説明

内燃機関

【課題】EGRバルブと吸気絞りバルブ又は排気絞りバルブとのきめ細かい制御を、簡単な構造で的確に行う。
【解決手段】EGRバルブ15は、モータ27とこれで駆動される主動プーリ29とを有する。吸気絞りバルブ13(及び/又は排気絞りバルブ)は弁体18と一緒に回転する従動プーリ30を有する。主動プーリ29と従動プーリ30とはワイヤー34で接続されている。各バルブ13,14,15はバタフライバルブであり、弁体18は、全閉状態からどちらに回転させても開き動する。主動プーリ29に外周のプロフィールが相違する2つの駆動部36,37を振り分けて設け、EGRバルブ15の弁体18を正転させる場合と逆転させる場合とで、吸・排気バルブ13,14の連動関係を異ならせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EGR装置を備えた内燃機関に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の内燃機関では、排気ガス中の窒素酸化物排出抑制等のため、排気ガスの一部を吸気通路に戻すEGR装置を備えている。EGR装置は必須要素としてEGR通路を備えており、EGR通路は、吸気通路のうちエアクリーナと吸気絞りバルブ(スロットルバルブ)との間に接続されており、清浄空気と排気ガスとの混合ガスが機関に供給される。排気ガスの還流量は内燃機関の運転状況に応じて制御する必要があり、そこで、EGR通路にはEGRバルブを設けている。
【0003】
他方、排気ガスの還流効率は排気圧と密接に関連しており、そこで、排気通路のうちEGR通路の接続部より下流側に排気バルブを設けて、排気通路から大気に放出される排気ガスの量を制御できるようにしている。そして、各バルブは開度を調節する必要があり、そこで、従来は、各バルブを電動アクチェータ(モータ)で個別に駆動している(例えば特許文献1)。
【0004】
他方、特許文献2では、吸気絞り弁の開き度とEGRバルブの開き度とが関連性を有することに着目し、吸気絞りバルブ(スロットルバルブ)の開き度とEGRバルブとをワイヤーによって連結し、両者を、吸気絞りバルブの開度が増加するに従って排気絞りバルブの開度が拡大するように関連させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−303380号公報
【特許文献2】実開平6−43254号のCD−ROM
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のように各バルブを個別に電動アクチェータ(モータ)で制御する構成では設置コストやメンテナンスコストが嵩む問題や、制御システムが複雑化する問題がある。また、排気絞りバルブを設けた部分は高温の環境になるため、排気絞りバルブの電動アクチェータは故障しやすいと言える。
【0007】
他方、特許文献2は吸気絞りバルブ(スロットルバルブ)の動きにEGRバルブを連動させるものであるためコスト面では有利であるが、EGRバルブは吸気絞りバルブの動きに追従して常に動いているため、排気ガスの還流が不要であるにもかかわらず排気ガスが還流するという現象が発生し、排気ガスの的確な還流制御を行い難い問題がある。
【0008】
本願発明はこのように現状を改善すべく成されたものであり、低いコストで的確な排気ガス還流制御を実現すること等を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明に係る内燃機関は、ピストンが摺動自在に嵌まったシリンダボアを有する機関本体と、前記シリンダボアに空気を供給する吸気通路と、前記シリンダボアで発生した排気ガスを排出する排気通路と、排気ガスの一部を吸気通路に還流するために前記排気通路と吸気通路とに接続されたEGR通路とを有しており、更に、前記吸気通路のうち前記EGR通路の接続部より上流側に位置する吸気絞りバルブと、前記排気通路のうち前記EGR通路の接続部よりも下流側に位置する排気絞りバルブとのうち少なくともいずれか一方を備えると共に、前記EGR通路には排気ガスの還流量制御用のEGRバルブを設けている、という基本構成になっている。
【0010】
そして、上記基本構成において、前記吸気絞りバルブと排気絞りバルブとのうちいずれか一方又は両方と前記EGRバルブとの開閉制御を行う1つのアクチェータと、前記アクチェータでEGRバルブ及びいずれか一方又は両方の絞りバルブを駆動する連動手段を有しており、前記EGRバルブが全閉で前記絞りバルブが全開の状態を基準にして、前記EGRバルブの開き動に連動して前記絞りバルブが閉じ動するようになっており、かつ、前記アクチェータは、前記基準状態から正転と逆転とを選択自在であり、前記連動手段は、前記アクチェータが基準状態から正転する場合と逆転する場合とで前記EGRバルブと絞りバルブとの連動関係が異なるように設定している。
