内視鏡用対物レンズ及び内視鏡システム
【課題】簡単かつ低コストの方法でフォーカシングの可能な内視鏡用対物レンズ、フォーカシングのためのアクチュエータ及び内視鏡システムを提供する。
【解決手段】複数のレンズ及び絞りSTを備え、絞りに隣接して光学素子OEが配され、光学素子を光軸Oと異なる方向に動かして焦点距離を変化させる。複数のレンズが、絞りの前方に配された負の屈折力を持つフロントレンズ群G1と、絞りの後方に配された正の屈折力を持つリアレンズ群G2とで構成され、光学素子が、フロントレンズ群と絞りとの間、または絞りとリアレンズ群との間に配される。
【解決手段】複数のレンズ及び絞りSTを備え、絞りに隣接して光学素子OEが配され、光学素子を光軸Oと異なる方向に動かして焦点距離を変化させる。複数のレンズが、絞りの前方に配された負の屈折力を持つフロントレンズ群G1と、絞りの後方に配された正の屈折力を持つリアレンズ群G2とで構成され、光学素子が、フロントレンズ群と絞りとの間、または絞りとリアレンズ群との間に配される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、内視鏡に使われるデジタル撮像装置の対物レンズ、及び内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡術は、内部組織に問題のある患者の医療検診、診断及び治療に広く使われる。これは、患者には回復時間を短くし、医者には柔軟な動作能力を可能にする便利な医療技術である。したがって、内視鏡術はいろいろな類型の病院及びクリニックで一般的に使われる。
【0003】
特に、結像ユニットは、内部組織の高品質の映像を提供するのに重要な役割を行う。内視鏡装置は、去る数十年間漸進的に発展してきた。結像ユニットは、ファイバイメージガイドからデジタルセンサーの活用まで発展してきた。対物レンズは、現代のイメージセンサーの需要を満たすように開発された。しかし、内視鏡のサイズは、イメージ品質ほど重要であり、結像ユニットのサイズも重要である。内視鏡対物レンズのレンズ構造は簡単であるが、システム開発において最も問題になるのは、小型サイズである。レンズ製造技術の限界のため、光学システム機能に対するニーズの増加と共に、レンズ構造がなるべく単純化されねばならない。
【0004】
去る10年間、新たなイメージ品質規格が内視鏡に有効になった。最大有効イメージ解像度オプションが、全体0.3Mpixから1.3Mpixまで、そしてそれ以上まで増加した。医療陣には、高画質のものが鮮明な患部の観察のために重要である。結像ユニットサイズが厳しく制限されるため、センサーサイズが変わらず、言及された解像度を得る可能性を提供するためにピクセルサイズが縮小した。しかし、さらに小さなピクセルサイズ(高解像度)では、回折限界のため広いDOF(Depth Of Field)を得難い。
【0005】
また、内視鏡に使われる対物レンズで、フォーカシングのために一つ以上のレンズを、光軸に沿って移動させる方法を使用する。これはシステムサイズを大きくし、レンズを移動させるための駆動メカニズム及びコントロールシステムを複雑にする。さらに、かかるフォーカシングシステムは、近距離における短いDOFによって使用が不便でありうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、簡単かつ低コストの方法でフォーカシングの可能な内視鏡用対物レンズを提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとするさらに他の課題は、低コストでフォーカシング性能の優秀な内視鏡システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態は、複数のレンズ及び絞りを備え、前記絞りに隣接して光学素子が配され、前記光学素子を、光軸と異なる方向に動かして焦点距離を変化させる内視鏡用対物レンズを提供する。
【0009】
前記複数のレンズが、前記絞りの前方に配された負の屈折力を持つフロントレンズ群と、前記絞りの後方に配された正の屈折力を持つリアレンズ群とで構成され、前記光学素子が、前記フロントレンズ群と絞りとの間、または前記絞りとリアレンズ群との間に配され、前記フロントレンズ群が、負の屈折力を持つ第1レンズ、正の屈折力を持つ第2レンズを備え、前記リアレンズ群が、正の屈折力を持つ第3レンズ、正の屈折力を持つ第4レンズ及び負の屈折力を持つ第5レンズを備える。
【0010】
内視鏡用対物レンズは、次の式を満たす。
【0011】
0.8≦|ds/fG1|≦1.8
ここで、dsは、第1レンズの物体側面の頂点と絞りとの間の距離を、fG1は、フロントレンズ群の焦点距離を表す。
【0012】
前記光学素子が光軸上にあるか、または光軸を外れるように移動して焦点距離を変化させる。
【0013】
前記光学素子は、パワーのない透明素子である。前記光学素子は、両面が平面であるガラスプレートである。前記光学素子は、正の屈折力を持つか、または負の屈折力を持つ。前記光学素子は、光軸に対して垂直の方向に移動して焦点距離を変化させる。
【0014】
前記対物レンズのFnoは、4〜6の範囲を持つ。前記対物レンズの遠距離におけるDOFは、5〜100mm範囲を持ち、近距離におけるDOFは、2.5〜10mm範囲を持つ。
【0015】
前記第2レンズは、上側に凸面を持つメニスカス型である。
【0016】
内視鏡用対物レンズは、次の式を満たす。
【0017】
d48/ffr≧2.0
ここで、d48は、第2レンズの上側面の頂点と第3レンズの物体側面の頂点との間の距離を、ffrは、対物レンズの全体焦点距離を表す。
【0018】
内視鏡用対物レンズは、次の式を満たす。
【0019】
f2/ffr≧6.0
0.3≦f45/f2≦2.5
ここで、f2は、第2レンズの焦点距離を、ffrは、対物レンズの全体焦点距離を、f45は、第4レンズ及び第5レンズを備える接合レンズの焦点距離を表す。
【0020】
第2レンズ及び第3レンズは、非球面を含む。
【0021】
本発明の一実施形態による内視鏡システムは、末端部に対物レンズが備えられたベンディング部と、前記ベンディング部に連結された挿入部と、を備え、前記対物レンズは、複数のレンズ及び絞りを備え、前記絞りに隣接して光学素子が配され、前記光学素子を光軸と異なる方向に動かして焦点距離を変化させる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施例による内視鏡用対物レンズを示す図面である。
【図2A】本発明の第1実施例による内視鏡用対物レンズが遠距離物体にフォーカシングすることを示す図面である。
【図2B】本発明の第1実施例による内視鏡用対物レンズが近距離物体にフォーカシングすることを示す図面である。
【図3A】本発明の第1実施例による内視鏡用対物レンズが遠距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図3B】本発明の第1実施例による内視鏡用対物レンズが近距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図4】本発明の第2実施例による内視鏡用対物レンズを示す図面である。
【図5A】本発明の第2実施例による内視鏡用対物レンズが遠距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図5B】本発明の第2実施例による内視鏡用対物レンズが近距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図6】本発明の第3実施例による内視鏡用対物レンズを示す図面である。
