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内装材およびその製造方法
説明

内装材およびその製造方法

【課題】タバコ臭の原因物質であるアセトアルデヒドやシックハウスの原因物質であるホルムアルデヒドの分解除去性能が高い内装材を、天然素材を使って提供する。
【解決手段】内装材であって、貝殻の主成分である炭酸カルシウムが酸化カルシウムに変化し始める温度で焼成された貝殻粉末と、焼成貝殻粉末の表面に固定化されたアナターゼ型酸化チタンと、海草糊とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内装材およびその製造方法に関し、特にタバコ臭の原因物質であるアセトアルデヒドやシックハウスの原因物質であるホルムアルデヒドの分解除去性能が高い内装材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高気密性空間が私たちの生活に要求される半面、空間における空気汚染が問題化されている。汚染物質を取り除くための技術として、人に優しい天然素材を如何に利用するかという点が重要である。貝殻粉末を用いた内装材、光触媒酸化チタンを取り入れた内装材の開発例は散見される(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
例えば、特開2006−307623号公報には、内装建材とその内装建材に積層された基材とその基材の表面に直接製膜された二酸化チタン薄膜とを備え、その二酸化チタン薄膜の膜厚が10nm以上100nm未満で製膜する工程と、その基材を内装建材に積層する工程とを含む環境機能建材の製造方法が開示されているが、基材の表面に二酸化チタンの薄膜を設けることから表面の機能としては二酸化チタンの光触媒のみが発揮されることとなる。それと製造工程が複雑で実用的ではない。
【0004】
また、特開2006−256880号公報には、貝殻の微粉末と酸化チタンとを粘土をバインダーとして混ぜ合わせて成形体を形成し、この成形体を焼成する構成とした焼成体が開示されているが、粘土をバインダーとして使用するため酸化チタン、貝殻の機能が十分に発揮されないし、タイル等の用途を対象としているため、壁等の垂直面への塗布には不向きである。
【特許文献1】特開2006−307623号公報
【特許文献2】特開2006−256880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、タバコ臭の原因物質であるアセトアルデヒドやシックハウスの原因物質であるホルムアルデヒドの分解除去性能が高い内装材を、天然素材を使って提供することができない点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の内装材は、貝殻の主成分である炭酸カルシウムが酸化カルシウムに変化し始める温度で焼成された貝殻粉末と、焼成貝殻粉末の表面に固定化されたアナターゼ型酸化チタンと、海草糊を含むことを第1の特徴とする。
【0007】
本発明の内装材は、貝殻粉末の焼成温度が700℃以上900℃以下であることを第2の特徴とする。
【0008】
本発明の内装材は、貝殻が二枚貝の貝殻であることを第3の特徴とする。
【0009】
本発明の内装材は、さらに麻スサと古紙を含有することを第4の特徴とする。
【0010】
本発明の内装材は、焼成貝殻粉末を70〜85質量%、アナターゼ型酸化チタンを5〜25質量%、麻スサを0〜2質量%、古紙を2〜7質量%含有することを第5の特徴とする。
【0011】
