説明

内蔵型生物学的インジケーター

開示された発明は、滅菌処理の有効性を評価するための内蔵型滅菌インジケーターを提供する。滅菌インジケーターは、成長培地を収容するように形成されているキャップを含む。キャップは、微生物の集結を含んでいる容器に搭載可能である。キャップは、成長培地を収容する内部チャンバーを含んでいる。内部チャンバーは開口部を有しており、破れやすい障壁が、キャップの内部チャンバーに収容されている成長培地をカプセル化するために開口部を覆っている。生物学的インジケーターは、成長培地を微生物に接触させるために、成長培地を容器に導入することが選択されたときに、破れやすい障壁を破るように適合されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、例えば、滅菌処理の有効性を評価するための内蔵型生物学的インジケーター、またそのインジケーターを用いて滅菌処理の有効性を評価するための方法であって、滅菌インジケーターに関する。
【0002】
〔背景技術〕
滅菌処理は、例えば、医療機器、外科手術用の器具等を含め広範囲の道具の殺菌に利用される。滅菌すべき品目は、一般的にチャンバー内で、その品目を滅菌するのに充分に効果的と思われる条件下で、生物的汚染物質の除去(或いは、少なくとも予め定められた、許容レベルに)が行われる。それらは、蒸気滅菌、ガス滅菌剤(例えば、エチレンオキシド、気化させた過酸化水素等)への曝露、プラズマ滅菌等の有効な滅菌による、さまざまな滅菌技術である。適用される滅菌処理の有効性の評価が、求められる滅菌の程度を与えるのが確実な処理として有益であるなら、滅菌技術に関わらず、滅菌すべき品目に利用される。処理の有効性の評価は、上記医療機器および装置等の滅菌された品目が人体に影響がない場合に、特に望ましい。
【0003】
滅菌処理の有効性は、滅菌インジケーターを用いて評価し、典型的な評価は滅菌処理に臨む道具の滅菌耐久性に依る。典型的な生物学的インジケーターシステムは、例えば、微生物源(例えば、細菌胞子)、培養培地、および微生物が生存するか否かを示す可視検出器を含む。このインジケーターシステムは、微生物を殺菌するのに充分であるべき滅菌サイクルを条件とする。下記の滅菌サイクルにおいて、微生物源は、培養培地と、その上に幾らか残存して生存する微生物の成長を促して培養することとを合わせたものである。培養期間の間、このインジケーターシステムは、微生物が滅菌処理で生存しているかどうかの測定により評価する。このインジケーターは、視覚的(例えば、濁度或いは色変化による)に、若しくは、pH変化、蛍光、吸光度の変化等から選択された物性を測定するための検出器(例えば、分光光度計、蛍光度計等を用いた分光法)と共に評価する。
【0004】
商業的に使用する生物学的インジケーターでしばしば使用されるシステムの培養培地は、微生物の収容容器内に配置されたガラスアンプルに収容された成長培地に置かれた微生物から切り離される。下記の滅菌処理において、生物学的インジケーターは、容器内に成長培地を放出するためにアンプルを割ることで活性化する。
【0005】
商業的に使用する生物学的インジケーターは、胞子の成長が検出できるレベルまで比較的長い培養期間を要する。例えば、商業的に使用する生物学的インジケーターは、18時間から7日間の培養期間を要する。滅菌の品目にもよるが、このような長い期間の滅菌処理の有効性の評価は、必ずしも実用的ではない。とりわけ、滅菌された医療装置と器具では、滅菌処理の有効性を評価している間中、対象装置は使用されるべきではない。しかし、充分に滅菌されていることが確定するまでの間、医療装置が長期間使用されないのは、コストがかさむ。
【0006】
本発明は、滅菌処理の有効性をより速く評価するインジケーターを提供するための、微生物の成長というよりもむしろ微生物内で生じる酵素の活性化を評価する幾つかのシステムである。例えば、蛍光性の分解物である4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコシドを低下させる、胞子殻内で自然に生じる酵素を利用する、3Mコーポレーション製の商標ATTEST(登録商標)である高速読み取りインジケーターが挙げられる。蛍光シグナルは、この酵素が1時間から3時間以内に測定することができることに関連している。このインジケーターにおいて、非蛍光基質は培地に加えられ、この基質は蛍光物質を生成するために分解され、微生物の成長というよりもむしろ蛍光物質は処理の評価のために観察される。これらインジケーターは、蒸気滅菌処理の評価のために利用される。滅菌の間に、非蛍光反応を蛍光反応にする酵素を蒸気熱が不活性にする。
【0007】
その活性が滅菌効能の表示を示す胞子生存能力と相関関係を有する酵素を用いた生物学的インジケーターの他の実施例は、米国特許第5,073,488、5,223,401、5,418,167、5,866,356、6,566,090に記載されている。
【0008】
〔発明の概要〕
本発明は、滅菌処理の有効性を評価する内蔵型滅菌インジケーターを提供するものであり、当該インジケーターは、成長培地を収容するキャップ、および/または、微生物収容容器の上に搭載可能な酵素と反応する基質、および/または、酵素を備えている。一形態において、本発明は、滅菌処理の有効性を判断するための内蔵型生物学的インジケーターを提供するものであり、当該生物学的インジケーターは、上端、下端、および上端の開口部を有し、微生物および/または酵素を収容し保持するためのポリマー製容器;外壁、閉鎖された上端、下端、キャップの下端に隣接する開口部、および、キャップの下端に隣接する開口部を有する内部チャンバーを輪郭付ける内壁を有するポリマー製のキャップ;を備えており、上記内部チャンバーは成長培地および/または酵素と反応する基質を保持するのに好適であり、上記キャップは非常に破れやすい障壁と内部チャンバーの開口部を覆うフタとで構成されている。
【0009】
成長培地を貯蔵するガラスアンプルを用いた滅菌インジケーターの問題点は、インジケーターを作動させるためにアンプルを割らなければならないことである。アンプルは、インジケーターの容器部内に通常、位置する。アンプルが粉砕された場合には、インジケーターを分析読取機にかけたときに、アンプルの破片が光路を遮るおそれがある。出願人は、破ったときに粉砕されないポリマー材料および/または箔材料で形成された、破れやすい障壁を有するキャップ内で成長培地をカプセル化することにより、容器内で光路が妨害されるおそれが大幅に減少または除去されることを見出した。
【0010】
容器の形状(geometry)が、光路として役立つ。容器内に微生物を置き、キャップ内に成長培地を置くことにより、出願人は、微生物、酵素、増加した光路長を維持する間のシグナルを増加させる指標物質および/または基質分子を収容するのに用いる培地の最小量についても見出した。
【0011】
滅菌インジケーターは、破れやすい障壁が破れることで活性化するように形成されている。一形態において、容器は破れやすい障壁が破れるように形成されている。キャップは、容器の上に搭載可能であり、容器の上における、破れやすい障壁が破れておらず、キャップ内に成長培地が留まっている状態の第一の、非活性ポジションに搭載される。容器は、破れやすい障壁を破るのに適した突起または部材を含み、キャップは、容器の突起によって破れやすい障壁が破れ、容器内に成長培地が放出される状態の第二の、活性ポジションに移動可能である。
【0012】
他の形態として、破れやすい障壁は、自己破壊構造を備えた障壁で、開くことができるようになっていてもよい。破れやすい障壁は、選択された温度で溶解するポリマー材料で形成されることにより、自己破壊してもよい。さらに、自己破壊障壁は、熱収縮フィルムで形成されていてもよい。
【0013】
当該滅菌インジケーターは、少なくとも一つの支持部材を有していてもよい。
【0014】
当該滅菌インジケーターの基礎(base)は、インジケーターの要部(key) となるホルダー、読取機、培養器等で構成されていてもよい。インジケーターはホルダー、読取機、培養器等が所望する位置に配置または固定されるように設計されていてもよい。