【図7A】本発明の第3実施例による内視鏡用対物レンズが遠距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図7B】本発明の第3実施例による内視鏡用対物レンズが近距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図8】本発明の第4実施例による内視鏡用対物レンズを示す図面である。
【図9A】本発明の第4実施例による内視鏡用対物レンズが遠距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図9B】本発明の第4実施例による内視鏡用対物レンズが近距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図10】本発明の第5実施例による内視鏡用対物レンズを示す図面である。
【図11A】本発明の第5実施例による内視鏡用対物レンズが遠距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図11B】本発明の第5実施例による内視鏡用対物レンズが近距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図12】本発明の一実施形態によるフォーカシングのためのアクチュエータを概略的に示す図面である。
【図13】本発明の一実施形態による対物レンズを備える内視鏡システムを概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態による内視鏡用対物レンズ、及び内視鏡システムについて、添付された図面を参照して詳細に説明する。図面で同じ参照番号は同じ構成要素を示し、各構成要素のサイズや厚さは説明の便宜のために誇張していることがある。一方、以下で説明される実施形態は単に例示的なものに過ぎず、かかる実施形態から多様な変形が可能である。
【0024】
本発明の実施形態による内視鏡用対物レンズ10は、図1を参照すれば、物体側Oから順次にフロントレンズ群(front lens group)G1、絞りST及びリアレンズ群(rear lens group)G2を備える。前記絞りSTに隣接して光学素子OEが配される。前記光学素子OEは、例えば、前記フロントレンズ群G1と絞りSTとの間または前記絞りSTとリアレンズ群G2との間に配される。前記光学素子OEは、光軸と異なる方向に移動可能になっており、光学素子OEによりフォーカシングが行われる。前記絞りSTは、口径の変わらない固定絞りでありうる。したがって、本実施形態による内視鏡用対物レンズは、光量が可変しない。
【0025】
図2Aに示したように、光学素子OEが光軸上にある時に焦点距離が長くなり、図2Bに示したように、光学素子OEが光軸を外れるように移動する時に焦点距離が短くなる。前記光学素子OEは、例えば、パワーのない透明素子でありうる。ここで、パワーは屈折力を表す。光学素子OEがパワーのない場合、光学素子によるコストアップが少なく、全体的なパワーに影響がないので収差管理も容易であり、光学素子の動きにも自由度が高いという利点がある。しかし、光学素子がこれに限定されるものではなく、前記光学素子OEはパワーを持つことも可能である。言い換えれば、前記光学素子OEは、正の屈折力または負の屈折力を持つ。
【0026】
また、前記光学素子OEが絞りSTに隣接して配される時、光学素子OEの移動時に絞りの開口に対応する最小距離ほど移動すればよいので、光学素子OEの移動によるサイズ増大が最小化する。
【0027】
本発明の実施形態による内視鏡用対物レンズは、前述したように光学素子OEを光軸と異なる方向、例えば、光軸と垂直の方向に移動して焦点距離を調節することで、高解像度のイメージを得る。例えば、内視鏡用対物レンズは、4〜6範囲のFnoを持つ。また、前記対物レンズの遠距離におけるDOF(Depth Of Field)が5〜100mm範囲を持ち、近距離におけるDOFが2.5〜10mm範囲を持つ。このように、遠距離におけるDOFと近距離におけるDOFとが重なる範囲があって、高解像度の鮮明な近距離映像を撮影できる。
【0028】
前記光学素子OEはパワーのない素子であるため、動きに自由度が高くて光軸上にくるか、または光軸を外れることでフォーカシング可能であり、フォーカシング時に光軸に対して垂直に動くことに限定されず、傾いて動くことも可能である。このように光学素子OEの敏感度が小さいため、光学素子OEを容易に製作でき、コストも低い。前記光学素子OEは、ガラスプレートで形成される。ガラスプレートの少なくとも一面が平面でありうる。例えば、光学素子OEの一面が階段状に形成され、この場合、焦点距離が多段階に変わる。
図1を参照すれば、前記フロントレンズ群G1は、負の屈折力を持つ第1レンズL1、正の屈折力を持つ第2レンズL2を備え、前記リアレンズ群G2は、正の屈折力を持つ第3レンズL3、正の屈折力を持つ第4レンズL4、及び負の屈折力を持つ第5レンズL5を備える。前記リアレンズ群G2の上側IにカバーガラスCGがさらに備えられる。
【0029】
前記第2レンズL2は、上側Oに凸面を持つメニスカス型でありうる。それにより、収差補正が容易に行われる。前記第2レンズL2及び第3レンズL3は非球面レンズでありうる。また、前記第4レンズL4及び第5レンズL5は接合される。
【0030】
一方、本発明の実施形態による内視鏡用対物レンズは、次の式を満たす。
【0031】
0.8≦|ds/fG1|≦1.8 (1)
ここで、dsは、第1レンズの物体側面の頂点と絞りとの間の距離を、fG1は、フロントレンズ群の焦点距離を表す。式(1)を満たすことで、全体対物レンズのサイズが縮小する。対物レンズのサイズは、光学素子のサイズ及びレンズのサイズにより定められ、これらサイズは、絞りSTの位置と関係がある。レンズ面における光線の高さを最小化するために、絞りSTが第1レンズL1と第3レンズL3との間の中間ほどに配される。また、光学素子OEのサイズを最小化するために、光学素子OEが絞りSTになるべく近く位置することが望ましい。したがって、式(1)の下限値は、リアレンズ群G2のサイズを小さくする場合を限定しており、上限値は、フロントレンズ群G1のサイズを小さくする場合を限定したものである。言い換えれば、式(1)を満たすことで、フロントレンズ群G1及びリアレンズ群G2における光線の高さを、両群のサイズが略同じくなるように最小化できる。式(1)は、対物レンズ内のフロントレンズ群G1とリアレンズ群G2とのサイズバランスを限定できる。
【0032】
内視鏡用対物レンズ10は、次の式を満たす。
【0033】
d48/ffr≧2.0 (2)
ここで、d48は、第2レンズの上側面の頂点と第3レンズの物体側面の頂点との間の距離を、ffrは、対物レンズの全体焦点距離を表す。
【0034】
対物レンズのサイズを最小化するために、対物レンズ内に制限された自由空間がありうる。光学素子を移動させるための駆動ユニット(図示せず)を装着するために、自由空間がフロントレンズ群G1がリアレンズ群G2の間に配されうる。式(2)を満たすことで光学素子OEと光学素子を移動させるための駆動ユニット(図示せず)とを配するために必要な空間を、フロントレンズ群G1とリアレンズ群G2との間、すなわち、第2レンズL2と第3レンズL3との間に確保できる。対物レンズ10が図2の条件を外れれば、光学素子OEを動かすための駆動部を設計して組立てるのが困難になる。
【0035】
また、内視鏡用対物レンズ10は、次の式を満たす。
【0036】
f2/ffr≧6.0 (3)
0.3≦f45/f2≦2.5 (4)
ここで、f2は、第2レンズの焦点距離を、ffrは、対物レンズの全体焦点距離を、f45は、第4レンズ及び第5レンズを備える接合レンズの焦点距離を表す。
【0037】
式(3)及び式(4)は、第2レンズL2と接合された第3レンズL3と第4レンズL4との間の光学パワー分配を限定できる。式(3)及び式(4)を満たすことで対物レンズの収差が補正され、それにより高解像度イメージが得られる。式(3)を満たすことで、広角フィールドのコマ収差が補正され、式(4)を満たすことで、対物レンズにおけるコマ収差及び色収差が補正される。