【0011】
本願発明は、EGRバルブに吸気絞りバルブ又は排気絞りバルブを連動させることを特徴としているが、この場合、アクチェータをEGRバルブに設ける場合と、アクチェータを各バルブとは独立して配置する場合とを含んでいる。そして、アクチェータをEGRバルブに設ける場合は、EGRバルブは弁体が基準状態から正転しても逆転しても開閉制御できるバタフライバルブを採用する必要があるが、アクチェータを各バルブとは独立して配置する場合は、各バルブは基準状態から一方方向にだけ動いたらよいので、必ずしもバタフライバルブを採用する必要はない。
【0012】
本願発明の連動手段は、例えばワイヤー、リンク機構、ギア機構などの様々な態様を含んでいる。また、本願発明の連動手段は、アクチェータが基準状態から正転する場合と逆転する場合とで連動関係を変える切り替え部材を有するが、この切り替え部材としては、ワイヤーが巻き掛けられるプーリや、リンクとセットで使用される周面カムなどを採用できる。
【発明の効果】
【0013】
さて、EGRバルブと排気絞りバルブとの関係を見ると、EGRバルブを開いて排気ガスを吸気通路に還流させると大気に放出される排気ガスの量は低下するので、EGR通路の圧力を高めて排気ガスを吸気通路に還流しやすくするという意味からは、排気絞りバルブは閉じ方向に動かす(開度を小さくする)のが好ましいが、EGRバルブの開度がある程度まで小さい状態では、排気抵抗の増大防止等のため、排気絞りバルブは閉じ動させる必要はなくて全開のままであるのが好ましい場合もあるし、逆に、EGRバルブに迅速に追従させた方がよい場合もある。また、追従の程度(すなわち、EGRバルブの開きの程度に対する排気絞りバルブの閉じの程度。)も、運転条件によって異なる場合が多い。
【0014】
同様に、EGRバルブと吸気絞りバルブとの関係を見ると、EGRバルブを開いて排気ガスを吸気通路に還流させると、基本的には、吸気絞りバルブは閉じ方向に動かす(開度を小さくする)のが好ましいが、EGRバルブの開度がある程度まで小さい状態では、充填効率低下防止や機関温度アップ等のため、吸気絞りバルブは全開のままにしておくのが好ましいことが場合もあるし、逆に、EGRバルブに迅速に追従させた方がよい場合もある。また、追従の程度(すなわち、EGRバルブの開きの程度に対する吸気絞りバルブの閉じの程度。)も、運転条件によって異なる場合が多い。
【0015】
他方、例えば、バタフライバルブは、弁体を正転させても逆転させても通路を開閉できるという特徴を有しており、本願発明では、例えば、EGRバルブとしてバタフライバルブを採用して、弁体を基準状態から正転させて開閉制御する場合と、弁体を基準状態から逆転させて開閉制御する場合とで、EGRバルブの弁体の動きと絞りバルブの弁体の動きとの連動関係を異ならせることができるため、1つのアクチェータで異なった連動関係を実現できる。すなわち、EGRバルブと絞りバルブとの連動関係を、1つのアクチェータできめ細かく制御することができる。
【0016】
結局、本願発明は、EGRバルブと絞りバルブとを1つのアクチェータで駆動するものであるため、設置コストやメンテナンスコストを抑制できると共に、複雑な制御システムは不要であるため、制御システム構築に要する手間と費用を抑制できると共に、ソフトや制御回路のトラブルを回避して動きも確実化できるのみならず、正転による制御と逆転による制御とを切り替えることにより、「吸気−排気−EGR」の制御を状況に応じてきめ細かく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本願発明を適用した内燃機関の模式的な平面図である。
【図2】要部の平面図である。
【図3】(A)は図2のIIIA-IIIA 視断面図断面図、(B)は図2のIIIB-IIIB 視断面図B−B視断面図、(C)は(A)のC−C視断面図、(D)は(A)のD−D視断面図である。
【図4】他の実施形態を示す図である。
【図5】他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本願発明の実施形態に基づいて説明する。本実施形態は車両用内燃機関(ガソリンエンジン)に適用している。まず、図1〜図5に示す第1実施形態から説明する。
