噴射弁40を開弁させると、導入配管41及び接続通路(ホース42a〜42c)を通じて各ノズル34a〜34dに補助燃料が供給され、各ノズル34a〜34dを通じて吸気マニホルド4の各支管61a〜61d内に補助燃料が供給されるようになる。このように気筒12a〜12d毎にノズル34a〜34dが設けられているため、気筒12a〜12d間で補助燃料の供給量がばらつくことが抑制されるようになる。また、1つの補助燃料噴射弁40を開弁させることにより各ノズル34a〜34dを通じた補助燃料の供給を制御することができるため、補助燃料供給装置30の構成が簡易なものとなる。
【0055】
補助燃料噴射弁40から噴射された補助燃料は、第1ノズル34aに供給され、第1ノズル34aから接続通路(ホース42a〜42c)を通じて他のノズル34b〜34dに供給されるようになる。すなわち、補助燃料噴射弁40からの補助燃料は、第1ノズル34aから第4ノズル34dに向けて一方向に流れるようになる。このため、ノズル34a〜34d及び接続通路(ホース42a〜42c)内における補助燃料の流れが円滑化されるようになる。
【0056】
ところで、補助燃料噴射弁40から補助燃料が間欠的に噴射供給されるため、各ノズル34a〜34d内や接続通路(ホース42a〜42c)内に補助燃料の圧力脈動が生じる。そのため、こうした圧力脈動が大きい場合には補助燃料噴射弁40の開弁タイミングを制御しても各ノズル34a〜34dからの燃料供給を所望のタイミングで行なうことができないことがある。
【0057】
この点、本実施形態によれば、補助燃料噴射弁40と第1ノズル34aとの間に所定の通路容積V1を有する導入配管41が設けられている。また、同通路容積V1が接続通路全体の通路容積V2の2倍とされている(V1=V2×2)。このため、補助燃料噴射弁40から噴射供給された補助燃料が導入配管41を通過する際にその圧力脈動が好適に低減されるようになる。
【0058】
また、第2ノズル34b(第3ノズル34c)における一対の接続口36b、37b(36c、37c)は互いに同一方向を指向しているため、これら接続口36b、37b(36c、37c)を補助燃料が通過する際にその流れが妨げられることが好適に抑制されるようになる(例えば図4(c)参照)。また、これら一対の接続口36b、37b(36c、37c)が同軸上に位置するため、これらを同時に加工することが可能となる。
【0059】
また、図4(a)に示すように、互いに隣接するノズル34a、34b、(34b、34c)、34c、34d間を接続するホース42a、(42b)、42cが緩やかな湾曲形状をなすものとなるため、各ノズル34a〜34d及び各ホース42a〜42cを通過する補助燃料の流れが円滑化されるようになる。
【0060】
これに対して、比較例では、図7(a)〜(c)に併せ示すように、第2ノズル134b(第3ノズル134c)における一対の接続口136b、137b(136c、137c)の指向方向が互いに交わるように構成されている。こうした構成では、これら接続口136b、137b(136c、137c)を補助燃料が通過する際にその流れが妨げられることとなり、圧力損失が増大することとなる。また、これら一対の接続口36b、37b(36c、37c)を形成する際には、これら接続口36b、37b(36c、37c)を各別に加工しなければならない。
【0061】
また本実施形態では、互いに隣接するノズル34a〜34dが、可撓性を有するホース42a〜42dにより接続されるため、組み付けに際して、或いは経時変化によってノズル34a〜34d間の距離が変化した場合であっても、こうした変化がホース42a〜42cの撓みによって吸収されるようになる。
【0062】
また、吸気マニホルド4の支管61a〜61dに形成された連通孔63a〜63dとノズル34a〜34dとの間にブラケット45a〜45dが介設され、且つこのブラケット45a〜45dは吸気マニホルド4に対してボルト50a、50bにより締結されている。したがって、吸気マニホルド4に対してノズル34a〜34dが安定して固定されるようになる。
【0063】
しかも、互いに隣接するノズル34a、34b(34c、34d)に設けられる一対のブラケット45a、45b(45c、45d)が共通のボルト50a(50b)により吸気マニホルド4のフランジ7に締結される。このため、4つの気筒12a〜12dを有する内燃機関にあっては2つのボルト50a、50bによって各ノズル34a〜34dのブラケット45a〜45dを締結すれば済む。
【0064】
ところで、1本の共通のボルト50a(50b)により締結される一対のブラケット45a、45b(45c、45d)は、一方のブラケット45a(45c)が吸気マニホルド4のフランジ7に近接して締結され、他方のブラケット45b(45d)は一方のブラケット45a(45c)を下にして、すなわちフランジ7から離間して締結される。ここで、フランジ7に近接して締結されるブラケット45a(45c)、すなわち下側のブラケット45a(45c)の組み付け作業性はフランジ7から離間して締結されるブラケット45b(45d)の組み付け作業性に比べて悪い。
【0065】
この点、本実施形態によれば、図7に示すように、フランジ7に近接して締結されるブラケット45aのボルト孔47aが相対的に大きくされている。このため、当該ボルト孔47aを通じたブラケット45aの位置調整が容易なものとなる。
【0066】
また、フランジ7から離間して締結されるブラケット45b(45d)のボルト孔47b(47d)は相対的に小さくされているため、当該ボルト孔47b(47d)を通じて当該ブラケット45b(45d)の位置決めが的確に行なわれるようになる。
【0067】
また、当該一対のブラケット45a、45b(45c、45d)の位置に対応して設けられるホース42a(42c)が当該一対のブラケット45a、45b(45c、45d)から離間するように湾曲している。このため、ボルト50a(50b)によって当該一対のブラケット45a、45b(45c、45d)を締結する際の作業スペースが確保されるようになる。
【0068】
以上説明した本実施形態に係る内燃機関によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)補助燃料供給装置30は、吸気マニホルド4の各支管61a〜61dに設けられて同支管61a〜61d内に開口するノズル34a〜34dと、各ノズル34a〜34dを互いに直列に接続する接続通路(ホース42a〜42c)とを備えている。また、補助燃料供給装置30は、第1ノズル34aに接続されてこれらノズル34a〜34dに対して補助燃料を噴射供給する1つの電子制御式の補助燃料噴射弁40を備えている。また、補助燃料供給装置30は、補助燃料噴射弁40の開弁制御を通じて各ノズル34a〜34dから各支管61a〜61d内に補助燃料を供給するように構成されている。こうした構成によれば、補助燃料供給装置30の構成を簡易なものとしつつ、補助燃料の供給量が気筒12a〜12d間でばらつくことを的確に抑制することができるようになる。
【0069】
(2)補助燃料噴射弁40は直列に配置された複数のノズル34a〜34dのうちの一端に位置する第1ノズル34aに接続されている。こうした構成によれば、ノズル34a〜34d及び接続通路(ホース42a〜42c)内における補助燃料の流れを円滑化することができるようになる。
【0070】
(3)補助燃料噴射弁40と第1ノズル34aとの間に補助燃料の圧力脈動を低減する低減構造が設けられている。具体的には、補助燃料噴射弁40と第1ノズル34aとの間に所定の通路容積V1を有する導入配管41が設けられている。また、同通路容積V1が接続通路全体の通路容積V2の2倍とされることにより上記低減構造が実現されている(V1=V2×2)。こうした構成によれば、補助燃料の圧力脈動に起因して各ノズル34a〜34dからの燃料供給を所望のタイミングで行なうことができなくなるといった問題の発生を好適に抑制することができるようになる。また、簡易な構成によって補助燃料の圧力脈動を抑制することができるようになる。