【0038】
一方、本発明の実施形態における非球面を定義すれば、次の通りである。
【0039】
本発明の実施形態による内視鏡用対物レンズに含まれた非球面レンズの非球面形状は、光軸方向をx軸とし、光軸方向に対して垂直の方向をy軸とする時、光線の進行方向を正として次の式で表す。ここで、xは、レンズの頂点から光軸方向への距離を、yは、光軸に対して垂直の方向への距離を、Kは、コーニック定数を、A、B、C、Dは、非球面係数を、cは、レンズの頂点における曲率半径の逆数(1/R)をそれぞれ表す。
【0040】
【数1】
本発明では、具体的に次のように多様な設計による実施例を通じて、内視鏡用対物レンズの小型化及び低コスト化を具現できる。
【0041】
以下、ffrは、遠距離物体にフォーカシングされる時の全体対物レンズの後焦点距離を、Fnofrは、Fナンバーを、2ωfrは、画角を表す。そして、fnrは、近距離物体にフォーカシングされる時の全体対物レンズの後焦点距離を、Fnonrは、Fナンバーを、2ωnrは、画角を表す。そして、Rは、曲率半径を、dn(nは自然数)は、レンズの中心厚さまたはレンズとレンズとの間隔を、Ndは、屈折率を、Vdは、アッベ数をそれぞれ表す。また、Obは、物体面を表し、STは、絞りを表し、Asphは、非球面を表す。そして、各実施例を示した図面で各レンズ群を構成するレンズについては同じ番号を付けて表し、sn(nは自然数)は、面番号を表す。各実施例で、距離単位はmmであり、画角の単位は°(degree)である。
【0042】
(第1実施例)
図1は、第1実施例による内視鏡用対物レンズを図示したものであり、以下は、第1実施例の設計データを示すものである。
【0043】
ffr:0.88 Fnofr:4.11 2ωfr:132.3゜
fnr:0.84 Fnonr:4.13 2ωnr:137.6゜
【0044】
【表1】
以下は、遠距離におけるフォーカシング時、及び近距離におけるフォーカシング時の光学素子OEについてのデータである。
【0045】
【表2】
図3A及び図3Bは、それぞれ遠距離におけるフォーカシング時と近距離におけるフォーカシング時、本発明の第1実施例による内視鏡用対物レンズの球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示す図面である。像面湾曲としては、子午像面湾曲(T:tangential field curvature)と、球欠像面湾曲(S:sagittal field curvature)とを示す。
【0046】
(第2実施例)
図4は、第2実施例による内視鏡用対物レンズを図示したものであり、以下は、第2実施例の設計データを示すものである。
【0047】
ffr:0.81 Fnofr:4.1 2ωfr:140.8゜
fnr:0.78 Fnonr:3.9 2ωnr:146.8゜
【0048】
【表3】
以下は、遠距離におけるフォーカシング時、及び近距離におけるフォーカシング時の光学素子OEについてのデータである。
【0049】
【表4】
図5A及び図5Bは、それぞれ遠距離におけるフォーカシング時及び近距離におけるフォーカシング時、本発明の第2実施例による内視鏡用対物レンズの球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示す図面である。
【0050】
(第3実施例)
図6は、第3実施例による内視鏡用対物レンズを図示したものであり、以下は、第3実施例の設計データを示すものである。第3実施例による内視鏡用対物レンズにおいては、第2レンズL2及び第3レンズL3が非球面レンズである。また、第2レンズ及び第3レンズは、プラスチックで形成される。
【0051】
ffr:0.83 Fnofr:4.0 2ωfr:140.0゜
fnr:0.77 Fnonr:3.8 2ωnr:149.0゜
【0052】
【表5】
以下は、第3実施例による内視鏡用対物レンズの非球面に対する係数を示すものである。
【0053】
【表6】
以下は、遠距離におけるフォーカシング時及び近距離におけるフォーカシング時の光学素子OEについてのデータである。
【0054】
【表7】
図7A及び図7Bは、それぞれ遠距離におけるフォーカシング時及び近距離におけるフォーカシング時、本発明の第3実施例による内視鏡用対物レンズの球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示す図面である。
【0055】
(第4実施例)
図8は、第4実施例による内視鏡用対物レンズを図示したものであり、以下は、第4実施例の設計データを示すものである。第4実施例による内視鏡用対物レンズにおいて、第2レンズL2及び第3レンズL3が非球面レンズである。また、第2レンズ及び第3レンズは、プラスチックで形成される。
【0056】
ffr:0.78 Fnofr:4.0 2ωfr:140.9゜
fnr:0.75 Fnonr:4.0 2ωnr:147.3゜
【0057】
【表8】
以下は、第4実施例による内視鏡用対物レンズの非球面に対する係数を示すものである。
【0058】
【表9】
以下は、遠距離におけるフォーカシング時及び近距離におけるフォーカシング時の光学素子OEについてのデータである。
【0059】
【表10】
図9A及び図9Bは、それぞれ遠距離におけるフォーカシング時及び近距離におけるフォーカシング時、本発明の第4実施例による内視鏡用対物レンズの球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示す図面である。
【0060】
(第5実施例)
図10は、第5実施例による内視鏡用対物レンズを図示したものであり、以下は、第5実施例の設計データを示すものである。第5実施例による内視鏡用対物レンズでは、光学素子OEがパワー(屈折力)を持つ例を示す。例えば、光学素子OEがメニスカス形状を持つ。そして、前記光学素子OEが正の屈折力を持つ。
【0061】
ffr’:0.83 Fnofr:4.4 2ωfr:140.0゜
fnr’:0.77 Fnonr:4.1 2ωnr:149.2゜
【0062】
【表11】
以下は、遠距離におけるフォーカシング時及び近距離におけるフォーカシング時の光学素子OEについてのデータである。
【0063】
【表12】
図11A及び図11Bは、それぞれ遠距離におけるフォーカシング時及び近距離におけるフォーカシング時、本発明の第5実施例による内視鏡用対物レンズの球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示す図面である。
【0064】
以下は、前記第1ないし第5実施例が、それぞれ前記式(1)ないし式(4)の条件を満たすことを示すものデある。
【0065】
【表13】
本発明の実施例による内視鏡用対物レンズは小型であり、かつ低コストで製作できる。光学素子を、光軸に対して光軸と異なる方向に移動させて簡単にフォーカシングを行える。また、フォーカシングにより高解像度、高画質の内視鏡映像が得られる。また、近距離で広いDOFを確保することができて、近距離で高画質映像が得られる。また、近距離におけるDOF範囲と遠距離におけるDOF範囲とが重なる部分があって、さらに安定的に近距離で高画質の鮮明な映像が得られる。
【0066】
以下では、本発明の実施例による内視鏡用対物レンズのフォーカシングのために光学素子を移動させるアクチュエータ100について、図12を参照して説明する。図12に図示されたアクチュエータ100は、前述した内視鏡用対物レンズのフォーカシングのための光学素子OEを動かす駆動ユニットの一例になりうる。
【0067】