【0015】
さらに他の形態として、本発明は、以下で構成される滅菌の有効性を評価する方法を提供する。当該方法は、(a)上部、下部、上部の開口部からなり、内部空間を形成する容器;および(b)成長培地を含む、キャップの下部に隣接する開口部とチャンバーとで形成される内部チャンバーを有するキャップ;から構成される内蔵型滅菌インジケーターを提供する。キャップは、さらに、チャンバーの破れやすい障壁を備える。当該方法は、高滅菌耐久性を有する微生物が容器に接種され、;破れやすい障壁が破れない第一のポジションである容器上にキャップが搭載され、;微生物が滅菌処理を受け、;キャップの破れやすい障壁が破られることにより、容器の内部空間に成長培地が流れ込んで微生物に接触し、;微生物の成長を促進するのに充分な条件下の成長培地で微生物が培養され、:生存する微生物の存在を検出する。
【0016】
さらに他の形態として、本発明は、以下で構成される生物学的インジケーターシステムを提供する。当該システムは、閉鎖された下端、上端、上端の開口部を有する容器、;容器に配置された微生物の収容、;容器の上端を越えて容器に搭載されたキャップ、;閉鎖された上端、開放された下端、外壁、開放端と内部チャンバーの開放端を覆う、破れやすい障壁とを有する内部チャンバーを形成する内壁を有するキャップ、;キャップの内部チャンバーに配置された液状の成長培地、:からなる。
【0017】
本発明におけるこれら特徴および他の特徴は、下記の詳細な説明と図面を参照しながら説明する。
【0018】
〔発明を実施するための形態〕
明細書および請求項で開示される全ての範囲および比率は、どの方法を組み合わせてもよい。特に定める場合を除いて、単数形は複数形を包含し、単数形の部材もまた複数形を包含する。請求項中の特定された全ての組み合わせは、どの部材を組み合わせてもよい。
【0019】
“滅菌”の用語は、生殖、代謝作用、および/または、成長の能力が無い物質と解釈することとする。しばしば、生存している生物が全くいない意味と取られる、上記用語は、予め許容された度合いの生存している生物から自由な物質をここでは指すこととする。別の指示をしない限り、“滅菌”の用語はまた、滅菌よりも厳密でない処理、例えば消毒、浄化、汚染除去、洗浄等も指すこととする。同様に、“滅菌”の用語の変化として、例えば滅菌剤、殺菌、洗浄、消毒剤等も指すこととし、滅菌よりも厳密でない処理(例えば、消毒剤、消毒等)を伴う様々な組み合わせを包含することとする。
【0020】
概して、本発明は、培養培地(成長培地とも称することとする)を収容するのに適したキャップ、および、微生物を収容するのに適した容器より構成される滅菌処理の評価に適している内蔵型滅菌インジケーターシステムを提供する。キャップは、成長培地を収容する内部チャンバー、および、内部チャンバーを覆ってチャンバー内の成長培地をカプセル化する、破れやすい障壁(壊れやすい障壁とも称することとする)を含む。培地が満たされたキャップは、容器上に搭載され、システムは、微生物を含む容器に成長培地が流れ込むように、選択された時間に、破れやすい障壁を破ることに適合している。一実施形態では、容器は、破れやすい障壁を破ることに適合していてもよい。他の実施形態では、破れやすい障壁は、特定の条件に曝されることによって自ら破れるように構成されていてもよい。
【0021】
さて図を参照する。図1〜4は、本発明の第一の典型的な実施例に従って、滅菌インジケーターシステム10を表示する。インジケーターシステム10は、容器30に搭載することができるキャップ20より構成されている。容器30は、閉鎖された下端31、および開放された上端33からなり、内部空間34を形成する。キャップ20は、外壁22、開放された下端21、および閉鎖された上端23を有する。キャップ20は、キャップの外壁の内側に配置される内壁(群)24を有し、内部チャンバー26を形成する。内部チャンバー26は、内壁(群)24の下端に隣接する開口部25を包含する。内部チャンバー26は、流体50を含み、キャップ20は、内部チャンバー26中の流体50をカプセル化するための、内部チャンバー26の開口部25の周囲に配置される、破れやすい障壁40を包含する。
【0022】
図1〜4に示される実施例において、インジケーターシステムは、スナップ式で嵌まり合う関係にある容器30に搭載されるキャップ20より構成される。図2〜4に示すように、容器30は、容器の上端33に隣接若しくは近接する突出(ridge) またはへり(lip) を形成する環状の突出部32を包含する。キャップ20は、キャップの底に隣接する突出(ridge) またはへり(lip) を形成する環状の突出部29を包含する。キャップ20は、容器30の突出部32の上を、キャップの突出部29を滑動させることによって容器30上に搭載してもよい。容器30の突出部32は、キャップ20および容器30が分離するのを防ぐために、キャップ20上の突出部29に噛み合わせる。キャップ20および容器30は、突出部32が、キャップ20に対して下向きの外力を加えなくてもキャップ20が下側からスライドすることを防ぐために、キャップ20に対して充分な量の圧力を掛けることができるように、サイズが設定されている。このことから、破れやすい障壁40は、当該破れやすい障壁40がインジケーターの作動を望むときまで穴空け部材によって接触される、および/または破られることが無いように、穴空け部材36の先端38から離して、間隔を空けることができる。
【0023】
図1〜4に示すように、容器30は、破れやすい障壁40を破るのに適合している。容器は、破れやすい障壁40が下向きに移動し、突起部36の先端38に接触したとき、破れやすい障壁40を破るまたは穴を開けるのに適合した先端38を有する突起部36(穴空け部材とも称することとする)を包含する。穴空け部材36は、側壁35と容器の内部底壁37とから一体的(integral)に延びていることが示されている。
【0024】
滅菌処理を評価するために、調整され収容された微生物は、容器30の内部34に配置される。微生物は、容器の壁35に直接配置してもよく、または、容器30内に配置された支持部材(例えば、支持部材70)上に備えてもよい。インジケーターは、容器30上に培地を満たしたキャップ20を搭載することによってそのとき組み立てられる。キャップ20は、前述の、容器30上にスナップ式で嵌まり合うキャップ20として搭載してもよい。図2に関して、培地を満たしたキャップ20は、破れやすい障壁40が穴空け部材36によって穴を開けられないように、容器30上における第一の非活性(または開口)ポジションに搭載される。好ましくは、最初は、破れやすい障壁40は、突起部36の先端38に接触しない、離れた位置に配置される。
【0025】
インジケーター10は図2に示されるように組み立てられ、当該インジケーターは滅菌処理に供される。キャップ20は、滅菌剤の気体が出入りし、インジケーターシステム内の流体が通る開口部28を有する。滅菌剤は、キャップを貫く開口部28(外壁22と内壁24の間の空間へ)および、キャップ20の内壁24の外面と容器30の壁35の内面との間で輪郭付けられる空間60を通って容器30へ流れる。滅菌剤の蒸気流体は、容器30に入り、微生物に対し作用する。
【0026】
滅菌処理が完了した後、インジケーターは、図3および図4に示される第二のポジション(閉じており活性化する)に向かい、キャップ20を容器30の方向に下げて移動させることによって、始動させられる。キャップ20は、キャップ20に充分な下向きの力や圧力を適用することによって下方に移動される。キャップ20が下方に移動すると、破れやすい障壁40は、突起部36の先端38に接触し、最終的に、突起部36の先端38によって貫通される位置に移動する。破れやすい障壁40に穴が開けられると、チャンバー26の開口部25は露出し、液状の成長培地50は容器30の内部空間34を通って流出し、容器内で微生物と接触する。破れやすい障壁40の開口部を大きく最大にして、容器に成長培地の排出を確実に完了させるために、キャップ20を下方にひねりながら移動させることが望ましい。
【0027】