【0071】
(4)ノズル34b(34c)の頂部35b(35c)にはホース42a、42b(42b、42c)に接続される一対の接続口36b、37b(36c、37c)が形成されている。また、これら一対の接続口36b、37b(36c、37c)は互いに同一方向を指向している。こうした構成によれば、ノズル34b(34c)の頂部35b(35c)を流れる補助燃料の圧力損失を低減することができるようになる。また、ノズル34b(34c)の製造工程の簡素化を図ることができるようになる。
【0072】
(5)ノズル34b(34c)における一対の接続口36b、37b(36c、37c)の指向方向D2、D3は、各ノズル34a〜34dを結ぶ仮想直線Lに交差する方向とされ、且つ互いに隣接するノズル34b、34cにおいて上記仮想直線Lを中心に対称とされている。こうした構成によれば、接続通路(ホース42a〜42c)を流れる補助燃料の圧力損失を低減することができるようになる。
【0073】
(6)接続通路は、可撓性を有するホース42a〜42cにより構成されている。こうした構成によれば、内燃機関の組み付けを容易なものとすることができるとともに、内燃機関の耐久性についてもこれを好適に高めることができるようになる。
【0074】
(7)ノズル34a〜34dは吸気マニホルド4の支管61a〜61dに形成された連通孔63a〜63dに取り付けられている。ノズル34a〜34dと連通孔63a〜63dとの間にはブラケット45a〜45dが介設されている。また、このブラケット45a〜45dは吸気マニホルド4に対してボルト50a、50bにより締結されている。こうした構成によれば、吸気マニホルド4に対してノズル34a〜34dを安定して固定することができるようになる。
【0075】
(8)ブラケット45a、45b(45c、45d)は互いに隣接する支管61a、61b(61c、61d)の間に位置する吸気マニホルド4のフランジ7に対してボルト50a(50b)により締結されている。また、ボルト50a(50b)は互いに隣接するノズル34a、34b(34c、34d)に設けられる一対のブラケット45a、45b(45c、45d)を締結している。こうした構成によれば、吸気マニホルド4に対するノズル34a〜34dの安定した固定を簡素な構成により具現化することができるようになる。
【0076】
(9)当該一対のブラケット45a、45bにおいてフランジ7に近接して締結されるブラケット45aのボルト孔47aはフランジ7から離間して締結されるブラケット45bのボルト孔47bよりも大きくされている。こうした構成によれば、フランジ7に近接して締結されるブラケット45aの組み付け作業性を向上させることができるようになる。また、フランジ7から離間して締結されるブラケット45bのボルト孔47bを通じて当該ブラケット45bの位置決めを的確に行なうことができるようになる。
【0077】
(10)接続通路は湾曲したホース42a〜42cにより構成されている。また、ホース42a〜42cのうち当該一対のブラケット45a、45b(45c、45d)の位置に対応して設けられるホース42a(42c)は当該一対のブラケット45a、45b(45c、45d)から離間するように湾曲している。こうした構成によれば、当該一対のブラケット45a、45b(45c、45d)の組み付け性を向上させることができるようになる。
【0078】
尚、本発明に係る内燃機関は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、エタノール濃度100%のエタノール燃料が主燃料とされるとともに、エタノール濃度0%のガソリン燃料が補助燃料とされるものについて例示した。しかしながら、主燃料及び補助燃料はこれらに限られない。他に例えば、エタノール濃度80%のエタノール燃料を主燃料とするようにしてもよいし、エタノール濃度20%のガソリン燃料を補助燃料とするようにしてもよい。要するに、補助燃料は主燃料よりも揮発性が高いものであればよい。
【0079】
・上記実施形態によるように、互いに隣接するノズル34a、34bに設けられる一対のブラケット45a、45bのボルト孔47a、47bの直径を前述したように互いに異なるものとすることが、当該一対のブラケット45a、45bの組み付け性を向上させる上では望ましい。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、これらブラケットのボルト孔の大きさを同一としてもよい。
【0080】
・上記実施形態に代えて、ノズルを固定するブラケットがそれぞれ1つのボルトにより各別に吸気マニホルドのフランジに対して締結されるようにしてもよい。
・上記実施形態によるように、ノズル34a〜34dをブラケット45a〜45dを介してフランジ7の突部71aに固定することが、吸気マニホルド4に対してノズル34a〜34dを安定して固定する上では望ましい。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、各支管61a〜61dの突部62a〜62dに形成された連通孔63a〜63dに対してノズル34a〜34dを安定して固定することができるのであれば、こうしたブラケットを割愛することもできる。
【0081】
・上記実施形態に代えて、各ノズルの接続口の指向方向が上記仮想直線Lに沿うようにしてもよい。この場合であっても、互いに隣接するノズル間を接続する各ホースが直線状をなすものとなるため、各ホースを通過する補助燃料の流れが円滑化されるようになる。
【0082】
・本発明は、各ノズルの一対の接続口が同一方向を指向するものに限られない。各ノズル及び接続通路内における燃料の流れが問題にならない場合には、例えば先の図7に示した比較例におけるノズルを採用することもできる。
【0083】
・上記実施形態によるように、導入配管41の通路容積V1を接続通路全体の通路容積V2の2倍とすることが、補助燃料の圧力脈動を好適に低減する上では望ましい。しかしながら、導入配管の通路容積と接続通路全体の通路容積との関係はこれに限られるものではなく、補助燃料の圧力脈動を好適に低減することができるようにその関係を適宜設定すればよい。
【0084】
・上記実施形態及びその変形例では、接続通路全体の通路容積に対する導入配管の通路容積を適宜設定することにより、補助燃料の圧力脈動の低減を図るようにした。しかしながら、補助燃料の圧力脈動を低減する手段はこれに限られるものではなく、図8に示すように、導入配管241の途中にパルセーションダンパ249を設けるようにしてもよい。この場合、導入配管の通路容積を接続通路全体の通路容積から独立して設定することができるようになる。
【0085】
・上記実施形態及びその変形例では、直列4気筒内燃機関に対して本発明を適用したが、これをV型8気筒内燃機関に対して適用するようにしてもよい。この場合、例えば、上記実施形態において例示した補助燃料供給装置30を各気筒列(バンク)に対して適用することができる。また、図9に示すように、本発明を直列3気筒内燃機関に対して適用することもできる。この場合、第1ノズル334aの導入側接続口336aを排出側接続口337aと同一方向を指向するものとしてもよい。尚、図9では、上記実施形態の部材に対応する部材に対して「300」を加算した符号を付している。また、こうした直列3気筒内燃機関における補助燃料供給装置をV型6気筒内燃機関の各気筒列(バンク)に対して適用することもできる。
【符号の説明】
【0086】