【0019】
(1).第1実施形態の概略
図1に示すように、本実施形態の内燃機関は3気筒縦型のタイプであり、車両のエンジンルームの前部に設けたエンジンルームに、クランク軸を左右方向に向けた姿勢で搭載されている。内燃機関はシリンダブロックやシリンダヘッドを主要要素とする機関本体1を有しており、機関本体1には、ピストンが嵌まった3つのシリンダボア2が左右方向に並んで形成されている。
【0020】
また、機関本体1の一方の面(車両の前進方向に向かって後ろの面)には吸気マニホールド3が装着されており、機関本体1の他方の面(車両の前進方向に向かって前の面)には排気マニホールド4が装着されている。吸気マニホールド3には吸気通路5が接続されており、吸気通路5のうち上流部にエアクリーナ6が配置され、それより下流側にはインタークーラ7が介挿されている。
【0021】
排気マニホールド4には排気通路8が接続されており、この排気通路8に触媒方式等の排気浄化装置9を介挿している。排気通路8の下流側の末端には消音器(図示せず)を接続しており、排気ガスは最終的には大気に放出される。本実施形態の内燃機関は排気ターボ過給機10を有しており、排気ターボ過給機10のタービン10aに排気通路8のうち排気浄化装置9よりも上流側の部位を接続し、排気ターボ過給機10の圧縮室10bに、吸気通路5のうちアクリーナ6とインタークーラ7との間の部位が接続されている。
【0022】
排気通路8のうち排気浄化装置9よりも下流側の部位と、吸気通路5のうちインタークーラ7と排気ターボ過給機10との間の部位とは、EGR通路11で接続されている。換言すると、排気通路8と吸気通路5とがEGR通路11を介して連通している。EGR通路11には水冷式のEGRクーラ12が介挿されている。
【0023】
吸気通路5のうちEGR通路11の接続部よりも上流側の部位には、吸気量を制御するための吸気絞りバルブ(吸気絞り弁)13を設けており、排気通路8のうちEGR通路11の接続部よりも下流側の部位には、排気量を制御するための排気絞りバルブ(吸気絞り弁)14を設けている。更に、EGR通路11のうちEGRクーラ12よりも下流側の部位には、排気ガスの還流量を制御するためのEGRバルブ15を設けている。従って、本実施形態では、EGRバルブ15と吸気絞りバルブ13とがかなり近い位置に配置されている。アクセルペダルに連動したスロットルバルブ13′は、吸気通路5のうちインタークーラ7よりも下流側に設けている。
【0024】
なお、EGRバルブ15はEGRクーラ12より上流側の部位に設けることも可能である。この場合は、EGRバルブ15と排気絞りバルブ14とがかなり近い位置に配置される。図1では、清浄空気の流れは白抜き矢印で示し、排気ガスの流れは黒抜き矢印で示し、清浄空気と排気ガスとの混合ガスの流れは網かけ矢印で表示している。
【0025】
(2).各バルブの構造
次に、各バルブ13,14,15の構造と相互関係を図2,3に基づいて説明する。各バルブ13,14,15はバタフライバルブ方式であり、各通路5,8,11と同じ内径の筒部を有するハウジング17と、ハウジング17に内蔵された円盤状の弁体18とを有している。ハウジング17の両端にはフランジ19を設けており、ハウジング17のフランジ19が各通路5,8,11に設けた端板20にボルト21で固定されている。
【0026】
弁体18は、ハウジング17の軸心と直交した軸心回りに回転するように、中心軸22でハウジング17に取り付けられている。ハウジング17には、その軸心と平行に広がるベース板23が設けられており、ベース板23には複数個のカラー24を介して軸受け板25がボルト26で固定されている。
【0027】
EGRバルブ15の軸受け板25には、アクチェータの一例としての電動式のモータ27がビス(ボルト)で固定されている(軸受け板25がモータ27の一部になっている場合もある。)。モータ27は回転を自在に制御できるステップモータであり、その主軸28が中心軸22と同心になるように配置されており、主軸28に設けた穴に中心軸22を相対回転不能に嵌め込んでいる。従って、モータ27を駆動すると弁体18が回転する。なお、主軸28と中心軸22とはカップリングのような継手で接続してもよいし、直結方式でなく、主軸28と中心軸22との間にギア群を介在させてもよい。
【0028】
