説明

内視鏡用挿入補助具

【課題】内視鏡の挿入部を挿入補助具を用いて体腔内に挿入するときの操作性を改善する。
【解決手段】挿入補助具60において内視鏡10の挿入部12が挿通されるチューブ本体64の側壁部には、挿入部12を通過可能なサイズの側壁開口部68が設けられる。側壁開口部68の先端側には案内弁82が設けられており、案内弁82に案内されて挿入部12が側壁開口部68から容易に導出されるようになっている。案内弁82に揺動可能に支持されており、挿入部12をチューブ本体64の先端開孔部67から導出する際には、挿入部12の軸方向に対して略平行な平行状態となり、挿入部12を先端開口部67側に挿通させることもできるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内視鏡用挿入補助具に係り、特に、内視鏡の挿入部を胆道や膵管内に挿入する際に使用する内視鏡用挿入補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療分野において、例えば胆道癌や膵臓癌、胆石症、総胆管結石などの胆・膵疾患に対する内視鏡的検査や治療が広く普及しつつある。これらは従来の外科的治療と比べて、低侵襲であり、患者への負担が少ない利点がある。
【0003】
これらの検査法及び治療法の1つとして、例えばERCP(Endscopic Retrograde Cholangio-Pancreatography:内視鏡的逆行性膵胆造影)が知られている。ERCPは、内視鏡を用いて胆道や膵管に造影剤を注入して、その部分をX線透視装置によって撮影する診断手法である。造影剤の注入方法は、まず、内視鏡の挿入部を十二指腸まで挿入する。そして、挿入部の鉗子口からカニューレ(細い管)を出して、十二指腸乳頭から胆道や膵管へ選択的にカニューレを挿入し、カニューレを通じて胆道や膵管に造影剤を注入し、その部分をX線透視装置によって撮影する。
【0004】
また、一般に胆道鏡や膵管鏡と称される細径内視鏡の挿入部を胆道や膵管に挿入することによって、胆道や膵管の内部における狭窄部の有無の確認、細胞や組織の採取検査(細胞診、生検)、結石の除去などを行う方法も知られている。
【0005】
かかる状況下において、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入する際、内視鏡用挿入補助具(オーバーチューブやスライディングチューブともいう。)が併用されている。内視鏡用挿入補助具の一例として、特許文献1には、内視鏡の挿入部を挿通させてガイドとして用いる筒状体からなり、筒状体の側壁部の先端側に挿入部の先端が通過可能な開口部が設けられたものが開示されている。この内視鏡用挿入補助具によれば、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入する際、挿入部に筒状体を被せた状態で挿入することにより、挿入部の余分な屈曲や撓みを防止しながら、挿入部の挿入操作を容易に行うことが可能となる。また、筒状体の側壁部の開口部から挿入部の先端を出して体腔内(例えば胆道内)に誘導する際、開口部の縁部で挿入部を受け支えながら挿入することにより、挿入部を体腔内の深部まで容易に押し進めることが可能とされている。
【0006】
また、特許文献2には、上記筒状体の側壁部に形成された開口部よりも先端側に膨縮可能なバルーンを備えたものが開示されている。この内視鏡用挿入補助具によれば、上記のように筒状体を被せた挿入部を体腔内の所望の位置まで挿入した後、バルーンを膨張させて体腔内の内壁に密着させることにより、側壁部の開口部を所望の位置(例えば十二指腸乳頭に対向する位置)に保持しておくことができる。また、開口部から内視鏡の挿入部の先端を出して、挿入部の先端をJ字状にして基端側(例えば胆道内)に誘導する際に、挿入部がバルーンの上面により受け支えながら案内されるため、挿入部を容易に押し進めることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭60−185532号公報
【特許文献2】特開昭62−22623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1,2に開示される従来の内視鏡用挿入補助具では、筒状体の側壁部の開口部から挿入部の先端をスムーズに導出させるには、内視鏡の操作、特に湾曲部の湾曲操作に習熟している必要があり、容易に手技を行うことができないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、筒状体の側壁部の開口部から内視鏡の挿入部を円滑且つ容易に導出させることができるようにした内視鏡挿入補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明に係る内視鏡用挿入補助具は、内視鏡の挿入部が挿通される挿通路を有する筒状体と、前記筒状体の側壁部の先端側に設けられ、前記挿入部の先端部が通過可能な側壁開口部と、前記挿通路に配置され、前記挿通路に挿入された前記挿入部を前記側壁開口部の先端側に案内する案内面を有する案内部材と、を備え、前記案内部材は、前記案内面を前記筒状体の軸方向に対して斜めに傾けた傾倒状態と前記筒状体の軸方向に対して略平行にした退避状態との間で遷移可能な可動型の案内部材であり、