図12を参照すれば、アクチュエータ100は、前記光学素子OEが支持され、かつ移動可能なホルダー110と、前記ホルダー110に形成された少なくとも一つのガイドホールと、前記少なくとも一つのガイドホールに挿入されてホルダーの移動をガイドするガイドシャフトと、を備える。前記ホルダー110は、中央部にホール117が備えられ、前記ホール117の一部に光学素子OEが装着されている。前記ホルダー110の下面には、支持しきい115がさらに備えられる。前記少なくとも一つのガイドホールは、例えば、ホルダー110の一側に設けられた第1ないし第3ガイドホール105、107、112を含む。第1ガイドホール105及び第2ガイドホール107は同じ線上に形成され、前記第1ガイドホール105及び第2ガイドホール107に第1ガイドシャフト111が装着される。そして、前記3ガイドホール113に第2ガイドシャフト112が装着される。前記第1ないし第3ガイドホール105、107、113は多様な形態に形成され、例えば、円形または一部の開放された形態を持つ。前記第1ガイドシャフト111と第2ガイドシャフト112とは、対向するように配された第1プレート101と第2プレート102との間に配され、前記ホルダー110は、第1及び第2ガイドシャフト111、112に沿って上下に移動できる。前記第2ガイドシャフト112の周りには弾性部材125が備えられており、弾性部材125は、圧縮バネでありうる。前記ホルダー110が上部に移動した後、移動に加えられた力が解除されれば、弾性部材125の弾性力によりホルダー110が元のところに復元される。
【0068】
一方、前記ホルダー110を移動させるための駆動部120がホルダー110に備えられうる。駆動部120は、ホルダー110を引き寄せられるワイヤーを備える。そして、ワイヤーを手で引き寄せるか、または機械的に引き寄せることができる。ホルダー110が移動せずにある時、光学素子OEが光軸上に位置でき、この時、遠距離で焦点が結ばれうる(図2A参照)。前記駆動部120によりホルダー110が上部側に移動すれば、光学素子OEが上部に移動して、例えば、対物レンズの光軸を外れる。この時、近距離で焦点が結ばれる(図2B参照)。
【0069】
前述したように簡単な構造のアクチュエータを用いて光学素子OEを移動させることで、内視鏡用対物レンズのフォーカシングを行える。図12に図示されたアクチュエータは一例であるだけで、光学素子OEを移動させるためのアクチュエータは多様に変更できるということはいうまでもない。
【0070】
次いで、図13は、本発明の実施形態による内視鏡用対物レンズを採用した内視鏡システム200を概略的に示す図面である。
【0071】
内視鏡システム200は、末端部のチップ210にある対物レンズ10を備えるベンディング部220と、ベンディング部220に連結された挿入部230とを備える。ベンディング部220は柔軟な材質で形成されて自由に曲がり、内視鏡が入る経路に沿って形態が変わりうる。前記挿入部230の端部には、対物レンズ10のフォーカシングのための操作を行うためのハンドル240が備えられる。ハンドル240を用いて、前記チップ210を患者の患部に近づけるか、または遠ざけることができ、前記対物レンズ10を用いて患部のイメージを撮影できる。前記対物レンズ10は、図1ないし図10を参照して説明したので、ここでは詳細な説明を省略する。前記対物レンズ10は簡単な方法でフォーカシングを行って、高解像度、高画質のイメージが得られるようにする。図13では、内視鏡システム200を概略的に例示しており、その他にも多様な構造の内視鏡システムに適用できる。
【0072】
前記の実施形態は例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能である。したがって、本発明の実施形態による技術的保護範囲は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想により定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、内視鏡に使われるデジタル撮像装置の対物レンズ、及び内視鏡システム関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0074】
G1 フロントレンズ群
G2 リアレンズ群
O 物体側
OE 光学素子
ST 絞り
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、内視鏡に使われるデジタル撮像装置の対物レンズ、及び内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡術は、内部組織に問題のある患者の医療検診、診断及び治療に広く使われる。これは、患者には回復時間を短くし、医者には柔軟な動作能力を可能にする便利な医療技術である。したがって、内視鏡術はいろいろな類型の病院及びクリニックで一般的に使われる。
【0003】
特に、結像ユニットは、内部組織の高品質の映像を提供するのに重要な役割を行う。内視鏡装置は、去る数十年間漸進的に発展してきた。結像ユニットは、ファイバイメージガイドからデジタルセンサーの活用まで発展してきた。対物レンズは、現代のイメージセンサーの需要を満たすように開発された。しかし、内視鏡のサイズは、イメージ品質ほど重要であり、結像ユニットのサイズも重要である。内視鏡対物レンズのレンズ構造は簡単であるが、システム開発において最も問題になるのは、小型サイズである。レンズ製造技術の限界のため、光学システム機能に対するニーズの増加と共に、レンズ構造がなるべく単純化されねばならない。
【0004】
去る10年間、新たなイメージ品質規格が内視鏡に有効になった。最大有効イメージ解像度オプションが、全体0.3Mpixから1.3Mpixまで、そしてそれ以上まで増加した。医療陣には、高画質のものが鮮明な患部の観察のために重要である。結像ユニットサイズが厳しく制限されるため、センサーサイズが変わらず、言及された解像度を得る可能性を提供するためにピクセルサイズが縮小した。しかし、さらに小さなピクセルサイズ(高解像度)では、回折限界のため広いDOF(Depth Of Field)を得難い。
【0005】
また、内視鏡に使われる対物レンズで、フォーカシングのために一つ以上のレンズを、光軸に沿って移動させる方法を使用する。これはシステムサイズを大きくし、レンズを移動させるための駆動メカニズム及びコントロールシステムを複雑にする。さらに、かかるフォーカシングシステムは、近距離における短いDOFによって使用が不便でありうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、簡単かつ低コストの方法でフォーカシングの可能な内視鏡用対物レンズを提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとするさらに他の課題は、低コストでフォーカシング性能の優秀な内視鏡システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態は、複数のレンズ及び絞りを備え、前記絞りに隣接して光学素子が配され、前記光学素子を、光軸と異なる方向に動かして焦点距離を変化させる内視鏡用対物レンズを提供する。
【0009】
前記複数のレンズが、前記絞りの前方に配された負の屈折力を持つフロントレンズ群と、前記絞りの後方に配された正の屈折力を持つリアレンズ群とで構成され、前記光学素子が、前記フロントレンズ群と絞りとの間、または前記絞りとリアレンズ群との間に配され、前記フロントレンズ群が、負の屈折力を持つ第1レンズ、正の屈折力を持つ第2レンズを備え、前記リアレンズ群が、正の屈折力を持つ第3レンズ、正の屈折力を持つ第4レンズ及び負の屈折力を持つ第5レンズを備える。
【0010】
内視鏡用対物レンズは、次の式を満たす。
【0011】
0.8≦|ds/fG1|≦1.8
