説明

内視鏡、内視鏡プロセッサ、および内視鏡システム

【課題】内視鏡を用いた分光スペクトル測定の測定位置の微調整を容易にする。
【解決手段】電子内視鏡は第1のライトガイド52aを有する。第1のライトガイド52aの出射端52aoを挿入管に配置する。出射端52aoよりコネクタよりの位置で第1のライトガイド52aを挿入管に固定する。第1のライトガイド52aに磁性カバー61を巻付ける。第1〜第4の磁気コイル62a、62b、62c、62dは磁性カバー61に対向する。第1、第3の磁気コイル62a、62cは第1の径方向D1に沿って、磁性カバー61を挟む。第2、第4の磁気コイル62b、62dは第2の径方向D2に沿って、磁性カバー61を挟む。第1〜第4の磁気コイル62a〜62dに電流を流すことにより、第1のライトガイド52aに電磁力を作用させる。第1のライトガイド52aの入射端に励起光を入射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の被写体上の特定の領域における光学像の分光スペクトルを測定する内視鏡および内視鏡プロセッサに関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線等の特定の波長の光(励起光)を生体組織に照射することにより、生体組織が蛍光を発する自家蛍光が知られている。また、がん細胞等の病変部においてはこの蛍光の光量が低いことが知られている。この性質を利用した蛍光内視鏡ユニットが知られている。蛍光内視鏡ユニットによって得られる自家蛍光画像において蛍光の強度低下の領域を視認することにより、病変部の特定が可能となっている。
【0003】
ところで、励起光の照射により蛍光を発する生態組織内の物質は、NADH、コラーゲン、フラビンなどのように複数の種類があり、それぞれの物質が発する蛍光はそれぞれスペクトルが異なっている。自家蛍光画像の分光スペクトルを検出することにより、より正確な診断が可能となる。
【0004】
分光スペクトルの検出を行なうために、分光器を備えるプローブを鉗子口から挿入し、体内組織に押し当てて測定することが提案されている(特許文献1参照)。しかし、所望の位置にプローブを押し当てることが難しく、測定を行なうべき位置とプローブを押し当てることが出来る位置が異なるため、病変部の特定が難しかった。
【特許文献1】特開2006−122560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明では、所望の位置の分光スペクトルの測定を容易に行なうことが可能な内視鏡特定領域スペクトル分析システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の内視鏡は、挿入管と、挿入管に沿って設けられる第1のライトガイドと、挿入管に沿って設けられ第1のライトガイドの挿入管先端側の端部である第1の端部から出社する光の照射範囲内の一点に向かって挿入管先端側の端部である第2の端部から光を出射可能な第2のライトガイドと、第2の端部の近傍に設けられ第2の端部から出射する光の照射位置を変えるように第2の端部を動かすライトガイド駆動部とを備えることを特徴としている。
【0007】
なお、ライトガイド駆動部は第2の端部に設けられる磁性体と第2のライトガイドの周囲に設けられる磁気コイルとを有し、磁気コイルに流す電流を調整することにより第2の端部を動かすことが好ましい。
【0008】
また、磁気コイルは第2のライトガイドの第1、第2の径方向に設けられることが好ましい。
【0009】
本発明の内視鏡プロセッサは、挿入管と挿入管に沿って設けられる第1のライトガイドと挿入管に沿って設けられ第1のライトガイドの挿入管先端側の端部である第1の端部から出社する光の照射範囲内の一点に向かって挿入管先端側の端部である第2の端部から光を出射可能な第2のライトガイドと第2の端部の近傍に設けられ第2の端部から出射する光の照射位置を変えるように第2の端部を動かすライトガイド駆動部とを備える内視鏡に接続される内視鏡プロセッサであって、第2のライトガイドの接続側端部である第3の端部に第1の光を供給可能な第1の光源と、第1の光を第3の端部に入射するときに第2の端部に入射して第3の端部から出射する光である被測定光の分光スペクトルを測定する分光光度測定部と、ライトガイド駆動部による第2の端部の照射位置の変更を制御する照射位置制御部とを備えることを特徴としている。
【0010】
また、ライトガイド駆動部は第2の端部に設けられる磁性体と第2のライトガイドの周囲における第1、第2の径方向に設けられる磁気コイルとを有し磁気コイルに流す電流を調整することにより第2の端部を動かし、照射位置制御部は第2の端部が円状の軌跡を通るように第1、第2の径方向に設けられる磁気コイルに流す電流を調整することが好ましい。
【0011】
また、円状の軌跡の円周の大きさを変更可能であることが好ましい。
【0012】
また、第3の端部に第2の光を供給可能な第2の光源と、第1のライトガイドの接続側端部である第4の端部に被写体を照射するための供給光を入射するときに第2の光を第3の端部に供給させ供給光の第1の端部への入射を停止しているときに第1の光を第3の端部に供給させる発光制御システムとを備えることが好ましい。
【0013】
また、挿入管の先端に設けられ被写体の光学像を受光することにより画像信号を生成する撮像素子から画像信号を受信する受信部と、画像信号に基づいて画像信号に相当する撮影画像と分光光度測定部が測定した分光スペクトルを表示する画像とを含む表示画像を作成する画像信号処理部とを備えることが好ましい。
【0014】
また、分光光度測定部に入射する光から生体組織に照射すると蛍光を発光させる励起光成分を除去する第1の励起光カットフィルタを備え、第1の光は生体組織に照射すると蛍光を発光させる励起光であることが好ましい。
【0015】
また、第1の光は白色光であることが好ましい。
【0016】
また、供給光は白色光であることが好ましい。
【0017】
また、第1の光源から第1の光を供給光として第4の端部に入射することが好ましい。