前記案内面は、前記傾倒状態及び前記退避状態のうち、前記傾倒状態のときに前記挿入部を前記側壁開口部に案内可能であることを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、内視鏡の挿入部を側壁開口部に案内する案内部材が設けられているため、内視鏡の湾曲操作に習熟していない施術者であっても、円滑且つ容易に挿入部を側壁開口部から導出させることができる。
【0012】
本発明では、前記案内面は、前記筒状体の側壁部に軸支された支持部を中心にして前記傾倒状態と前記退避状態との間で回動可能に構成されていることが好ましい。
【0013】
本発明では、前記案内部材の前記支持部側の端部が、前記側壁開口部の先端よりも基端側に配置されていることが好ましい。
【0014】
本発明では、前記支持部は、前記側壁開口部の近傍位置に設けられていることが好ましい。この発明によれば、案内面の支持部側の端部が筒状体(側壁開口部)の先端側に配置され、案内面の支持部側の端部が筒状体の基端側に配置される構成となる。
【0015】
本発明では、前記案内面を前記傾倒状態と前記退避状態との間で切替可能な操作手段を備えていることが好ましい。この発明によれば、操作手段によって案内面を傾倒状態と退避状態とで切り替えることによって、挿入部を側壁開口部から導出する場合と導出しない場合のいずれにおいても挿入部の挿入操作が行い易くなる。
【0016】
本発明では、前記案内面を前記傾倒状態及び前記退避状態のいずれか一方の状態から他方の状態に向かう方向に付勢する付勢手段を備え、前記操作手段は、前記案内面を前記付勢手段が付勢する方向とは反対方向に操作する手段であることが好ましい。本発明によれば、傾倒状態と退避状態のいずれか一方の状態に付勢する付勢手段を備えることによって、操作手段によって案内部材を操作する操作方向も一方でよく、案内部材の操作の手間を低減できる。
【0017】
本発明では、前記側壁開口部よりも先端側となる前記筒状体の外周面に膨縮可能なバルーンが配置されたことが好ましい。この発明によれば、バルーンを膨張させて体腔内の壁面に当接することによって側壁開口部の位置を安定した状態で保持することができ、側壁開口部から導出した挿入部を所期の位置に導くことが容易となる。
【0018】
本発明では、前記案内部材は、前記傾倒状態において、前記筒状体の前記側壁開口部と反対側の側壁部内面に当接することが好ましい。
【0019】
本発明では、前記案内部材は、折り曲げ可能な部材であり、前記挿入部の押圧力に応じて前記傾倒状態と前記退避状態との間で遷移可能な可動型の案内部材であることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、筒状体の側壁部の開口部から内視鏡の挿入部を円滑且つ容易に導出させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係る挿入補助具が適用された内視鏡装置を示す外観図
【図2】内視鏡の挿入部の先端部を示す斜視図
【図3】挿入補助具の先端付近の構成例を示した概略図(平面図)
【図4】挿入補助具の先端付近の構成例を示した概略図(側断面図)
【図5】挿入補助具の先端付近の構成例を示した概略図(正断面図)
【図6】挿入補助具の案内弁の動作の説明に使用した説明図(側断面図)
【図7】挿入補助具のバルーンが膨張した状態を示した側断面図
【図8】挿入補助具を用いて内視鏡の挿入部を胆道に挿入する手順を示した説明図
【図9】挿入補助具を用いて内視鏡の挿入部を胆道に挿入する手順を示した説明図
【図10】挿入補助具を用いて内視鏡の挿入部を胆道に挿入する手順を示した説明図
【図11】挿入補助具の案内弁の操作ワイヤに関する他の実施の形態を示した側断面図
【図12】他の実施の形態の挿入補助具の先端付近の構成例を示した概略図(平面図)
【図13】他の実施の形態の挿入補助具の先端付近の構成例を示した概略図(側断面図)
【図14】図13の挿入補助具の案内弁の動作の説明に使用した説明図(側断面図)
【図15】図13の挿入補助具の案内弁を操作ワイヤで制御する場合の説明に使用した説明図(側断面図)
【図16】他の実施の形態の挿入補助具の先端付近の構成例を示した概略図(側断面図)
【図17】図16の形態の変形例を示した概略図(側断面図)
