説明

内視鏡用キャップ及び内視鏡ユニット

【課題】挿入部を大径化することなく被検体や挿入部の汚れを除去し視野をクリアにする。
【解決手段】先端と基端とが開口した筒状のキャップ本体2と、該キャップ本体の基端側に設けられ、内視鏡の挿入部先端10に装着される装着部3と、前記キャップ本体の先端側に設けられ、前記装着部を内視鏡挿入部先端に装着して前記キャップ本体の先端を被検体に接触させたときに、前記挿入部先端と被検体との間隔を一定に保持して前記被検体を観察するための空間を形成するフード部4と、前記装着部又は前記フード部に設けられ、該フード部によって形成される空間内の流体を排出する排出口と、を備えた内視鏡用キャップ1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の挿入部先端に装着される内視鏡用キャップ及びこの内視鏡用キャップと内視鏡とを備えた内視鏡ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、内視鏡の挿入部は、撮像光学系、照明光学系、洗浄用の流体や空気を供給するノズル及び鉗子やプローブ等の処置用器具を導出させるチャンネル等を備えている。挿入部を体腔内に挿入して被検体の患部を鏡観する際に、粘液や血液により視野が悪化して観察を妨げるような場合には、挿入部のノズルから患部近傍に洗浄用の水を給水し、その水圧により患部等を洗浄している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−192638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の内視鏡では、例えば、消化管等患部周辺の体腔が狭い場合には、洗浄により体腔内に液体が溜まり観察を妨げることとなるので、液体を排水する必要がある。そこで、排液のために挿入部に排液用の管を設けることも考えられるが、このような場合には挿入部が大径化するので好ましくない。特に、所謂細径の走査型内視鏡では、通常の内視鏡と比較した場合、挿入部内部に照明用のファイバを駆動させるための駆動部とファイバを光軸方向に駆動させるための空間とを確保する必要があることから、排液用のチャネルを設けることは困難である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、挿入部を大径化することなく被検体や挿入部の汚れを除去し視野をクリアにすることができる内視鏡用キャップ及び内視鏡ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、先端と基端とが開口した筒状のキャップ本体と、該キャップ本体の基端側に設けられ、内視鏡の挿入部先端に装着される装着部と、前記キャップ本体の先端側に設けられ、前記装着部を内視鏡挿入部先端に装着して前記キャップ本体の先端を被検体に接触させたときに、前記挿入部先端と被検体との間隔を一定に保持して前記被検体を観察するための空間を形成するフード部と、前記装着部又は前記フード部に設けられ、該フード部によって形成される空間内の流体を排出する排出口と、を備えた内視鏡用キャップを提供する。
【0006】
本発明によれば、挿入部先端に装着部が装着されることにより、被検体の観察時に、挿入部先端、フード部及び被検体によって被検体を観察するための空間が形成されるので、患部や挿入部先端に粘液や血液等が付着して視野が悪化した場合でも、この空間内に挿入部から洗浄液等の流体を供給して局所的に灌流させることにより患部や挿入部先端を洗浄することができる。また、空間内の洗浄液等の流体を排出する排出口が設けられているので、この排出口によって洗浄液が排出される。従って、挿入部を大径化することなく被検体や挿入部の汚れを除去し視野をクリアにすることができる。
【0007】
本発明においては、前記フード部が、前記挿入部の先端に設けられた検出部の開口数に基づく角度で、内周面の口径が前記装着部の先端から前記キャップ本体の先端に向かって次第に広がっていることが好ましい。
このようにすることで、挿入部の照明光学系による照明光を遮ることなく被検体に配光することができるので、ケラレを防止して視野をクリアにすることができる。
【0008】
本発明においては、前記排出口が、前記装着部の内周面に形成された溝であることが好ましい。
このようにすることで、装着部が挿入部先端に装着されたときに、溝と挿入部外周面との間に洗浄液等の流体を排水する流路が形成されるので、挿入部から吐出した洗浄液を挿入部先端、フード部及び被検体によって形成される空間内に満遍なく灌流させて被検体及び挿入部先端を効率よく洗浄し、さらに、溝によって形成される流路から洗浄液を排出することができる。