図3,4に示すように、キャップ20の内面は第二の環状の突起27を含み、キャップは、突起27の上部に容器30の突出部32の底部をはめ込むような位置に下方移動してもよく、キャップ20は、第二の閉鎖した活性ポジションに保持される。第二の閉鎖した活性ポジションは、システムの始動から、更なる微生物の侵入を防ぐように容器30と密閉する関係でキャップ20を保持する。インジケーター10は、微生物の生存率を決定することができるのに十分な時間、培養する。培養の間、生存能力のある微生物は代謝および成長し、この代謝および成長によって培養培地に副生成物を放出する。副生成物は任意の選択した物性、例えば、pHの変化、色の変化、不透明度、蛍光等によって検出することができる。
【0028】
これは、キャップ20が閉じた位置で、容器を維持するために第二の突起27を含む必要がないと理解される。或る代替の実施例では、容器30は、他の環状突起または容器30外面かつ突起部32の下にある一連の移動止め(図示しない)を含んでもよい。突起部または移動止めは、閉じた状態で容器30を維持するためにキャップの突起部29に嵌め込まれるようになっていてもよい。米国特許第5,770,393は、このような構成を示している。別の実施形態では、キャップ20の内面および容器30の外面は、ネジ状になっていてもよく、そしてキャップ20は、容器30にキャップ20をねじ込んで閉位置に移動したり、維持したりしてもよい。
【0029】
本発明に係る生物学的インジケーターシステムの第二の実施例を、図6〜10に示す。滅菌インジケーター100は、培地が満たされたキャップ110および容器120を包含する。培地が満たされたキャップ110は、外壁112、開放された下端111、閉鎖された上端113を有する。キャップ110は、外壁112から離間され内壁114で規定されている内部チャンバー116を包含する。チャンバー116は、内壁114の下部の開口部115で輪郭付けられる。内部チャンバー116は、流体140の保護のために適合され、キャップは、内部チャンバー116の中に流体を封入するため、開口部115の周りに配置された、破れやすい障壁130を包含する。
【0030】
容器120は、閉鎖された底部121、開放された上端122、壁123、および輪郭付けられた内部空間124を有する。容器120は、破れやすい障壁130に穴を開けるおよび/または引き裂くのに適している先端128を有する穴空け部材127を包含する。
【0031】
キャップ110および容器120は、スナップ式およびねじ式の両方でキャップ110を容器120にはめ込み、取り付けられるように適合されている。キャップ110は、容器120とキャップ110とを嵌め込むために、容器120上の突起部126を超えてスライドするよう適合する環状突起117を包含する。キャップ110は、突起117と凹部119によって規定されている壁112の内面にあるスレッド面を包含する。スレッド面は、ねじ式で容器120上の突起126(どのスレッドの突起としても供給する)に係合し、キャップ110は、容器120にキャップ110をねじ込むことで、全閉位置に移動させてもよい。これは、スレッド組立部は、スナップ式の構造を有する必要がないことが理解される。
【0032】
インジケーター100は、前述のインジケーター10に対する説明と同様の方法で使用することができる。微生物は、容器120の内部124、例えばパッド190に配置してもよく、そしてキャップ110は、容器120上に取り付けてもよい。図7に示すように、キャップ110は、突起126を突起117に噛み合わせてキャップ110を所定の位置に維持するように、容器120の突起126を越えて、キャップ110の突起117を滑動することによって第一の開放(非活性)ポジションである容器120上に取り付ける。
【0033】
インジケーター100は滅菌処理に供される。滅菌蒸気は、キャップ110と容器120との間の、キャップ110の下端近くの空間を介して、キャップ110に入る。例えば、図6〜10に示す実施形態では、突起126は、容器120の外面と壁112の内面との間にある空間または開口部のように不連続となる。滅菌剤は、この空間/開口部を介して、壁112と壁114との間に形成される空間118に入る。滅菌剤は、突起117を越えて回り込み、容器120の開口部122を越えて、容器の壁125の表面とキャップ110の壁114の表面との間の空間で形成される通路150を通って容器に流れ込み、微生物に作用する。
【0034】
滅菌処理の後、インジケーター100は、容器120にキャップ110をねじ込むことで、第二の閉鎖ポジション(図8〜9)にキャップ110を移動することによって活性化する。キャップ110を容器120にねじ込むことにより、穴空け部材127の先端128が破れやすい障壁130を貫通させ、流体140がキャップ110の内部チャンバー116より下方の容器120へ流れ出し、微生物と接触する。図8および図9に示されるように、キャップ110は、システムを始動してから更なる微生物の侵入を防止するために、容器に封入したキャップ110を維持するため、滅菌培地の出入り口からの曲がった経路を提供するために、突起126は、最も上のスレッドに係合するような位置に移動してもよい。インジケーター100は、微生物の生存率を決定するのに充分な時間、培養することができる。
【0035】
一般的に、キャップ(例えば、キャップ20やキャップ110)は、任意の構造、形状、および/または大きさを有する。また、内部チャンバー(例えば、内部チャンバー26および116)の形状および/または容量を含む構造は、限定されるものではなく、必要に応じて選択することができる。
【0036】
上述したように、図1〜4に示されるキャップ20の実施形態は、インジケーター内へ蒸気滅菌剤を入れることを可能にするために開口部28を有している。しかしながら、キャップは上記特徴を提供する必要はないと理解される。開口部の数、大きさ、形状、および/または位置は、必要に応じて選択することができる。例えば、キャップの開口部の位置、形状および大きさ、および/または容器は、微生物と周辺環境のとの間の蒸気滅菌剤の入口、出口のための曲がった経路を提供するために選択してもよい。曲がった経路は、外部物質からの雑菌混入を防ぐための働きをする。
【0037】
開口部は、容器内にさらに設けてもよく、また、キャップ内の開口部を提供するための代替手段としてもよい。開口部がキャップに設けられていない場合は、キャップの内壁と容器の内面との間に空間を提供するためのキャップの内壁は位置する必要がない。また、開口部が容器に設けられている場合は、インジケーターが始動して障壁が破れたときに、成長培地が漏洩しない、またはそのような開口部を介して流出をしない位置に配置すべきである。
【0038】
容器(例えば、容器30または120)は、特定の目的に合わせて所望の大きさと形状にすればよい。図示される実施形態に示すように、容器30および120は、一般的に側壁が容器の底に向かって先細い円錐形を有する。側壁は、実質的には、底面に近い切断面は、底面から遠い切断面よりも小さい直径となるような、円形の切断面である。さらに、容器の内部の形状は、特定の目的や用途に応じて選択することができる。一般的に、内部空間は、円錐状の側壁との間の空間で限定されている。内部空間は、側壁の厚さを増やすことによって小さくしてもよい。容器の形状は、一般的に分光学的検出方法など、さまざまな検出方法の光路として機能するように設計することができる。望ましくは、光路は容器を通り抜ける。比較的少ない容積(例えば、図示の実施形態では先細い形状)の内部を有する容器を提供することにより、生命体、代謝産物(例えば酵素)、インジケーター、および/または基質分子を集中させるために使用する成長培地を少ない容積にすることがきる。光源の光路長の増加を維持しながら、これは信号を増加させる。
【0039】