【図18】図16の形態の変形例を示した概略図(側断面図)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係る内視鏡用挿入補助具(以下、単に「挿入補助具」という。)60が適用された内視鏡装置を示す外観図である。図1に示すように内視鏡装置は、主として、内視鏡10と、挿入補助具60とから構成される。
【0024】
内視鏡10は、手元操作部14と、この手元操作部14に連設され、体内に挿入される挿入部12とを備える。手元操作部14には、ユニバーサルケーブル16が接続され、このユニバーサルケーブル16の先端に不図示のライトガイド(LG)コネクタが設けられる。LGコネクタは不図示の光源装置に着脱自在に連結され、これによって後述の照明光学系54(図2参照)に照明光が送られる。また、LGコネクタには、電気コネクタが接続され、この電気コネクタが画像信号処理等を行うプロセッサに着脱自在に連結される。
【0025】
手元操作部14には、送気・送水ボタン28、吸引ボタン30、及びシャッターボタン32が並設されるとともに、一対のアングルノブ36、36が設けられる。
【0026】
挿入部12は、手元操作部14側から順に軟性部40、湾曲部42及び先端部44で構成され、湾曲部42は、手元操作部14のアングルノブ36、36を回動することによって遠隔的に湾曲操作される。これにより、先端部44を所望の方向に向けることができる。
【0027】
図2に示すように、先端部44の先端面45には、観察光学系52、照明光学系54、54、送気・送水ノズル56、鉗子口58が設けられる。観察光学系52の後方にはCCD(不図示)が配設され、このCCDを支持する基板には信号ケーブル(不図示)が接続される。信号ケーブルは図1の挿入部12、手元操作部14、ユニバーサルケーブル16等に挿通されて電気コネクタまで延設され、プロセッサに接続される。よって、観察光学系52で取り込まれた観察像は、CCDの受光面に結像されて電気信号に変換され、そして、この電気信号が信号ケーブルを介してプロセッサに出力され、映像信号に変換される。これにより、プロセッサに接続されたモニタに観察画像が表示される。
【0028】
図2の照明光学系54、54の後方にはライトガイド(不図示)の出射端が配設されている。このライトガイドは、図1の挿入部12、手元操作部14、ユニバーサルケーブル16に挿通され、LGコネクタ内に入射端が配設される。したがって、LGコネクタを光源装置に連結することによって、光源装置から出射された照明光がライトガイドを介して照明光学系54、54に伝送され、照明光学系54、54から前方に照射される。
【0029】
図2の送気・送水ノズル56は、図1の送気・送水ボタン28によって操作されるバルブ(不図示)に連通されており、さらにこのバルブはLGコネクタに設けた送気・送水コネクタ(不図示)に連通される。送気・送水コネクタには不図示の送気・送水手段が接続され、エア及び水が供給される。したがって、送気・送水ボタン28を操作することによって、送気・送水ノズル56からエア又は水を観察光学系52に向けて噴射することができる。
【0030】
図2の鉗子口58は、図1の鉗子挿入部46に鉗子チャンネル(不図示)を介して連通されている。よって、鉗子挿入部46から鉗子等の処置具を挿入することによって、この処置具を鉗子口58から導出することができる。また、鉗子口58は、吸引ボタン30によって操作されるバルブ(不図示)に連通されており、このバルブはさらにLGコネクタの吸引コネクタ(不図示)に接続される。したがって、吸引コネクタに不図示の吸引手段を接続し、吸引ボタン30でバルブを操作することによって、鉗子口58から病変部等を吸引することができる。
【0031】
一方、図1に示した挿入補助具60は、把持部62、チューブ本体64とを備えている。チューブ本体64は筒状に形成され、内視鏡10の挿入部12が挿通可能なように挿入部12の外径よりも大きな内径を有している。また、チューブ本体64は、可撓性のウレタン系樹脂の成形品であり、その外周面には潤滑コートが被覆され、内周面にも潤滑コートが被覆されている。チューブ本体64には、図1に示す硬質の把持部62が水密状態で嵌合され、チューブ本体64に対して把持部62が着脱自在に連結されている。なお、挿入部12は、把持部62の基端開口部62Aからチューブ本体64に向けて挿入される。
【0032】
ここで、チューブ本体64の構成について詳説する。図3〜図5は、チューブ本体64の先端付近の構成例を示した概略図であり、図3は平面図、図4は側断面図(図3中4−4線に沿う断面図)、図5は正断面図(図3中5−5線に沿う断面図)である。
【0033】
図3〜図5に示すように、チューブ本体64の内部には、チューブ本体64の軸方向に沿って挿通路66が延設され、チューブ本体64の先端と基端にその挿通路66の端部となる開口が形成されている。以下、先端の開口を先端開口部67という。
