説明

内線端末収容台数管理方法、内線端末収容台数管理装置及び内線端末収容台数管理プログラム

【課題】ボタン電話システムの許容電力を超えないように、内線端末の設置を行うことを容易とする。
【解決手段】複数の内線端末と接続される主制御装置が、内線端末が新たに前記接続された際に、当該内線端末から少なくとも当該内線端末の消費する電力量を認識するために必要な情報を受信する。受信した情報から前記新たに前記接続された内線端末が消費する電力量を認識する。認識した消費電力量を、既に前記接続されている内線端末の消費電力量の総量に積算する。積算により算出される積算値が、定められている許容電力量以内である場合は前記新たに前記接続された内線端末を正常に動作させ、定められている許容電力量を超える場合は前記新たに前記接続された内線端末に対して正常動作ができない旨を表示するように指示を出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主制御装置に接続される内線端末の収容台数の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
構内交換機等の主装置に、複数の内線端末を接続することにより構築される電話システムが広く普及している。そして、このようなシステムは、一般的に「ボタン電話システム」等の名称で呼ばれている。
【0003】
このような、ボタン電話システムにおける内線端末の数は、オフィス規模により数台〜十数台、数百台〜千数百台とまちまちである。また、一旦設置工事が完了し運用開始となった後でもオフィスレイアウトの変更により内線端末の数や、内線端末の設置場所を変動させる場合がある。
【0004】
このような、内線端末の数や、内線端末の設置場所の変動を容易とする技術が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の技術は、顧客データ等のボタン電話装置に関するデータを、工事業者に依頼せずとも容易に入手可能とすることを課題としている。この課題を解決するために、特許文献1に記載の技術では、システム管理サーバを設け、このシステム管理サーバに顧客データ等のデータを記憶させる。特許文献1に記載の技術では、この記憶しているデータを利用することにより上述の課題を解決している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−111868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したようなボタン電話システムに収容できる内線端末には、キーランプ数、通信方式および機能により消費電力の異なる端末が複数存在する。そして、それら内線端末の消費電力は、一般的に、交換機内の電源装置からセンター給電することにより賄われるため、許容電力には制限がある。
【0007】
このような状況下で、ボタン電話システムの許容電力を超えて内線端末を収容した場合、電源が過負荷状態となり、動作保証できない状態で端末が動作する可能性があった。そして、このような問題を解決するべく、許容電力に余裕を持たせるためには過大で無駄な電源装置を用意しなくてはならないため、コスト増につながってしまう。
【0008】
そのため、設置工事時は電源容量を考慮したレイアウト設計を行いながら内線端末を設置する必要があった。もっとも上述のように、内線端末の種別は多様であり、その設置台数も様々である。そのため収容制限や電力係数を無視した端末設置工事が行われたり、工事担当者から収容制限、電力係数に関する問い合わせが絶えることがなかった。
【0009】
また、上述の特許文献1に記載の技術は、内線端末のデータの設定に関するものであるため、電源容量を考慮した技術ではない。そのため、特許文献1に記載の技術を用いたとしても電源容量を考慮したレイアウト設計を容易にすることはできなかった。
【0010】
そこで、本発明は、ボタン電話システムの許容電力を超えないように、内線端末の設置を行うことを容易とするための、内線端末収容台数管理方法、内線端末収容台数管理装置及び内線端末収容台数管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点によれば、複数の内線端末と接続される主制御装置において、内線端末が新たに前記接続された際に、当該内線端末から少なくとも当該内線端末の消費する電力量を認識するために必要な情報を受信する手段と、前記受信する手段において受信した情報から前記新たに前記接続された内線端末が消費する電力量を認識する手段と、前記認識した消費電力量を、既に前記接続されている内線端末の消費電力量の総量に積算する手段と、前記積算により算出される積算値が、定められている許容電力量以内である場合は前記新たに前記接続された内線端末を正常に動作させ、定められている許容電力量を超える場合は前記新たに前記接続された内線端末に対して正常動作ができない旨を表示するように指示を出す手段と、を備えることを特徴とする主制御装置が提供される。