ここで、dsは、第1レンズの物体側面の頂点と絞りとの間の距離を、fG1は、フロントレンズ群の焦点距離を表す。
【0012】
前記光学素子が光軸上にあるか、または光軸を外れるように移動して焦点距離を変化させる。
【0013】
前記光学素子は、パワーのない透明素子である。前記光学素子は、両面が平面であるガラスプレートである。前記光学素子は、正の屈折力を持つか、または負の屈折力を持つ。前記光学素子は、光軸に対して垂直の方向に移動して焦点距離を変化させる。
【0014】
前記対物レンズのFnoは、4〜6の範囲を持つ。前記対物レンズの遠距離におけるDOFは、5〜100mm範囲を持ち、近距離におけるDOFは、2.5〜10mm範囲を持つ。
【0015】
前記第2レンズは、上側に凸面を持つメニスカス型である。
【0016】
内視鏡用対物レンズは、次の式を満たす。
【0017】
d48/ffr≧2.0
ここで、d48は、第2レンズの上側面の頂点と第3レンズの物体側面の頂点との間の距離を、ffrは、対物レンズの全体焦点距離を表す。
【0018】
内視鏡用対物レンズは、次の式を満たす。
【0019】
f2/ffr≧6.0
0.3≦f45/f2≦2.5
ここで、f2は、第2レンズの焦点距離を、ffrは、対物レンズの全体焦点距離を、f45は、第4レンズ及び第5レンズを備える接合レンズの焦点距離を表す。
【0020】
第2レンズ及び第3レンズは、非球面を含む。
【0021】
本発明の一実施形態による内視鏡システムは、末端部に対物レンズが備えられたベンディング部と、前記ベンディング部に連結された挿入部と、を備え、前記対物レンズは、複数のレンズ及び絞りを備え、前記絞りに隣接して光学素子が配され、前記光学素子を光軸と異なる方向に動かして焦点距離を変化させる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施例による内視鏡用対物レンズを示す図面である。
【図2A】本発明の第1実施例による内視鏡用対物レンズが遠距離物体にフォーカシングすることを示す図面である。
【図2B】本発明の第1実施例による内視鏡用対物レンズが近距離物体にフォーカシングすることを示す図面である。
【図3A】本発明の第1実施例による内視鏡用対物レンズが遠距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図3B】本発明の第1実施例による内視鏡用対物レンズが近距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図4】本発明の第2実施例による内視鏡用対物レンズを示す図面である。
【図5A】本発明の第2実施例による内視鏡用対物レンズが遠距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図5B】本発明の第2実施例による内視鏡用対物レンズが近距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図6】本発明の第3実施例による内視鏡用対物レンズを示す図面である。
【図7A】本発明の第3実施例による内視鏡用対物レンズが遠距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図7B】本発明の第3実施例による内視鏡用対物レンズが近距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図8】本発明の第4実施例による内視鏡用対物レンズを示す図面である。
【図9A】本発明の第4実施例による内視鏡用対物レンズが遠距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図9B】本発明の第4実施例による内視鏡用対物レンズが近距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図10】本発明の第5実施例による内視鏡用対物レンズを示す図面である。
【図11A】本発明の第5実施例による内視鏡用対物レンズが遠距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図11B】本発明の第5実施例による内視鏡用対物レンズが近距離物体にフォーカシングした場合の收差図である。
【図12】本発明の一実施形態によるフォーカシングのためのアクチュエータを概略的に示す図面である。
【図13】本発明の一実施形態による対物レンズを備える内視鏡システムを概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態による内視鏡用対物レンズ、及び内視鏡システムについて、添付された図面を参照して詳細に説明する。図面で同じ参照番号は同じ構成要素を示し、各構成要素のサイズや厚さは説明の便宜のために誇張していることがある。一方、以下で説明される実施形態は単に例示的なものに過ぎず、かかる実施形態から多様な変形が可能である。
【0024】
本発明の実施形態による内視鏡用対物レンズ10は、図1を参照すれば、物体側Oから順次にフロントレンズ群(front lens group)G1、絞りST及びリアレンズ群(rear lens group)G2を備える。前記絞りSTに隣接して光学素子OEが配される。前記光学素子OEは、例えば、前記フロントレンズ群G1と絞りSTとの間または前記絞りSTとリアレンズ群G2との間に配される。前記光学素子OEは、光軸と異なる方向に移動可能になっており、光学素子OEによりフォーカシングが行われる。前記絞りSTは、口径の変わらない固定絞りでありうる。したがって、本実施形態による内視鏡用対物レンズは、光量が可変しない。
【0025】
図2Aに示したように、光学素子OEが光軸上にある時に焦点距離が長くなり、図2Bに示したように、光学素子OEが光軸を外れるように移動する時に焦点距離が短くなる。前記光学素子OEは、例えば、パワーのない透明素子でありうる。ここで、パワーは屈折力を表す。光学素子OEがパワーのない場合、光学素子によるコストアップが少なく、全体的なパワーに影響がないので収差管理も容易であり、光学素子の動きにも自由度が高いという利点がある。しかし、光学素子がこれに限定されるものではなく、前記光学素子OEはパワーを持つことも可能である。言い換えれば、前記光学素子OEは、正の屈折力または負の屈折力を持つ。
【0026】
また、前記光学素子OEが絞りSTに隣接して配される時、光学素子OEの移動時に絞りの開口に対応する最小距離ほど移動すればよいので、光学素子OEの移動によるサイズ増大が最小化する。
【0027】
本発明の実施形態による内視鏡用対物レンズは、前述したように光学素子OEを光軸と異なる方向、例えば、光軸と垂直の方向に移動して焦点距離を調節することで、高解像度のイメージを得る。例えば、内視鏡用対物レンズは、4〜6範囲のFnoを持つ。また、前記対物レンズの遠距離におけるDOF(Depth Of Field)が5〜100mm範囲を持ち、近距離におけるDOFが2.5〜10mm範囲を持つ。このように、遠距離におけるDOFと近距離におけるDOFとが重なる範囲があって、高解像度の鮮明な近距離映像を撮影できる。
【0028】
前記光学素子OEはパワーのない素子であるため、動きに自由度が高くて光軸上にくるか、または光軸を外れることでフォーカシング可能であり、フォーカシング時に光軸に対して垂直に動くことに限定されず、傾いて動くことも可能である。このように光学素子OEの敏感度が小さいため、光学素子OEを容易に製作でき、コストも低い。前記光学素子OEは、ガラスプレートで形成される。ガラスプレートの少なくとも一面が平面でありうる。例えば、光学素子OEの一面が階段状に形成され、この場合、焦点距離が多段階に変わる。