【0034】
挿通路66は、内視鏡10の挿入部12(図1参照)が挿通される管路であり、軸方向に直交する断面形状が略円形状に形成されている。図1の把持部62の基端開口部62Aから内視鏡10の挿入部12を挿入すると、挿入部12がチューブ本体64の基端の開口から挿通路66内に進入し、そのまま挿入部12を挿通路66に沿って押し進めていくと、挿入部12が挿通路66内を挿通させてチューブ本体64の先端開口部67から導出させることができるようになっている。
【0035】
チューブ本体64の先端側の側壁部65には、チューブ本体64の軸方向を長手方向とする長円状の貫通孔からなる開口部68(以下、側壁開口部68という)が設けられている。この側壁開口部68は、挿通路66に挿通された挿入部12が通過可能なサイズを有する孔部であり、開口部68の開口幅(チューブ本体64の軸方向に垂直な方向の長さ)は内視鏡10の挿入部12の外径(直径)よりもやや大きく、その長さ(チューブ本体64の軸方向の長さ)は開口幅よりも十分に大きく形成されている。これにより、後述するようにチューブ本体64の挿通路66に挿入した挿入部12を湾曲操作することによって、挿入部12の先端をチューブ本体64の側壁開口部68を通じて外側に導出することができるようになっている。なお、把持部62には、側壁開口部68の向きを示す指標86(図1参照)が設けられていることが好ましい。
【0036】
また、チューブ本体64の挿通路66には、側壁開口部68の先端近傍の位置においてチューブ本体64の軸方向に直交する方向を支軸82Aとして揺動可能に支持された案内弁82が設けられている。案内弁82は、板状に形成されており、その基端側の両側面には図5に示すように軸ピン84、84が突設されている。それらの軸ピン84は、チューブ本体64の側壁部65に埋設される軸受部材88、88に回動可能に軸支されると共に、軸受部材88、88と軸ピン84、84の間に介在する例えばねじりコイルばねにより、所定の回転方向に付勢されている。
【0037】
なお、案内弁82の支軸82A側の端部が、側壁開口部68の先端側の端部よりも基端側となるような位置に案内弁82を設けることが好ましい。
【0038】
これにより、案内弁82は、図4に示すように軸ピン84の位置を支軸82A(支点)として図中A−B方向に揺動可能に支持され、図6(A)に示すようにチューブ本体64(挿通路66)の軸方向に対して傾斜して、案内弁82が設けられた位置よりも先端側の挿通路66を閉鎖する傾倒状態と、図6(B)に示すようにチューブ本体64(挿通路66)の軸方向に対して略平行となり、案内弁82が設けられた位置よりも先端側の挿通路66を開鎖する平行状態(退避状態)とで間で遷移するようになっている。また、案内弁82は、A方向に付勢されており、後述の操作ワイヤ90によって案内弁82に牽引力を加えない限り、図6(A)のように傾倒状態で保持されるようになっている。なお、傾倒状態では、案内弁82の先端部分が図5のように挿通路66の内壁面に当接してそれ以上のA方向への回動が規制されている。また、案内弁82を所定方向に付勢する付勢手段は、上記のねじりコイルばねによるものに限らない。
【0039】
一方、案内弁82は、操作ワイヤ90によってB方向に牽引されるようになっている。操作ワイヤ90は、例えば、案内弁82が平行状態のときよりも傾倒状態のときの方が、操作ワイヤ90の巻回量が多くなる方向に軸ピン84に巻回されて取り付けられている。これによって、操作ワイヤ90を弛緩した状態では、案内弁82が図6(A)の傾倒状態となり、操作ワイヤ90を基端側に牽引すると、図6(B)の平行状態となるように案内弁82がB方向に回動するようになっている。
【0040】
操作ワイヤ90は、図5に示すようにチューブ本体64の側壁部65内に軸方向(長手方向)に沿って延設されたワイヤ用管路92の内部を挿通し、操作ワイヤ90の先端部が案内弁82の近傍位置でワイヤ用管路92から挿通路66内に導出されて案内弁82の軸ピン84に取り付けられるようになっている。また、図1に示すようにワイヤ用管路92に連通する管路を有するワイヤ用チューブ94が延設されており、そのワイヤ用チューブ94の基端開口から操作ワイヤ90の基端側が延出されている。したがって、施術者は、ワイヤ用チューブ94の基端開口から延出されている操作ワイヤ90の基端側を把持して牽引又は弛緩する操作を行うことによって、案内弁82を上記のよう平行状態と傾倒状態とで切り替えることができるようになっている。
【0041】
内視鏡10の挿入部12を把持部62の基端開口部62Aからチューブ本体64の挿通路66内に挿入した際に、操作ワイヤ90を牽引して案内弁82を平行状態にすると、挿入部12を挿通路66の先端まで挿入することができ、先端開口部67から挿入部12を導出させることができる。なお、一旦、挿入部12を案内弁82の位置を通過させれば、その後は、操作ワイヤ90を牽引しておく必要はなく、弛緩させてもよい。一方、挿入部12が案内弁82の位置を通過する前に操作ワイヤ90を弛緩して案内弁82を傾倒状態にしておくと、挿入部12は、案内弁82により側壁開口部68の方向に案内されるため、挿入部12を側壁開口部68から容易に導出させることができる。