【0012】
本発明の第2の観点によれば、上記の主制御装置と接続される内線端末において、外部からの操作を受け付ける操作部と、利用者に情報を提示するための表示部を備えており、外部からの操作に応じて、当該内線端末の種別を識別するための情報と、当該内線端末の消費電力量と、を前記表示部に表示させることを特徴とする内線端末が提供される。
【0013】
本発明の第3の観点によれば、複数の内線端末と接続される主制御装置が行う内線端末管理方法において、内線端末が新たに前記接続された際に、当該内線端末から少なくとも当該内線端末の消費する電力量を認識するために必要な情報を受信するステップと、前記受信するステップにおいて受信した情報から前記新たに前記接続された内線端末が消費する電力量を認識するステップと、前記認識した消費電力量を、既に前記接続されている内線端末の消費電力量の総量に積算するステップと、前記積算により算出される積算値が、定められている許容電力量以内である場合は前記新たに前記接続された内線端末を正常に動作させ、定められている許容電力量を超える場合は前記新たに前記接続された内線端末に対して正常動作ができない旨を表示するように指示を出すステップと、を備えることを特徴とする内線端末管理方法が提供される。
【0014】
本発明の第4の観点によれば、複数の内線端末と接続される主制御装置に組み込まれる内線端末管理プログラムにおいて、内線端末が新たに前記接続された際に、当該内線端末から少なくとも当該内線端末の消費する電力量を認識するために必要な情報を受信する手段と、前記受信する手段において受信した情報から前記新たに前記接続された内線端末が消費する電力量を認識する手段と、前記認識した消費電力量を、既に前記接続されている内線端末の消費電力量の総量に積算する手段と、前記積算により算出される積算値が、定められている許容電力量以内である場合は前記新たに前記接続された内線端末を正常に動作させ、定められている許容電力量を超える場合は前記新たに前記接続された内線端末に対して正常動作ができない旨を表示するように指示を出す手段と、を備える主制御装置としてコンピュータを機能させることを特徴とする内線端末管理プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、現在接続されている内線端末の消費電力を積算した値と、システムの許容電力量を比較することが可能なことから、ボタン電話システムの許容電力を超えないように、内線端末の設置を行うことが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態におけるボタン電話システムの基本的構成を表す図である。
【図2】本発明の実施形態における主制御装置及び内線端末の基本的構成を表す図である。
【図3】本発明の実施形態における端末情報のやり取りについて表す図である。
【図4】本発明の実施形態の第1の基本的動作を表すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態の第1の基本的動作時の表示例を表す図である。
【図6】本発明の実施形態の第2の基本的動作を表すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態の第2の基本的動作時の表示例を表す図である。
【図8】本発明の実施形態の第3の基本的動作を表すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態の第3の基本的動作時の表示例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態であるボタン電話システム全体を示す図である。図1を参照すると本実施形態は、ボタン電話装置1000、αタイプ内線端末200、αタイプ内線端末201、βタイプ内線端末300、βタイプ内線端末301及びβタイプ内線端末30Nを有する。更に、ボタン電話装置は主制御装置100、第1の内線I/F110及び第2の内線I/F120有している。なお、各αタイプ内線端末及びβタイプ内線端末の一部又は全てを総称する場合は単に「内線端末」と呼ぶこととする。
【0018】
主制御装置100は外線と接続されている。そして、各内線端末は第1の内線I/F110又は第2の内線I/F120を介して外線と接続される。
【0019】
なお、図1ではαタイプ内線端末とβタイプ内線端末の2つのタイプの内線端末が図示されているが、これは例示に過ぎない。本実施形態は単一のタイプの内線端末のみでも適用可能であり、また3つ以上のタイプの内線端末が混在していても適用可能である。更に、内線端末の台数や、内線I/Fの数も任意である。
