説明

内装材用の表面処理材

【課題】内装材を、見た目にも美しく、人に優しい柔らかさと、美しさ、そして優れた吸湿性や放湿性を有したものとすることのできる、内装材用の表面処理材を提供すること。
【解決手段】叩解して長さを0.1〜50mmに調整したパルプ繊維、または1〜500平方ミリメートルに細断した紙片、あるいはこれらパルプ繊維及び紙片の混合物100重量部に対して、エマルション系樹脂または油脂組成物を50〜200重量部と、表面活性剤及び分散剤を含む添加剤を1〜20重量部とを添加したこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理材に関し、特に表面処理対象物が、建築物の外壁、あるいは内部の天井材、壁材または壁紙、塗料、間仕切り、下地素材等の、内装材である場合に適した表面処理材に関するものである。ここで、「下地素材」として利用されるものには、石膏ボード、木片セメント板、パルプセメント板、窯業系サイデイング、繊維強化セメント板、繊維板(パーティクルボード、MDF、インシュレーションボード)、製材板材、集成材あるいはこれらの複合板などがあることを付言する。
【背景技術】
【0002】
天井や壁に採用される内装材は、これが使用される部屋の雰囲気を決定づけるものであるため、意匠性に優れていることが必要であることは当然として、人の住空間を包み込むことになるものであるから、保湿性、一定の吸湿及び放湿性(以下では、まとめて吸放湿性ということがある)も必要である。また近年では、各種建材から発生する有害物質等を吸着する機能(吸着性)も、この種の内装材に要求されてきており、この吸着性によって、所謂「シックハウス症候群」的な病気の発生を抑制できるようにすることが望まれている。
【0003】
さらに、この種の内装材については、壁紙におけるような「防汚性」も要求され、上述した「吸着性」を良好にするための「通気性」も要求されてきていて、場合によっては相反する機能の要求もなされるようになってきている。
【0004】
以上のような内装材に対する種々な要求を満足するために、例えば特許文献1にてその対策技術が提案されている。
【0005】
この特許文献1にて提案されている「繊維粉末含有無機系接着性組成物」は、「無機系接着性組成物の耐水性の向上や硬化後の柔軟性の確保や接着性の向上やコーティング性の向上を図り、耐火性や耐熱性や難燃性や断熱性や十分な硬化性を有し、さらにレオロジー特性を変化または調節できる材料として、入手が容易で、安価な材料で、環境問題に貢献可能で、人体に対しても環境に対しても安全である、無機系接着性組成物」を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
そして、この特許文献1にて提案されている「繊維粉末含有無機系接着性組成物」は、「水溶性の無機系粘着性接着性組成物の中から選ばれた少なくとも1種類または/及びレオロジー特性の調節材料として植物の粉体または繊維質の粉体の中から選ばれた少なくとも1種類または/及び所望による他の助剤物質の中から選ばれた少なくとも1種類を含んでなる組成物であること」を特徴とするものである。
【0007】
なお、この特許文献1の段落段落0015及び0016には、以下の記載がある。
「前記パルプの粉末に関しては、木材などの植物体を機械的・化学的に処理してほぐし、セルロース繊維を分離し水に懸濁した状態や厚紙状にしたものをいい、製造法により化学パルプと機械パルプの二種に大別され、紙・人造繊維などの原料となるものであれば、何を用いても構わない。なお、前記パルプに関しては、バージンパルプでも古紙パルプどちらでも使用可能である。」
「また、前記パルプの粉末の粒子径に関しては、約0.1μm〜1mmで使用可能であるが、好ましくは約1〜100μmであるが、前記パルプの粉末の粒子径が100μm以上の場合、レオロジー特性が強すぎて実用的ではないし、前記パルプの粉末の粒子径が1μm以下であればコストが高くなり実用的ではないが、付加価値の高い成型品に応用する場合はこの限りではない。」