2…吸気通路、3…スロットルバルブ、4…吸気マニホルド、5…サージタンク、7…フランジ、8…排気通路、10…シリンダヘッド、11a〜11d…吸気ポート、12a〜12d…気筒、13…排気ポート、20…主燃料供給装置、21…主燃料タンク、22…供給通路、23…主燃料ポンプ、24…主燃料噴射弁、30…補助燃料供給装置、31…補助燃料タンク、32…供給通路、33…補助燃料ポンプ、34a〜34d…ノズル、35a〜35d,335a〜335c…頂部、36a〜36d,336a〜336c…導入側接続口、37a〜37c,337a,337b…排出側接続口、40…補助燃料噴射弁、41,241…導入配管、42a〜42d…ホース、45a〜45d…ブラケット、46a〜46d…挿通孔、47a〜47d…ボルト孔、50a,50b…ボルト、61a〜61d…支管、62a〜62d…突部、63a〜63d…連通孔、71a、71b…突部、72a…ボルト穴、81…排気マニホルド、100…電子制御装置、249…パルセーションダンパ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばエタノール等の主燃料を供給する主燃料供給装置と、主燃料よりも揮発性の高い例えばガソリン等の補助燃料を供給する補助燃料供給装置とを各別に備え、機関始動性を向上させるべく冷間始動時に補助燃料供給装置を通じて補助燃料を供給する内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の内燃機関としては例えば特許文献1に記載の内燃機関がある。特許文献1に記載の内燃機関は、主燃料としてのアルコール燃料を噴射供給する主燃料噴射弁を気筒毎に備えるとともに、補助燃料としてのガソリン燃料を噴射供給する補助燃料噴射弁を備えている。これら主燃料噴射弁及び補助燃料噴射弁は共に電子制御式の噴射弁である。ここで、補助燃料噴射弁はサージタンクに1つだけ設けられている。こうした内燃機関によれば、アルコール燃料が気化しにくい冷間始動時において補助燃料噴射弁を通じてガソリン燃料が噴射供給されることで、機関始動性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2―149757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、こうした内燃機関にあっては、補助燃料噴射弁がサージタンクに設けられているため、補助燃料噴射弁から噴射された補助燃料が流入しやすい気筒と流入しにくい気筒とが生じる。その結果、補助燃料の供給量が気筒間でばらつくこととなり、エミッションが悪化するといった問題が生じる。
【0005】
尚、こうした補助燃料噴射弁に代えて、補助燃料噴射弁を気筒毎に設けるようにすれば、上述したような補助燃料の供給量が気筒間でばらつくことについて抑制することができるようにはなる。しかしながら、この場合、電子制御式の補助燃料噴射弁が気筒数分必要となることから、補助燃料供給装置の構成が複雑なものとなるといった背反が生じる。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、補助燃料供給装置の構成を簡易なものとしつつ、補助燃料の供給量が気筒間でばらつくことを的確に抑制することのできる内燃機関を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、主燃料を供給する主燃料供給装置と、主燃料よりも揮発性の高い補助燃料を供給する補助燃料供給装置とを各別に備え、機関始動性を向上させるべく冷間始動時に前記補助燃料供給装置を通じて補助燃料を供給する内燃機関において、前記補助燃料供給装置は、吸気マニホルドの各支管に設けられて同支管内に開口するノズルと、各ノズルを互いに直列に接続する接続通路と、前記ノズル及び接続通路のいずれかの一箇所に接続されてこれらに対して補助燃料を噴射供給する1つの電子制御式の燃料噴射弁とを備え、前記燃料噴射弁の開弁制御を通じて前記各ノズルから各支管内に補助燃料を供給するように構成されることをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、電子制御により1つの燃料噴射弁を開弁させると、各ノズルに補助燃料が供給され、各ノズルを通じて吸気マニホルドの各支管内に補助燃料が供給されるようになる。このように気筒毎にノズルが設けられているため、補助燃料の供給量が気筒間でばらつくことを抑制することができるようになる。また、1つの燃料噴射弁を開弁させることにより各ノズルを通じた補助燃料の供給を制御することができるため、補助燃料供給装置の構成を簡易なものとすることができる。したがって、補助燃料供給装置の構成を簡易なものとしつつ、補助燃料の供給量が気筒間でばらつくことを的確に抑制することができるようになる。
【0009】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関において、前記燃料噴射弁は直列に配置された複数のノズルのうちの一端に位置するノズルに接続されることをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、燃料噴射弁から噴射された補助燃料は、直列に配置された複数のノズルのうちの一端に位置するノズルに供給され、同ノズルから接続通路を通じて他のノズルに供給されるようになる。すなわち、燃料噴射弁からの補助燃料は、直列に配置された複数のノズルの一端に位置するノズルから他端に位置するノズルに向けて一方向に流れるようになる。したがって、ノズル及び接続通路内における補助燃料の流れを円滑化することができるようになる。
【0011】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関において、前記燃料噴射弁と複数のノズルのうち同燃料噴射弁から補助燃料が直接噴射供給されるノズルとの間に補助燃料の圧力脈動を低減する低減構造が設けられることをその要旨としている。
【0012】
燃料噴射弁から補助燃料が間欠的に噴射供給されるため、各ノズル内や接続通路内に補助燃料の圧力脈動が生じる。そのため、こうした圧力脈動が大きい場合には燃料噴射弁の開弁タイミングを制御しても各ノズルからの燃料供給を所望のタイミングで行なうことができないことがある。
【0013】
この点、上記構成によれば、燃料噴射弁とノズルとの間に設けられた低減構造を通じて補助燃料の圧力脈動が低減されるようになる。このため、補助燃料の圧力脈動に起因して各ノズルからの燃料供給を所望のタイミングで行なうことができなくなるといった問題の発生を好適に抑制することができるようになる。
【0014】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関において、前記燃料噴射弁と複数のノズルのうち同燃料噴射弁から補助燃料が直接噴射供給されるノズルとの間に所定の通路容積を有する導入配管が設けられることをその要旨としている。
【0015】
同構成によれば、燃料噴射弁から噴射供給された補助燃料が導入配管を通過する際にその圧力脈動が低減されるようになる。したがって、簡易な構成によって補助燃料の圧力脈動を抑制することができるようになる。ちなみに、接続通路全体の通路容積と燃料噴射弁から噴射される補助燃料の圧力とに応じて導入配管の通路容積を設定することが望ましい。
【0016】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関において、前記ノズルの頂部には前記接続通路に接続される一対の接続口が形成され、前記一対の接続口は互いに同一方向を指向していることをその要旨としている。
【0017】
同構成によれば、ノズルの頂部に形成された接続口を補助燃料が通過する際にその流れが妨げられることを好適に抑制することができるようになる。したがって、ノズルの頂部を流れる補助燃料の圧力損失を低減することができるようになる。また、これら一対の接続口が同軸上に位置する場合には、これら一対の接続口を同時に加工することが可能となる。
【0018】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の内燃機関において、前記ノズルにおける前記一対の接続口の指向方向は、前記各ノズルを結ぶ仮想直線に交差する方向とされ、且つ互いに隣接する前記ノズルにおいて前記仮想直線を中心に対称とされることをその要旨としている。
【0019】
同構成によれば、互いに隣接するノズル間を接続する接続通路が緩やかな湾曲形状をなすものとなる。このため、各ノズル及び接続通路を通過する補助燃料の流れが円滑化されるようになる。したがって、接続通路を流れる補助燃料の圧力損失を低減することができるようになる。