【0020】
次に、本実施形態の主制御装置及び内線端末の構成例を説明する。図2を参照すると主制御装置100は、第1の内線I/F110、第2の内線I/F120、外線I/F130、スイッチ部140、制御部150を有する。
【0021】
第1の内線I/F110及び第2の内線I/F120は、各内線端末を接続する内線を収容し、制御部150の制御を受けて各内線端末と接続する機能を有する。外線I/F130は、外線を介して電話網と接続する機能を有する。スイッチ部140は、外線I/F130と第1の内線I/F110と及び第2の内線I/F120と、を接続し、制御部150の制御を受けて、外線、内線それぞれの相互間で通話路を接続する一方、接続中の通話路を切断する機能を有する。またスイッチ部140が適宜音声レベルの調整等を行ったりする機能を更に有していてもよい。
【0022】
制御部150は主制御装置100内のほぼ全ての構成要素と接続されている。そして、ほぼ全ての構成要素は、制御部150の制御により所定の機能を実行する。ここで、制御部150は、CPU151及び制御部メモリ領域152を有している。制御部メモリ領域152に格納されるデータの一部については後述する。また、制御部メモリ領域152又は図示を省略した記憶装置にはプログラム(ソフトウェア)が格納されており、ハードウェアであるCPU151がこのプログラムを読み込み、実行することにより制御部150による制御及び主制御装置100の有する各部(ハードウェア)の機能が実現されるようにしてもよい。
【0023】
αタイプ内線端末200は、内線端末I/F210、I/F LSI220、CPU230、表示部240、操作部250、端末メモリ領域260、CODEC270、ハンドセット271、スピーカ272、マイク273を有する。なお図中ではハンドセット271を「271:HS」と表記する。スピーカ272を「272:SP」と表記する。マイク273を「273:MIC」と表記する。また、ここではαタイプ内線端末200を例として説明するが他の内線端末も同様な部分を有しているものとする。
【0024】
内線端末I/F210は内線を介して主制御装置100の第1の内線I/F110と接続し、通話路を形成すると共に所定の手順に基づいて信号の授受を行う。I/F LSI220は、内線端末I/F210に接続する通話回路を含む基本的な電話回路を有し、CPU230の制御を受けて電話機能を実現する。また、端末メモリ領域260に格納されるデータの一部については後述する。なお、主制御装置100と同様に、端末メモリ領域260等にプログラムが格納されており、CPU230がこのプログラムを読み込み、実行することによりCPU230による制御が実現されるようにしてもよい。
【0025】
すなわち、主制御装置100及び各内線端末を、ソフトウェアがハードウェア資源と協働することにより実現するようにしてもよい。
【0026】
表示部240は、利用者に情報を提示するための部分であり、具体的にはLCD(Liquid Crystal Display)や、有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイである。
【0027】
操作部250は、利用者からの操作を受け付ける部分である。具体的にはテンキー等に代表される入力装置である。なお、表示部240及び操作部250を一体として例えばタッチパネルとすることにより表示部240及び操作部250を実現させるようにしてもよい。
【0028】
CODEC270は、何れかの符号化方式に準拠して音声データのエンコード(符号化)とデコード(復号)を双方向に行う機能を有している。なお、CODEC270がどのような符号化方式に準拠するかは本実施形態の要旨ではなく、任意の符号化方式に準拠することが可能である。
【0029】
ハンドセット271は、送話口及び受話口を有する受話器である。なお、ハンドセットではなく、例えばヘッドフォン形式のヘッドセットを用いるようにしてもよい。
【0030】
スピーカ272は音声を出力する機能を有する。また、マイク273は、音声入力を受け付ける機能を有する。
【0031】
次に、図3を参照して制御部メモリ領域152及び端末メモリ領域260に格納されるデータについて説明する。制御部メモリ領域152には収容端末管理エリア152−1が設けられている。また、端末メモリ領域260には端末情報記憶エリア260−1が設けられている。
【0032】
ここで、本実施形態で用いる「電力係数」について説明する。
【0033】