「また、前記パルプの粉末の添加量は、前記無機系粘着性接着性組成物100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましいが、好適には1〜20重量部が好ましい。例えば、前記無機系粘着性接着性組成物が100重量部の場合、前記パルプの粉末が0.1重量部以下であればレオロジー特性は弱すぎて実用的ではないし、前記パルプの粉末が20重量部以上であればコストが高くなり実用的ではないが、付加価値の高い成型品に応用する場合はこの限りではない。」
【0008】
いずれにしても、この特許文献1の技術では、「レオロジー特性の調節材料として植物の粉体または繊維質の粉体の中から選ばれた少なくとも1種類」を採用するものであるが、この組成物中で使用されている「植物の粉体または繊維質の粉体」は、粉体にされているため、その自然の美しさは殆ど残存していないし、当該特許文献1の発明者も、植物繊維の美しさを利用することについては全く気付いていない。
【特許文献1】特開2004−250310号公報、要約、段落0015
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
植物の繊維(以下ではパルプ繊維と言う)、あるいはこれを使用して形成した「紙」は、それ自体美しいものであることは当然として、古来日本では「唐紙や障子紙」として使用されてきただけあって、非常に吸湿性や放湿性(以下では、単に吸放湿性とまとめて言うことがある)に優れているものとして知られている。勿論、叩解したパルプ繊維や紙は、人に優しい柔らかさをも備えているものであり、耐衝撃性にも優れた素材である。
【0010】
以上の点を、住宅の内装材に適用することについて考察してみると、内装材が、人に優しい柔らかさと、美しさ、そして優れた吸湿性や放湿性を有していれば、シックハウス症候群の防止は勿論、快適な住空間を形成することができるであろうことに思い至る。
【0011】
そこで、本発明者等は、見た目にも美しく、人に優しい柔らかく、しかも優れた吸湿性や放湿性を有した内装材として表面処理できるものとするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0012】
すなわち、本発明の目的とするところは、内装材を、見た目にも美しく、人に優しい柔らかさと、美しさ、そして優れた吸湿性や放湿性を有したものとすることのできる、内装材用の表面処理材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以上の課題を解決するために、本発明の採った手段は、
「叩解して長さを0.1〜50mmに調整したパルプ繊維、または1〜500平方ミリメートルに細断した紙片、あるいはこれらパルプ繊維及び紙片の混合物100重量部に対して、エマルション系樹脂または油脂組成物を50〜200重量部と、表面活性剤及び分散剤を含む添加剤を1〜20重量部とを添加したことを特徴とする内装材用の表面処理材」
である。
【0014】
すなわち、本発明に係る表面処理材は、パルプ繊維または紙片あるいはこれらの混合物を、エマルション系樹脂または油脂組成物によって天井板や壁板あるいはクロス等の内装材上に、塗布及び接着可能としたものである。換言すれば、この表面処理材は、これを内装材上に塗布することにより、パルプ繊維や紙片が有している意匠上の美しさや、良好な通気性、吸放湿性、そして耐衝撃性を内装材の表面全体にそのまま添加できるようにするものである。
【0015】
この表面処理材において使用されるパルプ繊維は、例えばコウゾ(楮)、ミツマタ(三椏)、ガンピ(雁皮)、マニラ麻、あるいはレーヨンなどの所謂「和紙」の原料となるものが適しているが、一般的な紙パルプであってもよいものである。これらのパルプ繊維は、叩解して長さを0.1〜50mmに調整したものが好ましく、所謂「抄紙」する前の紙材料と言えば解りが早い。
【0016】