本発明の内装材には、焼成貝殻粉末を70〜85質量%の範囲で用いるのが好ましく、70質量%未満ではアセトアルデヒドやホルムアルデヒドに対する酸化チタンの光触媒作用を吸着という面から補助するには効果を奏することができないと同時に、繋ぎとしてのスサ、古紙の割合が増えることによる壁材としての不適さが現れ好ましくなく、85質量%を超えると内装材として脆くなる傾向があり好ましくない。麻スサを0〜2質量%の範囲で用いるのが好ましく、2質量%を超えると他の成分との混和性が悪いために好ましくない。古紙を2〜7質量%の範囲で用いるのが好ましく、2質量%未満では他の成分との繋ぎ効果がなく7質量%を超えると酸化チタンと焼成貝殻粉末の効果を妨げることになるために好ましくない。
【0012】
本発明の内装材は、さらに無機顔料を添加することを第6の特徴とする。
【0013】
本発明の内装材の製造方法は、貝殻の主成分である炭酸カルシウムが酸化カルシウムに変化し始める温度で貝殻粉末を焼成し、焼成された貝殻粉末とアナターゼ型酸化チタン粉末と海草糊を混合することによって前記焼成貝殻粉末の表面に前記アナターゼ型酸化チタン粉末を固定化させることを第1の特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
多孔質性の貝殻に酸化チタンを固定化させることは難しかったが、貝殻の主成分である炭酸カルシウムが酸化カルシウムに変化し始める温度で焼成することにより、一部が酸化カルシウムに変化し、この酸化カルシウムが水分、二酸化炭素を吸収することで、元の炭酸カルシウムに戻る過程と天然素材である海草糊(つのまた等)の組み合わせで酸化チタンを固定化するのに有効となる。
【0015】
焼成貝殻だけを含み酸化チタンを含まない内装材は、アセトアルデヒドやホルムアルデヒド等の有害物質を吸着するという作用しかないため、大きな大気浄化効果は望めない。しかし、酸化チタンが固定化された焼成貝殻の粉末を含む内装材は、光触媒である酸化チタンによる有害物質の分解過程も加わるため、大気浄化効果が大きい。
【0016】
また、従来の内装材は接着剤としてアクリル樹脂系エマルジョン、ポリビニル系高分子等の有機樹脂系エマルジョンを用い固めているが、本技術においては天然素材である海草糊(つのまた等)と無機物質を物理的に固めることができると同時に、環境中に放出されても2次的な環境汚染はない。
【0017】
後述するように、貝殻の微粉末と光触媒である酸化チタンを天然素材を用いて得られる内装材によって、生活空間内で発生、あるいは生活空間内に持ち込まれた化学物質過敏症原因物質およびその他の有害化学物質を吸着・光分解によって無害化することができる。同様に、タバコ臭あるいはタバコヤニ等を吸着・光分解除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、以下の説明は、単なる例示に過ぎず、本発明の技術的範囲は以下の説明に限定されるものではない。
【0019】
[発明の概要]
所定温度で焼成した二枚貝殻の微粉末、光触媒であるアナターゼ型酸化チタン、海草糊であるつのまた、バインダーとして麻スサ、古紙を水で練り合わせ、壁に薄く塗布することにより、室内における有害化学物質の吸着・分解除去ができる。焼成した貝殻はその焼成温度の違いにより、炭酸カルシウム、酸化カルシウムの成分割合を変える。これを水で練り、塗布することにより漆喰と同様の固化の働きをし、また、貝殻の多孔質性のため、吸着効果も大きいため、大気浄化内装材として実用化できる。着色については、天然無機顔料を加えることにより好みの色も達成できる。また、鏝さばきにより内装材表面を美的に表現することができる。二枚貝殻の微粉末は、50〜500μm程度であることが好ましく、50μm未満ではその調製が煩雑で実用的ではない。また500μmを超えると内装材が脆くなる傾向にあり好ましくない。
【0020】
[貝殻を用いた内装材の製造方法]
(1)牡蠣殻を粉砕し、乳鉢ですりつぶした後、水中に浸漬・吸引ろ過する工程を数回繰り返した後、乾燥させる。この段階で牡蠣殻に含まれている塩分は完全に除去できる。
(2)貝殻粒子径が大きすぎると、塗布した場合に酸化チタンが壁に固定化されない場合があるため、振るいにかけ、500ミクロン以下の粒子にする。