本実施形態でもαタイプ内線端末、βタイプ内線端末といった形で例示しているように、同一ボタン電話システムには複数のタイプの端末を収容することができる。そして、収容できる端末のタイプ毎に、キーランプ数や、通信方式、有している機能等が異なる。そのため、端末のタイプ毎に消費電力も異なることとなる。そこで、本実施形態では端末の使用電力は、端末の消費電力をもとに「電力係数」という形式で示し、各内線端末の端末情報記憶エリア260−1に格納してあるものとする。なお、具体的な電力係数の規定方法は任意である。すなわちどの程度の消費電力(ワット[W])を電力係数1と設定するか等はシステムを実装する環境等に応じて任意に設定することができる。
【0034】
端末情報記憶エリア260−1には、端末の種別と、上述の電力係数とが予め紐付けられて格納されている。そして、内線端末を、ボタン電話システムに収容するごとに、端末情報記憶エリア260−1に格納されている、電力係数及び端末の種別を主制御装置100に送信する。そして、収容端末管理エリア152−1には送信されてきた電力係数及び端末の種別が格納される。なお、図3では説明の便宜上、収容端末管理エリア152−1に電力係数及び端末の種別が一つしか格納されていないが、実際には接続されている内線端末の数だけ電力係数及び端末の種別が格納されることとなる。そして、主制御装置100は、受信した電力係数を、積算し、積算した値がシステムの許容電力を超えた時点以降は収容する端末にエラー表示をさせる。
【0035】
なお、本実施形態では電力係数及び端末の種別を主制御装置100に送信するように構成しているが、端末の種別のみを主制御装置100に送信するようにしてもよい。このようにする場合は、予め主制御装置100に端末の種別と、その端末の種別に対応する電力係数を、例えばテーブルとして記憶させておく。そして、主制御装置100が送られてきた端末の種別に基づいてテーブルを検索することにより電力係数を知ることができる。
【0036】
次に、図4のフローチャートと、図5を参照して本実施形態の動作について説明する。図5は、表示部240に表示させる情報の表示例を表す図である。
【0037】
まず、第1の内線I/F110からの配線をαタイプ内線端末200の内線端末I/F210に接続する(ステップS301)。
【0038】
次に、主制御装置100からの端末制御情報をαタイプ内線端末200が受信し、この制御情報に応じて、αタイプ内線端末200側が端末情報記憶エリア260−1に格納されている端末種別及び電力係数を送信する(ステップS302)。
【0039】
主制御装置100は、αタイプ内線端末200から端末種別及び電力係数を受信し、受信した端末種別及び電力係数を収容端末管理エリア152−1に格納する(ステップS303)。
【0040】
続いて、制御部150が、収容端末管理エリア152−1に格納されている電力係数を積算する(ステップS304)。
【0041】
精算した結果が、許容電力係数を超えない場合は(ステップS305においてNO)、αタイプ内線端末200が正常な動作を開始する(ステップS306)。
【0042】
一方、精算した結果が、許容電力係数を超える場合には(ステップS305においてYES)、αタイプ内線端末200の表示部240にエラー表示を指示し、指示を受けたαタイプ内線端末200は表示部240にエラー表示をする(ステップS307)。また、「電力オーバーしました。本電話機は使用できません。」等の表示をさせるとともに当該内線端末は動作不可状態(電源は入った状態)とするようにしてもよい。
【0043】
なお、図5の左側に示すのが許容電力係数を超えない場合の(ステップS305においてNO、ステップS306)表示部240の表示例である。また、図5の左側に示すのが許容電力係数を超えない場合の(ステップS305においてYES、ステップS307)表示部240の表示内容例である。図5に示すのはあくまで一例であり、具体的な文書内容は任意に変更可能である。
【0044】
次に、図6のフローチャートと、図7を参照して本実施形態の他の動作について説明する。本動作は、ボタン電話システムのメンテナンス機能に現状の給電能力の余力を表示させる事により増設可能な電力係数を表示するというものである。
【0045】
まず、操作部250が第1のキー操作を受け付ける(ステップS401)。この第1のキー操作は、具体的にどのような操作であってもよい。
【0046】
次に、この第1のキー操作を契機として表示部240にシステム管理情報を表示させる(ステップS402)。そして、システム管理情報が表示されている状態で第2のキー操作を受け付ける(ステップS403)。
【0047】
そして、この第2のキー操作を契機として表示部240の運用情報の項目に増設可能な電力係数を表示させる(ステップS404)。なお、増設可能な電力係数は、第2のキー操作を契機として主制御装置100に問い合わせるようにしてもよい。また、増設可能な電力係数ではなく、更に増設することが可能な内線端末の台数を具体的に表示するようにしてもよい。例えば、「残り5台設置可能です。」といったような表示をさせるようにしてもよい。この場合、複数種別の内線端末の電力係数の平均値、もっとも電力係数の大きい内線端末の電力係数、もっとも電力係数の小さい内線端末の電力係数、等の何れかで増設可能な電力係数を除することにより更に増設することが可能な内線端末の台数を算出することができる。