この内装材に使用されるパルプ繊維は、その繊維長が0.1〜50mmの範囲内にあるのが必要であるが、その理由は、繊維長が0.1mmより短いと、上述した特許文献1の「粉体」と同様な問題、つまり、自然素材としての長所を十分生かすことができず、内装材の表面に意匠上の美しさや、良好な吸気性及び吸放湿性を十分付与することができなくなるからである。一方、このパルプ繊維の繊維長が50mmを超えると、後述するエマルション系樹脂や油脂組成物に十分混合することができず、塗布作業が殆ど不可能になってくるからであり、仮に塗布できたとしても、パルプ繊維の先端が内装材表面からたくさん突出することになって、却って意匠性を損なうからである。
【0017】
以上のパルプ繊維に代えて、あるいはこのパルプ繊維に混合して使用される紙片は、上述した和紙は勿論、一般的な洋紙であってもよいが、1〜500平方ミリメートルに細断したものとする必要がある。細断したものである必要があるのは、後述するエマルション系樹脂または油脂組成物に対する混合を良好にするためである。この細断にあたっては、ランダムに細断することは勿論、大きさや形が一定した多角形状のものや、花びらの形状や動物の形状を象ったものにしてもよい。勿論、この紙片に着色を施せば、この表面処理材を塗布した内装材の意匠性をより一層高めることができる。
【0018】
また、この紙片の大きさが1〜500平方ミリメートルである必要があるが、その理由は、この紙片の大きさが1平方ミリメートルより小さいと、細かくなり過ぎて、紙片自体の美しさを十分表現できなくなってしまい、内装材の表面に意匠上の美しさや、良好な吸湿性及び吸放湿性を十分付与することができなくなるからである。一方、この紙片の大きさが500平方ミリメートルを超えると、後述するエマルション系樹脂や油脂組成物に十分混合することができず、塗布作業が殆ど不可能になってくるからである。
【0019】
以上の紙片、または上記パルプ繊維、あるいはこれらパルプ繊維及び紙片の混合物10重量部に対しては、エマルション系樹脂または油脂組成物が50〜200重量部と、表面活性剤及び分散剤を含む添加剤を1〜20重量部とを添加する必要がある。エマルション系樹脂または油脂組成物は、パルプ繊維や紙片の内装材に対する接着を果たすとと同時に、塗布作業によってこれらのパルプ繊維や紙片の内装材上に対する施工を果たすものであり、添加材は、エマルション系樹脂または油脂組成物中に対するパルプ繊維や紙片の分散を良好にするためのものである。
【0020】
エマルション系樹脂としては、アルクリ系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系、エポキシ系等の、水性系組成物が適しており、その中に無機質系のものを添加することも十分可能である。また、油脂組成物としては、前述の水性系組成物やひまし油やなたね油の自然系組成物が適用可能である。要するに、これらのエマルション系樹脂または油脂組成物は、前述したパルプ繊維や紙片を内装材上に塗布可能なように分散させるとともに、これらのパルプ繊維や紙片の間、あるいは内装材に対する接着を行うものである。
【0021】
また、添加材としては、少なくとも表面活性剤及び分散剤を含むことが必要である。これらの表面活性剤及び分散剤は、上記のパルプ繊維あるいは紙片を、上記のエマルション系樹脂または油脂組成物中に均等に分散させるために必要なものであり、当該表面処理材の塗布作業を良好にするためのものである。特に、表面活性剤は、パルプ繊維が比較的長い繊維を含む物である場合、勿論、この分散剤中には、当該表面処理材全体に着色を施すための顔料が添加されることもある。
【0022】
以上のような紙片、またはパルプ繊維、あるいはこれらの混合物10重量部に対しては、エマルション系樹脂または油脂組成物を50〜200重量部添加する必要があるが、その理由は、エマルション系樹脂または油脂組成物が50重量部よりも少ないと、パルプ繊維や紙片の分散と接着が十分行えないからである。一方、エマルション系樹脂または油脂組成物が200重量部を超えると、パルプ繊維や紙片の吸気性や吸放湿性を十分生かすことができず、単なる塗料としての機能しか生かすことができなくなって意味がないからである。
【0023】
また、上記のようなパルプ繊維や紙片と、エマルション系樹脂または油脂組成物との混合物に対しては、紙片、またはパルプ繊維、あるいはこれらの混合物10重量部としたときに、表面活性剤及び分散剤を含む添加剤を1〜20重量部を添加する必要がある。なお、この添加剤中には顔料や、その他塗装に必要な他の材料がされに添加されることはいうまでもない。