【0009】
本発明においては、前記排出口が、前記フード部の外壁を貫通する貫通孔又は前記フード部の先端に設けられた切り欠きであることが好ましい。
排出口がフード部の外壁を貫通する貫通孔である場合には、貫通孔から洗浄液を排出することができる。また排出口が切り欠きである場合には、装着部が挿入部先端に装着されたときに、切り欠きと被検体との間に洗浄液等の流体を排出する流路が形成されるので、この流路から洗浄液を排出することができる。このように、挿入部から吐出した洗浄液を挿入部先端、フード部及び被検体によって形成される空間内に満遍なく灌流させて被検体及び挿入部先端を効率よく洗浄し、さらに、貫通孔又は切り欠きと被検体との間に形成される流路から洗浄液を排出することができる。
【0010】
また、本発明においては、送水用チャンネルを有する挿入部を備える内視鏡装置と、該内視鏡装置の挿入部先端に装着される内視鏡用キャップとを備え、該内視鏡用キャップが、先端と基端とが開口した筒状のキャップ本体と、該キャップ本体の基端側に設けられ、前記挿入部先端に装着するための装着部と、前記キャップ本体の先端側に設けられ、前記装着部を内視鏡挿入部先端に装着して前記キャップ本体の先端を被検体に接触させたときに、前記挿入部先端と被検体との間に被検体を観察するための空間を形成するフード部とを有し、前記挿入部が、その外面に、該挿入部の長手方向に沿って、少なくとも該挿入部の先端から該挿入部への前記装着部の装着範囲に亘って形成された溝を備える内視鏡ユニットを提供する。
【0011】
本発明によれば、挿入部先端に装着部が装着されることにより、被検体の観察時に、挿入部先端、フード部及び被検体によって被検体を観察するための空間が形成されるので、患部や挿入部先端に粘液や血液等が付着して視野が悪化した場合でも、この空間内に挿入部から洗浄液等の流体を供給して局所的に灌流させることができる。また、装着部が挿入部先端に装着されたときに、挿入部に形成された溝と装着部内周面との間に洗浄液等の流体を排水する流路が形成されるので、挿入部から吐出した洗浄液を挿入部先端、フード部及び被検体によって形成される空間内に満遍なく灌流させて被検体及び挿入部先端を効率よく洗浄し、溝によって形成される流路により洗浄液を排出することができる。従って、挿入部を大径化することなく被検体や挿入部の汚れを除去し視野をクリアにすることができる。
【0012】
本発明においては、前記挿入部に前記装着部が装着されたときに、該装着部の内周面と前記溝とによって形成される管路の断面積と前記送水用チャンネルの断面積とがほぼ等しいことが好ましい。
このようにすることで、連続的に送水を行った場合に、挿入部先端、フード部及び被検体によって形成される空間内に供給された洗浄液等が、送水の際の水圧によって装着部の内周面と溝とによって形成される管路から連続的に排出されるので常に視野をクリアにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、挿入部を大径化することなく被検体や挿入部の汚れを除去し視野をクリアにすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用キャップの参考図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用キャップの断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る内視鏡ユニットに適用される内視鏡の挿入部先端の斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る内視鏡ユニットに適用される内視鏡の挿入部先端及び内視鏡用キャップの断面図である。
【図5】本発明に係る内視鏡ユニットに適用される内視鏡の挿入部先端の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の一実施形態に係る内視鏡用キャップ1について図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、内視鏡用キャップ1は、内視鏡の挿入部先端10に装着して用いられるものであり、先端と基端とが開口した筒状のキャップ本体2、キャップ本体2の基端側に設けられた装着部3、キャップ本体2の先端側に設けられたフード部4を備えている。
【0016】