【0048】
また、新たな内線端末が接続される等して増設可能な電力係数が変更される度に、主制御装置100から各内線端末に増設可能な電力係数を通知するようにしてもよい。このようにする場合は、端末メモリ領域260−1に増設可能な電力係数が格納されることとなる。なお、図7はステップS402及びステップS404における表示例である。図7に示すのはあくまで一例であり、具体的な文書内容は任意に変更可能である。
【0049】
次に、図8のフローチャートと、図9を参照して本実施形態の他の動作について説明する。本動作は、内線端末をボタン電話システムに収容する前に、テストモードを起動するか、ボタン電話システム接続後に特定のキー操作を行うことにより内線端末の電力係数を表示することが出来るというものである。
【0050】
まず、主制御装置100からの配線を内線端末に接続する際に、特定のキーを押下した状態で、配線を接続する(ステップS501)。特定のキーは、任意に設定可能であるが、例えば接続する際に、*キーを押下したまま接続した場合に、ステップS501を行うようにしてもよい。
【0051】
接続完了後に特定のキーを離すとテストモードに入る(ステップS502)。
【0052】
そして、テストモード状態にあるときに、特定のキー操作を操作部250が受け付けることにより、端末の種別と電力係数を表示部240に表示する(ステップS503)。例えば、機能ボタン→9→9を押下すると、この内線端末の電力係数が表示部240に表示されるようにしてもよい。
【0053】
以上説明した本実施形態は以下のような効果を奏する。
【0054】
本実施形態では内線端末を接続するごとに、ボタン電話システムが収容確認をおこない許容電力を越えた場合に自動的にエラー表示を行うので、ハードウェア上保証がない設置工事ミスが軽減でき、異常状態を放置することが無くなる。
【0055】
また、本実施形態では増設可能な電力係数を表示させ、また追加接続しようとする内線端末が自身の電力係数を表示できるようにしたので、ボタン電話システムにあと何台内線端末が追加収容できるか工事保守マニュアルを参照することなく容易に判断出来る。
【0056】
その結果、設置工事担当者からの問い合わせが減少するという効果を奏する。
【0057】
なお、本発明の実施形態である主制御装置及び内線端末は、ハードウェアにより実現することもできるが、コンピュータをその主制御装置及び内線端末として機能させるためのプログラムをコンピュータがコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0058】
また、本発明の実施形態による内線端末管理方法は、ハードウェアにより実現することもできるが、コンピュータにその方法を実行させるためのプログラムをコンピュータがコンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み込んで実行することによっても実現することができる。
【0059】
また、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0060】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0061】
(付記1) 複数の内線端末と接続される主制御装置において、
内線端末が新たに前記接続された際に、当該内線端末から少なくとも当該内線端末の消費する電力量を認識するために必要な情報を受信する手段と、
前記受信する手段において受信した情報から前記新たに前記接続された内線端末が消費する電力量を認識する手段と、
前記認識した消費電力量を、既に前記接続されている内線端末の消費電力量の総量に積算する手段と、
前記積算により算出される積算値が、定められている許容電力量以内である場合は前記新たに前記接続された内線端末を正常に動作させ、定められている許容電力量を超える場合は前記新たに前記接続された内線端末に対して正常動作ができない旨を表示するように指示を出す手段と、
を備えることを特徴とする主制御装置。
【0062】
(付記2) 付記1に記載の主制御装置において、
前記積算値が、定められている許容電力量以内である場合に、前記新たに前記接続された内線端末に対して、前記許容電力量と前記積算により算出された値の差分を余剰電力量として表示をするように指示を出す手段を更に備えることを特徴とする主制御装置。
【0063】
(付記3) 付記1に記載の主制御装置において、
既に前記接続されている内線端末からの送信要求に応じて、既に前記接続されている内線端末の消費電力量の総量を、前記要求をしてきた前記内線端末に対して送信すると共に当該消費電力の総量を表示するように指示を出すことを特徴とする主制御装置。