【0042】
なお、案内弁82は、傾倒状態のときに挿入部12が挿通路66の内壁(チューブ本体64の側壁部65の内面)との隙間から案内弁82よりも先端側の挿通路66に挿通しない程度の大きさ、形状であればよい。
【0043】
更に、図3、図4、図6に示すように、チューブ本体64の側壁開口部68よりも先端側の側壁外周面には、膨縮自在のバルーン96が取り付けられている。このバルーン96は、チューブ本体64の側壁部65内に軸方向に沿って延設された流体管路98に連通しており、その流体管路98は、チューブ本体64の基端側に延設された図1に示すチューブ74内の管路に連通している。チューブ74の端部にはコネクタ76が設けられており、そのコネクタ76によりチューブ74がバルーン制御装置78に接続されるようになっている。
【0044】
バルーン制御装置78は、コネクタ76により接続されたチューブ74内の管路にエア等の流体を供給し、また、チューブ74内の管路から流体を吸引する装置である。バルーン制御装置78によりチューブ74内の管路に流体を供給することによって、その管路に供給された流体が、チューブ本体64の流体管路98を流れてバルーン96内に注入される。これにより、図7に示すようにバルーン96がチューブ本体64の周りに環状に膨張する。一方、バルーン制御装置78によりチューブ74内の管路から流体を吸引することによって、バルーン96内に注入された流体がバルーン96内からチューブ本体64の流体管路98に排出され、流体管路98及びチューブ74内の管路を流れてバルーン制御装置78に吸引される。これにより、バルーン96が収縮するようになっている。
【0045】
次に、上記の如く構成された内視鏡装置の操作方法について、図8〜図10を参照しながら説明する。ここでは、内視鏡10の挿入部12を胆道104内に挿入する場合を一例に説明するが、膵管106内に挿入する場合についても同様である。
【0046】
まず、内視鏡10の挿入部12に挿入補助具60を被せて、図8に示すようにチューブ本体64の挿通路66内に挿入部12を挿通させ、この状態で挿入部12及びチューブ本体64を患者の口から挿入し、内視鏡10のアングルノブ36、36を操作して湾曲部42を適宜湾曲動作させながら、胃を経由して十二指腸100内まで挿入する。このとき、操作ワイヤ90を基端側に牽引することによって案内弁82を図6(B)のように平行状態にして挿入部12を案内弁82よりも先端側の挿通路66に進入させ、先端開口部67から挿入部12の先端を導出させた状態となっている。また、バルーン96は収縮した状態となっている。
【0047】
次に、内視鏡10の先端面45の観察光学系52により観察される観察像により十二指腸乳頭102を確認すると、図9に示すように、挿入補助具60を十二指腸100の深部(先端側)に押し込み、チューブ本体64の側壁開口部68が十二指腸乳頭102に対向するように位置合わせを行う。そして、バルーン制御装置78によりバルーン96に流体を注入してバルーン96を膨張させて、バルーン96を十二指腸100の内壁に密着させることによって、十二指腸100内でのチューブ本体64の位置を固定し、チューブ本体64の側壁開口部68を十二指腸乳頭102に対向する位置に保持する。
【0048】
次に、挿入部12を湾曲操作しながら押し進めて、図10に示すようにチューブ本体64の側壁開口部68から挿入部12の先端を導出し、その先端を十二指腸乳頭102から胆道(総胆管)104内に挿入する。このとき、操作ワイヤ90を弛緩して案内弁82を図6(A)のように傾倒状態にしておくことによって挿入部12を押し進めた際に挿入部12が案内弁82に案内されて容易且つ円滑に側壁開口部68から導出される。また、挿入部12の先端側を湾曲部42によりJ字状に湾曲させて胆道104内に挿入する際に、湾曲部42がバルーン96の外面により受け支えられながら挿入部12の先端が案内されるため、挿入方向への力が有効に働き、容易に挿入部12の先端を胆道104内に挿入することができる。そして、その後、徐々に挿入部12の先端を深部へと押し進めることができる。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態の挿入補助具60によれば、チューブ本体64の案内弁82によって容易且つ円滑にチューブ本体64の側壁部65に設けられた側壁開口部68から内視鏡10の挿入部12を導出させることができる。また、膨張させたバルーン96に受け支えられながら挿入部12を容易に胆道104や膵管106に挿入することができる。更に、挿入部12を側壁開口部68から導出する際に、本実施の形態のように案内弁82の先端側(チューブ本体64の先端側となる案内弁82の端部)を回動支点にして基端側をチューブ本体64の内壁面に当接させることによって傾倒状態で案内弁82を固持しているため、案内弁82の基端側を回動支点として先端側を側壁開口部68に向けて傾倒状態に固持する場合と比較して、挿入部12からの負荷に抗して案内弁82の回動を規制して傾斜状態に固持するための特別なロック機構等が不要であり、構成の簡素化を図ることができる。