【0020】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関において、前記接続通路は、可撓性を有するホースにより構成されることをその要旨としている。
【0021】
同構成によれば、互いに隣接するノズルが、可撓性を有するホースにより接続されるため、組み付けに際して、或いは経時変化によってノズル間の距離が変化した場合であっても、こうした変化がホースの撓みによって吸収されるようになる。したがって、内燃機関の組み付けを容易なものとすることができるとともに、内燃機関の耐久性についてもこれを好適に高めることができるようになる。
【0022】
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の内燃機関において、前記ノズルは吸気マニホルドの支管に形成された連通孔に取り付けられ、前記ノズルと前記連通孔との間にはブラケットが介設され、前記ブラケットは吸気マニホルドに対してボルトにより締結されることをその要旨としている。
【0023】
同構成によれば、吸気マニホルドの支管に形成された連通孔とノズルとの間にブラケットが介設され、且つこのブラケットは吸気マニホルドに対してボルトにより締結される。したがって、吸気マニホルドに対してノズルを安定して固定することができるようになる。
【0024】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の内燃機関において、前記ブラケットは互いに隣接する支管の間に位置する吸気マニホルドのフランジに対して前記ボルトにより締結され、前記ボルトは互いに隣接する前記ノズルに設けられる一対の前記ブラケットを締結することをその要旨としている。
【0025】
同構成によれば、互いに隣接するノズルに設けられる一対のブラケットが共通のボルトにより吸気マニホルドのフランジに締結されるため、例えば4つの気筒を有する内燃機関にあっては2つのボルトによって各ノズルのブラケットを締結すれば済む。したがって、吸気マニホルドに対するノズルの安定した固定を簡素な構成により具現化することができるようになる。
【0026】
(10)請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の内燃機関において、当該一対のブラケットにおいて前記フランジに近接して締結されるブラケットのボルト孔は前記フランジから離間して締結されるブラケットのボルト孔よりも大きくされることをその要旨としている。
【0027】
一本の共通のボルトにより締結される一対のブラケットは、一方が吸気マニホルドのフランジに近接して締結され、他方は一方のブラケットを下にして、すなわちフランジから離間して締結される。ここで、フランジに近接して締結されるブラケット、すなわち下側のブラケットの組み付け作業性は、フランジから離間して締結されるブラケットの組み付け作業性に比べて悪い。
【0028】
この点、上記構成によれば、フランジに近接して締結されるブラケットのボルト孔が相対的に大きくされている。このため、当該ボルト孔を通じたブラケットの位置調整が容易なものとなる。また、フランジから離間して締結されるブラケットのボルト孔は相対的に小さくされている。このため、当該ボルト孔を通じて当該ブラケットの位置決めを的確に行なうことができるようになる。
【0029】
(11)請求項11に記載の発明は、請求項9又は請求項10に記載の内燃機関において、前記接続通路は湾曲したホースにより構成され、前記ホースのうち当該一対のブラケットの位置に対応して設けられるホースは当該一対のブラケットから離間するように湾曲していることをその要旨としている。
【0030】
同構成によれば、当該一対のブラケットの位置に対応して設けられるホースが当該一対のブラケットから離間するように湾曲しているため、ボルトによって当該一対のブラケットを締結する際の作業スペースが確保されるようになる。したがって、ブラケットの組み付け性を向上させることができるようになる。
【0031】
(12)主燃料と同主燃料よりも揮発性の高い補助燃料としては、請求項12に記載の発明によるように、主燃料はアルコール燃料であり、補助燃料はガソリン燃料であるといった態様をもって具体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関について、内燃機関の概略構成を示す概略図。
【図2】同実施形態における内燃機関について、吸気マニホルドを中心とした斜視構造を示す斜視図。
【図3】同実施形態における内燃機関について、吸気マニホルドを中心とした正面構造を示す正面図。
【図4】同実施形態における補助燃料供給装置について、(a)ノズル及びホースの構成を模式的に示す模式図、(b)ノズルの頂部の斜視構造を示す斜視図、(c)ノズルの頂部の断面構造を模式的に示す断面図。
【図5】同実施形態における内燃機関について、ブラケットを中心とした正面構造を示す正面図。
【図6】同実施形態における補助燃料供給装置の概略構成を示す概略図。
【図7】比較例における補助燃料供給装置について、(a)ノズル及びホースの構成を模式的に示す模式図、(b)ノズルの頂部の斜視構造を示す斜視図、(c)ノズルの頂部の断面構造を模式的に示す断面図。
【図8】本発明の変形例における補助燃料供給装置の概略構成を示す概略図。
【図9】本発明の他の変形例における補助燃料供給装置について、ノズル及びホースの構成を模式的に示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図1〜図7を参照して、本発明に係る内燃機関を、主燃料としてエタノールを噴射供給するポート噴射式の直列4気筒内燃機関(以下、内燃機関)として具体化した一実施形態について説明する。
【0034】
図1に示すように、内燃機関の吸気通路2には吸気を調量するスロットルバルブ3が設けられており、同スロットルバルブ3の下流側には吸気マニホルド4が接続されている。吸気マニホルド4はサージタンク5及び4つの支管61a〜61dを有している。各支管61a〜61dはサージタンク5から分岐するとともにシリンダヘッド10に形成された吸気ポート11a〜11dに接続されている。各吸気ポート11a〜11dは各気筒12a〜12dに接続されている。
【0035】
内燃機関の排気通路8には、各気筒12a〜12dに接続される4つの排気ポート13及び各排気ポート13に接続される4つの支管を有した排気マニホルド81が設けられている。
【0036】
内燃機関は、主燃料としてエタノール燃料(例えばエタノール濃度100%の燃料)を供給する主燃料供給装置20と、補助燃料としてエタノール燃料よりも揮発性の高いガソリン燃料(例えばエタノール濃度0%の燃料)を供給する補助燃料供給装置30とを各別に備えている。
【0037】
主燃料供給装置20は、主燃料タンク21内に貯留されている主燃料を主燃料ポンプ23により圧送するとともに、供給通路22を通じて各吸気ポート11a〜11dに設けられた主燃料噴射弁24a〜24dに供給するように構成されている。こうして供給された主燃料は電子制御装置100による主燃料噴射弁24a〜24dの開弁制御を通じて各吸気ポート11a〜11d内に噴射供給される。
【0038】
補助燃料供給装置30は、補助燃料タンク31内に貯留されている補助燃料を補助燃料ポンプ33により圧送するとともに、供給通路32を通じて吸気マニホルド4の各支管61a〜61d内に供給するように構成されている。具体的には、吸気マニホルド4の各支管61a〜61dには各支管61a〜61d内に開口するノズル34a〜34dが設けられている。これらノズル34a〜34dは略筒状の部材であり、電子制御装置100によって直接的に制御されるものではない。また、各ノズル34a〜34dは接続通路(ホース42a〜42c)により互いに直列に接続されている。また、供給通路32の途中には電子制御式の補助燃料噴射弁40が設けられており、補助燃料噴射弁40は直列に配置された4つのノズル34a〜34dのうち一端に位置する第1ノズル34aに導入配管41を介して接続されている。すなわち、補助燃料供給装置30は、第1ノズル34aに接続されてこれらノズル34a〜34dに対して補助燃料を噴射供給する1つの電子制御式の補助燃料噴射弁40を備えている。上述したように供給通路32を通じて補助燃料噴射弁40に対して供給された補助燃料は電子制御装置100による補助燃料噴射弁40の開弁制御を通じて各ノズル34a〜34dから各支管61a〜61d内に噴射供給される。