【0064】
(付記4) 付記1に記載の主制御装置において、
前記積算値が、定められている許容電力量を超える場合は前記新たに前記接続された内線端末に対して、前記正常動作ができない旨を表示する指示に加えて当該内線端末は動作不可能な状態とする指示を出すことを特徴とする主制御装置。
【0065】
(付記5) 付記1に記載の主制御装置において、
前記積算値が、定められている許容電力量以内である場合に、前記新たに前記接続された内線端末に対して、前記許容電力量と前記積算値の差分である余剰電力量を、内線端末の消費電力量で除することにより算出される接続可能な内線端末の台数を表示するように指示を出す手段を更に備えることを特徴とする主制御装置。
【0066】
(付記6) 付記1に記載の主制御装置と接続される内線端末において、
外部からの操作を受け付ける操作部と、
利用者に情報を提示するための表示部を備えており、
外部からの操作に応じて、当該内線端末の種別を識別するための情報と、当該内線端末の消費電力量と、を前記表示部に表示させることを特徴とする内線端末。
【0067】
(付記7) 付記1乃至5の何れか1項に記載の主制御装置と接続される内線端末において、
利用者に情報を提示するための表示部を備えており、
前記主制御装置からの前記指示に応じた情報を前記表示部に表示することを特徴とする内線端末。
【0068】
(付記8) 複数の内線端末と接続される主制御装置が行う内線端末管理方法において、
内線端末が新たに前記接続された際に、当該内線端末から少なくとも当該内線端末の消費する電力量を認識するために必要な情報を受信するステップと、
前記受信するステップにおいて受信した情報から前記新たに前記接続された内線端末が消費する電力量を認識するステップと、
前記認識した消費電力量を、既に前記接続されている内線端末の消費電力量の総量に積算するステップと、
前記積算により算出される積算値が、定められている許容電力量以内である場合は前記新たに前記接続された内線端末を正常に動作させ、定められている許容電力量を超える場合は前記新たに前記接続された内線端末に対して正常動作ができない旨を表示するように指示を出すステップと、
を備えることを特徴とする内線端末管理方法。
【0069】
(付記9) 複数の内線端末と接続される主制御装置に組み込まれる内線端末管理プログラムにおいて、
内線端末が新たに前記接続された際に、当該内線端末から少なくとも当該内線端末の消費する電力量を認識するために必要な情報を受信する手段と、
前記受信する手段において受信した情報から前記新たに前記接続された内線端末が消費する電力量を認識する手段と、
前記認識した消費電力量を、既に前記接続されている内線端末の消費電力量の総量に積算する手段と、
前記積算により算出される積算値が、定められている許容電力量以内である場合は前記新たに前記接続された内線端末を正常に動作させ、定められている許容電力量を超える場合は前記新たに前記接続された内線端末に対して正常動作ができない旨を表示するように指示を出す手段と、
を備える主制御装置としてコンピュータを機能させることを特徴とする内線端末管理プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本願発明は、例えば、ボタン電話装置、ボタン電話システム、構内交換機(PBX:Private Branch eXchange)等に好適である。
【符号の説明】
【0071】
100 主制御装置
110 第1の内線I/F
120 第2の内線I/F
130 外線I/F
140 スイッチ部
150 制御部
151 CPU
152 制御部メモリ領域
152−1 収容端末管理エリア
200、201 αタイプ内線端末
210 内線端末I/F
220 I/F LSI
230 CPU
240 表示部
250 操作部
260 端末メモリ領域
260−1 端末情報記憶エリア
270 CODEC
271 ハンドセット
272 スピーカ
273 マイク
300、301、30N βタイプ内線端末
1000 ボタン電話装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の内線端末と接続される主制御装置において、
内線端末が新たに前記接続された際に、当該内線端末から少なくとも当該内線端末の消費する電力量を認識するために必要な情報を受信する手段と、
前記受信する手段において受信した情報から前記新たに前記接続された内線端末が消費する電力量を認識する手段と、
前記認識した消費電力量を、既に前記接続されている内線端末の消費電力量の総量に積算する手段と、