【0050】
なお、内視鏡10を十二指腸乳頭102から胆道104や膵管106に挿入するのではなく、例えば、ERCPの際に内視鏡10の先端面45を十二指腸乳頭102の近傍に近づけた状態で保持し、内視鏡10の鉗子口58からカニューレを導出させて、十二指腸乳頭102から胆道104や膵管106へ選択的にカニューレを挿入し、カニューレを通じて胆道104や膵管106に造影剤を注入するという操作も可能である。
【0051】
また、内視鏡10を十二指腸乳頭102から胆道104や膵管106に挿入して胆道104内や膵管106内を観察する場合には、内視鏡10として鉗子チャンネルを備えていない極細の挿入部の内視鏡を用いてもよい。
【0052】
以上、上記実施の形態では、チューブ本体64の案内弁82は、図6(A)のように操作ワイヤ90を弛緩した状態で傾倒状態となるように付勢されていたが、操作ワイヤ90を弛緩した状態で図6(B)のように平行状態となるように上記実施の形態とは逆方向(B方向)に付勢されていてもよい。この場合、操作ワイヤ90は、例えば、案内弁82が傾倒状態のときよりも平行状態のときの方が、操作ワイヤの巻回量が多くなる方向に巻回して取り付けるようにすればよい。これによって、操作ワイヤ90を弛緩した状態では、案内弁82が図6(B)のように平行状態となり、操作ワイヤ90を基端側に牽引すると、図6(A)の傾倒状態となるように案内弁82がA方向に回動するようになる。
【0053】
また、上記実施の形態では、チューブ本体64の案内弁82を牽引する操作ワイヤ90を案内弁82の軸ピン84に取り付けるようにしたが、これに限らず、案内弁82に取り付けてもよい。例えば、図11のように案内弁82がA方向に付勢されている場合において、チューブ本体64の側壁部65内に延設されたワイヤ用管路を挿通した操作ワイヤ90を、傾倒状態の案内弁82に対してB方向側となる位置から挿通路66内に導出させるようにし、操作ワイヤ90に先端を案内弁82の先端部分に固着するようにしてもよい。また、上記実施の形態のように案内弁82をA方向又はB方向に付勢する付勢手段を設けることなく、1本又は複数本の操作ワイヤの押し引き操作によって、傾倒状態と平行状態とで切り替えるようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施の形態では、チューブ本体64の先端にバルーン96を設けた態様を示したが、必ずしもバルーン96を設ける必要はない。
【0055】
次に、上記挿入補助具60のチューブ本体64(案内弁82)の他の実施の形態について説明する。なお、以下で説明する他の実施の形態において、上記実施の形態(以下、第1の実施の形態という)と同一符号を付した構成要素は、第1の実施の形態と同一又は類似作用の構成要素を示し、説明を省略する。
【0056】
図12、図13は、第2の実施の形態のチューブ本体64の先端付近の構成例を示した概略図であり,図12は平面図、図13は側断面図(図12中13−13線に沿う断面図)である。
【0057】
これらの図に示すようにチューブ本体64の先端側の側壁部65には、U字状の切り込み150が入れられ、その切り込み150で囲まれた部分が挿通路66内に押し込まれることによって、案内弁152と側壁開口部68が形成されている。また、案内弁152は、チューブ本体64の円筒面と連結されている部分で曲がり癖が付けられており、図13のように案内弁152の端部152A(チューブ本体64の基端側となる端部)が、挿通路66の中央付近に保持されるようになっている。これによって、案内弁152の端部152Aの位置において、挿通路66内に、チューブ本体64の先端開口部67へと通じる案内口154Aと、チューブ本体64の側壁開口部68へと通じる案内口154Bが形成されている。
【0058】
これによれば、チューブ本体64の挿通路66に挿入した内視鏡10の挿入部12をチューブ本体64の先端開口部67から導出させる際には、挿入部12の先端を案内口154A側に寄せて押し進める(案内弁152に所定以上の押圧力を加える)ことによって、挿入部12の先端が案内弁152によって側壁開口部68に案内されることなく、例えば、図14(A)のように案内弁152が変形して(チューブ本体64(挿通路66)の軸方向に対して略平行に変形して)退避状態となり、挿入部12の先端が先端開口部67に向けて挿通路66内を進行する。なお、挿入部12の直径等によっては、図14(A)のように案内弁152がチューブ本体64の先端側に屈曲するのではなく、側壁開口部68を閉塞する方向に退避する場合もある。