【0039】
次に、図2及び図3を参照して、補助燃料供給装置30の構成について更に説明する。 図2及び図3に併せ示すように、各ノズル34a〜34dは略円筒状の頂部35a〜35dを有している。これら頂部35a〜35dは吸気マニホルド4の外部に露出している。
【0040】
第1ノズル34aの頂部35aの頂面には導入側接続口36aが突出して形成されている。この導入側接続口36aには上記導入配管41が接続されている。また、頂部35aの側面には排出側接続口37aが突出して形成されている。この排出側接続口37aには第1ホース42aの一端が外嵌されている。図2に示すように、排出側接続口37aは図中の右上を指向している。
【0041】
第2ノズル34bの頂部35bの側面には導入側接続口36b及び排出側接続口37bが突出して形成されている。導入側接続口36bには第1ホース42aの他端が外嵌されている。排出側接続口37bには第2ホース42bの一端が外嵌されている。第2ノズル34bにおけるこれら一対の接続口36b、37bは互いに同一方向を指向している。図2に示すように、導入側接続口36b及び排出側接続口37bは図中の右下を指向している。
【0042】
第3ノズル34cの頂部35cの側面には導入側接続口36c及び排出側接続口37cが突出して形成されている。導入側接続口36cには第2ホース42bの他端が外嵌されている。排出側接続口37cには第3ホース42cの一端が外嵌されている。第3ノズル34cにおけるこれら一対の接続口36c、37cは互いに同一方向を指向している。図2に示すように、導入側接続口36c及び排出側接続口37cは図中の右上を指向している。
【0043】
第4ノズル34dの頂部35dの側面には導入側接続口36dが突出して形成されている。導入側接続口36dには第3ホース42cの他端が外嵌されている。図2に示すように、導入側接続口36dは図中の右下を指向している。
【0044】
図4(a)に示すように、互いに隣接するノズル34b、34cにおける一対の接続口36b、37b(36c、37c)の各指向方向D2、D3は同一平面状において上記仮想直線Lを中心に対称とされている。また、第1ノズル34aの排出側接続口37aの指向方向D1、及び第4ノズル34dの導入側接続口36dの指向方向D4も含めると、互いに隣接するノズル34a〜34dの接続口37a、(36b、37b)、36c、37c、(36d)の各指向方向D1〜D4は上記仮想直線Lに対して交互に反転している。
【0045】
また図4(b)、(c)に併せ示すように、第3ノズル34cにおける一対の接続口36c、37cは同軸上に形成されている。またこれら一対の接続口36c、37cの内径は互いに同一とされている。尚、第2ノズル34bの構造は基本的に第3ノズル34cと同一であるため、説明を割愛する。
【0046】
また、図2及び図4(a)に併せ示すように、第1ホース42a及び第3ホース42cはそれらの中央部位が図中上方に突出するように湾曲している。また、第2ホース42bはその中央部位が図中下方に突出するように湾曲している。これらホース42a〜42cは共にゴムによって形成されており、可撓性を有している。
【0047】
図2及び図3に示すように、吸気マニホルド4の各支管61a〜61dの先端にはこれら支管61a〜61dに共通のフランジ7が形成されている。
図3に示すように、吸気マニホルド4の各支管61a〜61dには突部62a〜62dが形成されている。各突部62a〜62dに形成された連通孔には各ノズル34a〜34dが挿通されている。これら突部62a〜62d(連通孔)とノズル34a〜34dとの間にはブラケット45a〜45dが介設されている。これらブラケット45a〜45dは吸気マニホルド4のフランジ7に対してボルト50a、50bにより締結されている。
【0048】
ここで、図5を参照して、第1ブラケット45a及び第2ブラケット45bの組み付け構造について説明する。尚、図4は、第1ノズル34aと第2ノズル34bとの間に組み付けられる第1ブラケット45a及び第2ブラケット45bを中心とした平面図である。
【0049】
第1ブラケット45aには、図5において左側に示すその一端に挿通孔46aが形成されている。この挿通孔46aには第1ノズル34aが挿通されている。また、第1ブラケット45aには、図5において中央に示すその他端にボルト孔47aが形成されている。このボルト孔47aにはボルト50aが挿通されている。
【0050】
第2ブラケット45bには、図5において右側に示すその一端に挿通孔46bが形成されている。この挿通孔46bには第2ノズル34bが挿通されている。また、第2ブラケット45bには、図5において中央に示すその他単にボルト孔47bが形成されている。このボルト孔47bにはボルト50aが挿通されている。
【0051】
フランジ7には第1支管61aと第2支管61bとの間に突部71aが形成されており、この突部71aに形成されたボルト穴72aに上記ボルト50aが挿通されている。
これらブラケット45a、45bの他端は互いに隣接する支管61a、61bの間において共通のボルト50aによりフランジ7に締結されている。このため、第1ブラケット45aの他端が第2ブラケット45bの他端の下側に位置することとなる。
【0052】
本実施形態では、第1ブラケット45aのボルト孔47aの直径が第2ブラケット45bのボルト孔47bの直径よりも大きくされている。
尚、第3ブラケット45c及び第4ブラケット45dは第1ブラケット45a及び第2ブラケット45bに対応していることから、第3ブラケット45c及び第4ブラケット45dの組み付けに関する説明を割愛する。
【0053】
図6に示すように、補助燃料噴射弁40と第1ノズル34aとを接続する導入配管41の通路容積V1が接続通路全体の通路容積V2の2倍とされている(V1=V2×2)。ここで、接続通路全体の通路容積V2には、各ホース42a〜42cの通路容積に加えて、第2ノズル34bの各接続口36b、37bの通路容積、頂部35bの内部空間の容積、第3ノズル34cの各接続口36c、37cの通路容積、及び頂部35cの内部空間の容積が含まれる。
【0054】
次に、本実施形態の作用について説明する。
電子制御装置100を通じて1つの補助燃料噴射弁40を開弁させると、導入配管41及び接続通路(ホース42a〜42c)を通じて各ノズル34a〜34dに補助燃料が供給され、各ノズル34a〜34dを通じて吸気マニホルド4の各支管61a〜61d内に補助燃料が供給されるようになる。このように気筒12a〜12d毎にノズル34a〜34dが設けられているため、気筒12a〜12d間で補助燃料の供給量がばらつくことが抑制されるようになる。また、1つの補助燃料噴射弁40を開弁させることにより各ノズル34a〜34dを通じた補助燃料の供給を制御することができるため、補助燃料供給装置30の構成が簡易なものとなる。
【0055】
補助燃料噴射弁40から噴射された補助燃料は、第1ノズル34aに供給され、第1ノズル34aから接続通路(ホース42a〜42c)を通じて他のノズル34b〜34dに供給されるようになる。すなわち、補助燃料噴射弁40からの補助燃料は、第1ノズル34aから第4ノズル34dに向けて一方向に流れるようになる。このため、ノズル34a〜34d及び接続通路(ホース42a〜42c)内における補助燃料の流れが円滑化されるようになる。
【0056】
ところで、補助燃料噴射弁40から補助燃料が間欠的に噴射供給されるため、各ノズル34a〜34d内や接続通路(ホース42a〜42c)内に補助燃料の圧力脈動が生じる。そのため、こうした圧力脈動が大きい場合には補助燃料噴射弁40の開弁タイミングを制御しても各ノズル34a〜34dからの燃料供給を所望のタイミングで行なうことができないことがある。