(3)電気炉で焼成:貝殻粉末を700℃〜1000℃で、10〜20分間焼成する。
【0021】
この温度で焼成することによって、貝殻の成分を変化させることができる。さらに、貝殻に含まれる有機不純物質を完全に取り除くことができる。
貝殻の焼成は、下記のように、主成分の炭酸カルシウムを酸化カルシウムに変える。
CaCO3 → CaO
酸化カルシウムは、下記のように、空気中の水分を吸収し水酸化カルシウムとなる。
CaO → Ca(OH)2
水酸化カルシウムは、下記のように、空気中の二酸化炭素を吸収することで炭酸カルシウムとなる。
Ca(OH)2 → CaCO3
これらの過程で、酸化チタン微粒子を貝殻表面に固定化する。
【0022】
<貝殻焼成温度による炭酸カルシウムの成分変化>
牡蠣殻粉末を電気炉で加熱した場合の酸化カルシウムへの変換率(貝殻に含まれる有機不純物を取り除いた後での変換率)を以下に示す。各温度での保持時間は15分とする。
加熱温度700℃の場合、炭酸カルシウムの6.8質量%が酸化カルシウムに変化
加熱温度850℃の場合、炭酸カルシウムの43.0質量%が酸化カルシウムに変化
炭酸カルシウムの水溶液では、pHが9.8程度であったのが、700〜900℃に焼成することによって12.5程度に上昇し、本発明の内装材として好適となる。ちなみに、加熱温度1000℃の場合、炭酸カルシウムの73.0質量%が酸化カルシウムに変化した。また、700℃未満では、酸化カルシウムへの変化が弱く、酸化チタンの固定化がよくなく、水に弱い内装剤となり好ましくない。
【0023】
<光触媒酸化チタン>
光触媒酸化チタンは、アナターゼ型光触媒用酸化チタンを使用する。本明細書では、「酸化チタン」は原則として「アナターゼ型光触媒用酸化チタン」を意味するものとする。
<つなぎ材>
貝殻粉末、酸化チタンのつなぎとして麻スサ(不要な麻袋の再利用)、紙の繊維、たとえば古紙(水に溶けやすい再生パルプなど)を用いる。
<接着剤>
上記物質を接着、また壁への接着をするために、天然液体海草糊(例えば、つのまた糊)あるいは粉末海草糊を用いる。
【0024】
[タバコ臭、ヤニの光触媒分解に関する実験]
<タバコ臭>
タバコ臭の主な原因物質はアセトアルデヒドである。
(第1の内装材)
850℃で15分間焼成した牡蠣殻(粒径約100μm) 81質量%
テイカ(株)製酸化チタンAMT100 15質量%
細く裁断した麻スサ 1質量%
古紙再生パルプ 3質量%
これらを液体つのまた糊(村樫石灰工業(株)製つのまた海草糊7容に水5容を加えたもの)に溶かした物を、第1の内装材とする。
第1の内装材をプラスチックプレートあるいは石膏ボードに塗り、2日間自然乾燥・養生させることで、表面に酸化チタンが固定化されたプレートができる。上記内装剤が1kgあれば4m2の壁に塗布することができる。以下に、この酸化チタン固定化プレートを用いたタバコ臭・ヤニの分解除去例を示す。
【0025】
<実験>
図7は、ガス濃度測定装置の概要を示す。同図に示すように、26×26×10cm3の透明アクリル密閉容器11に、第1の内装材を塗布した表面積14×15cm2のプラスチックプレート12を入れ、タバコ(図示せず)を燃焼させる。半径3cmのファン13を取り付けた小型モーター14を分速3600回転で回転させて容器11中の空気を攪拌し、均一の濃度にする。
タバコを完全に燃焼させてから10分後のアセトアルデヒドの濃度を、アセトアルデヒドの初期濃度とする。その後6W紫外線ランプ15を用いて紫外線を照射し、アセトアルデヒド濃度をガステック(株)製のガス検知管(図示せず)を用いて透明アクリル密閉容器11で測定する。
【0026】
<結果>
(第1のプレート)
前記第1の内装材をプラスチックプレート(表面積14×15cm2)に塗り、2日間乾燥、養生させる。
図1に、紫外線照射時間とアセトアルデヒド濃度との関係を示す。同図に示すように、焼成温度850℃の牡蠣殻を使用した場合(第1のプレートを密閉容器11に入れた場合)、紫外線照射時間とアセトアルデヒド濃度との関係は以下のとおりである。