実質的に、光源からの光を妨げる可能性がある物体に妨げられない光路が望まれる。したがって、穴空け部材を用いたインジケーターシステムは、容器30および120に示すように構成され、容器は、望ましくは、穴空け部材が光路を防ぐ、または干渉しないように、検出器内に配置される。図10の矢印160,170および180は、インジケーターシステム10および100で分光的に分析するためのポテンシャルライトサンプリング進路を示している。この光は、容器の面に沿って、読み取る(調べる)ことができると理解される。矢印180は、光源を読取機のくぼみの底面に取り付けてもよいということを図示している。
【0040】
キャップと容器は、容器にキャップを取り付けるために構成されている。取り付け構成は、特に限定されず、インジケーターシステム10および100で示すように、キャップはスナップ式および/またはネジスレッドの関係として容器に取り付けてもよい。インジケーターシステム10および100に示すように、スナップ式の構成は、互いに係合するのに適した形状の突起をキャップおよび容器に形成することによって、形成してもよい。このような構成の設計は、制限されない。同様に、ネジスレッドを取り付け/閉鎖のために適合するインジケーターシステムの設計に関する制限はない。それは他の取り付け構成も意図されていることが理解される。例えば、インジケーターシステムは、容器にキャップを取り付け、インジケーターを始動するのに適した外部ラッチ機構または他の機構を構成する。
【0041】
実施形態に示すように、容器は、インジケーターシステムを始動させるときに、破れやすい障壁を貫通あるいは破るのに適合される、少なくとも一つの穴空け部材(例えば、穴空け部材36および127)を含んでいる。構成、大きさ、形状、配置、および/または穴空け部材の数は、必要に応じて選択することができる。例えば、図示の実施形態における容器の底部から延びる二つの穴空け部材は、それに類似または他の構成の、一つまたは複数の穴空け部材を選択することができることを理解するものとして示されている。後述するインジケーターシステムは、破れやすい障壁を破るための穴空け部材を包含する必要はない。むしろ、破れやすい障壁は、選択された時間および/または一定の条件下に自己崩壊するように構成してもよい。
【0042】
図6から10の実施例に示すように、容器120は、例えば脚129のような支持部材を備えていてもよい。一つまたは複数の支持部材は、自己支持構造を達成するためおよび/またはインジケーターの安定性を向上させるために供される。加えて、支持部材は、加熱面(例えば、滅菌装置内で、または蛍光等の検出器の培養機能など)に改良された熱交換のための接触面を提供し得る。
【0043】
容器の底面は、滅菌装置、読取機、培養装置等を配置するホルダーのためのインジケーターシステムの電鍵操作に適する表面形状を提供し得る。容器は、適した配置で、選択されたホルダー、読取機、培養装置等、および/または、ホルダー、読取機、培養装置等を入力し得る。例えば、図6〜10の容器120の脚129は、容器を安定させるためおよび/または支えるための支持部材としてあり、それらはまた、容器120の底部および側部に沿って表面形状を規定するのに役立ち得る。ホルダー、読取機、培養装置等は、容器の底部および側部における表面の形状/デザインに対応する、溝を有する表面を備えている。例えば、図11を参照して、滅菌器、読取機、培養装置、ホルダー等の土台200は、脚129の土台および容器120の底面121のような対応する形状を支えるための大きさおよび形状の、凹部または溝202,204および206を包含し得る。読取機、検出器、培養装置等の特定のホルダーを受けるために特定の形状に適合した土台およびインジケーターシステムの側壁は、望ましいインジケーターの載置および配置が、容器が好ましい配置で読取機に位置するように、読取機/検出器における配置を確実にする。例えば、図10に示すように、読み取るべき試料に適した光路を容器が提供するために方向付けられることを確実にするために、適切な配置で読取機または検出器を位置するインジケーターシステム100が望まれる。異なった生物が最適な成長のためにしばしば異なった温度を必要とするとき、生物のための適切な温度で使用されるように設定されるか、またはそれ自体を適切な温度に設定する特定の培養装置に、インジケーターシステムを合わせることができる。
【0044】
インジケーターをホルダーに合わせるのに適当な特定の表面形状を容器に提供するために、容器には脚129がある必要はないのが理解される。例えば、特定の表面形状を形成するために、図1〜4における容器30の底端31の土台等、のような容器の土台に、溝、くぼみ、突起等のパターンを形成することができる。
【0045】
キャップと容器は、特定の滅菌処理で用いられる温度および/または化学物質に耐えることができる任意の材料から形成されてよい。異なった滅菌技術には、異なった材料が要求され、そして、使用される材料は、特定の処理または意図している使用に合致するものが選択されてよい。例えば、キャップおよび/または容器は、高分子材料から形成されてよい。適当な高分子材料は、特に限定されず、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリイミド、ポリエステル、およびこれらの二つ以上の組み合わせ等である。好適なポリオレフィンの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン等である。キャップおよび/または容器のための模範的な材料は、ポリプロピレンであり、そのポリプロピレンは、過酸化水素、蒸気、酸化エチレン、および過酢酸を含んでいるさまざまな滅菌剤に適合する。容器とキャップは、同じ材料から製造されていてもよく、異なった材料から製造されていてもよい。インジケーターの特性における変化を検出する方法として、使用に適するように、容器は、何らかの透明性を有することが好ましい。例えば、蛍光および分光学的検出方法のために、容器は好ましくは興味がある波長に何らかの透明性を持っている。望むなら、キャップおよび/または容器は、着色してもよい。
【0046】
キャップおよび/または容器は、例えば当技術分野で知られているモールド法のような、任意の適切な方法で形成してもよい。破れやすい障壁は、流体をキャップから容器に放出するために障壁を破ることができるように、任意の適当な材料から構成されることが望ましい。破れやすい障壁がここに使用されるように、別の物で障壁に穴を空ける(例えば、穴空け部材36か127の鋭い先端で障壁40または130にそれぞれ穴を空ける)等ように、破られるべき構造に制限は無い。「破れやすい障壁」という用語はまた、物理的性質、または一定の条件下での物理的性質の変化の結果としての、「自己崩壊」する障壁を含む。
【0047】
図1〜10で示す一つの実施形態では、破れやすい障壁は、別の物体(例えば、穴空け部材)によって破られる障壁層として構成される。そのような障壁層は、ポリマー材料、金属箔、またはこれらの二つ以上の組み合わせから形成してもよい。好適なポリマー材料は、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリイミド、ポリアクリルアミド、これらの二つ以上の組み合わせ等を包含する。破れやすい障壁のための模範的なポリマー材料は、二軸配向ポリエステルである。破れやすい障壁のための模範的な金属箔/ポリマーの組み合わせは、ラッカーが塗布された側とポリプロピレンの被覆側とがある金属箔のアルコン(Alcon) DD225である。
【0048】
障壁は、フィルムとして形成されており、キャップが閉鎖位置に移動したときに、穴空け部材によってフィルムを破ることができるのであれば、どのような厚さでもよい。一つの実施形態では、破れやすい障壁は、凡そ0.5〜凡そ10ミル(mils:1×10−3インチ)の範囲の厚さを有する。別の実施形態では、破れやすい障壁は、凡そ0.5〜凡そ2.5ミルの範囲の厚さを有する。破れやすい障壁は、単層構造または多層構造として形成してもよい。破れやすい障壁は、穴空け部材で障壁に穴が空くのを容易にするように設計してもよい。例えば、障壁に穴を空けやすくするために、弱い箇所を障壁層に形成してもよい。例えば、障壁層の残りの部分と比例して、より薄くて、より穴を空けやすい(即ち、より少ない力で穴が空くように)一つ以上の領域を障壁に形成することによって、弱い箇所を形成してもよい。また、切り目(score) 線、金型切断(die-cut) 線、ミシン目等をフィルムに形成することによって、弱い箇所を形成してもよい。図1および5に示されているように、フィルム40は、金型切断線42を包含する。