【0059】
一方、挿入部12をチューブ本体64の側壁開口部68から導出させる際には、挿入部12の先端を案内口154B側に寄せて押し進めると共に挿入部12の湾曲部42の湾曲操作を適宜行う(案内弁152に所定以上の押圧力を加えない)ことによって、図14(B)のように案内弁152がチューブ本体64の軸方向に対して更に傾斜し、これによって挿入部12が側壁開口部68の方向に案内されて、側壁開口部68から導出される。
【0060】
また、内視鏡10の挿入部12の先端付近の外周面に例えば環状のバルーンを備えたものが従来知られており、挿入部12を案内口154Bに挿入した際にその挿入部12のバルーンを膨張させて案内弁152を傾斜させて案内口154Bを拡大し、その後、その挿入部12のバルーンの膨縮を制御しながら挿入部12を側壁開口部68へと導くようにしてもよい。
【0061】
なお、上記案内弁152は操作ワイヤによって制御できるようにしてもよい。例えば、図15に示すようにチューブ本体64の側壁内に軸方向に沿って延設されたワイヤ用管路の内部を挿通する操作ワイヤ160又は操作ワイヤ162の先端を案内弁152の端部等に取り付け、操作ワイヤ160又は操作ワイヤ162を弛緩した状態で案内弁152が図13に示した状態、又は、チューブ本体64(挿通路66)の軸方向に対して略平行の状態となるようにし、操作ワイヤ160又は操作ワイヤ162を牽引すると図14(B)のように傾倒状態となるようにしてもよい。
【0062】
図16は、第3の実施の形態のチューブ本体64の先端付近の構成例を示した側断面図である。本実施の形態は、第1の実施の形態で示した図4の構成例と比較して、案内弁82を回動可能に支持する支軸82Aの位置が、チューブ本体64の先端側となる位置ではなく、基端側となる位置に設けられている点と、操作ワイヤ90が設けられていない点で相違し、その他は第1の実施の形態と同様に構成されている。また、案内弁82は、第1の実施の形態と同様にねじりコイルばね等の付勢手段により図中A方向に付勢されて、図中実線で示すようにチューブ本体64の軸方向に対して傾斜した傾倒状態となっている。
【0063】
これによれば、チューブ本体64の挿通路66に挿入した内視鏡10の挿入部12をチューブ本体64の先端開口部67から導出させる際には、挿入部12の先端が案内弁82に当接した後も、案内弁82に付勢力に抗して、挿入部12を押し進めることによって、案内弁82が支軸82Aを支点としてB方向に回転する。そして、図中破線で示すようにチューブ本体64の軸方向に対して略平行となる平行状態となり、内視鏡10の先端が先端開口部68に向けて挿通路66内を進行する。
【0064】
一方、挿入部12をチューブ本体64の側壁開口部68から導出させる際には、挿入部12の湾曲部42を湾曲操作して側壁開口部68に向けて進行させることにより、挿入部12が傾斜状態の案内弁82によって案内されて、側壁開口部68から導出される。
【0065】
なお、本実施の形態の案内弁82の付勢手段として、第1の実施の形態のように案内弁82の支持する支持手段にねじりコイルばねのような付勢手段を設ける場合に限らず、図17のように案内弁82とチューブ本体64の側壁部65との間にばね部材170を設けて、案内弁82をA方向に付勢するようにしてもよい。この場合、案内弁82の支持手段に対してねじりコイルばねのような付勢手段を組み込む必要がないため、案内弁82の一端をチューブ本体64の側壁部65に直接固着して案内弁82を支持させることが可能であり、案内弁82の支持手段を簡素化できる。
【0066】
また、第1の実施の形態と同様に操作ワイヤによって案内弁82をB方向に回動させて、傾倒状態から平行状態(退避状態)に遷移できるようにしてもよい。
【0067】
更に、上記実施の形態とは逆に案内弁82を所定の付勢手段によりB方向に付勢するようにし、操作ワイヤによって案内弁82をA方向に回動させるようにしてもよい。
【0068】
また、案内弁82を所定方向に付勢するねじりコイルばねのような付勢手段を案内弁82の支持手段に設けることなく、操作ワイヤ等によって案内弁82をA方向とB方向の所望の方向に回動させるようにしてもよい。例えば、操作ワイヤを使用する方法以外に、図18に示すように案内弁82とチューブ本体64の側壁部65との間に膨縮可能なバルーン180を設置する方法もある。これによれば、バルーン180にエア等の流体を注入することによって図18(A)のように案内弁82が傾倒状態となり、バルーン180内から流体を排出することによって図18(B)のように案内弁82が平行状態(退避状態)となる。なお、バルーン180は、バルーン96と同様にチューブ本体64の側壁内に軸方向に沿って延設された流体管路に連通され、その流体管路がバルーン制御装置に接続されることによって、流体の注入と排出が行われる。このように案内弁82の支持手段に付勢手段を組み込まない場合には、案内弁82の一端をチューブ本体64の側壁部65に直接固着して案内弁82を支持させることが可能であり、案内弁82の支持手段を簡素化できる。