装着部3は、キャップ本体2の基端側に設けられ、その内周の口径が内視鏡の挿入部先端10の外周の口径と略等しく、挿入部先端10に外嵌することにより装着されるようになっている。装着部3の内周面には、キャップ本体2の長手方向に沿って装着部3の基端から先端に亘る溝5が等間隔で3本形成されている。これにより、装着部3が挿入部先端10に装着されたときに、装着部3の内周面と挿入部先端10の外周面とが密着すると共に、溝5と挿入部先端10の外周面との間に排出口としての管路7が形成されるようになっている。なお、溝5は、溝5と挿入部先端10の外周面との間に形成される管路7の断面積が、挿入部の送水用チャンネルの断面積と略等しくなるように形成されている。
【0017】
フード部4は、キャップ本体2の先端側に設けられている。すなわち、フード部4の基端は装着部3の先端に連結され、フード部4の先端はキャップ本体2の先端となっている。フード部4は、内視鏡用キャップ1が装着される挿入部先端10に設けられた検出部11の開口数に基づく角度で、その内周面の口径がフード部4の基端から先端に向かって、つまり、装着部3の先端からキャップ本体2の先端に向かって、次第に広がっている。
【0018】
ここで、検出部11の開口数は、開口数をNA、屈折率をn、検出部11の開口数に基づく角度をθとしたとき、以下の(1)式で表わされる。
NA=nsinθ ・・・ (1)
この(1)式より、検出部11の開口数に基づく角度θは以下の(2)式で表わされる。
θ=sin−1(NA/n) ・・・ (2)
なお、屈折率nは、空気中ではn=1.0、水中ではn=1.33であるため、検出部11の開口数に基づく角度θとしては、例えば、開口数が0.6である場合には、空気中では37°、水中では26°となる。
【0019】
また、フード部4の基端は、装着部3の内周面よりも内側に突出したストッパ6となっており、装着部3に挿入部が装着されたときに、挿入部先端10がストッパ6に当接することで挿入部先端10がフード部4内を干渉しないようになっている。
従って、フード部4は、装着部3を内視鏡の挿入部先端10に装着してキャップ本体2の先端を被検体に接触させたときに、挿入部先端10と被検体との間隔を一定に保持しながら被検体を観察するための空間を形成する。
【0020】
以下に、このように構成された内視鏡用キャップ1の作用について説明する。
内視鏡用キャップ1の装着部3を内視鏡の挿入部先端10に外嵌することにより装着し、内視鏡用キャップ1が装着された挿入部先端10を患者の体腔内に挿入し、患部周辺の被検体に内視鏡用キャップ1の先端を接触させる。このとき、挿入部先端10とフード部4の外壁と被検体との間に、被検体を観察するための空間が形成されるので、この空間内に挿入部先端10の照明光学系13から照明光を配光して被検体を観察する。被検体の観察においては、フード部4により挿入部先端10と被検体との間隔が一定に保持されるので、一定の焦点距離を保ちながら観察することができる。
【0021】
観察中に粘液や血液などが被検体や挿入部先端10の照明光学系13や検出部11に付着して観察を妨げる場合には、挿入部先端10の送水用チャンネル12から挿入部先端10とフード部4の外壁と被検体との間に形成された空間に水等の洗浄液を供給する。挿入部先端10の送水用チャンネル12からこの空間内に洗浄液が供給されると、供給時の水圧により空間内を洗浄液が灌流し、患部や挿入部先端10が満遍なく洗浄される。そして、空間内の洗浄液は、洗浄液を供給した際の水圧に応じて溝5と挿入部先端10の外周面との間に形成される排水口としての管路を介して空間外に連続的に排出される。
【0022】
このように、被検体の観察時に、挿入部先端10、フード部4及び被検体によって被検体を観察するための空間が形成されるので、この空間内に挿入部先端10の送水用チャンネル12から洗浄液等の流体を供給することにより、供給時の水圧によって局所的に灌流させることができる。これにより、患部や挿入部先端10を満遍なく洗浄することができるので、被検体の観察を妨げるような汚れを除去することができる。
【0023】
また、空間内の洗浄液等の流体を排出する排出口(管路7)が形成され、さらに、その断面積が、挿入部先端10の送水用チャンネル12の断面積と略等しくなっているので、この排出口を介して洗浄液を供給した際の水圧に応じて洗浄液が空間外に連続的に排出される。従って、挿入部先端10に洗浄液を排出するためのチャンネルを設ける必要がないので挿入部先端10を大径化することなく被検体や挿入部先端10の汚れを除去し視野をクリアにすることができる。
【0024】