照射時間 0時間 アセトアルデヒド濃度 19ppm
照射時間 2時間 アセトアルデヒド濃度 15ppm
照射時間 4時間 アセトアルデヒド濃度 7ppm
照射時間 6時間 アセトアルデヒド濃度 2ppm
照射時間 8時間 アセトアルデヒド濃度 0ppm
【0027】
図1に示すように、酸化チタンを固定化したプレートを入れた場合、初期のアセトアルデヒド濃度は19ppmであったが、照射開始から8時間経過後にアセトアルデヒド濃度は0ppmとなった。
【0028】
酸化チタン固定化プレートを入れないで紫外線を照射した場合、紫外線照射時間とアセトアルデヒド濃度との関係は以下のとおりである。
照射時間 0時間 アセトアルデヒド濃度 12ppm
照射時間 2時間 アセトアルデヒド濃度 10ppm
照射時間 4時間 アセトアルデヒド濃度 10ppm
照射時間 8時間 アセトアルデヒド濃度 10ppm
【0029】
以上のことから、光触媒によるアセトアルデヒドの分解が確認される。
【0030】
[ヤニ問題]
<実験>
内装材を塗布した石膏ボード81(15×45cm2)の1/3の部分811(図8)を図示しない食品包装用ラップフィルム(日本生活協同組合連合会製。コープラップ)で覆う。石膏ボード81を50cm×50cm×40cmの透明アクリル密閉容器(図示せず)に入れる。食品包装用ラップフィルムで覆われていなかった部分(図8の部分812と813)にヤ二が付着し、黄ばんだ。
次に、ヤニが付着して黄ばんでいる部分(部分812と813)の半分(部分813だけ)をアルミホイール(図示せず)で覆い、石膏ボード81の全体を太陽光に当てた。
【0031】
<結果>
太陽光にあてられた部分812はヤニもタバコ臭も消えた。太陽光にあてられなかった部分813はヤニもタバコ臭も消えなかった。
【0032】
<比較実験>
市販の漆喰内装材を塗布した石膏ボードに同じようにしてヤニを付着させ、太陽光を照射したが、ヤニは消えなかったと同時にタバコ臭も残っていた。
【0033】
[シックハウス原因物質ホルムアルデヒドの光触媒分解]
(第2のプレート)
牡蠣殻を700℃で焼成したこと以外は前記第1の内装材と同じである第2の内装材をプラスチックプレートに塗り、2日間乾燥、養生させる。
(第3のプレート)
牡蠣殻を1000℃で焼成したこと以外は前記第1の内装材と同じである第3の内装材をプラスチックプレートに塗り、2日間乾燥、養生させる。
(第4のプレート)
10gの光触媒酸化チタンのみを均一にプラスチックプレートに敷き詰める。牡蠣殻、麻スサ、古紙、液体つのまた糊は使用しない。
【0034】
<実験>
図7に示した密閉容器11に前記第1〜4のいずれかのプレートを入れる。密閉容器11に初期濃度50ppmのホルムアルデヒドを入れ、紫外線ランプ15を用いて紫外線をプレートに照射し、ホルムアルデヒド濃度をガス検知管で測定する。
【0035】
<結果>
図2及び図3に、紫外線照射時間とホルムアルデヒド濃度との関係を示す。図3は図2の一部を拡大したものである。
図2に示すように、触媒なしの場合(プレートを入れない場合)、紫外線照射時間とホルムアルデヒド濃度との関係は以下のとおりである。
照射時間 0分 ホルムアルデヒド濃度 50ppm
照射時間 30分 ホルムアルデヒド濃度 48ppm
照射時間 60分 ホルムアルデヒド濃度 48ppm
このことからホルムアルデヒドは紫外線照射によっては分解されないということが分かる。
【0036】
図3に示すように、触媒のみの場合(第4のプレートを入れた場合)、紫外線照射時間とホルムアルデヒド濃度との関係は以下のとおりである。
照射時間 30分 ホルムアルデヒド濃度 9ppm
照射時間 60分 ホルムアルデヒド濃度 6ppm
照射時間120分 ホルムアルデヒド濃度 2ppm
【0037】