【0018】
本発明の内視鏡システムは、挿入管と挿入管に沿って設けられ挿入管の先端に配置される第2の端部とは反対側の端部である第3の端部に入射する光を第2の端部から一点に向かって出射する第1のライトガイドとを有する内視鏡と、第3の端部に第1の光を供給可能な第1の光源と、第1の光を第3の端部に入射するときに第2の端部に入射して第3の端部から出射する光である被測定光の分光スペクトルを測定する分光光度測定部と、第2の端部の近傍に設けられ第2の端部から出射する光の照射位置を変えるように第2の端部を動かすライトガイド駆動部とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、分光スペクトルの測定位置の微調整が可能になる。したがって、所望の位置の分光スペクトルの測定を容易に行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を適用した内視鏡特定領域スペクトル分析システムを有する内視鏡ユニットの外観図である。
【0021】
内視鏡ユニット10は、内視鏡プロセッサ20、電子内視鏡50およびモニタ11によって構成される。内視鏡プロセッサ20は、電子内視鏡50およびモニタ11に接続される。
【0022】
内視鏡プロセッサ20には、光源ユニット(図1において図示せず)および信号処理ユニット(図1において図示せず)が設けられる。光源ユニットから出射される光が、電子内視鏡50の挿入管51の先端付近に照射される。
【0023】
光が照射された被写体の光学像が電子内視鏡50により、撮影される。電子内視鏡50の撮影により生成する画像信号が信号処理ユニットに送られる。
【0024】
信号処理ユニットでは、電子内視鏡50から送られた画像信号に対して所定の信号処理が施される。所定の信号処理を施した画像信号はモニタ11に送られ、送られた画像信号に相当する画像がモニタ11に表示される。
【0025】
次に、光源ユニットの構成について図2を用いて説明する。光源ユニット30は、白色光源31、第1、第2のレーザ光源LD1、LD2、第1のミラー32、ビームスプリッタ37、ファイバ束38、集光レンズ39、ロータリーシャッタ33、第1、第2、第3のモータM1、M2、M3、レールR、ロータリーシャッタ制御回路34、ビームスプリッタ制御回路35、および光源駆動回路36によって構成される。
【0026】
白色光源31から、被写体を照明するための白色光が出射される。内視鏡プロセッサ20と電子内視鏡50とを接続した状態(図3参照)において、電子内視鏡50に設けられる第2のライトガイド52bの入射端52biと白色光源31とが、光学的に接続される。また、内視鏡プロセッサ20と電子内視鏡50とを接続した状態において、電子内視鏡50に設けられる第1のライトガイド52aの入射端52aiと第1、第2のレーザ光源LD1、LD2とが、第1のミラー32を介して接続される。
【0027】
白色光源31と第2のライトガイド52bの入射端52biの間には、ロータリーシャッタ33が設けられる。ロータリーシャッタ33は図4に示すように、円板の周方向に沿って遮光部33sと開口部33oとが設けられる。ロータリーシャッタ33が第1のモータM1に駆動されることにより、白色光の遮光と通過とが切替え可能である。
【0028】
また、ロータリーシャッタ33は、白色カラー画像の通常撮影時(後述する奇数、偶数フィールド期間の撮像)は、レールRと第3のモータM3とによって、白色光の光路から退避可能である。
【0029】
また、ビームスプリッタ37が第2のモータM2に駆動されることにより、白色光の光路へのビームスプリッタ37の挿入(図5参照)または退避(図2参照)が行なわれる。
【0030】
図6に示すように、ビームスプリッタ37は入射する光の短波長成分を除去する特性を有しており、白色光源31から出射する白色光の短波長成分が除去される。したがって、ビームスプリッタ37を挿入することにより、白色光の全成分が入射端52biに入射する。一方、ビームスプリッタ37を離脱することにより短波長成分を除去した白色光が入射端52biに入射させることが可能である。なお、ビームスプリッタ37は、第1のレーザ光源LD1から出射する励起光を反射する特性を有する。
【0031】
第1のモータM1はロータリーシャッタ制御回路34に接続される。第1のモータM1によるロータリーシャッタ33の駆動は、ロータリーシャッタ制御回路34により制御される。第2のモータM2は、ビームスプリッタ制御回路35に接続される。第2のモータM2によるビームスプリッタ37の駆動は、ビームスプリッタ制御回路35により制御される。
【0032】
第1のレーザ光源LD1からは、生体組織に自家蛍光を発光させる励起光、例えば紫外線が出射される。第2のレーザ光源LD2からは、赤色光が出射される。第1、第2のレーザ光源LD1、LD2と第1のミラー32との間には、ファイバ束38および集光レンズ39が設けられる。
【0033】
第1、第2のレーザ光源LD1、LD2の出射端はファイバ束38に光学的に接続される。ファイバ束38の出射端側のファイバは、一体的に束ねられている。ファイバ束38の出射端から出射する光が集光レンズ39により集光される。集光された光が第1のミラー32に入射する。
【0034】
ビームスプリッタ37が白色光の光路に挿入されるときに、第1のレーザ光源LD1から出射される励起光の光路にもビームスプリッタ37が重なる。ビームスプリッタ37が第1のレーザ光源LD1の光路上に挿入されるときに、励起光はビームスプリッタ37によって反射され、第2のライトガイド52bの入射端52biに入射するように、ビームスプリッタ37の向きが定められる(図5参照)。ビームスプリッタ37が白色光の光路から退避したときに、励起光または赤色光は第1のミラー32に反射され、第1のライトガイド52aiの入射端52aiに入射する(図2参照)。
【0035】
第1、第2のレーザ光源LD1、LD2は、光源駆動回路36に接続される。第1、第2のレーザ光源LD1、LD2の発光と発光停止は、光源駆動回路36により制御される。