【0057】
この点、本実施形態によれば、補助燃料噴射弁40と第1ノズル34aとの間に所定の通路容積V1を有する導入配管41が設けられている。また、同通路容積V1が接続通路全体の通路容積V2の2倍とされている(V1=V2×2)。このため、補助燃料噴射弁40から噴射供給された補助燃料が導入配管41を通過する際にその圧力脈動が好適に低減されるようになる。
【0058】
また、第2ノズル34b(第3ノズル34c)における一対の接続口36b、37b(36c、37c)は互いに同一方向を指向しているため、これら接続口36b、37b(36c、37c)を補助燃料が通過する際にその流れが妨げられることが好適に抑制されるようになる(例えば図4(c)参照)。また、これら一対の接続口36b、37b(36c、37c)が同軸上に位置するため、これらを同時に加工することが可能となる。
【0059】
また、図4(a)に示すように、互いに隣接するノズル34a、34b、(34b、34c)、34c、34d間を接続するホース42a、(42b)、42cが緩やかな湾曲形状をなすものとなるため、各ノズル34a〜34d及び各ホース42a〜42cを通過する補助燃料の流れが円滑化されるようになる。
【0060】
これに対して、比較例では、図7(a)〜(c)に併せ示すように、第2ノズル134b(第3ノズル134c)における一対の接続口136b、137b(136c、137c)の指向方向が互いに交わるように構成されている。こうした構成では、これら接続口136b、137b(136c、137c)を補助燃料が通過する際にその流れが妨げられることとなり、圧力損失が増大することとなる。また、これら一対の接続口36b、37b(36c、37c)を形成する際には、これら接続口36b、37b(36c、37c)を各別に加工しなければならない。
【0061】
また本実施形態では、互いに隣接するノズル34a〜34dが、可撓性を有するホース42a〜42dにより接続されるため、組み付けに際して、或いは経時変化によってノズル34a〜34d間の距離が変化した場合であっても、こうした変化がホース42a〜42cの撓みによって吸収されるようになる。
【0062】
また、吸気マニホルド4の支管61a〜61dに形成された連通孔63a〜63dとノズル34a〜34dとの間にブラケット45a〜45dが介設され、且つこのブラケット45a〜45dは吸気マニホルド4に対してボルト50a、50bにより締結されている。したがって、吸気マニホルド4に対してノズル34a〜34dが安定して固定されるようになる。
【0063】
しかも、互いに隣接するノズル34a、34b(34c、34d)に設けられる一対のブラケット45a、45b(45c、45d)が共通のボルト50a(50b)により吸気マニホルド4のフランジ7に締結される。このため、4つの気筒12a〜12dを有する内燃機関にあっては2つのボルト50a、50bによって各ノズル34a〜34dのブラケット45a〜45dを締結すれば済む。
【0064】
ところで、1本の共通のボルト50a(50b)により締結される一対のブラケット45a、45b(45c、45d)は、一方のブラケット45a(45c)が吸気マニホルド4のフランジ7に近接して締結され、他方のブラケット45b(45d)は一方のブラケット45a(45c)を下にして、すなわちフランジ7から離間して締結される。ここで、フランジ7に近接して締結されるブラケット45a(45c)、すなわち下側のブラケット45a(45c)の組み付け作業性はフランジ7から離間して締結されるブラケット45b(45d)の組み付け作業性に比べて悪い。
【0065】
この点、本実施形態によれば、図7に示すように、フランジ7に近接して締結されるブラケット45aのボルト孔47aが相対的に大きくされている。このため、当該ボルト孔47aを通じたブラケット45aの位置調整が容易なものとなる。
【0066】
また、フランジ7から離間して締結されるブラケット45b(45d)のボルト孔47b(47d)は相対的に小さくされているため、当該ボルト孔47b(47d)を通じて当該ブラケット45b(45d)の位置決めが的確に行なわれるようになる。
【0067】
また、当該一対のブラケット45a、45b(45c、45d)の位置に対応して設けられるホース42a(42c)が当該一対のブラケット45a、45b(45c、45d)から離間するように湾曲している。このため、ボルト50a(50b)によって当該一対のブラケット45a、45b(45c、45d)を締結する際の作業スペースが確保されるようになる。
【0068】
以上説明した本実施形態に係る内燃機関によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)補助燃料供給装置30は、吸気マニホルド4の各支管61a〜61dに設けられて同支管61a〜61d内に開口するノズル34a〜34dと、各ノズル34a〜34dを互いに直列に接続する接続通路(ホース42a〜42c)とを備えている。また、補助燃料供給装置30は、第1ノズル34aに接続されてこれらノズル34a〜34dに対して補助燃料を噴射供給する1つの電子制御式の補助燃料噴射弁40を備えている。また、補助燃料供給装置30は、補助燃料噴射弁40の開弁制御を通じて各ノズル34a〜34dから各支管61a〜61d内に補助燃料を供給するように構成されている。こうした構成によれば、補助燃料供給装置30の構成を簡易なものとしつつ、補助燃料の供給量が気筒12a〜12d間でばらつくことを的確に抑制することができるようになる。
【0069】
(2)補助燃料噴射弁40は直列に配置された複数のノズル34a〜34dのうちの一端に位置する第1ノズル34aに接続されている。こうした構成によれば、ノズル34a〜34d及び接続通路(ホース42a〜42c)内における補助燃料の流れを円滑化することができるようになる。
【0070】
(3)補助燃料噴射弁40と第1ノズル34aとの間に補助燃料の圧力脈動を低減する低減構造が設けられている。具体的には、補助燃料噴射弁40と第1ノズル34aとの間に所定の通路容積V1を有する導入配管41が設けられている。また、同通路容積V1が接続通路全体の通路容積V2の2倍とされることにより上記低減構造が実現されている(V1=V2×2)。こうした構成によれば、補助燃料の圧力脈動に起因して各ノズル34a〜34dからの燃料供給を所望のタイミングで行なうことができなくなるといった問題の発生を好適に抑制することができるようになる。また、簡易な構成によって補助燃料の圧力脈動を抑制することができるようになる。
【0071】
(4)ノズル34b(34c)の頂部35b(35c)にはホース42a、42b(42b、42c)に接続される一対の接続口36b、37b(36c、37c)が形成されている。また、これら一対の接続口36b、37b(36c、37c)は互いに同一方向を指向している。こうした構成によれば、ノズル34b(34c)の頂部35b(35c)を流れる補助燃料の圧力損失を低減することができるようになる。また、ノズル34b(34c)の製造工程の簡素化を図ることができるようになる。
【0072】
(5)ノズル34b(34c)における一対の接続口36b、37b(36c、37c)の指向方向D2、D3は、各ノズル34a〜34dを結ぶ仮想直線Lに交差する方向とされ、且つ互いに隣接するノズル34b、34cにおいて上記仮想直線Lを中心に対称とされている。こうした構成によれば、接続通路(ホース42a〜42c)を流れる補助燃料の圧力損失を低減することができるようになる。
【0073】
(6)接続通路は、可撓性を有するホース42a〜42cにより構成されている。こうした構成によれば、内燃機関の組み付けを容易なものとすることができるとともに、内燃機関の耐久性についてもこれを好適に高めることができるようになる。
【0074】