図3に示すように、焼成温度700℃の牡蠣殻を使用した場合(第2のプレートを入れた場合)、紫外線照射時間とホルムアルデヒド濃度との関係は以下のとおりである。
照射時間 30分 ホルムアルデヒド濃度 5ppm
照射時間 60分 ホルムアルデヒド濃度 2ppm
照射時間120分 ホルムアルデヒド濃度 1ppm
【0038】
図3に示すように、焼成温度850℃の牡蠣殻を使用した場合(第1のプレートを入れた場合)、紫外線照射時間とホルムアルデヒド濃度との関係は以下のとおりである。
照射時間 30分 ホルムアルデヒド濃度 3ppm
照射時間 60分 ホルムアルデヒド濃度 0.6ppm
照射時間120分 ホルムアルデヒド濃度 0.2ppm
【0039】
また、焼成温度1000℃の牡蠣殻を使用した場合(第3のプレートを入れた場合)、紫外線照射時間とホルムアルデヒド濃度との関係は以下のとおりである。
照射時間 30分 ホルムアルデヒド濃度 4.2ppm
照射時間 60分 ホルムアルデヒド濃度 2.7ppm
照射時間120分 ホルムアルデヒド濃度 1ppm
【0040】
焼成温度にかかわらず、光触媒酸化チタンのみの場合よりも牡蠣殻を入れたほうがホルムアルデヒドの濃度減少が良いのは、酸化チタンによる光分解の他に牡蠣殻による吸着現象も加味されるためである。
また、濃度変化には、焼成温度による違いが見られ、850℃焼成牡蠣殻を含有する場合が最も効率が良い。1000℃焼成牡蠣殻使用の場合(第3のプレート)は脆くなり耐久性がない。700,850又は900℃焼成牡蠣殻を使用したプレートには長期間放置しても脆さが出てこない。
【0041】
<低濃度ホルムアルデヒドの分解>
図7に示した密閉容器11に、850℃で焼成した牡蠣殻を含有する内装材を塗布したプレート(前記第1のプレート)を入れて、低濃度ホルムアルデヒドの分解について調べた結果を図4に示す。
紫外線照射時間とホルムアルデヒド濃度との関係は以下のとおりである。
照射時間 0分 ホルムアルデヒド濃度 6ppm
照射時間 30分 ホルムアルデヒド濃度 0.3ppm
照射時間 60分 ホルムアルデヒド濃度 0ppm
初期濃度6ppmのホルムアルデヒドは、1時間で完全に分解される。
【0042】
<酸化チタン混合割合によるホルムアルデヒド分解効果>
酸化チタン混合割合を10質量%、20質量%と変えたときのホルムアルデヒド分解効果について説明する。図5は紫外線照射時間とホルムアルデヒド濃度との関係を示す。図6は図5の一部を拡大したものである。
【0043】
(第5のプレート)
850℃で15分間焼成した牡蠣殻 86質量%
酸化チタン 10質量%
スサ(麻) 1質量%
古紙 3質量%
これらを前記液体つのまた糊に溶かし、プラスチックプレートに塗り、2日間自然乾燥・養生させて、表面に酸化チタンが固定化されたプレートを作る。
【0044】
図7に示した密閉容器11に、前記第5のプレートを入れた場合の紫外線照射時間とホルムアルデヒド濃度との関係は以下のとおりである。
照射時間 0分 ホルムアルデヒド濃度 50ppm
照射時間 30分 ホルムアルデヒド濃度 5ppm
照射時間 60分 ホルムアルデヒド濃度 3ppm
照射時間 120分 ホルムアルデヒド濃度1.8ppm
照射時間 180分 ホルムアルデヒド濃度0.5ppm
【0045】
(第6のプレート)
850℃で15分間焼成した牡蠣殻 76質量%
酸化チタン 20質量%
スサ(麻) 1質量%
古紙 3質量%
これらを液体つのまた糊に溶かし、プラスチックプレートに塗り、2日間自然乾燥・養生させて、表面に酸化チタンが固定化されたプレートを作る。
【0046】
図7に示した密閉容器11に、前記第6のプレートを入れた場合の紫外線照射時間とホルムアルデヒド濃度との関係は以下のとおりである。
照射時間 0分 ホルムアルデヒド濃度 50ppm
照射時間 30分 ホルムアルデヒド濃度 3ppm
照射時間 60分 ホルムアルデヒド濃度 0.6ppm