【0036】
ロータリーシャッタ制御回路34、ビームスプリッタ制御回路35、および光源駆動回路36の動作はシステムコントローラ21により制御される。また、ロータリーシャッタ制御回路34、光源駆動回路36が実行させる各動作のタイミングは、タイミングコントローラ22により制御される。
【0037】
なお、システムコントローラ21により内視鏡ユニット10全体の動作が制御される。例えば、後述するCCDドライバ23、コイルドライバ28、および信号処理ユニット40は、システムコントローラ21により制御される。
【0038】
またタイミングコントローラ22により内視鏡ユニット10における各部位が実行する動作のタイミングが制御される。例えば、CCDドライバ23および信号処理ユニット40が実行させる各動作のタイミングはタイミングコントローラ22により制御される。
【0039】
次に、電子内視鏡50の構成について図1、図7を用いて説明する。電子内視鏡50は、挿入管51、本体53、コネクタ54などによって構成される(図1参照)。本体53に挿入管51が取り付けられる。また、本体53は連結ケーブル55を介してコネクタ54に接続される。
【0040】
また、電子内視鏡50には、第1、第2のライトガイド52a、52b、撮像素子56、励起光カットフィルタ57、出射角度調整機構60、配光レンズ58、結像光学系としての対物レンズ59、カバーCvなどが設けられる(図7参照)。
【0041】
コネクタ54を内視鏡プロセッサ20に接続すると、第2のライトガイド52bが白色光源31に光学的に接続され、第1のライトガイド52aが第1、第2のレーザ光源LD1、LD2に光学的に接続され、撮像素子56がCCDドライバ23および信号処理ユニット40に接続され、出射角度調整機構60がコイルドライバ28に接続される。
【0042】
また、コネクタ54を内視鏡プロセッサ20に接続すると、内視鏡プロセッサ20に設けられる複数のスイッチ(図示せず)とシステムコントローラ21に接続される。後述するように、内視鏡システム10により、被写体に白色光を照射した時の白色光画像、励起光を照射したときなどの自家蛍光画像がモニタ11に表示可能である。モニタ11に表示させる画像の切替は内視鏡プロセッサ20に設けられるスイッチにコマンド入力することにより実行される。
【0043】
第2のライトガイド52bは、コネクタ54から挿入管51の先端部まで延設される。前述のように、白色光源31から出射される白色光、または第1のレーザ光源LD1から出射される励起光が、第2のライトガイド52bの入射端52biに入射される。入射端52biに入射された光は、出射端52boまで伝達される。第2のライトガイド52bの出射端52boから出射する光が、配光レンズ58により挿入管51の先端付近に照射される。
【0044】
第1のライトガイド52aは、コネクタ54から挿入管51の先端部まで延設される。第1のライトガイド52aの出射端52aoから本体53よりの部分において、第1のライトガイド52aは前記挿入管51に支持される。第1のライトガイド52aの出射端52aoは、第1のライトガイド52aの径方向に沿って移動自在である。
【0045】
前述のように、第1、第2のレーザ光源LD1、LD2から出射される励起光または赤色光は、ファイバ束38、集光レンズ38を介して第1のライトガイド52aの入射端52aiに入射される。入射端52aiに入射された光は、出射端52aoまで伝達される。
【0046】
出射端52aoに伝達された光が第2のライトガイド52bから出射される光の照射範囲内の一点に向かって出射されるように、第1のライトガイド52aの出射端52aoが設置される。なお、第1のライトガイド52aは、カバーCvにより挿入管51の内部に密閉される。
【0047】
出射角度調整機構60は、第1のライトガイド52aの出射端52aoの近辺に設けられる。図8に示すように、出射角度調整機構は、磁性カバー61、第1〜第4の磁気コイル62a、62b、62c、62dによって構成される。
【0048】
磁性カバー61は、鉄などの磁性体によって形成される。磁性カバー61は、出射端52aoの近辺における第1のライトガイド52aの周囲に巻付けられる。第1〜第4の磁気コイル62a、62b、62c、62dは、磁性カバー61と相対するように、第1のライトガイド52aの周囲に設けられる。
【0049】
第1、第3の磁気コイル62a、62cは、第1のライトガイド52aの第1の径方向D1に沿って、第1のライトガイド52aを挟むように配置される。また、第2、第4の磁気コイル62b、62dは、第1の径方向D1に垂直な第2の径方向D2に沿って、第1のライトガイド52aを挟むように配置される。
【0050】
第1〜第4の磁気コイル62a、62b、62c、62dは、コイルドライバ28に接続される。コイルドライバ28から、第1〜第4の磁気コイル62a、62b、62c、62dそれぞれにコイル駆動信号として駆動電流が送られる。
【0051】
第1、第3の磁気コイル62a、62cに駆動電流を流すことにより、第1の径方向D1に沿った電磁力が磁性カバー61に付与される。第1の径方向D1に沿った電磁力により、第1のライトガイド52aの出射端52aoが第1の径方向D1に沿って傾斜する。図9、10に示すように、駆動電流の電流値を調整することにより、第1の径方向D1に沿った傾斜角の調整が可能である。
【0052】
同様に、第2、第4の磁気コイル62b、62dに駆動電流を流すことにより、第2の径方向D2に沿った電磁力が磁性カバー61に付与される。第2の径方向D2に沿った電磁力により、第1のライトガイド52aの出射端52aoが第2の径方向D2に沿って傾斜する。駆動電流の電流値を調整することにより、第2の径方向D2に沿った傾斜角の調整が可能である。
【0053】
電子内視鏡50には、第1のライトガイド52aの傾斜角の調整量を入力するための傾斜角調整レバー(図示せず)が設けられる。傾斜角調整レバーの調整量が信号として、システムコントローラ21に送られる。調整量に基づいて、システムコントローラ21はコイルドライバ28を制御して、調整量に応じたコイル駆動信号を第1〜第4の磁気コイル62a、62b、62c、62dに送信させる。