モータ27の主軸28には、請求項に記載した連動手段の一部を構成する主動プーリ29を固定している。主動プーリ29の外周には溝が形成されている。また、主動プーリ29はベース板と軸受け板25との間に配置されている。他方、吸気絞りバルブ13は、ベース板と軸受け板25とで回転自在に指示されると共に中心軸22と相対回転不能に保持された従動軸30′を有しており、この従動軸30′に、外周に溝を有する従動プーリ30と、これより小径で同じく外周に溝が形成された補助プーリ31とを固定している。
【0029】
従動プーリ30はベース板と軸受け板25との間に配置して、補助プーリ31は軸受け板25の外側に配置しているが、補助プーリ31もベース板と軸受け板25との間に配置することは可能である。また、軸受け板25を設けずに、従動軸30を単にベース板から突出させて、これに両プーリ30,31を設けることも可能である。従動プーリ30は、請求項に記載した連動手段の一部を構成している。補助プーリ31には補助ワイヤー32を巻き掛けており、補助ワイヤー32の一端に戻し用ばね(引っ張りコイルばね)33の一端を接続している。戻し用ばね33の他端は吸気通路5を構成するパイプ等の適当な部材に係止している。
【0030】
図2及び図3(D)に示すように、EGRバルブ15の主動プーリ29と吸・排気気絞りバルブ13,14の従動プーリ30とは、連動手段を構成するワイヤー34で接続されている。そして、主動プーリ29には、放射方向に延びる1つの基準線35を境にして、基準線35を挟んだ一方の側の90度の範囲を第1駆動部36と成し、基準線35を挟んだ他方の側の90度の範囲を第2駆動部37と成して、第1駆動部36の外周面は、第2駆動部37から離れるに従って軸心Oからの距離が大きくなるカム面38と成している。他方、第2駆動部37の外周面は、軸心からの距離が等しい円弧面39になっている。従って、第1駆動部36と第2駆動部37との境界部は、基準線35と重なる平坦面40になっている。
【0031】
ワイヤー34の一端は、第1駆動部36と第2駆動部37との境界部に接続されており、EGRバルブ15が全閉した基準状態では、ワイヤー34のうち一端寄りの端部は平坦面40に重なっている。また、ワイヤー34は、一対のガイドローラ41を介して吸気絞りバルブ13及び排気絞りバルブ14の従動プーリ30に延びており、ワイヤー34の他端は従動プーリ30に固定されている。
【0032】
なお、図では排気絞りバルブ14に接続されたワイヤは省略している。図では表示していないが、主動プーリ29に、吸気絞りバルブ13を駆動するための第1駆動部36及び第2駆動部37と、排気絞りバルブ14を駆動するための第1駆動部36及び第2駆動部37とを軸方向にずらして別々に設けて、吸気絞りバルブ13と排気絞りバルブ14との駆動態様を異ならせることも可能である。
【0033】
(3).第1実施形態のまとめ
以上の構成において、吸気絞りバルブ13と排気絞りバルブ14とは全開状態を基準状態としており、EGRバルブ15は全閉状態を基準状態にしている。そして、基準状態からEGRバルブ15の主軸28を図3(D)に黒抜き矢印方向に正転させると、弁体18が開き方向に回転すると共に主動プーリ29が正転し、これに伴ってワイヤー32は主動プーリ29の第1駆動部36のプロフィールに従って引っ張られ、これに伴って吸・排気絞りバルブ13,14が閉じ動する(なお、EGRバルブ15が全開になっても、吸・排気絞りバルブ13,14は全閉にはならずにある程度は開いている。)。
【0034】
他方、基準状態からEGRバルブ15のモータ27を主軸28を図3(D)の白抜き矢印方向に逆転させると、弁体18が開き方向に回転すると共に主動プーリ29が逆転し、これに伴ってワイヤー32は主動プーリ29の第2駆動部37のプロフィールに従って引っ張られ、これに伴って吸・排気絞りバルブ13,14が開き動する。
【0035】
そして、主動プーリ29のカム面38は、正転に伴って軸心Oからの距離がだんだん大きくなるように設定しているため、EGRバルブ15の開きの度合いに対する吸気絞りバルブ13の閉じの度合いは、当初は小さくて少しずつ大きくなる状態なる。つまり、EGRバルブ15の開きに対する吸・排気絞りバルブ13,14の閉じ動の応答性が、小さい状態から大きい状態に徐々に移行する。
【0036】
他方、主動プーリ29の円弧面39は軸心Oからの距離が一定であるため、逆転時においては、EGRバルブ15の開きの度合いに対する吸気絞りバルブ13の閉じの度合いは一定している。つまり、EGRバルブ15の開きに対する吸・排気絞りバルブ13,14の閉じ動の応答性は一定している。
【0037】