【0024】
この表面活性剤及び分散剤を含む添加剤を1〜20重量部を添加する必要があるのは、1重量部よりも少ないと、これらの表面活性剤及び分散剤の役割を十分発揮することができないからであり、逆に、20重量部よりも多ければ、添加した割には余り効果を期待することができずにコスト高となってしまうからである。
【0025】
以上のように構成した表面処理材は、これを手持ち塗布ローラー、圧送機等を使用して、建築物の外壁仕上材、内部の天井板、化粧壁紙、塗料あるいは下地素材へ塗布することによって簡単に施工される。このとき、エマルション系樹脂または油脂組成物が、パルプ繊維または紙片の内装材上に対する均等な分散を行うのに役立つとともに、乾燥後には、各パルプ繊維や紙片間は勿論、これらパルプ繊維や紙片の内装材上に対する接着を果たすことになるのである。この表面処理材の内装材上に対する塗布量としては、最低限、内装材上にパルプ繊維や紙片自体の模様が出来上がる程度であり、勿論、所謂「重ね塗り」も十分可能である。
【0026】
エマルション系樹脂または油脂組成物が乾燥した後においては、各パルプ繊維または紙片による模様が内装材上に浮き上がるし、これらのパルプ繊維または紙片は、エマルション系樹脂または油脂組成物の接着力により内装材に対してしっかりと一体化される。また、この表面処理材を「重ね塗り」した場合には、内装材の表面に多数のパルプ繊維や紙片が重なることになるから、これらのパルプ繊維や紙片によって人が触れた場合に柔らかさを感じさせるものとなる。勿論、これらのパルプ繊維や紙片は、耐衝撃性を本来的に有するものであるから、内装材の耐衝撃性を向上させていることは当然である。
【0027】
特に重要なことは、乾燥したエマルション系樹脂または油脂組成物を通して、各パルプ繊維または紙片の一部が内装材上に露出あるいは突出しているため、これらのパルプ繊維あるいは紙片が本来的に有している吸気性、及び吸放湿性が機能することである。つまり、内装材が吸湿性や放湿性を有していなくても、その上に塗布した表面処理材中のパルプ繊維や紙片が吸湿性や吸放湿性を十分発揮するから、この内装材は、結果的に十分な吸湿性及び吸放湿性を有することになるのである。
【0028】
従って、本発明に係る表面処理材は、内装材上に簡単に塗布できる良好な作業性を有しているだけでなく、内装材を、見た目にも美しく、人に優しい柔らかさと、美しさ、そして優れた吸湿性や放湿性を有したものとし得るものとなっているのである。
【発明の効果】
【0029】
以上、説明した通り、本発明に係る表面処理材は、
「叩解して長さを0.1〜50mmに調整したパルプ繊維、または1〜500平方ミリメートルに細断した紙片、あるいはこれらパルプ繊維及び紙片の混合物10重量部に対して、エマルション系樹脂または油脂組成物を50〜200重量部と、表面活性剤及び分散剤を含む添加剤を1〜20重量部とを添加したこと」
に構成上の特徴があり、これにより、内装材を、見た目にも美しく、人に優しい柔らかさと、美しさ、そして優れた吸湿性や放湿性を有したものとすることのできる、内装材用の表面処理材を提供することができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、以上のように構成した本発明に係る表面処理材の最良の形態を説明すると、まず、透明なアクリル樹脂エマルションを1キログラム用意した。
【0031】
一方、パルプ繊維として和紙を製造するための材料を採用することとし、コウゾ(楮)、ミツマタ(三椏)、ガンピ(雁皮)、マニラ麻、あるいはレーヨンからなる材料を叩解して、最長繊維が40mmとなるように調整し、これを乾燥させた。この場合の、材料の叩解は、和紙製造に使用される通常の叩解機を用いて、約60分行った。そして、乾燥重量で100gのパルプ繊維を用意した。
【0032】
以上のパルプ繊維を上記のアクリル樹脂エマルション中に入れるとともに、顔料を含まない添加剤を添加して混合した。この混合物を24時間放置したが、各パルプ繊維はアクリル樹脂エマルション中に分散した状態を維持していた。