図1を参照すれば、前記フロントレンズ群G1は、負の屈折力を持つ第1レンズL1、正の屈折力を持つ第2レンズL2を備え、前記リアレンズ群G2は、正の屈折力を持つ第3レンズL3、正の屈折力を持つ第4レンズL4、及び負の屈折力を持つ第5レンズL5を備える。前記リアレンズ群G2の上側IにカバーガラスCGがさらに備えられる。
【0029】
前記第2レンズL2は、上側Oに凸面を持つメニスカス型でありうる。それにより、収差補正が容易に行われる。前記第2レンズL2及び第3レンズL3は非球面レンズでありうる。また、前記第4レンズL4及び第5レンズL5は接合される。
【0030】
一方、本発明の実施形態による内視鏡用対物レンズは、次の式を満たす。
【0031】
0.8≦|ds/fG1|≦1.8 (1)
ここで、dsは、第1レンズの物体側面の頂点と絞りとの間の距離を、fG1は、フロントレンズ群の焦点距離を表す。式(1)を満たすことで、全体対物レンズのサイズが縮小する。対物レンズのサイズは、光学素子のサイズ及びレンズのサイズにより定められ、これらサイズは、絞りSTの位置と関係がある。レンズ面における光線の高さを最小化するために、絞りSTが第1レンズL1と第3レンズL3との間の中間ほどに配される。また、光学素子OEのサイズを最小化するために、光学素子OEが絞りSTになるべく近く位置することが望ましい。したがって、式(1)の下限値は、リアレンズ群G2のサイズを小さくする場合を限定しており、上限値は、フロントレンズ群G1のサイズを小さくする場合を限定したものである。言い換えれば、式(1)を満たすことで、フロントレンズ群G1及びリアレンズ群G2における光線の高さを、両群のサイズが略同じくなるように最小化できる。式(1)は、対物レンズ内のフロントレンズ群G1とリアレンズ群G2とのサイズバランスを限定できる。
【0032】
内視鏡用対物レンズ10は、次の式を満たす。
【0033】
d48/ffr≧2.0 (2)
ここで、d48は、第2レンズの上側面の頂点と第3レンズの物体側面の頂点との間の距離を、ffrは、対物レンズの全体焦点距離を表す。
【0034】
対物レンズのサイズを最小化するために、対物レンズ内に制限された自由空間がありうる。光学素子を移動させるための駆動ユニット(図示せず)を装着するために、自由空間がフロントレンズ群G1がリアレンズ群G2の間に配されうる。式(2)を満たすことで光学素子OEと光学素子を移動させるための駆動ユニット(図示せず)とを配するために必要な空間を、フロントレンズ群G1とリアレンズ群G2との間、すなわち、第2レンズL2と第3レンズL3との間に確保できる。対物レンズ10が図2の条件を外れれば、光学素子OEを動かすための駆動部を設計して組立てるのが困難になる。
【0035】
また、内視鏡用対物レンズ10は、次の式を満たす。
【0036】
f2/ffr≧6.0 (3)
0.3≦f45/f2≦2.5 (4)
ここで、f2は、第2レンズの焦点距離を、ffrは、対物レンズの全体焦点距離を、f45は、第4レンズ及び第5レンズを備える接合レンズの焦点距離を表す。
【0037】
式(3)及び式(4)は、第2レンズL2と接合された第3レンズL3と第4レンズL4との間の光学パワー分配を限定できる。式(3)及び式(4)を満たすことで対物レンズの収差が補正され、それにより高解像度イメージが得られる。式(3)を満たすことで、広角フィールドのコマ収差が補正され、式(4)を満たすことで、対物レンズにおけるコマ収差及び色収差が補正される。
【0038】
一方、本発明の実施形態における非球面を定義すれば、次の通りである。
【0039】
本発明の実施形態による内視鏡用対物レンズに含まれた非球面レンズの非球面形状は、光軸方向をx軸とし、光軸方向に対して垂直の方向をy軸とする時、光線の進行方向を正として次の式で表す。ここで、xは、レンズの頂点から光軸方向への距離を、yは、光軸に対して垂直の方向への距離を、Kは、コーニック定数を、A、B、C、Dは、非球面係数を、cは、レンズの頂点における曲率半径の逆数(1/R)をそれぞれ表す。
【0040】
【数1】
本発明では、具体的に次のように多様な設計による実施例を通じて、内視鏡用対物レンズの小型化及び低コスト化を具現できる。
【0041】
以下、ffrは、遠距離物体にフォーカシングされる時の全体対物レンズの後焦点距離を、Fnofrは、Fナンバーを、2ωfrは、画角を表す。そして、fnrは、近距離物体にフォーカシングされる時の全体対物レンズの後焦点距離を、Fnonrは、Fナンバーを、2ωnrは、画角を表す。そして、Rは、曲率半径を、dn(nは自然数)は、レンズの中心厚さまたはレンズとレンズとの間隔を、Ndは、屈折率を、Vdは、アッベ数をそれぞれ表す。また、Obは、物体面を表し、STは、絞りを表し、Asphは、非球面を表す。そして、各実施例を示した図面で各レンズ群を構成するレンズについては同じ番号を付けて表し、sn(nは自然数)は、面番号を表す。各実施例で、距離単位はmmであり、画角の単位は°(degree)である。
【0042】
(第1実施例)
図1は、第1実施例による内視鏡用対物レンズを図示したものであり、以下は、第1実施例の設計データを示すものである。
【0043】
ffr:0.88 Fnofr:4.11 2ωfr:132.3゜
fnr:0.84 Fnonr:4.13 2ωnr:137.6゜
【0044】
【表1】
以下は、遠距離におけるフォーカシング時、及び近距離におけるフォーカシング時の光学素子OEについてのデータである。
【0045】
【表2】
図3A及び図3Bは、それぞれ遠距離におけるフォーカシング時と近距離におけるフォーカシング時、本発明の第1実施例による内視鏡用対物レンズの球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示す図面である。像面湾曲としては、子午像面湾曲(T:tangential field curvature)と、球欠像面湾曲(S:sagittal field curvature)とを示す。
【0046】
(第2実施例)
図4は、第2実施例による内視鏡用対物レンズを図示したものであり、以下は、第2実施例の設計データを示すものである。
【0047】
ffr:0.81 Fnofr:4.1 2ωfr:140.8゜
fnr:0.78 Fnonr:3.9 2ωnr:146.8゜
【0048】
【表3】
以下は、遠距離におけるフォーカシング時、及び近距離におけるフォーカシング時の光学素子OEについてのデータである。
【0049】
【表4】
図5A及び図5Bは、それぞれ遠距離におけるフォーカシング時及び近距離におけるフォーカシング時、本発明の第2実施例による内視鏡用対物レンズの球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示す図面である。
【0050】
(第3実施例)
図6は、第3実施例による内視鏡用対物レンズを図示したものであり、以下は、第3実施例の設計データを示すものである。第3実施例による内視鏡用対物レンズにおいては、第2レンズL2及び第3レンズL3が非球面レンズである。また、第2レンズ及び第3レンズは、プラスチックで形成される。
【0051】
ffr:0.83 Fnofr:4.0 2ωfr:140.0゜
fnr:0.77 Fnonr:3.8 2ωnr:149.0゜
【0052】
【表5】
以下は、第3実施例による内視鏡用対物レンズの非球面に対する係数を示すものである。
【0053】
【表6】
以下は、遠距離におけるフォーカシング時及び近距離におけるフォーカシング時の光学素子OEについてのデータである。
【0054】
【表7】
図7A及び図7Bは、それぞれ遠距離におけるフォーカシング時及び近距離におけるフォーカシング時、本発明の第3実施例による内視鏡用対物レンズの球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示す図面である。
【0055】
(第4実施例)