【0054】
また、電子内視鏡50には、第1のライトガイド52aの出射端52aoの回転運動を実行させるための回転スイッチ(図示せず)が設けられる。使用者が回転スイッチをONにすると、回転開始指令が信号としてシステムコントローラ21に送られる。
【0055】
回転開始指令を受信すると、システムコントローラ21はコイルドライバ28に出射端52aoに円運動をさせるためのコイル駆動信号を第1〜第4の磁気コイル62a、62b、62c、62dに送信させる。例えば、第1〜第4の磁気コイル62a、62b、62c、62dに同じ周期で位相が1/4周期ずつ遅れた正弦波状のコイル駆動信号を送信することにより、出射端52aoは円運動を行なう。
【0056】
白色光または赤色光が照射されるときの被写体の反射光による光学像、および励起光が照射されるときの被写体の蛍光および反射光による光学像が、対物レンズ59によって撮像素子56の受光面に結像される。
【0057】
CCDドライバ23が送信する駆動信号に基づいて、撮像素子56は駆動される。撮像素子56が駆動されることにより受光面に結像する光学像が撮像される。撮像動作の実行により、撮像素子56により画像信号が生成される。画像信号は信号処理ユニット40に送られる。
【0058】
なお、励起光照射時は、励起光カットフィルタ57によって対物レンズ59を介して入射した光から被写体で反射された励起光成分が除去される。励起光成分が除去されることにより、被写体である生体組織が発する蛍光成分のみが、撮像素子56により撮像される。
【0059】
なお、白色光または赤色光が照射されるときの被写体の反射光による光学像、および励起光が照射されるときの被写体の蛍光および反射光による光学像は、第1のライトガイド52aの出射端52aoにも入射する。入射した光は、第1のライトガイド52aの入射端52aiまで伝達される。
【0060】
第1のライトガイド52aの入射端52aiと第1のミラー32との間には、ハーフミラー24が配置される(図2参照)。第1のライトガイド52aの入射端52aiから出射する光は、ハーフミラー24により反射される。ハーフミラー24により反射された光は、さらに第2のミラー25により反射され、内視鏡プロセッサ20に設けられる分光器26に入射する。
【0061】
分光器26と第2のミラー25との間には、励起光カットフィルタ27が設けられる。励起光カットフィルタ27により、被写体の光学像から励起光成分が除去される。分光器26には、励起光の除去された光成分のみが入射する。
【0062】
分光器26は、分光器26に入射する光の分光スペクトルを測定する。分光スペクトルの測定により、分光スペクトル信号が生成される。生成された分光スペクトル信号は、信号処理ユニット40に送られる。
【0063】
次に、信号処理ユニット40の構成について説明する。信号処理ユニット40は、前段信号処理部41、画像処理部42、および後段信号処理部43によって構成される(図3参照)。
【0064】
撮像素子56から送られる画像信号は、前段信号処理部41に入力される。前段信号処理部41において、画像信号はアナログ信号からデジタル信号に変換される。更に、デジタル信号に変換された画像信号に対して補間処理やホワイトバランス等の所定の信号処理が行われる。
【0065】
所定の信号処理の施された画像信号は、画像処理部42に送られる。また、分光スペクトル信号も、画像処理部42に送られる。図11に示すように、画像処理部42には、レジスタ44、第1、第2のメモリ45a、45b、メモリコントローラ46、スキャンコンバータ47が設けられる。
【0066】
画像信号は、第1のメモリ45aまたは第2のメモリ45bに格納される。分光スペクトル信号は、レジスタ44に一時的に格納され、レジスタ44から第2のメモリ45bに送られ、格納される。
【0067】
なお、分光スペクトル信号は、図12に示すように、同期信号(FL参照)と波長帯域毎の蛍光強度に相当する信号(D1、D2、…参照)とによって形成される。例えば、D1は400nm〜410nmの帯域の蛍光強度、D2は410nm〜420nmの帯域の蛍光強度に相当する。
【0068】
分光スペクトル信号が第2のメモリ45bに格納されるときに、分光スペクトル信号は、図13に示すようにグラフ化された分光強度画像SIに相当するスペクトルグラフ信号に変換されて、格納される。
【0069】
メモリコントローラ46により、第1、第2のメモリ45a、45bへの画像信号の格納および出力のタイミングが制御される。メモリコントローラ46は、タイミングコントローラ22が出力する制御信号に基づいて前述のタイミングの制御を実行する。
【0070】
スキャンコンバータ47により、第1、第2のメモリ45a、45bに格納された画像信号およびスペクトルグラフ信号に基づいて、モニタ11に表示させる表示画像が作成される。表示画像に相当する表示画像信号が後段信号処理部43に送られる。
【0071】
後段信号処理部43により、表示画像信号に対してクランプ、ブランキング処理などの所定の信号処理が施され、さらにデジタル信号からアナログ信号に変換される。アナログ信号に変換された表示画像信号は、モニタ11に送られる。前述のように表示画像信号に相当する画像がモニタ11に表示される。
【0072】
次に、内視鏡プロセッサ20に設定される動作モード、および各動作モードにおいて実行される動作について説明する。
【0073】
内視鏡ユニット10には、参照光画像モード、自家蛍光画像モード、および分光スペクトル表示モードが設けられる。使用者の操作により、それぞれのモードの切替が可能である。設定されたモードに応じて、ロータリーシャッタ33による遮光と通過の切替、ビームスプリッタ37の挿入および退避、および第1、第2のレーザ光源LD1、LD2からの光の発光が行なわれる。
【0074】