【0049】
別の実施形態では、破れやすい障壁は、自己崩壊してもよい。当該破れやすい障壁は、加熱によって結果的に障壁が破れるように物理的変化を生じる材料から形成されていてもよい。例えば一実施形態では、障壁は、インジケーター(選択された温度における)を加熱することによってインジケーターを活性化させ、障壁が溶融により破れて、容器に成長培地を放出することが生じるように、選択された融点を有するポリマー材料から形成されていてもよい。別の実施形態では、障壁層は、選択された温度に曝されることによってフィルムの破損を容易にするための好適な特性を持っている熱収縮性フィルムから形成されていてもよい。例えば、フィルムが比較的低い引き裂き力で引き裂ける収縮性フィルムであれば、熱収縮によって引き裂かれ、成長培地を容器に放出する。
障壁に用いられる、溶融または引き裂かれる(収縮のため)ことによって破られる材料は、当業者であれば確認することができ、用いる特定の滅菌法、および/または、インジケーターを活性化するための状態に基づいて選択することができる。熱収縮性フィルムは、例えば配向性ポリプロピレンフィルム等の配向性フィルムを典型的に含む。一つの実施形態では、障壁は、滅菌温度において、または、滅菌温度のあたりで破れるように適合されていてもよい(障壁が破られる前に、インジケーターが充分な期間、滅菌処理にさらされるなら)。別の実施形態では、インジケーターシステムが充分な期間、殺菌状態に曝されるまで、障壁が、自己崩壊する物理的変化(例えば、溶融、収縮、および/または、引き裂き)を受けないことが望ましい。即ち、障壁が滅菌温度より高い温度で変化を示すために、障壁は、滅菌温度において物理的性質における希望の変化をしないことが望ましい。この場合、インジケーターシステムは、選択された期間、第一の温度で殺菌条件に曝され、次に、障壁の破れ(溶融または収縮または引き裂き等)を引き起こす第二の温度(滅菌温度よりも高い)に曝されてもよい。自己崩壊する障壁は、蒸気における使用か乾熱殺菌処理に、特に適している。
【0050】
キャップと容器は、希望の形および/または構成を形成するために、どのような適切な方法で形成してもよい。ポリマー材料から形成されるキャップと容器は、例えば、射出成形などの様々な成形法で形成してもよい。
【0051】
培地入りキャップは、液状の培地を含むのに好適な内部チャンバーを有するキャップ構造を形成することができるように形成されてもよい。内部チャンバーは、選択された成長培地で満たされており、破れやすい障壁は、チャンバーの開口部を覆うように内部チャンバーに取り付けられ、内部チャンバー内の成長培地をカプセル化する。破れやすい障壁は、例えば、接着剤、超音波溶着、ヒートシール等の適切な方法で、チャンバーに取り付けられる。破れやすい障壁は、片側または両側に、コロナ処理、接着剤による処理、ラッカーかポリマーフィルムによる被覆が施されているか、または、チャンバーへのフィルムの取り付けを容易にする金属化が行われている。模範的な障壁層はラッカーが塗布されたアルミホイルである。そのアルミホイルは、ポリプロピレンを含むさまざまなポリマー材料にヒートシールを容易にする。
【0052】
検査微生物は、評価される滅菌処理に基づいて合致するように選択される。一般に、検査微生物は、評価される滅菌処理に対して高い抵抗性を有しているはずである。一般に多くの異なる滅菌処理に対して高い抵抗性を有しているので、バクテリアの胞子は模範的な微生物である。他の好適な微生物は、植物状態として、イースト、菌類、およびバクテリアを含んでいる。模範的バクテリアの胞子は、例えば、バチルス−プミルス、バチルス−コアグラニス、枯草菌、バチルス−シルクランス、バチルス−アトロファニス、Geobacillus stearothemrophilus、デイノコックス・ラジオデュランス、黒色アスペルギルス、等を含んでいる。単独のタイプの検査微生物か、検査微生物の組み合わせを使用してもよい。検査微生物の集結は、特定の目的に合致するように選択される。一つの実施形態、検査微生物の集結は、凡そ10〜凡そ1010のコロニー形成ユニット(cfu) の範囲内であってよい。
【0053】
上述したように、検査微生物は、容器の底または壁上に植菌をしてもよい。或いは、微生物は、容器に配置されている支持体に置かれてもよい。例えばセルロース土台の支持体、グラスファイバー土台の支持体、またはポリマーの支持体を含む、どのような支持材も使用することができる。好適な支持体の非限定的な例は、胞子が微小な孔に包含されるかまたは閉じ込められて植菌された、ここに参照として組み込んでいる米国特許第5,516,648に記載されている親水性膜である。
【0054】
成長培地は、特定の目的か意図している使用のために合致するように選択される。好適な成長培地の例は、大豆カゼイン分解物のスープ、Dextrose Tryptone 、および流体チオグルコース酸の水溶液を含んでいる。模範的な成長培地は、トリプトソイブロス(TSB) である。蒸気か乾いた熱の使用では、寒天を基礎とする培地を使用してもよい。一般に、寒天を基礎とする培地は、室温では半固体であり、蒸気か乾いた熱に曝されると、寒天は溶ける。インジケーターの起動では、破れやすい障壁は破られて、溶解した寒天は、検査微生物を含む容器に流れ込み、一般に、モニターに使用される温度では液体のままで残っている。
【0055】
成長培地は、特定の微生物の成長に対応して、検出および/または測定することができる、特性の変化を示す指示物質を含んでいる。例えば、成長した微生物によって生産された特定の代謝物質(例えば、酵素)に反応する検出器を使用してもよい。代謝物質は、色変化、pH変化、pHおよび色変化、蛍光(例えば、蛍光を発するか蛍光)における変化、濁りにおける変化、等をもたらす。好ましくは、代謝物質が選択されているので、微生物活動を比較的迅速にまたは早期に検出することができる。好ましくは、インジケーターは、滅菌処理の完了に続く凡そ二時間以内(それ以下)に、代謝物質の存在を充分に検出可能な量の指示物質が存在していればよい。指示物質は、使用される検査微生物と、興味がある代謝物質とに基づいて選択してもよい。好適な代謝物質と、代謝物質を検出するために適切な指示物質は、当業者であれば容易に確認することができる。興味がある好適な代謝物質の、非限定的な例は、アルファ・アミラーゼ等の酵素である。アルファ・アミラーゼは、枯草菌などのバクテリア、蛋白酵素に分泌される。適切な指示物質は、特に限定されないが、生物学的にアクティブな分子、蛍光染料、染料、色を生じる物質、顔料、酸、塩基、放射性ラベル(radiolabelled) された化合物、蛍光性を示す分子、蛍光を止めさせる分子、等が示される。模範的な指示物質は、例えば、4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコピラノシド (MUD)や、4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピロノサイド (MUG)、等の蛍光基質である。
【0056】
検出方法は、興味がある特性に基づいて選択される。特性とは、例えば蛍光定量的(視覚の、pHの、分光器の検出方法)を含む。確立した期間内における指示物質の特性の測定できる変化の検出は、微生物の生存力と不充分な滅菌を示す。確立した期間内における測定できる変化の不在は、滅菌処理が検査微生物に致命的であって、その結果、滅菌処理が適切であったことを示す。
【0057】
また、成長培地は、代謝物質に対する成長培地の毒性を減少させる物質をさらに含んでいてもよい。好適な上記物質は、例えば、活性炭、ウシ血清アルブミン、可溶性のでんぷん、等を含む。
【0058】