図8は、第4実施例による内視鏡用対物レンズを図示したものであり、以下は、第4実施例の設計データを示すものである。第4実施例による内視鏡用対物レンズにおいて、第2レンズL2及び第3レンズL3が非球面レンズである。また、第2レンズ及び第3レンズは、プラスチックで形成される。
【0056】
ffr:0.78 Fnofr:4.0 2ωfr:140.9゜
fnr:0.75 Fnonr:4.0 2ωnr:147.3゜
【0057】
【表8】
以下は、第4実施例による内視鏡用対物レンズの非球面に対する係数を示すものである。
【0058】
【表9】
以下は、遠距離におけるフォーカシング時及び近距離におけるフォーカシング時の光学素子OEについてのデータである。
【0059】
【表10】
図9A及び図9Bは、それぞれ遠距離におけるフォーカシング時及び近距離におけるフォーカシング時、本発明の第4実施例による内視鏡用対物レンズの球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示す図面である。
【0060】
(第5実施例)
図10は、第5実施例による内視鏡用対物レンズを図示したものであり、以下は、第5実施例の設計データを示すものである。第5実施例による内視鏡用対物レンズでは、光学素子OEがパワー(屈折力)を持つ例を示す。例えば、光学素子OEがメニスカス形状を持つ。そして、前記光学素子OEが正の屈折力を持つ。
【0061】
ffr’:0.83 Fnofr:4.4 2ωfr:140.0゜
fnr’:0.77 Fnonr:4.1 2ωnr:149.2゜
【0062】
【表11】
以下は、遠距離におけるフォーカシング時及び近距離におけるフォーカシング時の光学素子OEについてのデータである。
【0063】
【表12】
図11A及び図11Bは、それぞれ遠距離におけるフォーカシング時及び近距離におけるフォーカシング時、本発明の第5実施例による内視鏡用対物レンズの球面収差、像面湾曲、歪曲収差を示す図面である。
【0064】
以下は、前記第1ないし第5実施例が、それぞれ前記式(1)ないし式(4)の条件を満たすことを示すものデある。
【0065】
【表13】
本発明の実施例による内視鏡用対物レンズは小型であり、かつ低コストで製作できる。光学素子を、光軸に対して光軸と異なる方向に移動させて簡単にフォーカシングを行える。また、フォーカシングにより高解像度、高画質の内視鏡映像が得られる。また、近距離で広いDOFを確保することができて、近距離で高画質映像が得られる。また、近距離におけるDOF範囲と遠距離におけるDOF範囲とが重なる部分があって、さらに安定的に近距離で高画質の鮮明な映像が得られる。
【0066】
以下では、本発明の実施例による内視鏡用対物レンズのフォーカシングのために光学素子を移動させるアクチュエータ100について、図12を参照して説明する。図12に図示されたアクチュエータ100は、前述した内視鏡用対物レンズのフォーカシングのための光学素子OEを動かす駆動ユニットの一例になりうる。
【0067】
図12を参照すれば、アクチュエータ100は、前記光学素子OEが支持され、かつ移動可能なホルダー110と、前記ホルダー110に形成された少なくとも一つのガイドホールと、前記少なくとも一つのガイドホールに挿入されてホルダーの移動をガイドするガイドシャフトと、を備える。前記ホルダー110は、中央部にホール117が備えられ、前記ホール117の一部に光学素子OEが装着されている。前記ホルダー110の下面には、支持しきい115がさらに備えられる。前記少なくとも一つのガイドホールは、例えば、ホルダー110の一側に設けられた第1ないし第3ガイドホール105、107、112を含む。第1ガイドホール105及び第2ガイドホール107は同じ線上に形成され、前記第1ガイドホール105及び第2ガイドホール107に第1ガイドシャフト111が装着される。そして、前記3ガイドホール113に第2ガイドシャフト112が装着される。前記第1ないし第3ガイドホール105、107、113は多様な形態に形成され、例えば、円形または一部の開放された形態を持つ。前記第1ガイドシャフト111と第2ガイドシャフト112とは、対向するように配された第1プレート101と第2プレート102との間に配され、前記ホルダー110は、第1及び第2ガイドシャフト111、112に沿って上下に移動できる。前記第2ガイドシャフト112の周りには弾性部材125が備えられており、弾性部材125は、圧縮バネでありうる。前記ホルダー110が上部に移動した後、移動に加えられた力が解除されれば、弾性部材125の弾性力によりホルダー110が元のところに復元される。
【0068】
一方、前記ホルダー110を移動させるための駆動部120がホルダー110に備えられうる。駆動部120は、ホルダー110を引き寄せられるワイヤーを備える。そして、ワイヤーを手で引き寄せるか、または機械的に引き寄せることができる。ホルダー110が移動せずにある時、光学素子OEが光軸上に位置でき、この時、遠距離で焦点が結ばれうる(図2A参照)。前記駆動部120によりホルダー110が上部側に移動すれば、光学素子OEが上部に移動して、例えば、対物レンズの光軸を外れる。この時、近距離で焦点が結ばれる(図2B参照)。
【0069】
前述したように簡単な構造のアクチュエータを用いて光学素子OEを移動させることで、内視鏡用対物レンズのフォーカシングを行える。図12に図示されたアクチュエータは一例であるだけで、光学素子OEを移動させるためのアクチュエータは多様に変更できるということはいうまでもない。
【0070】
次いで、図13は、本発明の実施形態による内視鏡用対物レンズを採用した内視鏡システム200を概略的に示す図面である。
【0071】
内視鏡システム200は、末端部のチップ210にある対物レンズ10を備えるベンディング部220と、ベンディング部220に連結された挿入部230とを備える。ベンディング部220は柔軟な材質で形成されて自由に曲がり、内視鏡が入る経路に沿って形態が変わりうる。前記挿入部230の端部には、対物レンズ10のフォーカシングのための操作を行うためのハンドル240が備えられる。ハンドル240を用いて、前記チップ210を患者の患部に近づけるか、または遠ざけることができ、前記対物レンズ10を用いて患部のイメージを撮影できる。前記対物レンズ10は、図1ないし図10を参照して説明したので、ここでは詳細な説明を省略する。前記対物レンズ10は簡単な方法でフォーカシングを行って、高解像度、高画質のイメージが得られるようにする。図13では、内視鏡システム200を概略的に例示しており、その他にも多様な構造の内視鏡システムに適用できる。
【0072】
前記の実施形態は例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能である。したがって、本発明の実施形態による技術的保護範囲は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想により定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、内視鏡に使われるデジタル撮像装置の対物レンズ、及び内視鏡システム関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0074】
G1 フロントレンズ群
G2 リアレンズ群
O 物体側
OE 光学素子
ST 絞り
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズ及び絞りを備え、
前記絞りに隣接して光学素子が配され、
前記光学素子を、光軸と異なる方向に動かして焦点距離を変化させる内視鏡用対物レンズ。
【請求項2】
前記複数のレンズが、前記絞りの前方に配された負の屈折力を持つフロントレンズ群と、前記絞りの後方に配された正の屈折力を持つリアレンズ群とで構成され、前記光学素子が、前記フロントレンズ群と絞りとの間、または前記絞りとリアレンズ群との間に配され、