【0069】
以上の第2、第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様にチューブ本体64先端のバルーン96は必ずしも設ける必要はない。
【0070】
以上、本発明の内視鏡用挿入補助具について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0071】
10…内視鏡、12…挿入部、14…手元操作部、16…ユニバーサルケーブル、36…アングルノブ、40…軟性部、42…湾曲部、44…先端部、45…先端面、46…鉗子挿入部、52…撮影光学系、58…鉗子口、60…挿入補助具、62…把持部、62A…基端開口部、64…チューブ本体、66…挿通路、67…先端開口部、68…側壁開口部、74…チューブ、76…コネクタ、78…バルーン制御装置、82、152…案内弁、82A…支軸、84…軸ピン、86…指標、88…軸受部材、90、160、162…操作ワイヤ、92…ワイヤ用管路、94…ワイヤ用チューブ、96、180…バルーン、98…流体管路、100…十二指腸、102…十二指腸乳頭、104…胆道、106…膵管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の挿入部が挿通される挿通路を有する筒状体と、
前記筒状体の側壁部の先端側に設けられ、前記挿入部の先端部が通過可能な側壁開口部と、
前記挿通路に配置され、前記挿通路に挿入された前記挿入部を前記側壁開口部の先端側に案内する案内面を有する案内部材と、
を備え、
前記案内部材は、前記案内面を前記筒状体の軸方向に対して斜めに傾けた傾倒状態と前記筒状体の軸方向に対して略平行にした退避状態との間で遷移可能な可動型の案内部材であり、
前記案内面は、前記傾倒状態及び前記退避状態のうち、前記傾倒状態のときに前記挿入部を前記側壁開口部に案内可能であることを特徴とする内視鏡用挿入補助具。
【請求項2】
前記案内面は、前記筒状体の側壁部に軸支された支持部を中心にして前記傾倒状態と前記退避状態との間で回動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項3】
前記案内部材の前記支持部側の端部が、前記側壁開口部の先端よりも基端側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項4】
前記支持部は、前記側壁開口部の近傍位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項5】
前記案内面を前記傾倒状態と前記退避状態との間で切替可能な操作手段を備えことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項6】
前記案内面を前記傾倒状態及び前記退避状態のいずれか一方の状態から他方の状態に向かう方向に付勢する付勢手段を備え、
前記操作手段は、前記案内面を前記付勢手段が付勢する方向とは反対方向に操作する手段であることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項7】
前記側壁開口部よりも先端側となる前記筒状体の外周面に膨縮可能なバルーンが配置されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項8】
前記案内部材は、前記傾倒状態において、前記筒状体の前記側壁開口部と反対側の側壁部内面に当接することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内視鏡用挿入補助具。
【請求項9】
前記案内部材は、折り曲げ可能な部材であり、前記挿入部の押圧力に応じて前記傾倒状態と前記退避状態との間で遷移可能な可動型の案内部材であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用挿入補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−213435(P2012−213435A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79218(P2011−79218)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】