(7)ノズル34a〜34dは吸気マニホルド4の支管61a〜61dに形成された連通孔63a〜63dに取り付けられている。ノズル34a〜34dと連通孔63a〜63dとの間にはブラケット45a〜45dが介設されている。また、このブラケット45a〜45dは吸気マニホルド4に対してボルト50a、50bにより締結されている。こうした構成によれば、吸気マニホルド4に対してノズル34a〜34dを安定して固定することができるようになる。
【0075】
(8)ブラケット45a、45b(45c、45d)は互いに隣接する支管61a、61b(61c、61d)の間に位置する吸気マニホルド4のフランジ7に対してボルト50a(50b)により締結されている。また、ボルト50a(50b)は互いに隣接するノズル34a、34b(34c、34d)に設けられる一対のブラケット45a、45b(45c、45d)を締結している。こうした構成によれば、吸気マニホルド4に対するノズル34a〜34dの安定した固定を簡素な構成により具現化することができるようになる。
【0076】
(9)当該一対のブラケット45a、45bにおいてフランジ7に近接して締結されるブラケット45aのボルト孔47aはフランジ7から離間して締結されるブラケット45bのボルト孔47bよりも大きくされている。こうした構成によれば、フランジ7に近接して締結されるブラケット45aの組み付け作業性を向上させることができるようになる。また、フランジ7から離間して締結されるブラケット45bのボルト孔47bを通じて当該ブラケット45bの位置決めを的確に行なうことができるようになる。
【0077】
(10)接続通路は湾曲したホース42a〜42cにより構成されている。また、ホース42a〜42cのうち当該一対のブラケット45a、45b(45c、45d)の位置に対応して設けられるホース42a(42c)は当該一対のブラケット45a、45b(45c、45d)から離間するように湾曲している。こうした構成によれば、当該一対のブラケット45a、45b(45c、45d)の組み付け性を向上させることができるようになる。
【0078】
尚、本発明に係る内燃機関は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、エタノール濃度100%のエタノール燃料が主燃料とされるとともに、エタノール濃度0%のガソリン燃料が補助燃料とされるものについて例示した。しかしながら、主燃料及び補助燃料はこれらに限られない。他に例えば、エタノール濃度80%のエタノール燃料を主燃料とするようにしてもよいし、エタノール濃度20%のガソリン燃料を補助燃料とするようにしてもよい。要するに、補助燃料は主燃料よりも揮発性が高いものであればよい。
【0079】
・上記実施形態によるように、互いに隣接するノズル34a、34bに設けられる一対のブラケット45a、45bのボルト孔47a、47bの直径を前述したように互いに異なるものとすることが、当該一対のブラケット45a、45bの組み付け性を向上させる上では望ましい。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、これらブラケットのボルト孔の大きさを同一としてもよい。
【0080】
・上記実施形態に代えて、ノズルを固定するブラケットがそれぞれ1つのボルトにより各別に吸気マニホルドのフランジに対して締結されるようにしてもよい。
・上記実施形態によるように、ノズル34a〜34dをブラケット45a〜45dを介してフランジ7の突部71aに固定することが、吸気マニホルド4に対してノズル34a〜34dを安定して固定する上では望ましい。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、各支管61a〜61dの突部62a〜62dに形成された連通孔63a〜63dに対してノズル34a〜34dを安定して固定することができるのであれば、こうしたブラケットを割愛することもできる。
【0081】
・上記実施形態に代えて、各ノズルの接続口の指向方向が上記仮想直線Lに沿うようにしてもよい。この場合であっても、互いに隣接するノズル間を接続する各ホースが直線状をなすものとなるため、各ホースを通過する補助燃料の流れが円滑化されるようになる。
【0082】
・本発明は、各ノズルの一対の接続口が同一方向を指向するものに限られない。各ノズル及び接続通路内における燃料の流れが問題にならない場合には、例えば先の図7に示した比較例におけるノズルを採用することもできる。
【0083】
・上記実施形態によるように、導入配管41の通路容積V1を接続通路全体の通路容積V2の2倍とすることが、補助燃料の圧力脈動を好適に低減する上では望ましい。しかしながら、導入配管の通路容積と接続通路全体の通路容積との関係はこれに限られるものではなく、補助燃料の圧力脈動を好適に低減することができるようにその関係を適宜設定すればよい。
【0084】
・上記実施形態及びその変形例では、接続通路全体の通路容積に対する導入配管の通路容積を適宜設定することにより、補助燃料の圧力脈動の低減を図るようにした。しかしながら、補助燃料の圧力脈動を低減する手段はこれに限られるものではなく、図8に示すように、導入配管241の途中にパルセーションダンパ249を設けるようにしてもよい。この場合、導入配管の通路容積を接続通路全体の通路容積から独立して設定することができるようになる。
【0085】
・上記実施形態及びその変形例では、直列4気筒内燃機関に対して本発明を適用したが、これをV型8気筒内燃機関に対して適用するようにしてもよい。この場合、例えば、上記実施形態において例示した補助燃料供給装置30を各気筒列(バンク)に対して適用することができる。また、図9に示すように、本発明を直列3気筒内燃機関に対して適用することもできる。この場合、第1ノズル334aの導入側接続口336aを排出側接続口337aと同一方向を指向するものとしてもよい。尚、図9では、上記実施形態の部材に対応する部材に対して「300」を加算した符号を付している。また、こうした直列3気筒内燃機関における補助燃料供給装置をV型6気筒内燃機関の各気筒列(バンク)に対して適用することもできる。
【符号の説明】
【0086】
2…吸気通路、3…スロットルバルブ、4…吸気マニホルド、5…サージタンク、7…フランジ、8…排気通路、10…シリンダヘッド、11a〜11d…吸気ポート、12a〜12d…気筒、13…排気ポート、20…主燃料供給装置、21…主燃料タンク、22…供給通路、23…主燃料ポンプ、24…主燃料噴射弁、30…補助燃料供給装置、31…補助燃料タンク、32…供給通路、33…補助燃料ポンプ、34a〜34d…ノズル、35a〜35d,335a〜335c…頂部、36a〜36d,336a〜336c…導入側接続口、37a〜37c,337a,337b…排出側接続口、40…補助燃料噴射弁、41,241…導入配管、42a〜42d…ホース、45a〜45d…ブラケット、46a〜46d…挿通孔、47a〜47d…ボルト孔、50a,50b…ボルト、61a〜61d…支管、62a〜62d…突部、63a〜63d…連通孔、71a、71b…突部、72a…ボルト穴、81…排気マニホルド、100…電子制御装置、249…パルセーションダンパ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主燃料を供給する主燃料供給装置と、主燃料よりも揮発性の高い補助燃料を供給する補助燃料供給装置とを各別に備え、機関始動性を向上させるべく冷間始動時に前記補助燃料供給装置を通じて補助燃料を供給する内燃機関において、
前記補助燃料供給装置は、吸気マニホルドの各支管に設けられて同支管内に開口するノズルと、各ノズルを互いに直列に接続する接続通路と、前記ノズル及び接続通路のいずれかの一箇所に接続されてこれらに対して補助燃料を噴射供給する1つの電子制御式の燃料噴射弁とを備え、前記燃料噴射弁の開弁制御を通じて前記各ノズルから各支管内に補助燃料を供給するように構成される
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関において、
前記燃料噴射弁は直列に配置された複数のノズルのうちの一端に位置するノズルに接続される