参照光画像モードに設定されるとき、ロータリーシャッタ33は白色光を通過させるように駆動制御される。また、ビームスプリッタ37は、白色光の光路WLから退避され、第2のライトガイド52bの入射端52biには白色光が入射する。なお、第1、第2のレーザ光源LD1,LD2からは励起光および赤色光が発光されないまま維持される(図14参照)。したがって、参照光画像モードでは、配光レンズ58から被写体obj全体に白色光WLが照射される(図15参照)。
【0075】
また、参照光画像モードに設定されるときに撮像素子56により生成される画像信号は、参照光画像信号として、第1のメモリ45aに格納される(図11参照)。さらに、レジスタ44に格納される分光スペクトル信号の第2のメモリ45bへの読込みは、停止される。
【0076】
また、参照光画像モードに設定されるときに、スキャンコンバータ47は参照光画像信号を第1のメモリ45aから読出して、表示画像信号として後段信号処理部43に送る。前述のように、表示画像信号に対して後段信号処理部43により所定の信号処理が施される。図16に示すように、モニタ11全体に参照光画像WIが表示される。
【0077】
自家蛍光画像モードに設定されるとき、ロータリーシャッタ33は白色光WLを遮光するように駆動される。また、ビームスプリッタ37は、白色光WLの光路に挿入される。また、第1のレーザ光源LD1から励起光ELが発光され、第2のライトガイド52bの入射端52biには励起光ELが入射する。なお、第2のレーザ光源EL2からは赤色光が発光されないまま維持される(図17参照)。したがって、自家蛍光画像モードでは、配光レンズ58から被写体obj全体に励起光ELが照射される(図15参照)。
【0078】
また、自家蛍光画像モードに設定されるときに撮像素子56により生成される画像信号は、蛍光画像信号として、第2のメモリ45bに格納される。さらに、レジスタ44に格納される分光スペクトル信号の第2のメモリ45bへの読込みは、停止される。
【0079】
また、自家蛍光画像モードに設定されるときに、スキャンコンバータ47は蛍光画像信号を第2のメモリ45bから読出して、表示画像信号として後段信号処理部43に送る。前述のように、表示画像信号に対して後段信号処理部43により所定の信号処理が施される。図18に示すように、モニタ11全体に自家蛍光画像FIが表示される。
【0080】
分光スペクトル表示モードに設定されるとき、ロータリーシャッタ33による白色光WLの遮光と通過とが連続的に切替えられる。また、ビームスプリッタ37は、白色光WLの光路から退避される。また、第1のレーザ光源LD1からの励起光ELの発光と発光停止および第2のレーザ光源LD2からの赤色光RLの発光停止と発光が連続的に切替えられる。図19に示すように、撮像素子56を駆動するためのフィールド信号に同期するタイミングで、ロータリーシャッタ33の回転制御およびレーザ光源LD1、LD2の切替が行なわれる。
【0081】
第1、第3、第5、…のフィールド期間t1、t3、t5、…において、白色光WLが通過するようにロータリーシャッタ33が駆動され、第1のレーザ光源LD1の駆動は停止され、第2のレーザ光源LD2から赤色光RLが発光される(図20参照)。したがって、第1、第3、第5、…のフィールド期間t1、t3、t5、…には、配光レンズ58から被写体obj全体に白色光WLが照射され、カバーCvから被写体の一点に向かって赤色光RLが照射される(図21参照)。
【0082】
第2、第4、第6、…のフィールド期間t2、t4、t6、・・・において、白色光WLを遮光するようにロータリーシャッタ33が駆動され、第1のレーザ光源LD1から励起光ELが発光され、第2のレーザ光源LD2の駆動は停止される(図22参照)。したがって、第2、第4、第6、…のフィールド期間t2、t4、t6、…には、カバーCvから被写体の一点に向かって励起光ELが照射される(図23参照)。
【0083】
また、分光スペクトル表示モードにおける第1、第3、第5、…のフィールド期間t1、t3、t5、…に撮像素子56により生成される画像信号IS1、IS3、IS5、…がポイント表示画像信号として、第1のメモリ45aに格納される(図19参照)。一方、第1、第3、第5、…のフィールド期間t1、t3、t5、…に分光器26により生成される分光スペクトル信号SS1、SS3、SS5、…は、第2のメモリ45bに格納されずに、消去される。
【0084】
また、分光スペクトル表示モードにおける第2、第4、第6、…のフィールド期間t2、t4、t6、…に撮像素子56により生成される画像信号IS2、IS4、IS6、…は、第1のメモリ45aに格納されずに、消去される。一方、第2、第4、第6、…のフィールド期間t2、t4、t6、…に分光器26により生成される分光スペクトル信号SS2、SS4、SS6、…は、スペクトルグラフ信号に変換されて、第2のメモリ45bに格納される。なお、分光スペクトル信号SS2、SS4、SS6、…は励起光が照射された一点において発生した蛍光についての分光スペクトルに相当する信号である。
【0085】
また、分光スペクトル表示モードに設定されるときに、スキャンコンバータ47によって、第1、第2のメモリ45a、45bそれぞれからポイント表示画像信号およびスペクトルグラフ信号が読出される。
【0086】
スキャンコンバータ47により、ポイント表示画像信号に相当するポイント表示画像PI(図24参照)と分光強度画像SI(図13参照)の2画像を含む画像が、表示画像として作成される(図25参照)。
【0087】
作成された表示画像に相当する表示画像信号が後段信号処理部43に送られる。前述のように、表示画像信号に対して後段信号処理部43により所定の信号処理が施される。信号処理の施された表示画像信号に基づいて、モニタ11にポイント表示画像PIと分光強度画像SIの2画像が表示される。
【0088】
前述のように、2画像表示時の分光強度画像SIは、第2、第4、第6、…のフィールド期間t2、t4、t6、…、すなわち励起光ELのみが第1のライトガイド52aから照射されるときに生成される分光スペクトル信号に基づいて、作成される。したがって、分光強度画像SIには、第1のライトガイド52aから励起光が照射された一点における自家蛍光成分の分光スペクトルが表示される。