滅菌インジケーターの使用方法が指標物質に関して説明されている間、インジケーターが制限されていないので、インジケーターは、酵素のインジケーター、二重の生物学的/酵素のインジケーター、等として使用されることが理解される。一つの実施形態では、滅菌インジケーターは、酵素のインジケーターとして使用してもよい。そのような使用では、活性酵素は容器に載置され、酵素と反応する基質は、キャップの内部チャンバーに載置されて、破れやすい障壁によって当該キャップの内部チャンバーが封止されていてもよい。活性酵素は、キャリヤー片に染み込ませられ、容器内に収容されてもよい。そして、インジケーターは、滅菌処理にかけられる。滅菌剤は、容器に入れられ、キャリヤー片の活性酵素に接触する。滅菌処理の後、インジケーターは、破れやすい障壁が破れる(例えば、容器内の穴空け部材によって穴が空けられる)ように下向きにキャップを動かすことによって以前に説明したように、活性化される。これにより、基質はキャリヤー片の活性酵素に接触することができるように容器内に流れ込む。
【0059】
滅菌処理の有効性は、酵素の活性を評価することによって、評価される。基質が、検出可能な産物を形成するために活性酵素と反応するように、酵素と基質は選ばれている。一般に、酵素の不活化は、インジケーター内の検査微生物の死と関連している。生物学的インジケーターへの使用に選択される酵素は、汚染物質として存在している傾向がある微生物に対する滅菌処理に対して、少なくとも抵抗力(好ましくはより抵抗力)があるはずである。酵素は、汚染微生物を殺すことに失敗した滅菌サイクルの後においては、検出可能な酵素−基質産物を形成するために充分活性な状態で残っているはずである。酵素は、汚染微生物を殺すことに成功した滅菌サイクルによって不活性になる。滅菌処理が適切に行われれば、酵素は処理の間に不活発にされ、検出可能な産物は生成されない。滅菌処理が適切に行われなければ、酵素は不活発にされないので、検出可能な産物が生成されるように、酵素は基質と反応するであろう。酵素−基質産物は、色変化、蛍光信号、ルミネッセンス信号、等として検出可能である。
【0060】
酵素と基質は、特に限定されないが、特定の目的か意図している使用のために合致するように選択される。当業者は、蛍光、色変化、等によって検出可能な産物を生産するために、活性酵素と反応するであろう好適な基質を確認し、選択することができる。
【0061】
活性酵素は、例えば、(i) 適切な微生物に由来する、精製、分離された酵素、(ii) 土中から或いは遺伝子工学によって付加された、微生物が産出する酵素、(iii) 酵素が微生物と一体化または連携するように、胞子形成または成長時に付加された、微生物が産出する酵素、等の種々の酵素源から得ることができる。
【0062】
好適な酵素は、Bacillus stearothermophilus や枯草菌などの胞子を形成する微生物から産出される酵素を含んでいる。胞子を形成する微生物から産出される酵素は、本発明に係る生物学的インジケーターとして有用である。当該酵素は、特に限定されないが、β−D−グルコシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、アルカリ・ホスファターゼ、酸ホスファターゼ、酪酸塩エステラーゼ、カプロン酸エステラーゼリパーゼ、ミリスチン酸塩リパーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ、バリンアミノペプチダーゼ、キモトリプシン、リン酸ヒドロラーゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、チロシンアミノペプチダーゼ、フェニルアラニンアミノペプチダーゼ、β−D−グルクロニダーゼ、α−L−アラビノフラノシダーゼ、N−アセチル−B−グルコサミノダーゼ、β−D−セロビオシダーゼ、アラニンアミノペプチダーゼ、プロリンアミノペプチダーゼ、胞子を形成する微生物から産出される脂肪酸のエステラーゼが示される。
【0063】
検出可能な産物を生産するために、活性酵素と反応する、色素形成されて蛍光発生された基質は、当技術分野で知られている。当該基質は、本発明に係る生物学的インジケーターとして有用である。基質は、それらが目視により検出可能な信号を作成する方法に基づいて、二つのグループに分類することができる。第一のグループにおける基質は、酵素と反応し、自ら色素形成されて蛍光発生される酵素修飾産物を形成する。第二のグループにおける基質は、色或いは蛍光信号を発生するために、さらに加えられた化合物と反応する必要がある酵素修飾産物を形成する。種々の起源からなる酵素のための、多くの蛍光性基質が知られており、商業的に利用可能であり、酵素学的な手法に使用されている。これらのうち、種々の蛍光発生4−メチルウンベリフェリル派生物(4−メチルウンベリフェロンに加水分解可能);7−アミド−4−メチルクマリンの派生物;ジアセチルフルオレセイン派生物;フルオレサミンである。
【0064】
有用な4−メチルウンベリフェリル派生物は、特に限定されないが、4−メチルウンベリフェリル−2−アセトアミド−4,6−o−ベンジリデン−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシド、4−メチルウンベリフェリル酢酸塩、4−メチルウンベリフェリル−N−アセチル−β−D−ガラクトサミニド、4−メチルウンベリフェリル−N−アセチル−α−D−グルコサミド、4−メチルウンベリフェリル−N−アセチル−β−D−グルコサミド、2’−(4−メチルウンベリフェリル)−α−D−N−アセチルノイラミン酸、4−メチルウンベリフェリル−α−L−アラビノフラノシド、4−メチルウンベリフェリル−β−L−アラビノシド、4−メチルウンベリフェリル酪酸塩、4−メチルウンベリフェリル−β−D−セロビオシド、メチルウンベリフェリル−β−D−N,N’−ジアセチルキトビオシド、4−メチルウンベリフェリルエライデート、4−メチルウンベリフェリル−β−D−フコシド、4−メチルウンベリフェリル−α−L−フコシド、4−メチルウンベリフェリル−β−L−フコシド、4−メチルウンベリフェリル−α−D−ガラクトシド、4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシド、4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコシド、4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルコシド、4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルクロニド、4−メチルウンベリフェリル−p−グアニジンベンゾエート、4−メチルウンベリフェリルヘプタノエート、4−メチルウンベリフェリル−α−D−マンノピラノシド、4−メチルウンベリフェリル−β−D−マンノピラノシド、4−メチルウンベリフェリルオレイン酸塩、4−メチルウンベリフェリルパルミチン酸塩、4−メチルウンベリフェリル燐酸塩、4−メチルウンベリフェリルプロピオン酸、4−メチルウンベリフェリルステアリン酸塩、4−メチルウンベリフェリル硫酸塩、4−メチルウンベリフェリル−β−D−N,N’,N”−トリアセチルチトトリオース、4−メチルウンベリフェリル−2,3,5−トリ−o−ベンゾイル−α−L−アラビノフラノシド、4−メチルウンベリフェリル−p−トリメチルアンモニウム・ケイ皮酸エステル塩化物、4−メチルウンベリフェリル−β−D−キシロシドを包含する。
【0065】
本発明は、さらに以下の例を参照して理解してもよい。実施例は、本発明の種々の特徴をさらに説明するためであり、本発明の限定を意図しているわけではない。
【0066】
(実施例)
内蔵型生物学的インジケーターは、図6〜10で説明されたものと同様の、キャップと容器を備えている。キャップと容器は、モールド工程によってポリプロピレンから形成されている。キャップは、蛍光基質を含む成長培地0.5mlで満たされている。成長培地は、以下の組成である。
【0067】
カゼインの膵臓ダイジェスト(digest) 17g
大豆ミールの酵素ダイジェスト(digest) 3g
塩化ナトリウム 5g
燐酸水素二カリウム 2.5g
ブドウ糖 2.5g
蒸留水 1リットル