さらに、フード部4の基端から先端にかけて、挿入部先端10の検出部11の開口数に応じた角度で口径が広がっているので、照明光を遮ることなく被検体に配光することができるので、ケラレによって観察が妨げられることがない。
【0025】
なお、上記した実施形態においては、装着部3の内周面に溝5を設けることによって排出口としての管路7を形成する例を示したが、排出口の構成はこれに限られるものではない。例えば、フード部4の外壁を貫通する貫通孔を設けてこの貫通孔を洗浄液の排出口とする構成や、フード部4の先端に切り欠きを設けることにより観察時に切り欠きと被検体との間に排出口が形成されるような構成とすることもできる。また、溝の本数も適宜決定することができる。
【0026】
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
以下に、本発明の一実施形態に係る内視鏡ユニットについて図面を参照して説明する。
内視鏡ユニットは、内視鏡装置及び内視鏡装置の挿入部先端20に取り付けられる内視鏡用キャップ30を備えている。
【0027】
内視鏡用キャップ30は、先端と基端とが開口した筒状のキャップ本体2と、キャップ本体2の基端側に設けられ挿入部先端に装着するための装着部3と、キャップ本体2の先端側に設けられ装着部3を内視鏡挿入部先端10に装着してキャップ本体2の先端を被検体に接触させたときに挿入部先端20と被検体との間に被検体を観察するための空間を形成するフード部4を備えており、上述した第1の実施形態における内視鏡用キャップ1に比して、装着部3の内周面に溝が設けられていない点のみが相違する。従って、内視鏡用キャップ20における内視鏡用キャップ1と同様の構成については同符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0028】
図3は内視鏡ユニットに適用される内視鏡装置の挿入部先端20を示している。挿入部先端20には、図示しない光源から射出された撮像用の光による被検体からの戻り光を検出する検出部21、被検体に対して水等の洗浄液を供給するための送水用チャンネル22及び被検体に照明光を配光するための照明光学系23が設けられている。
【0029】
また、挿入部先端20の外周面には、長手方向に沿って、挿入部の先端から挿入部への内視鏡用キャップ20の装着部3の装着範囲よりも長い範囲に亘って形成された溝24が等間隔で3本設けられている。溝24は、挿入部先端20に後述する内視鏡用キャップ30の装着部3が装着されたときに、装着部3の内周面と溝24とによって排出口としての管路25を形成するようになっており、溝24はこの管路25の断面積と送水用チャンネル22の断面積とがほぼ等しくなるように形成されている。
【0030】
内視鏡用キャップ30は、図4に示すように、先端と基端とが開口した筒状のキャップ本体2と、キャップ本体2の基端側に設けられ挿入部先端に装着するための装着部3と、キャップ本体2の先端側に設けられ装着部3を内視鏡挿入部先端10に装着してキャップ本体2の先端を被検体に接触させたときに挿入部先端20と被検体との間に被検体を観察するための空間を形成するフード部4を備えており、上述した第1の実施形態における内視鏡用キャップ1に比して、装着部3の内周面に溝が設けられていない点のみが相違する。従って、内視鏡用キャップ20における内視鏡用キャップ1と同様の構成については同符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0031】
以下に、このように構成された内視鏡ユニットの作用について説明する。
内視鏡用キャップ30の装着部3を内視鏡の挿入部先端20に外嵌することにより装着し、内視鏡用キャップ30が装着された挿入部を患者の体腔内に挿入し、患部周辺の被検体に内視鏡用キャップ30の先端を接触させる。このとき、挿入部先端20とフード部4の外壁と被検体との間に、被検体を観察するための空間が形成されるので、この空間内に照明光学系23から照明光を配光して被検体を観察する。被検体の観察においては、フード部4により挿入部先端20と被検体との間隔が一定に保持されるので、一定の焦点距離を保ちながら観察することができる。
【0032】
観察中に粘液や血液などが被検体や挿入部先端10に付着して観察を妨げる場合には、送水用チャンネル22から挿入部先端20とフード部4の外壁と被検体との間に形成された空間に水等の洗浄液を供給する。送水用チャンネル22からこの空間内に洗浄液が供給されると、供給時の水圧により空間内を洗浄液が灌流し、患部や挿入部先端20が満遍なく洗浄される。そして、空間内の洗浄液は、洗浄液を供給した際の水圧に応じて挿入部先端20の外周面に設けられた溝24と内視鏡用キャップ30の内周面との間に形成される排水口としての管路25を介して空間外に連続的に排出される。