【0089】
ポイント表示画像PIには、赤色光RLが照射された一点に赤色のマーカMが表示される(図24参照)。第1のライトガイド52aの出射端52aiから出射される励起光ELおよび赤色光RLの軌跡は同じなので、ポイント表示画像PIにおけるマーカMが分光スペクトルの測定が行なわれた位置に表示される。
【0090】
なお、傾斜角度調整レバーの操作により、第1のライトガイド52aから出射される光の照射位置を移動させることが可能である。したがって、挿入管51の先端部の向きを変えること無く、ポイント表示画像PIにおけるマーカMの位置および分光スペクトルの測定が行なわれる位置を移動させることが可能である。
【0091】
また、回転スイッチをONにするとき、第1のライトガイド52aの出射端52aoが単一のフィールド期間に少なくとも1回転以上の円運動を行なうように、第1〜第4の磁気コイル62a、62b、62c、62dが駆動される。したがって、回転スイッチをONにするとき、ポイント表示画像PIには赤色光RLが照射された円周に赤色のマーキングサークルCが表示される(図26参照)。
【0092】
なお、回転スイッチをONにするとき、分光強度画像SIには、励起光ELが照射された円周上の領域における蛍光についての分光スペクトルが表示される。
【0093】
次に、分光スペクトル表示モードのときに、光源ユニット30および信号処理ユニット40において行なわれる動作について図27のフローチャートを用いて説明する。
【0094】
分光スペクトル表示モードに切替えられることにより、本実施形態における分光強度画像を表示するための処理が開始される。まず、ステップS100において、白色光WLがロータリーシャッタ33によって遮光されている期間であるか通過させられている期間であるか否かが判別される。
【0095】
白色光WLが遮光されている期間である場合にはステップS101に進む。ステップS101において、第1のレーザ光源LD1による励起光ELの発光が停止され、第2のレーザ光源LD2による赤色光RLの発光が行なわれる。
【0096】
励起光ELの発光停止および赤色光RLの発光後、ステップS102に進む。ステップS102では、撮像動作および分光スペクトルの測定が行なわれる。撮像動作の実行により、ポイント表示画像信号が生成される。分光スペクトルの測定により、分光スペクトル信号が生成される。
【0097】
ポイント表示画像信号および分光スペクトル信号が生成されると、ステップS103に進む。ステップS103では、ポイント表示画像信号が第1のメモリ45aに格納される。また、分光スペクトル信号は第2のメモリ45bに格納されずに、消去される。
【0098】
また、ステップS100において、白色光WLがロータリーシャッタ33を通過している期間である場合にはステップS104に進む。ステップS104では、第1のレーザ光源LD1による励起光ELの発光が行われ、第2のレーザ光源LD2による赤色光RLの発光が停止される。
【0099】
励起光RLの発光および赤色光RLの発光停止後、ステップS105に進む。ステップS105では、ステップS102と同様に撮像動作および分光スペクトルの測定が行なわれる。撮像動作の実行により、第2のライトガイド52bから励起光ELを照射したときの蛍光画像信号が生成される。分光スペクトルの測定により、分光スペクトル信号が生成される。
【0100】
蛍光画像信号および分光スペクトル信号が生成されると、ステップS106に進む。ステップS106では、蛍光画像信号が第1のメモリ45aに格納されずに、消去される。また、分光スペクトル信号は第2のメモリ45bに格納される。
【0101】
ステップS103におけるポイント表示画像信号の格納後、またはステップS106における分光スペクトル信号の格納後、ステップS107に進む。ステップS107では、ポイント表示画像信号および分光スペクトル信号が、スキャンコンバータ47に読出される。
【0102】
次のステップS108において、ポイント表示画像信号および分光スペクトル信号に基づいて、ポイント表示画像PIと分光強度画像SIの2画像を含む表示画像が生成される。2画像の表示画像を生成すると、ステップS109に進む。
【0103】
ステップS109では、分光スペクトル表示モード以外の動作モードに切替えられているか否かが判別される。切替えられていない場合は、ステップS100に戻り、以後切替えられるまで、ステップS100〜ステップS109の動作が繰返される。ステップS109で動作モードが切替えられている場合には、分光強度画像SIを表示するための処理を終了する。
【0104】
以上のように、本実施形態の内視鏡および内視鏡プロセッサによれば、分光スペクトルの測定を行なう位置の微調整を容易に行うことが可能になる。なぜならば、プローブを押し当てて行なう分光スペクトルの測定や第1のライトガイド52aの出射端52aoの向きを固定しながら分光スペクトルの測定を行なう場合に比べて、測定位置の調整精度を向上させることが可能だからである。
【0105】
プローブの押し当てや向きを固定して分光スペクトル測定を行なう場合には、測定位置の調整を行うためには挿入管51の先端ごと動かすこと必要がある。挿入管51の先端部の屈曲による移動量は、第1のライトガイド52aの移動量より大きいため、測定位置の調整精度が本実施形態に比べて低い。それゆえ、前述のように測定位置の調整精度が向上する。
【0106】
また、本実施形態の内視鏡特定領域スペクトル分析システムによれば、励起光が円周上に照射された位置の分光スペクトルを測定することが可能である。したがって、扁平状に広がる病変部の特定がより容易になる。また、励起光を照射する円周の大きさを自由に変更できるので、様々な大きさの病変部の特定がさらに容易になる。
【0107】
また、本実施形態の内視鏡特定領域スペクトル分析システムによれば、自家蛍光画像の観察と蛍光分析との両方を行うことが可能な内視鏡ユニットを形成することが可能になる。一体的な内視鏡ユニット10により自家蛍光画像観察と蛍光分析とを行うことが可能なので、操作性の向上が可能である。