前記フロントレンズ群が、負の屈折力を持つ第1レンズ、正の屈折力を持つ第2レンズを備え、
前記リアレンズ群が、正の屈折力を持つ第3レンズ、正の屈折力を持つ第4レンズ及び負の屈折力を持つ第5レンズを備える請求項1に記載の対物レンズ。
【請求項3】
次の式を満たす請求項2に記載の内視鏡用対物レンズ:
0.8≦|ds/fG1|≦1.8
ここで、dsは、第1レンズの物体側面の頂点と絞りとの間の距離を、fG1は、フロントレンズ群の焦点距離を表す。
【請求項4】
前記光学素子が光軸上にあるか、または光軸を外れるように移動して焦点距離を変化させる請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項5】
前記光学素子は、パワーのない透明素子である請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項6】
前記光学素子は、両面が平面であるガラスプレートである請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項7】
前記光学素子は、正の屈折力を持つか、または負の屈折力を持つ請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項8】
前記光学素子は、光軸に対して垂直の方向に移動して焦点距離を変化させる請求項1ないし7のうちいずれか一項に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項9】
前記対物レンズのFnoは、4〜6の範囲を持つ請求項1ないし8のうちいずれか一項に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項10】
前記対物レンズの遠距離におけるDOF(Depth Of Field)は、5〜100mm範囲を持ち、近距離におけるDOFは、2.5〜10mm範囲を持つ請求項1ないし9のうちいずれか一項に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項11】
前記第2レンズは、上側に凸面を持つメニスカス型である請求項10に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項12】
次の式を満たす請求項10に記載の内視鏡用対物レンズ:
d48/ffr≧2.0
ここで、d48は、第2レンズの上側面の頂点と第3レンズの物体側面の頂点との間の距離を、ffrは、対物レンズの全体焦点距離を表す。
【請求項13】
次の式を満たす請求項10に記載の内視鏡用対物レンズ:
f2/ffr≧6.0
0.3≦f45/f2≦2.5
ここで、f2は、第2レンズの焦点距離を、ffrは、対物レンズの全体焦点距離を、f45は、第4レンズ及び第5レンズを備える接合レンズの焦点距離を表す。
【請求項14】
第2レンズ及び第3レンズは、非球面を含む請求項10に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項15】
末端部に請求項1ないし14のうちいずれか一項に記載の対物レンズが備えられたベンディング部と、
前記ベンディング部に連結された挿入部と、を備える内視鏡システム。
【請求項1】
複数のレンズ及び絞りを備え、
前記絞りに隣接して光学素子が配され、
前記光学素子を、光軸と異なる方向に動かして焦点距離を変化させる内視鏡用対物レンズ。
【請求項2】
前記複数のレンズが、前記絞りの前方に配された負の屈折力を持つフロントレンズ群と、前記絞りの後方に配された正の屈折力を持つリアレンズ群とで構成され、前記光学素子が、前記フロントレンズ群と絞りとの間、または前記絞りとリアレンズ群との間に配され、
前記フロントレンズ群が、負の屈折力を持つ第1レンズ、正の屈折力を持つ第2レンズを備え、
前記リアレンズ群が、正の屈折力を持つ第3レンズ、正の屈折力を持つ第4レンズ及び負の屈折力を持つ第5レンズを備える請求項1に記載の対物レンズ。
【請求項3】
次の式を満たす請求項2に記載の内視鏡用対物レンズ:
0.8≦|ds/fG1|≦1.8
ここで、dsは、第1レンズの物体側面の頂点と絞りとの間の距離を、fG1は、フロントレンズ群の焦点距離を表す。
【請求項4】
前記光学素子が光軸上にあるか、または光軸を外れるように移動して焦点距離を変化させる請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項5】
前記光学素子は、パワーのない透明素子である請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項6】
前記光学素子は、両面が平面であるガラスプレートである請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項7】
前記光学素子は、正の屈折力を持つか、または負の屈折力を持つ請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項8】
前記光学素子は、光軸に対して垂直の方向に移動して焦点距離を変化させる請求項1ないし7のうちいずれか一項に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項9】
前記対物レンズのFnoは、4〜6の範囲を持つ請求項1ないし8のうちいずれか一項に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項10】
前記対物レンズの遠距離におけるDOF(Depth Of Field)は、5〜100mm範囲を持ち、近距離におけるDOFは、2.5〜10mm範囲を持つ請求項1ないし9のうちいずれか一項に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項11】
前記第2レンズは、上側に凸面を持つメニスカス型である請求項10に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項12】
次の式を満たす請求項10に記載の内視鏡用対物レンズ:
d48/ffr≧2.0
ここで、d48は、第2レンズの上側面の頂点と第3レンズの物体側面の頂点との間の距離を、ffrは、対物レンズの全体焦点距離を表す。
【請求項13】
次の式を満たす請求項10に記載の内視鏡用対物レンズ:
f2/ffr≧6.0
0.3≦f45/f2≦2.5
ここで、f2は、第2レンズの焦点距離を、ffrは、対物レンズの全体焦点距離を、f45は、第4レンズ及び第5レンズを備える接合レンズの焦点距離を表す。
【請求項14】
第2レンズ及び第3レンズは、非球面を含む請求項10に記載の内視鏡用対物レンズ。
【請求項15】
末端部に請求項1ないし14のうちいずれか一項に記載の対物レンズが備えられたベンディング部と、
前記ベンディング部に連結された挿入部と、を備える内視鏡システム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−114261(P2013−114261A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−204854(P2012−204854)
【出願日】平成24年9月18日(2012.9.18)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月18日(2012.9.18)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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