前記積算により算出される積算値が、定められている許容電力量以内である場合は前記新たに前記接続された内線端末を正常に動作させ、定められている許容電力量を超える場合は前記新たに前記接続された内線端末に対して正常動作ができない旨を表示するように指示を出す手段と、
を備えることを特徴とする主制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の主制御装置において、
前記積算値が、定められている許容電力量以内である場合に、前記新たに前記接続された内線端末に対して、前記許容電力量と前記積算により算出された値の差分を余剰電力量として表示をするように指示を出す手段を更に備えることを特徴とする主制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の主制御装置において、
既に前記接続されている内線端末からの送信要求に応じて、既に前記接続されている内線端末の消費電力量の総量を、前記要求をしてきた前記内線端末に対して送信すると共に当該消費電力の総量を表示するように指示を出すことを特徴とする主制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の主制御装置において、
前記積算値が、定められている許容電力量を超える場合は前記新たに前記接続された内線端末に対して、前記正常動作ができない旨を表示する指示に加えて当該内線端末は動作不可能な状態とする指示を出すことを特徴とする主制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の主制御装置において、
前記積算値が、定められている許容電力量以内である場合に、前記新たに前記接続された内線端末に対して、前記許容電力量と前記積算値の差分である余剰電力量を、内線端末の消費電力量で除することにより算出される接続可能な内線端末の台数を表示するように指示を出す手段を更に備えることを特徴とする主制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載の主制御装置と接続される内線端末において、
外部からの操作を受け付ける操作部と、
利用者に情報を提示するための表示部を備えており、
外部からの操作に応じて、当該内線端末の種別を識別するための情報と、当該内線端末の消費電力量と、を前記表示部に表示させることを特徴とする内線端末。
【請求項7】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の主制御装置と接続される内線端末において、
利用者に情報を提示するための表示部を備えており、
前記主制御装置からの前記指示に応じた情報を前記表示部に表示することを特徴とする内線端末。
【請求項8】
複数の内線端末と接続される主制御装置が行う内線端末管理方法において、
内線端末が新たに前記接続された際に、当該内線端末から少なくとも当該内線端末の消費する電力量を認識するために必要な情報を受信するステップと、
前記受信するステップにおいて受信した情報から前記新たに前記接続された内線端末が消費する電力量を認識するステップと、
前記認識した消費電力量を、既に前記接続されている内線端末の消費電力量の総量に積算するステップと、
前記積算により算出される積算値が、定められている許容電力量以内である場合は前記新たに前記接続された内線端末を正常に動作させ、定められている許容電力量を超える場合は前記新たに前記接続された内線端末に対して正常動作ができない旨を表示するように指示を出すステップと、
を備えることを特徴とする内線端末管理方法。
【請求項9】
複数の内線端末と接続される主制御装置に組み込まれる内線端末管理プログラムにおいて、
内線端末が新たに前記接続された際に、当該内線端末から少なくとも当該内線端末の消費する電力量を認識するために必要な情報を受信する手段と、
前記受信する手段において受信した情報から前記新たに前記接続された内線端末が消費する電力量を認識する手段と、
前記認識した消費電力量を、既に前記接続されている内線端末の消費電力量の総量に積算する手段と、
前記積算により算出される積算値が、定められている許容電力量以内である場合は前記新たに前記接続された内線端末を正常に動作させ、定められている許容電力量を超える場合は前記新たに前記接続された内線端末に対して正常動作ができない旨を表示するように指示を出す手段と、
を備える主制御装置としてコンピュータを機能させることを特徴とする内線端末管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−244189(P2011−244189A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114237(P2010−114237)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】