【0108】
また、分光測定を行なっている箇所をポイント表示画像PI上のマークMまたはマーキングサークルCにより視認可能なので(図24、図26参照)、分光測定を行なった位置の確定や記録性が向上する。
【0109】
なお、本実施形態において、分光測定を行なうために第1のライトガイド52aに励起光ELを入射させる構成であるが、他のいかなる光を入射させる構成であってもよい。例えば、白色光WLを入射させ、ポイント表示画像PIにおけるマーカMの位置に照射した白色光の反射光の分光測定を行なってもよい。
【0110】
また、本実施形態において、ポイント表示画像PIは被写体obj全体に白色光WLを照射し、一点に赤色光RLを照射するときに撮像される画像であるが、被写体obj全体に照射する光はいかなる光であってもよい。ただし、一点に照射する光として撮像素子56の前に設けられる励起光カットフィルタ57を透過可能であれば、いかなる光を用いることも可能である。
【0111】
例えば、第2のライトガイド52bから励起光ELを、第1のライトガイド52aから赤色光RLを同時に照射するときに撮影される画像であってもよい。このようなポイント表示画像PIによれば、マーカMが表示される自家蛍光画像FIとともに分光強度画像SIをモニタ11に表示することも可能である。
【0112】
また、本実施形態において、第1のミラー32およびビームスプリッタ37を用いて、励起光ELを第1、第2のライトガイド52a、52bの入射端52ai、52biに入射させ、赤色光RLを第1のライトガイド52aの入射端52aiに入射させる構成であるが、白色光WLを第2のライトガイド52bの入射端52biに入射するときに赤色光RLを第1のライトガイド52aの入射端52aiに入射させ、白色光WLの第2のライトガイド52bの入射端52biへの入射を停止するときに励起光ELを第1のライトガイド52aの入射端52aiに入射させる構成であれば、いかなる機構を適用してもよい。
【0113】
また、本実施形態において、電子内視鏡50が用いられているが、ファイバスコープであってもよい。ファイバスコープであっても、被写体obj全体に白色光WLを、一点に赤色光RLを照射するときの光学像を観察可能であり、さらに分光強度画像を専用のモニタに表示させる構成であっても、本実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0114】
また、本実施形態において、測定した分光スペクトルをグラフ化して表示する構成であるが、表などの他の形態により分光スペクトルを表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の一実施形態を適用した内視鏡特定領域スペクトル分析システムを有する内視鏡ユニットの外観図である。
【図2】光源ユニットの内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】内視鏡プロセッサの内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】ロータリーシャッタの正面図である。
【図5】光源ユニットにおいてビームスプリッタを白色光の光路上に挿入した状態を示すブロック図である。
【図6】ビームスプリッタの光学特性図である。
【図7】電子内視鏡の内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】出射角度調整機構の構成を示す配置図である。
【図9】第1の径方向に沿った第1のライトガイドの傾斜状態を示す第1の模式図である。
【図10】第1の径方向に沿った第1のライトガイドの傾斜状態を示す第2の模式図である。
【図11】画像処理部の内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図12】分光スペクトル信号のデータ構造を示す概念図である。
【図13】分光スペクトルをグラフ化した分光強度画像の模式図である。
【図14】参照光画像モードのときの光源ユニットの状態を説明するための状態図である。
【図15】参照光画像モードおよび自家蛍光画像モードのときの被写体への光の照射状態を示す状態図である。
【図16】白色光画像の模式図である。
【図17】自家蛍光画像モードのときの光源ユニットの状態を説明するための状態図である。
【図18】自家蛍光画像の模式図である。
【図19】分光スペクトル表示モードにおける光源ユニットの各部位の状態、第1、第2のメモリへの格納、および表示画像の作成のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【図20】分光スペクトル表示モードのときの光源ユニットの状態を説明するための第1の状態図である。
【図21】図20の光源ユニットの状態における被写体への光の照射状態を示す状態図である。
【図22】分光スペクトル表示モードのときの光源ユニットの状態を説明するための第2の状態図である。
【図23】図22の光源ユニットの状態における被写体への光の照射状態を示す状態図である。
【図24】ポイント表示画像の模式図である。
【図25】ポイント表示画像と分光強度画像とを同時表示した表示画像の模式図である。
【図26】マーキングサークルを表示させたときのポイント表示画像の模式図である。
【図27】分光スペクトル表示モードのときに光源ユニットおよび信号処理ユニットにおいて行なわれる動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0116】
10 内視鏡ユニット
20 内視鏡プロセッサ
24 ハーフミラー
26 分光器
27 励起光カットフィルタ
28 コイルドライバ
30 光源ユニット
31 白色光源
32 第1のミラー
33 ロータリーシャッタ
40 信号処理ユニット
42 画像処理部
44 レジスタ
45a、45b 第1、第2のメモリ
46 メモリコントローラ
47 スキャンコンバータ
50 電子内視鏡
51 挿入管
52a、52b 第1、第2のライトガイド