【0033】
以上の表面処理材を、91×182cmの石膏ボードを基材1とし、上記に示した透明なアクリル樹脂エマルション塗料を湿潤状態で25〜150g/mを基材1の表面にローラーで薄く塗布したところ、各パルプ繊維が綺麗に広がりながら塗布されるとともに、繊維の様子がハッキリと確認できた。
【0034】
これに対して、91×182cmのMDF板を基材2として、上記に示した透明なアクリル樹脂エマルション塗料を湿潤状態で25〜150g/mを基材2の表面にローラーで薄く塗布したところ、当該表面処理材を重ね塗り(各パルプ繊維の間から内装材が見えなくなる程度まで、約3回)してみたところ、重なり合ったパルプ繊維同志の重なり状態が見えるとともに、表面に柔らかい感じの凹凸が多数形成できた。なお、上記基材1及び2と、当該表面処理材との間には、適宜プライマー塗膜(下塗塗膜)を介在させた。
【0035】
さらに、91×182cmのMDF板の上にクロスを接着させた基材3に、上記に示した透明なアクリル樹脂エマルション塗料を湿潤状態で25〜150g/mを、当該基材3の表面にローラーで薄く塗布したところ、クロスの表面凹凸に綺麗に沿った塗膜が形成できた。
【0036】
つまり、この基板3においては、本発明に係る表面処理材は、基板3上のクロスよる壁面変動、換言すれば凹凸に対する追随性が大きく、当該表面処理材に含まれているパルプ繊維による模様の変化も多様であって、意匠性に優れた仕上げ面を得ることができた。特に、仕上げ塗膜を形成しない場合、あるいは仕上げ塗膜が透湿性を有する場合は、パルプ繊維あるいは紙片自体の吸放湿性を十分生かすことができた。
【0037】
以上の、表面処理材の単層塗りの場合も、重ね塗りの場合も、パルプ繊維の一部が表面に突出したものとなっており、この突出部分も、内装材の表面の柔らかさを醸し出すものとなっていた。重ね塗りした場合には、内装材の表面に多数のパルプ繊維が存在していて、しかも各パルプ繊維の一部が室外に突出したものとなっているから、各パルプ繊維が「シックハウス症候群」の原因となる化学物質の吸着を行うものと考えられ、しかも各パルプ繊維により吸放湿性も高まっていると考えられる。
【0038】
パルプ繊維に代えて紙片を採用した場合についても施工してみた。この場合パルプ繊維としては、着色されたものを採用し、かつランダムな大きさの正方形に細断してみた。これを、上記のような状態でアクリルエマルション系樹脂中に分散させて表面処理材とし、これを内装材上に塗布してみたところ、非常に美しいものとなるとともに、手触りが柔らかい内装材とすることができた。
【0039】
なお、仕上げ塗膜の塗布量は、湿潤状態で、着色接着剤の場合と同様、25〜150g/m、望ましくは、50〜125g/mとするのが、和紙の基材への固着性、及び吸放湿性をより向上させることができて好ましい。
【0040】
着色剤を使用する場合、着色剤(着色顔料)の含有量は、固形分(塗膜成分)中、0.01〜5%、望ましくは0.02〜3%の範囲で適宜選定できる。この場合の接着剤としては、染料を使用することも可能である。染料を使用した場合、透明感の高い鮮明な仕上げとなるが、前述の如く、顔料に比して耐候性に劣るものが多く、耐候性に優れたものの採用が適している。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
叩解して長さを0.1〜50mmに調整したパルプ繊維、または1〜500平方ミリメートルに細断した紙片、あるいはこれらパルプ繊維及び紙片の混合物10重量部に対して、エマルション系樹脂または油脂組成物を50〜200重量部と、表面活性剤及び分散剤を含む添加剤を1〜20重量部とを添加したことを特徴とする内装材用の表面処理材。


【公開番号】特開2009−173747(P2009−173747A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12668(P2008−12668)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(599043127)石原製紙株式会社 (2)
【Fターム(参考)】