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項3】
請求項2に記載の内燃機関において、
前記燃料噴射弁と複数のノズルのうち同燃料噴射弁から補助燃料が直接噴射供給されるノズルとの間に補助燃料の圧力脈動を低減する低減構造が設けられる
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項4】
請求項3に記載の内燃機関において、
前記燃料噴射弁と複数のノズルのうち同燃料噴射弁から補助燃料が直接噴射供給されるノズルとの間に所定の通路容積を有する導入配管が設けられる
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関において、
前記ノズルの頂部には前記接続通路に接続される一対の接続口が形成され、
前記一対の接続口は互いに同一方向を指向している
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項6】
請求項5に記載の内燃機関において、
前記ノズルにおける前記一対の接続口の指向方向は、前記各ノズルを結ぶ仮想直線に交差する方向とされ、且つ互いに隣接する前記ノズルにおいて前記仮想直線を中心に対称とされる
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関において、
前記接続通路は可撓性を有するホースにより構成される
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の内燃機関において、
前記ノズルは吸気マニホルドの支管に形成された連通孔に取り付けられ、
前記ノズルと前記連通孔との間にはブラケットが介設され、
前記ブラケットは吸気マニホルドに対してボルトにより締結される
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項9】
請求項8に記載の内燃機関において、
前記ブラケットは互いに隣接する支管の間に位置する吸気マニホルドのフランジに対して前記ボルトにより締結され、
前記ボルトは互いに隣接する前記ノズルに設けられる一対の前記ブラケットを締結する
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項10】
請求項9に記載の内燃機関において、
当該一対のブラケットにおいて前記フランジに近接して締結されるブラケットのボルト孔は前記フランジから離間して締結されるブラケットのボルト孔よりも大きくされる
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の内燃機関において、
前記接続通路は湾曲したホースにより構成され、
前記ホースのうち当該一対のブラケットの位置に対応して設けられるホースは当該一対のブラケットから離間するように湾曲している
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項12】
請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の内燃機関において、
主燃料はアルコール燃料であり、補助燃料はガソリン燃料である
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項1】
主燃料を供給する主燃料供給装置と、主燃料よりも揮発性の高い補助燃料を供給する補助燃料供給装置とを各別に備え、機関始動性を向上させるべく冷間始動時に前記補助燃料供給装置を通じて補助燃料を供給する内燃機関において、
前記補助燃料供給装置は、吸気マニホルドの各支管に設けられて同支管内に開口するノズルと、各ノズルを互いに直列に接続する接続通路と、前記ノズル及び接続通路のいずれかの一箇所に接続されてこれらに対して補助燃料を噴射供給する1つの電子制御式の燃料噴射弁とを備え、前記燃料噴射弁の開弁制御を通じて前記各ノズルから各支管内に補助燃料を供給するように構成される
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関において、
前記燃料噴射弁は直列に配置された複数のノズルのうちの一端に位置するノズルに接続される
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項3】
請求項2に記載の内燃機関において、
前記燃料噴射弁と複数のノズルのうち同燃料噴射弁から補助燃料が直接噴射供給されるノズルとの間に補助燃料の圧力脈動を低減する低減構造が設けられる
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項4】
請求項3に記載の内燃機関において、
前記燃料噴射弁と複数のノズルのうち同燃料噴射弁から補助燃料が直接噴射供給されるノズルとの間に所定の通路容積を有する導入配管が設けられる
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関において、
前記ノズルの頂部には前記接続通路に接続される一対の接続口が形成され、
前記一対の接続口は互いに同一方向を指向している
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項6】
請求項5に記載の内燃機関において、
前記ノズルにおける前記一対の接続口の指向方向は、前記各ノズルを結ぶ仮想直線に交差する方向とされ、且つ互いに隣接する前記ノズルにおいて前記仮想直線を中心に対称とされる
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関において、
前記接続通路は可撓性を有するホースにより構成される
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の内燃機関において、
前記ノズルは吸気マニホルドの支管に形成された連通孔に取り付けられ、
前記ノズルと前記連通孔との間にはブラケットが介設され、
前記ブラケットは吸気マニホルドに対してボルトにより締結される
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項9】
請求項8に記載の内燃機関において、
前記ブラケットは互いに隣接する支管の間に位置する吸気マニホルドのフランジに対して前記ボルトにより締結され、
前記ボルトは互いに隣接する前記ノズルに設けられる一対の前記ブラケットを締結する
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項10】
請求項9に記載の内燃機関において、
当該一対のブラケットにおいて前記フランジに近接して締結されるブラケットのボルト孔は前記フランジから離間して締結されるブラケットのボルト孔よりも大きくされる
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の内燃機関において、
前記接続通路は湾曲したホースにより構成され、
前記ホースのうち当該一対のブラケットの位置に対応して設けられるホースは当該一対のブラケットから離間するように湾曲している
ことを特徴とする内燃機関。
【請求項12】
請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の内燃機関において、
主燃料はアルコール燃料であり、補助燃料はガソリン燃料である
ことを特徴とする内燃機関。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−108436(P2013−108436A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254101(P2011−254101)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】
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