このように、主動プーリ29が基準状態から正転する場合と逆転する場合とで、EGRバルブ15の開き動に対する吸・排気絞りバルブ13,14の閉じ動の応答性が異なっているため、運転環境等に応じた適切な制御態様を選択することができるのである。
【0038】
(4).他の実施形態
図4では主動プーリ29の別形態である第2実施形態を示している。このうち(A)に示す例では、第1駆動部36と第2駆動部37とは、半径を異ならせただけの円弧面39に設定している。(B)に示す例では、両駆動部36,37を基本的には半径が異なる円弧面39としつつ、それぞれ、主動プーリ29が回転し始めてからワイヤー34にテンションがかかるタイミング(従動プーリ30の回転開始タイミング)がずれるように設定している。(C)に示すのは第1実施形態の変形例であり、第1駆動部36の外周のカム面38を多角形の形態にしている。第2駆動部37の外周面をカム面とすることも可能である。
【0039】
図5に示す第2実施形態では、各バルブ13,14,15とは異なる独立した場所にモータ27を配置して、モータ27の主軸28に3つの主動プーリ29を固定している。図面では表示していないが、各主動プーリ29はそれぞれ第1駆動部と第2駆動部37とを有するが、これら駆動部36,37は、それぞれ駆動すべきバルブ13,14,15の特性に応じたプロフィールになっている。この実施形態では、モータ27は各バルブ13,14,15に制約を受けることなく空きスペースに配置できるため、レイアウトの自由性が向上する利点がある。
【0040】
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、バルブの流量調節構造はバタフライ弁方式には限らないのであり、例えばニードル方式やシャッター方式などの各種の方式を採用できる。また、アクチェータとしては電動モータに限らず、他の駆動手段も採用できる。連動手段としては、歯車やリンクなども使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本願発明は内燃機関に実際に適用できる。従って、産業上、利用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 機関本体
2 シリンダボア
3 吸気マニホールド
4 排気マニホールド
5 吸気通路
8 排気通路
10 排気ターボ過給機
11 EGR通路
13 吸気絞りバルブ
14 排気絞りバルブ
15 EGRバルブ
18 弁体
27 アクチェータの一例としての電動モータ
28 主軸
29 連動手段を構成する主動プーリ
30 連動手段を構成する従動プーリ
34 連動手段を構成するワイヤー
36 第1駆動部
37 第2駆動部
38 カム面
39 円弧面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンが摺動自在に嵌まったシリンダボアを有する機関本体と、前記シリンダボアに空気を供給する吸気通路と、前記シリンダボアで発生した排気ガスを排出する排気通路と、排気ガスの一部を吸気通路に還流するために前記排気通路と吸気通路とに接続されたEGR通路とを有しており、
更に、前記吸気通路のうち前記EGR通路の接続部より上流側に位置する吸気絞りバルブと、前記排気通路のうち前記EGR通路の接続部よりも下流側に位置する排気絞りバルブとのうち少なくともいずれか一方を備えると共に、前記EGR通路には排気ガスの還流量制御用のEGRバルブを設けている構成であって、
前記吸気絞りバルブと排気絞りバルブとのうちいずれか一方又は両方と前記EGRバルブとの開閉制御を行う1つのアクチェータと、前記アクチェータでEGRバルブ及びいずれか一方又は両方の絞りバルブを駆動する連動手段を有しており、前記EGRバルブが全閉で前記絞りバルブが全開の状態を基準にして、前記EGRバルブの開き動に連動して前記絞りバルブが閉じ動するようになっており、
かつ、前記アクチェータは、前記基準状態から正転と逆転とを選択自在であり、前記連動手段は、前記アクチェータが基準状態から正転する場合と逆転する場合とで前記EGRバルブと絞りバルブとの連動関係が異なるように設定している、
内燃機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−96267(P2013−96267A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238179(P2011−238179)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】