上記成長培地に、蛍光基質としての4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピロノサイド (MUG)0.2gを加える。培地で満たされたキャップの内部チャンバーは、ラッカーが塗布された1ミルの厚さのアルミホイルから形成された、破れやすい障壁で覆われている。カバーフィルムは、ヒートシールで内部チャンバーに固定されている。
【0068】
容器の下部は、Geobacillus stearothermophilusの10または10cfu (コロニー形成ユニット)で植菌をされている。キャップは容器に取り付けられ、サンプルは加熱・加圧滅菌(autoclaved)される。加熱・加圧滅菌された後、穴空け部材によって破れやすい障壁が破られるように、凡そ4Ibs/inと同じかそれ以上の力で、キャップを下方に捩じることにより、インジケーターは活性化される。一方、Geobacillus stearothermophilusの10または10cfu を含む制御インジケーターは、同様の方法で活性化される。そして、これらインジケーターは、STERIS社製:8-well, 2-temperature 蛍光培養/読取機中で、55〜60℃で培養される。蛍光読取機は、サンプルを365±20nmで励起させて、サンプルからの420±nmの放射を検出する。
【0069】
別の実施形態では、酸化エチレンを基準とする滅菌の評価のために、Geobacillus stearothermophilusに代えて、Bacillus atrophaeus の10または10cfu を用いる。結果として活性化されたインジケーターは、上述した8-well, 2-temperature 蛍光読取機中で、37℃で培養される。
【0070】
開示された発明が種々の詳細な実施形態と関連して説明されている間、当該説明を読んだ当業者は、種々の変更が可能であることを明確に理解するであろう。従って、ここに説明された発明が、添付されたクレームの範囲内に留まらず、これら種々の変更を含んでいることを意図していることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0071】
添付図面において、同様の部材および同様の特徴点は、同様の参照番号を有する。多くの添付図面は、略図であり正確な比率や尺度である必要はない。
【図1】図1は、容器から分離されたキャップを示す、本発明の実施例に基づく内蔵型滅菌インジケーターの一例の斜視図である。
【図2】図2は、図1の(2−2に沿って)第一の非活性ポジションの容器上にキャップが搭載されている状態を示すインジケーターの断面図である。
【図3】図3は、図2における第二の活性ポジションの容器上にキャップが搭載されている状態のインジケーターを示す。
【図4】図4は、図3のインジケーターを90°回転させた断面図である。
【図5】図5は、図1のインジケーターのキャップの底面斜視図である。
【図6】図6は、容器から分離されたキャップを示す、本発明の他の実施例に基づく内蔵型滅菌インジケーターの一例の斜視図である。
【図7】図7は、図6の(7−7に沿って)第一の非活性ポジションの容器上にキャップが搭載されている状態を示すインジケーターの断面図である。
【図8】図8は、図6の(7−7に沿って)第二の活性ポジションの容器上にキャップが搭載されている状態を示すインジケーターの断面図である。
【図9】図9は、図6の(9−9に沿って)第二の活性ポジションのインジケーターを示す、インジケーターの断面図である。
【図10】図10は、図6のキャップを除き容器を覗き込んだ、インジケーターの容器の上面図である。
【図11】図11は、図6から図10の読取機もしくはホルダーの取り付け部分に対応するインジケーターシステムの下部を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端、下端、上端に設けられた開口部を有し、微生物の集結および/または酵素を収容するためのポリマーの容器と、
成長培地を保持するためのキャップとを含み、
上記キャップは、外壁、閉鎖された上端、下端、キャップの下端に隣接する開口部、キャップの下端に隣接する開口部を有する内部チャンバーを輪郭付ける内壁、成長培地および/または酵素と反応する基質を収容する内部チャンバー、内部チャンバーの開口部を覆う、破れやすい障壁を含む、成長培地を保持するためのキャップを有する滅菌処理の有効性を評価するための内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項2】
破れやすい障壁に穴を空けるための、容器内に配置された少なくとも一つの突起をさらに含む、請求項1に記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項3】
キャップは、破れやすい障壁が少なくとも一つの突起の先端から離れている、第一のポジションで容器に搭載可能であり、そして、キャップは、突起が破れやすい障壁を破ることにより成長培地を容器に放出する、第二のポジションに移動可能である、請求項2に記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項4】
キャップと容器は、スナップ式で嵌まり合う関係で、容器上にキャップが配置されている、請求項2または3に記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項5】
キャップと容器は、ねじ式で嵌まり合う関係で、容器上にキャップが配置されている、請求項2または3に記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項6】
キャップと容器は独立してポリマー材料によって形成され、当該ポリマー材料は、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル、ポリイミド、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、またはこれらの二つ以上の組み合わせから選択される、請求項1〜5の何れかに記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項7】
ポリマー材料が、ポリオレフィンと、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせとを含む、請求項6に記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項8】
容器は、容器外面から延びる少なくとも二つの支持部材をさらに含む、請求項1〜7の何れかに記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項9】
キャップおよび/または容器の少なくとも一つは、容器内に滅菌剤を導入する少なくとも一つの穴を有する、請求項1〜8の何れかに記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項10】
破れやすい障壁が、ポリマー材料、金属箔、またはこれらの組み合わせから形成されている、請求項1〜9の何れかに記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項11】
破れやすい障壁は、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル、ポリイミド、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、またはこれらの二つ以上の組み合わせから選択されるポリマー材料から形成されている、請求項1〜10の何れかに記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項12】
破れやすい障壁の少なくとも片面がコロナ処理されている、請求項11に記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項13】