【0033】
このように、被検体の観察時に、挿入部先端20、フード部4及び被検体によって被検体を観察するための空間が形成されるので、この空間内に送水用チャンネル22から洗浄液等の流体を供給することにより、供給時の水圧によって局所的に灌流させることができる。これにより、患部や挿入部先端20を満遍なく洗浄することができるので、被検体の観察を妨げるような汚れを除去することができる。
【0034】
また、空間内の洗浄液等の流体を排出する排出口(管路25)が形成され、さらに、その断面積が、挿入部先端20の送水用チャンネル22の断面積と略等しくなっているので、この排出口を介して洗浄液を供給した際の水圧に応じて洗浄液が空間外に連続的に排出される。従って、挿入部先端20に洗浄液を排出するためのチャンネルを設ける必要がないので挿入部を大径化することなく被検体や挿入部の汚れを除去し視野をクリアにすることができる。
【0035】
なお、上記した実施形態においては、挿入部先端20の外周面に直線状の溝24を3本設けることによって排出口としての管路25を形成する例を示したが、排出口の構成はこれに限られるものではない。例えば、図5に示すように、挿入部先端40の長手方向に沿って、外周面を取り囲むような緩やかな螺旋状の溝44とすることもできる。また、溝の本数も適宜決定することができる。
【0036】
さらに、溝の長さを、挿入部の先端から挿入部への内視鏡用キャップ20の装着部3の装着範囲よりも長い範囲としたが、これに限られるものではなく、例えば、挿入部の先端から挿入部への内視鏡用キャップ20の装着部3の装着範囲に亘る長さとしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 内視鏡用キャップ
2 キャップ本体
3 装着部
4 フード部
5 溝
6 ストッパ
7 管路
10 挿入部先端
11 検出部
12 送水用チャンネル
13 照明光学系
20 挿入部先端
21 検出部
22 送水用チャンネル
23 照明光学系
24 溝
30 内視鏡用キャップ
40 挿入部先端
44 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端と基端とが開口した筒状のキャップ本体と、
該キャップ本体の基端側に設けられ、内視鏡の挿入部先端に装着される装着部と、
前記キャップ本体の先端側に設けられ、前記装着部を内視鏡挿入部先端に装着して前記キャップ本体の先端を被検体に接触させたときに、前記挿入部先端と被検体との間隔を一定に保持して前記被検体を観察するための空間を形成するフード部と、
前記装着部又は前記フード部に設けられ、該フード部によって形成される空間内の流体を排出する排出口と、
を備えた内視鏡用キャップ。
【請求項2】
前記フード部が、前記挿入部の先端に設けられた検出部の開口数に基づく角度で、内周面の口径が前記装着部の先端から前記キャップ本体の先端に向かって次第に広がっている請求項1に記載の内視鏡用キャップ。
【請求項3】
前記排出口が、前記装着部の内周面に形成された溝である請求項1又は請求項2に記載の内視鏡用キャップ。
【請求項4】
前記排出口が、前記フード部の外壁を貫通する孔又は前記フード部の先端に設けられた切り欠きである請求項1又は請求項2に記載の内視鏡用キャップ。
【請求項5】
送水用チャンネルを有する挿入部を備える内視鏡装置と、該内視鏡装置の挿入部先端に装着される内視鏡用キャップとを備え、
該内視鏡用キャップが、先端と基端とが開口した筒状のキャップ本体と、該キャップ本体の基端側に設けられ、前記挿入部先端に装着するための装着部と、前記キャップ本体の先端側に設けられ、前記装着部を内視鏡挿入部先端に装着して前記キャップ本体の先端を被検体に接触させたときに、前記挿入部先端と被検体との間に被検体を観察するための空間を形成するフード部とを有し、
前記挿入部が、その外面に、該挿入部の長手方向に沿って、少なくとも該挿入部の先端から該挿入部への前記装着部の装着範囲に亘って形成された溝を備える内視鏡ユニット。
【請求項6】
前記挿入部に前記装着部が装着されたときに、該装着部の内周面と前記溝とによって形成される管路の断面積と前記送水用チャンネルの断面積とがほぼ等しい請求項5に記載の内視鏡ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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