52ai、52bi 第1、第2のライトガイドの入射端
52ao、52bo 第1、第2のライトガイドの出射端
56 撮像素子
57 励起光カットフィルタ
58 配光レンズ
60 出射角度調整機構
61 磁性カバー
62a、62b、62c、62d 第1〜第4の磁気コイル
EL 励起光
FI 自家蛍光画像
LD1、LD2 第1、第2のレーザ光源
obj 被写体
PI ポイント表示画像
SI 分光強度画像
WI 参照光画像
WL 白色光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入管と、
前記挿入管に沿って設けられる第1のライトガイドと、
前記挿入管に沿って設けられ、前記第1のライトガイドの前記挿入管先端側の端部である第1の端部から出射する光の照射範囲内の一点に向かって、前記挿入管先端側の端部である第2の端部から光を出射可能な第2のライトガイドと、
前記第2の端部の近傍に設けられ、前記第2の端部から出射する光の照射位置を変えるように前記第2の端部を動かすライトガイド駆動部とを備える
ことを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記ライトガイド駆動部は、前記第2の端部に設けられる磁性体と前記第2のライトガイドの周囲に設けられる磁気コイルとを有し、前記磁気コイルに流す電流を調整することにより前記第2の端部を動かすことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記磁気コイルは、前記第2のライトガイドの第1、第2の径方向に設けられることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
【請求項4】
請求項1に記載の内視鏡に接続される内視鏡プロセッサであって、
前記第2のライトガイドの接続側端部である第3の端部に、第1の光を供給可能な第1の光源と、
前記第1の光を前記第3の端部に入射するときに、前記第2の端部に入射して前記第3の端部から出射する光である被測定光の分光スペクトルを測定する分光光度測定部と、
前記ライトガイド駆動部による前記第2の端部の照射位置の変更を制御する照射位置制御部とを備える
ことを特徴とする内視鏡プロセッサ。
【請求項5】
前記ライトガイド駆動部は、前記第2の端部に設けられる磁性体と前記第2のライトガイドの周囲における第1、第2の径方向に設けられる磁気コイルとを有し、前記磁気コイルに流す電流を調整することにより前記第2の端部を動かし、
前記照射位置制御部は、前記第2の端部が円状の軌跡を通るように、前記第1、第2の径方向に設けられる前記磁気コイルに流す電流を調整する
ことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡プロセッサ。
【請求項6】
前記円状の軌跡の円周の大きさを変更可能であることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡プロセッサ。
【請求項7】
前記第3の端部に、第2の光を供給可能な第2の光源と、
前記第1のライトガイドの接続側端部である第4の端部に被写体へ照射するための供給光を入射するときに前記第2の光を前記第3の端部に供給させ、前記供給光の前記第1の端部への入射を停止しているときに前記第1の光を前記第3の端部に供給させる発光制御システムとを備える
ことを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の内視鏡プロセッサ。
【請求項8】
前記挿入管の先端に設けられ、被写体の光学像を受光することにより画像信号を生成する撮像素子から前記画像信号を受信する受信部と、
前記画像信号に基づいて前記画像信号に相当する撮影画像と、前記分光光度測定部が測定した分光スペクトルを表示する画像とを含む表示画像を作成する画像信号処理部とを備える
ことを特徴とする請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載の内視鏡プロセッサ。
【請求項9】
前記分光光度測定部に入射する光から、生体組織に照射すると蛍光を発光させる励起光成分を除去する第1の励起光カットフィルタを備え、
前記第1の光は、生体組織に照射すると蛍光を発光させる励起光である
ことを特徴とする請求項4〜請求項8のいずれか1項に記載の内視鏡プロセッサ。
【請求項10】
前記第1の光は白色光であることを特徴とする請求項4〜請求項8のいずれか1項に記載の内視鏡プロセッサ。
【請求項11】
前記供給光は白色光であることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡プロセッサ。
【請求項12】
前記第1の光源から前記第1の光を、前記供給光として前記第4の端部に入射することを特徴とする請求項4〜請求項11のいずれか1項に記載の内視鏡プロセッサ。
【請求項13】
挿入管と、前記挿入管に沿って設けられ、前記挿入管の先端に配置される第2の端部とは反対側の端部である第3の端部に入射する光を前記第2の端部から一点に向かって出射する第1のライトガイドとを有する内視鏡と、
前記第3の端部に、第1の光を供給可能な第1の光源と、
前記第1の光を前記第3の端部に入射するときに、前記第2の端部に入射して前記第3の端部から出射する光である被測定光の分光スペクトルを測定する分光光度測定部と、
前記第2の端部の近傍に設けられ、前記第2の端部から出射する光の照射位置を変えるように前記第2の端部を動かすライトガイド駆動部とを備える
ことを特徴とする内視鏡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−113969(P2008−113969A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302053(P2006−302053)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】