破れやすい障壁の少なくとも片面が金属で被覆されている、請求項11に記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項14】
破れやすい障壁は、第一の厚さを有し、さらに、第一の厚さよりも薄い第二の厚さを有する少なくとも一つの領域を有している、請求項1〜13の何れかに記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項15】
破れやすい障壁は、金型切断(die-cut) 線を有している、請求項1〜14の何れかに記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項16】
破れやすい障壁は、自己崩壊し、溶融によって破られる、請求項1,6〜11の何れかに記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項17】
破れやすい障壁は、熱収縮フィルムから形成される、請求項1,6〜11の何れかに記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項18】
破れやすい障壁が、接着、ヒートシール、超音波溶着、またはこれらの二つ以上の組み合わせによってキャップのチャンバーに取り付けられる、請求項1〜17の何れかに記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項19】
容器内に滅菌剤を導入する少なくとも一つの曲がりくねった経路が形成されている、請求項1〜18の何れかに記載の内蔵型滅菌インジケーター。
【請求項20】
(a)上部、下部、上部の開口部からなり、内部空間を形成するポリマー容器;および(b)成長培地を含む内部チャンバーを有するキャップ、上記内部チャンバーはキャップおよびチャンバーの下部に隣接する開口部で輪郭付けられ、上記キャップはさらにチャンバーを覆う、破れやすい障壁を含む;を含む内蔵型生物学的インジケーターを用い、
高い滅菌抵抗力を有する微生物を容器に植菌し、
キャップを、破れやすい障壁が破れない位置である第一のポジションで容器に搭載し、
微生物を滅菌処理に曝し、
キャップの破れやすい障壁を破ることにより、容器の内部空間に成長培地を流れ込ませて微生物と接触させ、
微生物の成長を促進するのに充分な条件下の成長培地で微生物を培養し、
生存する微生物の存在を検出する、
ことを含む、滅菌の有効性を評価する方法。
【請求項21】
内蔵型生物学的インジケーターの容器は、容器の上部に隣接する少なくとも一つの突起を有し、破れやすい障壁は、キャップが第一のポジションから、少なくとも一つの突起が破れやすい障壁を破って開ける第二のポジションに移動することで破られる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
破れやすい障壁は、溶解性高分子フィルムから形成され、当該障壁は、障壁を溶解させるのに充分な温度に内蔵型生物学的インジケーターを曝すことにより破られる、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
破れやすい障壁は、熱収縮ポリマーフィルムから形成され、当該障壁は、障壁の収縮および引き裂きを起こさせるのに充分な温度に内蔵型生物学的インジケーターを曝すことにより破られる、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
成長培地が寒天を含む、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
微生物が容器の内面に配置される、請求項20〜24の何れかに記載の方法。
【請求項26】
微生物が、容器の内部空間に配置された基質に置かれる、請求項20〜24の何れかに記載の方法。
【請求項27】
キャップ、容器または両方に、容器に滅菌剤を導入する少なくとも一つの曲がりくねった経路が形成されている、請求項20〜26の何れかに記載の方法。
【請求項28】
閉鎖された下端、上端、上端の開口部を有するポリマー容器、
容器に配置された微生物の集結、
容器の上端を越えて容器に搭載されたキャップ、当該キャップは、閉鎖された上端、開放された下端、外壁、開口部を有する内部チャンバーを輪郭付ける内壁、内部チャンバーの開口端を覆う、壊れやすい障壁を有している、
キャップの内部チャンバー内に配置されて封入されている液状の成長培地、
を含む、生物学的インジケーターシステム。
【請求項29】
容器に組み込まれ、壊れやすい障壁を壊すのに適合した穴空け部材をさらに含む、請求項28に記載の生物学的インジケーターシステム。
【請求項30】
第一のポジションと第二のポジションとの間を移動するためにキャップは容器に搭載され、第一のポジションでは壊れやすい障壁が穴空け部材から離れており、キャップが第一のポジションから第二のポジションへ移動したときに穴空け部材が壊れやすい障壁に穴を空けて引き裂く、請求項29に記載の生物学的インジケーターシステム。
【請求項31】
壊れやすい障壁は、壊れやすい障壁の破壊を引き起こす物理的変化を生じる高温に曝されると物理的変化を生じるポリマー材料から形成されている、請求項28〜30の何れかに記載の生物学的インジケーターシステム。
【請求項32】
物理的変化が溶融である、請求項31に記載の生物学的インジケーターシステム。
【請求項33】
物理的変化が収縮および/または引き裂きである、請求項31に記載の生物学的インジケーターシステム。
【請求項34】
キャップおよび/または容器の少なくとも一つは、滅菌性流体を受け取る少なくとも一つの穴を有する、請求項28〜33の何れかに記載の生物学的インジケーターシステム。
【請求項35】
キャップは少なくとも一つの穴を有し、キャップは容器と協調して、容器に滅菌性流体を導入する、請求項34に記載の生物学的インジケーターシステム。
【請求項36】
容器の下端は外面と共に土台を形成し、土台の外面は表面形状を形成し、上記表面形状は、生物学的インジケーターシステムを保持する器具の相当するパターンに合致する、特徴的なパターンを形成している、請求項28〜35の何れかに記載の生物学的インジケーターシステム。
【請求項37】
容器の外部表面から延びる少なくとも一つの支持部材をさらに含む、請求項28〜36の何れかに記載の生物学的インジケーターシステム。
【請求項38】
容器の下端は土台の表面を形成し、土台の表面と少なくとも一つの支持部材は、生物学的インジケーターシステムを保持する器具の表面の相当するパターンに合致する、特徴的なパターンを形成するように表面形状を規定している、請求項37に記載の生物学的インジケーターシステム。
【請求項39】
(a)上部、下部、上部の開口部からなり、内部空間を形成するポリマー容器;および(b)活性酵素と反応する基質を含む溶液を含む内部チャンバーを有するキャップ、上記内部チャンバーはキャップおよびチャンバーの下部に隣接する開口部で輪郭付けられ、上記キャップはさらにチャンバーを覆う、破れやすい障壁を含む;を含む内蔵型滅菌インジケーターを用い、
容器内に高い滅菌抵抗力を有する活性酵素の集結を配置し、
キャップを、破れやすい障壁が破れない位置である第一のポジションで容器に搭載し、
活性酵素を滅菌処理に曝し、
キャップの破れやすい障壁を破ることにより、容器の内部空間に基質を含む溶液を流れ込ませて活性酵素と接触させ、
酵素の活性を検出する、
ことを含む、滅菌の有効性を評価する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−503994(P2012−503994A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530088(P2011−530088)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/055822
【国際公開番号】WO2010/039388
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(302044247)アメリカン ステリライザー カンパニー (24)
【Fターム(参考)】