照射時間 120分 ホルムアルデヒド濃度 0.2ppm
【0047】
酸化チタン含有量20%の第6のプレートの方が、酸化チタン含有量10質量%の第5のプレートよりホルムアルデヒド減少効果が大きい。内装材として求められる機能、例えば、内装材としての成形性、分解除去性能、耐久性等を考慮すると、酸化チタン含有量は、5から25質量%、好ましくは10から15重質量%程度で十分と思われる。5質量%未満では、光触媒としての機能が十分に発揮できず、25質量%を超えると、内装材中に固定化できず、表面に白く浮き出た形態を呈することとなる。
[発明の利用形態]
内装材として直接上塗りして用いても良い。また、下塗りには光触媒を除いた多孔質性の焼成貝殻(吸着作用のみ)を、上塗りには酸化チタンを混合した内装材(吸着作用及び光分解作用あり)を用いることにより、一層の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】紫外線照射時間とアセトアルデヒド濃度との関係を示す図である。
【図2】紫外線照射時間とホルムアルデヒド濃度との関係を示す図である。
【図3】図2の一部を拡大した図である。
【図4】ホルムアルデヒドの初期濃度が低い場合における紫外線照射時間とホルムアルデヒド濃度との関係を示す図である。
【図5】酸化チタン混合量が10質量%又は20質量%の場合の紫外線照射時間とホルムアルデヒド濃度との関係を示す図である。
【図6】図5の一部を拡大した図である。
【図7】ガス濃度測定装置の概要を示す図である。
【図8】石膏ボードに付着させたヤニやタバコ臭が紫外線照射によって消えるかを調べる実験を説明するための図である。
【符号の説明】
【0049】
11 透明アクリル密閉容器
12 プラスチックプレート
13 ファン
14 小型モーター
15 紫外線ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貝殻の主成分である炭酸カルシウムが酸化カルシウムに変化し始める温度で焼成された貝殻粉末と、
前記焼成貝殻粉末の表面に固定化されたアナターゼ型酸化チタンと、
海草糊と
を含むことを特徴とする内装材。
【請求項2】
前記焼成温度が700℃以上900℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の内装材。
【請求項3】
前記貝殻が二枚貝の貝殻であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内装材。
【請求項4】
さらに麻スサと古紙を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内装材。
【請求項5】
前記焼成貝殻粉末を70〜85質量%、前記アナターゼ型酸化チタンを5〜25質量%、前記麻スサを0〜2質量%、前記古紙を2〜7質量%含有することを特徴とする請求項4に記載の内装材。
【請求項6】
さらに無機顔料を添加することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内装材。
【請求項7】
貝殻の主成分である炭酸カルシウムが酸化カルシウムに変化し始める温度で貝殻粉末を焼成し、
焼成された貝殻粉末とアナターゼ型酸化チタン粉末と海草糊を混合することによって前記焼成貝殻粉末の表面に前記アナターゼ型酸化チタン粉末を固定化させることを特徴とする内装材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−196274(P2008−196274A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35286(P2007−35286)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(504165591)国立大学法人岩手大学 (222)
【Fターム(参考)】